( ^ω^)(´・ω・`)('A`)こたつ話のようです

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204こんな駄作より歩くようです読もうぜ
ツンは行政部からの出向者、つまり研究所外部の人間だった。
定かではないが、隔離されていたプロジェクトチームとは違い、彼女の隔離度は比較的緩いものだと想像された。

そして仮に彼女が情報を流出させていたとしたら、ブリーフィングでの行政部のしどろもどろさにも上手く説明がつく。
身内から出た不祥事を隠蔽しようとしていた。そんな役人根性が彼らの中にあったのではないのか、と。

決定的だったことは、彼女が研究所を去ってからすぐに連絡が取れなくなってしまっていたこと。

何度も行政部に問い合わせてはみたものの、『理由はお話できません』の一点張り。
親しい間柄を築いていた身として、これは納得のいかないものだった。

そして認めたくないが、彼女が『某国のスパイである』と想定した場合、これらの疑問が見事に解決されてしまう。
素人さえ小説に用いないような稚拙な論理。しかし、そのときの僕はその嫌疑をどうしても拭い去ることが出来ないでいた。

そんな、悶々とした日々。目を隠すほどまで伸びた自分の前髪の長さが鬱陶しかった。

気分転換に散髪でもしようか。
そんなくだらないことで気を紛らわそうとしていた最中、悲劇の日は突然にやってきた。

緊急の報告を受けた僕は自室を飛び出し、研究所の中枢たるオペレーションルームへと駆け込み、そして唖然とした。