1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
紬「はぁ、はぁ…なんだ夢だったのね…」
紬「急がないと新聞配達に遅れちゃうわ」
みたいな
OK
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 14:17:33.60 ID:Erie8vBdO
つづけろ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 14:19:21.33 ID:qw81+X1nO
紬「唯一の肉親のおばあちゃんが死んでもう家族も住むところもないわ…」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 14:39:08.77 ID:hOv5cbW+0
夢を見ていましたとても楽しい夢――
毎日学校に行って、部活の仲間とおいしいお菓子を食べながら何気ない会話で笑ったりする
そんな、楽しい夢でした
でも目覚めはいつも通り――この寒い日が続くと中々布団から出ることができません
それでも、いつもとは違うのは……
ああ、そうか……カーテンから太陽の光が入ってきて、私の顔に当たっているのね
太陽の光?
……微睡みの中、私は枕元に置いてあるデジタルの目覚まし時計を手に取り――
「やっちゃった……」
午前1時にセットしておいたはずなのに、今日は寝過ごしてしまいました……
新聞配達は2時からなのに、8時起床……
誰も起こしてくれない……のは当然です
ワンルームマンションでの一人暮らし、誰が起こしてくれると言うのでしょうか……
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 14:39:29.02 ID:Kp1XfES10
紬「たくわん売りのバイトに行かなくっちゃ」
7 :
シラカワ書房 ◆x.Jp2cHnes :2011/01/10(月) 14:41:51.60 ID:D5cngJaG0
////| __ __
////| ´ `´ `丶、
////|/ /^ ⌒\ \
////| / / :/ ヽ \ \
////l// / / | 丶 \
////|/ / / | i | ヽ
////| 厶-- 、│ │ | i '
////l | /  ̄ ̄` | { :∧ | : | | |
////l | :/x≠=ミ. | 八 厶,! | | |
////| Y ん/ハ j/ ∨⌒| | : j / :!
////| リ 弋 .:ソ x=ミj∧ : / ,′
////| ,′ヽヽ ん/゚} }! . ://
////| ! ゝ.:ン |: / ,′ /
////|:│ ヽヽ / |/ / /
////|: |.\ ° ,イ ' / / 続きはないのかしら…
////|: |\_\___.. -<リ /i :∧
////|: | }v一'"´/ └{ :/: | }
////|: |/爪 / ヽ { | :∨
////l: :∨{}ハ. / \ ハ :レ{ 〈 {
////|ヽ {/|:::: ∨ /⌒〉 | 〉 \ i
////l 〉〉} |::::}:::} / / / ∧{ ∨
////| { | |:::ノ:ノ / / / ,.イ } ) :}
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 14:43:08.97 ID:KrHJC5Rv0
面白そうw
支援
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 14:53:31.24 ID:Cnj0pE2y0
何か梅図の漫画でそんなのあったよな。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 14:55:58.70 ID:vHUu5Yq40
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 14:56:35.90 ID:hOv5cbW+0
こんにちは、琴吹紬です
今朝、大遅刻をしてしまったこともあり、先週から始めた新聞配達のアルバイトをクビになってしまいました……
折角始めたアルバイトだったのに……
夕刊の配達後、もらった封筒の中には7日分のお給料が入っていました
2万5千円と明細書……だけ
他にも掛け持ちをしているので家賃など最低限の生活費の問題は無いけれど……
朝と夕、バイトとバイトの空いた時間にできるアルバイトとして新聞配達は丁度良かったのですが残念です……
「はあ……」
ため息が出てしまいます
日は若干伸びたとはいえ、吐く息は白く、まだ寒さはこれから……
寒い……
次のバイトまでは……大丈夫、まだ少しだけ時間あるし……
ポケットに入れている手の中には、先程のお給料が入った封筒――
たまには……温かいものでも買おうかな
私の大好きな――紅茶を
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 15:03:04.22 ID:hFmF/4Hc0
続けて 続けて
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 15:04:12.72 ID:sPX/VFDi0
面白そうだね 成人式行かなくて正解だったようだ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 15:05:35.15 ID:QjZstB5k0
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 15:09:50.00 ID:hOv5cbW+0
「ぃやしゃーせぇー」
コンビニに入ると、いつもの女性店員さんの声
私は目的の物を探します
……そう、私の大好きな『午後の紅茶』
これ以上美味しい紅茶を私は知りません
ホットドリンクのコーナーで見かけたそれを手に取ると、つい目がその隣に行ってしまいます
おにぎり、お弁当、サンドウィッチ、スイーツ……
どれも美味しそう……
その陳列されている食べ物たちを見ただけで、お腹がきゅるる、と小さな音を立てます
でも我慢です
次の清掃のバイトの後今日はその後に居酒屋のバイトが入っているんですから、それまで我慢、我慢……
私はぐっと堪えて、午後の紅茶と公共料金の払込用紙をレジに出しました
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 15:23:41.42 ID:hOv5cbW+0
今月は先月に比べると数百円ですが多い出費となってしまいました……
もっとガス代金を抑えないと駄目ですね
「あじゅじゅしたー」
コンビニから出るとまた冷たい冬の風が私を包みます
でも、手には温かい午後の紅茶
あったかあったかです♪
このまま紅茶で暖を取るのもいいのですが、それではせっかくの紅茶が冷めてしまう……
「んー……」
そうですよね、美味しいうちに飲もう
缶を開け、それを顔の前――口の前に持ってくると、やわらかな湯気と甘い香りが鼻を撫でます
でも――
その優しい時間はすぐさま冷たい風で吹き飛ばされてしまいました
もう少し、香りも楽しみたかったのに……少し残念……
でも缶を開けたら早く飲まないと全部冷めてしまいます
冷めないうちに、手から伝わるあたたかさを体の中へと入れるために紅茶を一口――
ああ……♪いいわぁ……♪
「……幸せ♪」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 15:23:50.26 ID:KbsAraM3i
支援
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 15:48:01.40 ID:hOv5cbW+0
「ただいまー」
暗く、昼間は誰もいない冷え切った部屋
返ってくる言葉なんてないけれど、この言葉だけは一日も欠かすことはありません
部屋の電気をつけると、私の体に疲れが一気に押し寄せてきます
アルバイトを全て終えて、家に帰ってきたのは――11時を過ぎた頃でした
私は即座にこたつの電源を入れ、羽織っていたコートを脱ぎます
今すぐにでも温かいお風呂に入りたい
だけどお風呂は勝手に用意されていることなんて、もちろんありません
お手伝いさんが居るような家なら……
きっと温かなお風呂も用意されていて
帰ってきたら部屋は既に暖かくて、おかえりなさいの声も返ってくるんですよね
……
「……そんな生活、夢のまた夢なのに」
私とは縁遠い話なのだけれど――今日の朝に見た夢があまりにも幸せだったから
今の私の現実と比べて――輝かしくて、満ち足りていた夢だったから
そんな夢の出来事を思い出しただけなのに……現実とは違う、夢の出来事なのに……
ほんの少しだけ、目頭が熱くなってしまいました
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 15:51:00.02 ID:ux9SuYoa0
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 16:20:23.88 ID:hOv5cbW+0
「――ねえムギちゃん」
投げかけられる声――『ムギちゃん』
私のあだ名、夢の中で呼ばれる、今が夢の中だということを教えてくれる言葉の一つです
そんなことを今冷静に考えられるなんて……今、私が見ている夢は明晰夢なのかもしれません
「ん?なぁに?」
呼ばれた声に、その夢の中の私は目を開けると、そこはどこかの学校の音楽室でした
私の通う学校とは違う、夢の中だけの音楽室
毎回同じ場所――だと思うその音楽室に、私は立っていました
「ムギちゃんは手、かじかんだりしないの?」
ギターを持った優しそうな声の女の子――
この子も夢によく出てくる子で、私は『唯ちゃん』と呼んでいます
「私、体温高いの」
「本当だ!ムギちゃんの手、あったかいね〜」
その女の子が私の手を取り、握ると――夢のなかなのに、なんだか手が暖かい気がします
そして私の片方の手元には――キーボード
キーボード……鍵盤楽器なんて、中学校の頃に少し触っただけなのに……
自分の夢なのに、わからないことが多すぎる夢
でも――本当に、本当にとても楽しい夢
最近は、こんな夢ばかり……起きた時に……悲しくなるような、夢ばかり……
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 16:34:22.36 ID:hOv5cbW+0
――……ああ、そっか
夢のなかで手が暖かったのは、こたつで寝ていたからみたい
時計を見ると次の日の午前1時でした
もう新聞配達のアルバイトに行く事もないのに、こんな時だけしっかり目が覚めるなんて……
折角楽しい夢を見ていたのに……ふわふわと浮かんでいるような時間の途中だったのに……
一度微睡んでしまうと、今からお風呂を用意して入る気力も体力も出ません
……寝よう
こたつの電源を落として、部屋の電気を消して――
私は部屋着のまま、用意したままの布団に潜り込みました
布団は冷たく、こたつで温まった私の体温を一気吸い込もうとします
「寒っ……」
体が寒くて一瞬震えます……でも、それでも、それ以上に私の体は疲れているみたい……
冷たいふとんの中……私の意識はその寒さを気にすることもせず――
また夢のなかへと、ゆっくりゆっくり落ちて――
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 16:40:16.62 ID:ux9SuYoa0
支援
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 16:43:09.46 ID:jygjWBYx0
ダメ人間だなー( ;∀;)
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 16:48:31.36 ID:0SvP62a00
つれぇ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 16:57:28.57 ID:hOv5cbW+0
「ねえ、琴吹さん」
「あ――」
――翌日
またあの夢を見てしまい、朝から憂鬱な日のお昼休み
その時間を利用して、紙で造花を作っている最中でした
急に肩を叩かれたから、手に持っていた紙が変な方向へ折り曲がっちゃった……
上手く行っていたのに……
「ご、ごめん……内職中邪魔しちゃって……」
「ううん、気にしないで……どうしたの?」
話しかけてきた人は――
……誰だろう?クラスメイトではない、知らない人でした
「折り入ってお願いがあるんだけど……琴吹さんって中学校の頃ピアノやっていたんでしょう?」
私と同じ中学校の誰かから聞いたのでしょうか?
自分の知らないところで噂が出ているのは……あまりいい気分ではないですけど……
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:00:46.50 ID:UtKK27KU0
久々に読む気にさせる出だし
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:01:47.51 ID:LKMHcAxd0
これは支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:02:36.66 ID:QcZtx9vAO
支援
せつねぇ…
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:10:11.03 ID:BUAW3iVN0
捨てる気で居たのに、捨てられなくなっちゃったじゃないか!!
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:16:31.63 ID:hOv5cbW+0
「ピアノって言っても、放課後に音楽室で少し触っていた程度だから……」
小さいころから習い事としてピアノを習っていたわけでもなく
どこかの部活に所属していたわけでもなく
ただ面白かったから――
綺麗で、大きくて、清らかな音を出すピアノが、好きだったから――
音楽の先生に無理を言って、時々放課後に触らせてもらっていただけ
「あれぇ……?聞いた話だと4歳の頃から習っていた、って……」
「ううん、習っていたことはないの……」
……どんなヒレが付いたらそんな話になるんでしょうか?
子供の頃から習い事、それもピアノなんて習わせてもらえるような事なんて……
でも……その噂から私を訪ねてきてくれたこの子の言葉が気になって――
「それで……私にお願いって、なんでしょうか?」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:33:08.56 ID:vABQgllS0
スレタイでクソわろた
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:37:24.05 ID:hOv5cbW+0
「琴吹さんに、ピアノを弾いて欲しいんだ」
……え?
「……ん?駄目?」
駄目って
駄目って言われても!
「駄目、って言われても、さっき言ったように私はあまりピアノを弾いたことが――」
「ううん、大丈夫!きっと!」
造花を持ったままの私の手を、その子は両手でぎゅう、っと握り締めてきました
――なんだろう
今日の夢でも、似たようなことが、あったような……
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:40:05.76 ID:hOv5cbW+0
「ピアノなら、他に上手く弾ける人がいるんじゃないでしょうか?」
「う……う〜ん、ん〜……」
それでも、その手を緩めようとしません
「でも……なんて言うんだろう?女の勘ってヤツ?」
「勘、ですか……ふふっ」
急に知らない私に話しかけてきた理由が『勘』だなんて……なんだか……ふふっ♪
可笑しい人です
「とーにーかーく!!とにかくだ!なんだか私もよくわかんないんだけどさ!私は、琴吹さんがいいんだ!」
――あれ?
おお、っと私の周りから上がる声
驚きの声というか冷やかすような声というか……
――でも、あれ?
あれ……??
なんだろう?なんでしょうか?この気持ち――
ドキドキする……?
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:42:47.69 ID:wAzgBrpA0
紬頑張れ!
こんなに応援したくなるss久しぶりだ。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:45:28.78 ID:+MDw286E0
支援
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 17:57:46.30 ID:hOv5cbW+0
夢を見ていたときと何処か似ているから――だから感じるのでしょうか?
