1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
土曜日、喫茶店。
澪「えっと、なんか悪いな。急に呼び出して」
和「別にいいわよ。どうせ暇だったし」
澪「うん……」
和「それで、私になんの用かしら?」
澪「えっと、大したことじゃないんだけど……」
和「そうなんだ。じゃあ私、帰るね」ガタッ
澪「いやいや、大したことある! 大いにあるから!」
和「最初からそう言えばいいのに」
澪「ごめん」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:12:32.85 ID:lOqtz2u9O
和「じゃあ、その用とやらを聞こうかしら」
澪「分かった。実は……」
店員「コーヒーお持ちしました」
澪「律を私のモノにしたいんだ」
和「……」
澪「……」
店員「……」
和「えっと、なんてコメントしたら」
店員「コ、コーヒー。ここに置いて置きます!」ガタッ、スタコラ
和「随分と乱暴な店員ねぇ」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:14:06.42 ID:nHF7JZAw0
みてるぞ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:17:36.45 ID:lOqtz2u9O
澪「へ、変だったかな」
和「何が?」
澪「その……律を私のモノに、って」
和「そうね。いきなりそんなことを言われたら、誰だって驚くわね」
澪「だ、だよな」
和「どうして、そんなことを思ったのかしら?」
澪「い、言わなきゃダメかな?」
和「意味もなく私に、そんな相談されても困るから」
澪「そ、そうだよな」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:21:17.81 ID:lOqtz2u9O
澪(ちゃんと言わないと)
店員「オレンジジュースを……」
澪「私は律のことが好きなんだ!」
和「へぇー、そうなんだ」
店員「……」
和「あっ、置いて行って構いませんよ」
店員「す、すいませんでした!」スタコラ
和「慌ただしい人ね」
澪「それで、和。私の相談……」
和「あぁ、ごめんなさい。澪は律のことが好きなのよね」
澪「う、うん」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:26:45.38 ID:lOqtz2u9O
和「それで、律を自分のモノにしたいと」
澪「そう」
和「でも、どうして? 好きなら告白すればいいじゃない」
澪「それが出来るなら、和に相談なんかしないよ」
和「それもそうね」
澪「あと、女の子同士っていうのも……」
和「互いの合意があればいいんじゃないかしら?」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:32:41.95 ID:lOqtz2u9O
澪「律、なんかそういうの嫌そうだし。それに、周りの目とか……」
和「うーん。でも、同性愛なんて、よくあることよ」
澪「そ、そうなのか?」
和「あら、知らないの。同性愛ってね、女性は一割、男性は六割の割合で存在してるらしいわよ」
澪「ほ、ほんとか!?」ガタッ
和「えぇ。さっきもトイレ行った時、男子トイレから変な声が聞こえたわ。あれは間違いなく、ボーリング作業中ね」
澪「ボ、ボーリング?」
和「穴開け作業」
澪「……」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:36:27.84 ID:F3uTPQBtP
オブラートに包んだのをわざわざ言わせる痴女
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:36:49.35 ID:TtIy73rT0
______
/ : : : : : : : : ::丶
/: : :イ/=======\`丶、 <必殺支援ビンタ!
/: : :リ´ `´ ヽ: く
j: : : :| _, ,_ ト: :', / ヽ ○ \ l
<: _| : | C C |: :│ / 'l  ̄ ̄ _/
<: _い:| | ̄| |: :│ ':::::::::::::::::::::::::::::::\
∠ |: :.:ゞ / 'l 八 :| /:::::::::::::::::::,'|::::l::::::::::ヽ
|ハ: ト  ̄ ̄ ノ V /::::::::| :: /::/ |::∧::|:::::::ヽ
ヽ( ̄ ̄ ̄ 彡 _/ヽ_ ヽヽ l/ / V:::::ヽ
'――― 彡 \ / | | | ̄| |:::::::| ほすっ!
//\| ノノ / 'l |:::::::|
 ̄ ̄ ノ|:::::::|
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:40:01.81 ID:lOqtz2u9O
和「だから澪も、何も心配なく律に告白しなさい」
澪「でも、フラれたら?」
和「それはそれで諦めなさい」
澪「それだと私が困る!」
和「どうしてよ」
澪「律が好きで堪らないんだ! 諦め切れないんだ!」
澪「だから、確実に成功させる方法を教えて欲しいんだ!」
和「……」
和(困ったわね。これは、私の知恵を使ってでも厳しいわね)
和(澪にモノを生やす、なんてのは不可能だし……多分、生えたら律を掘りそうだわ)
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:45:44.59 ID:lOqtz2u9O
澪「のどかぁ〜」ウルウル
和「泣かないの!」
和(さて、どうしよっか。確実に成功させる方法といえば……)
和「あっ、そうだ」
澪「な、何か思い付いたのか!?」
和「えぇ。ちょっとね」
和(成功するかは分からないけど、試してみる価値はありそうだわ)
澪「そ、それで」
和「早い話がね。律に催眠術をかければいいのよ」
澪「さ、催眠術?」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:51:18.72 ID:lOqtz2u9O
和「そっ。それで律を自分の思うがままに操ればいいのよ」
澪「でも、催眠が解けたら」
和「カメラなりテープに、証拠を残せばいいのよ。それで、その事実を突き付ければいいわ」
澪「な、なんか脅してるみたいで可哀相な気がする」
和「これしか方法が思いつかないわよ」
澪「だ、だけど私は律を支配しようとかは……」
和(めんどくさいわねぇ)
和「あくまでこれは一つの手段よ。別にやらなくてもいいから」
澪「そ、そうする」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:53:38.20 ID:04HvYJ/N0
ほぅほぅ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:55:13.13 ID:lOqtz2u9O
和「でも、律に催眠術を書けて思い通り……なんかゾクゾクしない?」
澪「えっ?」
和「ほら、律って犬っぽくない?」
澪「そ、そうかなぁ」
澪(どっちかと言ったら……猿?)
和「そんな律に、あんなことやこんなこととか」
澪「あ、あんなこと……」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:01:05.72 ID:QJeMpQ2a0
ほぅ・・・
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:02:13.02 ID:lOqtz2u9O
和「律を手なずけるのよ。そうしたら」
澪「そうしたら……」
和「澪の思うがままね」
澪「!」
律『澪、可愛がって!』
澪『あはは、可愛いなー』ナデナデ
律『澪、大好き!』ニッコリ
澪「なんか、いいかも!」
和「でしょ」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:06:29.64 ID:fcxTTnl/0
C
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:06:48.58 ID:lOqtz2u9O
澪「興奮しそう」
和「濡れそうでしょ?」
澪「それは分からない」
和「……」
澪「だけど私に、催眠術なんて使えるかなぁ」
和「なんならウチ来る? 確か押し入れに、催眠術に関する本あったから」
澪(何に使うんだろうか?)
