1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
世界の中心で最強を叫ぶ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:29:48.16 ID:PNDsCrFp0
キター
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:32:17.15 ID:UDuQD3Hi0
そして支援
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:32:52.31 ID:F45CYYZX0
規制解除キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/
!警報!
これは超重症な厨二病ブーン系小説です!!!
邪気眼死ね!!という方はただちに避難してください!!!!
/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:35:33.22 ID:F45CYYZX0
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:37:25.31 ID:jvIW/qwy0
だしだし懐かしすぎワロタ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:38:28.91 ID:F45CYYZX0
八話 「リヴァーサル」
走り抜ける廊下に、人気はない。
約束の場所である屋上を目指して、迷路のように入り組んだ校内を突き進む。
(; ^ω^)「階段はどこにあるんだお!」
ショボンがツンを逃がしてくれたことを信じ、ブーンは走った。
しかし、周囲を過ぎていくのは、似たような景色ばかり。
無機質な建物の中だというのに、気分はまるで樹海の遭難者だ。
(; ^ω^)「まったく……“迷宮師”の野郎、厄介なことをしてくれたお!」
(; ^ω^)「このまま彷徨ってるだけじゃあ、時間と体力の無駄だお!」
(# ^ω^)「屋上に繋がる階段はどこなんだおおおおおおおお!!!」
そして、何度目になるか分からない曲がり角を過ぎたところで―――――
楽しみにしてたよ支援
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:42:03.89 ID:F45CYYZX0
斬撃。
( ^ω^)「!」
とっさに身を翻して避ける。
間に合わなかったブレザーの端が、木の葉のように舞い飛んだ。
(; ^ω^)「『親衛隊』!?」
バックステップで間合いを取り、襲撃者を見極める。
視界に映ったのは、抜き放った青白い刀身を、ゆっくりと鞘に納める長身の男。
/ 、 /「……内藤ホライゾン」
/ 、 /「なんと運がいい。こんなに早く―――」
/ ゚、。 /「お前に出会えるとはな」
ダイオードさんかっこいいっす
11 :
拳王 ◆QP91zo8lHclw :2011/02/18(金) 18:45:38.81 ID:aTNNfuLN0
うひょおおおおおおおおおおおおおおおお!!
らららららららららららららららら、、、、、
ラヴてんウォーズ様あああああああああああああああああああ!!
この拳王の待つVIPにお帰りなさいましいいいいいいい!!
あああああああ!
カ バ ー
(#゚拳゚)「 “ 支 援 ” ッ ! 」
うひゃああああ!
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:46:27.55 ID:F45CYYZX0
( ^ω^)「あんたがモララーかお?いや、声が違うお」
( ^ω^)「何者だお、あんたは」
/ ゚、。 /「“四天王”が一人」
/ ゚、。 /「鈴木ダイオードと申す。身内には」
寒気がするほどに美しい長剣を掲げ、眼前に構える。
/ ゚、。 /「“サムライ”、と呼ばれている。聖女の純潔のため―――――」
/ ゚、。 /「内藤ホライゾン、お前の命を断ち切りに参った」
( ^ω^)「……イカれた奴ばかりだお」
( ^ω^)「仕方ないお。時間もないことだし」
ブレザーの上着を脱ぎ棄て、脚を掲げて構える。
“サムライ”の刀が、ギラリと光って笑った。
13 :
拳王 ◆QP91zo8lHclw :2011/02/18(金) 18:48:15.83 ID:aTNNfuLN0
ラブオルズ様!
いつもいいたいことがあったんですけど今言います!
ショボンが落ち込んだりしたときにAAのめがみえなくなりますけど!
それ、顔の伸びたきりっとしてるブーンにしか見えません!
拳王アドヴァイスですううううううう!
