1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理です、作者が来るまでしばらくお待ちください
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:16:32.82 ID:vPrX4o9n0
代理乙!
では投下して行きます
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:17:08.94 ID:ksofmOJX0
第一部 かつての世界と、文明の明日に心血を注いだ天才の話
― 1 ―
八歳で学士を取った。十歳で博士号を取った。
僕はいわゆる、天才と呼ばれる人種だった。
いや、それは正しくない。
正確に言うのなら、天才の中でも最も秀でた天才中の天才だった。
二倍以上歳の離れた天才ばかりの世界の最高学府で、僕は誰よりも優秀だった。
言うまでも無く主席で卒業し、優秀な頭脳ばかりが集められる研究所に入ってすぐに頭角を現した僕。
十代半ばで、世界の主要言語を完璧にマスターした。
十代後半で、当時不可能だと言われていたバルキスの定理の証明を成し遂げ、世界にその名を轟かせた。
二十代前半には、文明の未来を担う急先鋒として天才たちをあごで使い、寒さも暑さも防げる夢の繊維、
一粒で三日間腹が満たされる夢の食料、冷凍睡眠などの基本理論を構築し、様々な発明の基を築いた。
そして二十代も半ばに差し掛かった僕は、それらの実用化を他者へと引継ぎ、
この時代の文明の明日に必要不可欠であったエネルギー問題の解決に動き出すことになる。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:17:48.75 ID:VkUuy2IuO
とりあえず頑張れ
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:17:50.88 ID:ksofmOJX0
( ^ω^)「プロジェクトチーフの内藤だお。よろしく頼むお」
川 ゚ -゚)「サブチーフのクーだ。事務統括、その他現場の指揮は私が担当する。
このプロジェクトには人類の未来がかかっているといっても過言ではない。
つまり、君たちの双肩に人類発展の如何がかかっているのだ。
それ故、プロジェクトにかかわる人材は厳選させてもらった。
君たちには精鋭としての自覚をもち、ぜひとも研究に全力を注いでいただきたい。以上」
プロジェクトチームの顔合わせの日。サブチーフのクーが、口下手な僕の言いたいことを代弁してくれた。
自室に戻って「ありがとう」と告げると、
僕と同期の天才である彼女は腰まで伸びた黒髪を揺らしながら、小さく肩をすくめた。
川 ゚ー゚)「演説もどきのセリフを口にするのは疲れるよ。慣れないことはするもんじゃないな」
常に僕の傍らを歩いてきた天才は、小さく弱音を吐いて、笑った。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:18:44.53 ID:ksofmOJX0
プロジェクトチームは行政関係を除けばごく少数の人員で構成されていた。
僕とクー以外のメンバーは天才でもなんでもない凡人の集まり。
僕が頭脳でクーが神経、そして他の凡人たちが手足として実際に動く。
人体の構造を模したチーム構成。だから、頭脳たる天才は僕一人で十分のはずだった。
そこになぜもう一人クーという天才を加えたかというと、理由は単純だ。
優秀だから。
彼女がいなければ、これまでの僕の発見は数年遅れていたことだろう。だからクーを加えた。それだけの話。
特別な感情なんて何もない。事実と過去の功績だけを重視したドライな人事。
そこに感情を持ち込むことはタブーだと、この時の僕は信じていた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:19:26.37 ID:ksofmOJX0
完璧に思われた布陣。
しかし、完璧なものなど存在しないのがこの世の常。
不具合はすぐに生まれた。それも、思っても見ないところから。
( ^ω^)「クー。作業工程がだいぶ遅れているお。どういうことだお?」
プロジェクトがスタートして三ヶ月ほど経ったある日、僕は自室にクーを呼び出した。
まだ三ヶ月しか経っていないというのに、プロジェクトはすでに予定より大幅な遅れをきたしていたからだ。
その件について僕が問いただすと、彼女はいつもどおりの無表情で一言。
川 ゚ -゚)「……すまん。すぐに挽回してみせる」
そう残して僕に背を向けると、彼女はすぐに部屋から立ち去った。
白衣にかかった黒髪が、艶やかに翻っていた。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:19:49.99 ID:oIg3jbYZ0
