文才ないけど小説書いちゃう

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ここはお題をもらって小説を書き、筆力を向上させるスレです。


◆お題を貰い、作品を完成させてから「投下します」と宣言した後、投下する。

◆投下の際、名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』を記入。
 (例:『BNSK(お題:文才) 1/5』) ※タイトルは無くても構いません。
◆お題とタイトルを間違えないために、タイトルの有無に関わらず「お題:〜〜」という形式でお題を表記して下さい。


※※※注意事項※※※
 容量は1レスは30行、1行は全角128文字まで
 お題を貰っていない作品は、まとめサイトに掲載されない上に、基本スルーされます。

まとめサイト:各まとめ入口:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/
まとめwiki:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/
wiki内Q&A:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?Q%A1%F5A
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:12:31.75 ID:yLkSxRAc0
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい

▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です
・【!】お題:保守=ただ保守するのも何だから小説風に保守する=通常作扱いにはなりません

▽規制されている方へ
>>1から辿って行けるまとめ板に、規制者スレがあります。
 そちらの方に投下していただければ、心ある人が転載してくれます。

▽その他
・作品投下時にトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
・ただし、作品投下時以外のトリップは嫌われる傾向にありますのでご注意を

▲週末品評会
・毎週末に週末品評会なるものを開催しております。小説を書くのに慣れてきた方はどうぞご一読ください。
 wiki内週末品評会:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%BD%B5%CB%F6%C9%CA%C9%BE%B2%F1
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:12:55.62 ID:MkMUvolL0
Wiiから
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:13:17.64 ID:yLkSxRAc0
189 名前:お題発表 ◆Mulb7NIk.Q [] 投稿日:11/01/26(水) 03:15:32 ID:qwVu4WFR
       , -―-
    /了 l__〕      〈] ♪ちったかたー♪ちったかたーちったかちったかたー
     7| K ノノノ ))))〉   ゆかりんマーチはデスマーチ
     l」 |」(l| ┃ ┃|| ∩ 
     | |ゝリ. '' ヮ'丿!彡   
     | ⊂l⌒l ⊂彡     
     'l l | (_)  |  ☆
     !リ   (((_)☆

第252回週末品評会  『♪』

規則事項:6レス以内
       既存の楽曲からタイトルを借用し、自作のタイトルとすること
       お題の『♪』に関しては、特に意味がないので無視してOK

投稿期間:2011/01/29(土) 00:00〜2011/01/30(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※

投票期間:111/01/31(月) 00:00〜2011/02/01(火) 24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※



190 名前: ◆Mulb7NIk.Q [] 投稿日:11/01/26(水) 03:17:13 ID:qwVu4WFR
つまるところ第201回品評会の二番煎じです
同じような感じでよろしくですー。それではまた来週
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:22:17.70 ID:FAvA0CMU0
スレたて乙
6【通常作】エピゴーネン(お題:♪) 0/3:2011/01/29(土) 21:42:25.65 ID:+A3kRP790
品評会に出して全館する人達から感想もらうのもアレな作品が出来上がりましたので、
通常作扱いで投下しようかと思います。

もう色々とアレですが、アレしてください。お願いします。
7【通常作】エピゴーネン(お題:♪) 1/3:2011/01/29(土) 21:42:53.07 ID:+A3kRP790
 夜の居酒屋で喋っている二人の後ろから、店員がやってくる。一言声をかけると、温かい焼きうどんを
テーブルの上に置いてきた。オレンジ色の蛍光灯が焼きうどんを照らし、金色に揺れる鰹節を輝かせていた。
「美味しそうだ!」
「うんうん、美味しそうだ」
 瑞希(Perfumeで言うとかしゆか似)の言葉に、加奈子(Perfumeで言うとのっち似)が
頷く。二人の言葉に嘘は無い。料理が美味しいと評判の居酒屋だった。運ばれてきたのがどこにでもある
焼きうどんであることに代わりはないが、しかしその焼きうどんの焼き加減や下地の味つけかたは、完璧
だった。
「ねね、瑞希。瑞希はソース派? それとも醤油派?」
 加奈子はそう瑞希に尋ねた。瑞希は、うん、そうねと少しだけ考えてから
「どっちでも。でも、あえて言うなら今日は醤油の気分かなぁ」
「私も、私も。慎太郎くんはどっちだと思う?」
 加奈子はそう、今は手洗いに席を立っているもう一人の友人の名前をあげた。「あー、あいつは」
瑞希は今度は即答する。
「しょっぱければ何でも食べるよ。醤油かソースか、なんて区別つかないんじゃないかな」
「あはは、そうかもねぇ」
 そう言って、加奈子は大皿に盛られた焼きうどんを、三つの取り皿に分けた。二つの皿、つまり自分の
ものと瑞希の取り皿には、少しづつ醤油をたらした。
「ありがとう」
 その皿を受け取った瑞希は、箸でうどんを少しかきまぜ、それから一筋の麺をつまんでそれを口に運んだ。
「うん、美味しい」
「ここは本当に美味しいよねぇ」
 自分の皿に対して、瑞希と同じ動作をした加奈子は、もぐもぐと口を動かし、口の中のものを飲み込んで
から「そういえば、ミッシェルってバンドが昔いたでしょ」
と、そんなことを話題として振った。
「いえー。すもーきんびりー」
「そうそう、その人たち。あの人達、昔ね、焼きうどんが原因でバンドが解散しかけたことがあるらしいよ」
「? なにそれ」
「なんでもね、打ち上げの際に出てきた焼きうどんに、ドラムの人が無断で大皿にソースかけ出したんだって。
それで、『焼きうどんの大皿にいきなりソースをかける奴とは、もう一緒に演れない』って」
8【通常作】エピゴーネン(お題:♪) 2/3:2011/01/29(土) 21:43:10.45 ID:+A3kRP790
「うはははは。案外、人の本質、人間性というものはそういうところから明かになっていくものかも」
「ねー」
 二人は、そう言って笑った。少し、会話が途切れた。
「……ねえ、慎太郎くんはどっちだと思う?」
 もう一度、加奈子は瑞希にそう尋ねた。瑞希は、真剣に考え込むふりをする。
「……、私達三人は友達だからさ、焼きうどんのせいでこの関係がバラバラになったりしちゃやだよね?」
「そりゃ勿論」
「ソースをかけて醤油派だったら、困るよね」
「逆でもね」
「じゃあ、やっぱり醤油とソース、両方かけるしかないよね」
「やっぱり加奈子もそう思うかぁ」
 二人はそう言って、慎太郎の取り皿に盛られた焼きうどんに、ソースと醤油を少量づつ、かけてかきまぜた。
「七味とかも振ったほうがいいのかな?」
「大丈夫、あいつは何でもウマイウマイと言って食う」
「食べ物を粗末にしちゃだめだよね?」
「大丈夫だって、慎太郎くんは絶対ウマイウマイと言って食べるから。粗末になんないよ」
「あ、いや、そうじゃなくて。お刺身のワサビが大分残ってるなー、って。調味料も、食べ物の一種じゃない」
「あー、あー」

 数分後、慎太郎(Perfumeで言うとあーちゃん似)がテーブルに戻ってきた。
「お、焼きうどん来てる」
「うん、美味しいよ。ねね、慎太郎くんはソース派? それとも醤油派?」
 加奈子がそう慎太郎に問いかけると、慎太郎は「だからお前らは馬鹿なんだ」と言いたそうな顔で言う。
「こんなのは、そのままが美味いんだよ。素材の味が生きて」
「……焼きうどんで、素材の味とか言う人初めて見た」
 瑞希がぼやいたその言葉を無視し、席についた慎太郎は自分の取り皿の焼きうどんを一気にかきこみ、嚥下した。
「うん、やっぱりこの店の料理はうめぇ」
「やっぱり」
 男が出した感想に、女二人はそう言って笑い合った。
9【通常作】エピゴーネン(お題:♪) 3/3:2011/01/29(土) 21:43:28.75 ID:+A3kRP790
 あとがき

 平成二十三(二〇一一)年にBNSkerの文豪先生は、2chVip、BNSKスレ上にて小説『完全な遊戯』(以下、前掲作)を発表しました。
そのあらすじは以下の通りとなっています。
  深夜を歩いていた二人の女性が、道で出会した男を連れ去り、強姦を加えます。男は、田舎から出てきた仕事にありつけない
若者だということがわかりましたが、女性達はその若者に同情することもせず、暴力を振るった果てに性器を切断し、彼を殺しちゃいます。
 そこで小説は終わりです。女性達には報復も、制裁も、反省すらしていないようです。文章自体も行動描写や会話文が大半を占めて
いるため、「文学的」とよべるかさえ疑わしい(らしいです、自分は行動描写や会話文が大半を占めるとなぜ「文学的」とよべなくなるのかは
よくわかりません)。
 前掲作に寄せられた評価は、酷評が多くを占めました。その代表として、BNSKerの◆1ImvWBFMVg氏ものが挙げられます。
「また悪いクセ出てる。てっきり太宰の時で懲りたのかと思ってたのに。
 作品の言い訳は全感の時に書けと。しょうもない。このドの付くボケ野郎があああ。筆を折れ。今すぐだ。
 作品は、こいつら気持ち悪い、だろ。No.9と同じだけど、所々変に見えてこない部分があるし、何より最後がゲロカスだった。無い。」
 一方で◆p4MI6fJnv2氏や◆Lq1ieHiNSw氏からの一定の評価はありましたが、多勢に無勢で評価を改めるきっかけとはならず、結局
前掲作は00(ダブルオー)フィニッシュとあいなりました。

 今回、自分は前掲作のパロディをこころみました。もっとも、形式がそうだからといって、諷刺や揶揄は目的ではないです(本当だよ!
信じてね!) 本当の目的は、えー、目的ね。目的。実はあまりないです。ただ、少なくともBNSK内における前掲作の評価が文豪先生が
あとがき内で語っている作品の評価と類似していたので、「これは天丼ネタとして使えるな」と思って、今回のお題に一致している曲名を
知っていた自分は我慢が出来ませんでした。えへへ。だってこれ、文豪先生による「やれよ」っていう突っ込み待ちだよ、きっと。

 自分には人が死んだり殺したりするシーンを書ききる筆力は無いので、そこの部分について改編を加えました。結局、殺人のいけないところは
『人の自由意思を奪うこと』なんじゃないのかな、と解釈して、それなら焼きうどんの味付けを勝手に決めるのもベクトルは同じものだろうと
考えてのことです。他人の自由意思を奪うことは良くないことです。いけないことだと思います。
 前掲作を収録しているスレッドは少なくありません。まとめ掲示板にあがっている「週末品評会251th『ねえ、どうして人を殺しちゃいけないの?』」
には前掲作が収められています。また、VIPスレにも「文才ないけど小説書く」スレに載っていましたが、こちらDAT落ちになってしまった
らしいです。ですが、●さえお持ちなら、取得出来る可能性があります。アップローダーにはあがっていないみたいです。

 読者、なにより文豪先生が、このしがないエピゴーネンを寛大に許容してくだされば幸いです。許せないならその旨ご一報ください。
AA駆使して謝ります。それしかできないけれど。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:43:44.05 ID:+A3kRP790
おしまい。
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:50:59.19 ID:ts0x+Ufj0
おお、バインだよな多分それ
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:51:22.64 ID:+A3kRP790
バインですよ
レイクの番人ですよ
新アルバム好評発売中ですよ
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:46:00.59 ID:+A3kRP790
えぶりばーでい
ゆーれーていーる
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:51:39.79 ID:TiDPg5Cy0
久しぶりに覗いてみたら面白いお題だな
ちょっくら書いてみますか
品評会作を投下します。3レスです
 いつものようなある日の事、俺は突然立ち上がり言った。
「今夜、星を見に行こう」
 プログラム開発は激務である。デスマーチと入ったこの案件は
日に日に新しいバグが現れ、三歩進んで二歩下がるという毎日だ。
 毎日徹夜を続けていたためか、チームメンバーの皆が気が触れたか
と不安に満ちた目で注目している。
 病院と言うか細い声を無視して、俺は改めて笑顔で言った。
「たまには良い事言うだろう、俺って」
「青山さん、終わったんですか?結構残件がありましたけど」
「もちろん終わってない。終わるはずが無い。ただ星を見たくなった」
そう言って、ドアを開け放って外へ出る。
「あ、外行くなら食事お願いします。コンビニ弁当適当に見繕って下さいね」
 外へ一歩出て、空を見上げる。曇りだった。そもそも晴れていても、都会の
薄汚れた空気では星は見えない。
 なんでこんな事になったのだろう。設計がまずかったか。
プログラムの単体では全て機能を満たした動作をしている。それなのに全体で
見ると何故か動かない。予算も使い果たし、数週間。もう赤字へと突入している。
「出来た?まだなの?終わったら原因をきちんと出してね」
課長の声が聞こえる。胃が痛い。
 コンビニ弁当を買い、会社に戻ろうとした時にふと思いついた。
 もしかして、今日星を見られれば何もかもが上手くいくのではないだろうか。
このままコンビニ弁当を持ち帰り、仕事をすると今日も終わらないだろう。
決まった未来のレールに乗りながら足掻くのも悪くは無い。
 ただ、星が見えないと諦めてしまうのはどうなのだろう。天気は曇りだ。しかし
星は雲の先に必ずある。今の仕事の終わりも見えないが、星が見えれば尾張も
見えるのかもしれない。
 俺はタクシーに飛び乗る
「山」
「はい?」
「高い山へいってくれ」
 運転手は近くの山へとのぼる。ついた先で降りるとそこもやはり曇って
見えない。
「もっとだ、星が見えるくらい高い山へ頼む」
 会社のクレジットカードでタクシーを走らせる事、数日。ついに星が見える所へ
辿り着いた。
「おおおお……星だ、星が見える!やった、やった!」
携帯電話のスイッチを入れると、着信が三十件近くあった。
会社へとリダイヤルをする
「やあ、みんな。仕事はどうなったかな」
「青山さんですか?何処に居るんですか?連絡付かないからみんな心配してましたよ」
「星だ、星が見えてるんだ。仕事はどうなった?」
「星?言ってる事が解りませんが、あれだけあったのが一つのバグの改修で
全部上手く行ったんです。案件は無事に終わりました」
ほら、見てみろ全てが上手く行く。
「やっぱりな」
「何がやっぱりなんです?」
「君は知らないだろうが、星が見えたんだよ。だから終わったんだ」
「どうでも良いですが、早く帰ってきてくださいね。無断欠勤で課長はカンカンですから」
「解ってるさ、だがこれは案件を終わらせるのに必要な事だったんだ。君は知らないだろうがね」
「必要な事だったというのは今なら解りますがね」
会社へ戻った時、私の机に原因と対策シートが置かれていた。

原因
・本案件のリーダーである青山誠一の作ったバグが原因
・本案件のリーダーである青山誠一のチェック漏れ
両件が絡み、メンバーへの指示は自己プログラムの見直しだったため
発見が遅れた。

対策
・青山誠一の格下げ
 案件が忙しい時期の業務放棄は社会人としてあるまじき行為である。
 きつく注意を行い、給与の引き下げを行う。

星は見えた。仕事も終わった。
ただ、俺の知らない物語が会社では繰り広げられていたようだ。

経費として認められなかった膨大なタクシー代と
メンバーから失った信用はどうすれば戻ってくるのだろうか。


19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:03:45.84 ID:+dJUvN+c0
以上です
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:05:28.72 ID:2pvNmnjU0
新参だけど仕切りやったりしてるBNSKの中の人が文豪先生なの?おしえてえろいひと
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:07:26.16 ID:+A3kRP790
23:00以降の仕切りについてだったら、
文豪先生もたまにやってるけど基本は手の空いてる有志がやってる感じ
誰もやらないことも多々ある
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:08:38.65 ID:2pvNmnjU0
じゃあ中の人は別なんだね 把握
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:10:54.28 ID:ac5rrKiz0
週末品評会252th『♪』投稿作品まとめ
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1296310107/

No.01 君の知らない物語 ◆0KF/UBMvVE氏

転載完了アレよろしく
24閃光(お題:♪) 0/6 ◆7C6LTZ08z6 :2011/01/29(土) 23:32:02.03 ID:1CdDWLCs0
ひさびさに品評会作品投下。
25閃光(お題:♪) 1/6 ◆7C6LTZ08z6 :2011/01/29(土) 23:34:18.40 ID:1CdDWLCs0
 家について明かりを点けたら、音がなかった。

 それだけで僕にとって全ては無意味なものになってしまいました。
 きっと朝出るときにテレビを消し忘れていれば、こんなことにはならなかったと思います。

 「やめたい」「死にたい」「逃げるな」「戦え」。
 論理的でない言葉が、絶えず僕の頭をぐるぐると駆けまわるようになってしまって。
 もう何も考えがまとまらなくなって、どうしようもなくなってしまって。

「しかしあなたは二年以上、その状態で会社に通い続けたんですね?」
「太陽の光を浴びると落ち着くんです」
 彼は顔を上げて言った。
「いつも朝は憂鬱でした。布団から出ると、しばらくボーッとして。何もできませんでした。会社を辞めよう、死のう、
これからどうしよう。そんな考えがずっと頭を渦巻いて。けど、ふと窓を見ると、外が明るくなってくるんです。雲間
から光が差すみたいに、僕の世界に入り込んでくる。そんな光を浴びると……ええ、論理的ではないんです。今まで考
えていた何もかもが馬鹿らしくなって、会社に行こう! そう決意させてくれました」
「それじゃあ、雨や曇りの日は大変だったんじゃないですか?」
 夢中に語っていた彼の体が、ピクリと反応する。
 そして、まるでビデオの一時停止ボタンを押したかのように動きを止めてしまった。
「……そうですね」
 呆気に取られた表情で、口をほとんど動かさずに言った。それから少しずつ唇が震えだして、気づけば全身までその
震えが波及していた。
「そうだ。僕は論理的じゃない。そうだ。僕は論理的じゃない」
 彼は立ち上がり、真っ白なコンクリートの壁に頭をぶつけようとしたので、僕は慌てて羽交い絞めにして止めた。
監視員も駆け寄り、必死になって彼の奇行を止めようとする。
 彼は麻酔なしで体を切られたかのような奇声を上げて、暴れに暴れまわった。監視員は彼の肘鉄をまともに受け、顔
をおさえて倒れていた。僕も頭に拳骨を何発かくらい、一瞬気が遠くなった。結局、面会室の外からやってきた看護師
三人掛かりで、ようやく彼の行動を止めることができた。
「待ってください」
 僕は頭をおさえながら言った。看護師達に彼が連れていかれようとしている。
26閃光(お題:♪) 2/6 ◆7C6LTZ08z6 :2011/01/29(土) 23:35:12.77 ID:1CdDWLCs0
「まだ面会時間は残っています」
「こんな状態で面会なんか続けられませんよ!」
 彼は地面を引きずられながら面会室の外に出ていった。目は取り返しのつかない過ちを犯してしまったかのように怯
え、口は腹を空かせた狼のように獰猛に開いていた。
 普通の人間ができる表情ではない。
 明らかに、彼は気が狂っていた。

 回転寿司で自分が取ろうとしていた寿司を、目の前で誰かに取られてしまったかのような気分だ。
 僕はその寿司にどのくらい醤油をつけ、どのように食べてやろうと想像までしていたのに、寿司を取った人物は僕の
意を介さない方法で、あっさりとそれを平らげてしまった。怒りとか戸惑いとか、そんな短い単語ではとても言い表せ
ない。
「下品な喩えだわ」
 自動車のハンドルにもたれながら、リリスが言った。
「精神病患者と回転寿司じゃレベルが違いすぎるわ。もっと適切な喩えがあるんじゃないかしら」
「僕もそう思うよ。けど、そんな喩えしか思いつかない気分なんだ」
 僕はバックミラーをぼんやりと眺めながら言った。歩道を歩いている人は疎らだった。今は平日の日中なのだ。
「思いつかない気分、ね。だいぶあの子に毒されたみたいね」
「まあね」
 リリスは彼のことを『子』と呼ぶ。彼はとっくに二十歳を越えているというのに。だけど、僕はそのことに全く違和
感を感じなかった。リリスにとってみれば彼は、そして僕は、何も知らない子供同然なんだ。
「リリスもこれば良かったのに」と僕は言った。
 リリスは窓の外に向かって唾を吐き捨てるかのように笑う。
「私があの子に会ってもしょうがないわ」
 手に持っていたタバコを吸い、大袈裟にぷはぁっと煙を吐く。それから、右手方向に見える精神病院を恨めしそうに
見つめながら言った。
「こんなクソみたいな建物になんか入りたくないし。来るときにも言ったでしょ」
 たしかにそう言っていた。
 精神病院とリリスは、全く正反対の色合いをしていた。精神病院は白を病院に明るい色で塗り固められており、その
中身はともかく、誰でも清潔さを感じられるような外面になっていた。一方、リリスの纏う色は何もかもが毒々しい。
赤や青、緑。単体であれば普通の色なのに、それらは異様な規則性を持って組み合わせれ、ラフレシアを思わせるよう
27閃光(お題:♪) 3/6 ◆7C6LTZ08z6 :2011/01/29(土) 23:35:53.64 ID:1CdDWLCs0
な凶悪さを全面に醸し出していた。黒は嫌いだった。白にすぐ侵略されるからだ。
 とにかく、リリスは彼がいる精神病院を好かないようだった。
「さあ、行きましょう」
 リリスはまだ半分しか吸ってないタバコを外に投げ捨て、自動車を発進させた。
 僕らが向かったのはラブホテルだった。そこで僕らはセックスをした。

 僕は次の日も精神病院に行った。
 彼の担当医に面会を断られた。前は親が許可したから特別に面会させてあげたけど、あんな問題を起こしてしまった
のではもう会わせることはできないとのことだった。
 僕は病院の外に出た。昨日と同じように、リリスが車内でタバコをふかせて待っていた。
「昨日会えたのは親が許可したからなんだって」
「そう」
「リリスが親なの?」
「さあ、どうかしらね」
 僕らはそれっきり口を交わさなかった。
 そしてやっぱりラブホテルに行って、セックスした。

 次の日も精神病院に行って、断られて、セックスした。
 次の日も精神病院に行って、断られて、セックスした。
 次の日も。
 次の日も。

 僕は確実に壊されていっていた。
 リリスはセックスした後、必ず僕をひとりにする。だから僕は考えさせられた。リリスが彼の親? 多分そうだ。
けど姿形が似ていないから、きっと義理の親だ。どうして? きっと彼は以前、今の僕とリリスのような関係を持って
いた。そして彼をうまく壊すために、リリスは親になる必要があったんだ。だけど彼は必要以上に壊れてしまい、精神
病院に入ることになった。そしてその代わりが、僕。
 本当にそうだろうか。リリスが意図的に彼をあそこまで壊したのだとしたら? いったい何のために? 僕か? 僕
を壊すために、彼をあそこまで壊したのか? そして僕も、次の誰かのために壊されているのか?
 僕は僕の考えをリリスに言った。リリスはいつも曖昧に答えるから、僕の中に組み込まれた謎はどんどん膨らんでい
28閃光(お題:♪) 4/6 ◆7C6LTZ08z6 :2011/01/29(土) 23:37:50.27 ID:1CdDWLCs0
った。いや、リリスが本当のことを言ったとしても、僕はそれを信用することはできないだろう。もう手遅れなのだ。
だけどひとつだけ確かなことがある。僕はリリスに少しずつ壊されていっている。
 リリスの壊し方は芸術的だった。まるでサクラダファミリアを彫るみたいに。僕が何を考えて何を行動しても、全て
リリスの思い通りになっているみたいで。僕は考えれば考えるほど思い通りに壊れていき、考えれば考えないほど思い
通りに壊れていった。
 リリスはなぜ、僕たちを壊すんだろう。そんなことを考えるのも、やっぱりリリスの思い通りなんだ。

「会えますよ」
 最初は、その言葉が何を意味しているのか分からなかった。
 ずっと地下を掘り進んでいたら地球の反対側に出てしまった。そんな気分だった。
 担当医は諦めたような表情で、もう一度告げた。
「会えますよ。彼があなたに会いたいと言って聞かないんです」
 本心では望んでいないが、渋々会わせてやるといったような言い方だった。
 僕は担当医に連れられて廊下を進みながら、久しぶりにリリス以外のことを考えた。
 毎日訪ねてくる僕ら。毎日僕に会いたいと言ってくる彼。
 そんな日々がずっと続けば、医者も嫌気がさしてくるかもしれない。
 そして僕の心の底から、とても嫌な予感が登ってきていた。何か大事なものを失ってしまう予感だ。
「ここです」
 ドアがない部屋の中に入ると、彼はどっしりとした椅子に座っていた。ちょっとやそっと暴れても動きそうにない、
本当に重厚な椅子だ。彼はそこに何重の縄で縛り付けられていた。
「彼が言ったんです。僕が再び暴れると思うなら、最初から縛り付けておいて構わないと」
 彼は猫のように大きく瞼を見開き、ギラギラとした目で僕を見つめていた。
 僕と彼が引き離されてから何十日か何ヶ月かの間、僕はどんどん沈んでいき、彼は鋭気を蓄えていたのだ。
 嫌な予感は的中した、と僕は思った。
「この前は申し訳ありませんでした、こんな恰好なので、頭を下げることもできませんが」
 彼はその形相からは考えられないほど落ち着いた声で僕に言った。
「座っていただけますか?」
 僕は彼の声に促されるままに、彼の前にある丸椅子に座った。
 二つの椅子の間隔は約三歩分。手を伸ばしても絶対に届かない。そんな距離で、僕は彼と向き合うことになった。
「……あれから考えたんです。何故あなたと僕があんなに気があったのか。なぜ初めて会った人に、僕は昔の話を
29閃光(お題:♪) 5/6 ◆7C6LTZ08z6 :2011/01/29(土) 23:38:56.65 ID:1CdDWLCs0
臆面も無く語ることができたのか」
 彼は僕を睨みながら言った。暴発しかけている自分の衝動を、無理にでも押さえつけている感じだった。
「あなたと僕は似ている」
 僕は彼の言葉に肯定も否定もしなかった。
 しかし、彼はその確信した様子を微塵も変えなかった。
「似ているんだ。何から何まで。顔や体、性格や人生の歩み方。あなたは死んだ目をしている。昔の僕みたいに。
あなたは過去の僕なんだ」
 彼の言葉は次第に熱を帯びていった。内容が支離滅裂になっていった。
「あなたの未来が僕だ。あなたがこのまま進んでいけば、あなたは僕になってしまうんだ。自分が考えていることが
何なのか分からなくなって、何もかもが滅茶苦茶になってしまうんだ。けど、」
 そこで彼は言葉を切り、吠えるように叫んだ。
「違うんだよ! 人生は閃光なんだ! その場の一瞬が勝負なんだ! 過去の積み重ねなんて関係ない! いつでも
自分は変えられるんだ!」
「わかるわけがない」
 僕の思いが口を出た。
 彼の叫び声しか響かなかったこの空間に、それはぽっかりと浮かび上がった。
「壊れてしまえたあなたに、僕のことがわかるわけがない」
 僕は泣いた。そして逃げるように部屋から出ていった。

 僕が外に出ると、リリスが自動車に背を預けて待っていた。
 リリスは僕を、その毒々しい体で抱きしめてくれた。
「リリスが彼の親だというのは、僕の勘違いだったかもしれない」
 リリスは何も言わなかった。だから僕は、勝手にそう思うことにした。
 そして僕らはラブホテルに行き、セックスした。

 いつでも自分は変えられるんだ。
 その言葉が、いつも僕の頭を駆け巡るようになった。
 いつまでもリリスと一緒にいてはいけない。今の状況を早く打開しなくてはならない。
 だけどリリスは僕のそんな様子に気づいているはずなのに、何も言わなかった。
 僕はどうすればいいのか。
30閃光(お題:♪) 6/6 ◆7C6LTZ08z6 :2011/01/29(土) 23:39:57.55 ID:1CdDWLCs0
 ふたつの思いが、僕の体をふたつに裂いていく。


 目が覚めた。枕元の携帯を見れば、午前七時だった。
 朝の陽光が僕の部屋に差し込んでいた。
 逃げられなくなった、と僕は思った。

〜 完 〜
31 ◆7C6LTZ08z6 :2011/01/29(土) 23:41:23.32 ID:1CdDWLCs0
おしまい。
久々に小説書いたら、やっぱり時間かかるわー。
転載してきます。
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:51:06.91 ID:JMljp8zM0
スレがあると書く気になるよね
サッカー見てこようっと
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:58:30.61 ID:0rZYAmwq0
>>31
全てが謎だった。
僕、彼、リリスの三者はどういう関係なのか。
なぜ僕は毎日の様に精神病院へ彼にあいにいくのか。
なぜ僕とリリスは毎日ラブホに行ってセックスするのか。
僕の感情が見えてこない。僕の思考が見えてこない。
彼の最後の一言を言わせたかった様に思える。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 00:00:10.33 ID:vD1o1mDJ0
   ____________
       <○√
        ‖
        くく
   >>32
   ここは俺にまかせて先に行け!!
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 00:01:41.71 ID:0SYpeymy0
EUROSportsつながった
自分もサッカーみようみよう
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 01:13:13.40 ID:VvjACV7c0
ほしゅっとこう
37君がいない夏(お題:♪)0/5 ◆H9/xqIwyOc :2011/01/30(日) 02:06:47.06 ID:VRsXzd1I0
よーし、完成
品評会作品5レス投下します
38君がいない夏(お題:♪)1/5 ◆H9/xqIwyOc :2011/01/30(日) 02:07:42.91 ID:VRsXzd1I0
「や。久しぶりだね」
 彼女に水をかけながら僕は小さくそう言った。返事はない。
「こっちの夏は今年も暑いね。いや、都会も十分暑いけどさ。ほら、君が好きだったアイス買ってきた

よ」
 手に提げたビニール袋から、先ほど近くのコンビニで購入したカップアイスを二つ取り出す。一つは

彼女の前に供え、もう一つは自分で開ける。真っ白なバニラ味のそれは、夏の熱気のせいで少しだけ溶

けて柔らかくなっていた。木製のスプーンはさほど力を要せず簡単に白い塊へ突き刺さる。
「ん、そうだ」
 それを見て閃く。自分のアイスを脇へ置き、僕は彼女のアイスの蓋も開け自分のものと同じようにス

プーンを突き立てる。ただ、彼女のスプーンは真ん中へ垂直に。一見するととても縁起の悪い形となっ

たが、今この場においてはとても相応しく思えた。
「まあ、お供え物だし。別に気にしないよね?」
 そう問いかけるも、やはり彼女から答えが返ってくることはない。
 当然だ。お墓が喋ることなんてありはしないのだから。
39君がいない夏(お題:♪)2/5 ◆H9/xqIwyOc :2011/01/30(日) 02:11:25.10 ID:VRsXzd1I0
 僕の幼なじみであり、そして恋人でもあった彼女が亡くなったのは十年前の夏。死因は交通事故
だった。
 当時高校三年生だった僕らは受験戦争の真っ只中。そんな中大事な人が亡くなったのだから当然
勉強など身に入るはずもなく、僕は合格圏内だった志望校よりずっとランクの低い大学へ入学するこ
ととなった。もちろんそれを彼女のせいにするつもりはないけれど、だからといって落ち込まないわけ
でもない。僕の大学生活はお先真っ暗のまま始まったのだった。
「あれから十年か……ほんと、時が経つのは早いよ」
 歳に似合わずおじさん臭いことを呟きながら、アイスを一口。冷たさと甘さが同時に口の中に広がる。
そして、ああ昔はこの味を楽しむのはいつも君と一緒だったな、なんて思い出してしまい、胸の奥でじ
んわりと熱いものが疼くのを感じた。
 彼女が亡くなってから、毎年墓前でのみ食べるようになった百円のアイスクリーム。
 その味は、いつの間にか彼女がいないことを実感させるためのものとなっていた。

40君がいない夏(お題:♪)3/5 ◆H9/xqIwyOc :2011/01/30(日) 02:13:03.26 ID:VRsXzd1I0
アイスを食べ終えた僕は、おもむろに口を開く。
「十年も経ったんだからさ、もう時効だよね?」
 時効などという言葉を使ったが、別に罪を犯したというわけではない。罪悪感は、なくはないけど。
 空になったカップを袋にしまい、僕は左手を彼女のお墓の前に掲げた。その薬指で小さく光るの
は、僕と『誰か』の誓いの証。
「僕、結婚するよ」
 言葉は意外とすんなり口から出てきた。だけど、その後が続かない。言葉が見つからない。遠くか
ら聞こえる蝉の声だけが、僕と彼女の間の沈黙を埋めてくれていた。
 彼女が生きていた頃は、いつも彼女が口を開いてくれた。会話が途切れないように、ごく自然に。
そして、とても楽しそうに。彼女は僕にいろいろなことを語りかけてくれた。そんな彼女に、僕はうん
うんと相槌を打つだけだった。
 でも、彼女はもういない。口を開くのは、開けるのは、僕だけ。
 だから僕は、自分の口で告げる。
「だからさ、……ここに来るのは、今日で最後」
41君がいない夏(お題:♪)4/5 ◆H9/xqIwyOc :2011/01/30(日) 02:14:52.82 ID:VRsXzd1I0
「君が亡くなったあの日から、僕の心の中にはいつも君がいたんだ」
 辛いこともあった。悲しいこともあった。でも、彼女が空の上で見てくれていると思うと、どん
なことでも乗り越えられた。
 新しい恋も、できた。
「あの人……あ、僕が結婚する人だけど、あの人とつき合えたのも、ある意味君のおかげなん
だよ。変な話だけど、君が亡くなって勉強が手に付かなくなったから、あの人がいた大学に入れ
たわけだし」
 皮肉なものだと思う。もしかしたら彼女にとってはたまった話ではないかもしれない。自分が死
んだおかげで恋人が新しい恋人を見つけたとなっては、死んでも死に切れないんじゃなかろうか。
「……いや、君に限ってそれはないか」
 頭を振って自分の考えを否定する。彼女はそんな事で恨むような小さい人間ではなかった。今
だってきっと僕の報告を笑顔で聞いているに違いない。そんなことがわかるくらい、僕たちの付き
合いは長かったのだ。
 でも、それも今日でおしまい。
「お墓参りくらいはいいかな、とも思ったけど。でも、いつまでも君に頼りっきりじゃだめだからさ」
 彼女に語るべき言葉を、僕はゆっくりと探す。少しだけ弱音と不安が顔を出しそうになったけど、
なんとか口には出さなかった。
「僕は君のことを忘れる。これからは奥さんになってくれる人が僕を支えてくれるから、もう大丈夫」
 一呼吸置いて。

「今まで僕を支えてくれて、ありがとうございました」
42君がいない夏(お題:♪)5/5 ◆H9/xqIwyOc :2011/01/30(日) 02:16:22.43 ID:VRsXzd1I0
じゃあ、もう行くよ」
 そう言って僕は立ち上がる。未練は尽きないけれど、これ以上居座っても帰るタイミングを逃し
そうだった。空はいつの間にが夕焼けに染まり、ミンミンゼミの声はヒグラシのそれにかわってい
た。
「さよなら」
 それだけ言い残して、僕は踵を返し墓地の出口へと向かう――が。
「やば、ゴミ置いてきちゃった」
 彼女の墓前にコンビニの袋を置きっぱなしにしてきたことを思い出し再度振り返った。さすがに
そのままにしておくわけにはいかないだろう。折角のお別れがこれじゃあかっこつかないな、なん
て苦笑を浮かべながら彼女の墓前に戻る。
「あったあった」
 無事袋を回収し、今度こそお別れだと彼女のお墓に視線をやると。
「あ……」
 ふやけたカップの中で、スプーンの浮かぶ溶けきったアイスが揺れていた。
「…………」
 なぜだろう。
 さっきまで、大丈夫だったはずなのに。
 もう大丈夫だと思ってたのに。
 なぜ、今になってこんなにも目頭が熱くなるのだろう。
「…………」
 口は開けなかった。開いたら、押し込めていたはずの弱い部分が全部出てきてしまいそうな気
がしたから。
 だから僕は、心の中だけで呟いた。
 僕はこれから毎年、君がいない夏を過ごすことになるんだね、と。
 涙が、一筋だけ零れた。

 了 
43 ◆H9/xqIwyOc :2011/01/30(日) 02:17:36.41 ID:VRsXzd1I0
以上で終了です
最初の1レスがずれて見づらくなってしまい申し訳ないです
44 ◆Lq1ieHiNSw :2011/01/30(日) 02:42:07.84 ID:cTxzJdfZ0
品評会作品投下
45MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◆Lq1ieHiNSw :2011/01/30(日) 02:43:54.55 ID:cTxzJdfZ0
 ショーツのみを身に着けた状態でベッドに横たわる。すると間もなくベッドの桟に手首を括り付けられ、閉じ
た足首も縄で縛られた。さらに私は自ら猿轡を要求すると、口にビットギャグを装着させられた。
 これで次のシーンの準備が整い、カメラが回る。
 扉を開けて入室した男が、ゆっくりと私に歩み寄る。下着一枚に手にはミカンの木の枝を持ったその姿は、本
来なら滑稽にしか映らないはずだ。傍まで来た男は酷く緩慢な動作で私の顎を撫でると、手に持った木の枝から
葉を千切り、それを私の身体の至る所へばら撒いた。私が軽く身じろぎをすると、男は言った。
「君にはアゲハ蝶がよく似合うはずさ」
 下手糞な台詞だった。そしてADからケージを受け取ると、中のアゲハ蝶の幼虫を掴んで私の身体に落とした。
 黒と白で鳥の糞のような柄の若齢幼虫と、小さな蛇のような緑色の終齢幼虫。夥しい数の幼虫達が、脚を、腹
を、胸を、顔を這う。落とされた衝撃で、幼虫達は黄色い角を出した。悪臭を放つこの角は、確か臭角という呼
称だ。不快な臭いのはずなのに、わたしつい懐かしさを覚え感傷的になる。
 幼虫達がノロノロと身体を這い、私の上でミカンの葉を食む。身体の至るところで幼虫が歩行するので、こそ
ばゆいような痒いような気持ち悪い感覚が起こる。私は身を捩り声を出すが、口枷のせいで声はくぐもった。
 そんな単調なシーンだがいい絵を取るために、とりあえず十分はこのままカメラを回す手筈になっている。身
動きの取れない私は、まるで自分が蛹になったかのような心持ちで、ますますあの頃を思い出してしまった。
 あの日見た感動的な光景は、今でもずっと忘れられずにいる。

 ※

 蛹から出てきたアゲハ蝶はやがて翅を広げると、弱弱しくそれをはためかせていた。
 やがてアゲハは宙に浮かんだ。乾いて広がったその翅は黄色と黒で、そして微かに青や橙が色づいている。 
 潤一がケージの蓋を外してやると、アゲハは舞い上がるようにそこから出た。しばらく部屋の中を力なく飛ん
でいたが、やがて窓の外へと飛び立っていった。か弱い翅でひらひらと、どこかの空へと消えていく。
「すごい」
 自然と言葉が漏れた。本当に感動していると、単純な言葉しか出ないものなのか。
「蛹から出て、次はカゴから出た。最後はこの部屋からだ。順を追い段を昇るようだね」
 潤一はそう言った。
 そしてその時やっと、なんとなくだが、潤一が私にアゲハ蝶の羽化の瞬間を見せた意味を理解した。
 潤一の家の裏にはミカンの木が植えてあり、毎年春から夏にかけてアゲハが卵を産み付け、そしてそこからま
た新たな蝶が旅立っていくのだそうだ。潤一はそれを観察するのを趣味としていて、卵や幼虫と一緒に枝葉を切
46MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 2/6 ◆Lq1ieHiNSw :2011/01/30(日) 02:44:58.22 ID:cTxzJdfZ0
ると、ケージに入れて部屋に持ってくるのだ。
 始めその話を聞いた時、子供っぽいと馬鹿にした。だからその日もあまり乗り気ではなかったのだが、しかし
結果として私は心にその光景を深く刻みつけることとなった。それだけ印象的で、感動的だった。生命の力強さ
というものを、まざまざと見せつけられ体感したのだ。
「香澄もきっとああなるさ。アゲハのように、華麗に」
「私はまだまだ幼虫ってことなのかな」
「いや、香澄も着実に上手くなってきてるはずだ。幼虫なんかじゃなくて君はもう蛹だ。蝶になれる日もきっと
近い。ちょっと……クサいこと言ってるけど」
「……聞いてるこっちが恥ずかしいよ」
 照れくささを紛らわす為に潤一に寄り添った。彼は私の髪を撫でてくれた。
 視線をケージに移す。緑色の幼虫が数匹と、他にもいくつか蛹が足場代わりの割り箸に付いていた。今羽化し
たばかりの蛹の殻は、残骸となりつつも未だしっかりと割り箸にくっ付いている。緑色の殻には亀裂が入ってお
り、私はなんとなくその殻を手に取って見てみたいと思った。
「中には液体が溜まっているだけだよ」
 私がそのことを言うと、潤一はそう答えた。羽化の際、余分な水分を排出するのだそうだ。
「幼虫は脱皮すると自分の皮を食べるんだけどね。成虫になるともう抜け殻なんて必要ないみたいだ」
 そこで少しだけ間を置き、冗談っぽく潤一は続ける。
「香澄もやがて、僕を必要としなくなるのかもね」
 昇り始めたばかりの朝日を顔に浴びたその表情は、少しだけ淋しそうに見えた。
 窓の外の少し遠いところでは、花の傍で二匹のアゲハ蝶が舞いを踊るように戯れていた。

 後日、私は自ら望んでもう一度アゲハの羽化の観察を行った。
 潤一が羽化日に目星を付けていた個体があったので、早朝から見守ることにしたのだ。
 眠い目を擦りながら待っていると、やがて蛹から小さな音が聞こえ、少しずつ裂け目が開いてきた。蛹の中で
姿を変えたアゲハ蝶が、ゆっくりと殻を破って出てくる姿はやはり素晴らしかった。
「あ、こっちの蛹も何か羽化しそうな感じだ」
 その後、潤一がケージの中の蛹の一つを指さし言った。潤一の言う通り、その蛹からも中身が動く微かな音が
聞き取れた。だがしばらくすると潤一は顔を顰めた。
「これは……。まずいな、多分アゲハじゃない」
 私が言葉の意味を問うと、潤一は「ヤドリバチだ」と言った。蝶の幼虫に寄生する蜂なのだそうだ。卵のまま
47MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 3/6 ◆Lq1ieHiNSw :2011/01/30(日) 02:45:39.31 ID:cTxzJdfZ0
幼虫の体内に入り、幼虫の身体を内側から食べ続けて成長する。そして蝶の幼虫が蛹になる頃には蜂の幼虫も蛹
となり、やがて出てくるのは蝶ではなくて羽化した蜂なのだという。
「ああ、やっぱり」
 一通り説明を聞きはしたが、それでも私は驚いた。蛹は背が割れるはずなのに、割れたのは腹部で、そして出
てきたのはの黄色い可憐なアゲハ蝶ではなく、小さな茶色っぽい蜂だったのだ。
 潤一は顔に思いっきり嫌悪感を出した。だがそれでも、私はそれに嫌悪を抱かなかった。
「そんな…………。す、すごい」
 単純に、虫の世界に驚愕した。これはこれで、弱肉強食の世界の掟を垣間見た気分になったのだ。
「なにもすごいことなんかない。気分が悪いだけだよ」
 潤一はそう言うと、ティッシュで蜂を掴んでそのまま潰した。
「アゲハ蝶の天敵だ。昔っからヤドリバチは大嫌いなんだ」
 そう言って、潰れた蜂の入ったティッシュをゴミ箱に放った。
 私は言葉を無くしてその姿を見ていた。

 ※

 男優の手によって履いていたショーツは鋏で切られ、そして陰部に膣鏡、所謂クスコを挿入された。
「幼虫に犯してもらえ」
 男優は抑揚なくそう言った。どうにも台詞が下手すぎる。
 クスコによって膣は広げられ、そこにピンセットでミカンの葉とアゲハ蝶の幼虫が数匹入れられた。猿轡を外
された私は悲痛な叫びをあげる。下手糞な男優とは違う、役に成りきっての真剣な演技だ。カメラが寄って、虫
の入った私の股をアップで撮影する。
 やがて男優はADからディルドを受け取ると、クスコで拡張された私の膣内に突っ込んだ。当然ながら幼虫達
は、ディルドと私の膣壁に挟まれ潰される。体内で虫が弾ける感触は流石に気持ちが悪く、気が変になりそうだっ
た。しかし私は監督が頻りに勧めた薬の注射を断って撮影に臨んでいるのだ。意地を張って断ったからには、こ
こで演技を忘れて取り乱すわけにはいかない。私はあくまで演技として大声をあげて、恐怖と絶望を訴えた。

 その後、私の膣内を洗浄することも兼ねて一旦休憩を挟んだ。
 膣内の洗浄はクスコをつけたまま、スタッフに手伝ってもらい行ったが、それでも気持ち悪さは流しきれなかっ
た。あまり奥まで幼虫が行かないようには気をつけてもらったはずだが、しかしどうしても、子宮口まで幼虫の体
48MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 4/6 ◆Lq1ieHiNSw :2011/01/30(日) 02:46:20.63 ID:cTxzJdfZ0
液が飛散したような、そんな感じが拭っても拭いきれなかった。
「大丈夫だったか? 今からでも薬打ってやるけど」
 この手の作品はそういうものなのだ。監督は私を気遣い言うが、私はそれでもやはり断った。
「いえ、大丈夫です。あのシーンが終わったんで後はもうなんとかなります」
 これが私の引退作品となる。最後まで、女優としての私を貫き通したい。それに今回このような作品を自ら望
み、あまつさえ脚本に関して自分の意見も通してもらっているのだ。薬を打って、狂気を以って狂気を乗り越え
るような無責任な方法を取るわけにはいかなかった。
 しかしやはり精神的な疲弊は隠すことができず、そんな私を慮ってか、休憩時間は長めに取られていた。
 疲労を少しでも癒す為、机に突っ伏して目を瞑ることにした。僅かでも眠れれば、と思いながら。

 ※

「もうやめる」
 そう言うと当然ながら潤一は理由を問い質してきた。
「なんでだ? 脇役とはいえせっかく初出演を決めたっていうのに。これからじゃないか」
 そう、劇団のOBの口利きがあり私に映画出演の声が掛かったのだ。そして私は短い出演時間の脇役ながら、
映画女優としてデビューを決めた。しかしその撮影現場で、私は現実を知ることとなる。いや、知ってて目を背
けてきたのだ。しかしさすがに間近で見ると、どうしても視界から消すことはできなかった。
 どれだけ演技が上手かろうと然程関係なく、結局重要なのは顔だ。それは何も容姿がよくなければならないと
いう意味ではない。『映える顔』とそうでない顔というのが確実に存在し、私は……後者だったのだ。
 私が出演した作品は限られた劇場でしか公開されない、巷間にも上らないようなものだった。そんな映画だっ
たので、ヒロインを演じたグラビアアイドルには演技力が皆無だった。しかしそれでも、彼女はとても『映える
顔』をしていたのだ。
「きっとそういうことなんだ」
 もう少し夢を見ていたいという気持ちもあったが、私は突き刺さった現実に打ちのめされたのだ。寄生された
アゲハの幼虫が為す術もなく餌となるように、孕んだ現実の種に私は食い殺されてしまった。

 それをきっかけとして、潤一とは縁が切れた。夢を捨てた私に失望したのか、自然と関係が薄れていったのだ。
いや、仮に私が成功していてもきっと結末は変わらなかっただろう。
 潤一は感傷的で後ろ向きな思考に陥りやすい人だった。ただそれだけに、純粋で優しくもあったのだが。
49MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 5/6 ◆Lq1ieHiNSw :2011/01/30(日) 02:47:04.35 ID:cTxzJdfZ0
 その後、半ば自棄気味だったことと微かな興味を持っていたこと、何より結局演じることへの思いを捨て切れ
なかったこともあり、私はAV女優の募集に応募した。その事務所はドラマ性の高いAVの制作を方針として打
ち出しており、それなりに演技のできる人間を求めていた。私にはお誂え向きで、難なく選考を通過できた。
 皮肉にも、契約の段階で『映える顔』になることを強いられた。しかしこの世界に入ることに対して後ろ暗さ
を拭い切れていなかった私には、顔を変えることはむしろ好都合だった。最初の整形は給与を前借りするという
形で資金を得て行い、そして再び私は女優としてカメラの前に立つこととなった。
 
 ※
 
 美しい顔をした女性がベッドの上で寝そべっている。身じろぎもせず、死んだように眠っている。くっきり通っ
た鼻筋と、ぷくっとした蠱惑的な唇。その女性はまぎれもなく私だった。
 ああ、蛹か。あの中でかつての私がドロドロに溶け、蛹の鋳型に合うよう再構築されているのだ。ほら、今に
も背に亀裂が入りそうだ。きっと中から生まれ変わった私が、華麗な翅を持つ私が出てくるに違いない。
 カサカサと音を立て、背中に、いや腹に、亀裂が入り、そして出てきたのは。
 小汚い蜂だった。

「起きた? そろそろ次のシーン撮るよ」
「あ、はい……ちょっと顔だけ洗ってきます」
 何度見たかわからない夢。
 でも夢は夢。関係ないし、今は仕事中なのだ。不必要な感情を洗い流し、私は撮影場所の部屋へと向かった。
 撮影も終盤で、ここからやっと絡みに入る。
 虫好きの変態男に捕まった私は、アゲハの幼虫を身体中に這わせながら男優に犯されのだ。そして私の提案で、 
蛹の中身を顔に垂らされることになっている。幼虫は蛹になると、一度中で身体が全て溶ける。そして成虫の姿
へと形を変えて形成されるのだ。その時の溶解した液体が、私の涙や唾液と混じり合う。
 再び手足を縛り、やがてカメラが回ると男優はゆっくりと私に入ってきた。幼虫を潰しながら、私達は交接す
る。薄い緑色の汁が身体を汚す。幼虫が柔らかく弾ける厭な感触が全身を伝う。私は泣き叫びながら許しを請う。
 やがて男優はケージの中から蛹を取り出し、折り曲げて割る。体液が弾けて私の顔にふりかかる。幼虫の体液
とは違い、白いような茶色いような色だった。体液は粘性を持って顔を垂れた。また男優が同じことをすると、
次は口の中に入る。言いようのない苦味が口中に広がり、舌はピリピリと拒絶を示し、下顎から首にかけてが粟
立った。思わず胃がせり上がりえずいたが、それでも吐き気を我慢して、代わりに悲鳴を絞り出す。
50MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 6/6 ◆Lq1ieHiNSw :2011/01/30(日) 02:47:46.12 ID:cTxzJdfZ0
 男優の腰の動きが早くなる。そして唇で蛹を挟むと、口移しで私にそれを与えようとする。首を振りそれを拒
むと、両手で顔を押さえつけ指を口に突っ込み固定する。私達は蛹を咥えたままキスをした。
 ADが室内に成虫のアゲハを放つ。ケージから解放された蝶たちはひらひらと宙を舞い、凌辱されている私の
視線の先で美しい翅を広げて飛ぶ。男優がそれを掴み引き裂く。蝶は投げ捨てられ、翅もはらはらと落下した。
翅を失った蝶はもはや蝶ではなく、私と同じようにヒクヒクと身悶えする。それを見て嗜虐心に火が付いたのか、
男優の目に狂気が宿る。また別のアゲハを掴み捉えると、彼はそれを食した。口も閉じずにぐちゃぐちゃ音を立
てて飲み込むと、食べかすとなった翅と、そして口中に溜まったアゲハの体液を私の顔に吐き出した。
 狂った世界に精神までも犯されそうになるのを、私も男優もなんとか耐えていた。堪えて、あくまでも役者と
してこの世界を作り上げる。かつて私が感動した力強い生命など、ここではもはや道具でしかないのだ。
 弱肉強食。
 いや、肉でもない。単に命を摘まれるだけ。限られた人々に愉悦を齎す為にだけ。アゲハのように、多くの人
を惹きつけることなど決してありえない。夢見たその翅を、私はむしることしかできなかったのだ。
 やがて男優が私の顔に射精すると、男と女と虫の体液が一つとなった。そして私は解放され身体の自由を取り
戻したが、体液を拭きもせず、ただぐったり横たわってすすり泣きを続けた。虚空を見つめ、そこにいた舞い踊
るアゲハを眺め、監督の声が聞こえるまでただそうしていた。

 その日を以って、私の女優という肩書は完全に消えた。
 ずっと気付いていた。またも私は現実から目を背けていたことに。映画女優、舞台女優、そしてAV女優。女
優という根底は同じだなんて、そんなわけがない。だけどそれでも、私は翅が欲しくて、アゲハ蝶のような綺麗
な翅を生やしたくて、蛹から羽化したくて、だからずっと知らないふりをしていたのだ。
 もちろんアゲハの翅は生えなかった。代わりに得たのはこれからの人生をそれなりに不自由なく暮らせるだけ
の金と、そして人工的な美しい顔。しかし生活をしていく為には、またこの顔も変えなければならない。
 私に生えたのは黒っぽい透明の醜い翅だった。あの日見たヤドリバチの翅だ。だけどそれすらも、もう失った。
 潤一は今頃どこで何をしているのだろう。今の私を見たら何と言うのだろう。私は未だ彼を忘れらず、その思
いからアゲハ蝶を使った作品を引退作としたのだ。もちろん無意味で何も生みはしない行いなのだが。
 できるなら、もう一度潤一に会いたい。そして私はあの日のように、あの日のヤドリバチのように。
 アゲハ蝶のように愛でられることがないのなら、いっそ私は、殺されたい。
 アゲハを夢見た蛹は、もういない。

〈了〉
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 02:48:54.12 ID:cTxzJdfZ0
以上です。
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 03:25:17.57 ID:/lKuukh00
現在4作品か
俺も起きたら書くかな
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 03:48:02.66 ID:Cdz8tMC50
>>34
見てきた
日本優勝いええええええい
あとオナニーして眠くなかったら書き始めるから
もう少し耐えててくれ
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 04:10:39.44 ID:vD1o1mDJ0
         _____
       ⊂ゝ__ノっ
        ■■■
       <○√
        ‖
        くく
      祝  優  勝

