1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
唯「ただいま〜」
唯「ふ〜暑い暑い。こういう時はやっぱりアイスアイス〜♪」
パカッ……ヒヤ……ヒヤ……
唯「アイスを食べる前に感じるこの冷気……たまんないよね〜」
唯「さ〜て本命のアイスアイスはどこで……」
ひらさわっ……ひらさわっ……
唯「アイスが……ない……!」
唯「も、もう一回探してみよう!」
カシャカシャ……シュコンッシュコンッ……
唯「んむう〜……」
唯「やっぱりないよっ……!」
唯「まさか憂が買いそびれた……?」
唯「いやいや憂に限ってそんなこと……」
唯「……はっ!」
思い出した……!
追憶……
遡ること数日前……
唯「憂〜アイス〜」
憂「お姉ちゃん最近食べ過ぎだよ?」
唯「で、でもぉ……アイス美味しいから……」
憂「アイスのせいにしちゃ……めっ!」
唯「ふえっ!」
憂「これからは一週間に3本だけにします! お姉ちゃんのためなんだからね!」
唯に電流走る──
唯「そ、そんなぁ……!」
唯「そんなことがあったね……うん」
唯「で、でも今日は火曜日の筈っ……月曜日からカウントして1日で三本なくなるなんてことありえないよ……!」
唯「昨日は帰って来てから一本でしょ〜」
唯「ご飯の後に一本……?」
唯「お風呂上がりに……」
唯「あ……ああっ……!」
唯「知らない間に三本食べてるよっ……私っ……!」
続けなさい
唯「つまり次の月曜日まで……アイスが食べられないっ……!?」
唯「無理だよそんなの……アイスは私のガソリンだよ……?」
唯「アイスは命よりも……重くはないけど……食べたい!」
唯「あ! 買いに行けばいいんだ!」
唯「そうと決まったら早速コンビニにレッツラゴーだよ……!」
ひらさわ……ひらさわ……
圧倒的コンビニ!
「しゃーせー」
唯「アイスアイス〜」
唯「うわぁ〜……コンビニのアイスはおしゃれさんばっかりだね〜」
唯「どれにしようかな〜」
唯「う〜ん……」チラッ ハゲダツコーナー
唯「バカバカっ! あそこはブルジョア以外立ち入り禁止だよっ! 私みたいな一般庶民が……」チラッ
反り立つ、ハゲダツコーナー!
唯「アイスの王様〜お姫様〜♪」
唯「今日は奮発しちゃおっと!」
唯「ふぁ〜……この感触と重みだけでとろけそう」
唯「っとレジレジとっ」
焦らず書きたまえ
「しゃーせー。一点で277円になりやーす」
唯「ちょっと待ってくださいね〜……と、ん!?」
唯「んんん!!!!???」
唯「んんんんん!!!???」
唯「……あ、あゝの」
「はい?」
唯「やっぱり……やめます……(やめます……やめます……」
唯「(おこづかい……もらってませんでした……)」
ひらさわっ……ひらさわっ……
唯「アイス……アイス……」トボトボ
唯「アイス……アイス……!」トボトボ
唯「アイス……! アイス……!」トボトボ
唯「アイスうううううううううううううう!!!!!!!」ダッダッダッダッ
梓「何消防署みたいにウンウン唸りながら走ってるんですか唯先輩」
唯「あ、あずにゃんアイス……」
梓「アイス……?」
唯「……食べたい」
C
×消防署
○消防車
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/11(月) 00:47:34.46 ID:SwPHOm020
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|oCo
|―u'
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <コトッ
| ミ ピャッ!
| C
唯「このアイスキンキンに冷えてるよっ……!」
梓「まあさっき買ったばかりですからね。溶けないうちにどうぞ」
唯「ありがとうっ……!」
唯「うまっ……うまっ……」
唯「涙が出るよっ……!」
梓「そんな大袈裟ですよ唯先輩」
唯「犯罪的だよあずにゃんっ……美味しすぎるよっ……!」
梓「喜んでもらって良かったです」
唯「溶けそうだよっ……!」
梓「ああもう、塊こぼしてますよ唯先輩」フキフキ
唯「走り回って火照った体に……ソーダ味のガリガリ君が染み込む染み込むっ……!」
梓「そうですか」
唯「外側はガリッとコーティングされているにもかかわらず……中はシャクシャク氷の粒がまた歯ごたえ抜群っ……!」
梓「美味しそうに食べますね唯先輩」
唯「ガリガリ君のためならやりかねないよっ……練習だってっ……!」
梓「練習は普通にしてくださいよ」
唯「んーっ! んーっ!」チュウチュウ
梓「ああっ! もうっ! アイスの棒チュウチュウするのやめてください!
高校生にもなって全くもう……!」
唯「はあ……幸せな一時ともこれでお別れか……」
梓「そんな永遠の別れみたいな顔しないでくださいよ。1本60円なんですからまた買えますよ」
唯「……ありがとう、あずにゃん……アイスおごってくれて。
今度何かお返しするね……」
梓「はあ」
唯「じゃあね……あずにゃん……」
梓「はい。気をつけて」
アイスの棒をベンチに置き忘れる程の労落ぶりっ……!
もはやクズカゴに捨てる気力さえない……!
何 故 な ら !
唯「おこづかい……アイス買うからって止められてるんだ……(さっき思い出した)」
梓「なっ……!」
梓は思う!
可哀想だと!!!