まあ、新手の支援のようなものだ支援
('A`)「今日の授業は終わった」
( ^ω^)「じゃあ始めるお」
( ・∀・)「あぁ、ついにこの時が来たようだな……っ!」
('A`)「では、いくぞ!」
( ^ω^)( ・∀・)「「おう!」」
(´・ω・`)「で、なにを始めるんだい?」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:20:07.53 ID:ksofmOJX0
普段、僕は新エネルギーシステムについての理論を構築するため一人で自室にこもっており、
理論の真偽を確認するための実験等実証作業、いわゆる現場作業はクーと凡人たちに任せていた。
クーに任せていればうまくいくと妄信していた。そのため、現場の様子を一切把握していなかった僕。
しかし、依然としてプロジェクトの進行状況は遅れたまま。
痺れを切らした僕が抜き打ちで現場に赴いたところ、広めの実験室にあったのは、
思い思いに固まった凡人たちのグループが数個と、窓際の席に独りたたずむクーの姿。
無機質な顔で机上に置いたコンピュータのブラウザと向き合う彼女は、まるで機械のように感じられた。
( ^ω^)「なるほど。そういうことかお」
川 ゚ -゚)「……すまん。どうも凡人たちとうまくいかんのだ」
後日、自室に呼び出した彼女がポツリと漏らした。
顔は無表情のままだったけれど、わずかにその肩は落ちていた。
彼女の弁解はそれ以降一言もなかった。
潔さだけは褒められものだが、だからといってそれが何の役にたつ?
( ^ω^)「わかったお。もういいお」
それだけを残して、僕は彼女をすぐに部屋から退出させた。僕の肩も落ちていた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:21:41.48 ID:bESufzwh0
('A`)……
( ^ω^)……
( ・∀・)……
(´・ω・`)……
(´・ω・`)「え、なにこの沈黙怖い」
('A`)「まぁ、いつものノリだな」
( ^ω^)「なんかおもしろいことないかお?」
( ・∀・)「あったらやってるだろ」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:22:10.90 ID:oIg3jbYZ0
支援
(;'A`)「え、まさか3話目にしてネタ切れなんか言わないよな?」
(´・ω・`)「ドクオは誰と喋ってんの?」
( ^ω^)「ついにドクオが頭がダメな子になってしまったお」
( ・∀・)「そうだな、病院連れていくか」
(´・ω・`)「じゃあブーンがいいとこ知ってそうだし紹介してもらおうか」
( ^ω^)「しょぼん、それは僕が頭悪いって言いたいのかお?」
('A`)「まぁまぁ、落ち着けよ」
( ・∀・)「バカが喋った」
(#'A`)「だまらっしゃい!あと俺は常に正常だ!」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:22:46.30 ID:ksofmOJX0
生来のものなのか成長の過程でそうなったのかは定かではないが、
クーは感情を表に出さない人物だった。よく言えばクール。悪く言えば鉄面皮。
彼女深く付き合わない限り、その印象は決して良いものにはならないだろう。
確かに僕は、彼女に人と人との緩衝役を担う適性がなさそうなことにはじめから気づいていた。
僕も人のことを言えるような明るい性格ではなかったが、過去の実績や経験から見るに、
それでも彼女ならうまくやってくれると信じていた。事実、彼女はこれまではうまくやってくれていたのだ。
それがこのざまだ。期待はずれもいいところだった。
( ^ω^)「使えない女だお」
閉じられた扉に向けて呟いて、僕はすぐに打開策を練り始めた。
合間に口に含んだコーヒーの味が、妙に苦々しく感じられた。
(; ^ω^)「聞いたかお?」
(;・∀・)「あぁ、俺の聞き間違いじゃなけりゃな…」
(;´・ω・`)「残念ながら僕も聞こえたよ」
( ^ω^)「顔面が潰れて見れたもんじゃなくて」
(´・ω・`)「考えてることが常識とずれていて」
( ・∀・)「顔面のひどさでギネス狙えるドクオが」
(;^ω^)(;・∀・)(;´・ω・`)「「「正常だと?!」」」
( A )ユラッ
( A )「お前ら・・・覚悟はいいか・・・」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:23:34.04 ID:ksofmOJX0
打開策は日を待たずして見つかった。支持系統にワンクッション入れればよかったのだ。
これまでの支持系統は「僕→クー→凡人たち」となっていた。問題、歯車の歪みはクーと秀才たちの間にある。
