1 :
代理:
女「じゃんけん、ぽん」
二人の教室。
男「……俺の勝ちだな」
女「うむ……負けてしまったね」
男「じゃあ帰るぞ」
女「せっかく二人なんだよ?」
男「どういうことだ」
何を考えてたんだよ。
2 :
>>1 ありがとうございます。:2011/01/29(土) 21:12:50.59 ID:PWCz1ARXP
教室に、帰宅部が残る理由なんてない。
せめてなにかの行事でもなきゃ、いる意味なんて全然ないぞ。
女「じゃんけんで勝ったら、なんでも一つ命令できるんだよ?」
男「だから、『帰る』んだ」
女「それはダメだよ。ゲームが終わっちゃうじゃないか」
また、このパターンか。
男「毎日毎日、俺に勝てないお前が悪いんだろ」
ここまで弱いと逆に凄い。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:16:43.68 ID:PWCz1ARXP
女「確かにそうかもしれない、だけど、それじゃあ君は毎日勝ち逃げじゃないか」
男「命令を聞くゲームなんだからそれでいいんだろうが」
お前に文句を言われる筋合いはない。
女「……仕方ない、今日は帰るよ」
男「今日も、な」
女「ふふ、そうだね」
バッグを持って、教室を後にした。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:17:55.33 ID:YtxFP8VF0
エロくなりそうですね!!
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:21:22.76 ID:PWCz1ARXP
女「ふむ……」
今日は物思いにふけっている。
男「……」
横目でチラリと見る。
女「ん?」
そのチラリに、タイミング良くこちらをみる。
本当に、一瞬だったのに。
女「どうしたんだい?」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:31:48.92 ID:lPeL/MWU0
きたー
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:41:00.60 ID:PWCz1ARXP
男「別に」
女「ボクに色目をつかうなんて」
使ってない。
女「ふふ、魅力的だったよ」
男「してないだろうが」
女「嘘だね、くずぐっちゃうよ?」
手をワキワキとさせる。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:44:18.27 ID:PWCz1ARXP
男「意味無いからやめろ」
女「それはどうかな? えいっ!」
俺の脇の下やら、首筋やらを攻めてくる。
女「こちょこちょこちょ」
やめい。
男「……」
俺、効かないから。
ボクっ娘の人か!
支援
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:49:19.08 ID:PWCz1ARXP
女「だいぶ、効いたみたいだね」
効いてねぇよ。
女「ふふっ、参ったか」
なんて爽やかな笑顔だろう。
女「というわけで、ボクの勝ち、命令は……」
男「……」
俺は無言で、やつの脇をつつく。
女「あっ」
こいつは、くすぐりに相当弱い。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:52:53.22 ID:PWCz1ARXP
男「誰がお前に負けたって?」
女「あはっ、ちょ、ちょっと、ダメだよ」
脇をちょこまかとくすぐる。
やっぱり効いてる。
女「ぼ、ボクは、そこをいじられると……あぁん」
男「!」
思わず手を止める。
男「変な声を出すな」
なんか、変なことしたみたいだろうが。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:57:08.35 ID:6gCHg0qr0
ぼくっこの人きたー
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:57:31.06 ID:PWCz1ARXP
女「当然の成り行きさ」
どこがだ。
女「ボクは君のテクニックにやられた、一人の被害者である」
さっきのくすぐりのどこがテクニックだ。
男「認めん」
女「判決、半ケツ……」
男「くだらん」
誰でも思いつくようなダジャレで笑ってんじゃねえ。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 21:58:00.57 ID:bLj5gWKNO
待ってたよ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:00:03.55 ID:wOuGnilK0
支援
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:00:28.59 ID:PWCz1ARXP
女「でも、半ケツだよ?」
男「女の子がそういうことを言うもんじゃない」
女「ほほう」
とても嬉しそうに笑って。
女「ボクはおんな、にカテゴリされているのか」
ああ、そうだ。
女「どこで? 胸? 顔? お尻? はたまた脚?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:03:34.34 ID:PWCz1ARXP
えっと、だな。
女「も、もしかして……ないから?」
下半身を抑えて、顔を朱に染める。
見た事ねえよ。
男「違う」
女「じゃあ……なんだい? 履いているパンツ? ブラジャー? におい?」
お前、ブラジャーつけてたのか。
一応、パンツも見てないし、ブラジャーも見てないからな。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:13:41.92 ID:PWCz1ARXP
男「……服装」
女「ふむ」
やつの服装は、制服で、スカートだ。
だから、おんなだ。
女「女装、という可能性は?」
男「そんなやつが学校に通えるか」
女「ふふっ、そうだね」
またつっかかってくるかと思ったが、そんなことはなかった。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:17:06.49 ID:PWCz1ARXP
女「ボクももっと色んなことを知っていればなぁ」
空を仰いで、そうぼやいた。
男「十分色んなこと知ってるだろ」
女「そうかな?」
ああ。
俺はそう思う。
女「でも、ボクは君を笑わせる術を知らない」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:23:04.96 ID:PWCz1ARXP
男「……」
その背中は、切なそうだった。
女「ふふっ、帰ろう」
知らぬ間に足を止めていた俺達だったが、やつが歩き始める。
女「!」
そんなやつを、俺が止める。
男「明日も、じゃんけんしようぜ」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:27:22.92 ID:PWCz1ARXP
女「え?」
男「それでいい、お前は俺を笑わせることができる」
それだけでいい。
女「……そうか」
やつは口に微笑みを浮かべた。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:30:19.96 ID:PWCz1ARXP
女「ここでお別れだね」
男「おう」
俺とやつの家路分断の道だ。
男「じゃあな」
女「うん」
そう言って、別れる。
女「男」
男「あん?」
女「また、二人の教室で」
男「ああ、二人の教室で」
END
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:31:02.17 ID:fXobsG9R0
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:33:07.07 ID:2vUz/n8v0
いい話だった
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:34:52.64 ID:fXobsG9R0
あ、この終わり方正しいのね
なんかごめん
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 22:54:40.38 ID:lPeL/MWU0
あ、おつです
乙?
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:02:09.66 ID:bLj5gWKNO
おつ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/29(土) 23:55:02.31 ID:pk3uRZgq0
おつ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 00:17:21.80 ID:WLsbtlaW0
思ったより短かったな
何はともあれおつ
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
待ってたよ
ってもう終わりか乙