( ^ω^)は相棒(仮)と戦うようです

このエントリーをはてなブックマークに追加
1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
投下遅いと思いますがよろしくお願いします
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:22:38.52 ID:bS4sTQvO0
乙!面白かった!!
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:23:04.27 ID:12C+IOn3O
期待
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:23:13.81 ID:dSOUTtkK0
( ^ω^)は相棒(仮)と戦うようです

( ^ω^)「さて、いよいよこの日がきたお」

待ちに待った国軍への入隊、その日がようやくやってきた

( ^ω^)「かーちゃんの見送りが無いのはさみしいお・・・」

かつて国軍で戦っていた父
まだブーンが幼かった頃に戦死した

( ^ω^)「まあ仕事だし仕方ないお・・・」

父がいなくなってから家の家計は著しく厳しくなり、母は毎日ほとんどを仕事に費やしていた

( ^ω^)「それじゃ!いってくるお!」

いつか出世して、かーちゃんに楽をさせてあげる
位こそ高くは無かったが、多くの敵を討ち取ってきた父に劣らぬ功績を勝ち取る
それはブーンがずっと夢見てきたことだった

───( ^ω^)は相棒(仮)と戦うようです───
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:25:35.34 ID:dSOUTtkK0
ブーンが住む火の国、そしてその火の国と50年前から争い続けている水の国
このたった二つの国の間の争いが50年経っても終わらない理由
それは40年前ほどに誕生した「意思を持つ武器」だった
その武器は使用者を選び、選ばていない者がその武器を持とうとすれば刃がその身へ襲いかかった
しかし、一度武器に選ばれれば、持ち主の意思で形を変え、さらにその武器自身が持ち主を守ろうとすることもある
そんな使い勝手のいい武器だった
この武器が誕生し、両軍は一進一退を繰り返していた

もちろん新兵がそんなものを持てるはずもなく、ある程度の階級に進むまでは従来使われていた剣や弓などの武器が配給されていた
なぜかひたすら昇格を拒み続け、戦場で部隊長として戦うことを選んだブーンの父は例外としてこの「意思を持つ武器」を使っていたそうだ

そのうちこの武器と鉱石にも名前が付いた
武器のほうには使用者を選ぶ武器、ということで「セレクター」というストレートな名前が
鉱石のほうにはこの火の国と水の国が存在する大陸の名前を取り「エイウン鉱石」という名前が付いた
どうやらこの呼名は火の国だけではなく、水の国にも浸透している様子だった
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:27:31.42 ID:dSOUTtkK0
( ^ω^)「やっとついたお・・・うわ人めっちゃおる」

ブーンの前には千人ほどの新兵が列を作っていた
案外進みはよく、すぐにブーンの番がやってきた

( ^ω^)「えっと・・・この入隊許可証を見せてと・・・」

*(‘‘)*「ブーン・カロルドさんですね!これから厳しい訓練が続きますが頑張ってください!」

( ^ω^)「は、はいですお!がんばりますお!」

( ^ω^)(かわいいやばいかわいい国軍天国かお)

*(‘‘)*「チッ・・・そろそろ疲れたから変わってくれるー?ねえ聞いてるちょっとー?」

( ^ω^)(うん現実は厳しいねうん)

軍の内部に足を踏み入れるとさっきのうぬぼれを忘れさせるような光景が広がっていた
太陽の光を反射して光る剣、たくさんの兵士がそれを振るっている
そして右側にはたくさんの的を射ろうとする弓矢隊の姿があった
さすが国軍、というところだった
彼らがいるから自分はここまで平和に過ごせてこれたのである
今日から自分がこの軍の兵士となると思うと、気分の高揚とともに重い重圧ものしかかった
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:29:26.85 ID:dSOUTtkK0
( ^ω^)(セレクターを使ってる人を早く観てみたいお・・・)