それならば、その間にクーとも凡人ともうまくやれる人物を仲介役として挟めばよいのだ。
別にクーをはずしても良かったのだが、口下手な僕の意思を正確に汲んでくれるのはクーだけだったので、
あくまで僕のスポークスマンという形で僕は彼女をチームに残留させることにした。
「もう一度、結果を出して見せろ」 今にして思えば、それは僕なりのクーに対する温情だったのかもしれない。
( ^ω^)「さて、問題はその人物の選定だけど……まあ見つかるだろうお」
天才と凡人は相容れない人種だというのが、当時の僕の持論だった。
凡人は天才に嫉妬し、天才は凡人を見下す。これはどうしようもない自然の摂理だ。
しかし僕ほどの天才はこの世に二人といないが、天才への嫉妬を隠しつつうまく付き合うことが出来て、
それでいて物事を滞りなく運べる優秀な凡人は希少とはいえ見つかるだろうと、僕は楽観的に考えていた。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:24:03.60 ID:oIg3jbYZ0
しえしえ
( ・∀・)あ、やっべ
ダッ
(;^ω^)「あぁ、モラがもうあんなところに逃げてしまったお!」
(;´・ω・`)「これは僕達も早く逃げたほうがよさそうだね」
ダッダッ
( A )「あいつら人が気にしてることを何度も言いやがって」
( A )「挙句の果てにゃ顔面でギネスだと?」
(#'A`)「よろしい、ならば戦争だ」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:24:13.83 ID:lrM+GRsn0
支援
21 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:24:15.06 ID:ksofmOJX0
( ^ω^)「というわけで、人物を一人よこしてくれお」
( ´∀`)『了解しましたモナ』
行政部に連絡を入れてまもなく、僕の予想に違わずとある人物が派遣されてきた。
騒々しく、部屋の扉をバタンと開けて。
ξ゚ー゚)ξ「よっ! はじめまして! あんたが内藤博士ね? お噂はかねがね耳に入れているわ!」
痩身にスーツのよく似合う、巻いたブロンドの髪が印象的な女性だった。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:24:31.36 ID:Xh/SIm7P0
支援
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:24:53.48 ID:bESufzwh0
-( ・∀・)-
( ・∀・)「さて、突発で学校かくれんぼに発展したわけだがどうするか」
( ・∀・)「帰るか……?」
( ・∀・)「いや、それはつまらん」
( ・∀・)「とりあえず隠れる場所はたくさんあるが…」
( ・∀・)「今の時間帯は部活中だ」
( ・∀・)「ならば部活に混ざればばれずに終わるんじゃね?」
( ・∀・)「よし、陸上部に混じって走ってみるか…」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:25:26.28 ID:VkUuy2IuO
なまぬるい可哀想な子を見る目で見ててやるから頑張りなさい
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:25:34.52 ID:VEp2828Q0
よろしい、ならば支援だ
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:25:44.27 ID:bESufzwh0
-( ^ω^)(´・ω・`)-
(;^ω^)「ひとまず安全なところにはこれたおね」
(;´・ω・`)「久々に走るとしんどいよ…」
( ^ω^)「日頃運動してないからだお」
(;´・ω・`)「なんで君はそんなに体力あるんだい?」
( ^ω^)「知らないお」
(´・ω・`)「まぁいいや、ブーンはどこに隠れる?」
( ^ω^)「適当にぶらぶらして隠れる場所さがすお」
27 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:26:31.61 ID:ksofmOJX0
― 2 ―
(;^ω^)「そ、そうだお。まあ座ってくれお」
僕がそう口にしたときには、すでに彼女は応接用のソファにどっかりと腰を下ろしていた。
無礼千万な女。それが彼女に対する第一印象。
( ^ω^)「それで、あっーと、ツンさんかお? 年齢は二十八……」
ξ゚听)ξ「二十五です」
(;^ω^)「お? 資料では二十八歳ってなってるんだけど……」
ξ#゚听)ξ「二十五です! 大体、女性を前にしてその年齢を言うだなんて失礼だとは思わないわけ!?」
(;^ω^)「す、すまんかったお」
ξ゚ー゚)ξ「ふふ。わかればいいのよ」
怒り、笑いと、数秒の間にコロコロと表情を変えていく。やりにくい女だと思った。
(´・ω・`)「じゃあここでお別れだね」
( ^ω^)「だお」
(´・ω・`)「お互い頑張って生き抜こう」
( ^ω^)「生きて帰ってこれたらいっぱい遊ぶお」
(´・ω・`)「あれ、これ死亡フラグじゃない?」
( ^ω^)「フラグを乗り越えてこそ漢だお」
(´・ω・`)「なるほどね、じゃあ頑張ろうか」
( ^ω^)「またお」
(´・ω・`)「あぁ、またね」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:27:18.73 ID:jl8yTQEj0
正直両方共面白いから両方共支援
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:27:22.23 ID:VEp2828Q0
学校かくれんぼなんて燃えるじゃないか
-( ^ω^)-
( ^ω^)「とは言ったもののこれはどうするかお」
( ^ω^)「ドクオをなめてはいけないお」
( ^ω^)「案外頭が回るタイプだから敵に回したらめんどくさいタイプだお」
( ^ω^)「ドクオが予想できないようなところにいくお!」
( ^ω^)「そうだおね」
( ^ω^)「職員室とかいくおww」
( ^ω^)「ロリコンのミルナ先生とお菓子でも食べながら喋るかおww」
32 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:28:08.93 ID:ksofmOJX0
しかし、この奇妙な明るさは使えるかもしれない。
資料によると、難関である行政部のキャリア試験を現役主席で突破。
スポーツの面でも、学生時代にクレー射撃でオリンピック候補にまで上り詰めている。
特にスポーツ経験があるというのは、これから人と人との緩衝役を頼む上でこの上なく魅力的だった。
( ^ω^)「君の役目は以上だけど、出来るかお?」
ξ゚听)ξ「出来るんじゃなくてやってみせるわ! 任せてちょうだい!
それで、そのクーさんって人と会わせてもらえるかしら??」
( ^ω^)「お安い御用だお」
内線でクーを呼び出せば、すぐに彼女は部屋を訪れてくれた。その迅速さに少しだけ彼女を見直した。
慇懃にノックをして入ってきたクーを見るやすぐに、ツンは立ち上がって大声を上げた。
33 :
今回は短いです、すいません:2011/02/28(月) 21:28:30.29 ID:bESufzwh0
-(´・ω・`)-
(´・ω・`)「僕は隠れる道なんて選ばないさ」
(´・ω・`)「なぜかって?」
(´・ω・`)「隠れると見つかったとき逃げようがない場所とかあるし」
(´・ω・`)「100%安全とは言えない」
(´・ω・`)「だから僕は……っ」
(´・ω・`)「あえてドクオをストーキングする」
(´・ω・`)「まさか自分の後ろにいるとは思わないでしょ」
(´・ω・`)「よし、場所取りをしないとね」
34 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:28:52.27 ID:ksofmOJX0
ξ゚听)ξ「すごい美人じゃない! おまけに天才なんでしょ?
むかつくわ〜! 嫉妬しちゃうわ〜!」
川;゚ -゚)「む? むぅ……」
ξ゚ー゚)ξ「あはは! 冗談よ冗談! 私はツン! これから仲良くしましょうね!!」
川;゚ -゚)「よ、よろしく……」
初対面で突拍子も無いことを口走るツンにたじろいだのだろう。
普段滅多に感情を表に出さないクーも、あからさまに困惑していた。
それでも、にこりと笑ってクーに手を差し出したツンを見て、その手を恐る恐る握り返したクーを見て、
予感という曖昧なものを信じていなかった僕だけれど、ことがうまく運んでくれる気がした。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:29:08.08 ID:oIg3jbYZ0
しえん
36 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:29:36.53 ID:ksofmOJX0
実際、彼女がチームに加わってくれたことでプロジェクトは予想以上に円滑に進んでくれるようになった。
ツンは持ち前の明るさですぐにチームになじみ、あのクーとさえも打ち解けてくれていた。
ξ゚ー゚)ξ「はいはーい。次はこれよー。
まーたチーフがややこしい理論を押し付けてきたけど、なんとかうまくこなしてちょうだい!
