ξ゚听)ξ「さて、縄刀流当主ブーン」
( ^ω^)「何だお?」
ξ゚听)ξ「アンタ、天下が欲しいとか思ったこと無い?」
( ^ω^)「添加? コンビニ弁当かお?」
語彙が時代を超越するのは、この小説にはありがちなこととなるので、そこは了承いただきたい。
ξ゚听)ξ「添加物じゃなくて、天下。天を下る(おりる)と書いて天下よ」
( ^ω^)「天に降りる(おりる)と書いて『テンカ』と読むのかお? 天降りの略語かお?」
ξ゚听)ξ「違うわよ! 天下ってのは! ――そう、つまりこの国全体の事よ! この国の全てがいらないか? ってこと」
( ^ω^)「『天降り』って格好いいおね。丁度今さっき作った必殺技に付ける名前に丁度いいお」
ξ♯゚听)ξ「話を聞けーっ!」
グググググググ
ξ♯゚听)ξ つ( ;^ω^)ちょ、伸びる伸びる頬を引っ張らんといて!
( ^ω^)「痛いお……つーか絶対顔伸びたお……」
ξ♯゚听)ξ「アンタが私の話を聞かないからでしょーが! で、答えは?」
( ^ω^)「天下なんぞいらんお」
ξ゚听)ξ「理由は? 理由はあるの?」
( ^ω^)「ブーンは国全体なんて持っても持て余すのが目に見えてるお。かといって、誰かに物を譲るってのも気に食わんお。
だったら最初からとらない方がマシだお。これでも自分の器の小ささぐらいは知っているお」
ξ゚听)ξ「そう……。じゃあ、話を進めるけど、できればデレさんには席を外してもらいたいなぁ、って……」
( ^ω^)「無理だお」
ブーンは大きく首を横に振って拒絶した。
( ^ω^)「理由は二つあるお。一つは、縄刀流は血族の技だからだお。親父が生きていたって、ブーンと姉ちゃんをこの場に同席させたはずだお」
ξ゚听)ξ「原作とほとんど同じね」
( ^ω^)「もう一つ。ブーンはシスコンだから姉ちゃんと離れたくないお」
ξ゚听)ξ「原作とは大違いね。キモイ死ね」
( ^ω^)「死ねと言われて死ぬ奴は、いるっちゃあいるけどブーンは違うお。つーか顔、縮み過ぎたお」
ξ--)ξ「仕方ないわね……。今から言う事は二人とも他言無用よ? じゃあ、一から説明させていただくわ」
( ^ω^)「おっ、頼むお」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 13:50:29.61 ID:rvkxdfOCP
そういえば刀語見てなかったな
ξ゚听)ξ「荒巻スカルチノフって刀鍛冶の名前は知ってる?」
( ^ω^)b「知らんお」
ξ゚听)ξ「そう、知らないのね。死ね」
( ^ω^)「死ねと言われて死ぬ奴は、いるっちゃあいるけどおまえが死ね」
ζ(-ー-*ζ「……ブーン、荒巻スカルチノフという刀鍛冶の話は、お父様がしていたはずだけど?」
( ^ω^)「お? そうだったかお? ――ああ、ひょっとして『狂気の刀鍛冶変態荒巻スカルチノフ』って奴かお?」
ζ(゚ー゚*ζ「そう、それ。とても腕のいい刀鍛冶の癖に、ほとんどが自分の性的趣向を体現したかのような刀しかないっていう、あの話の事でしょう。
確か、初代縄刀流と対極していたとされていますね。なんでも好みのタイプの食い違いから因縁が生まれたとか。
お父様は鼻水を飛ばして一人で腹を抱えて笑っていましたよ。一人で」
デレは『一人で』を強調する。
ζ(゚ー゚*ζ「あの後は大変でしたよ。なんせお父様ったら、卓袱台を狂ったように叩きながら豪快な思い出し笑いをしましたところ、卓袱台がひっくり返り、宙を舞った酒瓶がお父様の頭にガシャン」
ζ(-ー-*ζ「酒まみれになった臭いお父様は事もあろうか私の服で体を拭ったのです」
ζ(゚ー゚*ζ「そのとき、私は柄にも無くカッとなってしまって――」
ζ(^ー^*ζ「あの汚物を消毒しました。この世から」
ξ;゚听)ξ「……今のは、殺人の思い出語り? 懺悔なの? というか、本当の話?」「本当だお。親父は殺されたんだお、姉ちゃんに」(^ω^; )
ツンは目の前の一人の乙女に恐怖を覚えつつ、何事もなかったかのように語り始める。
ξ゚听)ξ「……えーと、そうそう。荒巻スカルチノフ。――彼は二人が知っている通りの、類稀なる才能をもった変態だったの。
そして彼が作った十二本の『完全変態刀』は、彼の最高傑作、全ての刀の王と言っても過言ではないくらいのできだった」
( ^ω^)「全ての刀の王……」
ξ--)ξ「『卑刀・偽』『髑刀・俺』『女刀・胸』『覗刀・塔』『止刀・鉦』『吐刀・嘘』『鋭刀・猟』『冷刀・鮪』『終刀・穴』『恋刀・叫』『動刀・機』『振刀・趣』――。この十二本」
