上条「バイトでもしようかな……」

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112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします

麦野がそう言うと滝壺は無言でうなずき、ポケットから透明なケースを取り出す。
絹旗は不思議そうな目で透明なケースを見ている。

絹旗「滝壺さんも超難儀していますよね。『体晶』がないと能力を発動できないなんて」

滝壺「別に。私にとっては、こっちの方が普通だったから」

そう答え、そして麦野の方へ向く。

滝壺「検索対象は『未元物質(ダークマター)』でいい?」

麦野「いいから、とっととやっちゃいなさい」

滝壺は白い粉末をほんの少しだけ舐めた。彼女の目が光る。
まるでそちらの方が正常であるかのように、背筋を伸ばして滝壺理后はたたずんでいる。

滝壺理后は、『能力追跡(AIMストーカー)』のという能力を持つ、大能力者(レベル4)である。
一度記憶したAIM拡散力場の持ち主を補足し、たとえ太陽系の外まで逃れても居場所を探知できる能力である。

滝壺「AIM拡散力場による検索を開始。
   近似・類似するAIM拡散力場のピックアップは中止。
   該当する単一のAIM拡散力場のみを結果報告するものとする。
   検索終了まで五秒」

機械のように放たれる声。
そして、正確な答えはやってきた。