ノパ听)ブーン系小説・イラスト練習&総合案内所のようです

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771以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
その後、雪が降り始めたこともあって、ブーンとあたしは季節が移ろうのをそこで待つことにしました。

ブーン曰く「これまでで一番暖かい冬」とのことでしたが、
去年のこの時期はまだカフカス山脈を越えていないこともあり、
あたしにとっては初めて体験する本格的な冬、その寒さは想像を絶するものでした。

しかし、ブーンのおかげで防寒対策は十分だったし、
食料は犬たちがどこからから狩ってくる小動物の肉があったし、
冬も本番となりそれらの量が少なくなっても、残っていた保存食と少ないながら食べられる野草が近辺にあったので、
ブーン曰く「雪解けが早かった」こともあり、あたしたちはなんとか冬を越えることができました。

けれど、その間、一つだけ悲しい出来事がありました。

ちんぽっぽちゃんがこの世を去ったのです。

本当にあと少しで冬が終わる、そんな最後の冷え込みの中で、
ちんぽっぽちゃんの体はあの広場に横たわったまま、二度と動くことはありませんでした。

その夜のことを、あたしは一生、忘れることは出来ないでしょう。