和「どうする?」
澪「じゃ、じゃあ。お願いします」
和「よろしい」
律→澪はあっても澪→律はない
ましてや好きとか愛してるとか簡単に言ってのける澪の片思いには反吐がでる
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:10:19.35 ID:F3uTPQBtP
けいおん厨って難しいのね
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:10:46.22 ID:lOqtz2u9O
―――――
真鍋家、和の部屋。
和「えっと、確か……」ガサゴソ
澪「これじゃないかな?」
『サルでもわかる催眠術』
和「これだわ」
澪「それにしても、なんでこんな本が?」
和「小学生の頃、唯が催眠術に嵌まっててね」
澪「なんで?」
和「テレビの影響よ」
澪「なるほど、唯らしいや」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:15:41.24 ID:lOqtz2u9O
和「何度、実験台にさせられたことか」
澪「それで、和は催眠術にかかったのか?」
和「えぇ、かかったわ」
澪「ほんとに!?」
和「唯が『和ちゃんは私を好きになれ!』って言ったおかげで、私はそれにかかってしまったわ」
澪「そ、そうなんだ」
和「だけど、すぐに解けたわ」
澪「どうして?」
和「『私は憂が一番好き』なんて言うから」
澪「……」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:20:05.18 ID:ngx/0igQO
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:20:17.40 ID:lOqtz2u9O
和「おかげで、そのあとの副作用が大変だったわ」
澪「ふ、副作用なんてあるのか!?」
和「私の場合は唯の下着を盗むとかいう副作用が出たわ」
澪「それって泥棒……」
和「違うわ。そう、決して違うわ」
澪(どう見ても泥棒)
和「澪だって、律の下着を盗んだりしたでしょ」
澪「さ、さすがにそれはなかったよ」
和「変ね。これは世界の常識……」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:25:13.48 ID:lOqtz2u9O
澪「わ、分かったから! もう何も言うな!!」
澪(聡明な和のイメージが)
和「まぁ、今のは忘れてちょうだい」
澪(無理だよ)
和「それで、具体的なやり方はその本に書いてあるから」
澪「い、色んなやり方があるんだなぁ」ペラペラ
和「唯は五円玉をぶら下げてたわね」
澪「ベタだな」
和「お手軽に用意できるからね」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:29:23.21 ID:VuQgV997O
>>19 言いたいことはわかるけど澪→律はあるんじゃね
確かに超奥手な澪が簡単に好きとか
手に入れたいとか言うのは考えづらいけど
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:29:33.11 ID:lOqtz2u9O
澪「わ、私もそうしたらいいのかなぁ?」
和「それは澪に任せるわ」
澪「じゃあ、そうしてみるかな」
和「そう。なら私、成功を祈ってるね」
澪「あっ、うん」
和「今からやるの?」
澪「どうしようか?」
和「自分で決めなさい」
澪「じゃあ、明日にするよ」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:33:11.66 ID:lOqtz2u9O
玄関。
澪「じゃあ、和。ありがとうな」
和「えぇ、成功したら報告してね」
澪「あぁ。それじゃあ」
和「さよなら」
バタン!
和「ふぅー、とりあえずこれでいいわ」
和(さて、唯の下着をクンカクンカしますか)
和「おっと、その前に」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:37:39.48 ID:lOqtz2u9O
―――――
田井中家、律の部屋。
律「……うん、分かった。じゃあな」ピッ
律「さてと、勉強……」
Prrrr♪
律(おっ、電話……澪からか)
律「はいよ」
澪『あっ、律。私』
律「知ってるよ」
澪『明日、遊びに行っていいかな?』
律「明日は無理。家族と遊びに行くから」
澪『な、なんでだよ!』
律「しゃーないだろ。前から予定してたことだし」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:42:27.39 ID:lOqtz2u9O
澪『じゃあ明日、何時くらいに帰ってくるんだ!?』
律「そうだなぁ。夜の九時くらいかな」
澪『遅い! さっさと帰って来い!』
律「人の家の予定に文句つけんな!」
澪『なぁ頼むよ、りつぅー』
律(どうしたんだろ)
律「ったく、なんなんだよ」
澪『どうしても大事なことなんだよ』
律「あー、考えとくわ」
澪『うん、考えといて。じゃっ!』
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:43:59.89 ID:lOqtz2u9O
律「ったく、マジでなんなんだ?」
ガチャ!