何故か懐かしいような、忘れていたような、そんな感情
「お願いしまっす!!」
私の手を包んでいた手を離し、目の前でその左右両方の手のひらを合わせる女の子
見ず知らずの人に懇願されている……
ま、まわりの視線が恥ずかしい……
「えーっと……」
どうしよう……どうしたらいいのでしょうか
でも――
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:02:52.77 ID:hOv5cbW+0
『ピアノ』という言葉を聞いてから――
夢の中の『鍵盤楽器』と、それが重なって――
とくん、とくんと――
何か、期待をしてしまうような、そんな気持ちが胸を高鳴らせています
上手いかどうかはわからないけれど――
期待に添えるかわからないけれど――
でも、ピアノは――好きだったから
ううん、好きだから――
「いいですよ、私でよければ」
「!! ホント!?」
「ええ、本当です」
「い――いやったぁあああ!!!!!」
その子はまた私の手を素早く握ると、満面の笑みを浮かべて喜んでくれました
こんなに喜んでもらえると、私まですごく嬉しくなります
「でも――ひとつだけ、私からもお願いがあります」
「ん?何?何でも聞く聞く!!」
「この造花今週中に2000個作らないといけないので――来週でもいいですか?」
いやっほおおおおおおおおい
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:12:34.97 ID:QcZtx9vAO
し
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:15:20.41 ID:hOv5cbW+0
翌々日――
「ごめんなさい……」
私は、その女の子に誤りました
「いいって、いいって!気にしないでよ」
それでも、その子はいつも笑顔で笑ってくれます
「でも――」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:29:14.06 ID:Cnj0pE2y0
紬ちゃんまじ天使
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:32:36.38 ID:hOv5cbW+0
「――1500個も、しかも2日で作ってもらって……」
今週いっぱいはかかると思っていた造花2000個でしたが
今日――あの約束をしてから二日後に、全て終わってしまいました
「結局、私のほうが色々やってもらったみたいになっちゃって……ごめんなさい」
「だーかーらー!いいってば!私だって無理を押し付けたんだし、全然これくらい当然よ!」
私が作ったのは結局500個だけ……
かなりの数を作ってもらったので、バイトの終わったあと徹夜をして作る、なんてこともなく――
「本当に、本当に助かりました」
「私も来週まで待たなくて済んだしね」
――今も、本当は造花作りをするために空けていた放課後の時間でしたが
その造花作りも終わっているので、その予定は無くなり――
――といっても、次のバイトがあるので夕方までの僅かな時間だけれど
二人で、音楽室に行くことができるのです
そう……ピアノを弾くことができる――
ずっと、ずっと忙しい毎日だったから――こんな感覚は、久しぶりです
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:34:40.52 ID:KAt7WbNY0
うぐぐ
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 18:56:58.04 ID:hOv5cbW+0
「それと……後でお給料貰ったら、ちゃんと渡すからね」
造花作りと言っても、お仕事です
しかも本来受け持っている私より多く作ってもらったので、当然です
「え……いや、まあ暇な時にやってもらった……じゃない、やったから別にい――」
「だめです!!」
「そ、そんなに大きな声出さなくても……でも、お金貰いたくてやったワケじゃあ」
お金にはシビアにならないと駄目です!特に――
「駄目なんです!!貸し借りなんて、作ってはいけないんじゃないでしょうか!!」
「そ、そんなに怒らなくても!!わ、わかった、じゃあしっかり貰う!貰います!!」
――これから、友達になるかもしれない人との間には
「じゃあ給料の配分は私と琴吹さんで、7:3で――」
「もちろんいいですよ♪」
「――って!冗談だよ冗談!!仕事の量を考えても、私は3/4以上貰わないから!」
「そう?それじゃあ私が1/4で、えっと……」
その子の顔を見ながら……肝心なことをまだ聞いていないことに気が付きました
向こうから話しかけられるばかりだったから――
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:02:53.32 ID:BUAW3iVN0
ムギちゃんマジ琴吹
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:05:44.22 ID:hOv5cbW+0
「ん……?あ!あれ?……もしかして私、まだ名前言っていなかったっけ!?」
会話の変な区切りで固まっていた私に気が付き
さらにその理由にも気がついてくれたその子
それに私は頷きます
「いやーゴメンゴメン!私の方だけが名前知ってたみたいでついうっかり……ははは♪」
頭をかきながらはにかむ笑顔を見たら、なんだか何でも許せそうな気がしてきます
「遅れたけど、琴吹さんのとなりのクラスの――」
太陽――とは表現が大雑把で陳腐かもしれません
でも、私の知っている人の中で、その笑顔は一番明るく、輝いていました
その太陽のような笑顔で笑うと、私に向けて手を差し出してきました
「――田井中、律でっす!改めてよろしくね!」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:11:03.44 ID:db3+pz1C0
りっちゃんマジ天使
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:12:08.60 ID:BUAW3iVN0
りっちゃんのイケメンっぷりに全俺が涙
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:13:22.41 ID:hOv5cbW+0
和「そうなんだ、じゃあ私休憩するね」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:23:58.54 ID:wAzgBrpA0
えっ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:28:59.21 ID:db3+pz1C0
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 19:31:25.24 ID:xkZkO8WR0
えっ
デコの時点で読む気がなくなった
それはざんねんだったねー
支援
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 20:37:01.34 ID:hFmF/4Hc0
沢庵和尚にぐっとくる日が来るとは
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 21:01:22.02 ID:hOv5cbW+0
「――失礼しまーす」
外から見たら、誰も居ないのは分かっているけれど
いつもの通過儀礼の様に田井中さんは断りを入れてから音楽室の扉を開きました
放課後の音楽室
だれもいない、静かな音楽室でした
「ラッキー♪普段は軽音楽部の連中がずっと使っててさー、中々放課後使えないんだよね」
田井中さんは目的の物――ピアノの側に近寄り、鍵を開けます
そしてその蓋を開けると、白と黒、88の鍵盤が顔を出します
「田井中さんは軽音楽部じゃないの?」
さっき――音楽室に来る前には、中学校の頃からドラムをやっていた、って言っていたけれど……
私はてっきり、田井中さんは軽音楽部に所属しているのかと思っていました
「んー、この学校の軽音楽部ってさ、何って言うのかな?他の人を寄せ付けない、って言うか、どうも、ねぇ……」
なんか入りづらいんだよ、と苦笑いする田井中さん
「だから私は今は、違う学校の人たちと外バンやってるんだよ」
「俺文うまいだろwwww」気取りな感じがうざい。
内容も面白くないしゴテゴテしすぎ。
こういうスレは台詞だけでおk
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 21:10:45.74 ID:db3+pz1C0
俺は紫煙する
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 21:11:08.93 ID:QjZstB5k0
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 21:14:29.35 ID:hOv5cbW+0
「まあ、今回琴吹さんに頼んだのも、そのバンドに関係することなんだけど――」
バンドに関係すること?私がピアノを弾くことが……?
田井中さんは持ってきたスポーツバッグを開けて何かを探して――
「――あ、あったあった!忘れたかと思ったよ」
そこから出したのは、クリアファイル――そしてそこには何枚か、紙が挟んでありました
「そのバンドのメンバーの一人が作った曲を、ピアノで弾いて欲しくってさ」
そして私の前に差し出されたクリアファイル
中に入っている紙を取り出し、ぱらぱらと捲ります
それは……楽譜でした
綺麗に印刷されていて、既に歌詞も書きこまれている、ピアノパートの楽譜
「で、その曲がコレってわけ」
私はその楽譜をもう一度、今度は楽譜に書いてある音をイメージしながら目を通します――
>>60 ニコ厨乙
せいぜいミルキィホームズをたのしんでな
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 21:27:04.06 ID:hOv5cbW+0
「――で、どう?弾けそう?」
私が全て見終わるのを確認し、最後のページを閉じるのと同時でした
正直な話――
「……とりあえず、頑張って弾いてみます」
――難しい、と思いました
最後にまともにピアノと向き合ったのだって、中学校の頃、それも受験が始まる前――
もうどれくらい前になるのでしょうか……
でも意外と好き好んで学んだ物というのは忘れないものですね
楽譜だけは読めます
だから、それが――ただ趣味で、それも独学で弾いていた私には難しいというのも
分からないなりに分かります
楽譜立てにその楽譜をセットして――
「んじゃ、琴吹さん、お願い!」
田井中さん一人とは言っても、演奏していたのは今までほとんど一人……人前で演奏するのはやっぱり緊張します
軽く、深呼吸して――
「それでは……行きます!」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 21:34:21.33 ID:hOv5cbW+0
――
辿々しいながらも、一応最後まで通して弾けました
所々おかしな場所もあったけれど……
……何故か、弾けました
初めて見た曲なのに、久しぶりに触るピアノなのに
指が次の鍵盤を求め、弾き、また求めて、弾き――
自分でも驚きです
夢はおぼていないことの方が多いと言うけれど
私は夢のなかで毎回鍵盤を弾いていたのでしょうか
「……ど、どうでしょう?」
近くで聞いていた田井中さんに意見を求めますが――
「…………え?あ、う、うん」
何故か、その評定は曇っていて……悩んでいるように見えて――
文章下手な奴ってやたら……とか――多用するよね
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 21:43:34.80 ID:hOv5cbW+0
「だ、駄目ですか?」
やっぱり、自分では弾けたと思っても、他の人、特に普段から音楽に触れている人からすると
まだ全然素人レベルで聞けた物ではなかったのかもしれません
でもまあ、本当に素人なんですけれどね……
「いやいやいやいや、全然駄目じゃない、駄目じゃないんだよ」
「ごめんなさい、期待に添えなくて……」
駄目でなくとも、表情を見ればなんとなくですが良い評価でないのは分かります……
「いやだから駄目じゃないんだよ、なんだろう……」
田井中さんはその悩んだままの表情で何か言葉を探しているようでした
「私も、聞いたのは初めてなんだけれど……琴吹さんのピアノがこの曲のイメージにぴったり合いすぎなのよ」
貧乏、薄幸ジャンルだけで支援に値する
こっちの人生と、あっちの人生
どちらが夢なのか
支援
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 22:04:49.84 ID:hOv5cbW+0
イメージにぴったり、というのは褒め言葉として受け止めていいのでしょうか
ただ、田井中さんの表情は眉間にシワを寄せる――までは行かなくとも、すごく悩んでいるような顔でした
「んー、なんかここまでとは思っていなかったよ」
私の勘もなかなか冴えているのかも、と田井中さん
「そうだ、琴吹さん、一度私のバンドメンバーにもそのピアノ聴かせてもらってもいいかな?」
「……え?でも――」
唐突に……何を言い出すのでしょうか
他の人に、聴かせる?約束はここでピアノを弾くだけじゃないの?
「駄目?もし弾いてくれるのなら、造花の3000や4000、手伝ってあげるけど……」
また――
「そ、それは……私のお仕事ですから、これ以上田井中さんに手伝ってもらうわけには行きません……」
また――胸がとくん、と音を立てます
自分の言葉とは、考えている事とは、逆に――
でも、言葉では現れない、心の奥にあるものが、とくん、とくんと胸を鳴らします
「だから、だから――」
なんだろう?この感情、この気持ち……夢の中、微睡みの中で見る幸せに近い感覚
それが私の胸をとくんとくんと弾いて、鳴らすから――
「――手伝ってもらわなくてもいいです!私、そのバンドの人のところに行って、ピアノ弾きます!」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 22:10:28.87 ID:uxPCN2ZU0
ハッピーになれそうなので支援
でも多分鬱エンドなんだろうな
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 22:20:27.00 ID:jOd5vXfm0
むぎゅううううううううううううううううううううううううう
支援
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 22:21:13.86 ID:7uIleku60
んなわけない・・・
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 22:24:54.67 ID:hOv5cbW+0
「よっしゃ!ありがと琴吹さん!」
それに――田井中さんのこの笑顔を見ると、断れません
「それで、いつなら大丈夫?今日この後は……バイトあるんだっけ?」
「はい、今日はちょっと……5時から駅前のMAXバーガーのバイト入っているので……」
そして今日はその後、9時からは居酒屋のバイトで――
また家に帰ってくるのは11時を過ぎですね……
「んじゃあ、明日の放課後は?」
明日の放課後……明日は水曜日だから――
「4時頃からスーパーのバイトがあるんです……」
その後はコンビニでアルバイトだから……明日も夕食は買う必要無いかな?
「それじゃあ明後日!」
「明後日は……ちょっと待ってね」
私はポケットに入っている手帳を取り出して予定を確認すると……
「ごめんなさい……月に一度の交通調査のバイトがあるの……」
「おお……琴吹さんって、バイト幾つやっているの……?」
……数えたこと、ない気がします
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 22:40:05.08 ID:hOv5cbW+0
「おはようございまーす♪」
「おはようございます――琴吹さん、今日はやけにごきげんじゃない、何か良い事でもあったの?」
MAXバーガーのスタッフ控え室に入ると、休憩中の星野さんがいました
「はい♪学校の友だちと、今度遊ぶ約束をしたんです♪」
放課後、田井中さ――じゃなかった、律さんでいい、って帰り際に言っていたんだっけ
結局、私の予定が唯一開いていた金曜日の夕方にその律さんのバンドメンバーの人と合うことになりました
「それってもしかして――男の子と?」
「ううん、女の子の友達ですよ」
そういえば……約束をした律さんは女の子だけれど
バンドのメンバーの人は男の人なのかな?
「なぁんだ、すごく喜んでいるみたいだから、好きな男の子と一緒に遊ぶのかと思ったのに
でもよかったね、琴吹さん」
「はい♪あ、でも星野さん――私、そんなに喜んでいますか?」
「ええ、だっていつもの琴吹さん、制服を着る前から仕事の鬼、って表情だもの」
仕事への情熱だけならいつもの琴吹さんに私は簡単に負けちゃうわ、と星野さん
「今日の琴吹さんはすごく楽しそうよ、だからプライベートで何か良い事でもあったのかな?と思ってね」
でも……気が付きませんでした……そんなに私、普段は険しい表情をしていたのでしょうか
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:00:24.93 ID:hOv5cbW+0
「ただいまー」
今日も帰りは11時、暗く寒い部屋の電気を付け、ブーツを脱ぎます
こたつの電源を入れ、羽織っていたコートを脱いで、かけて
――洗面台へと向かいます
バイト先の居酒屋の社員さんがインフルエンザにかかったらしく今日一日休んでいました
だからいつもより入念に、しっかりと
もっと早いうちに予防接種も受けていた方がよかったかもしれない――
でもそんな時間もお金の余裕も私にはありません
「はあ……」
自分でもはっきりと分かるため息
その溜息をつく姿を、目の前の鏡に映った姿を見て――
私は、星野さんに言われた言葉を思い出します
仕事の、鬼
今日の琴吹さんはすごく楽しそうよ、か……
今の私は――どちらの顔なんだろう?