( ゚∀゚) 「おおおおおおおおおおおいいいいいいいいい!」

( ^ω^)「ん?」

( ゚∀゚)「ぶうううううううううううううううううううん!」

( ^ω^)「も、もしかしてジョルジュ!ジュルジュかお!」

( ゚∀゚) 「ひさしぶりだな!ブーン!いやーたくましくなったなお前!」

( ^ω^)「ものすごく声でかい割とマジで鼓膜破けるマジで」

( ゚∀゚) 「いやー!とりあえずお互い入隊試験通過できてよかったな!」

( ^ω^)「まああんなもん毎日鍛錬を欠かさなかったブーンにかかれば楽勝だお!」

( ゚∀゚) 「いや!絶対俺も負けてないぞ!風呂に入る時間も惜しんで走ってたからな俺は!」

( ^ω^)「いやそれいろいろとだめだろいや人間的に」
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:31:33.97 ID:dSOUTtkK0
ジョルジュとは長い付き合いだった
二年前まではよく一緒に鍛錬を積んだものだった
しかしジョルジュの家族が高地の農場に移ることになり、さらなる高みを目指すためにもジョルジュはついて行った
ジョルジュは一緒に農場に来ないか、と誘いを掛けてくれた
正直自分も付いて行きたかったが、かーちゃんを支えるためにもジョルジュと別れ、家に残った

そのジョルジュと再開できたのは本当に嬉しいことだった

<ヽ`∀´>「おい新兵ども!バルケン元帥がありがたい話をしてくれるニダ!早く集まるニダ!」

( ^ω^)「じゃぼくらもそろそろいくかお!」

( ゚∀゚)「だな!」

<国軍本会堂>

( ,'3 )「新兵の皆!よくぞ集まってくれた!私がこの誇り高き火の国の軍隊を統べるバルケンだ!」

( ,'3 )「ぜひ君たちには多くの鍛錬を積んでもらい!いち早くセレクターの適合者となってほしい!」

( ,'3 )「そしてこの国軍の次世代を担う人材となってほしいのだ!」
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:33:14.20 ID:dSOUTtkK0
( ^ω^)「やっぱ元帥までになると迫力が違うお・・・」

( ゚∀゚)「俺達も早くセレクター使いたいよな・・・」

ポケットにお守りがわりとしていつも入れている父のセレクターの柄を見た
戦死した一年後に届いたものだ
父の戦死した場所が敵陣になったため、なかなか死体の回収もできなかったそうだ
その後すぐに火の国は怒涛の攻めを見せ、一年で無事自領に戻してみせた
しっかりとエイウン鉱石は抜かれており、本来鉱石が入るべきところには大きな穴が空いていた
たとえ鉱石が入っていても使用者に戦う意思が無い場合は刃は出てこない
その柄が元帥の首に掛けられていた

家に飾ってある写真、胸にセレクターを光らせながら幼い自分を抱く父の姿を思い出した
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:33:20.38 ID:IY5itfnc0
支援
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:34:20.25 ID:dSOUTtkK0

ブーンたちが入軍してから二ヶ月、特に目立つこともなく時は過ぎて行った

( ^ω^)「ふー!疲れたお!訓練も終わったことだし飯いくお!」

( ゚∀゚)「だな!あれだけ動くと腹減ってしかたないぜ!」

今は休戦期間、食料も豊富であり食事には期待できた
噂だと次の戦争は年明けだそうだ
今は6月、余裕があるというわけでもないが切羽詰っているわけでもなかった
もちろんブーンたち新兵が参加するはずもなく、日々ひたすら訓練だけの日々だった
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:37:08.76 ID:dSOUTtkK0
( ゚∀゚)「いやー!今日は肉とレタスのサンドイッチか!うめえな!」

( ^ω^)「だお!やっぱ肉が一番だお肉!」

(´・ω・`)「お、ブーンとジョルジュ、ぼくもとなりいい?」

( ^ω^)「お!ショボーン!もちろんだお!」

( ゚∀゚)「おいショボーン!今日サンドイッチだぜサンドイッチ!くれ!くれ!」

(´・ω・`)「いやぼくもすきだから絶対あげないよ絶対」

( ゚∀゚)「冗談だよ冗談!」グー

( ^ω^)「マジで食い足りないのかお・・・」

ショボーンとは訓練で知り合った
たまたまペアを組む練習で一緒になったのである
温厚な性格だったが、体つきはなかなかのものだった
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:37:30.35 ID:TYO9et7m0
割りと好み
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:38:10.93 ID:ulZO2qFN0
夢のある武器だな
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:38:32.73 ID:dSOUTtkK0

