「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
※かなり時間遡ってます。あちこち行って申し訳ないけどついて来て頂ければ幸いですorz
(裂邪>直通じゃないとは思わなかったな・・・
(正義>ここが例の地下ダンジョン?
(裂邪>いや、入り口みたいなところで待ってるっぽいから、もうちょいか?
というわけで、地下には来てみたんだが
入り口とやらは何処かしら
(大王>何故詳しい場所を聞かなかったんだ?
(裂邪>だって早々に行っちゃうんだもん・・・
(リム>余程急いでたんだバクね、その人
(正義>それより早く探さなky
(ローゼ>あらぁ、裂邪さんに正義さん、こんなところまで何かご用ですの?
(裂邪>ん? ・・・あ!
ふと横を見ると、ローゼちゃんが立っていた
その後ろにはロールちゃんと日天ちゃんも。そして・・・
(裂邪>・・・蓮華ちゃんどうかしたの?
(蓮華>ぁはっ・・・はぁ、はぁっ・・・
(ロール>ち、ちょっと複雑な事情があるってゆーかぁ・・・
(日天>まぁ、そういうこと、だな
(裂邪>(喘ぎ声がエロ過ぎる・・・絶対なんかあったんだ)
あまり妄想を膨らませるとミナワからの一撃を受けるので止めておく
ついでに知らない人に出会って若干困惑してる正義に蓮華ちゃん達を紹介しておく
(裂邪>そうそう、『フヴェルゲルミル』ってところに行きたいんだけど、何処か知らない?
(ローゼ>『フヴェルゲルミル』? あそこは地下に行かないといけませんわよ?
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 14:19:03.78 ID:aFIBIE/bO
忍
(ミナワ>え、ここが地下じゃないんですか?
(日天>あぁ、ここが地下だ
(ローゼ>え゛?
(ロール>アンタ今気づいた系!?
(日天>あと、『フヴェルゲルミル』はすぐそこだ、ほら
(裂+正>意外に近かった!?
日天ちゃんが指差す先・・・確かに、人が集まってる
さっきのおbコホン、お姉様に、花子たんと龍一の兄ちゃん、他にも数人・・・あれ?
(裂邪>わお、望ちゃんいるぞ?
(ミナワ>あ、ホントですね!
(ウィル>誰でい?
(裂邪>プール行った時に出会った子だよ
(大王>ほぅ、お前に友人がいたのか。世も末だな
(裂邪>ほっとk――――――ぐあ!?
(正義>どうしたのお兄ちゃん!?
頭に電撃が走るような感覚・・・これは、幼量子波!?
あの見知らぬ兄ちゃんから感じる・・・
(裂邪>まさか・・・俺と同じロリベイターだと言うのkグハァ
(シェイド>何ヲ言ットルンダ貴様ハ。サッサト行ケ
(正義>大王、ボク達も
(大王>あぁ
(ローゼ>面白そうですの、ワタクシ達も行きましょ〜♪
とりあえず、来ていた皆と合流したのだった
...To be Continued
5 :
噂をする人(代理):2011/01/02(日) 14:23:28.26 ID:56pLhOLQ0
サンタ狩り第7話-俺とサンタさん-
雪の中、俺と親父とで家に向かっている。
「なあ、タカシ」
「何だよ親父」
「お前がまだ小さかった頃、サンタさんを信じてたろ」
「ああ、そんな頃もあったなー」
「それで、サンタさんが俺だってばれちまったときがあっただろ」
「そういえばそんなこともあったっけ」
「ずっと謝りたかったんだ。その…お前の夢を壊して、本当に悪かったと思ってる」
「ど、どうしたんだよ急に今更」
「まあ、今更なんだが、あの年の次から、お前がクリスマスであんまりはしゃがなくなったから」
「…あー、まあ、あの時はショックだったからな。でも、それは少し違うんだぜ」
「どういうことだ?」
「サンタさんが親父だったのは確かにショックだったけど、俺が悲しかったのは、それより次の年からサンタさんがいなくなったことなんだよ。ばれたからって手渡しだもんな。なんだか寂しかったよ、あの時は。」
6 :
噂をする人(代理):2011/01/02(日) 14:25:12.86 ID:56pLhOLQ0
「…」
「親父であっても、サンタさんはサンタさんなんだから、また枕元にプレゼントを置いてほしかったな。なんて言うかクリスマスにはそういう、夢があって欲しかったんだよ。不思議な事が無くたって、親父にはサンタさんでいてほしかったんだ、なんてな」
「……はぁー」
「何だよ、ため息なんかついて」
「なんか、結局親子共に馬鹿だなー」
「えー、一緒にするなよ」
「一緒だよ。お互い勘違いして、てんで方向違いのところに突っ走って、挙げ句の果てに親子で戦いなんて始めてやがる。馬鹿なもんだよ」
「まあ、いいんじゃねえの?終わり良ければ何とやらだ」
「…そうだな」
良く分からないが、親父は満足したような顔でうなずいた。
なんだか、しばらく忘れていた、サンタさんが戻ってきた気がした。
赤いサンタ服じゃなくて、ステテコ姿だけど。
fin
7 :
噂をする人(代理):2011/01/02(日) 14:28:13.81 ID:56pLhOLQ0
サンタ狩りエピローグ-俺と親父とお袋-
昔は、クリスマスは家族みんなで過ごしていました。
サンタさんのプレゼントにはしゃぐ息子。
今年も無事サンタさんになりすませたとほくそ笑む旦那。
夕ご飯にはチキンと、ケーキ。
小さいクリスマスツリーの傍には、息子が学校で作ってきた、もっと小さいクリスマスツリー。
あの頃は、豪華じゃなくても、クリスマスをみんなで楽しんでいました。
その内、成長した息子にサンタさんの正体がばれて。
彼女でも出来たのか、クリスマスにはいそいそと出掛けるようになり。
一人暮らしを始めてからは、あまり家に帰って来なくなりました。
仕事に就いてからは、いよいよクリスマスに家族みんなで集まることは無くなってしまいました。
それは息子の成長している証であり、良いことなのでしょうが、寂しくないと言えばそれは嘘になります。
旦那も、数年前に海外赴任でフィンランドへ行ってしまいました。
海外での仕事は旦那の夢だったので、応援してやりたいとは思うのですが。
ここ数年のクリスマスは、一人で過ごすことになりました。
最近一人でいることに慣れてしまったのは、良いことなのか、悪いことなのか。
8 :
噂をする人(代理):2011/01/02(日) 14:31:29.20 ID:56pLhOLQ0
それでも、チキンとケーキだけは毎年3人分買ってしまう自分がいるのです。
ピンポーン
呼鈴が鳴ったので、玄関へ向かうと、そこには久しくみていない旦那の顔と、これまた久しくみていない息子の顔がありました。
「ただいまー!母ちゃん久しぶり!!」
「お袋ー腹減った。なんか食べるもんない?」
「それより服着させてくれ。いい加減ステテコじゃ寒くなってきた」
「そうそう俺の服もぼろぼろになっちゃってさ、俺の服まだ残ってる?」
「まあ…あんた達なんて格好なの!とりあえず二人ともお風呂に入ってきなさい!濡れた服はさっさと脱いで、上がる前に足だけ拭いちゃいなさい!」
なんだか、久しく忘れていた慌ただしさを思い出し、不意に頬がほころんでしまう。
今年のクリスマスは、家族みんなで過ごせそうです。
どうやら、今年のサンタさんは、素晴らしいプレゼントを持って来てくれたようです。
fin.
あとがき?
サンタ狩り、これにて完結です。
完結した話は初めてなので、なんかうれしいです。まあお粗末ですが。
ここまで付き合ってくれた皆様、本当にありがとうございます。
本編で少し絡むかもしれませんが、それはまた別の話で。
ほかほかと湯気を立てる小振りの丸焼きのチキンを中心とした様々な料理
砂糖菓子とチョコレート、マジパンで彩られた可愛らしい苺ショートのケーキ
ワイングラスの横に置かれた瓶は、ワインでもシャンパンでもなくアルコール成分の入っていない子供用のシャンメリーである
テーブルの傍らにはちかちかとささやかな電飾を瞬かせるイミテーションのツリーも立てられていた
「買出しの時から思ってましたが、日本のクリスマスはおかしいデス」
「そう? 俺にとっては子供の頃からこんな感じだからなぁ」
くくっと喉を鳴らせて笑う星と、何か居心地悪そうにテーブルの上を見ているニーナ
「ま、日本人って宗教観あんまり無いから。こうしてキリストの生誕を祝った後、一週間もしないうちに寺の鐘の音を聞いて、神社に初詣に行くんだぜ?」
「その昔、この国を訪れた宣教師が挫折したのも頷けマス」
ニーナは、はふうと盛大な溜息を吐いて項垂れる
「まー祝うだけならまだしも、日本のクリスマスはすっかりカップルが仲睦まじく過ごす日だからね」
「そうなのデスか?」
「割とそうなの。プレゼントやパーティーにかこつけないと、何もできない根性無しが多いから」
もっとも、星がよく知っているカップルはそんなものにかこつけなくとも、日頃からイチャイチャし通しなのだが
―――
「へくちっ」
「どうした佳奈美、風邪か?」
「んん? 誰か噂とかしてるのかなぁ」
「それはいかん。佳奈美の事を語る輩が居るのはよろしくない。佳奈美が俺のものだともっと世に知らしめないとな」
「風邪! 風邪ひいた、今さっき急に!」
「そうか、じゃあ温かくして汗をかかないとな」
「なんか結果どっちも同じ!?」
―――
「……なんか、ムカついてきた」
「急にどうしたのデスか、黙ったと思ったら不機嫌になって」
「クリスマスにイチャイチャしてるカップルが多いと思ったらさ、なんとなく。俺さぁ、ずっと好きだった人に春先に振られたばっかでさ」
ややむくれながら、テーブルの上のシャンメリーの瓶を手に取り、きゅっと栓を捻ってポンと軽快な音と共に飛ばす
壁にぶつかった栓が床に落ち、ころころと転がっていたところをニーナが拾い上げてテーブルの隅に置いた
「片付けるのは後でいいのに」
「忘れてて、踏んだりしたら危ないデス」
「真面目だなぁ、ニーナは」
「家事を任せられている身デス。家の安全を考えるのは当たり前デス」
「ニーナが居てくれて良かったな、ホントに色々助かった」
「そんなに家事とかが苦手なのデスか?」
「それもあるけどさ」
並べたグラスにシャンメリーを注ぎながら、星は苦笑する
「一人のクリスマスって超寂しいぜ? 職場の人とか誘おうにも、クリスマスも休めない人ばっかだから気が引けるし」
家族は
そう聞こうとして、ニーナは思い留まる
星が今まで家族の話題を口にした事は無いからだ
「どうしたんだ、変な顔して」
「変な顔とは何デスか! それより折角のお料理が冷めてしまいマス!」
誤魔化すように怒ったふりをして、手近な話題に移し
「ん、そっか。それじゃあメリークリスマス」
「今夜はイブデスよ」
「固い事言わない、日本式だから」
「むう」
やや納得がいかなかったニーナだが、そのせいか食事中の話題は世界各国のクリスマス談義となり、彼女の就寝時間となるまで話の種は尽きる事は無かったのだった
はらはらと、降り続ける雪
ぱらぱらと、降り続けるコンペイトウ
……ロマンチック、と、一言で片付けても良いのやら
「はい……はい。わかりました。すみません、お言葉に甘えさせていただきます」
「組織」と連絡をとっていた大樹が、通話を切った
ふぅ、と小さくため息をついている
「大樹さん。どうなの?このコンペイトウの雨については」
ひょこ、と
通話を終えた大樹に、近づいてきた望
大樹は望に優しく微笑みかけ、説明を開始する
「予知班などの解析によれば、コンペイトウは明日の日の出前には降り止んでいるそうです。降り注いだコンペイトウに関しては、範囲が広すぎて除去できないので……降ってきた理由付けをするようですね」
「理由付け?」
「はい。輸送機で運んでいたコンペイトウが、何らかの理由で輸送機から漏れ出した……そう言う事になるでしょうね」
無理のない範囲での、理由付け
超常現象ではなく、「現実的」な理由があった
コンペイトウの雨が降った理由を作る
「組織」がもっとも得意とする隠ぺい工作は、「情報操作」
今回も、それを行う
……ただ、それだけの事だ
「残念だねー。空からコンペイトウとかロマンなのに」
「ちゅちゅー」
「…あんた達、いつの間にコンペイトウ確保してるの」
ちゃっかり、窓を開けて降ってきたコンペイトウをいくつかキャッチしていたらしい
カリコリ、堪能している詩織とノロイ
都市伝説コンビ(片方なりかけ)はどこまでもマイペースだ
「おぉ、いい砂糖使ってるわ、これ」
「ちゅっちゅぅ」
「あー、ほら。夕食前にそう言うもの食うなっての」
料理を盛りつけ始めた翼が、苦笑してくる
私の分大盛りにしてねー、と、詩織がノロイを頭に載せたまま、キッチンに駆けていった
……っとん、と
望が、大樹にもたれかかる
「望?」
「えーと、その……これからまた、仕事、って事、ないわよね?」
コンペイトウシャワー事件
その後始末で、大樹にまた仕事が入るのでは…
望は、それを危惧した
だが
「いえ、大丈夫です。ジェラルドさんからは、今夜はもう、ゆっくり休め、と言われましたから」
大樹は、上司に恵まれていた
そして、上司は、判断したのだ
…「過労死候補生を堂々と休ませられるチャンスを不意にして溜まるか」、と
クリスマスだから、と言う理由で、残業を許さず帰させたのだ
周りに、無理なしわ寄せが来ないよう気を使い……と、言うか、「組織」全員が日頃仕事をサボらなければ、しわ寄せなど来るはずもないのだが…、大樹が罪悪感を感じないように休ませた
そのチャンスを、不意にする訳には行かなかったのだ
「…じ、じゃあ、今夜は、ずっと一緒に居られるのね?」
「はい、そうですよ」
そっと、頭を撫でられて
望は、幸せを噛み締めて笑う
大切な人と一緒のクリスマス
…昨年は、「家族」として
そして
今年は、「恋人」として
大切な大切な、愛しい人と一緒に居られるクリスマス
それを、望は幸せに思う
「さぁ、翼の料理が出来たようですし、いきましょうか」
「えぇ………あ、そ、その、大樹さん」
「はい?」
じっと、見つめられる
サングラスを外した状態での、優しい眼差し
翡翠色のそれに包み込まれ、望は赤くなってしまって
やや視線をそらしつつ、答える
「そ、その……こ、今夜は、一緒に寝てもいい?……さ、寒くなりそうだし」
言い訳も、一緒につけて
己の願いを、口にする
「えぇ、構いませんよ」
望の願いに、気付いているのか否か
当たり前のように、そう答えてくれる大樹
大樹の優しさに、包み込まれているような感覚を覚えて
望は、心から、心から
幸せに、笑ったのだった
fin
女幽霊さんは、姉妹が提案した「レイカ」という名前をとても気に入ってくれた。
「首塚」に加わる事を歓迎され、此処で、悪事を働く都市伝説から一般人を護っていく事となった。
レイカが「死人の所に行って、名前の事自慢してくるねー!」と鼻歌交じりに部屋を出て行った後、紗江はどこか上機嫌な紗奈を見つめる。
ちなみに紗奈は、レイカから「翼が一週間に一度、「首塚」の一員である鐘声の所へ家事をしに行っていて、半ば通い妻と化している」という話を聞かされ、
(翼さんが通い妻……!
中年×青年もイイかも……ww)
等と微妙に守備範囲を広げていたりする。
紗奈の周りには異性の知り合いが多い。
いつか、他の男性と付き合って、自分から離れていくのが怖かった。
紗奈を自分の元に繋ぎ止めて置く、鎖になりたかった。
「紗奈ちゃん……」
「―――紗江ちゃん?…どうしたの?」
その恐怖に突き動かされたのだろうか。
伝えるべきではないと思っていたのに…気がつけば、口に出していた。
「私……私ね……紗奈ちゃんの事が、好き…
妹に対する物でも、家族としての好きでもない……本当に、好きなの」
紗奈は、信じられない、といった顔をしている。
……当たり前だ。実の姉から恋愛対象として見られていた事実など、認めたくないに決まって――
ふわりと抱きしめられた。
「なんだ……私達、とっくに両想いだったんだ…」
「……え…?」
今度は紗江が、信じられない、といった表情をすることとなった。
「気づいたのは最近なんだけど……私も、紗江ちゃんの事が好き……
……うー……なんだか恥ずかしくなってきた…」
真っ赤になった顔を隠すように、紗奈は紗江の肩に顔を埋めた。
想いを、拒絶されなかった。
それだけでも奇跡のようなものなのに、紗奈も自分の事を好きだと言ってくれた。
紗奈の体を支えながら、紗江は想いが通じ合った幸せを噛みしめる。
心が、満たされていく。
暗い喜びが、心を満たしていく。
私の……私だけの、愛しい紗奈ちゃん。
――誰にもあげない。
その瞳に宿るのは、深い深い底無しの狂気。
続く…?
【電磁人の韻律詩49〜夢見た物〜】
「ワナテキュベービッテーミハイヤー!
愛を抱きしめて居間!
ゴナティガテーミーテーミハイヤー!
雪絵抱きしめて強く!」
「いや、歌ってる場合じゃないから、かなり深刻なピンチだから。」
「だってお前ティガだぜ!?
ティガが現実に出てきてライダー軍団とバトルしてくれたらそりゃあ喜ぶわ。」
「誰のせいで今こんな状況になったと思ってるんだ!」
「それについてはほら……、だって怪獣フィギュアもセットで買いたくなるじゃない。
ところで雪絵ちゃんひんやりしてて気持ちいい。スリスリして良い?」
「駄目だ!それ以上やったらキャラ崩壊じゃ済まなくなるぞ!
アスマまで変態化したらこの町から常識人がいなくなる!」
「くっそおおおおおおおお!」
「――――はっ」
「お、雪絵ちゃんが眼を覚ました。」
「大丈夫かいフランちゃん!」
「あれ、お二人ともなんでリビングにいるのですか。
先ほどまで部屋でお掃除を……あ゛。」
「思い出したか!」
「はい、思い出しました。
真お兄さんの部屋を掃除しようとしたらなんか人形が本物になって戦いを始めて……。
私はそれに巻き込まれて気絶していたところをお兄さんに助けて頂いたのです。
で、眼を覚ましたら何故か家が半壊している件についてはどのような事情が有ったのか早急に説明して頂けるとありがたいです。」
「あらすじありがとう!君が気絶した後に怪獣フィギュアも本物になっちゃってね!
ウルトラマンとバトルを始めたんだ!
今頃は怪獣もウルトラマンも町からは離れただろうけど……。」
「家が……壊れた。」
「あっちゃあ……。私たちは家無き子なのですか?」
「今年入ってから何回明日家は全壊してたっけ。」
「三回くらいは壊れてるかな。」
「これがギャグマンガだったら当然の如く翌週には直っているんだけどね。」
「姉さんがいれば直してくれるのになあ。」
「残念ながら彼女はセンチメンタルジャーニー中だ。」
「お姉さんって誰なのですか?」
「ああ、俺には姉がいるのよ。ムカツク奴なんだけどさ。」
「そうなのですか。私にも兄弟が居る筈なのですよ。」
「そうなの?」
「あんまり作られた時のことは覚えてませんけどね。」
「ふむ……、まあしかし今は何より家が壊れた。」
「あっ、なんか向こうがすごい光ってますよ!」
「でゅわ!」
「ギシャー!」
「ティガが戦っているんだ!頑張れティガ!」
「そんな子供みたいに目を輝かせて応援してるんじゃない!」
「現実逃避してるんだ、悪いか?」
「お前が諸悪の根源じゃ!」
「そう言えばお兄さん、他のフィギュアは大丈夫なのですか?」
「え?」
「いや、怪獣だけじゃなくて怪人のフィギュアもありましたから……。
なんでしたっけ、あの緑のバッタの化け物みたいな奴。」
「真さんは化け物じゃねええええええええええええええええええ!」
「ぎゃあああ!苦しい!絞めないで!首絞めないで!なんか殺された時の記憶がちょっと蘇る!?」
「アスマ!それ正義の味方としてアウトな絵面だよ!シリアスに不味いよ!」
「うるせええええええ!真さんが化け物だといったその口を叩きつぶしてや……アう!」
「ちっ、これ以上やられると人気投票悲惨なことになるし、寝てもらうしかないな。」
「恋路さん、肋骨の隙間から貫手をいれるのはやり過ぎじゃ……?」
「それよりも今が大事だ。この家どうするの?」
「あっ、ウルトラマン戻ってきましたよ。」
「うわっ、こっちくんな、家壊すな。」
「あっ、なんか家が優しい光に包まれて修復されていく。」
「ナイスウルトラパワー!」
「お前はウルトラマンに失礼すぎると思う。」
「知ったこっちゃねえ!」
「ったく……。」
「あ、あれなんですか?」
「貴様を殺して、この俺が創世王になるのだ!」
「ぐああああああああ!」
「あ、RXじゃねえか!シャドームーンに負けてるし!」
「あれ?どっち悪役?」
「あの銀色の方。」
「負けるとどうなるの?」
「あいつのパワーで世界がヤバイ。」
「もう組織の人呼ぼうぜ。」
「駄目だ!この町は俺が守る!」
「うん、ただ近くで見てみたいだけだよね。」
「じゃあ私があのシャドームーンとやらとバトって来ますね。」
「待てっ!あれが本当にキングストーンを手に入れたシャドームーンなら!」
「あーれー!」
「ああっ、フランちゃんが触手に捕まってあられもない姿に!最近のライダーは触手も使うのか……」
「おおっ、何故か全く興奮しないぞ!」
「良かった、アスマはまだ正常だ!」
「それより恋路!俺たちがあいつと戦うんだ!」
「いや、無理だろ。私はサービスシーン提供する気無いよ?」
「えー……。あ、そうだ。これ使おうこれ。」
「ええええええ!?これって……。」
「そう、これは劇場版でシャドームーンを追い詰めたあのライダーの変身ベルトだ!」
「いや知らないし、いつの間に持ってきたんだよ……。」
「さっきウルトラマンが家を直してくれた時に空からベルトが落ちてきた。」
「んなアホな……。」
「ほら、恋路も装着して!」
「うわっ、やめろよくすぐったいって、あっ、腰触るなぁ!
もう其処駄目!変なところ触らないでよ!ムードってものが……」
「暴れるな!さっさとやるぞ!」
「くそっ、大体なんでこれをつけなきゃいけないんだ。
普通に戦えばいいじゃないか!」
「駄目だ!恐らくこのベルトにも憑喪神が憑いている、だから今なら本当に変身できるはずなんだ!
ライダーを倒すにはライダーだ!正直言うと変身したい!」
「なんて滅茶苦茶なことを言うんだ!正気を疑うぞアスマ!」
「ふっ、でも勝機は疑えないだろ?」
「どや?みたいな顔してんじゃねえ!」
「ヒャアアアア!そこは違うヨオオオオオ!」
「幼女触手ヒャッハアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「うわっ、雪絵ちゃんが何されててもエロく見えない!」
「その一言で安心した!
ていうかなんだよあのシャドームーン!ド変態じゃね!?」
「良いからさっさと行くぞ!
……あ。」
「どうしたアスマ!」
「ガイアメモリが無いよ……。」
「必要なの?」
「必要です。恋路が先にそのドライバーにメモリを刺して、それが俺のベルトに転送されて俺が変身します。」
「駄目じゃねえか!あ痛っ!頭になんかぶつかった!これってアスマが前に買ってた変身アイテムじゃないか。全部で一万三千円の。」
「あ、それがガイアメモリ。」
「これ?なんかCって書いてある。」
「成る程、それが恋路の運命のガイアメモリか……。
それを使って早く変身するんだ!」
「じゃあ……。」
「サイクロン!」
「うわっ、なんか音が……!?」
「あ痛ッ!なんで我が家のガイアメモリは頭にぶつかりたがるの?アホなの?」
「うへへへへへ、お嬢ちゃんの大事なところをこれからたぁぁぁっぷり……」
「らめぇ……。」
「うわ、漫才している間に雪絵ちゃんの色々がピンチだ!?」
「ジョーカー!」
「行くよアスマ!」
「ああ、恋路!」
「「変身!」」
「「仮面ライダーT、サイクロンジョーカー!」」
「「うおおおおおおお!」」
「な、なんだこの力は……ぐわあああああああ!」
「やった、雪絵ちゃんが開放されたよ!」
「うおっ、粘液でべとべと!」
「あっ、今度は触手が私の身体に!?」
「……チッ、非ロリかよ。」
「速攻捨てられた!?ソレハソレデムカツクムッコロス!」
「明日さん!私にもベルトを!」
「そこら辺に落ちてるの使え!」
「む、じゃあこれで……超変身!」
「よりによってそれかよ!」
「キャメンライダークウガー!」
「ちがうよ!?あえて間違えてるよね!?君幾つなの!?」
「行きますよお二人とも!」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 15:33:09.32 ID:FBnCYUiB0
「あの糞触手むっ殺す。」
「よっしゃ!憑喪神最高!何時でもいけるぜ!」
「ハァ……なんであの無茶苦茶な二人の息が合ってるのだろう。まあわたしも、ね。」
「待て、お前らだけに良い格好はさせないぜ?」
「実は俺って良い奴なんだな……。」
「だから言っただろ?」
「兄貴!俺たちも輝けるのかな?」
「弟よ、光を求めるな……。だが、あのふざけた野郎に地獄を見せるのは悪くない。」
「ザヨゴオオオオオオオオオ!」
「もう家に帰りたい……。」
「な、何が起こってるんですかこれ?」
「ライダー達がゾクゾク集まってる!」
「奇跡だ……!」
「ヘアッ!」
「デュワッ!」
「ジェアッ!」
「ウルトラマンまで!」
「なんてこったい!」
「よっしゃあ行くぜ!」
「「「「「ライダー……」」」」」
「「「「「キィッック!」」」」」
「ぐわあああああああああああああ!」
む
「かくして学校町から悪は去り、我々は無事に新年を迎えることが出来たのである。」
「今回は地の文0を狙ってみたけど意外といけるもんだね。」
「ああ、びっくりだよ。意外と会話だけでいけるもんだな。」
「まあそんなこんなで2011年も」
「私たちの活躍と」
「学校町の平和を祈りながら」
「ついでに作者がもうちょっと面白い作品を書けるように祈りながら」
「まあ何より皆さんの健康と幸運をお祈りしつつ」
「「「一年間ありがとうございました、そしてあけましておめでとうございます!」」」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「って初夢を見たぜ恋路!」
「君はアホか……。」
【電磁人の韻律詩49〜夢見た物〜】
しまった・・・今からあげてくる
笛の人に超土下座orz
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 15:41:13.01 ID:FBnCYUiB0
しえしえ
【電磁人の韻律詩48〜大掃除を始めると概ね懐かしの品を楽しんでしまうから無駄〜】
「明日家の皆様は大掃除をしないのですか。」
「え?」
「あ゛。」
暮れも押し迫ったある日のこと。
明日家になんだかんだで居候を続けていた雪絵(享年10〜12才、フランケンシュタイン)が何気なく発した疑問。
だがそれは明日家の二人を震撼させるに足る恐怖の一頃であったことを彼女は知らなかったのだ。
「そそそそそそ、掃除かい?」
「なあやめようぜ雪絵ちゃん。掃除なんてやったところでまた汚れるんだ。」
「なんでお二人とも目が泳いでいるのですか。
ルックアットミー。」
実は明日真も恋路も掃除が滅茶苦茶嫌いなのである。
それ故に部屋の汚さが限界を迎えると二人は様々な方法で勝負して敗者が掃除をするという掃除デスマッチを行っていたのだ。
「I can’t speak English.」
「無駄に発音良い!?」
「恋路さんって英語得意なんですか?」
「ああ、実は英検一級を持っている。」
「何時手に入れた!」
「学校に入る前に通信講座→一般受験→無事合格。」
「すっげえええええええ!合格証見せろ!すぐ見せろ!」
「ふっふっふ、良いだろう……」
そう言って恋路が合格証を取りに部屋へ戻ろうとする。
だが、その肩を雪絵ががっしりと捕まえた。
「お二人とも、片付けから話をそらそうとなさってませんか?」
「…………やだな。」
「…………そんな訳無いじゃないか。」
「くっ、そこまで二人がやる気無いのでしたら私がやります!
まずは明日さんの部屋から!」
と、言うやいなや雪絵は明日真の部屋に直行する。
「ま、待てええええええええ!」
明日真は彼女を追いかけようとしたのだが時既に遅し。
「待つのは君だよ、アケビマコト君。」
「あらあら恋路さん何故にそんな笑顔で……。」
「こいつを使えフランちゃん!」
「合点承知だ恋路さん!」
恋路はチョークスリーパーで明日の動きを止めつつ雪絵にゴミ袋を投げ渡した。
「待ってええええええええ!?」
明日の声ばかりが虚しく響く。
「さて、ここが明日さんの部屋ですね……。
おおう、なんという散らかり具合。」
本邦初公開、明日真の部屋。
まずは窓辺にベッドが一つ。
そして枕元にはデスクトップのパソコンがある。
そしてそれに接続された沢山のボタンが付いたコントローラー。
これはまだ彼がDJとして活動していた頃の品である。
パソコンにこれを接続してソフトを起動すると簡単に楽曲をいじれるのだ。
その他にも
ターンテーブル
CDターンテーブル
DJミキサー
ヘッドフォン
カートリッジ
スリップマット
エフェクター
サンプラー
DJテーブル
レコードケース/バッグ
CDコレクションの数々
とまあ彼のDJとしての活動を支える沢山のアイテムが彼の部屋の一角を占領していた。
「まあ百歩譲ってこれは良しとしましょう。」
明日真の家はそこそこお金持ちである。
その為か彼の部屋もそれなりに広い。
だから実のところ今まで紹介した物はそこら辺に放置していてもそれほど問題にはならないのだ。
「問題は……。」
そう、問題は所狭しと部屋の中に林立するガラスの棚達。
地震でも起きたらほぼ一発で壊滅しそうなその棚の中に輝いているのは……
「この人形達ですね。」
明日真の大好きな某特撮番組のフィギュアである。
ちなみにテレビべージョンのヒーロー達と違って少々生々しいデザインだ。
「恋路さん、これ片付ければ良いんですか?」
「うん!やっちゃって!」
「ふがあああああ!ふがあああああああ!」
一瞬だけドアの隙間から全身をロープで縛られて猿ぐつわを噛まされた明日真が見える。
だがそれを気にする雪絵ではない。
彼女はフランケンシュタインの怪力を発揮してガラス棚を次々部屋から運び出す。
中のフィギュアは当然揺すぶられて次々転倒・破損しているがそれも気にする彼女ではない。
「ほろへ……、いっほほろへ……。」
「うふふふふふ、これで部屋が片付いたねー?」
そして恋路の弾ける笑顔である。
「悪魔共め……、俺の日常を返せ。」
猿ぐつわを外された明日が虚ろな目で天井を眺めている。
彼の目からは一筋の涙が零れていた。
突如、ガラスが割れる音が廊下に響き渡る。
「どうせ俺たちはワゴンの身……。」
「Change Kick Hopper」
「Change Punch Hopper」
「暖めてやる、財布なんて!」
「キャー!?」
「雪絵!?」
「フランちゃん!?」
雪絵が廊下の曲がり角の壁に思い切り叩き付けられる。
「兄貴……、こいつらにも地獄(ワゴン)を見せてやろうよ。
俺たちやっと光(ショーケース)を手に入れたと思ったのに……。」
「だから言っただろう弟よ、光(ショーケース)を求めるなってさ。」
明日はそれを見た瞬間目を輝かせた。
恋路は口を開けたまま閉じられなかった。
そう、明日真が買ってきたフィギュアに憑喪神が憑いて本物そっくりに変身しているのだ。
そのフィギュア達は彼等をしまい込もうとした雪絵を蹴り飛ばすか殴り飛ばすかして壁に叩き付けたらしい。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 15:55:45.19 ID:JQWmtaa30
しえええん
「うおおおおおおおおおおお!
