28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:12:27.89 ID:PTswOFkE0
爪゚ー゚)「・・・数年前、ロトの勇者を名乗る男が現れた」
爪゚ー゚)「その男の出生を聞くなり、彼はロトの一族しか知リ得ぬ情報を持っていた」
爪゚ー゚)「だが彼は、ロトの血脈の証である、“ロトのしるし”を持ってはいなかった」
爪゚ー゚)「そして、わしは試した。彼が本当に勇者かどうか」
爪゚ー゚)「この世界に、“銀の竪琴”と呼ばれるものがある」
爪゚ー゚)「真の勇者なら、見事それを見つけて、わしのもとに持って来れるはずだとな」
( ^ω^)「おお」
( ^ω^)「・・・それで勇者は・・・」
爪゚ー゚)「もちろん持って来た。彼は、わしの難題を見事完遂した」
爪゚ー゚)「・・・これが、その証じゃ」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:15:21.08 ID:RtAiED9m0
シエン
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:15:28.44 ID:PTswOFkE0
じぃは、ものものしく後ろに置いてある、それから、布をはぎ取った。
それは、見事な竪琴であった。
( ^ω^)「これが・・・銀の竪琴ですかお」
ブーンは、竪琴に触れようとする。
爪゚ー゚)「まちなさい!それにさわってはいかん」
じぃが、ブーンの動きを制止する。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:16:00.80 ID:H9E94LlX0
久々に現行にあった
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:16:52.03 ID:RtAiED9m0
しえしえ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:18:32.88 ID:PTswOFkE0
( ;^ω^)「お?」
爪゚ー゚)「その竪琴は一見きらびやかで、実に素晴らしい音色を奏でるが・・・
その実、深い魔力を帯びた魔具なのだ」
爪゚ー゚)「その音色は、魔力を放ち、魔物を呼び寄せる」
爪゚ー゚)「これは伝説の、さすらいの吟遊詩人ガライが所有していたものだ」
爪゚ー゚)「彼もまた、魔力を操るものの一人であったために、
その魔香が竪琴に染み付いたのだ」
爪゚ー゚)「うかつに触れると、魔物を引き寄せるぞ」
( ;^ω^)「そ、そうですかお・・・」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:21:12.87 ID:PTswOFkE0
ブーンはまじまじと竪琴を見つめる。
( ^ω^)
( ^ω^)「・・・それはつまり、呪いのようなものですかお?」
爪゚ー゚)「呪いとは、また少し質の違うものだ。まぁ似たようなものだがな」
( ^ω^)(・・・・・・)
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:22:20.37 ID:kphHCubf0
なるほどなるほど
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:22:42.29 ID:PTswOFkE0
爪゚ー゚)「・・・話を続けるぞ。そして、わしはその者をロトの勇者と認めた」
爪゚ー゚)「そして、先祖代々受け継いで来たもの――――――」
爪゚ー゚)「 “雨雲の杖”を、ロトの勇者に託したのだ」
( ^ω^)「雨雲の杖・・・」
爪゚ー゚)「・・・肩の荷が降りたようだったよ」
爪゚ー゚)「“三人の賢者達の重責”から、解放されたようだった」
爪゚ー゚)「これでもう、なにも思い残さず逝けるとな」
爪゚ー゚)「――――――しかし・・・」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:23:28.27 ID:RtAiED9m0
4円
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:25:58.63 ID:PTswOFkE0
爪゚ー゚)「よく考えれば、それは終わりではなかったのだな」
爪゚ー゚)「ロトの勇者が竜王を倒してはじめて、その意味を成すものだ」
爪゚ー゚)「わしがそれに気づいたとき、ロトの勇者は既に――――――」
爪゚ー゚)「あの忌まわしき魔王に捕われてしまっておった」
爪゚ー゚)「・・・もはや、この世に救いは無いものか」
じぃは、自分の杯にも水を汲み、飲む。
悲しげに、杯を見つめる。
水面に映るその眼には、いくばくの光も無い。
これまで何度も見て来た、絶望に囚われた者の眼だ。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:26:59.22 ID:RtAiED9m0
ふーむ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:28:16.51 ID:PTswOFkE0
( ^ω^)「・・・・・・」
爪゚ー゚)「じゃが、ときどきこうして、お主のような酔狂者が、
この老人を訪ねてくる。それと話をするのが・・・」
爪゚ー゚)「今のわしの唯一の楽しみかもしれん」
( ^ω^)「・・・酔狂・・・もしかして」
( ^ω^)「ブーン以外にも、同じ目的でここで訪ねる人が・・・?」
爪゚ー゚)「ああ。お主で、7人目になるかの」
やはり、自分と同じ事を考える人間がいた。
竜王のもとへ辿りつくために、ロトの勇者の、その後塵を掴もうとするのだ。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:30:27.69 ID:PTswOFkE0
爪゚ー゚)「だが・・・無駄だ」
爪゚ー゚)「ロトの勇者は・・・それはまさに、勇者といっていい剛の者であった」
爪゚ー゚)「あれで竜王の力に届かぬというなら・・・もはや」
爪゚ー゚)「人類に残された道は・・・服従し、蹂躙されるのみよ」