(´・ω・`)「そういえば今度エイウン鉱石を運ぶ部隊を守る任務があるらしいよ」

( ^ω^)「そうなのかお。でもそんな任務たくさんなかったかお?ぼくらは参加してないけど」

(´・ω・`)「それが今回は新兵も何人か連れて行くらしいんだよ」

( ^ω^)( ゚∀゚)「まじかよおおおおおおおおおおおおお!」

(´・ω・`)「ちょっと落ち着いてよふたりともちょっとサンドイッチ落ちる」

( ^ω^)「何人かってことは選抜試験があるんだお?いつやるんだお!」
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:40:14.19 ID:dSOUTtkK0
(´・ω・`)「多分そうだと思うよ。いつやるかはわかんないけどあと正確には何十人みたいだよ。あと今回は僕たちD隊の中からだけの選抜だってさ」

( ^ω^)「D隊500人のなかからの何十人ってことかお・・・すごいお・・・」

( ゚∀゚)「噂によると他の隊はガンガン任務に出てるみたいだけどな」

( ^ω^)「もしかして実力順にアルファベット付けられたりするのかお・・・?」

(´・ω・`)「いや、多分それは無いと思うよ。D隊にはあのギコ・アルマータがいるし」

ギコ・アルマータ。日々の訓練を見ていると特別ずば抜けていた
流れるような剣さばき、頭も相当切れるようだった
あのギコと打ち合いで当たって勝ったものは居ないそうだ
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:42:31.02 ID:dSOUTtkK0
( ^ω^)「僕たちもやっと任務に出れるチャンスが回ってきたお!がんばるお!」

絶対にこのチャンスを勝ち取る、そう思うと体が熱くなった

それから一週間後、予想通り特別招集が掛かった

( ´∀`)「それじゃあ、みんなそろったでしょうか」

この穏やかそうな目をした人が僕たちのD隊の指導係、モナー少佐だった
口調も優しく、いい意味で佐官とは思えなかった
最近は目立った戦も無いため、自ら新兵の訓練を名乗りでたようだ
腰でセレクターが光っている

( ´∀`)「今回はみんなにお知らせがあって集まってもらいました」

部隊が騒がしくなった
みんな期待に胸をふくらませているようだった

( ´∀`)「来月に輸送部隊の護衛の任務が回ってきました。今回は新兵に経験を積ませるためにこのD隊から50人つれていくことになりました」

部隊の中で歓声が上がる。だが冷静な兵士は1/10という壁の高さに戸惑っているようだった
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:45:02.74 ID:dSOUTtkK0
( ^ω^)「1/10かお・・・なかなか厳しい数字だお・・・」

( ゚∀゚)「俺は絶対この1/10に滑りこんでみせるぜ!」

(´・ω・`)「ぼくも頑張るよ!噂を聞いてから普段に増して鍛錬してたからね!」

( ´∀`)「今回はこの50人を選ぶために、勝手ながら最近の訓練の様子を観て、100人を選ばせてもらいました」

( ´∀`)「今からその100人を読み上げていきます。名前を読み上げられた方は向こうの武器庫の前に行ってください」

兵の中でまたざわめきが起きる
日々怠惰な訓練を送っていた兵士は入れないようだ
今まで必死に訓練してきたブーン達三人は有利なように思えた
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:46:29.91 ID:dSOUTtkK0
モナー少佐が淡々と名前を読み上げていった

( ´∀`)「....ジョルジュ・グルーニ」

( ゚∀゚)「よっしゃあ!」

ジョルジュの名前が呼ばれる
普段から口角の釣り上がった好色な顔立ちをしているが、さらに満面の笑みを浮かべていた

( ´∀`)「...ショボーン・アラッド」

(´・ω・`)「やった!」

ショボーンの名も呼ばれた
あまり感情は表に出さないほうだが、さすがに今回ばかりは喜びを隠せないようだった
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:48:37.00 ID:dSOUTtkK0
なかなかブーンの名前が呼ばれない
今まで必死に訓練してきた自分を信じる気持ちと不安が葛藤していた
自然と読み上げられた数を数えていた
もう今はすでに95だ