うまくいったらいった分だけ、私もあんたたちの評価を上げるよう人事局に提言しやすいんだからね!」
何気なく実験室を覗いてみれば、これまでバラバラで思い思いに行動していた凡人たちのグループが、
各々熱心な様子で指示された仕事に取り組んでいた。
ツンは各グループ間をせわしなく動き回り、真剣な顔で論議しあったり、時には笑いを誘ったり。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:30:04.78 ID:bESufzwh0
-('A`)-
この学校は案外広い
校舎は3棟
実験棟、普通のクラスがある棟、プレハブだ
実験棟を探すとなりゃめんどい
教室が無駄に多いしなにより道具が多い
まぁ道具を利用することができるがオススメしない
先生にばれると怒られるからだ
38 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:30:17.57 ID:ksofmOJX0
ξ゚ー゚)ξ「はい。ご注文のデータ、一丁上がりよ。
まだまだバンバン入ってくるからへばらないでよ?」
川 ゚ー゚)「ああ。データの整理、解析は得意分野だ。任せてくれ」
問題のクーも、窓際でなく室内の中のほうに席を陣取り、
凡人たちから渡されるデータ等を黙々と裁いていた。
彼女にも少しは居場所が出来たようで、会話の相手はほとんどツンばかりに見えたけれど、
それでも以前に比べてのびのびと自分の仕事に全力を注げているようだ。
( ^ω^)「これも一種の天才だお」
動き回るツンを見て、僕の部屋を訪れては
現場からの質問、注文を忌憚なく告げていく彼女を見て、僕はしみじみとそう思った。
何より彼女の明るさの恩恵を受けていたのは、ほかならぬ僕自身だったからだ。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:30:18.58 ID:uDjH2sVF0
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:30:54.46 ID:bESufzwh0
('A`)「ブーンは空き教室に隠れてそう」
('A`)「それか職員室とか」
('A`)「先生と仲いいし」
('A`)「モラはぶっちゃけ予想がつかない」
('A`)「ショボンは・・・」
('A`)「トイレとかに籠もってそう」
('A`)「まぁ、予想なんてしても仕方ないな」
('A`)「とりあえず探すか・・・」
|・ω・`)コソコソ
('A`)「・・・ん?」
|ミ サッ
('A`)「なんだ、気のせいか」
('A`)「まぁ、しらみつぶしに歩いていくか」
to be continued...
41 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:31:01.85 ID:ksofmOJX0
公休日の時の話。
特にすることもなく暇をもてあましていた僕。
休息の大切さについては理解していたのでのんびり頭でも休ませようかと思っていたのだが、
そこに突然クーが訪ねてきて新エネルギーシステムについて議論を持ちかけてくるものだから、
もううんざりしていた。
川 ゚ -゚)「Fateは文学。CLANADは人生。鳥の詩は国歌」
(;^ω^)「あー、はいはい! そうですおね!」
日ごろうっぷんが溜まってるんじゃないかと疑わせるほどに話しまくるクー。
研究熱心なのは結構だし喜ばしいことが、たまの休みくらいゆっくり休ませてほしかった。
しかし静かに目を輝かせて話すクーに帰れとも言えないわけで、僕はほとほと困り果てていた。
そしていい加減クーの話に辟易していた僕に助け舟を出してくれたのが、
ノックもせずに部屋に飛び込んできた彼女だった。
42 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:31:43.06 ID:ksofmOJX0
ξ゚听)ξ「ハロー! 何やってるの?」
川 ゚ -゚)「内藤と新エネルギーシステム理論について話し合っていたところだ。
すまんが席を外してくれんか?」
ξ゚听)ξ「あー、ダメダメ。せっかくの休日に何やってるのよ?