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/11(月) 01:04:14.43 ID:7SxGdEBu0
|∧∧
|・ω・`) そ〜〜・・・
|o o
|―u' C
| ∧∧
|(´・ω・`)
|o ヾ
|―u' C <スッ
| ミ ピャッ!
|
梓「(アイスさえ買えないなんてっ……! 唯先輩不憫過ぎますっ……!)」
梓「(憂も憂だよっ! アイスぐらい少しぐらい食べさせてあげたって……!)」
梓「(でも……私も今月欲しいCDとかいっぱいあるし……あんまりおごったりするのは良くないってお母さんが……)」
梓、悩む!
大好きな唯先輩の笑顔か!
それともCDか!
二者択一の狭間の中で揺れ動く、デッドライン!
梓「……はっ!」
そこでようやく気付いた!
あるものに!
ベンチの、アイス棒に!!!
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/11(月) 01:10:51.01 ID:xxa9mUIo0
なんか独特なリズムだね
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/11(月) 01:11:39.91 ID:ZewCVRQi0
丁度さっきカイジの録画見たんだわ
唯「じゃあね……」トボトボ
梓「待ってください!!! 唯先輩!!!」
唯「んぅ?」
ニヤリと微笑む梓!
その手に握られた一つの切符!
灼熱の外界から身を守る唯一の盾!
梓「未来は……」
唯「あ……あ゛あ゛っ……!」
梓「私の手の中に……!」
あ た り
あ た り!
あ た り!!!!!!!!
もう一本……!
お代わり……!
しかもタダで……!
圧倒的幸運……!
正に僥幸っ……! これを僥幸と言わずしてなんと言う……!
唯「はうわぁあっ!!」
唯もこれに連動!
狂喜乱舞!
唯「あ、あた、あたあた」
まるで世紀末の救世主の様にあたあたと、連呼!
梓「もう一本……! お代わりですっ……! 唯先輩っ……!」
唯「あ、あずにゃん……いいの?」
梓「はい……私なんかより唯先輩みたいにアイスをこよなく愛する人が使った方がこのあたり棒も幸せでしょう」
唯「あずにゃ……あずにゃん……!」
頭を垂らし、泣きながら感嘆!
嬉し泣き!
梓「はいこれ」
唯「あたり……うへへ」
梓「じゃあ私はこれで」
唯「ちょっと待ってあずにゃん!」
梓「はい?」
唯「一緒に来てくれない?」
梓「別にいいですけど……」
コンビニ
「しゃーせー」
唯「あ、あの! あたり!」
「うわっwwwwwwすげぇwwwwwwあたり棒wwwwww」
唯「あの」
「初めて見たwwwwwwちょwwwwww写メいいッスか?wwwwww」
唯「え? は、はあ……」
「うはwwwwwwこれはレアwwwwwwじゃあこれ持ってwwwwww」
唯「へ?」
「隣の子も並んでwwwwww」
梓「はあ…」
「じゃあ行くよwwwwwwガーリガーリ君」パシャ
唯梓「」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/11(月) 01:26:06.09 ID:Y1WElpUrO
嫌な予感がする…
唯「なんか変な人だったね〜」
梓「ですね」
パカッ
唯「はいあずにゃん」
梓「えっ? これって」
唯 「ガリガリ君パッカリだよ! 二人で食べられるようになった新商品!」
梓「唯先輩……わざわざこれをくれるために私を?」
唯「うん! 二人で食べた方がアイスも美味しいからね〜」
梓「……ふふ、そうですね」
二人でアイスをほうばる
唯「あずにゃんこのアイス……!」
梓「はい……!」
唯梓「キンキンに冷えてやがるっ……!」
──
「全く……あなたも人が悪いですね」
「ふふ……悪いわね……わざわざ全部当たりのアイスにするなんてことさせちゃって……」
「いえ……とんでもないですよ……あなたの頼みなら断れませんしね……琴吹お嬢様……」
「ふふっ……ふひょひょ……ふひゃひゃひゃひゃっ……!」
「唯ちゃんと梓ちゃんのツーショットっ……!」
「まさに至極の一枚っ……!」
「体に染み込む染み込むっ……!」
唯「たらいま〜」
憂「お姉ちゃぁん?」
唯「ひっ! 憂、憂……ど、どうしたの?」
憂「純ちゃんがさぁ……コンビニで……梓ちゃんとお姉ちゃんが仲良くアイス食べてる姿を見たって言うんだけどさ……違うよね……?」
唯「しょ、しょのぉ……それは……きっと人違いでありますっ!」
憂「写メールも来てるんだけどなぁ……?」チラッ
唯「そ、そいつはルパンだよ! 追え〜〜」ダッダッダッダッ
ガシッ
唯「あ」
憂「」ニコッ
面白いと思って書いてんのかなこれ
憂「1 0 5 0 年 アイス抜きっ!!!!お姉ちゃんなんて知らないっ!!!」
唯「ごめんよ憂いいいいいいいいいいいいい」
唯「焼き土下座でもなんでもするからああああああ!!!」
唯「だからアイス抜きはやめてええええええええええええ」
お わ り
>>30 思ってるだけならまだしもっ……口に出したら戦争だろうがっ……!
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/11(月) 01:41:32.32 ID:Y1WElpUrO
とりあえず乙
最後中の人変わったか?
34 :
忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2011/04/11(月) 01:44:59.64 ID:SwPHOm020
いや、うん
普通だったよ、別に
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
おつ〜