ひゃああああああああああああ
パー速でやれ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:49:44.48 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。 /「 さ あ 、 始 め よ う か 」
( ^ω^)「 ブ ッ 倒 す 」
ブーンが消えた。
床板がめくれる。
風を裂く音。
衝突音。
/ ゚、。 /「ぬぅッ!?」
( ^ω^)「へぇ、これをガードするかお」
ブーンの飛び蹴りを、刀身で受け止めるダイオード。
しかし攻撃はまだ、終わっていない。
(# ^ω^)「『ブーン』……」
(# ^ω^)「 『 連 脚 』 ッ !! 」
16 :
拳王 ◆QP91zo8lHclw :2011/02/18(金) 18:51:48.98 ID:aTNNfuLN0
走り回るなら先にブレザーぬいどきゃよかったのに…
でも戦闘準備のために上着をバサって脱ぐのかっこうぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
さすがラブボーズさまだあああああああ!
聡明な表現技法に拳王脱帽です!
読者ども! 輪になってラヴオズ様に敬礼いいいいい!
ピシッ!
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:52:56.11 ID:F45CYYZX0
刀の腹を踏み台のように蹴り飛ばしながら、体を回転させ、本体を狙う。
細かいが、強靭な連打。
剣士はそのスピードに劣らず、刀で蹴りを受け、しかし僅かに押されていた。
/ ゚、。 /「ふん……甘いな」
/ ゚、。 /「こんなものか、内藤ホライゾン!」
タイミングを計り、腕の力で強引にブーンを押し戻す。
宙に舞うブーンを狙って、刀を低く構えた。
/ ゚、。 /「 “ 一 閃 ” …… ! 」
( ^ω^)「遅い」
天井に足の爪先をつけ、その踏ん張りだけで体を飛ばす。
着地。
そして消失。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:54:57.10 ID:F45CYYZX0
/ ゚、 ;/「ゴふぅ………!!?」
一連の出来事を認識した時には、すでに。
ダイオードの腹に、ブーンの足がめり込んでいた。
/ 、 ;/「ぬぐッ……」
( ^ω^)「お?吹っ飛ばないね。頑張って耐えたかお」
ブーンの軽口に、細い眉が歪む。
吐き気を堪えて小太刀を抜き放ち、懐の獲物を狙った。
/ ゚、。#/「 “ 五 月 雨 ” ッ ! 」
視界が霞むほどの斬撃が降り注ぐ。
幾何学模様に刻まれる地面。
だがそこに、目標の姿はない。
19 :
拳王 ◆QP91zo8lHclw :2011/02/18(金) 18:56:44.01 ID:aTNNfuLN0
そろそ出かけなきゃならんのだが投下が終わったら保守しといてくれる?
俺、まだこのラヴウォーズって作品読んだことないんだ
避難所投下分だけちょろっと流し読んだだけでな
興味作者、ってわけだこれは
まあ、一つ、よろしく頼むよ
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 18:57:39.12 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。;/「!!?」
( ω )「だーかーらぁー……」
(# ^ω^)「遅いっつってんだおォッ!!」
体の側面を、高速の蹴りが見舞った。
とっさに盾にした小太刀。
それすらも粉々に砕け散って、主と共に地面に転がった。
/ 、 /「がはァッ……」
口から零れおちる真っ赤な血が、ぽたぽたと音を立てる。
体中の骨が軋む。
一、二本は持っていかれただろう。
エ ヌ ジ ー
荒らしは“ 強 制 排 除 ”
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:00:25.68 ID:F45CYYZX0
――――強い。
/ 、 /「ハァ……ははは」
――――『五隊長』など、この内藤ホライゾンの足元にも及ばない。
/ 、 /「はっはっはっはッ!」
――――痛い。苦しい。
( ^ω^)「やっべ。やりすぎたかお?脳ミソがイッちまったかお」
/ 、 /「……感謝する、内藤ホライゾン」
/ 、 /「ありがとう」
――――楽しい。
23 :
拳王 ◆QP91zo8lHclw :2011/02/18(金) 19:01:20.51 ID:IGMqnRiO0
作者のレスに対して一つくらいは支援してやれよ
お前ら本当にブーン系好きなのか?
俺なんか荒らしの名前背負ってなけりゃあ何百回でも支援するぜ?