すげええええええ!本物だ!本物だぞあれ!」
「いやいやアスマ君何とんでもない物買っちゃってたんですかねアレ!?」
「いや、ワゴンで売れ残ってたから……。
もしかしたらその時の怨念やらトラウマやらで憑喪神が憑いたのかも。」
「なんてこったい……。」
恋路は迷うことなく戦闘態勢に入る。
「たたたた大変です!フィギュアが次々と本物に!」
「デュワッ!」
「ヘアッ!」
雪絵の悲鳴が響く。
「えっ、うそ……。よりによってウルトラマンまで……ちょっとカメラ持ってくる!」
明日真はカメラ片手に撮影会を始める。
年末の明日家の状況は混沌を極めていた。
そしてこの話、なんと続くんじゃよ。
【電磁人の韻律詩48〜大掃除を始めると概ね懐かしの品を楽しんでしまうから無駄〜fin】
12月30日
家は、大晦日にバタバタしたくないからと、この日に大掃除をする
…何分、昔から使ってる家だから、無駄に広いのだ
組員総出での掃除となる
「龍一、自分のお部屋は片付いた?」
「……一応」
俺は、俺の部屋の掃除を終えて
他の掃除を手伝おうかとしていた
そんな俺を見つけて、お袋が告げてくる
「じゃあ、先に蔵の方に行っててくれるかしら?私達も、手が空いたら行くから」
「……わかった」
……あぁ、あそこはどうしても後回しになるからな…
…一応、古い屋敷だからか、家には蔵がある
年に何度か開け放って掃除とか換気はするのだが、掃除が大変な場所である事に違いはない
そして、別に日常生活で使っている場所でもないから……後回しになってしまうのだ、どうしても
ひとまず、お袋があぁ言うということは、他の場所は手が足りているんだろう
言われたとおり、蔵に向かう
ぱたぱたと、そんな俺の横を、花子さんがついてきた
こっちの家の掃除など手伝わなくとも良いだろうに、手伝ってくれているのだ
…まぁ、この家じゃあ、花子さんが「見えない」人間の方が多いから、見られてないところしか掃除できないんだが
「みー?あそこをお掃除するの?」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 15:59:59.49 ID:JQWmtaa30
しぇん
「あぁ………花子さんも、入った事があったんだったな」
「みぃ。埃っぽかったの」
「……普段は閉め切ってるからな。花子さんは、無理に手伝わなくともいいぞ」
「み!大丈夫なの。お手伝いするの」
無邪気に言ってくる花子さん
正直、ありがたいのは事実
好意を受け取りながら、蔵に向かう
南京錠を外して、重い扉を開けた
…相変わらず、埃っぽい
さて、どこから手をつけようか
俺が、ぼんやり中を見回すと
「………ぁ」
…ふと
懐かしい物を見つけた
その箱を手に取り、蓋を開ける
「み??」
花子さんが、近づいてくる
構わず、中のそれを取り出した
…それは、古い、絵
絵と言うよりは、絵巻物、とでも言うべきだろうか
何百年も昔に描かれた、と言う訳でもない
せいぜい、明治初期に描かれた物
「けーやくしゃ、それ、なぁに?」
「……ん……家に昔から伝わっている、物だ」
それは、ある真実を記した物
……懐かしい
初めに、これを見つけた時を思い出す
まだ、花子さんとも契約してなかった
幼い頃の、事を
あの日
龍一は、いつも通り、家に伝わる刀の前にいた
そして、飽きる事なく、安置されている刀をじっと見つめ続けていた
そんな龍一の少し後ろにいるのは、菊
親について、本家に来ていたのだ
龍一が、菊に話し掛ける訳でもなく
菊が、龍一に話し掛ける訳でもなく
ただひたすらに、沈黙が続き…
……ばぁん!!と
襖が、勢いよく開けはなたれた音で、その沈黙は破られた
「やぁ!龍二君!遊びに来たよ!!」
「……癸酉さん……?…俺は、龍一なのですが」
「まぁ、細かい事は気にしないで、龍吉君……あれ?そっちの子は?」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 16:07:42.71 ID:JQWmtaa30
支援
突然、やってきた癸酉
それに対し人見知りしたように、龍一の影に隠れた菊
龍一が、そんな菊に話し掛ける
「……河伯家の方だ」
龍一の、その言葉に
菊はほっとして、前に出た
「…お初にお目にかかります。獄門寺 菊と申します…獄門寺家 分家の者です」
「あはは、龍三君と一緒で硬いなぁ、もっとフレンドリーでいいんだよ!僕は河伯 癸酉。よろしくね、薔薇君!」
「菊です」
「……癸酉さん、花の名前と言う以外、共通点のない間違いはきびしいと思います」
いつも通り、お気楽な癸酉
く、と、座っていた二人の手をとり、立たせる
「ほら、せっかくいい天気なんだし、外で遊ぼうよ!」
「あ……その……」
「…わかりました」
戸惑っている菊と、素直に手を引かれて行く龍一
……カタリ、と
一瞬、刀が小さく音を立てたのだが
この頃は、まだ三人の内誰も、その音に気づく事はなかった
獄門寺家の裏庭までやってきた三人
さて、何をして遊ぼうか
「よし!ここはお決まりの、仮面ライダーごっこを!!」
「……すみません。つい最近、「太陽に吼えろ」の再放送が始まったので、そっちは見ているのですが……仮面ライダーは、まだよく知りません」
「…じ、「仁義なき戦い」とか「ゴッドファーザー」なら見てるけど……仮面ライダーは、よく、知らない」
「どっちもお子様がセレクトする作品じゃないよねっ!?って言うか、雉君の方の親御さんは、子供がそれを見ていて何も言わないのかなっ!?」
「…き、しかあってないです…」
ごっこ遊びをするには、全員がそれをきちんと知っている必要性があるだろう
癸酉が教えてもいいのだが、この二人に教えるには時間がかかりそうだ
どうしようか、癸酉が考えていると
…ふと
癸酉の視線に入ったのは、獄門寺家の、蔵
「そうだ!あの蔵を探検しよう!」
「ぇ…」
「何か、珍しい物があるかもしれないし」
大きな、蔵
子供にとって、そこは立派な冒険場所となる
「…でも……勝手に入ったら…」
「大丈夫だよ、ちょっとくらいなら!」
「……中の物を壊さなければ、問題はないと思いますが」
おどおどしている菊と、淡々と告げる龍一
龍一の了承を得た事で、癸酉は喜んで蔵に向かってかけていった
龍一がその後をゆっくりとついていき、菊が慌てて、二人を追いかける
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 16:11:44.41 ID:JQWmtaa30
しーえん
子供の手には、重たい南京錠
鍵を預けられていたのだろう
龍一が、それをあっさりと開けた
重たい扉を、三人がかりで何とか開ける
「うわ……暗いね…」
「……明かりがほとんどありませんから」
そっと、中に入っていく三人
……確かに、暗い
子供に恐怖を感じさせる、お化けでも出てきそうな暗さ
だが、癸酉は負けずにずんずん進んでいく
何か、面白そうなものはないか、きょろきょろ見回していた
龍一も、背中に菊がほぼ張り付いた状態で、入っていく
「ん〜、刀とかないかな。古い刀とか」
「……刀なら、親が持っている物がありますが。いつでも見せてもらえますよ」
「…こっちの、親も…刀とか薙刀、持ってる……時々、使ってる…」
「何に使ってるのかな。パフォーマンスだよね、居合いとか型のパフォーマンスで使うんだよね?生き物を切ったりしてないよね!?」
「……大丈夫です」
「…死なせない程度に、切ってる」
「地味に怖いよ!?さらっと言われるのがなおさら怖いよ!?」
三人一緒のせいだろうか
それとも、癸酉のおかげでこう言う会話になっているせいだろうか
暗い中でも、三人は進んでいく
…そして
「あれ、この箱、何だろう」
以前、開け離れれた時、きっちりと閉められなかったのだろうか
蓋が開きかけた、大きな箱があった
好奇心を刺激されたのか、癸酉はその箱に近づいていく
「何が入ってるんだろ……龍千君、開けちゃっても大丈夫かな?」
「……龍一です…貴重な物は、鍵つきの箱に入っているはずですから……問題、ないかと」
「じゃあ、開けちゃうね〜」
うきうきと、箱を開ける癸酉
宝箱でも開けるような気分で蓋をとり、中を覗き込んで…中から、何か取り出す
「何だろ、巻物かな…?」
ぱらり
気楽に、それを開いた癸酉だったが
「うわぁっ!?」
と、悲鳴をあげて、それを落としてしまった
その悲鳴に驚いたのだろうか、菊が一瞬、びくりと体を震え上がらせる
少々涙目気味なのだが、長い前髪のおかげで、気付かれてはいない
「……どうしました?」
「な、中、これ」
「………?」
てとてと、近づく龍一
巻物を拾い上げ、見つめた
「……これは」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 16:24:30.36 ID:M0/+KslT0
sin
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 16:26:14.80 ID:JQWmtaa30
しえええええん
「何か、すごい血塗れの絵が描いてるよ……切られてるのが鬼だから、鬼退治の話が書かれてるのかもしれないけど…」
癸酉の言う通り、その巻物は、絵巻物で……描かれていたのは、血みどろの光景だった
倒れ付している、数体の鬼
それを切り伏せたであろう、刀を持った若い男は、全身返り血塗れだ
鬼は、人に近い姿の者もいれば、完全に化け物じみた鬼もいる
その全てを、刀を持った男が、切り伏せた……そんな、光景と思われた
その絵は、酷く生々しく
まるで、実際にあった場面を、絵に描き止めた物に見えて
……正直、普通のお子様が見れば、トラウマ物だ
「………」
「…若…?」
そんな、絵巻物を
龍一は、じっと、じっと……興味深げに見つめていた
片手で持って、絵の他に書かれている字を、指でなぞりながら、読み解いているようだった
「…り、龍三郎君?それ、怖くないの?」
「……龍一、です………いえ、怖い、とか、恐ろしいとは感じません。興味深いです」
「興味深い?」
「……はい」
そっと、その絵巻物を床に広げる龍一
菊も、ちょっと怖かったのだろうか
こそこそ、癸酉の後ろに隠れてしまった
癸酉も、直視はできないのか、やや視線をそらしている
そんな二人に構わず、龍一は、中央に描かれた若者を指で示す
「……この方は、獄門寺家の、八代目様です」
「八代目様?」
「…知って、ます……獄門寺家が、現在まで続くキッカケ…栄えるキッカケを、作ったお方…」
ぽつり、菊が答える
そう、と龍一は頷いた
「……八代目様は、とある方から刀を授かり、それで鬼を切った、と伝えられています…これは、その様子を書き記したものです」
「刀って、屋敷に安置されてる、龍男君がいつも見詰めてる奴?」
「……龍一です………あの刀、ですね」
絵巻物に描かれた若者
…それが持つ、血塗れた刀
それは、獄門寺家の本家に安置されている、八代目の代より伝わっている刀に間違いはなかった
「それで、興味深い、って?」
「……八代目様の周りに描かれた、切り伏せられた、鬼……それは、全部で七体います」
龍一の言葉に、癸酉は勇気を振り絞って、絵巻物に視線をやった
ひぃふぅみ、と数える
「…うん、7体いるね。それで?」
「……この鬼達は、獄門寺家の…八代目様より前の先祖である、とこれには示されています」
「え?」
きょとん、と絵巻物を見つめる癸酉
菊も、不思議そうに絵巻物に視線をやる
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 16:32:12.52 ID:JQWmtaa30
支援
「この、鬼が?」
「……はい」
「家も、先祖は河童って言われてるけど……あれ?龍蔵君の先祖って、鬼?」
「……龍一です……いえ、我が家の先祖は、間違いなく、人間でした」
ただ、と
切り伏せられた鬼を見つめながら、続ける
「……人間として生まれながら、鬼となった、ただ、それだけです」
「…鬼に、なった?」
首をかしげた菊に、そう、と龍一は頷き、続ける
「……子を成した時には、まだ、人だった。けれど、その後に「鬼」となった……八代目様は、鬼となった己の先祖達を切り伏せた。そう、記されています」
「それって、自分の親も入ってたんだよね?…それも、斬ったの?」
「……そう、記されています。鬼であらば、全て切り捨てた、と」
親殺し
それをも、含んだ記録
龍一は、その事実を淡々と読み上げる
恐ろしさを、感じているのか、いないのか
無表情と淡々とした声から、その真意は見えない
「……獄門寺家の人間は……鬼に、なりやすい。心が修羅と化し、最後には鬼になる事が珍しくなった…と、されています」
「…それは。龍一君も、いつかは、鬼になっちゃう、って事?」
珍しく…名前を間違われる事なく、癸酉から告げられた言葉
菊が、また、小さく体を跳ねらせた
そして、じっと、龍一を見つめる
龍一は
じっと、じっと、絵巻物を見詰めて
「……わかりません」
と
首を、左右に振った
「……この、絵巻物では……八代目様の代から、獄門寺家で鬼と化した者はいない、とされています」
「八代目様って人の親が、最後の鬼だったって事だね」
「……はい。八代目様は、人として死んだとされています…それ以降の歴代当主も、人として死んでいっています」
ですが、と
龍一は、淡々と続ける
「……獄門寺の人間が、修羅に堕ちやすいのは、鬼になりやすいのは、事実………俺が鬼にならない保障は、どこにもありません」
自分が
人間ではなくなるかもしれない
その事実を、龍一は淡々と口にした
……もし、人ではなくなったら
その時は、仕方がない
そうとでも言うような、口調
重苦しい空気が、蔵の中を包み込んだ
菊は小さく震えて、すぐにでも泣き出しそうだ
龍一は、何も言わない
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 16:42:41.10 ID:JQWmtaa30
しぇん
ただ、囚われたかのように、絵巻物を見つめ続けている
「……大丈夫だよ」
そんな中
癸酉が、ぽつりと口を開いた
「……癸酉さん?」
「龍一君はさ。一生懸命、八代目様を模範にして、八代目様みたくなろうとしてるよね。だから、大丈夫だよ」
それは
気休めに過ぎない言葉だったかもしれない
「龍一君が模範としている八代目様は、鬼になってない。だから、八代目様を目指している龍一君は、鬼になったりしないよ」
…だが
その、言葉は
幼い龍一の言葉に……深く、響いた
「……だと、いいのですが」
「大丈夫だって。ね、菊君?」
「…ぇ」
「龍一君は、大丈夫。僕と菊君で保障しようよ。大丈夫だって。そうすれば、龍一君は、きっと、鬼になったりしないよ」
癸酉に、そう言われて
菊は、おどおどと、龍一と癸酉を交互に見つめて
「………なりま、せん…若は、鬼になったり、しません」
と、そう、口にした
「若は、八代目様の、生まれ変わり………だから、鬼になったり、しない」
「……菊」
「あはは、生まれ変わりかどうかは、わかんないけどさ。龍一君なら大丈夫だよ。こんなの、気にしなくたっていいんだよ」
そっと、龍一から絵巻物を取り上げて
くるくる閉じて、箱にしまった癸酉
しっかりと、蓋をする
「さて!外に出ようか。やっぱり、いい天気だしさ。外に出たほうがいいよね」
龍一と菊の手をとり、癸酉は歩き出す
二人共、大人しく手を引かれて、蔵の外に出た
扉を閉め……龍一が、鍵をかける
「あ、そうだ」
「…?」
「……何です?」
「この蔵の中で見た、あれ。三人で内緒にしておこう。怖い物を見たって知ったら、親が辺に心配しそうだしさ」
癸酉の、その提案に
二人は、こくりと頷いた
…特に、龍一は、親が時々変なところで過保護で暴走する事を知っていたので、深く深く、頷いた
「よーし、これは三人の秘密!バラしちゃ駄目だからね!……さ、改めて、かくれんぼでもしようか!」
誰が最初に探す役をやろうか、と
わざわざ、「鬼」と言う単語を避けてくれた癸酉
……その気遣いに、龍一はこっそりと、笑みを浮かべたのだった
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 16:53:10.55 ID:JQWmtaa30
支援
……懐かしい記憶
それを思い出しながら、龍一はその絵巻物をしまいこんだ
あの時の出来事は、約束通り、誰にも語っていない
菊も、癸酉も、あの時の事を覚えているかどうかはわからない
二人共、龍一よりも年上だったから……学校やら何やらで忙しくなってからは、会う機会も減ってしまった
分家の人間である菊とは、まだ何だかんだで顔をあわせているが、癸酉とはなかなか会う事がなくなってしまっている
…それでも
あの記憶は、龍一にとって、大切な記憶の一つだ
「…さて。掃除をはじめるか」
「みー!」
埃を落とすべく、掃除をはじめる
幼い頃、ささやかな冒険をした場所
その思い出を、噛み締めるように
龍一は、大掃除に着手したのだった
fin
アンサー「……某、紗奈殿のぷらいばしーにはあまり干渉しないようにしていたのでござるが……少々気に成り申した事があるでござる…」
紗奈「気になった事?」
アンサー「「首塚」の本拠地で目覚めた時……やはり、男色の気配を感じていたのでござるか?」
紗奈「いやいやいやいや!?あの場面はシリアスだったじゃない!そういう理由で目覚めたら、ギャグになるから!シリアスな雰囲気が壊れるからっ!」
アンサー「紗奈殿、めた発言は自重なされよ」
紗奈「……っていうか、あの、アンサーさん…?何故に男色という単語が出てきたのでしょうか…」
アンサー「紗奈殿はよく、携帯電話で男色の描写があるさいとを巡って「みにゃぁぁぁ!?ストップ、ストーーーップ!!!」」
紗奈「……これからはサイト巡りはパソコンでしよう……」
終われ
ぼーん、ぼーん
除夜の鐘が鳴り響く
煩悩振り払いし、鐘の音
ぼぉーんごぉーん、と、学校町中に響き渡る
「くっくっく…」
そして
除夜の鐘つく、男一人
やや、無気味に笑っている
「さぁ、払われよ!!学校町に渦巻く煩悩よ!!」
ごぉーーーん!
「学校町の強さの、厄介さの秘訣!」
ぼぉーーーん!!
「それはっ!煩悩!!変態共の煩悩!!!」
ごぉーーーんぼぉーーーん!!!
「変態はっ!無駄に強かったり!!丈夫だったりするから厄介だ!!!」
ごぉおおおーーーん!!!
「だからっ!!この!!!「除夜の鐘で煩悩を払う」でっ!!!学校町の変態共の煩悩を払い!!学校町を無防備に!!」
っごぉーーーーーん!!!!
男は、悪の手先か何かなのだろうか
いっそお前が払われろという勢いな事を口走りながら、男は除夜の鐘をつき続ける
男は、先ほど自身で口にしていた通り、「除夜の鐘で煩悩を払う」の契約者
年の瀬、108回鐘をつく事で、108の煩悩を払う能力だ
時期が超限定される能力であり、発揮できるのは一年に一度と言う、使いどころが困る能力である
効果も微妙だし
一応、煩悩を感知する能力もあるけど、やっぱり微妙だ
だが
男は今、その能力をフルに発揮していた
彼が鐘をつくたびに、学校町に渦巻く煩悩が、一つ、また一つと払われていく
「これで学校町も終わりだ!!ふぅははは〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」
っごぉおおおおおーーーーーーん!!!!
渾身の、力をこめて
108回目の鐘が、つかれた
………
…………
……………
ぜぃぜぃ
肩で息をする男
「……な」
ぜぇぜぇ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 16:59:15.97 ID:JQWmtaa30
しぇん
その顔に浮かぶは、驚愕
「……ッバカな!?」
そんな
ありえない
「ちゃんと……108つ、煩悩を払ったはずなのに!?」
そうだ
自分の能力は、間違いなく発揮された
だと、言うのに
「学校町に渦巻く煩悩が………消えていない、だとぉ!?」
そう
108つ、払っても
まだまだ、まだまだ
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
たくさんの、たくさんの
煩悩が、学校町を覆っていて
これでは…学校町の力を削ぐなんて、できたとは言えない
「畜生……」
己のふがいなさに
男はがっくりと、膝をついた
「ちっくしょぉおおおおおーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
だん!と
地面を拳で叩く男
男は悪くない
ただ
学校町には、変態が多すぎた
煩悩が、多すぎた
108個程度の数に、収まるわけがないのである
その10倍払えたとしても、まだ厳しい
学校町の、寒空の下
男はただただ悔し涙を流し、負け犬の遠吠えを続けたのだった
終われ
真円に近い月が天高く昇り、寝静まる町を優しく照らしている時の事
星空を駆ける白い生物と、その上に寝転がっている白い上着の少年が、何やら話していた
(理夢>おい主ィ! 全然夢がねぇぞぉ!?
(裂邪>チッ、やっぱ年明けヒャッホゥ!とか言ってる奴らの方が多かったか?
初日の出見に行ったりとか
そういや『元旦』って『初日の出』の事で、ノットイコール『元日』って知ってた?
(理夢>どうでもいい! 夢よこせ夢ぇ!!
(裂邪>だからって今更「催眠術」と契約する訳にもいかんだろ、マジで飲まれるし
つぅかよ、こんだけ広い町なんだから寝てる奴が1人や2人な訳ないだろ?
(理夢>ギクッ
(裂邪>悪夢、喰わなかったな?
(理夢>・・・・・・・・・・・
(裂邪>つぅかお前! 仮にも「獏」だろ!? 誰かが夢見てる時ぐらい、反応して目ぇ醒ませよ!
そしてミナワの夢喰ってやれよ!! あいつ泣いてたんだぞ!? 可哀想だろ!!
(理夢>・・・あのなぁ、何で俺様がまずいモンまで自ら進んで食わなきゃなんねぇんだよ!?
(裂邪>そりゃあれだ、運が悪かった、で割り切れ!
(理夢>あ゛ーぁ! 年は変わったってぇのにテメェは何1つ変わんねぇな!
(裂邪>そいつぁどうも―――――――高度を下げろ!
(理夢>は?急にどうしt――――――――
《レイヴァテイン》
一寸後、月明かりに輝く黄金の鎌が、白刃の剣を止めていた
(???>・・・ほぅ、我が剣を抑えるか・・・貴殿、ただの子供ではないな?
聞こえたのは女性の声
彼はふと、顔を上げると、そこには彼女の顔が―――ない
首から上が、すっぱりと消えている
彼がそのまま剣を弾くと、理夢が間合いを取る
その首のない女性は、首のない馬に跨っており、全身に鎧を纏い、鋭い剣を片手に持っていた
(理夢>主ィ!
(裂邪>ッヒヒヒ・・・正月早々、厄介なモンに出会ったなぁ・・・
首のない馬に乗った首無しの女騎士・・・「デュラハン」か!
(デュラハン>如何にも、我が名は「デュラハン」!
我が愛馬コシュタ・バワーと共に、人間共の首を刈るべくこの地に参上した!
まずは貴殿の首から貰い受けよう! 奇怪な生物に乗った少年よ!
(裂邪>へぇ、俺の首切ったら次の獲物へほいさっさ、って訳ですか?
俺ってば滅茶苦茶責任重大じゃん
理夢! 夢は足りてるか!?
(理夢>あぁ、戦う分には有らぁ! 足りなくなりゃ、補充しながら戦えばいい!
(裂邪>りょーかいっ!
理夢が速度を上げて夜空を駆け、裂邪が鎌を振り上げ切りかかる
それに答えるように、剣を構えるデュラハン
火花を散らし、刃と刃が激しくぶつかり合う
(裂邪>別にっ、お前なんかほっといても!
この町にゃ、龍一の兄ちゃんや笛吹の兄ちゃんや望ちゃんみたいな強ぇ奴が鱈腹いる!
でも今目の前にいる敵を他人に譲るのはどうも性に合わないんでねぇ!
それに・・・誰かの幸せなひと時を、壊したくはないっ!
一瞬、裂邪がジャンプすると、理夢がその瞬間にデュラハンを突き飛ばし、そして彼が着地する
(裂邪>悪いけど、今は俺が門番っつぅことでよろしく!
(デュラハン>ふははは・・・望むところだ!
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 17:16:29.08 ID:JQWmtaa30
しぇん
スレ立て乙しえんん
再び、月の下に交わる鎌と剣、爪と蹄
下の戦いは、鉄よりも硬い毛皮を持つ理夢が圧倒的に有利だ
しかし、上での戦いは逆
鎧を着ているデュラハンには、「レイヴァテイン」の斬撃で掠っても大したダメージは望めない
そもそも、剣の腕が裂邪よりも圧倒的に上なので、掠らせるのがやっとである
(裂邪>ちっ・・・く、しょう!
(デュラハン>ふん、威勢だけは良かったのだがなぁ?
(裂邪>黙れ!こっからが本番―――――な゙っ!?
横薙ぎに、鎌を振るう裂邪だったが、
その刃を篭手で受け止められ、隙を突いて迫り来る刃
ぱっ、と紅い華が、夜空に咲いた
(理夢>あ、主!!
咄嗟に距離を置いた理夢
幸い、致命傷は避けた様だが、白い服が右半分だけ赤黒く染まってしまっている
(裂邪>いづつつ・・・このババア・・・この服気に入ってたんだぞ!?
(デュラハン>戦いの途中にそんな下らん事まで気にしているようでは・・・我には勝てん!
剣を突きの態勢で構え、コシュタ・バワーを走らせる
(デュラハン>今度こそ、その首を取らせてもらう!
スパァッ!!と駆け抜けたコシュタ・バワー
彼女の剣は、見事に―――虚空を切り裂いた
(デュラハン>くっ、避けたか
(裂邪>そりゃ、そうでしょうよ・・・ただでさえ傷ついてんだから
声の方に振り返ると、右肩を押さえる裂邪と、やや息を荒げる理夢の姿が
(デュラハン>そこにいたのか。どう動いたかは知らんが、次は外さんぞ
(理夢>あ、主・・・悪ぃ、今若干、力を持ってかれた・・・
(裂邪>なら・・・可能な限りで良い。「夢現」、頼む
(理夢>無理だ、ここは風が強すぎる、あいつに届くかどうか
(裂邪>“あいつに”じゃない・・・“俺に”やれ
(理夢>はぁ!? テ、テメェ、正気か!? シェイドの能力とは訳が違うんだぞ!?
(裂邪>ミナワのは出来た・・・懸けてみるしかねぇだろ! 時間がない!早く!
(デュラハン>戦いに集中しろぉ!
迫り来る白銀の剣を、裂邪はジャンプし、理夢は高度を下げ、間一髪のところで回避する
(理夢>っち、どうなっても知らねぇからなぁ!?
長い鼻の先から、白く薄い煙のようなものを噴き出す
それは、彼の真上にいる裂邪の体を包みこみ、
彼の背中に、七色に怪しく輝く羽が生える
見事に理夢の上に着地した裂邪は、その羽から鱗粉のようなものを撒き散らす
その姿はさながら、夜空を舞う白き蝶
(デュラハン>なっ・・・何だその姿は!?
(裂邪>ヒハハハハハハハ!! あぁ、まさかこんな姿になっちまうとは“俺様”も思わなかったぜぇ!
(理夢>テメェ! 俺様とキャラ被ってんじゃねぇか!
(裂邪>うるせぇ! ミナワん時も同じだったから仕方ねぇだろぉ!
『レイヴァテイン―ハルバート』!
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 17:26:28.11 ID:JQWmtaa30
しえーーん
持っていた鎌を宙に投げると、それは液状化し、すぐさま片刃の斧槍となる
(裂邪>そうだなぁ、名前は・・・『胡蝶之夢』っつぅことにしとこうかぁ?
理夢ぅ! 俺様達の“夢の力”を見せてやろうぜぇ!!
(理夢>・・・ククク、OKィ!
彼らの反撃が始まった
ハルバートを振り上げ、力を込めてデュラハンに向けて叩き付けるように振り下ろす
何とか剣で受け止めたデュラハンだったが、微かに上がる悲鳴に誰も気づくことはなかった
(デュラハン>何・・・どこにこんな力がっ!?
(裂邪>んなもん心の問題だ! 心のどっかに“勝てる”って気持ちがある限りぃ!
その夢はゼッテェ現実になる!
(デュラハン>夢だと・・・? 馬鹿馬鹿しい!
(裂邪>ヒハハハハハ! 言ってられんのも今の内だぜぇ? 精々ほざいとけよぉ!
テメェは今から、その夢に踊らされることになるんだからなぁ!!
(デュラハン>どういうことd―――
その時、空の遥か彼方から、ごろごろを雷の音を響かせながら、黒く分厚い雲が風に流されてくる
そして、その中から、巨大な謎の生物が落ちてきた
短足にして短い腕、牛のような立派な角を持ちながら、その表情はどこか間が抜けている、化物
(デュラハン>新手の都市伝説か!?
(裂邪>紹介するぜ。 ありゃ俺のペット、ミクラスだ
仲良くしてやってくれよぉ? ちょっとばかり凶暴だがな
ミクラスを知る者は甚だ違和感を感じるだろうが、裂邪の言う通りそのミクラスは正しく凶暴
町に降り立つと、民家を踏み潰し、そして民家を掴んでデュラハン目掛けて投げつけた
(デュラハン>くぅっ!
ギリギリの所で避けるデュラハン
飛んでくる木の破片も、コシュタ・バワーを操り避けてゆく
突然現れた化物を疎ましく思った彼女は、その巨体に切りかかろうとしていた
響き渡る轟音を聞き、彼女は動きを止めざるを得なかった
(デュラハン>今度は何だ!?
それは、巨人
銀を基調とし、身体中に赤いラインが走っている
頭部には刃物が刺さったような飾りがついており、目は輝く卵のようで、
その胸には星のように青く光る物体があった
(理夢>おい主、ありゃあ・・・
(裂邪>また俺のミクラスを虐めにきたのか・・・ウルトラマンエース!!
円谷ファンなら周知の事実。『ミクラスとエースは何の関係もない』
目の前で戦い始めるエースとミクラス
半ば本気で憤っている裂邪を見つつ、エースを仲間とすべきかどうかと判断に苦しむデュラハン
そして、エースはミクラスを投げ飛ばすと、デュラハンの姿を確認し、
両腕でL字を作り上げ、彼女を狙って必殺のメタリウム光線を放つ
(デュラハン>なっ、ぐあぁぁぁぁぁ――――――――
直撃
光の国の戦士の力が、容赦なくデュラハンを焼き殺す
筈、だった
(デュラハン>・・・む?
気がつくと、彼女はまだ生きている
コシュタ・バワーも生きているし、何より未だに宙を浮いていた
問題は、目の前の光景
先ほどミクラスに荒らされた筈の町がきちんと修復されている
そもそも、あれほどの巨体を持つエースとミクラスが、忽然と姿を消しているのだ
そして、見せかけだった、あのメタリウム光線
(デュラハン>・・・夢・・・まさかっ
(裂邪>気づくのが遅ぇんだよ!
ハルバートの刃を、先程と同じく剣で止める―――ぱきん、と甲高い音を立てて、
白刃は折れ、血を噴き出しながら彼女の左腕が飛ぶ
(デュラハン>あがぁっ!?
(裂邪>まんまと引っかかってくれたなぁ?
(理夢>俺様は「獏」・・・夢を喰らい、夢を吐き出すことができんだよぉ!
(裂邪>その夢を俺様が纏い、テメェに今みてぇに夢を見せたっつぅ訳だ!
武器を左腕を失い、既に戦う力もない―――彼女は、退こうとコシュタ・バワーの手綱を持つ
(裂邪>テメェ、俺様に言ったよなぁ? “我には勝てない”、ってか?
鼻で巻きつけた裂邪を、理夢は勢い良くデュラハンに向けて投げつける
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 17:41:04.99 ID:JQWmtaa30
支援
(デュラハン>ひっ・・・!
(裂邪>テメェのその夢を・・・俺様が喰らい尽くす!!
蝶の羽は、白い幻想的な帯を引き、
金の斧は、赤く生臭い帯を作り上げ、
真っ二つに断たれた女騎士は、その愛馬共々、赤い花びらを散らしながら夜風に消えていった
(裂邪>ヒハハハハハハハハハ!! 見たか俺様と理夢のコンビネーsyあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
裂邪は今さっき、理夢に投げ飛ばされた
ここは、上空
落ちない訳がない
(理夢>馬鹿野郎! 飛べもしねぇのに無茶言ってんじゃねぇよ!?
(裂邪>ウヒヒヒヒ・・・いやぁ、そこは“俺”の顔に免じて許してくれよw
彼の背中の蝶の羽、彼を纏っていた白いもやは、風に流されてしまっていた
ここにいるのは正真正銘、本物の裂邪
彼は、「レイヴァテイン」を元のパスに戻し、ごろんと寝転がる
(裂邪>あー・・・ショックだなぁ・・・この上着どうしよう・・・
(理夢>っつぅか、テメェの身体を心配しろよ! 血ィ出てんだぞ!?
(裂邪>そうだ!ミナワに見つかったらまずいじゃん!
っちょ、こんな時こそ、困った時の「組織」を・・・
(理夢>その癖やめろ!? いつか「組織」に目ェつけられるぞ、ネガティブな方向で!
その夜、「夢を見た」という者はやはり少なかったそうな
夕食準備してくる
夜には何か投下したい心意気だぜ
(裂邪>・・・ところで理夢
(理夢>何だ?
(裂邪>さっきの夢・・・何?
(理夢>知るか、本人に聞け
(裂邪>誰だよ
(理夢>テメェだよ!
(裂邪>俺!?
...To be Continued
77 :
鉄柱の人(代理):2011/01/02(日) 18:08:39.01 ID:56pLhOLQ0
「帰ったらお雑煮作るね」
人込みではぐれないように、綺龍の服の裾を掴みながら小鳩は言った。
普段は閑散とした神社もこの時期は賑わう。
綺龍と小鳩は初詣に来ていた。と言っても、すでに帰るところだが。
「いや、雑煮くらい自分で作れるぞ。ってか、最近いっつも家事しにくるな、お前」
「だって、私にできる事ってこれくらいしか無いから……
リュウちゃん、組織の仕事とかで危ない事してるのに、私には何もできない
…………えと、迷惑……かな?」
少し不安そうに、小鳩は言う。裾を掴む手に縋るように力が入る。
「べつに迷惑じゃねえよ。帰ってきたら料理ができてるのは嬉しいしな」
「本当……?」
「本当だよ」
「……そっか」
安心したようにため息をつき小鳩は少し微笑んだ。
「おや〜?お二人さんデートですかな〜?」
鳥居をくぐったところで、綺龍と小鳩は呼び止められた。
78 :
鉄柱の人(代理):2011/01/02(日) 18:13:02.37 ID:56pLhOLQ0
「あ、越塚君」
「よう、あけおめ」
「よ〜、綺龍あけおめ〜。小鳩ちゃんもあけおめことよろ〜」
呼び止めたのは、人込みの中で二人分の場所をそのお腹で占領している綺龍のクラスメート、越塚だった。
「あけましておめでとうございます」
「小鳩ちゃん着物とか着ないの〜?可愛いと思うんだけどな〜」
「えと、着付けできる人がいなくて」
「え〜じゃあ俺がやってあげようか〜?」
「え、えと」
「バカ言ってないで、さっさと行け。お前も初詣だろ。ここで立ち止まってたら邪魔になる」
「なんだよ〜綺龍〜。も少し良いだろ、ケチだな〜」
そう言い残し越塚は歩きだし、その大きな身体は人込みの中に消えていく。
「……リュっ、リュウちゃん」
「あん?どした」
「こうやって二人で歩いてたら、でっ、デートに見えるのかな」
「あぁ、さっき越塚が何か言ってたな。っても、昔からよく二人でいる事多いし、ピンとこねえな」
「そ、そっか」
綺龍の答えに少し残念そうにしながら、それもそうかと小鳩は納得する。
「いつも一緒にいたもんね」
「ああ」
「これからも一緒だよね?」
「?そりゃな」
「そっか、うん。そっかぁ」
満足そうに小鳩は頷き、二人は帰路につく。
§
79 :
鉄柱の人(代理):2011/01/02(日) 18:17:19.09 ID:56pLhOLQ0
「じゃあねリュウちゃん」
「おう、またな」
夕刻、自分の家の扉を開く小鳩を綺龍は見送っていた。
小鳩が見えなくなり、綺龍も自宅の扉に手をかける。
「………………あー、黒服さん?」
そこで、綺龍から隠れるように立つ黒服の少女に気がつく。
「え、あ、あぅ……こ、こんにちは、リュウくん」
「こんにちは、黒服さん。そんなとこで何して…………黒服さんが黒服じゃない!?」
黒服の少女は、梅柄の着物姿だった。
「あ、いつもの服は下に着てます」
「着てるんすか」
「黒服なのに黒服着てないのはおかしいですから。それなのにですね。同僚の方に着せられてしまいまして
それで、その……担当の子と一緒に初詣行ってこいと言われてしまいまして。
そのっ、もう夕方ですし、リュウくんは初詣行っちゃいましたよね、すみません忘れてくださいもう帰りますから」
口早にそう言って、黒服の少女は立ち去ろうとする。
「黒服さん」
「は、はいっ!?
「一緒に初詣行きませんか?」
「…………はい!」
80 :
鉄柱の人(代理):2011/01/02(日) 18:21:46.30 ID:56pLhOLQ0
暗くなり人も少なくなった神社に、綺龍と着物の少女はいた。
「へぇ、切り裂きジャックの契約者の」
「はい。実家に今度話を聴きに行こうかと。それでリュウくん一緒にどうかと」
「そうすね。行きます
…………それにしても」
「はい?」
「小鳩の時はアレだったけど、あらためて考えてみると、たしかにこれはデートっぽいすね」
「デっ!?あ、ぅあ、な何を、言ってっ!?」
「黒服さんて、デートって言葉を嫌がるすよね。何かあったんすか?」
「別に嫌がっているわけではないのですが……」
「そうなんですか?」
「はい、リュウくんとデートならむしろ嬉しいです」
「え?」
「え?あ、…………ち、違いますよ!?今のは言葉のあやでっ!違いますからね!?そういう意味じゃなくて!違いますから!!」
「そっ、そうですかっ」
そして、少し恥ずかしそうに、二人は歩く。
終
放課後。
家への通り道である河川敷を歩きながら、小林 樹里は、友人である天倉 紗奈をどう元気づければいいか悩んでいた。
両親が死んだ事で周囲を心配させない様に明るく振る舞ってはいるものの、その姿はかえって痛々しささえ感じさせる。
「こういう時に、気の利いた事も言えないなんて……友人失格だよね…」
ふと、高架下の辺りに、穴が開いているのを見つけた。穴の横には、スコップと掘り返されたのであろう土が山を作っている。
周囲に看板も立てられていないことから、工事をしているわけではないようだ。
不自然に開いている穴が気になって、河川敷を下りる。
少しずつ、穴に近づいていって……直後、後頭部に衝撃を感じて、樹里の意識は途絶えた。
倒れた少女を見下ろしながら、「人柱」の契約者である中年男性は僅かに血の付いた角材をその場に捨てた。
男性は、過去に水害で妻子を失った。
それからまもなくして「人柱」と契約し、それ以来、橋の周辺に人柱を立てて来た。
人柱の効果か、近年、水害も減ったように思う。
己が成した結果に、笑みが浮かぶ。
これは、名誉な事なのだ。
学校町を護る礎となるのだ…少女にとっても、本望だろう。
意識を失ったままの少女を穴に横たえ、スコップを手に取ると、その身体に土を被せていく。
……徐々に、徐々に、少女の体が隠れていく。
続く…?
ごめん、まだあるけど風呂入ってくる
まだスレが残ってることを願って
ほしえん
84 :
初詣の境内で ◇nBXmJajMvU (転載):2011/01/02(日) 19:22:25.51 ID:psaHmT+70
一月一日 学校町北区 神社にて
初詣に訪れた人の波
その中を、一人の青年が歩いていた
…日本人ではない、明らかに西洋人だ
腰まで伸ばされた長い金髪をうなじの辺りでくくった、人形のように整った容姿の青年
歩くだけで、周りの女性の9割が振り返る
そんな、美青年だ
女性の視線を集めて居る事を、青年はまるで気にしていない様子だった
きょろきょろ、興味深げに、境内の様子を見回して
何かを、見つけた途端
ぱっ、と嬉しそうな表情をして、それに駆け寄っていく
それは
犬耳の、メイド姿の、女性で
何やら話し掛けながらそちらに駆け寄った青年に、犬メイドが迷惑全開の表情を浮かべていて
85 :
初詣の境内で ◇nBXmJajMvU (転載):2011/01/02(日) 19:24:42.13 ID:psaHmT+70
−−−−−あぁ、痛い外人か
その瞬間より、女性達の視線は、青年から外された
「えぇい、付いてくるなっての」
「どうしてだ?乙女」
「……目立つんだよ、お前と居ると」
「??」
あぁ、もう、自覚のないバカは
自分の後を、護衛でもするのだとでも言うようについてきているヘンリーが、首をかしげている様子に
無自覚ほどタチの悪い物はない、とパスカルはため息をついたのだった
続くかどうかわからない
86 :
夢幻泡影 † 初詣、初デート、初キッス ◇7aVqGFchwM (代理):2011/01/02(日) 19:27:20.93 ID:psaHmT+70
(裂邪>うわぁ・・・何この尋常じゃないくらいの人の多さ
(ミナワ>仕方ありませんよ・・・皆さん、初詣に来てるんですから
1月1日、この2人も初詣という名の新年初デートに来ていた
普段通り黒尽くめで来た少年―裂邪と、白地にシャボン玉の柄が入った着物を着ている少女―ミナワ
(裂邪>いやぁ、つっても去年の初詣って人いなかったじゃん?
(ミナワ>それは、去年は1月6日に行きましたから・・・
(裂邪>あれ、そうだったっけ?
(ミナワ>そうですよ;
(裂邪>はにゃにゃにゃ・・・俺の思い違いだったか・・・しかしまさか、
ちら、とミナワの着物姿を見て
(裂邪>シェイドが着付けできるとは思ってなかったなぁ
(ミナワ>はい、すごい手際の良さでしたよね;
(裂邪>もう正月早々あいつの存在に感謝せざるを得ないわ
こんなに可愛いミナワの姿を見られるんだからな♪
(ミナワ>もぉ〜裂邪ったらぁ♪ 前振り長すぎますぅ♪
(裂邪>このままラノベでも出そうか、『俺の嫁はこんなに可愛い』っていうタイトルで
(ミナワ>『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』みたいに言わないで下さい!?
それとダイレクトに『可愛い』って言っちゃってますよ!?
(裂邪>ツッコミのスキルも向上してきたなぁカワイイ
(ミナワ>いつも突っ込まれてるのは私ですけどね☆
(裂邪>下ネタかい!(ビシッ
(ミナワ>やーん♪ ちょっとだけ感じちゃったぁ♪
(裂邪>神聖な場所で卑猥な発言連発しやがって、このエロリっ子め♪
―――何をやっているのだ、この2人は
そんな言葉が影の中から飛んできている事など知る筈もなく
87 :
夢幻泡影 † 初詣、初デート、初キッス ◇7aVqGFchwM (代理):2011/01/02(日) 19:29:10.82 ID:psaHmT+70
チャリン、チャリン、と小銭の落ちる音
シャーン、シャーン、という鈴の音
パンッ!と同時に合掌
(裂邪>(今年もミナワとイチャイチャできますように・・・)
(ミナワ>(今年も裂邪とイチャイチャできますように・・・)
一礼
(裂邪>何お願いしたの?
(ミナワ>ダメですよ、言ってしまったら叶わなくなるじゃないですか!
(裂邪>ですよねーw
(ミナワ>そういう裂邪は何ってお願いしたんですか?
(裂邪>お前と同じ理由で黙秘します
(ミナワ>え〜、裂邪のいじわるぅ
(裂邪>卑怯だ! 色目使うなんて卑怯だ! きゅんっときちゃったじゃないか!
