( ^ω^)(´・ω・`)('A`)こたつ話のようです
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こんな駄作より歩くようです読もうぜ:
幸いにもエレベーターは稼動してくれた。
研究所も揺れで室内が荒れていた程度で、
放射線による被害はおろか、これといって特筆すべき被害も無かった。
研究所は郊外も郊外、山の奥の奥に設けられた極秘建造物であったため、
某国のミサイルの標的にはなっていなかったのだろう。
地上へと上がった僕たちはすぐさまオペレーションルームへと駆け込み、首都との回線を開いた。
しかし返ってくるのは不快なノイズ音だけであり、
続けて国内の主要都市との回線も開いてはみたものの、人の声が返ってくることは無かった。
テレビジョンをつけてみても、国内チャンネルも国外の主要な衛星放送も砂嵐を映すだけ。
しかし幸運にも、海外のラジオ放送を受信することに成功した。
当時最も衰退していたラジオメディアからのみ情報を得られたというのは、なんとも皮肉な話だろう。
ノイズ混じりの聞きづらい放送の中で、アナウンサーが冷静沈着に世界の情勢を伝えてくれた。
情報に飢えていた僕たちは、一言一句聞き逃すまいと必死に耳を傾ける。