規制も長かったから書き込める喜びも十二分に知ってるしな
俺が本当に支援するっつーソースは死人のようですってスレを確認してくれな
それじゃ、保守よろしく
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:02:53.34 ID:F45CYYZX0
/ 、 /「お前に会えて良かった」
( ^ω^)「はぁ?」
/ 、 /「でも……」
―――――悲しい。
(; ゚ω゚)「……ッッ!!!??」
/ ゚、。 /「お別れだ」
衝撃はなかった。
ただ、理解できなかった。
(; ゚ω゚)「な……んで………」
(; ゚ω゚)「そこに……いるんだ……お……?」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:05:29.20 ID:F45CYYZX0
どんな高速で移動している物体だろうと、捉えられるはずだった。
神の目。ドクオはいつかそう呼んだ。
なのに。
ハ ヤ ブ サ
/ ゚、。 /「 “ 隼 ” 」
ダイオードの背後からの一突きが、ブーンの腹を貫いていた。
その腹から生えた剣先が、ぬるりと引き抜かれるのを見届けて―――――
ブーンは地面に膝をつく。
(; ω )「ぐッ……!」
痛みはそれほどでもなかった。
ただ、力が入らない。
出血が止まらない。
マズイ。
sienn
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:15:47.35 ID:ppjEMvDdO
あらすじ間違ってないけど…間違ってないけど…
何故か腑に落ちないwww
待ってた支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:17:44.36 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。 /「……遊戯ばかり続けていても、進化は望めない」
/ ゚、。 /「1分も遊べたかな。いやはや、楽しかったぞ」
(; ω )「アソビ………だと……!?」
/ ゚、。 /「ああ、そうだ」
/ ゚、。 /「魚が釣れたら、その手ごたえを楽しむために」
/ ゚、。 /「わざと陸に上げず、水の中で足掻いている感触を味わうじゃあないか」
/ ゚、。 /「まさかお前」
/ ゚、。 /「 私 に 善 戦 し て い た と で も ? 」
(; ω )「……ッ!!」
刀に付いた血を振り払い、鞘に納める。
もうブーンに興味を失ったのか、鼻を鳴らして顔を背けた。
まってました支援
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:19:55.40 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。 /「次へ行くか……嗚呼、しかし」
/ ゚、。 /「面倒だな……あとの獲物は、出会った傍から首を刎ねよう。その方が手っ取り早い」
なんだと――――。
(; ω )「よ…よせ……」
/ ゚、。 /「む?」
(; ω )「僕の友達に……手を出したら……」
(; ω )「その喉笛を…食い千切ってやるお……」
/ ゚、。 /「ほう。ならば今すぐやってみせろ」
/ ゚、。 /「すでに一人、斬り伏せてやったのだから」
(; ω゚)「……なッ!!?」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:22:58.98 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。 /「急いでいたので、流れ作業だったが」
/ ゚、。 /「あの出血では今頃、氷のように冷たくなっているだろう」
/ ゚、。 /「 裏 切 り 者 の “ 鉄 蜘 蛛 ” は 」
腹の底で、経験したことのない感情が爆発する。
爆発は怒りとなり、エネルギーへと変わった。
/ ゚、。 /「隊員の報告を待つかな。下手に動いて迷うのも気が滅入る」
/ ゚、。 /「残っているのは……“雷帝”か。“鉄蜘蛛”と共にいた女も片付けねば……やれやれ」
(; ω )「ぅぐッ……」
体を起こし、右腕を壁につけて支える。
生暖かい血で、足が滑る。
sie
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:25:24.26 ID:F45CYYZX0
傷は深い。深いどころではない。
貫通している。
だけどそんなこと、今は関係ない。
立ち上がれ。
そして叫べ。
(; ω )「待ておッッ!!!」
/ ゚、。 /「む?」
(; ω゚)「冗談言ってんじゃあねーおッ!!このクソ野郎ッ!!」
(; ω゚)「ショボンを殺しただと!?お前なんかがショボンに勝てるわけねーだろうがッ!!」
/ ゚、。 /「その傷でよく喋る……」
/ ゚、。 /「よほど苦しむのが好きなのだな」
しえん
wktk
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:29:01.11 ID:F45CYYZX0