爪゚ー゚)「そしてお主も――――――」
じぃの口調が、どこか諭すようで、そして憐憫をも含んだ様なものになる。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:31:46.39 ID:1VVwlh7h0
しえん
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:34:04.63 ID:PTswOFkE0
爪゚ー゚)「・・・」
( ^ω^)「・・・ご老人」
( ^ω^)「厳しい旅ですお。辛く長い道のりですお」
( ^ω^)「確かに、ブーンは死ぬかもしれませんお」
( ^ω^)「しかし自分は・・・」
( ^ω^)「死ぬ為に旅をするのではないのです」
( ^ω^)「この世界に平和を取り戻すために」
( ^ω^)「ブーン以外の人間も・・・そう」
――――――――――――――――――
( ゚∀゚) ('A`)
――――――――――――――――――
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:37:23.59 ID:PTswOFkE0
( ^ω^)「例え今の自分の力が、ロトの勇者に及ばないとしても・・・
竜王に及ばないとしても・・・」
( ^ω^)「いつかきっと、それを超えてみせますお」
爪゚ー゚)「・・・・・・」
爪゚ー゚)「君は、いい眼をしておるな」
爪゚ー゚)「モナーと同じ、確固たる決意を秘めておる」
( ^ω^)
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:37:33.03 ID:RtAiED9m0
支援支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:39:08.83 ID:PTswOFkE0
爪゚ー゚)「・・・わしが、彼に渡したあれは」
爪゚ー゚)「あの竜王の島へ渡る方法を紡ぐ為のものだ」
爪゚ー゚)「彼は、その全てを集め、あの島へ辿り着いたのだろう」
爪゚ー゚)「それが具体的にどのような方法なのかは、わしも知らん」
爪゚ー゚)「ただ言える事は、その三人の賢者のうちの一人ならば、
その方法を知る者がいるであろう」
爪゚ー゚)「訪ねなさい。他の賢者のもとを」
( ^ω^)「わかりましたお」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:42:23.62 ID:PTswOFkE0
( ^ω^)「・・・そういえば、ロトの勇者は、どこでその竪琴を見つけたのですかお?」
爪゚ー゚)「うむ。あれは、ガライの村にあったものだ」
爪゚ー゚)「その創立者、ガライの墓――――――その地下は、一つの迷宮になっておる」
爪゚ー゚)「おそろしい魔物・・・悪鬼ひしめく迷宮の最奥に置いてあり・・・」
爪゚ー゚)「それを見事、獲得してきたのだ」
( ^ω^)「・・・なるほど!そういう事かお!」
test
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:43:36.82 ID:RtAiED9m0
ふむふむ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:44:42.34 ID:PTswOFkE0
以前、ガライの村へいたとき――――――村のはずれにある、その墓を見に行った。
大きな墓の下に通ずる道・・・
そこを降りると、扉がある。
それは、なにか微細な青白い光を放っていた。
( ^ω^)『お。これが・・・封印かお』
从 ゚∀从『そうさ。勇者さんが、封印していったんだ』
( ^ω^)『そうですかお・・・』
从 ゚∀从『なんでも、魔力によって封じてあるんだってさ。
・・・魔力が何なのかってのは、あたしゃあ、よく知らないけど』
从 ゚∀从『ここは危険だから、人が立ち寄れないようにした方がいいって』
( ^ω^)『へぇ・・・』
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:46:52.66 ID:PTswOFkE0
ロトの勇者は、あそこで竪琴を見つけた。
そして、もう用はなくなり危険だけが残るその場所を、封印したのだ。
だとすれば、もうガライに行く必要はないと言える。
勇者が宝具を回収した後なのだから。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:48:21.34 ID:RtAiED9m0
シエン
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:50:10.70 ID:PTswOFkE0
( ^ω^)「なるほど。いろいろ繋がりましたお」
( ^ω^)「ありがとうございますお!」
爪゚ー゚)「なに、礼はいらん」
爪゚ー゚)「わしこそ、世界の為に命をかけるお主に、礼を言わねばならんようだ」
爪゚ー゚)「頼むぞ、ブーン」
( ^ω^)「はいですお!」
爪゚ー゚)「・・・それと、これを持ってゆきなさい」
じぃは、十字の形をした、ロザリオの様なものをブーンに渡す。
十字の中心に、蒼く輝く小さな水晶がはめ込まれている。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:52:43.80 ID:PTswOFkE0
( ^ω^)「・・・これは?」
爪゚ー゚)「魔法の鍵だ」
爪゚ー゚)「その水晶に、魔力が込められている」
爪゚ー゚)「これがあれば、ロトの勇者がガライの墓を封じたときのような、
魔力の結界を解く事ができる」
爪゚ー゚)「また、どこぞで彼が封印をした地もあるかもしれんしな」
爪゚ー゚)「これがあれば、困らんだろう。使い捨てのものだがね」
( ^ω^)「ありがとうございますお!」
爪゚ー゚)「うむ。そして・・・」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:54:26.27 ID:RtAiED9m0
しえんしえん