ξ゚听)ξ「全てが彼の愛情――いえ、性欲の権化。彼は死ぬ間際、一人の商人に全ての刀を託してこの世を去った。
そしてその商人は日本各地でその剣を売り捌いた――。昔話はこれでお終い」
( ^ω^)「で、本題はなんだお? まさかそんな昔話をするためにこんな辺鄙なところまで来たのかお? だとしたらツンは明日から日本一の物好きを名乗れるおね」
ξ゚听)ξ「井の中の蛙が日本一なんて言葉を軽軽しく使うなんて愚かしいわね」
( ^ω^)b「おっ、否定しないお」
ξ゚听)ξ「本題に入る前に、もう一つだけ語る必要があるわね。――幕府は今、『完全変態刀』を集めようとしているの」
( ^ω^)「お? なんでだお?」
ξ゚听)ξ「完全変態刀には未知のテクノロジーが多数使われているらしいの。『時を止める刀』や『肉体を活性化させる刀』なんてものがあるらしくてね。
そのテクノロジーを応用すれば次世代の武器を先取りできるんじゃないか、って考えよ」
( ^ω^)「『肉体を活性化させる刀』なら原作でも出てたおね、まさか丸パクリで出てくるとは思わないけども」
ξ゚听)ξ「当たり前でしょ。作者もそれぐらいは考えているわよ。――さて、本題よ」
( ^ω^)「おっ、待ち詫びたお」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 13:52:58.79 ID:3j4D78X50
原作ありならもう少し面白くてもいいと思うんだけど…
ξ゚听)ξ「私の『完全変態刀』の蒐集に付き合いなさい、ブーン」
ξ--)ξ「私と一緒に日本全国を巡り、『完全変態刀』を全て蒐集するの。キツイ旅になるかもしれないけど、ひ弱な私のボディーガード役として、アンタに是非とも協力してほしいの」
( ^ω^)「何でツンが『完全変態刀』を集めるんだお? 刀コレクターなのかお?」
ξ゚听)ξ「幕府の命よ。私はこれでも、もりたぽ幕府ボルジョア将軍直轄預奉所――軍所総監督、鬼策師ツンなんだから」
( ^ω^)「ああ――その格好は、やっぱりそういう意味なんだおね」
ツンの服は、かなり高級そうな印象だった。
それなりの地位についているのだろうということは、さしものブーンにも予想はできていた。
ξ゚听)ξ「………」
ベロベロ( ゚ω。)バァ「………」
ξ゚听)ξキメェ「………」
( ^ω^)オッオッ「――で、その仕事の見返りは?」
ξ゚听)ξ「死ね。空気読め」
( ^ω^)「いや、割とマジな話で」
ξ゚听)ξ「割とマジな話、死ね」
( ^ω^)「つまり、見返りは僕の死かお? だったら付き合うものも付き合いきれないお」
ξ゚听)ξ「――見返り、か」
ツンは二秒程考え込んだ後、
ξ゚听)ξ「……そうだ!」
( ^ω^)「お? なんかくれるのかお?」
ξ*゚听)ξ「……私に惚れていいわよ、ブーン」
( ゚ω゚)「……はぁ?」(馬鹿じゃねーのコイツ)
ξ*--)ξ「だから、私に惚れていいわよ。私に惚れる権利をあげます」
( ^ω^)「誰がおまえみたいなペチャパイに惚れるかバーカ」(うーん、悩むお)
ξ♯゚听)ξ「あ”?」
(; ^ω^)「冗談だお。――でも、ブーンには姉ちゃんがいるから、生憎恋人には困ってないんだお」(しまったお)
ζ(゚ー゚♯ζ「ブーン、後で話があります」
( ^ω^)b「寝床で聞くお」(あ、地雷踏んだお。というか核ミサイル踏んだお)
ζ(-Д-♯ζ「お父様と同じ墓で眠りたいですか?」
(; ^ω^)「それはゴメンだお。――で、ツン」(恐い恐い)
ブーンは再びツンに向き直る。
ξ゚听)ξ「何よ」
m9( ^ω^)9m「君は僕に刀集めを断られたら、どうするつもりだお?」
ξ゚听)ξ「どうするって――、一人旅よ」
( ^ω^)「忍者や傭兵は雇わないのかお?」
ξ゚听)ξ「ああ、その事は話してなかったわね。幕府は『完全変態刀』を集めるためにニュー速忍団とギコという傭兵を雇ったの。
でも結果的には、『完全変態刀』に心を奪われた彼等が幕府を裏切り、刀を持って逃げ出してしまった――。前者は忍者一団が全員抜け忍になっちゃったから、特に最悪だったわ」
( ^ω^)「ふむ、なるほど。金や名誉で釣られる人間はその『完全変態刀』の魅力には勝てない、と」
m9ξ゚听)ξ「そこで、真剣を使わない、金に興味の無い縄刀流なら欲に駆られて裏切る事が無いだろうと、私はそう思ってここへ来たの」
( ^ω^)「把握したお。――じゃあ、ツン」
ξ゚听)ξ「何よ?」
m9( 。ω゚)b「ブーンは君の旅に付き合う事にするお!」ブフッww
ξ*゚听)ξ「本当!?」ナゼフイタ
