1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
多分上琴通行
ID:1t0qL7Tb0
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 13:15:48.48 ID:1t0qL7Tb0
3月末。快晴。
俺、上条当麻はとある用事を果たすために、現在最寄の公園のベンチでジュース片手にぼーっとしている最中である。
とある用事と言うのも、隠す必要が無いので言ってしまうと、人を待っているのだ。と言っても別に待ち合わせをしているわけでもない。ただその待ち人がここを通るという確信を持ってしてのセルフ待ち合わせである。
「なんか……、俺ストーカーしてるみたいに見えねーかな…いや、それはないか」
と、独り言を呟いたと同じくらいに、俺の顔を何かの影が覆った。
「何してるのよ。こんなところで」
俺の確信はどうやら本物であったらしい。彼女こそ俺の待ち人、御坂美琴その人である。
「お前を待ってたんだよ。どうせここを通るだろうからと思ってな。それにしても学校帰りにしては随分と遅かったみたいだな」
現在は日も暮れるころ、夕方の5時。彼女は今日は午後の授業は無いはずなので、この時間まで待たなければならないと言うのは予想外であった。
まあ、別にすることがあったわけでもないし問題は無いのだが。
「あら、アンタも今日午前で終わったでしょ?待たせちゃったかしら。私も、今日は早く終わったんだけどね……。
学園都市第三位の御坂美琴『お姉さま』となれば、いろいろとやることが多いのよ。今日は後輩たちも会いに来てくれたりしたしね」
「ふーん……お前も大変なんだな」
伸びをする彼女の顔には、若干の疲労が見えなくも無かった。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 13:28:56.00 ID:1t0qL7Tb0
彼女は現在、名門常盤台中学在住の3年生。つまりはもう卒業を眼前に控えた卒業生である。
どこの学校もこのシーズンは学校が早くに終わり、放課後の自由な時間を各々で過ごす。
卒業生であれば、別れ行く友達と最後の思い出を残そうとし、そうでなければ半ドンを素直に喜ぶのみである。俺上条当麻ももれなくその一人であり、持て余す時間を彼女の待ち伏せに使ったわけだ。
「まあ、最後だしね。明日はもっと大変かもしれないのよ?答辞も読まなくちゃならないし、いろいろと任されたイベントがあるのよね。樹植えたりさ」
彼女はこの科学の支配する街、通称学園都市では非常に有名なお方である。街行く人々にアンケートを取ったら間違いなく認知度100パーセントを誇るだろう。
そんな彼女はお嬢様学校、常盤台中学のなかでは熱狂的な人気を誇っているらしい。ラブレターを送られることもしばしばあるとか。俺には全くわからない世界である。
「で、昨日はどうしたんだよ。せっかく電話かけたのに切っちまいやがって」
そう、俺の用事とは、このこと。
昨日の夕方頃彼女のケータイに電話をかけると、「今無理」と3文字で返されすぐ切られたのだ。
どうやら忙しかったらしいのだが、そのときに伝えられなかった用事を済ませるために、ここで5時間もぼーっとしていたのだった。
「あ、ああ昨日のこと?えーっとあれはね……その、ちょっと電話に出られる状況じゃなくてさ」
すこし焦った風に彼女は言う。なにか聞かれてやましい事でもあるのだろうか
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 13:29:33.99 ID:ppuHGwDg0
途中でやめないならみる
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 13:32:27.71 ID:nsTcC1f60
終わったら見る
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 13:36:06.77 ID:fq7hwZHi0
かまわん続けろ
し得ん
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 13:41:36.28 ID:1t0qL7Tb0
「なんだよ。……男とでも居たのか?」
つい意地の悪いことを言ってしまう。
「ち、違うわよ。何よ男って……。昨日はね、黒子と居たの」
黒子とは、彼女の後輩白井黒子のことで、彼女とは俺も少々面識がある。