  >>53俺達の戦いはこれからだ!!
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 05:22:17.84 ID:RnoYNbiU0
保守
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 06:03:11.00 ID:wwqGoooU0
数年ぶりに開いたわこのスレまだあったんだなww
まとめみてみたら5年前くらいに書いた俺のものがのっててなんだか恥ずかしい感じwww
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 06:59:28.14 ID:Cdz8tMC50
>>54
ごめんね、僕もう眠いから寝るね
一文字も書けてないけど、起きて本屋行って帰ってきて読み終えたら
絶対書くから
それまで支えてて、おやすみなさい
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 09:29:56.48 ID:hGPud9Zpi
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 10:23:43.95 ID:LyEqV1qU0
お題くださいな
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 10:29:28.83 ID:hGPud9Zpi
金貨
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 10:30:07.81 ID:LyEqV1qU0
把握
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 11:05:53.67 ID:tbV55PwqO
規制解除きた!これで勝つる!
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 11:59:47.46 ID:+SmGEknx0
題plz
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 12:09:57.14 ID:cHCe4tQ20
>>63
ハーモニー
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 12:11:39.09 ID:+SmGEknx0
>>64
thx
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 13:00:39.54 ID:cHCe4tQ20
ほむ
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 14:10:07.81 ID:cHCe4tQ20
人がいないのはさみしいのぜ
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 14:15:14.73 ID:0SYpeymy0
きっとみんな品評会書いてるんだね
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 14:33:58.71 ID:VRsXzd1I0
なぜだろう、書き上げた直後は「これ最高の出来だろwwwww」とか思うのに
しばらく時間を置いてから読むと残念な出来にしか見えない
他の人の作品に比べたらスッカスカだしなー…
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:01:05.31 ID:0SYpeymy0
言うほど残念な出来でも、スッカスカでもないと思うよ
モノローグだけで終わる、しかもその中で主人公の感情の変化がある作品は難易度が高い気はする
ちゃんと情報を提示しながらモノローグするって難しいよね
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:13:24.68 ID:VRsXzd1I0
>>70
おお、嬉しいこと言ってくれるじゃないの
やっぱりモノローグで進めると説明乙だけの作品になっちゃう
やはり物書きは難しい
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:26:13.92 ID:0SYpeymy0
しかし知らない曲ばっかりだ
バインしかわからん
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:56:05.67 ID:Cdz8tMC50
>>38のはバーロー見てたのでググったら聴いたことある曲だ
閃光はいろんな人が歌ってるからどれかわからないな
伴都美子のなら聴いたことあるけど、多分違うだろう
小説の終わった後あたりに歌手名が欲しいな
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:57:19.81 ID:0SYpeymy0
Youtubeへのリンクがあるとなおのこと良いと思います
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:30:17.86 ID:aSY49L/X0
投票期間すごいな
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:40:25.94 ID:0SYpeymy0
AAを愛でるのにいっぱいいっぱいだったんだろうね
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:00:21.97 ID:RnoYNbiU0
2111年まで待つのか
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:07:16.81 ID:eg7qoqbo0
まだ読んでないけど閃光って聞いてUAの曲が浮かんだ
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:18:38.77 ID:vD1o1mDJ0
ゆら帝が浮かんだけどよくよく考えると発光体だった
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:20:02.79 ID:Cdz8tMC50
お題発表レスは改変しちゃダメって
出題者が言ってるから投票期間はこのままだな
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:29:24.56 ID:bqL1Cci40
じゃあ焦ることないんだね
82 ◆zS3MCsRvy2 :2011/01/30(日) 17:32:04.27 ID:aSY49L/X0
品評会投下してみる
6レス
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:32:35.32 ID:0SYpeymy0
ゆら帝は書くの難しそうなタイトルが多いね
でも、BNSKerならきっと誰かは「ゆらゆら帝国で考え中」で一作書いてくると信じてる
84Knockin' on Heaven's Door 1/6 ◆zS3MCsRvy2 :2011/01/30(日) 17:33:36.05 ID:aSY49L/X0
 どんな町にも、怪談話の一つや二つは存在する。海と山に挟まれた北国の小さなこの土地も、例外ではなかった。
 死者の世界とつながる電話ボックスの話。あらましは以下のとおりである。
 ある夜、男性が電話ボックスに入ると、待っていたかのように公衆電話が鳴り出した。出ると、受話器から聞こえてきたのは死別したはずの妻の声。電話は天国につながっていた。
 しかしある女性が出てみると、知らない声で「シ」と告げられて通話は切れた。四日後、彼女は横転したトラックに潰されて死を迎えた。電話は死神へとつながっていた。
 オバケ電話と呼ばれるこの怪異は、七年前の初夏より口伝で瞬く間に広まり、当時の小中学生を恐怖の底へと突き落とした。
 片田舎といえど携帯電話が普及してきた現在、それは雪の舞い落ちるほどのスピードで、人々の記憶から忘れ去られようとしている。
§
 午前八時、俺はもがき苦しんでいた。原因は両耳から伸びるコードの接続先である、ICレコーダーだ。
『こんにちはあ、え、私? フフ、わかるかな〜。私はね、ひ・み・つでぇす、きゃはっ』
「オェェ……」
 イヤホンから流れてくる気色の悪い裏声に意識が遠のきかけた俺は、辛抱たまらず停止ボタンを押した。
 これが自分の声だというのだから、救いがたいというか死にたい。
 録音した自分の声に絶望する自傷行為は、若かりし日の過ちとして一度は通る道だが、一七になって再び体験することになろうとは。しかも己自身の手で。意味わからん。
 それもこれも全部Amazonのせいなのである。どういう手違いをすれば三週間も発送を遅らせられるのか。これはテストか? お人よしなジャパニーズが何週目でキレるか本社にテストされてんのか?
 アメリカの卑劣な企みに憤りを覚えていると、階下から母親の呼ぶ声がした。ほら光平はやく香奈枝ちゃん来たわよごめんなさいねうちの光平ったら五年生まで寝小便垂れてたのよブホホホホとか今日も地声がでこうございますねお母様。
 前もって制服に着替えていた俺が階段を降りると、玄関で白い息を吐く香奈枝と視線がかち合った。短い挨拶を交わし、さあ、登校だ。
「……ねぇ、光平くん、明日は何の日か知ってる? うん、私の誕生日だね」
「ついに一秒のシンキングタイムさえ与えられなくなった……」
 寒空の下、隣を歩く香奈枝が信頼関係の崩壊した一問一答を繰り出してきた。七年の付き合いが、どうせコイツに訊いたって真面目に答えないだろうから先に答え出しとくかだってコイツ馬鹿だし、という真理へと香奈枝を至らせた可能性は高い。
「プレゼントに電子手帳っていいよね、学生らしくて。光平くん私に電子辞書を買えばいいよ」
「ああ、無理。俺ん中のお前は俺が笑顔でいてくれれば他になにもいらないってチート設定だから。そんなことより宿題見せてくんない」
「せやっ」
「なんの」
 拳を交えたバースデー談義に花が咲き、通学路も半ばを過ぎる。
「あ」香奈枝が立ち止まり、中空を指さす。「なくなっちゃってる、ここの電話ボックス」
「ああ、昨日な、運んでた」
「そっかぁ……」
「そういや、おまえまだ携帯持たないの。俺なんか小五で所持してたぞ。この世でおまえだけだ、携帯電話を持ってないのは」
85Knockin' on Heaven's Door 2/6 ◆zS3MCsRvy2 :2011/01/30(日) 17:34:49.10 ID:aSY49L/X0
「まだ戻ったとこに一台あるから……」とやんわり断る香奈枝。「それに、持ってない人だっているよ。普通に。ほら、アフリカの子供たちだってケータイ持ってない」
「あいつらは心の中に勇気という名の〇円携帯をしまってんだよ」自分でもどこが上手いのかわからない台詞を残して、場をあとにする。「さ、急ぐぞ」
 顧みて香奈枝がついて来ているのを確認し、駆け足で学校へ向かった。
§
 夕刻、帰宅するとAmazonからブツが届いていた。母親から受け取るとさっそく中を検め、コードのついた三角形の物体を取り出す。
「あら、やらしい」
「やらしくない、やらしくない」ロックを外すと三角が二つに割れ、蝶々にトランスフォームする。「この通り、正解はボイスチェンジャーでした」
「変声機能もついてるのね」
「変声機能しかついてねえよ。そっち方向ばかりにいちいち想像逞しくするなよ、この四十二歳」
 かくして準備は整った。
 ICレコーダー、ボイスチェンジャー、携帯電話。あとは俺の記憶力が試される。
 徹夜になるなこりゃ。
 自室に戻った俺は、覚悟を決め、記憶を遡った。
§
 発端は七年前。
 NTT営業所所長である父親の書斎PCより、擬装されしエロフォルダを発掘したことに起因する。
 即座に講和会談が開かれ、折衝の末、携帯電話と町内の公衆電話のTEL番リストを獲得した。
 父親はそんなものどうするんだと笑っていたが、近づくんじゃねーこのロリ専スク水ファッカーが、と罵声を浴びせると泣きながら去っていった。
 リストを欲したのはれっきとした目的があり、俺はかねてよりこれを使った遊びを考えていた。遊びというか、悪戯である。
 怪談の創作。
 クラスメイトが話題とする都市伝説を、自分の手で生み出せたなら。捻じ曲がった願望。父親のせいで余計一ひねり半くらいした気がしないでもない。
 時は満ちた。
 とはいえやることといえば、電話ボックスを監視し、入りそうな人がいたらタイミングを見計らってコールをする、誰にでもできる簡単なお仕事。時給〇円。主に同学年を対象に行った。
 日暮れまで粘っても、最後まで受話器をとるチャレンジャーは現れなかった。皆、不気味がりボックスから退散してしまう。すると残されるのは初夏の陽光の下で延々張込む汗ぐっしょりな小僧一匹。こいつはシュールだ。
86Knockin' on Heaven's Door 3/6 ◆zS3MCsRvy2 :2011/01/30(日) 17:35:50.83 ID:aSY49L/X0
 苦労は実るもの。
 週明けの学校は、蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。想像力豊かな少年少女は勝手に話を大きくし、いつからか、天国と死神の設定が加わった。オバケ電話と名づけられたのも、その頃だ。
 順調に思えた都市伝説開発計画。だが終わりとは呆気なくやってくるもので。
 怪談が充分に浸透したあとの俺は、恐怖度を維持すべく一週間に一度は電話ボックスへと赴いていた。そして夏休みも残すところ半日となった八月一九日。道立病院の近くを通りかかると、ガラス張りの箱の中に少女が座り込んでいるのを発見した。
 鳴澤香奈枝。面識はそれほどでもないが同級生。いったいあんなところでじっとして何を?
 ここで俺が取るべきだった模範的行動を前もって教えておこう。取るべきだった、という表現からもわかるように、誤ったわけだ。ボックスに歩み寄ってノックをし、「何をしてるんだ?」と聞く。たったそれだけが俺にはできなかった。
 俺は、番号を電話帳から呼び出し、通話ボタンを押した。爆弾のスイッチだった。少女の精神を粉々に吹き飛ばす破壊力を秘めていた。
 電話が鳴ったのだろう。少女は跳ね上がり、電話機を見た。見た、見た、見た、見た、見た、さらに見た、そして秒針が周回しても見続けた。
 ……おかしい。違和感を抱き、無限に奏でられるコール音を打ち切った。すると、鳴澤香奈枝は電話機を見るのをやめ。
 暴れ出した。
 俺は駆け寄り、ドアを開けた。無茶苦茶に手足をバタつかせる彼女をとりあえず外に引っ張り出し、かっちゃかれ殴られ。しっちゃかめっちゃかになりながら、やっとの思いで取り押さえ、何があったのかを質した。
 話は要領を得なかった。お母さんというワードが度々聞かれ、お母さんがどうしたと訊けば泣きじゃくり、またお母さんお母さんとうわごとのように呟き始めるループ。
 香奈枝の母。香奈枝との交流は浅いものだったが、その母親の瞳と声は網膜と鼓膜に染みこんでいた。春も暮れの授業参観だ。
 透き通らんばかりに白い肌と、枯れ木のような体躯に似合わず、凛と響く心地のいい声色。アンバランス。心臓が高鳴った。世間では初恋と呼ばれる現象だった。
 病院の出入り口から男性が走ってきた。彼は香奈枝の父親で、トイレに行くといっていなくなった娘を探していたという。おそらくその最中、窓から外を覗いたところ、男の子と一緒にいる娘が目に入ったのだろう。
 香奈枝は父親に手を引かれ、病院へ戻っていった。
 翌日の始業式に、彼女の姿はなかった。かわりに、彼女の母親が亡くなったことが担任の口から伝えられた。
 オバケ電話は、町から消えた。
§
 今日は誕生日。
 なのだが、ズボラ鈍感甲斐性なしの三重苦(私が)な光平くんにプレゼントという概念はないので、平日と変わらない。
「おはようございます、おばさん」
「あら香奈枝ちゃん、おはよう。ちょっと待っててね」
87Knockin' on Heaven's Door 4/6 ◆zS3MCsRvy2 :2011/01/30(日) 17:37:11.25 ID:aSY49L/X0
 おばさんが光平くんを呼ぶ。ほら光平はやく香奈枝ちゃん来たわよごめんなさいねうちの光平ったら五年生まで寝小便垂れてたのよブホホホホとかおばさんその話通算一三二五回めです。
 二階から木製の階段を踏み鳴らし、気だるそうに降りてきた。
「寝てないの?」
 くっきりと隈のできた顔に問う。
「うむ」
「なんでまた」
「ブランクをなめてた……」
 言ってることがよくわからないのはいつものことなので、流した。
 連れ立って雪と氷の世界を行く。地面は昼間に溶けた雪が夜に凍り、スケートリンクのごとし。小さい歩幅と摺り足で進んでいく。
 転ばないよう足元に細心の注意を払わざるをえないので、会話はおざなりとなる。
 転倒は恥だ。いや、死だ。プライドの死。道産子はひとシーズンに何度転んだかを指折り数える気高い生き物なのである。光平くんがスッ転んだ。
「おーい」
 人が言ってるそばから。
「あー、うん、あ、これやったわ、確実にやったわ今。べきいったモン、べき。やべぇ、救急車だってこれマジで」
「氷の割れた音だよ。ふざけてないで、はい手」
「駄目だよもう無理だよマミー絶対救急車だよ、もとから黄色い救急車が必要な感じだったよコイツ……。あれ! これ走馬灯!? うそ、ぶっちゃけメリーゴーラウンドじゃね。旭山動物園の隣の遊園地で同じの見たわ。
 そこの血まみれのお婆さん、ちょっと俺の部屋にあるPCのハードディスクを木っ端微塵にデストロっちゃってくれませんかね」
「わかった、わかった呼ぶ、呼ぶから……」
 幸い近くに電話ボックスがある。苦笑して私は向かった。かけるフリだけしてあげれば満足だろう。
 ガラス張りの長方体。
 入る。手を伸ばす。届く前に。電話機が、鳴った。
「――――」
 まさか。
 まさかまさかまさか。
 ひとまず呼吸を整える。振り返って光平くんを見た。相変わらずうずくまっていて、身動き一つない。
 音は鳴りやまない。七年前の夏と同じように。けたたましく空間をつんざく。
88Knockin' on Heaven's Door 5/6 ◆zS3MCsRvy2 :2011/01/30(日) 17:38:27.40 ID:aSY49L/X0
「大丈夫……」
 受話器を握る。
「大丈夫、大丈夫」
 心に幾度も言い聞かせる。決心し、ひとおもいに持ち上げ、耳に当てた。
「はい、どちら様」
『おはよう香奈枝』
 その瞬間、思考は彼方へ消し飛び、自然と私の声は、無垢な幼子のものへと変わった。
「……お母さん?」
『香奈枝』
「お母さん、お母さん、お母さんっ」
『お誕生日おめでとう』
 涙がどっと溢れた。
 あの日、私は受話器をとることが出来なかった。お母さんが動かなくなり、オバケ電話という怪談にすがって、ボックスの中にずっと篭っていたにもかかわらず。
 待ちわびていたはずだった。鳴ったときも、ついに来たと思った。でも、もし死神に繋がっていたらと考えたとき、指の一本も動かせなかった。
 音が止まったとき、謝り、泣いた。迷信と頭でわかっていても、お母さんを捨てたのだと。
『もしも香奈枝が七年前のことを悔やんでいるのなら、苦しむことなんか一つもないの。お母さんのために香奈枝の命を天秤に乗せる必要は、なーんにもない。
 お母さんと香奈枝の立場がもし逆だったとして、あなたが空でそう思うように』
 私は嗚咽をあげた。一滴一滴頬を伝うたび、心がその身を軽くしていく。許されていいのだと。
 お母さんは訥々と語った。天国のこと、走馬灯がメリーゴーラウンド激似だったこと、輪廻転生を待つ人が長蛇の列で四六四九年待ちなこと、Amazonの商品発送が遅れてること。
 私は頷いてそれを聴くだけだった。あたたかい時間。最後に二人でハッピーバースデーと歌って、電話は切れた。
 背中で扉がノックされる。光平くんが立っていた。彼は頭を掻き。
「いやあすまん、骨が折れて関節外れて筋肉溶けたけど気合でなんとかなったわ。んで、どうかした?」
「電話があったの」私はコートの袖で目元を拭った。「死んだお母さんから」
「マジかよ……それオバケ電話じゃん。へぇ、ホントにあったんだな」
89Knockin' on Heaven's Door 6/6 ◆zS3MCsRvy2 :2011/01/30(日) 17:39:56.46 ID:aSY49L/X0
「歌を歌ってくれたよ」
「そら、よかったな」
「お母さん、すっごい音痴だった」
「悪かったな……」
 光平くんが何かぼそりと呟く。
「あと変なの。遠くのほうでおばさんが光平くん呼んでる声がしたり」
「リテイクしてる時間がなかったんだよ……」
 不機嫌丸出しの面持ちで、一人歩き始めた。追いかける。並んでも、そっぽを向いて拗ねていた。
「でも……」
 私は足を止めた。光平くんは気づかず直進する。その背中に向かって。
「ありがと」
 走って、思いきり飛びついた。
「うに゛ゃあああああ!!」
 共倒れした。
「折れた! 今カンペキ前歯折れた! ライブライブ! ホントびっくりするわこの女!」
 前のめりにノーガードで顔面を叩きつけたため、彼は心底お怒りのご様子である。けれど私は構わず、腕を広げ。
「学校までおんぶして」
「お、なんだ、コイツ俺に社会的に死ねと申しているぞ。あ、でもしたらお前も死ぬか。よし、乗れ」
「ね、光平くん」彼の背中に体重を預ける。「私、ケータイ持つ」
「おお、そうかそうか。じゃ、赤面死してなかったら放課後見に行くか」
「買ってくれる?」
「ああいいぞ。ただし〇円のやつな。携帯初心者は若葉マークがわりに〇円携帯を持つのが慣わしなんだ」
「ふーん」
 ……まったくこの人は。
 清々しいまでに適当な光平くんに、私は一言囁いた。
「うそつき」

                                         おわり
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:41:15.11 ID:aSY49L/X0
以上
まとめてくる
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 18:30:38.09 ID:aSY49L/X0
ほしゅ
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 18:39:57.96 ID:eg7qoqbo0
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 18:54:21.80 ID:5SkZY9Tk0
今からネタ考えて間に合うかなあ
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:01:02.73 ID:vD1o1mDJ0
2~3レスにまとめればまだ間に合うと思う
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:06:17.76 ID:0SYpeymy0
プロット一時間で思いつけば二時間は書ける
二時間あれば5レスくらいいけるんじゃない
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:07:48.95 ID:Cdz8tMC50
書くのはまだ余裕
考えるのは思いつくかどうかだからわからんな
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:13:54.65 ID:YEUgU/oxO
誤字が恥ずかしい
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:29:28.11 ID:JeaBV8xx0
品評会予約
99basket case ◆r8uKuXgh4M :2011/01/30(日) 19:32:27.86 ID:JeaBV8xx0
 ある男が友人に悩みを相談していた。
「最近なんだか妻が冷たくてね…原因もなんだかわからないし本当に困っているんだ。
 何か妻の機嫌を直すいい方法はないだろうか?」
 友人が男と一緒に頭をひねっていると、年老いた町長が一人歩いているのが見えた。
「そうだ、たしか町長のとこはおしどり夫婦で有名だったな。何かいい方法を教えてくれるかもしれないぞ。」
 男と友人は町長に駆け寄ると、夫婦仲を良くする方法を尋ねた。
 しかし、とたんに町長の表情が曇ってしまう。
「それがなぁ、実はうちの婆さんも最近なんだか冷たくてな。
 何を話しかけても無視されちまうし、何日もベッドから出てこないんだ。」

おわり
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:34:35.67 ID:JeaBV8xx0
正確には「Basket Case」だった。まぁ大丈夫か
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:57:25.07 ID:aVIFBqLy0
あははははは
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:58:11.15 ID:0SYpeymy0
タイトル上手いな
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:23:11.52 ID:aVIFBqLy0
トーサン
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:23:32.00 ID:RgNkCL70O
てす
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:03:04.55 ID:aVIFBqLy0
むむむ
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:10:16.36 ID:QdmfPr6R0
お題いお願いします
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:10:53.27 ID:aVIFBqLy0
>>106
浮気
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:13:12.66 ID:QdmfPr6R0
把握
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:43:44.74 ID:PX9QXkO70
投下します
110[品評会投下作品]天国と地獄 (1/4):2011/01/30(日) 21:46:40.31 ID:PX9QXkO70
これはギリシアの神話である。
  古代ギリシアにオルフェと言う青年がいた。
  オルフェはいつものように、知を愛すると言う名前の川の畔で竪琴を奏でていた。
演奏をはじめると、森に住む動物たちは集まり、大きな輪になって歌った。古代ギリ
シアの興亡の時代にあって、その光景は生きとし生けるものの天国であった。
「歌はいいねえ。神様が授けてくれた最高の贈り物さ」
 オルフェの肩にとまる小鳥が言った。それを受けて、オルフェは歌う。
「僕たちには歌う咽がある。真理を見る眼がある。大地を踏みしめる足がある。愛を抱
きしめる腕がある」
 オルフェは小鳥の囀る音や川のせせらぎ、自然の奏でる幻想曲を愛していた。また、
自然に生きる動物達も彼を深く愛していたのだ。時を忘れ、弦を弾いていると、東の空
に黒雲が流れてきた。
「さあ、時期に雨が降る。早く家に帰らなければ」
 オルフェは愛する友を急かし、自身は竪琴を担いで向かった。小高い丘で女が花を
摘んでいた。女は瑞々しく、彼女の着ている麻の袖は花弁に落ちる霜で濡れていた。
「おお、我が恋人エウリディケ。東の空で神々が争いをしています。しばらくすれば、天
も荒れるでしょう。さあ、家に帰りましょう」
「わかりました。オルフェ今行きます」
 エウリディケは胸に摘んだ花束を抱えて、立ちあげった。その時、不運にも毒蛇が彼
女のむき出しの足首を噛んだった。そうなったら、最後エウリディケの顔色は蒼くなって
、腋から汗が滴り、涙を流すと、オルフェの胸のなかで事切れてしまいました。
「愛しのエウリディケ。逝かないでくれ。僕は君を失ったら、どうやって生きていけばいい
んだ?」
  オルフェは泣きました。雨が降り、やがて雨が止んでも彼は泣き続けました。そして、
彼女を取り戻すためなら地獄に行っても構わないと、そう考えたのです。

 
111[品評会投下作品]天国と地獄 (2/4):2011/01/30(日) 21:48:16.47 ID:PX9QXkO70
冥府の長い長い階段を降りていきますと、湖底洞窟に繋がります。
地底洞窟に流れる冥府の河は地上のそれとは違い、河に落ちたら最後、行き着く先は
地獄の底なのです。
 オルフェは冥府の河の前で立ち往生していると、白髪の老人が小船を漕いできました。
「生きるものよ。この船に乗ろうと言うのか?」
「はい。僕はこの冥府の河を渡り、愛するものの元へ行かなければなりません。ご老人よ、
どうか、僕をその船に乗せてください」
  オルフェがそう訴えると、老人は鼻で笑った。
「それはできない。船にのるには金貨が必要じゃ。生きるものよ。お前はそれを持っている
のか」
「持ってはいません。しかし、僕には竪琴があります。いいでしょう。いまここで演奏してみ
ます」
 オルフェは竪琴は白い指先で奏でると、冥府の河に色彩が宿った。それは老人の心を撃ち、
やがて涙を流した。
「しかたない。いいじゃろう。船は揺れるが乗せてやろう」
 老人はそれまで発したことのない言葉が咽から出たことに驚き、目の前の青年に感謝をする
のだった。
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:48:25.90 ID:0SYpeymy0
品評会は出来ればトリップつけて欲しいらしいよ
113[品評会投下作品]天国と地獄 (3/4):2011/01/30(日) 21:49:05.77 ID:PX9QXkO70
オルフェは冥府の門の前に立った。
 門は閉じられ、門前に冥府の番犬ケルベロスが鼻息を荒くしていた。オルフェの身の丈を大いに凌ぎ、舌なめずりをした。
「生きるものよ。冥府になんの用かな。この扉を開けろと言うのか?」
「はい、僕はその門を潜り、愛するものの元へ行かなければなりません。番犬よ、どうか、僕を見逃してください」
 オルフェがそう訴えると、番犬は口端から涎を垂らした。
「それはできない。ここを通るには、手形が必要だ。生きるものよ。お前はそれを持っていないだろ」
「持ってはいません。しかし、 しかし、僕には竪琴があります。いいでしょう。いまここで演奏してみます」
 オルフェが琴を弾くと、ケルベロスはうっとり、恍惚の表情をしました。
「いいだろう。門を開けてやろう。しかし、帰りは閉まっているぞ」
 ケルベロスは何千年、何万年ぶりかの眠りにつくのであった。
114[品評会投下作品]天国と地獄 (4/4):2011/01/30(日) 21:52:05.31 ID:PX9QXkO70
オルフェは冥府の王ハデスに謁見することができた。
 ハデスはオルフェを認めると、髪を逆立て、怒り狂った様子で、
「小僧、何しにここまで来た?」
「はい。私は愛するエウリディケを連れ帰りにきたのです。冥府の王ハデスよ。どうか私の愛する人を返してください」
 オルフェがそう訴えると、ハデスは腹の底から笑った。頭が割れるほどの不快な声であった
「それはできん。返してほしければ、小僧の魂を貰えうけようぞ」
「それでも、構いません。ハデスよ。私の命など惜しくもないのです」
 オルフェは最後に愛するエウリディケの耳に届くように、琴を奏でた。オルフェの歌声と琴の演奏が渾然一体となって、
ハデスの心を撃った。ハデスは地上にはこんな美しいものがあるのかと、涙を流した。
「いいだろう。小僧。お前の愛した人を返そう。しかし、お前の声を貰う」
「構いません。私の声がなくなろうが。エウリディケが無事ならば」
 その言葉を最後に、オルフェの透き通った声は消えた。
「冥府から抜け出すまでの間、絶対に後ろを振り返ってはならん。そうすれば、お前の愛した人を返そう」
 ハデスは奪ったオルフェの声で言った。オルフェは頷くと、踵を返し、地上の階段を上っていった。声は失ったが、それで
もよかった。オルフェの最後の言葉に偽りはなく、早くエウリディケに会いたくて、会いたくて給わなかった。そのときである。
ひょっとして、ハデスは嘘を吐いたという疑念が生まれた。地上に戻ったら、最後自身の声も愛する人も帰ってこないので
はないか?
そんなはずはない。
 オルフェはハデスの言葉に反し、階段を半分まで行ったところで後ろを振り返った。すると、後ろの暗がりにエウリディケの
微笑む顔が見えた。
「ようやく会えたわね。愛してるわオルフェ」
 オルフェは愛する人の手を引き、地上に生還した。長らく、暗がりにいたため、陽光に目が眩み、しばらくして、エウリディケを
抱きしめると、オルフェは気がつく。
 エウリディケの身体から半分、つまり下半身がないのである。中途で振り返ったからであり、オルフェはそれに気づくまで時間が
掛からなかった

                                       〈了〉
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:52:32.08 ID:5SkZY9Tk0
垢さんを
116[品評会投下作品]天国と地獄 (4/4):2011/01/30(日) 21:57:23.32 ID:PX9QXkO70
>>112
 トリップはタイトルの横でよかったんですか?
 なにぶん、品評会にだすのは初めてなので
とりあえずこんな感じ
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:01:27.66 ID:PX9QXkO70
>>117
わかりました。
トリップは学びました。
これからはマナーを守りたいです。
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:02:58.79 ID:RgNkCL70O
酉出さんで優勝した場合お題出す人いなくなっちゃうからね
今出しとけば善良な方がまとめるときタイトルんとこにつけてくれるよ
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:02:59.89 ID:aVIFBqLy0
>>118
とりあえずトリップをつけてもらえるとありがたいです。
優勝した時に確認とか面倒臭いので。
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:06:15.30 ID:5SkZY9Tk0
トリップは『#〜〜〜』だから、『〜〜〜』には何を入れてもおk。
122 ◆p4MI6fJnv2 :2011/01/30(日) 22:08:26.95 ID:EXe7aJG50
品評会作品投下します。
5レスです。
123夢じゃない (1/5) ◆p4MI6fJnv2 :2011/01/30(日) 22:09:09.44 ID:EXe7aJG50
 どこまでも開けた草原に彼女はいる。陽光に輝く草原は波のようにうねり、彼女の長い髪もまた清流のように
せせらぐ。空はどこまでも高く、青かった。いつもより風が強い、と彼女は思う。風は大地に沿って、草原を揺
らし、彼女の魂をざわめかせた。
 緩やかにうねった大地を埋める草原は、それ自体が巨大な波のようでもあった。緩やかにうねりながら、地平
線の彼方まで続いている。どこか遠い場所で、この草原とこの空が混じり合っているみたいに、彼女には思えた。
 彼女を淡い光が包む。繭のように柔らかい光の中で、彼女はじっと空を見上げた。その淡い光の繭を、とても
温かいと彼女は感じる。
 彼女の、まだ彼女が所有している彼女の魂の隅々にまで、淡い光の繊維は潜り込む。彼女の影はすでにない。
私は消えるのだと彼女は思う。そして――



 休日の夕刻前、空はどんよりと曇っていた。彼は軽く散歩をしたあと、馴染みの喫茶店に入った。少しざわつ
いた入り口付近を通り、一番奥の席へ行く。
 すでに女性がひとり、壁を背にして座っていた。彼は女性の向かいに無言で座る。彼女はカジュアルシャツに
ジーパン、スニーカーといった格好をしている。手にはルービックキューブを持っていた。彼は上着を隣の椅子
の背もたれにかけ、ポケットから取り出した小説をテーブルに置く。テーブルには小説と、店の灰皿と砂糖入れ
が置かれていた。

 店内は木材を基調とした内装で、横に二つ並べた正方形をずらしてくっつけたような間取りをしている。左の
正方形が手前で、入り口は最も手前の辺にあたる。彼と彼女は右の正方形の最も奥の隅に座っている。棚やカウ
ンター、レジなどの上には、海外の雑貨の数々が整然と並べられ、壁には古そうな絵画や鉛筆画、ドライフラ
ワーなどが点々と飾られていた。照明は外よりも一段と暗く、店内にはいつでもクラシック音楽が流れていた。

「いらっしゃいませ」店員が彼の前に水とお手拭を置く。
「また伺いにきますね」そう言うと店員は下がっていった。

 彼女は熱心にルービックキューブを弄っている。眉間に皺が刻まれ、難しい顔をしていた。彼はそれを見て携
帯電話でも挟めそうだなと思う。いや、少しオーバーかもしれない。けれど名刺ならきっとはさめる。
 彼は小さく深呼吸すると、テーブルに置かれている陶器の灰皿と砂糖入れを右手側に寄せ、そして水とお手拭
124夢じゃない (2/5) ◆p4MI6fJnv2 :2011/01/30(日) 22:09:51.18 ID:EXe7aJG50
を左手側に寄せた。手拭が手前で、水が奥だった。灰皿と水それぞれの彼との距離は、彼が軽く腕を伸ばしてつ
かめるくらいの距離だ。今度は椅子を引いて彼自身の位置を調節する。
 彼は動きを止めて小説を手に取る。そして表紙をめくり視線を落としながら、口を開いた。

「はかどってる?」ずいぶんと小さな声だった。
「ううん、全然」彼女はルービックキューブを縦に回したり横に回したりしていた。
「それで? 今日は何? 急に呼び出したりして」彼はページをめくりながら聞く。
「うん……」彼女は手を動かしながら話し始める。

「実はね、最近不思議なことが起こるの」左手首をひねりながら彼女は言った。
「不思議なこと?」彼は目次のページをめくりながら言う。「キミがそんなことを言うなんて驚きだ」
「そう? ……でね」彼女は右手首をひねる。「ある夢を見るんだけどね、その夢を見るときはきまって電話が
かかってくるの。その電話を取るといつの間にか私は眠ってて、ある夢を見るの。それが何度か続いたの。どの
夢も同じような夢だった。電話も不思議なんだけど、その夢も、何だか不思議な感じだったわ」
 彼女はしきりにくるくるといろんな部分を回しながら喋った。口とルービックキューブが連動しているように
思える。鳩が歩きながら首を振るように、彼女はくるくるとルービックキューブを回しながら喋っていた。

「ご注文はお決まりになりましたか?」店員が彼の右手側から現れて聞く。
「ロイヤルミルクティーを一つ」彼は小説から視線を外し、店員の顔を見ながら言う。「以上で」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」そういうと店員は彼らから見えない位置へ消えていった。彼は
それを確認して小説に視線を戻す。

「ねえ、どう思う?」彼女は手を止めて彼を見る。
「うーん……、そうだねぇ……」彼はゆっくりとページをめくりながら、よくわからないなと言った。まるで小
説に書かれた文章の意味がわからないと言ったようだった。「電話の内容は覚えてないの? どんな声だったか、
男か女かとかさ」
「ううん、まったく……」彼女はまたルービックキューブを弄りはじめる。「全然思い出せない。電話が鳴って、
それを取ったことは覚えてるんだけど、そこからがさっぱり抜けてるの」
「そして気がつくと君は夢を見ていると……」
「そう。ほんと気持ち悪いわ」
125夢じゃない (3/5) ◆p4MI6fJnv2 :2011/01/30(日) 22:10:37.01 ID:EXe7aJG50

 左の正方形で他の客が盛り上がっているようだ。彼と彼女の場所まで、高い笑い声がいくつか聞こえてくる。
特定の誰かの話に、数人が全力で賛同しているようだった。カウンターの方からは食器の触れ合う音がする。陶
器の皿にカップが載せられ、金属のスプーンが添えられた音だろう。店員が来て彼の前にミルクティーを置いて
下がる。彼は砂糖をスプーン三杯入れる。右の正方形ではカップとスプーンが触れ合う音が何度かして、やがて
止んだ。

 彼はミルクティーを一口飲んでから小説に戻る。そして口を開く。小説には明朝体で、第二章と書かれていた。
「夢の内容は? 覚えてる?」
「ええ……、イメージだけなら」
「イメージ? 具体的には覚えてないってこと?」
「まあ、そうなるわね」
 彼は軽くため息をつく。小説の内容に呆れたように見える。
「それで、それはどんなイメージなの?」
「上に上にね、上昇するような夢」
「上昇……」
「うん……。でも実際に上るわけじゃないのよ。魔法で空を飛んだり大砲で飛ばされたりとかじゃなくてね、な
んか、胸の辺りがね……」
 彼女は愛おしそうにキューブを眺めた。ああ、このエッジのなめらかな肌触りが素敵、それに色も……、なん
て言いそうなくらい、とても愛おしそうに眺める。
「すぅーとね……上へ上へ行く感じなの。なんだか心みたいなものが口から出て、空へすぅーと吸い込まれるみ
たいにね」
「へえ……なるほどね」小説の内容がつまらなくなったようだ。「でも、上へ上へだなんて……、なんだかその
まま成仏でもしそうだね」彼は静かに笑う。
「ほんとうよ。ほんとうにそう感じたの。……それでね、それが何度か続いたのよ」
「ぜんぶ同じ夢なの?」
「大体は……、でも少しずつ変化してる気がする。なんだか映画のワンシーンみたいなんだけど、夢を見るたび
にね、少しずつ少しずつ進んでる気がするの。一コマ一コマ進むみたいに」
「映画のワンシーン……」
「そう、映画のワンシーンを切り取ってきた感じなの」
126夢じゃない (4/5) ◆p4MI6fJnv2 :2011/01/30(日) 22:11:18.48 ID:EXe7aJG50
 彼はミルクティーに口をつける。
「夢を見るたび私はどんどん上昇しているわ。どんどん高さが増してる。すごく気持ちいいんだけど、すごく怖
いのよ。なんだか気持ちよすぎて真っ白になって、そのまま消えてしまうんじゃないかと思うの。これは予感よ。
予感だけど、きっとそうなのよ。私は……どんどんどんどん上っていって消えるんだわ。あと一度でもあの夢を
見たら……」彼女の手は止まっていた。深刻な眼差しでルービックキューブを見つめている。どうしても、色が
合わない……、悔しくて悔しくて。
 彼もまた、深刻な表情で小説に視線を落としている。物語が佳境に入ったみたいに。

 店内は静まりかえっている。他の客はいつの間にか帰ったようだった。クラシック音楽だけが流れていた。

 しばらくして、彼女は口を開いた。
「ねえ、手伝ってくれる? 私を観察しててほしいの。私が電話でどんな会話をしているか、どんなふうに眠っ
てどんな表情で夢をみているのか、ぜんぶ見ててほしいの」
 彼女は真っ直ぐ、彼を見た。ルービックキューブを両手で握り締めて。そして彼はやれやれといったふうに軽
くため息をつき、ぱたん、と小説を閉じた。

 日が沈んで、外は薄暗くなっていた。彼らは彼の部屋で、彼女の提案を試す。太陽が地球の裏側に落ちた頃、
彼の部屋で彼女は消えた。彼女の携帯は鳴らなかったようだった。



 数日後、彼は墓石に刻まれた彼女の名前を眺めていた。冷たい風が吹く、よく晴れた昼下がりだった。

 彼女は結局のところ、僕に彼女自身の墓の場所しか教えてくれなかった。亡くなった理由も現世に残った理由
も、何も喋らなかったのだ。亡くなった年齢さえ、僕は知らない。なぜ僕につきまとったのだろう。それになぜ
彼女はあの日消えたのだろうか。彼女は結局成仏したのだろうか。あの夢によって、どんどん上昇して……。
 きっとそうだろうなと彼は思う。
 彼女は言ったのだ、気持ちがいいのと。きっとあれは彼女の魂があちらへ行く感覚だったのだ。そしてあの日、
彼女はついに上り詰めた。彼女の見た夢は夢じゃなかっということだ。それは実際、彼女が体験していたことで
あり、彼女の魂が感じていたことだったのだ。彼女が携帯電話によって導かれたのは、きっと彼女にとっては携
127夢じゃない (5/5) ◆p4MI6fJnv2 :2011/01/30(日) 22:12:00.54 ID:EXe7aJG50
帯電話だったというだけのことかもしれない。人によっては仏様だろうし、天使なのだろう。それだけのことだ
と思う。

 彼はひとつだけ、大きな白い煙を吐く。そして物語の締めくくりのようなことを思う。少し強引で変わった女
性だったけれど、退屈ではなかった。それは確かだ、と。
 彼はしばらくの間、彼女の墓石を眺め続けていた。
128 ◆p4MI6fJnv2 :2011/01/30(日) 22:12:41.09 ID:EXe7aJG50
以上です。
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:14:52.24 ID:0SYpeymy0
夢じゃないのPV好きだったな
130品評会作品『CHE.R.RY』1/1 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/01/30(日) 22:17:39.26 ID:j7A0MaWv0
 恋の始まり、胸がキュンと狭くなる。
 何時からかな? キミのことを、目線で追っていたんだ。
 気が付いたらなんだ。いっつもいっつも、キミならどうするだろう? キミと一緒にいれたらなって思ったんだ。
 いつも、明るく笑っていて、みんなの中心みたいなキミ。
 私は、どっちかって言うと、窓辺で本を読むのが好きなタイプ。あんまり明るくもないし、友達だってそんなに多くはない。
 きっと、……、そんなに可愛くもない性格だと思う。気弱で、話したいことも話せない子だし。
 だけど、キミからの言葉の一つ一つはしっかりと覚えている。
 最初に話しかけた時のことを覚えているかな? なーんて、事を思ってしまう。きっと、キミは忘れているよね。
 私にとっては凄い嬉しかったことだから、しっかり覚えているよ。
「一緒にがんばろうね!」って言葉。
 文化祭の実行委員会で、女子では皆からしっかりしているからって私が選ばれて、男子では、友達から推薦されたキミだった。
 何となく、目線で追うだけだったから。だから、初めて話せた時は凄い嬉しかったんだ。
 メールアドレスを聞くときなんかは、凄く手のひらが震えた。だけど、小さな勇気をだしたよ。
 絵文字は苦手だった。だけどキミからだったらワクワクしちゃう。
 いっつも、キミからメールが来たときは、もう嬉しくって嬉しくって! ベットでごろごろ転げて喜んだんだ。
 返事はすぐにしちゃダメだって、誰かに聞いたことあるけど、駆け引きなんてできなかった。
 恋愛の上手な友達からは、いつも、メールは駆け引き! なんていわれるけど、無理!
 いつもすぐに、私は舞い上がっちゃうから。凄く好きだから。
 文化祭の用事で、メールしてくる時も、それ以外の普通の話の時だって、いっつも。
 2人で学校に残って準備しているときなんかは、心臓がはじけそうだったんだよ。
 その時、好きなんだって思った。
 ねえ、恋しちゃったんだ、多分、気付いてないでしょ?
 いつも一緒になって歩いた帰り道。家の前まで送ってくれた後、星の夜願いを込めて、あのねって。
 指先で送るキミへのメッセージ。届いたらなって、思うんだ。
 今は、キミの話にぎこちない笑顔で頷くだけだけど。話しかけてくれるのを待っているだけだけど。
 うんうんって笑うだけだけど、いつかきっと届けたい好きって気持ち。
 何気ない会話から、少しづつ勇気を育てたい。
 そうして、いつか、キミに好きだって気持ちを伝えるんだ。
 春の冷たい夜風に預けたメッセージを。
131品評会作品『CHE.R.RY』1/1 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/01/30(日) 22:19:27.59 ID:j7A0MaWv0
以上です。

132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:31:20.16 ID:aVIFBqLy0
もうアレだな。
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:33:53.07 ID:0SYpeymy0
アレですかぁ
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:34:25.10 ID:pSe6h8iO0
ああちくしょうおあ!
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:36:02.35 ID:vD1o1mDJ0
いや、まだアレになってもアレがアレな内はアレだからアレだよ。
136 ◆5GkjU9JaiQ :2011/01/30(日) 22:37:59.18 ID:tbV55PwqO
退かぬ、媚びぬ、省みる!
品評会透過します
137 ◆G0/9vS/RDw :2011/01/30(日) 22:42:15.84 ID:tbV55PwqO
うそです
138カラクリアゲハ0/4 ◆FcModpyaRc :2011/01/30(日) 22:43:20.65 ID:5SkZY9Tk0
途中でだれた、もう投下する
139カラクリアゲハ1/4 ◆FcModpyaRc :2011/01/30(日) 22:44:01.88 ID:5SkZY9Tk0
 貴方はいつもどおり私を愛していた。
 私も変わらず貴方を愛していた。
 貴方が買ってきた服を私が着こなして、貴方を喜ばせる日々。
 私を髪の毛を撫で愛でるその貴方の手つき。
 優しく、壊れ物を扱うかのような繊細な。
 それでありながら、時として野獣の心を宿したかのように私を壊しかけて。

 ある日、私はふと気づいてしまった。

 貴方にとっての私は人形なのですか?

 私が問うと貴方はまごつきました。
 私は微笑みをもって答えます。
 いいでしょう、貴方が人形を望むのなら、私は貴方の人形になりましょう。
 貴方の望みは私の望み、それが私の世界の真理、貴方あってこその私なのです。
 私は貴方の趣味を知っています、安心して下さい。
 壊れたお人形がお好きなのでしょう?
 幸い、貴方はお医者さんですからね。



 私が居る場所はピンクのカーテンで囲われた王女の寝室。
 周囲を埋め尽くす可愛い人形たち。どれもこれもが甘い儚い少女趣味。
 その視線を一点に集めた中央にいるのが、貴方の人形。
 今ここに貴方は居ない。
 だから私は貴方のことだけを狂おしく思い想う、それだけで私は貴方の居ない空白の時間を埋めます。
 私が貴方の少女である限り、貴方は私の貴方でいてくれるのですから。

 蜜月は突然やってくる。
 囚われの王女に駆けつけた王子様、そんなことを思わせる再会。
140カラクリアゲハ2/4 ◆FcModpyaRc :2011/01/30(日) 22:44:53.55 ID:5SkZY9Tk0
 貴方がピンクのカーテンを開けて、ベッドに腰掛ける。
 ただそれだけのことで、私の空白の時間は全て報われる。

 貴方は毎日私に服を買ってきてくれる。
 今日は不思議な国を思わせる青色のドレス。
 そう願うのであれば、私は貴方の望むアリスになりましょう。
 貴方は私の首をそっと触れる。
 引き裂かれた喉の空洞を見て、そこから漏れる掠れた空気を感じて、貴方は満面の笑みを浮かべる。
 貴方は物言わぬ私の服を脱がせていく。
 貴方の暖かい手が私の体に触れる、私の冷たい肌を触れて、貴方がここに居る幸せを直に感じることが出来る。
 服を取り払った私の裸体を覆うは愛の証、ギザギザにギザギザに、メスで切り刻まれた薄い切れ込み、薔薇のように
可憐な装飾。
 みみず腫れが縄のように巻きつく右腕を通る青色ドレスの袖、焼けて黒ずみ壊死した左腕を通る青色ドレスの袖。
 スカートはどうしましょう? 両足が根元からありませんからね、それでも貴方がそう望むのなら、そうしましょう。
 貴方のそんな幸せそうな表情を眺めることが最高の至福です。
 私と貴方を囲むこの人形たちも、私と貴方の幻想的な蜜月を演出してくれるのでしょう。
 貴方は私の裂けた喉に舌を入れて、私の空洞に唾液を垂らしこんで、舌はそのまま上へ上へ、糸で縫われ閉じられた唇
に口付けを。
 私の頭に貴方は後ろ手を回して、私の頭を抱きしめて、その舌は唇から、皮膚を抉られた赤い左頬を舐めながら通って、
眼球の無い左眼に舌を差し込んで、舌を延ばして私の脳を優しく丁重に愛撫する。
 貴方の臭いが直接私の脳に染み込んでゆく。
 そうやって、貴方は、壊れた私の傷という傷を舐め回して、満足すると……このベッドから降りてすぐに帰ってしまう。
 分かっています。
 蜜月の時間は少なければ少ないほど、その再開に幸せを感じますからね。
 貴方が居なくなれば、私は貴方の置いていった栄養剤を裂けた喉から流し込み、私はまた貴方のことを思い想う。
 私にとっての日々の全ては貴方でした
 
 貴方の瞳に映る者、思えば、この頃からでした。
141カラクリアゲハ3/4 ◆FcModpyaRc :2011/01/30(日) 22:46:10.88 ID:5SkZY9Tk0
 昔の私が、色彩を羽ばたかせる美しい蝶であったのならば、今の私は、朽木のように動くこともなく、彩る羽もない、

 醜い蛹。

 貴方専用の壊れたおもちゃ。
 幸せです。

 いえ、幸せでした。



 日々は過ぎ去り、貴方と私は逢瀬を重ねて。



 貴方は私に新しい切れ込みをいれる。
 秘部に浅くメスを差し込み、ゆっくりとゆっくりと上昇させて、薄い切れ込みを刻んでゆく。

 私は問いたかった。
 私の貴方への思いが変わりません、そうであるように、貴方の私への思いは?
 唇は糸で縫われて、喉は裂かれて、問うことは出来ない。
 私には貴方しか居ない、けれども貴方には、
 私はこんなにも貴方のことを想っているのに、私には分かります、貴方の私への思いが時を経つにつれて、少しずつ少
しずつ私から離れてしまっていくことを。
 右眼で覗く貴方の瞳には、私以外の別の誰かが映りこんでいるようだった。
 貴方は誓ってくれた、私を一生愛すると、その為ならばと、私は貴方の満足の為に私という全てを差し出して、貴方好
みの壊れたお人形になったのに。

 私の元を離れてしまうというならば……
142カラクリアゲハ3/4 ◆FcModpyaRc :2011/01/30(日) 22:47:15.52 ID:5SkZY9Tk0



 このまま、貴方と死体を重ねましょう。
 永遠を共にしましょう。
 貴方の左眼を貫通したメスを引き抜いて、私は自身の右眼にあてがいました。
 貴方との思い出を、巡って、遡って、初めて出会ったあの頃の、
 
 ――偶然手が触れ合っただけで赤面した二人、

 ――初めて手を繋いで硬く握り締めた二人、

 ――唇と唇が触れ合って、すぐに離れた、初めてのキス。

 私は、はっとしました。

 本当の幸せは、

 右眼に浮かぶそんな光景を、今更に気づいてしまって、後悔が胸を縛り付ける前に、私はメスを差し込み脳を抉っ



《終わり》
143 ◆TCFfG0At1w :2011/01/30(日) 22:49:44.76 ID:jNUEJE1q0
品評会作品投下します。
6レスです。
144品評会作品『ミラクルショッピング』1/2 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/01/30(日) 22:50:51.96 ID:j7A0MaWv0
予約
145(品評会作品)幻によろしく0/6 ◆TCFfG0At1w :2011/01/30(日) 22:51:01.79 ID:jNUEJE1q0
 ここはどこだろう、と僕はまず思った。
 辺りを見回して理解できたのは、僕は一人きりでここにいる、ということだった。
 四方には、何もない。天井だとか壁だとか、そういう概念が初めからなかったように。
 一描の点すらない真白が、ただただ続いているのだ。もしかしたらここには床もなく、僕は宙に浮いているの
かもしれなかった。
 どういった経緯でここに辿り着いたのか、それを思い出せないことに僕は気づく。頭の中が、白に塗りつぶさ
れている。空っぽだ。
「おおい」
 少し経って、そんな声が僕を呼んだ。僕の声質と同じ、声変りをしそこなったような、高い声。
 それが、音として僕の耳から入るのではなく、唐突に、脳裏からふっと聞こえてきたのだ。どこかの局の電波
を、ラジオが偶然キャッチするみたいに。
「何? どこにいるの?」
 気づけば僕は声をあげていた。その声を逃しはしまいと、必死だったのだ。
「お前の目の前さ。よく見てみなよ」
 僕は慌てて目をこらし、よくよくその白い風景を睨む。しかし、いくら目を細めても、どんなに集中して一点
を凝視しても、そこには白い空虚が居座ったまんまだった。
「……やっぱり、見えないか」
 諦めたように、声が幾分かトーンを落とす。僕には、彼がしょんぼりとしているのが、はっきりと分かった。
それが分かるとどうしてか、僕まで気が落ち込んできた。
「やっぱりって?」
 僕がそう訊くと、彼は口をつぐんだ。何かを考えているのだ。僕にはそれが気配で分かった。だから、返事が
こない間も、ひたすら押し黙って待っていた。
「いいか、お前にちょっと、言わなきゃならないことがある。……ショック受けるかもしれないな」
 やっとのことで口を開いた彼は、そんな言葉で前置きをしてから、はっきりと、言った。
「お前さ……記憶を喪ったんだ」


 僕は、楽しい日々を送っていたらしい。彼の陽気な話しぶりからして、それは間違いなかった。
 彼は様々なエピソードを僕に語ってくれた。
 友人とどんちゃん騒ぎしたこと。文化祭でのライブが成功したこと、親友が、僕の密かに想っていた女の子と
146(品評会作品)幻によろしく2/6 ◆TCFfG0At1w :2011/01/30(日) 22:51:56.07 ID:jNUEJE1q0
 当たり前のことだが、話の主人公は全部、僕自身だった。
 その時怒っているのも、悲しんでいるのも、笑っているのも――。
「何か、思い出せたか?」
 彼の声が、頭の中でこだまする。弾むような声色が、何度も何度も不規則なバウンドを続ける。
 しかし僕は、その声に――込められた期待に、応えることはできなかった。
 彼には、僕の姿が見えているのだろうか。僕が何も言わない内に、
「そっか、そうだよな、仕方ないよな」
 と、しんみりとした口調で言った。
 本来、しんみりとするのは、こっちのはずだ。けれど僕の悲しみは、さほどのものでもなかった。記憶をな
くしたという実感が沸かない。そして、何より僕は、なくしたものの大切さが、いまいち分からなかったのだ。
 僕は思い切って訊ねてみた。
「僕に、記憶を戻すなんてこと……できる?」
 彼はどんな表情をしているのだろうか。何も聞こえないまま、時間だけが過ぎていく。
「一秒でもいい。ほんの、一瞬でもいいんだ」
 心が、畳み掛けるようにそう言わせた。 付き合っていたこと。他にも、たくさん。

 僕は、僕という存在をここまで生きてきた、「今までの僕」に会ってみたかったのだ。
「それは……」
 彼が一人悩んでいる間、僕は何も言わない。問い詰めたり、急かしたりしない。
 しばしの沈黙の後、「……手を、前に出して」という、彼の声が聞こえた。
 僕はうなずいて、右手を前に伸ばす。そしてその手を、魚みたいに泳がせる。そこには確かに何かの存在があ
る――そんな気がしたのだ。
「もう少し前っ」
「えっ、どこって」
「もう少しッ、もう少し……」
 何かが僕の手を掴んだ。手のひらを包むやわらかい感触。しかしその感触はやがて、痛くなるほどの強さで僕
の手を締め付けていく。甲には何か硬い物が食い込んでいる。だから僕は強く握り返した。これでおあいこだ。
 「痛ッ、痛い痛い痛い!」と叫ぶ彼。それは彼の手に違いなかった。
「……いいか、これが神さまにバレたら、大変なことになるんだぞ」
 耳打ちをするようなこそこそした声で、彼が言った。
147(品評会作品)幻によろしく3/6 ◆TCFfG0At1w :2011/01/30(日) 22:52:38.20 ID:jNUEJE1q0
「神さまなんてホントにいるんだ?」
「ああ、でも全然賢そうじゃなかったぜ。むしろ悪い国の君主みたいな……」
 一しきり笑い合った後、彼は「じゃあ、そろそろ行くぞ」と僕の心の準備を促した。
 「うん」と、僕は勇んで答えた。