V( ^ω^)V「ただし、二つ条件があるお」フォフォフォ
ξ゚听)ξ「何?」
( ^ω^)「ブーンは『バッドエンド』というものが大嫌いだお。人が死ぬものなんてのはもってのほか、結局結ばれない恋だとか、過程で人が死んで『仕方ない』なんて言うような物語は嫌いなんだお」
ξ゚听)ξ「我侭ね」
( ^ω^)「ブーンは我侭だお。だから条件は二つ。まず一つに、姉ちゃんの安全を考慮して、このVIP島の事は誰にも言わないこと。
元々全然知られてないこの島の僕の名前が売れてしまったら、この島に近づこうとするものもきっと現れてしまうお。だから僕の出身の場所はどこかの知られていない秘境の名を適当に選んで置いてくれお」
ξ゚听)ξ「わかったわ」
( ^ω^)「もう一つ。絶対に死なないでくれお。ヒロインが死ぬ物語なんてものは、ブーンの好みじゃないお。もちろん姉ちゃんが死ぬ物語も嫌だお」
ξ゚听)ξ「それもわかったわ。――で、デレさんはいいんですか?」
ζ(-ー-*ζ「私は構いません。それがブーンの意志ならば、私が口出しするようなものじゃないのです。いい加減二十三歳にもなって姉離れが出来ないようでは、男としてはずかしいですしね
それに、ブーンはこれまでひたすら稽古に励んできました。報われるべき努力は、キチンと報われるべきなのです」
(* ^ω^)「あ、姉ちゃんの下着持ってっていいかお?」ハァハァ
ζ(゚ー゚*ζ「空気を読めない弟ですが、なにとぞよろしくお願いします」
ξ゚听)ξ「こちらこそ」
( (♯)ω(♯))「三途の川の向こうで親父とおかんが手を振ってるお」
(* ^ω^)「姉ちゃんの飯は美味いんだおー」ウキウキ
ξ゚听)ξ「へえ、期待してもいいのかしら?」
( ^ω^)b「当たり前だお」
昼時になり、ツンとブーンは卓袱台を囲んで談笑していた。
談笑といっても話の内容は様々で、ブーンの生い立ちの話かと思えばブーンの好物の話になったりなど、脱線具合が半端ではなかった。
( ^ω^)「へえ、ツンは闘わないのかお」
ξ゚听)ξ「当たり前でしょ。私には頭脳派人間の矜持があるの。私は絶対に武器を振るわない」
( ^ω^)「毒舌と暴力は?」
ξ゚听)ξ「時として振るうわ」
( ^ω^)「尻は?」
ξ゚听)ξ「振らないし、さっきから乙女に対して失礼過ぎるぞおまえ」
( ^ω^)ゝ「節操ってもんを知らないんだお。なにしろ世間知らずなもので」
ξ゚听)ξ「『世間知らず』を免罪符にするな変態」
ツンが呆れて返すと、
<「ちょっと遅い昼ご飯ができましたから、今運びますね」
どこかからデレの声が聞こえた
間もなく敷居をまたいで登場したデレの手には、グツグツと煮えた野菜鍋が握られていた。
野菜中心の、かなりシンプルな鍋だ。
( ;ω;)人「――ここで食う飯も、今日で最後かお」
感慨深そうに手を合わせるブーンだったが、いざ食べ始めると止まらない。
ζ(゚ー゚*ζ「私の味を忘れないようにね、ブーン」
( ;ω;)「言われんでも、しっかりと舌に刻み付けるお」
ξ゚听)ξ「………」
二人を見て、ツンは姉弟愛っていい物だな、と考えていた。
ξД)ξ ゚゚「熱っ!」
考えは吹き飛んだ。
( ^ω^)「お? ツンは猫舌かお?」
ζ(゚ー゚*;ζ「ツンさん、お水をどうぞ」
ξ・凵E)ξ「あつつつありがとうございまひゅ」
( ^ω^)「誰だおまえ」
なんか懐かしいノリだな
ξ゚听)ξ「フゥ……。デレさん、お料理がお上手ですね」
ζ(゚ー゚*ζ「あら、お世辞がうまいですねツンさん」
ξ゚听)ξ「いいえ、お世辞などでは――」
ツンが言いかけた時だった。
デレが身を乗り出して正座だった足を卓袱台の裏に引っ掛け、そこそこ厚みのある壁に叩きつけるようにして蹴ったのは。
――本当に唐突だった。
壁は砲撃にあったかのように粉々に砕け、宙に舞った鍋が派手に熱湯と具を巻き散し、ガシャンと音を立てて地に落ちた。
大きく開いたその穴には、一人の男が居た。
<ヽ`Д´>「アイゴー! なんでバレたニダ!?」
ζ(゚ー゚*ζ「先ほどから妙な気配を感じていましたが、ほとんどあてずっぽうです」
<ヽ;`Д´>「あてずっぽうでウリの位置をあそこまで正確に!? おまえ何者ニダ!?」
壁の外の男は角ばった顔の、どこか貧相な男だった。
顔は隠さず、刀も隠さず。
その衣装は、黒主体の忍者服であった。
ξ♯゚听)ξ「ニュー速忍団! ――のニダー!」
ツンが叫んだのはその時だった。
<ヽ`∀´>「これはこれは麗しきツン様ニダ。まぁいいニダ。今回の目的はツン様じゃないニダ」
そう言うと踵を返し、背を向け駆け出す。
<ヽ`∀´>「捕まえてみろニダ! ホルホルホルホルwwwww」
( ゚ω゚)「おいエラ男! ブーンと姉ちゃんとツンの昼飯に何してくれてんだお!ち ょ っ と 待 つ お !」
殺気を原動力に、ブーンが開いた穴を勢いよく飛び出した。――もちろん裸足で。
どうやら男を追うようだ。
ζ(゚ー゚*;ζ「待ちなさいブーン! 十中八九狙いはあなた――。行ってしまいましたか」
ξ;--)ξ「――今回の目的が私じゃないって事は、答えは一つしかないですよね――」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 14:12:06.54 ID:pC2Zz2Em0
だらだらしてて追うのが辛くなってきた
ζ(゚ー゚*ζ「まぁ、幸いな事にブーンは今、刃縄を携えていますから、まず負ける事はないでしょう。相手が並みの相手なら、ですが」
ξ;゚听)ξ「相手は並みの相手ではありませんよ、デレさん」
ζ(゚ー゚*ζ「と、いうと?」
ξ;--)ξ「奴はニダー……。『騙しのニダー』です。何を隠そう幕府が雇った忍者で、幕府を裏切ったのは彼です」
ζ(゚ー゚*ζ「なるほど、つまり――」
ξ゚听)ξ「ええ、『完全変態刀』……。『卑刀・偽』は彼が所持しています」
ζ(-ー-*ζ「――しかし、まあ、ブーンは負けませんね」
ξ゚听)ξ「どうしてですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「あの程度の手だれで負けるような軟弱では無いのですよ、ブーンは。――きっと」
根拠の無い自信に満ちあふれたデレの目を、ツンは見る。
透き通った黒い目は、まるで遠くの誰かを見ているようだった。
支援だ
ξ゚听)ξ「にしても……ニダーはどうやってこの島に……?」
ζ(゚ー゚*ζ「あなたはこの島に舟で来ましたか?」
ξ゚听)ξ「ええ、もちろん」
ζ(゚ー゚*ζ「では、あなたが漕いで来たのですか?」
ξ゚听)ξ「そんなはずは――。……なるほど、船頭ですか」
ζ(-ー-*ζ「ええ、おそらく」
ξ--)ξ「迂闊でした……申し訳ありません」
ζ(゚ー゚*ζ「いえ、いいんですよ。――とりあえず今は、ブーンの安全を祈るのみです」
ξ゚听)ξ「……ちょっと私、見てきます!」
ζ(゚ー゚*;ζ「え、あ、ちょっと危険では――」
デレは声を掛けようとしたが、時既に遅し。
ツンの姿が見えなくなった時には、一人でこう呟いたのだった。
ζ(゚ー゚*ζ「……お気をつけて」
( ゚ω。ω)「そこのおまえ! 止まるお! おんどれ止まるお! 止まるおおおおぉおおおぉぉおおぉおお!」
<ヽ;`∀´>「なんか追っ手が異常に恐いっ! っつーか口二つついてるっ! 恐っ!」
( ^ω^)「とにかく止まれお童貞」
<ヽ`∀´>「じゃあ止まるニダ。ついでに言うと、童貞に童貞って言われても傷つかないニダ」
( ^ω^)「お、やけに素直だおね。素直でよろしい、テメェは俺を怒らせた。おまえはもう死んでいる」
<ヽ`∀´>「おまえはウリを追い詰めたつもりニダ? それは不正解ニダ」
( ^ω^)「おまえがブーンをおびき寄せようとしたんだお?」
ブーンは普通に言い放った。
<ヽ;`∀´>「わかってて来たニダ? 罠が仕掛けられている可能性も考慮せずに?」
( ^ω^)b「あいにく思索を巡らすのは得意な方じゃないお。手っ取り早く物事を終らせるのが僕のスタンスだお」
<ヽ`∀´>「おまえ面白いニダ、ウリは気にいったニダ」
m9( ^ω^)「ブーンは食べ物を粗末にする奴は、命を粗末にする奴よりも大嫌いだお」
<ヽ;`∀´>「食べ物を粗末にしたのは明らかに卓袱台を蹴ったあの女ニダ……。ウリは何もしてないニダ……」
( ゚ω゚)「姉ちゃんに責任転嫁するんじゃねぇよこの糞忍者ァ!」
にしてもこのブーン、酷いシスコンである。
<ヽ`∀´>「さあ、武器を構えろ縄刀流。ウリがおまえを殺してやるニダ」
( ^ω^)「――その前に三つつだけ質問いいかお?」
<ヽ`∀´>「何ニダ?」
( ^ω^)「一つ、おまえはどうやってこの島に来たのか。二つ、おまえの目的は何か。三つ、もりたぽアンケートの過疎についてお前はどう思うか」
<ヽ`∀´>b「一つ目の問いの答えは簡単ニダ。あの鬼策師の船頭としてギッコンバッタン舟漕いでやって来たニダ。二つ目の問いは答えるかどうか迷うニダね」
( ^ω^)p「答えろお」シタミロ
<ヽ`∀´>「――冥土の土産に教えてやるニダ。ウリの目的はあの鬼策師の刀集めの妨害ニダ」シタ?