休むときは羽目を外して休む! そうじゃなきゃ脳みそパンクしちゃうわよ?
あんたら天才はただでさえ四六時えている人種なんだからなおさらよ。
さあ、いくわよ!」
そう言って僕とクーの手つかんだツンは、僕たちを引っ張って部屋の外へと連れて出していく。
ツンに手を引かれ本気で困っている様子のクーをよそに、
「柔らかい手だなぁ」と、僕は場違な感想を抱いていたり。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:31:43.06 ID:bESufzwh0
-次回予告-
迷いしもの
(;'A`)「くそ・・・やつらどこなんだ!」
(;'A`)「ほんとうにどこなんだよ」
(;'A`)「絶対に見つけだしてやる」
待つものがいるもの
(#´・ω・`)「僕はこんなとこでやられるわけにはいかないんだ!」
(#´・ω・`)「みんなが待ってる!」
44 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:32:24.37 ID:ksofmOJX0
川;゚ -゚)「お、おい! 手を離せ! どこに行くつもりなんだ!?」
ξ゚ー゚)ξ「研究所内をうろついてたらクレー射撃場見つけちゃってさ!
射撃はストレス発散にうってつけよ? パーッと一発騒ごうよ!」
( ^ω^)「おお! それはいいお!」
川;゚ -゚)「私は銃弾より理論をつめたいんだが……」
ξ゚ー゚)ξ「いいからいいから! レッツゴー!!」
うまいことを言ってしぶとくクーは抵抗したが、
満面の笑みで自分を引っ張っていくツンに折れたのか、射撃場に着くころには何も言わなくなっていた。
広々とした射撃場。すでに銃や的の手配をしていたらしいツンは、
着くとすぐに僕たちへ銃を手渡し、甲高い発砲音を周囲に響かせ始めた。
クレー射撃にはそれなりに心得のあった僕は、数十分腕を慣らした後、
思い切って元オリンピック候補だったツンに挑んでみた。しかし案の定、大差で負けた。
けれどもツンの言ったように気分も頭もすっきりしていた。
例えば何かを成し遂げたときのように、僕の気分は高揚していた。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:32:32.50 ID:bESufzwh0
立ちはだかるもの
( ・∀・)「ドクオか・・・よくここまでこれたな」
( ・∀・)「いいだろう!この学校最強の俺が相手をしてやろう!」
覚悟を決めたもの
(#^ω^)「僕は乗り越えてやるお」
(#^ω^)「この惨劇を乗り越えてやるお!」
(#^ω^)「こんなふざけたこと、二度と繰り返さないように僕の手でとめてやるお!」
4人が揃いし時
------すべては終わる------
4話「それでもやめるわけにはいかない」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:33:22.10 ID:XVcimxsc0
>>29 歩くようですはブーン系屈指の名作
こんな馬鹿にコピペされて嘆かわしいが
47 :
こうして比べると、いかに>>1が駄作かよくわかるなw:2011/02/28(月) 21:33:33.64 ID:ksofmOJX0
ξ゚ー゚)ξ「へへーん! 私の勝ちね! 天才に勝っちゃった! 今夜の晩飯もいただき!」
川 ゚ -゚)「たいしたものだ」
( ^ω^)「本当だお。ぜひとも手ほどき願いたいもんだお」
ξ゚听)ξ「いいわよ? まずあんたは精神的にダメ!
つめが甘いっていうのかな? まるであんたの顔みたい」
(;^ω^)「ちょwwwww顔は関係ないおwwwwwww」
ξ゚ー゚)ξ「あはは! でも筋はいいわよ?
さすがは天才って所かな! まあ、まだまだだけどね!」
川 ゚ -゚)「……」
そう言って笑う彼女の言葉を聞いて、姿を見て、僕は頬が緩んでいくのを止められなかった。
48 :
>>46素晴らしい名作を宣伝することの何が悪い:2011/02/28(月) 21:34:26.45 ID:ksofmOJX0
ξ゚ー゚)ξ「へへーん! 私の勝ちね! 天才に勝っちゃった! 今夜の晩飯もいただき!」
川 ゚ -゚)「たいしたものだ」
( ^ω^)「本当だお。ぜひとも手ほどき願いたいもんだお」
ξ゚听)ξ「いいわよ? まずあんたは精神的にダメ!