 気づけば僕は、違う空間に立っていた。
 白い空間は嘘みたいに無くなっていて、そこには、たくさんの物や人の存在があった。床に落ちたぐしゃぐし
ゃのプリント。雑然と並べられた机。それを取り囲んで騒ぐセーラー服姿。
 てんでに喋くる若者たちが、めいめいに動き回って、笑い声が散らばって――僕はまず、その笑い声の方ばか
りを探すのだが、なかなか「今までの僕」の姿は見当たらなかった。
「ご苦労、ワタナベー」
「さすがワタナベ、足速えの羨ましいわー」
 ふと聞こえた「ワタナベ」というワードに、僕は取りつかれる。声の方に目をやると、出入口のドア辺りに一
つの集団があった。アワタナベと呼ばれたその少年は、手に大量のパンを抱えながら、背の高い人たちに向かっ
て、へこへこ頭を下げている。
「何か、他に欲しいものはない?」
 ワタナベはそう言いながら、パンを配っている。茶髪や長髪の彼らは、ぶっきらぼうに袋を受け取るだけだ。
「いいよいいよ。じゃ、屋上行こうぜ」
 金髪の少年に払いのけられたワタナベは、残念そうな、しかし心底ホッとしているような、そんな複雑な表情
を浮かべながら、僕の目前の席に腰かけた。
 カバンからお弁当を取り出して、食べる。何も喋らずに、何も表情に浮かべずに。
 そんなワタナベを、僕は黙って見ていた。どうやらあちらからは、僕の姿が見えないらしい。
 あるいは、わざと気づかないふりをしているのかもしれない。懸命にご飯へかぶりつくのは、食べ物に夢中に
なっているのではなく、しつこく付きまとってくる何かを、どうしても振り切りたいから――そんな気がした。
「ワタナベくん」
 ワタナベは、咄嗟に顔を上げた。机の隣には、ショートヘアーの女の子が立っていた。真剣な顔つきで、ワタ
ナベのことをじっと見ている。
「これ、あげる」
 そう言って女の子が差し出したのは、食堂の焼きそばパンだった。「あ、ありがとう」とワタナベは受け取っ
148(品評会作品)幻によろしく4/6 ◆TCFfG0At1w :2011/01/30(日) 22:53:36.14 ID:jNUEJE1q0
て、それに早速かじりついてみせる。「美味しい」と微笑んでみたりもする。
 しかし女の子は表情を変えない。そして、笑い返すそぶりさえ見せずに、こう言った。
「あんなやつらに負けちゃダメだよ。ワタナベくんは」


「ウソついてたんだ、俺。……ごめん」
 再び、脳内に声が響くあの感覚が戻ってきた。僕は元の場所に帰ってきたことを確認してから、首を横に振る。
「君は、僕に気を遣って、ウソをついてくれたんだ。……なら、いいよ。気にしないで」
 彼は一瞬、前につんのめったような声を発した。けれど、そこから先は、何も言わなかった。
「僕は、幸せだったのかな」
「どうだろうなあ……。でも、幸せなんて、不幸の十分の一もないもんだぜ。普通」
 彼は、僕に同情しているというより、自分に言い聞かせるように、そう話した。一つ一つを噛みしめているよう
に聞こえたから、僕が勝手に、そう思ったのかもしれない。
 でも、僕は思う。幸せは、不幸の十倍の力を持っている。あの時のワタナベ――「今までの僕」の表情が、それ
を物語っていたのだ。
 「今までの僕」は、女の子の言葉に、強くうなずいていた。
「結局、勝てなかった」
 独り言のように訥々と、彼は呟く。
「……戦って、一回負けただけで、逃げ出したんだ。そんな世界から。でも、逃げ切れなかった。神さまは、勝た
ずして逃げることを、許さなかったんだ。きっと」
 僕はそれを、ただ聞いていた。聞きながら、「今までの僕」のことを考えていた。
 「今までの僕」は、結局のところ、幸せではなかったのだろう。でも、そんな世界に戻りたいと、なくなってか
ら、後悔したのだと思う。
 だからこそ、神さまはチャンスを与えてくれた。
 残念ながらそれは「今までの僕」に、じゃない。けれど、同じ僕であることには、変わりないのだ。
 そして僕は、願いを受け取った。目が覚めてもこのことだけは忘れないようにと、強く祈る。


「そろそろ……時間だな」
 彼が、握っていた手をゆっくりと放す。何かの気配に振り返ると、そこには黒く巨大な空間が、ぽっかりと口を
149(品評会作品)幻によろしく5/6 ◆TCFfG0At1w :2011/01/30(日) 22:54:22.32 ID:jNUEJE1q0
開けていた。
「今までの僕の記憶は、どこへ行くの」
 僕はつい気になって訊ねた。彼は返した。
「記憶は、どこへも行かない。でもそれは、お前にはきれいさっぱり見えなくなる。嫌な思い出も、良い思い出も。
ついでに言うと、今、この瞬間も、幻みたいに……」
 僕は、心の底に穴が空いたような寂しさを感じた。でも、右手に残った彼の温もりが、それを少しばかり埋めて
くれているような気がした。
「今までの記憶に、よろしく言っておいて。僕は、君が残してくれたものを、大切にして生きていくよ、って」
 僕は白い空間に背を向けた。頭の中では、風のざわめきのようなすすり泣く音が聞こえている。それで僕は、自
分の頬に伝う涙に気づいた。
 彼と僕は、繋がっているのだ。いつまでも、いつまでも。
150(品評会作品)幻によろしく6/6 ◆TCFfG0At1w :2011/01/30(日) 22:55:22.20 ID:jNUEJE1q0
 目が覚めた時、ここはどこだろう、と僕はまず思った。
 最初目に見えたのは、顔をくしゃくしゃにして喜ぶ女の人の顔。最初耳で聞いたのは、男の人のわめく声。
 僕は、長い夢を見ていた。内容はうまく思い出せないけれど、何か、悲しい夢。
 誰かが、僕に願いを託した。
 右手に残る、温かい感触、そして目の前の笑顔は、誰かが確かにここに在ったことを、証明しているのだ。
(了)
151品評会作品『ミラクルショッピング』1/2 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/01/30(日) 22:57:28.17 ID:j7A0MaWv0
投下します
152品評会作品『ミラクルショッピング』1/2 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/01/30(日) 22:58:11.32 ID:j7A0MaWv0
 いっつも、いーっつも、デートのたびにドンキホーテに行くのだけは何とかして欲しい!
 別に、嫌ってわけじゃないんだよ? 雄一君と一緒にお買い物できるのは好きだし、何より楽しそうな顔をしている雄一君が見れるのは、悪くは無いかなって思う。ホントだよ。
 だけど、毎回毎回ドンキホーテばっかりはもう、飽きたよ。揃わないものなんかないって笑顔で言うけど、そんなことないよ。
 売っているのは、安っぽい商品ばっかりだし、ジャージやスウェットは売っていても、オシャレな服なんかは売ってないよ。
 カワイイなあって思うような服は、コスプレのサンタさん衣装とかばっかり! 
 なんだか分らないブランドの服は売っているけど、CECIL McBEEとか、LIZ LISAの服は売ってないよ。
 ジャラジャラなシルバーアクセサリーは売っているけど、大人っぽいアクセサリーは売ってないよ。
 一緒にご飯食べられていいねって、雄一君は笑うけど、いっつも京たこだよ? ねえ。それは、ご飯って言わないよ。軽食だよ。
 なんでもあるって、言うけど、私の欲しいものは一個も無いよ。
 雄一君は、気にしないの? 周りにいるのは、主婦とヤンキーとおっちゃんだよ。
 私たちみたいな人は、そんなにいないよ。ねえ。
 確かに、私、どこでも良いよって言うよ。雄一君と一緒にデートするなら、どこだって良いよ。
 近所のハト公園だって良いよ。
 子供たちばっかりだけど、それでも良いよ。一緒にベンチに座って、のんびりお話しようよ。
 土手だって良いよ。
 冬は寒いけど、それでも我慢する。芝生の上に寝転んで、日向ぼっこしながら一日すぎたって良いよ。
 駅前のゲームセンターだって良い。
 あそこだってヤンキーばっかりで、うるさいけど、それでも許すよ。たまには一緒にはしゃぎたいよ。
 どこだって良いって言うけど、限度があるよ。
 ワガママは言わないよ。六本木ヒルズとか、青山とか、ホントはそういうところ行きたいけど、近所でも良い。
 だけど、いっつも同じ場所だと、流石に飽きるよ。
 だからって、この前私が違う場所行きたいって言ったらさ。別の店舗に行ったよね? そういう話じゃないよ。同じだよ! ドンキホーテだもん。
 このさい、ジャスコだって良いヨーカドーだって良い。ねえ、気付いているかな?
 そんなお水がくるくる回るオモチャみたいな、置物なんかどこにだって売っている。雄一君、確かに面白いよ? でも、もう見飽きたよ。
 溢れる夢は、売ってないよ。そのお店には。
 宝探しみたいだって笑うけど、もう探しつくしたよ。
 私には、もうウンザリのガラクタジャングルだよ。
 ねえ、雄一君。良い匂いがするってアロマの商品を手に取るけど、そんなのよりもいい物売っている場所いっぱいあるよ。
153品評会作品『ミラクルショッピング』2/2 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/01/30(日) 22:58:59.25 ID:j7A0MaWv0
 Aroma Broomとか、生活の樹とか、Fran Franとかに行けば、もーっと素敵な雑貨買えるよ?
 雄一君、ホントは、私のこともう好きじゃないの?
 私のことなんか、もうどうでも良いっておもっているの?
 だから、結構良い頻度で、デートの場所がドンキホーテなの?
 デートの場所考えるの、面倒だなって思っているからなの? 
 確かに、私はそんなに明るい子じゃないよ。皆みたいに、可愛くないよ。
 だけど、だけど、一生懸命雄一君に好かれたいから、頑張っているんだよ。気付いてよ。
 お化粧だって、デートに行く服だって、いーっぱい悩んで頑張っているんだよ。
 だけどだけど、私のことなんか、もうどうでも良いっておもっているの? 
「……っ、ぐす」
「ど、どうしたの? え? な、なんで泣いているの?」
「だって……、だって、雄一君、私のこと、もう好きじゃないんでしょ?」
「なんで? え? どうして?」
「だって、だから、いっつも、同じお店なんでしょ! もう、デートの場所考えるの面倒なんでしょ! だから、いっつもいっつもドンキホーテなんでしょ! ねえ!」
 もう気持ちが溢れて、溢れてしょうがなかい、涙も止まらない。私のこと嫌いになったんでしょ? だから、同じなんだよ!
「違うって!」
「じゃあ、なんでよ!」
「あの……、ほら」
「なんでよ……、私、いっつも同じはやだかなあってちゃんと言ったのに……」
「飽きないねって言ってくれたからさ……、てっきり、楽しんでくれているとばかり」
「そんなの、嘘だよ……。合わせて言っただけだって」
「ごめん、でも! 嫌いじゃないから! 大好きだよ。」
「本当?」
「本当。次は、ちゃんとドンキホーテ以外の場所にする。約束する」
「ホントだね、約束だよ」
 そういって、雄一君は笑って見せた。
 ホントに、ホントにやだからね!
 私のしたいお買い物は、こんな場所じゃ出来ないから。
 それだけは、お願いね。ミラクルショッピングも何も無いから。
154 ◆5GkjU9JaiQ :2011/01/30(日) 23:00:27.30 ID:tbV55PwqO
予約
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:01:56.71 ID:aVIFBqLy0
   o  ?   
  | ̄|∧,,∧   というわけで23時を回りました。
  |秩|・ω・`)  これ以降品評会作品を投下する方は、予約の上指示に従って投下して下さい。
  |序b  )   予約条件は「レス区切りまで終わり、後は投下するだけ」の状態であること。
  |_|―u'    予約締切は23:30ですがかけ込み予約とキャンセルは色々危険ですのでご遠慮下さい。
           規制されている可能性のある方は、早めの確認と規制者スレッドへの投下をお願い致します。

           では、◆5GkjU9JaiQ氏 どうぞ
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:05:26.62 ID:aVIFBqLy0
あちらにも書きましたが、カオスになってるので転載は控えてください。
157月光値千金1/3 ◆5GkjU9JaiQ :2011/01/30(日) 23:05:35.91 ID:tbV55PwqO
 ポケットに突っ込んだ手の中で、ケータイが震え始めた。たぶん友梨からなのだろうけど、
敢えて出ないことに決める。顔を上げると、遠くに陸橋の上を新幹線が走っていた。爛々とし
た街の輝きに、雲がない澄んだ色の夜空。石段の上に改めて座り直して、白い息を一つ。もう
少し。もう少しだけ、夜空の下で、月明かりの中、街を独り占めにすることを決めた。
 実家の近所にある神社は小高い丘の上に建てられていて、鳥居をくぐった後に千段近い石造
りの階段があったり、その途中に苔の緑が抜けきらない小さい社なんかがある。石段を登りき
ると、短い参道の先に本殿。周囲は森に囲まれていて、いつだって静謐な空気が漂っている。
そして何より、社庭から街を一望出来るのがこの場所の特徴だろう。景観を楽しむには少し出
来過ぎなスポットだけれど、さすがに午後九時にもなれば人の姿はない。境内に独り。普段の
生活にはない贅沢だ。おまけに今夜は、月が近い。
 青白く光る月を眺めていると、本殿から足音が聞こえてきた。僕が振り返ると、見覚えのあ
る人影がこちらに向かっている。
「こんばんはー」
 その姿に見当をつけて僕が先に挨拶すると、平田さんは手を上げて応えてくれた。
「優樹君かい?
 こりゃまあ、長らくだね」
「お久しぶりです、お元気そうで」
 本当に今夜は月が明るいらしく、結構な距離からでも平田さんの顔は確認出来た。白髪頭に
人懐っこい笑み。セーターにチノパンという、神主らしからぬ格好である。
「――そうか、学生さんは夏休みだもんなぁ」
 帰省した旨を伝えると、平田さんは頷きながらしみじみと呟く。
「勉強の方はどうだい」
「帰省出来る程度には、まあ」
「そりゃあ何よりだな。アルバイトなんかも始めたのか」
「あー、そろそろ始めようかな、なんて」
「ええ? 一人暮らしだろう、せめて学資以外は自分でなんとかする気概くらいは見せなさい」
158月光値千金2/4 ◆5GkjU9JaiQ :2011/01/30(日) 23:07:02.79 ID:tbV55PwqO
 適当にお茶を濁しながら答えていても、のんびりとした会話のリズムが懐かしい。平田さん
は一々僕の返答に対して感想を述べたり、説教めいた忠告をしたり。
 親がこのロケーションを好んで、小さい頃からよくこの神社に散歩に来たのが僕と平田さん
との付き合いの始まりだ。森は広かったから小さい頃の遊び場としても事欠かなかったし、思
春期なんかはこんな風に一人で街を眺めては、平田さんと話をしたりした。
「しかしなぁ、優樹君ももう二十歳だものな。私も年をくったものだよ」
 近況の大体を報告し終えると、平田さんは夜空に目を向ける。星は都会から見る虚ろな輝き
と違って、確かな光を地上に下ろしている。空の色は黒というよりは深く濃い青に澄み渡り、
こと月の周囲に関しては紫と白のグラデーションが綺麗に映えていた。
「彼女なんかもそろそろ出来たんじゃないか」
 まあ、一応――なんて答えようとした時に、正にケータイが震え出す。おかげで僕は答える
タイミングを逸したし、平田さんは無言の僕を怪訝そうに見た。
 友梨が僕の彼女かは、正直に言ってイマイチはっきりしない。僕は友梨のことは悪からず思
っているが、あっちも何となく煮え切らない態度だ。ただ普段は仲が良い友達なだけに、何と
なく距離感が測りづらいという状態がここ半年くらい続いている。そしてそれは多分、友梨も
一緒だと思う。そんな僕達を、友人は中学生的恋愛と冷やかすけれど。
159月光値千金3/4 ◆5GkjU9JaiQ :2011/01/30(日) 23:08:29.10 ID:tbV55PwqO
「――まあ、色々あるんだろうけどな」
 平田さんは僕の無言をどういう意味に受け取ったか、一人納得してまた夜空に視線を移した。
僕も首を捻りながら、それにつられて星と月に目を向ける。
「こんな月夜を眺めるのがひとりっていうのは、ちょっと寂しいじゃないか」
 そう言って平田さんは笑ったが、僕はその言葉にドキリとする。ケータイがまだ震えていて、
その相手は恐らく友梨であって。
「なんだっけな、お月様おいくつ、だっけ。昔の歌にそんなのがあるんだよ」
 平田さんは続けるが、僕の心臓は鼓動を早くしている。
 一人で楽しむのって、まあ気楽だろう。けれど、それって失礼じゃないか。そんな風に、さ
っきの平田さんの言葉は聞こえた。
「何て言うかな。その歌詞が言ってたんだけど、女は気障な男を笑うけど、何だかんだ言って、
 そういうのが好きなもんだよ、女ってのは」
 平田さんがそう言い終えると同時に、ケータイは静まった。
 とりあえず、月夜、ってどころの気分じゃないのは、多分そのせいであって。
「あの、ちょっと、平田さん」
「うん?」
「その言葉、責任持ってもらえますか」
 随分勝手な言い分だな、と自分で思うけど、平田さんはちょっと考える風に間を置いてから
頷いた。
「昔の歌ってのは、大体ほんとうのことを言ってるもんだ」
160月光値千金4/4 ◆5GkjU9JaiQ :2011/01/30(日) 23:09:59.41 ID:tbV55PwqO
 石段を降りながら、通話ボタンを押す。数回のコールの後に、友梨の声が聞こえた。
『もしもし』
 不機嫌が少し滲み出たその声に苦笑しつつ、僕は謝る。
「いや、ごめん。ちょっと人と話しててさ」
『別にいいけど。何となく話したかっただけだし』
「あ、うん」
 何てことのない言葉に、顔が熱を持つ。きっと普段なら、かわすように聞き流していたのだろう。
「それよりさ、今どこにいるの」
『部屋だけど』
 足を止めて、空を見上げた。空は相変わらず広いし、日本は何処でも今の時間は夜のはずだ。
「ちょっと窓の外、空を見てよ」
 気障なやり方だな、と思う。素面で上手くやれるかはちょっと自信がない。
『見たよ』
 気のない返事が聞こえる。
「月、近くない?」
 無言。
 変な汗が背中を伝った感触がある。果たして本日は、晴天なりか。
『……うん』
 取り繕おうとしたところで、友梨は一言継いだ。
 僕は胸を撫で下ろすと、しかし気持ちを改める。ここからが、本番である。
「ね。折角だから、友梨にも教えようと思ってさ」
『……何、それ。優樹、そんなキザなキャラじゃないでしょ』
 そんなの自分が一番分かってる。だけど、ここは平田さんにケツを持ってもらうことにしよう。
「あの、今まではっきりさせなくてごめんな」
 言ってしまえば胸がすく思いだった。本当に言いたかったのは、この言葉だったのかも知れない。
「友梨のこと、さ」
 月明かりが青白い。友梨は同じ空を見上げながら、何を考えているだろう。
 後は野となれ山となれ。今宵の月に、値は付けられない。

―了―
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:12:40.02 ID:aVIFBqLy0
お疲れ様でした。

転載してくれる方は大変ありがたいのですが、既に色々と間違っているので
その手を止めていただいてもいいでしょうか。
後々の修正が大変ですので。


【順番】
−−−
162星のくずは銀の色 0/5 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/30(日) 23:12:44.15 ID:Cdz8tMC50
予約
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:13:22.70 ID:aVIFBqLy0
◆pxtUOeh2oI氏 どうぞ


【順番】
−−−
164星のくずは銀の色 1/5 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/30(日) 23:13:53.81 ID:Cdz8tMC50
 カメのぬいぐるみをあおむけにして、僕はそのおなかに顔をうずめていた。暖かくて気持ちが良い。店のカウ
ンターに座ってのうたたね。お客さんが来ない時間は至福のひとときだな、といつも思う。
 僕の働いている星屑屋は、名前の通り、ぬいぐるみと隕石なんかを扱っている店だ。
 元は隕石だけを扱っていたのだけど、僕がじいちゃんから店を継いだときに、そういう条件だったので、半分
はぬいぐるみを売る店に改装した。だから、今はオセロのスタート時みたいな配置で、さまざまな石とかわいら
しく愛らしいぬいぐるみに分けられている。
 まあ、僕は嘘を売って暮らしているということだ。
 
 入り口のドアが開き、渇いた鐘がカラコロと鳴る。小さな少女が一人、小さなくまのぬいぐるみを持って入っ
てきた。さらに続いて、大きな少女が入ってきたけれど、知り合いではないらしい。
 大きい方で高校生ぐらいの彼女は、物珍しそうにあるいは挙動不審に、棚に並べられた店の商品を眺めていた。
 小さい方で小学生くらいの少女は、何も見ずにカウンターまで直進して僕に向かって言葉をぶつけた。
「ちわくまさんの、脚が取れちゃったの」
 ちわくまというのは、少女の持つぬいぐるみの名前だ。右手をあげて「こんちわ!」としているように見える
ところから少女が名付けたものである。くまのぬいぐるみは、確かに右脚がなく、少女の別の手に握られていた。
「ああ、痛そうだね。すぐに治療してあげなくちゃ」
 僕は少女から、ちわくまさんを受け取り、カウンターの下から裁縫道具を出して、縫い始めた。これぐらいは
すぐに直せる。脚の付けに糸を通して、ぐいぐいと一周させて玉を見えないように止めた。
「ほら、できた。『こんちわ! もう痛くないよ。ありがとう』」僕はちわくまを動かす。それから少女に渡した。
「ちわくまさんはそんな風にしゃべらないよ、ね。 『そうクマよ』でも、ありがとう」少女は、ちわくまさんを動かして笑う。
「治療費は五百円になります」僕はちわくまさんの頭を撫でながら言う。「なければ今度でも良いです」
 少女がポケットから、クマの絵の描いてある小銭入れを取りだして、五百円玉を支払った。それから、ちわく
まさんの腕をバイバイと振って、少女もちわくまさんも笑顔で帰っていた。ドアの鐘が楽しげに響く。
「お待たせしました。何かお探しですか?」僕は、店に残っていたもう一人の彼女に話しかけた。「大丈夫です
よ。どんな歳になったって、ぬいぐるみを好きなことは恥ずかしいことなんかじゃないですから」
「ここネットで有名な星屑屋ですよね?」
 彼女は、カウンターの上に鎮座するティーシャツを着たクマの黄色いぬいぐるみを睨んで言った。
「ええ、ぬいぐるみの治療で良い評判をもらってます」
 僕は、そのクマのぬいぐるみのおなかをぽふぽふと叩きながら言葉を返す。
「そうじゃなくて、本物の隕石なんかを売ってるって」
165星のくずは銀の色 2/5 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/30(日) 23:14:49.13 ID:Cdz8tMC50
 ああ、そっちの客かと僕は思う。クマのぬいぐるみから手を離す。隕石の方に、女の子が来るってめずらしい
から、まったく思わなかった。ぬいぐるみを買いに来る男性は多いんだけど。
「本物は売ってませんよ。それっぽいものに値段をつけているだけです」
「でも、ネットでは本物もあるって」
「本物だと良いですね、と売ってます」僕は説明する。「それで勘違いした方もおられるんでしょう」
 うちの店は、確かに本物も売っていた。店頭にも並んでいる。けれど九割以上が偽物で、その区別をつけて売っ
てはいない。どこかの学者さんだとか、コレクターだとかが買いに来るけれど、皆、偽物であることを覚悟の上
で飼って貰っている。
「何かをお探しですか?」僕は尋ねる。
「月の石をください」彼女は泣きそうな顔で真剣に言う。「父がもう長くないんです」
 彼女の説明によると、彼女の父親は月に行ったことのある元宇宙飛行士で、今は白血病で病床に臥せっている
という。もっと数ヶ月の命だと。
「お名前は?」
「渡瀬双海」
「それってあなたの名前じゃないですか?」僕が訂正を求めると彼女ははっとして言い直す。
「渡瀬十狼です」
 知っている名前だった。第三次ディアナ計画で、月に向かい、月の大地を踏みしめた五十人目の人間である。
彼がいなければ、月面基地の建設が二十年は送れただろうとさえ言われている。
 でも、だからといって、NASAやJAXAが月の石を貸してくれたりはしないだろうな。
「有名な方ですね。僕でも知っています」
「それで月の石は売ってもらえますか? 父は、どうしても月の石をさわりたいと。月に行っても厚い宇宙服ご
しでしかふれられません。地球に持って帰ってきても、ほんの一瞬だけ近づくことができただけだそうです」
「さっきも言いましたけど、うちでは本物は扱ってませんよ」
 なにより月の石なんて、各国の宇宙開発機構が独占してしまい、そんじょそこらにでまわるものではない。空
から自由気ままにふってくる隕石とは違うのだ。
「そういった意味で良いのなら、取ってきます」
 彼女はしばし迷った後で頷いた。
「父は、本当に月の石を望んでいます。どうしても最後にじっと握りしめて欲しいです」
 そう。僕は、黙って、店の奥に行った。それからひきだしをあけて、くすんだ銀の石くれを取りだした。そう
して店に戻り、彼女に手渡す。
166星のくずは銀の色 3/5 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/30(日) 23:15:35.48 ID:Cdz8tMC50
「料金は五万円です」
「そんなに安いんですか?」
 僕はその質問には答えない。
「本物だと良いですね」
 彼女は、代金と引き替えに石を受け取って店を後にした。
 もちろん月の石だなんて嘘なのだけど。

 一週間後、僕はスフィンクスのような体勢で座る犬のぬいぐるみを背負って、店の掃除をしていた。手が肩に
かかって背中が暖かい。それにしても、ほこりというのはいったいどこからやってくるのだろう。ぬいぐるみに
も、そして隕石にも、どちらにとっても嫌なものだった。ガラスケースにでも入れてしまえば楽だけど、それで
はお客さんが触れなくなってしまって魅力が半減だし。
 店のドアが開いて、二人のお客が入ってきた。一方は大人の男で、もう一方はこないだの彼女だった。きっと
嘘がばれたのだろう。今日の彼女は、この前よりも疲れた様子だった。
 彼女が僕の方に歩いてきそうだったので、僕は、少女を気にしながら遠慮がちに隕石をさわって眺めている大
人の男の方に、声をかけた。
「島岡さん、今日はどうしました? 石の方を見なんてめずらしいですね」
 島岡さんは、一瞬、びっくとしながらも、持っていた石を棚に戻して、僕の方にゆっくりと歩いてきた。それ
から一緒にカウンターに向かう。少女は声をかけるタイミングを失ったのか、ぬいぐるみを物色しはじめた。興
味ないだろうに。
「あの、この子の鼻が取れちゃって」島岡さんは、ふところからブタのぬいぐるみを出す。
 みすぼらしく、縫い目がたくさんのぬいぐるみだ。ただ、鼻は一応、付いていた。ボタンの鼻が曲がった状態で。
「自分で付けようとして失敗したんですね」
 僕はハサミと糸と針を取りだして、鼻を取った。まあ、少し我慢してよ、と撫でる。ボタンの糸を通し穴に、
ピンクの糸を通し、糸が目立たないように縫って行く。
「はい、直りましたよ。治療費は三千円です。次から早めに持ってきてくださいね。直したい気持ちもわかりますけど」
 島岡さんは、そそくさと代金を払い、満面の笑みで店を出て行った。
「あんなに嬉しそうにするものですか?」彼女が言う。大の男がと。
 彼女はレジ横に座る、黄色いクマのぬいぐるみの腕をくいくいと触っている。
「何が大切かは人それぞれですから」僕は答える。「石ころがどうしても欲しいという人もいます」
 彼女がクマから手を離す。僕の言葉に彼女は怒ったように見えた。でも、怒りはすぐに押さえつけたようだ。
167星のくずは銀の色 4/5 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/30(日) 23:16:20.89 ID:Cdz8tMC50
彼女の頭は悪くない。
「どうして本物を売ってくれなかったのですか?」
「はじめから本物は扱ってないと断りましたよね」
「でも……」
 彼女が病床の父に石を見せたところ、すぐにそれが地球の石だと気付いたらしい。やはり宇宙飛行したる者、
それなりの地質学の知識を持っているのだろう。まあ、はじめからそんなに騙せるとは思ってなかったけど。
「父はショックをうけてました。気軽に喜ばせようとした私が悪かったのだとも思います。でも、どうしても本
物を売ってもらえませんか?」
「月の石は在庫切れなんですよ」
「お願いします。ここしか頼るところがないんです」
 彼女は必死だった。きっと本当に父親の命が終わりそうなのだろう。だから望みを叶えてあげたいと、こんな
に憔悴してまで奔走しているのだ。今ならどんな条件を出しても聞いてくれそうでさえある。
「わかりました。レンタルならば良いです。それでも僕は本物であるとは言えません」
「それじゃあ、また」
「証明書のコピーを付けます。それでお父様に判断してもらってください。うちでできるのはそこまでです」
 彼女はそれで承諾した。
 僕は、店の奥から用紙を持ってきて、カウンターに置いた。紙にはロシア語が並んでいる。それからその横に
座るクマを持ち上げティーシャツをめくり、背中のチャックをあけて、中から小さな灰色の石を取りだした。
「元はオルゴールの電池が入っていたんですけど、壊れてしまったので」
「これが月の石ですか?」
 灰色に汚れた石は、想像しているようなものではなかったのだろう。僕は質問には何も言えない。
「この用紙をお父様に見せてください。元宇宙飛行士であったのならばロシア語も読めるでしょう。この石は
NASAが取ってきたものではありません」
 つまり、ロシアの宇宙局が取ってきたものだという暗の説明である。
 彼女は、涙しながら僕に感謝の言葉を述べる。それから石を大事に布の袋に入れて、店を出た。涙のような鐘の音。
 やはり月の石だなんて嘘なのだけど。

 ある晩、僕が、店のカウンターに座って、ぬいぐるみの手袋を編んでいると、ドアが開いて、鐘の音が響いた。
 彼女は、夜遅く、誰もお客のいない星屑屋の店内を静かに僕の元まで歩いて近づいてくる。
「ありがとうございました」彼女は言う。透き通った声。「父は最後までとても喜んでいました」
168星のくずは銀の色 5/5 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/30(日) 23:17:05.41 ID:Cdz8tMC50
 そうですか、と僕は答える。彼女は鞄から布でくるまれたあの石を出す。開かれた布からはやはり汚れた灰色
の石が現れた。
「宇宙のことばかりで家族のことを顧みてくれなかった父が、私に『ありがとう、双海』と、笑ってくれて……」
 彼女が、涙を零しながら言葉を詰まらせた。涙の水滴が、石の上に落ちていく。
 僕は、彼女に本物の石を渡さなかった。代わりに、彼女の父親である渡瀬十狼に証明書と偽って手紙を書いた
のだ。ロシア語で。
『娘さんの為に、嘘をつきませんか? 死に行く父の望みを叶えられずに、後悔にくれ疲れ果てた娘の顔を見て
逝くか、それとも、父親の望みを叶えることができた、と喜ぶ娘の顔を見て死ぬか、選ぶことができるのはあなたです』と。
 そうして彼女の父親は、僕の思い通りに、嘘を抱えて死んでいった。一回目にそれを偽物だと指摘したときの
娘の失意の顔が目に浮かんだのかも知れない。だから自身の望む月の石を手に入れることを諦め、娘の笑顔を選
んだのだ、と思う。
 彼女の父親は、優しい嘘をついたのだ。
 僕は自分を酷い人間だ、と思う。とてもおこがましいことをした。でも、これから生きていく人を優先した行
動に後悔はない。
 僕は嘘を売って暮らしている。それは夢ともいえる淡いもので、人によってはどうでも良いものに大切な意味
を込めることがある。ぬいぐるみも隕石も月の石も同じだ。
「ありがとう……」彼女が言う。「だけど……」
「だけどなんですか?」
「いえ、いい。ありがとう」
 みんな嘘を受け入れて生きているのかもしれない。もしかしたら……彼女も。
 窓から月明かりが差し込んでいた。何の価値もない灰色の石ころが、満月のライトの下で、涙に濡れた状態で
淡い光りを帯びて、僕の手の平に返された。
 星のくずは銀の色に輝いている。                             <了>
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:17:57.62 ID:Cdz8tMC50
以上です。
いろんな人お疲れ様です。
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:20:26.33 ID:aVIFBqLy0
はい。お疲れ様です。



【順番】
−−−
171欠けボタンの浜 ◆EqtePewCZE :2011/01/30(日) 23:23:23.27 ID:bqL1Cci40
予約します
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:23:51.86 ID:aVIFBqLy0
はい。では◆EqtePewCZE氏 どうぞ。


【順番】
−−−
173欠けボタンの浜 1/6 ◆EqtePewCZE :2011/01/30(日) 23:24:57.21 ID:bqL1Cci40
 目が覚めたとき、世界は静かだった。自分の足音が聞こえるくらい。
動くものの気配があったので、そちらに視線を向け、どれくらい眠っていだろう、と私は訊いた。
曲がり角に植えられたカーブミラーのなかの自分はこちらをちらりと一瞥すると
私の質問を――あるいは存在を――無視し、緩やかな弧を点Aから点Bへ移動する。
ボクハテンPダ、と、カーブミラーの住人はこたえた。
彼はそれきりなにも言わなかった。私は首を振り、彼とおそろいの紺色のウィンドブレイカーの肩をすくめた。

 ときどきはこうして自分の足音を聞く必要がある、と感じたのは、その時分がちょうど月夜だったからかもしれない。
感傷的になっているのだ、おそらく。頭をもたげ、果てを眺む。雲の影が海面へ落ちているのが見える。黄色い月が明るい。
 でも音楽がないと私は眠ってしまう。それは困った性質だ、と眉をしかめる。それに、と私は思う。海は大きな声で喋りかけてくるので恐い。
「声の大きいやつは嫌いだ」
非難するということはいつも悲しい。相手がそれを受け入れるのならばなおのこと。
いつも、絶望的に悲しい気持ちになる。私はあんなことを言うべきではなかったし、誰かもそれを聞くべきではなかった。
ひどく傷ついた感情がどんどん大きくなって、体いっぱいに膨れ上がる。
今回も、声に出した直後、すぐに後悔が顔をのぞかせた。
だけど、海は相変わらず大きな声で喋っていたので、私はそれ程傷つかずに済んだ。優しいのだ、いつも。

 コンクリートの舗道と浜辺を繋ぐ階段を降りると、海の声はよりいっそう大きくなる。
もうほとんど何を言っているのかは聞き取れない。ただただその声量に圧倒され、呆然と立ち竦んでいることしかできない。
驚いているのだ。驚いたら、人は何も考えることができない。私はずっと長い間驚いている。
ぽっかりと口をあけて。馬鹿みたいに。
174欠けボタンの浜 2/6 ◆EqtePewCZE :2011/01/30(日) 23:25:57.37 ID:bqL1Cci40

 「誰か傍にいてくれれば良いのに、と思った時に、誰かが傍にいれくれるというのは実に素晴らしいことです」
素直にそう口にすると、先生は、そうなの? と聞いた。
そうですよ、と私がこたえると、むきになるならないの、と笑われた。
 私たちが並んで座る砂浜に、音楽プレイヤーが生き埋めにされている。砂浜から顔を出したちっぽけな画面に、
音量に合わせて六本のバーが忙しなく動いている。ろくに動こうとしない私たちよりよっぽど動物らしいや、と思う。
 私たちの背後に一軒、小さな家が建っている。潮風に吹かれて、生まれた時からすでに朽ちていく運命にあったそれは、小屋とも
倉庫とも呼ぶのがためらわれるような粗末な作りで、そして、先生の住居だった。
女性である先生がそこでどの様に生活をしているのかを想像すると、どんな道も最終的に「信じられない」という点に落ち着くので、私はそれを考えるのを止めた。
とにかく先生はそこに暮らし、私たちは海を眺めるのに飽きると、そこでホット・バタード・ラムを飲んだ。
秋の夜、音楽と、ホット・バタード・ラムは、私たちの精神の血管に沁み込んでいく。
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:25:58.61 ID:4BBxbjGD0
てすと
176欠けボタンの浜 3/6 ◆EqtePewCZE :2011/01/30(日) 23:26:48.84 ID:bqL1Cci40

 先生が手を出せというので差し出すと、その手をとって真中に何かを置いた。それはボタンだった。
先生は
「それを拾って、役立てようと僕は思ったわけでもないが」
と言って腕を組んだ。何かの引用らしかったが、私には出典が分からなかった。
月に翳すとそれはちいさく欠けていた。ケッソン、と声がした。カーブミラーの住人の声だった。ケッソンシテイル。
私はその声に小さく頷き、欠損している、とこたえた。
 「欠損家庭という言葉を教えてくれたのは、同じクラスの女の子でした。私は小学生だった」
先生がこちらを向く気配がした。そして、どうぞ、というふうに片手を持ち上げる。
私はボタンの欠けた部分を人差し指の爪でかりかりとしながら、話を続けた。
「活発な女の子でした。学校で、なにか特別な行事があるときは、いつも濃い緑色のシャツと、一点の汚れもないフリルのついた靴下を身に着けていました。
それはとても清潔な組み合わせで、学校中を探してもそんな組み合わせを思いつける子供はいないだろうと思いました」
話しながら、私はその女の子のことを思い浮かべていた。素晴らしく器用な感覚で、人と人の間を渡り歩ける女の子だった。かしこいのだ、と私は思った。
「合唱祭の当日のことで、そのときも、彼女は緑色のシャツと純白の靴下を身に着けていました。
私はテノールで、彼女はアルトでした。私たちのクラスがいよいよ次の番、という頃になって、アルトの最後尾にいた彼女がは突然振り返り、
テノールの最前列にいた私に話しかけたのです」
先生は黙って海の方を見ている。長い髪が潮風に吹かれている。
「君んち、お父さんがいないんでしょ」
私はできるだけ当時の彼女に似せてそう言った。しかし、なかなかうまく発音できない。私は肩をすくめる。
「そういうの、ケッソンカテイって言うんだ」
思えば、あの時彼女はひどく緊張していたのだろうと思う。そうでなければ、あんなに不用意に、他人の領域に足を踏み入れるような真似はしない。
かしこいのだ、とふたたび私は思った。
177欠けボタンの浜 4/6 ◆EqtePewCZE :2011/01/30(日) 23:28:10.73 ID:bqL1Cci40
 「彼女は、しまった、という顔をして――それは私に対してではなく、自分がそのように発言してしまったことに対して――
また前に向き直りました。それがほんの一瞬の出来事で、また、あまりにも彼女が自然に元に戻ってしまったので、
まるでそんな出来事がこの世に起こりなどしなかったようでした」
それでも君は覚えていた、と先生が言葉を発した。そうですね、と私は自分に呆れながら言った。
「それでも私は覚えていた。その言葉が気になってしょうがなかった。
声に出せば『ケッソン』という音が飛び出してしまうのではと恐かったから、私は結局その舞台で歌を歌うことができませんでした」
その一方で、彼女は歌った。朗々と。彼女のために用意されたソロパートでは、審査員の教師が思わず涙ぐむほどだった。
声にちゃんと生命力がある、と、後にその教師は彼女を褒めた。コエニチャントセイメイリョクガアル。
「それで?」
と先生が言った。
「おしまいですよ」
私はまた肩をすくめた。
「その子は小学校を卒業して、私立の中学校へ進学した。私たちはその間、言葉を交わすことは一度もなかった」
「そして君は家出をした?」
「そう、私は家出をした。でもそれは、高校生になってからのこと。その間、私はずっと驚いていて、何も考えていやしなかった」
ずっと驚いていて? 先生が訊いた。何年も?
「何年も」
私は自分の頭の悪さに呆れていた。ショリソクドガオソインダ。カーブミラーの男が言った。そうかもしれない。私は溜息を吐いた。
「母親とは、しばしば激しく言葉を言い合うことがありました。母はいつも苛苛として神経を張りつめている性質でしたし、私はそれと暮らすには愚鈍過ぎたのです。
私の母は、結論を出すことにひどく躍起で――答えが見つからないでいる状態にひどくおびえて――
また、その出した答えが正しいと信じて疑わない人でした」
今でも思い出すのは、母が激流のごとく意見を私にぶつける前の、息を吸い込む音だ。ブレス、とカーブミラーの男が言う。そうだ、と私はこたえる。
「母はだから、自分が考えずとも答えを出してくれそうな男性を信頼し、心から頼っていました。
私はぽかんとして、からっぽで、頭の回転が遅い割に疑り深かったものですから、当然母の連れてくる恋人から気に入られるはずもありませんでした。
 あれは、三人目の恋人の頃で、私は中学生でした。その恋人と母は良く出掛けました。私が夏休みで始終家にいた
からでしょうが。彼らが家出ていく前には必ず『どのくらいで帰るか』と私は訊いていました。
何回かそれを繰り返していたある日、いつものように私は『今日はどのくらいで帰るか』と訊くと、その恋人は
大変に苛立った様子で、『いつもいつも、そんなに心配しなくても、早く帰るよ』と答えました。
私はひどく驚きました。なるほど、そんな考え方もあるのかと。私はただ、彼らが帰ってこない貴重な時間を把握しておきたいだけだったのです。
早く帰ってきてほしいなんて、微塵も思っていなかった。斬新な考え方だと、感心さえしたほどでした」
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:28:23.85 ID:itBUnmqf0
よやく
179 ◆ihO9dxzf9I :2011/01/30(日) 23:28:28.88 ID:4BBxbjGD0
予約
180欠けボタンの浜 5/6 ◆EqtePewCZE :2011/01/30(日) 23:28:54.59 ID:bqL1Cci40

 砂浜に投げ出されたイヤホンが歌う声は、ずいぶん遠くから聞こえてくるような気がする。
それでも時折、かすかにギターの弦の上で指がこすれる音が、ずっと耳元で聞こえる。キュイ、キッキ。
 家出した時の話をして、と先生が言った。私は手中に収まっていた欠けボタンをもう一度眺めた。
糸を通すべき穴が四つあいた、よくあるボタンだ。だけれど、今は何も通してはいない。何かと何かを繋ぎとめてもいない。
彼は――仮にそのボタンを男性に例えるが――そういった自分の役割が果たせないことについて、残念がっているようには見えなかった。
小さなボタン一つ、出来ることには限界があります。そう彼は言った。そうかもしれない。私はこたえた。
「わかりました」
誰にともなくそう言って、私はふたたび話し始めた。
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:30:22.34 ID:aVIFBqLy0
はい。ではID:itBUnmqf0氏 トリップをつけてどうぞ。


【順番】
◆ihO9dxzf9I氏
182欠けボタンの浜 6/6 ◆EqtePewCZE :2011/01/30(日) 23:30:44.26 ID:bqL1Cci40
 「私が家出をしたのは、さっき言ったように高校生の時分。朝から雪が降っていたけれど、それほど寒くはなかったと覚えています。
日の光の入り方が妙な日で、暗く深々と翳ったかと思えば、不意に眩しすぎるほど光が差し込むこともありました。
私は居間にいて、母は台所で料理をしていました。私は椅子腰掛け、片足を抱え込むようにして爪を切っていました。部屋が明滅をくりかえすので、ひどく切りづらかった思いをしました。
 台所の母が、こう雪が降っていては買い物に行けない、と言いました。糸こんにゃくと焼き豆腐が無いと。
それでは、私が代わりに行こう、と私は言いました。まだ数本、切り終わっていない指がありましたが、すぐにそう言わないと
後々ろくなことにならないのは、愚鈍な私にもようやくわかってきたことでした。
私は防寒をして、出掛けた。そして、そのまま戻らなかったという、それだけのことです。
 買い物を終え、線路沿いの道を歩いているときに、ふと、このままどこかへ行けるのではないか、と思いました。
そんな可能性をいままで思いつかなかったくらい、私は頭がからっぽだったのです。ともあれ、その考えが頭の中に
浮かんだのと同時に、日の光がサーッと私の顔面に降り注ぐのを感じたのです。単純な私はそれを祝福と受け取った。
顔面中に光を受けて、私は目を閉じました。電車が轟音と共に隣を走り抜けていきました。
そして芝居がかった風に両手を拡げて、この世は悲しいくらいに希望で溢れている、と思いました」
「糸こんにゃくと焼き豆腐をぶら提げて?」
「糸こんにゃくと焼き豆腐をぶら提げて」
私がそうこたえると、先生は可笑しそうにくすくすと笑った。
「家の玄関のドアノブにスーパーの袋を掛けると、私はさよなら、と握手をするようにノブを握りました。
そしてそれを二、三度がちゃがちゃと言わせるとすぐにその場を離れました。当分足の爪を切る作業を再開できないことだけが心残りでした」
これが、私の家出の顛末です。左手を拡げ、右手を胸に当ててお辞儀をすると、先生はなおざりな拍手をくれた。
私は先生に近づいてキスをする。自分の舌で先生の舌を引っ張り出し、前歯で何度も噛む。その厚みを確かめるように。
ラング・ド・シャ。カーブミラーの男が言う。
ロマンチストめ。私はこたえる。

 ふと、いつか私はこの日のことを思い出すような気がした。
 いつだったか、と私は思うだろう。
 カケボタンノハマダ。とカーブミラーの男は教えるだろう。
 欠けボタンの浜。私はそれを思い出す。
 そしてそれを失っていることに驚く。
 そしてなにも考えることができなくなる。ずっと。何年も。

183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:31:02.99 ID:aVIFBqLy0
ミスった。ごめんなさいませ。
184欠けボタンの浜 7/6 ◆EqtePewCZE :2011/01/30(日) 23:32:10.16 ID:bqL1Cci40
>>183 いえいえ
以上です
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:32:39.97 ID:itBUnmqf0
では、投下
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:33:06.34 ID:aVIFBqLy0
改めましてID:itBUnmqf0氏 トリップをつけてどうぞ。


【順番】
◆ihO9dxzf9I氏
規制者スレの人たち
187かおりちゃんタイム 1/6 ◆HmfYvBHWkM :2011/01/30(日) 23:33:27.12 ID:itBUnmqf0
 扉を開けると、そこは予想通り先客の姿は見えなかった。
 人っ子一人存在しない早朝の銭湯。水流の音のみが支配する大空間の中、ゆっくりと湯船の中で時間を過ごす。俺の毎日の楽しみだ。
 この公衆浴場は市街地の中心から外れた場所に存在しており、料金やサービスも他と比較すると秀でた部分はない。風呂の種類も
大きな湯船が一つ存在するだけだ。こんな所を好き好んで利用するのは近隣の住民かよほどの物好きだけだろう。
 ましてや早朝から利用する人間となると俺以外にいるはずがない。実際、俺の次客は大抵が午前十一時過ぎに来るのだから。
 つまり、営業が始まる午前十時から風呂に入れば、一時間の間この浴場は俺だけの場所になるのだ。
 遊ぶ暇もなく午後から深夜まで仕事に追われる毎日が続く俺にとって、この一時間は何物にも代え難い癒しの時となっている。
この時間が存在しない日常など全くもって考えられなかった。
 俺はまずかけ湯を行った後、髪を洗うため蛇口場へと向かう。蛇口は各々が大理石の一枚壁で仕切られており、簡単な
個人空間となっていた。俺はその中から出口に最も近い、両端を壁に遮られていない手近な場所を選ぶ。
 締まっていた蛇口の栓を緩めると、暖かな水流が噴出した。ひんやりとした空間に湯気がもうもうと立ち上がっていく。
 俺はすぐさま髪を濡らした後、適当に泡を立てた洗髪用の洗剤を頭髪に塗り付ける。そして水栓を全開にすると、勢い良く水を放出した。
早く誰もいない風呂に浸かりたい。そのまっすぐな欲望だけが俺の脳内を占めていた。
 ぶしゃああっという派手な水音と共に噴き出したそれは、俺の頭部に勢い良くぶつかっていく。両手の母指腹を使って手早く頭皮を
洗浄し終えると、俺は置いていたタオルをひったくるように掴んで湯槽へ向かおうとする。
 体なんてシャワーで流すだけで十分だ。そんな時間があるなら一刻も早くあの開放感に満ちた感覚を味わいたい。さあ、早く
「おっじゃまっしまぁ〜す♪」
 ――瞬間、扉が開放され向日葵のような底抜けに明るい声が浴場に響き渡る。こうして、俺のささやかな願いは突然の闖入者によって
中断される事になった。


 唐突に訪れた来客。
 虚をつかれた俺は産まれたままの姿で棒立ちになる。
 そして、その場所は……よりにもよって入口兼出口の真正面だった。
「ひっ」
 目前の人物は喉をひくつかせたような呻きを発する。二十歳に満たないぐらいの若い女の子だ。彼女の視線は
俺の股間でどん、と構えている愛すべき分身に注がれている。
188かおりちゃんタイム 2/6 ◆HmfYvBHWkM :2011/01/30(日) 23:34:11.62 ID:itBUnmqf0
「ひっ…ひいっ…」
 まずい、このままだと間違いなく大声を出される! そうなったら店員が来て俺だけの時間が台無しだ!」
 咄嗟にそう判断した俺は、醜く眉を八の字にした女の口をふさぎ、抱き寄せるようにして半ば強引に浴場内へと連れ込む。相手もじたばた
と抵抗するものの、力では男にかなうはずもない。連れ込む際に忘れず扉をきっちり閉めると、何とか彼女を落ち着かせようとする。
「落ち着け、落ち着くんだ。ほら、深呼吸して。すー、はあ、すー、はあ。すーっ、はあぁぁぁっ」
 子供に言い聞かせるようにして呼び掛けると、相手も了承したのか必死に深呼吸を始める。その間隔は短く、完全に取り乱した
人間のそれだったが、十秒程度の時間を経て幾分冷静さを取り戻したのだろう。次第に安定したものへと変化していった。
「よし、これで大丈夫だ。君、名前は?」
「……湯浅佳織、です」
 俺の掌の下で長髪の黒髪少女がもごもごと口を動かす。後ろからがっちりと抱え込んでいるので彼女の表情は分からない。
「かおりちゃん、か。昨日まで見かけなかったけど……新しい子?」
「はーい。今日からアルバイトで働くことになりました」
 学校指定水着の上から無地のTシャツを着ただけの少女が答える。普段の調子を取り戻しつつあるのか、その声色は
幾分明るい色を含んでいた。やっと一安心、といったところか。
「でさ、佳織ちゃんはどうして男風呂に入ってきたの?」
「えーっと、お風呂の掃除をやろうと思って入りました。そしたら、あなたがいてビックリしちゃいましてぇ……」
 背中まで伸ばしたふんわりヘアーが密着した肌に絡み付く。そしてその鮮やかな青黒色は、俺の鎖骨から胸板にかけてを
やんわりと蹂躙する。そこには多忙な暮らしの中で忘れていた、女という感触があった。
「ここは銭湯なんですから、裸でいるのは当然ですよね。ごめんなさいっ」
 ぴったりと着いた指裏には口元の柔肌が直に伝わってくる。ぷにっとした弾力性の強い餅肌は、触るだけでも心地良い。
そして今や緊密な関係となった擦れ合う二つの下半身。水着一枚隔てた肉の戯れに、俺の局部は反応しつつあった。
何年ぶりだろう、このような暖かい感覚を意識したのは。
「ってことで、掃除したいんで放してもらえますか?」
 俺の顎辺りで黒い頭がせわしなく小刻みに揺れる。俺はその落ち着きのない挙動に一抹の不安を覚えるが、彼女を解放する事にする。
これ以上密着状態でいると、精神的にもたない。
「ほらっ、いきなり連れ込んで悪かったな」
 口元を押さえていた右手と腹に巻きつけていた左腕を宙に浮かせると、自由を取り戻した柔肌少女は俺に向き直ろうとする。
189かおりちゃんタイム 3/6 ◆HmfYvBHWkM :2011/01/30(日) 23:35:03.67 ID:itBUnmqf0
「えへへっ、ありがとうござあっ……」
 途端、濡れたタイルに足下を滑らせたのか大きくバランスを崩す。鈍い衝撃音と共に転倒したのは約二秒後だった。
「あいったたたぁ」
「何やってんだ全く。ほら、掴まれ……」
 不安的中か、やれやれ。俺は胸中嘆息しながら彼女を立ち上がらせようとした。そのまま手と手が触れ合おうとした瞬間、
目前に飛び込んできた光景にガツンと殴られたような衝撃を受ける。

 それは少女を助けようと、転んだ彼女を上から眺め見た瞬間だった。
 視線に飛び込んできたのは、濡れてスケスケになったTシャツ越しのスクール水着。ぴったりと布が張り付いた
胸の谷間には、美しい白色がうっすらとその姿を現していた。
 そして何より特筆すべきは、推定Eカップと思われるその乳房だろう。むっちり肉感溢れる二つの花園はふくよかボディの元、
一足早い春満開宣言だ。先端とおぼしき箇所は二枚の衣類をもろともせず、僅かな突起が認められる。
 俺はこの扇情的な景色に思わず生唾をごくりと飲み込んだ。
 この子、もしかして興奮してるのか? いや、興奮してる。きっとそうだ。そうに違いない。
 こいつは人に自分の水着姿を見られて発情する、とんでもない淫乱だ。
 決めた、俺はこいつを犯す。神に誓って性交する。誰もいないくつろぎ空間なんてどうでもいい。そんなもの明日でも満喫できる。
 それより今は、目前の瑞々しい果実を心ゆくまでしゃぶり尽くすぞ。数年振りのこのチャンス、据え膳食わぬは何とやらだ!