(ミナワ>いじわるぅ☆
(裂邪>あぁぁぁぁぁぁぁ!! 着物ロリっ子を押し倒して襲い掛かりたいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
(ミナワ>神聖な場所で何てことを言ってるんですか裂邪のえっちぃ♪
(裂邪>我慢ならん、口だけ頂戴
(ミナワ>えっやっ、ん、んんっ///
年明け初キスは、神社の域内の人込みの中で堂々と行われ、
周囲から若干嫌な目線を送られていたもげろカップルであった
...To be Continued
88 :
鬼退治 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 19:38:11.86 ID:psaHmT+70
鬼の血を引いている訳ではない
だが、鬼へと化しやすい
その心は修羅に近く、近く
容易く、そちらに堕ちかねない
「大丈夫、です」
それは、己もまた同じ
分家とは言え、元の流れは同じ血だ
「若は、鬼にはなりません、決して」
それを、わかっていながらも
己は、彼にそう告げた
あの人は、小さく笑って
「……ありがとうな…………だが」
それを、口にした時
彼は、10にも満たぬ歳だった
しかし……向けてくる視線は、真剣そのもので
「もし、俺が鬼と化したならば…………お前になら、斬られてもいい」
どこまでも、真剣にそう告げてきた彼に
あの頃の自分は、頷く事が出来ず
「ならない。若、は……鬼には、ならない」
89 :
鬼退治 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 19:41:00.13 ID:psaHmT+70
思ったのだ
この人を、鬼にはさせないと
「若、が……鬼を滅する為に剣を振るい、鬼に近づくと言うのならば」
そのくらいならば
いっそ
「…ならば。自分も…鬼を、滅する。若にだけ、させない」
「……だが」
「本家様の、お役目を支える。それが、分家の役目だから」
…自分に果たせる、分家の務め
それを、自分はこの時、見つけたのだ
だから
自分は、力を振るう
あの人を、鬼へと近づけないために
……徐々に、徐々に、少女の体が隠れていく。
スコップを使い、穴へと落とした少女の体に土をかけていく男性
男性は、気付けなかった
その作業に、集中していたから
己の背後に、近づく気配に
90 :
鬼退治 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 19:44:47.89 ID:psaHmT+70
それを振るわれる一瞬まで、気づけずに
「−−−−−っ!?」
気付き、振り返った時には
目の前に、先ほど己が少女に向けて振るった、角材が……迫って、きていて
「っぐ!?」
慌てて避けたものの、頭部を掠った
衝撃に、脳が揺れる
それでも、何とか倒れることなく、攻撃してきた相手を睨みつける
「………」
じっと、男性に視線を向けてきている相手
……20代前後程だろうか
長い前髪で目元が隠れていて、中肉中背
パンクなファッションに身を包んだ、中性的な人間だ
…男性の、見知っている相手では、ない
「……もう、一回」
ぼそ、と
その人物が、小さく呟き
角材を、振り上げる
ぶぅん、と
轟音を、立てて
角材が、容赦なく男へと叩きつけられようとする
91 :
鬼退治 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 19:48:31.17 ID:psaHmT+70
「っち!?」
先ほどよりも、早い
今度は、角材が肩を掠った
ただそれだけで、肩の骨にヒビが入ったような衝撃
見た目よりも、筋肉がついているようだ、力強い
「誰だ……邪魔をするな」
「……菊」
「は?」
「…名前。獄門寺 菊。邪魔は、する」
ぼそぼそと
その人物…菊は、男の問いに、さらりと答えた
予想外の事に、男は呆然としてしまい
「………今度、こそ」
ぶぅん!と
菊が三度、角材を振るってきた、その動きに、反応しきれずに
「−−−が、はっ!?」
横殴りに振るわれたそれを、まともに腹部に喰らってしまい、叩きとばれる
倒れた男に、菊はゆっくり、近づいて…さらに、角材を振るう
狙ってきたのは、脚
容赦なく叩きつけられ、骨が折れる音が響く
「ぁ………が……」
「……」
92 :
鬼退治 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 19:51:26.58 ID:psaHmT+70
ぺい、と角材を投げ捨てる菊
足を折った、もはや、男性は逃げられない
男を見下ろしたまま、菊は携帯を操作し、どこかに電話する
『はい、総本部長。どうかなさいましたか?』
「………沈める。準備」
『はい、了解しました』
「…それと、車……怪我人。先生に、治療を」
『了解しました。30分以内に、そちらに到着いたします』
短いやり取りを終え、携帯を切った菊
男は、菊を睨みあげる
「き、さま………何故、邪魔をする……っ人柱を立てる事で、水害が減るんだ。水害が減ったのは、人柱の……」
「違う」
ぽそぽそと、菊は、男の言葉に反論する
「……河伯家が、商売をし、街を潤す。日景家が、街に力を呼び、整える………それらの結果、河川は、整備された」
人柱の効果は、なかった訳ではないだろう
だが
「…人柱を、立てずとも。水害は、減る。減らしている。旧家が、街の住人が、力を合わせ、それを願い、実行した。お前だけの力ではない」
「だがっ!!人柱をたて、水害が減るのならば!!!俺は、もう女房や子供のような、水害で死ぬ被害者を出さない為に…」
「……それを」
菊の前髪が、かすかに揺れる
男を見下ろす、菊の目は
93 :
鬼退治 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 19:54:18.92 ID:psaHmT+70
まるで
慈悲を許さぬ、羅刹のようで
「それを………水害で、命を落とした者は。望まない、喜ばない」
淡々と、容赦なく
菊は、続ける
「お前は、学校町を護らない。学校街の住人を傷つける」
「違う違う違うっ!!!多数の犠牲者を生まぬ為にも!!多少の犠牲など……」
「それは…人の思いに、非ず…………人の理に非ず。鬼の理」
……車の音が聞こえてきた
それは、男へ送る、地獄への片道キップの如く
「鬼の理に飲まれた者は……もはや、人に非ず。その身を鬼へと変えるのみ…………鬼が増えたら。若の仕事、増える」
ぐ、と
菊は、倒れていた男の首根っこを掴み、持ち上げた
首がしめられる形となり苦しむ男に構わず…到着した車のトランクに、男を放り投げた
「………若が、鬼にならない為に……鬼は、先に、滅する」
冷たく、男を見下ろして
ばたん、と
車のトランクは、無情にも閉じられた
94 :
鬼退治 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 20:00:08.33 ID:psaHmT+70
小林 樹里が目を覚ました時
彼女は、個人経営の小さな病院の病室のベッドの上にいた
戸惑う彼女に、そこを経営している医師は、優しく声をかける
「河川敷に掘られていた穴に、落ちていたそうだよ。誰だろうね、イタズラでそんな穴を掘って……頭を打っていたみたいだったが。自分の名前とかは言えるかい?」
「え…と……小林 樹里、です」
「うん、大丈夫そうかな。正確には、もうちょっと大きな病院で検査してもらった方がいいと思う。親御さんに連絡するけど、構わないかな?あぁ、それと。この鞄、多分、君のだよね?なくなってる物がないか、一応、チェックしといた方がいいと思うよ」
つらつらと医師に言われ、樹里はまだふらふらする頭で、こくりと頷く
「いやぁ、対した怪我じゃなくて良かった。発見が遅かったら、ちょっと危なかったかもしれないね。発見者が急いで運んできてくれたお陰もあるんだけど」
「あの……誰が、私を、ここまで運んでくださったんですか?」
せめて、お礼は言わないと
そう考え、医師に尋ねると
医師は、樹里の親に電話をかけようと受話器をとりながら、答えた
「あぁ。繁華街にある「カナリア」の店長さんだよ」
…あぁ、あの店なら、知っている、何度か行った事があるから
あの、性別不詳の店長さんか
今度、お店に行った時、お礼を言わないと
ぼんやりとそう考えながら、樹里は鞄を開き、貴重品の有無を確認しはじめたのだった
数ヵ月後
東京湾から、ドラム缶に入れられたコンクリート詰めの、身元不明の死体が発見されたのだが
ついに、その身元が割れる事はなかったのだと言う
to be … ?
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 20:00:48.91 ID:psaHmT+70
犬神憑きとアンサーの人に焼き土下座orz
許可をもらったので書いた
後悔はしていない
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 20:14:18.52 ID:M0/+KslT0
乙でした
菊さんが島流し言われて居るのはそういうことか
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 20:26:37.88 ID:psaHmT+70
>>96 そう言う事です
流してるじゃなくて厳密には沈めてるから、島流しじゃない気がするが
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 20:37:18.36 ID:ax/5y3QO0
復帰
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 20:54:17.92 ID:ax/5y3QO0
にー
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:08:28.50 ID:ax/5y3QO0
うにー
101 :
少女と古の生物:2011/01/02(日) 21:21:34.14 ID:56pLhOLQ0
「・・・・ハァ」
ただ、静かに広がる湖のほとりで、小さく溜息を吐く少女
長い髪をさらさらと、右上にゴムで縛った髪をちょろちょろと風に揺らしながら、
白いワンピースを着たその少女は、三角座りで水面に映る月を眺めていた
そして、彼女はぽつりと
「・・・おにぃのバカ」
呟いた
『おにぃ』とは、兄のことだろう
どうやら、彼女は自分の兄と喧嘩をしたらしい
「そりゃ、おにぃの方が私よりも先に生まれたかも知れないけど・・・
だからって、なんでもかんでも私に指図することないじゃない!
折角おにぃの部屋の掃除してあげたのに『俺のカードに触るな』、
おにぃの買い物についていってあげようと思ったのに『来るな』、
おにぃの背中流してあげようと思ったのに『入るな』・・・もうイヤ!」
砂埃を撒き散らし、その場に寝転ぶ
・・・聊か、歪んでいる気もしなくはないが、兄に対して腹を立てているのは確かなようだ
「もう、イヤ・・・おにぃなんて、おにぃなんて・・・」
唇を、ふるふると震わせながら言葉を紡ごうとした時だった
「あれ?」
先程まで月明かりに照らされていた自分の周りが、やけに暗い
何かに、光を遮られているような
102 :
少女と古の生物:2011/01/02(日) 21:22:51.77 ID:56pLhOLQ0
彼女は飛び起きて、正面の湖を見た
小さな頭
長く、細い首
そんな頭部とは対照的な、ずんぐりとした胴体
そこから前後に2つずつ生えた、平べったいヒレ
水に濡れたそのつやのある皮膚は、月光を反射してきらきらと輝いていた
目の前にいるのは、明らかに、怪物
しかし、彼女は
怯えることも、泣き出すことも、逃げ出すこともなく
ただ一言
「・・・貴方は・・・誰?」
怪物に、話し掛けた
質問に答える為か否か、グルルル、と低く唸る怪物
その声は何処か、優しさを感じさせるようなものだった
「グルル? グルル、って言うの?」
激しく、誤解している気もするが、彼女は無邪気に笑い、
「私は京子(ケイコ)。宜しくね、グルル」
京子も、グルルと名づけられた怪物に自分の名前を教える
すると、グルルは彼女の元にその小さな頭を下ろした
小さいとはいっても、人間からすれば軽自動車ほどの大きさはある
「うふふ、結構可愛いじゃない」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:24:01.25 ID:ax/5y3QO0
しえしえ
104 :
少女と古の生物:2011/01/02(日) 21:24:20.37 ID:56pLhOLQ0
眉間の辺りを、優しく摩る京子
気持ちが良いのか、うっとりと目を瞑るグルル
その表情は、兄との喧嘩で苛立っていた彼女の心を癒すのには十分だった
「ねぇグルル?・・・私の、友達になってくれない?」
顔を、赤く染めながら
しかしどこか、不安な表情を浮かべて、彼女は問う
と、グルルは先程のように、グルルルル、と優しく喉の奥で鳴いた
それを、OKサインだと判断したのだろう、
京子はまた、にっこりと笑みを零した
そこで、軽快なメロディが響く
彼女の携帯電話のようだ
「あ、パパだ・・・ごめんねグルル、折角お友達になったのに・・・私、帰らなきゃ
明日もまた、ここに来るから。 だから、明日は一緒に遊ぼ、ね?」
頭を撫でながら、彼女は名残惜しそうに囁くように言う
グルルも、それに呼応するように寂しげに頭を上げた
「じゃあ、また明日!」
別れ際ぐらい、明るくしめたい
どうせ、また会えるんだから
そう思った彼女は笑顔で手を振り、湖を立ち去ろうとした
目の前に、黒い犬が現れ、京子は足を止める
闇に溶け込むその身体に、ぽつ、ぽつと血のような赤が2つ輝いていた
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:24:54.68 ID:ax/5y3QO0
支援!!
106 :
少女と古の生物:2011/01/02(日) 21:25:23.92 ID:56pLhOLQ0
「犬・・・? 赤い目の犬なんて、初めて見た」
パパは、『犬は悪魔の使いで滅ぶべき生き物だから近づいちゃダメ』、っていつも言ってるけど
そんなことを考えながら、その犬に触れようとした
グギュグバァァァァァァァァァァァ!!!
静寂を破る、轟音にも似た咆哮
それは、湖にいたグルルの声だった
振り返ろうとした時、黒い犬の口から炎が噴き出される
とその直後に、彼女の背後から水流が飛んできて、炎を掻き消し、黒い犬を草むらへ押し流した
「・・・・・・え?」
何が何だか分からない
口から火を噴く犬
水を吐き出す怪物
よくよく考えれば、両者共にこの世に存在し得る生き物なのだろうか?
思案している内に、草むらから先程の黒い犬が飛び出してきた
今度は、1匹ではなく、2、3・・・10匹ほどの軍隊を率いて
そして、狙いは京子ではなく、今湖から岸に上がってきた、グルルである
「グルルぅ!!」
彼女は叫ぶが、黒い犬は容赦なくグルルに襲い掛かる
首や胴体に爪を立て、牙を刺し、火で焦がす
グルルも必死で抵抗するが、黒犬達はいくら流しても平気で立ち上がり、攻撃を再開する
グルルの水の勢いも、少しずつ弱まっていく
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:25:48.29 ID:ax/5y3QO0
しえしえしえ
108 :
少女と古の生物:2011/01/02(日) 21:26:42.28 ID:56pLhOLQ0
彼女には耐えられなかった
目の前で、友達が虐められていることが
目の前で、友達が苦しそうな顔をしているのが
しかし、今彼女には、目の前の友達を助けられるような力は、ない
「やめてよ・・・お願いだから、グルルを虐めないで!!!」
涙を流し、心の底から叫んだ瞬間
ふと、何処からか聞こえた、謎の声、謎の言葉
「――――――けい、やく?」
その声を、グルルの声だと判断した彼女は、
涙を拭い、心を決めたように強く、言い放った
「何のことだか、分からないけど・・・グルル、私と契約して!!」
グギュグバァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
再び轟く、グルルの咆哮
一番近くにいた黒犬達は、その声に驚き、竦んでしまっていた
その隙に、グルルは身体を震わせ、噛みついていた黒犬を振り払い、
首をぐるりと捻りながら、己の周囲に水流ブレスを放つ
岸辺を大きく抉るほどの力で放たれたそれは、黒犬達を、その形を残すことなく葬った
その一連を見て、思わず腰を抜かしてへたり込む京子
「わぁ・・・す、すごい・・・あ、グ、グルル! 貴方は、大丈夫!?」
グルルの身を心配し、大声で尋ねる
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:26:57.88 ID:ax/5y3QO0
しぇん
110 :
少女と古の生物:2011/01/02(日) 21:27:49.36 ID:56pLhOLQ0
グルルは、にっこりと笑うかのような仕草で答えた
きっと、私の真似をしているのだろう
そう思うと、京子は嬉しくて溜まらなかった
「『ネッシー』、か・・・えらいモンと契約したなぁ」
突然、聞こえた声
京子は身を起こし、グルルは水流を放つ準備をする
「あぁいいよいいよ、警戒すんなって
しっかし派手にやったねぇ、『ネッシー』って契約者持ったらこんなに強いのか・・・
懐かしいな〜、俺もここであいつと契約したんだよな
それより・・・これでお前も晴れて都市伝説の戦いに巻き込まれた、っつぅわけだ
特にアドバイスとかはねぇけど・・・生き残れよ、京子。ウヒヒヒヒ・・・」
その笑い声を聞いて、そして草むらから出た時に、月明かりのお陰で分かった
「・・・パパ!? 何でここに!?」
「もち、迎えに来たんだよ。母さんも未来(ミクル)も心配してんぞ?」
「おにぃが?」
「あぁ、なんか、謝りたいとか言ってたけど、なんかあったの?」
「・・・ううん、何でもない」
「そっか。んじゃ帰るz」
「待ってパパ!」
「ん?」
「そ、その・・・こんなこと、ダメだって言うかも知れないけど・・・
この子も・・・グルルも一緒に連れていっちゃダメ?
私、グルルと友達になったの、でも、ここから家は遠いし、ここだとさっきみたいに・・・」
111 :
少女と古の生物:2011/01/02(日) 21:28:52.98 ID:56pLhOLQ0
俯く京子の頭を、彼はぽんと優しく手を置き、わしゃわしゃと撫でた
「まずは、どうやってこいつの住処を作るかだな。うちにプールでも作るか?」
彼はにっこりと、彼女に笑顔を向けた
「・・・ありがとぉ、パパ・・・」
ぎゅっと、父親にすがりつく京子
お前は母さんそっくりだな、と呟き、にやにやしながらまた頭を撫でる父親
そして、何故かそれを見て尚も父親に警戒心を絶やさないグルルであった
(・・・しかし)
父親は、グルルを見上げて思う
(どうしよっかなぁ、ホント・・・ローゼちゃんにまた頼むか?)
...END
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:31:05.18 ID:ax/5y3QO0
乙でした〜!
京子ちゃんかぁいいよ京子ちゃん
だが、パパよ、ローゼたんに頼るなwwwwwwwwwww
多分、今から・・・15年後ぐらいかなぁ、のIFストーリー
とりあえず京子というキャラが書きたかっただけです、本当にごめんなさいorz
どうでもいい話、この時点で京子ちゃんは2歳上の兄、1歳下の弟と2歳下の妹がいる
・・・父親? さぁねぇ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:37:38.54 ID:ax/5y3QO0
>>113 よーし、とりあえず、パパさん、そこを動くなよ〜
避難所でも炸裂させた「もげろ君4号」をもっかい発動させるから
>>113で大きくミスったorz 年号間違えてたぜ
双子の弟と妹、そしてさらに妹、弟がいて、1年前に妹が生まれたばかりだ(多ッ!?
>>114 (裂邪>なにゆえに!? あれ地味に痛いからやめっ、ギャァァァァァ!?
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:45:07.91 ID:ax/5y3QO0
>>115 >双子の弟と妹、そしてさらに妹、弟がいて、1年前に妹が生まれたばかりだ(多ッ!?
少子化が叫ばれるからこそ、家族が多いのはいいと思うの
>(裂邪>なにゆえに!? あれ地味に痛いからやめっ、ギャァァァァァ!?
安心するんだ
ほら、側面部に「平和の祈りをこめてv」って書いてるだろ?
>>116 >少子化が叫ばれるからこそ、家族が多いのはいいと思うの
(シェイド>20年後ダト10人兄弟ダカラナ、コイツラ
(理夢>けどよぉ、こんだけ多いと俺様達が覚えらんねぇのよ、名前
(ウィル>あっしは、双子の坊ちゃんと嬢ちゃんが苦手でい
(ミナワ>ところで貴方ぁ、自分の娘にまで発情しないでくださいね?
(裂邪>失敬な!?
>ほら、側面部に「平和の祈りをこめてv」って書いてるだろ?
(裂邪>俺無くして平和無しだよ!?
(シェイド>イヤソンナ事ハ無イ(アッサリ
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:52:27.57 ID:ax/5y3QO0
>>117 >(裂邪>失敬な!?
はっはっは、そっちにまで発情したら対リア充用兵器「勝手に髪染め機」使うぞwww(誰が元ネタわかるんだ
>>118 オーフェンって出たんだけどこれで合ってるだろうか?
「俺に構わず死んでくれ」って何ちゅうタイトルやwww
(裂邪>てかホントにやめてぇ!? 俺は黒が好きなのぉ!
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:01:29.71 ID:ax/5y3QO0
>>119 うん、それwwwwwwwwwww
無謀編のタイトルはどれも酷いんだぜ、あれwwwwwwwww
【Happy New Year!!】
(ローゼ>では皆さぁん! 明けましてぇ!
(一同>おめでとーございまーす!
(ローゼ>というわけで皆でお紅茶でもいかが? (凛々>なんでやねん!
(羅菜>正月と言えば御屠蘇でござろう (ラピーナ>ラピーナ達、まだ子供だよ?
(羅菜>精神的には大人でござる、問題ないでござろう。ライサ殿も如何でござるか?
(ライサ>わーい!
(日天>ちょっ、待て! ライサは最近飲まれたばかり――――
バタッ
(ロール>ラ、ライサぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
(レクイエム>待ってろライサぁ!今助ける!!
(ロベルタ>頑張ってレクイエムさん!
(蓮華>・・・新年早々、何なんですかこの混沌っぷりは
(レジーヌ>全く
―――――――――――
【お正月の過ごし方】
(ローゼ>お正月と言えばカルタですわ♪ (ライサ>やったー!
(凛々>待て待てぇ! 正月ゆぅたら凧揚げやろ! (ラピーナ>それスルメだよ?
(羅菜>独楽回しというのも一興でござるな
(ロベルタ>アタシこれ! 羽つきがいい!
(蓮華>私からのお年玉です。この書類を全部書き終えて下さい
(一同>おに!おに!!
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:03:01.38 ID:ax/5y3QO0
しえしえ
【初夢 1】
(凛々>あ゙ー!もう日付変わっとるやん! こんなお年玉いらんわ蓮華はん!
(ラピーナ>ふあ〜ぁ・・・あれ?
(ラピーナ>あらら、皆疲れて眠っちゃってるんだよ?
(ライサ>スースー・・・お姉様ぁ・・・ (凛々>ほんまや、毛布くらいかけたろか
(日天>ェー・・・テル・・・さ、ま・・・・Zzz
(ラピーナ>日天さんまで (凛々>ヨーテリーサンマ?
(ローゼ>あぁん♪ 裂邪さぁん♪ 激しすぎますのぉ♪♪
(7+8>(こいつは風邪引いて欲しい・・・)
―――――――――――
【初夢 2】
(羅菜>昨夜の夢はどうだったでござるか?
(日天>・・・言えない、それだけは口が裂けても絶対言わない///
(ローゼ>だって折角の初夢ですもの〜♪ (1+4>え゙?
(蓮華>は、初夢って・・・ (レクイエム>どういう・・・
(ローゼ>あら? お二方はご存知ありませんの?
(羅菜>初夢は元旦の後の夜、つまり1月1日から2日の夜にかけて見る夢のことでござるよ
(日天>いい夢を見ると叶う、という逸話のある地域もあるが、日本では「一富士二鷹三茄子」の伝承が有名か―――
ドサッ バタッ
(羅菜>って蓮華殿!?レクイエム殿!?
(ローゼ>キャー!? はっ、早く2人を緊急治療室へ!!
(日天>お、落ち着け!(しかし何故突然倒れたんだ・・・??) 【※真相は避難所の「投下できないスレ」で】
【初憂鬱】
(蓮華>はぁ・・・・
(レクイエム>はぁ・・・・
(蓮華>(まさか、1日から2日の間だったとは・・・)
(レクイエム>(1月1日当日に見た夢なら・・・私は・・・)
(蓮華>裂邪さんと
(レクイエム>黄昏裂邪と
(1+4>1つになれたのに―――――――ん?
(蓮華>レクイエムさん、焼肉でもどうですか?今日は私が奢りますよ
(レクイエム>恩に着る。遠慮なく頂くぞ
(ロール>怖いっ!! 何かあの2人チョー怖いっ!?
―――――――――――――
【初夢 3】
(ライサ>スー・・・スー・・・
(ライサ>スー・・・ス・・・・・
(ライサ>スー・・・・・・・・・・・・・・んんっ
(ライサ>ぁっ・・・・・・・おにい、ちゃぁん・・・・・スー・・・
(日天>あの餓鬼ァ! こんな子供の夢に何しに来たんだぁ!?
(ロベルタ>落ち着いて日天さん!? きっと何かの間違いだから!!
...fin
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:07:56.10 ID:ax/5y3QO0
乙でした〜!
もう、可愛いなぁ、ロリっこ達は
っつか、書類wwwwwwwwwwwwwwwww
そして…うん
もげろ君4号、ファイヤっ☆
どんどんイメージが壊れてゆくレクイエムたん
「とある組織の鎮魂歌たん」っていうタイトルで彼女の話を可愛くアレンジしてみようかしら(マテ
>>120 マジでどれも酷ぇwwwwwww
しかも何故か一定のリズムがあるwwwwwwwwww
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:13:26.13 ID:ax/5y3QO0
>>126 >「とある組織の鎮魂歌たん」っていうタイトルで彼女の話を可愛くアレンジしてみようかしら(マテ
っちょwwwwwwwwwwwww
>マジでどれも酷ぇwwwwwww
長編の方はシリアスなんだけどね!
>>125 >っつか、書類wwwwwwwwwwwwwwwww
(蓮華>あぁ、あの時の皆さんの反応・・・ぞくっとしましたよ、クスッ
(凛々>変態! 変態!! へんtいたぁいっ!!!
>もげろ君4号、ファイヤっ☆
(裂邪>本日3発目ぇぇぇぇぇぇぇ!?
>>127 >っちょwwwwwwwwwwwww
やばい、かなり構想出来てきたwwwwwww
ちょっと書いてみるわw
何としてでも今日中に書き終えてやるぜ!
>長編の方はシリアスなんだけどね!
なん・・・だと・・・
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:20:46.94 ID:ax/5y3QO0
>>128-129 >(蓮華>あぁ、あの時の皆さんの反応・・・ぞくっとしましたよ、クスッ
このどSwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>ちょっと書いてみるわw
wktkせざるを得ないwwwwwwwwwwwwwww
>なん・・・だと・・・
「我が運命導け魔剣」など、長編はタイトルも内容もシリアス傾向です
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:36:58.59 ID:ax/5y3QO0
うー
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:51:06.00 ID:ax/5y3QO0
うーうー
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:08:32.07 ID:ax/5y3QO0
うーうーうー
※ここで紹介する話は、今まで公開したレクイエム・リッケンバッカーの登場した話の一部を改変したものです
殺伐としたシーンが若干ほんわかしたシーンになるといいなぁ
【『Mission4-おつかれさま-』より】
(男>くっ来るなァ! 来ないでくれぇ!!
男は傷だらけだった。 顔、腕、足・・・至る所に生々しい引っかいた痕。
しかし、彼の手の爪は、赤黒く染まっていた。
・・・そう、自分で自分の体を、血塗れになるまでに己の体を掻き続けていたのだ。
(少女>ふふふふ・・・なんとも見苦しい。でもいつ見ても飽きないなぁ、この光景は
少女は腕を組みながら、横たわりもがき続ける男に歩み寄る。
コツ、コツ・・・ハイヒールの音が響く度、銀色の髪と、組んだ腕に乗せられた胸が揺れ、
情の欠片も見られぬ灰色の眼が、男を冷たく、鋭く見据えていた。
もがき苦しむ男は、彼女の足首を掴み、
(男>た・・・助けてくれ・・・! たったすけtt―――――
―――――――――――ガッ!
懇願する男の顔を、少女はハイヒールで踏みつける。
響く鈍い音。 どうやら顎が砕けたらしい
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:15:42.34 ID:nU78TT820
そのうーうー言うのをやめなさい!
(少女>穢れた手で私に触れるな。貴様の血がついたらどうする?
ギギギ、と踏みつける力を強める。
静かな、しかし凄まじい怒りと憎悪が、彼女から感じられる。
(少女>しかし不運だったなぁ? 私に出会わなければこうならずに済んだものを・・・
悪く思うなよ、仕方ないのだ。 貴様は、見てしまったのだから
少女は少し言葉を溜め、目をカッと見開き、男の胸倉を掴んで叫んだ
(少女>私がシャワーを浴びているところを見てしまったのだからなぁ!!
貴様は自分が何をしたのか分かっているのか!?
部下共がちらちらとエロい目で見てくるこの豊満なバストを覗き見たんだぞ!?
幾多の男が脱がしたいと鼻息を荒くして願っていたこの黒服にさえ触れず、
貴様は完全に無防備だった私のヌードを容易く覗き見たんだぞ!?
そして貴様が見たものは胸だけか? 本当に胸だけか!?
いいや違うな、貴様は他にももっと見ている筈だ!
残念ながら本スレでは絶対に言えぬような私が誰にも見せた事のない恥ずかしいところを、
貴様は堂々と見つめてはぁはぁと1人で己を慰めていたのだろう!?
幼女をおかずにするなど人間として恥ずかしくないのか!?
貴様など生かしておけるものかぁ!!!
彼女の名は、R-No.4―――レクイエム・リッケンバッカー
今日も彼女は、町中のロリコン変態共を惨殺するべく学校町を歩く
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:16:40.07 ID:ax/5y3QO0
ネタ書きつつしえーん
>>135 うーうーうーうーうーうーうーうーうーうー!!!!
【『Mission8-10番目-』より】
学校町にて―――
Dies ira, dies illa, solvet saclum in favi―――ピッ
(レクイエム>・・・R-No.10が行方不明・・・え、ライサが!?
嘘っ!? 本当に!? いつ何処で!?
誰か一緒についてやればこんなことにならなかったのに何をやってるんだ!?
全くこれだから能無しの下位ナンバーはいらんと言っているのに!!
・・・ん、何だこいつは? あぁそうだ、たった今始末したところだった
彼女は片手で持ち上げていた大きな牛を、頭から地面に叩きつけた
牛は、徐々に徐々に縮んでゆき、それは人の姿になった―――――既に、息はない
(レクイエム>こんな奴相手にしている時間がもったいない!
『COA』とか言ったな!? 今すぐ行くぞライサぁ!!
刹那、レクイエムの姿は・・・文字通り、その場から忽然と消えた
【『Mission9-電脳世界の鎮魂歌-』より】
『COA』内部―――
『だ・・・だずげ・・・ぁ゙』
―――無惨に太陽が照りつける乾いた大地に
『グア・・・ァ・・・』
―――無様に伏して重なる血塗れになった戦士達の成れの果て
『ギャアアアァァァァァァ!!』
―――そして
(レクイエム>貴様等ぁ!! 邪魔だと何度言えば分かるんだ!?
私は今! 可愛いライサを救出するのに忙しいんだ!!
これ以上邪魔をするならば貴様等全員あの世に送ってやるぞ!!
(剣士>すっ、すみませんでしたぁ!!
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:19:38.75 ID:ax/5y3QO0
しええん
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:20:16.20 ID:XFYXn2cT0
【『Mission16-白い幼魔-』より take1】
『フヴェルゲルミル』深部―――
(レクイエム>チッ、『組織』が管理している場所だと聞いていたが・・・この程度か
三枚におろされたモンスターが、土埃をたてながら倒れた
レクイエムの周りには、モンスターの死体、死体、死体・・・
文字通り、死屍累々である
(レクイエム>まぁ、そこらのプレイヤーよりは幾らか切れがあったが―――
(ローゼ>R-No.4!!
レクイエムが振り向くと、赤い光に包まれたローゼがそこにいた
(ローゼ>R-No.4・・・レクイエム・リッケンバッカー・・・
(レクイエム>R-No.0! いい所に来た!
ライサは何処にいる!? 探しに来たはいいが、どうやら道に迷ってしまtt
(ローゼ>ライサちゃんなら、ワタクシ達が救出しましたわよ?
(レクイエム>無事なんだな!? ライサは無事なんだな!?
・・・それを聞いて安心した
彼女はほっと溜息を吐き、『フヴェルゲルミル』内から忽然と姿を消した
(ローゼ>・・・何でしたの?
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:21:06.21 ID:ax/5y3QO0
しぇん
【『Mission16-白い幼魔-』より take2】
(レクイエム>『ディエス・イレ』!
(ローゼ>『フォトン・エッジ』!
レクイエムの右腕に霊魂が集い、純白の刃を作る
ローゼの右腕に赤い光が集中し、真紅の刃を作る
赤と白の刃が、激しくぶつかり合った
(レクイエム>考えを改めろだと? それは貴様ら穏健派がすべきことだろう!?
秩序を乱す契約者は消す!
この世の歪みを知った一般人は消す!
たったこれだけで平穏を保てるのだぞ!?
(ローゼ>それは偽りの平穏ですわ!
確かに、都市伝説を使って罪を犯す人はいらっしゃいますけど・・・
その罪を乗り越えて、人は変われます!
(レクイエム>人は変われるだとぉ!? 変わった後ならいいがなぁ!!
少しは冷静になって考えてみろ!!
我々のような幼女を嫌らしい目で見てくる変態共が罪を償ったとしても、
結局そいつには幼女を舐めるように見続け視姦したという事実は一生残り続ける!!
貴様は悔しくないのか? 我々と同じ幼い少女達が!
そんな変態ロリコン共の性欲を満たす道具にされている事実を、貴様は憤りを感じないのか!?
(ローゼ>・・・・え、えっと・・・・・
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:23:15.94 ID:ax/5y3QO0
支援ー!
【『MissionXX-幼魔は温もりを知る-』より】
(裂邪>おっと、もうこんな時間か
それじゃ、俺は帰るかr
(レクイエム>・・・いつか
(裂邪>え?
(レクイエム>いつか・・・私は、貴様を殺しに来る
(裂邪>ハァァァァァ!? い、いや、おまっ、さっきの話は何処へ行tt
(レクイエム>うるさい黙れ! 1度で分かれよこの鈍感!!
こういう時は大体『もう一度貴様に会いたい』とか直接言えないメッセージが篭っているだろうが!
それとも何か? 直接言ってくれなければわからないというのか?
だったら遠慮なく言わせてもらうぞ!
貴様が抱きしめてくれたから私は貴様に惚れてしまった!
もう一度会いに来るからその時はもっと強く抱きしめてくれ!
これでいいか!?・・・・・・・・・・・・・・・あれ?
(裂邪>お、お前・・・可愛いな
...Thank you
宣言してから書きあがるまでが丁度1時間で吹いたwwwww
正直、満足感でいっぱいですwwww
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:25:10.21 ID:ax/5y3QO0
乙でした〜
「とある〜」は実は読んだことないんだが、こんな雰囲気なのかwwwwwwwww
>>148 うわぁぁぁぁぁ!?
ちょっと待って、それなら誤解しないでぇぇぇぇぇ(何故か必死
実はこれ、OVAのギャクネタ満載のショートアニメが元ネタなのorz
アニメのシリアスシーンにギャグネタ放りこむとかマジ公式病気www
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:30:56.41 ID:ax/5y3QO0
>>149 OK,理解したwwwwwwwwwww
大丈夫だよ
世の中、自分達が出したホラーサウンドノベルゲームのキャラで恋愛シミュ(同性攻略有り)を出したあげく、それの18禁版まで作る公式だっているんだからwwwww
151 :
新年会の話 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 23:34:45.96 ID:ax/5y3QO0
「新年会?」
『うん、そうだよ〜』
新年を、「首塚」が抑えているマンションの部屋で迎えた天倉姉妹
そんな二人に、新年の挨拶にやってきたレイカが、「首塚」の新年会の話をしてきた
『「首塚」ではね〜、毎年、戦えない子達を保護してる島で新年会をやってるの!私はマンションから離れられないから、行けないけど』
「そう言えば、翼さんが、そんな話をしてましたね」
昨年末、翼がおせちのお重を持ってきてくれた時、その話もしてくれたような
なんだかんだでバタバタしてて、忘れてしまっていたが
『「首塚」の誰かに連絡すれば、フィラちゃんが迎えに来てくれると思うよ』
レイカの言葉に、どうしようか、と顔を合わせる紗江と紗奈
興味がない、訳ではないが……「首塚」に入りたての自分達が参加してもいいのだろうか?という遠慮が出てくる
そんな、姉妹の考えを読み取ったのだろうか
レイカが、お気楽に続けてくる
『遠慮しなくても、大丈夫だと思うよ〜。ちみっこ達は遊び相手に飢えてるだろうしさ〜。将門様も、歓迎してくれると思うよ』
それにね、と
レイカは、にやりと笑う
152 :
新年会の話 ◆nBXmJajMvU :2011/01/02(日) 23:36:03.14 ID:ax/5y3QO0
『もしかしたら、チャラチャラがちみっこ達に遊ばれている、愉快なところが見れるかも〜』
「翼さんが?」
首をかしげた紗江の様子に、うん、と頷くレイカ
なお、二人共、紗奈が若干期待の表情を浮かべた事に気付いていない
『去年はね〜、「ドキ☆チャラ男だけの女装コスプレ大会 〜ポロリは本人の必死の努力により阻止されました〜」になってたんだって』
「つ、翼さん、抵抗してなかったの?」
『したんだろうけど、あんまり強くできなかったんじゃないかな〜。チャラチャラ、ちみっこに甘いから』
その状況を想像して
翼に、同情する紗江
どんな想像をしたのか、心の中でちみっこ達にGJを送る紗奈
新しい年が明けても、二人はいつも通りなのだった
終われ
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:37:24.42 ID:ax/5y3QO0
犬神憑きとアンサーの人に焼き土下座orz
新年早々、レイカが紗奈に(無自覚に)燃料を投下したようです
菊の仕事が判明するネタは、今夜中に間に合わないので明日には書きますね〜!
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:47:41.76 ID:ax/5y3QO0
おやすみ
明日もスレが残っていますように
乙です〜
おぉ、新年会か・・・楽しげな双子ちゃんが見られるチャンス!(
翼乙wwwwwwwwホントに乙wwwwwwwww
おっと
>>150 すげぇwwwwwwwwwww
ある意味サービス精神旺盛かもwwwwwwwww
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 00:02:16.98 ID:UuMwcSih0
臨
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 00:29:35.67 ID:UuMwcSih0
兵
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 00:32:10.42 ID:g2pT3Cbm0
しえん
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 01:29:27.75 ID:UuMwcSih0
ほ
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:42:03.12 ID:UmyAFbLS0
う
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 04:24:40.17 ID:IJg39hHR0
そ
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 05:05:14.71 ID:UmyAFbLS0
う
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 05:42:54.65 ID:ToqwTzQa0
スレタイしか見てないけどなんていう断章のグリム?