鏡に映った私の姿は、私で、私だから、私自身には……その違いが分かりませんでした
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:06:51.16 ID:hOv5cbW+0
学校、バイトバイト、学校、バイトバイトバイト、そして学校――
いつも通りの繰り返し
バイト先と学校、そして自分の家で寝る僅かな時間の繰り返し
でもこれからの時間は、その繰り返しの中には無い予定です
金曜日の午後、私は授業が終わると同時にとなりのクラスの律さんの所へ向かいました
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:19:48.91 ID:wAzgBrpA0
なぜか鬱展開の予感
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:30:46.25 ID:hOv5cbW+0
バスに揺られながら、私は合流した律さんと目的の場所へ向かっていました
今から行くのは律さんのバンドメンバーが通っている高校だそうです
そこの音楽室を、今日一日だけ貸してもらえるみたい
……そこまでしてもらって良いのでしょうか?
「でもさ、他にピアノ置いてある場所なんて楽器屋かウチの学校だけじゃん
それに今日は軽音楽部の人たちが使うみたいだから、ウチの学校の音楽室は使えないし……」
楽器屋は……買わないのに、弾くだけだなんて少し気が引けてしまいますし……
それに、多分ここの場所で楽器屋と言えば、あの商店街の楽器屋ですよね
あそこのお店、アルバイトの面接で一度落とされているので……あまり行きたくなかったりします
だから都合が良いといえば良いのですが
「でも……他の学校の生徒が入っても大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫、そのためにほら、これだよ、こ・れ!」
鞄――学校で必要な物が入っている鞄とは別の、もう一つの大きな鞄をぽんぽん、と叩く律さん
「高校指定のジャージを2着、その学校の子から借りてきてあるからね!これ着ていけば大丈夫!」
自信満々、笑顔の律さんですが……本当に、そんなことで入れるのでしょうか……?
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:38:16.35 ID:xkZkO8WR0
支援
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:41:35.97 ID:wAzgBrpA0
鬱展開にならなそうでなにより
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:43:50.23 ID:tHXkbzrIO
金がなくてもムギちゃん可愛いな
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:46:16.02 ID:hOv5cbW+0
「……ね?余裕じゃん」
近くのコンビニで制服からジャージに着替えた時には
店員さんから不思議そうな目で見られていた気もします
でも――
「入れるんだね……こんな簡単に……」
あっさりと、入ることができました
他の生徒ともすれ違うことも無く……
「私と紬の普段の行いがいいからだね――よっ、と」
律さんは昇降口で脱いだ靴を下駄箱の上へ、隠すように置きます
私もそれに習い、脱いだ靴を上へと置いて
「……上履き履いていないけど、まあ足元までは見ないだろ」
「だ、大丈夫かな?」
胸がとくん、とくんと、そして手も、体も、ぴりぴりと緊張しているような感覚
……ちょっと悪い事――不法侵入になるのでしょうか?――をしているからかもしれません
でも――
やっぱり、この感覚は、この胸が高鳴り、ふわふわした感覚は……すごく、すごく『楽しい』からなのかもしれません
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:56:49.91 ID:HF7nEofKi
最大限の支援
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/10(月) 23:59:43.96 ID:JYY77Sh10
ふわふわ支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 00:00:01.86 ID:y0sYSai0P
いつ「りっちゃん」になるのかやきもきするな
呼び方変わるのは良いフラグ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 00:03:24.61 ID:3YBGewB10
「――っはぁ……な、なんか緊張したー!!」
「わ、私も……途中でばれたかと思った……」
階段を登り、やっと音楽室の扉が見えたところで私たちは黙っていた声を――
止めていた息を吐き出すように、胸から吐き出しました
お化け屋敷に入った時、肝試しをした時、そんな感覚に近い、スリルと楽しさが入り交じった感覚――
それが今、やっとゴールが見えて安堵してため息を出す、そんな感覚でした
「あれ、絶対同じ学年の生徒だよ……!私たちのこと二度見してたし……」
階段を登っていると、数人ですが生徒とすれ違いました
特に気にされることもありませんでしたが、一人だけ……
私たちと同じジャージを着た人に、まじまじと顔を見られてしまいました
「見かけたことの無い顔、って気がついたのかな?」
「大丈夫だろ!私だって髪下ろして目も隠しているし!でもさ、なんかさ――」
律さんの顔、目がキラキラ光っていて、頬も少し赤くて――
「――すっ…………ごく、楽しかったぁ!!」
――いつもの笑顔とはまた違う、満足そうな笑顔でした
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 00:20:51.58 ID:3YBGewB10
「さぁて、と……」
そしてまた僅かな緊張
目の前にある音楽室の扉――
「これで音楽室のとびらを開けて、全く知らない人たちがいる、なんて事もあるわけで……」
「そ、そしたらどうしよう?すぐ逃げる準備していたほうがいいかな?」
――本当の目的はまだこの先
律さんのバンドの人たちに会う、その目的を果たすために来たんですから
「な、なんかさ、知らないところの扉を開けるのって緊張するな……」
「う、うん……でも、メールだと、今日はここにずっと居るって言っていたんだよね」
「まあ、たしかにそう言っていたから大丈夫なんだろうけど……」
この学校って、先生が居ると迂闊に携帯を使えないらしいんだ、と律さん
私たちの学校は――先生も黙認しているようなものだから意外と簡単に使えるんだけれど……
やっぱり校風が違えば生徒も先生も違うということでしょうか
「よっし……んじゃ、いくぞ……ってちょっと緊張しすぎているか?私たち……」
ノックしようとした手を一旦引っ込めて、律さんは大きく深呼吸――
うん、私も、胸の高鳴りを抑えるためにも、深呼吸しましょう
すぅ――
「ん?そこの人、何か音楽室に何か用?」
「――んぶふぁあ!?」
背後から聞こえたその声で――心臓が跳ね上がり、口から飛び出るんじゃないかと思いました
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 00:31:14.42 ID:VSmtSNm10
支援
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 00:43:44.12 ID:3YBGewB10
「わ、わたわたしたちはその、その――」
心臓が今までにないくらい、ばくんばくんと鼓動を打ちます
バレた?どうしよう?どうしよう?律さんは?り、律さんは?
「あ、ああ……な、なんだよ……――」
――あれ?
わ、私とは違って――ううん、同じように驚いてはいたけれど、その表情は、安堵しているような……
「――私が……ははは……澪に驚かされるなんて……!こりゃ明日は大雪か?」
……??
「律が勝手に驚いただけだろ!何音楽室の前でこそこそやってるんだよ……」
「てか澪も音楽室に居るんじゃなかったのかよ!?」
「お手洗いくらい行ったっていいだろ!!っていうか、よくそんな挙動不審でここまでバレずに来れたな……」
えっと……
「あのー、律さん?その――」
なんとなくだけれど……律さんの喋り方を聞いているのと、落ち着いてきたこともあって分かってはきているんだけれど――
「あ、ああ……ほら、これが私の言っていたバンドのメンバーの……ほら、自己紹介!」
「これって酷い言い方だな……え、えっと……その――」
窓から挿し込む逆光で煌く、黒くて長い髪――階段の下で綺麗に立つその女の子は、少し恥ずかしそうに――私と視線を合わせました
「――秋山澪です、律からは話を聞いたよ琴吹紬さん」
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 00:47:00.21 ID:3YBGewB10
和「そうなんだ、じゃあ私休憩するね」
早めに戻ってきてくれないと死んじゃうから!
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 01:00:34.80 ID:H/cwia5c0
スレタイのインパクトが凄すぎてどうやっても出落ちになってしまう哀れなスレ
95 :
以下、名無しにかわりまして、VIPがお送りします:2011/01/11(火) 01:25:41.62 ID:OE0K0DWv0
hoshu
最後まで見たいんだけど明日までのこってっかな
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 01:50:35.05 ID:x4fMq6ec0
スレタイでわろたwwwww
出オチかと思って開いてみたらまさかのwktk
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 02:09:39.49 ID:3YBGewB10
「それじゃあ立ち話もなんだし、音楽室に入ってゆっくりピアノを聴くことにしよう」
「ここ律の学校じゃないんだけど!それどっちかといえば私が言う言葉!」
階段を上がってくる澪さんを見ると――スタイルも、体の線もすごく綺麗……
つい見惚れてしまいます――髪の毛も、そのスタイルも、羨ましいくらいに綺麗だから……
「ん?ああ、昔から律はこんな感じでさ……琴吹さんも大変でしょう?」
私が見惚れていたこととはまた違う言葉が返ってきましたが
ああ、だから――少しだけ納得しました
「まあ、こんな馬鹿だけど――それなりにいい奴だからさ」
「ばっ……私馬鹿じゃねえよ!!てか何か?澪しゃんの気に障ることしました?なんかいつもより扱い酷くない?」
「馬鹿だろ、律のばーか!馬鹿だから受験でここ落ちたんだろ!」
「ひ、人が気にしていることを……!!この子はまあ言ってくれるじゃないの……!!」
澪さんって……結構歯に衣を着せぬ人なんでしょうか……?
でも――なんだろう
こんな姿の律さんを見ていると――律さんと澪さんの会話を聞いていると……ちょっとだけ二人の関係が羨ましい
「本当のことだろ!折角受験の時勉強教えてあげたのに……!
馬鹿じゃないって言うのなら、早くこっちの学校に来い!」
「無茶言うな!!もう一年以上前に他の学校に入学してるんだよ!!」
でも――これは喧嘩じゃあ……ないよね?それとも、止めたほうが、いいのでしょうか?
「編入しろよ!転校してくればいいだろ!!」
「気軽に言うなよ!!こっちはこっちの事情があるんだよ!したくても簡単にできるわけないだろ!!」
「うるさいですよ!!誰ですか騒いでいるのは!?音楽室の前で騒がないでください!!」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 02:22:04.49 ID:3YBGewB10
私が止めようか止めまいか二人の間で悩んでいると、その会話を打ち破るように音楽室の扉が開き――
扉を開けた女の子のものしょうか?その声が二人の会話(喧嘩?)を中断させました
「やっぱり、先輩達ですか……」
「あ、ああ……ごめん……」
「ごめん、つい……でも、どっちかといえばこれ、澪が――」
「律先輩もです!!どっちもどっちです!!全く!」
二人のことを『先輩』と呼ぶということは――この子は1年生?
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 02:27:07.64 ID:+Y4fPNsi0
みくる極貧SSを思い出すな
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 02:40:34.27 ID:gxuhEpxX0
試演
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 02:48:45.97 ID:3YBGewB10
律さんのバンドのメンバーは3人だそうです
ドラムの律さん
ベースの澪さん
そして――
「遅れましたが、私、中野梓です、澪先輩の後輩で今このバンドのギターやってます」
先程、二人の会話を止めた一年生――ギターの中野梓さん
この3人が……えっと……
えーっと……
「ご、ごめんなさい、バンド名、もう一度だけ……教えてもらっていい?」
覚えていない私も悪いのだけれど――
律さんと梓さんはさっきから『このバンド』としか言ってくれません
さっき澪さんからバンドの名前を聞いたのですが……
「えーっと……ほら、梓、紬に教えてやってくれよ」
「そ、その……あ、ここはやっぱり澪先輩が」
「なんでバンド名くらい言えないんだよ……二人とも良いって言ってくれたじゃないか!!」
「いや、それは多数決で2体1で決まったことだから!梓は賛成してたけど、私は良いなんて一言も言っていない!」
「なんだよ今更!そんなに『ちょこれーと☆めろでぃ』って名前嫌なのかよ!」
あ、今バンド名言ってくれた気が――
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 02:54:39.00 ID:Mye/P2ap0
靴の裏のガム
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 02:54:50.31 ID:3YBGewB10
「紬、今聞いた?今澪が言っただろ?今のがうちのバンドの名前だからさ
……まあ、記憶の片隅にでも、こっそり置いておいて」
「は、はい……」
澪さんって……
前に律さんから渡された楽譜に乗っていた歌詞を見たときに少し思ったことだけど――
「うーん……やっぱり『ぴゅあ☆ぴゅあ』の方がよかったかな?梓もやっぱり『ぴゅあ☆ぴゅあ』?」
「えーっと……その、どちらでも構いません……澪先輩の好きな方でいいです」
さっきは歯に衣を着せぬ、ズバズバ言うちょっときつい人かと思ったけれど――
すごく――可愛い人?
さすがにちょこれーと☆めろでぃはないわぁ…
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 02:56:28.49 ID:3YBGewB10
和「そうなんだ、じゃあ私寝室行くね」
お…おやすみ…
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 03:11:00.00 ID:EgOC7IUP0
おやすみー
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 04:08:41.72 ID:RoRLk5ja0
ほ
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 04:19:17.17 ID:ee63kKtE0
し
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 05:04:20.62 ID:DhaR7YmPO
寝る前にほし
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 06:12:15.81 ID:I2TejNzC0
のどかちゃんねちゃったよw
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 06:46:44.55 ID:u7OIoa7s0
ほっしゅう
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 07:26:42.33 ID:2xLQeBx+0
しかし夢と違い、現実には唯という存在はいなかった。バンドもなんだかうまくいかない。イライラが募る日々。
そんなある日、紬は暇潰しにと入った狭い音楽準備室で、山積みになったダンボールに隠された大きな“穴”を発見する・・・。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 08:58:50.67 ID:9KVlgI910
ほ
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 09:38:45.35 ID:RoRLk5ja0
ムギちゃん大好き
ほ
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 11:39:39.66 ID:oIewYOEG0
和ちゃん早く起きて
皆待ってるよ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 12:14:17.80 ID:5Rj8XZKdP
のどのどマジでのどのど
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 12:36:42.19 ID:JqDR0tGr0
和ちゃん寝過ぎ
保守
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 13:23:53.71 ID:+xU4eLT90
むぎちゃ〜ん!!!