(; ω )・。∴゚「がッ」
頬を貫く掌底。
再び体から力が抜ける。
またしても不可解な移動で目の前に現れたダイオード。
(; ω )「……ッ!!」
/ ゚、。 /「足掻くな。お前では私には勝てん」
何がどうなってる。
自分の目で視認できない動きなど、あるはずがない。
だけど、どうしても、見えない。
/ ゚、。 /「あまり無茶をすると余命が縮むぞ。あと数分の命、せめて安らかに過ごすがよい」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:32:17.98 ID:F45CYYZX0
(; ω )「あと数分……数分かお……?」
/ ゚、。 /「ああ。経験から言うと、5分といったところか」
(; ω )「そうかお……じゃあ」
(; ω )「あと5分であんたをブチのめすお」
腹を突き上げる拳。
針のように鋭い突きが、ブーンの傷口を抉る。
(; ω゚)「ぅぐォッ……!」
痛みに霞む意識。
圧迫された切創から、血液がマグマのように噴き出した。
/ ゚、。 /「剣を使う必要もない」
/ ゚、。 /「お望みどおり、貴様が息絶えるその寸前まで、大いなる苦しみを与えてやる」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:35:13.29 ID:F45CYYZX0
顔面に、ダイオードの肘が入る。
体が浮き上がる。
反転する視界。
壁に衝突。
砕けるコンクリート。
(; ω )「かはッ……!」
強過ぎる。
手も足も出ないとはこのことか。
こんな奴があと三人もいるってのか?
(; ω )「……ふざけんなお」
/ ゚、。 /「まだ息があるか。タフだな」
かろうじて、立ち上がる体力は残っている。
だが震える脚が言うことを聞かない。
呼吸が乱れる。
それでも、立たなくてはならない。
コイツをブッ倒して、屋上へ行かなければならないんだ。
wktk
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:38:04.57 ID:F45CYYZX0
ブレる視界の奥に、ゆっくりと迫り寄ってくるダイオードの姿があった。
刀を抜き、大振りに構える。
もう一撃でも喰らったら、恐らくもう駄目だ。
これ以上ダメージを受けるわけにはいかない。
見極めろ。
奴の移動術の正体を。
(; ω )「ぐっ……!」
ダイオードがまたしても消えようとする瞬間。
ブーンの膝が折れ、視線が揺らいだ。
もはや、足の踏ん張りが効かなかった。
(; ω゚)「………ッ!!」
本来なら、戦いの最中に相手を見失うことは死を意味する。
しかしその時―――――。
ブーンの目は、ある種の希望を捉えた。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:41:36.04 ID:F45CYYZX0
(; ω゚)「おおおおおおおおおッッ!!」
残った力を振り絞って飛びずさり、ダイオードから距離を置く。
“サムライ”は、不審な目でその動きを追った。
/ ゚、。 /「む?」
(; ω゚)「はぁ……はぁ……!」
間違っているかもしれない。
自分の推測は、あくまで希望的観測に過ぎない。
もしもそれが的外れな結果に終われば、次こそ死ぬ。
だけど―――――
信じるしかないだろう。
ついに見つけた、一筋の暁光を。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:44:19.61 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。 /「なんだ?その目は……」
/ ゚、。 /「気に入らんな。死にゆく者の眼差しとは思えん」
/ ゚、。 /「今度こそ―――――」
/ ゚、。 /「死ね」
一瞬でブーンに肉薄。
防御も回避も不可能。
音速を超える斬撃が空間を引き裂き――――
ブーンの髪の先が、はらりと落ちる。
/ ゚、。;/「!!!??」
身体を地面に密着させ、ブーンはダイオードを見上げていた。
傷の痛みに顔をしかめる。
だけど
( ω゚)「ビンゴだお」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:45:28.46 ID:SHuEYie+0
ファイト
叫びがジョジョっぽくて好き
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:47:39.29 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。;/「……かッ」
かわされた―――――?
(# ^ω^)「『ブーン・ハイキック』ゥゥッ!!」
/ ゚、。 /「ッ!?」
突き上がってきた高速の蹴りを、咄嗟に避ける。
紙一重。
掠った毛先が焦げる。
危ない。
/ ゚、。;/「ぬォッ!!」
得体のしれない焦燥感に追われ、ダイオードは地を蹴った。
ブーンから距離を置く。
なんだ?