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 08:24:20.77 ID:uIUocflpQ
ほ
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:05:15.57 ID:J7OHx2l2P
し
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:41:22.21 ID:UuMwcSih0
が
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:46:56.46 ID:g2pT3Cbm0
み
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 11:48:07.16 ID:3EYGmr+i0
え
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 11:53:05.32 ID:J7OHx2l2P
る
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 12:29:44.88 ID:y4S8iFLG0
か
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 12:47:06.48 ID:epVouiJP0
な
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 12:48:38.52 ID:yE7Y9ZL80
今マッドガッサー編読んでる
頑張って追いつくわ
保守
174 :
雨村在処の大晦日 ◇YdAUTYI0AY (代理):2011/01/03(月) 12:55:17.93 ID:epVouiJP0
大晦日の夜・・・獄門寺家の戸が勢い良く開けられた
「突撃!隣の晩ごはn「帰れ」
ピシャッと無慈悲にも閉じられた戸は再び勢い良く開けられる
「突撃!隣の晩ご飯!!」
「・・・お前は何をやってるんだ?」
頭を抱え呆れる龍一
それも無理は無いだろう
戸を勢い良く開け突撃してきたのは馬鹿みたいにデカイしゃもじを持った雨村在処
「突撃!隣の晩ご飯です」
「・・・?」
「突撃!となりの晩ごはんとは一般人の家に不法侵入し無銭飲食をするエクストリームスポーツの一種である」
「・・・スポーツなのか?」
「エクストリームスポーツです」
「そのししゃもは?」
「ししゃもを持って突撃するのがルールです」
「ルールか」
「ルールです」
「ルールなら仕方ないな」
「待てや」
思わず納得しかけた龍一に琉璃が即座にツッコミを入れた
175 :
雨村在処の大晦日 ◇YdAUTYI0AY (代理):2011/01/03(月) 12:56:22.91 ID:epVouiJP0
「まず馬鹿アニキに一言、そんなスポーツ存在しない」
「だろうな」
「判っててやってたの!?」
「雨村に一々ツッコミを入れるのは・・・疲れる」
「へへ」
「褒めてないからね?!」
何故か照れた様に笑う在処にツッコミ
琉璃がいなければきっと話が進んでないのは容易に想像できる
「それと、雨村さんは何でウチに晩飯集りに来てるの?」
「・・・バレました?」
「そのししゃもの時点で食べてく気満々じゃん!?」
「いやぁ・・・大晦日じゃないですか
私、蕎麦なんて作れませんから・・・」
「結局それが狙いか」
「先生・・・年越し蕎麦が、食べたいです」
「そんなバスケがしたいですみたいに言っても「良いぞ」良いの!?」
「蕎麦食わせるだけだろう
ここで断って爆発でも起こったらかなわん」
「先輩は私を何だと思ってるんですか?!」
「・・・さぁな」
そう言うと龍一は台所に向かって行き
「ハァ〜」
「ご迷惑をおかけします」
後には琉璃と在処が残された
多分続かない
176 :
雨村在処の正月早朝 ◇YdAUTYI0AY (代理):2011/01/03(月) 12:57:16.02 ID:epVouiJP0
「せーんぱい!」
「・・・何だ、正月早々」
「お正月だからです
」
「だが断る」
元旦早々何故こんな頭の悪い会話をしなければならないのか
今年は厄年か厄年なのか
去年も色々と大変な目には合ったが、と獄門寺龍一は静かに頭を抱える
昨晩、蕎麦を集りそのまま泊まって行った馬鹿一命を尻目に静かに呆れる
「どうかしました?」
「いや、今年最初に顔を合わせたのがお前な辺りにな・・・」
「私も今年最初に顔を合わせたのは先輩です
きっと、今年は良い年になるのでしょう」
厄年の間違いじゃないのか
「お前は相変わらずと言うか何時も通りだな」
「年が変わった位で人間変わりません
貴方もそうでしょう?」
「それもそうか・・・」
一瞬納得したが、コイツの場合は違う事に気付く
ずっと記憶を失っていたコイツは去年の末に起きたとある事件でその記憶を取戻した
その中身までは知らない、コイツ自身が語るまで俺が知る必要も無い
「お前は・・・後悔して無いのか?」
「何をです?」
「俺と盃を交わした事を、だ」
177 :
雨村在処の正月早朝 ◇YdAUTYI0AY (代理):2011/01/03(月) 12:58:32.09 ID:epVouiJP0
記憶を失っていたコイツと盃を交わした
それはコイツが自分には居場所が無いと思い込んでいたからだ
だが、コイツは記憶を取戻した
ならば・・・
「後悔なんてしません
自分で選んだ事ですから」
「しかし・・・」
「記憶の事ですか?
心配しないで下さい・・・昔の事を思い出しても結局居場所なんてありませんでしたから
私の居る場所は、私が居たい場所は、ここです」
そう言って雨村は俺の隣に移動する
「貴方の隣に居たいです」
「・・・冗談でもそう言う事は言うなと何度も言ったはずだが」
「冗談じゃないとも、何度も言いましたが」
酷く真剣な目・・・普段のボケっぷりとこういう時の差にイマイチ付いて行けん
「あ、そうだ」
「今度は何だ?」
「最初の話に戻しましょう
お年玉下さい」
「無い」
そんな物用意して無いしそもそも学生にそんな余裕も無い
「なら勝手に貰って行きます」
「は?」
勝手に・・・ッ?!
178 :
雨村在処の正月早朝 ◇YdAUTYI0AY (代理):2011/01/03(月) 12:59:34.45 ID:epVouiJP0
気付いた時には雨村の顔が俺の眼前に有った
否、俺の口の中に雨村の舌があった
「ぷはっ・・・お年玉代わりと言う事で」
「・・・・・・」
思わず声を失う
一つはコイツの突飛な行動に
もう一つはコイツの動きに俺が反応できなかった事に
「思い出したのは過去だけじゃありませんから」
そう言った雨村は飛んできた手裏剣を紙一重で避ける
「腕を上げたか・・・?」
「経験と勘を取戻しただけです」
そのまま雨村は逃げて行き蛇城さんはそれを追いかけて行った
「・・・何だったんだ」
本当に、こんな一年で大丈夫か?
続かない
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:15:12.18 ID:8f/xQZGy0
ほ
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:32:32.00 ID:8f/xQZGy0
も
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:38:21.45 ID:yE7Y9ZL80
は
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:56:30.71 ID:8f/xQZGy0
い
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 14:10:26.88 ID:8f/xQZGy0
な
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 14:22:53.58 ID:8f/xQZGy0
い
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 14:33:27.64 ID:8f/xQZGy0
は
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 14:45:35.85 ID:8f/xQZGy0
ず
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 14:52:27.21 ID:g2pT3Cbm0
が
188 :
死んだらどうなるだろう、と彼女は思った ◆nBXmJajMvU :2011/01/03(月) 14:54:59.18 ID:8f/xQZGy0
「そうか、菊はそうやって、本家様の力になりたいのか」
「…はい、兄様」
兄の龍鬼は、こちらの話を黙って聞いてくれた
その上で、しばし考え込み……告げてくる
「わかった。ただ、それだけでは、若を支え続けるには難しいだろう。表の仕事も、見つけるように」
「……表の、仕事?」
「あぁ。表立ってやっているのは、本家様。だが、我ら分家の人間は、表立ってはそちらを行ってはいけない」
だから
表向きの仕事も用意すべきだ
兄は、そう言ってきた
「…表向き…」
「伯父はセメント工場を経営しているし、叔母はお好み焼き屋をやっているだろう?何でもいいんだ。裏の仕事に感づかれぬよう、振舞っていられれば」
「……わかりました」
こくり、頷く
……そうか、表向きの仕事を考えておかないと駄目か
それも、考えておかなければ
分家に生まれた者としての役割
自分は、それを果たすのだ
その為ならば、どんな努力でも重ねていこうではないか
ちょこん、と
店の奥に用意してもらった椅子に腰掛ける紫苑
189 :
死んだらどうなるだろう、と彼女は思った ◆nBXmJajMvU :2011/01/03(月) 14:56:26.94 ID:8f/xQZGy0
じっと、働いている菊の様子を眺める
「ねーねー、店長さ〜ん!」
…………
「…ん…?何、か…?」
「こないだ、お気に入りのスカートが風で飛んでちゃってさ〜。見つけられなくて…何か、いいスカートない?」
何て、言うか……
「……じゃ、これ……」
「きゃー、かっわいー!試着してみるね〜!」
……その
「どう?似合ってる?似合ってるよね?」
「………ん」
「やっぱりぃ?じゃ、これ買っちゃうね〜!」
「…お買い上げ、感謝」
…え〜と
どこからコメントすればいいのか、突っ込めばいいのか
その光景に、紫苑は悩む
「店長さ〜ん!此間、通りすがりの紳士っぽい人が「あなたのソックスは、このソックスハンターが頂いたあぁあ!!」とか言って、靴下スられちゃって……新しいの買いたいんだけど」
「それ、通報、した方がいい………色、赤、好き?」
「わぁ、赤い花柄で可愛い!じゃ、これと……せっかくだから、靴も新しいの買いたくなったかも。お勧めある?」
「…ん……それに、合わせるなら……」
190 :
死んだらどうなるだろう、と彼女は思った ◆nBXmJajMvU :2011/01/03(月) 14:58:05.56 ID:8f/xQZGy0
先ほどから、てきぱきと接客をこなしている菊
前髪で目元が見えないほの暗い印象にも関わらず、女性客達は遠慮なく、菊に声をかけている
そして、その客らに、菊はごく普通に対応していて
まるで、一人一人の好みを全て把握しているかのように、無駄なく、スムーズに要望に答えていっていた
「紫苑ちゃんだっけ?ビックリした?」
声をかけられ、一瞬、びくりとする紫苑
顔をあげれば、店のバイトらしい女性が、にこにことこちらを覗き込んできていた
確か……花房 御幸とか言っていたか
菊と同じか、それより若干年上に見える
「…そうね。正直根暗な印象してたから。こんな店やってるなんて、想像もつかなかったわ」
「あはは、そうだよね〜。私も、最初会った時は、こんな素的なブティックやってるなんて想像できなかったし」
ブティック「カナリア」
ここが、菊の職場だった
女性向けの衣料品を扱っている店
……しかも、そこの店長らしい
そう言えば、あの大量の女物の服
菊は、「サンプル」と言っていた
…あぁ、なるほど
服を仕入れる際にでも、業者からもらった物だったのか、とようやく納得した
「…繁盛してるのね」
「此間、また雑誌に載せてもらったから、そのせいもあるんじゃないかな〜。その分、菊っちが忙しくなるんだけどね」
「……あんたは、忙しくないの?」
「誰も、私に「服見繕って」とかって言ってくれないんだもの」
191 :
死んだらどうなるだろう、と彼女は思った ◆nBXmJajMvU :2011/01/03(月) 14:59:57.10 ID:8f/xQZGy0
御幸の言葉に頷きつつ、視線を菊へと戻す紫苑
「ねー、ジャケット欲しいのジャケット!いかしたデザインのない?」
「……ミナ、には……黒が似合うから、これ…」
「てんちょー!このスカートに合うカーディガンとかないかな?」
「…ん……英国風デザイン………同じく、英国風デザインの物を……」
「私さー、ロリータファッションに挑戦したいの!で、頭の天辺からつま先まで、フルコーディネートよろ!」
「…了解……予算、は?」
…忙しく、女性客の要望に答えている菊
本当、恐ろしく手際がいい
客の要望に合っていて、なおかつ、その客によく似合った物を、予算以内に収めて見繕ってやっている
これは、経験故なのか、それとも、一種の才能なのか
菊と出会ったばかりの紫苑には、ピンと来ない
「あ、あの………その。み、店先のマネキンのコーディネート…気に入っちゃって…あ、あれと同じ物、ありますか?」
「…ん……どれ…?」
「あ、あの、ま、真ん中の」
「……ん、まだ、ある……御幸、お願い……」
「はいは〜い、今行きま〜す……じゃ、紫苑ちゃん、また後で話そうね〜」
菊に呼ばれ、ぱたぱたとそちらに向かう御幸
入れ替わりに、菊がふらふら、紫苑に近づいてくる
「…退屈?」
「いえ、退屈はしてないわ」
「……なら、いいが」
本音だ、退屈はしていない
よくもまぁ、あれだけ我侭な要望にも答えられるものだ、と心底感心してるから
192 :
死んだらどうなるだろう、と彼女は思った ◆nBXmJajMvU :2011/01/03(月) 15:03:14.09 ID:8f/xQZGy0
「ま、とりあえず。「ブティックの人攫い」には注意しとくのね。こう言う店が、あいつらのテリトリーだろうし」
「……試着室で、人をさらう、あれ?」
「そう、あれ」
なるほど
こう言う職種だから、その都市伝説くらいは聞いていたか
「…あれ、も、都市伝説?」
「そうよ。人攫い系都市伝説だけで揃った人攫い組織なんかもあるって聞くしね」
紫苑は、菊と出会ったあの場所からあまり動いた事がない為、詳しくは知らないが
それでも、近年語られる都市伝説繋がりで、知識だけはある
…奴らにとって、こう言う店は格好の狩場だ
「……大丈夫」
「?」
「もう、そう言う被害者は出さない」
え?と
思わず、菊を見つめる紫苑
「もう」、と、菊はそう言った
それは、つまり
この店で、かつて、「そう言う事件」があった、と言う事で
「……また、若に迷惑かける訳にはいかないから」
淡々と、続ける菊
それは、小さな後悔と
193 :
死んだらどうなるだろう、と彼女は思った ◆nBXmJajMvU :2011/01/03(月) 15:05:06.62 ID:8f/xQZGy0
同じ事は繰り返さないという、決意
「…今度、気配を感じたら……先に、沈める」
ぼそぼそ、そう口にした、瞬間
前髪が、ゆらりと揺れて……菊の目が、見えて
その奥にある、深い闇に
けれど、その更に奥にある、光に
ぞくり、と、悪寒すら、感じた
まるで、その瞬間だけ
雰囲気が、ガラリと変わったような……
「店長さ〜ん!ワンピース!ワンピースが欲しい!合コンで彼氏ゲットの為に!!目立てる奴を!!」
「……ん…なら、この金ラメミニスカートのを……」
ふら、と
また元の根暗な雰囲気に戻り、客に呼ばれてそちらに向かう菊
一瞬の、あの雰囲気に
紫苑は、菊の中の、底知れない闇を見たような錯覚を覚えて
「……まったく。どうして、普通の契約者を見つけられなかったかしらね、私は」
と
小さく、誰にも気付かれぬよう、ため息をついたのだった
to be … ?
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 15:06:51.79 ID:8f/xQZGy0
昨晩避難所の方で言ってた、菊のお仕事判明ネタ
服屋さんの店長でした
何?バイトの子の苗字に見覚えがあるって?まぁ気にするな
え?表向きはともかく裏の仕事はって?
なぁに、気にするな
乙です〜
お菊さんかっこいいマジかっこいい
バイトが気になりすぎるwwwww
そしてソックスハンター吹いたwwwwwwwwww
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 15:28:45.58 ID:8f/xQZGy0
>>195 まぁ、バイトはアレの姉なだけなんですがw
ソックスハンターはノリで書いた、反省はしていない
>>196 やっぱり姉なのかwww
若すぎる母親だとか期待してたんだg(沈められました
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 15:37:54.11 ID:8f/xQZGy0
>>197 >若すぎる母親だとか期待してたんだg(沈められました
無茶をしやがって…w
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 15:47:56.55 ID:8f/xQZGy0
ちょっくら急用で出かけてくらぁ
夜も本スレが残ってますように
>>199 いってらっしゃいなの〜
保守は任せて!
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 16:04:05.10 ID:UuMwcSih0
臨
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 16:21:52.02 ID:UuMwcSih0
兵
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 16:36:46.22 ID:UuMwcSih0
闘
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 16:48:37.13 ID:UuMwcSih0
者
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:05:33.05 ID:UuMwcSih0
皆
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:19:30.88 ID:UuMwcSih0
陣
「があぁっ!!」
吹き飛ばされ、アスファルトに叩き付けられた女性
赤いコートを羽織り、右手に草刈鎌を持ち、その口元は耳まで裂けていた―――「口裂け女」
彼女は身を翻し、得物を構えて目の前にいる敵を見据える
その、目に映るのは
「問題でぇ〜す! この俺、昂平(コウヘイ)様はこぉーんなところで何をやってるんでしょぉかぁー!?」
両手をズボンのポケットに突っ込み、にやにやと笑いながら彼女に歩み寄る、少年の姿
しかも、まだ小学校に入りたてのような、幼い少年
だがその笑みや声には、見た目とは裏腹に、激しい悪意が感じ取れる
そして、「口裂け女」を吹き飛ばしたのは、紛れもなくこの少年―――昂平である
「この・・・ガキがぁ!!」
100m3秒という驚異的な早さで間合いを詰め、昂平の首筋目掛けて鎌を振るう
しかし、彼は微動だにせず、
「そんなガキに、こっ酷くやれてんのはテメェだろ、このババア!!」
昂平が怒鳴ったと同時に、
口裂け女は突如、彼の前に突っ伏した―――否、正確には、“墜落した”
その上、彼女は立ち上がろうにも、腕や足が一切動かせないようであった
何かに縛られている様子は、無い
「ぐぅっ・・・身体が、重い・・・何をしたぁ!?」
「んなもん気安くベラベラ喋っちまったら不利になんだろぉが!
尤もぉ? この状況で俺が不利になる可能性は限りなく0に近いけどなぁ!」
彼は片足を上げ、口裂け女の背の上に固定する
「またまた問題でぇーす・・・この状態で俺の足にかかる重力を上げたらテメェの身体は一体どうなっちまうでしょぉかぁ?」
「重、力・・・ッ!?」
一瞬、彼女は己の身体が軽くなった事を知り、咄嗟に昂平から距離を取る
その直後、轟音が鳴り響き、昂平の足元に大きな穴が空いた
「おいおい、逃げんなよ・・・結構痛ぇんだぜ?これ」
「小僧・・・重力と言ったな?」
「ちっ、聞かれちまったら仕方ねぇなぁ・・・俺が契約したのは『反重力』
物体にかかる重力を無効、調節できんだよ・・・こんな風になぁ!」
ふわり
口裂け女の身体が、宙に浮いた
それは、上空へと高く高く昇ってゆく
「なっ・・・こ、これはぁ・・・!?」
「テメェにかかる重力を0にした・・・でぇ? そんな高い所から落ちたらどうなるだろぉなぁ??」
彼が宣言した通り、口裂け女は天高くから落下し、地面に激突した
破壊されたアスファルトの上に横たわるそれは、ぴくぴくと小さく震えている
「ぁんだぁ? まだ生きてんのか? じゃあさっさと息の根止めてやるよぉ!!」
昂平が、右掌をばっと拡げ、空に掲げる
その真上に向かって、空気中や地面の細かい塵芥や砂粒が、群れを成す虫のように集い始める
微粒子の重力を操り、掌の上に引力の芯を作り上げ、
「グゴガゴギギガガガガギゴガゴゴギグググギガゴガゴガゴガゴギガギグギゴゴゴゴ…」
叫び声とも、何かの呪文とも取れるような声を上げながら、
直径10mはあろう、その塵芥の塊を、
「潰れろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
既に動けぬ口裂け女に投げつけた
「塵も積もれば山となる」とあるように、幾つも幾つも集まった塵は、口裂け女を押し潰し、
光となった彼女の成れの果ては、塵と共に風に乗って消えていった
「ヘッハハハハハハハハハハハハァ!!
『口裂け女』も倒したしぃ!? これで俺も立派な契約者だぁ!!
ゼッテェになってやる・・・俺は、兄貴よりも、姉貴よりも・・・そして親父よりも強くなって、
世界最強の契約者になってやるんd―――――」
「派手にやったものだな」
んぁ?と不機嫌そうに昂平が振り向くと、そこには先程までいなかった筈の、
黒いスーツに白い髪、体系に似合わず驚くほど胸の大きな少女
「あ、ボインのねーちゃん」
「名前で呼べ、名前で・・・全く、あの父親からこんなガキが生まれるとは信じられん
それよりも、だ。 貴様、父親からもっと周囲を気にして戦えと教わらなかったのか!?」
「知るか! 勝てりゃいいんだよ勝てりゃぁ!
つぅか、俺があんたら「組織」の仕事を提供してやってんだ、逆に感謝しろよ!」
少女が続けて何か言おうとした時、5時を知らせる鐘が鳴る
「あ〜ぁ、門限過ぎちまった。じゃあなボインのねーちゃん」
「なっ、ま、待て小僧!」
止めようとしたが、昂平は重力を解除して夕焼け空と反対方向に去っていった
「っち、あの小僧が・・・ハァ、あんな性格なのに何故顔はそっくりなんだ?
父親に・・・・・・・黄昏裂邪に・・・」
少女―――レクイエム・リッケンバッカーは静かに呟いた
...END
どうみても劣化版アクレラレータです、本当にごめんなさいorz
黄昏家三男、黄昏 昂平くんです
この子の前に次男と次女、三女がいるんだけど、どうしてもこの子が先に書きたかった
次男とかも後日書く予定
四男四女(双子)もいつか書く予定
五男と五女は未定
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:52:53.29 ID:8g7+xdOg0
自称中二の俺がSSをかきたいんだが
自分設定で書いて良いの?
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:58:33.73 ID:UuMwcSih0
>>212 問題ないと思うぜ
大体はwikiのQ&Aにも書いてるので、そちらも参考にしてみてはどうでしょう
wktkしてますよ!
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 18:11:15.65 ID:8g7+xdOg0
>>213 わかりました
しっかりと読んでから書き始めます
2ちゃん初心者だけどがんばりますわ
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 19:00:51.12 ID:v/6lndaX0
ほ
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 19:27:04.31 ID:bgMLPx9W0
たっだいま。シャドーマンの人乙だぜ〜
なかなかやんちゃさんだ
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 19:45:18.82 ID:bgMLPx9W0
ほ
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 20:05:59.76 ID:bgMLPx9W0
も
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 20:20:30.24 ID:bgMLPx9W0
さ
>>216 そんなやんちゃ坊主に惹かれていくレクイエムたんを書きたかtt(霊に貪られました
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 20:22:16.89 ID:bgMLPx9W0
223 :
とある少女の新年光景 ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/03(月) 20:53:57.64 ID:bgMLPx9W0
「早速病院に行ってきたら、三ヶ月ですって♪」
母、千春の言葉に、佳奈美は手にしていた箸をぽろりと落とした
「弟か妹ができるわよ、佳奈美。これでお父さんもお母さんも寂しくないから、さっさと彼氏を紹介して嫁に行って孫を見せて頂戴?」
「ちょ、えっと……三ヶ月前っていうと……結婚記念日の旅行の時!?」
流石に遠慮も余裕も無くなった佳奈美のツッコミに、父、乗次がげふんげふんと咳払いをする
「高齢出産とかの心配はいらないわよ? お母さんまだまだ若いから」
「若いって、それでももうよんじゅう……」
「ぶぶー」
さも楽しそうに笑顔を浮かべて佳奈美の声を遮る千春と、びくりと身を竦ませる乗次
「お母さん、まだ三十代前半でーす。若い母親だと佳奈美が気にするかなーと思って今まで誤魔化してました。あ、保険証見る?」
「ちょっ、お母さん!? 今あたしが高校二年で17歳だよ!? 前半って、あたし生んだのが……というか十ヶ月割り引く計算だと」
「ご馳走様、お父さんは仕事があるから」
そそくさと席を立つ乗次の腕を、びしりと千春が掴む
「背中を見せたらばっさり斬られるけど、正面から受ければ致命傷は免れるわよ?」
とびきりの笑顔で告げられて、乗次は諦めたように今一度食卓の椅子にすとんと腰を下ろす
「というわけで。お母さんが佳奈美を仕込んだのは16歳の時です。ちなみに誕生日前なので割とギリギリアウト」
「そこまで詳らか言わなくてもね!?」
ちょっと涙声の乗次をスルーして、千春は口元を手で隠しながら笑う
「でも、告白したのも先に手を出したのもお母さんからだから。お父さんがロリコンだったとか、そういうのじゃないわよ?」
「……佳奈美を産んでからズ太くなったよね、千春さん」
>>222 (レクイエム>ごごご誤解だ! たっ、ただあの小僧があいつに似ているだけであって!!
(蓮華>安心してください、“本物の方”は私が頂きますのd
(レクイエム>待てこのドS女ァ!?
(蓮華>何かご不満ですかデカチチ娘さん?
225 :
とある少女の新年光景 ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/03(月) 20:55:54.29 ID:bgMLPx9W0
「母は強しって言うでしょ?」
にっこりと微笑み、千春は佳奈美に告げる
「お母さんも二年ぐらい学校通いながら佳奈美育ててたから。お義母様も協力してくれたし」
「小さい頃に朝から出掛けてたのって学校行ってたの!? というかあたしは高校卒業するまでは清いお付き合いだからね!?」
「あらあらうふふ……若い子がどこまで持つかしらねぇ」
「お母さん、なんか悪役状態だよ!?」
「僕もそうだけどね、佳奈美を任せる人をきちんと見てみたいっていうのがまず先にあるんだよ」
苦笑交じりに耳打ちする乗次に、佳奈美は複雑な表情を浮かべる
「というか、僕がずっと気にしてるからああして催促してるんだと思うよ。ごめんね、情けない父さんで」
「お父さんの事もあるけど、私だって気になってるの。佳奈美を逃がさず捕まえておけるのって相当なものよ?」
「お母さん、それどういう意味!?」
「あなた、男の子に告白されたら自信無くて逃げるでしょ、きっと」
「うぐ」
「という訳で、早いところ退路を断っておきたいのよね、折角捕まえてもらったんだし」
そして、笑顔のままで千春の雰囲気がずしりと重いものに変わる
「勿論、佳奈美を任せられないなーと思ったら……お母さん、容赦しないから」
「千春さん、そういう事を言うとまたプレッシャーになるから。佳奈美も気にしないで自分のペースで、ね?」
乗次が佳奈美を庇うようにそう言うが、千春のプレッシャーにはかなり押されている雰囲気だった
長引かせるのはまずいかも
そんな事を考えながら、佳奈美は三が日明けの夜を過ごすのであったとさ
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 21:13:39.63 ID:bgMLPx9W0
み
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 21:27:11.26 ID:bgMLPx9W0
みー
228 :
首切摩を巡るお話☆新規参加者です:2011/01/03(月) 21:33:11.07 ID:8g7+xdOg0
たいして長くもなくしかし短くもなく
偶然にしては必然的
艶やかでもあり醜くもある
鮮明であって淀濁であり
現実でもあり夢幽でもある
断片であって全体でもあった
そんな話を話そう
___
______
_________
『23時頃○○町でまた首切り殺人があったようです
町内の人は夜一人で出歩くのをやめ・・・』
ピッ
???「物騒な世の中だなぁ」
テレビのリモコンを操りながら男が小さくつぶやく
どうやら見たい番組はなかったらしくそのままリモコンを置く
どうやら食事中みたく男が座るこたつの上には目玉焼きや焼き立てのパンが
乗っている皿が乗っている
そして男のむかい側には長い黒髪が特徴の女の子が座っている
美少女「あーーお兄ちゃん!!」
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 21:36:00.46 ID:bgMLPx9W0
新参者様だぜひゃっはーーーーーぁ!!!!!支援
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 21:44:28.83 ID:y4S8iFLG0
支援
231 :
首切摩を巡るお話☆新規参加者です:2011/01/03(月) 21:44:40.22 ID:8g7+xdOg0
すんません
もう少し書き溜めてから
乗せてきます・・
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 21:45:41.72 ID:bgMLPx9W0
>>231 いえっさー
焦らずとも、自分のペースで書いて自分のペースで投下するのが一番だぜ〜
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 21:52:48.08 ID:y4S8iFLG0
それでは今の内に……
∧l二|ヘ
(・ω・ ) おいらをどこかのスレに送るんよ
./ ̄ ̄ ̄ハ お別れの時にはお土産を持たせるんよ
| 福 | |
| 袋 | |,,,....
 ̄ ̄ ̄ ̄
現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ステテコ コタツ 栗きんとん 手帳
NintendoDSi LL 劇場版ガンダム00BD 肝油ドロップ 絶頂射精 イカ娘
冷凍精子 ブブゼラ バードカフェの御節 待クマ TOEIC公式問題集 アイスティー
T2ジョーカーメモリ タカメダル
234 :
首切摩を巡るお話☆新規参加者です:2011/01/03(月) 21:54:00.82 ID:8g7+xdOg0
兄と呼ばれる男「なんだよ響(ひびき)」
男にむかってぷんぷん怒る女の子はどうやら妹で響という名前らしい
響「まだ見てる途中だったんだよーー」
男「ああ悪い悪い、ほいっと」
男は再びリモコンをテレビに向け電源スイッチおす
『本当に怖いですねーー。それでは次のニュースです』
だがどうやら響の見たがってるニュースは終わってしまっているようだ
響「うーーーー。」
響が箸を咥えて兄をにらむ
兄「わ、悪い悪い・・けどそんなに大事なニュースだったのか?」
響「大事だよーー。すっごく大事だよーー。最近響が追っている怪奇の
正体かもしれないんだから。」
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 21:55:42.27 ID:bgMLPx9W0
響ちゃんかぁいいよ支援
俺の響ちゃんかぁいすぎるよ嫁決定だよ支援支援
237 :
首切摩を巡るお話。響はひんぬーかききょにゅーどっちにしましょう?:2011/01/03(月) 22:07:02.59 ID:8g7+xdOg0
_________________________________________________________
まただ・・また始まったよ
そう俺の妹は怪奇が大好きないわゆる都市伝説オタクなのだ
いままでもネットでググっては都市伝説を調べ
ニュースやテレビで怪奇現象がおきた速報があったら
家から数日間姿を消し、その場所にいくことが多々あった
いま一人暮らしである俺の家にこいつがいるのも
この町でたくさん怪奇現象がおきることを
ネットでしったからだった
俺「お前さーー、いい年の娘が怪奇怪奇って・・」
響「あーーー!!お兄ちゃんまでそうゆうこと言うんだー」
響は腕を組み、唇を尖らせ、怒ってるぞーとアピールする
俺「いや、だめとは言わないけどな・・」
俺は響にいつも口で勝つことができない。俺がいうのもなんだが
こいつはおれの扱いがうまいのだ
巨乳!巨乳!!巨乳妹ハァハァ!!!支援
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 22:09:38.95 ID:bgMLPx9W0
悩むな……貧乳か、巨乳か、はたまた虚乳か……凡乳で!!(待て)支援
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 22:10:11.18 ID:y4S8iFLG0
どっちも多いから被りを避けて普乳にすべき
形の美しさをアピールすべき
241 :
首切魔を巡るお話。:2011/01/03(月) 22:16:56.87 ID:8g7+xdOg0
しかしこっちもこまってるから今回は負けないようにしないと
俺「だいいちこの首切り魔が本当に怪奇の仕業なのか
わかるのか?」
響「わかるよーん。」
響が豊かな乳を自慢するように胸をはる
響「だって響の股間がそういってるもーん」
俺「いや、それをいうならカンだろ・・
お前本当に年頃の娘が何いってんだよ・・」
股間から声が聞こえるのだろうか
俺「まあ、お前のそういうカンが鋭いのは知ってるけどさ・・」
そう・・実は響は霊感があるのだと言う
死んだじいちゃんが視えたりそうゆう霊には慣れっこなのだ
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 22:17:25.22 ID:bgMLPx9W0
豊かになったかwwwww支援
豊乳でも大好物だぜ!そしてドジっ子妹萌えたwww支援
244 :
首切魔を巡るお話。:2011/01/03(月) 22:30:53.87 ID:8g7+xdOg0
俺「だからって響がその首切り魔の霊に会ったところでどうすんだ?
返りうちになるのが落ちだろう?」
しかし響も霊感はあってもただの人間である
害をおよぼす令には勝てっこないだろう
響「へーー。お兄ちゃん、響の事心配してくれてるの?」
ふと・・響の目が少し細まったきがした・・・
まずい・・・
響「うんうん。いいお兄ちゃんを持って響は幸せだよ!!」
なんだこの嫌な予感は・・ザワザワザワザワ
響「そうだよね・・響みたいな女の子が一人でいっても返り討ちにされちゃうだけだもんねーー」
響「でもお兄ちゃんとかは・・
筋肉もあるし・・たくましいし・・・・・・ねえ」
俺「う・・・だ、だけどおれはがっk・」
響「今日は土曜日だし・・学校もないよね・・」
俺「oui・・」
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 22:31:21.95 ID:bgMLPx9W0
これはwwwwwwwwwww支援
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 22:39:10.72 ID:y4S8iFLG0
sie
247 :
首切魔を巡るお話。書くのが大変なことを思い知りました:2011/01/03(月) 22:45:11.25 ID:8g7+xdOg0
______
___________
________________
そうして今俺は首切り殺人があった場所へむかって歩いてる途中だ……
ったくあの妹は……。
おれは妹のにや顔を思い出して溜息をはく
『とゆーわけでお兄ちゃんには現場の写真を撮ってきてもらいまーす
気を付けていってらっしゃーい』
と笑顔で送りだされたわけである
まあうちからたいして遠いわけでもないし…
あと昼ご飯の材料も買ってかえらなくちゃなー
殺人現場に近づくにつれだんだん人も増えてきた、野次馬だろうか
と、遠目から見るだけでもたくさん人が集まってる場所が見えてきた
「と、すいませーーんっと」
人の群れに近づきその人ごみのなかをかき分けて現場へとむかっていく
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 22:47:28.19 ID:bgMLPx9W0
大丈夫、慣れれば書きながら投下とかもできるようになるよ支援
半年しか経ってない俺からすれば書きながら投下なんて神の御技ですorz支援
250 :
首切魔を巡るお話。がんばります:2011/01/03(月) 22:58:43.88 ID:8g7+xdOg0
俺「おお、これは……」
人ごみをかき分けてでてきたところに黄色いテープで囲まれたスペースがあった
まるでドラマのようにその中では数人の刑事が白いテープを地面においたり
番号の書いてある板を置いたりしていた
そして地面には一人の人間が出したとは思えない量の血がまだ残っていた
俺「うわぁ……
っと、カメラカメラ」
目の前の光景に息をのみながらも妹から借りたカメラをポケットから出す
少し殺人現場をカメラで写すのに気が引けたが
回りの野次馬達も同じようにカメラを構えているので決心しレンズを
のぞきこむ
俺「はいチーズっと」
まあ被写体なんていないのだけれど
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 23:01:44.30 ID:bgMLPx9W0
しえしえ
252 :
首切魔を巡るお話。うっ………ふぅ:2011/01/03(月) 23:10:47.65 ID:8g7+xdOg0
パチリッ
「ん?」
なんかシャッターを切った瞬間、女の顔のようなものがみえた
気がしたのだが……
「ハハハ……」
ないない、妹の話でもきいて影響されたのだろうか……
「さあってと、スーパーでも行って買い物すっかー」
自分の心に入ってくる恐怖を打ち消すようにわざと声に出してみる
そうえば妹がなにたべたいのか聞くの忘れたなー
電話してみるか…
ポケットから携帯を出して家に電話する
トゥルルトゥルルトゥルルトゥルル
響『はーーーい
好きなパンツはみずしま模様、杉谷仁でーーす!』
俺「なにやってんだ…お前……」
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 23:15:11.91 ID:bgMLPx9W0
何やってんのwwwwwwwwwwwwwwwww支援
254 :
首切魔を巡るお話。首が痛いっす。あと手首:2011/01/03(月) 23:20:30.50 ID:8g7+xdOg0
響『あれぇ?その声はおにいちゃんじゃん
写真とれたー?』
俺「写真はあとだ
お前俺の名前を使ってなにしてやがる」
響『だいじょーぶだよ
兄ちゃんだって知ってたからこうゆう答えかたしたんだよー』
なぁんだ。なら安心だ……べつに誰かまわずに俺がみずしまパンツがすきだと
吹聴しようとしたわけじゃないんだな…
・・・まてよ
俺「この携帯非通知のはずなんだが……」
響『…………』
俺「…………おい」
響『で、写真とれたの?』
こ、こいつ
シラをきる気だ・・
まあいい、あとで問い詰めてやる・・
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 23:23:22.01 ID:bgMLPx9W0
首とか手首か…よくわかるぜ支援。無理はしないようにね
256 :
首切魔を巡るお話。なんか作品かかれたことあるんですか?:2011/01/03(月) 23:31:00.24 ID:8g7+xdOg0
漏れ「ああ
一枚だけでよかったよなーー」
響『うん!それだけで十分わかるから
写真撮った時なにかあった?』
あのことを話していいのかな
まあ冗談みたいな感じでいいだろ
漏れ「ああ……」
スーパーに向かう細く人気のない道を通りながらおれは
今さっきのことを話す
漏れ「女の顔が見えた」
響『顔!!?』
酷く驚いたとゆう感じで響が応える
漏れ「あ、ああ
フラッシュで光った時に……
まあ、たぶん幻影だろうけどねwww
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 23:32:30.77 ID:bgMLPx9W0
花子さんと契約した男やら何やら、無駄に書き散らしてるよ!支援
俺は腰が痛くなる、常に左を向いている状態でPCの前座ってるから支援
259 :
首切魔を巡るお話。:2011/01/03(月) 23:40:22.39 ID:8g7+xdOg0
響が心配しているのだろうか
明るい感じで俺は答えた
響『………』
しかし響からの返答はない
漏れ「おーい
どうした響?、あ、あとお前昼飯なにがいいんだ?
帰りにすーp」
と、その時
響『女・・てっきり男かと思いました
そ、それよりもお兄ちゃんが・・
わかってます・急いで…』
通話ぐちからぼそぼそと一人ごとが声が聞こえてきた
漏れ「ひ、響……?」
正直いって怖い……
ここまで電波だとはしらなかった…
花子(ry ってあの一番最初から書かれてたやつですか!?
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 23:41:59.69 ID:bgMLPx9W0
一番最初でもないと思うが、まぁ、一番最初のスレからいたよ支援
261 :
首切魔を巡るお話。:2011/01/03(月) 23:42:02.59 ID:8g7+xdOg0
>>258 左にPC、正面にテレビ、右にドア、後ろにメリーさん、足元に斧男、頭上に赤黒い染みですねわかります支援
そういえばこのスレも1年半か…感慨深い
263 :
首切魔を巡るお話。:2011/01/03(月) 23:44:36.95 ID:8g7+xdOg0
>>260 すごいな!!