ムギュウウウウウウ
123 :
名無しさん@十一周年:2011/01/11(火) 13:58:54.52 ID:7Eb6U5/g0
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 14:50:33.99 ID:1ZwWQdps0
ほ
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 15:14:45.01 ID:k93rQ65U0
h
i
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 16:59:29.31 ID:1ZwWQdps0
☆
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 17:04:46.63 ID:+Y4fPNsi0
>>123 ぷん太で読んだ気がするんだがタイトルが出てこない
長門極貧も多分読んだことある。喜緑が成金なやつだよな
ああいうノリじゃなくて、ぐっとシリアスなやつだった、みくるのは
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 17:08:52.85 ID:+Y4fPNsi0
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 17:31:12.79 ID:wVE745wt0
まだか
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 17:32:17.84 ID:k93rQ65U0
ほ
げ
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 17:49:36.17 ID:zjXL2t5Pi
>>130 あー、こんなのあったなあ懐かしい
と思いつつ読んだら悲しくなったわ……
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 18:02:25.30 ID:DhaR7YmPO
保守
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 18:39:48.98 ID:/yMi/LyS0
期待
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 19:05:00.53 ID:WmUh3KkU0
期待age
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 19:29:46.05 ID:JqDR0tGr0
わちゃんまじわちゃん
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 19:41:43.12 ID:2IjSXnPl0
和ちゃーん 俺だー 起きてくれー!
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 20:14:15.49 ID:+q9mFLtg0
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 20:24:09.58 ID:L8F2N5N60
/ / / | \ \
/ / / i| \ ヽ
/ / ハ | \. ハ '.
l | /∧│ \丶 │ |
| | | │ く\八 | >、 | | |
| | | │| / \_)\ く/\ | |
_人._ / | | | │|// \| リ │ むぎヴォー
`Y´ 〃 ノ 八| V〃 ー tッ ,゙ r‐tッ‐ァ.V/
{{. / { │ 小` ー '´ `'ー ´ ハ| ′
// 人 (| │⊂⊃ , ⊂⊃ ′ //
// / /ヽ| │ |//
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. / /} / r< ̄⌒| | 丶、 . イ │ |
┼ { 乂 / ̄ \'⌒ | |\ > . __, < ノl | │ 人
∨/ / 丶'⌒| | 丶、 ∧ 「`\│ |─< >─
/ | ヽ八 | > /ノ | ヽ 八 `Y´
{ | \\\. |/⌒⌒Y\ ノ'⌒⌒∨ } │
純イケメンだな
ところで純ってなんでモップっていわれるようになったの?
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 20:37:32.40 ID:Q1g/6ZZy0
梓のゴキブリみたいに、アニメ板あたりで誰かが言い出したのが流行ったんだろう
そうか公式でなにかあったわけじゃないのね
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 20:59:57.62 ID:jitiWml20
>>148 むぎのたくあんみたいに公式であったのかってことだろ
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 21:02:42.99 ID:ly2da1wq0
>>149 おい待て
「純ちゃんのモップ 2980円」
売れるじゃねーかこんちくしょー
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 21:07:40.02 ID:KVP3EKdG0
warota
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 21:32:55.18 ID:3YBGewB10
「うーん、やっぱり『ポップコーンハネムーン』も良いなあ……」
さっきから可愛い単語ばかり口から出てくる澪さん
なんというか……さっき階段で見たときの綺麗な雰囲気とのギャップが……
梓さんの表情も少し困り気味です
「もういい、もういいよ澪、ポップコーンでもチョコレートでもマシュマロでもいい……」
「いや、バンド名って重要だと思うぞ?それだけでそのバンドの音楽性が問われたりするじゃないか」
「それなら尚更だよ!!なんでもっと真面目に考えろって!」
「な……真面目だよ!『ぴゅあ☆ぴゅあ』も『ちょこれーと☆めろでぃ』もすごくかわいいじゃないか!!」
「それで真面目かよ!!!」
「私は真面目だよ!!」
……また、二人の掛け合いが始まるのかな?
「……先輩、今日は紬先輩に頼みごとがあるんじゃないんですか?」
梓さん、ありがとう
二人の会話は楽しいけれど、実は結構時間が押しているの……
壁にかけてある時計を見ると、ここをあと30分後には出ないとバイトに間に合わなくなってしまいます
……また遅刻をしてクビ――にならなくても、お給料が減らされるのだけは避けたい……
和ちゃんおかえり
キタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 21:39:28.60 ID:AKuXn1WP0
みてるよ
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 21:51:54.08 ID:3YBGewB10
「ああ、紬さんごめん……この後予定あるんだよね」
「うん……来て早々ごめんなさい……今日は夕方からレストランのバイトがあるの」
そしてその後はいつもの居酒屋……
なんだろう……その事を思い出しただけなのに
さっきまで高揚していた気分が、一気に冷めていきます……
「まったく、紬は忙しいんだぞ?澪がわた――」
「律先輩!!」
「まだ何も言っていないんだけど!?」
「何か言おうとしました!おんなじです!!もっと時間足りなくするつもりですか!」
「わかった、わかったよ……」
時間が迫ってきいるので私の中で急いでいる部分もあります
だけど……いつもならバイト優先で過ごしていたのに……
でも――今は、ここの場所から、離れたくない
慣れない場所、違う学校なのに
ここに来てからまだ数十分しか経っていないのに……
すごく、この場所、この空間が心地良く感じます
律さんと澪さん、そして梓さんと一緒に居ることができるこの場所から、離れたくない……
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 22:13:22.58 ID:3YBGewB10
でも、これは多分一過性のもの
新しい場所でバイトを始めた頃にも、よくあることです
今は……もうほとんどそんな気分にはならないけれど――
――バイトを始めた頃、行く前にはいつもこんな気持ちになっていた気がします
放課後、部活に明け暮れたり
帰宅部の人だって、商店街で遊んでいる姿を見ていたり
そんな中、私は学校にアルバイトの許可を貰い
放課後に履歴書を書いて、面接、面接――
友達が部活で汗を流している頃――
私は工場で品物をダンボールに詰めていて
友達が放課後に商店街でクレープを片手に気の合う仲間と帰っている頃――
私はファストフード店でポテトを揚げていて
友達がゴールデンタイムのバラエティ番組を見ている頃――
私はスーパーで無我夢中にレジを弾いていて
友達がお風呂に入っている頃――
私は居酒屋でお刺身をお皿に盛っていて
――私が楽しいと思えたことなんて……何かあったのでしょうか?
その答えが即座に出てくるほど、私は楽しい出来事を覚えていません
楽しい事があったのかすら疑問になります
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 22:24:03.17 ID:DhaR7YmPO
支援
ムギちゃん…
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 22:24:22.97 ID:AUtf4gh10
無職の俺が凄い居た堪れなくなってきた…。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 22:30:38.48 ID:Ug+x9AzWO
嫁においで
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 22:32:25.90 ID:3YBGewB10
ただひたすら働いて、働いて……
唯一、友達と接点を持つことが出来る学校では……疲れ果て、寝ているばかり
そんな事では……友達だって疎遠になってしまいます……
バイトで予定が合わず、断った約束なんて……数えるのも馬鹿馬鹿しい
でも……あるとすればひとつ……
家で寝ているとき、学校で寝てしまったとき
寝ている僅かな時間の中で見る――楽しい、夢
「――むぎ?」
え……?
「……つむぎ?紬?」
「え、ああ、何ですか?律さん?」
「だ、大丈夫……?何度も呼んでも返事してくれないからどうしたかと思ったよ……?」
律さんに名前を何度も呼ばれていた……だけみたい
「大丈夫か……?下むいたまま黙って……気分、悪くなったのか?」
「う、ううん、大丈夫!律さんごめんなさい、ちょっとだけ考え事してたから……」
こんな時に何考えているんだろう、私……
今この時間は――律さん達と一緒に過ごせるこの時間はとても楽しいのに……
こんなことだと、せっかくの楽しい時間も楽しめなくなってしまいます
今は、今を、もっと楽しみましょう――
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 22:57:18.36 ID:3YBGewB10
「……本当に、大丈夫か?」
その声、私を見る律さんの目――本当に私の事を心配してくれているようでした
……こんなに真剣に『大丈夫?』なんて、言われたのは――
律さん以外に言われたのは……どれくらい前になるんだろう?
だから、私は極力明るい声と笑顔で――
「うん、大丈夫!大丈夫!」
――と、律さんに応えると
「んー、それならいいけどさ!心配するじゃん!」
律さんの表情も明るくなり、いつも通りの笑顔を私に向けてくれました
「んでさ、紬、前に渡したあの楽譜の曲だけど、早速弾いてもらってもいいかな?」
今日私がここに来た理由、一番の目的です
「はい、あ……でも――」
私がこの部屋に入ったときに感じた違和感――
違和感……?
ううん、ただ単に、その場所には何かが足りない、と思っただけ
「――ピアノは……他の場所ですか?」
そう、この場所にはピアノが無いんです
それが私の感じた違和感……だと思います
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 23:05:42.68 ID:Ug+x9AzWO
これは…
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 23:05:51.56 ID:ZNs7KMZE0
支援
明日の夜まで落とさないよう頼むぞ
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 23:24:20.59 ID:3YBGewB10
「ああ、それなんだけどさ……ピアノと言ってもグランドピアノは無いんだよ、だから――」
澪さんは立ち上がり部屋の隅、ドラムセットとギター、の置いてある場所へ
そして、その隣に置いてあった――巨大な長方形のケースを持ち上げます
ギターを入れるケース……とはまた違う形でした
「――代わりに、これで弾いてもらいたいんだ」
澪さんはそれを並んでいる楽器から少し離して、私たちに見えるように床に置きます
なんだろう?すごく重そうだったけど……
でも――ピアノの代わり、って澪さん言っていたよね
ピアノの代わりだから……鍵楽器?
もしかして……
もしかすると……あの形は……
「これなんだけど……紬さん、弾ける?」
澪さんがケースを開けると、その中に入っていたのは――
それは、規則正しい、白と黒
それは、ピアノより少し少ない、白と黒
それは――76の鍵盤が並ぶ、とても綺麗なキーボードでした
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 23:26:24.04 ID:3YBGewB10
和「そうなんだ、じゃあ私休憩するね」
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 23:27:40.92 ID:50aZwDJx0
おつん
ピアノ上がりのキーボーディストは他の楽器の仕事無くすから困る
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 23:27:47.83 ID:/yMi/LyS0
ああ休め
ただし絶対に終わらせてくれ
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 23:27:48.47 ID:V1U86LMZ0
てめ休憩し過ぎなんだよ
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/11(火) 23:30:09.64 ID:vvcdR7hr0
ムギちゅわああああん
76人の妖精きた!これでかつる!
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 00:03:04.84 ID:zHWHe6Vn0
ほ
も
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 00:55:30.78 ID:ltG4BeUq0
まだかなまだかな
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 01:06:05.09 ID:JAdHMkcI0
ここから唯の夢の伏線を回収するとしたらスゲー壮大な話になりそうだな……
しかしこの書き手にはそんな体力があるようには見えんw
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 01:11:54.44 ID:utPR62KI0
時間かかるんだったら製速にスレ立ててゆっくり書いてくれてもいいのよ!
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 01:16:32.30 ID:hB5yJEgm0
まだかなまだかな
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 01:17:16.22 ID:nve9tb3n0
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 01:18:09.29 ID:Bt0HkONy0
期待して待機
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 01:40:09.73 ID:aDZZp/9Z0
あ
和「じゃあそろそろ書くわね」
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 01:57:11.48 ID:dB0dpEgd0
ひゃっほい
ごめん嘘
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 02:11:18.05 ID:9HX30h5O0
和「そうなんだ、じゃあ私寝室行くね」
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 02:20:24.82 ID:dhl69BgL0
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 02:29:40.40 ID:9HX30h5O0
唯「まってよ和ちゃん!?終っていないよ!?」
和「唯……一応、終わりまではひと通り考えてはいるんだけれど……
何度書いても、今日は上手く纏まらなかったみたいなの
待ってくれている人がいるのに……本当にごめんなさいね
――じゃあ私、寝室行くね」
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 02:44:23.16 ID:Bt0HkONy0
纏まるまで待ってるよ
頑張って終わらせてね
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 02:57:37.52 ID:utPR62KI0
待ってるからね!
おやすみ
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 03:21:01.78 ID:VSHr8yi+O
以前あったエヴァSSみたいに気い持たせて落ちましたって事にならない事を祈りつつ保守
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 04:11:23.87 ID:zB+A/o3U0
ほ
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 05:07:12.78 ID:H3x9++DFO
が
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 05:43:33.79 ID:haiiO4eRP
み
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 07:08:50.92 ID:ANbre+xm0
ほ
も
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 08:47:00.95 ID:ClQMvKHA0
ほ
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 09:25:23.77 ID:ClQMvKHA0
ふ
仕事で書類書く時なんだけどさ、何度も文章見直して
何回も書き直してると、ゲシュタルト崩壊みたいになって
どんな文章でいいのか分からなくなるときがあるんだよね
まあSSの場合は全然違うかもしれんが
あんまり推敲し過ぎるのもよくないかな〜って
続き待ってるからね
保守
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 10:59:43.05 ID:hB5yJEgm0
ほ
り
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 11:44:59.50 ID:1pA7CMpNi
ぐ
そ
ん
☆
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 14:04:55.92 ID:lsthDBob0
ちょいあげ
ほ
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 15:34:01.23 ID:hB5yJEgm0
し
ゅ
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 16:06:48.24 ID:VSHr8yi+O
ム
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 16:48:11.70 ID:/ipFyZu10
ほ
し
し
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 18:24:30.06 ID:H3x9++DFO
ム
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 18:39:10.74 ID:haiiO4eRP
★ゅ
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 19:12:58.48 ID:Bt0HkONy0
唯は妖精
澪は女神
紬は天使
律は太陽
梓は子猫
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 19:48:22.38 ID:0TMT8i4L0
ぬ
る
ぽ
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 20:25:08.87 ID:IBORhefo0
が
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 20:25:11.08 ID:fOvD8AnX0
ガッ!!
