1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理で疾走
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:39:50.03 ID:VVDt+ieC0
波紋疾走がなんだって?
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:41:50.08 ID:vciUcKn10
>>1 代理サンクスです
(^q^)これ前に1話書いてからしばらく経ってしまったんだけど、その続きなのよね
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:42:31.83 ID:VkY4GLvv0
よかった、知らない間に2話終わってなくてよかった
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:46:05.96 ID:vciUcKn10
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:49:49.45 ID:vciUcKn10
第二話
あらすじ
ブーンは東京駅の謎の通路にて謎の人物に跳ね飛ばされましたとさ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:52:32.16 ID:vciUcKn10
ξ゚听)ξ「あんた、”非常にお急ぎの方”専用の通路を使ったでしょう」
(メ´ω`)「う、うん」
ξ゚听)ξ「馬鹿が・・・」
ξ゚听)ξ「あの通路は、本当に、本当に急ぐ人の為の通路なのよ」
ξ゚听)ξ「そういう人は、あんたみたいなウスノロに通り道を邪魔されたくないからあの通路を使ってるの」
(メ´ω`)「じゃあ、僕とぶつかった人も?」
ξ゚听)ξ「単なる利用者よ 人とぶつかるなんて大した実力じゃないけどね」
ξ゚听)ξ「それでもあんたを通路の外に出してくれてるのよ」
ξ゚听)ξ「感謝こそされても、恨まれる筋合いなんてないわ」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:53:21.02 ID:VkY4GLvv0
急ぎすぎだ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 22:55:59.89 ID:vciUcKn10
(メ´ω`)「…僕が邪魔してたっていうのかお?」
ξ゚听)ξ「そうよ」
(メ´ω`)「僕はちゃんと走ってたお…」
(メ´ω`)「あんな… エスカレーターで並んで立つおばさんみたいなのとは違うんだお!」
ブーンは思い出していた
混雑する通路でのろのろと歩く女
階段やエスカレーターで横に並んで立つ奴ら
凡そ周りの迷惑を顧みない無神経な人々
彼らのせいで自分までのろのろと歩かなければいけなくなる状況
そして長い長い人の列…
ブーンはそれらが最も嫌いだった
もしも人にぶつかる心配をせずに目的地へ全力疾走出来たなら…
それはブーンの小さな夢だった
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:01:26.47 ID:vciUcKn10
ξ゚听)ξ「?」
ξ゚听)ξ「何言っているのか分からないけど、あの通路で普通に走っていたってことは、
立ち止っているのと何ら変わりないのよ」
(メ´ω`)「な…… 何なんだお…あの通路は…」
ξ゚听)ξ「あんたこそ何で知らないのよ あの通路が出来た時だってテレビで紹介されてたし、別に隠されてたわけでもないのよ?」
(メ´ω`)「全く知らなかったお 一体いつあんな通路が出来たんだお?」
ξ゚听)ξ「えー…っと、5年前位かな」
(メ´ω`)「そんな前にかお… 5年前っていったらまだ電車通学もしてなかったし、全く興味なかったんだと思うお」
ξ゚听)ξ「そうね、たしかに一部の声のでかいスピード狂以外は興味も使う気もなかったでしょうね」
(メ´ω`)「スピード狂?」
ξ゚听)ξ「そうよ あの通路を使うような人間は全て」
ツンはやや声を強くして言った
そして
ξ゚听)ξ「どうしようもないスピード狂ってやつなのよ」
ブーンにはなぜか、ツンが少し笑っているように見えた
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:03:43.67 ID:VkY4GLvv0
BOOON
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:08:32.88 ID:vciUcKn10
(メ´ω`)「それにしてもおかしくないかお?」
ξ゚听)ξ「何が?」
(メ´ω`)「僕があの通路を使った時、中には全然人が居なかったお 普段からあの通路に入っていく人を見かけたこともない気がするお
一見、人が少なくて便利そうに思えるお スピード狂じゃないと使えないルールでもあるのかお?」
ξ゚听)ξ「ああ…それはね…」
ξ゚听)ξ「簡単に言えば、常識で考えればあの通路は全然便利じゃないってことよ」
(メ´ω`)「どういうことだお?」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:13:17.74 ID:vciUcKn10
ξ゚听)ξ「身近な例で言うと、あの通路を使った時のK葉線ホームからY手線ホームまでの移動距離は、10km以上なのよ」
(メ ゚ω゚)「ハァ!?」
ξ゚听)ξ「全然便利じゃないでしょ?」
(メ´ω`)「た、確かに、それくらいだったら普通に行った方が早いお…
でも使う奴らもいるんだお? 健康のためのランニングかお?」
ξ゚听)ξ「健康の為にわざわざ東京駅に穴ほじくるわけないでしょ
無暗に掘るスペースもないからあちこち迂回してるの
それでも彼らはその通路を使った方が早いから使ってるのよ」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:19:19.63 ID:vciUcKn10
(メ´ω`)「その方が早い?信じられんお… 何をどうしたらそうなるお」
ξ゚听)ξ「だから常識で考えればって言ったでしょ」
(メ´ω`)「常識じゃなかったら…何だお?」
ξ゚听)ξ「あんたもさっきやらかしたでしょ
それと同じよ 常識外れの能力… 魔法なり超能力なり、好きに呼べばいいわ」
(メ´ω`)「魔法? さっき天井に激突したあれがかお?」
ξ゚听)ξ「たぶんそうでしょうね それがあんたの魔法ってこと
あの通路を使うスピード狂達は殆ど何かしらの魔法を使ってるのよ」
(メ´ω`)「……」
ブーンには、強く頭を叩かれたような感触だけが残っていた
どうにも信じられない事ばかりだが、
実際にこの目で見ている以上、疑いようもない
ほうほう、C
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:27:21.06 ID:vciUcKn10
あの時――
( <●><●>) ゴオオオオオオオオ!!!!!!!