聡「姉ちゃん、ゲームやろうぜ」
律「おっ、やるか」
聡「今日は負けないぜ」
律「また泣かしてやるよ」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:49:03.64 ID:lOqtz2u9O
―――――
翌日、真鍋家。
和「で、律が帰るまで私の所で待機なワケ」
澪「ついでに、催眠術の実験も兼ねて」
和「あら、私はモルモットなの?」
澪「だって、試せる相手がいないし」
和「そう。なら、私の部屋でやろっか」
澪「う、うん」
和の部屋。
和「それで、どの方法でやることにしたの?」
澪「やっぱり、ベタな五円玉」
和「だけど、紐についてるのは五十円玉ね」
澪「五円玉よりかは、十倍の効果あるかなって」アハハ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:53:28.50 ID:lOqtz2u9O
和「そうなんだ」
澪「それに昨日、ちゃんと練習したから大丈夫だよ」
和「相手いるじゃない。なら、今日も……」
澪「鏡に映った私なんだ」
和「……」
澪「一回だけやったけど催眠術にかかったよ。眠くなるってやったら、本当に眠くなったし」
和(それ単に自分が眠かっただけじゃないかしら)
澪「だから大丈夫、私を信じてよ和」
和「まぁ、澪がそこまで言うなら」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:58:13.28 ID:lOqtz2u9O
澪「よし、それじゃやるぞ」
和(まっ、私がおすすめした以上、仕方ないか)
和「遠慮なくやりなさい」
澪「いくぞ」
澪「和は私の言いなりになる」
ブラーン、ブラーン
和「……」キョロキョロ
澪「……」
和(ちゃっちいわね)
澪「ど、どうかな?」
和「そうね……特に何もないわね」
澪「あれー、おかしいなぁ」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:04:15.76 ID:lOqtz2u9O
和「ふふっ、でも私を言いなりにするだなんて……案外、澪ってSなのね」
澪「の、和?」
和「分かるわ。律はMでしょ」
澪「えっ?」
和「いつも使用許可の書類を提出し忘れるの、あれは『私に怒られたい』という願望があるからなのよね」
澪「……」
和「私がキツく言って泣きそうな顔をしたら、かなり来るわ」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:10:22.80 ID:lOqtz2u9O
澪「和って、変態なのか?」
和「変態? 人類はみんな変態よ」
澪「わ、私も……」
和「律を自分のモノにって考えで、かなりの変態よ」
澪「そ、そうなのか……」
和「だから」スッ
澪(えっ、耳元に何を……)
和「律を手に入れたら、二人ともじっくり可愛がってあげる」ボソッ
澪「!」
和「あら、今ので感じた?」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:19:14.55 ID:lOqtz2u9O
澪「そんなことない!」
和「顔が赤いわね」
澪「気のせいだ!」
和「ならいいけど」
Prrrr♪
澪「あっ、電話……律から!」ピッ
律『澪、私だよーん』
澪「律か?」
律『予定が早く済んだからさ、今から遊ばないか?』
澪「マジで!?」
律『マジだよ』
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:24:17.49 ID:lOqtz2u9O
澪「行く、すぐに行くよ!」
律『そっか。じゃあ、私の家で待ってるからな』ピッ
和「律から電話」
澪「そう。だから私、律の所に行くよ」
和「残念ね。お楽しみはこれからなのに」
澪「べ、別に和のお楽しみなんかいらないよ」
和「あら、ツンデレ?」
澪「違う! それじゃあ私、行くからな」
和「なんなら私も行って混ざろうかしら?」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:26:32.72 ID:ssT1jnNB0
支援
澪律か唯梓の次にくそだな
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:31:18.08 ID:lOqtz2u9O
澪「いらない! 私と律だけでいい!」
和「そっ、じゃあ頑張ってね」
澪「あぁ」
バタン!