む
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 21:23:11.33 ID:0TMT8i4L0
め
も
ふ
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 22:32:44.35 ID:ltG4BeUq0
浮上
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 23:07:37.47 ID:FttP5YwN0
ほ
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 23:28:04.34 ID:zde+490O0
も
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 23:32:02.28 ID:haiiO4eRP
せ
っ
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 23:35:46.94 ID:VSHr8yi+O
く
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/12(水) 23:39:01.70 ID:V/b8fncm0
す
あーあ完成しちゃったよ
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 00:00:05.52 ID:ZmrlfBYz0
……なんで?
どくり、と心臓が跳ね、体がじりじりと熱くなります
いつか、どこかで見かけたそれは――
私とは無縁だと思っていたそれが今、私の目の前に――
「ね、中々良いキーボードでしょ?
んまあピアノより鍵盤は少ないけど、同じ鍵楽器だし、紬、大丈夫だよね?」
――ピアノは弾いたことはあるけれど
キーボードは……夢の中でしか触ったことが無い楽器です
でも、夢のなかでは触っていた楽器です
「今すぐ準備するからさ、ほら時間無いんだから律も手伝って」
それを、私は今からここで
そう、夢ではなく、現実で弾くことができるなんて――
このタイミングで再開かよ!
支援するぜ
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 00:08:51.49 ID:mx+Spzg2P
キタ!
でももう寝る!
寝たい! でも読みたい!
もう寝るとかお前ら健康的すぎワロタ
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 00:27:47.78 ID:FzjQwgQh0
紬ちゃん大好き
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 00:37:18.77 ID:ZmrlfBYz0
「――よし、っと……これでとりあえずはピアノっぽく弾けるよ」
澪さんと律さんは数分でセッティングを終えてくれました
弾き易い位置に高さを調整したスタンド、そしてその上にあるキーボード
そこに接続してある、音を最大限に出力させるためのステレオアンプ
何もなかった場所にセッティングされたそのキーボードは――
ピアノとは違う、けれど、それに負けないくらい、綺麗な――機械的な美しさを持つものでした
「やっぱ普段使っていないだけあって綺麗だなー」
律さんが鍵盤を撫でると、滑らかな音――ピアノと同じ音がアンプから流れます
「うん音量も丁度いいな――じゃあ紬さん」
その私を呼ぶ声――キーボードに触れることができる瞬間が迫るたびに
心臓の音が高鳴り、さらに体が熱を帯びていく気がしました
「前に、律の前で弾いてもらったのと同じ曲、弾いてくれるかな?」
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 00:50:54.07 ID:FzjQwgQh0
みてるよ
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 00:52:20.07 ID:rkce3Xuo0
ハッピーエンドなのかバットエンドなのか
ハッピーエンドがいいです
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 00:55:43.52 ID:2AQ9FV0I0
じゃあ俺ハットエンド
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 01:04:21.29 ID:ZLzl+X/60
そんなら俺はヒットエンドラン
ところでこのつむつむは金髪なのかな?
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 01:08:31.16 ID:2AQ9FV0I0
けいおん源策っておわってたんだ
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 01:09:12.78 ID:ZmrlfBYz0
私は律さんから楽譜を受け取り、そのキーボードの前に立ちます
その楽譜を立て、私はその手元――指の下にある白と黒の鍵盤にやさしく触れます
――触れた瞬間、わたしの体を火照らせていた熱が、その鍵盤に吸い込まれていくようでした
そしてアンプからふわりと流れる音――
それはピアノと同じ音
だけど少しだけ、ピアノより鍵盤への力加減が難しいかもしれません
そしてその指を跳ね返す感触も、少しですが強く、指に貼りつくような感覚……
やっぱりピアノとは違う――でも、弾くことができない程ではありません
鍵盤のレスポンスの強弱を少し調整し、今度は楽譜を見て
それに習い、幾つかの鍵盤に指を滑らせます
そして動く指と一緒にアンプから流れ、繋がる、音と音
滑らせる指へと貼りつく感覚は代わりませんが、だいぶ力加減は先程よりピアノに近くなった気がします
……よし、これなら大丈夫
「それでは……行きます!」
全力で支援
再開きてたか!支援するんだぜ
違ってたら申し訳ないが、和さわのひとか?
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 01:41:19.47 ID:ZmrlfBYz0
――楽譜の最後の音を奏でていた指を、鍵盤から離しました
「す……すごいです!!」
「うんうん!私のイメージとぴったりだよ!」
「前より……なんだろう?なんか、なんかさ!とにかく音が生き生きしてた!」
私が顔をあげると、3人とも私の方を見て、拍手をしてくれました
律さんも今日は笑顔で笑ってくれています
そんな3人の姿を見ていると――3人並んで座って、こちらを見ている姿を見ていると
私の方までなんだか嬉しくなります
「ありがと……」
あれ……?すごく……
すごく、嬉しいのに……
高鳴る胸とは逆に締め付けられるようで、目の裏が、熱くなって――
「……ん、あ、あれ?紬?」
「ううん、だ、大丈夫!ごめんね、ちょっと……その、なんだか嬉しくて……」
あれ……な、涙が……
ムギハイイコダナー
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 02:04:09.07 ID:ZmrlfBYz0
目の裏が熱い、すごく熱い
鼻の奥までその熱さで焼けつくように熱くて――
「ん……ご、ごめんね」
――何故か涙が止まりません
褒められたから嬉しい?
ううん、でも、それだけ?なんだろうこの感覚……?
すごく、すごく嬉しい
とにかく、嬉しいくて――涙が抑えられません
「紬って、涙脆かったのか?よ」
律さんは私の隣に来ると背中に優しく触れ――
「よしよし……本当に、今日はありがと」
――そのまま優しく、私の背中を撫でてくれました
「私も、こんなに綺麗な演奏久しぶりに聞いたよ!」
澪さんは私の前に来ると私の手を両手で握り、優しく包んでくれました
「……ほら、梓もそこでじっとしてないで、紬に抱きついたら?」
「な!?でも、だ、抱きついたら……迷惑じゃないですか」
そう言いながらも、梓さんは私の側に来て、横から私のことをふんわりと抱きしめてくれました
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 02:22:10.64 ID:shZeFjuJ0
これは神SSの予感。待ってて良かった支援
この激かわムギちゃんに唯はもちろん和や憂や純も絡ませてくださいお願いします
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 02:30:33.45 ID:ZmrlfBYz0
泣いたことで染まっていた顔の朱も取れ、そろそろ人前に出ても泣いた後とはばれなくなった頃――
「で、そんな紬に私達から頼みたいことがあるんだ」
――そろそろバイトの時間が迫り、帰る準備をしていると律さんに肩を掴まれました
「ん?なぁに?」
振り向くと、いつの間にか3人横に並んで、笑顔で私の顔を見て見ています
律さんは澪さん、梓さんに目配せすると
「……せーの」
と小さく3人で掛け声をかけて――
「私たちと一緒に、バンドやりませんか!?」
……え?
「バンド?」
……
「バンド!?」
一緒に!?バンド!?
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 02:50:54.82 ID:ZmrlfBYz0
「え、で、で、でも……でも!!何で!?」
私が、バンド!?
「うん、実はさ……うちのバンドにもキーボード出来る人が欲しかったんだ」
「それで、私が探してくる!ってことになってね」
「本当に連れてくるんですから、驚きましたよ……」
「へへん、私だってやるときゃやるんだからね!」
それが――私?
「……で、でも」
でも……
冷静になりつつある頭の中では――
返事なんて、ひとつしか返せないことくらいわかってる
選ぶことなんて、できない
だって私には――ほら、今だって
もっと心配していることが……
「でも……私――」
これからも、そう、そして今後も――
「――バイトが、あるから……」
このムギちゃんは必ず幸せになるよね?ね?(´;ω;`)
バカヤロウ!バッドに向かうと思わせておいて…ってやつだ!
そうに違いない!じゃないと俺が泣くぞ(´;ω;`)
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 03:11:57.18 ID:ZmrlfBYz0
「……そ、それなら、バイトの合間に、とか」
「でも……その、時間が……」
時間が、律さん達と合うか分かりません……
「造花作りだったらさ、また私手伝うよ?ううん、むしろ全部私が引き受けてもいい!!」
「全部って……、どうせまた私にてつでゃむぐんん!?」
「おおーっとっと!!そうそう、今度は私とそれに澪二人でつくるから、きっと時間できるくらいはかどるって!!」
澪さんは律さんの手を口元から振り払い――
「でも紬が入ってくれるのなら、私も喜んで手伝うよ」
とは言ってくれますが……やっぱり仕事です
私の生きるために必要なお金を稼いでいるわけだから……
「ごめんなさい……気持ちは嬉しいけれど……
バイトは、私の問題だから……」
ごめんなさい、ともう一度、頭を下げて謝りました
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 03:18:59.35 ID:ZmrlfBYz0
でも、本当は……
――もし、もし私に時間と、お金さえあれば……
律さんや、澪さん、そして梓さんと一緒に
一緒に――みんなでバンドをやりたい!
これから、もっと、もっともっと楽しい時間を過ごしたい!
今だって、そう――
刻々と迫るバイトの時間だって……
本当は、投げ出して、今ここで、みんなと一緒に過ごしたい!!
だけど……だけど……!!
「……でも本当は、バンドやりたいんでしょう?」
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 03:29:28.19 ID:gaoImh1ZO
これはそろそろキーパーソンの唯ちゃん憂ちゃん平沢姉妹の出番じゃなイカ?
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 03:33:11.68 ID:ZmrlfBYz0
「ひひいいぃっ!?」
急に入ってきた、聞き覚えのないその声――
でも、澪さんのあげた悲鳴は、その声をかき消すくらい大きな声でした
「……秋山さん、私、お化けじゃないんだからそんなに驚かれたら傷つくわ……」
顔を上げると――澪さんの後ろに一人、いつの間にか女性が立っていました
綺麗な人――でしたが、その姿は……
制服ではなくて
学校指定のジャージでも、体育着などでもなく――
「やばっ!?」
と、声をあげた律さんも、私とおそらく同じことを考えたんだと思います
私も、声には出ませんでしたが、また熱くなろうとしていた体から、その熱が一気に引きました
目の前にいる人は……
スカートスーツに身を包んだ、その女性は、おそらく……『先生』
そう、勝手に学校に侵入している立場の私と律さんが、絶対に避けないといけない対象……
その人が、今目の前に……
さわちゃん登場か!
最初に唯が出てきた時から唯ムギになるのも密かに期待して見てるんだぜ
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 03:57:53.23 ID:ZmrlfBYz0
――でも
「あなた、本当はバンドやりたいのよね?」
澪さんの裏から出てきたその人は、特に他に咎めることもなく私の肩を掴んできました
ああ、ばれる?ばれてしまう……?どうしようどうしよう?
「ねえ、本当は、バンド、や・り・た・い・ん・で・しょ・う?」
が、バレない?バレていないみたいだけれど、その人が私のことを見る眼力が、強くて――
その目から視線を外せません
というか、ちょっと、こ、怖い……!
「は、はい……」
根負けして、つい頷いてしまいました……
「でも、どうしてもバンドが出来ない理由がある、そういう事よね?」
「はい……」
先程の迫力が嘘のような、柔らかな声で私の本心を言い当ててくれました
「……その話、詳しく聞かせてもらっていい?」
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 03:59:34.65 ID:ZmrlfBYz0
和「そうなんだ、じゃあ私休憩するね」
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 04:02:58.49 ID:gaoImh1ZO
おけ
ほ
ゆっくり休んでくれ
寝室に行かないってことはwktkして待ってればいいのか
乙、待ってるぜ
ほほう
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 06:00:31.11 ID:CuzXjPFQ0
ほ
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 07:10:46.72 ID:KQct0eF70
支援
ギャラは7:3のくだりをさり気なく混ぜてくるとは上手い!と思って読んでたらこいつは乗っ取りなんてちゃちなもんじゃねぇwwwww
万が一にもスレ落ちたら是非とも製速にスレを立ててくれ!!!!!
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 08:42:58.59 ID:rkce3Xuo0
ほ
保守
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 10:11:03.50 ID:C86il8bV0
ほ
バッドエンドにしたらギネス級にブチギレるからな
いやほんとお願いします(´;ω;`)
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 11:17:08.86 ID:w3ym94wg0
ほ
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 11:37:01.21 ID:KQct0eF70
け
ん
し
つ
で
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 12:28:29.35 ID:rB1kupjm0
オ
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 12:33:56.67 ID:KQct0eF70
マ
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 12:37:39.44 ID:fEN5z6t10
リ
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 13:29:29.58 ID:2hZz7E/H0
7:3と3/4なら7:3のが少ない
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 14:02:18.66 ID:Orkav5xm0
ほ
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 14:22:52.18 ID:pVTSYIf/0
ま
しえ
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 15:53:09.87 ID:rkce3Xuo0
ほ、ほ、ほしゅ
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 16:06:45.02 ID:FzjQwgQh0
あ
唯もだけど、さわちゃんや和、憂は出てくるんだろうか…
純は梓のクラスメイトあたりで出てきそうだ
さわちゃんはもう出てたかw
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 17:06:51.94 ID:P8LCJBJR0
ほ
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 17:43:01.78 ID:KI5jSCus0
も
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 17:52:22.78 ID:JwtzNvegO
せ
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 17:52:53.30 ID:H7AV/c860
っ
っ
あ
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 17:58:38.91 ID:znvtfrHWP
あ
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 18:09:24.53 ID:ySgfXgRp0
カオナシ
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 18:27:31.26 ID:pVTSYIf/0
ほ
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 18:37:09.34 ID:eRn5rwCa0
はやく
まあ来るのはもう少ししたらだろう
ゆっくり待とうぜ
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 19:30:03.24 ID:F7B+PUFf0
ぷ
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 19:57:28.99 ID:8KtQpkAz0
道に迷ったらお茶にしましょう♪
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 20:10:02.46 ID:bcQbvq0C0
ほ
も
せっくすにはさせない!
