( ^ω^)戦闘諜報員がピザデブだったらこうなるようです
代理りりりりりりりりりり
2 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 19:50:14.17 ID:Dkuf+BZU0
1さん。総合の方々、ありがとうございました。
前回の投下に間に合わず申し訳ありません。
またサルを喰らわないように気を付けていきます。
注意
今回は冒頭からしばらくの間けっこう強めのサイエンスフィクションが入ります。
前回から少し内容が変わっていますが、灰汁が強いことには変わりないので
興味が無い方はその部分だけ読み飛ばすことをオススメします。
3 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 19:51:27.92 ID:Dkuf+BZU0
まとめて下さっているサイト様(五十音順)
・かぎまとめ
http://hookey.blog106.fc2.com/blog-entry-1225.html ・フェレット速報
http://フェレットルーム.com/?p=751 【登場人物】
( ^ω^)・・・内藤=ホライゾン
ピザデブ。主人公。現在は空気と化している。
川 ゚ -゚)・・・クール=レヴァンティエ
闘犬部隊の隊長。巨乳、つまりFカップ。
( ・∀・)・・・モララー=アルフレッド
同隊員。女顔そして幼女好き。ロリババア思想に対して並々ならぬ敵意を持っている。
(,,゚Д゚)・・・ギコ=ウィリアムズ
同隊員。下着フェチ。物体を不可視化する異能を持つビースト。
( ゚д゚ )・・・ミルナ=ダルマン
同隊員。ドM。戦闘パート開始直後に暗殺されるというナイスミドル。
生憎、地獄が満員だったので復活した。
(´ ・ ω ・ `)・・・ショボン=ダッチマン
刀一本で人間を斬りまくるサイボークお兄さん。ホワイドブラッドの異能を持つビースト。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:52:55.84 ID:Vm10l3qOP
よし全話連続遭遇来てる
5 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 19:53:16.65 ID:Dkuf+BZU0
( ^ω^)戦闘諜報員がピザデブだったらこうなるようです
ニンジャマン編:SHOT-4
ドッペル・ビーストが持つ異能は魔法でもなければ奇跡でもない。
全てはVRシステムという物理現象変位則に基づいた擬似科学現象である。
なぜ科学に『擬似』がつくのか。
それはVRシステムを介した物理現象は、人類が認知するそれとはまるで違った振る舞いを見せるからである。
例えば人型怪獣ゴルルゴンは深海に生息する体長二十メートル以上の巨大生物として
世界的にも有名だが、恋の季節になると人里に上陸して街を襲うことが間々あった。
学者たちに言わせればアレは科学的な法則を無視した『存在からしてふざけている』生物だという。
なぜなら重力による加重が減る海中ならまだしも、数百トンもある大重量の生物が地上で活動することは
科学的にも生物学的にも不可能だからだ。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:54:18.98 ID:/4E2WuA70
7 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 19:56:42.03 ID:Dkuf+BZU0
どのような算術や科学技術を用いても骨格や筋肉にそのような重量を支えることはできない。
にも関わらず、ゴルルゴンはビルをよじ登り、戦車を踏み潰し、
戦闘機を正体不明の青白いビームで撃ち落としている。
実際、都市部に上陸したゴルルゴンは軍隊による抹殺、あるいは海へ追い返すなどの処置が取られている。
学者たちが何と叫ぼうが、ゴルルゴンは確かにそこにいるのだ。
8 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 19:57:35.82 ID:Dkuf+BZU0
_ -; ─-くヽ、 \
, −/ `′ \\ ヽ、 ,
/ l l、ト、 ヽ `、 ヽ `二ノ 参考資料『異次元怪獣ゴルルゴン』(写真提供:JAXA)
/ ,ィ | |ヽ\` −、\`、l ヽ、__>
l〃/ , ト、 ヽ`ー>‐-\ ヽリ 、 =- 夏の暑さに耐えかねて日本の名古屋港に
リ| | ト、 \`ー-ヽ Y^Yヽ、ヽ、_`> 上陸したゴルルゴン。通常は重兵器で抹殺されるが
| '∧ ト、`T ⌒ r==‐ リ ヽ、\_ 自衛隊が用意したガリガリくん(総重量3トン)
ノノl ヽ lヽヘ r= ゛ <´_  ̄ を与えたところ、大人しく海へ帰ったため被害
´ | ノ| ハ| ヽ,へ.....ィ / /´  ̄ ̄_フ は最小限に抑えられた。
|ノ ′ ,'゚。゚。/ 〉´ `Y , -<´ ̄丶、__ ,、
〈゚。゚。〈 / (|( ` ー- .. _ /ノ ノノクァ
rと^Yノ ∧`ー-- .. _  ̄` ー‐--- '´ ∠ 、
{`ミイ└- .. _/ ,ヘ 厂フ ─‐ー---- 、 < ̄´
`ー- .. _ / ` ー、 //ヽ 、`丶 、 `ヾ'
` ー-' \,ハ\ \`ヽ、 ` 丶 、 `>
| l ヽ \ `ヽ、 /!/
| l \ \ /^′
/l l ヽ_\/ノ
/_ノ__l /  ̄/ /
\{ `ヽ、/  ̄ ̄ )
/ `ヽ、 ,イ  ̄  ̄,'
| | / | □□□□□ │ ._______ |
_____ .| □□ _|_______ . | □□□□□ │ | | |┌┌┌┌
| | | □. .| │| □□□□□ │ | 目目目目 |
| ━━━_|__|_____ .| 日日 日日日│| □□□□□ │ | 目目目目 | |┌┌┌┌
| ━━|┌┌┌┌┌┌│| 日日 日日日│|.. │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| _____|__|_. | ̄ ̄ ̄
_|__ |┌┌┌┌┌┌│| 日日 日日日├┐ |┌┌┌┌┌┌│| │ | □□
.| .|┌┌┌┌┌┌│| 日日 日日日││ |┌┌┌┌┌┌│| 田田田田田 ├─┐□□
田田田.| .|┌┌┌┌┌┌│| 日日 日日日││ |┌┌┌┌┌┌│| 田田田田田 │━│□□
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 19:58:31.60 ID:Vm10l3qOP
支援
10 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 19:59:01.60 ID:Dkuf+BZU0
物理法則を無視し、体内で金属をイオン化させて眼球から発射するモンスターたち。
否定しようにも現実がそれを許さないこの奇怪な現象を
科学者たちは『多重人間原理』もしくは『仮想宇宙原理』と呼んでその体系化を目指した。
(ちなみにビームの正体はスペクトル分析からイオン化した金属の一種ではないかと考えられている)
そうして完成された量子力学以来の新生科学分野が、『バーチャル・リアリティ・システム』通称VRシステムというわけである。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:03:56.52 ID:ihanb+Eo0
四円
12 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:04:33.53 ID:Dkuf+BZU0
誤解を恐れずに粗訳すれば『異次元からきた存在を扱う科学』とも表せるVRシステムは
人類の常識が通用しない、一見すると御伽話のような理論だ。
では、VRシステムの生み出す科学と人類の知る科学の違いとは何か。
それを説明するには、先ず宇宙を支配する『力』について理解する必要がある。
古典物理学の巨人アイザック=ニュートンや、素粒子物理学の鬼人アルベルト=アインシュタインを始めとする
人類が積み重ねてきた科学は、ビックバンと呼ばれる"真の真空"から発生したとされている。
ビックバンによる巨大なエネルギーは幾つもの力を生み出し、やがて四種類の力へと収束した。
それらは『重力』『電磁気力』『強い力』『弱い力』と呼ばれており、生物非生物問わずビックバンより生まれたもの全てを支配していた。
風が吹くのも、筆者の飼うチワワの口から常に舌がはみ出ているのも、
アンサイクロペディア財団が児童ポルノ画像の収集に余念がないのも、
全てはビックバンより生み出されたこの四つの力の組み合わせで説明することが可能なのである。
13 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:05:40.31 ID:Dkuf+BZU0
重力→ ,r=ヽ、 電磁気力↓ r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、 ←弱い力
j。 。゙L゙i rニ二`ヽ. Y",,..、ーt;;;;;;;;;;;)
r-=、 l≦ ノ6)_ l_,.、ヾ;r、゙t lヲ '・= )rテ-┴- 、
`゙ゝヽ、`ー! ノ::::::`ヽ、 L、゚゙ tノ`ゾ`ー ゙iー' ,r"彡彡三ミミ`ヽ
にー `ヾヽ'":::::::::::: ィ"^゙iフ _,,ノ , ゙tフ ゙ゞ''"´ ゙ifrミソヘ,
,.、 `~iヽ、. `~`''"´ ゙t (,, ̄, frノ ゝ-‐,i ,,.,...、 ヾミく::::::l
ゝヽ、__l::::ヽ`iー- '''"´゙i, ヽ ヽ,/ / lヲ ェ。、 〉:,r-、::リ ←強い力
W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ、_ノー‐テ-/ i / ,, 、 '"fっ)ノ::l
 ̄r==ミ__ィ'{-‐ニ二...,-ゝ、'″ /,/`ヽl : :`i- 、ヽ ,.:゙''" )'^`''ー- :、
lミ、 / f´ r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''" ,:イ`i /i、ヺi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙
! ヾ .il l l;;;ト、つノ,ノ / /:ト-"ノ゙i ,,.:ィ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
. l ハ. l l;;;;i _,,.:イ / / ,レ''";;;;`゙゙" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
人 ヾニ゙i ヽ.l yt,;ヽ ゙v'′ ,:ィ" /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
r'"::::ゝ、_ノ ゙i_,/ l ヽ ゙':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
` ̄´ / l ヽ ヾ"/ `゙''ーハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
/ l ゙t `' /^t;\ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;
おまいらは洩れたちの手の上で踊らされてるってわけサ!!!!