「いたたたっ…あ、ありがとうございます…」
 差し出されたきめ細やかな指。俺は思わず触れたくなる欲求を我慢すると、あさっての方向を指差した。
「あっ、UFOだあ!」
 目玉をひん剥き、絶叫を絞り出す。こんな古典的な騙しでもやらないよりはマシだろう。
「えっ、ふえぇっ?」
 目前の少女はくりんとした愛らしい目をぱちくりさせる。どうやら効果はそれなりにあったようだ。俺は光の如き早さで彼女の背後に回ると、
シャツと水着の隙間からたわわに実った果実へと手を伸ばしていく。
「#’π^☆β&θ√ε;Θ!!!」
 声にならない叫びを発し、体勢を反転させようとする黒髪ロングの女の子。必死の抗戦に対し、俺は空いていた左腕を相手の首へ巻き付ける。
「なっ、なっ……なにやってるんですかっ」
 男に胸を触られているという気恥かしさがあるのだろうか。少女は頬をうっすらと上気させ、消え入りそうな声で抵抗の意を示す。
190かおりちゃんタイム 4/6 ◆HmfYvBHWkM :2011/01/30(日) 23:36:01.96 ID:itBUnmqf0
「かおりちゃんのたわわに実ったおっぱいを揉んでるの。僕、もう我慢できな〜い」
 俺は乳房の感触を味わいながら母親に甘えるような口調で語りかける。その態度にスク水少女はどんどん困惑の表情を浮かべていく。
「や、やめて、くださいっ。大声出し……ますよ。やっ、いやぁっ」
「そんな事言って、かおりちゃんもこんな事望んでたんでしょ?」
 ふうっ、と目前に迫った耳に吐息を優しく吹きかける。予想外の刺激だったのか、少女は蛇に睨まれた蛙のようにビクンと身体を硬直させてしまう。
「その証拠に――ほら、すっかり硬くしちゃって」
「あっ、そこぉ、やめてっ、くださぃっ」
 ツンと尖った果実の先を指でこねくり回す。刺激を与える度、佳織は食べられる寸前の捕食者のように、瑞々しい肉体を
クネクネと露わにさせる。その姿はひどく視覚的な興奮に満ちていて、淫らな欲望が詰まっていた。
 俺は彼女を堕とすべく、耳元から追い討ちをかける。
「俺に水着姿を見られてた時からこんなに感じてたの? 変態だね、かおりちゃんって」
「いやっ、そんな事言わないで!」
「変態じゃなきゃ何なんだい? 公共の施設でこんな厭らしい姿を惜しげもなく晒すかおりちゃんはエッチだよ」
「わたし、えっちじゃぁ……ありません……」
「じゃあさ、俺は首に巻き付けた腕をとっくに解いてるのに何で抵抗しないの?」
「!!!」
 ビクン、と相手の身体が激しく震える。よし、決まった。勝利を確信した俺は無防備になったスカート型の股間部から指を侵入させる。
「うわ、触ってないのにもうビショ濡れじゃないか」
「いやっ、いや、いやぁ……」
 せめてもの反抗か、力を失った手で俺の体をぺしぺしと叩いてくる。その仕草に胸を熱くしながら俺は指を濡れそぼった内部へと挿入していく。
「すごい! 熱いしグイグイ締め付けてくるし、本当に変態だなあ」
 嘘偽りのない感想を述べてやる。まあ間違いなくJAROに通報されるレベルだが、この猥らな少女には効果抜群だったようだ。
先程まで動かしていた手をだらりと下げ、うわごとのようにぼそぼそと何かを呟いている。俺は佳織のそんな姿に加虐心を満たし
ながら、割れ目の上部で自己主張する肉を指でなぞってやる。
「あっ……」
 胸部まで伸ばした黒髪を揺らし、少女が蕩けるような声を発する。俺はそのまま陰核を優しく擦ると軽く力を込め、上下運動を繰り返した。
その永続的に与えられる刺激に、少女は白い喉を反り返らせる。
「でっ…でちゃいますぅ…」
「ん、もうイキそうなのか。早いな」
191かおりちゃんタイム 5/6 ◆HmfYvBHWkM :2011/01/30(日) 23:36:51.85 ID:itBUnmqf0
「違いますぅ…その、そのぉ…」
「えっ、もしかして、おしっこ?」
「……」
 顔を紅潮させ、上目遣いにこくんと頷く。
 よしそれなら、と頭の中で思い付いた名案に、俺は唇の両端を吊り上げる。
「よっこら……しょっと!」
「わぁっ? なななななんですかぁ〜!?」
 彼女の背後からはち切れんばかりの両腿を抱え込むようにして持ち上げる。青紺の水着はじっとりと湿り気を帯びており、
スカート状の生地からは水滴がぽたぽたと滴り落ちている。
「うっ…結構くるな…かおりちゃん、案外重いねぇ」
「だったら早く降ろしてくださいよっ!」
 相手がじたばたしようが関係ない。低い姿勢から腰部に力を込めると、蛇口の前へ佳織を案内する。
「ほら、ここで思う存分おしっこしちゃいなよ」
「いっ、イヤですぅ!!」
「どうしてだい? 俺もかおりちゃんがおトイレする所、見てみたいな」
「恥ずかしいですっ! 見せられないし見せたくないですよぉ!!」
 丸目の少女がいやいやをする姿が真正面の鏡に映し出される。その光景に俺の加虐的な感情が首をもたげていく。
「よし、じゃあ嫌でもここで用を足したくなるようにしてあげよう」
 生地を横にずらして卑猥な部分を露出させた後、女の子の弱点を上下に摩擦していく。俺の意図を汲み取った佳織は
みるみるうちに泣きそうな顔になっていく。
「やめてっ! いやぁぁぁん!」
「じゃあ耐えるんだ、おもらししないように。でも、我慢できなくなったら遠慮なく漏らしていいんだよ。しっかり見てるからさ」
 囁くように呼び掛ける間にも、俺は摩擦速度をどんどん上げていった。次第に利き腕の橈側手根屈筋が痺れる感覚が強まっていく。
少女の喘ぎから拒絶の色はすっかり消え失せ、深い愉楽に溺れるものへと変わっていた。
「あっ、でっ、でちゃうぅぅ! でちゃうよおぉぉ!」
 息も絶え絶えに、佳織が怯えたような声をあげる。真っ白だったその身体は既に鮮やかな桜色へと染まっていた。
 彼女の悲鳴に限界が近い事を認識した俺は、限界まで指運動を速める。くちゅっ、くちゅっと淫らな音がひっきりなしに鳴り響く。
「大丈夫、何も恐くないから」
「もぉ、もおだめぇ!」
192かおりちゃんタイム 6/6 ◆HmfYvBHWkM :2011/01/30(日) 23:38:02.52 ID:itBUnmqf0
 彼女の喉から絶叫が迸った瞬間――それは遂に始まった。
 妖艶に濡れ開いた淫花から放出された黄金水は、緩やかな弧を描いて面前の姿見を洗い流していく。体内から排出された
聖水は、外気温の差からおびただしい量の水蒸気を発していた。
 鏡に映し出された佳織は小さな口を大きく開き、眉間を歪めながらも自らの痴態をしっかと目視している。口では何だかんだ
言っていたが、やはりこの少女は外見からは想像できない変態性欲の持ち主なのだろう。
 鏡に映し出された俺は眼前で繰り広げられる光景に、ニンマリとした笑みを浮かべている。
 それはまるで――ヨコハマタイヤのようだった。

 俺は力を失った少女の体を後ろから抱き締めている。
 きめ細かな肌の持ち主は桃色に染まった体をだらんと投げ出し、放心状態に陥っていた。半開きの口は両端からよだれをだらしなく垂らしている。
「こらっ、何の騒ぎじゃ!」
 叫びが外に漏れ聞こえていたのか、番台の爺さんが血相を変えて怒鳴りこんでくる。俺達のただならない雰囲気を察した老人は、
年齢を感じさせない素軽さでどんどん距離を詰めていく。
「ここで何をやってたんじゃ!」
 強い口調で詰問する番台さんに、しらを切り通す事は無理と判断した俺はありのままの状況を述べていく。すると爺さん
一気に憤怒の形相を浮かべ、風呂場全体に響き渡る怒声を張り上げる。
「それならワシに一言伝えてからからおっ始めんかぁっ!」
「……へ?」
 この予想もしなかった発言に、思わず目が点になる。
「佳織ちゃんといったかの、あの子はなあ、面接で初めて見た時から本当に美味しそうな体をしとるのお。
いつかおいしく頂こうと思うとんたんじゃが、まさか初日で食われるとはのぉ。流石に予想できんかったわい」
 番台の老人は昔を懐かしむかのようにしみじみと語り出す。そこには先程まで見せていた怒りはすっかり消え失せていた。
「あっ、それなら安心してください。まだ挿入はしてませんから」
「本当か!? それならワシにまずぶち込ませてくれんかの? お前さんも後で入れていいから一緒にさんぴーを満喫しようではないか」
「もちろん。喜んで参加させて頂きます」
「よろしい。ではこうしちゃおれん、ワシは表に臨時休業の知らせを出してくるからの。お前さんもやり取りは済ませておくんじゃぞ。
おひょほっほーう! ちんちん電車、しゅっぱつしんこーぅ!! そーれちぃーんちん! ちいんちん! ちーん、ちん!」
 爺さんは鼻の下をだらしなく伸ばすと、足取り軽くスキップしながら扉の向こうへ消えていく。
 俺は未だ放心状態の佳織を横目で見やると、痛いほどそそり立った肉棒に右手を添えて彼女の口元へと運んでいく。
 ――やれやれ、今日の祭りは長くなりそうだ。
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:38:43.88 ID:itBUnmqf0
以上です。
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:39:32.08 ID:5SkZY9Tk0
これはひどいもっとやれ
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:39:34.84 ID:aVIFBqLy0
それでは最後に◆ihO9dxzf9I氏どうぞ。



【順番】
◆QIrxf/4SJM氏 転載待ち
◆InwGZIAUcs氏 転載待ち
196月光1/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/01/30(日) 23:40:47.85 ID:4BBxbjGD0
 ピアノを弾く夢を見た。心得はない。なのに、流暢に弾いていた。どこで弾いていたか、誰か周りにいなかったか、いず
れも憶えていない。ただ一つ、背筋をそろりと曲げ、鍵盤を押しこみ引きこみしている有様が、ひたすらにわだかまっている。
 いったいどんな曲を弾いたものやら。何も聞こえてこなかった気がする。思い返せばこれまで、音楽の夢見もなければ、
音が流れていた憶えすらない。夢景色の色調の豊かな人は、日ごろから彩りを良く識(し)っているというが、それと同じ
で、音色を識っていないからこそ、音調を起こせなかったのだろうか。
 思わぬ咎めを食らったものだが、ならば尚更、ピアノを弾く道理がない。クラシックを横好きはしているが、ピアノには
触れたこともない。何より、生来の不器用を踏まえてか、そんな気は起きてもこなかった。
 だが、間違いなく自分が弾いていた。一見すると、運指もなめらかで、譜めくりもペダル踏みも板についている。そのく
せ、たまに失敗すると、指をほぐすなり、譜面へ目を凝らすなりして、不慮であったと装っている。顔をしかめ、首を振り、
どんな憤懣を抑えているのか。あれは、日ごろ踏まえている癖だ。
 似合わぬ様を見せてはいるが、同時におのが習性をしかと現している。そんな調子で長い譜を弾きながら、また新たな、
そして馴染みのある癖を現す。何が気に入らぬのか、同じところを何度も弾きなおしている。もう少しやわらかくか、い
や強すぎた、次音へのつながりがぎごちない……どうせ趣味事だろうに、職人気質を真似ている。
 それでも、おおむねは気分良く弾いていたようだ。拍子にあわせ首をゆすり、顎をついとすくませ瞼を下ろし、時折堪
え症をなくして息をあえがせている。気ままではない。どちらかというと、曲のままに弾いている。譜が導く流れに従い、
体から何から全てゆだねようとしている。憤懣も、癇症も、詰屈も、等閑にしているわけではないが、あらわにはしない。
なにもかも音色の材料にしている。取りかこむ広野にすべての雑念を放ってから、ほほえましく眺めている。
 漱石がそんなことを書いていなかったか。そう思って後々当たってみると、確かに『草枕』の中に記してあった。

  こんな時にどうすれば詩的な立脚地に帰れるかと云えば、おのれの感じ、そのものを、おのが前に据えつけて、その感
 じから一歩退いて有体に落ちついて、他人らしくこれを検査する余地さえ作ればいいのである。詩人とは自分の屍骸を、
 自分で解剖して、その病状を天下に発表する義務を有している…………まあちょっと腹が立つと仮定する。腹が立ったと
 ころをすぐ十七字にする。十七字にするときは自分の腹立ちがすでに他人に変じている。腹を立ったり、俳句を作ったり、
 そう一人が同時に働けるものではない。ちょっと涙をこぼす。この涙を十七字にする。するや否やうれしくなる。涙を十
 七字に纏めた時には、苦しみの涙は自分から遊離して、おれは泣く事の出来る男だと云う嬉しさだけの自分になる。

 こんな境地を引き合いにできるくらい、達者でいたらしい。こんな感は身に覚えがない。そもそも、こんな大層なもの
は常々望んでもやってこないものだ。やはり自分ではない。自(おの)が領分ではない。途方もない場所にいる己が、遠
く見えてくる。とはいえ、いかに遠ざかる心でいようと、自身から離れることなど出来ない。弾きながらに、観じている。
他人のような己をうらやましく思い、知らず知らず同化しかかっている。そして、快さが入りこんで、睡気もおりてくる。
197月光2/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/01/30(日) 23:42:07.33 ID:4BBxbjGD0
 朝の冷えを嫌って寝たままに、おぼろになりゆく夢様(ゆめざま)をなぞりなぞりしていると、ふと、昼前の人と会う
予定を思い出した。枕からのぞむ窓は露をむすんでいて、うっすらとした底に濃い白がうかがえる。溜めたぬくみを頼り
に起き出し、窓の露をはらって外をあきらかにすると、どぎつい白光にくらまされた。屋根やら梢やらが粉吹いている、
軒が濡れなずんでいる、白んだ路面が日照りですべらかに見える。夜の内にふったらしい。
 雪のふらぬが取り得の地だろうに。嘆息を漏らすと、冷気を吸いこみ、体がふるえた。ついで、交通の足の鈍ることが
浮かんだ。早めに着くに越したことはない。そう考えて、かじかみをこらえつつ、居間へそろそろと足を向けた。
 飯をかきこみコーヒーをたしなみ、とろとろと腹をこなし温みをためてから、支度をし外へ出た。途端に、底冷えがや
ってきた。だが、積もった雪がまだ凍っていないため、歩くのは難しくない。街に入ると人通りは少なく、車通りも速く
ないようだった。いつもの喧騒が、膜のごときものにさえぎられ、伏し潜んでいるように思われた。
 電車は遅れた。ホームのあちこちから白い息が浮き上がり、なびき消えていく。そんな様子を繰りかえし、窓や看板を
曇らせながら、人どもが連帯しているようになった頃、ようやく車両がやってきた。
 通勤どきは避けていたが、席はすでに埋まっていた。車内には湿気を含んだ臭いがただよっている。扉の近くに立って
いると、暖房が高低から寄せてくるはものの、腹のあたりがぬくもらないためか、冷気が肘や腰に痼(しこ)っている気
がした。他の客も同じようだ。隣に体をかたむけ温みを得ようとするが、他人だからためらわざるを得ない、そう言いた
げな様子があちこちに見える。底冷えに慣れぬ土地の者だから、それをどう表していいかにも迷いがあるようだ。
 一駅越えると雪がふった。二駅越えると吹雪になり、車両は白い簾に覆われた。外の物どもの遠近や輪郭がわからなく
なり、起伏を持った雪原に投げだされたようになる。陽も弱まり、空に穴を開けたようになると、光に正対していた客達
には影がおち、瞬間、険相が浮かびあがった。車窓の景色にあてられ、底の方へ寒さが忍びこんできたとでも言いたげな
面相だ。
 街中を抜け、橋にかかったらしい。雪の幕にまぎれた浅い川が見え、白んだ中に黒々としたものが滲んでいる。岸の草
木も粉吹いていた。あそこで殺人を為せば暴かれなそうだな、と思う。
 不意に出た剣呑な考えに、腕が強張った。
 まず、こう視界が悪ければ、傍目には何をしているのかわかりはしない。次に、吹雪のうなりや流れる川音に助けられ、
声を上げられようと聞こえはしない。そして、血を噴こうと腐臭が立ち込めようと、嗅ぎつけられはしない。五感の内、
三つが塞がれている。きっと残りの二つも弱まり、思考もにぶくなっている。虫の知らせめいたものもなくなる。
 当事者のほうでも変わりはしない。あたりは霞が立ちこめたように薄らいでいる、耳は轟きでうずめられ半ば聾唖じみ
てくる、体に入りこむ空気は味気ない、分別も理性もかじかんでくる。前後不覚の、狂奔に近づいていく。そんな中揉み
合いになれば、これはただの喧嘩か、はたまた乱痴気騒ぎか、それとも男女のまぐわいか、見当もつかない。
 やってしまえばすぐに跡は消え、こもった熱も失せゆく。残骸は雪に埋まる。本当にやってしまったのかどうか。夢か
幻でも見ていように、心はうつろになる。あげく、なにもかも麻痺しているためか、己の所業かさえもわからなくなる。
198月光3/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/01/30(日) 23:44:06.24 ID:4BBxbjGD0
 とめどない妄念に憮然としていると、三つ目の駅に着いた。乗降が終わると、上下列車行き違いのため何分か待つこと
になった。反対方向の車両もまた、雪で遅れているそうだ。車内から、溜息がもれる際のゆるい圧力が感じられた。

 駅を越すにつれ、雪の波は粒立ったようになり、弱まりつつあるとわかった。が、車両の速度は中々上がらなかった。
 結局、目的駅にはダイヤよりも三十分ほど遅れて到着した。刻限には余裕があったが、どこで暇をつぶそうにも半端だ
ったため、待ち合わせの喫茶店に向かった。駅前は着雪していたが、降りてくるのは粉が舞うほどになっている。
 店に入ると、先方と折りよく落ち合えた。中年の男と、若い女だった。出会い頭の愛想笑いが、同じ寒さを抱えたこと
への仲間意識にも感じられた。刻限の意味もなくなったので、雪への愚痴も少々に打ちあわせをはじめることにした。
 二時間ばかり仕事にまつわる話をした後、昼時に近くなったので、飲食店に入った。
 飯を平らげとろとろとしていると、男が昨今の不況だか悪情勢だかの話を持ち出し、何の拍子にか、女が音大出身であ
るという話に移った。訊くと、ピアノをやっていたという。二十半ばの年頃で、輪郭はやや下膨れているが、目鼻立ちは
はっきりしている。黒く長い髪をたらし、背筋を伸ばした姿勢から何からが利発そうに見える。実際、なかなかに弁が
立った。卓下に隠した指の長さが思い浮かべられた。
「ちょっと、手をみせてもらってもいいでしょうか」
 女が膝から手を出すと、すべての指がそりあがり、錯覚か、桃色の爪が伸びあがってくるように思われた。卓に広げた
指は白く、すべての節がくっきりと浮きあがって、竹にも比せられそうだった。
「お綺麗ですね。まだ、やっていらっしゃる?」
「いえ、卒業と共にやめました。全く違った仕事に就く以上は、それくらいの踏ん切りはつけるべき、というか」
 点数をとろうとしてからに、と男にたしなめられていても、指だけは伸べられている。震えもせず、今にも甲から離れ
てしまいそうだった。
 果たして、夢でもこんな指をもっていたものか。己の手をちらと見ると、かさついて皺ばんでいたので、げんなりした。
「弾く真似だけでもやってもらっていいでしょうか」
 女は迷いを見せつつも、指を丁寧に折り曲げ、ふわりと持ち上げた後、卓の木目を押しこみ引きこみしてみせた。丸ま
った甲と指で何かを包むようにしている姿が、正常とは知りつつも、どこか平仄が合わない気がした。
「やっぱりそうなんだ。こう、指を伸ばして弾くわけではないんですね」
「そういう弾き方もありますよ。ただ、基本的には曲げて弾けと教わるんです。曲げて弾くのは筋肉が収縮しやすいから……」
「スピードが出るんだろう」男が口を挟んだ。
「はい。それで指を伸ばして弾くのは、それだけ力を抑えることにもなりますから、音色に抑揚をつけられるんです。も
っとも、伸ばしてもスピードを出せる人もいるにはいますけど、みんな最初は曲げて弾くはずです」
199月光4/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/01/30(日) 23:45:53.09 ID:4BBxbjGD0
 夢の姿を思い浮かべてみた。背をそろりと曲げ顔もそのままに、鍵盤に対して全身を水平に近づけ、ピアノへ身を乗せ
るようにしている。これは、指を伸ばしていた方が平仄が合う気がする。
「先生、ひょっとしてピアノにご興味が?」
 男に訊かれ、はにかみながら首を振った。ないとは言いきれない。ただ、年甲斐もなく、といったものか、分不相応と
いったものか、そんな心が邪魔をした。
「あれだろう? クラシックっていうのは、楽譜を自分なりに解釈して弾くんだろう」
「いえ、基本的には原典に忠実、楽譜の命令の通り演奏するよう教えられるんですよ。そういう原典主義も教師の解釈だ
ったりするんですが、まあ、自己流のアレンジはプロになってからですね。たとえプロでも、アレンジは嫌われますが」
「なんだ、そうか。でも、先生だったら深みのある解釈で、素晴らしい演奏をご披露してくださるだろうになあ」
「いや、その前に技術が追いつかない」
「いえいえ。文学を読むように、ベートーヴェンやショパンの心情を忖度しながら、ね」
 はしゃいで話す男は、すでにピアノを弾く文学者の姿を思い浮かべているらしい。朝に原稿を仕上げ、昼間にピアノを
たしなみ、夜は書物にふける。原稿と書物に向ける目と背が、そのままピアノにも乗り移り、どちらの世界でも自在に創
りあげてみせる。うらやましいものだ。想像するだけでも恥ずかしい。それこそ、夢中の人である。
「そういうピアニストも、いるにはいるんだろう? 俺がベートーヴェンやバッハの本質を知ってるんだ、って」
「相当奇抜な人ですけどね。元々楽譜は覚書のようなもので、作曲家は本当の心情を譜面には仮託できない。そう言って、
原典をわざと歪曲しながら演奏する人もいます」
「裏読みというやつですか」
「そうですね。作曲者のように演奏する、と言ったほうがいいかもしれません。あるいは、作曲者に成り代わる、というか」
「楽譜に自らの身をゆだねて、その世界にひたりつつ、自分なりに新たな世界を作りなおす、といった感じでしょうか? 
違うかな」
「いえ、間違ってはいないと思います。私は、そんな域に行ったことがないので、わかりようがないんですが」
 利発そうな表情と口調が、濁ったように感じられた。
「もしくは、これしかないと思われていた世界の裏側を暴きだす」
 独白のように言ってから女の顔を見直すと、目だけが心持ち横にそむけられていた。じっと見ても、その様子は変わらな
い。もしかしたら、立ち入りすぎて傷口めいたものに触っていたのかもしれない。
「なにか、いらない詮索をしてしまったでしょうか」
 女は目を剥いて、それから顔をひきつらせ笑った。それを見て、男の方も気付いたらしく、口を挟んだ。
「まあ、なんといいますか、職業病というやつですよね」
「いや、だからといって言い訳にはならない」
200月光5/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/01/30(日) 23:47:00.76 ID:4BBxbjGD0
 女は構うことはないと応えたが、ふと、男が時計を見た。店に入って小一時間経ったらしい。それにかこつけてか、会
計を済ませようと言い出した。女は頷こうかためらっていたが、男に従うことにしたようだ。最後に打ち合わせたことの
確認をして、店を出た。
 扉を開け外にでると、二人は会釈をしてきた。女のほうが、すこしく深いように見えた。

 帰りの車両では座ることができた。外は雪もふらず、ほの白く染まった街並みが流れるだけになっている。客もややぼ
んやりとしながら、腰を深く落ち着ける姿が目立った。それにまざって椅子にもたれ、車窓のほうを見つめていると、女
のことが気になった。
 あれこれと想像したが、愚にもつかない考えばかり浮かんでは、すぐに消えた。いずれも、他人の経緯をほしいままに
作り変えている。妄想を繰り返して、悦に入っている。職業病というには、こちらのほうが近い。そうして残ったのは、
おのが軽率を恥じる心だけになった。
 降りてからもそうした思いはなずんでいる気がした。家に帰ってもそればかりが気にかかるだろうから、街中を歩き気
を紛らわせることにした。
 雲間から太陽が見えている。雪はそこそこに片付いていて、人や車の通りも繁くなり、いつもの喧騒が戻っていた。書
店の通りに向かおうとしていると、角のところにCDショップが見え、ちょうど良いと思って入ってみた。
 店に入ると、大音響に耳をうずめられた。眉が思わずひそみ、すこし気後れがした。同時に、何がちょうど良いのだろ
う、と思い、先ほどまで確かだったはずの判断が、途端に揺らぎはじめた。女のことを詮索しなおすつもりだったのだろ
うか。クラシックを聴いて、夢景色を精査するつもりだったのだろうか。そうしたところで、どうなるものか。
 店から出ようとも思ったが、冷やかしが目的だったようで気が引け、そのまま奥のほうへと向かった。
 クラシックの棚に着き、作曲家ごとにケースが陳列された在り様を見て、横好きだけでもしておいてよかったな、と思
った。名前にも見覚えがあるし、どんな曲が入っているかも見当はつく。
 もし造詣がなく右往左往する羽目になったら、どうなっていたものか。やみくもにケースを手に取り、わざとらしく首
を傾げる姿が浮かんでくる。ただでさえ間違いを犯しているのに、その上に滑稽を重ねているとしたら、これはもう狂奔
に近い。恥の上塗りだ。自覚がないだけで、分別もつかないまま剣呑な方に立ち入っている。理性に基づいて動いている
と思い込んでいるから、なおのこと危うい。実は空白のまま阿呆じみて動いているか、あるいは、新たな己によって動か
されているだけなのに。
 憮然とし立ちすくんでいる自分に気付いて、ひとまず棚へ手を伸ばした。そこそこに安く、ピアノ曲の有名どころがあ
つまっているオムニバスがあった。遺作のノクターン、ジムノペディ、ゴルトベルク変奏曲。なじんだタイトルであると
確認できた。若年の客にまざってレジに並び、それを買った。
 店を出ると、灰色がかった様子に目をまばたかされた。陽が雲にかくれたらしい。
201月光6/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/01/30(日) 23:48:43.40 ID:4BBxbjGD0
 家に帰ったのは夕時で、軒下の影が薄まりつつあった。戸口に郵便物がないのを確かめ、中に入るとすこし和らいだ空
気が迎えてくれた。居間に入ると妻がこたつに入ってテレビを見ていて、友人から電話があったと伝えてくれた。折り返
せとのことだったので、電話をかけると、今度はあちらが留守だった。メッセージを吹き込むよう求められたが、どうせ
いいだろうと切ってしまった。
 それから部屋に入り、飯時まで本を読みながら、買ってきたCDを聴くことにした。耳になじんだ曲ばかりだったから、
はじめのほうはまともに聴きもせず、本の方に集中していた。
 三十分ばかり聞いた頃、娘が帰ってきたらしく、高い声が壁のほうから聞こえてきた。音楽を流したままにし、部屋を
出たところ、娘と出くわした。やりとりを交わすと、娘は自分の部屋の方に行った。台所のほうに向かいながら、ピアノ
を習わせようとしたこともないよな、と確かめるように思い出していた。
 部屋に戻ってくると、ちょうど曲の変わり目で、まもなく遅いテンポの曲が流れてきた。抑えられた三連符が響き、そ
れに支えられて、高音がはずんでくる。高音は三連符にとけこみ、短い平穏をはさんだ後、もう一度高音が降りてくる。
三連符はやや高くなり、それにつれ高音も階を上っていくが、やがて互いは元の音階へもどっていく。
 ベートーヴェンのピアノソナタ『月光』第一楽章だった。椅子に座り、机に肘をついて、聞き入った。
 抑制のついた三連符は低く息吹くようにつづき、それにつれて肘や腰は気だるさをたくわえていった。三連符は決して
高音に導かれることなく、穏やかなリズムを保ちつづけている。喉がつられて震え、おのずと瞼も落ち、白んだ光が覆っ
た後、黒と白が混ざり合った視界がおとずれた。そこには、己の後ろ姿がよろぼい歩いている。足場も、道しるべも、行
く先の見当もない所を揺らめいている。その姿は、森林をさまよっているようだ。しかし、当人の気分は朗らからしい。
さまよってもいいと思っている。見当もつかない闇に身をとけこませ、むしろそれと同化しようとでもしている。
 『月光』は少しばかり高音が勝りはじめてきた。それにつれ、よろぼい歩く姿は足を速め、何かを言わんとしている。
迷っていると思う内は、自分に執着している。帰るべきだと思っているから、迷う。抜け出せるか、帰れるかはどうでも
いい。闇に身をたゆたわせるこの瞬間を逃さず、快さの極地に達そうとする。その方が重要だ。そう言いたげだった。
 また、三連符が耳立つようになる。高音がはずみ、またとけこんでは、再度降りてくる。三連符は、最後まで崩れるこ
とはない。高音は消え、三連符のゆらめきだけが残る。よろぼい歩く姿は流されて、遠くへだたったところへ向かう。
 『月光』が終わり、次の曲が流れた。瞼を開けると、部屋は暗がりになっていた。巻きもどして、もう一度『月光』を
再生した。同じ三連符からの出だしだ。瞼を閉じ、高音を待ちうける。高音が弾む。しかし、何も見えてこない。頭はお
のずと揺らめくが、最後まで曲を聴いても、視界には何もおとずれてこない。妻の呼ぶ声が鳴りわたった。夕飯らしい。
 飯を済ますと、部屋に戻って電気を消したまま、もう一度『月光』を聴いた。同じく肘をつき、椅子に深く腰かけ、瞼
を下ろす。だが、何も見えてこない。もう頭も揺らめかない。どこで高音が階を上げるのか、どこで元の三連符に戻るの
か、大体見当がついてきた。瞼を開けて、あきらめて風呂に向かった。
 その夜は、夢を見なかった。
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:49:58.67 ID:4BBxbjGD0
まとめが惨状を呈していた。寝る。
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:50:33.68 ID:aVIFBqLy0
では規制者スレから転載します。
さるとかあると嬉しいです。
204【品評会用】 Don't Cry (1/5) ◇QIrxf/4SJM:2011/01/30(日) 23:51:15.56 ID:aVIFBqLy0
 ◆

 煙草が無かった。こまめに買い足したりしているくせに、大事なときにはいつも切ら
している。煙草とはそういうものだ。
 僕はセブンスターの空箱を握りつぶすと、ごみ箱に放り込んだ。部屋を綺麗に片付け
て、ごみ出しに行ったばかりだった。
「やっぱり、うまくいかないもんだな。」
 外は生憎の雨模様だったが、それでも買いに行くことに決めた。最後の一箱である。
 僕はクローゼットの中からPコートを取り出して羽織った。玄関に整然と並んだ靴の
中から、一番雨に強そうな合成樹脂のブーツを選んで履いた。傘立てから一本引き抜い
てドアを開ける。
 鍵をかける必要は無いだろう。どうせすぐに帰ってくる。
 コーポの二階端から、三つの扉を素通りする。小気味よい足音を鳴らして、鉄の階段
を下りる。小雨が降っていた。
 ビニール傘を差してみると、雨の叩く音がする。そればかりが耳に入ったので、舌打
ちをした。
 人間には、耳からそう遠くない位置に心臓という大きなポンプがあるのだから、脈を
打つ音が聞こえないはずがない。とくんとくん、僕は聞こえないふりをしていて、心音
にかき消されたはずの音を補正している。それは、僕にはどうにもできないことだった。
集中力が欠乏している。
 煙草をよく買いに行く小さなお店は、僕が小さい頃に通った駄菓子屋でもある。店の
おばちゃんは僕のことをよく覚えていてくれて、ここに戻ってきて唯一よかったと言え
るのはそれくらいだ。太っていて豊かな体つきの彼女は、恥ずかしながら、僕の幼さゆ
えの過ちというものをよく知っていて、しょっちゅう話してくる。僕は喉のあたりを見
つめながら、目を合わせているふりをして聴くのである。
 途中の公園にさしかかる。隅に並ぶ木々の間には、大きな時計がある。
 僕はそっちへ視線を送ったが、時間を見る前に、ジャングルジムに目が止まった。
 雨が降っていて、少し肌寒くもあった。思わず足を止める。
 ジャングルジムのてっぺんに、雨合羽の子が一人座っていたのだ。黄色いゴム長靴を
履いている。僕に背を向けて、時計の方を見ている。
205【品評会用】 Don't Cry (2/5) ◇QIrxf/4SJM:2011/01/30(日) 23:52:06.36 ID:aVIFBqLy0
 なんとなく公園に入る。
 地面にはたくさんの水溜りができていて、避けるのも一苦労だ。無数の雨粒が波紋を
作る。ぬかるみにソールが埋まる。
 切妻屋根の下に椅子があったので、傘を畳んで腰掛けた。
 男の子はじっと時計を見ていた。分針が時々動く。
 僕は彼に声をかけた。
 男の子は僕を見た。それから空を見上げて、しばらくすると時計を見る。雨に濡れた
手で顔を拭ったりしている。
「こっちに来て雨宿りしようよ。風邪を引くだろう」
 何度か声をかけて、男の子はやっとジャングルジムを降りた。
 下を向いて水溜りを踏むように歩いて近づいてくる。
 男の子は僕の隣に腰掛けると、椅子に両手を突いた。俯いたまま深く座りなおし、足
をせわしなくばたつかせる。フードに隠れて、顔は見えなかった。濡れた髪の毛と雨合
羽のふちから、水滴がぽたぽたと落ちている。
「時間が気になる? 見ないほうがいいよ」
「お兄さん、腕時計してないし」
「いいのいいの、時間なんて知らないふりをしていれば、気づいたらあとちょっとにな
ってるから。過ぎてることもある」
「ふうん」
「ねえ、泣いてる?」
「泣いてないよ」
「知ってるさ」と知らないふりをした。
 男の子は時計を見ようとして顔を上げたが、すぐにまた俯いた。
「引っ越すんだ。パパが死んじゃったから、おばあちゃんのとこに行くの」
「そっか」
 そこで会話が終わると、急に雨が強くなったように感じた。ため息を吐く。
 煙草を買いにも行きづらい雰囲気だし、彼の揺れている長靴を見たり、水溜りに落ち
る雨粒を見るのも別に退屈ではなかった。
 ふと、部屋の本棚を整理したとき、何を何の順番で並べたのかが気になった。たぶん
出版社をまとめて題名のアイウエオ順で整頓したはずだ。どうでもよくなった。
206【品評会用】 Don't Cry (3/5) ◇QIrxf/4SJM:2011/01/30(日) 23:52:51.90 ID:aVIFBqLy0
「わかった、誰かを待ってるんだね。バイバイするために。女の子?」
「ちがうし! ママとおじさんが引越しの準備してるから、外で遊んでなさいってさ。
トラックで迎えにくるんだ」
 慌てふためく姿を見て、僕は少し頬を緩める。
「お兄さんこそ、何してるの」
「煙草を買いに行こうと思ったんだけど、雨が酷くなったから休憩。最後の一箱にするさ」
「禁煙?」
「別にそんなつもりじゃないけど、最後の一箱にしようと思って。本当は一本でいいん
だ。最後の一本だけでいいんだよ。一本だけ二十円くらいで売ってくれるなら、そうす
るんだ」
「そうやって吸い続けるわけかあ」
「決断力を甘く見ないでよ」と僕は笑った。
 駄菓子屋の煙草屋のおばちゃんは、かなり年を食った。そろばん塾の帰りに、するめ
いかをかじりながらお菓子を物色するのが楽しみだったのを覚えている。今はなんとな
く煙草を買いに行く。
 僕は上着のポケットに手をいれて、すぐに出した。鼻がむずむずとして、それが上が
ってきて、指先で眉間に触れた。
「あ、今煙草を探したでしょ」
「ちがうし!」
「ねえ、見て」そう男の子は言って、長靴を脱いでひっくり返した。
「随分溜めたね」
「こっちも」彼はもう一方の靴に溜まった雨水を捨てて、履きなおした。「パパが死ん
だからって引越しするのは何かイヤだよ。引越しなんかしたくない」
「世の中うまくいかないことばかりさ」
「最悪」
「引越した先でも嫌なことはいくらでもあるし、大して変わんない」
「だよね。ママはわかってくれないんだ」
「ちょっとくらいいいこともあるけど」
「でもやっぱり、イヤなんだよ。この公園好きだし。今は引っ越すしかないけど、大人
になったら戻ってくるんだ。絶対に、絶対に――」
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:53:17.64 ID:RgNkCL70O
さる
208【品評会用】 Don't Cry (4/5) ◇QIrxf/4SJM:2011/01/30(日) 23:53:32.56 ID:aVIFBqLy0
「泣くなって」
「泣いてないってば」
「じゃあ、恋だね。ちょっと、僕に聞かせてみなよ」
 男の子は少しふくれっ面をしたが、大きくため息をつくと、俯いて話し始めた。
「お兄さんの言うとおりだよ。ぼくは待ち合わせをしてるんだ。四時にこの公園で会う
の。でも、ママが迎えにくるってのは嘘じゃないよ」
「やっぱりね」ピュアなもんだ、と僕は言おうとしたが、恥ずかしさが込み上げてきた
のでやめた。かわりに自分のうなじに触れた。ばっさり切った一ミリくらいの襟足を、
指先でなぞると気持ちがいい。
「こんな雨だけど来てくれるのかなあ」
「来てくれるよ。僕は知ってるもの。逃げ出そうとして大失敗さ」
「世の中はクソだ」
「そうかもね。だけど、その結論を出すのは、きみにはちょっと早すぎるよ」
「だって、パパが死んだからって引っ越すなんて最悪だよ。ママはそういう人なんだよ。
ぼくはぼくで、きっとパパが死んで悲しいふりをしてるんだ。最低だよ」
 目を擦った。足を組みなおす。「そういうことは言っちゃだめだ。実感するときが来
る。知ってる」
「エラソーに。大体、ぼくに早すぎるんだったら、お兄さんにだって早いし」
「そうかな。それならもし、僕が五十歳のおじちゃんだったら?」
「まだ少し早いんじゃないかな。おじちゃんってところが」
「じゃあ、七十だったら?」
「それはなんか、遅すぎるかな」
「六十くらい?」
「うん、きっと丁度いいんじゃない」
「ふうん」
 雨が滝のようになっていることに気づいて驚いた。それでも時計は見える。
「ほら、時間。四時まであと十分だ」
「ほんとだ」
「別にじいっと時計を見続けてもいいけどさ、屋根の下にいなきゃだめだよ」
「わかった。でもどうして?」
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:53:47.83 ID:tbV55PwqO
210【品評会用】 Don't Cry (5/5) ◇QIrxf/4SJM:2011/01/30(日) 23:54:17.64 ID:aVIFBqLy0
 僕は知らないふりをして笑った。
「さて、お邪魔にならないよう、失礼するとするかな。傘を置いていくから使ってもい
いよ。雨に打たれて、風邪引いて酷い目にあうんだし」
「六十才になったら、結論を教えてね。あ、あと禁煙」
 ベンチから立ち上がって、切妻屋根を出ると、強い雨が僕に降り注いでくる。
 そうっとぬかるみを歩きぬけて、公園の出口に立った。煙草屋に向かおうとしたが、
男の子が見ていることを思い出し、すぐに家の方へと向き直って歩き始める。
「絶対だよ!」
 ずぶ濡れの女の子とすれ違う。
 はなを啜った。もうすっかり思い出していた。今日が雨でよかった。

 ◆

 家に戻り、僕はまずブーツを脱いだ。随分とびしょ濡れになったものだ。上着は玄関
に置いて、廊下を進みながら、ぺたんこになった髪の毛をかき上げる。
 いつも置いているはずのタオルが、流しに無かった。
「そういえば、そうだった」
 僕は後ろを向いて、ドアノブに引っ掛けていたタオルに手を伸ばした。
211クジラ12号1/5 ◇InwGZIAUcs:2011/01/30(日) 23:54:58.73 ID:aVIFBqLy0
 大海原をたゆたう黒い影、いや、黒い塊があった。
 どこもかしこも爽やかな青色で塗りたくられた世界が、空に重なる入道雲の白さを引き立てている。
 そんな景色に異色があるとすればリーナという少女だろう。黒い服に黒い帽子を身に纏う緑の髪を携えた少女は、
黒い塊の上でこの場にそぐわない、そう例えるなら王国の図書館にありそうな豪華な椅子に座っていた。
白いパラソルの下、彼女は本を読みながら嘆息をしてみせた。
「時にクジラ12号よ……こんな調子でミサ(魔法使いの集会)に間に合うのか?」
 リーナは誰にでもなく呟いた。やがて、その言葉に呼応するように椅子とパラソルが震えた。
「まあまあご主人様。あと一回ずつ夜と昼を迎えた後、辿り着く予定ですよ」
 応えたのは黒い塊、そう、クジラであった。
「ふむ、毎年毎年気が進まないな……」
「ご主人様はもっとたくさんの魔法使いと交流を持ったほうがいいですよ?」
「使い魔が過ぎた言葉だな」
 そう言ってリーナは再び厚い本のページをめくる。
 この毎年全世界から集まる魔法使いが集まる『ミサ』。参加は魔法使いの決まりとはいえ、集会に飽き飽きしていたのだ。
研究結果の発表、交流会、魔法比べなど、全世界を混乱に陥れる事を考えていた時代と比べると幾分丸くなっており、
果たして参加する意義があるのかと疑問と不満がリーナには渦巻いていた。
(それでも、今回は、いつもと違うものにしてみせる……)
 クジラ12号は黙って思案する。
 このままでは魔女リーナは一人ぼっちで一通り世界を呪い通したあと、歴代の大魔法使いの一人としてその墓標に名を刻むだろう。
しかし、そんな彼女の死を悲しむ人はいるのだろうか? 世界に仇をなす魔女が死んで喜ぶ人こそいるかもしれないが、
リーナという故人を想う人はいるのだろうか? と、使い魔にしては、クジラ12号はかなり先を見越した事を考えていた。
(だから……今回のミサでご主人様に彼氏を作るのが僕の仕事なのだ!)
 背で淡々とページをめくるリーナの下では、彼女の身を案じて燃えに燃える使い間がいることに、当の彼女は気づいていない。


 スルブリンガル島は潮の流れが複雑で、偶然に辿り着く事が出来ない島となっている。
 普段は無人島で、野生の動物が主であるこの島は、今日だけその座を魔法使い達に譲ることになる。
 リーナの目に入ったのは怪しい光を放つ城塞――のように見える島そのものであった。
「ふむ、クジラ12号よ。一日したら戻る……それまでここらで待っていてくれ」
「あいあいさー」
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:55:14.19 ID:tbV55PwqO
サレ
213クジラ12号2/5 ◇InwGZIAUcs:2011/01/30(日) 23:55:39.41 ID:aVIFBqLy0
 リーナは何処から取り出したとも知れぬ箒に跨ると、フワリと浮き上がり、島の方へと飛んでいった。
「ここらね……島の中でもいいんだよね?」
 ボソッと呟くクジラ12号。それと共に彼が潮を噴くと、その潮が七色の光を放ち、くじら12号本人を包み込む。
 眩い光が一瞬、その後にはクジラの巨体は無く、一人のフォーマルなスーツに身を包んだ青年が浮いていた。
「っふふふ、この姿でミサに潜り込んで――って、ぶ、ぶはああぁ!」
 魔力を失い、浮力をなくした青年バージョンクジラ12号は、まあ当然の如く重力に引かれて海に落ちた。
「ちょ、だ、誰か助けてー!」
 クジラ12号自信ビックリするほど体が思うように動かせず、クジラが溺死とか笑うに笑えないとか思っていると、
バタつかせていた手を誰かに掴まれる。一瞬何が起きたか分からずクジラ12号は目をぱちくりさせた。
「あの、大丈夫ですか?」
「へ?」
 掴まれた腕だけで全体重を支えていない奇妙な浮力を感じる事。そして、杖に跨り黒いロープを身に纏ったその姿。
くじら12号はその手の持ち主が魔法使いだと気づいた。そしてその顔が見えた瞬間、彼の脳はもっと別の事について
フル回転していた。
(この人だ……この人だ!)
 暗がりの中見えた横顔はとても精悍な顔つきが伺え、何より困っている人を助けるというその優しさ、
そして他人を一緒に運んでいるにも関わらず安定間のある魔法の手腕。何処をとっても申し分がない。
(ご主人様に相応しいのはこの人だ!)
「あのー、大丈夫ですか?」
 同じ言葉を投げかけられ、我に返るクジラ12号。彼は些か困った顔をしていたが、それはクジラ12号を心配しての事だろう。
「あ、はい! ありがとうございます!」
「あんな所で水遊びしていたら危ないですよ?」
「あ、いや、そうですね……本当にありがとうございます」
 一安心した魔法使いはニコッと笑うと、自己紹介をした。
「僕の名前はリノ。君はなんていうんだい?」
「えと、僕は魔法使いの見習い……えーと、くじ、うん、クジっていいます」
「面白い名前だね。君も『ミサ』にでるんだよね? もし良かったら一緒に行かないかい?」
 それはクジラ12号にとっても願ってもないお願いだ。当然彼は首をぶんぶん縦に振る。
「オーケー! じゃあこのまま島に向うよ」
 そういって杖を走らせるリノ。
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:56:16.36 ID:tbV55PwqO
さらんか
215クジラ12号3/5 ◇InwGZIAUcs:2011/01/30(日) 23:56:30.22 ID:aVIFBqLy0
 クジラ12号は夜の潮風に撫ぜられながら、期待半分不安半分の胸の内を明かす事無く、
リノをリーナの彼氏にする事を決意するのであった。

 ランタンに灯をともす油の匂い。目も覆いたくなるほど鼻につく腐敗臭。時折混じるどこか蠱惑的なお香の薫り。
クジラ12号は慣れない五感の一つを強烈に刺激され、顔をしかめた。
「うーん、いつになっても慣れません」
 隣でクジラ12号の気持ちを察したリノが、下り調子の彼の気を紛らわそうと、視線を促した。
「相変わらずの人いりですね」
 確かに島は普段の静寂が嘘のように、様々な人間でごった返していた。全世界の魔法使いが集結しているのだから
当然ではある。それでも世界の人口数から考えると、多いのか少ないのかクジラ12号には分からなかった。
「僕『ミサ』に参加するのは初めてなんだ」
「おー、じゃあ今日は僕がご案内致しましょう」
 正に棚ぼたとはこの事である。クジラ12号がそう思った事は言うまでもなく、リノにここぞとばかりに質問を浴びせた。
「まるでお祭りのようですが、皆さんここで何をしているんですか?」
「そうですね、勤勉な魔法使いは研究の発表、腕に覚えのある人は魔法武術会に参加して日々の努力の結晶を実らせています」
「じゃあやる気がない人は、どうしてると思います?」
「それはどうだろう? このお祭りだから楽しんでない人はいないと思いますけど……」
(なるほど、ご主人はそこらへんをうろうろしてるに違いない)
 リーナの行動パターンを巡らせつつ、クジラ12号は、いよいよ計画を行動に移した。
「ところで、魔法使いリーナって名前ご存知ですか?」
「リーナ? もちろん知っていますよ」
「そうですか! ご存知ない! 彼女は魔法使いの中でも一際美しく、とても優秀でって、ええ! 知ってるんですか?」
 目を見開くクジラ12号に、リノは微笑んでみせる。
「ええ、ほらあそこ見てください」
 彼が指をさす方向には、一際人が集まるブースがあった。小高い丘の上で台に乗って堂々と何かの演説? をしているのは、
当のリーナだったのだ。
「え? え? ご主人……」
「今回何か凄い研究の成果がでたんだって聞いてますよ。憧れてしまいます」
 あのやる気の無かったご主人が何故という疑問で呆けるクジラ12号は、ただただそのブースを眺めていた。
 同じくどこか遠い眼差しでリーナを見つめるリノに気づいた時、クジラ12号は思わず呟いた。
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:56:59.84 ID:4BBxbjGD0
さる
217クジラ12号4/5 ◇InwGZIAUcs:2011/01/30(日) 23:57:12.18 ID:aVIFBqLy0
「あの。ご主人、いや、リーナの事どう思います?」
 どこかキョトンとしてみせるリナ。相変わらずの爽やかな微笑みに一筋の意地悪さを混ぜて、リノはこう返した。

「ん? クジさんはリーナさんをどう思っているんですか?」
 
 さらにクジラ12号の頭は混乱した。
「どうって、いつもクールで、格好よくて、憧れてて……でも冷たくて、いつも一人で、実は寂しがりやで……ってごめんなさい、
僕はもう自分でも何言ってるか――」
「ああ、クジさんはリーナさんが好きなんですね?」
「ええええ、何でそうなるのかってリノさん僕はリノさんと、リーナが恋人になってくれれば良いと思っていて……」
 いつの間にか目を回し、その場にへたり込むクジラ12号。ちょっとイジメすぎたと反省したリノは、彼に手を貸す。
「それは無理だよ」
「へ?」
「だって僕女の子だもん」
 声にならない悲鳴を上げたのはクジラ12号。超音波くらいなら出していたかもしれない。
自分の今までの苦労? は水の泡と消えて行き、計画はまた一からやり直し……。彼は正直立ち直れる気がしなかった。
「もし力になれるなら……話を聞くよ」
 クジラ12号は涙を流しながら全てをリノに吐き出した。


「なる……ほど」
「僕はもうすぐ死ぬから、だから……」
「確かに使い魔の寿命は生命力を使う分短命だから、自分が死ぬ前に誰かリーナの側にいる人をか……」
 クジラ12号。1号から11号の死を彼は知らない。でも、それまでの十一回の別れが、彼女に辛いものであったに違いない。
普段はクールにしていても、実は人情家であることを彼は知っている。
 短命すぎるが故の苦悩。クジラ12号は死ぬ事が怖いのではない。ご主人と会えないのが怖いのだ。
「だとしたら、うん、君達は本当に良いコンビだと思うよ」
 一通り思案していたリノが、ニコッと微笑んで、クジラ12号の手を引いた。
「さあ、行こう!」
「え? 何処に?」
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 23:57:42.52 ID:tbV55PwqO
サルバトーレ
219クジラ12号5/5 ◇InwGZIAUcs:2011/01/31(月) 00:01:12.23 ID:fGHlcjEOO
「決まってるじゃないか!」
 最初にクジラ12号を助けたように、リノは杖に跨り空を翔る。
 人ごみの頭上を通り抜け、リーナのブースの中央に舞い降りた。
「やあ、リーナさん。初めまして」
 他人の目など気にする様子もなく、リノは堂々と胸を張る。
 当のリーナも、それがまるで当たり前であるかのように憮然と、挨拶を返した。
「初めまして。ふむ、できれば今研究の発表をしているところなのでな、後にしてくれないか……って、お前は?」
 リノの後ろに隠れていたクジラ12号を見て、リーナは訝しげな声を投げかける。
 当然青年の姿に変身している事など、リーナは知るはずも無いのだが、ここはやはり使い魔と主人の切っても切れぬ関係。
リーナは一瞬で見抜いたようだ。
「待ってろと言ったのに……クジラ12号。お前はここで何をしている?」
「まあまあ、リーナさんの研究成果の発表に、実は欠かせないじゃないですか?」
 ふん、とソッポを向いた反対方向に、こう書かれた垂れ幕が下がっている。

『使い魔延命魔法完成! 研究報告』

 人前にもかかわらず、クジラ12号はまた泣き出したのだった。

 終わり
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:02:59.99 ID:fGHlcjEOO
現在、週末品評会252thの投票受付中です。今回の品評会お題は『♪』でした。
投稿された作品は■まとめ http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1296310107/ にてご覧頂けます。
投票期間は2011/1/25(火)24:00:00までとなっております。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
(投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません)

******************【投票用紙】******************
【投票】: <<タイトル>>◆XXXXXXXXXX氏
               ―感想―
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               ―感想―
気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
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携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。 
時間外の方も、月曜中なら感想、関心票のチャンスがあります。書き途中の方は是非。
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:04:55.05 ID:tbV55PwqO
志半ばにさるった転載人の御冥福をお祈り致します
お疲れ様ですた
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:05:16.49 ID:f2D4lJJxi
おつ。
最後一気に増えたね。
明日にしよっと全感。
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:06:10.21 ID:L98P8FHc0
乙である
224月光0/6 ◆XdfFerW0PE :2011/01/31(月) 00:11:33.65 ID:T4Q+PfFP0
時間外だけど
品評会作品です
225月光1/6 ◆XdfFerW0PE :2011/01/31(月) 00:12:25.41 ID:T4Q+PfFP0
「なあ、お前聞いた?」
「何を?」
僕が友達からこの学校で流行り出した怪談話を聞いたのは、お昼休みの事だった。
「だから、最近、音楽室に幽霊が出るらしいんだよ、お前知らないの?」
「ああ、全く知らない、どんな話?」
「良くは知らないんだけどさ、ある日、何かの用事で学校に居残ってた奴が居たんだよ、で、相当暗くなってきたしそろそろ帰ろうとしてたんだ、すると、何処からともなくピアノの音色が聞こえてくる
まあ、夜も遅いし近隣の住民にも迷惑がかかると思って一言注意しようとしたんだ。
それで、まあ、ピアノって言ったら音楽室だな、で、音楽室前まで行ったんだ、やっぱりピアノの音が聞こえる。で、そいつが『よし、注意しよう』ってドアに手を掛けたんだ、
すると今まで散々鳴ってたピアノの音がピタッと止まったんだ。この時点で結構怖いよな、で、恐る恐るドアを開けてみると中にこの学校の制服きた女子が居てさ、凄い悔しそうな顔で
こっちを見てくるんだ、驚いたそいつはもう一目散に逃げ帰ったらしい。
噂だと、その女子はコンクール前に殺された人の霊で
自分の事を殺した奴が音楽室に来るまでずっとピアノを弾いて待ってるんだとさ」
226月光2/6 ◆XdfFerW0PE :2011/01/31(月) 00:13:31.05 ID:T4Q+PfFP0
「普遍的な、正に『学校の怪談』みたいな話だな」
「だな、でもそれが良いんじゃないか」
「でもさあ、きっと作り話だろ? それ、まず第一に 描写が細かいのが怪しいよな、普通そんな細かく覚えてないぞ? 第二にコンクール前に殺されたって言ったけど、そんな殺人事件がこの学校であったなら誰だって知ってるだろ、知らないって事はそんな事は無かったって事だ。
つまり、この怪談は作り話だと僕は予想するよ」
「きっぱり言い切るなあ、そんなに言うなら今日、学校に残って確かめてみるか?」
「ああ、確かめてみるさ、どうせ幽霊なんて出て来ないんだから怖くないしな」
こうして、僕達は学校に残って確かめる事になった。
それにしても、音楽室の幽霊なんてありきたりなネタだなあ。
まあ、いいかどうせ出て来ないし、出て来たら出て来たで面白いし。
僕は基本的に幽霊を信じないタイプの人間だ
だから、肝試しも怖くないし、音楽室の幽霊も怖くない。
それよりも一旦落ちたら浮き上がって来ない日本の社会の方がよっぽど怖い気がする。
そんな事を考えて居ると、始業のチャイムがスピーカーから流れ出して来た。
今から約6時間後、幽霊なんて居ない、と言う考えは無惨にも打ち砕かれる事になる。
一人の、女の子によって。
227月光3/6 ◆XdfFerW0PE :2011/01/31(月) 00:14:33.22 ID:T4Q+PfFP0
午後6時
夜になった。
校内はしん と静まり返って何も聞こえる音は無かった。
しかし、音の代わりに月の光が降り注ぎ、校内を明るく照らしていた。
「よし、暗くなってきたし、そろそろ肝試しでもするか?」
「そうだな、でももう結構暗いのにピアノの音とか聞こえて来ないな、まあ怪談だし、そんなに期待してないけどな。それより寒いからさっさと確かめて帰ろう」
「怖いから言ってんの? それ」
「そんな訳無いだろ、一月だぞ? 寒いに決まってるじゃないか」
一月は寒がりの僕にとっては非常に厳しい季節だ、吐く息は白く霧散し、朝には霜柱が出来る、雪も降る、そんな寒い季節に学校に残るなんて
正気の沙汰じゃない、なんで僕は肝試しなんかすると言ってしまったんだろう。
よし、取りあえず音楽室に行けばすぐ終わる話だ。
すぐ行って、すぐ帰ろう
そして家に帰っておでんを食べよう
そうと決まったらすぐ行動だ
僕は隣の友達に向かって言った。
「寒いから早く行こう、家でおでんが待ってる」
「おでん? 何言ってんだ? お前、まあいいか、そろそろ行こう」
こうして、僕達の肝試しが始まった。
228月光4/6 ◆XdfFerW0PE :2011/01/31(月) 00:16:00.79 ID:T4Q+PfFP0
肝試しと言っても、目的地は音楽室と決まっている
しかし、この音楽室が遠いのだ。
この学校の音楽室は校舎の端に位置し、しかも五階建て校舎の五階にある。
音楽室、遠いなあ
だが、ここで逃げたら男がすたる
そんな事を考ながら階段を登り、五階に続く階段を登り切った時
ピアノの旋律が、聞こえて来た
何処かで聞いた様な、どことなく悲しく、そして、美しい旋律
そうだ、『月光』の第一楽章だ
こんな月の光が溢れるこの日にお誂え向きの曲だ
「な? 本当だろ? ピアノ鳴ってんじゃん」
そう隣で少し恐ろしげに言う友達の声を聞いて、我に返った
肝試しをしてるんだった、忘れてたな
と言う事はこの美しい旋律を奏でている人は、幽霊か
いや、そんな事は無いだろう
「ピアノ鳴ってたって鳴らしてる人が幽霊とは限らないだろ、ほら、あれだよ、きっと『夜中にピアノを奏でる会』の会員だよ」
「そんな会無ぇよ、しかし、怖いなあ、どうする? 本当に行くのか?」
ああ、こいつ本当は怖がりなのか
でもこいつがどうあろうと、僕は音楽室に行く
この美しい旋律をもっと近くで聞きたい
寒さはもう吹き飛んだ
「ああ行くよ、この旋律をもっと近くで聞きたいし」
そうして、僕は早歩きで、友達はへっぴり腰で音楽室に向かった
229月光5/6 ◆XdfFerW0PE :2011/01/31(月) 00:17:07.63 ID:T4Q+PfFP0
音楽室前に着いた
僕はドアに手を掛けてみるが、ピアノの音が鳴り止む気配は無い
友達は「なあ、帰ろうぜ?」とか言っている
無視してドアを音が立たない様にそーっと開けると
中では女の子がピアノを一心不乱に弾いていた
しかし、おかしい
女の子が、透けている
後ろでどさっと倒れる音がしたので見てみると
友達が恐ろしい物を見た様な顔で倒れていた
友達 リタイア
仕方がないのでピアノを弾いている女の子によって目を戻した。
やっぱり、透けている、幽霊か、本当にいたとは
世の中は不思議だなあ
まあ、美しい旋律を奏でている幽霊なら別に怖くないし、問題無いな
と、思っていると、突然ピアノの音が鳴り止んだ
女の子は眉間にシワを寄せ、何かを思い出している様だった
すると、僕がいる事にやっと気付き、ものすごい速さで近づいてこう言った
「ねえ、私を助けて」
230月光6/6 ◆XdfFerW0PE :2011/01/31(月) 00:19:21.06 ID:T4Q+PfFP0
彼女の話を総括すると、こうだ
彼女は音楽室に縛られた地縛霊だ、コンクール前に病気で死んで
気づいた時にはここに居た、彼女は音楽室から出られない
成仏するためには未練を晴らす、つまりコンクールの曲『月光』を弾き切る事
しかし、幽霊の記憶は希薄でもう第一楽章しか覚えていない
楽譜を探そうにも音楽室から出られない
そこに、僕が現れた、という事らしい
よし、やろうとしてる事は分かった
「目的は音楽室の隣の音楽準備室にある楽譜を取ること、だよね?」
「うん、そう、やってくれるの?」
「うん、いいよ、僕も続き聞きたいし」
「本当にありがとう」
しかし、開いてるかな、音楽準備室と思ってドアノブを回すが、予想外に開いた
この学校、杜撰だな、よし、あとは楽譜だ、これもすぐに見つかった
見つかった楽譜を彼女に渡す
彼女は、満面の笑みでピアノに向かい弾き始めた
月の光がさんさんと差し込む中彼女は弾き続けた
第一楽章は悲しく、美しく奏で、第二楽章は楽しく、第三楽章は激しく奏でた
しかし、曲調とは裏腹に、彼女の顔は晴れやかだった。
奏でているうちに、彼女の体が徐々に薄くなって行くのが分かった、これが成仏って奴か
第三楽章を弾き終えた時、彼女は居なくなった
残った物は、楽譜と月の光だけだった
僕は後片付けをして、友達を起こした
「おい、起きろ」
「え?……幽霊どこいった?」
「なに寝ぼけてんだ、幽霊なんて居なかったよ、帰るぞ」
何が起こったかは僕と彼女だけの秘密にしよう