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 20:37:39.62 ID:nInDA+Vi0
ほ
も
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 20:52:52.36 ID:FH487lC90
せ
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 20:53:58.79 ID:nInDA+Vi0
っ
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 20:59:05.06 ID:CuzXjPFQ0
く
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 20:59:52.40 ID:eE6oLo8w0
きたか…!!
( ゚д゚ ) ガタッ
.r ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
\/ /
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:14:50.62 ID:ugxKEpl70
ほ
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:15:56.19 ID:nInDA+Vi0
も
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:16:09.18 ID:rB1kupjm0
っ
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:17:09.23 ID:ZmrlfBYz0
「――なるほどね、それでバンドはできない、と」
「はい……」
時刻はもう既にバイトの始まる時間から数十分経過しています
でも、私は音楽室で、今度はその先生――山中さわ子先生も交えて話をしていました
……先生の名前はさっき澪さんから耳打ちされました
呼び方は、さわ子先生と呼べば不自然じゃない、と言うことも合わせて……
結局、私は今日バイトをサボってしまいました
バイト先に連絡を入れ、今日は体調を崩したので休むと嘘を伝えて……
電話に出てくれた店長さんは、ゆっくり休め、と優しく言ってくれたので
ごめんなさい、と断りを入れて電話を切りましたが、やっぱり罪悪感が残ります
「それにしても、10箇所以上の場所でアルバイトしているの?体よく壊さないわね……」
「前からなので、もうそれは慣れましたから……」
さわ子先生の言葉に至って平静を装って受け答えていますが、内心、まだドキドキです
律さんも……となりでそわそわしているのをみると、いつバレるのか気が気じゃないみたい
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:20:19.14 ID:FH487lC90
ムギぃー!!!
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:45:06.89 ID:ZmrlfBYz0
「やっぱり何をするにしても、お金って重要なのよね……」
生活からは切っても切り離せるものじゃないし、とさわ子先生
「でも――要はお金があればバイトをしないで済むし、時間も取れる、って言うことよね?」
「はい、でも……」
でも……今の状況でバイトを辞めるなんてことは……
今の生活を維持すること――住む場所、通う学校、毎日食べる物……
全てが危うくなってしまいます……
「……あ」
指を顎に当てて唸っていたさわ子先生が何か思いついたのか、椅子から立ち上がると――
「あれ、まだあったかしら?」
と、独り言のように呟き、音楽室の奥へ――
私たちは顔を見合わせ、さわ子先生の後を追いました
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:47:50.88 ID:uiIFCmHj0
売値50万のギターか
待ってましたぁああ
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:55:26.61 ID:ySgfXgRp0
奨学金か
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 21:55:54.60 ID:nInDA+Vi0
50万で生活とか不安すぎ
50万程度じゃ一時しのぎにしかならないな…
結局そのうちバイト漬けの生活に逆戻り
また新しいバイトを探す手間を考えたら今のバイトは辞められない
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:04:32.07 ID:ZmrlfBYz0
「――あったあった」
何かを探していたさわ子先生が手に取ったのは――銀色のケースでした
若干、埃を被っているのでそれを軽く手で払い、床に置き直します
二箇所のロックを外し、そのケースを開けると――
そのケースの中には、ギターが綺麗に納められていました
「ギター、ですか?でも、少し古そうな感じのギターですね」
ギターをやっている梓さんには見た目でおおよその年代がわかるみたい
私にはごく普通の、何処にでも売っているようなギターにしか見えませんでした
「ええ、結構古い物みたいなの」
さわ子先生はそのギターを手に取り――
「……私が学生の頃に貰って、使っていた物なんだけど
ずっと置きっ放しにしてしまっていて」
懐かしむようにそのギターを構えて
弦を軽く指で――弾いたのですが、弦は錆び付いていて
鈍く、掠れたような音しか出ませんでした
「でも、今はもうギターを弾く時間もなくなってしまったから――」
それを――そのギターを私に見せるように、目の前に差し出すさわ子先生
「――これ、あなたにあげるわ」
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:12:26.79 ID:uiIFCmHj0
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:13:31.91 ID:pVTSYIf/0
ギターの価格を改ざんすればいいのだ
拾った宝くじが1000万になったとかでもいいからムギを助けてやってくれ
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:25:43.06 ID:ZmrlfBYz0
「――え?」
「このギター、売れば少しくらいはお金になるわ」
え、で、でも……!
「で、でも先生!今、学生の頃に使っていた物だ、って――」
そんな、学生の頃の思い出とか、色々詰まっている大切な物じゃないんですか?
さっきだって、懐かしそうにしていたじゃないですか
「いいのよ、気にしないで頂戴、私が持っていても、今後弾くことなんて無いんだから」
そう、絶対に弾かない、とそこに付け加えるさわ子先生
「どうせ古い物だからそんなに高値で買い取ってはもらえないかもしれないけど
日払いのバイト一日分くらいにはなるんじゃないかしら?」
受け取って、とさらに私の手にそのギターを乗せるさわ子先生
「このまま置きっ放ししておくのも勿体無いじゃない、だから――」
必要な人にこのギターを使ってほしいの」
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:26:24.29 ID:ZmrlfBYz0
私は、さわ子先生が差し出すそのギターを
さわ子先生が持っていた場所と同じ場所を掴みます
「……ありがとうございます、さわ子先生」
さわ子先生が手を離すと、今まで先生が持っていた分のギターの重みが
私の両の手に加わります
――先生の大切なギター
本来の、本当の意味でのギターを『使う』形とは違う形になってしまいますが……
先生のギター、使わせてもらいます――
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:28:09.51 ID:uiIFCmHj0
さわ子「いいバイト先を斡旋してあげるわ」
紬「ありがとうございます!なんのバイトですか?」
さわ子「ちょっとした石鹸屋で接客してもらうだけだから簡単よ!」
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:30:41.42 ID:nInDA+Vi0
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:32:38.56 ID:im15OMjJ0
ちんちんから石鹸出るマンの事かもしれんぞ
お前ら……
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:34:51.33 ID:uiIFCmHj0
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:37:15.04 ID:ChjXpLc/P
さわちゃんからもらった古びたギターはなんとギター型タイムマシンだったのだ!
…なんて展開は……ないか
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:47:11.80 ID:J3xzq5bk0
唯は一年の時にいじめられて以来引きこもっているとかじゃありませんように
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:48:26.71 ID:ZmrlfBYz0
澪さんの通う学校から帰ったのは、結局7時を過ぎた頃になってしまいました
そして私の手には、さわ子先生から譲り受けたギターがあります
「――さわ子先生が軽音楽部のOGだったなんて驚きました」
このギターがさわ子先生の物だということも、さわ子先生が軽音楽部のOGだったということも
同じ学校の澪さんも梓さんも知らなかったそうです
「ああ、でもどんなバンド組んでいたのか教えてくれなかったな……」
「結局はぐらかされてしまいましたし……」
色々教えてもらいたかったのに、と残念そうな梓さん
「それに――よく最後までばれなかったな」
「いやぁ、私も一時はどうなるかと思ったけど、よかったよかった!」
そう、結局私と律さんが他の学校の生徒だと言う事は指摘されませんでした
……もしかしたら、ばれていたけれど言わなかっただけなのかもしれませんけれど
「でもこの学校生徒数多いし、案外あの先生、澪たちの学年の生徒の名前全員覚えていなかったりするんじゃない?」
「まさか……少なくとも、私のクラスの人は全員覚えているみたいだし……」
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 22:58:23.61 ID:4+SMO5DP0
追いついた
支援
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:04:14.78 ID:2AQ9FV0I0
なんていうか
独特のパラレル感だな
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:09:51.53 ID:ZmrlfBYz0
「それで紬、それどうしよっか?」
前を歩いていた律さんが振り返り、銀色のケースを指さします
「紬先輩は、時間大丈夫なんですか?」
「うん、今日はもう時間を気にしなくても平気だから」
……今日はバイト休んでしまいましたし、時間はまだあります
「それなら私がよく行く楽器屋に今から行ってみる?あそこ買取もやってるみたいだから」
澪さんの言う楽器屋は……多分、あの楽器屋だとは思いますが……
みんなでいくのなら、いいかな?
私が面接に行ったことなんて、もう店員さん忘れているよね
それに――友達と一緒に帰ることができるのなんて……私にとって、滅多にない事です
いつもは一人、急ぎ足で帰る毎日なのに――
でも、今日は――
私の隣、一緒に歩く梓さんと他愛のない会話をして
目の前を歩く律さんと澪さん、二人の楽しい会話を聞きながら、そして一緒に笑いながら帰ることが出来る――
そんな……そんな、いつもの私からすれば、まるで夢のような時間が今ここに、あります
だからその時間を、私はまだ終わらせたくない――だから
私は快く、澪さんの提案に笑顔で頷きました
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:31:20.96 ID:ZmrlfBYz0
――天井の蛍光灯、そして私の顔とその間を遮る、四角い物を持った手
それはお金が入った封筒
50万円が入った封筒――
蛍光灯にかざしても、厚みで透けて中身が見えることのない、その封筒……
さわ子先生から貰ったギターは、日払いのバイト一日分などではなく、もっともっと高価な物でした
私の、数十個のバイトを合わせた一ヶ月分のお給料より高い、ヴィンテージ物のギター……
このお金があれば――
幾つかバイトを減らすことはできます、できますが……
まさか、こんな金額になるなんて……
枕元のデジタル時計はまだ10時を少し過ぎた頃を示していました
いつもより早い帰宅時間……だけど、私は、その封筒の中身と、さわ子先生のギターのことばかり考えていました
ありがとうございます……本当に、本当に、さわ子先生には、感謝してもしきれません
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:32:46.86 ID:rkce3Xuo0
インセプション並の深い潜在意識の中での夢とか言わないでくれよ
と可能性を潰してみたり
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:44:44.98 ID:ImwDk2LT0
さわちゃん使用のヴィンテージSGなら300万でも出せる
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:45:39.51 ID:ZmrlfBYz0
その日、お風呂から上がった私は登録していた派遣のアルバイトの契約を解除しました
これで……僅かだけれど、3人――律さん、澪さん、梓さんと、一緒に練習する時間が作れます
今まで、そんな時間が全く無く、0だった私に取って、その僅かな時間でも……十分すぎるくらいです
時間は僅かでも、それは僅かなものではありません
みんなと――みんなと、一緒の時間を、過ごすことができる――
それが、嬉しくて
私が、そんな時間を過ごすことが出来る事が嬉しくて、嬉しくて――
「ああ、私……わた、し……ぃっく……今日は――」
今日は……泣いてばかり、いるなぁ……
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:47:01.99 ID:ZmrlfBYz0
和「そうなんだ、じゃあ私休憩するね」
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:51:02.11 ID:O+sBI8iA0
し
り
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:54:36.03 ID:znvtfrHWP
あ
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/13(木) 23:56:39.98 ID:rB1kupjm0
な
加担しておいてなんだがお前らもっと自重せい
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 00:04:43.84 ID:gQW5MyJvP
一文字しりとりするアホって埋め荒らしとおんなじですよね
他所でやれ
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 00:08:58.41 ID:9wbPi+zY0
それがなかったらdat落ちしかねない状態なら仕方ない
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 00:25:48.71 ID:hsGqvG4S0
つーかこれだけ生活苦しいなら普通に生活保護受給できるだろ
それを言っちゃあ…
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 01:03:12.21 ID:yi23n0650
身寄りも無さそうだしその前に施設行きかなあ。どうしても嫌なら自活するしかない
何らかの援助は受けれそうだけど
えっ、援助!?
……はぁはぁ
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 01:08:01.62 ID:9wbPi+zY0
生保は生活レベル左右されるから受けてない
障害者年金は受けてる
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 01:21:15.07 ID:5natT6jw0
>「ああ、私……わた、し……ぃっく……今日は――」
どう見てもオナってます
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 01:29:52.10 ID:UzFNv3S00
書いてる人が立てた訳じゃないんだしその辺は大目に見たい
奨学金ならもらえるかもしれんが、後で返すやつだと借金作ることになるしな
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 01:34:59.30 ID:MVhIaDll0
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 02:08:31.02 ID:2GcpZbzQ0
あれ?今日はもう終わり?