( ^ω^)「それに、何の意味があるんだお?」トリノフンフンデル
<ヽii`∀´>「ウリは『卑刀・偽』の所有者ニダ。あの鬼策師が刀集めを開始したら、ウリに被害が及ぶ事はほぼ間違いないニダ。
危険な芽は摘んでおくニダ。それと華麗にスルーしたけど、さっきの三つ目の質問は意味がわからないからやっぱりスルーするニダ」ウェェ…
( ^ω^)「おっ、おまえの左腰に提げてるそれは、変態刀かお」
<ヽ;`∀´>「『変態刀』って略さずに『完全変態刀』って言えニダ! ただの変態の刀みたいな響きは格好悪いニダ!」
( ^ω^)「いや、『完全変態』ってどう聞いても完全な変態って意味にしか聞こえないから、どちらにしろ変わらんと思うけどおね」
<ヽ;`∀´>「そんな事はどうでもいいニダ! さあ、お喋りの時間は終わりニダ!」
<ヽ`Д´>「――ニュー速忍法! 分身の術!」
次の瞬間、ニダーをありがちな煙が包み――、その煙の中からは、ニダーの分身が次々と現れた。
( ^ω^)「……これは驚いたお」
<ヽ`∀´>「「「総勢十人ニダ。これから一人ずつ、おまえと闘うニダ。流石に十人で一気に攻めるのは勘弁してやるニダ」」」
( ^ω^)「おっおっ。それはいたみいるお」
<ヽ`∀´>「「「――と、忘れてたニダ」」」
一人のニダーが刀を抜刀した。
<ヽ`Д´>「『卑刀・偽』。能力発動!」
『卑刀・偽』の刀身が明るく輝く。
次の瞬間には再びありがちな煙が以下略。
<ヽ`∀´>「「「「「総勢二十人ニダ」」」」」
(; ^ω^)「……これは時間が掛かりそうおね」
<ヽ`∀´>「ウリが先陣を切るニダ。さあ、かかってこいニダ」
一人のニダーが一歩前に出る。
残りの十九人のニダー達は後ろへ下がり、ただの傍観者となった。
( ^ω^)「『かかってこい』? それはブーンのセリフだお? どこからでもかかってくるといいお」
ブーンが懐から刃縄を取り出した。
その長さ、約三メートル。
左手に不要な縄を巻きつけ、右手で適当な長さの部位を掴むのが縄刀流の基本的な構えだ。
リーチの変更は右手で掴む部位を変えるだけで済む。
<ヽ`∀´>「じゃあまずは小手調べニダ。ちょお!」
高く振り上げられた刀が、ブーン目掛けて振り下ろされ――
( ^ω^)「縄刀流第一奥義・『あやとり』」
振り下ろされた刃は、ブーンの縄によって受け止められた。
しかし、ブーンは受け止めるだけでは止まらない。
相手の刀を弾き、縄の流れを上手く操り、幾度もの攻撃を放つのだ。
<ヽ;`Д´>「わわわわわわわ?!」
ニダーは一方的な攻撃にあせっていた。
縄はありとあらゆる形に変わり、ニダーを確実に狙って攻撃するのだ。
守りに徹する他、ニダーに道は無かった。単純に手数の差である。
( ^ω^)「縄刀流第二奥義・『殴り結び』!」
ニダーの剣を紐の腹の辺りで受け止め、先端をニダーの頭に向けて叩き落とす。
その力、石でできた壁ぐらいなら真っ二つに切り裂く程度。
グロテスクなニダーの死体を前に、一人のニダーが声をあげた。
<ヽ;`∀´>「――なんでただの紐でそんな威力があるニダ!? おかしいニダ!」
m9( ^ω^)b「簡単な事だお。『縄は縄であって縄にあらず。縄であって刃であり、刀である』だお」キメゼリフ
ブーンはしてやったり、という風な顔で言った。
<ヽ`∀´>「……ようするに、その紐は超長い日本刀と考えていいニダね?」
( ^ω^)「そういうことだお。さあ、次の一人、来るといいお。今の僕は虫のいどころが悪いから手加減できないけどお」
<ヽ`∀´>「待つニダ。次は十人。一気にウリ十人を相手にするニダ!」
(; ^ω^)「十人かお!?」
<ヽ`∀´>「それぐらいのハンデはあっていいはずニダ? おまえは腕に自信が無いニダ?」
(; ^ω^)「でも……流石にその人数は……」
<ヽ`∀´>「嫌ニダ? じゃあウリは全員でおまえを斃しにかかるニダよ?」
( ^ω^)「……わかった。十人、かかってこいお」
ニヤリと笑ったニダー達は、俊敏な動きでブーンを囲む。
四方八方、お互いが邪魔にならないように、適度な間合を取りつつ、ジリジリとブーンへの間合を詰める。
<ヽ♯`Д´>「「「「「ちょあーーっ!」」」」」
ニダー達の声が重なり、十本の刀がブーンを襲う。。
( ^ω^)「縄刀流第三奥義・『盾結び』からの転用使用、第十奥義・『繭結び』」
ブーンを中心に、グルグルとドームのような螺旋を描いて縄が盾となり、ニダー達の刀を受け止める。
縄でできた天球がブーンを包む形だ。
(♯^ω^)「縄刀流第九奥義・『おはじき』!」
――逆回転をする縄が、勢いよくニダー達の体を弾いた。
<ヽ;`∀´>「「「「「うおっ!」」」」」
( ^ω^)「本来繭結びは相手をグルグル巻きにする技なんだお。防御に使ったのは初めてだったけど、案外いけたお」
<ヽ;`∀´>「「「「「化物ニダ……」」」」」
<ヽ`∀´>「でも、ただ弾き返されただけでやられるようなウリ達じゃないニダ。今度は五人五人に別れて攻めるニダよ。
さっきの技は、弾き返した瞬間に隙が出来るニダ」
(; ^ω^)「もう弱点見破られたかお……流石に忍者は凄いおね。じゃ、殺られるまえに殺るお」
言うが否や、縄を放つ。
( ^ω^)「縄刀流第四奥義・『大蛇結び』!」
縄が巨大な蛇を描き、一人のニダーに向かって突進する――!