すごいおもしろかったですよ!
教授とテケ子もおもしろかったですが
>>261 それが向けないんですよorz 正座しようにも机と椅子の間が狭くて(どうにかしろよ
態勢逆にしたいけど、反対側はベッドにのぼる梯子があって邪魔だとか、文章だと表しづらい残念さでして(
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 23:46:41.25 ID:bgMLPx9W0
266 :
首切魔を巡るお話。:2011/01/03(月) 23:48:25.21 ID:8g7+xdOg0
>>264 ああ……
なんか自分甘いことで愚痴いってすいませんでした
>>262 正面は弟、右は本棚(コミックス)、後ろは梯子、足元は羽毛布団とカード収納コンテナ、頭上はベッドなんだぜww
>>266 上記の通り、椅子の代わりにカード入れ用のコンテナ使ってる俺の所為なんだけどねwww
268 :
首切魔を巡るお話。:2011/01/03(月) 23:56:53.66 ID:8g7+xdOg0
すまん!!
今日はいったんこれで止めます!!
明日の夜からまたかくのでよろしければ
また支援おねがいします!!
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 23:57:05.41 ID:bgMLPx9W0
眠気MAXなので力尽きるおやすみー
俺…明日本スレが残っていたら、「教会「13使徒」編 〜ドキ☆敵も味方も死亡フラグ乱立祭〜」を開催するんだ…
>>268-269 お二方乙です!
明日もwktkしてますぜ!
俺も寝る前に投下しちゃおうかしら(
271 :
お礼を言いに ◆vQFK74H.x2 :2011/01/04(火) 00:00:57.33 ID:0dV0koss0
河川敷での出来事から数日たった休日。
樹里は、学校町の繁華街にあるブティック「カナリア」にやってきた。
最近、雑誌で紹介されていたからか…以前来た時よりも、店内は女性客で賑わっている。
何というか、熱気が凄い。
年に数回ある、某お祭り並みの熱気だ。
可愛らしい服や、大人っぽい服が所狭しと並んでいる。
選ぶだけでも、色々と目移りしてしまいそうだ。
「……いらっしゃい」
長身の、性別不詳な人物……「カナリア」の店長から声を掛けられた。
「あ……店長さん、先日は助けて下さってありがとうございました」
店長に頭を下げる。
「……怪我、平気だったか…?」
長い前髪が目元を覆っていて、表情を窺い知る事は出来ないが、声のトーンから心配してくれているのだと分かった。
何となく、クラスメイトの獄門寺と似た印象を受けた。
「はい。あれから大きな病院で見て貰ったんですけど、後遺症も残ってないみたいで…本当に、ありがとうございました」
あれから、医師の連絡で駆け付けた両親と、学校町内の大学病院に行って検査を受けた。
後遺症は発見されなかったが、頭部を打ったという事で、後1〜2回精密検査を受ける事になっている。
友人の紗奈も心配していたが、話した後の第一声が『頭、大丈夫!?』だったのは……事実としては間違っていないのだが……うん。
「これ…つまらないものですが…」
店長に、ここに来る前に買った、菓子折りを差し出した。
続く…?
272 :
情け無用の男!:2011/01/04(火) 00:03:00.73 ID:5vvgk6H40
「きゃああああああああああああ!!!」
逃げる
逃げる、逃げる
汗を流し、涙を流し、息を荒げ、少女は走る
その後ろには
全身を黒い毛が覆い、目を赤く輝かせ、翼を広げて飛ぶ人型の化物―――「モスマン」
少女は、このモスマンに追われているらしい
少女は何も知らなかった
この町――――学校町の事を
都市伝説というものの存在を
「た、たすけっ―――――――――――あっ!」
足が縺れ、彼女は前のめりに転んでしまった
再び立ち上がろうとしたが、既に己の足は疲労しきっていた
再び助けを呼ぼうとしたが、喉が乾いていて使い物にならなかった
尚も迫り来るモスマン
彼女は目を瞑り、最後の瞬間を待つしかなかった
「―――――――あ、れ・・・?」
何秒待っただろうか
1分経ったかも知れない
273 :
情け無用の男!:2011/01/04(火) 00:04:11.49 ID:5vvgk6H40
目と鼻の先にいた筈のモスマンが、未だに襲ってこない
ふと、顔を上げると
「・・・・・ひぃっ!?」
そこに、それはいた
言葉通り、目と鼻の先
鼻の先に微かなムズ痒さを感じ、彼女は両腕で数歩下がる
叫びたいが、喉が掠れてうまく出せない
「そこでじっとしてろ」
聞こえたのは少年の声
見ると、民家の屋根の上に立っている、大きくクモの絵がプリントされた服を着た、小学生ほどの少年
「大丈夫、今そいつ、動けないから」
何やら、十指をのばして構えているようにも見える
彼女はちら、とモスマンを見た
先程は分からなかったが、細い糸が張り巡らされていて、モスマンはそれに引っかかっていたようだった
まるで、蜘蛛の巣のような
そしてその糸は・・・少年の指先から出ていた
「え?」
「いよっ、と!」
ひょう、と両手を上げると、糸に絡められたモスマンが上空に放り出される
翼を広げようとするが余計に絡まってしまい、遂に団子状になってしまった
砂埃と鈍い音を立て、地面に落ちた糸団子に向けて、
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 00:05:54.28 ID:0dV0koss0
おお、ご新規さんがいらっしゃった!
花子さんの人様に焼き土下座ぁぁぁぁ!
樹里がお礼を言いに来ました
菊さんの口調、合っているんだろうか……
275 :
情け無用の男!:2011/01/04(火) 00:06:17.65 ID:5vvgk6H40
「一撃必殺!レオパルドンキィック!!」
ただのジャンプしてからの踏みつけ攻撃を喰らわせる少年
ぐちゃっ!と生々しい音を立て、赤く染まった糸団子は、次第に光となって消え去った
「一丁上がりぃ・・・立てる?」
「え?・・・あ、うん」
少年は、少女に手を伸ばす
彼女はその手を借り、ふらつく足を制して何とか立ち上がる
「あの・・・ありがとう」
「いいよ、礼なんて。父ちゃんから『女の子は命懸けで救い出せ』って言われてただけだから」
んじゃ、と手を挙げ、掌から蜘蛛の糸を伸ばして電柱に引っ掛ける少年
「あ、待って!」
「ん?」
「えっと・・・名前だけでも、教えて?」
「情け無用の男、スパイダーマッ!!
・・・てのは冗談で・・・黄昏英哉(エイヤ)、っつぅんだ。それじゃ」
再び別れを告げ、彼―――「200mの蜘蛛の巣」の契約者、黄昏英哉は、
さながらスパイダーマンの如く、蜘蛛の糸を駆使して電柱から電柱へと渡ってその場を去った
...END
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 00:08:01.50 ID:0dV0koss0
うわぁぁぁぁ!
投下途中に被ってしまってすみませんorz
おっと、乙です〜
紗奈ちゃんwwww言い方wwwwww
投下乙ですー
首切魔を巡るお話は導入部か
妹がなんだか怖い…言葉の真意的な意味でも死亡フラグ的な意味でも
樹里の精密検査=記憶操作を含めたメンタルチェックですねわかります
この子は都市伝説に関わらない一般人的な立ち位置になるのだろうか?
黄昏家の少年たちはどうしてこうアグレッシブなのだろうか
中には気弱で思わず守ってあげたくなるような可愛い男の子がいてもいいと思うんですよ(切実)
明日もスレが残ってますように!おやすみ!
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 00:28:30.28 ID:5vvgk6H40
>>279 まぁ、親父があいつだからなぁ・・・
でも安心して!五男はきっと貴方の望むキャラだから!
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 00:29:19.72 ID:nvkPGOTt0
ほ
ちなみに導入部ってなんですか?
首切魔のものです
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 00:32:27.01 ID:5vvgk6H40
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 00:37:34.64 ID:ZuZfKOyCQ
>>281 起承転結の「起」にあたる部分かなぁ
主人公の周りでこんなことがあって、それに対する主人公のスタンスを表現する
…までいくと「起承」かしら?
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 00:50:54.91 ID:nvkPGOTt0
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 00:59:48.76 ID:1+2lY4sN0
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 01:00:32.61 ID:5vvgk6H40
>>284 まぁまぁ、これから覚えていけばいいことだから気にしない
俺だって語彙力ないけど半年も書き続けやがってますし
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 01:09:23.91 ID:5vvgk6H40
>>285 おぉすげぇ!俺もありがたく頂きます!
俺、今度からプロローグじゃなくてオーバチュアって書くわ
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 01:56:25.47 ID:RDC9RFse0
干す
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:15:27.43 ID:PlxKk+6LP
ほ
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 06:18:58.32 ID:PlxKk+6LP
ら
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 07:42:34.28 ID:5vvgk6H40
|
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:10:39.41 ID:ZuZfKOyCQ
な
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:21:57.36 ID:Olu44dHc0
り
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:46:50.95 ID:r6Fvxaqu0
ん
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:54:53.28 ID:r6Fvxaqu0
犬神憑きとアンサーの人様とシャドーマンの人乙〜!
紗奈ちゃんがかけた言葉wwwwwwwwwwwww
菊の口調、合ってますよ〜、場合によってはもっと単語だけになったりもするんですがw
すげぇ、どうみてもスパイダーマンwwwwwwww
そして、語彙に関しては大丈夫!!
俺だってないよ!ないよ!!
ないけど無駄に書き続けてるよ!!
>>279 >樹里の精密検査=記憶操作を含めたメンタルチェックですねわかります
菊「……んん……先生、は、そっち方面は、知らない、はず……だから、普通の精密検査」
296 :
オゥフwwww ◆Z8L1fvSMl2 :2011/01/04(火) 09:58:27.23 ID:zdfiObZT0 BE:801961643-2BP(500)
恨むなら警察を恨め〜wwwww
!vip2:stop:
---
見習い戦士のふつうの攻撃
MP437使ってへっぽこの呪文を唱えた。
★ミ (スレのダメージ 0)
このスレは1回目のダメージを受けた (150/1000)
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:44:02.33 ID:PlxKk+6LP
ほ
ら
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 12:40:15.34 ID:Olu44dHc0
あ
てす
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 12:57:16.49 ID:AbyIt6vl0
突然ですが君に聞きます。
最近のテレビって、全然面白くないよね?
ああ、テレビの姿形でなく。番組ね。
何で、くだらないワンクッションを置いたかって?
地デジ化で、薄型テレビに、買い換える人が増えてるからだよ。
どうせ、未だに私の家はブラウン管の箱で、地デジの電波はケータイでしか入らない。
電波、そう電波。
私のケータイには、オカシナ電波が入ってくる。
そんなこと言うと、よく言われる、そう電波系とか思われそうだけど。
兎に角見てよ、ワンセグの9チャンネル目。
ほら、オカシナ番組でしょ?
え、ずっと砂嵐?
うん、まぁ、そんな日もあるよ。
やるときは、やるんだよ。番組が。
聞いたことない?
「丑三つ時にテレビをつけたら、ゴミ処理場の映像が映し出されて。テロップみたいに人の名前が流れて『明日の死亡者はこの人達です』」ってぶつっと切れる都市伝説。
聞いたことはあっても、見たことはないでしょ?
もうわかるよね?
私、この9チャンネル目で見たよ。その番組。
え、信じられない?
、、、証拠って言われても、知らない人の名前ばっかだったし。特に調べようともしなかったよ。
録画機能付いてるかって、付いてるけど、、、。ってか、そんなことしなくても、コレは、この番組は事実なの。
見て、これ。
午前二時にやる『丑三つショッピング』で買った藁人形。
使用済みだけどね。ほら、穴空いてるでしょ。胸のところ。
え、誰を呪ったのって、それは。
プツリー。
手に持ったケータイから暗いクラシックが流れてくる。
映し出された、ゴミ集積場。
流れるゴシック体の人名のテロップ。
『明日の死亡者は、この人です』
俺の名前があったー。ケータイを落とし、藁人形の中を解す。
自分の名前を書いた紙が直ぐに見つかった。
「てめっ!ふざけ、、、!」
ケータイの持ち主に、殴りかかろうとする。
「あぁ、遅かったね」
その声が、聞こえづらい。まるで耳を塞がれたみたいに。
右足がうまく動かない、左足も。何かに引きずられる。
「私の大好きな番組、怪奇チャンネルが始まっちゃったみたい」
男は、黒い物に覆われていくそれが、内側から出たものか外側からからかはわからない。
ただ、前後左右上も下もわからない黒いの粘土に、ずぶりと埋め込まれ、消えた。
ケータイの中で、喪服のアナウンサーが興奮気味に言う。
「こちら現場の鈴木です!リアルタイム、中継でお送りします!ご覧下さい!次元の穴を越えて、こちらにやってきた人間です!是非、感想を伺いたいですね!!」
ズームになる、暗闇から這い出た人間の顔。
青くなった唇がゆっくりと動いた。
「帰 し て く れ !」
プツリー
『提供』二文字が写る。
「この番組はスポンサーの○○様、×××様、△△様、、、の提供でお送りしました」
女は満足げにケータイを閉じると、ふらりふらりと歩いていった。
終わり
304 :
怪奇チャンネル ◇DMr5.fg7kM (代理):2011/01/04(火) 12:59:35.53 ID:AbyIt6vl0
突然ですが君に聞きます。
最近のテレビって、全然面白くないよね?
ああ、テレビの姿形でなく。番組ね。
何で、くだらないワンクッションを置いたかって?
地デジ化で、薄型テレビに、買い換える人が増えてるからだよ。
どうせ、未だに私の家はブラウン管の箱で、地デジの電波はケータイでしか入らない。
電波、そう電波。
私のケータイには、オカシナ電波が入ってくる。
そんなこと言うと、よく言われる、そう電波系とか思われそうだけど。
兎に角見てよ、ワンセグの9チャンネル目。
ほら、オカシナ番組でしょ?
え、ずっと砂嵐?
うん、まぁ、そんな日もあるよ。
やるときは、やるんだよ。番組が。
聞いたことない?
「丑三つ時にテレビをつけたら、ゴミ処理場の映像が映し出されて。テロップみたいに人の名前が流れて『明日の死亡者はこの人達です』」ってぶつっと切れる都市伝説。
聞いたことはあっても、見たことはないでしょ?
もうわかるよね?
私、この9チャンネル目で見たよ。その番組。
え、信じられない?
、、、証拠って言われても、知らない人の名前ばっかだったし。特に調べようともしなかったよ。
録画機能付いてるかって、付いてるけど、、、。ってか、そんなことしなくても、コレは、この番組は事実なの。
見て、これ。
午前二時にやる『丑三つショッピング』で買った藁人形。
使用済みだけどね。ほら、穴空いてるでしょ。胸のところ。
え、誰を呪ったのって、それは。
怪奇チャンネルの人乙でした!
取り込む型の都市伝説だろうか、おそろしいなぁ
そして規制じゃないようなので久しぶりに何か書くべ…………次スレ位に間に合うように(間に合わないフラグ
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 13:01:37.32 ID:AbyIt6vl0
みぎゃあ、かぶった
申し訳ない
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 13:18:32.29 ID:HJ/1aL6V0
ほ
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 13:31:26.56 ID:HJ/1aL6V0
む
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 13:48:44.65 ID:HJ/1aL6V0
ん
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 14:04:10.38 ID:HJ/1aL6V0
く
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 14:20:07.78 ID:HJ/1aL6V0
る
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 14:38:02.43 ID:HJ/1aL6V0
す
313 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 14:42:23.62 ID:HJ/1aL6V0
【上田明也の探偵倶楽部13〜上田君はしばらくお休みなようです〜】
「ま、待て!話せば解る!離せ、離すんだ茜さん!」
「何を言ってるんです、話も離しもしませんよ?」
「あっ、腕が!腕が逆の方向に……、あ、あ゛あア゛アァァア!」
コキッ
一月一日、新年を迎えた笛吹探偵事務所に高らかに鳴り響く骨の音。
そう、新年早々上田明也の腕が真っ二つになった音である。
「ふぅ……すっきりした。これに懲りたらあんまり節操ない真似はしちゃ駄目ですよぉ?」
普段はPSPより重たい物を持たない筈の茜さんである。
彼との契約でパワーアップしているせいか滅茶苦茶強い。
手加減していたのに必死で逃げる上田を楽にねじ伏せてしまった。
この際だから腕ポキの原因についてはハッキリ言ってしまおう。
彼の浮気が発覚したのである。
流石に身重の妻が居る状態でやらかした以上弁護の余地は無しだそうで彼の父もサンジェルマンも弁護してくれなかった。
しかし上田はあまり反省してない。後悔はしている。
「……ごめんなさい、反省しています。」
上田は関節が死ぬほど痛い筈なのだが、怖いほど冷静な対応である。
恐らく冷静なのはアレだろう。
この状況を危機と認識しているからで……
「それじゃあ次は下も行きますよアキナリさん、良い声聞かせてくださいね?」
314 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 14:44:09.79 ID:HJ/1aL6V0
茜さんはガッと上田の首を掴んだ。その体を頭上高く持ち上げていく。
神に生贄を捧げる儀式の始まりのようだった。
茜さんは上田が浮気相手から貰ったらしいベルトをむしりとり握り潰した。
握られている首に激痛が走った。
が、のどが潰れて声が出せない。
「あっ、いけない。これじゃあ悲鳴を聞けませんね。
まあ良いか、離しも話もしませんから。
言葉なんて無くても通じ合えるし側に居られますよね。」
――おれは誰なんだ? ――
と上田は思った。
これはおれじゃない。こんなおれが、おれであるはずがない。
茜さんがは上田の右足をたたき割った。
もうなんの痛みも感じなかった。
――これはおれじゃない――
上田の体温が急に下がり始めた。契約による身体への負荷だった。
常人ならば既に死んでいるレベルのそれ。
上田の膨大な容量はそんな身体への強烈な負担をおさえていたのだ。
しかし今の死にかけた彼に身体への負荷を抑える精神力はない。
そして身体を押さえつけられ、寒さも震えることもできない。
茜さんは、上田をアッパー気味に殴りつけた。
だらっと、赤い血が上田の口から零れる。
上田は急速に子供時代に戻っていく自分を感じた。
悪戯して調子に乗りすぎて父親に殴られていた頃の自分、反省してないくせに泣いて謝っていた自分。
上田はそんな子供の頃に戻っていた。
315 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 14:46:44.03 ID:HJ/1aL6V0
「ん?」
穀雨彼方は笛吹探偵事務所の副所長である。
しかし彼は所長室には入らないようにと言われて居た。
それでも所長が断末魔を上げたならばとりあえずは様子を見に行くべきであると判断した。
彼は職務に忠実だったと行っても何ら問題無いだろう。
だがそれが常に正しいとは限らない。
「上田さん!大丈夫で……」
ドアを勢いよく開ける彼方。
ドアは勢いよく何かにぶつかる。
ドアにぶつかった何かは勢いよく転がってそのまま目を回して倒れてしまった。
「キャー!あ、明也さん死なないで!貴方にはまだ子供が……!」
「ごふっ……。まさか彼方にトドメを刺されようとは……。」
「わわわわわわ!?何が有ったんですか上田さん!」
彼方が目にしたのは、四肢の関節が全てあらぬ方向に曲がった上田明也だった。
「ああ、彼方……。事務所とレモンはお前に任せた……。
お金は使いすぎるな、あと良かったら茜さんと……多分大丈夫だけど俺の子の面倒を……ガクリ」
「上田さああああああああああああん!?」
上田の視界は真っ黒に染まった。
316 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 14:49:00.19 ID:HJ/1aL6V0
数日後、笛吹探偵事務所事務室。
「さて、所長の寝正月が確定してしまったので僕たちが頑張らなくてはいけません!」
「おーう……。」
「吉静も頑張るよ!」
「全員私よりも年下だと……。大丈夫かな?」
笛吹探偵事務所は基本的に上田明也が居なくてもなんとかなる。
調査はレモンがやればいい。都市伝説退治は彼方がやれば良い。事務作業は向坂がやれる。
さらに大人に見えるように変装することで依頼人から直接依頼を受けることすらできる。
実は彼女は演劇部所属なのだ。
ただし、上田明也はそれらを全て一人で出来る。
故に居なくてもなんとかなるが、居なければ事務所が忙しくなる。
「でもレモンちゃん、私たち全員子供だよ?大丈夫なの?」
「それなら問題無い、依頼はお前が受け付けるし、荒事には丁度良い奴を呼んでおいた。」
「あけましておめでとう!」
「あっ、恋路ちゃん!?」
「なんで俺までここに……くそっ。」
「明日君まで……?」
「私が呼んだ、二人とも自宅が半壊して修繕費やら新しい家具やら必要なのだそうだ。」
「なにやってんの二人とも!?」
「いや、正月二日目に遅い大掃除を始めてたら……。」
「いきなり人形が動き始めて……。」
「まさか正夢になるとは思わなかったよ。カメンライダーダブルカックイイヨネ。」
「そしてこっちのバイトが組織の仕事より割が良かったからさ……。」
近所に住んでいるという向坂ちゃんが苦笑いで二人を見ていた。
317 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 14:50:12.70 ID:HJ/1aL6V0
「とりあえず今日の仕事は新年で調子に乗っている野良都市伝説の駆除だ。
近くの神社では初詣の際に被害が多数報告されたそうだな。
見張り役が居るらしくて組織の人間が来るとすぐに逃げてしまうらしいところから私たちが行くことになった。
明日真、恋路、彼方、三人はそれぞれ私が指定するところで待機していてくれ。」
「解りました。」
「了解したよ。」
「く……、ナズェヤツニキョウリョクセニャナランノジャ」
「アスマ、フィギュアの修繕費どうするの?
貯金してた分も使っちゃってたんでしょ?
ストーブもないまま冬は越せないよ。」
「さてさて、それじゃあ行ってきますね橙さん。」
「おう、行ってこい。」
「あれ?レイモンは行かないのか?お前強いじゃないか。」
「私は非戦闘員だ、あと無事に終わったら全身複雑骨折してる笛吹をからかわせてやるから頑張れ明日真。」
「解った頑張る!」
「…………。」
「単純だろ?私の恋人。」
「まあそういうのは嫌いじゃない。」
「やらないぜ。」
「明日君ロリコン!?」
「ナズェソウナルンデスカ!」
「明日さん、事と次第によっては許しませんよ。」
「くそっ!ナデナンダダリカゴタエデグダザァイ!」
明日真の悲痛な叫びが事務所に谺した。
318 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 14:51:15.82 ID:HJ/1aL6V0
一方その頃
上田明也が眼を覚ますとそこは普段の寝室だった。
部屋に茜さんが入ってくる。
茜さんは小さな鏡餅をテーブルに置いた。
あまり飾り付けのない、ほとんど裸の鏡餅だった。
「あけましておめでとうございます。明也さん。」
茜さんは暗がりのベッドに向かって声をかけた。
ベッドの上でもぞもぞと人間の形を保ってるだけの上田明也が動いていた。
「どうしたの、明也さん?なにも心配することはないんですよ?」
茜さんはもがき続ける上田明也の体を抱いた。
「私が守ってあげるから。ずっと……ずっと……」
ひとつだけ飾られた小さな橙が、鏡餅の頂上で光っていた。
「テレビの前の皆さん最後に一つだけ、これからはもげろ、じゃなくて折れろ、で充分だと……。」
「誰と話してるんですか明也さん?もしかして悪夢でも?
うなされてましたからね……。
でもそんな弱い事じゃ駄目ですよ、お父さんになるんですから、ねぇ?」
「……(この状況が悪夢とか言っちゃいけないんだよなあ)。」
お腹の子供に向けて語りかける茜さんを見て、流石の上田も自分の行為を反省し始めていた。
【上田明也の探偵倶楽部13〜上田君はしばらくお休みなようです〜fin】
319 :
そして時の歯車は音を立てて動き始め ◆7JHcQOyXBMim :2011/01/04(火) 14:52:40.69 ID:HJ/1aL6V0
それは、正月三が日も過ぎた頃の事
「…あれ?ニーナちゃん?」
「あ、裂邪さん」
たまたま、顔を合わせた二人
昨年、夏以来の事だ
「お久しぶりデス」
ぺこり、丁寧に頭を下げるニーナ
以前、裂邪と出会った時は見るからにシスターとわかるカソック姿だったが、この日は白いワンピースの上にコートを纏った姿
星が用意してくれた服を、素直に着ているのである
お陰で、以前のようにその姿で目立つ事はない
…なのに、何故、裂邪は一発でわかったか?
それは、彼が黄昏 裂邪だから、としか言いようがない
彼が、一度であったロリを忘れるはずがない
この学校街に住まうロリコン達にはよくある特徴である
特に珍しくない事実なのが悲しいが、裂邪は気にしてないので問題あるまい
「久しぶり、元気だったか?」
「はい!問題ありません」
裂邪の言葉に、ニーナは朗らかに答える
悪魔退治は、彼女なりに進めている
……問題は、肝心の淫魔が見つかっていないという事実だが
それでも、悪魔退治だけは何とか進めている事実が、辛うじて彼女の精神をネガティブ方向に向けずにすんでいた
「そうか、なら良かった」
320 :
そして時の歯車は音を立てて動き始め ◆7JHcQOyXBMim :2011/01/04(火) 15:00:24.04 ID:HJ/1aL6V0
ロリが元気なのは良いことだ
裂邪は、心からそう思う
「……あ、そうだ」
だから、こそ
ニーナを気遣っていたから、こそ
裂邪は、それを口にする
「こないだ、カインの兄ちゃんに会ったぞ」
「え」
カイン
その名前に
ニーナは、ぴくりと反応する
「カイン……カイン・ディーフェンベーカー司祭様に、デスか?」
「あぁ、そう名乗ってた」
カインが
かつて、自分に戦い方を教えてくれた存在であり
なおかつ、直接の部下ではないものの……ニーナよりも、「教会」内での位は、上
上司に当たるような存在だ
それが
学校街に…来ている?
「ニーナちゃんを、探してる、って言ってた。ずいぶん心配してたぞ」
探している
321 :
そして時の歯車は音を立てて動き始め ◆7JHcQOyXBMim :2011/01/04(火) 15:02:24.61 ID:HJ/1aL6V0
自分を?
何故、わざわざ
「ニーナちゃん?」
「ぁ……」
黙りこんでしまったニーナを、心配したのだろう
心配そうな裂邪の声に、ニーナは正気に戻る
「い、いえ、何でもありません。わざわざ伝えてくださり、ありがとうございました」
ぺこり、裂邪にお辞儀するニーナ
暗い考えを、必死に覆い隠す
「あー、でも、御免な。カインの兄ちゃんの連絡先とかは、聞いてなかったんだよな…」
「いえ、大丈夫デス」
申し訳なさそうな裂邪に、ニーナはにっこり笑ってみせる
「神のお導きがあれば、私は必ず、カイン司祭の元に導かれるはずデス」
「そうか、なら、いいんだけど」
「私にお導きがなくとも、カイン司祭に神のお導きがあれば、私が見つかるはずデスから」
実は、カインが日本の学校街に来てから、既に二ヶ月近く経っていたりもするのだが
……思いっきり神様に見逃されているか見捨てられているかどちらかとしか思えないが、気のせいである
「本当、ありがとうございました」
カインの事を伝えてくれた裂邪に、ニーナは改めて礼を述べて
ぺこり、深々と頭を下げたのだった
322 :
そして時の歯車は音を立てて動き始め ◆7JHcQOyXBMim :2011/01/04(火) 15:05:05.41 ID:HJ/1aL6V0
裂邪と、分かれた後
ニーナは、とぼとぼと歩いていた
…カインが、この街に来ている
きっと、エイブラハムによって遣わされたのだろう
ニーナの、サポートをさせるために
自分が
いつまでも、淫魔を見つけられずにいたから
自分が
何時までも何時までも、使命を達せられずにいたから
カイン司祭に、迷惑をかけてしまった
ニーナ・サプスフォードと言う少女は、真面目な少女だ
真面目であるが、ゆえに
必要以上に、物事を深刻に、深く考え込んでしまう
さらに
彼女には、何か悪い事が起きた場合などに「自分のせいだ」「自分が悪い」と思い込んでしまう節がある
ゆえに、彼女は自分を追い詰める
「……早く、淫魔を見つけないと……!」
323 :
そして時の歯車は音を立てて動き始め ◆7JHcQOyXBMim :2011/01/04(火) 15:07:56.83 ID:HJ/1aL6V0
そして
この手で、滅さなければ
ニーナは、改めて決意する
ぎゅう、と握り締めた木の十字架……彼女の契約都市伝説 ウッドドック伝説
それが……かすかに、震えた事に
ニーナは、気付かぬままだった
to be … ?
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 15:11:21.00 ID:HJ/1aL6V0
シャドーマンの人に焼き土下座orz
ニーナのネガティブスイッチを、裂邪にオンにしてもらいました
真面目ゆえに必要以上に深刻に考えたが故に、ニーナは自分を追い込み始めます
ま、エイブラハムはその辺わかっててカインを日本に向かわせたんですが
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 15:11:36.62 ID:nFPndxLq0
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 15:12:31.00 ID:HJ/1aL6V0
で、ちょいと出かけてくる
夜にもスレが残っていれば幸せだ
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 15:13:12.29 ID:KPcmEUma0
黒歴史決定
首切魔を巡る話。の者です
自分の誤字脱字にきづきましたので
直してから投下しようと思います
何時あたりがよいでしょうか?
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 16:07:26.22 ID:nvkPGOTt0
ほ
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 16:56:40.96 ID:Olu44dHc0
皆さん乙でしたー
上田は別に妊婦の腹殴った訳でも誰かをレイプした訳でもないのに……
まあ折られただけだからそんなもんか
ニーナちゃん真面目だよかわいいよちゅっちゅ
>>328 マイペースで良いん者ね?
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 17:31:24.64 ID:Olu44dHc0
ほ
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 18:22:10.79 ID:ZuZfKOyCQ
か
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 18:36:31.27 ID:nvkPGOTt0
ほ
334 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 18:38:29.66 ID:nvkPGOTt0
たいして長くもなくしかし短くもなく
偶然にしては必然的
艶やかでもあり醜くもある
鮮明であって淀濁であり
現実でもあり夢幽でもある
断片であって全体でもあった
そんな話を話そう
___
______
_________
『23時頃○○町でまた首切り殺人があったようです
町内の人は夜一人で出歩くのをやめ・・・』
ピッ
???「物騒な世の中だなぁ」
テレビのリモコンを操りながら男が小さくつぶやく
どうやら見たい番組はなかったらしくそのままリモコンを置く
男は食事中みたく男が座るこたつの上には目玉焼きや焼き立てのパンが
乗っている皿が置いてあり
そして男のむかい側には長い黒髪が特徴の女の子が座っている
335 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 18:41:09.38 ID:nvkPGOTt0
美少女「あーーお兄ちゃん!!」
兄と呼ばれる男「なんだよ響(ひびき)」
男にむかってぷんぷん怒る女の子はどうやら妹で響という名前らしい
響「まだ見てる途中だったんだよーー」
男「ああ悪い悪い、ほいっと」
男は再びリモコンをテレビに向け電源スイッチおす
『本当に怖いですねーー。それでは次のニュースです』
だがどうやら響の見たがってるニュースは終わってしまっているようだ
336 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 18:42:25.00 ID:nvkPGOTt0
響「うーーーー。」
響が箸を咥えて兄をにらむ
兄「わ、悪い悪い・・けどそんなに大事なニュースだったのか?」
響「大事だよーー。すっごく大事だよーー。最近響が追っている怪奇の
正体かもしれないんだから。」
_________________________________________________________
まただ・・また始まったよ
そう俺の妹は怪奇が大好きないわゆる都市伝説オタクなのだ
いままでもネットでググっては都市伝説を調べ
ニュースやテレビで怪奇現象がおきた速報があったら
家から数日間姿を消し、その場所にいくことが多々あった
いま一人暮らしである俺の家にこいつがいるのも
この町でたくさん怪奇現象がおきることを
ネットでしったからだった
俺「お前さーー、いい年の娘が怪奇怪奇って・・」
響「あーーー!!お兄ちゃんまでそうゆうこと言うんだー」
響は腕を組み、唇を尖らせ、怒ってるぞーとアピールする
337 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 18:45:14.33 ID:nvkPGOTt0
俺「いや、だめとは言わないけどな・・」
俺は響にいつも口で勝つことができない。俺がいうのもなんだが
こいつはおれの扱いがうまいのだ
しかしこっちもこまってるから今回は負けないようにしないと
俺「だいいちこの首切り魔が本当に怪奇の仕業なのか
わかるのか?」
響「わかるよーん。」
響が豊かな乳を自慢するように胸をはる
響「だって響の股間がそういってるもーん」
俺「いや、それをいうならカンだろ・・
お前本当に年頃の娘が何いってんだよ・・」
股間から声が聞こえるのだろうか
俺「まあ、お前のそういうカンが鋭いのは知ってるけどさ・・」
そう・・実は響は霊感があるのだと言う
死んだじいちゃんが視えたりそうゆう霊には慣れっこなのだ
338 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 18:46:52.58 ID:nvkPGOTt0
俺「だからって響がその首切り魔の霊に会ったところでどうすんだ?
返りうちになるのが落ちだろう?」
しかし響も霊感はあってもただの人間である
害をおよぼす霊には勝てっこないだろう
響「へーー。お兄ちゃん、響の事心配してくれてるの?」
ふと・・響の目が少し細まったきがした・・・
まずい・・・
響「うんうん。いいお兄ちゃんを持って響は幸せだよ!!」
なんだこの嫌な予感は・・ザワザワザワザワ
響「そうだよね・・響みたいな女の子が一人でいっても返り討ちにされちゃうだけだもんねーー」
響「でもお兄ちゃんとかは・・
筋肉もあるし・・たくましいし・・・・・・ねえ」
俺「う・・・だ、だけどおれはがっk・」
響「今日は土曜日だし・・学校もないよね・・」
俺「oui・・」
339 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 18:49:23.93 ID:nvkPGOTt0
俺「だからって響がその首切り魔の霊に会ったところでどうすんだ?
返りうちになるのが落ちだろう?」
しかし響も霊感はあってもただの人間である
害をおよぼす霊には勝てっこないだろう
響「へーー。お兄ちゃん、響の事心配してくれてるの?」
ふと・・響の目が少し細まったきがした・・・
まずい・・・
響「うんうん。いいお兄ちゃんを持って響は幸せだよ!!」
なんだこの嫌な予感は・・ザワザワザワザワ
響「そうだよね・・響みたいな女の子が一人でいっても返り討ちにされちゃうだけだもんねーー」
響「でもお兄ちゃんとかは・・
筋肉もあるし・・たくましいし・・・・・・ねえ」
俺「う・・・だ、だけどおれはがっk・」
響「今日は土曜日だし・・学校もないよね・・」
俺「oui・・」
340 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 18:51:04.73 ID:nvkPGOTt0
そうして今俺は首切り殺人があった場所へむかって歩いてる途中だ……
ったくあの妹は……。
おれは妹のにや顔を思い出して溜息をはく
『とゆーわけでお兄ちゃんには現場の写真を撮ってきてもらいまーす
気を付けていってらっしゃーい』
と笑顔で送りだされたわけである
まあうちからたいして遠いわけでもないし…
あと昼ご飯の材料も買ってかえらなくちゃなー
殺人現場に近づくにつれだんだん人も増えてきた、野次馬だろうか
と、遠目から見るだけでもたくさん人が集まってる場所が見えてきた
俺「と、すいませーーんっと」
人の群れに近づきその人ごみのなかをかき分けて現場へとむかっていく
俺「おお、これは……」
人ごみをかき分けてでてきたところに黄色いテープで囲まれたスペースがあった
まるでドラマのようにその中では数人の刑事が白いテープを地面においたり
番号の書いてある板を置いたりしていた
そして地面には一人の人間が出したとは思えない量の血がまだ残っていた
341 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 19:04:25.41 ID:nvkPGOTt0
俺「うわぁ……
っと、カメラカメラ」
目の前の光景に息をのみながらも妹から借りたカメラをポケットから出す
少し殺人現場をカメラで写すのに気が引けたが
回りの野次馬達も同じようにカメラを構えているので決心しレンズを
のぞきこむ
俺「はいチーズっと」
まあ被写体なんていないのだけれど
パチリッ
・・・・アブナイヨ・・・・
「ん?」
なんかシャッターを切った瞬間、女の顔のようなものがみえた
気がしたのだが……
342 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 19:07:16.30 ID:nvkPGOTt0
「ハハハ……」
ないない、妹の話でもきいて影響されたのだろうか……
「さあってと、スーパーでも行って買い物すっかー」
自分の心に入ってくる恐怖を打ち消すようにわざと声に出してみる
そうえば妹がなにたべたいのか聞くの忘れたなー
電話してみるか…
人ゴミをかき分け外に出て
ポケットから携帯を出して家に電話する
トゥルルトゥルルトゥルルトゥルル
・・・アブナイヨ・・・
響『はーーーい
好きなパンツはみずしま模様、杉谷仁でーーす!』
俺「なにやってんだ…お前……」
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:19:21.68 ID:Ney6mEPs0
ごっそさまっしたー
支援開始いたしますねっと
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:37:05.81 ID:Ney6mEPs0
うにー
345 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 19:38:12.24 ID:nvkPGOTt0
くだらない受け答えをしながら
スーパーに行く近道を歩いていく
響『あれぇ?その声はおにいちゃんじゃん
写真とれたー?』
俺「写真はあとだ
お前俺の名前を使ってなにしてやがる」
響『だいじょーぶだよ
兄ちゃんだって知ってたからこうゆう答えかたしたんだよー』
なぁんだ。なら安心だ……べつに誰かまわずに俺がみずしまパンツがすきだと
吹聴しようとしたわけじゃないんだな…
・・・まてよ
俺「この携帯非通知のはずなんだが……」
響『…………』
俺「…………おい」
響『で、写真とれたの?』
こ、こいつ
シラをきる気だ・・
まあいい、あとで問い詰めてやる・・
346 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 19:41:29.48 ID:nvkPGOTt0
漏れ「ああ
一枚だけでよかったよなーー」
響『うん!それだけで十分わかるから
写真撮った時なにかあった?』
あのことを話していいのかな
まあ冗談みたいな感じでいいだろ
漏れ「ああ……」
・・・アブナイヨ・・・
細く人気のない道を歩きながらおれは
今さっきのことを話す
漏れ「女の顔が見えた」
響『顔!!?』
酷く驚いたとゆう感じで響が応える
漏れ「あ、ああ
フラッシュで光った時に……
まあ、たぶん幻影だろうけどねwww」
347 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 19:44:00.85 ID:nvkPGOTt0
響が心配しているのだろうか
明るい感じで俺は答えた
響『………』
しかし響からの返答はない
漏れ「おーい
どうした響?、あ、あとお前昼飯なにがいいんだ?