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 03:09:04.78 ID:5natT6jw0
寝るぞー
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 03:27:56.64 ID:2GcpZbzQ0
ほ
全然関係ないけど審判酷かった
し
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 04:24:41.56 ID:fU/gB4wEP
/:.: : : :/: : : : : ': : : : : : :./: : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : ヽ
/: : : : /: : : : :./: : : : : : :/: : : : : :/ヾ: : : : : : : : : : : : : : :ハ
. ,':.: : : :./: : : : : :!: : : : : : /: : : : : :// \: : : : : : ハ: : : : l: : |
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|:.: : : : |: : : : : : l── ' └ー' '/ リL: :_: /i: : : :/: : !
|:.: : : : ヘ: : : : : :| __ リ: :/: : /
|: : : : : :{'ヘ: : : :| ィf'乏え`圷 ≡≡ fえ乏圷 /: /WV
|: : : : : :j { |:\:.:| ヽ jん^ハリ ≡≡≡ lト' イリ" ': :イ
|: : : : : :ゝ j: : :.`| 弋 :::ン ≡≡≡ 弋:::ン。/: : :|
|: : : : : : !: l: : : :.| "" ≡≡≡,≡≡ "" ': : : :| あああああああああああああああ
l: : : : : : l: l: : : : |ゝ /: : : :.:|
リ: : : : : :レ'|: : : : |‐Y丶 、_ イ、: : : : :|
/: : : : : ' j: : : : :|: . ! > `ー'´ <l V:.: : :|
. / : : : : / |: : : : :|. : | 、  ̄ _|: . : | V:.: :|
/ : : : : :' !:.:.:. : :|: . |  ̄ L: . :| V:.:.|
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 05:37:25.37 ID:UAiMq7Nt0
ほしゅ
生活保護とかでないのかな??
干し芋
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 07:52:01.74 ID:2scnexBBP
ほご
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 08:01:25.96 ID:zKxF+HSO0
保守
宣言なして停止とは珍し。ほしゅ
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 10:00:14.39 ID:1dea4RbY0
ほ
ほしゅ
ほっし
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 12:21:44.34 ID:b1qw/Bg90
ho
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 13:00:55.82 ID:19mjBgxI0
保守
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 14:24:22.02 ID:sGBT2kSnO
まだかなまだかた
人を騙して金をとる糞まゆげ
保守
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 16:39:24.80 ID:2GcpZbzQ0
ほ
し
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 17:28:40.74 ID:UYUeTkSx0
ほ
保守
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 18:28:32.67 ID:PE7Q6tYd0
ほ
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 18:51:06.20 ID:SI5P+ZHK0
保守
388 :
1:2011/01/14(金) 18:54:24.48 ID:s52WRVEA0
すいません、どうしても続きが書けません
だからオチだけ言っておきますけど、この現実も夢ってオチです
読んでくださってありがとうございました
どこを縦読み
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 19:06:55.91 ID:PE7Q6tYd0
そももも1は書き手じゃなかろうて
>>388乙!
久しぶりに感動した!
また書いてくれよな!!
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 19:27:08.30 ID:5natT6jw0
和「バトル物にしなかったら打ち切られた…」
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 19:35:15.41 ID:gFYh0W0i0
>>388 すまん、なんだかよく見えないんだがとにかく続きをたのむ
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 19:48:09.04 ID:w7JPe+EZ0
大漁だな
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 19:58:49.45 ID:9htSx7bR0
唯「ん〜〜……」
和「唯――」
唯「あ、和ちゃん!」
和「――何やってるの?」
唯「続きを書いているんだよー、でもね、私……明日の深夜まで――
あ、でも深夜だと日付を跨ぐから明後日になるのかな?そのまで書いて、投下する時間が取れないんだよ――」
和「へえ、そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯「――え?和ちゃん待ってよ!?」
和「何?」
唯「その……言う事とか、無いの?」
和「……」
唯「待ってくれていた人とか居るのに、何も書かないで行っちゃうなんて――」
和「………」
唯「ねぇ、和ちゃん?」
和「………………本当に、ごめんなさい」
r'Y ノ./ー,' ::
∧__∧ ,ノ''リ ノ ,,r ::'' ::
( ´・ω・` ) { ~j .リ__ i ,,'~'i ::
,, 、、、、,,、r-ー――r―';/' :: `ニニ´ .:::\ /'i/)ヽ'" r' ::
,、-'"::::::::::::::::~' 、''"""''ヽ|;;;;'i ,、'":ヽ ,i':::リ;;;;;)'ヽ,| ,、-'./ー,'::::: / ::
(;;;:::::::::: ::::::::::::::::~'ー、三ーヽ;; ::::: :'''''''":::''::: :::リ;;;;ヽ"::ヽ ,ry'''i/) ~j .リ__ i ,'~'i ::
,r'~'''''ー- 、、;;;;;;;::::::::::ヽ,三=::;ヽ ::::: :'''''''":::''::: :::リ;;;;ヽ"::ヽ ,ry'''i/) ~j .リ__ i ,'~'i ::
iリ ::'" ::::: ::::,~ー、 ,、ー、 ,i;;`'、;;;;,、、、、 , -、 ,ー、;;;;;;|ir ,r'Y ノ./ー,''. ー',,"-ー't,i i :: 壁殴り代行では同時にスタッフも募集しています
, ー、 ,,、ー、::: ::r'''i /、,,,ノ/、, ノ:::::,,、 、;;r'~'i /、,,,ノ/、, /~)リ ,' ,ノ''リ ノ ,,r~''"} :::,、 ''~ / :: 筋肉に自身のあるそこのアナタ!一緒にお仕事してみませんか?
r'''i /、,,,ノ/、, ノ:::::,,、 、:j ;;イ. /,,, //, ,r",、 '~ ノ;;j ;;イ./,,, //, /,、/;/ i ー{ ~j .リ__ i ,'~'i /:::: r' :: r''ヽ 壁を殴るだけの簡単なお仕事です!
j ;;イ. /,,, //, ,r",、 '~ ノ:i、,-tj r'''レ::~'/,r'"、,、 '";;;;;j、-tj r'''レ::~'/ /;ノ'=i -' ー',,"-ー't,i ',、 ,、-'" r''ヽr''ヽ( ヽ
i、,-tj r'''レ::~'/,r'"、,、 '"::::,〉ー' ー'' 二,,,,,,'ーリ ー(、,,,,iー' ー'' 二,,,,,,(~ ヽ,,ノ ~''"} ,、 ''~ /''";;; ,,ti''ヽr''ヽ, ヽ
,〉ー' ー'' 二,,,,,,'ーリ :::::j ~'''''''"" ,,,、-~ノ j ~''''''"" ,,,、-イヽ ''|| ヽ / r'::::::, '( . '、 ''t,, ', r 、',
,r"j ~'''''''"" ,,,、-~ヽ ::::::::/::: :::::~'''~ ヽ-("~,)/::: ::::~''~ t /、(:、,,,,ソ、、 ,、-"::,、 '" ヽー',〉-.〉 |.| .i
,、"'/::: :::::~'''~ ア~'Y'"~_,) ),,;;;; ,,,;;; ,',,,,、ー'" t,,;;;; ,,;;; ,,、 '"'、;;;;`''ーー,、-'":::,,、 "_、,'''' 、 {ー ''ー t,,,,ii'ー|:
: 从;;;;;;;;,,,,,,,;;;; ,,,;;; ,',,,,、、ー'"~'ー-- ーヲ''''ヲー'i ::::~'ー-- ーヲ''''ヲ'" '、,,,,,, ,、-ー'"::::::,、'" ( ' 、,,,、''~ ~'''''ー、 :
:ヽミ;;`'''ー--- ーヲ''''",('''"(~'ー---ー''''"-'"从:::' 、;;;;;;r、;;;;;; 、-'"'ー 、~'''''',、 '":::::::::::,、 '" `'-、 ~';;、 '' リ:: :
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 20:08:55.13 ID:1DUhoxVq0
スレタイでDQ6とかFFX的な話かと思った
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 20:25:48.39 ID:tSKOZN780
書き手は唯だったのか
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 20:38:57.93 ID:9htSx7bR0
和「で、どうするの?」
唯「え?どうする、って?」
和「そんなに長い間書けないんじゃ申し訳ないじゃない」
唯「そうだね……」
和「製作速報?ってところにでも行った方がいいかしら?」
唯「元々立て逃げだったのに?即興で書いていたのに?」
和「唯、こんなに待たせた時点でもう即興とは言わないと思うけど……」
唯「一回落としてもらおうか?」
和「まあ、二日も書かなかったら呆れられて勝手に落ちるわよ、それはそれでいいんじゃないかしら?」
唯「そうだね……」
和「そうよ――じゃあ私、生徒会行くね」
唯「和ちゃん、ばいばーい」
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 20:53:15.44 ID:mp+uwOvR0
ようするに落していいってこと?
一回落として、書けるようになってからまた立てたらいいんじゃないか
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 21:37:15.63 ID:UYUeTkSx0
保守
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 21:54:00.35 ID:2scnexBBP
ほし湯
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 22:38:59.31 ID:gQW5MyJvP
おかしいな
冬休みってもう終わったんじゃないのか
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/14(金) 23:40:34.18 ID:jas35Hsf0
ん
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 00:32:10.24 ID:YfJBni090
乗っ取りとは言え、書き出したなら最後まで行って欲しかった
面白かったからがっかり
完成したらまたスレ立てて読ませてくれ
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 01:06:10.67 ID:4aCZL2NuP
和ちゃんは妥協できない人なんね
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 01:30:37.58 ID:JThscxxw0
ムギちゃんでここまで引っ張った事に敬意を表させてもらう ゞ
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 01:56:16.44 ID:96IHYn2vP
ほし湯
412 :
1:2011/01/15(土) 04:30:50.42 ID:9eO+cDsp0
なんでまだあるんだよwwwww
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:56:21.83 ID:/JaJ4Tsb0
え、おわりなの
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 09:10:04.08 ID:3WI7rB3A0
ほ
ほ
ほ
ほ
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 12:23:11.17 ID:N8cwLPPy0
ほ
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 13:18:14.23 ID:NVxpiuXDP
vipで始めたんだからvipで終わらせてくれよ
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 13:23:02.43 ID:0mn5k7l60
製作速報だとgdgdになるのは確定的に明らか
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 13:48:57.19 ID:N8cwLPPy0
ほ
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 14:29:23.60 ID:OvGKyfFtO
保守
絶対に落とさない、絶対にだ
ほ
ほ
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 16:13:42.98 ID:96IHYn2vP
ほっしゆ
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 17:28:33.15 ID:N8cwLPPy0
保守
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 17:56:36.57 ID:PtwUmujn0
保守
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 18:55:32.47 ID:yLCTcuRI0
ほ
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 19:46:45.80 ID:frEfrlBL0
し
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 20:01:08.66 ID:PtwUmujn0
ゅ
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 20:43:26.45 ID:frEfrlBL0
の
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 20:52:36.43 ID:vkiKrdzZ0
カ
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 21:23:05.89 ID:frEfrlBL0
か
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 22:29:05.07 ID:0QN5F2a40
続きは見たいけど保守しても無駄じゃないか?
保守
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 23:05:36.94 ID:I0LIxPRZ0
信じるんだ
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 23:48:21.21 ID:AfCZHYdJ0
ほ
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 00:07:08.83 ID:VcjXBNfi0
け
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 00:27:10.89 ID:ThmmbFUy0
hoa-!
ほっす
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 01:21:44.21 ID:aKYATKnQ0
お前等諦めろよ
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 02:29:13.82 ID:QUxRSAXO0
この期に及んで保守かよまったく
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 04:20:02.97 ID:aKYATKnQ0
まったくぅ・・・
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 05:57:03.76 ID:VfRoFhPH0
全く君たちは懲りないね
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 06:40:48.01 ID:aHxmj8G2P
えへへ
どうしようもないな
まったくお前らときたら・・・
保守
なにやってんだ
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 10:16:26.49 ID:Kj73n6RY0
嫌いじゃないぜ
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 10:40:45.28 ID:5WR4K5da0
フヒヒ
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 11:16:01.93 ID:zKVZgmEb0
てへ
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 12:06:00.47 ID:sv59zz9o0
ほ
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 12:40:11.08 ID:FgGXwTbe0
| 三_二 / ト⊥-((`⌒)、_i | |
〉―_,. -‐='\ '‐<'´\/´、ヲ _/、 |
|,.ノ_, '´,.-ニ三-_\ヽ 川 〉レ'>/ ノ
〈´//´| `'t-t_ゥ=、i |:: :::,.-‐'''ノヘ|
. r´`ヽ / `"""`j/ | |くゞ'フ/i/
. |〈:ヽ, Y ::::: ,. ┴:〉: |/
. \ヾ( l ヾ::::ノ |、 構わん続けろ
j .>,、l _,-ニ-ニ、, |))
! >ニ<:| 、;;;;;;;;;;;;;,. /| ___,. -、
| | !、 .| | ( ヽ-ゝ _i,.>-t--、
ヽ| | ヽ\ _,..:::::::. / .| `''''フく _,. -ゝ┴-r-、
..|.| | :::::ヽ<::::::::::::::::>゛ |_ _,.-''"´ / ̄,./´ ゝ_'ヲ
..| | | _;;;;;;;_ ̄ ̄ |  ̄ ̄ / _,. く / ゝ_/ ̄|
:.ヽ‐!-‐"´::::::::::::::::: ̄ ̄`~‐-、_ / にニ'/,.、-t‐┴―''ヽ
\_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ / / .(_ヽ-'__,.⊥--t-⊥,,_
\  ̄\―-- 、 _::::::::::::::::::::__::/ / /  ̄ ) ノ__'-ノ
\ \::::::::::::::`‐--‐´::::::::::/ / / / ̄ rt‐ラ' ̄ ̄ヽ ヽ
ヽ ヽ\ \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / ゝニ--‐、‐ |
l ヽヽ \:::::::::::::::::::::::::::::::/ /‐<_ ヽ |ヽ
ho
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 14:38:31.11 ID:sdHonU1m0
shu
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 14:40:25.55 ID:cifNg7eAO
まだ落ちてなかったのか
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:16:32.65 ID:zKVZgmEb0
ほ
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:23:23.39 ID:aHxmj8G2P
ふ
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 16:14:56.76 ID:w4MSclI50
た
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 17:58:02.17 ID:zKVZgmEb0
ほ
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 18:40:55.41 ID:sdHonU1m0
も
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 18:45:54.66 ID:K8XlM8sR0
馬鹿なのかこの猿どもは
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 18:46:41.44 ID:+ia5/g/dP
精神を加速させろ
ksk
谷
間
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 21:09:35.45 ID:/piEEp1V0
ほっしゅ
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 21:47:53.56 ID:P2eXlQdh0
まだ残ってたのかw
保守
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 22:13:53.87 ID:+ia5/g/dP
沢庵
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 22:14:56.47 ID:cifNg7eAO
ここまで書いた人が巧かったから、よっぽど自信がないと続き書こうなんて人はいないんじゃない?