( ´∀`)「...ボルドル・エブルドル」

・・・96

( ´∀`)「...サイヘン・スゴインデス」

・・・97



( ´∀`)「...ブーン・カロルド」

(  ゚ω゚)「よっしゃああああああああああああああああああ!」
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:50:38.95 ID:dSOUTtkK0
自分を信じていた結果だった

( ^ω^)「三人とも選ばれて良かったお!」

(´・ω・`)「でもこの後はなにをするんだろうね・・・これを半数に減らす必要があるんだけど」

( ゚∀゚)「多分1対1で打ち合いさせるんじゃねえかな。勝ったほうを選ぶんだと思うぜ」

ジョルジュの考えどおりそのようだった
各自に打ち合いの相手が伝えられ、木剣を手渡された

( ´∀`)「ブーンくん...でしたね。ちょっと私の話なのですが、お父方がこの国軍で働いていらっしゃいませんでしたか?」

( ^ω^)「そうですお!バーン・カロルドですお!」
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:53:11.52 ID:dSOUTtkK0
( ´∀`)「やはりそうでしたか!いやあ・・バーンさんは本当に凄いお方でした。あの方にはなんども窮地を救っていただいて」

( ^ω^)「父の詳しい戦功は聞いていませんでしたお。きっとモナー少佐には及んでいないと思いますお・・・」

( ´∀`)「いえいえ、私などでは手の届かないところにいらっしゃいました。昇格こそ拒否していましたが、セレクターの腕で言えば間違えなく佐官クラスでした」

( ´∀`)「いやあ、敵部隊に単体突っ込んで壊滅状態にさせてきたこともありました。本当に歩く兵器、と呼んでも大げさではないくらいでしたよ

ザワザワザワ...

( ´∀`)「昔話はあとで個人的にしたほうが良さそうですね。すみません付きあわせてしまって」

( ^ω^)「いやいや全然そんなことないですお!機会があればまた聞かせて欲しいですお!」

( ´∀`)「ぜひ今度ご一緒にお昼でも食べましょう。それじゃあ本題の打ち合いの相手なのですが・・・」

( ^ω^)「はい・・・お願いします」

やけに間が長い。モナー少佐の穏やかな顔が若干引き攣っていた
モナー少佐が再び口を開いた
その名を聴いた瞬間、体の中の情熱が消えて行く気がした




( ´∀`)「ギコ・アルマータです」
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:55:22.65 ID:dSOUTtkK0
( ^ω^)「ギコ・・・アルマータ・・・」

もっとも聞きたくない名前だった
彼の打ち合いを見たとき正直全く勝てる気がしなかった
全く隙を見せない攻撃、流れるような剣さばき
ショボーンほどの体つきの男が10秒持たなかったほどだ
通常新兵は新人育成部隊に少なくとも2年は属さなければならない
その過程をすっとばしていきなり実戦部隊に入隊するなどという噂まで流れていた

( ´∀`)「厳しい戦いにはなると思います・・・だが今のギコには絶対に勝てないというわけではありません」

( ^ω^)「・・・なんでですお?」

( ´∀`)「彼は最近何故か利き腕の右手を庇っています」

( ´∀`)「おそらくなにかの理由で怪我を負っているのでしょう。包帯も巻いていましたし」

( ^ω^)「まだ希望はある・・・ってことですお?」
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:57:12.77 ID:dSOUTtkK0

( ´∀`)「そうですね・・・その右手をひたすら狙え、とはもちろん言いませんが・・・」

( ^ω^)「それはブーンのプライドが許さないですお!」

( ´∀`)「よかったです・・・正しい反応が得られて・・・やはりあのバーンさんの息子ですね」

( ´∀`)「なにはともあれギコは必ずどの程度かはわかりませんがパワーダウンしています。決して諦めず最後まで攻めつづけてください」

( ^ω^)「はいですお!絶対勝ってみせますお!」

そういったものの自分の中の不安は抜けなかった
怪我をしているといえども相手はあのギコである
自分の心を落ち着けながらひたすら貸しだしてもらった木剣を眺めていた
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 00:59:15.65 ID:dSOUTtkK0
( ゚∀゚)「よっしゃああああああああああああああああああああああああ!」