231月光7/6 ◆XdfFerW0PE :2011/01/31(月) 00:20:17.89 ID:T4Q+PfFP0
以上です
まさか題が被るとは
232お題:浮気0/3:2011/01/31(月) 00:22:49.18 ID:JSjCQ6G30
投下します
233お題:浮気1/3:2011/01/31(月) 00:23:51.31 ID:JSjCQ6G30
某私立大学の法学部を出て、かれこれと時間が過ぎていった。司法試験に合格して、一時期は公務員として
働いていたが、しばらくして公務員を辞め、ある先生のもとで助手として働いていた。その後もいくつかの
法律事務所を転々としながら、ようやく自らの事務所を持てるようになった折に今回の大学の同窓会の話が
舞い込んできた。仕事も融通が利くようになったし、たまには参加するのも悪くないかと思って、今回の
参加に至った。
そんな話を大学を卒業してからろくに連絡を交わさなかった旧友に話すと、旧友は可笑しそうに笑った。
酒も入っているせいか、その声が妙に下品だった。
「中々忙しい生活していたんだな。それにしても聞いているとその浮気癖は直ってないらしいんだな」
「おいおい、職を転々としているぐらいで浮気とは酷いじゃないか」
久しぶりに旧友と飲む酒に酔いながら自然と気持ちが高揚して声が大きくなる。いくら年を経てもこの空気
は変わらないものなのだなと思った。
「やあ、なにやら盛り上がっているみたいだね」
そんな空気を察してか、一人の男がグラスを持ちながら近寄ってきた。少しだけやつれたような顔をしてい
ながらも、その眼鏡と優しそうな瞳は大学時代から変わらない。その男が誰なのかすぐに気がついた。席を
少しつめると懐かしみながら話しかける。
「久しぶりだな。少し老けたか。それにしてもその眼鏡は相変わらずなんだな」
「人は年を経ればそれ相応に老けていくものさ。それよりも浮気がどうこう聞こえたんだが」
「それが聞いてくれよ、人が職を転々としている理由だけで浮気って言いやがるんだよ」
そう言って旧友を顎で示した。
「だって浮気だぜ。お似合いだろこいつの場合」
「浮気か。そうだな、なんか懐かしいな」
そう言うと旧友と眼鏡はなにかを思い浮かべながらしきりに頷いている。
「人の話で静かに盛り上がるなよ。そもそもな、お前らが付けたあだ名でどれだけ迷惑こうむったか知っているのか」
大学時代の思い出が去来する。謂れのないあだ名がどれだけの女性を傷つけたか。そしてどれだけ傷ついた
か。
「言っておくが事実無根だからな。お前らが面白がって付けたあだ名でどれだけ人生が狂ったか」
そう言うと、苦いものを飲み込むように酒を煽っていく。
「でもそのおかげで、勉強出来たろ。女遊びしないで勉強したおかげで仲間内ではお前だけ司法試験に合格
できたじゃないか」
そう言われると、言葉が出ない。心の中で大学時代の青春を後悔しながらも納得している自分がいた。
234お題:浮気2/3:2011/01/31(月) 00:24:38.35 ID:JSjCQ6G30
「そう言えば君だけだったね司法試験に合格したのは。その後はどうしていたんだい?」
「そう言えば、おまえには話してなかったか。合格した後は公務員と色んな事務所を転々していたさ」
「それで、浮気癖なんて言われていたのか」
「浮気、浮気って本当に酷いな、お前たちは。けど今は独立したから浮気なんて言わせないよ」
「いや、それこそ今度は本当に浮気するんじゃないのか」
そう言って、眼鏡の男は笑いながら左指にはまった指輪を指した。
「いいや、浮気はこりごりだよ」
そう言ってからはっとした。思ったとおり旧友と眼鏡は馬鹿みたいに口を開いていた。
「いや、違うんだ。言葉が悪かった。別に俺が浮気しているわけじゃなくて」
二人に向かって必死に腕を振って訴えかける。
「いやな、なぜか法律事務所開いてから浮気とか離婚の相談が多くなってな。もうそういう話は他人ので
おなかいっぱいなんだよ」
「あ、ああそういうことか。そうだよなお前が浮気なんかするわけないもんな」
旧友と眼鏡は顔を見合わせほっとしたように息をはいた。
「でもなんだってそんな……ああ、そういうことか」
眼鏡は何かを言いかけた途中で、閃いたように頷いた。
旧友は良く分からないような顔をしていたが、眼鏡に耳打ちされて気付き納得したように頷いた。
「なんというか、卑怯なイメージ戦略だな」
旧友は得意げに言った。
「卑怯じゃないさ、自分の特性を生かした正攻法さ」
「でもそれが成功するって事は、この時代本当に病んでいるんだろうね」

それから三人で他愛もない話を肴に盛り上がった。宴もたけなわとなったところで、幹事が近づいてきた。
「お、うき君たちここにいたのか、お金徴収するよ」
「なんだよ今日は幹事の奢りじゃないのかよ」
「馬鹿言え。いい大人が大人にたかるなよ」
冗談を交わしながらお金を払う。
「それと、こっちにサインしといて」
そう言われて紙とボールペンが差し出される。
235お題:浮気3/3:2011/01/31(月) 00:25:29.90 ID:JSjCQ6G30
「了解」
酔いもあってかよれよれな字で書き上げる。
「うき、りょうじ」
いくつもの名前が並んだ下に自らの名前が並ぶ。
浮気良司。
大学時代、浮気とあだ名を付けられ、現在は浮気法律事務所を経営している、その男の名前が記されてあっ
た。

236お題:浮気4/3:2011/01/31(月) 00:27:03.55 ID:JSjCQ6G30
以上です
皆さん品評会お疲れ様でした
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:29:15.28 ID:mPnY5LPB0
疲れた。
時間外がんばってたけどもう続きは明日書く。
おやすみ。

>>236
ごめんね。感想明日書くね。




みんなアレすればいいのに。
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:29:44.81 ID:JSjCQ6G30
あれ、段落空いてない
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:32:13.19 ID:L6uf1Gqd0
でも、文豪大先生の月光はどう考えても、ベートベンのピアノソナタ月光だよね。
堅苦しい感じから、マニアックなピアノの具合とか。
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:36:30.98 ID:mPnY5LPB0
>>238
段落じゃなくて字下げじゃない?
ちなみに字下げなら、半角の空白使ってるからです。
行頭の半角の空白は反映されないので、行頭の空白は全角で。
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:37:27.44 ID:DrL4uqve0
よし、レポートの気晴らしになんか書く
お題くだされ
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:39:47.93 ID:L6uf1Gqd0
転送開始
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:41:22.21 ID:JSjCQ6G30
>>240
半角でやってました。
ありがとうございます、以後気をつけます。
244Hello Tomorrow 1/4 ◇Mulb7NIk.Q:2011/01/31(月) 00:41:52.53 ID:L6uf1Gqd0
 十年後の私へ。今、授業を受けています。十年後の自分に手紙を書け、だって。正直何を書けばいいかわかんない。だ
から、十五歳と数ヶ月の今、一番心の中を占めていることを書き綴っていこうかと思う。

 *

 中学を卒業した後の春休み、アイツに別れようって告げられて、何でって聞いた。要約すると、誰でも良かったんだっ
て。付き合えるなら誰でも。だから高校ではお互いに別の道を歩んでいこうってさ。ひどい話だよね。私は割と本気だっ
たのに。だからその時、なにかお椀についだお味噌汁をこぼしちゃったみたいに、私の中から元気の源が全部流れ出しち
ゃって、ただ一言「うん」とつぶやくしかなかった。そして力なく電話を切ったんだ。
 別れの日から一週間経って、私はひとつの決意を胸に秘めて出かけた。指環物語ではないけれど、例の指環を捨てるに
ふさわしい場所を探すんだ。覚えてる? 机の上のいつも見えるところに飾ってた、あの指環。で、それはただ捨てるだ
けじゃ意味が無くて、気持ちの整理も兼ねてのことだったんだ。

 家から十分ほど自転車を走らせたくらいでは、まだまだ見つかりそうになかった。
 風を切って走り抜けた河川敷はいかにも五月っぽく、眩しいくらいの新緑で、近所の親子が犬を連れて散歩に来ていた。
私は短い橋を渡り、住宅地を西へ真っ直ぐ横切って、それから緩やかな斜面になった木立を登って、足柄神社の表へ辿り
着いた。駐車場の隅に自転車を停めて、石段を一つ一つ数えながら登っていく。
 不揃いな石に苦戦して、激しく息をつきながら頂上に辿り着くと、見慣れているはずの眺望に溜息が出た。風が吹きつ
けてくる方に、ついこのあいだまで通っていた中学校の白い校舎と緑色の防球ネットが見えた。私は境内の裏手に回って、
二人掛けができる大きな平たい岩に腰を下ろした。木陰が涼しくて、見上げた雲がのんびりと流れていった。まさしく日
曜日の午後二時という感じ。
 思い起こせば、あいつとよくここに来たものだ。学校の帰りや休みの日の深夜、それから去年の夏祭り。

 *

 夏頃にはもう受験だからといって、学校の外で逢うことはほとんどなくなっていた。だからアイツに「祭り、一緒に行
かないか」って誘われたときは嬉しくて、二日前くらいから悪戯好きの子供みたいに一日中そわそわしていたっけ。
 当日になると、おばあちゃんに貰った綺麗な青い生地の浴衣をちゃんと着て、お母さんの大人っぽい匂いの香水をこっ
そり借りて、午後七時前にアイツと落ち合った。私達はほとんど暮れてしまった夕陽を眺めながら、河川敷を歩いていっ
た。これから祭りに行こうとする人たちのまばらな列に加わって、夏休みの出来事を色々と話し合ったっけ。
245Hello Tomorrow 2/4 ◇Mulb7NIk.Q:2011/01/31(月) 00:43:07.50 ID:L6uf1Gqd0
 ――三年っていいもんだな、宿題が心もち少なくって。
 ――その分受験勉強しろってことでしょ。
 ――優等生さんには分かんねえって、俺らの気持ち。夏も冬も、長期休暇の宿題といえば、ギリギリまでやらねえって。
 そんな軽口を叩いているアイツのほうが良く勉強できるんだから、嫌味だよね。きっと影でコソコソとやることやって
るタイプなんだ。でもその日に限ってはね、私も馬鹿みたいにうっとりしちゃってて、アイツだけでなく他の人達や、もっ
といえば光のまたたきや、熱い祭囃子だとか美味しそうなにおいや、時間の流れでさえきらきらと美化されたみたいで、
まるで世界と一夜の恋に落ちているような心地だったんだ。アイツの何気ない心遣いなんかに心底参ってしまうような浮
かれ具合だったよ、本当に。確かに。悔しいけれど。

 私達が話しながら歩いていると、不意に響子と美歩に出くわした。クラスの皆には別に隠していたわけじゃないけど、
一緒に居ることを囃し立てられるとやっぱりなんだか恥ずかしかった。そして彼女達と別れてまた二人きりになると、夜
が一段と近づいてきて、提灯と行灯の霞ががったような橙色の光が次第に存在感を増していくような気がした。
 境内は、この町のどこから湧いてきたんだってくらいの人混みで、気を抜いたら離ればなれになってしまいそうだった。
そして本当にはぐれてしまいそうな瞬間が訪れて、「あっ」と声を洩らしそうになったんだけど、アイツは私の左手首を
探り当てて強く握ってくれる。不安に陥りかける寸前に心の中に入ってきて、まるで熱い掌を通して「離さねえ」なんて
囁きかけられているみたい。アイツの顔を見ると、何でもない表情なのにすごく頼もしく思えて、素直に身を任せちゃっ
て、永遠に従順でいようかって気持ちになる。でもそれは本能的なもので、顔のほてりが収まる頃には消え失せてしまう。
 私も人を好きになるの初めてだったからさ、その、でも、こんな気持ちになることって悪い間違いじゃあないよね?

 それから時間を忘れて遊び疲れた私達は、夜店から離れた所で一度休んだ。私は真っ赤なリンゴ飴を舐めてその甘さに
酔いしれ、アイツは「ちょっと便所」と言って、人混みのほうへ向かった。
 一人になって、やっと落ち着いてきて、山の上からの景色をゆっくりと眺めることが出来たけれど、我が町には夜景ス
ポットなど存在しないんだろうなって、しみじみ思ったっけ。で、そうしているうちにアイツが戻ってきて、どちらとも
なしに「少し歩こうか」という話になったんだ。

 足柄神社とその周りの小さな山は、小学校から遠足なんかで度々お世話になっているから、二人ともハイキングコース
は見知っていた。だけどアイツは道の途中で「実はな、こっちにも行けるんだ」と言って、獣道へ入って行った。
 男の子達は山をよく遊び場にしていて、整備された道以外もよく知っているらしい。勿論、放っておくわけにはいかな
いから、私も後ろから追っていく。
246Hello Tomorrow 3/4 ◇Mulb7NIk.Q :2011/01/31(月) 00:44:03.21 ID:L6uf1Gqd0
 夜店の赤々とした光から離れてみると、月明かりの濃い夜だったことに嫌でも気づかされる。行く手にある木々と枝葉
のシルエットがくっきりと見えるほどだ。アイツが枝を折って進みやすくしてくれたので、私はどんどん山の奥へと分け
入ることができた。
 ――そんなに急がなくてもいいんじゃない?
 と、額にうっすら汗をかいてきたところで私は尋ねた。それに対してアイツは、うん、いや……と、煮え切らない答え
を返すばかり。そして何分か歩き、ようやく「着いたぞ」と言われた時、私達は山のどこか、とにかく見晴らしのよい場
所まで来ていた。私は夜闇に浮かぶ町の光の線を目でたどって、自分達が南を向いていることをなんとか悟った。
 ――何があるの?
 ――見てなって。
 するとね、ヒューッ、っていう心地よい打ち上げ音が響いてきて、ドドン、パチパチ、パチと、花火が夜空に閃いたん
だ。それは本物の花を虫眼鏡で見ているみたいに、大きな火の輪だった。私達はその美しいものを世界中たった二人だけ
で独占していた。「キレイ」という言葉が無意識に、私の細胞一つ一つから染みだすように解き放たれていった。私の中
で光がだんだん重たくなって、空に光る花々が瞳の中の奥深い秘密の小部屋にまで押し迫ってくるような気がした。
 そして、この光の重みでなら胸を潰されたって構わないとも思ったんだ。
 ――手、出しな。
 半分口を開いたまま、アイツに従うと、いつのまにか指にあの指環を嵌められていた。顔の前に持ってくると、それは
花火の色をはねて七色に輝いてはまた霞む。やすっぽい指環なんだ、本当に。だけど輝きは本物だった。
 ――さっきさ、出店で見つけて買ったんだ。その、似合ってると思う。
 どうしたらいいか分からなかった。だから私は、泣いた。涙は便利なもので、あらゆる感情の溢れを丁寧に代弁してく
れる。
 それから私達がどうなったかはもう書かない。十年経ってもきっと覚えているでしょう。

 *

 私ね、境内の裏手の岩に座って、今みたいなことをぼんやり思い出していたの。それから指環を外して、神社の屋根の
上目がけて投げたんだ。乳歯にまじないをかけて屋根の上に投げるように。ありがたい力で、思春期の亡霊と言う名の憑
きものが、きれいさっぱり払われちゃえばいいと思った。
247No.07 Hello Tomorrow 4/4 ◇Mulb7NIk.Q:2011/01/31(月) 00:44:52.30 ID:L6uf1Gqd0

 十年後、この手紙を読んだ私はどんな風に感じるのだろう。私は今、心許せる人がいない。他人の心が分からない。世
の中の恋人達はみな、熱い眼差しと誠実な心尽くしの裏に、「誰でもいい」なんて思いを秘めながら好き合っているのだ
ろうか。アイツみたいに。まるで見当もつかない。そして私はそういう機微に触れて、この先自分を変えていくのだろう
か。そんなこと、蓋を開けてみなければ分からない。だけど十年後、たとえどんな風に変わっていても、軽やかであるこ
と忘れないでいて欲しい。
 以上、私の話は終わり。それじゃ、また逢おう。


(了)

248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:50:22.72 ID:L6uf1Gqd0
とりあえず、転送終了。

>>241 Earth Music&ecology
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:51:32.71 ID:DrL4uqve0
>>248
なんか難しいのきたな…
サンクス、頑張ってみる
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 00:53:45.80 ID:2AmKEj9X0
ヒマラヤほどの消しゴムひとつ
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 01:01:11.23 ID:L6uf1Gqd0
たのしいゆめを〜♪
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 01:13:50.64 ID:DrL4uqve0
あー、あのCMのやつかwww
よし、がんばる
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 01:34:12.57 ID:jyAG44nxO
こなあああああああああゆきいいいいいいいい
254月のワルツ 0/5 ◆KC1zyS0wec :2011/01/31(月) 02:13:38.11 ID:tR8+babx0
なんだろう。今回スルーしとこうと思ってたのに、聞いてたら書いてしまった
しかも恐れ多くも名曲ですよ。探してた人もいるだろ。
俺もネットで見つけて懐かしんだものだ

月のワルツ:http://www.youtube.com/watch?v=aQ6NSTWJtRU

品評会遅れながらも投下
255月のワルツ 1/5 ◆KC1zyS0wec :2011/01/31(月) 02:14:25.68 ID:tR8+babx0
 月が、闇色の空に浮かんでいる。
蒼い蒼い月が、空を覆う木々の隙間から、こちらの方を見下ろしていた。
月の青白い光以外に、森に差す光はない。
見渡す限りの木の幹と闇。暖かな光は何処にも見えない。
月がなかったとしたら、何も見えなくなってしまいそうだった。
森の空気は冷たく、しっとりと肌を愛撫していく。
道には落ち葉が敷き詰められ、足を踏み出すごとに、しむしむ、しむしむ、音を出す。
先の方へ目を凝らしても、細いくねった道に終わりは見えない。
神秘的な闇のヴェールは何処までも延々と続いていく。
そんな、何処か見知らぬ深い森の中。
闇に包まれ、月明かりに照らされ、木々に見守られ、一人の少女がさまよっていた。

 少女は迷子だ。
見知らぬ森の中、ここが何処かも、どうやって来たのかも、どうやって帰るのかも、わからない。
ただぼんやりとした不安の中、赤い髪と白い服を揺らして、出口を求め歩き続けている。
歩いては立ち止まり、月を見る。月を見ては歩き、時に走り出す。この繰り返し。
しかし時々、木に看板が打ちつけられている。
少女はこれを見つけると、ひどく苦しそうに走り出すのだ。
「……! また看板……」
看板には「貴方は、何のために進む?」と。
これに対する少女の最初の感想は「……わからないわ。とにかく、怖いの」だった。
もっとも、看板を見た回数が十七回を越えたところで、少女は看板を見ないようになってしまったが。
「もう、どの位歩いたのかしら……」
終わらない迷宮のような森。
しむ、しむ、という幽かな音と頬を撫でる冷たい空気は「森は終わらないのでは」と不安にさせる。
それでも何故か森は怖い。
少女は不安を胸に、月明かりだけを頼りにして、ひたすら歩き続けた。
256月のワルツ 2/5 ◆KC1zyS0wec :2011/01/31(月) 02:15:17.52 ID:tR8+babx0
 気がつくと、森の奥に、青白くも闇色でもない赤い光が灯っている。
少女が必死に光にたどり着くと、そこは広場になっていて、中央に椅子とテーブルと豪華な料理が並べられていた。
暖かな赤い光はランプの光だった。てらてらと赤い火が、月明かりに負けじと輝いている。
広場の奥には木の舞台。踊り子の服が、舞台の端に置かれていた。
あっけにとられた少女は、ぼんやりとその光景を眺めている。しばらくして奥から、ワイングラスを持った誰かが現れた。
「やあやあ、お嬢さん。ようこそ! ワインはいかが? ささ、テーブルへ」
「え……ええ」
少女は大層驚いた。ワインを勧めたのは、タキシードを着たうさぎだったからだ。
少女を椅子に座らせ、ワインを注ぐ。ちょこまかとした動きに鋭い蒼い瞳を持つのが、とてもアンバランスである。
うさぎは自分のワイングラスにもワインを注いで座り、静かにワインを燻らせた。
そこへ唐突に、しかし静かに、少女は気づいた。
「……そうよ、うさぎはタキシードを着ないわ。夢? ……不思議なこともあるものね」
わかってしまえば大したことはなかった。あの迷宮のような森も全て、夢だったのだ。
今までの苦労はなんだったのかと、少女は笑った。そしてワインを一口。甘かった。
「貴方はずっと、何を探しているのですか?」
いきなりうさぎが言った。少女はゆっくりと顔を上げる。ワインがグラスの中でぽちゃんと跳ねた。
「夢の出口よ」
「ふむふむそうですか。では、夢から覚めた、その後は?」
少女は、ぽかんと口を開けた。夢でそんなことを聞かれるとは意外だったのだ。
しばらく少女は呆然とし、次に俯き、最後に苦い顔をして答えた。
「……生きることの、答えを探して」
「なるほど、ねぇ」
うさぎはワイングラスを傾けたまま、くつくつ笑った。上目遣いの表情からは、何を考えているかはわからない。
少女は一人合点したように、ほっと一息ついて天を仰ぎ見た。蒼い月が真上にいた。
(現実で、よっぽどわたしは悩んでいたのかしら。まさか夢で問いただされるなんてね)
苦い笑みを顔に浮かべて、グラスのワインを飲み干した。するとうさぎが話し出す。
「そのことにつきましては、王子様がお詳しい。あちらの宮殿にございます」
うさぎが指さす方向には、何時の間にいたのか、大きな宮殿が森の向こうの山の上に立っているのが見えた。
257月のワルツ 3/6 ◆KC1zyS0wec :2011/01/31(月) 02:18:26.65 ID:tR8+babx0
 宮殿の中は広く、ペルシャ絨毯が敷き詰められ、西洋式の建築が美しい。
うさぎに礼を言ってきた少女は、宮殿の中心を目指していた。うさぎに曰く、そこに出口がある、と。
宮殿の入り口には誰も居なかった。それどころか、宮殿の中にも、一人の召使も見えない。
明かりもない廊下は月明かりのみで照らされている。
白い壁は青く染まり、静寂と相まってなんとも不思議な宮殿だった。
少女が、ここまでで十二番目の扉を開く。
大きな大きな扉は、ギイギイ音を立てて、それでも力もいらずにゆっくりと開いた。
「ようこそ私の宮殿へ。どうぞこちらへおいでなさい」
声と共にさっと月明かりが正面から指す。思わず顔を伏せ、少し後に顔を上げた少女は、あっと驚いた。
「ここは貴方の夢の終着点です。どうぞごゆるりと」
扉の先には大きな広間がある。赤い絨毯の先には少年と、大きな窓があった。
その窓には、月を背景に眩く光る、少女の棲む街が見えたのだ。
蒼い月。どんよりとした空。車の光。連なるビル。少女の住む高層ビル。少女の街の全てが、大窓の外にあった。
呆然と、蒼く染まる自分の街を眺める。こうして見ると、実に不思議な光景に思えた。
「……月の、街……綺麗……」
少女が一歩部屋に足を踏み入れると、ふんわりと不思議な香りが鼻をくすぐった。東洋のお香のような、落ち着いた香りだ。
「貴方が、この、宮殿の王子様?」
少女の前に立つ少年は、アラビアンナイトで見たようなターバンを巻き、砂漠の国の王子と言える風貌である。
優しくはにかむ彼は、月に照らされて幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「そうです。私が、この月の宮殿の住人、さらには貴方の夢の住人です。悩みがあるのでしょう? 話して御覧なさい。」
差し伸べた手を握ると、少年の手はほのかに暖かく感じた。
ふっ、と少女は落ち着いた表情をする。一歩少年に近づいて。
「誰もいない部屋で夜の街を眺めていると、とっても不安になってくるの。自分は何のために生きるのかってね。
 そう思うと、わたしの部屋から見た街も、ひどく恐ろしげなものに見えてくるわ」
「なるほど、全てが怖くなるのですか。私も話を聞いて、一緒に考えます。
 ではまず、ワルツでも踊りましょう。くるくる踊れば、見える世界もきっと変わります。
 踊りながら考えるのなら、すこしは気も安らぐでしょう?」
そう言って、少年は白い手を差し伸べる。少女ははにかんでその手を掴んだ。
258月のワルツ 4/6 ◆KC1zyS0wec :2011/01/31(月) 02:19:53.47 ID:tR8+babx0
 「では、お話ください。貴方の悩みを」
ゆっくりと向かい合って、二人は月明かりのホールをまわる。
夢だからなのか、何処かから美しいワルツが聞こえてきた。
jazzのようなゆったりとしたリズムの中、綺麗な歌声も、オルゴールの音色も聞こえる。
夢の中の、まさに夢のような、美しい空間だった。
「わたしは、きっと生きることの意味、答えを、探したいのよ。何かをすることでね」
大きなターンを描いて、二人がまわる。
「でもときどき、じぶんが何をしたいかすら、わからなくなるの。
 求めるものも、何をすればいいのかも、わからないままに時間だけが進む」
二人が右手を話し、少女が大きく少年の周りをまわる。
「運良く何をするか決まっても、じぶんが何をしても、もう誰かがそれを達成したんじゃないか不安になる。
 もう何をしても、世界は変わらないんじゃないか、って」
少年が少女を引き寄せ、一回転。少年は真剣な、少女は辛辣な表情で、踊り続ける。
「気晴らしならたくさんあるわ。でも、解決にはならない。答えが見つからない」
二人は大きな窓の前まで来る。少女は窓の外の街を見やる。
そして輝く街の明かりと対照に、困ったような表情を浮かべた。
夢だとわかっていても、少女は真剣に語らずにはいられなかったのだ。
「結局、わたしは何をしたいのかしらね」
ぴたりと二人は止まる。少女は少年の顔を見た。
真剣な眼差しをたたえた蒼い瞳は、優しく少女を見据えている。
少女はふと、少年の瞳が、あの蒼い月と同じ色をしていることに気づいた。
「貴方は、生きる意味を探しているんですね。
 結婚とか就職とかでなく、生きることそのものの意味を」
少女は深くうなずく。一息置いて、街と月に照らされて染まる彼に、ゆっくりと聞く。
「貴方の知っている答えは、あるかしら」
259月のワルツ 5/6 ◆KC1zyS0wec :2011/01/31(月) 02:21:13.73 ID:tR8+babx0
「私の……」
左手を頭に添えて、目を閉じている。深く考え込んでいるようだ。
やがて、ゆっくりと目を開き、答えた。
「お月様は、貴方の悩みを知っていました」
「お月様は何も言わないわ」
「いいえ、お月様は、何億年も前からいるのです。貴方とおんなじ悩みを、何度も何度もご覧になってきました。
 お月様は、時折私たちに語りかけてくるでしょう?」
「じゃあ、一体なんておっしゃったのかしら?」
少女は冗談めかして言う。夢なのだから、仮に月が喋ったとしても、自分の思っていることなのだ。
しかし、窓の外の街の摩天楼の上。蒼い不思議な月は、本当に何かを語りかけてきそうに思えた。
しばらく間を開けて、少年は言う。
「『長く変わらない私だからわかる。全てはうつろうのだ。答えすらも例外ではあるまい。
  あるいは、答えを探すことそのものが、答えなのかもしれんな』……と」
「…………ああ。そう言う考えもあるのね」
「……貴方は、この、美しい世界で生きるのが好きなんですよね?」
少女は胸を張って答えた。
「私はこの世界と、そこで生きることが大好きよ。愛してるわ。だからこそ、なぜ生きるのか気になるの」
しばらく、少年は窓の外を見ていた。まるで外の街に心奪われたかのように、遠い目で街を見据えていた。
地上の車をたっぷり見て、何処までも続く摩天楼を見る。
そして最後に、少女の部屋の辺りを眺めると、ふと優しい表情に戻って、また少女に向き直った。
少年はもう一度手を握る。暖かい。はにかんだ顔は、月明かりと街の灯で、明るく光って見えた。
「なら、信じて。全てが変化するのだから、この世界もきっと、貴方の望んだ答えに変わる。
 愛することは信じること。貴方は幸運にも、その愛を知っていた。なら、今は信じてあげて欲しい。世界も、自分も」
少年は、少女を抱きとめた。少女は少年の胸に抱かれ、驚いた表情から安らかな表情へと変わっていった。
美しい音楽は続き、蒼い月明かりと白い街の灯は、辺りを優しく包み込む。
揺らめくようなやわらかな月のワルツは、何時までも、何時までも、二人を見守り続けていった。
260月のワルツ 6/6 ◆KC1zyS0wec :2011/01/31(月) 02:21:57.09 ID:tR8+babx0
 「そろそろ、お帰りの時間では? 夢は、日の出頃には覚めるものです」
「……けど、ここにいると落ち着くの。故郷の街も月も、こんなに美しかったのね」
二人は、窓の正面に腰を下ろしていた。
夢を見始めてから、もうどの位たっただろうか。
ホールの窓の外は白み、月は街の向こう側に沈もうとしている。
音楽は止み、ひんやりとした空気が頬を伝った。
窓の外の空は次第に黒を失い、どんどん透明になっていく。
空は、あの蒼い月があったのが嘘のように白い。
ホールも白く輝く光に染められていた。
もうじき、朝が来る。夜が終わる。
「不思議なことが起きた。月があんなに、蒼かったから?」
少女は今まで、こんなに長い夢を見たことはなかった。
夢のような夢を見れたのも、夢の住人と会話するのも、夢の中で何かに気づいたのも、奇跡としか言いようがない。
「……なんだか、貴方はどこかであったことがある気がするわ。わたしの心にでも、棲んでいるのかもね」
少女は微笑む。少年は蒼い月のような瞳を細め、笑った。
それからしばらくして、二人はゆっくりと立ち上がる。
「ここは夢の出口なんでしょう? 多分、お別れよ」
少女は振り向いて、悲しそうにそういった。そして、窓の外を仰ぎ見る。
「全てが夢だとしても、見つからない答えを見つけるために、わたしは歩み続けるわ」
少年が目を細め、少女を見る。窓の向こうの空は、もう太陽が支配しようとしていた。
「なんのために進む、と、お聞きしましょうか?」
少女は空と街を背に、少年の蒼い月の瞳を見据えて、優しく笑った。
「だって、わたしは、この世界もわたしも、愛しているんですもの」

おしまい
261月のワルツ 7/6 ◆KC1zyS0wec :2011/01/31(月) 02:23:35.95 ID:tR8+babx0
やべえ、1と2総レス数ミスったっていう
全て〜/6 で統一ですよー
ああはずかし
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 02:32:50.48 ID:VgJY5vLx0
一覧はきっとこんな感じ

No.01 君の知らない物語 1/3 ◇0KF/UBMvVE
No.02 閃光(お題:♪) 1/6 ◆7C6LTZ08z6
No.03 君がいない夏 1/5 ◇H9/xqIwyOc
No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◇Lq1ieHiNSw
No.05 Knockin' on Heaven's Door 1/6 ◇zS3MCsRvy2
No.06 basket case 1/1 ◇r8uKuXgh4M
No.07 Hello Tomorrow 1/4 ◆Mulb7NIk.Q
No.08 天国と地獄 1/4 ◇ID:PX9QXkO70
No.09 夢じゃない 1/5 ◇p4MI6fJnv2
No.10 CHE.R.RY 1/1 ◇Qvzaeu.IrQ
No.11 カラクリアゲハ 1/4 ◇FcModpyaRc
No.12 幻によろしく 1/6 ◇TCFfG0At1w
No.13 ミラクルショッピング 1/2 ◇Qvzaeu.IrQ
No.14 月光値千金 1/4 ◇5GkjU9JaiQ
No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI
No.16 欠けボタンの浜 1/6 ◇EqtePewCZE
No.17 かおりちゃんタイム 1/6 ◇HmfYvBHWkM
No.18 月光 1/6 ◇ihO9dxzf9I
No.19 Don't Cry 1/5 ◇QIrxf/4SJM
No.20 クジラ12号 1/5 ◇InwGZIAUcs
時間外No.01 月光 1/6 ◇XdfFerW0PE
時間外No.02 月のワルツ 1/5 ◆KC1zyS0wec
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 02:35:35.10 ID:jyAG44nxO
おつかれ。今回も多いな。全感やる人達頑張れ。
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 02:43:14.39 ID:Ld8G4g2/O
聴いたことあるやつ二曲だけだぜ
ようつべ聴いてからだな
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 02:56:40.92 ID:Ld8G4g2/O
寝る前にほ
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 03:20:55.22 ID:S30lSzPuO
また20作超か
お題が良かったのかな
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 03:26:13.80 ID:qR0Air5k0
寝まする
268一部感 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/31(月) 04:20:02.43 ID:VgJY5vLx0
No.03 君がいない夏 1/5 ◇H9/xqIwyOc
バーローだったので読んだ。小松未歩は結構好き。
内容は、ちょっとありきたりだったかも。
あと言葉がなんか高校生ぐらいな感じがする。
年齢と事故のあったときをマイナス10年ぐらいしてもいいかも。
彼女ができたときは報告にこなかったのか。
>「やば、ゴミ置いてきちゃった」
墓に話しかけるぐらいはわかるけど、こういうのは独り言が多いようでなんか変。

No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◇Lq1ieHiNSw
タイトルに惹かれたので読んだ。曲は聞いたけどよくわからなかった。
昔、みかんの植木で幼虫飼ってたけど、さなぎになって知らないうちにどっか行っちゃったな
鳥に食べられたのかも知れないけど
普通に読めるのだけど、だいたいはそのまま終わってしまった
アゲハを食すとこだけは気持ち悪かったけど
タイトルから期待した以上のものはなかった気がする

No.06 basket case 1/1 ◇r8uKuXgh4M
タイトルに惹かれはしなかったけど、1レスで目に入ったので読んだ。
「そうそううちも、そうなんですよ」
とか最後に付けるとおもしろくならない? なりませんか、そうですか。
もっとブラックにしてほしいかなと思う。

No.07 Hello Tomorrow 1/4 ◆Mulb7NIk.Q
タイトルに惹かれないけど、出題者なので読んだ。
すっごい作り物ぽかった。なんかもうなんともいえないこの物語っぽさ
最近、こういうの多いような気がするけど(前回のとかお酒?の奴とか)
凝ってるんだろうか、下手とかは思わないけど、俺にはいまいち合わない
269一部感 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/31(月) 04:20:49.85 ID:VgJY5vLx0
No.10 CHE.R.RY 1/1 ◇Qvzaeu.IrQ
YUIか1stアルバムは買ったな。Tomorrow's wayが好き。
曲聞いて良かったので感想書く。それにしても太ったな。
いやいやいやw 歌詞ほぼそのまんまじゃんかw
歌詞に肉付けでも良いから、せめて3レス以上ぐらいの話を作れよw

No.11 カラクリアゲハ 1/4 ◇FcModpyaRc
タイトルに惹かれたので読んだ。歌はダメだと思いました。
こっちは3レス以上はあるな、でも話があまりないな
いや話はあるけど、文章がないな
小説は何を書いても自由なので詩を書いたって良いと思うけど、
詩にもなってないし、歌詞もどきで中途半端な感じ

No.12 幻によろしく 1/6 ◇TCFfG0At1w
曲は見つからずに聴けなかったが、なんとなく気になるので読んだ。
このオチのパターンもなんか結構あるようなないような
善良すぎるとあまりおもしろくないかな、と思う

No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI
俺の。歌は高田梢枝の。好きなので。マイナーなのでたぶんこの曲が聞ける場所はない。
最後らへんをどうしようか悩んだ。もうちょっと良くできたような。

No.16 欠けボタンの浜 1/6 ◇EqtePewCZE
タイトルも良さそうだし、曲も悪くなかったので読んだ。
うーんよくわからん
雰囲気はいいような
こういう作品に対する感想の言葉を持ってない
270一部感 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/31(月) 04:21:34.97 ID:VgJY5vLx0
No.20 クジラ12号 1/5 ◇InwGZIAUcs
タイトル良いし、曲も良いし、歌詞もよかったし、物語へ急いだ。
リノとクジはもらっていこう。リーナはいらん。こういう口調のキャラは受け付けない。
名前を両方「リ」から始まるのはなんとかならんかったのだろうか。
とりあえずタイトルを使って、歌から離れていたところは良いと思う
あとは最初のファンタジーの雰囲気が良かったので、
コメディタッチにしないで、通してくれればもっとよかったのにと思った

時間外No.02 月のワルツ 1/5 ◆KC1zyS0wec
今回、曲に投票するのならこれだなw
歌がそうなので、結局、それをなぞって終わっちゃったのがなんかなあという感じ
ウサギがワインとか作者が考えたわけじゃないわけだしな
変わっていくから美しいみたいな発想は、もうよくあるので、
そこは歌を乗り越えて、変わらない美しさみたいなのを書いたらよかったのにと思う
個人の考えもあるだろうけど
歌をそのまま長くしたのだと、蛇足になるわけで、
そこから作者独自の何かが加えられれば、蛇じゃなく龍になったかもしれないと(ドヤッ!)

総評:こういうお題だったのでタイトルに惹かれないものはすっとばした。
ググって一つに決まらないものも、タイトルが魅力的でなくありふれてるんだ、と外した。
読んだ中では、タイトルの歌詞に引きずられすぎな印象を持ったのが多かった
あと文章が歌詞っぽいのとか。もっと作者の書いたものを持ってきたほうが
よかったんじゃないだろうか。好きな歌詞発表会じゃないので。
歌はあんまり知ってるのはなかったな、昔のアニソンとか好きなんだけど。
あとみんな星空好き過ぎだなw 俺を含め
271投票 ◆pxtUOeh2oI :2011/01/31(月) 04:23:58.04 ID:VgJY5vLx0
******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】:No.20 クジラ12号 1/5 ◇InwGZIAUcs
     けっこう楽しめた。もっとドファンタジーにしてほしかった。
     No.16 欠けボタンの浜 1/6 ◇EqtePewCZE氏
よくわからないけど雰囲気は良かった
**********************************************

いろんな人おつかれさまです
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 04:31:35.69 ID:DrL4uqve0
感想乙
うーむ、指摘されたところがまさしくその通りで生きるのが辛い
普段学生主人公のものばっかりだったからそれに引きずられたかな
穴だらけで今すぐ書き直したい気分だよ

俺も全館書かないとなあ……
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 05:47:07.21 ID:uayTCHe9P
眠れない夜にお題ください
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 05:50:03.84 ID:uayTCHe9P
というか今回の品評会のお題すげぇ面白そうだな。完全に遅れてるけど今から書いてみてもいいですか?
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 05:58:16.46 ID:LNXfST7Y0
感想くれる人少ないよ、それでもいいなら
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 06:02:37.80 ID:uayTCHe9P
まあ品評会関係なしでそんなん晒してもオナニーにすぎないからなぁ。それはさておきお題ください。
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 06:03:50.02 ID:DrL4uqve0
>>276
天ぷら
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 06:05:13.78 ID:uayTCHe9P
把握
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 06:19:48.02 ID:8PkLS3ua0
>>276
BNSKの半分はオナニーで出来ています
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 06:20:15.74 ID:i4ujHdFi0
今週も盛況だな 締め切り間際のラッシュがすごい
お題くだちい
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 06:34:01.42 ID:8PkLS3ua0
賛美
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 07:16:37.42 ID:mPnY5LPB0
全感まとめスレに転載してくれている方。
その回ごとの作品一覧とかも合った方がわかりやすいかと思うので、
まとめに転載するのは待っていただけないでしょうか。
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 08:40:08.99 ID:Ld8G4g2/O
ふう
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 08:56:36.26 ID:XdAT2zig0
お題くれさい
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 09:01:17.56 ID:S30lSzPuO
>>284
部活あとのラーメン
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 09:09:51.60 ID:XdAT2zig0
把握
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 10:48:03.73 ID:8PkLS3ua0
保守寝
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 11:39:53.17 ID:Ld8G4g2/O
全館で点数つけたらお前ら嫌かそうかじゃあつけよう
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 12:07:37.12 ID:x9qBnrc9O
>>288
俺のは満点
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 12:16:59.58 ID:fGHlcjEOO
>>282
ごめんなさい。
了解です

さてお題
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 12:22:11.35 ID:S30lSzPuO
>>290
手の震え
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 12:24:39.00 ID:fGHlcjEOO
把握
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 13:09:28.00 ID:ZtX1WLPE0
お題をおくれ
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 13:10:21.76 ID:zx5ZE2OXO
殺人
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 13:33:21.27 ID:ZtX1WLPE0
了解
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 14:58:18.54 ID:Ld8G4g2/O
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 14:58:23.01 ID:tR8+babx0
今回も多いな。最近結構盛況してるじゃないの。うれしいねぇ
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:28:44.71 ID:n+icJiqr0
全感今日中には無理だな
書くのも大変だけど読むのも大変だ
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 16:27:48.09 ID:Ld8G4g2/O
ようやく半分
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 17:15:04.98 ID:Ld8G4g2/O
あがるがよい
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 17:58:24.36 ID:gwTeQKny0
さぁて今から全感書くかーがんばろー
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 18:11:35.16 ID:zFsSwNWS0
がんばるがよい
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 18:37:35.33 ID:tR8+babx0
今日は勢いないな。落ちないか心配だ
皆全館書くので力尽きたかな?
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 18:56:22.45 ID:mPnY5LPB0
>>290
いえこちらこそ。
転載してくださっているのに申し訳ないです。
ありがとうございます。
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 19:34:14.07 ID:kZSMKWgY0
おだいくれそん
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 19:35:48.38 ID:zFsSwNWS0
指きり
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 19:37:24.53 ID:kZSMKWgY0
うい
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 20:14:29.62 ID:Ld8G4g2/O
あげあげ
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 20:38:09.31 ID:Ld8G4g2/O
あが
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 21:20:30.60 ID:AsjoIBYV0
皆さん全館頑張っているようですね
自分もいま書き始めます
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 21:25:40.15 ID:Ld8G4g2/O
上へ参ります
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 21:26:57.89 ID:Ugh7vJhX0
最近小説を書くのが楽しくてしかたない
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 21:51:21.62 ID:mPnY5LPB0
書く気が起きない
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 22:22:12.88 ID:fGHlcjEOO
はい保守
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 22:31:40.15 ID:rgNyxvGa0
毎週品評会とかにきっちり仕上げてくる人ってのはどういう魔法使ってんだよ
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 22:35:59.89 ID:mPnY5LPB0
>>236
話の流れにどことなく作為的なものを感じたのですが、なかなかに面白かったです。
ただ、主人公の名前を出さない為に他の友達の名前も出さなかったのでしょうが、
それが逆に何かあるな、と思わせる結果になっている気がしました。
なので、友人たち二人の名前は普通に出して、読み手の意識を逸らさせるとよりオチが効いたかと思います。
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 22:53:17.06 ID:VgJY5vLx0
>>315
小学生の8月31日殺法を使ってる
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 22:59:13.49 ID:Ugh7vJhX0
今年は10作を目標に頑張る
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 23:06:55.76 ID:3/DEndYo0
初週はストック作り
使い回せそうな話がある週は仕上げ
毎週は無理でも出せる回数は増える
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 23:46:24.16 ID:fGHlcjEOO
ほっ
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 00:00:19.58 ID:etvWax+/0
なるほどな。ファッキン。中には毎週新作やってるのもいるだろうな。シャラップ
322全感 1/4ぐらい:2011/02/01(火) 00:33:23.32 ID:vOpK3U6/i
No.01 君の知らない物語 1/3 ◇0KF/UBMvVE
 少しクスッとする。そういう意味では悪くない。

No.02 閃光(お題:♪) 1/6 ◆7C6LTZ08z6
 自作。曲はALICENINE。パチンコで流れてるらしい。
 ぶっちゃけこんな作品にする気はなかったんですけどね。お題の♪が空しい。
 最後は夢オチ、ということにしておいてください。

No.03 君がいない夏 1/5 ◇H9/xqIwyOc
 新しく買ったゲームを始めたら、いきなりエンディングが流れた。それぐらいの唐突感がある。
 起承転結を意識した方がいいんじゃないかなぁ。

No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◇Lq1ieHiNSw
 滑稽。キワモノありきで始まっている気がする。
 
No.05 Knockin' on Heaven's Door 1/6 ◇zS3MCsRvy2
 なぜかラルクの「風に消えないで」を思い出す。
 それはそうと、間違いなくこれは面白いです。
 序盤で張られていた伏線が中盤以降できれいに回収されていく。その流れが読者の意図に沿っていて、最後まで期待を裏切らずハッピーエンドまで導いてくれる。
 良い作品です。

No.06 basket case 1/1 ◇r8uKuXgh4M
 新しいアメリカンジョークができた。けどあまり面白くない。

No.07 Hello Tomorrow 1/4 ◆Mulb7NIk.Q
 新しく買ったゲームを以下略。
 女の子の性格は好みっぽいんだけどねぇ。

No.08 天国と地獄 1/4 ◇ID:PX9QXkO70
 なにこれ。ギリシャ神話を丸写ししただけで、微塵のオリジナリティも感じられないんだが。
323全感 2/4ぐらい:2011/02/01(火) 00:34:59.66 ID:vOpK3U6/i
No.09 夢じゃない 1/5 ◇p4MI6fJnv2
 よくわかんなかったし、印象に残らなかった。

No.10 CHE.R.RY 1/1 ◇Qvzaeu.IrQ
 読んだんだけど、どんなんだったけ。なんとなく歌詞っぽかったきがする。
 音楽つけりゃ良くなるのかなと思った気がする。

No.11 カラクリアゲハ 1/4 ◇FcModpyaRc
 エグいけど、それだけです。うん。これ以上のコメントは難しい。

No.12 幻によろしく 1/6 ◇TCFfG0At1w
 卑猥だなぁ、と。

No.13 ミラクルショッピング 1/2 ◇Qvzaeu.IrQ
 ここで頭をリセットさせてくれる良い作品がきました。

No.14 月光値千金 1/4 ◇5GkjU9JaiQ
 No.3,7ほどではないけど、うーん。
 主人公の中では葛藤してたのかもしれないけど、俺にとっては突然降って湧いた問題のようにしか思えんかった。

No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI
 うまい。
 哀しい物語だ。人間、どこかで折り目をつけて生きていかなきゃならないなんて、哀しい動物だと思うよ。
 あえていうなら、女の子は嘘に気づいているか気づいていないか、もうすこしボヤかしていただけるとベストだった。
 
No.16 欠けボタンの浜 1/6 ◇EqtePewCZE
 悪かない、と思った。全く逆の考え方があるって気づく部分は好き。けど、よーわからんかった。
324全感 3/4ぐらい:2011/02/01(火) 00:37:15.21 ID:vOpK3U6/i
No.17 かおりちゃんタイム 1/6 ◇HmfYvBHWkM
 なに書いてんだお前。
 褒めてもいるし、貶してもいる。腕はあげたと思う。

No.18 月光 1/6 ◇ihO9dxzf9I
 6レスとは思えんぐらい時間がかかった。
 内容は右から左へ抜けていってしまった。

No.19 Don't Cry 1/5 ◇QIrxf/4SJM
 読んだのに全く存在を忘れていた。なんでかなと思ったら、
 最後が打ち切りエンドみたいになってたからだった。

No.20 クジラ12号 1/5 ◇InwGZIAUcs
 もっとファンタジーしてほしいよー! もっとスケールがおっきな話がみたいんだ。

時間外No.01 月光 1/6 ◇XdfFerW0PE
 主人公のバカっぽさが俺好み。清涼剤的存在。

時間外No.02 月のワルツ 1/5 ◆KC1zyS0wec
 なんか読者に優しくない文章と思ったけど、俺が寝不足だったからかな。

******************【投票用紙】******************
【投票】: No.05 Knockin' on Heaven's Door 1/6 ◇zS3MCsRvy2氏
      No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI氏
気になった作品:No.13 ミラクルショッピング 1/2 ◇Qvzaeu.IrQ氏
**********************************************

No.13は面白かったけど、ひねりが足りませんでした。
No.18と時間外No.2は、疲れた人には優しくないと思いました。
まさか今回こんなに多くなるとは思わなかった。感想がひどいのもあるけど許してください。
325全感 4/4:2011/02/01(火) 00:40:14.57 ID:vOpK3U6/i
3レスでいけたー!
iPhoneだから感覚がよーわからんかった。
よーわからんかったが得意技。

久々に参加したけど、BNSKでしか出会えそうにない作品がいっぱいあって良かったです!
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 00:59:10.37 ID:yeQ6F/7i0
お題くれ
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 00:59:46.89 ID:aRSRvyku0
おみくじ
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 01:03:02.81 ID:yeQ6F/7i0
>>327
把握
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 01:48:22.82 ID:Y4wEpkZm0
h
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 02:24:22.33 ID:Y4wEpkZm0
まさかの規制解除
ためしに保守をしてみるものだな
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 02:25:06.25 ID:KqP7X2J+0
(`・ω・´)
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 02:27:03.74 ID:3YzlYpjh0
お題「美しい娘を誘拐監禁そして…」
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 02:43:38.31 ID:1PxuebHX0
二人でドンジャラをするわけですな

作品数は先週と同じぐらいなのに感想が少ないなあ
みんな難航してるのか
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 03:02:32.74 ID:fmtoDEB+0
ペンペン草も生えんよこのスレは
335投票 ◆hJKF8Kv2zk :2011/02/01(火) 03:13:11.62 ID:fkBbWSlz0
******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】:No.05 Knockin' on Heaven's Door ◆zS3MCsRvy2氏
     No.07 Hello Tomorrow ◆Mulb7NIk.Q氏
**********************************************

No.05は会話文がちょっとやりすぎで白ける部分もあったが、内容とそのタイトルがよかった。
No.07は内容は普通だけど、文章だけで楽しませてくれたので。
今回はまともに感想かく時間がないので投票だけで。


自作に関しては、以前からタイトルに選んだ楽曲から得たインスピレーションを元に話を作りたいと思っていたのだが、
とにかく蛹を絡めての情交のシーンばかりが頭に浮かんで、物語を練るのに苦心した。結果として成功はしなかった。
女主人公の一人称は自分には向いていないのだろうか。しかしただエログロを追求するだけの内容の薄い物語に
逃げなかったのは、まあ成長と言っていいのかな。
ちなみにタイトル楽曲のハイフンの中は漢文になっており、蛹ノ夢ハ揚羽ノ羽、と読みます。楽曲は10分にも及び、
決して聴き易い部類のものではないが、おどろおどろしい雰囲気とそれにマッチした歌詞が素晴らしいです。

336 ◆Lq1ieHiNSw :2011/02/01(火) 03:13:52.50 ID:fkBbWSlz0
トリップ間違えた。
俺です。
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 05:57:31.51 ID:QiQXeWxV0
キーピングプロテクトシステム作動
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 06:38:08.55 ID:u04BWMmiO
眠い
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 06:38:49.41 ID:+lc1XFIU0
odai
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 06:38:59.53 ID:xeV4QQnC0
寝ちゃいかんのか
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 06:40:32.26 ID:xeV4QQnC0
>>339
アレルギー
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 06:41:55.20 ID:au89du590
お題くだだい
343先感 ◆0KF/UBMvVE :2011/02/01(火) 06:42:42.49 ID:Lh7sA/KI0
No.02 閃光
 一度、ざっくり読んでみた。意味が解らなかった。
 もう一度読んでみた。音に依存しているのかと思ったら
 光に依存しているんですね。
 断片的でぶつ切りの文の塊という印象を受けました。
 意味をきちんと読み解ければ、面白いのかもしれませんが
 私の読解力が不足しています。ごめんなさい
No.03 君がいない夏
 お墓にまで依存している主人公は優しい人ですね。
 彼女をよほど愛していたのですね。とても読みやすかったです
No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹
 苦手そうな感触だったので読んでいません。
 エロやグロは苦手なのでパスします
No.05 Knockin' on Heaven's Door
 ラノベ感覚の会話主体文。とてもスムーズに読めました。
 途中で主観の交代があるのは意図してですか。会話文が
 多いためか、特に違和感無く読めましたがが、気になる人は
 気になるのかもしれませんね。
 面白かったですよ