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 22:54:26.26 ID:aHxmj8G2P
ksk
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 23:20:08.41 ID:0bUTo+or0
り
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:21:37.42 ID:/xULxPCP0
く
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:25:37.11 ID:Kdj5/sUt0
「――ちゃん」
ふわりふわりと浮かぶような、水の中に漂っているような――
その中で、耳元で囁くように、でも遠くで聞こえるようにも感じる声
「むーぎちゃん?」
――目を開けると
そこには唯ちゃんが不思議そうな顔で私の顔を覗き込んでいました
「――ねえ、ムギちゃんどうしたの?今日はずっとぼーっとしたままだよ?」
漂っていたような浮遊感はなくなり、私はいつもの場所――
いつもの音楽室に立っていました
そう、夢で見るいつもの音楽室に唯ちゃんと二人だけ
――ああそういえば唯ちゃんの夢を見たのは久しぶりかもしれません
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:29:53.87 ID:u8eoJors0
帰ってきたか!
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:30:01.76 ID:EhXIVqew0
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:33:55.71 ID:EAdsld06P
マジで戻ってきたのか
俺歓喜
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:33:56.81 ID:Kdj5/sUt0
そして――やっぱり手元にはキーボード
76の鍵盤が並ぶ、綺麗なキーボード……
「ムギちゃん、最近忙しかったの?あまり会えなくて心配したよ?」
「ごめんね唯ちゃん、色々あって――」
色々――そう、色々です
バイトも最近はずっと夜遅くまで続いていて、満足に睡眠時間を取れた日は無い気がします
だから夢をみることすら無かったのでしょうか?
覚えていないだけかと思っていたんだけれど……
きっとこれも――明晰夢みたいだから、今も眠りが浅いのかもしれません……
でも、これからは忙しいバイトの事ばかりだった色々の中に
今度からは楽しいことも含まれるんです
「――私、今度ね、友達と一緒にバンドを組むことになったの」
「バンドを組む、って……?あ!それは……外バンで、ってこと?」
私は、うん、と唯ちゃんに頷きました
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:42:14.12 ID:yfGGaTri0
きたああああああああああ
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:52:00.92 ID:Kdj5/sUt0
「じゃあ、ムギちゃんはそこでもやっぱりキーボードを弾いたりするの?」
いつも見る夢の中――私が弾いていたのはキーボードです
「うーん、多分、そうなると思うよ」
ピアノだと場所も取るし、借りるあてがありません
だから澪さんの学校にあるキーボードを、当分の間は借りることになっています
澪さんいわく「キーボードだって、誰か使ってあげないと可哀想」だそうです
「そっかぁ、じゃあムギちゃん大活躍だね!ムギちゃんの演奏、私もすっごく好きなんだよ〜」
「そ、そうかな?でもまだ数回しか触っていないから――」
夢の中では幾度と無く触れているけれど、現実では昨日が初めて――だったと思います
小さい頃に、ずっとずっと前に、触ったこと、見たことくらいはあるかもしれませんが……
でも今の私にはそんな経験があってもなくても、結局今は変わりません
また昨日から、また最初からなんです
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:09:50.32 ID:Kdj5/sUt0
「それなら、私がムギちゃんの特訓手伝ってあげるよ!」
唯ちゃんは胸を張って、まかせなさい!と、置いてあったギターを肩にかけます
ネックを押さえて構える唯ちゃん、私の手元には楽譜とか無いけれど――
――唯ちゃんの弾くギターから流れてきたのは
なんとなく、聞き覚えのあるような音……
これは――澪ちゃんの曲の、ギターの出だしの部分なのかな?
そして私も頃合いを見計らい、手元にあるキーボードに指を走らせます
まだ2回、しかも楽譜を見ながらでしか演奏したことなかったのに――
楽譜が無くても弾けるのは、夢の中だからでしょうか?
「キミを見てると――」
楽譜を見ないので、ギターを弾きながら笑顔で歌う唯ちゃんの姿を見ることができます
その唯ちゃんのギターに合わせて、私の指も迷いなく次へ次へと鍵盤の上を流れていきます
唯ちゃんの心地良いギターの音、可愛いけれど決して声を外さない声
好きな音を好きなように私自信が演奏できていて、唯ちゃんの音と綺麗に重なります
ああ、みんなと演奏するのって、こんなにも、楽しくて――すごく、気持ちいいんだね
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:12:38.88 ID:N9xdZu550
し
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:18:23.42 ID:gK8hOXTQ0
今夢の中なのか?
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:23:15.15 ID:JKwQrYZV0
お前日本語読めてるか?
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:23:28.40 ID:Kdj5/sUt0
「――っと♪」
唯ちゃんのギターの演奏が終わり、私はひとつだけ気がついたことがあります
それとも、思い出したのかわかりませんが――
この場所が何処か、なんとなくですが……わかった気がします
夢の中でいつも唯ちゃんと会う音楽室
それと、今日行った澪さんたちの学校の音楽室――
その二つは、どれも違うように見えたけれど、何処か似ている気もします
壁やドアは澪さんの場所の音楽室に似ていますが
その場所と、今の唯ちゃんと一緒にいる音楽室の内装や
置いてある物は全くと言っていいほど違いはあるのだけれど……
前から同じような場所だったとしても、確実にはい、とは言い切れません
今日の夢も、この場所も、私が今日初めて行った場所――
澪さんの学校の音楽室を記憶していて、それが印象深かったから
それを夢に投影させているだけなのかもしれません
でもこれはどうせ私自身の夢の中
都合のいい様にできるかもしれない、夢なんですから――
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:26:18.18 ID://t0nEHq0
夢の話か
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:26:18.36 ID:gK8hOXTQ0
>>484 もしかしたらこっちが現実なのかなー、と
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:29:01.28 ID:EAdsld06P
胡蝶の夢
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:51:23.45 ID:Kdj5/sUt0
「ねえ、唯ちゃんは澪ちゃんとりっちゃん、それと梓ちゃんって知ってる?」
もしかしたら、3人の事を唯ちゃんは知っているかもしれない――
……あれ?
と思って、聞いたのですが……
自分の今の言葉に違和感を覚えましたが……気のせいでしょうか
「……ムギちゃんは知らないの?」
が、逆に聞き返されてしまいました
その唯ちゃんの顔は眩しくて今にでも消えてしまいそうで――
「ううん、私は知っているんだけど、唯ちゃんも知っているかな?と思って聞いてみたんだけど……」
だから早く聞きたいんだけれど……ああ、もう――
「もちろん、私も知って――」
――いるよ、と唯ちゃんの声が聞こえた気がしました
そして入り込んでくる白い光がその光景を遮って――
戻ってきてくれたのか……待った甲斐があった
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:15:29.06 ID:wCE7ZKP6O
おいおい、ハートがドキドキしやがるじゃないか
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:15:35.72 ID:Kdj5/sUt0
――まるで繋がっているかのような出来事でした
カーテンから漏れる光が顔を横切り、さらに眠気は飛んでいきます
いつもなら布団から出るときも辛いのに、頭の中は何故か晴れていて
今まで起きていたかのように意識がはっきりとしています
睡眠の波が一番浅い時に起きると、心地良く目覚めることができるそうですが
丁度今がその時間だったのでしょうか?
布団から手だけを出して時計を取り――
あ……私、昨日着替えないまま寝ちゃったんだ……
そういえば、昨日いつ寝たのかもよく覚えていません
10時頃に布団の上で横になっていたのは……なんとなく覚えているんだけれど……
手に持ったデジタル時計の時刻は、朝の7時すこし前、アラームが鳴る前の時刻を表示していました
普段よりよく眠れたから、目覚めも良かったのかもしれません
そしてまだ鮮明に残る夢のなかの記憶――唯ちゃん
澪さんから借りたキーボードの事もあるし……もしかしたら……
「……なんてね、顔洗おうっと」
その独り言を合図にして、暖かい布団の中から寒い朝の部屋へと体を起こしました
そしてすかさずこたつのスイッチを――あ……
「昨日、消していなかったんだ……」
手を中に入れると――こたつの中は部屋の中とは違い、布団以上に暖かくなっていました
ああ……こういう細かい場所から気をつけて、節約しないといけないのに……
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:30:15.77 ID:Kdj5/sUt0
今日はこたつが暖まるまで待たないで済んだ、ということが唯一の救いでした
エアコンとか、暖房をつけっぱなしにしていたわけではないから
電気代にはそんなに影響はないはずです……
「ああ……暖まる……」
こたつで食べる今日の朝食は、ごはんにお味噌汁
作りおきの利点は次の日、そしてまた次の日と美味しくなることですね
それに冬場は夏に比べて安心です
「今日は――」
手帳を開き、今日の日程の確認です
予定は夕方からずっとレストランのバイトがあるから……
「――明日なら、大丈夫かな?」
もしかしたら、もしかして、ってこともあるかもしれないし
唯ちゃんの事……澪さんに会ったら、聞いてみよう
……あ、学校行く前に、残りのご飯は冷凍しておかないとね
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:40:18.06 ID:MnYTIaKn0
きてた
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:41:37.97 ID:Kdj5/sUt0
唯「うーん……」
和「なに唸ってるのよ?唯?」
唯「あ、和ちゃん!結局今日じゃあ終わらなくって……」
和「え!?まだ終わらないの?もう2日も待ってもらった上に、今日で7日経ってるよ?」
唯「でもでも、私、まさか残ってるなんて思いもしていなくて……また立てて書こうかなって思ってたし……」
和「はあ……こうやって8日経ってしまうのね」
唯「8日経っただけで落ちちゃうの!?」
和「……そうらしいけど」
唯「……どうしよう和ちゃん?」
和「落ちても落ちなくても、とりあえず唯、待ってくれていた人にはしっかりお礼を言わないとね」
唯「うん!もちろんだよ!どうもありがとうございましたっ!」
和「一先ず、私もありがとう――じゃあ私、寝室行くね」
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:48:18.70 ID:g8PjA/G30
待ってるぞ
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:52:22.88 ID:Kdj5/sUt0
和「ああ、それと――」
唯「そうだよね、行く前にもう一つ言っておかないと駄目だよね、和ちゃん」
和「ごめんなさい」
唯「そう、それだよ和ちゃん!」
和「そうなんだ、じゃあ私寝室行くね」
唯「……」
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:54:10.74 ID:KzFNTjd50
またねわちゃん
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 04:01:46.29 ID:Fh/HiP7h0
わ
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 04:53:33.52 ID:BL65XEs2P
ち
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 06:15:28.72 ID:Fh/HiP7h0
ゃ
ん
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 08:54:42.17 ID:yJB6OL1MO
和ちゃん、落ちたら今日じゅうに立て直してね!
すげー帰って来たのか保守
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 10:22:31.14 ID:WX9kRrZs0
ほーしゅ
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 11:19:24.27 ID:Fh/HiP7h0
☆
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 12:32:23.04 ID:gK8hOXTQ0
ほー
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 13:41:01.06 ID:gE7b9Zfd0
わちゃんまじわちゃん
ほほ
ほす
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 16:44:02.78 ID:1W99zgRF0
ほ
ho
だれか次スレ立てろ
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 17:48:39.68 ID:ba43Aflq0
は
ほほほ
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 19:32:22.91 ID:1W99zgRF0
ほ
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 19:36:59.45 ID:BL65XEs2P
し
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 20:17:15.99 ID:/xULxPCP0
の
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 20:17:51.14 ID:di0IWXMx0
銀
ニ
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 21:20:04.73 ID:1W99zgRF0
郎
だれだよww
ほしの銀次郎www
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 22:05:27.72 ID:qXtgYOjG0
ん、スレって8日で落ちるの?
ほ
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:12:28.87 ID:TnK750Z00
しえ
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 23:14:02.50 ID:O9ohVdqF0
唯がごめんなさいって言ってないから
またくると思っておく
いつでもかかってこいw
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:40:51.29 ID:P/wuMbUa0
hosyu
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 00:46:37.08 ID:HifBjAvP0
夢ももうすぐ終わりか・・・
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 01:00:53.74 ID:HxfpoSiwO
8日ルールとかまだあったんだな…
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 01:18:58.36 ID:5sfUXutnP
ま
ん
>>531 むしろいつから3日が8日になったのかわからん
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 01:55:19.20 ID:yGEDM0a90
TATESUGIが三桁になったあたりからだよ
落ちたらまた立てて完結させてくれるよね?ね?
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 02:28:15.53 ID:DNsJaJ2m0
ちゃんと完結させてくれよな
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 04:33:26.67 ID:RvO8e7ZC0
待ってるよ
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 06:20:58.88 ID:SotJ+4Rq0
落ちないな・・・
昼に落ちるんだろーな…
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 09:44:39.64 ID:j2ZbF+5YO
しゃおら
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 10:44:47.44 ID:t9NbK7g80
syaora
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 12:14:57.40 ID:Uvgg61Q70
まだあったのか
立った時間からなら落ちるまで1時間切ったな
最後に記念カキコ
書き手の帰還を祈るぜ
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 12:55:56.37 ID:dfmIm/eJ0
mだ落ちてなかったのか
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 12:57:08.82 ID:HxfpoSiwO
あと20分くらいじゃね?
最後だし記念カキコ
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 12:59:57.44 ID:vcH8jJ8m0
す
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
そろそろかな