ドゴッ
<ヽ`Д<(=====「ニd――」
鈍い音が響き、ニダーの体は宙に舞った。
そしてその背後に生えていた木に叩きつけられる。
メキメキと悲鳴をあげる木と、ニダーの骨。
<ヽ∀>「――カ”ア、ア”ア”ア”ア”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”」
最後の断末魔を残して、一つの命は散った。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 14:34:10.31 ID:6q15GJXH0
うーん、締まりのない戦闘だ
<ヽ;`∀´>「な――」
一瞬の出来事で、瞬時に理解できなかった彼『等』は、ブーンを見る。
ニヤケ面は、ほとんど変わっていなかった。
あれは彼なりのポーカーフェイスの一種なのだろうか。
( ^ω^)「どんどん行くお」
縄が鞭のように、しかし鞭としてはありえない軌道を描いて、次々とニダー達を襲っていく。
中には三人まとめて木に叩きつけられるニダーもいた。
そして、
( ^ω^)v「あと、九人」ピース
ブーンは言った。
<ヽ`∀´>「……八人で行くニダ」
( ^ω^)「本人は残って高みの見物かお? まぁいいお。ブーンは今調子がいいお」
<ヽ;`∀´>「………」
ニダーは戦慄を感じながら考えていた。
――あの化物に勝つ事ができるのか?
数の利はあっても、地利も戦闘の技術も、全て向こうが勝っているじゃないか――!
( ^ω^)「ボヤボヤすんなお。縄刀流第五奥義・『地這い結び』!」
縄が、一人のニダーに向けて勢いよく放たれた。
<ヽ;`∀´>「全員散るニダ! 不意打ち狙い策戦ニダ!」
我に返ったニダーは、鬱陶しいダミ声を張り上げる。
そのニダーの声が届く頃には、もう既に一人、死んでいた。
( ^ω^)「縄刀流第八奥義・『首吊り結び』」
一人のニダーの首元に、地を這うようにして足元までやってきた縄が、反応できないような速度で突き刺さったのだった。
首『吊り』にも関わらず、その奥義はニダーの首を空に舞わせただけであり、『結び』も何も無かった――。
( ^ω^)「まったく、今日は縄の掃除が大変だお」
ブーンはそんな事を愚痴りながら、血で真っ赤に染まった縄を握り締め、早速次の目標を探す。
(; ^ω^)「全員森へ逃げたかお……。――ッ!」
後方からの気配を感じ、すぐさま『盾結び』を背に展開する。
キン、という金属音が響いた。
<ヽ`Д´>「チッ! 南無三ニダ!」
( ^ω^)「ああ、生かさないお」
ニダーの刀を受け止めた縄が、そのまま刀に、アサガオの蔓のように巻きつく。
( ^ω^)「縄刀流第七奥義・『折り結び』」
パキン、という乾いた音とともに、ニダーの『卑刀・偽』は圧し折られた。
( ^ω^)「おっ、この刀を折っても他のニダーの刀にはなんら影響ないのかお? 折る前に聞いておくべきだったお」
<ヽ`∀´>「本物を折らない限りウリ達のの分身も剣も消えないニダ! それと、ウリ達の脳はリンクしてるから、今おまえが使った『折り結び』も伝わってるニダ!
ウリ達は絶対的に安全な方法を見つけて、おまえの首を――」
( ^ω^)b「黙れお」グッ
ニダーの心臓を刃縄が貫いた。
( ω)「手前にわかるのかお、僕の気持ちが……」
ブーンが吐き捨てるように言う。
ドシャッと血に転がったニダーの死体を蹴りつけ、ブーンは歩み始める。
( ω)「姉ちゃんの作ってくれた鍋が粗末になったのは、おまえの所為だお。ブーンのお昼ご飯が途中で終ってしまったのは、おまえの所為だお」
シスコンは叫ぶ。
( ;ω;)「姉ちゃんの最後に作ってくれた飯! おーんおーん!」
ブーンは縄を放り投げ、人が三人ほど手を繋がないと囲めないような、大きな木に何重にも巻き付ける。
巻き付けられた回数は怨恨の度合いだろう。
( ゚ω゚)「ふんぬぉおおぉおおおぉおおぉおおおおおぉ! あああぁぁあああああああああぁああぁああ!」
ブーンは力任せに縄を引っ張った。すると、木がメキメキと音をたてて宙に浮き始める――!
ゆっくりと、確実に木は持ち上がる。
( ゚ω゚)「どっせええぇええぇえぇえええええええぇえい!」
根元まで完全に宙に浮いた巨木は、ブーンの縄に操られ、まるで金属バットのように、振りかぶられた。
勢い余って一回転したブーン。
強力な一撃が、周囲の木を、地面を、空間を破壊した。
(♯ ゚ω゚)「うらああああぁぁあぁあぁぁあ飛んでけボケエエエエェェエェエエェ!! 星になれえええぇえぇええぇぇえぇぇえ!!」
次の瞬間には、ブーンの周りは竜巻でも通ったかのような、そんな荒地になっていた。
ちらほらと見える血痕は、何かの動物のものか、はたまたブーンの隙を狙っていたニダーのものか。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 14:41:22.54 ID:Z1qelusw0
昼間って人いないけど支援
<ヽ;`∀´>「恐ろしい威力ニダ」
――背後から声が聞こえた。
ブーンは涙を拭ってから振り向く。
(; ^ω^)「――っ! ツン!」
<ヽ`∀ξ;゚听)ξタスケテ…
そこには捕まったツンがいた。
ξ;--)ξ「ブーン、ごめんなさい……」
( ^ω^)「ツンごめんお」
ξ゚听)ξ「は?」
(♯ ^ω^)「死ねええぇえぇえええぇえええぇ!!」
<ヽ;`∀´>「ちょおま、ニダアアァアァァアア!」
ニダーが間一髪、ツンを抱えたまま横に飛び、一直線に放たれた縄、もとい斬撃を回避した。
もしもそれなりに距離がひらいていなかったら、ニダーは人質のツンもろとも首無しになっていただろう。
ξ♯゚听)ξ「何すんだ馬鹿ーーーっ!」
ツンの怒号が響く。
(♯^ω^)「ソイツだけは許せんお! ツンを殺してでも殺すお! 食い物の怨みは恐ろしいんだお!」
ξ♯゚听)ξ「アンタにとって私は食い物以下か!」
( ^ω^)「……いや、冷静に考えてみたらツンの方が大事だおね」
ξ;゚听)ξ「………」
その頃ブーンの頭の中ではツンを殺す→幕府が怒って人を寄越す→姉ちゃんが脅威にさらされるという方程式を組み立てていた。
シスコンの重症者である。
姉第一主義。
――そしてこの方程式が組み立てられた瞬間、ブーンはツンの旅に協力することを、確実に決心した。
こうして遠まわしに姉の安全ためになるというのなら、惜しみなく力を発揮する事ができるのだ。
( ^ω^)「――ニダー。ツンを人質にとってどうするんだお?」
<ヽ`∀´>「縄刀流、今すぐ自害しろニダ」
( ^ω^)「お? どうやって?」
m9<`∀´>9m「その縄で自殺すればいいニダ!」ハヨシロ!
( ^ω^)ノシ「それは無理だお。この縄はブーンを殺す事が出来ないお。縄刀流の人間は縄では自殺することができないんだお。
例え首を絞めようとしても勝手に縄が緩むし、刃をつきたてようとしても縄がいう事聞かないんだお」ムリムリ
<ヽ`∀´>「それじゃあ……。ウリが殺してやるニダ! 縄をそっちの茂みにに放ってコチラに来るニダ! おっとツン姫、もしも変な動きをしたら叩き斬るニダ。
ツン姫はそっちで手を頭の後ろに置いてしゃがんでろニダ」
ブーンが刃縄を近くの茂みに放る。
ツンが頭の後ろに手を置いて、遠く離れていく。
<ヽ;`∀´>「逃げるなニダ」
ξ゚听)ξ「チッ」
不満の色が露骨にでた舌打ちだった。
<ヽ`∀´>「よし、じゃあ縄刀流はコッチ来るニダ」
( ^ω^)「お」
ξ゚听)ξ「………」ブーン…
<ヽ`∀´>「死ぬニダ!」
ニダーが『卑刀・偽』を振り上げた。
( ^ω^)b「死ねと言われて死ぬ奴は、いるっちゃあいるけどブーンじゃないお!」
そういうや否や――、ブーンのは茂みに向けて視線を送る。
視線の先から飛び出してきたものは、ブーンの刃縄だった。
刃縄は勢いよくニダーの首に巻きつき、その先端をブーンの手元にスルリと収める。
<ヽ;`∀´>「ニダッ!?」
( ^ω^)「ブーンはこの縄を使った闘い方が超能力の一種だといわれても、驚かないお」
縄の遠隔操作。
それは普通の人間には絶対に真似することができない、縄刀流だけが使える能力である。
首を絞められて顔を紅くするニダーの手から力が抜け、『卑刀・偽』が滑り落ちた。
<ヽ ∀ >「ニ……ダ……ッ! おまえは……あの女に騙されてるニ……ダ……! あの女は自分の出世のためにおまえを……利用としてるだけニダ……!」
( ^ω^)「『あの女』? ツンの事かお? まぁツンの本音がどうであれ、僕には関係ないおね」
<ヽ ∀ >「どうして……おまえは……そこまでアイツを……ッ!」
( ^ω^)「姉ちゃんのためだからに決まってるだろうお」
<ヽ ∀ >「………ニダ?」
ニダーには、どうしてブーンがツンに従う事がブーンの姉のためになるのか、その経緯は全く理解することができなかった。
当たり前である。