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:55:13.34 ID:PTswOFkE0
爪゚ー゚)「次にモナーが向かったのは・・・東南の町」
爪゚ー゚)「 リムルダールじゃ 」
( ^ω^)「リムルダール・・・」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:55:47.15 ID:RtAiED9m0
シエンタ
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 19:58:12.79 ID:PTswOFkE0
ブーンは、支度を整え、発つ準備をする。
( ^ω^)「ありがとうございました。次の指針が見えましたお」
爪゚ー゚)「気をつけてな、くれぐれも」
爪゚ー゚)「・・・頑張りたまえ。じゃが・・・」
爪゚ー゚)「危険な旅になる。それを止めるという事も・・・
一つの選択肢としてある事を覚えておきなさい。いいね?」
( ^ω^)
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:00:55.46 ID:PTswOFkE0
( ^ω^)「ご老人」
( ^ω^)「お水、美味しかったですお」
爪゚ー゚)
爪゚ー゚)「・・・はは」
爪゚ー゚)「そうだろう。井戸で冷たい、魔に汚染されない綺麗な水を引いているんだ」
爪゚ー゚)「・・・また、飲みに来なさい」
( ^ω^)「はい。必ず」
水筒に、水をたっぷりと貰う。
帰りは、節約して飲む事にしよう。
礼をいい、ブーンは祠を後にした。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:03:24.42 ID:PTswOFkE0
草の根をかき分けながら、ブーンは思う。
あの老人の心の渇きを癒す事ができるだろうか。
自分に激励を言葉をかけつつも、絶望に打ちひしがれたあの眼に。
希望の涙で潤いを与える事はできるだろうか。
( ^ω^)「・・・リムルダールかお」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:06:05.58 ID:PTswOFkE0
次の目的地は、リムルダール。
そこに辿り着くまでに、ブーンは長い道のりを経る事になる。
そしてその中で、おそろしい困難が待ち受けている事を、未だブーンは知らない。
( ^ω^)
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:07:32.56 ID:kphHCubf0
リムルダールへは大変だな
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:09:02.00 ID:RtAiED9m0
しえん
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:09:45.68 ID:PTswOFkE0
いや・・・仮に知っていたとしても。
彼は、その歩みを止める訳にはいかないのだ。
そうとも。 止めてはならない。 止まってはいけない。
ただ前を見据え、その茨の道を一歩ずつ歩き続ける。
人々の願いと悲しみの欠片を拾い集めながら。
( ^ω^)
ブーンはただ・・・歩みゆく。 誓い果たす為に。
to be continue...!!
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:11:31.11 ID:PTswOFkE0
( ^ω^)ブーンの今のステータス
LV14
てつのおの
はがねのよろい
てつのたて
今回登場した敵:なし
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:12:26.43 ID:RtAiED9m0
乙乙
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:18:57.68 ID:kphHCubf0
乙!
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:19:04.98 ID:PTswOFkE0
以上で本日分の投下終了。今回は一話で。
次の(確定)投下日は来週の金曜になります。2話投下します。
定期更新は、金曜日になりますので、よろしくお願いします。
支援ありがとうごぜます。感謝感謝。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:20:24.89 ID:RtAiED9m0
また来週待ってる
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:35:51.57 ID:5F1uh3VE0
装備も大分充実してきたな これからの展開がたのしみだ
激しく乙でした
乙
来週も楽しみにしてます
お、やっぱりきてたか。よむほ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 20:45:36.42 ID:rTxaC0kM0
実際の冒険なら斧だよな
木を切って薪を手に入れれるし
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 21:55:42.65 ID:6oz+kpRD0
乙です
水を飲んでいるシーンで、水にも関わらず生唾が湧いた
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 22:12:15.44 ID:PTswOFkE0
すいません。もしかしたら、来週は金曜じゃなくなるかも・・・?
いや、金曜だな。頑張る。でも変更あったら総合で告知します。
それと、総合投下ですがこちらもよろしければみてやってくらさい。
从'ー'从渡辺さんのパンツが佃煮になるようです
(゚A゚* )のーちゃんはカレーをつくるようです
ではまた。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 22:23:44.74 ID:RtAiED9m0
おまえかwww
支援