( ^ω^)(ジョルジュ・・・勝ったんだお・・・さすがだお・・・)

相変わらずジョルジュの声は大きく、ジョルジュたちの囲いまでは10mほどあったが平気で聞こえてきた

(´・ω・`)

ショボーンはひたすら無表情で剣を振るっている
一、二、三
木剣がぶつかりあう
折れてしまわないかと心配になったがどうやらそんな軟弱ではないようだ

ショボーンが軽くガッツポーズした
どうやら勝利したようだ

26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:01:24.51 ID:dSOUTtkK0
゚∀゚)「見た?見てたブーン?すごかっただろ?な?な?」

( ^ω^)「うん!なかなかだったお!」

( ^ω^)(緊張してて見てなかったなんて言えない)

(´・ω・`)「僕もなんとか勝てたよ・・・ブーンはまだだよね?」

( ^ω^)「そうだお・・・」

( ゚∀゚)「なんだよブーン!そんなビビんなって!実際本番入ればそんなでもねえぞ!」

( ^ω^)「・・・僕の相手、ギコ・アルマータなんだお」

( ゚∀゚)(´・ω・`)「・・・!」

二人の顔から血の気が引いていくのが分かった
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:03:14.54 ID:dSOUTtkK0
( ^ω^)「・・・正直言えば不安だお。でもびびってるわけにはいかないんだお」

( ^ω^)「僕は一個のチャンスも無駄にはしたくないんだお。頑張って父ちゃんを超えたいんだお。かーちゃんを安心させたいんだお」

(´・ω・`)「ブーン・・・お父さんも国軍だったんだね」

( ^ω^)「そうだお。でももう戦死しちゃったお。父ちゃんが命を掛けて守ろうとしたこの国を、僕も守りたいんだお」

( ゚∀゚)「・・・絶対勝ってこいブーン。ギコなんてたたき潰してこい!」

( ^ω^)「当たり前だお!勝ったらサンドイッチよこせお!」

( ゚∀゚)「いいぜ!この前勿体無くて部屋にもって帰ったやつがあるからな!2週間前に!」

( ^ω^)(ショボーンにもらおう)
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:05:27.18 ID:IY5itfnc0
wktk支援
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:06:38.55 ID:dSOUTtkK0
名前を呼ばれた
囲いに駆け寄る

無表情でギコがこちらを見ている
目を合わせているだけでプレッシャーを感じる
思わず目を逸らしてしまった

( ゚Д゚)「・・・」

( ^ω^)(凄い迫力だお・・)

( ゚Д゚)「お前には負けない」

( ^ω^)「の、のぞむところだお!」

腕の怪我を気にする様子もなかった
だがたしかに右腕には包帯を巻いていた

お互い無言で囲いの中に入った
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:07:56.50 ID:dSOUTtkK0
(~・ :・~)「はじめ!」

打ち合いが、はじまった

ギコがまず剣を振り下ろしてくる
それを素早く防いだ
本当に怪我をしているのか、そう思わせるほどの一撃の重さだ

( ^ω^)(胴体が空だお!)

隙を見せたギコの胴体に容赦なく叩き込む

( ^ω^)(っ・・・!)
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:09:27.58 ID:dSOUTtkK0
だがその攻撃も何も無いように弾かれた
そして逆にこちらが隙を見せてしまった
ギコもこちらの胴体に打ち込んでくる
この打ち合いは首に当てられたら即終了だ
胴体は2回、その他の部位は3回だ

その攻撃をどうにかガードし反撃に持ち込もうとする
だがギコはさらに首に追撃を入れてきた

その攻撃を素早くしゃがんで交わす
体中が熱かった

体を起こす反動を利用し剣を斬り上げた

( ^ω^)(これは・・・入るお!)
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:11:11.73 ID:dSOUTtkK0
だがギコの動きは速い
すぐに止められてしまった

( ^ω^)(続けて攻撃してガードを崩すお)

そう思い剣を持ち直した
またギコの胴体へと攻撃を入れる

だがギコは防御の構えへ入らない

( ^ω^)(・・・?)