帰りにすーp」
と、その時
響『女・・てっきり男かと思いました
そ、それよりもお兄ちゃんが・・
わかってます・急いで…』
通話口からぼそぼそと一人ごとが聞こえてきた
漏れ「ひ、響……?」
正直いって怖い……
ここまで電波だとはしらなかった…
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:45:50.59 ID:Ney6mEPs0
しえーん
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:47:18.23 ID:Dy4uSXWy0
今まとめサイトで過去ログ読んでいるんだが
はないちもんめに名前付いたのいつくらい?
350 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 19:47:41.66 ID:nvkPGOTt0
響『お、お兄ちゃん
あなた今どこにいる!?』
漏れ「どこって……
スーパーに向かう道だけど?」
なにか問題でもあるのだろうか?
響『わかった
お兄ちゃん!!
わたしが行くまでそこから動かないでね!!』
俺は一旦歩みを止める
もれ「は?
なに言ってんだお前?
だいたi」
ピッ
きれた……
・・・アブナイヨ・・・
俺「なんだよ一体……」
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:49:15.18 ID:Ney6mEPs0
352 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 19:50:06.00 ID:nvkPGOTt0
携帯を耳からはなし通話口を見る
もちろんそこから答えの声が聞こえるはずもなく舌打ちしながらポケットに
携帯をいれる
俺「ついてきたかったのかもな……」
ま、あの妹に限ってはそんな可愛らしいことはないだろう
しかしいろいろ考えたところで答えがでるはずもなく……
俺「はーーー」
結局コンクリートむきだしの壁に体をよりかけ響をまつことにした
改めて回りを見回してみるとここは昼間だとゆうのに薄暗くさびしいところだった
周りはビルの壁で覆われていて日光が入ってこないのだ
ふと
急に
体のまわりを
・・・アブナイヨ・・・
風がなでていくのを
感じた
353 :
首切魔を巡る物語。:2011/01/04(火) 19:52:20.46 ID:nvkPGOTt0
俺「!?」
異様な気配にからだが震えだす。
ビルの壁から背をはなし周囲を確認した。何もない
俺「なんだ……」
今さっきまで聞こえてた町のざわめきが嘘のように消える
周囲に生き物の気配が全くない
そう…この状態はまさしく……
俺「異様だ……」
本能が告げる…これはまずいと……
と…まさに瞬間だった
俺「!?」
背中に突き刺さる殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気
殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気殺気
前に大きく飛び込み前転をするように飛ぶ
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:52:58.84 ID:Dy4uSXWy0
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:53:05.18 ID:Ney6mEPs0
しえしえ!!
スレストきますー
!vip2:heal:
---
MP350使って回復の呪文を唱えた!
★ミ 77回復した。
このスレは1回目に回復の呪文を受けた (-77/2000)
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:54:43.55 ID:jTiIqB3E0
戦争だな。。。
続きはレジスタンスでしますかwwww独り言ですwwwwwwwwww
!vip2:heal:
---
MP350使って回復の呪文を唱えた!
★ミ 254回復した。
このスレは2回目に回復の呪文を受けた (-331/2000)
!vip2:stop:
売名昆布大忙しww
---
まほうつかいたんのつよめの攻撃
MP298使ってへっぽこの呪文を唱えた。
★ミ (スレのダメージ -331)
このスレは3回目のダメージを受けた (-181/1000)
ぼうそうがはじまった!! さらにこのスレは4回目のダメージを受けた (-31/1000)
追加攻撃!! さらにこのスレは5回目のダメージを受けた (-21/1000)
もういっちょ
!vip2:heal:
---
MP350使って回復の呪文を唱えた!
★ミ 92回復した。
このスレは6回目に回復の呪文を受けた (-113/2000)
361 :
オゥフwwww ◆Z8L1fvSMl2 :2011/01/04(火) 19:55:42.53 ID:zdfiObZT0 BE:801961362-2BP(4663)
うはww
設定がきもい
!vip2:stop:
---
見習い戦士のふつうの攻撃
MP184使ってへっぽこの呪文を唱えた。
★ミ (スレのダメージ -113)
このスレは7回目のダメージを受けた (37/1000)
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
!vip2:stop:
---
まほうつかいたんのつよめの攻撃
MP375使ってへっぽこの呪文を唱えた。
★ミ (スレのダメージ 37)
このスレは8回目のダメージを受けた (187/1000)
ぼうそうがはじまった!! さらにこのスレは9回目のダメージを受けた (337/1000)
追加攻撃!! さらにこのスレは10回目のダメージを受けた (347/1000)
!vip2:stop:すれすとくるよー
---
真の勇者のさすがの攻撃
MP214使ってへっぽこの呪文を唱えた。
★ミ (スレのダメージ 347)
このスレは11回目のダメージを受けた (497/1000)
こうかは ばつぐんだ!! さらにこのスレは12回目のダメージを受けた (647/1000)
ぼうそうがはじまった!! さらにこのスレは13回目のダメージを受けた (797/1000)
追加攻撃!! さらにこのスレは14回目のダメージを受けた (817/1000)
一人でも突破抜きでもなんとかなるか
!vip2:heal:
---
MP350使って回復の呪文を唱えた!
★ミ 199回復した。
このスレは15回目に回復の呪文を受けた (618/2000)
おっとこれは失礼
ここはスレスト対象じゃないのかな?^^;
ヒール勝利かなー?
!vip2:heal:
---
MP350使って回復の呪文を唱えた!
★ミ 213回復した。
このスレは16回目に回復の呪文を受けた (405/2000)
売名ならコテ出すわあほう
!vip2:heal:
---
MP350使って回復の呪文を唱えた!
★ミ 61回復した。
このスレは17回目に回復の呪文を受けた (344/2000)
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 19:59:23.30 ID:jTiIqB3E0
1回防衛すれば通り過ぎるのか。。。
回復量の方が少なくて大変そう
今何が起こっているのやら良くわからんなぁ
もし来たら葉っぱまでどうぞー
スレ汚し失礼しましたー
!vip2:heal:
---
MP350使って回復の呪文を唱えた!
★ミ 123回復した。
このスレは1回目に回復の呪文を受けた (-123/2000)
ご苦労さま
371 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:02:31.65 ID:nvkPGOTt0
俺「クッ!」
受け身をとり横目で後ろを確認する
と、目に映った光景を見て俺は驚愕した
俺「おいおい……」
後ろの光景がゆがんで見える
ある一定の場所だけ歪んでみえるのだ。よく目をこらすと
なにかラインを描いていてそして、一定に呼吸をしているようにも見えた
???「うふフふ……見えルんですか?」
喋った……
???「見えル人なんて珍しいですネ」
【歪み】がなにかごそごそ動きながらしゃべる
俺「何だ……」
足が震えるのを止められない
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:03:15.35 ID:Ney6mEPs0
支援するのですよ
373 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:04:50.14 ID:nvkPGOTt0
???「そうそう……もっト怯えテ…怯えてル……ヒ、人をコ、コ、コ」
【歪み】が急にぶるぶる、ぶるぶると震えはじめる
???「コ、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!」
俺「あ………あ……」
恐怖恐怖恐怖…
なんだこいつは?何かが狂っている……
???「ククク・・・じゃあ・・じゃあ・・殺してあげます・・・」
本能が逃げろと叫ぶ、こいつはやばいやばいやばい!
俺「う……う……うわぁぁぁぁぁぁ!!」
今来た道走って逃げ帰る
374 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:08:47.04 ID:nvkPGOTt0
ガッガ!!
後ろから重い衝撃音が聞こえる
???「ひゃ……ひゃひゃひゃ」
ドゴォォオオオオ!!
俺「うわっ!!」
壁を破壊したのだろうか?
岩の欠片が飛んでくる
俺「チッ!!」
なにか武器は…武器はないのか……
そう思いながらポケットを探る
と、手が何かに当たった…………
375 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:13:01.13 ID:nvkPGOTt0
____________________
____________________________
____________________________________
私は女だった。普通の女だった。幸せな女だった。
器量が良く、家事もできて、そしてちゃんと好きな人もいた
周りの人からはこんないい子は他にはいない
親御さんの育て方が良かったのだろうね
といつも褒められた
だけど完璧な私にも欠点があった。誰にも言えない大きな大きな秘密が・・・
私は蜘蛛が嫌いだった
死ぬほど嫌いだった
いや、好きだったのかもしれない
愛していたのかもしれない
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:13:27.18 ID:SdwJRZXM0
しえしえしえ
377 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:15:05.48 ID:nvkPGOTt0
ともかく私は蜘蛛に特別な感情を抱いていた
それゆえに私は蜘蛛を殺し続けた…
巣を張っている蜘蛛は枝を使い地面に落として
踏みつぶした。ぐちゃりと
地面を這っている蜘蛛も足で踏みつぶした
ぐちゃりと。
ぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりと。
殺した数は千、万と増えていった
そしてある朝、私は蜘蛛になっていた。
ただの蜘蛛ではない、大きな大きな2mはあるぐらいの大きな蜘蛛だ
「あああああああああああ…」
私には何が起こったのかわからなかったのだ
昨日まで美人な女だったのに朝おきたら蜘蛛になっていたのだ
だれにも、女がどうやってそしてどのように蜘蛛になったのかは
わからないだろう
そのとき母親が娘を起こしにやってきた
女は怯えていただが心の奥底で安心もしていた
今まで私を大切に育てて
くれた親だ。きっとどうにかしてくれる…と
だが母親は変わり果てた娘を見て叫び、逃げた
娘は唖然としたなんで…なんでと…
だが次に娘の心を支配したのは殺意だった
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:16:51.74 ID:SdwJRZXM0
蜘蛛になる、となるとアラクネを思い出すぜ支援
379 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:17:35.61 ID:nvkPGOTt0
私は女だった。普通の女だった。幸せな女だった。
その女は今は蜘蛛だ。親の遺体を貪り食いながら
私は思う。いつの間にか私は人の肉を食うのにはまってきていた
この人の肉は不味い。もっとうまい肉が食べたい
もう私はだれにも受け入れてもらえない
誰も私の事をきれいだなんていってはくれない
わたしは………
それから私はいろんな人の首を噛み切って
おいしい肉を探している………
不味い肉は食べたくないから首をほんの少しだけ
だけどおいしい肉には出会えたことがない。おいしい肉が食べたい
私は探しているおいしい肉の持ち主を
ああ、あの子ならおいしいかもしれない
今、カメラのレンズを通して視えたあの少年
・・・・・・・・・・・・
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:18:40.30 ID:SdwJRZXM0
しぇん
381 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:21:03.56 ID:nvkPGOTt0
_________________
________________________
________________________________
少年「うわぁぁぁぁぁ!」
私「ひゃ……ひゃひゃひゃ」
逃げる少年をおいかける
にくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにく
もう少しで肉が食えると思ったら
喜びで体が震える
ドゴォォォォ!!
体が壁にあたり壊れるが気にしない
少年「うわっ!」
少年は必死に逃げながらポケットの中に手をいれ
中を探っている。どうやら武器を探しているようだ
と、
急に少年が動きを止めた
それにつられて私も動きを止める
諦めたのだろうか?
少年「な、なあ。ちょっといいかな」
少年が震える声で言った
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:22:06.18 ID:SdwJRZXM0
しえーーん
383 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:30:03.69 ID:nvkPGOTt0
_____________
___________________
__________________________
俺「な、なあ。ちょっといいかな」
・・・・ヘェ・・・・
俺の後ろで止まっている歪みに話しかける
???「ほんとウにめずらしイ人でスね」
【歪み】はそう答える
???「いいヨ。たベル前にきいてあゲます」
答えを聞き後ろをふりむいて
【歪み】を見据えて言う
俺「俺を殺したら。もし俺を殺したら
もうこのあたりで人殺ししないと誓ってくれるか?」
ポケットの中の携帯を握りしめ答えをまつ
すると目の前の【歪み】は突然揺れ始めた
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:30:56.54 ID:SdwJRZXM0
っちょ、なんていい子だ支援
385 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:31:35.58 ID:nvkPGOTt0
???「ククク……。あなたは本当ニおもしろイ方ですネ」
どうやら笑っているようだ
???「なぜ私ガこんな事約束しなケればならないノでしょうカ?」
俺「それはわかっている!
俺がわがままを言える時じゃないということも!」
母さん、父さん。先に旅立つ不孝をお許しください…
そしてもう一度、携帯をしっかり握りしめて思う
響……せめてりっぱな女の子になってくれよ……
俺「だけど頼む!
これは命ごいの代りだ!!」
頭を下げる
???「わかりマした。あなたみたイに面白い人はひサしぶりですカら……」
・・・・・エエ…ホントウニオモシロイ・・・・・
ああ、これでいいんだ
これで響は救われる。それだけで俺はいいんだ
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:34:03.67 ID:SdwJRZXM0
妹思いのいいお兄ちゃんだ支援
387 :
首切魔を巡る物語。の人:2011/01/04(火) 20:34:27.13 ID:nvkPGOTt0
???「それじゃア、いただキますね」
だから……俺には恐怖がなかった
目の前の物に恐怖とゆうものを感じなかった
だからこそ…………俺には視えた
毛むくじゃらの八本の足もギョリョリとでかい目も大きくふくらんだ腹も
そして綺麗な……とても綺麗な女の顔が
蜘蛛のようなものの頭部についているのも……
………そして二人を包んでる風のようなものも………
瞬間…その女の顔が目の前に近づいてくる
そしてそれも瞬間だった
俺の体を温かい風がなぜたかと思うと
こっちに飛びついてくる蜘蛛女がはじき飛んだ
蜘蛛女「が、ガはぁ!!」
女蜘蛛の巨体が吹き飛びビルの壁にたたきつけられる
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:34:47.69 ID:SdwJRZXM0
助けがきたか支援!!!!
しえーん
えーん
ん、さるったか
ん、サルってたのかな……
IFネタなのか正史なのか……自分でも判断のつかない話を書いたから
あとで投下してみようと思う
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 20:52:06.76 ID:SdwJRZXM0
サルさんなら、避難所の代理投下スレをどぞだぜー
394 :
首切魔を巡る物語。の人☆風呂はいってた、すみません:2011/01/04(火) 20:59:47.87 ID:nvkPGOTt0
と同時に声がした
???「ほんっとぉおおおにおもしれぇーなお前!!」
そして声と共に
一人の少女が空中から姿をあらわした
これが
僕と彼女の
初めての出会いだった
???「なぁなぁ、お前の名前なに?」
空中に現れた少女は急に俺に話しかけてきた
少女は赤が特徴の着物をきていて腰に太刀を差していた
髪形は長く茶色に少し赤色も混ざっていて
整った顔立ち、綺麗な目、そして透き通るような白い肌をいていた
何よりも特徴的なのは着物の裾から少しはみでた茶色のしっぽだった
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 21:00:46.13 ID:SdwJRZXM0
書きながら投下ですね、よくわかります
風呂入るときとかは「一旦切るねー」とかって言った方が親切だぜ支援
支援
397 :
首切魔を巡る物語。の人☆次からそうします。ご心配おかけしました:2011/01/04(火) 21:06:15.77 ID:nvkPGOTt0
この子が蜘蛛女をはじき飛ばしたのだろうか
俺「お、お前……」
唖然として喋れない俺
???「ああ!私?、私の名前は凛(りん)。鎌鼬(かまいたち)の凛だ!!」
鎌鼬
…………日本の甲信越地方に多く伝えられる妖怪、もしくはそれが起こすとされた怪異である。
つむじ風に乗って現れ、鎌のような両手の爪で人に切りつける。鋭い傷を受けるが、痛みはない。
別物であるが中国の窮奇(きゅうき)と同一視され、かまいたちを窮奇と書くこともある。
確かこんな話だったはずだ。べ、別にウィキペディアから転載したわけじゃないんだからね!!
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 21:07:10.10 ID:SdwJRZXM0
お気になさらずだぜ支援
おぉ、鎌鼬か!!!
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 21:10:00.72 ID:Olu44dHc0
wiki大事
というか下調べ大事だから良いのよ
400 :
首切魔を巡る物語。の人☆もう少し溜めてから書くから遅くなると思います:2011/01/04(火) 21:10:37.81 ID:nvkPGOTt0
目の前の女の子が凛とゆう名前で鎌鼬なのはわかった
俺「で……何のよう……」
俺を食おうとした蜘蛛女は地面に転がって呻いている
どうやら立てないようだ
凛「いやいやいや。お前おもしろいな!!」
凛がしっぽを振り振りしながら答える
俺「あ、ああ。ありがと……」
おもしろい……
言っておくが人生で俺は一回もおもしろいなどと言われたことはない
凛「だからさ……私と【契約】しようよ」
俺「【契約】?」
なんだ?契約って?
凛「お前さ…人を守るために死のうとしているだろ?」
こっちに反応をうかがうように凛は話す
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 21:12:02.48 ID:SdwJRZXM0
ネタ構想しつつしえしえん
支援
つC
こういう形で投下されて、支援するっていう流れ、久しぶりだなぁ……
404 :
首切魔を巡る物語。の人☆もう少し溜めてから書くから遅くなると思います:2011/01/04(火) 21:29:57.22 ID:nvkPGOTt0
凛「だけど君が死ななくてその人を守る方法があるんだよ」
俺「!?………いや、死なないならそれでいいんだけどさ
俺、もう約束しちまったしなー」
俺も男だし、一回約束したからにはそれを破りたくない
俺「特に未練もないしね………
妹のため死ぬと決めたら死にたいな」
俺は笑顔でそう言いきった
すると凛は降参だと言うように両手をあげた
凛「本当に変わってるなー、君は………」
そんなに人の事を変人みたいに言わないで欲しい
俺は決して死にたいわけではないのだ
凛「じゃあ、お前は生きる理由があったら私と契約してくれる?」
だから契約ってなんだ?…
支援
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 21:33:46.33 ID:SdwJRZXM0
支援だ!
407 :
首切魔を巡る物語。の人☆女蜘蛛、無能タイムはいります:2011/01/04(火) 21:37:20.47 ID:nvkPGOTt0
俺「まあ、生きる理由があったら生きようとは思うな」
凛「な!!
だからさ!私がお前の生きる理由を作ってやんよ!!
だから私と契約してくれよ!」
本当に自分勝手な少女だ………
俺「生きる理由ってなんだよ……」
凛「私を助ける事!!」
はぁ!?
何言ってんだこいつは?
なんでお前を助けるために俺が生きなくちゃならないんだ?
俺「だからね……
俺はさ、自分で決めたから死にたいと……」
凛「分かってる!
じゃあ言い方を変えるね
その命を
私に
ください」
しえん
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 21:40:58.21 ID:SdwJRZXM0
しーえん
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 21:46:10.91 ID:Olu44dHc0
しーーえん
しーーーえん
412 :
首切魔を巡る物語。の人☆一回間を開けます:2011/01/04(火) 21:51:21.10 ID:nvkPGOTt0
へえ、こいつ、ただの妖怪かと思ったら…
急に凛の表情がくだけた笑い顔から真面目な顔になる
凛「お前はもうその命をすてるんだろう?
だったらその命を私がもらうよ
すてるにはもったいない命だ。だから捨てるぐらいなら、いらないのなら
その命、私にくれ」
……ふぅん
割と理にかなっている
いいじゃん、いいじゃん!!
俺「わかった……いいよ
俺の命、お前に預けるよ」
俺は決心した
もしこいつが俺の生きざま、死にざまに接触するのならば
この行先が天国、地獄でもお前にはついてきてもらうからな…と
凛「やったぁ!!
じゃあ契約しよーぜ!」
また契約だよ……
乙〜
ふぅ・・・ジャンプとマガジン同時発売とかまじ鬼畜
ち、ちゃんと投下されたネタは読んでるんだからねっ!?
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 21:59:12.69 ID:SdwJRZXM0
乙なのですよ〜
これからの展開が楽しみだぜ!!と、クロスのチャンスをうかがいつつ
>>414 まったくだよ、サンデーもだしね
ずっと願っていた事がある。
しかし、もう自分にはそれが叶わない。
そうも思っていた。
自分は都市伝説であったから。
思い返せば、遠い過去。
熱い時代が過ぎ去り、涼しい季節が流れ、凍える歳月を越えて来た。
何より、暖かい思い出があった。
今、目の前で一人の人間が命を失おうとしている。
優しい人だった。
その優しさは、自分の出逢った人間の中でも五指に入るであろう。
それは自分の契約者だった。
彼と過ごした時を思い返すと、優しい気持ちになれる気がする。
だが、そんな思い出が増える事は、もうない。
死に行く彼は、掠れた声で告げる。
「君の願いを……叶えよう……」
願いや夢を叶える都市伝説や伝承は数多あった。
それは、その内のひとつ。
「……君の契約者で……君で……よかった……ありがと」
最期の言葉を聞いた瞬間に、全ての記憶が消し飛んだ。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
「思い出したか?……なぁ……先輩」
鹿島が姿を現す。
「……思い出したよ……全てをな」
カシマが思い出した様に、鹿島もまた全てを思い出していた。
忘れていた記憶、消し飛んだはずの記憶が
今は、はっきりと想い起こせる。
かつて、"輪" と呼ばれていた少年は此処には無い。
彼にとって最後の契約者であった者によって
記憶を封印され、過去へと、それも幸せな家庭へと転生し
得た姓は、"鹿島"
願い通り、ただの人間として幸せに生きることが出来た。
なんのことはない。
輪自身の持つ転生の力を利用し
現在や未来ではなく、過去へと送られたというだけだ。
それも、記憶の封印というサービスまで付けて。
かの契約者は、大仰な奇跡を起こしたわけではなかったのだ。
だが、確かにそれは奇跡であった。
しかし、本来の能力である輪廻転生はもう出来ない。
輪は、すでに輪ではなく、都市伝説の鹿島であったから。
しええん!
「先輩が俺を……先輩のせいで……俺がこれまで、どれだけ……苦しんだか」
「……すまない」
鹿島──輪は、確かに苦しんでいた。
自分などの為に、何よりも大切な家族の記憶を、思い出を失わせてしまう事になってしまったから。
輪は知っていたから。
家族との思い出が、過去の思い出が、彼等との思い出が
とても大切なものだと知っていたから。
すらりと、軍刀を抜き放つ輪。
「愚痴を言っても始まらないよな……勝負をつけよう」
「我等が争う必要は無いだろう……」
「勝った方の言う事を聞く……先輩が勝てば、先輩の言い分を受け入れよう」
「……話し合いで、解決する気は無いのだな?」
「ああ、話し合っても……どうせ、俺の望みは叶わないだろうからな……」
「分かった……勝った方の言い分を認める……ここに、約束しよう」
カシマもまた、軍刀を抜き放つ。
「昔は全く勝てなかったが……お互いに片腕になった今なら、勝敗は分からないだろ?」
輪が問い掛け
「昔から実力に差はなかったさ……本当はな……」
カシマが答える。
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 22:03:32.28 ID:SdwJRZXM0
支援なのです!
鹿島は、そして輪は、カシマから稽古で1本と取れたことはなかった。
だがそれは、無意識の遠慮や憧れからの結果でもあった。
高まる剣気
「はぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!」「せいッ!」
裂帛の気合と共に放たれる斬撃。
刃がぶつかり、火花が散る、鍔を迫り合い、鎬を削る。
同じ流派、同じ太刀筋、伯仲する実力。
共に学び、共に考え、共に過ごし、共に生きた。
確かに彼らは共にいた。
過去も、現在も、未来も。
家族であり、師弟であり、友人であった。
眩い光、視界が白く染まり、場面が変わる
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
剣は心なり
心正しからざれば、剣又正しからず
剣を学ばんと欲すれば、先ず心より学ぶべし
遠き地に離れてからも、様々な通信手段により相談を受けてきたが
オレから教えられる事は既に無い
だが案ずるな、今までと何も変わらぬよ、是より先も自身の心に問えばよい
振り上げたその剣に、力に、心は、優しさはあるのかと、そう問えばよい
人の完成をもって剣術の極みとす
遺憾ではあるが、オレはこの境地まで達し得なかった
だが、キミであれば成せる
憶えているだろう?
遠き過去、我等が最初に出逢ったあの店を、あの店主殿を
彼との約束を頑なに守り続けているキミであれば
彼の心を受け継ぐキミであれば、成せると信じている
いつも、キミにばかり重荷を背負わせて済まないと思う
だが、託させてくれ
人の完成を、その境地を
どうか、師の最初で最後の我侭と思い、叶えて欲しい
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
支援!
優しくあろうとするカシマ
それに憧れた輪
距離をとり、間合いをはかる
「今更、遅いんだよ!」
「遅くなどない!お前には、自分で更生する力がある!」
「そんなものは必要ない!今の俺に必要なのは、あんたを打ちのめす為の力だけだ!」
「……そんなにワタシが憎いか」
憎くなどない。
憎くなど、あろうはずがない。
そこにあるのは、純粋な敬愛。
義兄への、恩師への、友への感謝。
輪廻転生の力を失った今、人としての人生を送った今
既に、自身への救いは必要ない。
「分かってないんだよ……」
「……分かっていない?」
「あんたは大事な事を……たった一つ、大事な事を……分かっていないんだ」
カシマさんは彼等にとって、とても大切な家族であったことを、分かってほしかった。
思い出す。
幸せなな日々を……
道場での日々を、あの喫茶店での日々を……。
425 :
首切魔を巡る物語。の人☆一回間を開けます:2011/01/04(火) 22:05:48.94 ID:nvkPGOTt0
しえええん
「ワタシは信じている、己の妻の、優しさも、賢さも、強さも」
「……そうか……なら、これで最後にしよう」
カシマは、己の妻を、輪の姉を信じた。
幸せに暮らす力があったと信じた。
そして彼女は、実際に幸せに暮らしてくれていたのだ。
輪は、にやりと笑う。
勝利を確信した笑みだった。
「次の一撃で決めよう……手を抜くなよ、先輩」
「もう一度……話し合えないか……」
「もう、話す必要はなくなった」
「そうか……分かった……ならば、手加減はしない……」
軍刀を構える
輪が息を静かに吐き出し、カシマが強く口を結ぶ
その様、阿吽の如く
勝敗は一瞬でつく
輪が上段に構えを取り、カシマが下段で迎える
間合い、気迫、呼吸
全てが整う
しえんん
頭上へと振り下ろされる、輪の刀───
───届かない、カシマの刀は、脇腹の寸前で止まる
全てが止まる
片腕だからこそ、隻腕だからこそ
鍛えられた右腕が、右手が、一度手放した刀を掴み取り
柄の長さの分だけ、より長い間合いを得る
それは、一度手放したものを、もう一度掴み取る力
だが、何も斬られる事はない
止められた刃
「これで……俺の勝ちだ」
輪は静かに、刀を鞘に収める
「……っ」
カシマが刀を地に落とす
「負けを認めるな?」
「ああ……ワタシの負けだ……」
輪にとってカシマから奪い取った、初めての勝利だった。
「では、俺の好きにさせてもらうぞ」
「ああ、ワタシの存在を消し去るのも……この体を使うも……お前の自由だ」
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 22:08:40.82 ID:Olu44dHc0
しえん
更に、カシマは言う。
「お前はワタシを目標としていた様だが、もっと上を目指すべきだった……
ワタシに追いつかない事をどこかで望んでいた
言っただろう?昔から実力に差はなかった……本当はな……
お前が無意識に自分に枷を嵌めていたんだ……ワタシが強くなるのに合わせて……
お前がワタシに合わせて力を調節していたのだと……ワタシはそう考えている」
「……」
輪──鹿島が幼少から強かったのはある意味、当然とも言えた。
記憶が無くとも、体は自然と動いていたのだ。
生まれながらに鹿島流を身に付けていたのだから。
「ワタシは、お前の事を、お前の心の強さを信じている……超えてゆけ、ワタシを」
「……」
「託して良いな?」
いつでも自分を導いてくれた義兄。
目標となってくれた恩師。
背を押してくれた友。
彼から何かを託されたのは2回目だった。
だが、今度はその願いを受けはしない。
「断る」
輪が答える。
「何故だ?」
「そんな事を望んでいないからだよ」
「このままでは、どちらかが消える可能性があるのだぞ!」
「ああ、そうだな……だから、俺が消えると言っているんだ」
「何を馬鹿なことを……そんな事をワタシが許すとでも思っているのか!!」
「勝ったのは俺だ……さっきの約束、もう忘れてしまったのか?先輩」
「何?!……だが、それは……」
「約束通り、俺の言う事を聞いてもらうぞ」
「……くっ」
「俺は、先輩のやりそうな事は大抵、想像できるんだよ……先輩ならどうするか……いつも、そう考えて行動してきたんだ」
「こんな事の為に、わざわざ、あんな勝負を……約束をさせたというのか……」
「ああ、そうだよ……俺が消えると言ったところで、認めてはくれなかっただろうからな」
自信と誇りに満ちた顔で、輪は言い放つ。
「不満があると言うのならば、何度でも勝負を受けよう
だが、何度でも俺が勝つ! 俺は負けない!
実力に差が無いというのなら、想いの差が勝敗を分ける!
ならば、俺は、今の先輩に負けはしない!
そして、先輩は、まだ、この世界に必要なヒトなんだ!
先輩には、今を! この時を! 必要とされるこの時代を! 生きてもらう!!
俺はその為に、今、ここにいるんだ!!」
揺るぎない意志が、カシマを打ちのめす。
どんな斬撃よりも、速く、重く、強く、確かに、カシマの心を捉える。
"剣心一致"
かつて託された願い。
確かに今、それは成されていた。
支援
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 22:10:20.41 ID:SdwJRZXM0
しえしえ
しえーん
435 :
輪廻転生 篇 ◇Rumor/.9.2 (代理):2011/01/04(火) 22:15:23.78 ID:SdwJRZXM0
想いに気圧され、片膝ををつく
今度こそ、カシマは負けを認めざるを得なかった
自身の想い、自責の念とその優しさから、義弟の存在を護ろうとしたカシマ 。
カシマを想う、自身の為に、姉の為に、皆の為に、カシマの存在と記憶を護ろうとした輪 。
心で、想いの差で、負けたのだ。
「良いんだよ、先輩……俺は満足しているんだ……
先輩がいれば助かる人がいたかもしれないって……知って欲しかった
必要とされているって事……もっと、理解して欲しかった
俺達がいた事を忘れないで欲しかった
俺の事、父の事、母の事、姉の事……
思い出してもらえて……嬉しかった
俺達と共に過ごした記憶が、幸せな記憶だったって事を思い出して欲しかったんだ
俺にとっての夢──幸せってのは、家族の笑顔だった……
だから、何よりも護りたかったんだ
先輩の中にある記憶を、記憶の中の家族の笑顔を護りたかったんだ……
俺は……俺達は……幸せだったんだ……俺達家族は、幸せだったんだ」
そう、幸せだった。
輪は幸せだった。
ただの人間として、幸せな日々を送れたこと……
そして、これから訪れるであろう日々……
これ以上はない。
そう断言できる、そんな幸せな日々。
くっ、不覚…支援が足りなかったか
437 :
輪廻転生 篇 ◇Rumor/.9.2 (代理):2011/01/04(火) 22:19:23.26 ID:SdwJRZXM0
輪は自身の心に克ち、家族の記憶を護り
心・技・体、ほんの一瞬、わずかにでも、目標であるカシマを追い抜いたのだ
思い残す事など何処にあろうものか。
万感の想いを込め
輪は、カシマへと手を差し伸べる。
「ワタシも……いや……オレも、幸せだったよ……まるで、夢の様だった」
カシマが差し出された輪の手を掴む。
「いい夢……観れただろ?」
「ああ……最高の上映だった……」
「いつでも観て良いんだ、家族の記憶ってやつはさ」
繋がる手と手、心と心。
「……ああ……そうだな……本当に……すまない……」
「良いんだよ、先輩……でも、もう忘れないでくれよ?」
「ああ……ああ、約束しよう」
カシマが掴む手に、地に着いた膝に、力を込め立ち上がる。
「先輩は約束を必ず守る……そうだよな?」
「ああ、そうだ……オレは約束を必ず守る」
「うん、信じているよ」
「ありがとう」
ぬぅ、風呂前支援
439 :
輪廻転生 篇 ◇Rumor/.9.2 (代理):2011/01/04(火) 22:22:22.54 ID:SdwJRZXM0
ふたりは言葉を交わす。
昔の様に、穏やかに。
「じゃあ……後は任せる……生きて、生き続けて……幸せにな……義兄さん」
輪の顔に、浮かぶは笑顔。
少年の日のあどけなさを残し、英雄に憧れ、香取を、カシマを目指した男の笑顔。
消え行く、姿、形
だが、想いは永遠
桜花舞う───幻視
強くも優しい風が桜花を運び、カシマを包み込む。
儚いとは、人の夢と書く。
だが、散り行く桜は人の心に強く残り、人の夢は永く語り継がれる。
ならば、儚さこそが幻想
故に、輪の夢──家族の笑顔──もまた永く残るはずだ。
輪の、鹿島であった頃の想いが、記憶が、技能が、魂が、今、カシマの一部となる。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
ふたりは言葉を交わす。
昔の様に、穏やかに。
「じゃあ……後は任せる……生きて、生き続けて……幸せにな……義兄さん」
輪の顔に、浮かぶは笑顔。
少年の日のあどけなさを残し、英雄に憧れ、香取を、カシマを目指した男の笑顔。
消え行く、姿、形
だが、想いは永遠
桜花舞う───幻視
強くも優しい風が桜花を運び、カシマを包み込む。
儚いとは、人の夢と書く。
だが、散り行く桜は人の心に強く残り、人の夢は永く語り継がれる。
ならば、儚さこそが幻想
故に、輪の夢──家族の笑顔──もまた永く残るはずだ。
輪の、鹿島であった頃の想いが、記憶が、技能が、魂が、今、カシマの一部となる。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
消え行く中、輪は思っていた。
カシマの振るう剣は、いつでも心が伴っていたと。
"人の完成をもって剣術の極みとす"
それは既に完成していたのだと。
託されたのは、未完の極意ではなかったのだと。
だから、返すだけなのだ。
想いも、記憶も、技能も、魂も、カシマさんへと返すだけなのだ。
輪は自分の存在を失ってでも、カシマさんを生かそうとした。
だがそれは、自分を犠牲にしたのではない。
未来の──今の彼からすれば過去の──自分に、幸福を与え、助ける事だから。
彼は他者を救うことで、自身をも救っていたのだから。
これは自身を救う為の行いでもあったのだから。
輪は満足している。
こんなに満たされて逝けるのならば、悔いなどあろうはずもない。
『カシマさん……ボクのこと、宜しく頼みます。』
言葉にして伝える必要はなかった。
それは、言わなくとも必ず叶えられる願いだと知っていたから。
輪廻転生の物語は、此れで幕を引かれるが
幾多の人生を廻り、彼の行き着いた最果ての世界には
確かに最上の幸福があったことを、此処に記す。
輪廻転生 篇 ─ 終 ─
442 :
輪廻転生 篇 ◇Rumor/.9.2 (代理):2011/01/04(火) 22:24:35.63 ID:SdwJRZXM0
消え行く中、輪は思っていた。
カシマの振るう剣は、いつでも心が伴っていたと。
"人の完成をもって剣術の極みとす"
それは既に完成していたのだと。
託されたのは、未完の極意ではなかったのだと。
だから、返すだけなのだ。
想いも、記憶も、技能も、魂も、カシマさんへと返すだけなのだ。
輪は自分の存在を失ってでも、カシマさんを生かそうとした。
だがそれは、自分を犠牲にしたのではない。
未来の──今の彼からすれば過去の──自分に、幸福を与え、助ける事だから。
彼は他者を救うことで、自身をも救っていたのだから。
これは自身を救う為の行いでもあったのだから。
輪は満足している。
こんなに満たされて逝けるのならば、悔いなどあろうはずもない。
『カシマさん……ボクのこと、宜しく頼みます。』
言葉にして伝える必要はなかった。
それは、言わなくとも必ず叶えられる願いだと知っていたから。
輪廻転生の物語は、此れで幕を引かれるが
幾多の人生を廻り、彼の行き着いた最果ての世界には
確かに最上の幸福があったことを、此処に記す。
輪廻転生 篇 ─ 終 ─
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 22:25:32.41 ID:SdwJRZXM0
うっぎゃあ、かぶった、申し訳ないorz
444 :
◆Rumor/.9.2 :2011/01/04(火) 22:28:25.45 ID:1+2lY4sN0
代理感謝。感謝。
被りましたスミマセン。
丁度10レスだったので、そろそろサルったかと思いましたです。
まぁ、昔書いた話に、適当に付け足して書いた話なので正直どうでもいいんです。
ありがとうございました。
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 22:28:55.34 ID:Olu44dHc0
乙でした
ハッピーエンドか……良かった良かった
それにしても切ないなあ
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 22:31:52.77 ID:SdwJRZXM0
ハッピーエンド乙なのですよ〜
さて、笛の人の代理を開始しようと思うんだ
447 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 22:33:47.23 ID:SdwJRZXM0
【上田明也の探偵倶楽部after.act14〜そして時間軸はCOA編の辺りに戻る〜】
修行が終わった後。
行方不明者が一人出た。
黄昏裂邪、愛美さんの元に連れてこられた契約者の一人である。
まだ子供なので正直心配だ。
いや、子供が一人どうなろうと心配は無いのだが俺にも責任という物がだな……。
「裂邪〜、裂邪〜?居ないなあの馬鹿……。
なんであんなうっせえオスガキの面倒なんぞ見ねばならんのだ。
愛美さんも愛美さんだ、あんな子供連れてきやがって。戦力というのは数ではない。
そう、質だよ。クオリティー、クオリタット、質量(ヂーリィアン)。
そもそも俺を共感にしてる時点でおかしい!俺は大量殺人犯であって誰かと一緒にこうやってほのぼの人探しできる男じゃない!