つめが甘いっていうのかな? まるであんたの顔みたい」
(;^ω^)「ちょwwwww顔は関係ないおwwwwwww」
ξ゚ー゚)ξ「あはは! でも筋はいいわよ?
さすがは天才って所かな! まあ、まだまだだけどね!」
川 ゚ -゚)「……」
そう言って笑う彼女の言葉を聞いて、姿を見て、僕は頬が緩んでいくのを止められなかった。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:34:50.24 ID:bESufzwh0
今日はこれでおしまいです。
短くて申し訳ないです。
あと、前スレで土曜日には投下するといってたんですが間に合わなくてすいません。
歩くはおもしろいですよね。ほんと文才がすごい
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:35:22.85 ID:oIg3jbYZ0
さっきから俺が駄作とかふざくんな
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:35:46.02 ID:R59qn5rg0
二人が別々の物語書いてるみたいだけどなんでだ?
52 :
>>46素晴らしい名作を宣伝することの何が悪い:2011/02/28(月) 21:35:52.28 ID:ksofmOJX0
ツンは平然と人をけなす。例えそれが天才の僕やクーであろうと誰であろうと、
悪いところは悪いと言い切るし、合点のいかないことは納得するまで話をする。
しかしそこに禍根を残さないところが、彼女の素晴らしいところだった。
そして何より、そんな裏表のない彼女だからこそ、
たまに発する賛辞の言葉には真実性が込められていて、その言葉が聞きたいがため、
クレー射撃にもプロジェクトの使命たる新エネルギーシステムの開発にも、
僕はこれまでないほどに没頭することが出来た。
ξ;゚听)ξ「顔は饅頭みたいなのに、あんた本当に天才なのね。こんな理論、私じゃ思い付きもしないわ」
( ^ω^)「おっおっお。それほどでも無いお」
ξ゚ー゚)ξ「それほどでもあるわよ。ホント、たいしたもんだわ」
天才天才ともてはやされ、周囲からのありていな薄っぺらい賛辞の言葉ばかりを浴び続けてきた僕にとって、
ツンの毒舌も、笑って放つ褒め言葉も、何もかもが新鮮だった。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:36:45.97 ID:oIg3jbYZ0
乙乙
次回から大きく動きそうだな
54 :
有名作者のため神のように崇められる教祖78様の作品:2011/02/28(月) 21:36:49.54 ID:ksofmOJX0
人類の明日のため。
そんな取ってつけたような大義名分のためでなく、
ツンに褒められたいから、思いっきり笑う彼女の笑顔を見たいから、だから研究に没頭するのだという経験は、
あまりにも単純な動機付けではあるけれど、しかしだからこそ人は動けるのだということを僕に教えてくれた。
感情が人の大きな原動力となる。当たり前だからこそ中々気づくことのできなかった大きな発見。
ツンが僕のそばにいたのは、僕の人生の中のほんの一瞬に過ぎないわずかな時間。
けれども彼女が僕の人生に与えた影響は、ほかのどんなものよりも多大だった。
ツンと会うだけで楽しかった。心が躍った。
ツンと話がしたいがために、クーを介して伝えるべき事項をわざわざ直接ツンに伝えたことも多々あった。
今にして思えば、多分僕はツンに好意を抱いていたのだろう。性的な意味で。
しかし幼い頃から勉強一筋でほかのものに見向きもしなかった僕は、
そんな愛だの恋だのといった定義づけできないあいまいな感情に耐性を持っていなかった。
結局、そのときの僕はツンに対する特別な感情に気づくこともそれを彼女に告げることもできないままで、
まるで小学生の恋愛ごっこのような日々は着々と流れていった。
>>51 名前に安価持ってきてる奴はコピペバカだから無視しとけ
56 :
有名作者のため神のように崇められる教祖78様の作品:2011/02/28(月) 21:37:37.04 ID:ksofmOJX0
やがて、次世代のエネルギーシステム理論が僕により構築される。
この理論の稼動基地一基で原発数個分のエネルギーを一挙にまかなえる。
申し分ない出来だった。