御坂を「お姉さま」と(異常に)慕っており、彼女の変態性は御坂からもよく聞かされている。
「もう明日は卒業だからね……、今日明日は忙しいから、ゆっくりできたのは昨日くらいなのよ。
あの子、ガラにも無くべそかいててさ、『今日だけ一日ずっと居てあげる』って……」
「白井と一日遊んでたのか?」
彼女は首を振る。
「寮の部屋で一緒に居ただけよ。あの子、私にべったりでさ……、
黒子は普段風紀委員のしごとがあったりしていろいろと気張ってたのがあったしね。なんか、うれしかったかな。素直に甘えてくれて」
大変だったのよ?、と彼女は嬉しそうに言う。
「高校の制服も見てみたいってね、着せられたりもしたわ。写真も撮っちゃったりしてね。……ふふ、ほんとしようのない子だわ」
……それは、甘えてるとかじゃんなく純粋な彼女の願望だと思うのだが、そんな野暮なことは言わないでおく。
彼女の言う高校の制服と言うのは、これまた名門校長点上機高校の制服のことだろう。
実を言うと、彼女は今のその服を着ている。俺も長点上機高校の制服を身に纏った彼女を見るのは初めてである。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 13:53:33.75 ID:1t0qL7Tb0
「なんで今もそれ着てるんだよ。学校帰りなのに」
「前々から着せ見せて欲しいってお願いされてたのよね。わざわざ着なおすのも面倒くさいからこのままで逃げてきちゃった。
ふふ……ねえ、どう?似合ってるかしら」
そういって彼女はくるりと一回転する。スカートが彼女の動きにあわせて膨らみ、栗色の肩まで伸びた髪が靡く。
「っ……、別に普通だと思うがな」
「何よー。ちょっとは誉めるくらいの気の利いたことしてくれてもいいじゃない」
そういいながら彼女は俺の座っていたベンチにとすっ、と音を立てて座る。俺との距離は、約20センチ。
「大体、男って誰のことよ。もしかして一方通行のこと?」
「いや……別に。適当に言っただけさ」
一方通行。
俺もよく知っている人物である。なにしろ、命をかけた殴り合いをしたくらいだからな。
彼女は学園都市第三位の電撃使いとして名を轟かせているが、当たり前に考えればそれより上が二人も居る。
そのうちの一人、「最強」の超能力者。その名も「一方通行」
ソイツは、俺とも御坂とも、過去のものに出来ない記憶を共有している。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 14:08:21.56 ID:1t0qL7Tb0
「……俺は今でも、お前がアイツと会うのはちょっと不安だけどな」
言い方がぶっきらぼうになってしまったのが、自分でも分かる。
そう、彼女はたびたび一方通行と顔をあわせ、なんと会話までしているらしい。
一方通行と彼女の関係を知らないものなら、よほど仲が悪いのかと思うかもしれないが、それどころではない。
一方通行は、彼女を死の淵まで追いやった張本人である。
その死の淵を、俺は知っている、
あの日。鉄橋の上。夜。強がっていた彼女の顔が印象的だった。
彼女は死のうとしていたのだ。彼女の背負った運命を切り開くには、死しかなかった。
切り開いた運命の先に死が待つとはどういうことなのだろうか。俺には彼女が当時どれほど苦しんでいたのか皆目検討もつかない。知りたくもない。
そんな彼女がどうやって今、元気な姿をそこに現しているのかというのは、深くは語らないでおく。
ただ、そこに俺がほんの少し関わった、ということだけ明示しておくことにする。なんだか気恥ずかしいのだ。
「……私も、あの人と会うのが本当にいいことなのかは、正直今もわからないわ。
本音を言うと、ちょっと怖くなっちゃうときも偶にあるの。打ち止めが傍に居なかったら、私もどうなってたか分からないっていうときもね、あったりしたのよ」
打ち止めと言うのは、これまた深くは語らないことにしておくが、彼女の「妹」である。実際には違うのだが現に彼女も本物の妹のように接している。
「お前の悪い癖だよ。なんでもかんでも自分の責任にしちまうんだ。それで、それをどうにか一人で処理しようとしてる。
……アイツと会うのも、そういうことなんだろ?」
C
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 14:28:28.39 ID:rfZPzfqIi
NTRかどうかだけ教えてくれ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 14:34:41.10 ID:1t0qL7Tb0