14 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:09:16.66 ID:Dkuf+BZU0
もちろん地球最大の生物の一角であるシオナガスクジラも、
この『ビックバンより生まれた力』の組み合わせに従って生きている。
一方の怪獣ゴルルゴンはどうかというと冒頭の説明の通り、あれは『ビックバン宇宙』の法則を明らかに無視している。
ビックバン宇宙の住人がビックバン宇宙のルールに従わない。
これでは矛盾が生じ、科学の根底が覆されることとなってしまう。
このまま全てを神の御業とし、人類は再び神話の世界へと戻るのか?
いや、科学はそれを許さなかった。
従来の物理法則では説明できなかったゴルルゴンの存在。
人間たちはVRシステムの理論を使うことで、ゴルルゴンを見事に科学の世界へと引きずり込んだのだ。。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:12:33.31 ID:jgiW/eJK0
待ってた
前回は保守できなくてごめんね支援
16 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:12:39.96 ID:Dkuf+BZU0
VRシステムによれば宇宙は一つではなく複数存在すると云う。
そしてゴルルゴンは人類が住む『ビックバン宇宙』ではなく『別次元の宇宙』で生まれた存在だと予言するのだ。
宇宙はその誕生の仕方とそれによって生まれた力の収束の仕方――――つまり生まれ方によって区別されている。
別の言い方をすれば、一見して見分けがつかなさそうに見えるそれぞれの宇宙も、
その宇宙を支配する力の種類によって判別できるということだ。
これを鑑みると、『ゴルルゴンの宇宙』には『重力・電磁力・強い力・弱い力』は存在せず、
それとは別種の何かしらの力によって創られた物理則が存在することになる。
ひょっとしたらゴルルゴンの宇宙には重力がないのかもしれないし、あるいは金属を上回る非常に強固で柔軟な骨があるのかもしれない。
ゴルルゴンは決して魔法や魔術で生まれた存在ではなく、確かな科学に従って生きる世界の住人なのだ。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:13:02.67 ID:ihanb+Eo0
しえ
18 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:14:40.24 ID:Dkuf+BZU0
|
| ∧ ∧
|/ ヽ ./ .∧
| `、 / ∧
|  ̄ ̄ ̄ ヽ
| ̄ ̄月曜日 ̄ ̄ ̄ ̄)
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.\
|ヽ-=・=-′ ヽ-=・=- /
|:: \___/ /
|::::::: \/ /
参考資料『アゲイン・オブ・ザ・ムーン』
日曜深夜11時ごろに出現する異次元怪獣。
主に宿題を終わらせていない子供たちの前に現れ、ひたすら見つめてくる。
写真は宿題が終わらず絶望する子供を見たときにのみ見せるムーンの表情を撮影したもの。
月曜日になった瞬間に消えるため『月曜日がない宇宙』に生きる生物かと考えられている。
(写真提供:文科省)
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:16:49.05 ID:Vm10l3qOP
AAふざけすぎだろwwwwww
20 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:17:14.66 ID:Dkuf+BZU0
しかし、ここで一つの疑問が浮かび上がる。
なぜ違う宇宙に住むゴルルゴンがビックバン宇宙の建物を壊し、
ビックバン宇宙の住人である人類がゴルルゴンを攻撃して退治できているのだろうか?
異なるルールの下で生きる生物が互いに接触することができる理由。
それを専門家たちはよく算数や植物を使って説明する。
例えば小学生にこんな問題を出したとしよう。
, '´ ̄ ̄` ー 、 とっけるかな?
/: : :/: : :`i、 : : \
/: : /: :/ :/: |: : :|=ミ丶ヽ
,': :∧〉/ l/ }:l:/l,: } ヾ : :| 問.好きな数字と四則演算を使って
{ :/:/ /ゝノイ ノ l/ -‐ .l :| 10となる計算例を作りなさい
|: :レ | ● ● l :|
|: i: (|.⊂⊃ 、_,、_, ⊂l:/
i⌒ヽ: :ゝ (_.ノ .ル|_/⌒)
ヽ ヽ 从ヽ,、 __, イ从/ ヽ/
∧___,ヘi.i:.:\__八__/:i.i ハ
ヾ .}.}:.:.:.ヽゝoi|.|:.:.:}.} ソ
21 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:18:37.18 ID:Dkuf+BZU0
何かの教育CMで出される有名問題だ。
ある物は 5+5 といったように和算を使うだろうし、ある者は 10×1 などと積算を用いて解答するかもしれない。
高校生や大学生に同じような問題を出せば、分数や虚数といったさらに複雑な『計算過程』が登場するだろう。
つまり、10という算術結果を出す手段は無限に存在することになる。
ここで重要なのは『計算過程』は千差万別であっても『計算結果』は必ず同じになることであり、
これこそがVRシステムの本質を端的に表した例えであるということだ。
VRシステムは『ビックバン宇宙』や『ゴルルゴンのいる宇宙』などのように様々な宇宙(計算過程)が存在しても、
最終的に行きつく先はひとつの世界(計算結果)であることを示唆しているのである。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:21:21.56 ID:/4E2WuA70
5+7-4×3÷6
23 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:22:15.28 ID:Dkuf+BZU0
常にひとつしかない世界に対し、宇宙は重なるようにして複数存在する。
ひとつしかないスポーツドームで野球とサッカーとバスケを同時に行うことは可能なのだ。
それは、さながら巨大な樹木に集約する無限の枝葉。
シオナガスクジラとゴルルゴンが同じ海で餌の奪い合いをしているのはこのためである。
10という計算結果の住人という意味においてはシオナガスクジラとゴルルゴンに大差はない。
計算方法が和算か乗算かというだけである。
さて、こうして確立されたVRシステムだが、研究が進むにつれてとある事実が浮き彫りとなってきた。
その事実は現在ではニュートン物理学の基本法則のように、
学校の物理学の教科書にも記載される程の有名則となっている。
24 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:24:40.56 ID:Dkuf+BZU0
___
, 二¨-―-- 、`丶、
/_ ..-――-.. 、十ヽ\
//::.::,:.:.:./::/::.::.l::.::`ヽ、\ヽ 5+7-4×3÷6は10ですぅ
〃::/:::/:.:.:/::/::.:/::|::.:、:.::.::ヽ ハ `、 かんたんですよぅ
l::.:::l:: ,':l:::/::/::.:/::;小:::l::ト、::.:V l ヽ よゆーのよっちゃんですぅ
{::.:::|:::l::|::l::/::.:/::/:/:_j⊥l::ヽ:!} \
. ハ::.::l:::|┼く:/::/ /'´ノ ヽ:∨::.:l | /
〈 l::.:|:::l::|∠、ノ , =≡V::.::/|/
ヽヘ::ヽ::V⌒゙ , "゙ / :::,' l〔
/rヘ::\ ゛゛ rーヘ 彡: / /:::
l冫/ }`ヽミヽ、ヽ、ノ, イ:`7十/::.::.:l
// /:::_rヘ_`二√ __〉/ レヘ::}
// ,'/夕r==、∨---/、/ f==ミフr ⌒ヽ、
. // 〃r7,イ| >ト┌───── .l ll ll ll l-─────┐
, -‐'7/ /:.rク/ {ニ=彳/ ハ| ─────. Ul lLU-─────│
/ / /: :/7/ /,イ/ / | VRシステム第0法則 |
ヽ冫< / {: : :Y〈__ //〃 ,' /| |
\/ rヘ :`ヾ//__/> //v| 多在する宇宙において、 |
/::/^ヽ_/厶>rく/ /.| 双方の存在が双方の宇宙を |
/::.:|/{/ Y^厶-z_ | 観測することは不可能である |
//:::,': :〃 {V `ー<ニ _______________|
〃:::,':::/: :/乃ヘ、 ({人 、`丶、)';'ヘ::.::.::.:、::.、.::.::\: : : rヘヽ l:::|
/::.::.:':: l: :/r':〈;';';';'>ミV`丶>ー';';';'ハ::.::.::`.::ヽ::.::.::ヽ_/ l:「 |:::|
. l::.::.::l::.::|: l_」 : :ハ;';';';';入;';';';';';';'_;'_;'_;'_;'_〉::.::.::.ヽ::`、::.::.:`、 l:| }:::}
|::.::.::l::. {: {{: : /∧;'/: : }>‐'´: : Vハ: : :ヽ::.::.::.:`、::丶::.::. ∨::l ,'::/
参考資料:VRシステム研究の権威『ヒスイ=セキ』女史が、
講演会にてVR第0則の説明をする場面。(写真提供:JUM)
25 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:28:01.12 ID:Dkuf+BZU0
『VRシステム第0法則:多在する宇宙において、双方の存在が双方の宇宙を観測することは不可能である』
端的に言えばA宇宙に生きるひろゆきがB宇宙に行くことは不可能であり、
同時に互いの宇宙に存在する固有の物質を見ることはできないということだ。
A宇宙のひろゆきの体をB宇宙の人間が調べると、
A宇宙のひろゆきを構成する物質はB宇宙の人間に “覗かれた” 瞬間に、
B宇宙の科学法則に従う動き、または物質に変化してしまうのだ。
VIP的な例えをすると、A宇宙にいる幼女をB宇宙の人間が双眼鏡で覗くと熟女に見えてしまうのである。
何故ならB宇宙に幼女は存在しないからだ。
A宇宙
(*´_ゝ`) *(‘‘)*<おっぱお!