No.06 basket case
 一発ネタですね。タイトルが上手いと言っていたレスを見たので
 basket Caseで歌詞を見たのですが解りませんでした。
 解説……というと恥ずかしいんでしょうね。
 冷たい、という言葉を態度と身体の二つに受け取れる言葉遊び。
 シンプルな作りは好きです。


 
344 ◆0KF/UBMvVE :2011/02/01(火) 06:45:30.12 ID:Lh7sA/KI0
戻った時間帯で読めるところまで読んで投票。
先感は以上
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 07:22:01.08 ID:hVwMzj0CO
オハヨー
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 07:53:57.71 ID:5ZTFcbqD0
やべぇ。昨日八時から意識がない
どこで寝てしまったんだろう
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 07:54:53.30 ID:deyiT6Td0
ミステリーのかほり
348転載:感想 ◇Mulb7NIk.Q:2011/02/01(火) 09:13:08.91 ID:TZdir2GM0
ほとんどの作品を流し読みしたので投票は控えます。
「我、メッチャ感想ヲ欲ス」という強者風の人がいたら言ってください。書くかも知れません。
あと、どうもFireFoxを使うと品評会用のテンプレ作成ツールとの相性が悪いようで、投票期間がおかしくなっ
てしまうみたいです。火狐ユーザーの人は気をつけてくださいね。
ttp://www.bnsk.sakura.ne.jp/tool/temp/

No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◇Lq1ieHiNSw
きっついぜ。狂気・猟奇・錯乱系は自分で書いてる分にはいいけど、読む分にはきついって事があったりする。
あと、気分的な問題も。すんなりと、なにか脳髄で青い炎が静かに湧き上がったように、凛とした気分で読み
込んでいけるときもあれば、最初からまったく受け付けないこともある。
さて、作の話に移ろう。つい見落としがちだけど、アゲハの影にあるヤドリバチとの関係がポイントになって
いるように思う。対比の構図が示されてはいるんだけど、自己主張をあまりしていないようなので見落としが
ちと書かせてもらった。
「私」が蜂の生態に感動しているのに対し、潤一は嫌悪感を隠そうともしていない。それは、後の二人の関係
を暗に表していたりするのかな。実は男優も、蜂のメタファだったりして。で、残念だと思ったのが、潤一と
の繋がりが、撮影のシーンで絡んでこなかったこと。
「私」はもう一度潤一に会いたいと思っている。撮影シーンに挟まる形で彼と離別する回想が出てくる。それ
らは全然いい。だから撮影シーンで、食い殺される蛹、羽化できなかった蝶の意匠を自らの中に背負い込みな
がら、潤一を求めていれば何か思うところがあったかもしれない。感想としては、そんなところです。

No.07 Hello Tomorrow 1/4 ◆Mulb7NIk.Q
SR-71の『Right Now』とタイトルどっちにしようか悩んだ。ノリがよくて良い曲です。PVだと若干曲調が遅
い気がします。ttp://www.youtube.com/watch?v=xCHahWMma0s
349転載:感想 ◇Mulb7NIk.Q:2011/02/01(火) 09:13:50.01 ID:TZdir2GM0
No.19 Don't Cry 1/5 ◇QIrxf/4SJM
実はセッタ吸ったことない。何故か。僕はひねくれ者なんで、多数派を意味もなく嫌うから。セッタ、マイセ
ンといえば国内の売り上げ順位でいつも上位につけている。僕は情報を得、多数派を回避する。美味いか不味
いかなんて関係ない。そもそも吸ったことがないから味なんて知ったこっちゃない。だから、貶めもしないし
褒めもしない。
件の無印のセブンスターはタール14mg、ニコチン1,2mgである。数字を見る限りでは重くもないし軽くもない。
まあまあ、といったところか。だが数字を過信しすぎるのはよくない。数字は嘘をつくとまでは言わないが、
数字では量りきれない機微というものがある。葉の香り、フィルターの具合、煙の風味、味覚と嗅覚に訴える
あらゆる要素によって感じ方は違う。それこそ数字で量り切れない機微というもの。T/N値が低いわりに、ガ
ツンとくるものに出会う。これはよくある話。
さて、作中に駄菓子屋のおばちゃんが登場している。そういえば、僕の通っていた小学校の目の前にも駄菓子
屋があった。そして、おばちゃんが一人で細々と商っていた。遠足の時期になると、僕らはこぞってそこへ詰
め掛けたものだ。おやつは500円まで。先生の言いつけを律儀に守り、500円玉を手に握って店の敷居を
またぐ。懐かしい記憶。何年前の話だろう。残念なことにおばちゃんの店にはタバコは売っていないので、も
う二度と立ち寄ることはない。僕はもう成長して、大人になりつつある。少なくとも見た目はほとんど大人だ。
いい年こいて、一人で駄菓子屋に入っていくというのは小っ恥ずかしい。そのしょうもない小っ恥ずかしさの
ために、おばちゃんの駄菓子屋は僕の世界から断絶され、幾光年もの距離を隔たれてしまった。人のありよう
の問題だが、変更の余地はない。駄菓子屋には僕のありようを変えるほどの力はない。僕は駄菓子屋に踏み入
れられなくなってしまった。まるで大奥みたいに。
だけど、そうした小さな喪失の瞬間に気づくと意識は一瞬だけ仄暗くなる。空の色がくすぶる。一瞬だ。目蓋
が瞬いたら全て元通り。悲しみともいえないほど小さな悲しみ。そんな感情の微細な起伏をいくつも引き起こ
しながら、僕は日々を送っている。
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 10:51:16.84 ID:hVwMzj0CO
レシーブ
351 ◆ihO9dxzf9I :2011/02/01(火) 11:59:59.53 ID:DRBjlhqU0
毎度の事ながら全館は書いていないことに気付いた。
ともかく感想投下
352感想1/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/02/01(火) 12:00:56.94 ID:DRBjlhqU0
 No.12の『幻によろしく』を読んで、記憶喪失という状態にある時、我々は正気を保っていられるのだろうか、と思った。
はじめに断っておくが、作品自体はまるで面白くない。記憶喪失にあるらしい「僕」の心境が、
>頭の中が、白に塗りつぶされている。空っぽだ。
>そして、何より僕は、なくしたものの大切さが、いまいち分からなかったのだ。
 こういった文章でわかるとおり、実感としてではなく言葉として描かれている。「記憶喪失」という状態とはこういうも
のだ、という事前情報を借りて描かれている。つまりこれは、フィクションとしての「記憶喪失」だということだ。現実で
生きる我々には、関係がない。
 もしかしたら主題はそこではないのかもしれないし、物語の上でこうしたことは問題ではないのかもしれない。ただ、こ
うしたことをしっかり書かないとその後の展開の下支えにはならないし、
>残念ながらそれは「今までの僕」に、じゃない。けれど、同じ僕であることには、変わりないのだ。
>彼と僕は、繋がっているのだ。いつまでも、いつまでも。
 こういう言葉も伝わってくるところはなくなってしまう。
 これは推測なのだが、作者である◆TCFfG0At1w氏は、「もし記憶喪失になって、どこだかわからないところに閉じ込めら
れたらどうなるのだろう?」というアイディアが起点になって小説を書きはじめたのではないか。
 いや、それが当たっているか間違っているかはどうでもいい。重要なのは記憶喪失を扱っているという事実である。それ
を扱っているということは、作者が意識的にであれ無意識的にであれ、記憶喪失というものに興味を持っている、という
しるしであるはずだ。
 記憶喪失でも難病でも何でもいいのだが、そういうものは我々にとって身近ではない問題だ。つまり、大抵の読者にとっ
ては未知の領域であり、それだけ多くの興味をもって臨める話題だということである。そういうものを扱った物語を作る上
で大事なのは、「もし記憶喪失になって〜」という疑問が疑問のままに保たれていることではないだろうか。疑問が疑問の
ままであれば、読者は興味を持って読み進められるはずだし、小説としての枠組みというか、開き具合というか、とにかく
スケールめいたものが大きくなって、面白くなるはずだろう。
 その点で、この作品は疑問は置き去りにされ、物語を進める上での部品にしか過ぎなくなっている感が否めない。記憶喪
失にある人間の有様も、そこらへんのフィクションから借りたものであるように見える。また、作品において重視されてい
るのは、過去の自分がどうあったか、であって、記憶喪失中の自分がどうあるか、ではない気がする。となると、これは違
うアイディアと入れ替えても差し支えない話である、ということではないか。悪い言い方をすれば、記憶喪失というものを
都合よく使っているだけの小説ではないのだろうか。

 ここまで書いて言うのもなんだが、本題は作品へ難癖をつけることではない。記憶喪失にある時、我々はどうなるのか。
そして、そんな疑問を小説でどう扱えばいいのか、ということだ。
353感想2/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/02/01(火) 12:02:27.02 ID:DRBjlhqU0
 1レス目の25行目で「僕」は、「僕」の記憶を知っている「彼」に、
>「お前さ……記憶を喪ったんだ」
 と言われる。この後の「僕」の対応はすんなりしていて、物語を進めるために動かされている感がしてならない。

>彼の声が、頭の中でこだまする。弾むような声色が、何度も何度も不規則なバウンドを続ける。
>しかし僕は、その声に――込められた期待に、応えることはできなかった。
>(中略) 本来、しんみりとするのは、こっちのはずだ。けれど僕の悲しみは、さほどのものでもなかった。記憶をな
くしたという実感が沸かない。そして、何より僕は、なくしたものの大切さが、いまいち分からなかったのだ。

 もっともらしい文章ではあるのだが、その”もっともらしさ”が明らかに嘘を感じさせる。記憶喪失だといわれて、記憶
を持っていた頃の話をされて、けれど実感が沸かない。フィクションではよく扱われる演出かもしれないが、実際はどうだ
ろう。
 記憶喪失になってみなくともいい。たとえば、自分についてのあらぬ噂を友人から伝えられた、という場面を想像してみ
る。自分では間違っているとわかっている。しかし、友人は正しいだと思っている。そのとき我々はどうするだろう。困惑
するなり、否定するなり、噂の出所を探るなり、とにかく色々立ち振る舞うはずだが、少なくとも黙っていることはないの
ではなかろうか。なぜといって、黙っていてはその噂が広まりかねず、自分の評判が悪くなり、自分の立ち位置のようなも
のが危うくなってしまうからだ。
 もちろん、そうしたケースと記憶喪失では訳が違う。喩えでは自分は確かな記憶を持っていて、記憶喪失の場合は確かな
自分の記憶はもっていない。ただ記憶喪失しているとはいえ、認識能力はある。何がおかしくて、何が間違っているか、そ
うした判断能力は残っている。そんな中知らぬ者から、お前はこういう経緯を経ているのだ、と決め付けたように言われれ
ば、これは黙ったままで済む問題ではないはずだ。わけのわからないことを押し付けられれば、抵抗が生まれてもおかしく
はないのではないか。少なくとも、
>「僕に、記憶を戻すなんてこと……できる?」
 ということは、なかなか訊ねられそうにはない。もちろん、記憶を失っているという自覚がある以上、以前の自分を教え
てくれる声に耳を傾けることもあるかもしれない。ただ、そこでの選択肢がそれしかない、というのはあまりに単純すぎな
いか。疑ってかかるなり、受け入れがたさに耳を塞いでしまうなり、そういうことがあってもいいのではないか。

 ここで浮かんだのだが、記憶喪失中に「自我」はあるのだろうか? 作品とは関係ない話になるが、普通、我々は自我を
もって暮らしている。自分がどこにいて、どんな人と接していて、どんな風に暮らしてきて、そうした色々な情報のもと、
自分を確固たるものにし、自我を作る。自分は他人とは違うのだ、と思う。
354感想3/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/02/01(火) 12:03:24.23 ID:DRBjlhqU0
 しかし、記憶喪失中はそういう情報が一切失われてしまう。自分がなんなのか、わからなくなってしまう。フィクション
などでは、周囲の人間がその情報を補って、「自我」の代わりをしてくれる。骨折したところの接木を担ってくれる、とい
っていいかもしれない。ではもし、ここで支えてくれる人がいなかったらどうなるだろう? つまり、「自我」を保証して
くれる人がいなかったら、どうなるだろう?
 これは赤ん坊が親の愛情を受けず育ったら、という喩えを出したらいいかもしれない。家庭環境が悪ければ成長につれ悪
い人間になる、などという言い方は安直だが、普通自我は親との関係を経て出来上がるとされる。自分にはこういう親がい
て、子供だから学校に行かなければならなくて、という具合に。そこには親の全幅の愛情がある。つまり、親が自分を認め
てくれる。人間がそうして出来ている以上、もし親ないし親代わりの全幅の愛情がなければ、自我は不安定になりやすい。
その場合、自我が確かな人間に比べて、「悪い人間」だと言われる。
 となると、記憶喪失の場合は、こうした過程はすべて失われていて、自我は皆無といっていい。したがって、支えてくれ
る人がいなければ、おのずと社会の中での自分の居場所はなくなる。ここにおいて、我々は自分を保てるのだろうか?
踏み込んで言えば、生きていけるのだろうか?
 自我がなくても生きることに対する意志はあるかもしれない。記憶がなくても、居場所がなくても、それを改めて作って
いこうとする人間もいるかもしれない。ただ、自分を保証してくれるものがない以上、自殺するか発狂する可能性のほうが
高い気がする。たとえ記憶があろうと、自分の居場所をなくしてしまった人間が、おのずとそうなってしまうように。
 こんなことは仮定でしか想定できないから、話すだけ無駄なのかもしれないが……。

 作品に戻ると、「僕」は「彼」に偽った記憶を教えられたのだと知る。ただ「僕」は、
>「君は、僕に気を遣って、ウソをついてくれたんだ。……なら、いいよ。気にしないで」
 と「彼」を許してやる。このあたりは思いやりのある嘘ならついてもいい、という寸法なのだろう。しかし、場面を考え
てみると、ちょっと首を傾げざるを得ない。はじめに知らぬ者から自分はこうであったと決め付けられ、その後どこだかも
わからない仮想空間で記憶の再生をされて、自分に関する記憶が嘘であったとわかった。これは、疑わないほうがおかしい
気がする。
 ただ、一度確かだと思っていたものが、実はまやかしであったとわかった、という状況は示唆を与えてくれる。それを受
け取るのが記憶喪失の人間とあらば尚更だ。空っぽの心境で、あれこれと情報を詰め込まれるだけでも大変なのに、その情
報が嘘だとわかった。これは混乱をきたす。混乱をきたすということは、人間の中で劇的な変化が起こる。かりそめの「自
我」があちこちに動く。その分だけ物語が生まれる、のではないか。
355感想4/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/02/01(火) 12:04:22.04 ID:DRBjlhqU0
 いや、嘘がなくてもいい。情報を詰め込まれるだけでもいい。他人とのかかわりの中で、自我は粘土をこねられるように
様々に変容していく。そうして新たな自我が出来ていくが、その一方で、確かにこうだった、という自我もどこかに残って
いる。一方でこのままでいいかもしれない、と思っている。ただもう一方では、もしかしたら違うかもしれないと思ってい
る。食い違いが、いつまでも気にかかっている。
 そういう具合に記憶喪失だけでも扱える材料はあまりに多大なことに気付く。それもそのはずで、我々は記憶喪失という
ものがあるとは知りつつも、その内実はまるでつかめていないのだから、それだけ知らない部分が多いのである。知らない
部分が多いということは、疑問や考察の余地がある。そして、それが小説を作っていく上での駆動力になる。
>「記憶は、どこへも行かない。でもそれは、お前にはきれいさっぱり見えなくなる。嫌な思い出も、良い思い出も。
>ついでに言うと、今、この瞬間も、幻みたいに……」
 こういうセリフも演出のために使ってしまうのはもったいない。あぁ、そうなんだ、とわかってしまうのはもったいない。
むしろ、こういう状態とはどういうことなのだろう? と考えながら、そういう状態にある人間の在り様を書くほうが、小
説として面白いのではないだろうか?

 見直してみると前半部で書いたことの再認にしか過ぎないのに気付くが、まぁどうだっていい。大事なのはどれだけ話題
に関する可能性を広げられるか、ということだ。もしかしたら答えにすらなっていないかもしれないが、数学や科学ではな
いのだから答えなどなくともいい気がする。小説を書く上で答えは必要ない。必要だったとしても、そこで導き出されるも
のは実につまらないものだろう。小説はそんな狭い器を持ってはいない。
 小説を書く上で大切なのは、世界に対する疑問を常に抱くことではないだろうか。世界に対するというと大上段に構えた
ようだが、世界というのは身近なことも含む。小説を書くためでないにせよ、我々が普段なにかしらの疑問を持ちながら生
きている。記憶喪失になったらどうなるのか、というような話題も含めて、そうしたものは色々なことを示唆してくれる。
そしてそこから生まれた可能性は、小説はすべて引き受けてくれる。
 小説家の能力を形容する上で想像力、というフレーズが多用されるが、もしかしたらこの想像力というのはどれだけ疑問
をもって可能性を広げられるか、ということと同義なのかもしれない。そしてそうしたものがフィクションになる、という
と勇み足かもしれないが、疑問を持つということが物を作る上で重要なのは間違いないところだと思う。
356感想5/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/02/01(火) 12:05:29.85 ID:DRBjlhqU0
******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】:No.19 Don't Cry ◆QIrxf/4SJM氏
**********************************************

 お題がお題だったせいかモノローグ的な作品が多く見受けられた。ここでいうモノローグ的な作品というのは、主人公の
内面を中心に描く、ということではなく、作者の中で物語が完結している作品、というものだ。
 楽曲の歌詞は基本的にそうだといっていい。そこには作詞者という独自の世界しかない? いや、作詞者が一人であろう
と多数であろうと事情は変わりない。楽曲には音楽という、絶対に従わなければならないものがある。詩は音楽に従うにあ
たって、自らの言語の夾雑物を粗方廃さなくてはならない。残るのは大抵、主題に対して一方的に向かう言葉のみとなる。
実例は、そこらへんの歌詞を見てみればおのずとつかめるかもしれない。
 小説においてこういう一方向的な言葉は作品を貧しくする。詩は音楽というものの助けを得られるが、小説において音楽
や韻律はなくなる。小説が一方向的になった場合、作品で扱われる事柄の数々は、主題を色濃くするための従属物にしか過
ぎなくなる。
 No.04の『MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹-』はその典型だといっていい。ここで「私」が思い出す過去などは「私の生き様」
という主題に向かうための踏み台にしか過ぎなくなる。回想において出てくる潤一は、AV撮影にかかわるスタッフなどと
共に人格を失ったに等しい操り人形に化してしまう。「私」という物語を描くための。それがいかにグロテスクなシーンを
描いていようと、その生き様の哀れさを描いていようと、一方向的である以上は作品の伝えるところは狭まってしまい、読
者への訴求力は失われてしまう。
 そうした事情は内面を中心に描いている作品のみならず、人との出会いを経て物語を作っているNo.14の『月光値千金』や
No.15の『星のくずは銀の色』、そしてNo.20の『クジラ12号』でも同様だといっていい。ここでの他人は主人公にとって、
ひいては作者の物語にとって都合のいい人間にしか過ぎなくなっている。
 作中でいかに屈折を描いていようと、困難を描いていようと、物語という音楽や韻律にも比せられる御主人に従っている
以上は、そうした屈折や困難はおのずと従属物となってしまい、それらが本来持っている活力めいたものは失われてしまう。
そして、逆説的に導かれるものがある。小説の器を大きくするのは、その活力ではないか。
 No.19の『Don't cry』にはそうした活力が描かれていた。作中で主人公が出会う「男の子」は、そのままの男の子として
描かれている。主人公の心情に従属することがない。別にかかわらなくても良いような、そんな人間なのである。その無関
係さは同時に物語のつまらなさにもつながるのだが、少なくとも二人の会話を読んでいて退屈することはない。ここには人
間と人間の確かなぶつかり合いがある。見知らぬ二人が出会う、その片方の家庭の事情は悪いらしい、ではどんな会話が生
まれるだろうか。こうしたことが浮かんできた時の高揚感がそのままに描かれている。
357感想6/6 ◆ihO9dxzf9I :2011/02/01(火) 12:07:11.52 ID:DRBjlhqU0
 こうして振り返ってみると、詩は小説の題材にするのに向かないのだろうか? 小説は詩から得るものがない? そうし
た考えは貧しいに違いあるまい。
 井上陽水の歌詞は、小説を書く上での示唆を与えてくれる。彼は豊富な言葉を持ち合わせ、それぞれの語感をメロディに
合わせて当てはめてみせる。つまり、音と言葉のぶつかり合いがある。そこで言葉はおのずと我々の一般的な使用法から離
れ、少なくとも主題というものは失われていく。いわゆる、ナンセンスに近くなっていく。
 JASRACが怖いから実例はワンフレーズ程度にとどめるが、『ジェラシー』の「誰にもいえないことがある 泣く泣く僕も
空を見る 胸騒ぎで夏が来るのが怖い」や、『結詞』の「今日をかけめぐるも 立ち止るも 青き青き空の出来事」などを
聴くと何かなんだかわからない。どう考えても音楽から言葉を作り出したとしかいいようがない。
 こうした傾向は『アジアの純真』や『リバーサイドホテル』となると極端になってくる。言葉が音楽とぶつかりあって、
言葉が音楽の従属物になっていることは間違いないが、少なくとも言葉としては一方向的なものになっていない。フレーズ
一つ一つはつながりを失い、ストーリーを作らず、それぞれはエピソードに近くなっていく。小説はそこから何かしら得る
ものがある気がする。
 別に井上陽水でなくてもいい。普通作詞する上では音楽がもたらす語感を重視して、言葉のつながりは重視しないとされ
る。サザンオールスターズにしてもスピッツにしてもどんなミュージシャンにしてもそういう歌詞は作っている。ただ、売
れて目立ち、なおかつ聴きやすいのが統一感があって「物語」がある詩だというだけではないか。そのどちらがいいのかは
別として、少なくとも後者の側からは、それ以上の小説は生まれない気がする。なぜならば、それは一度出来た「物語」の
エピゴーネンに過ぎないのだから。
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 12:34:37.23 ID:H2ydLUeNO
読むのが面倒なのは解る。俺も読みたくないが、今回投下してるから読まんといかんだろうな。
有名そうな人のだけを読む品評会もありだと思うか?
ただ、批判もなく感想も何もつかないが、読まれないのは虚しそうなのでひとつひとつに読まなかった理由を書くのはどうだろうか、と考えた。
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 12:43:47.63 ID:DRBjlhqU0
感想がつかないのも感想だってどっかのお偉いさんが言ってたよ
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 13:34:46.64 ID:hVwMzj0CO
そぉい
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 13:49:19.13 ID:hVwMzj0CO
読み終えた
仕事早よ終われ
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 15:07:15.36 ID:hVwMzj0CO
おっと
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 15:37:04.60 ID:H2ydLUeNO
>>359
読んで感想をつけないならそれは感想だと思うが、読まずに感想をつけないのも感想なら、全館いらなくね?
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 15:45:13.37 ID:nbCPiVyq0
せっかくの作品数なのに、投票しなかったら投票数が少なく品評会自体が残念なことになると思うんだ
流し読みでも何かに投票すればいいんじゃないかな
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 16:53:08.71 ID:H2ydLUeNO
>>364
投票しないのも投票のうち、とえらい人が言ってたよ。
投票に値するものがないのに適当に投票するのって、盛り上がっても中身がなくないか?
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 17:11:34.36 ID:yxNvpTUV0
>>363
俺は全部読んだよ。で、一つ一つが語れるのが面倒くさかったからこういう感想になった。
まぁ、信じてはもらえないだろうけど。
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 17:13:38.85 ID:TZdir2GM0
読まずに感想をつけないのは感想じゃないよ
それ何もしてないだけだから
368 ◆ihO9dxzf9I :2011/02/01(火) 17:13:49.86 ID:yxNvpTUV0
IDが変わってるけど>>359と同一人物なので一応の酉つけをご了承くだされ
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 17:32:13.17 ID:d6EBYZWZO
>>368
なんかまだ余力あまってそうだし、適当に書いてみたらいいんじゃないか?
でも文豪氏のツンツン感想は酷評すぎて嫌がられるかもしれないけど
ともあれ、なるべくは自分がつまらないと思った作品にも感想を書くべきだと個人的には思うけどね
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 17:52:38.72 ID:vW74/JJs0
帰宅
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 17:58:12.56 ID:yxNvpTUV0
>>369
つまらないと思った作品に感想をつけてもつまらないものにしかならんのよ。
そういうのは読む側としても面白くないと思うし、何よりこっちが書いていてつまらない。

難癖つけるなら、自信をもって出してきた一見完成度の高い作品を全力をもってフルボッコにして
いつぞや出てきたようなBNSKに来たばかりの女の子が泣いてる様を想像したほうが楽しい。
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:10:23.33 ID:xeV4QQnC0
好きに書けばいいと思うよ
文豪先生の全感なんていちいち読む奴の方が珍しい
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:14:02.37 ID:d6EBYZWZO
いやいや、だからスレタイを忘れちゃ駄目だろ。なんたってここは文才ないスレなんだからさ。
練習して上手くなろう、って目的のスレでそんな変則的な楽しみ方はよう……
どこどこが駄目で、どうしたら良くなると自分はこう思うとかさ。実際必要なのはそういう感想なんじゃないの?
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:19:08.64 ID:nbCPiVyq0
ihの人のは批評に近いと思うよ
つまらんだのどーのではなくて持論をぶつけているからね
もう少し書いた人にどうするべきだったのかをはっきり書けばありがたがられるんじゃないか
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:22:08.81 ID:deyiT6Td0
どうするべきかって?お前10冊くらいなんでもいいから本読んでこいよwwwwwwwwwwww
ラノベ以外でなwwwwwwwwwwwww
ってレベルのばっかで閉口する気持ちもあるのも確か
376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:30:14.75 ID:nbCPiVyq0
意見できないことに対する言い訳乙
377全館:2011/02/01(火) 18:36:45.19 ID:vW74/JJs0
No.01 君の知らない物語 1/3 ◇0KF/UBMvVE
出だしで歌詞くらって少々腰が引けた
オチがきれいにまとまっていて文章のテンポ良し
75点

No.02 閃光(お題:♪) 1/6 ◆7C6LTZ08z6
海外作家の小説を読んだときに陥る感覚というか溝を感じた
三者の立ち位置というか関係を読み直しても理解できず
68点

No.03 君がいない夏 1/5 ◇H9/xqIwyOc
主人公の一人語りが独りよがり
小説に限らず色んな本を読んで吸収していって貰いたい
60点

No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◇Lq1ieHiNSw
安定のエログロ
AVだとアゲハ食わされるレベル
描写のリアルさが嫌だ(褒めてる)
80点

No.05 Knockin' on Heaven's Door 1/6 ◇zS3MCsRvy2
中学生レベルの英語力でも聞き取れるボブ・ディランの名曲です
英語18点だった自分が保証します

No.06 basket case 1/1 ◇r8uKuXgh4M
HAHAHA!
58点
378全館2:2011/02/01(火) 18:38:22.02 ID:vW74/JJs0
No.07 Hello Tomorrow 1/4 ◆Mulb7NIk.Q
主人公止めてください
その手紙は十年後とてつもない破壊力をもっておまえの精神を滅ぼすのですよ
手紙にしては熱入りすぎてるのが気になった
風景描写を見習いたい
70点

No.08 天国と地獄 1/4 ◇ID:PX9QXkO70
もう竪琴あればいいんじゃないかな
これがシリアスな笑いというやつか
学びたいものだな
66点

No.09 夢じゃない 1/5 ◇p4MI6fJnv2
最初さっぱりで読み直して、おお、となった
テーブルにやたら固執してたのはそういうことだったのか
普通に感心してしまった
83点

No.10 CHE.R.RY 1/1 ◇Qvzaeu.IrQ
最後にとんでもないオチが待ってるかと思ったんだけど別にそんなことなかった
50点

No.11 カラクリアゲハ 1/4 ◇FcModpyaRc
自分の知らないところで世間はエログロアゲハブームなのか?
これは順序のせいなのだけどNo.04とかぶっていたためインパクトが薄かったのが残念
72点
379全館3:2011/02/01(火) 18:39:04.35 ID:vW74/JJs0
No.12 幻によろしく 1/6 ◇TCFfG0At1w
展開が読めること以外は及第点
最後が素直すぎるのでもうひとひねりしてみては
つか自分にも助けてくれる女の子ください
71点

No.13 ミラクルショッピング 1/2 ◇Qvzaeu.IrQ
みなも問詰めかとオモタヨ
オチが肩透かしだなぁ
65点

No.14 月光値千金 1/4 ◇5GkjU9JaiQ
これは歌詞を読んで評価を上げるタイプの作品
ただ、話に起伏がなさすぎるのが残念
74点

No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI
主人公が五万円さえもらってなければ……
話の出来は素晴らしいと思います
ただ主人公だけ得をしちゃうのは納得が
78点

No.16 欠けボタンの浜 1/6 ◇EqtePewCZE
文単位でみればセンス溢れてる
ただつなげてみると読者には不親切
優しくしてください
70点
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:39:16.01 ID:H2ydLUeNO
>>375
よく練られてるものがスルーされて、ラノベかよっつー作品ばかりがもてはやされる現状でラノベ以外をよめとな?
俺は純文学か歴史小説しか読まなかったが、bnskで評価を貰うためにラノベを読み始めたよ
381全館4:2011/02/01(火) 18:39:57.20 ID:vW74/JJs0
No.17 かおりちゃんタイム 1/6 ◇HmfYvBHWkM
通報した
60点

No.18 月光 1/6 ◇ihO9dxzf9I
一レスで心をくじかれた
ごめんなさい、自分アホなんです
60点

No.19 Don't Cry 1/5 ◇QIrxf/4SJM
よくわからないまま打ち切られた印象
やはり理解できる頭脳が欲しい
69点

No.20 クジラ12号 1/5 ◇InwGZIAUcs
真っ先にゼロ魔が浮かんだラノベ脳
オチ読めちゃった
悪くはないよ
72点

時間外No.01 月光 1/6 ◇XdfFerW0PE
六レス使ったにしては中身が薄い
話にもっともっと動きを
70点

時間外No.02 月のワルツ 1/5 ◆KC1zyS0wec
ダメだわからん
何故こんなにアホなんだろう
雰囲気は良い
67点
382全館終わり:2011/02/01(火) 18:41:23.13 ID:vW74/JJs0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.09 夢じゃない 1/5 ◇p4MI6fJnv2
【関心】:No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◇Lq1ieHiNSw
     No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI
**********************************************
久々で疲れたよ僕
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:43:54.50 ID:deyiT6Td0
>>380
文章レベルが低い 本読んでたらこうはならないだろうって思うほど
難しい言葉使えってんじゃなくて平易な言葉でももっと書き様あるだろうと

>>376
言い訳じゃなくて真面目にそう思うんだけどな 君こそ人の意見素直に聞けない言い訳乙
きっと君の作品に対して感想書いてあげたとしても悪い評価だったらこうやってちゃんと受け止めてくれないんだろうな
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:45:11.42 ID:yxNvpTUV0
>>372
作品も読まれないしな
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:50:54.76 ID:H2ydLUeNO
>>383
ラノベを勧めて会話文ばかりの作品になる方がいいだろ。不細工な表現や臭い表現が消える。あと俺は品評会に文学作品混ぜてた荒らしだったりする
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:52:22.32 ID:H2ydLUeNO
そんな半荒らしの俺にお題くれよ
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:52:53.07 ID:nbCPiVyq0
>>383
閉口せずに立ち向かえよって言ってるだけですが

>>385
練りこまれているかどうか判断できずに安易に著作権侵害しちゃった痛い人乙ッスwwwwwwwwwwwwwww
388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:55:34.39 ID:xeV4QQnC0
>>386
王様は裸、しかしそう叫んだ子供もまたよく見れば裸でした的なお話
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:56:17.40 ID:H2ydLUeNO
過去得票数二位くらいのを品評会であげてみようと画策中
390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 18:59:36.51 ID:deyiT6Td0
>>387
ここがつまらんとかもっとこうしろとか細かく書けば君の言う立ち向かうことになるわけ?
つまらん、レベルが低い、とかそんな感想に尽きる物が多い 努力した痕もみられない
だから本読んで来いよと言いたい
どんなに陳腐なもの本人にとってはそれなりに書いた労力があるからそこを評価してほしいのかな?
というかなんで俺が立ち向かわなきゃいけないの?何のために?少なくとも俺のためにはならない
切り捨てて何が悪い
391以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:05:10.97 ID:PeQzDpnv0
個人的に文豪先生の感想は役に立つと思うんだ
正論だし、感想を数文字でも書いてくれた人にはありがたいって思うし
要は感想の見方だと思う
全感でもそうでなくても、良いと思ったところを書いて悪いと思ったところを書くみたいな
そんな、作者を育てるような感想があれば嬉しいと思いました
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:10:36.45 ID:nbCPiVyq0
>>390
細かく書きたくないなら書いて立ち向かえよって言っただけです
切り捨てて悪いなんて言ってませんが、それに関して言い訳するなゴミとは言いましたね
393以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:13:40.76 ID:deyiT6Td0
>>392
どこが言い訳なの?感想細かく書かないのは怠惰だと言いたいの?
>細かく書きたくないなら書いて立ち向かえよ
だからなんで俺がそうしなくちゃいけないの?って聞いてるんだけど
394以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:17:10.82 ID:H2ydLUeNO
>>393
落ち着け。
落ち着けよ。

俺の一言でbnskがこわれてしまう!
なんてことだ!!!
395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:18:33.08 ID:TZdir2GM0
おまえら先週もこんな話してなかったか?
ホントに文才ないな
396以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:19:00.08 ID:H2ydLUeNO
俺は気持ち解るよ
感想とか関係なくて、ただムカついてただけなんだろ
とりあえずハチ公前で決着つけろよ
俺すげえマッチョだからさ
397以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:24:19.90 ID:nbCPiVyq0
>>393
レベルが低いという極めて主観的な事実を言い訳にしてることに気づけないのはマズいかと。自分のレスを見返してください。
あとは自分が言及したことには関係が無いので自分で考えてくださいね。
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:24:32.09 ID:yxNvpTUV0
スルメイカでもかんで落ち着けばいいんじゃなイカ
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:27:42.14 ID:d6EBYZWZO
はいはい。とりあえずなるべく感想はしっかり書けよー。特に常連の奴らは特になー。
まあ時間ない人はいいけどさ。感想は任意だしさ。でも誰かが言ってたように、育てる感想が一番理想だと思うぞ。
400エビ娘:2011/02/01(火) 19:28:00.09 ID:H2ydLUeNO
イカうまいデビ
401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:28:40.92 ID:5ZTFcbqD0
全館か……
義務だと自分に言い聞かせちゃうからやる気が萎えちゃうんだよな
感想が怖いとかそんなことは全くないんよ
例えihOの人だって、珍しいから面白いし、稀にデレるし

……お題「第252回週末品評会全館」をもらったと考えればいいのかねぇ?
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:28:50.83 ID:etvWax+/0
所詮小山のなかの小競り合いよ
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:30:02.32 ID:deyiT6Td0
>>397
文章レベルが低いって意見を主観的と捉えてる時点で本読んでないのが分かる。様は考える軸がないんだろ
自分で言ったことに逃げないでそれこそ立ち向かってください
放棄されちゃうと話にならないな
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:31:27.49 ID:H2ydLUeNO
鎮火しかけたところでまとめるよ
感想を書かないのは怠惰でクズだが強制はすべきではなく自分で気付くこと。
これでいいの?初心者だからワカンナーイ^^
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:32:03.79 ID:yxNvpTUV0
>>400
エビごときにイカが食せるわけないでゲソよ
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:35:52.74 ID:PeQzDpnv0
二人とも読まず嫌いせずに、どんなジャンルも読んでみるべきじゃね?
>>393さんは、色眼鏡を外してラノベとかその他の軽小説読んでさ。そいで、いいところを無理やり見つけれればいいじゃん。そうすればいいとこの一つぐらいは見つかるよ。
>>397さんは、主観的でも感想付けてくれるだけでもありがたいのに、それにケチつけるのはどうかと思います。
自分の作品に自信持てなかったり、他人の感想にケチつけるヤツは直ぐに筆を折るべき。
それかブログにでも掲載すべき。
407エビ娘:2011/02/01(火) 19:39:08.02 ID:H2ydLUeNO
>>405
食べられる前にイッセ食べてやるでびー
ゲソとイカくらい使いやすい言葉がほしイセ!
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:40:36.75 ID:H2ydLUeNO
>>397
ほら、古参どうしで組んで虐めてきたぞ!
殴り返そうぜ
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:41:59.99 ID:d6EBYZWZO
ためになる感想をもらった時の事を思い出して、それと同じ事を相手に対してもする
感想は昔スレで教えてもらった事の感謝に近いかな
多少はその時の気分にも左右されるけどなー
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:42:04.99 ID:H2ydLUeNO
俺はbnskのためにこんなピエロをしてるんだよ。みんな、落ち着いたかい?
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:43:16.88 ID:nbCPiVyq0
よくわからんけど、全員表に出ろや!
>>406べつに他人の感想にケチつけてねーぞ!!ゴルァ!書かなかったら書かなかったでいいけど言い訳スンナって言っただけだぜオルァ!!!!
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:45:05.23 ID:H2ydLUeNO
>>406
主観的な感想にケチではない
つまらんから感想かかんではなく、詰まらん理由を書けば喜ぶと言ってんのに筆折れはひでえと思う
ピエロだけどそう思う
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:46:08.20 ID:H2ydLUeNO
>>411
わかるわー、マジ気持ちわかるわー
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:48:15.34 ID:H2ydLUeNO
まともなお題くれ
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:49:05.43 ID:nbCPiVyq0
火山の噴火
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:49:20.34 ID:vW74/JJs0
>>414
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:49:25.80 ID:H2ydLUeNO
俺の作品で混沌を止めてみせる!
早く、早くお題をくれ!
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:49:43.01 ID:5Nee0ZNu0
>>414
回天
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:50:16.90 ID:H2ydLUeNO
>>415
貰う、感謝
416のは次にでも
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:52:23.36 ID:xeV4QQnC0
>>384
自業自得だし承知の上なんだろ?
まさか自分だけは例外的に何をやっても許されるなんて子供じみた事を考えてる訳でもないんだろうし、何か思う所あってやってるんだろう。
そう言う態度については正直評価しないでもないよ。
ただ実際に文章を読むと許せないってだけ、だから読まない。
作品しか読まないし、何を言って無駄だと思うから特に感想を書く必要も感じない。
品評会作品に関しては全感があるからわざわざ外しもしないけど。
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:55:20.98 ID:TZdir2GM0
◆VXDElOORQI氏の全感とか見習うといいよ!
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:55:22.47 ID:d6EBYZWZO
いやいや、混沌なのか? つまり『なるべく書き手の人のためになりそうな感想を書きなさい』って事なんじゃないか
お前らだってスレに来たばかりの時はお世話になったはずだろうと
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:59:08.72 ID:H2ydLUeNO
>>422
下らん作品が多いから感想付ける価値もねーわ、ゴミ排出やめて筆折れよオナニー厨だと!?許せねえ!
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:01:03.36 ID:d6EBYZWZO
>>423
ガッ
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:21:58.89 ID:H2ydLUeNO
ほら、落ち着いただろ。
もう喧嘩すんじゃないよ
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:27:30.51 ID:MgK8YpF3O
じゃお題
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:28:27.28 ID:rk1Z+A700
祭り
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:29:10.47 ID:MgK8YpF3O
うい
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:29:17.89 ID:W1qW+sHa0
もし時間あったら書きたい。
お題ちょーだい。
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:29:50.15 ID:xeV4QQnC0
余暇
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:30:51.66 ID:W1qW+sHa0
さんくす
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:39:46.22 ID:7wlKuyQuO
お題くれ
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:41:29.27 ID:TZdir2GM0
>>432
司祭
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:51:56.18 ID:7wlKuyQuO
すまん、無理だ
日常的なお題くれ
わがまま言ってすまん
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:53:04.71 ID:xeV4QQnC0
クラスメイト
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 21:37:11.46 ID:hVwMzj0CO
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 21:46:30.11 ID:fxe/2j7GQ
題くれ
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 21:50:43.15 ID:ihyvimL70
>>437
酔っぱらい
439中感 ◆0KF/UBMvVE :2011/02/01(火) 22:34:28.83 ID:Lh7sA/KI0


No.07 Hello Tomorrow
 語り口調の読みやすい文体に、気持ちが入っている文がいいですね。
 ストーリーとしての面白さ等は見えなかったのですが、状況が浮かぶ
 主人公がそう考えているというシーンだけでここまでの量をかけるのは
 羨ましいと思いました。

No.08 天国と地獄
 オルペウスですね。どこかで見たようなストーリーですね。
 オチを見てこんな話があったようなと思いました。
 
No.09 夢じゃない
 一つの動作が長いですよね。
 そう? でも、そうだね
 と会話に意味が無い相槌でも、描写シーンがやたらと長いからですかね
 ストーリーは進みません。こういう描写を好む人も居るので、悪いとは
 言えないのですが、無意味な描写は何かの伏線かな?ときばって読んでしまう
 ミステリ好きな自分としてはいまいち……。

No.10 CHE.R.RY
 詩ですね……。ストーリーになってなかったような。
 詩を書いたと言われれば、「そうですね」と返しますが
 小説を書いたといわれると「うーん?」となってしまいました。

No.11 カラクリアゲハ
 グロですね。
 エロやグロは苦手なのでパスします
 でも、こういうと読まずに〜と叩かれるのかな。
 会話文が一切なくプロローグ、モノローグ、という印象を受けました。
440後感 ◆0KF/UBMvVE :2011/02/01(火) 22:35:32.78 ID:Lh7sA/KI0

No.12 幻によろしく
 綺麗な話でした。ストーリーの一部分という印象を受けました。
 成長、ですかね。
 ワタナベ君というのが、ありそうであまり感情が入らなかったですが。
 スズキさん、やタナカさん、という名前を星真一ショートショートで
 見たような印象。

No.13 ミラクルショッピング
 ドンキでいいです、私はドンキで我慢しますよ。
 こちらはNo.10と違ってまだ会話が主体になってますが、
 ストーリー的に独り善がりな印象を受けました。
 ちと痛い子かな、そういう主観で書きたかったんだ。
 と言うのであればそうなんでしょうね。


No.14 月光値千金
 気障な小説でしたね。痒くなります。
 そしてこういうのは割と好き。
 ただ読み飽きた……。

No.15 星のくずは銀の色
 面白かったです。
 起承転結がきれいに分かれて読みやすく、
 プロットを作りこんだという形跡がありますね

ギブアップ……ごめんなさい……。
眠いです……
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 22:40:54.84 ID:Lh7sA/KI0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.15 星のくずは銀の色
【関心】:無し
**********************************************
全部読んでません、15までです。
後の話はもっと楽しい物が出てくるのかなと思いながらも
綺麗なまとまりで読めたので。

No.15までで投票するならこれかな、と。

15以降のは、明日にでも適当に読んで
適当に頭にしまっておきますね。

品評会お疲れ様でした。
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 22:43:36.90 ID:ihyvimL70
おつかれさまでした!
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 22:50:23.09 ID:+pnju0LJ0
お疲れ様。
では、俺も全感投下。
時間がなかったし、おざなりな感想になったのは許してくりゃれ。
444全感 1/5 ◆HmfYvBHWkM :2011/02/01(火) 22:52:34.50 ID:+pnju0LJ0
No.01 君の知らない物語 ◆0KF/UBMvVE氏
全部自分が原因なんだし、そりゃそうなるわな。
会社に戻った後の内容はちょっと面白かった。

No.02 閃光(お題:♪) ◆7C6LTZ08z6氏
精神異常者のお悩み相談は他でやってもらえませんかねえ?

No.03 君がいない夏 ◆H9/xqIwyOc氏
主人公が過去の感傷に浸るだけの陳腐な作品。

No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- ◆Lq1ieHiNSw氏
回想部分でアゲハ蝶の飼育場面が出てきた時、この作者だから寄生バチネタを使ってくるだろうなと思ったらドンピシャだったでござる。
……閑話休題。
この作品、所詮ヤドリバチにしかなれなかった主人公の悲哀がしっかり描かれていて良かったな、と。
そして4レス目後半からのAV男優とのグロいセックスシーンは気持ち悪いと思うと同時に、ADが室内にアゲハを放った
場面辺りは美しいと思ってしまった。捕食する場面はアレだったけどな!
普段俺は文章力を重視する必要はないと考えてるんだけど、このシーンは完璧に脳内でイメージさせられてしまった。
豊かな筆力に乾杯、ですわ。

No.05 Knockin' on Heaven's Door ◆zS3MCsRvy2氏
話の先が読めちゃったし、特に見るものはなかった。
笑いを狙ったであろうラノベチックな言い回しも、自分にはただ空回りしてるだけに映った。

No.06 basket case ◆r8uKuXgh4M氏
ブラックだなあw
冷たいの意味を上手くかけてるなあ、と感心した。

No.07 Hello Tomorrow ◆Mulb7NIk.Q氏
思春期の少女が思い出を自分語りするだけの浅薄な作品。
445全感 2/5 ◆HmfYvBHWkM :2011/02/01(火) 22:53:16.75 ID:+pnju0LJ0
No.08 天国と地獄 ◆ID:PX9QXkO70氏
ただ話をなぞっているだけな感じがする。
ギリシャ神話に詳しくないから分からないけど。

No.09 夢じゃない ◆p4MI6fJnv2氏
          _____
  .ni 7    /        \   ご冥福をお祈りします
l^l | | l ,/) / /・\  /・\ \    .n
', U ! レ' / |    ̄ ̄    ̄ ̄  |  l^l.| | /)
/    〈  |    (_人_)    |  | U レ'//)
     ヽっ     \   |    /   ノ    /
 /´ ̄ ̄ ノ     \_|    \rニ    |
                      `ヽ   l

No.10 CHE.R.RY ◆Qvzaeu.IrQ氏
舞い上がった思春期の少女が独り言を述べるだけの平凡な作品。

No.11 カラクリアゲハ ◆FcModpyaRc氏
話自体は激寒な内容なので、別視点から突っ込みを入れてみる。

>時として野獣の心を宿したかのように私を壊しかけて。
後輩を襲う野獣先輩ですか?
栄養剤に睡眠薬を入れて眠らせるんですね分かります。

>貴方は私の裂けた喉に舌を入れて、私の空洞に唾液を垂らしこんで、舌はそのまま上へ上へ、糸で縫われ閉じられた唇に口付けを。
舌長すぎだろwwwwwどこのモンスターだよwwwww

No.12 幻によろしく ◆TCFfG0At1w氏
意外と楽しめたけど、う〜ん……
やっぱり内容がちょっと綺麗すぎる。俺は影を感じる作品の方が好きなので。
446全感 3/5 ◆HmfYvBHWkM :2011/02/01(火) 22:54:21.25 ID:+pnju0LJ0
No.13 ミラクルショッピング ◆Qvzaeu.IrQ氏
ま た し し ゅ ん き の お の ろ け か !