ブーンを跳ね飛ばしたあの男も魔法を使っていたに違いない
ブーンは鮮明に覚えている
ブーンが振りかえった時に見たあの男の走る速度は人間のそれではなかった
(メ´ω`)(スピード狂の能力者達か…)
何だろうか、何とも言えない気分だった
ξ゚听)ξ「言っておくけど」
(メ´ω`)「え?」
ξ゚听)ξ「外で魔法を使うと捕まるわよ」
(メ´ω`)「そうなのかお? で、でも僕自身、さっきどうやって魔法を使ったのか分からないお…」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:30:32.74 ID:l700ptVY0
風呂入りながら読むかな
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:31:32.69 ID:eogwvDsIO
おもしろそうだ、
つC
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:35:30.54 ID:vciUcKn10
ξ゚听)ξ「そうね…」
ξ゚听)ξ「あんたは吹っ飛ぶ前に何を思った?」
(メ´ω`)「吹っ飛ぶ前に思った事…?」
ξ゚听)ξ「そうよ 具体的にいえば、〜したい、とか」
(メ´ω`)「う〜ん… 起きたらツンが居て、いきなり怒られて…」
ξ゚听)ξ「そういうのはいいから!」
(メ´ω`)「で、ツンが出て行こうとするから、追いかけようと思って、急いで起きあがろうとして…」
ξ゚听)ξ「じゃあ多分それね あんたは恐らく、”急ぎたい”とか、”急ごう”と思うと魔法が発動するのよ」
(メ´ω`)「”急ぎたい”…?」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:43:02.32 ID:vciUcKn10
ξ゚听)ξ「ええ……」
ツンは急に外を気にし始めた
ξ゚听)ξ「看護師さんが来るわ… 大体今話した事全部他言無用だから」
(メ´ω`)「お、う、うん…」
ξ゚听)ξ「そういうことだから、あんたはこれからあの通路以外の場所で急ごうと思っちゃ駄目だからね」
(メ´ω`)「ちょ、ちょ、無茶言わないで欲しいお! ナメクジみたいに生きろって言うのかお! って…」
そう言いきった時には、ツンはすたすたと歩き病室を出て、扉をぴしゃりと閉めてしまっていた
ブーンは一人、病室で呆然としていた
ようやく一息ついたような気もしていた
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:45:47.20 ID:gFFnIML80
ほうほう…
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:46:48.51 ID:mSDH6cCpO
一話読んできたけどちょっと新鮮
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:47:34.99 ID:vciUcKn10
気絶していた間の記憶はなかった
ブーンにとってはあの通路に入りこんでから今まで心が落ち着く暇がなかったのだ
ゆっくりと、しかし何度も、この奇妙な体験を、そしてツンから聞かされた話を、
頭の中で思い返し消化していった
(メ´ω`)「スピード狂… 魔法…」
(メ´ω`)「僕も…その仲間入りかお」
さっきの何とも言えない感覚が、今では少しわかる
これは高揚だ
横に寝ていた体が一瞬で天井に激突する程の加速だ
本気で走るために使えばどうなるか…
ブーンは試してみたくなる衝動をゆっくりと抑えた
―――
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:49:35.40 ID:VkY4GLvv0
kskか
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:54:42.43 ID:vciUcKn10
( ゚∋゚)「内藤さん」
(;^ω^)「何でしょう」
( ゚∋゚)「お食事、口に合いませんか?」
(;^ω^)「そう言う訳では…」
( ゚∋゚)「そうですか?それにしては食が進んでないようですけど」
(;^ω^)「ゆっくり食べる性質なもんで…」
どこかで見覚えのある看護師に要らぬ心配をされながらも、ブーンは極力ゆっくりと動く事を心がけていた
ツンに忠告されてからというものずっとこの調子である
たとえ用を足したくなっても慎重に歩いている
外で魔法を使ったら逮捕される――
それが恐いというより、ブーンはあの能力が暴発して再び大怪我を負うのが嫌だった
力加減から全て、一度試してみないと分からないと思うのだが、あの通路に行けるようになるにはもう少しかかりそうだった
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:55:51.10 ID:mSDH6cCpO
しえ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 23:58:06.27 ID:vciUcKn10
退院を目前に控えたある日、ツンがまた病室に訪ねてきた
というより、一言言って帰っていった
今度学校に来る時はあの通路を使わずに来なさい
との事だった
そして――
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:04:01.20 ID:+2oqCKUP0
( ^ω^)「スゥ〜〜」
( ^ω^)「ハ〜〜〜」
( ^ω^)「スゲーッ 爽やかな気分だお
新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーによォ〜〜〜〜〜ッ」
( ^ω^)「って、のんびりしている場合じゃないんだお」
( ^ω^)「今日こそ遅刻せずに学校に行くお」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:07:21.76 ID:vBWsAl96O
支援
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:07:39.75 ID:9OFa7gSo0