重度のシスコンの考えが――、偏ったブーンの考えが、一般人に理解できるはずもない。
( ^ω^)「ニダー。下種なおまえに敬意を表して、この言葉を送るお」
<ヽ ∀ >「なn……ニd」
m9( ^ω^)9m「死ね」
ブーンは縄の全てをニダーに向け、ニダーをグルグル巻きにする。
縄刀流第十奥義・『繭結び』
ブーンが闘いの途中で防御として利用した技だった。
( ^ω^)「か・ら・のー?」
ブーンが縄を、懇親の力を込めて青い空に向けて放り投げる。
( ^ω^)「今日考えついた新奥義! 縄刀流第十一奥義・『天降り』!」
空高く放り投げられたニダーは、重力に従ってゆっくりと――いや、ゆっくりと感じているのは本人だけだろう。
次の瞬間にはグシャッ、と音をたてて、地面に血の水溜りを作った。
翌朝。
旅支度を整えたブーンが、縄を自分の足で結び、それを地面と垂直に伸ばして、高い位置から島全体を見渡していた。
初めて縄師の修行として行なうのは、この修行だった――。おもえば二十三年間、この小さな島で修行ばかりしてきたのだ。
ふつふつと蘇る思い出の前に泣きそうになりながらも、ブーンは必死で堪えていた。
ここで泣いてはいけないと、自分の何かが訴えていた。
そこにやって来たのは、見送りに来たデレだった。
ブーンは縄を操り、徐々に降下する。
ζ(-ー-*ζ「ブーン、達者でね」
(; ^ω^)「ちょ、姉ちゃんまだ早いお! 僕の別れの言葉がまだだお」
ζ(゚ー゚*ζ「ブーン……。別れにあまり面倒な言葉は要りません。あなたの乏しい語彙では叙情の詩の一つも書けませんよ」
(; ^ω^)「ちょ、ひでぇお……」
ζ(゚ー゚*ζ「行きなさい。また帰ってくるんだったら、そのときは歓迎します」
( ^ω^)b「――おっ、じゃあ姉ちゃん、ブーンはまた戻って来るお、絶対。そんで姉ちゃんの鍋を腹一杯食って、
姉ちゃんに旅の話を聞かせるお」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、楽しみにしてるわブーン」
ξ゚听)ξ「ではデレさん。――ブーンをお借りします」
何時の間にか舟で荷造りしていたはずのツンが居た。
まぁ荷造りと言っても、重い物をブーンが持つ袋に入れて、軽い物を自分の袋に入れていたという話なのだが。
ζ(-ー-*ζ「ええ、ツンさん。どうぞ弟を扱き使ってやってください。弟のためにも」
デレは目を伏せて、恭しく、深く一礼した。
ξ--)ξ「では」
ツンも一礼する。
デレほど深い礼では無かったが、それでも彼女の誠意がハッキリと感じられる礼だった。
ブーンとツンは舟に乗り、大海原へと旅に出た。
まぁ対岸に移動するだけなのだが――、それでも長い長い旅の始まりであることには変わり無い。
ギッコン、バッタン、ギッコン、バッタン。
ブーンが漕ぎ始めた小さな舟は、ゆっくりと進み始める。
ξ゚听)ξ「ねぇブーン」
( ^ω^)「お?」
舟を漕ぐブーンに、ツンが話し掛けた。
ξ゚听)ξ「アンタ、私に惚れる気は無いの?」
ツンに問いかけに、ブーンはニヤケ面を崩すことなく答えた。
( ^ω^)「微塵も無いお」
その頃
<ヽ`∀´>ふぅ……助かったニダ……
<ヽ`∀´>分身の死体の数も数えずに勝った気でいるなんて甘すぎるニダwwwwホルホルホルwwwww
<ヽ`∀´>アイツ等が持って言ったのは『卑刀・偽』の偽物の方ニダwwwwwww
<ヽ`∀´>最後に良い目を見るのはウリニダwwwwww待っているがいい縄刀流wwwwwwと……
<ヽ*`∀´>ツン姫…
――――――――――――――――― To be Continued―――
とりあえず投下終了です
支援してくれた人はありがとうございましたおm9(^ω^)9m
おつー
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 15:09:58.97 ID:tKG0udgl0
おつんつん
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 15:21:56.21 ID:Z1qelusw0
乙!
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 15:29:31.71 ID:5lzVxLcp0
乙鰈
乙乙! 次も待ってるぜ!
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/30(水) 16:25:09.54 ID:Ko1lYL2U0
ラブウォーズのニダーをパクって原作ありと混ぜた話
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
原作ほぼ丸パクリでここまでつまんねーのは最早原作が悪いな