最低の人間だ!
絶対戦闘力だけで物事を見ている。
そう、とにかくあの人は戦士であって指揮官らしいところがな……。
娘、そうだ、友はそこらへんのセンス有るよな、そもそもあいつ戦わずして終わらせるし。
ああー、それより愛美さんのおっぱいもみもみしたいよー。
別に俺以外に男概要と構わないからー、私二番以下で良いからー。ムラムラしてきたー。」
とまあそこまで言い終わって辺りを見回す。
今の独り言を聞かれていたら俺の頭には三つか四つほど穴が空くに違いない。
周りに誰も居ないしまだ頭に穴が空いてないのだからとりあえず誰にも聞かれてないと考えて良いだろう。
「さーって、改めてあの子供を捜すか。
帰ってきたら俺でも食えないお仕置き麻婆を口から注ぎ込んでやろう。」
……でもよく考えたらあいつを洞窟の奥まで殴り飛ばしたの俺だよな。
首切りの人とルーモアの人乙
兄は契約するかな
凛ちゃんの能力に期待!
輪君がまさか……おおうすげえ!
幸せにあってくれれば幸いですね。特に彼等は
輪君も良い男になって……お兄さん嬉しいわw
449 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 22:35:37.96 ID:SdwJRZXM0
「まあ良いや、もしかしたら強大な敵と出会って俺たちを守る為に必死で闘ってるのかも知れない。
そうだったらよく知らないガキ→ハードボイルドなガキにランクアップだ。
俺ですらクォーターボイルドな探偵なのに俺より上位に立つとは生意気だ。
見つけたらしばき倒してやる。
覚悟しろよ黄昏ェ……。」
なんて馬鹿なことを言いつつ洞窟の奥へずんずん進む。
何か聞こえてくる。
モンスターの声だ。
もしや裂邪が襲われている?
俺は近くに居た鳥形のモンスターに話しかける。
黄色い羽毛に逞しい二本の脚。良い移動手段になりそうだ。
「おいお前!俺を乗せて少し向こうまで行ってくれ!」
「クェ?」
「向こうだよ向こう!」
「クェッ!クェ!」
「何?アイス一年分?」
「クェエエ!」
「でもちょっと多いな……。ハーゲンダッツ三日分でどうだ?」
「クエッ!」
「交渉成立か。お前の名前は?」
「クェッッエ!」
「ほう、アンクというのか良い名前だ。俺は笛吹、笛吹丁、探偵だ。
宜しく頼むぜ、アンク?」
「クエエエエ!」
黄色い鳥形のモンスターは俺を乗せて走り始める。
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 22:37:03.27 ID:Olu44dHc0
感動の話の後にこのコメディーwwwww
451 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 22:37:46.46 ID:SdwJRZXM0
「居たぞ!あれだ!」
「クエエエエエエエエ!」
「うわっ、きもっ!あのモンスターきもっ!一つ目じゃん!アーリマン!」
「クエ?クエクエ!」
「何?女の子が襲われてるって?
……おおう、エロイ服装だ。そしてモンスターの尻尾で口で言えないような所を貫かれている辺りもエロイ。
茜さんが見張ってなきゃなあ……?」
「クエ?」
「ああ、子供が生まれそうでね。だからちょっと女性関係は自粛してるんだ。
リョナ趣味はない、勘違いするな。俺はどちらかというとSでもMでもいける口だ。」
「クエー!」
「もげろ、だぁ?マジで腕折られたりしそうになるからやめて。」
「よし、近づいてきたな。頼むぞアンク!」
「俺に任せな!」
「――――喋れたの!?」
「チョコボキィィィィイイイック!」
「やっぱ喋ってるううううう!?」
俺を乗せた黄色い鳥――アンク――がその太く長い脚で地面をしっかり捕らえて跳躍する。
アンクは一つ目のモンスターを滅茶苦茶に蹴りつけた。
爪が食い込み、頭蓋がへこみ、翼が破れて、一つ目のモンスターが派手に吹き飛ぶ。
俺はと言うとその間に一つ目のモンスター尻尾で腹を貫かれている女性をこっそり助け出しておく。
彼女の出血を止めると俺はその女性に甘い言葉を囁くべく声をかけた。
452 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/04(火) 22:48:04.57 ID:Olu44dHc0
「お嬢さん、大丈夫だったか?」
「う……、大丈夫、ってあれ?」
「俺が来たからには大丈夫だ、まずはダンジョンの外まで出よう。
この近くの宿屋に……、ん?」
「どこかで会わなかったっけ?」
「俺も何処かであった気がするな。」
「えっと……笛吹丁さんでせうか」
「えっと……葉さん、Y-No.0様でせうか」
そうだね、その通りだ。
俺の名前は笛吹丁、通りすがりの契約者だ。
微妙に知り合い同士な相手と妙なところで出会うと不思議と気まずい。
ここは無難な会話でなんとかするしかない。
「葉さん、そういえば俺最近結婚したんだ。」
「わー、おめでとー。」
「そうだ、傷薬が一つ残ってたからとりあえず使いなよ。」
「じゃあありがたく頂くねー。」
「目的地何処?良かったら送っていくよ?」
「うーん、どうしようかなー。」
「まあ立ち話も難だし、とりあえずアンクに乗りなよ。」
「そこのダチョウみたいなの?」
「ヤー!」
「そのダチョウじゃないよアンク、イマノネタナンニンワカルノカナ」
葉さんをアンクに乗せると俺はダンジョンの中を再び歩き始めた。
【上田明也の探偵倶楽部after.act14〜そして時間軸はCOA編の辺りに戻る〜】
乙
ちょwwwwハーゲンダッツすげえwwwwアイス一年分と張り合えるのかwww
チョコボいい性格してるなぁwwww
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 22:53:18.45 ID:Olu44dHc0
笛の人の話はなんかこう……
会話のテンポが絶妙って言うか
三人だろうが四人だろうが自然に会話させられる辺りがすごい
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 23:07:34.41 ID:SdwJRZXM0
>>453 知ってるかい?
ハーゲンダッツって、なかなか安売りしてくれないんだぜ
>>455 ああ、あれは高いよな……
でも本物志向(笑)な俺はラクトアイスじゃ我慢できないからよくダッツを買うぜ!
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 23:13:12.39 ID:SdwJRZXM0
避難所雑談スレの会話がカオスな件ww
>>456 俺はラクトアイスも平気派
ハーゲンダッツはたまの贅沢なのですよ
投下乙ですー
切なくてもハッピーエンドならいいじゃない
涙は笑顔を引き立てます
なにこのハイスペックチョコボwwwww
なんでダチョウ知ってるんだwwww
そしてそれを乗りこなす上田は相変わらずの平常運行wwww
>>457 せめて…せめてご新規さんの門戸となるこのスレではほどほどに!
徐々に慣らしてからカオスの楽園へいざなうのです
アイスの遷移は、ダッツ→クーリッシュ→爽→スーパーカップ→31
バニラこそ至高だと思うの
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 23:20:03.08 ID:SdwJRZXM0
>>459 せめて、本スレではあそこまでカオスにならんようにせんとねwwwwwwww
って
>徐々に慣らしてからカオスの楽園へいざなうのです
いざなうのかよ!?wwwwwwwww
あ、俺はMOWが好きです、アイス
>>460 だってこのスレの皆様が変tげふんげふん楽しい方々だというのは否定できませんもの
確かMOWは一度だけ食べて、ミルクが濃すぎて敬遠した記憶が
この言葉が即座にみさくらと結びつく辺りもう手遅れですねわかります
首切魔の人は、今日中に続きを投下するのだろうか?
それによって就寝時間が多少前後するのですが
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 23:30:23.08 ID:SdwJRZXM0
>>461 このスレには変態紳士が多すぎると思うの
>確かMOWは一度だけ食べて、ミルクが濃すぎて敬遠した記憶が
んー。俺はあの滑らかさが好きだなぁ
みさくらに結びつけんなwwwwwwwwwwwwwww
アイスは基本何でも好きだけど強いて言うならモナカかな
笛の人乙です
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 23:34:50.12 ID:SdwJRZXM0
くそ、執筆スピードあがらねぇ
ここは書きながら投下をやるしか!?
よろしい、ならば支援だ
(※就寝時間が延びることが決定いたしました)
それは、昨年末の出来事
学校街北区……とある、診療所にて
手術室の前で、祈りを捧げている女性が居る
静かに、しかし、必死に
名前も知らぬ相手の為に、祈り続けている
その様子を、トライレスは少し離れたところから観察していた
つい10分ほど前、この診療所に急患が運び込まれた
運びこまれたのは、妊婦
運んできたのは、今、この手術室の前で祈りを捧げている女性
産気づいていた妊婦
早産で……流産の、危険があった
道に座り込んでしまっていたところを通りすがった女性が見つけ、すぐ傍にあったこの診療所に運んできたのだ
……母子共に、危険な状態
どうか、どうか
母子共に、助かりますように
女性は、そうやって祈り続けている
………ぽぅ、と
かすかに、都市伝説の力が試行された、事実を
トライレスは、見逃すことはなかった
診療所を任せられている、ドクターの努力の甲斐もあり、妊婦も赤子も、無事、助かった
妊婦の家族に連絡を……と、診療所の中は、まだバタバタ忙しい状態
しえーん
おっと、支援
469 :
突然の警告者 ◆nBXmJajMvU :2011/01/04(火) 23:45:54.70 ID:SdwJRZXM0
…女性は、妊婦と赤子が助かった事にほっとして
そっと、診療所を後にしようとしていた
「あら、お帰りになるの?」
…と
そんな女性に、トライレスが声をかけた
ぴたり、女性は足をとめ、振り返る
「私は、部外者ですから」
「あらあら、あなたは、あの妊婦さんと赤ん坊の命の恩人よ?部外者、とも言い切れないんじゃない?」
ころころ微笑む、トライレスの言葉に
いえ、と女性は首を左右に振った
ちゃら、と首元から下がる十字架のペンダントが、揺れた
「いえ…私は、あの方をここへ運んで…後は、祈る事しかしておりません」
「あらあら…」
微笑む続けるトライレス
ゆっくりと、告げる
「よく言うわね。都市伝説の力で、妊婦と赤ん坊を護っていたくせに」
「…気付かれていたのですね」
トライレスの言葉に、ちょっと困ったような表情を浮かべる女性
まぁ……お互い様だろう
女性も、この診療所に都市伝説契約者や都市伝説がいる事が
…それも、「第三帝国」所属である事が、わかっていたようだったから
この女性が巫女服だったらもうたまらん支援
「「教会」所属の方が、この国の…しかも、この街にいるなんて、珍しいんじゃない?」
「…そうでしょうね。本来、「教会」はこの街に、この国に、不介入の立場をとっていますから」
一応は、と
…今は、少し、そう言う状況ではなくなっている…と言った様子をにじませてくる、女性
トライレスは、わずかに警戒を強める
「…あなたは、「第三帝国」のトライレスさん、ですよね……悪い事は言いません。近いうちに…この街を、放れた方がいいです」
「あら、どうして?」
微笑は崩さぬまま
女性の動きを監察する事に、トライレスは集中する
「……「教会」内で、強行的な姿勢を貫いている者達が…そう、遠くない未来。この街に…やってくる事に、なると思います」
「「教会」内では、それをどうにかできないのかしら?」
「…無理、だと思います。だからこそ、その時に備えて、私が派遣されましたから」
正直に話してくる女性
…嘘をついているようには、見えない
いや、むしろ、嘘をつくのが苦手な性分なのだろうか
「あの者達は…恐らく、あなたにも、危害を加えてくるかもしれません。ですから、どうか、この街を離れてください」
「あらあら…どうして、「教会」の人間が、討伐対象の私に、そんなに優しく警告してくれるのかしら?」
「…彼らは、神の教えを曲解し、言いがかりでもって魔女狩りを、異教徒狩りを進めています…それは、許される事ではありませんから」
あらあら、と
さてどうしようか、トライレスは考える
…嘘を言っているようには見えない
だが、逃げろ、といわれても
しえーん
473 :
突然の警告者 ◆nBXmJajMvU :2011/01/04(火) 23:55:55.07 ID:SdwJRZXM0
……可愛い教え子達を置いていくと言うのは、御免である
「念のため、お名前、伺ってもよろしいかしら?」
「あ、はい……チェリー。チェリー・ハーヴィーです」
「チェリー、ね」
…この名前、一応、覚えておこう
その容姿共々、しっかりと
「…すみません。私は、これで」
「ふふ、本当なら、私達「第三帝国」とは関わってはいけないのでしょう?………それでも、あなたは、あの妊婦を助ける事を優先したのね」
正体がバレるリスクを背負いながら
チェリーは、あの妊婦と赤子を助ける事を優先したのだ
…人としては素晴らしいかもしれないが、潜入捜査員などとしては、向いていない事は確かだ
そうです、と少し困ったように、頷いてきたチェリー
診療所を後にする彼女を、トライレスは今度は引き止めず、見送った
「……面倒な事に、なりそうかしら?」
嫌ねぇ、と
どこか他人事のように、彼女は呟いたのだった
to be … ?
支援ー
ふむふむ
っと終わってた
投下乙ですー
これは日本上陸フラグー?
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 00:01:07.38 ID:Cb6UfDdu0
三面鏡の人に焼き土下座orz
チェリーの顔見せしつつ彼女の契約都市伝説匂わせつつ、エイブラハム達来日フラグ
…明日には、「13使途」残り2枠の二人を出せるといいなぁ
そのためにも名前を決めんと
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 00:05:30.63 ID:Cb6UfDdu0
おやすみー
スレが落ちませんように
首切魔の人の続きは明日ってか今日の夜明け以降になると見ていいのだろうか
同じく寝る
「帰ってきたら、向こうでの翼さんの事お話しますねー」
紗奈が、若干嬉しそうにしながらレイカに言った。
「新年会かぁ……楽しみだね」
子どもに甘いという翼さんが、今年はどんな風に遊ばれるのだろうか……と、若干わくわくしている紗奈。
(………いや、翼さんが本気で嫌がるようならさすがに止めるよ?ホントダヨ?)
とも思っていたりもするが、どこまで本気で止めるつもりがあるのかは分からない。
それと、「首塚」の本拠地で会った貴腐人さんにも会いたかった。
時間があれば、翼総受けについて語り合おうと思っている。
「うん……紗奈ちゃんと一緒に行くの。紗奈ちゃんと一緒がいいの」
ぎゅう、と紗奈に抱きつく紗江。
「そうだね……一緒に行こうね」
年が明けても、やっぱり二人はいつも通りだった。
続く…?
481 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 00:19:59.24 ID:NXOmfLBE0
えーと
今、書き終わったんですけど
明日の方がいいですかね?
支援
482 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 00:28:17.72 ID:NXOmfLBE0
だめだ……睡魔が…
寝ますね
>>481 気分で、ご自由にどぞ〜
ギャラリーの有無も、今後のモチベーションを左右する場合もあるし
その辺はお好みで
因みに、このスレの人達は24時過ぎると寝てる場合が多いと思う
寝る前ほ
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 01:35:27.89 ID:m41XAF+l0
俺みたいに毎晩おかずを探しているのは少数派だというのか・・・orz
桐乃ちゃんおいしかったぜほ
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:04:27.14 ID:m41XAF+l0
ほぉぉぉぉぉぉぉしゅっ!!!
>>486 えっ?
夕飯のみ白飯だけってことないでしょ?
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:33:42.33 ID:n1qKfAnW0
ほ
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 05:46:04.64 ID:YWEgxDXWP
し
ゅ
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 09:10:53.31 ID:m41XAF+l0
>>488 貴方はそのまま純粋に生きなさい
闇を知るには心が美しすぎる
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 09:39:54.29 ID:m41XAF+l0
み
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 09:58:46.16 ID:m41XAF+l0
る
く
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 10:48:14.79 ID:J+g4J3fU0
で
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 10:53:47.57 ID:IRVKoAHk0
おっはよー、本日は一時15分に待ち合わせなのでこの時間に出没だぜ
犬神憑きとアンサーの人乙〜
紗奈ちゃんwwwwwwwwwwwwwwwwww
燃料投下したかいがありましたwwwwwwwwwwwwwww
498 :
はないちもんめ ◇YdAUTYI0AY (代理):2011/01/05(水) 11:00:15.06 ID:b5powRNy0
東区
「今頃、影守が第一波を退けてる頃かな」
「・・・そう上手く行くの?」
不安そうな友也を鼻で笑い答える
「負けてたら負けてたでその時はその時
組織の優秀な戦闘員と警察の優秀な警部補殿が犠牲になるだけ
長い目で見れば大きな損失だけどこの戦いって点ではそれ程大きな被害じゃない」
「友美って結構酷いよね」
「常に最悪の状況を想定しておくのは戦の常、当然の事をしてるだけさ」
そう、相手はK-0
未来予知系能力者では間違いなくトップクラス
未来を知る相手に真っ向勝負は挑めない
「既にカラミティは動いている
警部補殿がミスって無ければ影守にアレも渡っている
笛吹探偵事務所の面々もそろそろ動き始めている
そして、望は奴の手に落ちている
全部私の思惑通り」
「・・・本当に非道い奴」
「これでも一番被害が出難い道を選んだ積りだ
この世界は愛と平和で出来てる訳じゃないんだ、犠牲無く得れる物もある筈が無い
なら、最小限の犠牲で、最高の戦果を上げてやる」
そして辿り着いたのは大門家の前
「さぁ、一気に攻め落とそう」
499 :
はないちもんめ ◇YdAUTYI0AY (代理):2011/01/05(水) 11:01:22.04 ID:b5powRNy0
同時刻 アパート前
無数のキューピーのパーツが宙を舞い
力任せに黒服達を引きちぎって行く
「・・・」
「不満そうね、影守」
「いや、何」
この戦闘が始まって以降俺は一歩たりとも動いていない
これでは・・・
「味気ないと思っただけだ」
このアパートを襲撃していた全ての兄貴と黒服を殲滅した
学校町内 K-bフ拠点
望を手に入れた
戦力も揃った
未来も知った
K-1とK-3の裏切りも大門大樹の襲撃もカラミティ・ルーンの動向すらも想定の内
「あぁ、これなら」
負ける要素は何も無いじゃないか
「そうだろ・・・望?」
K-0の隣、そこに大門望が居た
続く
500 :
K-No.0編 祈りは魔法で魔法は奇跡 ◆nBXmJajMvU :2011/01/05(水) 11:20:49.07 ID:zVpjSJLQ0
影守が、アパートの前で戦っている間
アパートの、その部屋の中で……美緒は、ただ祈る事しかできなかった
己に、戦闘能力はない
都市伝説と戦えるような、そんな力はない
…都市伝説能力なしに都市伝説と戦える存在など、極一部の例外だけだ
いっそ、人間よりも化け物に、都市伝説側に近い存在だけ
……美緒は、そんな存在ではない
ただの、人間の女でしかないのだ
影守の無事を、祈る事しかできない自分を、美緒はふがいなく思う
どうか、どうか、無事でいて欲しい
ただ、その想いだけを、抱える
『大丈夫だよ』
……ひらり
美緒の、傍を……一頭の漆黒の蝶が、飛ぶ
『美緒には、この大魔法使いのカラミティ・ルーン様がついているんだ。お前にとって、悪い事なんて起きるはずがない』
「…ですが」
『それに、美緒がこんなに、影守って男の事を想って、無事を祈っているんだ。強い想いは、祈りは、魔法の力に、奇跡の実現に繋がる。お前が強く無事を祈るならば、影守って男は傷つかないし、死にもしないさ……ほら、外、見てみろよ』
カラミティの言葉に……そっと、外をうかがった
無数のバラバラのキューピー人形に囲まれた影守
黒服と兄貴達は…………既に、全滅していた
501 :
K-No.0編 祈りは魔法で魔法は奇跡 ◆nBXmJajMvU :2011/01/05(水) 11:23:00.55 ID:zVpjSJLQ0
『ほら、大丈夫だった!大丈夫だよ、美緒が、それを願ったから、それは現実となったんだ。美緒が使った魔法だよ』
「…魔法ではありませんよ。影守さんが…そして、あの子が強かった、それだけです」
小さく、苦笑する美緒
影守の傍で戦える、バラバラキューピーを…希を、美緒は少し、羨ましく感じた
自分は、決して、あそこには立てないから
『大丈夫。絶対に、お前の悪いようにはならない。影守はこの騒動で死なないし、美緒を苦しめた奴は、苦しめる奴は、ちゃぁんと報いを受ける。だって、お前には、この俺様が味方についているんだから!』
ひらひら、ひらひら、飛び続けていた蝶は…やがて、姿を消した
美緒は、立ち上がる
…自分は
影守の傍に立って、戦う事はできない
自分には、そんな力はないから
……それでも
「…せめて。蔵人さんの、傍に」
あの人の傍にいて、彼を支えたい
……彼女はそう、願うのだった
to be … ?
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 11:24:31.63 ID:zVpjSJLQ0
新年は、昨年末からのK-No.0への殺意と憎悪を引きずって迎えました花子さんとかの人です
流石に本スレでは、溢れる殺意はちょっとマイルドに抑えてみようと思います、コメントだけでも
とまれ、はないちもんめの人に焼き土下座orz
美緒、ついていく気満々です
作者的には、カラミティがやらかしそうになった時、美緒しかカラミティを止められない事実に気付いたって事なんですが
…カイン、K-No.0編には絡んでこないんだもん
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 11:39:57.45 ID:zVpjSJLQ0
ほ
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 11:54:42.66 ID:zVpjSJLQ0
る
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 12:14:12.59 ID:zVpjSJLQ0
す
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 12:29:07.94 ID:zVpjSJLQ0
た
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 12:43:52.33 ID:zVpjSJLQ0
い
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 12:59:12.53 ID:zVpjSJLQ0
ん 出かけてくる。夜もスレが残っていますように
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 13:09:23.48 ID:m41XAF+l0
花子さんとかの人乙です〜
カラミティが良い子っぽく見えるのも美緒さんのお陰なんですねわかります(
美緒さん頑張れ! でも希ちゃんも頑張れ!(ぁ
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 15:11:41.02 ID:PzmILoo10
ほ
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 16:19:37.63 ID:m41XAF+l0
と
王隠堂家。
「王をも隠す場所」「王からも隠れる場所」
名は体をあらわす。王隠堂家には昔から避難所としての役割があった。
人、獣、都市伝説から、追われるモノを匿う。
その役割を果たす事を可能にした一因に彼等の持つ、特殊な能力があげられる。
彼等、王隠堂家の血筋のモノは都市伝説及びその関係者に対し「鈍感」になる事ができた。
都市伝説に怯えない。契約者への攻撃を躊躇しない。いくら報酬を積まれても惑わされない。
王隠堂家はもともと、学校町には住んでいなかった。
彼等は関西に住んでおり、現在の学校町に越してきたのは九代目の当主の時だとされる。
王隠堂家の当主には代々受け継がれていた都市伝説があった。
要約するとこのような内容の書類から、綺龍は目を離した。
無表情な黒服が運転する車、隣には黒服の少女がサングラスをせずに座っている。
「いろいろ意味わかんないんすけど、とりあえず代々受け継がれる都市伝説って、これ組織はほっといて良いんすか?」
綺龍はここまでで疑問に思った事を尋ねてみた。
「あー、それはですね。『受け継がれていた』なんですよ。学校町に来た時に失われたらしいんですよ」
「なるほど?」
そこで、車が停まる。
「着きました」
無表情な黒服がそう言うって、車のドアを開いた。
§
「しっかし広いな」
それはかなり大きな屋敷だった。
ただ、何故か和風の門の向こうに洋風の建物が見えていたり、古風な木製の小屋の真横に真新しいレンガの小屋が建っていた。
また、無駄に入り組んでおり、廊下を四回曲がり、階段を三回上り下りしたところで綺龍は道を覚えるのを止めた。
綺龍と黒服の少女を案内したのも、双子らしいのだが
一人はメイドと言う言葉がしっくりくる洋服、もう一人は家政婦という言葉が似合う割烹着。
「訳分からん」
テーブルの上の紅茶を飲みながら、綺龍は窓の外の枯山水を見ながら綺龍は呟いた。
今、ここには黒服の少女はいない。綺龍の他にいるのは、ここまで案内した割烹着の女性がドアの傍に立っているだけだ。
黒服の少女はどうしているだろうかと、紅茶の入った湯飲みを持ちながら綺龍は考えた。
綺龍はどうしているだろうかと考えながら、黒服の少女は畳の上に正座していた。
この部屋に通されたのは少女のみ、綺龍は別室で待つように言われた。
「お待たせしました」
メイドの恰好をした女性が襖を開いて現れる。
そこから、二人ほど入ってくる。一人は十代後半、人の良さそうな若い女性。そしてもう一人は、
「お初にお目にかかります……。王隠堂家十五代目当主、王隠堂ひまわりでございます……」
そう挨拶した、少女。少女……そう少女である。いまだ小学校も卒業していないように見える少女が、そう挨拶した。
「我が姉、王隠堂すみれの件、我ら王隠堂家は全面的に協力させていただきます……」
§
「つまりさ、本当の当主は俺なんだよ」
「はぁ…………」
「長男だし、刀も使えるし。なのによ、こいつのせいで容量が足りないから!」
「それはワイのせいやありませんやん。先にあんさんの妹が契約したからですやん」
「いーや、お前のせいだね」
綺龍は困っていた。テーブルの反対側に、二十歳ぐらいの男と、鼬のような生物が突然やってきて、愚痴りだしたのだ。
(何なんだいったい……)
そんな事を考えながら、目の前の男から目をそらす。
「何だよー、どーせ待ってる間暇だろ?愚痴に付き合ってくれよ。俺は命の恩人だぞ」
「はい?」
男の言葉に綺龍は思わず聞き返す。
「お前、前に悪臭でぶっ倒れてただろ。俺が助けてやったんだぞ、感謝しろ。あー臭かった」
「よお言いますわ。鎌鼬で風起こして臭いなんか吹っ飛ばしましたやん」
「チッ、バカイタチめ」
「バカっ!?バカって言いはりました!?」
(本当に何なんだ……)
綺龍は静かにため息をついた。
§
「それは、確かなんですか?」
「はい、王隠堂すみれが契約しているのは『切り裂きジャック』だけではありません」
王隠堂ひまわりは黒服の少女に静かにそう告げた。
終
ふぅ、遅れてしまって申し訳ないorz
鉄柱の人乙です〜
おぉ、今まで出てきた王隠堂の子達も出てきたか!ヒャッホゥ!
すみれたんのもう1つの都市伝説wktk
516 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 16:54:11.93 ID:NXOmfLBE0
今から投下しまーす
517 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 16:55:24.44 ID:NXOmfLBE0
凛「やったぁ!!
じゃあ契約しよーぜ!」
また契約だよ……
俺「だから契約っt」
そしてこれもまた瞬間だった
凛がすっとこちらに体をよせてきた
その瞬間に体の感覚という感覚がすべて凛に支配されるようになる
凛の髪から香る獣のようでしかしどきどきするような匂い
そして唇にあたるやわらかい、マシュマロのような感覚
俺「ん!?んんー」
なんと………
ファーストキスが奪われてしまった……
凛「ん………ぷはぁ」
五分……いや五刹那だったかもしれない
永遠のように感じた感触が消える
518 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 16:56:04.59 ID:NXOmfLBE0
凛「こ、これで契約が完成したぜ!!」
俺「ってなにやってんだお前ぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
俺のファーストキッスゥゥゥゥゥゥ!!
ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!
いや、嬉しいんだけどね
凛「これでお前は私のマスターだなっ!」
俺「マスター?」
マスターだって?、ときめくじゃまいか
凛「うん!
これでお前は私の契約者だな!」
といって騒いでるうちに蜘蛛女がおきあがった
蜘蛛女「な、なんダ?
お前ハなんだ?」
519 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 16:58:08.81 ID:NXOmfLBE0
蜘蛛女の汗だくの顔が不思議そうな形に歪んでいる
その声に反応して凛が振り向く
凛「私?だから私は凛だよ、鎌鼬の凛」
蜘蛛女「だかラ……なんなンだよぉ!」
蜘蛛女が凛に飛びかかる
人間としても小柄な凛は蜘蛛女と比べるとまるでお人形のような差だ
俺「凛!!」
心配そうに叫ぶ俺をよそに
凛は涼しげな顔で蜘蛛女を迎え撃つ
蜘蛛女が前足を振りあげる
凛「なあ………
もう契約しちまったから手加減はできないよ……」
蜘蛛女「ハ?……」
凛がさっと手をあげる
またもや瞬間だった
思い切り振りあげた蜘蛛の足が根本を残して千切れた
一瞬間を開けた後に切れた足から体液が噴き出る
520 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 17:00:44.70 ID:NXOmfLBE0
蜘蛛女「ギャ!!」
その蜘蛛女の小さい叫び声を合図として凛の姿が消える
否、消えたように見えただけかもしれない
サッと道の間に風が吹き抜ける
と、途端に
蜘蛛女の体から体液が吹き出る
蜘蛛女「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
蜘蛛女は叫び声がひびくが…終わらない
道にもう一度、風が吹き抜ける
もう一度、もう一度、もう一度、もう一度、もう一度
気付けば俺らの周りは突風が吹いていた
それと同時に
蜘蛛女の体に暫線がきざまれる
もう一筋、もう一筋、もう一筋、もう一筋、もう一筋
蜘蛛女の体には数えきれない傷ができていた
521 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 17:01:56.59 ID:NXOmfLBE0
今、俺には凛の考えることが良く分かった
次にどこを狙うのか、どこを斬ろうとしているのか
これが契約した力…なのだろうか?
だから次の攻撃でとどめをさそうとしているのもよくわかった
だからこそ止めた
俺「凛!!やめろ!!」
___________________
_________________________
_______________________________
ああ、私の人生はここで終わってしまうのだろうか?
体に何本もの傷をつけられながら私は思うしまったのだろうか?
まるで台風のように私を切り刻む斬撃から逃れるすべを知らない
いろんな人に嫌われて、気持ちわるがられて、
これでおわってしまうのだろうか?
お願い、最後に、私に、
「凛!!やめろ!!」
______________________
___________________________
________________________________
522 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 17:07:29.51 ID:NXOmfLBE0
風がやむ
俺の横に凛の姿が現れる
それを確認してから俺は女蜘蛛に近寄る
きめてあった言葉を言うために
女蜘蛛「ああ………あ」
体中に傷を負っているから
少し動くこともままならない
そんな女蜘蛛に近寄り俺は言う
俺「良かった……絶対言いたいとおもってたんだ」
今こんなこと言うのは残酷かもしれない
だけど決めたことは絶対やる主義だからさ………
蜘蛛女「あう…………う」
痛みでもがく蜘蛛女に俺は言った
俺「綺麗だね」
と
523 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 17:10:18.49 ID:NXOmfLBE0
蜘蛛女は
目を再びしっかりとあけ
言った
蜘蛛女「ありがとう」と
それ同時に蜘蛛女は光につつまれて
消えていった………
凛「ふうん
マスターってやさしいんだね」
凛が刀を収めながら言う
俺「そうか?
そういってもらえるとうれしいけどな」
と光が消えるのを待って俺は振り返る
524 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 17:12:44.32 ID:NXOmfLBE0
そして、ああそうだと
俺「そういえばなんで鎌鼬のお前がこんなところにいるんだ?
もっと四国の方だと思ってたけど」
と多少疑問に思ってたので聞く
凛「あー
私もめんどくさかったんだけどさ。天狗のやろーが急に姿をけしてな。
私もあいつには借りがあるし、なぜなのかってのを探してたら
この町にたくさんの都市伝説が集まってるってのを聞いてきたんだ。」
響が言っていたのは本当だったのか
もしかしてあいつ…
俺「なんかいやな伏線の匂いがするな」
525 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 17:14:38.51 ID:NXOmfLBE0
凛「は?」
俺「いや、こっちの話、で続けて?」
凛「あ、ああ
で本当につえーやつらばっかいるから
契約しねーとまずかったんで契約相手を探してたらお前と会ったってわけ」
ふうん
契約ってのは自分の力を高めるものなのか?
と心の中で推定を立てる
俺「ああ、そうだ」
と今思いついたとゆうように俺は凛に手を出す
「まあ、これからよろしくな」
凛は少し微笑むと
凛「ああ
拾った命ぐらいはしっかり守ってやるよ」
と凛は手を握り返した
526 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 17:15:46.19 ID:NXOmfLBE0
語ることは少なかったかもしれないけど
とりあえずこれが俺と凛の出会いで
この出会いが俺の人生をぐちゃぐちゃにするのは
また別の話である
第1部。。出会い編・対蜘蛛女
End
最後微妙でしたが疲れてるんです!!
ゆるしてください!
できればこの後、学校町の設定につなげようと思ってるんですけどかまいませんか?
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:25:56.80 ID:J+g4J3fU0
乙でした―
引っ越すくらい大丈夫だよ
魔界都市新宿並の危険地帯だけど
皆さん乙
Kbェなにか考えてんのかな
望がそこにいるのが意味深だ
そして一方、美緒さんが動きだしたようで……うーん、どうなるんだろうか
先が読めないぜ!
王隠堂家……濃いなぁwwww
受け継がれていた都市伝説とやらも気になるところ!
妹ちゃんがどういう立ち位置なのかが気になって仕方ない
学校町に来るのを楽しみにしてます
ほ
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:42:34.14 ID:m41XAF+l0
首切り魔の人乙でした!
キス契約かwwwあぁ、俺も使っておけばよかったなぁ・・・
とりあえず、もげろ!(
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 19:30:53.90 ID:UqeQWM+60
帰ってきましたこんばんは
鉄柱の人と首切り魔の人乙〜!!
ファーストキスwwwwwwwww
学校街にはいつでも引っ越してきて大丈夫だぜ!だぜ!!
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 19:49:15.42 ID:UqeQWM+60
にゃー
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 20:01:01.11 ID:UqeQWM+60
にー
534 :
やる気なさそうな人COAその9 (代理):2011/01/05(水) 20:12:29.36 ID:UqeQWM+60
【1レスしか無いけど一応笛の人に聞いた方がいいかしらな】
笛吹に助けられ、黄色い鳥に横向きに乗った。
葉は、モンスターに貫かれた腹部の傷を手で押さえる。
手を離すと、腹部の傷はそんなもの最初から無かったかのように、消えた。
葉は黄色い鳥の頭を撫でだした。
ついでに羽毛をもふもふしだした。
鳥は気持ちいいのか目を細めている。
笛吹が話しかけてきた。
「それで目的地は?」
「うーん、人探してたんだけど、またモンスターに捕まったら面倒だから、しばらく着いてく」
「そうか、俺も人探しなんだ」
「私はあっちから来たけど誰も見てないぞ」
「じゃあ今度はこっちだな」
黄色い鳥が歩く向きを変える。
「ねぇ変t 笛吹、鳥用の鞍ないの? お尻痛くなりそうなんだけど」
「野生の鳥だからないよ、痛くなったら俺が手当してあげよう。って今何か変な言葉聞こえかけたぞ」
「気のせい気のせい。ちょっと口が滑っただけさ」
「滑ったなら仕方ない」
「クエッ」
続く
535 :
かみきれないもの ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/05(水) 20:20:10.43 ID:UqeQWM+60
深夜の学校町
終電間近の駅のトイレに、やや疲れた顔の男が少々慌てた足取りで駆け込んでいく
「ふいー、外周りはめんどくさいなぁ」
溜息を吐きながら、ズボンを下ろして便座に座り込む男、『馬鹿は死ななきゃ治らない』の契約者、葉霞南八
今日も今日とて仕事に励み、合間合間に『もげろ』の契約者、最上椿に職場のある5階の窓から放り投げられたりする日々である
もっとも、課長が「心臓と胃に悪い」泣きそうな顔で懇願するので、窓から放り投げられる回数はやや減ったのだが
「ここんち仕事のミスも減ってきた事だし、最上さんに怒られる回数も減少傾向。惚れ直される日も近いってもんだ」
この男は馬鹿である限り絶対に死ぬ事が無く、致命傷を負っても平然と活動が可能でいつの間にか傷も回復しているというギャグ漫画のような能力である
そんな彼に都市伝説としての存在意義を叩き折られ、復讐に燃える都市伝説が一体
彼がこのトイレに入るのを虎視眈々と待ち構えていた
「げ、紙が無い!?」
南八がペーパーホルダーに手を掛けると、入った時には丸々と残っていたはずのトイレットペーパーが無くなっていた
「ぐぬぅ、ポケットティッシュとか使って詰まらせたら最上さんに怒られそうだな……誰か入って来ないもんか」
かといってあまりトイレに長居してると、やはり仕事に戻った折に椿に怒られるのは明白である
そんな心配をしていたところに、トイレの入り口のドアが軋んで開く音がした
こつこつと足音を立ててトイレに入ってきた気配に、南八は喜び勇んで声を掛ける
「赤い紙と青いk」
「ちょっと今入ってきた人! 予備のトイレットペーパー取ってくれませんかね! いやぁ、丁度切れてたのに気付かなくて!」
奇妙な沈黙がトイレの中に漂う
気を取り直したように個室の外にいた気配が咳払いをし
「赤い紙t」
「聞こえてましたかー! 予備が無ければ適当な個室のやつで! ちょっと上から投げ入れてくれればいいですから!」
再びの沈黙
何か堪えるように呻き声を上げる気配に、南八は首を傾げる
「あk」
「ああ! もしかして今もう出しちゃってます? そっちが済んでからで構いませんよ!」
「台詞を最後まで言わせろよっ!?」
どかんと個室の扉を蹴り、天井と仕切りの間によじ登って怒鳴り込む『赤紙青紙』
「ぬおっ!? 貴様はいつぞやの痴漢! か弱い女子を守ったヒーローに逆恨みし復讐にやってきたのか!」
「お前の何処がヒーローだよ!? 今度こそきっちり殺してやるべく、修行を積んできた俺の力を見せてやる!」
536 :
かみきれないもの ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/05(水) 20:22:56.82 ID:UqeQWM+60
言うが早いか、虚空から突然現れた巨大な注射針のような物騒な代物が、南八の首目掛けていくつも飛来する
「のわぁっ!?」
狭いトイレの個室、しかもズボンとパンツを下ろした状態の南八にそれを避け切れるはずも無く
ぶつりぶつりと生々しい音を立ててその首筋に突き刺さり、鮮血を撒き散らした
止め処もなく溢れ出す鮮血が、びちびちと音を立てて個室の壁や床を赤黒く染めていく
「答えなくても殺してやるさ! お前は血を全部抜かれて真っ青になって死ぬのさ!」
血溜まりにどちゃりと倒れ込む南八を眺め、ゲラゲラと笑い声を上げる『赤紙青紙』
だが
「葉霞っ! いつまでトイレ入ってるつもりだっ!」
怒鳴り声と共に堂々と踏み込んでくる椿の姿
「な、お、お前、ここは男子トイレだぞ!? 非常識だろう!」
「仕事が詰まってる時に非常識もクソもあるか。というかお前の方がよっぽど胡散臭いだろう」
「お……お前も俺をただの変質者扱いするのか! ただの人間扱いするのか! 殺す、殺してやる!」
個室の仕切りから飛び降りて、鎌を抜き放つ『赤紙青紙』
椿は慌てた様子も無く、何かを掴むような手付きをして
「……ん?」
何かおかしいかのように首を傾げる
「何をしたいのか判らんが、死ねっ!」
勢い良く踏み出し、鎌をその首筋に叩きつけようとしたところで
「危ない最上さんっ!」
「ぶべらっ!?」
個室から血みどろで這い出してきた南八に足首を掴まれ、受身も取れずに顔面をトイレの床に強打する『赤紙青紙』
「ほとんど血を抜いたんだから死ねよお前!? もうアレか! バラバラにしないと死なないのか!?」
足首を掴む南八を、自由な方の足でげしげしと蹴り付ける『赤紙青紙』
「お前なんぞに最上さんを傷付けさせてたまるもんかっ!? あの極上の絹のような柔肌は俺のもんだっ!」
「誰が貴様のものだ」
ごすりと脳天に抉りこまれる靴の踵
見事に全体重を乗せた踏み下ろしの蹴りに、ぴくぴくと痙攣しやがて動かなくなる南八
「これを仕留めたいなら、小難しい事をしないで思い切りブン殴った方がいいぞ。まあそれでもしばらく動かなくなるだけだが」
「いや今蹴ったから! 思い切り蹴ったから!