いったい何が起こったんだ?
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:51:07.62 ID:F45CYYZX0
(; ^ω^)「ハァ……ハァ……」
(; ^ω^)「見えた……分かったお……!」
(; ^ω^)「奴の瞬間移動の方法が……!!」
/ ゚、。 /「馬鹿な……偶然に決まっている」
/ ゚、。 /「この私の動きが、貴様に捉えられるはずがない!」
/ ゚、。 /「次で終わりだ!!」
ダイオードが動き出す。
ブーンの背後に回り、確実に首を刎ねるために。
....:::::、。 /「 “ ハ ヤ ブ サ ” 」
ブンッ…
(; ^ω^)「!」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:53:50.25 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。 /(見ろ……やはり反応できていない!)
/ ゚、。 /(一瞬肝を冷やしたが――――)
/ ゚、。 /(長年の修行の末に編み出したこの移動術を、こんな奴に見破れるわけがない!)
/ ゚、。#/(死ねッ!無名の反逆者よッ!!)
上段に構えた刀を、腕力と重力に任せて振り下ろす。
それだけ。
ただそれだけで、ブーンの命は終わる。
終わるはずだった。
(# ^ω^)「――――そこだおォッ!!」
腹に炸裂する蹴り。
踵を抉りこむようにひねり、体重を乗せて放たれた一撃。
∴・./ ゚、 ;/「ゴふゥッ!!??」
刀を振り下ろす間もなく。
ダイオードは血反吐をまき散らせて、壁にめり込んでいた。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:55:23.00 ID:PBIbcfuS0
バトルものってやっぱ熱くていいな
支援
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:55:29.99 ID:e4eWKmmk0
おお!
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 19:57:46.72 ID:F45CYYZX0
/ 、 ;/「がハァッ……き、貴様………」
( ^ω^)「もう見えてるお。あんたの小細工は、僕には通用しない」
/ 、 ;/「なん……だと……?」
傷口から滴る血液にも構わず、ブーンはダイオードを見下ろして言った。
( ^ω^)「人間は移動している物体を見るとき――――――」
( ^ω^)「無意識のうちに、その物体の、未来の動きを『予測』している」
( ^ω^)「『こう動いたのだから、次の瞬間はこうなっているはずだ』ってな感じで」
/ 、。#/「ぬ……」
/ 、。#/「ぬァアアッ!!」
体勢を立て直し、ダイオードは瞬く間にブーンに背後から近接。
呼吸を置かずに、ゼロ距離からの斬撃を放つ。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:01:30.32 ID:F45CYYZX0
空振り。
避けられた。
まさか。
そしてダイオードのアゴを揺さぶる、上段蹴り。
/ 、 ;/「ぐガぁッ……」
脳が揺れる。
体が力を手放す。
ダイオードは地に膝をつけ、不安定な視点でブーンを見上げた。
( ^ω^)「あんたはその脳の仕組みを利用して」
( ^ω^)「『相手の予測と逆の動きをキープし続けた』。そうすると――――」
( ^ω^)「あんたの動きに反応することが出来なくなる。見えてはいるんだお。だけど脳が対応しきれなくなる」
/ 、 ;/「……!」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:01:51.72 ID:SHuEYie+0
バトルばっかじゃ読者が離れるよ
何かはさんだほうが良い気がするよ
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:04:08.04 ID:F45CYYZX0
( ^ω^)「子供の頃、ツンと一緒に自転車で遊びに行ったことがあったお。天気の良い田舎道を、ツンの後ろ姿を眺めながらのんびりと走ってた」
( ^ω^)「ところが、ずっと視界にいたはずのツンが、突然消えたお。ビックリして、自転車を降りて駆けつけると―――」
( ^ω^)「ツンは脇の用水路に転げ落ちてたお。その時は笑い転げたけど、同時に不思議でたまらなかった」
( ^ω^)「『どう考えても、ツンは消えたように見えた』 これも一種の瞬間移動だったんだお」