↑
同一人物
↓
B宇宙
(;´_ゝ`) J( 'ー`)し <おっぱお!
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:29:10.32 ID:/4E2WuA70
wwwww
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:30:30.33 ID:ihanb+Eo0
支援しえん
28 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:32:11.55 ID:Dkuf+BZU0
存在しないものを見ることはできない。
ではなぜババアが出てきたのか。
それは幼女という存在をB宇宙の人間が観察した事実によって生まれる矛盾を解消するため、
VRシステムがB宇宙の中で『最も幼女に近い存在』を探し出し、置き換えてしまったからである。
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
||*(‘‘)* 。 Λ_Λ
|| ≒ J( 'ー`)し \ (゚ー゚*)<いわゆるロリババアなのです
||________ ⊂ ⊂ |
∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧ ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ | |
〜(_( ∧ ∧ __( ∧ ∧__( ∧ ∧ ̄ ̄ ̄
〜(_( ∧ ∧_( ∧ ∧_( ∧ ∧ うそだあああああああ!!!!
〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,)
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
29 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:35:11.49 ID:Dkuf+BZU0
この隣り合いながらも互いの世界にない存在を見ることができない法則は、
日本人宇宙物理学者である山本弘が発見したことから『ヤマモト・パラドックス』とも呼ばれ、
ゴルルゴンを始めとする異次元怪獣解明や宇宙物理学発展の大きな障害となっている。
(#´_ゝ`) <認めん!認めんぞ!ババアしかいない宇宙なんて!!
〃∩ ∧_∧
⊂⌒(´<_` ) <オレには幼女が見えるぜ?
`ヽ_っ⌒/⌒c
(;´_ゝ`)そ <な、なんだってー
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:36:38.39 ID:ihanb+Eo0
しえーん
31 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:36:48.46 ID:Dkuf+BZU0
しかし、ヤマモト・パラドックスにより宇宙間の往来ができないことが証明されたはずのこの世界において、
その法則が破られる『例外』が昨今において報告されつつあった。
その『例外』は自ら生まれた宇宙にいながらにして、ある一定の条件さえ満たせば、
限定的に他の宇宙に “侵入” することができるという代物だった。
この瞬間、一度は完成されたVR理論の基礎体系に最初の革命がもたらされることとなる。
何故ならその『例外』はロバート・ウィルソンとアーノ・ペンジアスがビックバン誕生の根拠である
宇宙マイクロ波背景放射を角型アンテナで観測したことに匹敵する、恐るべき巨大発見だったからだ。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:38:57.50 ID:Vm10l3qOP
支援
33 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:40:38.05 ID:Dkuf+BZU0
───── -─
,、∧_∧ ゙、′∵ ∧_∧
─ / ( ´Д`)ヽ ──-─,,--・,,,、∴ 、 )
--( ∧ j i ̄ ̄ ゙゙゙゙̄ --∴・ ∵rニ-/⌒ ヽ
-- 勿 ,_ / / __,,,--- ̄ ″″・ i y ノ ノ |
丶ノ ノイ i,,_ノ / 鳩を殺したくないいって
─── / / ヽ ─── ,′ y i 言い始めたのはお前だろーが!!
/ /ヽ__ノ / / /
─── 巛 ─── ─ / < /
丶 \
だから、宅急便で鳩を /ヽ )
消そうなんて無茶なんだよ! | (_ノ
帰巣本能で戻ってきちまった / /
じゃねーか! (~,,_ノ
....... ....................... ............... . ................
. .. ...... ....................... ............... . .................... . . . .
参考資料:角型アンテナに棲む鳩が出す『白い誘電物質』の除去方法に関して
白熱した討論するウィルソン氏(左)とペンジアス氏(右)。(写真提供:ベル研究所)
34 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:41:44.48 ID:Dkuf+BZU0
他の宇宙に侵入する。
それはつまり、侵入した先の宇宙の物理則を使用することができることと同義であった。
もっと言うならば、その『例外』は人類にとって未知の物理現象を使役することが可能な
ゴルルゴン的存在になるのである。
摩擦で簡単にプラズマが発生する宇宙の物理則を使えば指を擦るだけで火が出せる。
光の変曲を行う物質が存在する宇宙からその一部を持ち込めば透明になることができる。
ビックバン宇宙が成し遂げられない魔法のような現象も、他の宇宙では立派な科学だ。
その魔法的科学を自由に使うことができれば―――――まさに人類にとって夢のような『例外』だろう。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:42:41.48 ID:XhuQfOIK0
wktk
36 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:43:55.15 ID:Dkuf+BZU0
′ /:三::/ ‐ァ= _三三三三三三三 /
l /三/ / , イ / 丁 ̄¨へ三三三,イ
i /::/ .':/ //_.′ / ′ ノ ヘ三/ ヽ
| //:::::: / /:/ / ̄7/ `,.く / / / / ′ V '.
| | | イ一、:::/ /::|:. / __/_|/-、 ,X / ′ / / |/ |::: |
' レ′⌒Xイ !/|:イテ:::::::ヾ ゞ// / イ .'__/.. -‐ ! :: | | |
/ | r'⌒ト、| / |!::::::::::i:! '´ ////|_/-_ ,:'´:: | | | |
′::::/ 人 ヽ : | 弋____,ノ / / 'テ:/iTヾ! '::::::/:| | ∧!
/ ::::/ ! ::::| ハ \ i::::::!! イ'/:::. /|: ! イ.′
-=彡/ ::/ ::| | :::| !:.:.:ゝ-、 ー'′/:.::: ' !:/
. / イ :::| | :::| !:.:.:.:.:.:.:! !: /:./ |′
/ | ::::|∧ :::! :::::::::::: i '. ′ ′
! :ハ!:::ヽ| !::::r―ノ \ ___ ∧
! / |::: ハ:从ハ.′ ` イ:: '.
'′ !:/ 乂 ` 、 \ イ:.:.:.∧: i
イ ` 、 ` rー<::::::::::::|::: / ヽ |
_..‐ ´: : | \. /| ヽ `:、:::::| / ノ
. -‐ ¨: : : : : : : ハ. \ !ノ \ `ー'、
参考資料『分裂能力を持つ少女』
質量保存則を無視する宇宙に干渉できる『例外』少女。
自身の身体を分裂させてクローンを生み出す能力を持ち、
最大二万体まで増殖できることが確認されている。
また、身体のサイズを子供から大人まで自由に変化させた例も報告されている。
(写真提供:白井 黒子)
37 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:44:57.89 ID:Dkuf+BZU0
では、もしその『例外』がゴルルゴンのような知能の低い動物ではなく人間に適用されたとしたら―――――――――――
(´メω・`)+「秘技-眉唾百八式『菊門の舞』」
数十の刃物が宙を瞬き。
(; Д゚)「ナイフ多っ!!」
川 ゚ -゚)「無駄だ!!」
女隊長の異能がそれを捩り落とす。
(´メω・`)「どうした! さっきからずっと受け身じゃないか。
マグロとのセックスは好きじゃないんだけどな!」
隻眼のビースト、ショボン=ダッチマンが吠える。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:45:19.61 ID:t9ElIlKC0
39 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:47:33.11 ID:Dkuf+BZU0
( ゚д゚ )「なら俺が相手をしよう」
それを受けた巨漢のビースト、ミルナ=ダルマンが動いた。
右手と左手にそれぞれスタンパンチャーとスカウトナイフを携え、ショボンへ迫る。
(´メω・`)「俺はショタにしか興味ねーんだよ!」
残り少ない投げナイフをショボンがミルナに放る。
それなりの反射神経でミルナはナイフを避けるが、何本かが身体に突き刺さった。
それでもミルナは猛進を止めない。
スカウトナイフと日本刀が金属特有の心地好い音を立ててぶつかる。
( ゚д゚ )「SOPシステムで痛覚を減退しているとはいえ、気持ちがいいものではないな」
(´メω・`)「どうせ直ぐに治るんだ。身体に開いた穴の一つや二つで文句言うなよ」
40 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:49:20.59 ID:Dkuf+BZU0
互いの息がかかる距離でショボンがミルナをギロリと睨む。
ミルナによって刺された胸の傷による失血は既に止まっていた。
ショボンの身体を覆う強化骨格のゴム状スーツが患部を圧迫して出血を抑えているのだ。
( ゚д゚ )「無理をするなニンジャマン。いくら通常の三倍の酸素を運ぶ人工血液といえど、
これだけ失血すれば立つのもやっとのはずだ」
ミルナが圧す。
レーザー研磨された二つの金属が擦れ合い、火花が散る。
(´・ω・`)「別にここで退いてもいいんだけどな。それはちょっとシャクだろ。ジェントルメンとして」
( ゚д゚ )「安心しろ殺戮紳士。退かせはしない。俺達と出会った瞬間からお前の未来は決まっていた」
( ・∀゚)「そう! お前が死んでハッピーエンドだよおおおおおん!!」
目の焦点が狂い始めたモララーが右手をショボンに向かって突き出す。
すると周囲に落ちていた木材や金属板がガタガタと振るえながら浮き上がり、
ショボンに向かって突進を始めた。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:50:43.34 ID:ihanb+Eo0
シエン
42 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:50:49.10 ID:Dkuf+BZU0
(´メω・`)「(ESP……サイキック能力か。それにしたって強力だな。
超能力者自体はビックバン宇宙でもよく見かけるが、こいつはちょっと異常だな)」
鉄骨に身体を串刺しにされては堪らないと、ショボンは下肢に力を込めて地を蹴る。
どうやらまだそこらを跳び回る力は残っているようだ。
川 ゚ -゚)「へいへーい♪」
( Д゚)「へいへーい♪」
断続的に発砲してくるクールと、不可視の迷彩を駆使しながらちょこまかするギコを
牽制しつつ、ショボンは改めて闘犬部隊の戦力を分析する。
43 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:52:15.86 ID:Dkuf+BZU0
(´・ω・`)「地の分が面倒臭せえから箇条書きな」
川 ゚ -゚) ……女隊長
・攻撃を回避させる異能?