「……『妹達』に聞いてみるとね。『感謝している』っていうのよ。
分かる?一方通行のことよ。1万回殺されてきた彼女達は、感謝をしているらしいの。一方通行にね。
私は最初それを聞いた時、理解できなかったわ。彼女達は恨むという感情をまるで知らないのよ。……一番苦しかったのは、あの子達のはずなのに」
妹達、深くは語らず。「御坂の双子の妹」である。
「それなのに、私がいつまでも被害者のふりして恨むだとか憎むだとかしてたら、みっともないじゃない。
……それに、あの人は、口には出さないけれど、過去を悔やんでくれてるみたいだし……。憎しみは何も生まないって、漫画とかでよく言うでしょう?それと同じよ」
彼女は笑いながら冗談っぽく言って見せているが、俺にはわかる。
御坂は本気で、一方通行を愛そうとしているのだ。いや、恋愛だとかそういう意味でない、もっと根源的な何かだ。
彼女が憎むのを嫌うのだとしたら、彼女が今していることは間違いなく愛だろう。彼女は、そういう人間なのだ。
「……ま、お前がそれをしたいなら、俺は何も口は出せないさ」
なぜ俺がこんなことに口を突っ込んだかというと、彼女と一方通行が会っているのが、とある事情で非常に面白くないからである。そのことについては今は言及しないでおく。
「……ああ、何言っちゃってるんだろ私!ごめん恥ずかしいから今の忘れて!」
そんなことを言いながら、ベンチから立ち上がる。たしかに、先ほどの彼女の顔は少し赤かったように見えた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 14:50:18.65 ID:1t0qL7Tb0
すいません見ている人いるのか不安ですが、少し離れます
NTRはないと思います
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:00:01.74 ID:fq7hwZHi0
はよ書け
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:31:44.45 ID:1t0qL7Tb0
「で、アンタの用事ってのはなんなのよ?話しが妙に逸れちゃったわね」
そうだ、それを済ませるためにここで何時間も待っていたんだった。
「ああ、悪い悪い。いや、大したことじゃないんだけどな。……ほら、これ」
とある物をポケットから取り出し御坂に手渡す。
「あ……これ、ゲコ太ストラップじゃない。どうしたのよこんな物」
ゲコ太というのは、彼女がこよなく愛する、ひげをたくわえたカエルのマスコットキャラクターである。
どうやらこの街でもその人気は高いらしく、今でも関連グッズが出続けている。
これはそのストラップで、俺がこの前ゲーセンで景品として得たものだ。どうやら非売品のレアものらしい。
「いや、まあな。お前も卒業するって言うしこんなもので悪いけど、卒業祝い……ってな」
「え、あ、ありがと……アンタからこんなの貰えるとは思ってなかったわ。
これ売ってない奴でしょう?……ふふ、じゃあ付けてみようかしら」
そういって御坂はこれまたゲコ太型のケータイを取り出す。御坂曰くこのゲコ太ケータイももう3代目らしい。
もともと付いてあったゲコ太のストラップを外し、俺が渡した新しいストラップを付け替える。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:34:03.83 ID:1t0qL7Tb0
「そういえば、この古いゲコ太ってアンタと一緒にペア契約した時に貰った奴よね。
2年間も外れずによく頑張ったものね。……それじゃ、こっちの古いほうは記念にとっておこうかな」
そう言いながら俺に笑いかける。ちなみに俺のケータイにもゲコ太ストラップは未だ健在である。
「こんなものでも喜んでくれて何よりだ。悪かったな、こんなことで時間使わせちまって。疲れてるだろうに」
「気がほぐれてちょうどよかったわよ。
明日は中学校生活最後の晴れ舞台だもの。緊張もいくらか解けたわ。ありがとうね」
そうか、と返して、公園を出たところで別れる。
アイツはここ最近忙しくてあまり会ってなかったのだが、アイツはやっぱり変わってない。
……いや、変わったか。最初の頃のようにビリビリをかまされることがほとんどなくなったからな。
それと比べて、俺は変わったことが一つだけある。
俺は、アイツと出会ってから約1年半。そんなに長い付き合いでもないが、アイツを見てきて心境の変化というものが俺にも訪れたのだ。
俺は御坂美琴を、好きになっていた。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 15:58:21.94 ID:K9nLkmX+0
スレタイの「あなた」は一方通行とかであってほしい
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:13:05.25 ID:1t0qL7Tb0
時は少々流れて、四月の末。
新・女子高生御坂美琴は、彼女の「妹」の住まう宅にお呼ばれされていた。
「お姉さま見て見て!ほらほら!」
そういってくるくる回ってみせる、見た目12歳――というか、12歳の少女「打ち止め」は、名門常盤台中学の制服を着ながらはしゃいでいる。
「ふふ、さすが私の妹ね。よく似合ってるわよ」
そういいながら彼女の頭をなでるのは、御坂美琴その人。
顔もよく似ておりこのシーンだけを見たものは、誰もが仲のいい姉妹だ、と思うだろう。
実際にそうである。
「まったく……入学まで一年もあるのに、少し気が早いんじゃないかしら」
「うるせェな、このガキが早く欲しいっつって聞かなかったンだよ」
そう面倒くさそうに答えるのは、学園都市最強の超能力を保有する「一方通行」。
彼は訳あって、回る少女打ち止めと共に暮らしている。他に保護者が二人ほど居るのだが、今は出掛けている。3人でリビングに集まっているのだ。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:17:20.10 ID:1t0qL7Tb0
「ねえねえお姉さま。常盤台中学ってどんなところなの?ってミサカはミサカは来る中学校生活に向けて不安と期待が混ざった感情を抱いてみたり」
「来るって言ってもまだ1年後よ?……そうねえ、校則が異常に厳しいけど、教師は優秀な人が多いし、義務を果たせば自分のやりたいことはやらせてくれるのよ。
だから、怠けずに励めば、きっとあなたも楽しく過ごせるわよ」
「そっかー、ミサカは小学校に行ってないからちょっと不安かも、ってミサカはミサカはお姉さまに優しい言葉を掛けてもらいたいがために心情に潜む不安を色濃く吐露してみたり」
「別に学校なンざ適当でいいンだよ。辞めたきゃ辞めりゃいいし、行きたいなら行けばいい」
「不登校児のあなたが言ってもあんまり説得力無いわね。
って言うかあなたは一応私の2コ上の先輩なのよね。学校同じなんだからさ」
御坂美琴の通っている学校は、名門長点上機。一方通行も、籍だけそこに置いているのだ。
「つっても制服ももってねェしな。門を潜ったこともねェよ。
……で?お前はどォなンだよ。長点上機に入った感想はよ」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:33:58.51 ID:F6mpdgpx0
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:35:13.23 ID:1t0qL7Tb0
「やっぱり中学の頃とは大分違うわね。座学はほとんどやらないし、グループ作って研究してるわよ。
中学とは違って皆普通に接してくれるし、結構快適よ?あなたも来ればいいのに」
「集団生活なンざ俺のガラじゃねェよ。
……今気づいたが、クソガキが常盤台に入ったらお前繋がりでちやほやされンじゃねえのか?一応苗字は『御坂』になってるしなァ」
打ち止めはとある事情で小学校に通っておらず、戸籍も無かったため御坂や一方通行が裏で手を回し(主にハッキングや権力による圧力)なんとか中学には入学できるようにしたのだが、もし御坂母や御坂父に連絡されたら一巻の終わりである。
しかし能力開発の過程でDNAを採取されるのは回避しようが無いので御坂を名乗るほかないのだ。それらへの対応は彼らの今後の大きな課題である。
「そうねえ。ラブレターとかたくさん貰っちゃうかもね。リコーダーの先端が無くなってたりね」
「ええっ!そんなことがあるの!?ってミサカはミサカは女子中学の内情に思春期突入の時期に芽生えた性への興味を遺憾なく発揮してみたり!」
「そうよー。盗撮なんて日常茶飯事よー。寝込みを襲われたり自分の椅子が毎日変わってたりするわよー」
これらが彼女の実体験なのかは捨て置く。
「恐ろしいもンだな女子中ってのもよォ。ま、お前みたいなガキンチョは誰も相手にしねェだろォから安心しろ」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 16:46:22.10 ID:TchQwCjfO
しえん
おわりは何時ごろだ
これ終わりまで書き溜めてる?