不思議に思いながらも斬り込む
その瞬間ギコが軽やかに横に移動し、攻撃を流された

体勢が、よろけた
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:15:40.44 ID:dSOUTtkK0
焦って顔を上げる

だが目の前にはすでにギコの剣が近づいていた

( ^ω^)(・・・悔しいけどもうおわりだお・・・)

そう思った瞬間、不意にギコの動きが止まった

( ゚Д゚)「・・・!」

苦痛に歪んだ表情をしている
包帯が血で滲んでいた
傷が開いたようだった

すぐにギコが無傷の左手に剣を持ち替えようとする

この隙を逃したらもう勝機はないだろう
向こうも傷が開いたといえどもこちらもなかなか消耗している
素早く体勢を立て直した
ギコが剣を構えた
どちらが速いか、

( ^ω^)「おわりだおおおおおおおおおおおおお!」

( ゚Д゚)(っ!間に合わねえ!)

ギコが剣を強引に起こした

僅かの差でブーンの勝利だった
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:17:26.42 ID:dSOUTtkK0
(~・ :・~)「そこまで!」

審判の声が響いた
勝ったのだ、ギコ・アルマータに勝ったのだ

( ゚Д゚)「・・・別に怪我を恨んじゃいない」

( ^ω^)「・・・なんかすまなかったお。きっと万全の状態の君には勝てなかったと思うお」

( ゚Д゚)「俺はこの状況でも勝たなくてはならなかった。次こそお前を叩き潰す」

( ^ω^)「ブーンもギコの怪我が治るまでに上達するお!絶対に負けないお!」

( ゚Д゚)「・・・名前は」

( ^ω^)「ブーン、ブーン・カロルドだお!」

何故か少し笑みを浮かべてギコは建物の中へ入っていった
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:19:00.66 ID:12C+IOn3O
しえしえ
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:20:57.58 ID:dSOUTtkK0

( ゚∀゚)「すごかったぜブーン!例え怪我をしていたっていってもあのギコに勝ったのはすごいぜ!」

(´・ω・`)「ガードからの反撃なかなかの動きだったと思うよ!」

( ^ω^)「・・・ありがとうだお。でも素直には喜べないお」

( ^ω^)「あの最後の一撃、ギコが怪我していなかったら間違えなく負けてたお」

( ^ω^)「ブーンはいつかギコと真剣に勝負して勝ちたいお!また目標が増えたお!」

(´・ω・`)「ブーンらしいねえ、その向上心は見習うよ」

( ゚Д゚)「あ!そういえばサンドイッチやる約束だったな!ちょっと取ってくるからまっt
( ^ω^)「絶対いらないお丁重にお断りするお」

( ゚Д゚)「いやちょっと緑色になってるだけだから安心だぜ!」

(´・ω・`)「ねえジョルジュカビって知ってる?」

( ^ω^)「まあ何はともあれ任務に向けて訓練だお!」

( ゚Д゚)(´・ω・`)「おー!」

とりあえず第一のチャンスは勝ち取った、そう思っていた


だがこれはチャンスなどではなかった
人生最大の「アクシデント」だったのだ
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:21:47.36 ID:FDnnyvmGO
抹茶
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:24:22.13 ID:dSOUTtkK0
第一話投下完了です
支援してくださった方々ありがとうございました
初のブーン系で至らぬところはあったと思います
これからも続けていくつもりですので読んでいただけたら幸いです
おそらくタイトルの由来も次回ではっきりすると思います
2話の投下は明後日のこの時間帯になります
ぜひ次回もご支援お願いします
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:24:47.45 ID:9hODLDaa0
アルファのパクリっぽい
ドクオがいないの珍しいな
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:25:20.73 ID:12C+IOn3O
乙ー
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:26:47.97 ID:TYO9et7m0
おつー
確かに初期のアルファっぽいのかな?
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:28:37.46 ID:U5S08G6S0
これは期待せざるおえない

おつ
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:31:18.05 ID:IY5itfnc0
乙ー
次回もwktkwktk
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 01:34:12.84 ID:dSOUTtkK0
>>39
>>41
確かににちょっとアルファさんと被る感じはあるかもしれないです・・・
戦争がテーマなので
世界観で個性を出していけるよう頑張ります

おそらくドクオは次回登場すると思います
今頑張って頭で練ってます
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
応援してんよ〜