No.14 月光値千金 ◆5GkjU9JaiQ氏
よし、今週はここをチラ裏代わりに使わせてもらおう。

今現在地上波で放送されているアニメ作品の中で、中々の変態ギャグアニメがある。
その名も、お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!(以下、おちんこと呼称)
主人公であるお兄ちゃん大好きな妹が兄をあの手この手で誘惑し、周囲の人間もそれに負けじと暴れ回るエロギャグ作品
なのだが、これまで放送された話の中で俺が興味をそそられたのは第一話だ。
ふとしたきっかけで自分が兄と血縁関係がないと知った妹はショックを受けるのだが、その内容が違っていた。
何とこの妹、兄と背徳的な恋愛を楽しめなくなる事がショックだったのだ。
普通この手の兄妹が恋愛感情を持つ作品は、ヨスガノソラや俺妹のように近親相姦に対しての葛藤が前面に出る事が多い。
だがおちんこは妹がそういった葛藤をすっ飛ばし、兄妹である事を都合の良いものと考えて楽しんでいる作品なのだ。
そんな妹の姿が勢い良く、開けっ広げに描かれている点が非常に素晴らしい。
作品の性質上、人を選ぶのは間違いないだろう。眉を顰めたり、下らないといった反応が返ってくるのも頷ける。
だが、この作品からはほとばしる眩いばかりのエネルギーを感じるのだ。世界観を許容できた先には活力に満ちた笑いが待っている。
何も考えず、目前の出来事に笑う。おちんこはそんな良質のエンターテイメント作品だ。

No.15 星のくずは銀の色 ◆pxtUOeh2oI氏
なるほどなあ。
話に捻りが効いていていい感じ。楽しく読む事ができた。

No.16 欠けボタンの浜 ◆EqtePewCZE氏
あー、この手の作品は訳分からないという感想しか出てこないや。
別の人が見ればきちんとした感想が言えるのかもしれないけど、俺には無理だ。すまん。
447全感 4/5 ◆HmfYvBHWkM :2011/02/01(火) 22:55:25.44 ID:+pnju0LJ0
No.17 かおりちゃんタイム ◆HmfYvBHWkM氏
自作。タイトルの歌はみんなのうたで流れていたやつ。
タイトルを「妄想☆ふぇてぃっしゅ!」や「あんりある?パラダイス」にするか迷ったけど、結局これにした。
もっとエロギャグな作品にしようと思ってたけど、こんなんになりました。
にしても……マゾはサドを兼ねるとよく言われるけど、俺も例外じゃなかったみたいだねぇ(遠い目

No.18 月光 ◆ihO9dxzf9I氏
つまり相手の自信を完全にぶっ壊し、泣いている様を楽しむと。
まあ俺はつまらない作品をネチネチといじめる方が楽しいけどね。
で、おにゃのこが耐えきれなくなった所を見計らって優しい言葉で包み込む。飴と鞭ってやつですよ。うふふふふ……
にしてもピアノを弾いている夢を見ただけでよくもまあ、ここまで話を広げられるもんだ。
氏の想像力には感服致しますぜ。
で、最後まで読んだ感想。
「面白くない」

No.19 Don't Cry ◆QIrxf/4SJM氏
関係ないけどずぶ濡れの女の子ってエロスを感じるよね。
服が透けて淡い水色のブラジャーがうっすら見えてる所とか、健康的な肌がうっすら見える所とか。
ぴっちり張り付いた衣服が体のラインを際立たせてる所とか。

No.20 クジラ12号 ◆InwGZIAUcs氏
設定に話の内容が完全に負けてる。
俺はこの世界で繰り広げられる別の物語を見てみたい。

時間外No.01 月光 ◆XdfFerW0PE氏
幽霊萌えといえばおキヌちゃんでしょう。それ以外は認めません。

時間外No.02 月のワルツ ◆KC1zyS0wec氏
これも世界観だけの作品かな。話の中身はありきたり。
448全感 4/5 ◆HmfYvBHWkM :2011/02/01(火) 22:57:00.23 ID:+pnju0LJ0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- ◆Lq1ieHiNSw氏
【関心】:No.15 星のくずは銀の色 ◆pxtUOeh2oI氏
     No.06 basket case ◆r8uKuXgh4M氏
**********************************************

俺も作品に対しては全部読んで感想書いてるよ。
感想中で読み飛ばしたと明言してない限りは最低一回は全部読んでる。
そして記されている内容に対して思った事、感じた事をありのままに述べてるぜ。
今回の品評会、お題である歌の内容に引き摺られて面白みを失った作品が多いように感じた。
俺にも言える事だけど、みんなもーちょっと頑張ろうぜ。
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 22:57:53.71 ID:+pnju0LJ0
以上。
関係者の方々、お疲れ様でした。
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:03:13.37 ID:1PxuebHX0
今週は押井守の新作パト小説を読むために
品評会半分ぐらいしか読まなかったんだけど
まだ本が手に入らないぞ、くそ
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:16:35.43 ID:ihyvimL70
そういやいつか聞こうと思ってたんだけど
スカイ・クロラの映画って見る価値ある?
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:24:58.33 ID:xeV4QQnC0
みればわかるよ
453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:25:51.35 ID:TZdir2GM0
226 名前:投票 ◆QIrxf/4SJM [] 投稿日:11/02/01(火) 23:18:59 ID:vp26/Uj9 [1/4]
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.14 月光値千金 1/4 ◇5GkjU9JaiQ氏
               ―感想―
まず、曲を調べてビビッたよ。ホーリーシッt!!!エノケンだってぇ……あんた何歳なんだ!
すごいキザったらしいいい曲なんですよね。黒人ジャズシンガーと噺家が混ざったような、
実にいい歌い方なんですよ。へへへなんて笑ったりしてね。僕が読みながら聞いたのはそのバージョンです。
内容ともさして矛盾していなかった、と思う。
ジャズのね、超いいところは、みんながリバイバルするんですよ、なんでもアレンジして取り入れるし。
アナログ盤のノイズですら、一部になるくらいさ。そういうところがロックだとかとは違うわけ。僕は著者の人がどれがお気に入りなのかすごく知りたいなと思ったので、あとでこっそり教えてね!CD探してみると思う。(金があれば)
で、小説。どうすれば、あの子をクラッとさせられるんだろう。そういう風に考えたとしたときに、一つの答えとしてこの小説は与えられるものだ。
余計なものは一切そぎ落とされている。半端じゃない洗練ぷりである。僕もこれくらい書きたいわけですよ。なかなか難しいけど。うらやましいね。
もうね、キザなんですよね、で、キザであることも分かってるんですよね。平田さんも忠告してるw それを知らないふりをして(?)執行するわけです。
あとから思い返しちゃうだろうことを考えると、半端じゃないリスクなんですよ。日常におけるリスクとしては、おそらくもっともハイリスクな部類だと思う。
でも必要なことだよね、バシッと向き合うのは。だから俺も向き合うためにリスクを犯さなくてはならない。
こいつらは青臭い?古臭い?「友梨のこと、さ。」月に値段がつけられないのなら、その月が照らすものは皆、黄金だよ。

関心票につづく
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:26:07.91 ID:ihyvimL70
見ずとも知りたいから聞いてるんじゃないか
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:26:34.14 ID:TZdir2GM0
227 名前:投票 ◆QIrxf/4SJM [] 投稿日:11/02/01(火) 23:21:25 ID:vp26/Uj9 [2/4]
気になった作品:
No.01 君の知らない物語 1/3 ◇0KF/UBMvVE氏
               ―感想―
初音ミクのファンはスーパーセルにブチギレるべきである。
彼らの1stは初音ミクであるからこそ認められたのに、ばっさり切り捨てている。
1stはね、はいはいバンプバンプってやつなんですよ。別にね、そりゃいいんですよ。だけど、おんなじことを人間使ってやってんじゃねーよクソが。
で、小説の内容。やるべき仕事を残した青山が、業務を放棄して星を見に行ってしまう。彼は無事、星を見ることができた。トラブルも解決していた。
が、それは青山の責任とされ、(おそらく)端っこに追いやられる。彼はこんな感じのことを言ってしめくくる。「俺の知らない物語があったみたい。」
さて、ここで問題にしたいのは、果たしてそれが君の知らない物語、タイトルを借用するに足りうるかどうかである。
曲の方は、あたしは君に惚れてるんだよ!と大雑把に言えばそういう歌詞だ。借用したタイトル「君の知らない物語」は曲中における「私」の気持ちの移り変わりを示唆している。で、それはこの小説には一切無い。
この小説の最後を読んでみる。俺の知らない物語があったと明記されている。やっぱりタイトルにふさわしくないじゃないか!改変禁止だから無理やりつかったのかよ!
だけど、本当に知らなかったんだろうか? 青山が星を見に行くと決意したのには、何か理由があるのではないだろうか。仕事をやめるためのあと一押しを必要としていた、とかね。ヒントになりそうな一文は存在する。
>ほら、見てみろ全てが上手く行く。
給料が下がって仲間の信用を失うハメになっただけなのに、何が全てだ!とブチ切れるのはよくないだろう。全てというならば、それも肯定されるべきだ。
彼は自身のミスを知りながら敢えて放棄し、メンバーに発見させるために星を見に行った。そう解釈でき……ない。
なんてこったい!俺は綺麗さっぱりクビになるためにワザとやったことなんだ、という感じの君(ら)の知らない物語が生まれるための理由が欠落している。ただの自滅じゃん。
それは俺の知らない物語ではなかった!としても、君の知らない物語にはなりえなかった。メンバー視点からの君の知らない物語は? それもない。こいつら何のフォローもして無いからだ。
メンバー同士のギクシャクやら、友情やらを少し描いてあればよかったのに! 普段なら投票だよ、でも相手が悪かったです。
456以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:27:15.33 ID:TZdir2GM0
228 名前:投票 ◆QIrxf/4SJM [] 投稿日:11/02/01(火) 23:21:44 ID:vp26/Uj9 [3/4]
No.03 君がいない夏 1/5 ◇H9/xqIwyOc氏
               ―感想―
関係ないけど、このPVかなりホモっぽいですね。ゲイが戻れない時を祈っていたらすごく儚いですよね。
さて、これはとてもいい小説だ。主人公は、十年前に亡くした恋人の最後の墓参りをする、という話。完全に原曲をヒントにして、タイトルにするだけふさわしく、敬意を感じられる。
で、アイスクリームに注目して読みました。
アイスはコンビニで売られていました。それを買いつけたのは主人公。お供え物にするためだった。
十年前から続く男女の関係、殺したみたいに時効という言葉を出す主人公、なんかを感じながら、アイスは溶けていきます。しまいにはすっかり溶ける。
で、アイスはスプーンを揺らす。それは風が吹いて揺れたのかもしれない。けれどやっぱり霊的なパワーがかかわってると僕は信じるわけですよ。
アイスがシンパシー感じちゃったわけですよ。彼女がバイバイしたってことだよ。これはスゲーよ。愛だ。
じゃあ主人公は? ただ、もう墓には来ないことだけが描かれている。脱・彼女したことを自称する。
このとき、本当にこの話が完結するためには、これだけじゃあダメだと思うんだな。アイスのことを忘れてたらダメなんだと思う。
このままだと、主人公はアイス食べれないよね。それがまだ特別なアイスであるまま終わってしまった。
もし結婚相手が百円アイスを出してきたらどうするんだろう? 食べることができたなら、主人公は本当の意味でケリをつけることができるのだと思う。
それを暗示する描写がわからなかったので、描いたつもりなければ、是非、そういう開き方で終わって欲しかったカモ。

No.10 CHE.R.RY 1/1 ◇Qvzaeu.IrQ氏
               ―感想―
サイコー。これは本当に、作者本人の前で朗読してやりたいね。イカれてるよ。ブッ飛んでるね。
スレめくってると二つあるんですよコレ。ヤバイよ。
恋しちゃったんですよ。もうそれはしょうがないことなんですよ。会いたいとか会えないとかじゃないんですよ。もうね恋しちゃったんですよ。
狂気に満ち溢れた戦慄の一作!
**********************************************
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:39:33.23 ID:7SXEDsX/0
てすと
458 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/02/01(火) 23:40:51.87 ID:ay1MEGv90
******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】:No.14 月光値千金 1/3 ◇5GkjU9JaiQ氏
**********************************************

とりあえず、読んだところまでで、一回投票。
no14は、なかなか面白かったけど、惜しい感じ。
詳しくは、後ほど。
459 ◆EqtePewCZE :2011/02/01(火) 23:45:38.22 ID:kNjYNXFC0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.05 Knockin' on Heaven's Door ◆zS3MCsRvy2氏
【関心】:No.14 月光値千金 ◆5GkjU9JaiQ氏
     No.18 月光 1/6 ◇ihO9dxzf9I氏
     No.20 クジラ12号 1/5 ◇InwGZIAUcs氏
**********************************************

間に合わないから先に投票。全部読んでるけど全感間に合わなす。
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:52:25.89 ID:7SXEDsX/0
規制解除された
王様の耳はロバの耳ってことを言いたくて久々に
このスレに来たよ

芥川賞の「苦役列車」じゃない方の作品
これを盗作だと言ってるやつがいた。
盗作元は「盲目の梟」
絶版だけどアイディアが酷似しているんだと。
翻訳者は慶応大学の教授。
受賞者は慶応大学の学院生だっけ。
受賞者の親父はフランス文学者だっけ。

パロディもオマージュも出典が明らかであるなら
大変けっこう。
でも盗作はきらい。

執筆者も読者も似たような著作が
だいぶ前にあるってことしらなけりゃ
それはオリジナルで通るのは仕方ないことだけどな。

王様の耳はロバの耳ーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

あ、あと、品評会作品の「月のワルツ」
この中の 気晴らしならいくらでもあるけど、問題の解決にはならない みたいな
台詞は、逃げ続けてる俺には目から鱗の名言で、ちょっと痛かった

461 ◆H9/xqIwyOc :2011/02/01(火) 23:54:30.57 ID:yJnomXB80
******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
【関心】:No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI
**********************************************

だめだ、全館する時間なかった
とりあえず投票だけ
462 ◆tMhmjHSlXE :2011/02/01(火) 23:55:31.36 ID:Y4wEpkZm0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.05 Knockin' on Heaven's Door ◆zS3MCsRvy2氏
会話がとても楽しかった。というかどうすればそんなの思いつくのか知りたいwwwww

【関心】:No.03 君がいない夏 1/5 ◇H9/xqIwyOc 氏
     ああ、なんかおいらも泣けてきた
     No.17 かおりちゃんタイム 1/6 ◇HmfYvBHWkM
     全く持ってけしからん。本当にけしからん。……ふぅ
     
**********************************************

463 ◆r8uKuXgh4M :2011/02/01(火) 23:57:39.04 ID:hAmspTwI0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.14 月光値千金 ◆5GkjU9JaiQ氏
【関心】:No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI
**********************************************

投票だけ。

basket caseってのは精神的に参ってる人って意味。動かない人って意味。
464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:58:39.38 ID:5PTOY2Tj0
>>460
昔から物語には面白くなりやすい構造があって
面白い物語と面白い物語は構造が類似しやすいって
ブロップやらバルトやら蓮實重彦やらがいっててだな

要するにロバの耳は狙ってやってることと気付いてないか
あるいは王様はロバの耳でなければなれないと知ってないか
ってことだ
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 23:59:56.26 ID:1PxuebHX0
>>451
ブルーレイを見る環境のない俺が、
特典の脚本のために、ブルーレイの特別仕様を買ったぐらいの作品
映画館で見ると音がまじすごい
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:05:25.92 ID:h6UF5oyp0
 投 関
 −  1 No.01 君の知らない物語 ◆0KF/UBMvVE氏
 − − No.02 閃光 ◆7C6LTZ08z6氏
 −  2 No.03 君がいない夏 ◆H9/xqIwyOc氏
  1  1 No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- ◆Lq1ieHiNSw氏
  3  1 No.05 Knockin' on Heaven's Door ◆zS3MCsRvy2氏
 −  1 No.06 basket case ◆r8uKuXgh4M氏
 −  1 No.07 Hello Tomorrow ◆Mulb7NIk.Q氏
 − − No.08 天国と地獄 ◆ID:PX9QXkO70氏
  1 − No.09 夢じゃない ◆p4MI6fJnv2氏
 −  1 No.10 CHE.R.RY ◆Qvzaeu.IrQ氏
 − − No.11 カラクリアゲハ ◆FcModpyaRc氏
 − − No.12 幻によろしく ◆TCFfG0At1w氏
 −  1 No.13 ミラクルショッピング ◆Qvzaeu.IrQ氏
  2  2 No.14 月光値千金 ◆5GkjU9JaiQ氏
  2  4 No.15 星のくずは銀の色 ◆pxtUOeh2oI氏
 −  1 No.16 欠けボタンの浜 ◆EqtePewCZE氏
 −  1 No.17 かおりちゃんタイム ◆HmfYvBHWkM氏
 −  1 No.18 月光 ◆ihO9dxzf9I氏
 −  1 No.19 Don't Cry ◆QIrxf/4SJM氏
 −  2 No.20 クジラ12号 ◆InwGZIAUcs氏
 − − 時間外No.01 月光 ◆XdfFerW0PE氏
 − − 時間外No.02 月のワルツ ◆KC1zyS0wec氏

というわけで優勝は『No.05 Knockin' on Heaven's Door』を書かれた◆zS3MCsRvy2氏です。
おめでとうございます。
お題発表時期の発表その他諸々お願いします。
皆様お疲れ様でした。
467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:10:15.70 ID:DenLA84A0
◆zS3MCsRvy2氏おめ
運営さん乙
468全感 0/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:11:25.81 ID:4fAIXDl00
◆zS3MCsRvy2氏おめでとうございます
全感がやっと書きあがりましたので投下します
途中で◆zS3MCsRvy2氏を祝うなりさるよけしていただければ助かります
469全感 1/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:12:14.75 ID:4fAIXDl00
シャッフル!
ってことで読む順番をあみだくじでランダムに決めました。
順番に左右されず、平等な批評を目指すためです。読みにくいとは思いますが、なにとぞご容赦ください。
読んだ後並び替えればいいじゃんとかいう意見はなんとなく却下します。
読んだ順番は以下の通りです。
21(時間外1)→12→5→3→20→2→17→9→6→14→11→10→7→1→22(時間外2)→18→19→13→4→15→8→16

時間外No.01 月光 1/6 ◇XdfFerW0PE氏
ピアノソナタの月光でしたか。ははあ、人気ですねぇ。
話はどこかで百回は聞いたような感じだなあ…… 学校の怪談? 音楽室のピアノ? 月光? ちょっと斜に構えた主人公?
ヒィャァァァァあーりーがーちー も一度言う あーりーがーちーだーよー
お前らしくねえよ! って自分は氏を知らないけど言ってみる。
なんか一生懸命枠からはみ出さないことを考えてるような気がする。そんなのは書くことが仕事になってからしやがれです!
そうそう、枠からはみ出そうとしていないせいか、これといった粗は無いように思ったんだけど、魅力も無いんだよね。
それが最大のウィークポイントだと思います。

No.12 幻によろしく 1/6 ◇TCFfG0At1w氏
知らない曲だ。URLも無いみたいね。
一節目が好みだった。読み易かったし。なんとなく森絵都の「カラフル」っぽいな〜と思いました。設定がかな? 気分を害したらごめんです。
あ、そうだそうだ、1レス目の最後って意図して削ってるの? 読み続けようと思えばできるけど、なんか違和感ありますよ。
「彼」はもう一人の「僕」だったのかな…… なんて模範解答的なことを考えてみる。
思春期の学生さんなんかが読んだら感じるものがあるのではないかな? そういえばこれ何歳代の設定なんだろう。
時分は中学生くらいかなと思いました。
状況描写っていうか、触覚、その書き方が上手だなあと思いました。ナチュラルで柔らかくてふわっとしてる感じ。
その氏らしさの感覚を忘れないでいてほしいなと思います。
470全感 2/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:12:55.93 ID:4fAIXDl00
No.05 Knockin' on Heaven's Door 1/6 ◇zS3MCsRvy2氏
これは知ってる曲だ。久しぶりに聞いた。やっぱりそういう系なのかな?
お、また怪談話だ。どれどれ読んでみますか。
おお〜、読み易い! 読み易いぞ!! 文章慣れしてる感じ? すごくスイスイ読めました。光平くんイケメンや。
特に文章に勢いがあるところ(光平くんのお母さんの台詞とか、「見た、見た、見た、見た、見た、さらに見た、」のくだりとか)は
上手いなー、と思いました。面白い文体ですな。一回やってみたい。
一方で描写はちょっと甘いかなと感じました。というのも、描写を挟んだ周りの文が、文章力があるから勢いで持って行けちゃうんだろうなと。
話の内容も良かった! こういうのね、好きだよ!
全力で何かをするっての… 良いよね。それだけでうつくしいよ。
あと、かっちゃかれってなんぞwwwwwwwwwwww

No.03 君がいない夏 1/5 ◇H9/xqIwyOc氏
な、なんで文がこんなことになってるの?うう、読みづらい。あ、でも最初の1レスだけか。やれやれ。
文量も少ないし、アッサリ読めた。ケータイ小説的なアッサリ感だね。
現実主義的かもしれないけど、彼女にあげたアイスの処理の仕方が気になって気になって。
え、アイス溶けてるよね?どうすんのかな、飲むのかな。ひょっとして墓石にかけちゃう?いやいやそれはなんか不味いでしょ掃除大変そうだし
みたいなことをごちゃごちゃ考えてた。そして結局主人公よそのアイスをどうするつもりだ? 真相は藪の中か……
あ、それと、1レス目の最後の行「当然だ。お墓が喋ることなんてありはしないのだから」を読んで思ったんだけど、
読者って結構書き手が思うよりも先の先を予想しながら読んでると思うのよ。
だからここでこの文が登場しちゃうと、なんか野暮ったい感じがする。人の思考力、ナメたらちとしょっぱいで!!
話の内容は、「失う」ということを書いた地点で自分としては「あ、ずるいなあ」と思っちゃうね。
やっぱり、心の深い部分に触れるからねえ。
「大切な人の死は、魂を成長させる。それを認めることは、とてもやるせないことだけど。」
という一文が山田詠美の「PAY DAY!!!」という本に登場する。
いつまでも人の心に残って忘れられない一文、というのが、書けたら良いよね、と自分も思います。
471全感 3/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:13:45.05 ID:4fAIXDl00
No.20 クジラ12号 1/5 ◇InwGZIAUcs氏
これは、メジャーな曲をうまく料理したなあ。クジラ12号かわいいよ、クジラ12号。
童話っぽい雰囲気がいい感じに出ているなあ。欲を言えばリーナの前に行く前にもう2,3つ、挿話があればよかったかなと。
分量上難しいかな……。どうだろう?
人の名前に関する誤字脱字がやや気になったけど…… 推敲がんばれ!!
それにしても、やっぱり人の想像力って素敵だわね。この作品読んでつくづくそう思ったよ。
こういう作品が書ける人がいるって良いなー。

No.02 閃光(お題:♪) 1/6 ◆7C6LTZ08z6氏
これはどの曲なんだろう。作者からの提示を待つとするか。
>「リリスもこれば良かったのに」 台詞の誤字って地の文より気になるよね。
>精神病院は白を病院に明るい色で塗り固められており、その中身はともかく、誰でも清潔さを感じられるような外面になっていた。
これ文法が変だよね?他にも文が変だなと思ったところがあった。気を付けて。
話の内容はなー、最初は「おお、好みかもしれん」と思って、中盤で「…ああ、あんまり理解しきれないタイプだったかも」と思い、
読み終えて「ふむ」と思った。
ふむ。なるほどな。なかなか興味深い作品に仕上がってるなーーー!ぬおおおおお!
読み終わった後、自分の思考が読んでた文章の文体に沿うって現象あるじゃない。アレになりました。
それだけ文体が確立できてるってことなのでしょうか。すっと思考に流れ込んできた。
けれど内容に共感はあんまりできなかったかな。
それに壊れていく過程(描写)が避けられてるのはちょっと気になるっちゃ。そこを魅せておくれやす。
あと(お題:♪)がシュールで笑えた。

No.17 かおりちゃんタイム 1/6 ◇HmfYvBHWkM氏
なんかパッと見、すごい話っぽい、な。どれどれ。みんなのうたの曲なんだ。
うん。
うん!!!!
勃たせるものかと一生懸命ななめ読みした。
472 ◆r8uKuXgh4M :2011/02/02(水) 00:14:17.66 ID:7SHDm80V0
さr
473全感 4/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:14:32.68 ID:4fAIXDl00
No.09 夢じゃない ◆p4MI6fJnv2氏
「彼女」に魅力が足りないので、この小説自体が無味乾燥なものになっている気がします。
好きじゃないものが、なくなろうが、消えてしまおうが、どうだっていいんだ。人間ってひどいや!
ただこの間取り(空間?)の説明は分かりやすくて感心した。
ふだんの読書でもこういうものを想像するのが苦手なのだ。馬鹿です。
だからもちろん自分では書けやしない、書こうとも思わない。
でもそれじゃ成長できないですしね。見習わせていただこうと思います。

No.06 basket case 1/1 ◇r8uKuXgh4M氏
これは投下された瞬間にスレに居たので読んだ。コピペだねコピペ。
自分はこれを小説だとは言い難い。
作品としてもあんまり好きじゃないな。うめえwwwwってならなかった。たぶん自分の感性の方が変なんだ。許せ。

No.14 月光値千金 1/4 ◇5GkjU9JaiQ氏
やーい、このロマンチストー!
あああごめんなさいでもほんと言うとこういう雰囲気堪らんですよ。良いね… 青いね… 十分思春期だよね…
うん、特に最後の一行がいいなあ。この一行に値は付けられないなあ。
文章力もあるし、言葉を大事に綴ってるっていうのが分かります。なんつう上から目線。今更っすね。
だけどなんていうのか、話の内容自体には「特別感」が無いんだよな。
全体に流れる柔らかくて優しげな雰囲気も良いんだけど、一瞬「はっ」とするような魅力がないというか。
しいて言えばそれが最後の一行にあたるかな。でもそれは「内容」じゃないしね。
友梨は「優樹、そんなキザなキャラじゃないでしょ」って言うけど、そんな風に思えなかったしね。思考回路が十分気障っぽいぜ。
そういえば、小説の男性の一人称って「僕」が多いよね。優樹くんも普段は「俺」って言ってんじゃないの? その辺どうなの作者さん。
優樹くんのキャラクタが見えてこないぜ、作者さん。
474全感 5/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:15:13.84 ID:4fAIXDl00
No.11 カラクリアゲハ 1/4 ◇FcModpyaRc氏
うん、知らない曲だ。おお、ひょっとしてあるかもしれない、と思ったけど、ボーカロイドの曲なんだ。
最初読んだとき「歌詞っぽいな」って感じたけど、いま原曲の歌詞見たら大体そんな感じでしたね。肉付けした感じ。
途中で「お腹一杯」になっちゃうな、これは。
なんていうんだろう、陳腐な言葉でいうなら「メッセージ性がない」かな。
結局言いたいことは一番最後の節にあったみたいですね。そうですか。冷めた目で見てしまうのはお腹がいっぱいだからです。げふ。

No.10 CHE.R.RY 1/1 ◇Qvzaeu.IrQ氏
おお、歌詞にちょっとお肉をつけましたって感じだなぁ。
今回の品評会がみんなこういう趣旨だったら、それなりに良かったんだろうと思うけど。
まとまってるし、可愛いし、変に奇を衒おうとしない作者の素直さには好感が持てる。
でもここではみんな「そんなにさらけ出して、吐露して平気なの? 死ぬの?」ってくらい自分のオリジナリティをぶつけてくるんだよね。
きっとみんなドMなんだね。
傾向と対策ができれば次はもっとうまく戦えるはずと思います。楽しみにしてます。

No.07 Hello Tomorrow 1/4 ◆Mulb7NIk.Q氏
ときどき手紙とは思えないような表現が出てくるのが気になった。でも致し方ないのかな。
フツーに売られてる小説でもそういうの無いわけじゃないし。でもやっぱり気になるやね。
最後のレスで「私は今、心許せる人がいない。他人の心が分からない。」っていう結論に主人公がなってるのが違和感だった。
え、そんなに思いつめてた? って感じ。
思い出を振り返ることで少し成長出来てたと思ってたので、肩透かしくらったような気持ちです。
こういうのを「共感できなかった」と言うのかな。
主人公は、何のために長々と思い出を語ったんだろう? 思い出を忘れないため? 気持ちを整理するため?
自分は後者だと思って読み進めてました。うーん、なんか腑に落ちないなあ。
475全感 6/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:15:54.80 ID:4fAIXDl00
No.01 君の知らない物語 1/3 ◇0KF/UBMvVE氏
もうダメだろwwwwww
まさかそんな風に話が展開するとは思わなかった。「会社のクレジットカードでタクシーを走らせる事、数日」でぎょっとなった。
数日って! しかも会社のクレジットカードでかよ! ここの狂いっぷりがこの作品の見どころだと思うね。
面白かったが、しかし青山がダメすぎるwwwwww
ところで一行目は「君→俺」意外になんでちょこっと文章を変えたんだろう? 気が引けたのか?

時間外No.02 月のワルツ 1/5 ◇KC1zyS0wec氏
ザ・雰囲気小説。
最初PCで読んでたらするするするする目が滑るから、
こりゃいかんと思って携帯から一字一句追いながら読んだんだけど、寝て起きたら内容がスッカラカンだった。
「しむ、しむ」という擬音が的確だなと思ったことと、王子の様相がアラビアーンだったことのセンスは評価したい。
ああ、何が一番いやってこの主人公の頭の悪さがいやだった。そんな奴に得意げになられても……ねえ。って感じでした。

No.18 月光 1/6 ◇ihO9dxzf9I氏
時間外No.02の流れから、一文一文じっくり見た。
面白かった。かぶりついて読んだ。なんとなく梶井基次郎を思い出した。文体が似ているというわけではないのだけれど。
さてこの作品、いろいろな思惑やら教訓めいたものが潜んでいるんだろうとは思うけど、それをピックアップしていく
気にはならないや。外れてても恥ずかしいし面倒だし。
ただ、興味深かったです。自分の感情の中に共感するものがあったからかな。

No.19 Don't Cry 1/5 ◇QIrxf/4SJM氏
序盤の主人公のモノローグで、退廃的な性格を印象として持っていたのですが、
子供と対話する姿を見がえらく明るい人間だったので、なんか人間の二面性をナチュラルに見たような気がして怖かった。
数か所、英語を翻訳したみたいなところがあって笑えたのと萎えたのと、足して二で割ったような思いになった。
この主人公は結局六十歳過ぎまで生きるだろうし、禁煙もできるような気がする。
大人なのか子供なのか。(無意識にせよ)素直に従うのは子供っぽいような気がするし、
あえて反発して大人ぶらないところが大人っぽいような気もする。自分にとってはなんだか不思議な存在だった。
476全感 7/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:16:35.51 ID:4fAIXDl00
NO.13 ミラクルショッピング1/2 ◆Qvzaeu.IrQ氏
結局ドンキホーテが嫌なんじゃねえか! あやまれ! ドンキホーテにあやまれ!ほんとは嫌いです、ごめんなさいって言え!!
ハッ、取り乱してしまった。実際そんなドンキホーテ好きじゃないのに。
でもこの曲を選択したセンスはそれなりに評価したい。それなりにね。
この小説はこの曲聞きながら読むのが正解ですねwwwwいま聞きながら読み返して思ったwwww
推奨環境、このBGMを聞きながら、だな。時間もちょうどいいくらいだし。もしかしてそれも計算の上!?やるなあ。
でも最後に裏切ってくれるかと思ったのに、無かったな。ガックシ。
この女、ムカつくなあ。全国のドンキホーテ信者敵に回したな。先にも書いたけど、自分そんなにドンキホーテが
好きじゃないのにムカつくもの。くそお、印象に残るぜ。このBGMといい。
いつかBNSKのスレで「別に好きじゃないけど印象に残ってる小説は?」とかいう話題になったらこの小説のURL貼るよ。BGMも添えて出すよ。くそお。

No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◇Lq1ieHiNSw氏
エログロス。というよりゲテモノ……? うぐおおぉぉ…
話自体に嫌悪感はないんですが、やっぱりこの表現が。表現が。
ごめんね、ほんとごめんね。そう言いながら涙目でトイレに駆け込む。 頼りない木の板の向こうから汚いえづく声がする。
とりあえずこれで良いでしょう。ミノガシテネー

No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI氏
「こんちわ」と「こんちは」って表記としてはどちらが正しいんだろう……というしょうもないことを考えあぐねてしまった。
さて内容。えらくするすると読めてしまった。今回はそれがあまりいいことではなかった気がする。
ひとつひとつ「そうか」とか「そうだよな」とか思いながら読みたかった。そういう読み方をするべき作品だと思う。
「星屑屋」とか「月の石」っていうワードがそこはかとなくありふれたものだからかな。なんか少しちゃっちいイメージだ。
もうひとひねりほしかった。
それにしてもこの親子の名前なんて読むの。
477全感 8/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:17:21.56 ID:4fAIXDl00
No.08 天国と地獄 1/4 ◇ID:PX9QXkO70氏
オルフェもエウリディケも好きじゃないのでどうでもよかった。
どうして「振り返るな」って言われたら必ず「振り返る」ことと「振り返らない」ことで葛藤するんだろう。
ここでいきなり爆発とかしたら面白いのに。だいぶむちゃくちゃなこと言ってるな自分。
ともかく、これを読んで得るものはなかったです。立ちふさがる試練もありがちだし。ていうか原典まんま?
歌万能杉ワロタwwwwwwっていうところくらいしか見どころがない。

No.16 欠けボタンの浜 1/6 ◇EqtePewCZE
自分の作品を一番最後に読むことになるとは。もう疲れたよパトラッシュ。
書いた自分が言うのもアレだが不思議な話だよねこれ。中盤くらいを書いてるときに全部夢オチにしようかと本気で思った。先生って誰や。
あと主人公の一人称を「私」にしたのは失敗だった。何回も「僕」って書き間違えた。めんどくせえ。
あとカーブミラー男を最後まで引っ張る羽目になるとは思わんかった。マーンインザミラッ! フォー!
ああでも「欠けボタンの浜」っていうタイトルで小説を書けたことは自分にとって幸運だった。最初目にした時からこのタイトルにはしびれてたぜ。
途中の引用は『月夜の浜辺』(中原中也)のものでした。「欠けボタンの浜」がこの詩に影響を受けて出来たものらしい。友情出演的なアレでした。以上!!!
478全感 終わり/8 ◆EqtePewCZE :2011/02/02(水) 00:19:01.37 ID:4fAIXDl00
終わったぞーーーー
時間内にはぎりぎり間に合わなかったか

さるよけありがとうございました
運営さんありがとう、品評会に関わったすべての人お疲れ様でした

寝るなり
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:23:07.80 ID:GL1SV0jy0
◆zS3MCsRvy2氏おめでとうございます!
会話本当に良かったですおwww

来週も参加したいけど、モチベート土日にならないと上がらない&今忙しくて土日仕事とかwww
オワタwwww週休の時にしっかり書いとけば問題ないんだけど、モチベ上がらないおwwww
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:23:25.70 ID:Xxe4mIF+0
◆zS3MCsRvy2氏
おめでとうございます
481以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:23:35.31 ID:ZuQerEW8O
全感おつ!

◆zS3MCsRvy2氏おめ!運営その他の人たちおつだー!
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:33:59.56 ID:y+l+23dm0
◆zS3MCsRvy2氏おめでとうさん!
やべぇ全館が間に合わなかったぜ
まぁ次のお題発表の方を期待することにしよう
483以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:35:11.43 ID:GL1SV0jy0
次の品評会はあれだな、50kgの服を脱いで書くか……
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:45:08.29 ID:DenLA84A0
ククク、じゃあ俺も今週は左手の小指だけじゃなく、薬指も使って相手をしてやろう……
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 00:51:17.70 ID:GL1SV0jy0
   〜  〜
  (Φ  Φ )  
   \く /    切り札は最後までとっておくものよ…
     |д|
     \\
486 ◆zS3MCsRvy2 :2011/02/02(水) 01:55:31.48 ID:l5ZQZ1/IO
仕事場に羽毛布団持ち込んでます

第253回週末品評会  『冬にまつわるもの』

規則事項:6レス以内
     冬に関係してればいいから
     あれ、てことはお題冬でよくね、とか言ってないで頑張れよお前は
投稿期間:2011/02/05(土) 00:00〜2011/02/06(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※

投票期間:2011/02/07(月) 00:00〜2011/02/08(火) 24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 02:06:39.74 ID:paGF0Jg00
次回のお題キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 02:07:39.04 ID:Cld7JwYL0
よーし。意味も無く季節を冬に設定すれば俺でもいけそうだわ
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 02:20:41.88 ID:ZuQerEW8O
早めのお題発表おつ
次回こそ優勝かっさらってやるぜ……
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 03:15:24.61 ID:tzPpez0x0
そろそろ寝るお
491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 04:45:47.59 ID:Cld7JwYL0
品評会の票が集まってるの拾い読みしてみたけど面白いし上手いなー
嫉妬しちゃうくらいに。みんなしなねえかなー
492以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 06:09:56.80 ID:9hFYotOaO
起きねば
493以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 07:07:56.02 ID:HIk+/7vm0
書かねば
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 08:23:11.63 ID:HIk+/7vm0
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 09:11:42.39 ID:y+l+23dm0
だがしかし保守せねば
496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 10:51:42.45 ID:h6UF5oyp0
うん
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 12:17:24.08 ID:6kgaiZqO0
よし保守だ
498以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 12:21:51.29 ID:vzyhjMfA0
まさかもう皆書き始めてるのか…
499以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 13:46:56.01 ID:9hFYotOaO
落ちる
500以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 14:38:19.67 ID:ZuQerEW8O
あげ
501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 15:38:07.98 ID:l5ZQZ1/IO
502以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 16:35:11.14 ID:l5ZQZ1/IO
もひとつ
503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 17:30:41.97 ID:l5ZQZ1/IO
ほい
504以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 18:11:37.08 ID:sq/jLj6v0
505以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 18:29:20.27 ID:h6UF5oyp0
お題くり
506以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 18:42:05.90 ID:DRr9mlp70
>>505
古本
507以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 18:57:04.06 ID:h6UF5oyp0
>>506
らじゃ
508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 19:17:30.83 ID:Q2YVpO7hO
お代暮
509以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 19:18:53.92 ID:qt74YZyK0
釣銭
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 19:38:31.04 ID:sq/jLj6v0
品評会後のこのまったりとした空気がたまらん
511以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:14:16.46 ID:l5ZQZ1/IO
512品評会感想1/6 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/02/02(水) 20:28:26.89 ID:sTziUvht0
その空気を壊すように、全館いくぜー。
513品評会感想1/6 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/02/02(水) 20:29:37.87 ID:sTziUvht0
No.01 君の知らない物語 1/3 ◇0KF/UBMvVE氏
歌詞だと、唐突なストーリーが栄えますが、小説では別物。
物語上のリアルは、必ず説明のあるリアルです。これこれこういう理由があるから、こうなるという因果応報の世界です。
それがあって、初めて物語がどうこうというラインにたちます。
話の脈絡もわからないし、当然おちもあまりに見えない。
まさしく、知らない物語の上で終わっています。

No.02 閃光(お題:♪) 1/6 ◆7C6LTZ08z6氏
冒頭から、いきなり人称がブレブレです。パス。
お話の鉄則として、最初は世界観の構築というものがあります。
自分が置かれている境遇や、状況、人間というものを説明して、そこから物語が始まるというやり方です。
その前に、いきなり僕で語っていたのに、彼に目線がシフトしてしまって、正直追うのが面倒になります。
まずは、基本的な世界観。どういう物語ですよっていうものを作ってから、その上で小細工をすればいいのです。
物語には、基盤が確実にあります。それを作ってから、やりたいこと、描写の工夫をすればいいだけです。

No.03 君がいない夏 1/5 ◇H9/xqIwyOc氏
彼女が死んでいるのに、えらく感情がリアルじゃない。
普通さ、大好きな人が死んで、しかも幼馴染だよ。その悲劇を体感した人がランクより下の大学にいったことを嘆く?
しかも、10年間も死んだ恋人を思い続けてきたと、それほどの人間が思う気持ちじゃない。
人が死ぬってのは、ある意味お話にとってはスタート地点です。そのスタートがブレている。
だから、続く話も凄くうそっぽい。細かい心理描写云々ではなく、お話の気持ちを考える。
そこから、リアルな物語はできてきます。
そういう意味では、考えが浅い。もっと気持ちに寄り添って書くといいかな。

No.04 MACABRE-揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 1/6 ◇Lq1ieHiNSw氏
もうちょっと世界観を掘り下げられたのでは?
退廃的な世界観というものは、ある意味では魅力的な世界。生きる希望みたいなものがどうしようもない世界にあふれているから。
そういう空気感は感じられるけど、もっと私の心理描写、感覚描写に力を入れて、掘り下げるといいかも
今のままだと、ただ気持ち悪い話しって感じ。好きな人は好きだねってくらいかな。
514品評会感想2/6 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/02/02(水) 20:30:46.43 ID:sTziUvht0
No.05 Knockin' on Heaven's Door 1/6 ◇zS3MCsRvy2氏
描写のセンスを磨くべし。たとえば、雪が舞い落ちる速度で人々に忘れさられていく。っていう一文があるけど、変。
雪が降るのは、一般的にははらはらと舞うイメージ。その速度で忘れ去られるって何よ? って感じ。
こういう描写のセンスが所々でていて、それは会話運びとかでもそう。
センスは一つ一つ磨けるものだから、言葉選びから考え方まで、磨くとおk。ダサさに負けた、パス。
最初の人間関係がみえるところも、ねえ? bnskでも、うまい人はいるし勉強にはなると思うよ。

No.06 basket case 1/1 ◇r8uKuXgh4M氏
だから何? っていう言葉が活きる作品。
だから何? ブラックジョークかなあ。そうだねえ。うんって感じ。

No.07 Hello Tomorrow 1/4 ◆Mulb7NIk.Q氏
なぜだろう、作者の書く話は、ディテールはリアルなのに、登場人物はリアルじゃない。
今回も、中学生の女の子が未来の自分へと宛てている手紙。という設定にしては、えらくリアルじゃない。
それは、語りが幼すぎるってのもあるし、手紙という設定にしては、使っている言葉が難しい。
私たちは、パソコンで一発変換のもと文字を入力している。
でも、手書きってのはそうじゃない。一つ一つ自分の教養で書いている。そこが面白いポイントです。
その手書きという設定がごっそり抜け落ちている。手書きなら、『溜息』とか、難しい漢字はでてこない。
たぶんカタカナで書いたりするよね。
そして、女の子的な思考をしてない。要約するのは、男の思考です。
女の子は状況から、感情から、事細やかに話します。なぜなら、共感することが会話のキモだからです。
そういうリアルのなさ、が、ディテールはリアルなのに、実際はリアルじゃない。
っていう空気を作っている。非常に作り物クサイ。
文章において、漢字だとかなんだとかって、下らないように感じるかもしれない。
でも、文章物語には、文字の語感というものがある。そういう一つ一つを大事にして、物語の世界観を構築するのです。
515品評会感想3/6 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/02/02(水) 20:31:59.08 ID:sTziUvht0
No.08 天国と地獄 1/4 ◇ID:PX9QXkO70
ギリシャ神話まんまを劣化コピー。
っていうのも、神話っていうのは、声での語りの物語です。
音の良さというものが、第一義にあります。それがない。
ただ、昔話っぽく書けば神話になるかといわれれば、そうでもない。
原典で神話を読むか、翻訳神話をもうちょい触れて、空気をつかむべし。
話はそこから。

No.09 夢じゃない 1/5 ◇p4MI6fJnv2
作者は、描写の不慣れ感を感じるなあ。
たとえば、彼と彼女が最初に会うシーン。やたら手の置き場所に対して描写されているけど、それって必要? 言い直していたりと、ちょっと不慣れな感覚を受けます。
それはそれで練習だから良いのさ、と言ってしまえば、それまで。
でも、話の本筋に対して必要かどうか。これを取捨できるのが、文章の物語です。
そういうクローズアップする、焦点という考え方を持つと、もっと本筋に踏み込んでいけるのではないかなと思う。
しかも、意味が解らない。オチまでが唐突過ぎて、何がなんだか?
細かいところばっかりが、どうでもいいくらいに詳しくて、大事なところがスッカスカ。
ちゃんと取捨選択するのも、また物語を作る腕です。

No.11 カラクリアゲハ 1/4 ◇FcModpyaRc氏
んー、コメントしずらい。原曲を、小説にしたら、こんな感じ? 
とりあえず、退廃的な世界観があるんだけれども、その源になる気持ちにまで踏み込んでないから、よくわからないまま話が終わっている印象。
もうちょい背景から、何からを親切にしてくれるといいかなあ。

No.12 幻によろしく 1/6 ◇TCFfG0At1w氏
んー、別に下手ってわけでもないし、文章もこなれているきもする。
しかし、どうにもこうにもしっくりこない。
なんていうか、リアリティがない。僕の心情があまりにものっぺりしているからかも
なんていうか、本当にすべてを平面状で処理したような感じ。
516品評会感想4/6 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/02/02(水) 20:33:22.92 ID:sTziUvht0
No.14 月光値千金 1/3 ◇5GkjU9JaiQ氏
意外と好きなシチュでのお話。
夜という空間は、人の顔が見えない分。いろいろなものをぐっと縮めます。
夜を扱う話で、
吉本ばななのTSUGUMIに『よるのせい』という逸話があります。
それとかは、夜の持つ空間性を凄くうまく描いているので、読んでみると良いかもしれません。
それに比べると、確かに解る。夜って不思議な魔法があるから、きざなこととかも言える。
平田さんのいわんとすることもわかる。
だけど、物語を書くんだったら、それをしっかりとした根拠の上にしないとリアルじゃない。
勝手にやきもきして、説教受けて、答えてってだけで終わってしまう。
そういう意味で、もうちょいにおわせるものがあってもよかったかなと思う。面白かったけど、惜しい。

No.15 星のくずは銀の色 1/5 ◇pxtUOeh2oI氏
文章が見にくい。ところどころ会話と地の文が続いているし、しかも続いていることに意味が見えません。
そういう文章上の交錯はところどころにあって、描写も見にくくなっています。
凄く読みにくい。そのなかで、物語が進んでいるので、あーそうですか、って感じ。
一応最後まで見ましたけど、ふーん。って感じです。いい話っぽいね。

No.16 欠けボタンの浜 1/6 ◇EqtePewCZE氏
うーん、クレイジー。
話のベクトルがあっちこっち行き過ぎて、なぞ過ぎる。
いや、そういう話はあるよ。レイモンド・カーヴァーのクレイジーな小説とか。
でも、そのベクトルの中に規則性があるから、不思議と面白かったりする。
これはごちゃごちゃなだけ。途中でパス。
文章はこなれているきがするから、もう少し話の秩序を考えて基本をやってみるといいかな?
517品評会感想5/6 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/02/02(水) 20:35:01.13 ID:sTziUvht0
No.17 かおりちゃんタイム 2/6 ◇HmfYvBHWkM氏
ある意味尊敬する。書きたい話を書きたいように書いたなあ。
うん、アンタ漢だよ。エロスは激怒した! ちゃんと爺さんまってからやれよ!
ワッフルワッフル
もっと笑えるポイントがほしいね。なんか、エロ書きたいだけじゃん。

No.18 月光 1/6 ◇ihO9dxzf9I氏
どんだけ、じーさんが登場人物だよ! って感じ。
語りの描写が、まるで明治時代の近代小説みたい。でも、読み進めると、そこまでの歳? か、どうか。
凄いギャップを感じる。
また、最初のピアノを引く描写があまりにも冗長で、何がなんだか。
どうでも良い話だけど、モーツァルトを失踪する悲しみと表現した評論家がいます。
彼の言葉は、モーツァルト論を説く上でのクリティカルワードになっています。
実際に、ものすごくゆっくりモーツァルトを演奏して、その悲しみを表現するピアニストもいるくらい。
音楽は、文学と凄く似ている。それを感じさせてくれる。
チョイスした楽曲は、個人的には好き。ベートベンらしいよね。

No.19 Don't Cry 1/5 ◇QIrxf/4SJM氏
空気は好き。だけど、そこに到るまでを丸投げしすぎ。
たとえば、偉そうなことをいう僕。ここに到るまでには、何かしらの歴史があったはず。
それが伺えると良いかなあ。
物語のリアルは、確実に起こった出来事の上にあります。現実のリアルだったら、十分だけどね。
そこが、現実と物語の違い。
518品評会感想6/6 ◆Qvzaeu.IrQ :2011/02/02(水) 20:37:03.03 ID:sTziUvht0
No.20 クジラ12号 1/5 ◇InwGZIAUcs氏
設定、アイデアは抜群。太陽が目覚めたら〜♪ から、よくこのお話を書いたと思う。
だけど、文章が雑。一文一文が長すぎて、修飾関係もあやふやだし、だらだらと話が続いていて読みにくい。
そう思ったら、オチが突然やってくるって感じ。
もっと話の構成やバランスを考えると良いかな。リノが女の子であること、それと当初の掲げていた着地点のブレ。
そういうことを考えて、丁寧に作りこめば、もっと良かったかな。
アイデアは抜群に良かった。

時間外No.01 月光 1/6 ◇XdfFerW0PE氏
冒頭でいきなり、長ったらしい会話文。正直、しんどい。
会話で物語を始める手法は、確かにある。だけど、それと同時に情景が解りにくいし、何より飽きられる可能性が高い。
会話で始まるのは、なかなかに高度な技になってくるので、慣れないときは使わないほうが無難。
お話自体は、まあ、どこにでもあるね。って感じ。
幽霊がでていたとしても、別段ファンタジックな空気があるともなし。

時間外No.02 月のワルツ 1/5 ◇KC1zyS0wec氏
なにゆえもがき 生きるのか? 滅びこそ我が喜び。死にゆく者こそ美しい。さあ、我が腕の中で息絶えるがよい!!」
って感じ。凄い厨2で、アリスな感じ。
なんていうか、すべてがなんとなく進行して、なんとなく終わっている。
短編において、場面がころころ変わるのは、場合によっては印象を薄くしてしまいます。
もうちょっと一つ一つに焦点をあてて、じっくりと進行させたほうが面白いかな?
文章は非常に上手だと思う。
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:45:26.85 ID:sq/jLj6v0
全館乙よ
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:49:37.37 ID:C4etBceMO
甲乙丙
全感……必ず書く……
521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:02:28.71 ID:l5ZQZ1/IO
がんばりや
522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:26:36.42 ID:+8GiOW3Q0
テスト
523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:31:02.91 ID:+8GiOW3Q0
全感って本当に要るのかなと疑問に思った
一つの作品の読み込みが浅く薄く流し読みされてるな、と感じる感想と
なるほどな、と思う感想がある。
空気、とか雰囲気、とか書けば適当にそれらしく見えるから不思議。

読んでないけど今週の品評会の優秀作品の感想書いとくわ

 なんていうか、文章センスは素晴らしいと思った。独特の雰囲気があり、
読んでいるうちに夢中になってしまった。ただ表現的には、若干くどいと
思われる所が見受けられた。文章は上手いね


524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:32:39.79 ID:+8GiOW3Q0
この辺りか
↓吊られててワロタwww
525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:42:02.38 ID:+8GiOW3Q0
こう書くと俺の作品の意図がわかんねえの?とゴネてるガキみたいに見える
かもしれんが、俺は今回出品してないから勘違いはせずに聞くといい。

少しばかり全館のあり方を投げてみたわけだが、
酷評が嫌だ、とか感想が気に喰わないんだろう、とかじゃないよ
そんならブログにでも書いてろカスが、と思うわけなんだ。

んで、書きたくねーなら感想付けなくてもいいんじゃねーの?と思った。
読みたくない作品も読む必要が無い。なのに、全部読みましたよ、と書き
意図した所を掴めてないなと思うと萎えてしまう

昨日の話に戻るがサボらず感想付けて向上がどーたら言うよりは、
読まれねえカス作品を書いてるお前は筆折れ。気に喰わないなら
投下すんな、と言いたい。

作者も感想付ける奴もな
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:42:19.26 ID:7SHDm80V0
冒頭はおっと思ったがオチはいたって普通だった。
もう少し気の利いたオチがほしいところ。
会話のセンスは良いと思う。文章は読みやすくて良いと思う
527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:46:24.98 ID:+8GiOW3Q0
.              , ⌒ '⌒ヽ
              / .::::::::::::::::::::::.、
.           /.::::::::::::/ヽ:::::::::.、
       ー=彡:::::::::::/ __ _\::::::≧     困るわー、マジ困るわー
      ー=≦:::::rv'   (dd |::::ニ=-    小説家や評論家きどってる
        ー=ニ::::::::ト     _′ |辷シ    カスばかりのスレ
.         ´⌒八    `  / `ヽ.
           /\   _  ヘ   ハ    早く俺くらいの域に到達して欲しいわー
.          ´   \       |  |i   
.      /         ヽ   |  ||     _
    /               ヽ  |  ||   ((__))
  /        、           ー'    「|    |: : : : :|
.  /\      }/           L!_ __l : : : n
.     \   /            |   / フYYリノ
      >イ                  | __  -┴'′
      \ |                「
.  \     \             |
.   丶、   \             |
      `ゝ   ヽ            ∠|
.       L〕j i l |       _ -=ニニ|
        |`ー'|ノイ-―=ニニニニニ|
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:50:06.29 ID:+8GiOW3Q0
たまに思うけど、ここって荒らし耐性ないな
俺が悪者みたいに見えるだろ
529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:55:14.95 ID:h6UF5oyp0
そうだよね男は黙ってNG処理だよね
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:55:19.59 ID:C4etBceMO
読み込めないなら感想つけるなってこと?
つまらん作品を投下するなってこと?
何が言いたいかさっぱり分からん

>>528
その書き方だとあなたは荒らしなの?
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:56:14.43 ID:28sL9IKTP
どうでもいい。
多少荒れてたほうが、スレが落ちにくいって意味では、荒らしを歓迎したほうがいいのかもしれないし。
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:58:37.74 ID:+8GiOW3Q0
>>530
つまらん作品もつまらん感想も投下するなと言ってるんだ。
スレタイよめよ
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:59:35.02 ID:h6UF5oyp0
オレはちゃんとスレタイ読める子だから、つまらん作品投下するよ。
2レスね。
534(お題:古本) 1/2:2011/02/02(水) 22:00:16.61 ID:h6UF5oyp0
 私は古本屋でアルバイトをしている。最近では新古書店に押されてめっきり影の薄くなっている古本屋さんだ。
 アルバイトをしているといっても、貴重な本の判別などできるわけもない。私は普通の大学生だから、しかた
ない。ただ店番をして、私では買い取り価格がわからない時に店主を呼ぶだけだ。近所に住んでいた店主のお爺
ちゃんが困っていたから手伝っているだけで、お金を稼ぐのが目的ではないし。
 そもそも、この店にはそんなに客も来ない。来るといえば、新古書店と勘違いしてやって来て、『何だよ中身
見れないじゃねぇーかよ』などと零していく小学生や、特に区別されているわけでもない18禁コーナーの周辺
をうろうろする中学生や、古めのマンガを探しに来る大人、などなと。私が働いている間は誰も来なかったとい
う日もある。ただ、たまに迷惑な客がくる事がある。
 それは二十代前半くらいの男の人で、週に一回ほどの割合で来店する。この客は店に入って来るとまず、レジ
に私がいるか確認する。私は出来るだけ顔を見ないようにして「いらっしゃいませ」とだけ告げる。しかしこの
男はそんな事も気にも留めずに18禁コーナーに真っ直ぐ向かい、棚から一冊本を手にとってレジへ来る。そし
て「すみません。この本の中身を確認したいのですが」と言って、18禁のマンガや雑誌を私の眼前に突き出し
てくるのだ。古本である以上、中身の汚れなどの確認を求める客は当然いる。なので私は仕方なくその18禁も
ののビニールを外して返す。本を受け取った男は、その場でパラパラとページをめくり中を確認し始める。その
手が最後まで進んで終わればいいのだが、途中で止まる時は最悪だ。男は嬉々として、本を開いてこちらに見せ
付けながら「ここに汚れがあるんですけど」とか言ってくる。18禁マンガだったりしたらモロなページとか当
然あるわけで、男はそのページを私の顔にくっつけとばかりに突き出してくるのだ。私はできるだけ無表情を装
い、男の指摘する部分を確認する。ある時はドアップの挿入シーンに何か赤いものがついていた。そのキャラが
処女だったらしいので、心の中で『中々上手いことやりおるわ』とか思ったのは内緒だ。もっともそんな事はお
くびにも出さず、私はしれっとした顔で「まあ、そういう汚れも含めての価格になってますんで」とお決まりの
台詞を告げる。すると男は「じゃあこの本はいいです」と返却してくる。そして私がまた本にビニールをかける。
そして男は次の本を取るべく棚に向かう。このサイクルが、汚れのない本が見つかるまで繰り返されるのだ。
 最初のうちは私も初だったので、いちいち顔を赤くしたり返答に困ったりしていたが、毎週ともなればすっか
り慣れてしまった。特に何の感情も起きないイベントの一つだ。
535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:00:25.31 ID:DenLA84A0
なるほど、そろそろ季節の変わり目という事か
536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:00:41.29 ID:Jx8ZxX330
このスレってホントに文才ない初心者でも書いていいの?
537(お題:古本) 2/2:2011/02/02(水) 22:01:00.97 ID:h6UF5oyp0
 ところがそうなってくると敵もさる者で、最近新しい技を編み出してきた。本の中を確認するまでは一緒なの
だが、その時に結構ガチで本を読み、私の目の前でチンコを大きくしだしたのだ。この男、この技を覚えてから
はそれまでのジーパンをスウェットに変えて、その形状がより際立つようにするようになった。私はカウンター
の向こうで椅子に座っているので、目線がちょうどそのくらいの高さになる。本の汚れを見せる時もまず先に自
らのチンコを見せ付けて、そしてそれに並ぶように本を見せてくる。ともすれば、私が本を手に取る時にそれに
触れるようになるかのように。もちろん、私は細心の注意を払うのでそんなものに触れるような事はない。男と
しても、見せ付けるだけでとりあえず満足しているようだ。
 そして今日も男は満足して本を買って帰る。私はその後姿を気づかれないように眺めながら、私が下着を着け
ずパンツもスカートも穿かないで接客している事に、何時気づくのだろうかと考えつつ、色々と思いをめぐらせ
てその場でオナニーを始めるのだ。
                          ―完―
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:01:43.43 ID:h6UF5oyp0
>>536
テンプレさえ読んでくれれば問題なしですよー
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:21:34.37 ID:5omrSOe/0
お題ください
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:22:41.96 ID:IskKaywA0
道化師
541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:22:42.68 ID:9PzRGQD10
>>539
居酒屋
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:24:33.33 ID:5omrSOe/0
>>540
ありがとう
543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:32:29.06 ID:h6UF5oyp0
よしお題頂戴
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:35:58.55 ID:cfUaTevN0
>>543
不慣れ
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:36:57.72 ID:h6UF5oyp0
>>544
らじゃ
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:57:28.28 ID:DenLA84A0
>>537
店員さんが終始淡々としてる感じが好感持てた。
最後のオナニーは変態行為という点ではちょっと安易な感じがした。
(個人的には下真っ裸で座ってるだけの方が手練な気がする)
権力を傘に来たちんぴらや悪代官が金さんや黄門様に気付かず粋がってるみたいな構図に何か胸がすっとした。
以上、うまく感想書けないけど面白かったです。
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:14:07.55 ID:ZuQerEW8O
変態!変態!
あと保守
548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:18:15.82 ID:7SHDm80V0
前に職探しに失敗して荒らしてたのがいたのを思い出した保守
549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:22:08.01 ID:YRgJ6zok0
お題
550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:25:03.51 ID:sfyXzvl70
>>549
トイカメラ
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:27:29.14 ID:YRgJ6zok0
パス。お題
552以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:30:14.50 ID:28sL9IKTP
>>551
デジタルカメラ
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:30:20.96 ID:Jx8ZxX330
>>551
仮想と現実
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:31:25.90 ID:YRgJ6zok0
さんくす、把握
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:45:21.47 ID:7SHDm80V0
>>537
テンポが良くて読みやすい
最後のオチに若干の面倒くさくなった感
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 00:09:43.12 ID:jvk3toHr0
荒らしが来てくんなきゃ落ちちゃうよ
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 00:58:05.95 ID:5wNzQwwZ0
2レス、投下します
558(お題:道化師)1/2:2011/02/03(木) 00:59:13.66 ID:5wNzQwwZ0
 私はあるサーカス団でしがない道化師をやっております。
 ここに勤め始めてから早五年、あっという間に月日が流れて行きました。
 そうこうしているうちにサーカス団は規模の大きなものになっていき、行く先々の町でいつも大勢のお客様に取り囲まれている次第でございます。