・ブラジャーは黒色
( ・∀・)……女顔
・サイキック能力?
・自分や物を浮かせたりできる
(,,゚Д゚) ……ヒゲ面
・ステルス能力?
・自分だけでなく他のものも不可視化できる
・ショボンのホワイトブラッドに感知されているため
姿そのものを消すことはできないらしい
( ゚д゚ ) ……筋肉男
・不死の異能?
・あるいは脅威的な回復能力?
( ^ω^)……にこやかデブ
・デブ
44 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:54:29.40 ID:Dkuf+BZU0
(σ´・ω・)「う〜ん。情報少なすぎ。役に立たねえな」
乾いた土を蹴りながらショボンは東欧の風を駆け抜ける。
駆けながら、ショボンはこの戦闘を放棄するという選択肢が自分の中で生まれつつあることを感じていた。
実際、ショボンがレジスタンスから請け負っている依頼は
「現地PMCの無差別暗殺」であって闘犬部隊の撃破に固執する理由はないのだ。
多勢に無勢だったとはいえ重傷を負った。
経験からして長くは持たないだろう。
ショボンの場合、怪我の治癒には専門的な知識と設備が整った組織に頼る必要があった。
普通の医者ではショボンを治せないからだ。いや、治すというよりも“修理”ができない。
専門的な治療を受けるためには一度国外へ出る必要があり、それまでは何とか体力を温存する必要があった。
ここで残りの力を振り絞っても途中で力尽きてしまっては本末転倒だ。
今なら機動力にものをいわせて無理をすれば充分に逃げ切れるだろう。
45 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:55:41.30 ID:Dkuf+BZU0
ただし、
川 ゚ -゚)「オラ! 待てや糞眉毛! 逃げるつもりかコラ!」
( Д゚)「隊長、いい加減上着を着てください。
さっきから胸がめっちゃ揺れてます」
川 ゚ -゚)「揺らしてんのよ」
( ゚д゚ )「あまり長引かせられんぞ。
これだけ派手に暴れてレジスタンスが動かないわけがない。
ニンジャマンの増援が来る前に決着をつけたい」
先方はこちらを逃す気は毛頭ないようだが。
(´・ω・`)「(ロマネスクの忠告通りだった……少し目立ち過ぎたんだな。
確実に逃げるためには闘犬部隊をもう少し痛めつける必要があるな)」
そう考え、屋根の上に飛び移り、再び疾駆する。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:55:45.69 ID:jgiW/eJK0
ショボンの目の傷が途中からまた無くなってる
支援
47 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:56:27.98 ID:Dkuf+BZU0
川 ゚ -゚)「モララー! 上だ! ビームを撃て!!」
( ・∀゚)「命令すんな淫乱巨乳!! 乳首黒いくせに!!」
川;゚ -゚)「おいいいいいい。誤解を招く発言をするんじゃねええええ。
ESP発動中のあいつの腐った性格なんとかなんねーのかよ!!
つーか私の乳首はビックリするくらい桃色だって!!」
( Д゚)ボソッ「乳輪はちょっと大きいけどな」
川 ゚д゚)「…………」
( ゚д゚ )「ギコ。聞こえているぞ」
(; Д゚)「あっ。ちょっ。違います。別に覗きとかしてるわけじゃ……ちょ、銃口をこちらに向けないで!!」
(´・ω・`)「秘技-眉唾百八式『烏の舞』」
川 ゚ -゚)「うおっ!?」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 20:58:23.09 ID:ihanb+Eo0
しえん
49 :
>>46指摘ありがとうございます ◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:58:39.26 ID:Dkuf+BZU0
屋根伝いに走るショボンが急に刀を構えて落ちてきた。
脇差を使った二刀流で風車のように宙を舞い、後を追って来る闘犬部隊を斬り刻もうとする。
(´メω・`)「さあ、避けてみろ」
狙いは先頭を走っていたクール。
川 ゚ -゚)「ちっ」
横転するようにクールが身体を空中に反った。
二つの刃が虚しく空を斬る。
避けられた。
だが、それもショボンの計算の内だ。
空中を回転させるショボンは間髪入れず片手に握っていた脇差を投げつける。
川;゚ -゚) そ
地面に転がり、体勢が硬直したクールへと。
50 :
>>46指摘ありがとうございます ◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 20:59:52.62 ID:Dkuf+BZU0
川# - )「うおおおおおおお!! 死にたくねえええええええええええ!!!」
クール細い首筋に銀色の刃が迫る。
迫る。迫る。
川;゚ -゚)「―――――!!――――――!!」
だが、逸れた。
猛烈な回転をを加えて放たれたショボンの脇差は、突如としてブーメランのように軌道を曲げると、
クールの身体を掠めるように通過して近くの電柱へ突き刺さった。
川 ゚ -゚)「あっぶねえwww」
身体を突きぬける冷たい感触にクールは背筋が凍り、思わず手で首に触れてみる。
湿った感触が指先に纏わりついた。
どうやら斬られたのは薄皮一枚だけだったようだ。
51 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:01:27.07 ID:Dkuf+BZU0
その様子を見ながらショボンは地面に着地。しかし同時に闘犬部隊に包囲されてしまった。
数少ない戦力である脇差の回収はもう不可能だろう。
ショボンにとっては舌を打つような結果のはずだが、本人は至って冷静だった。
(´メω・`)「(見えない壁で防御してるかとも思ったが……やはり……)」
上司の危機に躍起になったギコたちの猛烈な射撃を刀で弾きながら、ショボンは情報の整理を試みる。
今までの、そして先ほどのクールへの攻撃は威力タイミングともに全て完璧なものだった。
そこらの雑魚相手ならば確実に抹殺し、かつお釣りがくるほどのキレだった。
自分が女なら間違いなく股間を濡らすカッコよさだった。
だが、斬れない。当たらない。
当たっても致命傷にはならない。
これでは濡れない。
計算されつくしたショボンの攻撃をクールが乱していることは明白だった。
投げナイフや脇差の軌道を変えたのも恐らくその力だろう。
残り少ない体力を割いてしまったが、これで推測を確信に固めることができた。
クール=レヴァンティエは物体のベクトル操作の異能を有している。
52 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:02:42.24 ID:Dkuf+BZU0
(´メω・`)「(問題はそのベクトルの"操作対象"がどの範囲にまで及んでいるか、という点だな。
生物の持つ力積も操作できるのか? 物を見なくても操作できるのか? 不意打ちが効くのか?
もし、目に見える物だけでなく粒子規模の物体まで操作できるとしたら、
俺のフェイズ2を使ってもあの女には勝てん……)」
休むことなくショボンが動く。
手負いとは思えない速さで銃弾を掻い潜り動き、貴重な投げナイフをミルナへ撃つ。
( ゚д゚ )「同じ芸当ばかりだな。飽きたぞ」
(´メω・`)「そうでもないさ」
( ゚д゚ )「む!?」
途端、ミルナへ向かっていた投げナイフが爆発し、眩い光が辺りを包んだ。
ナイフに小型の閃光弾が仕込まれていたのだ。
ショボンを囲んでいたミルナ以外の闘犬部隊面々も強烈な光に怯み、ショボンの姿を見失ってしまう。
(;´∩ω∩ `)「おぎゃああああ!!! 眼があああ!!! 眼がアアアアア!!!???」
そしてショボンは目を瞑ることを忘れていた。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:02:54.86 ID:jgiW/eJK0
支援
54 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:05:32.24 ID:Dkuf+BZU0
(´メω゚`)「見えなくっても平気だもんne!!」
【ホワイト・ブラッド】は周囲の物体を第六感で知覚する異能だ。
例え視力を失ってもショボンはポリゴンで構成されたモノクロの世界のように周囲を視ることが出来る。
例えこの世に光が消えてもショボンの視る景色に変わりはない。
ゆえに、歩みは止まらず。
ゆえに、その隙を突き。
(´メω・`)「さあ。二度目の死だ。地獄が満員じゃなければいいんだがな」
(;゚д゚ )「ぐああああああ!!」
大きく、袈裟斬り。
ショボンがミルナの身体を正面から叩き斬った。
真っ赤な血飛沫が黄土色の砂とショボンの灰色の身体を赤く染める。
(´メω・`)「(常人なら即死の一撃だぞ。どうくる?)」
(; д )「だ……から……」
(´メω・`)「…………」
(#゚д゚ )「飽きたと言ったろう!!」
(´メω・`)「おっとwwww。もうそのビリビリはいらん」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:06:54.33 ID:Vm10l3qOP
禁書ネタ入って来たなぁ
支援
56 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:07:03.07 ID:Dkuf+BZU0
倒れかかった身体を踏み止め、ミルナは拳のスタンパンチャーをショボンの頭蓋へ打ち抜こうとする。
それを器用に避けたショボンはバック転を繰り返して包囲網を崩した闘犬部隊と十分な距離を取った。
( Д゚)「親父ぃ。大丈夫か」
何もない空間からギコの声が響く。
通常ならギコの異能は戦闘で最も重宝されるものだ。
だがショボンのような探知型の異能とはあまりにも相性が悪い。
少しでも相手の呼吸を乱そうと不可視の異能を発動させているものの、
ギコは今回はあくまでサポート役に徹するつもりでいた。
( ゚д゚ )「気遣いに感謝だ。だが、問題ない」
57 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:08:07.81 ID:Dkuf+BZU0
ミルナの言葉は嘘ではなかった。
皮膚下、五センチ以上。
確実に内蔵まで届いているであろう、ショボンがミルナに与えた傷は既に回復の兆しを見せ始めている。
(´メω・`)「(傷口がみるみる塞がっていく……)どうやら、中途半端な攻撃はあんたには効かないようだな」
( ゚д゚ )「そうだ。消耗戦になればお前に勝ち目はない」
(´メω・`)「そうでもないぞ?」
( ゚д゚ )「?」
ゆっくりと闘犬部隊と間合いを取るショボンがミルナの胸を指差す。
(´メω・`)「お前のその胸の傷痕。俺が最初にお前の心臓を破壊したときにできたものだ」
( ゚д゚ )「それがどうした」
(´メω・`)「傷痕が残るということは肉体は『復元』されているのではなく、
生体反応による『治癒』もしくは『再生』が行われている何よりの証拠だ。
つまり、お前のその回復能力は普通の人間が怪我を治す課程を
メッチャクチャ速くしたモノに過ぎない」
(´メω・`)「治癒とは即ち細胞の分裂。そして細胞は分裂できる回数に限度がある。
いわゆる寿命ってやつだ」
( ゚д゚ )「…………」
58 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:09:13.57 ID:Dkuf+BZU0
(´メω・`)「お前の身体の至る箇所についた古傷……再生するのは何度めだ?」
( ゚д゚ )「(こいつ……!!)」
ミルナの眉根がピクリと動く。
ショボンは先ほどビーストと闘うことは初めてだ、と言った。
だが、その割にこの機械忍者は異能との闘い方と分析方法を随分と心得ている。
そこに闘犬部隊全員が感じる違和感があった。
川 ゚ -゚)「(こいつ、バックグラウンドがあるな。
分析能力はともかく三種類の回復型異能の違いを知っているなんて
wikiに書いてありました、ではすまされんことだ。
ビーストに深く関わりを持った人物と繋がりがあるのか……?)」
思慮するクール。
そして思慮は、やがて懸念へと変容していく。
ショボンはフリーランスの傭兵であると内藤から教わっていたのだが、
どうやら今まで相手にしてきたビーストとは若干の違いがあるらしい。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:11:13.70 ID:Vm10l3qOP
支援
60 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:11:46.94 ID:Dkuf+BZU0
問題は、既に闘犬部隊の大まかな異能をショボンに知られてしまっていることだった。
無論、クール達とて己の力の全てを出し切ったわけではない。
まだまだ隠し玉は用意している。
だがここでショボンを殺し損ねて逃げられれば、ブラックマーケットに
闘犬部隊の異能に関する情報が出回ることは確実だった。
それだけは何としても避けたい。
闘犬部隊はこれからもビーストを相手に戦う運命にある。
戦闘において最も恐ろしいことはアドバンテージを相手に渡してしまうことだ。
どこぞのチャクラを練る忍者たちのように、
自分の能力をそこら中の敵に知られれば、対策を打たれ、何れは犬死にする。
そして、犬死にはクールがこの世で最も嫌悪する死に方だった。
川 ゚ -゚)「(仕方ない、あまりこの力に頼りたくないが……殺るか)」
再び、クールが動く。
61 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:12:40.93 ID:Dkuf+BZU0
(´メω・`)「ん? 決闘か?」
クールを除く闘犬部隊の面々が散開し、再び円を描くようにしてショボンを取り囲む。
そうして作られた見えない包囲網の中心で、闘牛を相手にするマタドールが如くクール=レヴァンティエが起つ。
対面にいたショボンは女隊長の意図を理解し、殺しのベクトルをクールへと向ける。
いいだろう。
ここで華麗にこの女の身体を真っ二つにし、華麗に撤退するとしよう。
川 ゚ -゚)「いくぞ。一対一のガチバトルだ」
(´メω・`)「半裸の女が言ってもストリップショーの開演宣言にしか聞こえんな。
そのブラジャーを剥がして2ちゃんに晒してやるよ」
斜め下に刀を構えたショボンがクールへ突っ込む。
既に銃を使うことを諦めているのか、クールは腰から太いサバイバルを取り出し、静かに構えている。
(´メω・`)「カウンターのつもりか!?
大量生産品の刃物でオレ様の得物と渡り合えると思うなよ!!」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:12:52.91 ID:jgiW/eJK0
時々ブーンの事を思い出してしょっぱい気持ちになる
支援
63 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:13:57.02 ID:Dkuf+BZU0
ふざけた人格を持つショボンだが剣闘士としての素質は一流である。
銃弾飛び交うこの世界。
ショボンは剣士ではなく剣闘士としてこの瞬間までを生き延びてきた。
彼は剣一振りであらゆる人種を抹殺し、あるゆる武具を破壊し、あるゆる戦術を攻略してきた。
川 ゚ -゚)「ぬっ!?」
だから、官給品の安物ナイフを叩き斬ることなど朝飯前であり、
(´メω・`)「手前の背骨を武器ごと真っ二つにすることなんて容易いんだよ!!!」
同時に、クールのベクトル操作が“本人の意思で発動する”ことも見抜いていた。
(´メω・`)「オレ様のように自分の意識とは関係なく異能を発現するタイプなら、
戦車を破壊したあとに斬られることなどなかったはずだ」
つまり、死角から攻撃するか――――
(´メω・`)「―――――目に見えない速度で攻撃をすればいい」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:15:48.04 ID:ihanb+Eo0
しえーん
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:16:43.82 ID:DpEqYBrZ0
支援
66 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:16:56.61 ID:Dkuf+BZU0
川 ゚ -゚)「!?」
敵の懐に飛び込む。
速い。電光石火と呼ぶに等しい業だ。
クールの目はショボンの姿を捉えきれていない。
「何処見てやがる」完全にショボンの間合いだった。
ギコたちの援護射撃すら許さず、ショボンが鞘から抜いた刀を光らせる。
ビリヤードのように構えられた日本刀。
それが弾丸の如く、がら空きとなったクールの腹に喰い込んだ。
食い込んだが―――――――――――
川; ー )「痛ってwwwwwwwww」
(´メω・`)そ「!? !?」
――――――斬れない。喰い込んだだけだった。
67 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:19:17.86 ID:Dkuf+BZU0
うっすらと割れたクールの白い腹には、確かにショボンの得物が突き刺さっている。
だが、致命傷ではない。切っ先が刺さっているだけで内蔵に届いていない。
せいぜい表皮の皮下脂肪を僅かに斬った程度だろう。
刀身、手、そして腕へと伝わる違和感。
石を刺したような感触。
ちくしょう。やられた。
ショボンは舌打ちをする。
刀身の力積が制御されてしまったのだ。
クールのベクトル操作は、いや、クールの『戦闘的博打』はショボンの想像を超えるものだった。
(´メω・`)「(このデカチチ。この状況でわざと腹を無防備にしたな!?)」
川;゚ -゚)「サンキュー残念眉毛。賭けは私の勝ちだ」
流石に鋭利なもので腹を突き立てられる恐怖は隠しきれなかったのだろう。
青ざめた顔でクールが自分の腹に突き立てられる刀を手で握る。
瞬間、ショボンは異変を感知した。
慌てて刀を抜いてクールと距離を取ろうとする。
68 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:21:53.73 ID:Dkuf+BZU0
(´メω・`)「(ん? 刀が……?)」
が、刀が抜けない。動かない。
岩に挟まれたかのようにショボンの刀は微動だにしなかった。
クールが自分の刀身を引き抜こうとするベクトルを操作しているのだろうと
ショボンはすぐさま理解した。
背後にはショボンの頭蓋にレティクルを重ねたた闘犬部隊が撃鉄に力を込めている。
攻撃は視える。だが、弾丸を弾くための術が封じられてしまった。
このままでは無防備な背後を守れない。
(´メω・`)「(ちっ。刀は諦めるか)」
そう判断するまで一秒足らず。
ショボンは得意の高機動能力を生かして地面を蹴り、場を離脱しようとする。
が、
川 ゚ -゚)「計算通り! そのまま潰れろ!!」
(((#;´メω `)))「ごガっツ!?」
69 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:24:25.94 ID:Dkuf+BZU0
跳躍し、三メートルほど空中に浮いていたショボンが消えた。
いや、消えてはいない。
目にも止まらぬ速さで地面に叩き付けられたのだ。
何が起きたのかショボン自身理解できていなかった。
ただ、見えない大質量が自分を圧し潰した感覚だけは理解できた。
川;゚ー゚)
そして、それが歴戦のビースト殺しであるクール=レヴァンティエが
命を賭す罠の園で咲かせた必殺の華だということも。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:26:17.30 ID:ihanb+Eo0
支援
71 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:28:36.11 ID:Dkuf+BZU0
川; д )「ぐっ!! ヴぉえ゛え゛え゛え゛!? げホっ! がはっ!!」
訪れた静かな静寂。
その中で仁王のように立っていたクールが突然倒れ、口から泡を吹きながら悶絶を始めた。
慌てたギコが小刻みに痙攣する女隊長の元へ駆け寄る。
(; Д゚)「た、隊長! 大丈夫ですか!?」
川; -゚)「く、薬だ!!……クズリをよ゛こぜ!! 速く!! はや゛ぐうううううう!!」
真っ赤に充血した眼でクールがギコの身体を激しく揺さぶった。
眼の焦点が定まっていない。
手もぶるぶると小刻みに震え、顔面は青さを通り越して白くなっていた。
そこに闘犬部隊の隊長としての威厳は無い。
ギコには今のクールが薬物を催促する廃人のように見えた。
(;゚Д゚)「(見てられねえ……何て酷い顔してやがる……)」
( ゚д゚ )「フェイズ2の副作用だな。ギコ、あまり多く与えるなよ。そいつは身体に悪いものだ」
川;#゚д゚)「ダマれミルナ!! ギコ速ぐっ! 注射を!
頼む!! あ、頭……あダまがコワレる゛!!」
(,,゚Д゚)「隊長、今打ちますからね。直ぐに楽になりますから……」
72 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:30:49.41 ID:Dkuf+BZU0
不可視の異能を解いたギコが、胸のポケットから冷静な手つきでシガレットケースを取り出す。
金属製の銀色の蓋を開けると中には煙草ではなく細長い円柱状の物体が数本収まっていた。
圧針式の簡易注射器(プラグ)だ。
首や腿の太い脈に圧しつけることで任意の量の薬剤を複数回に分けて注入できるタイプである。
プラグ先端に付いたダイヤルで薬量を調節し、ギコは慎重にクールの首へ針を押し込む。
冷たい液体が血管に流れる感覚がクールの身体を廻り、
鬼のような形相をしていた女の顔が恍惚としたものに変わっていく。
川 - )「――――あっ……ああっ……んっ……」
(#゚Д゚)「くそっ。いくらフェイズ2が隊長しか使えないからって……
こんなヤク漬けじゃいつか死んじまいますよ!!」
時折り電気が走るように身体を痙攣させるクールを胸に抱きながらギコが歯を剥いた。
自分自身を呪うかのような口調だった。
( ゚д゚ )「クールが選んだ道だ。自分にできることだけに集中しろ。無いパンをねだっても手に入らん」
暫らくすると、クールの身体の震えが止まり、荒くなっていた息が落ち付き始めた。
せわしなく動き回っていた目玉も普段の冴えた視線を取り戻しつつある。
体内に注入された薬剤が効果を表し始めたのだ。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:31:35.36 ID:Vm10l3qOP
支援
74 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:33:38.83 ID:Dkuf+BZU0
川 ゚ -゚)「「…………」
(;゚Д゚)「…………」
川 ゚ -゚)「手間をかけさせた」
(,,゚Д゚)「……いえ」
川 ゚ -゚)「ニンジャマンは?」
(,,゚Д゚)「クレーターの中で伸びてます。
隊長のフェイズ2を喰らってまともに動けるビーストはいませんよ」
ショボンを中心とする周囲の土は円形に十センチほど窪んでおり、巨人がハンマーで地面を打ったような光景になっていた。
その中心に大の字になって倒れ伏す機械の身体を持つ男。
(´メω `)「…………」
死んではいない。
だが、命の火は弱く、儚くなりつつあった。
(´メω `)「…………」
四肢が、動かなかった。
機械忍者の身体が悲鳴を上げていた。
75 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:34:34.65 ID:Dkuf+BZU0
(´メω `)「ゥ……ウう゛……」
声が出ない。息も満足にできない。
戦車による砲撃。
闘犬部隊に与えられた幾つもの傷。
そしてクールの放った圧殺攻撃。
度重なる加重に耐えてきた強化骨格がついに限界を迎え、
肋骨を含む数箇所のセラスチール骨が破断してしまったのだ。
76 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:36:20.34 ID:Dkuf+BZU0
ショボンの場合、特に腹部の損傷が深刻だった。
肋骨の骨折は骨の折れる向きによって、その後の容態は大きく変わる。
通常、外向きに折れた場合は腕や脚の骨折と同じような処置をしても問題ない。
しかし、内側、すなわち内臓方向に折れてしまった場合は一刻も速い外科処置が要求される。
折れた骨が肺や臓器を傷付けて大量内出血を起こしている可能性があるからだ。
現に、クールの攻撃によって内臓方向へ“ハ”の字に鋭く折れたショボンのセラスチール骨は
片側の肺に深々と突き刺さり、呼吸を著しく妨げていた。
肺胞に人工血液が溜まり、ショボンの口から白い液体が流れ落ちる。
ヒューヒューと過呼吸に近い音がショボンの喉から鳴らされ、
それまでの涼し気な顔も青さを通り越して白くなり始めていた。
川 ゚ -゚)「無様だな」
同じく身体を僅かに上下させるクールが、ギコに支えられながらショボンを見下ろす。
(´メω `)「お前ら……今まで何人のビーストを殺してきたんだ……なぜビーストを狙う……?」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:36:29.25 ID:bR0Yfxho0
しえn
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:36:50.15 ID:ihanb+Eo0
ふむぅ
79 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 21:38:56.27 ID:Dkuf+BZU0
ガタガタと震える腕を必死に起こし、何とかして立ち上がろうとするショボン。
それを無慈悲の表情で見るクール。
川 ゚ -゚)
いや、今回は彼女はいつものポーカーフェイスではなかった。
川 ゚ -゚)
口の端。乾いた血と砂がこびり付いた唇の口角。
それが、微小に、僅かに、歪んでいる様をショボンは見てとった。
(´メω `)「(笑っているのか……オレを……)」
恐らく、クールたちは今回と同じことを何度も繰り返してきたのだろう。
戦地で気ままに暴れ回るビーストを捜し、交戦し、叩き伏し、そして殺す。
他愛もない、今回もまた同じ結果だった。
あれだけ意気がっていた機械忍者も所詮は井戸の中の蛙だったというわけだ。
そんなクールの声がショボンの頭の中で響いていた。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:42:10.24 ID:ihanb+Eo0
しえね
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:43:22.87 ID:DpEqYBrZ0
しえの
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:48:02.36 ID:jgiW/eJK0
うーむむ支援
さるった?
シエン
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 21:55:45.62 ID:Vm10l3qOP
さるか支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:00:47.21 ID:jgiW/eJK0
前回ここらへんまでだったっけ
しえん
87 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:03:27.70 ID:Dkuf+BZU0
ただし、
川 ゚ -゚)「何でビーストを狙うのか。
それは私たち(民間軍事企業)にする質問ではないな。
答えは単純。金になるからだよ」
獣のうちどちらかが同胞を捜しでもしない限りは、だが。
「金のためなら、自分の魂さえ売り払うのか」
川 ゚ -゚)「金儲けは悪いことじゃないぞ。うちはマルクス主義だからお金を稼ぐことで神様にお願いしてるのさ。天国に連れてってー、とな」
(#´メω゚`)「ちっげぇよ! そういうことを言ってるんじゃねえよ!
お前ら全員ビーストならどうせまともな人生を歩んで来なかっただろうが!
あの糞ったれの米帝に手前の体と脳みそ弄くり回されながら、
よくも平気で奴らの下にいられるな、って言ってるんだよ!!」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:04:51.88 ID:Vm10l3qOP
戻ったかな
しかし前回あったのかそれは遭遇できなかった
89 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:08:32.24 ID:Dkuf+BZU0
ショボンが吠えた。
肺が潰れているにも関わらず無理矢理大声を出したため、口から滝のように人工血液が溢れ出す。
だが、手負いの獣はそれに構うことなく叫び声を上げ続ける。
それは、生まれながらに国を持たない。平和を知らない。受難の告白だった。
(#´メω゚`)「オレ様の親は中東から自由を求めてアメリカに移住した国亡き民だ。
だが、自由ってのは残酷だな。資本主義の権化である米帝では金を持つ奴が正義!
人は自由の刑に処されているとはよく言ったもんだぜ!!
ろくに学もないオレの親父の稼ぎじゃ、移住したところで人並み以下の生活しかできなかった!」
ショボンが腕を動かしてクール達の元へ這いずり始めた。
眼は赤黒く染まり、どういうわけか身体からは青白い雷光がパチパチと瞬いていた。
下半身は既に機能していないのだろうか、ずるずると、二本の腕で地面をえぐりながらショボンはなおも吠える。
90 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:11:38.94 ID:Dkuf+BZU0
(#´メω゚`)「だが、オレ達は幸せだった! なぜならその国に紛争は無かったからだ!
食い物もあった! 寝る場所もあった! 帰る場所があった! 平和があった!
その底辺なりのみみっちい営みすら踏みにじった糞野郎が我等がアメリカ様よ!」
耳を傾けていたミルナが小さな声で呟く。
( ゚д゚ )「……恐るべき影雄(えいゆう)計画か」
(#´メω゚`)「なんだよ。やっぱり知ってるんじゃねーか!
そうだ。ヤマモト・パラドックスを打ち破るVRシステムの可能性を見い出したペンタゴンが、
国防総長肝煎りで打ち上げた “英雄の影” たるドッペル・ビーストを造り出すプロジェクト……恐るべき影雄計画!
オレ様もお前らもその実験体だったろうが!」
( ゚д゚ )「恐るべき影雄計画の対象は幼児が殆どだ。
国籍を持たずに不法入国した移民は人体実験するには持ってこいの存在。
何せ突然消えても騒ぐ奴は殆どいない。貴様もモララーと同じように拉致されたクチか」
( ・∀゚)「…………」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:13:34.19 ID:ihanb+Eo0
しえんよ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:14:02.64 ID:Vm10l3qOP
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:14:21.70 ID:DpEqYBrZ0
しえん
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:15:46.03 ID:HengBiGz0
支援
95 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:17:20.56 ID:Dkuf+BZU0
ミルナの台詞を聞いた瞬間、ショボンが目を剥いた。
あまりにも目を見開くので目玉が飛び出すのではないかと思うほどの変容だった。
同時に、バチンという音と共にショボンから発生した一本の紫電が近くの民家に直撃する。
土で堅められた壁には直径一メートル近い大穴が開いた。
(#´メω゚`)「拉致!? 人さらいだったらどれだけ良かったことか!
オレはな、家族に……肉親に! 生みの親に! “売られた”んだよ!!」
(,,゚Д゚)「人身売買……そんな―――」
(#´メω゚`)「法治国家アメリカではそんなもん無いと思ったか!?
確かに ア メ リ カ 政 府 はしてないさ!!それだけのことだ!
奴らはモルモットさえ手に入れば業者がどんな入手経路でブツを納品しようがお構いなしよ!!」
(#´メω゚`)「信じられるか!?
十歳に満たねぇ餓鬼の目の前で、でけぇジェラルミンケースと引き換えに、
オレのオヤジとオフクロは手前の子供を売却したんだ!!」
(#´メω゚`)「オレ様は――――オレは――――――必要なかった。
血肉を分けた者にすら……手前の欲望のために騙したんだ――――」
(´メω;`)「たかが車一台買える程度の小金欲しさによぉおぉぉおおおおお!!!」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:19:38.89 ID:jgiW/eJK0
ショボンさん……
支援
97 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:20:04.49 ID:Dkuf+BZU0
気付くと、ショボンは泣いていた。
身体中から人造の命を流し、肩を震わせ、叫んでいた。
本人は気付いているのだろうか。
前進するために振り上げていたはずの拳はいつの間にか固い地面を叩いていた。
頬から落ちる涙は、白くなかった。
(#´メω `)「はぁ……はぁ……! 別に同情してもらおうなんて思っちゃいないぜ?
どうせお前らもろくでもない形で人の道を踏み外したんだろうが。
身体中をめった刺しにされるような痛みに耐え抜いて、
次に鏡を見たときにはオレ様の身体は別のものに変わっていた」
(#´メω `)「比喩じゃねえ。身体のパーツの殆どが壊死しちまったから
生体義手やらなんやらに付け替えたんだとよ」
(´メω゚`)「お陰で強力な力が手に入ったけどな――――――――――」
98 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:21:33.36 ID:Dkuf+BZU0
涙から一転、ショボンが立ち上がった。
それはあまりにも急な出来事だった。
ショボンの肉体は既に限界を迎えている。
そう多寡をくくっていたクール達には若干の奢りと慢心があった。
それが、命取りだった。
川;゚ -゚)「……おいっ貴様何を……!?」
( ・∀・)そ「!?」
(;゚Д゚)「なっ、なんだよこれ!!!!」
(;゚д゚ )「馬鹿な……ッ! これは……伏せろ!?」
(´メω゚`)「ォお゛お゛お゛お゛オ゛ォお゛オ゛オ゛!!!!」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:22:23.19 ID:jgiW/eJK0
何するんだ支援
しえぬ
101 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:29:14.96 ID:Dkuf+BZU0
激昂。
それは獣の雄叫び。
咆哮。
それは報復の狼煙。
血みどろの過去。
死を前にする現実。
戦士としての屈辱。
その全てを憤怒に塗り替え、ショボンは獣の牙を研ぎ澄ます。
滅亡しろ。飼い犬どもよ。
殺戮の秘剣は我が宇宙にあり。
殺される前に殺してやる。
殺された後なら来世で殺す。
かつて、自分を見捨てた両親を焼き尽くしたように。
ショボンは吠える。
102 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:31:50.50 ID:Dkuf+BZU0
(´メω゚`)「泣き叫べ糞ども! これがビーストの真骨頂!!
ホワイト・ブラッド・フェイズ2だぁあぁぁあああああ!!!」
クレーターを中心に立つショボンの身体から紫電が走った。
それは、多頭の龍の如く生まれた稲妻たち。
秒速三十万キロを誇る世界最速の砲撃は、主人の命に従うがまま目を見開く闘犬部隊の身体を次々に貫いていく。
雷の持つ熱エネルギーで膨張した空気が爆音となり、乾いた街に木霊する。
耳をつんざく木霊が消えた時、大地に立つ者はいなかった。
(´メω゚`)「ぎゃははっははははははははっはははっはははは!!!!!」
壊れたサイボーグを除いて。
し
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:33:22.54 ID:HengBiGz0
え
105 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:35:28.37 ID:Dkuf+BZU0
川 - )
( ∀ )
(,, Д )
( д )
(#´メω゚`)「ギャハハハハハハハ!! 野良のビーストがフェイズ2を使えないとでも思ったか?
クズが! 手前らみたいな温室育ちの獣とはちげーんだよ!!」
当初、ショボンは自身の異能は第六感にとる周囲の物体の知覚とクールに説明したが、それは正しい表現ではなかった。
だが偽りを述べたわけでもない。
正確に言うならば物体知覚はホワイト・ブラッドの本質の副産物だったのだ。
(#´メω゚`)「ホワイト・ブラッドの真の力は電の発生!!
物体知覚はオレ様の体内で電流を廻らせて電波と磁場を
周囲に張り巡らせただけのレーダーもどきだったんだよ」
川; -゚)「ば、バカな。落雷を任意で起こす異能だと……私達の身体を避雷針に見立てているのか!?
だが、人体よりも通電しやすい物などそこら中に落ちてはずだ!」
火傷を負った身体で必死に立ちあがろうとするクールが震える声を出す。
仲間を基めて辺りを見回すが、ギコもモララーもミルナも完全に気を失っているようだった。
106 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:37:25.80 ID:Dkuf+BZU0
クールの異能は電子や原子といった微小な物の動きを操作することはできない。
だが、ショボンの発雷の直前に本能的に発動した力積干渉場が雷の進行をある程度偏向していたために、
他の闘犬部隊ほどの怪我は負っていなかった。
それでも意識を保つことがやっとであり、銃を握ることすらままならない体であることに変わりないが。
(#´メω゚`)「おいおいおいおい。仮にも手前だってビーストだろうが。
本当に落雷を起こすほどの電圧と電子量を持つ雷に直撃したら、
手前らの身体はとっくの昔に体内の水分が気化して爆発してらあ。
忘れたのか? この“カミナリ”はヤマモト・パラドックスの影響を受けてるんだぜ?」
川; -゚)「そうか……もともとこの紫電は雷ではなく『ニンジャマンの宇宙』に存在する物質。
ビックバン宇宙に肉体を置く我々にとっては雷に見えるだけというわけか」
(#´メω゚`)「そういうこった。手前らがこの光を見たり触ったりした瞬間にオレ様の攻撃は
ただの"落雷現象"になる。だが、本物の雷じゃねーから
威力も規模も半減以下になっちまうわけだ……」
(#´メω゚`)「まあ、殺すには十分過ぎる威力だけどな」
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:38:50.93 ID:ihanb+Eo0
しえんた
し
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:39:59.74 ID:Vm10l3qOP
相手一人なのに強いなぁ
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:40:02.05 ID:DpEqYBrZ0
支援
ベーンさんが空気だが
多分ケリを付けてくれるんだろう
112 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:41:58.22 ID:Dkuf+BZU0
ショボンが動いた。
既に意識の無いものには興味がないらしく、一歩一歩ゆっくりと
殺しのカウントダウンをするかのようにクールへと近づいていく。
川; -゚)「来るな!! それ以上寄ったら私もフェイズ2を発動するぞ!!」
(#´メω゚`)「やってみろ。異能の真の力を引き出すフェイズ2は肉体への負荷がでかいぜ?
感覚麻痺の薬がなえととてもじゃねーが使えねえ。オレ様は機械の身体だから問題ねえがよ。
それ以上ヤク漬けになってもいいのか?」
川; - )「…………」
一瞬のためらいを感じたクールにショボンが電撃を放った。
伸ばした腕の手先からシスの暗黒卿よろしく紫色の電流がクールの身体を舐めていく。
川メ; - )「ぎゃああああ!! やっ! やめろおおおおおお!!!」
(#´メω゚`)「ぎゃははははは。泣き叫べ! 命乞いしろ!! そうすりゃ止めてやるよお!!」
川メ; - )「ぐうっ……!! うううううううう!!!!」
(#´メω゚`)「おらあああ!!!」
川メ; - )「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ああああ゛!!!
わ゛わかった!! や゛めでくれ! 許してくれ!!
な、なんでも……何でもするから!!」
(#´メω゚`)「じゃあこのまま死ねえええええ!!」
113 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:44:57.81 ID:Dkuf+BZU0
全身の細胞に針を打ち込まれるような恐ろしい激痛で地面をのたうち回るクール。
筋肉が痙攣し、口から泡を吐き、股間は失禁のために酷く濡れていた。
なまじ、精神力が高すぎるために気絶することを許されないクールは
異能の使用過多でショボンが息を切らすまでこの世の地獄を味わい続ける。
皮膚が焼け、美しかった肉体が炭色に染まり始める。
川メ; - )「あが……あああ……ああ」
(;´メω゚`)「はぁ。はぁ……そろそろ殺すか。
この力も存外燃費が悪いんだよ。拷問にゃむかねーな」
近くに落ちていた拳銃を拾い上げ、電撃を止めたショボンは地面の上に倒れるクールの側へ寄る。
既に気力が底を尽き始めているのか、クールは光の無い目でショボンの顔をぼんやりと見上げていた。
114 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:46:48.70 ID:Dkuf+BZU0
(´メω゚`)「別に殺し方にゃこだわらねーからな。
せめて自分の得物で殺してやるよ。お前以外は」
川メ; - )「…………」
(´メω゚`)「お前はこのまま寝てろ。騒ぎが収まれば直にここも人が集まって来る
良からぬことを企む野郎どももな。意味はわかるだろ?」
川メ; - )「…………」
(´メω゚`)「傷ものでも穴があることには変わりねぇ。
このまま拉致られて慰み物にでもされてろや」
そう言って、ショボンがギコに銃口の狙いを定めた。
仲間が死ぬ様をしっかり見るようにクールの頭を蹴飛ばし、未だに動かないギコが視界に入るよう仕向ける。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:51:15.25 ID:Vm10l3qOP
支援
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:52:31.39 ID:ihanb+Eo0
しえー
し
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:54:09.40 ID:DpEqYBrZ0
支援
119 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:54:53.66 ID:Dkuf+BZU0
川メ - )「―――――ぁ――――――ャめ―――――」
(´メω゚`)「あばよ」
カチリ
(,, Д )
川メ - )
(´メω゚`)「…………」
カチリ
(,, Д )
川メ - )
(´メω゚`)「ん?」
カチリ。カチリ。カチリ。
カチッカチッカチッカチッ!カチッ!カチッ!カチッ!カチッ!カチッ!
カチッ!カチッ!カチッ!カチッ!カチッ!カt( ^ω^)「何やってんだあんた」
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:55:23.52 ID:Vm10l3qOP
ピッツァさん居たんですかwwww
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:55:27.14 ID:DpEqYBrZ0
ブーンさんきた!これでかつる!
ボーンさんきた!
ピザデブきた!これで勝つる!
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 22:57:49.60 ID:jgiW/eJK0
あ、ブーンさんだ
125 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 22:59:18.22 ID:Dkuf+BZU0
(´メω゚`)「あああん!? 手前は今までどこほっつき歩いてたんだこのピザデブがああ!!」
内藤がいた。
両手に何か持っている。
破壊された屋台から頂戴したリンゴ飴だった。
( ^ω^)「あーあ。こんなに派手に暴れちゃってまあ……」
木の葉のように地面に転がる闘犬部隊を見ながら内藤はやって来る。
ギロリと睨むショボンをよそに、内藤は自分の近くで倒れるミルナの前でしゃがみ込んだ。
( ^ω^)「ミルナ。飴ちゃん食べるお?」
( д )「…………」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:01:02.29 ID:eYorkNDuO
内藤の能力普通にGOPっぽいな
127 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 23:06:12.01 ID:Dkuf+BZU0
(´メω゚`)「糞ブタァ。一足どころの遅さってレベルじゃねーぞ
手前の仲間はこのざまだ。今まで何やってたんだよ」
(;^ω^)「いや、みんな走るの速くて……ほら、僕ってインドア派のインテリボーイだお?」
体育会系って付き合いきれないよね、と大袈裟に溜息をつく内藤に
ショボンは手に持つ拳銃を向け、迷うことなく引き金を引いた。
カチッ
(´メω゚`)「…………」
( ^ω^)「お、どうしたお?」
俊敏にクールが落とした突撃銃を拾い上げる。
カチッ
(´メω゚`)「…………」
( ^ω^)「ははっ」
しえん
し
130 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 23:13:12.58 ID:Dkuf+BZU0
(´メω゚`)「おい。手前、この銃に何をした」
( ^ω^)「えっ。さあ?」
(´メω゚`)「とぼけんなよ。この面子でこの闘いだ。
手前だけパンピーってわけじゃねーだろ」
( ^ω^)「僕はビーストじゃないお」
(´メω゚`)「そうかよ。なら普通にビリッて死ね」
神殺しの狂人曰く――――――
怪物と戦う者は、自身も怪物になることのないよう気をつけなくてはならないそうだ。
しえーーん
132 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 23:18:52.77 ID:Dkuf+BZU0
(´メω゚`)「ホワイト・ブラッド・フェイ( ^ω^)「おっと。それは使うなお」
(;´メω゚`)「!?」
なぜなら、人が深淵を覗く時、
( ^ω^)「成り損ないのビースト同士で少しはイチャつけたかお?」
(;´メω゚`)「な、なんだこれは。こんなことが……オレ様のかr――――」
( ^ω^)「じゃあ、今度は僕と遊んでくれおっ」
深淵もまた、こちらを覗いているのだから。
つづく
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:20:38.19 ID:jgiW/eJK0
続きが気になるじゃないか
乙
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:20:56.49 ID:ihanb+Eo0
乙!
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:22:24.70 ID:Vm10l3qOP
乙
ここで区切ったか
136 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 23:22:33.25 ID:Dkuf+BZU0
たくさんの支援をありがとうございました。
自分なりの対策を打ちましたが、やはりこれだけの量だと規制を喰らいますね。
暫らくその辺を動きまわっているので何か疑問点があれば是非どうぞ。
おつ
ベーンさんの使用アルファベットは何ですか
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:27:39.42 ID:jgiW/eJK0
なぜ登場人物紹介のショボンさんの顔が
あんなに膨らんでいるのですか?
冬場だからでしょうか
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:28:54.70 ID:arihHIQkO
中々面白かった
>>3のフェレット速報のリンクおかしくない?
乙
ビーストじゃないけどパンピーでもなさそうだなブーン
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:32:28.24 ID:f5kyP7Db0
初めて見たけど面白い
ギコとミルナはホントの親子じゃなくて
大黒柱のような存在だから親父って呼んだんだよね?
143 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 23:36:16.92 ID:Dkuf+BZU0
>>138 直にアルファベットでななく、ギリシャ文字を使い始めます。
Zを超えるにはΩしかありません。私はそう睨んでます。
>>139 冬場はAA達の膨張係数が上がるのでしかたありません
私の身体の膨張係数もうなぎ昇りです
>>140 URLに日本語が含まれていることでしょうか?
実際にコピペしてみると繋がるので、間違いではないようです
144 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/23(日) 23:38:09.48 ID:Dkuf+BZU0
>>142 はい。
あの面子のなかではミルナが群を抜いてオッサンなのでギコはそう呼んでいます。
区別のために次回から『オヤジ』と表記しようと思います。
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/23(日) 23:58:57.07 ID:Vm10l3qOP
僕の股間の膨張を物理的に収まらせて来ました
おやすみ
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 00:41:08.20 ID:ndMZNQB70
おちんちんは何センチですか
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 01:59:48.30 ID:qYKNUBogO
おうふ
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:01:14.43 ID:a0gd0dyiO
よむほ
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 02:53:54.29 ID:D7o3mAZKO
寝る前に検索かけてよかった
読む保守
これタイトル詐欺だな
戦闘諜報員が〜〜の条件で色々ネタを投下していくのかと思えば低レベルな自己満作文
一、二レスだけさらっと読んで、「こんな戦闘ものは昔っから幾らでもあるなあ」って感想が浮かぶくらいのもの
楽しんで読む面白さと目新しさはないね、はっきり言って
つまんね
ほれ、偽善者ども、擁護レスを並びたてろや
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/24(月) 07:54:12.03 ID:xysSkdUA0
ヤマモト・パラドックス(笑)
ファルシがルシでパージと同レベルだな
ちゃんと説明しないとついて行けねーよ
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
( ゚д゚ )