( ^ω^)「想像もしていなかった行動を目の当たりにした時、それは視界から消えるお」
/ ゚、。;/「貴様……!!」
( ω )「某野球漫画に登場する、葉っぱを咥えた高校球児を知ってるかお?」
( ω )「彼は高校野球史上、例を見ないスラッガーだお。だけど、欠点は『悪球』しか打てないところ」
( ω )「どんな暴投もスタンドにブッ飛ばせるのに、ど真ん中は掠りもしない」
/ ゚、。;/「さっきから……何の話をしているッ!気が違ったのかッ!」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:04:35.80 ID:PBIbcfuS0
>>52 一話から楽しみにして追っかけてる俺に喧嘩売ってんのか
支援
……
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:07:20.20 ID:F45CYYZX0
( ω )「そこで彼は閃いたんだお。ストライクゾーンの球を打てないのなら」
( ω )「自分の視点をブレさせて、全てのコースを『悪球』にしてしまおうと」
( ω )「『予測不能な動き』を、自分の視点をブレさせて『予測可能な動きに』変える」
( ω )「ネタさえ理解すれば、対応策はいくらでもある」
ブーンの姿が、揺れ動く。
まさか。
一瞬、ブーンを見失った。
ダイオードは視線を巡らせる。
そして視界の隅に捉えた、影。
( ω::::... ブンッ
――――いつの間にあんなところに?
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:11:02.79 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。;/「な……」
/ ゚、。;/「内藤ホライゾン……き、貴様……ッ!!」
/ ゚、。;/「私の移動術を……ッ!!!」
( ω )「高速移動よりも体力を使わずに、相手を翻弄する。子供騙しだけど、まぁまぁ便利かもしれないお」
( ω )「そろそろ終わらせるか――――しかし悪いね」
....::::::ω゚)「 5 分 も い ら な か っ た お 」
ブゥン…
/ ゚、。;/「………ッ!!!」
この瞬間。
ブーンの姿は、完全にダイオードの視界から消失した。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:12:20.32 ID:frF5+WFaO
こいつらデレのためにこんな死闘してるんだよな
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:16:04.16 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。;/「どこだ……ッ!!」
高速移動による不可視ではない。
ブーンにはもう、そんな体力は残っていないはずだ。
認めるしかなかった。
内藤ホライゾンが、自身の移動術を完璧に体得したという事実を。
/ ゚、。 /(……いいだろう)
/ ゚、。 /(貴様がこの移動術をモノにしたことは、褒めてやる)
/ ゚、。 /(だが失敗したな。その突破法まで私に教えるとは)
自らが研究し、血反吐を吐いて開発した、錯視によるステルス。
まさか穴があるとは思わなかった。
だが、ご丁寧に説明してくれた方法で、逆に内藤の動きを捉えることだって出来るはず。
自分の視点を動かし、相手の動きを『予測不能』から『予測可能』な範囲に固定する。
そして攻撃を仕掛けてきたら、カウンターで首を刎ね飛ばす。
今度こそ終わりだ。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:17:03.12 ID:PBIbcfuS0
高校生すげぇ
支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:21:09.39 ID:F45CYYZX0
/ ゚、。 /(……?)
/ ゚、。;/(いない……見えんぞ!奴はどこにいる!!?)
/ ゚、。;/(そんな馬鹿な―――――この空間のどこにもいない!!)
/ ゚、。;/(逃げたのか!!?)
そこでダイオードは気づいた。
常人の動体視力では、たとえ突破法を知っていたとしても、肉眼で確認することは不可能だということに。
開発者の自分だからこそ分かる。
この移動術にどんな穴があろうと、常人には見破る事は出来ないのだ。
唯一の突破法は、ブーンの超人的な『眼』があってこそ成し得る。
―――質問。
自分のような、『常人より少し秀でた視力』の持ち主に、この移動術を見破ることが出来る?