和「あーあ、失敗したかしらねぇ。よかれと思ったんだけど」
和(なんにせよ、頑張りなさい)
和「あとは、手筈通りにやればいいわね」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:37:06.22 ID:lOqtz2u9O
―――――
田井中家、律の部屋。
律「いやー、私の用事だけすぐに済んだからさ」
澪「そうなんだ」
律「とりあえずゲームやるか? 昨日、聡とやった対戦ゲームが」
澪「そ、それよりもさ」
律「?」
澪「ちょっと面白いことをしないか?」
律「なんだ? 澪もゲーム持って来たのか?」
澪「そうじゃないけど……」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:42:32.07 ID:lOqtz2u9O
律「じゃあ、なんだよ」
澪「えっと、これなんだけど」
律「なんだそれ? 催眠術とかで見る、アレか?」
澪「そ、そう。実は私、催眠術に興味があるんだ」
律「催眠療法士にでもなるのか?」
澪「ま、まぁ。そんな感じかな」
澪(嘘だけどね)
澪「だから今から、律に催眠術をかけます」
律「へぇー、面白そうだな」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:47:09.88 ID:sw9CSaqP0
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:47:17.42 ID:lOqtz2u9O
澪「よし、いくぞ」
律「ばっちこい!」
澪(や、やってやるんだ)
澪「まずは簡単なのな」
澪「律はだんだん、眠くなる」
ブラーン、ブラーン
律「……」
澪「……眠くなった?」
律「いや、帰りの電車で寝たから眠くならない」
澪「……」
律「……」
澪「じゃあ、次だ!」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:53:57.57 ID:lOqtz2u9O
律「今度はなんだ」
澪「ちょっと待って!」ペラペラ
澪(次はどれをやれば……これだ!)
澪「律、目を閉じて」
律「あいよ」
澪「よし、それじゃあ暗示をかけてやる」
澪(あれ、このままキスした方がよくないかな? どうせ律は目を閉じてるんだし)
律「まだか?」
澪「わ、私がいいって言うまではダメだ」
律「文句が多い奴だな」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:59:04.39 ID:lOqtz2u9O
澪(べ、別に悪いことじゃないよな!)
律「……」
澪(なんで気付かなかったのだろか……ふふっ)
澪「じゃあ、行くぞ」
チュッ
律(ん? なんか唇に感触が)
澪(律の唇、柔らかいなぁ)
律(なんだろな?)
澪(よし、もういいだろ)
澪「律、いいよ」
律「あぁ」
澪「どうだった?」
律「なーんか唇に変な感触があったくらいかな。それ以外は別に」
澪「そ、そうか」
しえん
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:04:11.08 ID:lOqtz2u9O
律「今のはなんの効果がある催眠なんだ?」
澪「えっと、私の言うことをきく催眠、かな?」
律「なんじゃそりゃ? 私は澪の奴隷じゃねぇーぞ!」
澪「な、なんだよ。ただの冗談じゃないか!?」
律「なんか本気っぽかった」
澪「き、気のせいだよ」
律(怪しいなぁ)
澪「じゃあ次……」
律「ちょっと待て!」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:09:00.84 ID:lOqtz2u9O
澪「な、なんだよ」
律「澪。なんか企んでるだろ?」
澪「!」ギクッ
律「もしそうなら言ってみろ!」
澪「な、何も企んでないよ!」
律「そうか。なら、催眠術はなしだ!」
澪「えっ」
律「これから夕飯の買い物に行くからさ、わりぃな」
澪「そ、そんな」
律「お遊びならさ、また明日にでも付き合ってやるよ」
澪「……はい」
律「ごめんな」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:13:30.80 ID:TtIy73rT0
C
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:14:56.37 ID:lOqtz2u9O
―――――
翌日、屋上。
和「あら、ダメだったの」
澪「うん。なんか朝から律の奴、私を避けてるし」
澪「嫌われたのかな」
和(やっぱり澪に変なこと教えるんじゃなかったわ)
和「もう自分の口から告白すれば?」
澪「で、出来ないよ」
和「律のことが好きなんでしょ? だったら、もう押し倒すなりしなさい」
改めて考えるとやっぱり一期の11話って相当おかしかったんだな
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:19:19.24 ID:lOqtz2u9O
澪「だ、誰もそこまでしないし!」
和「私は昔、唯にやったことあるわ」
澪「えぇー!」
和「大丈夫よ。唯自信は覚えてないから」
澪「そういう問題なの!?」
和「そうよ」
澪「……やっぱダメだ。律を襲うなんて」
ガタッ!
澪「ひっ!」
和「半開きの扉が風で閉まっただけよ」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:25:33.09 ID:lOqtz2u9O
澪「ほっ」
和「それで、どうするの?」
澪「……もう、催眠とかには頼らない! 私自身の口からちゃんと言う」
和「なら最初からそうすればいいもの」
澪「そうだよ。当たって砕けろの精神で行けばいいんだよ」
和「砕けてどうするのよ」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:31:08.24 ID:lOqtz2u9O
澪「律に告白して、絶対に律を私のモノにするんだ!」
和(そういう独占欲は強いのね)
澪「絶対にやってやる!」
和「頑張りなさい」
和(その後で、じっくり二人を堪能するから)ニヤリ
和(さて、腹ごしらえに唯のパンツを……)
憂「あっ、和さん」
和「憂じゃない。どうしたの?」
憂「ちょっと、ブツを引き取りに」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:33:40.35 ID:lOqtz2u9O
和「ブツ?」
憂「とぼけないで下さい。小学生の頃、お姉ちゃんから盗んだ」
和「あれは盗みじゃなく拝借よ」
憂「どっちも同じです!」
和「そうなんだ。じゃあ私、生徒会に行くね」
憂「まだお昼休みですよ」
和「……」
憂「話はじっくり聞きますね」ニコッ
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:37:16.75 ID:TtIy73rT0
よん
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:41:42.85 ID:lOqtz2u9O
―――――
放課後、部室。
律「みんな掃除かぁ」
律(暇だ)
律「おっ、メトロノームじゃん……おりゃ」
カチ、カチ、カチ、カチ
律「……」
私の言うことをきく
律(なんだ?)
私の言うことをきく
律(澪が昨日、私に言ったことか……なんであいつ、あんなことを)
カチ、カチ、カチ、カチ
律(なんか……)
律「気になるな。よし」
アカン、積んだから
やめるわ
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:00:52.81 ID:Ns5gTWxji
やめないでくださいおねがいします
―――――
部室前
澪(今日はみんな用事で和は階段からこけて病院、か)
澪(律は部室にいるみたいだから、誘って帰るか)
澪(ついでに、告白してやる!)
ガチャ
澪「律、いるかー?」
澪(あっ、いたいた)スタスタ
律「……」スゥー
澪(ふふっ、寝てる。可愛い寝顔だ)
澪「……」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:08:21.33 ID:sw9CSaqP0
そんな殺生な
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:09:56.73 ID:TtIy73rT0
憂やべえ
澪「ちょっとくらい、いいかなぁ」スゥー
律「……ううっ」
澪(ヤバい、起きる!)
律「……みーお?」
澪「そ、そうだよ。律、一緒に……」
律「澪!」ギュッ
澪「!」
澪(り、律が抱き着いて来た!!)
律「澪」
澪「ど、どうしたんだ?」
律「……えへへー」
澪「ん?」
律「澪。私、澪の言うことなーんでも聞いてあげるよ」
澪(な、なんだってー!)
澪「律、どうしたんだ!」
律「別に、どうもしないよ。私は澪の言うことを聞きたいんだよ」
澪「いやいや、それはおかしくないよ」
律「だって、澪がそう望んだんじゃん」
澪「私が……」
澪(机の上にメトロノーム……もしかして、催眠術にかかってる!?)
律「みーおー」
澪(これはもしかしたら)
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:17:52.13 ID:ssT1jnNB0
よし!そのままいっちゃえ!