 ところで、話は変わりますが、団長の娘様はとてもおきれいな方なのですよ。
 ええ、それはもう、娘様目当てでサーカス団に入りたいという殿方たちが後を絶たないほどでございます。
 もちろん、そんな不埒な輩は、団長自ら断りの返事をしますよ。怒りの入った声で
「キミは本当に私のサーカス団に入りたいのかね? もしかして私の娘が狙いなのではないか?
 そんな輩と一緒に芸などできるわけがない。残念だが、キミを私のサーカス団に入れることはできないな」
 ちょっと過保護だなあ、と思いますか?
 いやいや、なにせ奥様が娘様の小さいころに亡くなってしまったので、団長は男手ひとつでここまで、十九歳まで育てあげてきたのですよ。
 そりゃあ、ちょっと過敏になっても、おかしくはないでしょう。
 私だって同じ立場なら、あなたのような若い魅力的な殿方が娘狙いでサーカス団に入ろうともしようものなら、その場で殴りかかってるいかもしれません……。
 いや、これはほんのたとえ話ですから、気になさらないでくださいね。
 まあ、本当に娘様狙いかどうかわからないのに、若い殿方を片っ端から採用なさらないので、私たちもほとほと困り果てていたのですよ。
 昔は人手不足でしたからそんなことはなかったのですがねえ。実は、私も娘様狙いでこのサーカス団に入団したのですよ。
 これはけして団長に言ってはなりませんよ。
 まあ、貴方様なら言わないと思いますがね。同時期に入った若い連中はみんなそうじゃないのかなあ。
 私だけがやましいことを考えていたとは思いませんな。
 それでですね、最近変なのですよ。団長がしきりに若い殿方を入団させ続けている……これだけでも、さっきの話を聞いた分だとかなりおかしいですよね。
 そしてさらにおかしいのが、一番サーカスで活躍したものに、娘様を授けると言いだしたのですよ。
 それを聞いてから、入団したての若い連中や、昔からいた同僚たちは活気に満ちあふれました。いやあ、単純なものですよね。
 私もその話を最初聞いたときは、おっ、と思いましたけどね。よくよく考えてみたらかなり不自然なことに気がつきました。
 まあ、少し前、あんなことが起きるまでは、ただ単に人手を増やしたかったのだろうと思っていましたけどね。
559(お題:道化師)2/2:2011/02/03(木) 01:02:30.90 ID:5wNzQwwZ0
 ……ちょっと話がながくなってしまいましたね。では、結論から言ってしまいましょう。
 その入団してきた若い連中の中で目立った活躍をした者が、つぎつぎと死んでいっているのですよ。
 もちろん、サーカスですのでナイフ投げや空中ブランコなど、さまざまな危ない出し物があるのはご存じですよね?
 ですが、それを考慮してもおかしいのです。素人が混じっているとは言えど、死人が多すぎる。
 今月に入ってから、既に十一人は死にました。それも、練習中の事故ではなく、みな本番をやっている最中にです。
 そんなことが続いたせいか、私の所属しているそのサーカス団は評判があっという間に降下しています。
「本番中に必ず人が死ぬサーカス団」
 こんなサーカス団、誰が喜んで見にくるのでしょうか。
 しかしそんな評判がたっても、入団希望者が後を絶たないのですよ。私はもう、気が狂いそうになってしまって……。

「何をしているんだ?」
 ドアが開いたと同時に、大柄な男が部屋の中へ入ってきた。
 どうやら、この男が道化師が言っていた団長のようだ。
 さっきまでまくしたてていた道化師の顔が、みるみる青ざめていくのが手に取るようにわかった。
「……そろそろ次の町へ移動するぞ。死んだ分の団員の数は揃った」
 団長はそれだけ言い残すと、早く来いとだけ道化師に言い放ち、去って行った。
「わかるでしょう? あの、異様な雰囲気。あれはきっと、悪魔に憑かれたに違いありません。ねえ、あなた様は、町で有名な悪魔払いでしょう? お礼はいくらでもしますから、あの悪魔を払ってくださいよ。お願いですから……」
 道化師はおびえた様子で、訴えかけてきた。
 しかし、それは無理だ。
 さっき団長の後ろに見えた女性。あれが団長の娘なのだろう。がんばれば彼女が手に入るのだろう?
 それならば、なぜ私がここにいる必要があるのか。なぜ私が、この薄汚い道化師の話に耳を傾けなければいけないのか。すべてがわからない。
 そうだ、私もそのサーカス団に入団させてもらおうではないか。そうすれば、彼女が手に入るのだろう。
 なに、今まで死んだ奴は運がなかっただけだ。私は違う。
「私も、入団することはできるだろうか?」
「え……?」
 道化師は驚いたような様子を見せたが、すぐにさっきと同じおびえた表情になり、独り言をつぶやいた。
「……やはりだめでしたか。著名な悪魔払いだと聞いて、この町にやってくることを心待ちにしていたのですが……」
 それからぶつぶつと独り言を並べる道化師を尻目に、私は部屋を飛び出した。まだ団長の後ろ姿が確認できる。走って行けば、間に合うかもしれない。そして言おうじゃないか。
 私をサーカス団に入れてくれ、と。
                          ―完―
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 01:11:29.53 ID:vQ4/vMhH0
>>558
読んだ
前半は結構良い。どんなことが起こったんだろうと気になった
けど後半の視点変更した辺りで急降下しちゃったかな
オチが判りづらい。死の悪魔なのは娘の美貌だったってことかね
何故団長がそんなことをしたのかが解明されていないのが気になる
あと、視点変更するより最初から話されてる男視点の方が良かったと思う。男の出現が唐突に感じたからね
561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 01:13:03.26 ID:4q92eLPs0
お題下さい
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 01:15:41.64 ID:1RO8jUW50
コック
563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 01:16:47.62 ID:4q92eLPs0
>>562
把握
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 01:17:28.00 ID:sg6t5AXh0
>>559
落ちてない。
悪魔は団長なのか娘なのかピエロなのかはっきりしない。
お話の出だしだけ読まされた印象。
だから続きも書けばいいと思うよ。
565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 02:17:39.22 ID:w0p9EmcC0
おだいくだしあ
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 02:19:57.83 ID:e49pDa9X0
評判
567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 02:20:11.12 ID:AxdZa1Mj0
植木屋
568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 03:16:46.73 ID:y+eHZFDp0
押井の新作小説がおもしろかった
客の期待をおもいっきりぶったぎる書き方でw
569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 03:59:15.45 ID:pGstFVo+O
押井監督って、小説も書いてるのか。しかし手広い活動だな。
570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 04:01:48.40 ID:hO0hT0jO0
>>558
娘の美しさが原因であるのならばその美しさを描写しないのは致命的な欠陥だと思う
語りはなかなかいけてると思います
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 05:17:06.48 ID:AV0zn8Mn0
保守寝
572以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 06:30:19.88 ID:7x+ZlkJ6O
保守起
573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 07:44:22.57 ID:MionWRlq0
保守っ勤
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 08:34:32.20 ID:BDF+GIwr0
保守
575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 09:33:30.53 ID:qVLs31OT0
おくれたけれどありがとう
今週末スカイクロラ借りてみることにする
576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 09:49:28.68 ID:lBGRCf4MO
併せて空の境界もどうぞ
577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 10:58:46.17 ID:vQ4/vMhH0
上に上がれ!
578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 11:32:36.67 ID:Bt4HqOyJO
熱い熱意
579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 12:36:18.94 ID:VK6gJJ3X0
昼飯保守
580 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:17:28.72 ID:pGstFVo+O
やっと先週の品評会のできたあああああ!
では通常作として投下します。無駄に長いです。よければ感想お願いします。

題名:にんげんっていいな(日本昔ばなしのエンディング) レス数:7レス
581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 13:17:33.50 ID:+xE5eAT50
582にんげんっていいな 1/7 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:18:33.95 ID:pGstFVo+O
「じゃんけんぽん。あいこでしょ」
 近所の公園に集まり、砂場の前でかくれんぼの鬼を決めていた。
 公園はかなり広く、子どもである自分の身には、まるで大都市のようにも感じられた。
 視界をさえぎる障害物の数も多く、かくれんぼをやるにはうってつけの場所だった。
「うっわ! 負けたよ……マジ最悪だ……」
「よっしゃー、じゃあスタート!」
 鬼が決まり、皆一斉に隠れ場所を探して一目散に走り始める。
 なるべく砂場から離れた場所を探す為だ。その方が断然見つからないに決まっているからだ。
 いくつもの障害物の裏側や物影を見比べる。懸命に駆け回っていると、ちょうど垣根と塀の間に具合よく狭い隙間を見つけた。
 その隙間に体を滑りこませ、息を殺して聞き耳を立てた。するとそこで、ちょうど催促の声が遠くから聞こえてきた。
「もーいいーかいー」
 この場所できっと大丈夫なはずだ。なにしろ上手いこと垣根が下まで伸び、足をすっぽり隠してくれている。
 そうは思えたのだが、一抹の不安が残り潔く決断できなかった。一応念には念を押して、先伸ばしにする。
「まーだだよー」
 そこで他の皆の声も聞こえた。どうやらまだ隠れ終わっていないのは、僕一人だけのようだった。
 急いで自分の隠れ方をチェックする。これでばっちりだ、どこもはみ出していない。
 息を深く吸い込み、大声で叫ぶ。
「もーいいよー!」
 自分の声だけが辺りにこだまし、やけに大きく響いた。それだけで今にも見つかるんじゃないかと怯え、恐しくなってしまった。
 そんなビビる自分を余所に、よーしいくぞー、と遠くから鬼役の子の声が聞こえてきた。いよいよかくれんぼの始まりだ。
 絶対に見つかりたくなかった。ただ頭でそう思えば思うほど体が強ばり、胸いっぱいに緊張が広がっていく。
 普段は聞こえないような自分の呼吸音までが聞こえてきた。その音の大きさにはっとさせられる。
 カリカリと焼け付くような、刺々しい緊張感が片時もそばから離れない。いっそ自ら飛び出してしまいたくなった。
 しばらく耳を澄ませじっとしていた。まだ辺りには誰の声も聞こえてこない。もう最初の脱落者は出ただろうか、そんな事をぼんやり考えていた時の事だった。
 いきなり近場で足音がした。わずか五メートルもない、垣根の茂みの向う側だ。こちらからは見通しが効かない反対側。
 まずい。するとすぐに垣根を押さえつけるような、ぽきぽきと言う音が聞こえてきた。
「みいーつけた!」
 そう言って垣根をへこませて顔を覗かせたのはハセこと、長谷川隆俊だった。
「え? なんで?」
 どうにも変だった。なぜならハセは鬼じゃない。首を傾げていると、ハセがおどけたように軽足で垣根の隙間に入ってきた。
583にんげんっていいな 2/7 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:19:29.55 ID:pGstFVo+O
「へへへ……けっこうビビった?」
 ハセが楽しげに訊ねてくる。どうやら驚かせるためのイタズラだったようだ。
「お前……ふざけんなよ。小便チビるかと思ったわ」
「ゴメンゴメン」
 口ではそう言うが、とくに悪びれた様子も見せず、ひどく楽しげな表情のハセだった。
「おれが隠れてた所に鬼が来てさ、うまくかわして逃げてきたんだよ。もうちょい奥に詰めてくれ、タグっちゃん」
 仕方がない奴だと思いながらも、奥に体をずらしてハセのためにスペースを空けてやった。ハセは人懐っこい顔で入ってくる。
「鬼こっちに来た? まだ?」
「おい、あんま大きな声で喋るなよハセ。声で見つかっちゃうだろ」
「大丈夫だよタグっちゃん。だってさ、一番最初に見つからなきゃいいだけの話じゃん」
 ハセはそういうと、いつもの暢気な様子でのんびり目蓋などを擦っている。どうやら捕まる恐れを少しも感じてないようだった。
「いやそれはそうだけどさ。しかしずいぶん余裕だな。もし一番最初だったらどうするんだよ」
「大丈夫大丈夫。ここに居れば絶対安全だから。ね、タグっちゃん」
 そういうとハセは何度もうなずき、こちらを向いて蔓延の笑みを浮かべてきた。
 おかしい。なぜここまで自信が持てるのだろう。まるで自分が捕まる事などあり得ないと、最初から決めて掛かっているかの様だった。
 もしかして何か策があるのだろうか。そうだとしたらそれは一体。ふと湧いてきた疑念に、ひどく嫌な予感がして仕方がなかった。
「いやー実際一人じゃ心細くてさ、タグっちゃんが垣根に居てくれて、本っ当に助かったわ」
「ハセ……お前一体なにを企んでいるんだ」
「うぐ!?……おおい何だよ、急におかしな事言うなよ〜、タグっちゃんは」
 その時だった。垣根の向こう側に、今度こそ鬼の物と思わしき、探しまわるような足音が聞こえてきた。
 足音は徐々に近づいてくる。どうやらこの垣根の裏に狙いを定めているようだった。来る、そう思った瞬間だった。
「ごめんね、タグっちゃん」
 横で呟く声がして、なんと隣にいたハセが両腕を突き出し、押し出す姿勢でこちらに突っ込んできたのだ。
 先ほどからこれを狙っていたのだ。とっさに身をよじり体を倒す。寸での所でハセの突きを避けていた。
 すると対象を失ったハセの体が、その勢いのまま、ダダダと垣根をはみだし突進していく。ハセは垣根の外に出ていた。
「あっ!!」
 なんという恐ろしい男だろう。こんな風に僕だけを、垣根の陰から押し出すつもりだったのだろう。ずる賢いにも程がある。
 だが最後の最後で気を抜いてしまったようだ。策に溺れ自滅するとは、浅はかなり。
「ハセみっけ!」
 鬼が策に溺れた策士を檻に連れていく。その間に僕は二人の死角へ周り、別の場所へと逃げていった。
584にんげんっていいな 3/7 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:20:31.93 ID:pGstFVo+O
 ハセが捕まった事で、すでに次の鬼役は決定していた。つまり本来なら後の隠れ方は、もう消化試合と呼べる代物だった。
 だが、なるべくなら最後まで見つからず一位の座を勝ちとっておきたかった。
 なぜなら今回のかくれんぼはいつもと違い、非常に特別な物だったからだ。なんと今日の最優秀者には、とっておきのプレゼントが送られる事が
 決められていたのだ。その賞品というのは、子供なら誰しもが泣いて喜ぶ、オモチャ屋の当たり券なのであった。
 これは今日公園に行くまでの間に、皆がたまたま道で拾った物で、今日限りの特典だ。何としてでもゲットしておきたい一品だった。
 いつもどこかおっとりして暢気なあのハセが、あれだけ姑息な手で勝ちにきたのも、当たり券狙いだろう。まだまだ油断はできない。

 垣根を離れ、滑り台の方に向かった。アスレチック仕様の、多少複雑な造りをした滑り台だ。
 この滑り台には、そのあちこちに隠れ穴があり、公園内では絶好の隠れ場ポイントでもあった。
 ただ使用するかくれ場所としては余りにありきたりな為、すぐに見つかるベタなポイントとして子供たちの間では有名だった。
 近場にあった滑り台の横穴をちらりと覗き、これでは駄目だと諦める。別の場所を探そうと顔を離したその時、穴の奥から声がした。
「田口くん? ……まだ捕まってなかったの?」
 その高く澄んだ声はユカちゃん、こと手越結香の物だった。だが肝心の本人の姿がどこにも見当たらなかった。
「え、ユカちゃん? え、どこ? どこにいるの?」
 声のした穴の中に入り隈無く調べてみた。だが一向にどこだか分からない。見当さえつかず、すっかり困惑してしまった。
「えへへ。実はここでしたー」
 するとそれまで突き当たりだと思っていた奥の壁が、急にがさごそと音をたて動きだした。
 なんと壁だと思っていた物体は、砂で巧妙にカモフラージュされた、ダンボールの壁だったのだ。
 それが取り外されると、奥で小さく縮こまっているユカちゃんの姿が見えてきた。
「すごい……全然わかんなかった」
「こんな日もくるかなってね、日頃から奥の手として取っておいたの。今日は絶対負けないからね」
 ユカちゃんはこの勝負を存分に楽しんでいるかの様に、何とも勇ましい台詞を笑顔のまま口にした。
 普段はおしとやかな少女だと思っていたが、こんな攻撃的な面を内に秘めていたとは。まるで知らなかった。
 むしろサバイバルなどが似合いそうな、野性的な光りをその瞳に宿したユカちゃん。だがどうしたのか、なかなか段ボールを元に直し始めようとしない。
「でも田口くんにはバレちゃったねぇ」
 なるほど、その事を気にしていたのだろうか。たしかに奥の手がバレては元も子もないだろう。
「ねぇ田口くん、もし捕まっても鬼には内緒にしといてね。絶対だよ」
「もちろん。誰にも言わないから安心して」
 端から言うつもりなどなかったが、念を押して聞かれてしまった。仕方がないか。だが話はそれだけでは終わらなかった。
 彼女はその上で、単にそのバレた事を口止めするだけのつもりではなく、こう願い出てきたのである。
585にんげんっていいな 4/7 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:21:30.35 ID:pGstFVo+O
「あのね……実はもう一つお願いがあるの」
「え? どうしたのユカちゃん」
「うん……もしね、田口くんが鬼になってもね、どうか私のことは見逃して欲しいの。ぜひお願いします、田口くん!」
 マドンナ的存在の女の子に可愛らしくウィンクされたら、それだけで不可抗力という物だろう。
 これに抵抗できる男など存在するのだろうか。少なくとも僕には無理だった。
「……わかったよ、約束する。でもその代わり、みんなの前ではバレるだろうし使えないよ。それでいい?」
「いいよ。じゃあ指切りげんまんしよう」
 ユカちゃんがこちらから目を逸らさずに、手を伸ばしてきた。暗い穴の中で小指と小指が重なると、やけにドキドキしてしまった。
 ユカちゃんはやけにゆっくり、互いの指を絡ませながら、例の指切りの文句を読み上げてくる。
「ゆーびきーりー……、げーんまーんー……ふふふ。なんか楽しいね田口くん」
 楽しいのだろうか。ユカちゃんの魅力にメロメロすぎて、僕にはもう何が何だか分からなかった。先ほどから胸のドキドキが止まらなかった。
「うーそー……ねぇ田口くんって嘘つく人? つーいたーらー……ふふっ、ついたらどうしようかな……」
 もはや完膚なきまでに打ちのめされていた。胸の中に去来する、未知の津波は夢か希望か。はたまた欲望か。
 ユカちゃんの小さな指が、何度も強くこちらの小指を握ってくる。それだけで脳が痺れたみたいに麻痺していた。
 その刺激はやけに背中がもぞもぞとする様な、いかんとも筆舌し難い物だった。
 もうどうすればいいか分からず、すっかり彼女の為すが儘に翻弄されていた。すると、その時穴の外から鬼の足音が聞こえてきた。
 どうやら探索の手がこの滑り台まで伸びてきたようだ。
「チッ」
 それまで甘い声で優しく囁いていたユカちゃんが、突如強く舌打ちをかましてくる。
 足音は次第にこちらに近づいてくる。するとユカちゃんがこの状況に冷静な判断を下し、穴から出る準備をし始めた。
「もう今から隠れるのは無理。なら今回は私が囮になるわ。ところでさっきの約束、絶対に絶対だよ田口くん」
「うん……わかった……」
 ユカちゃんはそのまま穴から出る体勢をとった。僕は急いで体をずらし、彼女のために道を空ける。
 ところが驚いた事に、なんと彼女はすれ違い様にその顔を近づけ、僕の頬にキスをしてきたのだ。
 それは明らかに偶々当たっただけのような、軽いタッチの接吻ではなかった。
「あー、ユカちゃんみーっけ」
 二人の足音が遠ざかっていくのが聞こえてきた。僕はしばらく穴の中で、一人みっともなくと身悶える事しか出来なかった。

 一人滑り台の穴の中で頭を抱えていた。皆のかくれんぼに掛ける意気込みを見て、すっかり圧倒されていたのだ。
 どうやら自分がかくれんぼに臨んだ姿勢は、とことん甘い認識だった。しっかり噛み締め、考えを改め今後の対策について検討した。
586にんげんっていいな 5/7 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:22:31.03 ID:pGstFVo+O
 そこでまず思ったのは、ゲームを勝ち抜くための、何か強味が欲しいという事だった。あのハセのずる賢さや、ユカちゃんの女の魅力に匹敵する何かだ。
 もし種目が鬼ごっこならば、自慢の足が武器にもなったのだろうが、かくれんぼとなると話は別だ。そこに時の運も加味される。
 対策は容易な事ではなかった。結局何も思いつかないまま、ただ刻一刻と時間だけがゆっくり過ぎていった。
 一瞬、このまま家に帰ってしまい、次の日に賞品をゲットすると言う、かなり姑息な考えが浮かんだ。それは反則という物だろう。
「ヨッチみーっけ」
 外から鬼の声が聞こえる。自分を除いた最後の一人が見つかったようだ。あまり悩んでいる時間は多くなかった。
 とにかく一旦息を吐いて気持ちを落ち着かせる。そうして今回のゲームを一からおさらいしてみる事にした。
 ごく普通のかくれんぼだ。人数は五人。毎回鬼が一人でる。そして後は順位にしたがって4・3・2・1と、次々にポイントが加算されていく方式。
 このルールのどこかに、勝利のヒントが隠されている気がした。そこさえ掴めれば勝利は自ずと見えてくるはずだ。一体どこなのだろう。
 重要なのは間違いなくこの点数のはず。何か秘策はないだろうか。どこかに抜け道があるはずだ、思いつきたい、きっとそこに勝利のカギがある。
 そうして必死で頭を抱えていた。するとそんな自分の横で、いよいよついに、砂利を踏みしめる追っ手の足音が聞こえてきた。
 ゆっくり顔を上げる。すると穴の外では、鬼役のベッチンが嬉しそうに中を覗いている瞬間だった。
 その時だった。頭にようやくひらめきのような物が降ってきた。すぐさま勝ち鬨の声を上げようとしたベッチンを、差し止める。
「タグっ……」
「待てベッチン。声を上げるな」
 まさかの決まり文句ストップに、ベッチンが慌てふためいている。予想外の事態に対象できていないのだろう。
 そんな鬼に、自分はまるで本に出てくる悪魔のごとく、甘い誘いを持ち掛けていった。
「なあベッチン、賞品が欲しくないか?」

 夕暮れが差し迫る公園では、いよいよ今日のかくれんぼの総合結果が出ようとしていた。決定的な瞬間がやってきたのだ。
 皆で回ごとに書いていった点数票をすべて集計し、一斉に照らし合わせていく。この計算法はなるべく公平を期すためだ。
「ねえ、タグっちゃん。誰が勝ったのかな?」
「さあね。誰だろうね」
 ハセがすっかり毒気の抜けた顔で尋ねてきた。こんな無邪気な奴が、あれだけ剥き出しに向かってくるのだから、欲望とはつくづく恐ろしい。
 数字を追いながらもつらつらと考えてみる。試合ではあれからも様々な心理戦や舌戦があったようだ。だが結局はどれも無駄な事だと言えよう。
 なぜなら運はやってくる物ではない。その手で掴み取る物だ。今回のかくれんぼで、その事がよくわかった。
「あー、楽しかったー。ユカ勝ててるかなー」
 ユカちゃんはそうは言いながら、にこやかに計算している。その態度から自信満々であるのが伝わってくる。彼女もまた強敵だった。
 あれだけの美貌を武器にされたら、男なら一溜まりもないだろう。だがその武器も今回に限っては通用しない。
「えーと、それでは優勝はと……え?」
587にんげんっていいな 6/7 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:23:31.68 ID:pGstFVo+O
 自信満々に結果を読み上げようとしたユカちゃんの、その口がはたと止まった。大方予想が外れたのだろう。
「……え? 何で何で? だってそんなはずは」
 一方の僕は、自分のノートに書いた集計の結果を見つめ、ようやく安堵の息をついていた。
「おお、やっと計算終わったぜ。優勝はと……へー、タグっちゃんかー。おめでとー」
 見事ユカちゃんの点数とわずかな僅差で、僕が優勝を果たしていた。計算どおりと言えばそれまでだが、とにかく優勝だ。
「田口くん、これは一体どういう事なの! 絶対おかしいわ!」
「別におかしくなんかないさ。これが勝負の結果だよ」
「だって……」
 彼女は納得がいかない様子だったが、こうして出た結果がすべてである。
「それにあの約束だって反していない。実際そうだったろうユカちゃん」
 ゲームの間中ずっと、ユカちゃんの隠れ場を見逃してきた事は、もはや言うまでもない。鬼になる度の事だった。
「あの約束? 田口くん、ユカちゃんとの約束って何の事?」
 その場に集まった皆の中でも、事情を知らないヨッチだけが、唯一この騒ぎの原因がわからずきょとんとしている。
 たぶん彼女だけが、唯一今回のかくれんぼを純粋に楽しんだ人間かもしれない。ヨッチに向かって説明を始める。
「かくれんぼについての協定さ。たぶん男には、同じ事を約束させたんだよね。頼むから私だけは見逃してくれって」
「ちょっと!言わないって約束なのに……」
 そう言うとユカちゃんは顔を真っ赤にしている。彼女の親友であるヨッチが、それを見て若干ひいているようだった。
「えー、……そんな事してたの? ユカちゃんってばズルいなあ」
 返す言葉もなかった。試合が終わって冷静になったのか、ユカちゃんはすっかり普通のおしとやかな女の子に戻っていた。
 そこをこうして攻めたてるのは、なんだか申し訳ない気分でいっぱいだった。とはいえ一応最後までは説明する義務があるように思われた。
「どういう事か聞いてきたから説明したんだ。つまりさ、僕はユカちゃんや皆の先手をとって、もっとより狡猾にズルしていったんだよ」
「えっと、一体どういう事なの田口くん? みんなの先手?」
「今回の僕の作戦には協力者がいたんだよ。ベッチンなんだけどね。つまり彼に協力してもらって……二人で示し合わせてズルをしたっていうか」
 そこで、いまいち要領の得ない僕の言い方に痺れを切らしたのか、ベッチンが代わりに説明し始めた。
「俺が鬼に撤する事で、得点結果を操作したんだよ。なるべく見つかりやすい場所にいて、わざと最初に捕まる様にする。そいつが何より一苦労だったな」
「えっ!?」
 そう、結果的にはベッチンにかなり損な役回りをしてもらう事になってしまった。ベッチンがいなければこの勝利はなかっただろう。
「そんな演技までして……しかもいま得点を操作するって言ったよね。そんな事できるの?」
 ヨッチが驚いたように次々と聞いてくる。純粋な気持ちで参加していた彼女にしてみれば、驚きを隠せない事の連続だろう。
「できるさ。砂場に捕まった時点でだいたいの数は暗算できる。そこで俺が鬼の時、点数が良い奴に狙いを定めて捕まえる。他はスルーしてね」
588にんげんっていいな 7/7 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:24:31.05 ID:pGstFVo+O
「大まかに言うとそういう流れ。あとは僕がなるべく一位になるように配慮してもらえば良かったんだ。ユカちゃんの点数だけが気になったけど、
なんとかなったみたいだね」
 ユカちゃんはすっかり意気消沈したように黙りこくっている。ハセも先ほどからどこか気まずそうだ。やはり思い当たる節があるのだろう。
「だから、僕もユカちゃんも、本当は上位の資格なんか無いんだ。今回の優勝者はズル無しでやってたヨッチ、つまり君だけって事になる」
 僕はそう言うと、手にした賞品であるオモチャの当たり券を、そのままヨッチに手渡していた。
 これで賞品は自分の手には入らなくなった。だがどこか清々しい気持ちで胸がいっぱいだった。
「おい、いいのかよタグっちゃん。あれだけ苦労したってのに」
「いいんだよ、僕はこれで充分満足したんだから」
 一度切りの大勝負だったが、なんとか勝ち抜く事ができた。反則技を駆使したとはいえ、やはり勝利の味は甘美な物だった。
「す……すっごーい!」
 突然そこで、話を聞いていたヨッチが、一人感極まったように大声を上げ始めた。
「ねえ、みんな凄すぎだよ! 私みんながそんな事してたなんて、ぜんっぜん知らなかった!」
 ヨッチのその手放しの感激は、場の雰囲気からひどく浮いていた。他の四人が作り出した余韻とは完全に真逆の物である。
「え?……あ、うん……。いや凄いかな、まぁ凄いのか」
「きっと田口くんもユカちゃんもどっちも譲らない真剣勝負だったんだね! うわ、いいなあ!」
 ヨッチは顔を輝かせ、隣のユカちゃんにその惜しみない称賛を送っている。一方のユカちゃんはどうしていいか分からないと言った顔だ。
「いやホントもう、そんな感動しちゃうような事柄じゃあさ。何だろね……」
「なぁ。だいたい単なるかくれんぼだし」
「それなら私もそのルールでもう一回やりたい! 明日リベンジマッチね!」
 そう言うとヨッチは、呆気に取られる皆をよそに、燃えたぎる闘志を剥き出しにして、ガッツポーズで気合いを入れている。
 まさかこんな反応が返ってくるとは。慌てて僕はヨッチを引き留めるために、何とか説得する。
「いやいやいやいや。ヨッチ待って、ちょっと待って。だいたいさ、当たり券はすでに君の物で」
「よし! じゃあチャンピオンとして、この当たり券ベルトは一旦返還します! 明日また公園でデスマッチ決定!」
 こうしてかくれんぼデスマッチは、僕らの間で恒例行事となったのは言うまでもない。

《終わり》
589 ◆1ImvWBFMVg :2011/02/03(木) 13:26:57.57 ID:pGstFVo+O
投下終了しました

無駄に長いし品評会も終わってるけど、感想が欲しいっす。お願い致しまっす。
590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 13:58:18.01 ID:pGstFVo+O
ふむう、来週は冬にまつわる物か。なに書こうかな。
あと全感少ないみたいだけど今から書いてこようか?
591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 15:00:38.26 ID:vQ4/vMhH0
>>590
そうしてくれると作者的にはとても嬉しいんだ

BNSKにはROM専みたいに感想だけ書いてく人いるのかな
俺は小説とか書けねぇって人は、そっちで参加してくれてもありがたいのだが
592以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 15:02:18.04 ID:ZVvy1PZs0
的確な感想文を書けるようになるのも、文才を鍛えるうちな気がするな
593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 15:31:47.64 ID:hO0hT0jO0
>>591
確か何人か居たよ

俺は読書感想文とか書けなかったタチだけど、参加してるからには無理やり捻り出してる
594以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 16:07:02.46 ID:lBGRCf4MO
あげ
595以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 16:45:48.07 ID:lBGRCf4MO
>>589
整理すると
1位4p 2位3p 3位2p 4位1p
男:タグ、ハセ、ベッチン 女:ユカ、ヨッチ
前提@ユカは男子全員(二人で全員という表現は考え難いためベッチンも含まれる)に自分を最後に見つけるよう約束させ、誰も破らなかった(ヨッチ以外にユカは見つからない)
前提Aベッチンは点数の良い者から狙う(タグ、ユカは除く)

1回目の順位(鬼ベッチン)
1位タグ 2位ヨッチ 3位ユカ 4位ハセ
2回目の順位(鬼ハセ)
1位ユカ 2、3位タグorヨッチ 4位ベッチン
3回目の順位(鬼ベッチン)
1位ユカ 2位タグ 3位ハセ 4位ヨッチ

ここまでの点数
ユカ10p タグ9or10p ヨッチ6or7p ハセ3p ベッチン1p
勝てないこともないが次の鬼のヨッチがユカより先にタグを見つけたらアウトっぽい
これベッチンは点数の高い人からじゃなくヨッチ→ハセ→タグの順に見つけるようにすれば勝ちやすい気がする
あとベッチンは賞品に釣られて協力したのに、タグがヨッチにあげること納得したんだろうか
そしてこれは感想なんだろうか
596以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 17:01:55.99 ID:Lpb2eryjQ
ヨッチがかわいい。萌えた
597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 17:35:10.87 ID:zgjxkZKW0
598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:15:59.36 ID:kXTRBmqn0
そい
599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:28:18.08 ID:ws2gNdts0
お題下さい
600以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:29:29.37 ID:+xE5eAT50
>>599
差別
601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:31:27.63 ID:ws2gNdts0
>>600
ありがとう、把握した
602以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:57:55.62 ID:0UROIW8i0
俺は差別と黒人が大嫌いだ!
603以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:01:59.40 ID:TEx4L0bYO
お題下さい
604以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:02:30.50 ID:yHL9Ib360
>>603
おこげ
605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:03:00.89 ID:sg6t5AXh0
俺はとうの昔に使い古された冗談を言う奴が嫌いだ
606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:05:33.61 ID:TEx4L0bYO
>>604
把握!!ありがとう。
607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:47:21.96 ID:kXTRBmqn0
そろそろかな
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:24:20.83 ID:lBGRCf4MO
ほし
609長い秘密(お題:秘密)0/2 ◆NiMJzSjkKw :2011/02/03(木) 20:26:57.02 ID:jvk3toHr0
通常作品投下するよー
610長い秘密(お題:秘密)1/2 ◆NiMJzSjkKw :2011/02/03(木) 20:27:45.88 ID:jvk3toHr0
 あやふやとしか覚えていないが、先輩ってなんだか大人っぽいですよね、といっ
た話題から始まったと思う。
「世界で私しかしらない秘密を持っているのよ」
「ほんとうに私しか知らないの。私が知る前も世界では一人しか知らなかった秘密な
のよ」
私は面白そうな話だと思い、もっと話してくださいとせがんだ。
長い時間が必要かもね、そう言って先輩は笑った。

 ここにひとつの秘密があるの。その秘密は世界でその一人しか知らない秘密なの。
その秘密のすべてはずーっと前からあるものなの。その秘密が誕生するのと同時にそ
の秘密は世界で知る者はひとり。
その秘密はね、世界でひとりしか知らないの。どういうことだと思う?そうね、突然
死、なんてことにならないまま、長い間この秘密が生きていたのは奇跡ね。
秘密を知る者は次の人に継がなきゃならない。いいえ、継ぎたくなるのよ。自発的に
ね。誰かにこの秘密を教えたくなる。でもみんなに話すのは自分の価値がなくなって
しまうわ。せっかく自分しかしらないのにね。
私の前の人。私にこの秘密を継がせた人。私はその人の話を聞いた。その人の一生分
の話を聞かされてるみたいだった。長い長いおはなし。その人が秘密を継いだ時の話
も聞いた。その人が話したいことは全部全部、聞いてあげたの。ある朝の新聞配達を
待っていた時の空があまりにも綺麗に見えたんだ。ってのも含めてね。聞き手になっ
て、覚えてあげて、語ってあげた。その人を認めてあげたの。私はたっぷり時間を持
っていたから、焦ったりしなかった。その人は十分満足したわ。あと認めてほしいの
は、私に話したいのは、ひとつの秘密だけね。

611長い秘密(お題:秘密)2/2 ◆NiMJzSjkKw :2011/02/03(木) 20:28:49.97 ID:jvk3toHr0
その人ね。直接語ることなんてしなかったわ。あの人、自分の心臓の中に小さな小さ
な鍵を隠していたの。埋め込んでいたのよ。失くさないように。いつでも持っていら
れるように。ふふ。そしてね、長い長い秘密を記した紙を小さく小さくまとめて、小
さな箱に入れて、自分のふとももに隠したの。その人は車いすに乗っていたのよ。足
が動かせないらしいの。だって無理やり異物を埋め込んでるんですものね。
 そこまで聞いて私は立ちあがったわ。そしてあの人にブランデー、少し薬を入れて
グラスにいれてあげた。あの人温かい笑顔でありがとうって笑ったわ。これが私が秘
密を知ったぜんぶ。
 ふふふ。さて、ずーっとひとりしか知らない秘密に価値はあるのかしらね?さあ、
わからないけれど。でも私は知った瞬間に世界でひとりのままこの秘密を抱いて死ん
でしまおうかと思ったわ。世界でひとり。世界でひとりのまま、ね。
でも人間は人に認められたい生き物なのよ。ひとりで知ってると言っても虚しいだけ
。そうじゃない?
すべてに勝る秘密よ。でも、だれかに私も話したくなる。ふふふ。
私もこうやって秘密のまわりの話を聞いたのよ。私の前も人もそうだったのね。きっ
と。

「どうする?私を殺す?」
先輩のこそばゆい声が耳元でくすくす笑った。


612 ◆NiMJzSjkKw :2011/02/03(木) 20:30:50.80 ID:jvk3toHr0
通常作品投下し終わったよー
インフルエンザをのりこえるみんなーおらに感想くれー
613 ◆iDThl17Dpk :2011/02/03(木) 20:44:34.19 ID:3k5BZUIxO
>>612
読んでないが、もう少し本を読むと良いよ
614 ◆iDThl17Dpk :2011/02/03(木) 20:51:09.26 ID:3k5BZUIxO
お題くれ
615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:54:33.56 ID:8Hr1FcBt0
>>614
歩兵
616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:55:11.63 ID:+xE5eAT50
>>614
617以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:01:07.09 ID:3k5BZUIxO
612
彼女はどこに秘密を隠してるんだ?
殺しても意味がなくないか?
618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:02:22.98 ID:3k5BZUIxO
歩兵海把握
619以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:05:04.84 ID:lBGRCf4MO
>>612
よくわからんな
飛天御剣流の奥義継承みたいな話なんだろうか
620以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:10:57.93 ID:vQ4/vMhH0
>>610-611
言いたかった事はまあわからんでもない
だが、結局秘密はなんだったのかとか、受け継がせたくなることの理由とかが判明してないのがすっきりしない
それに、ずっと先輩の身の上話が続くので感情移入しづらいかも。状況描写増やすと良い
色々と必要な箇所が足りてない印象だね
621以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:11:00.41 ID:p+hCvyPL0
>>612
読んだよー
この終わり方にするんだったら、最初を回想みたいな方式にしないほうが
よかったんじゃないかなー、と思いました。あるいは、最後に(主人公がどしたか、
という結果は伏せたままにするにしろしないにしろ)現代に戻すかしないと、
なんかすごく中途半端な感じがしたですよ。

先輩のモノローグは正直もうちょっと整理できるかなー、と思いました。
特に前半、形而上的というか、概念的なことについて同じ様な言葉を繰り返されるのは
マイナスの点が多すぎると思う。正直あんまりついていけなかったです。
あとは、先輩はその秘密をどこにかくしているのかは明示した方が良かった気がします。
それ知らないと、先輩を殺すかどうかの選択にすらならない気がします。

空気というか、勢いで押すような重くて黒い感じはちょっと良かった。
どうなんだろうね、こういう作品てもっと読者にフレンドリーにしたら、魅力は無くなっちゃうのかなぁ。
622以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:11:41.52 ID:7x+ZlkJ6O
夜の終わり見届けるのさ
623以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:11:56.44 ID:Wmr0nV8D0
>>612
よくわからん。
秘密を継ぐシステム?は結局、自分だけが知っている、という誘惑に負けるという事だよな。
だけれども、その秘密を話して認められたくなる。
結局その先輩は秘密を話してないよね。
この流れだと『秘密』を話してしまわないといけないような気がする。
だって秘密を話したから、「私を殺す?」なわけだから。
そうなると、じゃあその秘密って何だよ、と読者が思ってしまうので、
先輩もどこかに隠していて、殺せば手に入るわよ、見たいな感じの方がと思います。

あと、先輩の独白が物凄くわかりにくいです。
624以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:18:21.40 ID:sg6t5AXh0
>>610
ぼんやりとした話だなという印象。
書いてて楽しそうなのは伝わって来るんだけど
話自体は思わせぶりに同じ所を回ってるだけで小説っていうかポエムに近い。
文体は好みの問題もあるので好きにすればいいと思うけど、次作は物語的な要素をもう少し膨らませるよう心がけるといいかも
625以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:31:03.95 ID:nrx76tEG0
なんかいいことねーかな
626以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:40:35.55 ID:hO0hT0jO0
おうおう
627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:44:00.97 ID:EV93GX4h0
変なお題下さい
628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:48:31.30 ID:0UROIW8i0
>>627
猫の毛玉
629以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:52:43.13 ID:EV93GX4h0
>>628
了解
630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:04:30.25 ID:p+hCvyPL0
お題をひとつ
631以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:05:15.95 ID:nrx76tEG0
>>630
魔法
632以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:06:11.52 ID:p+hCvyPL0
把握。ありがとう。
633 ◆NiMJzSjkKw :2011/02/03(木) 22:11:24.05 ID:jvk3toHr0
>>613これ以上本読んだら留年しちゃう

やっぱり最初があれなら最後で現代に戻した方が良かったかな
先輩は秘密の隠し場所について何も言ってないので、ここから先輩の長い長い話が始まるんだと思います
やっぱり練らないとだめだね
ありがとう

634以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:26:41.85 ID:ErdtX+Hi0
お題くださいな
635以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:29:23.85 ID:sg6t5AXh0
ひとりがたり
636以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:29:24.74 ID:0UROIW8i0
>>634
コタツとみかんと+α(適当に考えて良いよ)
637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:34:21.83 ID:kYqPZcSo0
お題ぷりず
638以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:34:34.40 ID:lBGRCf4MO
全館まとめてくれた人乙
携帯でとかクレイジーだぜ
639以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:39:02.09 ID:pGstFVo+O
>>595
 感想あざーす
 えっと点数自体は読み手にはどうでもいい部分だろうし、適当に省略したんだけど、しっかり書いた方が良かったですかね。
 まず回数の方が、だいたい十回戦ぐらいの規模を考えてました。
 あと大事なポイントとして、鬼になる順番がたいていは決まっていて。おそらくそうなるはずというか。
 たぶんヨッチって言う知らなかった子と、ベッチンって子の二人でだいたい鬼を回してるはずなんですよ。
 でね。ベッチンは確実に主人公を1位か2位にするけど、ヨッチはユカって子を1位にするわけじゃない。この差が出てくる。
 そんな感じで回数を重ねていくと、自ずとユカって子との差が埋まるというか。まあちゃんと計算はしてないんですけどね。
 ……あ、感想よく見たらそのままの事が書いてましたね。すいません、だいたいそんな感じです。
 ベッチンって子も、このやり方で勝てるのを目の当たりにして、それでもいまいち納得してなかったんじゃないですかね。
 普通のかくれんぼと違いすぎるし。まぁ次のデスマッチ回からは暗黙の了解ができて、気にしなくなるんだろうけれど。
 そうっすね。できればこの話が面白かったかどうかが、一番知りたかった部分です。よければ教えて欲しいです。ずっと待ってます。

>>596
 感想あざーす
 ヨッチですか。あなた多分ロリコン属性ですね。『よつばと!』とか大好きなんですね。ハイ僕も大好きです。
 このキャラは本当にいて助かったと思いました。おかげで話に救いがでました。ええ、萌えは文化です。
640以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:40:44.45 ID:lBGRCf4MO
>>637
オタク
641以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:41:04.54 ID:jvk3toHr0
お題ホイホイ
642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:43:27.56 ID:0UROIW8i0
>>641
ゴキブリ
643以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:43:50.07 ID:pGstFVo+O
>>641
ノンケ
644以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:43:55.97 ID:kYqPZcSo0
>>640
把握
645以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:43:58.19 ID:sg6t5AXh0
スープリ
646以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:46:13.19 ID:jvk3toHr0
>>642-643
おまえら…

>>645
宗教団体
647以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:47:47.03 ID:pGstFVo+O
なあ、俺の通常にもっと感想つけてくれよ!
うむう……、やっぱレス数長いと読んでくれる人少ないのかのう。
648以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:52:50.42 ID:p+hCvyPL0
>>647
作品は読んだし結構言いたいこともあるんだけど、確か氏とは銀河鉄道の人身事故の件で
絶交したから感想つけらんない
649以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:54:49.92 ID:hO0hT0jO0
携帯厨ざまぁwww
650以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:58:21.43 ID:nrx76tEG0
難しい世の中だ
651以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:03:23.95 ID:pGstFVo+O
>>648
銀河鉄道の人身事故!?なんじゃそりゃ、そんなインパクトのある喧嘩したっけか。
誠に申し訳ないんだが、あんまり覚えてないよう。
むしろそっちの方が気になる。詳しく教えてくれ。
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:04:46.59 ID:jvk3toHr0
人間ってやつぁ難しいの
でもそれだけ人に覚えられてるってことで
ちょっといいなと思ったりでもそれは恥ずかしすぎると思いなおしたり
653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:06:09.59 ID:Bt4HqOyJO
>>647
じゃあ感想。携帯厨のよしみで。
公園の描写で小さい頃思い出したな。滑り台付きの謎遊具とか、垣根の中で鬼を待つ感覚とか。
かくれんぼで遊んでた頃にこんなクレバーさは俺にはなかったけど、必死な感じがすげーフラッシュバックした。
このまま無邪気にもっとノスタルジーを感じさせる方面で攻めたら俺の嗜好に一致してたかもしれん。
公衆トイレの屋根の上に隠れて臭い奴扱いされたのは俺だけでいい
654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:10:52.68 ID:p+hCvyPL0
漁ってみたけど一言も酉でてなかった
でも、もし氏じゃなかったとしても携帯だし連帯責任でいいよね


219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 19:21:25.35 ID:v7C5xowfO
その糞みたいな話を必死に磨けばいいんじゃないか?
しかし何でくれないんだチクショウ、変わったお題の書きたかったのに

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 19:28:00.99 ID:hYJoehi2O
では僭越ながら自分が

「銀河鉄道の人身事故」

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 19:35:44.44 ID:v7C5xowfO
>>220
もうそれ話の内容が半分くらい決まってないか?うーん……、微妙だなー
あんまり酷いのしか掛けなかったら投下しないかも把握

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 19:50:31.75 ID:v7C5xowfO
うんちょっと考えてみたけどぜんぜん無理。絶対微妙なのしか書けやしない
だいたい銀河鉄道それ自体があの世への旅路だってのに、そこに人身事故とか、もう訳分からん
もう一回募集しまーすー、変なお題ーよーこーせー
655以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:10:59.93 ID:p+hCvyPL0

230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 20:51:01.66 ID:uZXz+Qxm0
>>222
>だいたい銀河鉄道それ自体があの世への旅路だってのに、そこに人身事故とか、もう訳分からん
変なお題がほしいというから頑張って考えたんじゃないか!
ぷんすか

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 21:02:13.10 ID:uZXz+Qxm0
>>233
> でも銀河鉄道の人身事故は酷いぞ、設定から無理って珍しいもん
死んだ人間を轢死させたらどうなるか、を科学的に検証するハードコアSFとかいけそうじゃないか!

無理とまで言われたよ。それなら次点の「しっかり白黒つけろと説教してくるパンダ」のほうがよかったかなぁ

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 21:15:12.51 ID:v7C5xowfO
>>235
どっちにしろぜんぜん書きたくないですカーッペッ
なるたけイメージを限定させないでくれよ、作る時詰まんなくてしょうがない

239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/08(水) 21:15:59.75 ID:uZXz+Qxm0
>>238
ムッキー 絶交だっ!

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/08(水) 21:29:36.24 ID:v7C5xowfO
>>239
誰だか知らんが、望むところだ!
656以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:15:55.37 ID:jvk3toHr0
こんな完璧に絶交してんならしょうがないなwwwwwwwww
657以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:18:44.64 ID:lBGRCf4MO
>>647
辛口感想
7レス全部かくれんぼに注ぎ込む勇気はすごい
普通はかくれんぼの最中猫かなんかと邂逅があってついていくと知らない世界に云々、といった具合に話が進んでいくものだが、それをしないとなるとごまかしが効かないぶん難易度クソ高いわけで
読み終えたあと筆者にはまだ早いんじゃないかと感じた
無難にストーリーものから書いたらどうだろか
658以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:22:12.21 ID:alpzmkVY0
全巻まとめた人乙乙。投票用紙がまとまってないけど
お前ら他人の感想も読んどけよ?自分の感じ方との差が分かる
そしてQIの人の初音ミクに対する思い熱杉ワロタwwwww
659以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:29:55.69 ID:pGstFVo+O
>>653
 ありがてぇ感想ありがてぇ。ほんに御ありがとうございます。乞食してみるもんだな、ウヘヘ。
 ノスタルジアか。そこら辺もいいですよね。今回はゲーム性を意識したんだけど、別の時に試してみます。
 俺は便所ではいやな思い出しかないでござる。ほんとに色々あったのう。大人になれて良かった。
 
>>655
 ああ! なるほど、あん時の出題者かよ! ずいぶん懐かしいな!
 いよう、元気でやってるかい。いやあの頃はちょっとカリカリしててよう。
 ごめんよ、ごめんてば。謝ります。すいませんでした。
660以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:37:49.39 ID:vQ4/vMhH0
>>658
俺は自分の作品に付いた感想は、全部その作品のファイルに転載してる
たまに他人の作品についた感想も読んでみてるし。これ良いスタンスじゃね?

傍で見てた俺にすら強烈な印象が残ってると言うのに、当事者は忘れてたのかww
銀河鉄道の人身事故とか、見ただけで顛末思い出したよ
まあ、平和に交渉しようやww
661以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:41:53.25 ID:pGstFVo+O
>>657
 辛口あざっす!
 ちょっと待った!その普通のストーリー物ってのはなんだい?なんなんだい?
 自分はかなり文盲だし、あんまり小説技法に詳しくない物で、何が普通なのかよく分からんのだけど。
 もしかしたら、そういう規則があるの?基本というか。え、マジで?なにそれ。
 超知りてええええ!ぜひ頼むううう教えてくれええええええええ!
662以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:42:58.38 ID:alpzmkVY0
>>660
他人の作品は読んでるのか?他人の感想だけ読んでもあんまり意味なさそう
663以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:45:21.24 ID:hO0hT0jO0
>>661
あれじゃね、ストーリーの無い感じの「何かをしているその場の雰囲気を感じる」系の
例えばストーリーフル無視してまるまる5レス使ってレースものを書き上げるとか、俺はそれで優勝したけどな!
664以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:46:51.46 ID:p+hCvyPL0
許さないけど感想は書くよ!

大人になってからの子供時代の回想とかではないのに
>子どもである自分の身には、まるで大都市のようにも感じられた。
とかいうのはちょっとおかしいよね。これ、誰の視点なんだろう、っていう。

これはフォーマットとしてはミステリと同じ形式なんだと思うのですよ。
だから、主人公がしかけた「トリック」について、もうちょっとそれで勝てる明確な
理屈とか理論が欲しかった気がする。明確な理屈に因れるルールを作れるのが
小説なワケだし。読者への納得の部分を読者が>>595みたいなレスで確認したくなるような
状態にはしないほうがいいと思う。流水大説じゃああるまいし。

ヨッチの勝ち、というラストの流れはすごく好きだった。バーカバーカ
665以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:49:47.99 ID:sg6t5AXh0
>>647
読んできた。
話の筋自体は面白かったけど舞台設定で損してる気がした。
人物描写やネーミングはせいぜい10才くらいなのに、かくれんぼに対する考え方がガチ過ぎて読んでて凄くギャップがあった。
序盤で無邪気な感じを演出したのは計算の上だったのかもしれないけど、今回はそれが裏目に出てると感じた。
地の文に対して台詞回しが幼すぎる点も気になった。
子供の純粋さを書きたかった訳でもなさそうなので、言葉遣いはもう少し大人びていても良かったと思う。
また、上記のようなどっちつかずで書き進めているせいで、物語のオチ(純粋さ)を司るヨッチの描写も、何も考えていないだけみたいな印象になってしまっている(端的に言えば、頭が足りてないように見える)

とはいえ、構成自体は面白かったし一個一個のエピソードも作り込まれていて好感が持てた。
品評会だったら多分関心票くらいは入れてたと思う。
以上、上から目線な上に大した事書けなくてすんません
666以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 23:55:51.01 ID:lBGRCf4MO
雰囲気で魅せる小説って薄氷すぎて風景描写オンチの自分には怖くて出来んわ
667以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 00:00:37.32 ID:BhnSJZ3sO
>>663
 いや、なんかそれ違うっぽいぞ。それも勢いだけで書いた感じで、かなり面白そうではあるが、多分趣旨が違う
 つまり図書館においてある様な、落ち着いた文体の、いかにも『お話し』って感じの小説の事だろうか
 ふーむ、そういうのは、あんまり書いた事がないかもしれない。たいていはグチャグチャにして終わらせちゃうからなぁ
 次の品評会で書いてみるわ。ありがとう>>657 そして優勝うんぬんは華麗にスルー
668以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 00:04:23.13 ID:k8eJltMY0
さて、感想も書いたし数年越しに戯言シリーズを読み進める作業に戻るとするか
669以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 00:22:46.22 ID:r/bNZ2Qp0
お題をもらおうか。2個ね。
670以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 00:29:06.18 ID:5oN7qPL1O
回線
671以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 00:31:38.24 ID:r/bNZ2Qp0
ありがと。久しぶりに書いてみるわ。批評でへこむかもしれんけどw
672以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 00:43:43.40 ID:BhnSJZ3sO
>>664
 感想あざっす。そして許して、今度あのお題で通常書いてきますから。
 ふむ。たしかにミステリの手法、使わせてもらいました。でもしょせん似非だから。比べられちゃうと穴がぼこぼこ丸見えでもうね。
 ふむう、練り込みが足りなかったみたいですな。いつかミステリもやってみたいです。もちろん無謀なのは知ってますけどね。
 そして最初のはすいません。始めの構想から思いっきり方向転換したので、その時の名残りです。
 最後の締めは救いが出てほんとに良かったです。あとバカって言う奴がバーカバーカ

>>665
 うえ……ご指摘ごもっともでございます。会話文まで大人っぽいと、子どもじゃなくなる気がしてしまいました。もっと大人っぽくても良かったか。
 ガチ過ぎるのは書き手の悪ふざけと思っていただければ。ダメですか。頭脳派の作戦参謀みたいな博士っぽい役がいれば良かったのかな。ううむ。
 ほう、気になった作品ですか。次は……次の通常作こそはッ……投票してたって言わせてみせるッ……!見ていろッ……!

 しかし感想いっぱいもらっちゃったよ。言ってみるもんだなおい。読んでくださった方達、本当にありがとうございました。
673以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 01:12:55.46 ID:5oN7qPL1O
ほし
674以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 01:15:33.49 ID:vFZa2t6jP
おだいちょおだああああああああい
675以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 01:20:16.24 ID:E07V/ZZh0
善意
676以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 01:20:25.17 ID:WzswzGSE0
捨てる
677以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 01:21:24.01 ID:vFZa2t6jP
>>675
さんきゅううううううううう
678以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 02:13:24.38 ID:RcFKomNP0
(/ω・\)チラッ
679以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 03:21:41.55 ID:a4M+IYhS0
シナリオ思いつかない
何か書くしか脱出の手立てが思いつかないからお題くれ
680以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 03:30:41.91 ID:tNs9Ns9b0
カメムシ
681以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 03:45:33.14 ID:a4M+IYhS0
よっしゃーやってみるよー
682以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 04:56:51.73 ID:wr9d/kOV0
あげあげないと
683以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 06:13:47.30 ID:PTQCSELJ0
手慣らしにお題ください
684以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 06:15:09.80 ID:FjJztLrnO
俺は激怒した。
685以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 07:54:17.08 ID:ugR/g2LY0
>>683
川のほとり
686以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 09:49:17.33 ID:5oN7qPL1O
あげる
687以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 11:36:31.97 ID:5oN7qPL1O
せい
688以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 12:37:43.56 ID:usaOC8jQ0
ぬ?
689以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 12:43:17.65 ID:4LfIIGCG0
お題くれ
690以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 12:51:07.90 ID:gbxzs1nf0
>>689
スッポン
691以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 14:00:30.11 ID:5oN7qPL1O
692以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 14:31:21.77 ID:yEUi9T4i0
ん…っ
693以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 14:48:37.11 ID:MQACgmk3O
あぁ……っ
694以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 15:06:48.23 ID:8z6hHuYnO
:-O
695以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 16:10:51.73 ID:usaOC8jQ0
え……、あ……っ
696以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 17:06:23.53 ID:5oN7qPL1O
……
697以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/04(金) 17:35:23.31 ID:MQACgmk3O
保守ばっかりやらぁぁ…っ
698以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
お、お前らァッー!ここで何してやがるゥッー!