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:04:45.76 ID:1t0qL7Tb0
まったく書き溜めてないです
すいません
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:16:10.69 ID:1t0qL7Tb0
「そんなことないよ!ミサカもう大人だもん!ってミサカはミサカはこの時期にありがちな子ども扱いへの不服さと大人への憧れに挟まれた難しい時期の心境をぶつけてみたり!」
「そうよ。打ち止めはかわいいものねー。ほらこんなに制服も似合ってるし」
そう言って彼女は打ち止めを後ろから抱いて見せるが、打ち止めは御坂美琴の「妹」なのでその顔は非常に酷似している。
御坂にナルシストの毛はないことを彼女のためにここで弁明しておこう。
「おいクソガキ、そろそろ着替えて来い。皺になって面倒掛けンのはやめとけ」
「はーい、ってミサカはミサカはこの時期にありがちな反抗をせずに素直に従ってお姉さまにいい子アピールをしてみたり」
打ち止めが自分の部屋へと戻ると、リビングは御坂と一方通行の二人きりとなった。
いつもは間に打ち止めを介しているため、いざ二人きりとなると話すことは少なくなる。
だが、気まずいという訳ではない。彼らも最初の頃は諸々の事情もあって重苦しい雰囲気を醸し出していたのだが、彼女の頑張りもあってか、今となってはこの静かな沈黙がある種の完成された空気感を生み出している。
「お前よォ、前から聞きたかったンだが……」
しばらくたって一方通行が口を開く。
「何よ」
「……お前さァ、俺とこうやって居て、何か思うことはねェのか」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:27:14.11 ID:1t0qL7Tb0
唐突に聞かれたことに大して動揺もしていない様子で御坂は答える。
「なに?それ。別に男の人と居たくらいで私は……」
「そォいうことじゃねェよ。お前も分かってンだろ?誤魔化してンじゃねェよ」
彼が抑圧的な態度で話すのはいつものことだが、今はそれがはっきりと口調に出ている。まるで何かに苛立っているかのように。
「……」
「俺にはお前がよく分かンねェンだよ。何考えてンのかさっぱり理解できねェ。
何故、お前は俺に近付く?打ち止めと親しくするのは分かる。が、何故俺にまで気を掛けようとすンだ?まさか俺に惚れてるという訳じゃねェだろォが」
その言葉に、御坂は少々顔をうつむける。
「……やっぱり、迷惑って思うかな」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:37:59.91 ID:F6mpdgpx0
これは俺得の予感
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 17:55:31.83 ID:M4sxDJjO0
しえん
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:04:54.85 ID:1t0qL7Tb0
その言葉には明らかな不安が混じっていた。普段快活ではきはきと物を言う彼女とは、一目して違うと分かる。
「お前の答え次第だな。今までは、こォして聞くまでにお前の真意を知ろうとしたが、さっぱり分からねェ。
……普通に考えりゃお前はどォ考えても俺を今にでも殺してやりたい立場だろォが。」
彼の言葉に対して、御坂はあわてるように否定する。
「そんなッ!……そんなこと、思わないわよ……思えないじゃない」
「俺を避けることが、責任を逃れてるようで嫌だってか?はン、余計なお世話だ。
なんでお前なンぞに責任感じられなくちゃならねェンだよ。ちょっと思い込みが激しいンじゃねェのか?」
一方通行の口調が荒れる。
「……最初の頃は、そういう気持ちもあったかもしれないけど、今は……それだけじゃないわよ……」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:07:17.51 ID:1t0qL7Tb0
「ますます分からねェな。じゃあ何故俺と馴れ合おうとするンだ。同情か?