実験による実証工程もまもなくクリアし、すぐにでも開発に着手できる段階になった。
しかし、その内容を詳しくは話せない。
――いや、話したくない。
なぜなら僕のこの理論こそが、文明を土に還すきっかけとなったのだから。
57 :
有名作者のため神のように崇められる教祖78様の作品:2011/02/28(月) 21:38:39.18 ID:ksofmOJX0
このように、複雑な事情の絡み合った世界に
新エネルギーシステムの話を持ち出すことはあまりにも危険なことだった。
しかしそんなことなど、システムの構想が頭に浮かんだ時点で気付いていた。
けれど僕は理論を構築せずにはいられなかった。
そして心血を注ぎ込んだ我が子とでもいうべき理論が凍結されると聞いて、落胆せずにはいられなかった。
凡人が大多数を占める世界の愚かさはよく理解していたつもりだった。
それでも自分が生み出した理論を世に出せないのは、悔しくて悔しくて仕方がなかった。
ξ゚ー゚)ξ「大丈夫。今は時期が悪いだけよ。あんたの発明したこのシステムは間違いなく世界を救う。
今はまだ私たちごく少数このように、複雑な事情の絡み合った世界に
新エネルギーシステムの話を持ち出すことはあまりにも危険なことだった。
しかしそんなことなど、システムの構想が頭に浮かんだ時点で気付いていた。
けれど僕は理論を構築せずにはいられなかった。
そして心血を注ぎ込んだ我が子とでもいうべき理論が凍結されると聞いて、落胆せずにはいられなかった。
凡人が大多数を占める世界の愚かさはよく理解していたつもりだった。
それでも自分が生み出した理論を世に出せないのは、悔しくて悔しくて仕方がなかった。
ξ゚ー゚)ξ「大丈夫。今は時期が悪いだけよ。あんたの発明したこのシステムは間違いなく世界を救う。
今はまだ私たちごく少数の人物しか知らないけど、いずれ世界に認められるときが必ず来るわ。だから元気を出して? そしてお疲れ様、内藤博士!」
ポンポンと肩を叩く、いつか握ったことのある柔らかいツンの手のひら。そして言葉。
一人落ち込んでいた僕には、それだけが何よりの救いだった。の人物しか知らないけど、いずれ世界に認められるときが必ず来るわ。
そして心血を注ぎ込んだ我が子とでもいうべき理論が凍結されると聞いて、落胆せずにはいられなかった。
凡人が大多数を占める世界の愚かさはよく理解していたつもりだった。
それでも自分が生み出した理論を世に出せないのは、悔しくて悔しくて仕方がなかった。
ξ゚ー゚)ξ「大丈夫。今は時期が悪いだけよ。あんたの発明したこのシステムは間違いなく世界を救う。
今はまだ私たちごく少数の人物しか知らないけど、いずれ世界に認められるときが必ず来るわ。ら。そして言葉。
一人落ち込んでいた僕には、それだけが何よりの救いだった。
つか握ったことのある柔らかいツンの手のひら。そして言葉。一人落ち込んでいた僕には、それだけが何よりの救いだった。
タイトル訂正
3話「自転車通学で音楽聞きながらいってるときに友達と出会ったときにイヤホン外すのは微妙に面倒」
次回の構成はだいたい決まってるんですが
5話くらいの構成がまだ決まってません
そこで申し訳ないんですがお題を5個くらいくれませんか・・・?
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:41:17.22 ID:0lD1uM9zO
乙
次回も楽しみにまってます
そして遅れたが乙
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:42:19.91 ID:oIg3jbYZ0
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:42:49.73 ID:ksofmOJX0
>>58 一人をかばうために皆が犠牲に
いじめ方面な
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/28(月) 21:49:12.79 ID:bESufzwh0
お題どうもです
代理、支援、乙ありがとうございました。
>>49 乙
確かに少し物足りなかった
次回も期待
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
全話読んできた乙
このままほのぼのやってくれると嬉しいな