1 :
代行:
その日は、空がとても青く高かった。
赤々と実る柿の木は、塀を隔てた隣の家に立っていた。
隣に住む老夫婦とは、挨拶を交わす程度の仲だったが
毎年、柿の実を分けてくれる。
甘くてとてもおいしい柿なので、僕は毎年この季節が待ち遠しかった。
そんなある秋の日、いつも2人きりで暮らしている老夫婦の家に
誰か客人が来てるようだった。
僕は、それが少し気になり、それほど高くなもない、塀の向こう側の様子をを背伸びをして
覗っていた。
老夫婦はその客人に、あの甘くておいしい柿を振舞っていた。
「あぁ、そういえば今年はまだ、柿を頂いてないなぁ」
そんな事を考えながら僕は、その熟した柿を恨めしそうに見ていた。
客人の食いっぷりが良いせいか、老夫婦はせっせと柿をもぎ取り
その客人の前に出した。
柿を取りに来た時に、老人と目が会ったので僕は声をかけて見た。
「あの人、本当に良く食べますね」
老人は、薄笑いを浮かべ
「もう30個も、たいらげてますよ」
と、僕に言った。
あれよあれよという間に、柿の木の赤は見事になくなってしまった。
おかげでその年、柿を貰えなかった事は、言うまでもない。
本当に、あの日の隣の客は良く柿食う客だった。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/26(土) 00:44:25.27 ID:CMx/V+mY0
で?
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: