( ^ω^)戦闘諜報員がピザデブだったらこうなるようです
49 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/17(月) 23:15:20.62 ID:87LrK0uv0
川 ゚ -゚)「モララー! 上だ! ビームを撃て!!」
( ・∀゚)「命令すんな淫乱巨乳!! 乳首黒いくせに!!」
川;゚ -゚)「おいいいいいい。誤解を招く発言をするんじゃねええええ。
ESP発動中のあいつの腐った性格なんとかなんねーのかよ!!
つーか私の乳首はビックリするくらい桃色だって!!」
( Д゚)ボソッ「乳輪はちょっと大きいけどな」
川 ゚д゚)「…………」
( ゚д゚ )「ギコ。聞こえているぞ」
(; Д゚)「あっ。ちょっ。違います。別に覗きとかしてるわけじゃ……ちょ、銃口をこちらに向けないで!!」
(´・ω・`)「秘技-眉唾百八式『烏の舞』」
川 ゚ -゚)「うおっ!?」
50 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/17(月) 23:18:14.97 ID:87LrK0uv0
屋根伝いに走るショボンが急に刀を構えて落ちてきた。
脇差を使った二刀流で風車のように宙を舞い、後を追って来る闘犬部隊を斬り刻もうとする。
(´・ω・`)「さあ、避けてみろ」
狙いは先頭を走っていたクール。
川 ゚ -゚)「ちっ」
横転するようにクールが身体をバネのようにして空中に反った。
二つの刃が虚しく空を斬る。
避けられた。
だが、それもショボンの計算の内だ。
空中を回転させながらショボンは、間髪入れず片手に握っていた脇差を投げつける。
川;゚ -゚) そ
地面に転がったことで体勢が硬直したクールへと。
51 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/17(月) 23:20:28.91 ID:87LrK0uv0
川# - )「うおおおおおおお!! 死にたくねえええええええええええ!!!」
クール細い首筋に銀色の刃が迫る。
迫る。迫る。
川;゚ -゚)「―――――!!――――――!!」
だが、逸れた。
猛烈な回転をを加えて放たれたショボンの脇差は、
突如としてブーメランのように軌道を曲げると、
クールの身体を掠めるように通過して近くの電柱へ突き刺さった。
川 ゚ -゚)「あっぶねえwww」
身体を突きぬける冷たい感触にクールは背筋が凍り、思わず手で首に触れてる。
湿った感触が指先に纏わりつく。
どうやら斬られたのは薄皮一枚だけだったようだ。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:22:17.16 ID:5nZCTj/E0
戦闘シーンがうまいよなぁ
うらやましえん
53 :
◆GOO3eNv.Vk :2011/01/17(月) 23:25:01.51 ID:87LrK0uv0
その様子を見ながらショボンは地面に着地。しかし同時に闘犬部隊に包囲されてしまった。
数少ない戦力である脇差の回収はもう不可能だろう。
ショボンにとっては舌を打つような結果のはずだが、本人は至って冷静だった。
(´・ω・`)「(見えない壁で防御してるかとも思ったが……やはり……)」
上司の危機に躍起になったギコたちの猛烈な射撃を刀で弾きながら、ショボンは情報の整理を試みる。
今までの、そして先ほどのクールへの攻撃は威力タイミングともに全て完璧なものだった。
そこらの雑魚相手ならば確実に抹殺し、かつお釣りがくるほどのキレだった。
自分が女なら間違いなく濡れるカッコよさだった。
だが、斬れない。当たらない。
当たっても致命傷にはならない。
計算されつくしたショボンの攻撃をクールが乱していることは明白だった。
投げナイフや脇差の軌道を変えたのも恐らくその力だろう。
残り少ない体力を割いてしまったが、これで推測を確信に固めることができた。
クール=レヴァンティエは物体のベクトル操作の異能を有している。
ミサカはミサカは?
55 :
ショボンの右目の表記を間違えてました ◆GOO3eNv.Vk :2011/01/17(月) 23:30:04.43 ID:87LrK0uv0
(´メω・`)「(問題はそのベクトルの"操作対象"がどの範囲にまで及んでいるか、という点だな。
生物の持つ力積も操作できるのか? 物を見なくても操作できるのか? 不意打ちが効くのか?
もし、目に見える物だけでなく粒子規模の物体まで操作できるとしたら、
俺のフェイズ2を使ってもあの女には勝てん……)」
休むことなくショボンが動く。
手負いとは思えない速さで銃弾を掻い潜り動き、貴重な投げナイフをミルナへ撃つ。
( ゚д゚ )「同じ芸当ばかりだな。飽きたぞ」
(´メω・`)「そうでもないさ」
( ゚д゚ )「む!?」
途端、ミルナへ向かっていた投げナイフが爆発し、眩い光が辺りを包んだ。
ナイフに小型の閃光弾が仕込まれていたのだ。
ショボンを囲んでいたミルナ以外の闘犬部隊面々も強烈な光に怯み、ショボンの姿を見失ってしまう。
(;´∩ω∩ `)「おぎゃああああ!!! 眼があああ!!! 眼がアアアアア!!!???」
そしてショボンは目を瞑ることを忘れていた。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:33:17.46 ID:5nZCTj/E0
wwwww
し
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:40:12.89 ID:87LrK0uv0
(´メω゚`)「見えなくっても平気だもんne!!」
【ホワイト・ブラッド】は周囲の物体を第六感で知覚する異能だ。
例え視力を失ってもショボンはポリゴンで構成されたモノクロの世界のように
周囲を視ることが出来る。
例えこの世に光が消えてもショボンの視る景色に変わりはない。
ゆえに、歩みは止まらず。
ゆえに、その隙を突き。
(´メω・`)「さあ。二度目の死だ。地獄が満員じゃなければいいんだがな」
(;゚д゚ )「ぐああああああ!!」
大きく、袈裟斬り。
ショボンがミルナの身体を正面から叩き斬った。
真っ赤な血飛沫が黄土色の砂とショボンの灰色の身体を赤く染める。
(´メω・`)「(常人なら即死の一撃だぞ。どうくる?)」
(; д )「だ……から……」
(´メω・`)「…………」
(#゚д゚ )「飽きたと言ったろう!!」
(´メω・`)「おっとwwww。もうそのビリビリはいらん」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:42:45.87 ID:87LrK0uv0
倒れかかった身体を踏み止め、ミルナは拳のスタンパンチャーをショボンの頭蓋へ打ち抜こうとする。
それを器用に避けたショボンはバック転を繰り返して、包囲網を崩した闘犬部隊と十分な距離を取った。
( Д゚)「親父ぃ。大丈夫か」
何もない空間からギコの声が響く。
通常ならギコの異能は戦闘で最も重宝されるものだ。
だがショボンのような探知型の異能とはあまりにも相性が悪い。
少しでも相手の呼吸を乱そうと不可視の異能を発動させているものの、
ギコは今回はあくまでサポート役に徹するつもりでいた。
( ゚д゚ )「気遣いに感謝だ。だが、問題ない」
し
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:45:20.41 ID:87LrK0uv0
ミルナの言葉は嘘ではなかった。
皮膚下、五センチ以上。
確実に内蔵まで届いているであろう、ショボンがミルナに与えた傷は既に回復の兆しを見せ始めている。
(´メω・`)「(傷口がみるみる塞がっていく……)どうやら、中途半端な攻撃はあんたには効かないようだな」
( ゚д゚ )「そうだ。消耗戦になればお前に勝ち目はない」
(´メω・`)「そうでもないぞ?」
( ゚д゚ )「?」
ゆっくりと闘犬部隊と間合いを取るショボンがミルナの胸を指差す。
(´メω・`)「お前のその胸の傷痕。俺が最初にお前の心臓を破壊したときにできたものだ」
( ゚д゚ )「それがどうした」
(´メω・`)「傷痕が残るということは肉体は『復元』されているのではなく、
生体反応による『治癒』もしくは『再生』が行われている何よりの証拠だ。
つまり、お前のその回復能力は普通の人間が怪我を治す課程を
メッチャクチャ速くしたモノに過ぎない」
(´メω・`)「治癒とは即ち細胞の分裂。そして細胞は分裂できる回数に限度がある。
いわゆる寿命ってやつだ」
( ゚д゚ )「…………」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:47:44.21 ID:87LrK0uv0
(´メω・`)「お前の身体の至る箇所についた古傷……再生するのは何度めだ?」
( ゚д゚ )「(こいつ……!!)」
ミルナの眉根がピクリと動く。
ショボンは先ほどビーストと闘うことは初めてだ、と言った。
だが、その割にこの機械忍者は異能との闘い方と分析方法を随分と心得ている。
そこに闘犬部隊全員が感じる違和感があった。
川 ゚ -゚)「(こいつ、バックグラウンドがあるな。
分析能力はともかく三種類の回復型異能の違いを知っているなんて
wikiに書いてありました、ではすまされんことだ。
ビーストに深く関わりを持った人物と繋がりがあるのか……?)」
思慮するクール。
そして思慮は、やがて懸念へと変容していく。
ショボンはフリーランスの傭兵であると内藤から教わっていたのだが、
どうやら今まで相手にしてきたビーストとは若干の違いがあるらしい。
し
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:50:58.08 ID:87LrK0uv0
問題は、既に闘犬部隊の大まかな異能をショボンに知られてしまっていることだった。
無論、クール達とて己の力の全てを出し切ったわけではない。
まだまだ隠し玉は用意している。
だがここでショボンを殺し損ねて逃げられれば、ブラックマーケットに
闘犬部隊の異能に関する情報が出回ることは確実だった。
それだけは何としても避けたい。
闘犬部隊はこれからもビーストを相手に戦う運命にある。
戦闘において最も恐ろしいことはアドバンテージを相手に渡してしまうことだ。
どこぞのチャクラを練る忍者たちのように、
自分の能力をそこら中の敵に知られれば、対策を打たれ、何れは犬死にする。
そして、犬死にはクールがこの世で最も嫌悪する死に様だった。
川 ゚ -゚)「(仕方ない、あまりこの力に頼りたくないが……殺るか)」
再び、クールが動く。
し
なんか感じ変わったね
前回までの書き方のほうがよかったな
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:55:23.11 ID:5nZCTj/E0
え
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:56:18.27 ID:87LrK0uv0
(´メω・`)「ん? 決闘か?」
クールを除く闘犬部隊の面々が散開し、再び円を描くようにしてショボンを取り囲む。
そうして作られた見えない包囲網の中心で、闘牛を相手にするマタドールが如くクール=レヴァンティエが起つ。
対面にいたショボンは女隊長の意図を理解し、殺しのベクトルをクールへと向ける。
いいだろう。
ここで華麗にこの女の身体を真っ二つにし、華麗に撤退するとしよう。
川 ゚ -゚)「いくぞ。一対一のガチバトルだ」
(´メω・`)「半裸の女が言ってもストリップショーの開演宣言にしか聴こえんな。
そのブラジャーを剥がして2ちゃんに晒してやるよ」
斜め下に刀を構えたショボンがクールへ突っ込む。
既に銃を使うことを諦めているのか、クールは腰から太いサバイバルを取り出し、静かに構えている。
(´メω・`)「カウンターのつもりか!?
大量生産品の刃物でオレ様の得物と渡り合えると思うなよ!!」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:00:21.46 ID:7pRZxVuF0
ふざけた人格を持つショボンだが剣闘士としての素質は一流である。
銃弾飛び交うこの世界。
ショボンは剣士ではなく剣闘士としてこの瞬間までを生き延びてきた。
彼は剣一振りであらゆる人種を抹殺し、あるゆる武具を破壊し、あるゆる戦術を攻略してきた。
川 ゚ -゚)「ぬっ!?」
だから、官給品の安物ナイフを叩き斬ることなど朝飯前であり、
(´メω・`)「手前の背骨を武器ごと真っ二つにすることなんて容易いんだよ!!!」
同時に、クールのベクトル操作が“本人の意思で発動する”ことも見抜いていた。
(´メω・`)「オレ様のように自分の意識とは関係なく異能を発現するタイプなら、
戦車を破壊したあとに斬られることなどなかったはずだ」
つまり、死角から攻撃するか――――
(´メω・`)「―――――目に見えない速度で攻撃をすればいい」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:02:49.14 ID:uHbJq6XPO
しえん(´・ω・`)
え
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:04:30.07 ID:7pRZxVuF0
川 ゚ -゚)「!?」
敵の懐に飛び込む。
クールの目はショボンの姿を捉えきれていない。
「何処見てやがる」完全にショボンの間合いだった。
ギコたちの援護射撃すら許さず、ショボンが鞘から抜いた刀を光らせる。
ビリヤードのように構えられた日本刀。
それが弾丸の如く、がら空きとなったクールの腹に喰い込んだ。
食い込んだが―――――――――――
川; ー )「痛ってwwwwwwwww」
(´メω・`)そ「!? !?」
――――――斬れない。喰い込んだだけだった。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:07:39.02 ID:7pRZxVuF0
うっすらと割れたクールの白い腹には、確かにショボンの得物が突き刺さっている。
だが、致命傷ではない。切っ先が刺さっているだけで内蔵に届いていない。
せいぜい表皮の皮下脂肪を僅かに斬った程度だろう。
刀身、手、そして腕へと伝わる違和感。
石を刺したような感触。
ちくしょう。やられた。
ショボンは舌打ちをする。
刀身の力積が制御されてしまったのだ。
クールのベクトル操作は、いや、クールの『戦闘的博打』はショボンの想像を超えるものだった。
(´メω・`)「(このデカチチ。この状況でわざと腹を無防備にしたな!?)」
川;゚ -゚)「サンキュー残念眉毛。賭けは私の勝ちだ」
青ざめた顔でクールが自分の腹に突き立てられる刀を手で握る。
瞬間、ショボンは異変を感知した。
慌てて刀を抜いてクールと距離を取ろうとする。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:10:36.27 ID:7pRZxVuF0
(´メω・`)「(ん? 刀が……?)」
が、刀が動かない。抜けない。
岩に挟まれたかのようにショボンの刀は微動だにしなかった。
クールがショボンの刀身を引き抜こうとするベクトルを操作しているのだろう。
背後にはショボンの頭蓋にレティクルを重ねたた闘犬部隊が撃鉄に力を込めている。
攻撃は視える。だが、弾丸を弾くための術が封じられてしまった。
このままでは無防備な背後を守れない。
(´メω・`)「(ちっ。刀は諦めるか)」
そう判断するまで一秒足らず。
ショボンは得意の高機動能力を生かして地面を蹴り、場を離脱しようとする。
が、
川 ゚ -゚)「計算通り! そのまま潰れろ!!」
(((#;´メω `)))「ごガっツ!?」
s
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:14:27.27 ID:7pRZxVuF0
跳躍し、三メートルほど空中に浮いていたショボンが消えた。
いや、消えてはいない。
目にも止まらぬ速さで地面に叩き付けられたのだ。
何が起きたのかショボン自身理解できていなかった。
ただ、見えない大質量が自分を圧し潰した感覚だけは理解できた。
川;゚ー゚)
そして、それが歴戦のビースト殺しであるクール=レヴァンティエのうち立てた
決死の罠の中で咲いた必殺の華だということも。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:15:47.67 ID:s9djywnJ0
ヒュー
l
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:19:25.20 ID:7pRZxVuF0
川; д )「ぐっ!! ヴぉえ゛え゛え゛え゛!? げホっ! がはっ!!」
訪れた静かな静寂。
その中で仁王のように立っていたクール突然倒れ、口から泡を吹きながら悶絶を始めた。
慌てたギコが胃の中身を履き散し小刻みに痙攣し始めた女隊長の元へ駆け寄る。
(; Д゚)「た、隊長! 大丈夫ですか!?」
川; -゚)「く、薬だ!!……クズリをよ゛こぜ!! 速く!! はや゛ぐうううううう!!」
真っ赤に充血した眼でクールがギコの身体を激しく揺さぶった。
眼の焦点が定まっていない。
手もぶるぶると小刻みに震え、顔面は青さを通り越して白くなっていた。
傍から見れば麻薬漬けになった瀕死の女が、売人に薬を催促しているような光景だった。
(;゚Д゚)「(見てられねえ……何て酷い顔してやがる……)」
( ゚д゚ )「フェイズ2の副作用だな。ギコ、あまり多く与えるなよ。そいつは心臓に悪いものだ」
川;#゚д゚)「ダマれミルナ!! ギコ速ぐっ! 注射を!
頼む!! あ、頭……あダまがコワレる゛!!」
(,,゚Д゚)「隊長、今打ちますからね。直ぐに楽になりますから……」
s
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:24:31.13 ID:7pRZxVuF0
不可視の異能を解いたギコが、胸のポケットから冷静な手つきでシガレットケースを取り出す。
金属製の銀色の蓋を開けると中には煙草ではなく細長い円柱状の物体が数本収まっていた。
圧針式の簡易注射器(プラグ)だ。
首や腿の太い脈に圧しつけることで任意の量の薬剤を複数回に分けて注入できるタイプである。
プラグ先端に付いたダイヤルで薬量を調節し、ギコは慎重にクールの首へ針を押し込む。
冷たい液体が血管に流れる感覚がクールの身体を廻り、
鬼のような形相をしていた女の顔が恍惚としたものに変わっていく。
川* - )「――――あっ……ああっ……んっ……」
(#゚Д゚)「くそっ。いくらフェイズ2が隊長しか使えないからって……
こんなヤク漬けじゃいつか死んじまいますよ!!」
時折り電気が走るように身体を痙攣させるクールを胸に抱きながらギコが歯を剥いた。
まるで自分自身を呪うかのような口調だった。
( ゚д゚ )「クールが選んだ道だ。自分にできることだけに集中しろ。無いパンをねだっても手に入らん」
暫らくすると、クールの身体の震えが止まり、荒くなっていた息が落ち付き始めた。
せわしなく動き回っていた目玉も普段の冴えた視線を取り戻しつつある。
体内に注入された薬剤が効果を表し始めたのだ。
し
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:29:35.78 ID:7pRZxVuF0
川 ゚ -゚)「手間をかけさせたな」
(,,゚Д゚)「……いえ」
川 ゚ -゚)「ニンジャマンは?」
(,,゚Д゚)「クレーターの中で伸びてます。
隊長のフェイズ2を喰らってまともに動けるビーストはいませんよ」
ショボンを中心とする周囲の土は円形に十センチほど窪んでおり、巨人がハンマーで地面を打ったような光景になっていた。
その中心に大の字になって倒れ伏す機械の身体を持つ男。
(´メω `)「…………」
死んではいない。
だが、命の火は弱く、儚くなりつつあった。
(´メω `)「…………」
四肢が、動かなかった。
機械忍者の身体がついに悲鳴を上げていた。
じ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:32:03.52 ID:7pRZxVuF0
(´メω `)「ゥ……ウう゛……」
声が出ない。息も満足にできない。
戦車による砲撃。
闘犬部隊に与えられた幾つもの傷。
そしてクールの放った圧殺攻撃。
度重なる加重に耐えてきた強化骨格がついに限界を迎え、
肋骨を含む数箇所のセラスチール骨が破断してしまったのだ。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:32:27.68 ID:QHf/zdTt0
スプーキー・Eのことか
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:33:22.63 ID:7pRZxVuF0
ショボンの場合、特に腹部の損傷が深刻だった。
肋骨の骨折は骨の折れる向きによって、その後の容態は大きく変わる。
通常、外向きに折れた場合は腕や脚の骨折と同じような処置をしても問題ない。
しかし、内側、すなわち内臓方向に折れてしまった場合は一刻も速い外科処置が要求される。
折れた骨が肺や臓器を傷付けて大量内出血を起こしている可能性があるからだ。
現に、クールの攻撃によって内臓方向へ“ハ”の字に鋭く折れたショボンのセラスチール骨は
片側の肺に深々と突き刺さり、呼吸を著しく妨げていた。
肺胞に人工血液が溜まり、ショボンの口から白い液体が流れ落ちる。
ヒューヒューと過呼吸に近い音がショボンの喉から鳴らされ、
それまでの涼し気な顔も青さを通り越して白くなり始めていた。
川 ゚ -゚)「無様だな」
同じく身体を僅かに上下させるクールが、ギコに支えられながらショボンを見下ろす。
(´メω `)「お前ら……今まで何人のビーストを殺してきたんだ……なぜビーストを狙う……?」
し
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:53:44.68 ID:uHbJq6XPO
さるった?
戦闘シーンかっけえな
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:54:50.23 ID:caGPyzIW0
289 名前: ◆GOO3eNv.Vk [] 投稿日:2011/01/18(火) 00:53:36.20 ID:7pRZxVuF0
すみません。
ひょっとしたらルール違反かもしれませんが、以下のスレッドに代理レスをお願いできるでしょうか?
猿のために書き込めなくなってしまいました。
レス先
ttp://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1295268049/ レス内容
サルさんを何発か喰らってしまい、書き込みに速度が極端に遅くなっています。
あと少しで投下完了ですが、私用で明日が速いために勝手ながら今日は撤退させて頂きます。
申し訳ありません。
支援と嬉しいレスを下さった方々、遅くまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
スレッドが残っていた場合、明日(今日)の夕方には残りを投下させて頂きます。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:57:35.57 ID:dPCbMZIkO
乙
おうふ乙
おつおつ
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 01:24:09.37 ID:7W29T8ISO
乙
ハードSFちっくは好きだぜ
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 01:29:11.41 ID:AjtGwMSb0
乙
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 01:52:03.06 ID:AjtGwMSb0
一応ほ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ほし