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:24:11.07 ID:wjd7lBhs0
しえん
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:24:37.92 ID:F45CYYZX0
―――答え。
『不可能』。
『不可能』。
『不可能』。
/ 、 /「そんな」
その結論にたどり着いた時には。
腹部に、強烈な蹴りが喰い込んでいた。
∴・./ 、 /「ゴぶッ」
( ω )「『ブーン』」
まるで最高時速のフェラーリが突っ込んできたような錯覚。
胴体が二つに千切れそうな衝撃。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:28:08.55 ID:F45CYYZX0
(# ω )「 『 激 』 ッ ! 」
靴底でのアッパーカット。
折れた歯が天井に突き刺さる。
(# ω )「 『 烈 』 ッ !! 」
上段から叩きこまれた踵落とし。
バスケットボールのように、頭部が地面を跳ねた。
もはや痛みはない。
だた有無を言わさぬ衝撃だけが、全身を突き抜けていく。
/ 、 /「……ま、待っ」
(# ゚ω゚)「 『 脚 』 ゥ ゥ ゥ ウ ウ ウ ウ ウ ッ ッ ! ! ! ! 」
全ての力を込めた、ブーンの最後の一撃は―――――
ダイオードの体を持ち上げ。
疾走し。
壁を突き破り。
それでもなお、校舎を駆け抜けていった。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:31:38.30 ID:F45CYYZX0
聖女親衛隊、四天王、鈴木ダイオード。
“サムライ”の通り名を持ち、『五隊長』の畏怖の対象となる。
黒星は未だかつて負ったことがない。
この日、聖女への接触を図った一般男子生徒、内藤ホライゾンの反撃により。
完膚なきまでに叩きのめされ―――――リタイア。
( ^ω^)「……」
次に彼が目を覚ますのは、何週間後だろうか。
ひとまずの脅威が去ったことを確認して、ブーンは安堵の溜息を洩らした。
( ^ω^)「人の心配してる場合じゃあないお。急がないと、日が暮れちまうお」
(; ^ω^)「とにかく、階段を探さなきゃ……」
(; ω^)「……あれ……?」
(; ω )「お…おかしいお……」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:32:25.30 ID:gKmZAjWq0
注意書き変わっててわろた
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:34:54.83 ID:F45CYYZX0
(; ω )「身体が……動かないお……」
目の前の光景が、段々と白んでいく。
気がつくと、地面に這いつくばっていた。
手足の力が抜け、頬が床に墜落する。
(; ω )「ちょっと……勘弁してくれお……」
(; ω )「寝てるバヤイじゃあ……ないんだ………お……」
( ω )「……――――」
建物が大きく揺れた。
地響きがブーンの体を揺さぶる。
近くで戦いが始まっている。
しかし、ブーンがそのことに気づく事はなかった。
すでに彼の意識は、深い泥の中に埋もれている。
誰かが掘り起こさない限り、彼の魂が地上に戻る事はない。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:36:47.53 ID:F45CYYZX0
約束の時間は、刻々と迫っていた。
八話 「リヴァーサル」 了
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:39:44.72 ID:gKmZAjWq0
おつーん
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:41:17.92 ID:PBIbcfuS0
乙
只の告白タイムまでの時間がまるで世界の終わりへのタイムリミットみたいだ
おつ
次回も期待してる
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:44:50.04 ID:F45CYYZX0
今日はここまでです
代理、支援ありがとうございました
最初の注意書きは変えることにしました
なぜって?
これが恋愛モノじゃあないことに気づいたからさ……
>>52 そうですね
ちょっとした緩急をつけたいなとは思ってました
でもこれ、放課後の間に起こってることだからなぁ……
ノンストップにならざるを得ない部分も……
ちょっと試してみます
何か指摘あったらお願いします
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:48:06.53 ID:gKmZAjWq0
最初数話、注意書き見て読まずにばっさり切ってたことをここに謝罪します
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 20:52:39.98 ID:SHuEYie+0
ちょっとはデレのことを書いてみたら?
一応目的なんだしw
>>73 ウケ狙いでやったことを少し後悔している
ごめんなさい
>>74 あ、なーる
回想シーン的な何かアレな感じで書いたらいいのかな
表現やセリフがジョジョっぽくなるのは
恐らくジョジョSSばかり書いていたからだと思われる
許して
それじゃ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:02:36.39 ID:e4eWKmmk0
ノシ
77 :
冒険の書【Lv=3,xxxP】 :
おつ