澪「なぁ律、私のこと好きか?」
律「大好き!」
澪「そうかそうか」ナデナデ
律「澪に頭撫でて貰った!」
澪(これはこれは……ははっ。案外、使えるなぁ)
澪「もし私が律のこと好きって言ったら」
律「普通に嬉しい」
澪「そうかそうか、嬉しいか。あははは」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:23:08.18 ID:TtIy73rT0
いいよーいいよー
澪「じゃあ律、もしも私が『律はいらないんだ』って言ったら」
律「えっ?」
澪「私には律は必要ない、って言ったら」ニヤリ
律「そ、そんなこと言うなよ」ウルウル
澪「か、可愛い!」ギュッ
澪(ヤバい。なんだろ、この高揚感)
律「澪……グスッ」
澪(泣かしちゃおっかな……でも、さすがに悪いか)
澪「冗談だからな」
律「ほんとに」
澪「あぁ、ほんとだ」
律「よかった」ホッ
澪「律、今日は部室に誰も来ないから。二人で楽しいことしよっか」
律「何、ゲーム?」
澪「まぁ、そんな感じかな」
澪(このまま律を懐柔しちゃおう)
律「ねぇ、澪」
澪「ん、なんだ?」
律「本当に澪は私のこと好きなの?」
澪「あ、当たり前じゃないか!? 誰よりも愛してるぞ」
律「じゃあさ、どうして澪は私に変なことしようとしたの?」
澪「な、何言ってるんだよ」
律「本当に私のこと好きなの?」
澪(まさか、催眠が切れかかって)
律「答えろよ」
澪「わ、私に口答えか!? 律は私の言うことを……」
律「最初っから、そんな催眠なんかにかかってるかよ」
澪「えっ?」
律「悪いな、澪。騙すようなことして」
澪「な、なんで……えっ」
律「いやー、なんとなく澪のことが気になってな」
律「だから、澪の真意が知りたくて、催眠を逆利用させてもらった」
澪「あ、ああ……」
律「本当はもう少し催眠にかかったフリしてるつもりだったけど、なんか貞操がヤバいと感じたからさ」
澪「じゃあ、つまり」
律「私の演技だよーん」
澪「……」ガクッ
律「おいおい、大丈夫か?」
澪「あ、あははは。なーんだ」ポロポロ
律「あれ、澪ちゃん?」
澪「そうだよな……上手くいくワケ、ないよな」ポロポロ
律「な、泣くなよ」アセアセ
澪(あー、なんだろ。凄く馬鹿なことやったと思う)
澪(もう取り返しつかないかも。律に嫌われちゃったかも)
澪「……律」
律「な、なんだ!?」
澪「ごめん……なさい」
律「?」
澪「ごめんなさい!」
律「澪」
澪「律……私のこと嫌い?」
律「えっ?」
澪(だよな、うん。こんなことしといて、好きだなんておかしいよ)
律「……私は嫌いじゃないかな」
澪「今、なんて」
律「澪のこと、嫌いじゃない……嫌いじゃない!!」
澪「り、律」
律「だからよ、なんでこんなことしたか教えてくれよ。なっ」
澪「……」
律「私達、親友だろ。隠し事なんか、なしだからな」
澪「……分かったよ」
澪は全てを話した。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:58:38.53 ID:sw9CSaqP0
澪律はすばらしいな
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:59:01.39 ID:CdlLwOkj0
うむ 悪くない
律「わ、私のことが好きなのか!?」
澪「私はどうしても、律が欲しかったんだ」
律「その思考に驚きだよ。はぁー、幼なじみがまさかそんなこと考えてたなんて」
澪「幻滅しただろ」
律「まぁ少しは……それならさ、素直に言えよ。私が好きなら好きって」
澪「だって、律にフラれるのが怖かったから。それに女の子同士なんて、律が嫌がるパターンじゃないか」
律「誰もそんなこと」
澪「だから、律を自分のモノにすればずっと、律と一緒にいられると思って和に相談したんだ」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:09:46.12 ID:EkGwnWQN0
嫌いじゃないわ!
律「……」
澪「ごめん、律。私のことはもう……」
律「ばーか。んなこと言われて、澪をほっとけるかよ」ポンッ
澪「律?」
律「私を好きになってくれた奴だ、私はちゃんと受け入れてやるよ」ナデナデ
澪「えっと、それって」
律「だあー、もう! 私は澪が好きだよ!」
チュッ!
澪(り、律が私に!)
律「……昨日、私にキスしただろ」
澪「し、知ってたのか?」
律「分かるよ。幼なじみだろ、言わせんな」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:13:57.73 ID:gf6fYx/w0
あらあら、うふふ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:14:58.25 ID:CdlLwOkj0
言わせんな恥ずかしい
支援
澪(あれ、私のファーストキス)
律「それに私だって告白するけど、澪の下着たくさん持ってるし」
澪「……なぬ?」
律「泊まりに来た時とか、勝手に拝借したし」
澪「律、盗みは犯罪だぞ!?」
律「盗みじゃねぇし、拝借だから問題ないもん」
澪「……」
律「結局、似た者同士ってことよ」
澪「いや、全然似てないから」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:26:22.27 ID:lVncCPVei
律は唯一の良心かと思ったけど違った
律「うっせぇ!」
澪「ふふっ、あははは」
律「な、なんだよー」
澪「いや、律も私や和同様、変態だったって思ったら」
律「変態じゃねぇし」
澪「変態」
律「!」ビクッ
澪「律、やっぱりMなんだな」
律「わ、悪いかよ」
澪「いーや、私はSだから問題ないよ」
律「Oh……」
澪「まぁ、私にとっては好都合なワケで」
律「私にとってもだな。だけど、付き合うからには『対等』な関係で行くからな」
澪「そうだな。変態さん」
律「その呼び方、やめろ」
澪「変態、変態」ボソッ
律「み、耳元で囁くなよ」
澪「声が震えてるぞ」
律「澪のせいだろ」
澪「確かにな……じゃ、行くか」
律「……お願いします」
ガラッ
律澪「!」
純「すいまーん。梓、います……か」
律澪「……」
純「……」
純は泡を吹いて倒れた。
そのあとのことだが純は、
「見ちゃダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ」
と言い続けたそうな。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:43:33.41 ID:lOqtz2u9O
―――――
しばらくして、
澪「とゆーワケで、付き合うことになったんだ」
和「へぇー、そうなんだ。じゃあ私、生徒会に行くね」
律「こらこら、入院してるのに何言ってるんだよ」
和「じゃあ二人とも、私のモノにならない?」
律「悪い。私は誰かのモノになるつもりはないし」
澪「あぁ、私達はあくまで『対等』だからな」
和「面白くないわね」
律「まーまー、ほら見舞いのフルーツだ」
和「こんなのより、唯のストッキングでも持って来なさいよ」
澪「無茶言うなって」
和「はぁ、退院までが退屈だわ」
律「仕方ないって、諦めろ」
澪「じゃあ、私達は帰るな」
和「はいはい。ラブラブ、イチャイチャなんか見たくもないわ」
律「じゃ、お大事にな」
澪「早く退屈出来るといいな」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:49:56.46 ID:TtIy73rT0
し
―――――
律「なぁ、これからどうする?」
澪「昼間からやるか?」
律「なっ、誰もそんなこと」
澪「変態」
律「や、やめろよ」
澪「律はこの言葉に弱いな」
律「うるさいなー」
澪「また今日も可愛がってやるからな」
律「お願い、澪」
澪「じゃあ、帰ろっか」
律「……うん」
今日も空は青かった。
それは変態の心を持った人の如く清々しいものだった。
そしてまた、律と澪も変態という共通項で結ばれた固い絆が存在した。
それは決して、誰にも壊すことが出来ないものであった。
紬「よきかな、よきかな」
おわり
もう、無理だ。
ご飯食べて頭リセットしたけど、これ以上はなんも思いつかん。
次、なんかやる時はほのぼのにする。
みんな楽しい、ほのぼのこそが至高なり
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:55:30.37 ID:eAFHUC9XO
乙だった
乙乙!
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:57:28.39 ID:thWkcB/Z0
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:01:15.81 ID:VL308vC50
変態っていいね!
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:18:09.28 ID:bOep2AdU0
ほしゅ
素晴らしかった
おおつ
乙