ぶっちゃけ最初の頃は嫌味かとも思ってたぜ。俺に打ち止めから離れろって言ってンのかとも思ったなァ。まァ、疑ってンのは今も変わってねェがな。
で、どォなんだよ。お前の真意のほどはよォ?」
「わ、私は……その……」
御坂の声にはもはや覇気というものは無く、顔は完全に俯いてしまっている。
「ちょっと!何やってるの、ってミサカはミサカはなにやら険悪な雰囲気に割り込んでみたり!」
着替え終わったのか、自室から戻ってきた打ち止めが二人の間に介入する。
「チッ……なんでもねェよ。お前は黙ってろ」
未だ苛付いているかのような態度で打ち止めを制する。
御坂はまだうつむいていた。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 18:27:35.62 ID:F6mpdgpx0
楽しみにしてるから完結はさせてね
>御坂は本気で、一方通行を愛そうとしているのだ。
>御坂は本気で、一方通行を愛そうとしているのだ。
>御坂は本気で、一方通行を愛そうとしているのだ。
>御坂は本気で、一方通行を愛そうとしているのだ。
上→琴→通行ってことかよ胸糞悪い
気持ち悪いもん書くな消えろ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:00:47.34 ID:1t0qL7Tb0
ひゃううう
ごめんなひゃいいい
>>33 そのあとの文章よく読めよ。
嫌なら読みにくんな
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:31:07.70 ID:F6mpdgpx0
>>33 俺は
上→琴→通行だと思ってwktkしてんだから黙ってろ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:35:10.71 ID:1t0qL7Tb0
飯食ってました
今から書きましゅ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 19:50:31.00 ID:nCmg5Rws0
ペース遅いな
落ちるぞ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:00:17.30 ID:dT9Mv6iXO
全力で支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:10:41.10 ID:1t0qL7Tb0
「ごめんねお姉さま。あの人にはミサカもよく言っておくから、ってミサカはミサカは落ち込んでるお姉さまをフォローしてみたり」
その後打ち止めに連れ出されるようにしてマンションを出た御坂は、入り口に設置されてるベンチで、打ち止めと並んで座っている。
未だ御坂の顔は陰っており、表情は硬いままである。
「私こそごめんなさい……喧嘩をするつもりじゃなかったんけど、怒らせちゃったわね……」
「……あの人は素直じゃないから。お姉さまとの会話、ちょっと聞いちゃったけど、あの人はお姉さまに怒ってるわけじゃないと思うの
ただ、あの人は怖かったんだと思う。お姉さまの優しさに何か裏があるんじゃないかって、ちょっと不安になっていただけだとおもうの、ってミサカはミサカは今まで見てきたあの人の性質を打ち明けてみたり」
「やさしくなんかないわよ……。私ね、答えられなかったの。なんで私が一方通行といるのかって、あの人に聞かれたの。
……分からなかったの。自分の気持ちが、自分が何を考えていたのか……。気づいちゃったのよ、いままで、その思考から逃げていたことに……」
たとえ自分が死ぬかもしれないという状況下でも周りに対して強がってみせる彼女にとって、このように泣き言を他人に漏らすのは珍しいことであった。
それは相手が文字通り血を分けた「妹」だからなのかもしれないが、とにかく彼女の今の状態は普通ではなかった。
「……お姉さまは、もっと楽に考えてもいいんじゃないかなって、ミサカはミサカは生意気にもお姉さまに助言をしてみたり」
「楽に……?」
御坂が顔を上げる。
「うん!理由とかそういうのじゃなくて、あの人と一緒に居るのは、一緒に痛いからっていうだけでいいと思うの!
もしお姉さまが責任とか義務とか難しいものを抱えていたとしても、お互いに仲良く過ごせるならなんでもいいんじゃないかなって。あの人も、今日はちょっと考えすぎちゃっただけなんだよ!ってミサカはミサカは意外と幼稚なところもあるあの人のこともフォローしてみたり!」
打ち止めの顔には笑顔が浮かんでいた。彼女にとって、御坂も一方通行も極めて大切な人たちであり、その仲を悪くさせたくは決してない。
彼女自身気づいていないが、普段御坂と一方通行の間に架け橋を作っているのは、打ち止めなのである。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:18:54.74 ID:ovVk2pir0
痛い…oh…
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:33:37.43 ID:ozWUE+BGO
いたたたた
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 20:50:07.77 ID:rfZPzfqIi
落ちちゃうよ
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:00:23.48 ID:dT9Mv6iXO
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/02(土) 21:01:28.52 ID:dqo1p1XnO
頑張ってー
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ふむ