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:07:49.23 ID:7cut2wbW0
あんま面白くない
だらだらしてる、序盤から見事な中弛み
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:10:07.30 ID:+2oqCKUP0
いつもより早く、家を出た
このまま何事もなく学校に着いたとしても、今日は30分以上のゆとりがある
どの時間帯も同じように混雑する電車に揺られている僅かな間、ブーンは考えていた
のろのろと動く人々に苛立つのは、自分が切羽詰まったタイムスケジュールを抱えているせいではないかと
しかし、ブーンはT京駅に着いて黒い人の山を見た時、
この湧き出るストレスは自分に時間の余裕がある事とは関係ないものだと確信した
通学、通勤、それら交通機関を使う全ての瞬間において、ブーンは耐えがたいストレスを感じざるを得ないのだという事を痛感し、絶望した
”非常にお急ぎの方”専用の通路を横目に、ブーンはY手線ホームへとのろのろとした動きの行列とともに進んだ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:18:30.09 ID:+2oqCKUP0
U谷からブーンの通うVIP高等学校までは徒歩で十数分の距離である
いつもは走り抜ける通学路をこうしてのんびりと歩くのは退屈だった
ただ、乗り換えの時の混雑した道と比べれば随分快適に歩けた
ぼんやりと歩いていると遠くの方から大型トラックが走ってくるのが見えた
今時、車道を車が走っているのを見かけるというのは珍しい事だった
車道という名が付いているのに車が走っているは珍しいというのはおかしいが、
免許制度が一新されて以来車の台数は減少を続け、今では偶に貨物自動車を見かけるだけであり、
自家用車というものを拝む事は滅多にないのだ
ちなみに、ブーンは二輪車というものを生まれてこの方見た事がない
そういう事情もあり、一般人には交差点で車両に注意をするという心がけが薄れつつあった
ブーンの前方を歩いている老婆も、やはりあの大型トラックに対する警戒がなかったのだろう
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:20:30.80 ID:9DfDLB+l0
使っちゃう?使っちゃう?
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:26:40.74 ID:+2oqCKUP0
ブーンと同じ向きに歩いていた老婆は、交差点に差し掛かると左側へ渡ろうとした
右側から左折しようとしていたトラックを完全に無視して、である
凄惨な交通事故が起こるまで、秒で数えるまでもなかった
( ゚ω゚)「……ッ!」
強く地面を蹴り出した右足からだけではない、尋常でない力がブーンの体を加速させた
左足は空を切った
しかし転ぶことも減速することもなかった
前傾の姿勢を保ったまま飛行していたのだ
今まで感じた事のない凄まじい風圧を受けつつも、ブーンはさらに加速し続け疾走していた
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:27:49.16 ID:viIYRjEN0
これ元ネタ何?ハルヒ?
俺ハルヒに関してはハルヒ博士って言われるくらい詳しいけどこんなシーン見たことない
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:29:57.19 ID:XRGE4aqE0
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:30:25.28 ID:Rctw5xMt0
支援
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:32:50.84 ID:+2oqCKUP0
圧縮された時間の中で、後少しでブーンの手が老婆に触れようとしていた
その時
ブーンと老婆の間に何者かが突如現れた
男だった
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:37:51.88 ID:+2oqCKUP0
ブーンは確かに見た
男は老婆の肩を強く押し、歩道に突き倒し
顔をブーンの方に向けた
その男と目があった
視界は途端に途切れた
ああ、魔法、使ってしまったお
どの瞬間にかは分からないが、ブーンは一瞬だけ後悔した――
第二話 終
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:38:32.79 ID:Rctw5xMt0
乙
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:40:41.75 ID:XRGE4aqE0
乙
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:40:48.55 ID:KI62KRio0 BE:4834750289-2BP(1426)
このブーン西川?
いやなんでもないしつまらん
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:43:48.33 ID:Ke7u1qxn0
つまらん
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:44:30.94 ID:9DfDLB+l0
乙ん、そんなに急いで何処へ行く
ところでブーンの顔の収縮具合が少し気になった
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 00:47:56.45 ID:+2oqCKUP0
忘れ去られる前に3話書こうと思うよ
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
>>46 勘弁してください土下座するんで