537 :
かみきれないもの ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/05(水) 20:24:13.51 ID:UqeQWM+60
有無を言わせぬ迫力を醸し出す椿に、『赤紙青紙』は恐怖に引き攣った顔で抗議の声を上げる
「で……誰が、誰を、殺してやるって?」
「申し訳ありませんでした」
即座に土下座を敢行する『赤紙青紙』
潰れたゴキブリのようにトイレの床に張り付いている南八にも、悪鬼羅刹が総動員されたようなオーラを放つ椿にも、もう勝てる気が全くしない
「殺すだのなんだの面倒臭い事は、私の見てないところでやれ。いいな?」
「は、はい……」
「ところで、だ」
男子トイレの中だというのに余りにも堂々とした振る舞いで、ついと視線を出入り口に向ける
「あいつらもお前の関係者か?」
人数にして5人か6人
日本人には見えない男女が、出入り口を塞ぐように立ち並んでいた
「い、いや、俺は全然知らないけど」
「そうか」
ぞろり、ぞろりと
逃げる隙間塞ぐように身を詰めてトイレの中に入り込んできた男女は、それぞれが鋭く尖った骨の武器を手にしていた
「ならお前も一緒に逃げるぞ」
「こ、この程度の連中なら!」
『赤紙青紙』は即座に腕を振り上げ、南八に打ち込んだものと同じ巨大な注射針を叩き込んだ
「血を抜かれて真っ青になってくたばれ!」
それを全く避けようともせず、その首筋で受け止め
「あ、あれ?」
血の一滴も出さずに、何事も無かったかのように針を引っこ抜いた
「……俺、もう都市伝説辞めたい」
「訳のわからない事を言ってる暇は無いぞ」
即座に飛び掛ってきた男女、『ソニー・ビーン一家』の子供達
様々な形をした武器や、今引っこ抜いたばかりの針を手に飛び掛ってきたところへ
「葉霞!」
「何でしょうか最上さん!」
声を掛けた途端に元気良く跳ね起きる南八
538 :
かみきれないもの ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/05(水) 20:26:22.04 ID:UqeQWM+60
「私達の為に死ね」
一瞬足を止めた子供達に向けて、叩きつけるような一本背負いで放り投げる
だが子供達も只者ではない
背中から叩きつけられた決して小柄ではない南八の身体を、ややバランスを崩しながらもがっしりと受け止めた、が
その南八のどてっ腹に思い切り叩き込まれた椿のドロップキックが、南八もろとも子供達をまとめて床に叩き伏せた
「逃げるぞ!」
「え、あれ!? あいつはいいの!?」
「あいつは殺しても死なないから放っとけ」
倒しきれなかった子供達を殴り倒し蹴飛ばし、斬りつけてくる刃を掻い潜りながら、脱兎の如く逃げ出す椿と『赤紙青紙』
「痛い痛い痛いっ!? 刺すな、斬るな!? 服がボロボロになるだろうが! あだだだだっ!? 齧るな! 齧るのは女の子だけ許可するっ!?」
訳のわからない悲鳴を上げる南八をほったらかしにして、駅前の人通りの中に紛れ込むように駆けていった
「最上さーん! 流石にこれは俺もきついんですがーっ!? 助けてー!?」
それから数十分後、延々と止まない彼の悲鳴を聞きつけて野次馬が集まりそうになったため、『ソニー・ビーン一家』の子供達は止む無く撤退を強いられたのであった
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 20:43:42.58 ID:UqeQWM+60
ほ
540 :
残り二人 ◆nBXmJajMvU :2011/01/05(水) 20:54:44.01 ID:UqeQWM+60
ずるずると、何か、大きなものを背負い、歩いている男が居る
男は決して背が低いわけではないのだが、その男が背負う…というよりは、担いでいると言うべきか…ようにして運んでいる最中でも、下が地面について、ずるずると引きずってしまう
……その物体は…どう見ても「棺桶」だ
司祭姿の男が棺桶を背負って進む姿は、どう見ても異様であり、無気味だ
だからこそ、男は、この夜の闇を歩んでいるのだろうが
…やがて
男は、その目的の場所にたどり着いた
ぎぃ、と重い扉を開け、中に入り込む
「…今、戻った」
そう、声をかけて
男が一歩、中に入ると…
「おっ帰りー!」
どすっ!!
「ぐっ!?」
「おーそーいーーー!!」
どごすっ!!!
「がはっ!?」
ニ方向からの、全速力からの突撃を受けた
少年少女の突撃とは言え、全速力で来られるとそれなりのダメージが!?
「リ、リュリュ、それに、マドレーヌか」
541 :
残り二人 ◆nBXmJajMvU :2011/01/05(水) 20:55:58.67 ID:UqeQWM+60
「遅いよ、メルセデス!」
「私達、一杯一杯待ってたのよ」
ぶー、むー
むくれた表情を浮かべる双子の少年少女……リュリュとマドレーヌ
その二人に、メルセデスと呼ばれたその男は、苦笑し
直後
さささっ!!と
双子は、何かを感じたように素早く、メルセデスから離れた
え、と、メルセデスが疑問に思うよりも、先に
「メルセデスおにーちゃん、お帰りなさーーーーーい!!!」
ごんがらがっしゃ!!!!!!!
「おぶぁっ!!??」
「もー、レティ、おにーちゃんが帰ってこないから心配だったんだよ?レティもついていけばよかったかな?って一杯一杯心配だったんだからねっ!」
メルセデスをタックルで突き飛ばして押し倒したのは、中学生くらいの少女…レティ
ぷっくー、と、リュリュとマドレーヌ以上に頬を膨らませている
「ねぇ、聞いてるの?おにーちゃん、おにーちゃーん?」
ぺちぺちぺち
返事のないメルセデスをぺちぺち叩き続けるレティ
己のタックルによって、棺桶の角に頭をぶつけてメルセデスが気絶している事実に、リュリュとマドレーヌから指摘されるまでさっぱり気付かないのだった
542 :
残り二人 ◆nBXmJajMvU :2011/01/05(水) 20:56:47.55 ID:UqeQWM+60
「あぁ、お帰りなさい、メルセデス、サミュエル………おや、メルセデス。頭に包帯を巻いていますが、アレはそこまで強敵でしたか?」
「いえ、これは任務での怪我ではありませんので、問題はありません」
…ようやく復活し
改めて、上司であるエイブラハムの元へと報告に訪れたメルセデス
……任務では無傷だったのに、まさか、帰還した途端に怪我をするハメになるとは思わなかった
「そうですか。しかし、どちらにせよ、少々手間取ったようですが?予定よりも、帰還が遅かったようですし」
「あぁ、いえ、相手は大したことなかったんです、本当に。無事、あの炭鉱のコボルト共は全滅させてきました」
ただ、と
軽く、己が運んでいる棺桶を、軽く叩いてみせるメルセデス
その仕種で、エイブラハムは理解する
「……なるほど。サミュエルが興奮しましたか」
「はい……押さえ込むのに、三日ほどかかりましたよ」
ですが、と
メルセデスは、どこか、邪悪さをにじませて笑う
「…その分、「完成」に近づいた、と。そう実感しております」
「そうですか、それは素晴らしい」
にこり、メルセデスの報告に微笑むエイブラハム
その微笑の下には、深い深い闇が踊る
「それでは、続けざまの任務で申し訳ないですが……次は、貴方達「13使徒」には、日本の学校街に向かってもらいます」
「ほぅ?あの悪魔共が蠢く地に、ですか?」
「えぇ。私についてきてもらいます……全力を出せるよう、サミュエルを調整しておくように」
543 :
残り二人 ◆nBXmJajMvU :2011/01/05(水) 21:00:44.05 ID:UqeQWM+60
はい、と
背筋を伸ばすメルセデス
…ガタガタ、と
棺桶が小さくゆれ、音を立てた
「「アイスマン」メルセデス・オラーリャと「ジャバウォッグ」サミュエル・プラタニア、その任務、全身全霊を持ってやり遂げます」
己と相棒の二つ名を名乗り、メルセデスは、その任務を了承した
……これより、数日後
彼ら「13使徒」は、エイブラハム共々、全員が来日し……学校街へと、足を踏み入れる事となる
to be … ?
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:01:54.46 ID:UqeQWM+60
「13使徒」の未登場だった残り2名を登場させました
一方が、以前シャドーマンの人様にお約束しました、VSレクイエム用のキャラとなります
あ、ちなみに、メルセデスとレティは別に兄弟じゃないです
レティがメルセデスに懐いてて「おにーちゃん」って呼んでるだけ
メルセデスもげろ
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:17:19.49 ID:UqeQWM+60
ほ
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:31:39.33 ID:UqeQWM+60
っ
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:52:15.54 ID:UqeQWM+60
か
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:55:15.22 ID:m41XAF+l0
ほ
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:10:11.51 ID:UqeQWM+60
か
550 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 22:15:38.54 ID:NXOmfLBE0
とりあえず
キャラ設定から始めます
杉谷 仁
16歳 高校生
学校町に在住・南区と西区の境目あたりに住んでいる
学校は南区の中央の場
じきに組織『首塚』に入る(予定)
契約した都市伝説は『鎌鼬(かまいたち)』の凛
一個下の妹を持っていて
その将来をずっと心配しているシスコン
凛に身長で負けているのが最近の悩み
巨乳も好きだが、最近は美しさを求め並乳もあり(アウト
自分の決めたことは絶対にやるタイプでその執着心は変態と言われるほど
その考え方を唯一曲げたのが凛で、
自分の命をくれといった凛に生涯ついていこうと思っている
外見的な特徴は特になく、いたって普通、髪形は目に髪がかかる程度の
ストレート(?)
服装はフードのついている服を好む
過去に格闘技をやっていた伏線はないがやっている設定
後に凛との契約から武器を手にしていくことが決まっている
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:16:28.83 ID:UqeQWM+60
大きさも大事だけど形も大事なんですね、よくわかりますw
552 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 22:16:58.60 ID:NXOmfLBE0
凛
?歳 鎌鼬(かまいたち)の怪奇
赤をポイントにした浴衣を着ていて、身長は175ぐらい
胸も並乳で出ている所はしっかりでてて、しまっている所はしっかりしまっている
モデルような体形
髪の毛は赤が少しまじった茶髪で長い
なにより特徴的なのは着物の裾からでる茶色いしっぽ
性格はどちらかといえば男っぽく乱暴な性格
仁のことをからかうのが最近の趣味
恩のある天狗が行方不明になったことで
重い腰をあげ調べたところ、学校町にいることが判明しいってみるが
学校町は契約者をもった都市伝説がおおく。
敵わなかったため、能力をあげるため契約者を探した所
蜘蛛女に襲われている仁を見つけ、助けて、契約した。
戦い方は風に乗り己のもつ刀『楼嬰華』を振り回し敵を切り刻むやり方。
本当はもっと多彩な戦い方をするがまだ書きたくない
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:19:11.60 ID:UqeQWM+60
学校街は都市伝説も契約者も変態も多いからな
頑張れ凛ちゃん超頑張れ
554 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 22:19:11.71 ID:NXOmfLBE0
とりあえずこれだけ投下させていただきました
第二部は明日になると思います
保守お疲れ様です
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:19:58.00 ID:J+g4J3fU0
どれくらいのレベルの近代兵器なら都市伝説に効くんだろう?
仮に契約者の居ない普通の口裂け女Aが居るとするじゃないですか
拳銃くらいなら効かないと思うのよね
まあショットガンとか、弾は同じだけどサブマシンガンとかを一点集中で撃てばいけるきはする
ぶっちゃけヘルシング的な人間力さえ籠もっていれば拳銃でも通る気がするし
メタな話をすればその場の気分次第かね
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:21:56.86 ID:UqeQWM+60
>>555 ノリとか気分とかテンションとか雰囲気とか、後は相手となる都市伝説次第
ぶっちゃけ、近代兵器で簡単に死んじゃう、人間程度かそれよりか弱い都市伝説もいれば、近代兵器ぃ?そんなもん無駄無駄ぁっ!!ってレベルまでいるだろうから
怪獣王とか、どう考えても近代兵器効きそうにないし
投下乙ですー
首切魔の人、ようこそ学校町へ!
仁君がシスコンで変態だと…突き抜けてるなぁwww
そういえば他の兄妹って、獄門寺一家と任天一家だけ?
この赤紙青紙かわええwwww
さしものソニー・ビーン一家も馬鹿には勝てないのか…
ギャグ時空恐るべし
これから「教会」が本格的に日本上陸ですか
大人が悪い人の予感しかしないよ!
子供はかわいいから許す!
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:22:48.13 ID:m41XAF+l0
乙!
仁くんが16歳ということは、響ちゃんは俺のストライクゾーンにどっぷりハマっているということかヒャッハアアアアア!!
第二部もwktkしてますよ〜!
559 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 22:24:16.93 ID:NXOmfLBE0
今、思ったら都市伝説ってスタンド使いみたいだね
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:25:26.43 ID:UqeQWM+60
>>557 >そういえば他の兄妹って、獄門寺一家と任天一家だけ?
えーと、辰也と天地と祐樹が、全員違う苗字名乗ってるけど一応兄弟だね
…って、そんな複雑な連中よりも先に穀雨兄妹を言えばよかったじゃないか俺orz
>大人が悪い人の予感しかしないよ!
い、いい大人もいるんだからねっ!?(今回出演しなかったけど
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:27:24.34 ID:J+g4J3fU0
投下乙でした
新しく人が来て良かった良かった
胸は形ですよ
都市伝説は絶対的な性能差が一部にあることを除けば割とスタンドよね
>>556 そんなもんかねえ
>>560 おおっと、大人組がごっそり抜けていた
「兄妹」って言葉の響きだと、どうしても未成年ってイメージがなぁ
そして穀雨兄妹を失念していたことには猛省せざるを得ない
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:31:17.99 ID:UqeQWM+60
>>559 それをイメージして書いてる人もいるんじゃないかな
ジョジョのスタンドイメージでも、妖魔夜行・百鬼夜翔の妖怪イメージでも、ダブルクロスのオーヴァードイメージでもどれでも書ける
それが都市伝説スレクオリティ
>>561 一応、俺はそう認識して書いてる
超常現象である都市伝説が近代兵器で倒されちゃ怖くねーだろ、って考えもあるせいかもしれんが、俺の場合
ライフルで死ぬモンスターとかふざけんな、ライフル協会の抗議なんざ知るk(以下、問題発言になっていくので省略
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:33:12.72 ID:UqeQWM+60
>>562 今気付いた
兄「妹」だと、門条兄弟関係ないな、全員男だから
スマン
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:34:14.83 ID:J+g4J3fU0
>>563 そう、俺はそう思うのよ
近代兵器で死んじゃ面白くない
でも近代兵器
たとえばそれこそバズーカでも死なない口裂け女とかなると怖いじゃない
ライフルで死ぬのか?
バズーカはどうか?
みたいなことがフッと気になったのよ
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:35:54.14 ID:m41XAF+l0
>>559 そういや、ザ・ワールド使う人って今いないな・・・・・・
ごめん、近い内に目にするかも知れなかったorz
>>560 ん、ここでいう「兄妹」って兄と妹の関係、てことじゃないかしら
考えてみると意外に少ない・・・?
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:36:19.00 ID:UqeQWM+60
>>565 んー、俺のイメージだと、口裂け女はライフルだと死なないイメージ、ダメージ無視して突っ込んで競う
バズーカは……その個体にもよるけど、強い奴だと耐えそう
黒焦げになってフラフラになりながらも、まだ迫ってくるとか怖くて良いじゃない
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:38:38.39 ID:m41XAF+l0
>>567 怖えええええwwwww
あぁ、そんな口裂け女書きたいなぁw
都市伝説に近代兵器は効いてもいいと思う
でも都市伝説の体は人間のソレとは違うと思うし、効きづらいってのはあるかも
少なくとも傷が見る見るうちに塞がっていく…ってのは無いと認識してる
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:41:37.54 ID:J+g4J3fU0
>>568 同じ契約者持ちでも
A→バズーカじゃ少し痛い程度です
B→大けがです
とかあるだろうしさ
>>568 そういうのを丁度書いてみようと思ってたのよ
只の雑魚都市伝説じゃねえのか!?
とか言わせたい
>>569 傷がみるみるは都市伝説次第じゃないかなあ
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:42:04.81 ID:UqeQWM+60
>>569 >少なくとも傷が見る見るうちに塞がっていく…ってのは無いと認識してる
んー、高速再生能力持ちなら、傷が見る見るふさがっていく、ってのもありじゃないかな
傷つけても、傷つけても、傷つけても
目の前で、見る見るうちに再生し、死ぬ様子がない…
それもまた、ホラーだと思わないかい?
572 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/05(水) 22:45:18.40 ID:NXOmfLBE0
>>570-571 >傷がみるみるは都市伝説次第じゃないかなあ
>んー、高速再生能力持ちなら、傷が見る見るふさがっていく、ってのもありじゃないかな
言葉足らずで申し訳ない
都市伝説の基礎ステータスとして、そういった驚異的な回復力はないと認識している
っていいたかったんだ
>>570 >只の雑魚都市伝説じゃねえのか!?
雑魚だと思って油断していた「組織」の黒服一個小隊が全滅
燃えるじゃないか
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:47:07.48 ID:UqeQWM+60
>>570 >只の雑魚都市伝説じゃねえのか!?
いいな、それwwwwwwwwwwwww
>>573 >都市伝説の基礎ステータスとして、そういった驚異的な回復力はないと認識している
あ、なるほど
それなら、ないと思う
普通の人間よりかは治り早いと思うけど
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:47:47.39 ID:J+g4J3fU0
ゴーレムとかさ
ゴーレムとかだったら高速再生できる
→高速再生が間に合わない程にたたきこんでやる!
もできるし
契約者の設定次第では
→俺の容量は常人の五百倍や、エネルギー切れはあらへんで?
→ほんまは言うたほど容量ありまへん
→ただちょっとゴーレムのような物を作り出すタイプには適正があるんです
もできるし
色々夢がひろがりんぐ
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:52:32.01 ID:UqeQWM+60
>>575 そうそう、同じ都市伝説でも、契約した場合能力違うとかいいよね
同じ口裂け女でも、契約者自身もパワーアップするのか
それとも、口裂け女だけがパワーアップするのか、とか色々できる
全ては作者の想像力と解釈次第!!
>>574 >普通の人間よりかは治り早いと思うけど
同意同意
それくらいの超人的要素はあってしかるべきだと思うの
>>575 >色々夢がひろがりんぐ
発想次第でどうとでも広がるから面白い
能力の絶対値で不利な相手に対して、策略で勝る展開とかやってみたい
まずは、そんな展開を書ける脳みそが欲しいです
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:55:26.94 ID:J+g4J3fU0
>>576 個人的には
契約者も能力を発揮できる→契約の効率が最高
契約者は発揮できない→効率が……?
みたいな解釈にしている
能力の発揮の差異については笛の人のH×H真似て作ってたのが個人的には解りやすかった
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:58:20.21 ID:UqeQWM+60
>>577 >能力の絶対値で不利な相手に対して、策略で勝る展開とかやってみたい
それ、書いてみたいよなぁ
先生……頭脳バトルを書ける脳みそが、欲しいです…!
>>578 俺は、契約者の能力強化が出来ない場合は、都市伝説自身が超強化されるイメージ
宣伝になるようで申し訳ないが、避難所の方でやってるやる夫の話では、やる夫自身は強化されないが、契約した都市伝説が強くなる予定だし
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:59:00.09 ID:m41XAF+l0
>>576 すごくわかりますわ〜
俺んところの契約者は肉体的なメリットはないようにしてますね
その代わり融合できるみたいな
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:02:32.72 ID:J+g4J3fU0
>>579 成る程成る程
余った分が注ぎ込む感じかしら
人の数だけ解釈があって良いことだ
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:03:24.95 ID:m41XAF+l0
>>578 あれは本当にわかりやすかった
笛の人に超感謝
>>579 俺にとったら頭脳バトルなんて神の御技ですorz
メリーたん強化だと・・・wktkせざるを得ない
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:05:12.27 ID:UqeQWM+60
>>581 まぁ、あれだ
契約によって成長させられるポイントが、100ポイントあったとしよう
それを、どう言う割合でふるか
契約者に全部振る?それとも、都市伝説に全部ふる?それともお互い半々?
そんな感じじゃないかな
>>582 どう強化させようか悩んでるんだけどなw
リカちゃんとの違いを出さないとね
策略云々でふと思い出した
ソニー・ビーン一家inサーカス団と、臓物の記憶vs女装少年
どちらも「負け」だけど、決して無意味な「負け」じゃない
ああいうふうに「負け」を演出できるのは凄いなぁ、と
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:09:37.23 ID:m41XAF+l0
>>583 ポイントか、いいなぁそれ
今度から参考にさせてもらうぜ
違いかぁ・・・あれは難しいだろうなぁ
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:09:55.44 ID:UqeQWM+60
>>584 あぁ、確かに…
あぁ言う話が書ける技術と才能に全俺が嫉妬
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:10:46.48 ID:J+g4J3fU0
>>583 成る程ね
個人的にはつながりみたいな物だと思ってるから
強ければ強いほどに影響されあうイメージだったなあ
頭脳戦は主人公強くなると難しいよね
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:12:52.07 ID:UqeQWM+60
>>585 似たような都市伝説チョイスしちまったからなぁw
人形系都市伝説縛りも地味にきついぜ
連中の見かけじゃ「髪が伸びる日本人形」はチョイスできんし
>>587 >強ければ強いほどに影響されあうイメージだったなあ
その解釈もありだと思うぜ
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:17:54.84 ID:m41XAF+l0
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:20:06.39 ID:UqeQWM+60
>>589 >そんな縛りがあったのかw
信じられるか?
やる夫……最終的には7重契約する予定なんだぜ?(何だと?
???「なら、さっさと全員の都市伝説を決めるかしらぁ!?」
??「…余計な縛りを入れるから、こうなるんだわさ」
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:20:53.25 ID:J+g4J3fU0
>>588 いやもうあれだよ
日本人形の部分を無くして
「大事にされた人形は髪が伸びる」
とかにすればいいのですよ
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:21:33.55 ID:m41XAF+l0
>>590 なん・・・だとwwwwww
飲まれないのかやる夫www
はっ!まさか・・・
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:24:55.18 ID:m41XAF+l0
>>591 あ、そういやそんな話あったなぁ
地元の寺の住職が言ってた気がする
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:25:06.22 ID:UqeQWM+60
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:27:22.89 ID:J+g4J3fU0
>>594 あとあれよ
やる夫はきっと人形型特化なのよ
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:27:30.19 ID:m41XAF+l0
>>594 よかった・・・しかし全部ロリっ子なんだろうなぁ
やる夫もげろ(
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:28:41.82 ID:UqeQWM+60
>>595 うん、ぶっちゃけちゃうと、そうです
人形好きはその伏線
>>596 はっはっはっはっはwwwwwwwwww
全員ロリかどうかは、AAの元ネタ参照って事でwwwwwwwwwwww
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:28:57.21 ID:m41XAF+l0
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:29:47.44 ID:J+g4J3fU0
>>597 だったのかwwwwww
>>598 笛の人の話の明久父がそのものずばり刀剣特化だったわよね
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:32:38.10 ID:m41XAF+l0
>>597 ってその通りだったのかwwwww
パペットマスターか・・・あれ、こういうと何故か怖い
そして元ネタが殆どわからないことがある俺はある意味勝ち組(いや負けだorz
ロリフィルタにかけるから安心してね!
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:33:51.12 ID:UqeQWM+60
>>599>>600 はい、その通りでしたw
ちなみに、あのスレでのやる夫は、作った人形とか人形の服をオークションにかければ万単位で稼げるレベルの義手ツ持ってる設定だったり
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:34:33.53 ID:J+g4J3fU0
>>601 それはもうJUN超えたじゃねえかwwwww
すげえwwwww
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:36:53.61 ID:m41XAF+l0
>>599 そうそう、明久さんかっこいいよ明久さん
よくよく考えたら、ソニータイマーの人はゲーム系とか蛇系とか嫉妬系の多重契約者いっぱいいらっしゃったorz
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:37:57.49 ID:UqeQWM+60
>>602 都市伝説スレ住人として、無駄に一部技術が特化してるとかいいかなぁ、って思ってwwww
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:39:06.67 ID:m41XAF+l0
>>601 やる夫SUGEEEEEEEEEEwwwwww
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:41:20.79 ID:m41XAF+l0
>>604 なるほど・・・
そういやバクマンでも言ってたなぁ
ジャンプ漫画の主役は何かしらの特殊能力やら技能を持ってるとか
20へぇ押したかった
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:42:05.53 ID:J+g4J3fU0
>>604 まあwwwww
素敵な方面でキャラ立ってるwwww
そしてねますぜ
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:43:03.62 ID:UqeQWM+60
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:43:56.05 ID:m41XAF+l0
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:44:42.23 ID:m41XAF+l0
611 :
大切な人 ◇vQFK74H.x2 (代理):2011/01/05(水) 23:45:24.28 ID:UqeQWM+60
葬式が終わり、徹とユキは、紗江と紗奈を天倉家まで送った後アパートに帰ってきた。
親戚達が話していた徹の境遇を聞いて、ユキは徹の母親に対して激しい怒りを覚えた。
母親に、彼は害させない。
生命だけでなく、彼の心も護るのだ、と強く心に誓う。
「主様……御加減は大丈夫ですか…?」
「…ありがとな、大丈夫だ……
俺は、ユキに支えて貰ってばかりだな…なにも、返せてない」
「そんな事はありませんよ。私は、主様と出会って、主様が思う以上にたくさんの物を頂いているんですよ?」
己の姿を認識して貰えた。
人と話せる喜びを知った。
彼の隣は温かかった。
出会ってから一月程しか経っていないが、それらを与えてくれた徹が、大切な存在になっていた。
今まで辛い事があった分、これからは幸せになって欲しかった。
続く…?
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:58:18.95 ID:UqeQWM+60
>>610 今思えば赤マントと趣味が被るから、仲良くなれるかもwwwwww
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:01:13.81 ID:5oxoSHN40
力尽きる、お休み
スレが落ちませんように
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:06:35.17 ID:6oR4GTya0
>>612-613 お憑かれ様でした〜
そういや俺、今日登校日だorz
赤マントwwwwそれはwktkするしかないwwwww
【ケモノツキ_13話_異世界への訪問者】
CoAのとある町。そのメインストリート。
武器屋、防具屋、道具屋などが軒を連ね、人の往来は活発。
さながら祭のような様相をかもし出しているが、この世界ではいたって普通の光景だ。
そして、その通りを歩く、とある一団がいた。
黒いスーツの女性を先頭に、妙齢の女性、青年、少女がその後に続き、青年の背には、少年が負ぶさっている。
「…ね、ねえタイガ。僕はもう大丈夫だから降ろしてもらっても……」
「うるせぇ黙ってろ。」
「う、うん、ごめん……。」
タイガと呼ばれた青年は、少年の言葉にぶっきらぼうに返し、黙々と歩き続けている。
それを見て、隣を歩く少女がクスクスと笑い、女性は優しげな瞳で微笑んでいる。
ここで、時間軸を数十分巻き戻す。
・
・
・
「これが…CoAの世界。」
『わー、いかにもファンタジーって感じ。』
鎧を纏い武器を持った人間、人外、有象無象が歩き、露天や商店が立ち並ぶ町。
日本では…否、現代では見ることが出来ない光景が、悠司の目の前に広がっていた。
その光景を呆然と眺める悠司の後ろから近づく、一つの黒い影。
悠司が気配に気付いて振り返ると同時に、その人物は悠司に声をかけた。
「橘野悠司、お待ちしておりました。」
「あ、はい。ええっと、エイダ…さん?」
「『さん』は不用です。いつものように『エイダ』と呼んで下さい。」
都市伝説『死を招くカーナビ』であるエイダ。
それが、橘野悠司の担当黒服A-No.218と全く同じ外見で、悠司の目の前に立っていた。
「な、なんだか気が引けるなぁ…。黒服さんを呼び捨てにしてるみたいで…。」
『エイダの容姿は私のものをトレースしておりますが、気にしないでください。』
どこからか響く、黒服の声。
CoAに入る前に『CoAの外から常時監視を行う』と、黒服が言っていたことを思い出した。
『気にするなって言われても…ホントにそっくりだよねぇ。』
『黒服との外見上の違いが見当たりませんね。』
外見は黒服と全く同じだが、どことなく黒服と違う。
悠司たちは、そんな奇妙な感覚を覚えていた。
「これからCoAについて色々と説明しますが、その前にこれをつけてください。」
エイダが差し出したのは、片耳だけのイヤリング。
「イヤリング…だよね。片方だけ?」
「「通話のイヤリング」というアイテムです。片割れをつけた相手と、遠距離での会話が可能となります。」
その言葉に悠司はエイダの顔を見あげる。
ポニーテールによって露出されたその耳には、悠司が渡されたものと同じイヤリングが揺れていた。
不慣れな手つきでイヤリングを耳に付けながら、悠司はエイダに問いかけた。
「えっと…遠距離の会話が可能ってことは、一旦離れ離れになるってこと?」
「いえ。あなたの都市伝説との会話に応用できないか、という推測です。実際に何か喋ってみていただけますか?」
『あーあー、こほん。こんにちわ、エイダ!』
「こんにちは、ミズキ。どうやら問題なく作用しているようですね。」
『なるほど。言葉を直接伝えられるのは便利ですね。』
「わからないことがあれば適宜聞いてください。そちらの声は聞こえておりますので。」
『じゃあ早速聞くが、この変な模様は何だ?』
「え、タイガ?模様って何のこと?」
『主、“こちら側”を見ていただけますか。』
タマモの言葉に悠司は目を閉じ、自分の中に意識を向ける。
悠司の心の中――真っ白な空間の中で、三匹の獣が、青く光る魔法陣を囲んでいた。
「魔法陣…?僕は何も感じないけど…。」
「では、それに関係しそうな説明を先に行いましょう。」
「え、これが何かわかるんですか?」
その言葉に、悠司は目を開いてエイダに向き直った。
「CoAというゲームにおいて、橘野悠司のジョブは「サマナー」。従者を使役し、『召喚』と『憑依』による戦闘を行います。」
「えっと、『憑依』はいつもやってるアレだよね?『召喚』って…僕がタイガたちを?」
「はい。おそらく橘野悠司の中にある魔法陣は、それに関係するものだと思われます。」
『この中に入れば、俺自身が外に出られるってことか?』
「実際にやってみないとわかりませんが、おそらくそういうことだと思われます。」
『それって主様と一緒に冒険できるってコト!?じゃあ一番手ミズキ、行きますっ!』
言うが早いか、ミズキは魔法陣の中へ飛び込んだ。
同時に魔法陣が光を放ち、ミズキの姿が悠司の中から消失した。
その直後、悠司の目の前に魔法陣が展開し、そこから真っ白な猫が現れた。
しばし硬直する、悠司と白い猫。
「み、ミズキ…だよね?」
「……主様だーーーー!!!」
真っ白い猫は一瞬にして少女の姿に変わり、悠司に抱きついてきた。
「ホントに主様と一緒になれた!あぁもう幸せだよぉ!」
「そ、そんなにはしゃがなくても、寝るときいつも会ってるじゃないか。」
「それとはまた別なの!ああ、主様暖かいよぉ…主様柔らかいよぉ…主様の匂いがするよぉ…。」
悠司は苦笑しつつも、自分の胸に顔を埋めているミズキの頭を撫でてやる。
そして二人はふと、撫でる手、撫でられた頭に違和感を覚えた。
「ん?」
「あれ?」
二人がその違和感を確認するより早く、悠司の目の前に魔法陣が二つ展開する。
そしてそこから、人型をとったタイガとタマモが姿をあらわした。
「…てめぇらは何いちゃついてんだ。」
「仲が良くていいじゃないですか。…あら?」
タマモはミズキをじっと見ると、次いで隣に立つタイガを見上げた。
そして最後に、自分の頭に手を伸ばした。
「これは…。」
ミズキとタイガも“ソレ”に気付き、自らの頭に手を伸ばした。
頭部の“ソレ”に触れると、続いて自らの腰に手を伸ばした。
そして、腰についた“ソレ”にも触れた彼らは、お互いを見回した。
彼らの頭と腰には、いつもの彼らには存在しないもの――すなわち、獣耳と尻尾が生えていた。
「なんか生えたーーー!」
「なっ…おい黒服!これ消す方法さっさと教えろ!」
『容姿に関しては、それがこの世界の仕様です。諦めてください。』
「ふむ……。こういうものだと割り切るしかありませんね。…少々気恥ずかしいですが。」
ぴこぴこふりふりと、自らの狐耳と9つの尻尾を揺らすタマモ。
タイガと違い、既にこの状況を受け入れているようだ。
「えっと…みんな可愛いと思うよ…?」
「んー…主様がそう言うなら、あたしはこのままでいいやー。」
「ふざけんな!こんな格好で歩けるかッ!俺は主の中に戻るぞ!!」
「ちょ、ちょっとタイガ待っ……」
言うが早いが、タイガの足元に魔法陣が展開し、その姿が消えた。
それと同時に悠司の意識が引き込まれ、タイガが表に出てきた。
「…へっ、いつもみてーにこうやって主の体で動けば、あんな格好に…は……。」
絶句するタイガの目に留まったのは、近くにあった防具屋の表に置いている姿見。
そこには先ほどのタイガと同じく、犬耳と尻尾が生えた悠司の姿が映っていた。
「…これがこの世界の仕様という奴ですか。」
『ま、まさか自分のこんな姿を見ることになるとは思わなかったよ…。』
「大丈夫!主様もかわいいよ!」
『ええっと、ありがとう…でいいのかな?』
「…もういい。俺は中に戻る。あとはてめーらで勝手にやってろ。」
直後、タイガが中へ戻り、悠司が外に出てくる。
そして容赦なく襲い掛かる筋肉痛に、カクンと膝を付いた。
「い痛…ッ。こ、これはいつもと…変わらないみたい…ッ!」
「むー……。あ、そっか。こうやって外に出られるなら、あたしたちが主様の代わりに戦えばいいじゃん!」
「この世界においては、それが一番いいかもしれませんね。」
『俺は出ねーぞ。あんな格好で歩けるかっての。』
「ちょっとー。任務なんだから、あんたも手伝いなさいよね、馬鹿犬。」
「タイガの扱いは後で考えるとして…黒服、それにエイダ。主を休ませたいのと、説明の続きをお願いしたいのですが、適当な場所はありますか?」
「了解しました。では宿屋へ向かいましょう。ナビゲートしますので、付いてきてください。」
「は、はい。わかりまし…ッ!」
立ち上がろうとした悠司は、激痛に声を詰まらせた。
「橘野悠司、歩けますか?」
「大丈夫、主様?あたしが支えて……。」
そこまで言いかけてミズキは、イタズラを思いついた子供のようにニヤリと笑った。
「ハイ提案ー。馬鹿犬が主様をおんぶすればいいと思います!」
「ああ、それはいいですね。ではタイガ、こちらに出てきてください。」
『な…ふざけんなッ!何で俺がそんなことを……!』
「折角の機会ですし、たまには主の負担を肩代わりしてあげなさい。」
「あんたのせいなんだから、責任取りなさいよねー。」
「い、いいよタイガ。これくらいいつものことだからっ…!っ痛……。」
『……あぁぁぁぁぁあ畜生ッ!!』
悠司の目の前に展開する魔法陣。
かくして冒頭にある、犬耳尻尾を付けた青年におぶられる少年、という図が完成した。
・
・
・
時間軸を冒頭に戻す。
とまれ、宿屋に到着した一行。
その一室に通され、悠司はタイガの背からベッドへと居場所を移した。
「ありがとう、タイガ。もう戻っても大丈夫だから。」
「……いや、いい。」
「えっ、さっきまであんなに嫌がってたのに?」
「このイラツキ……俺自身の手で発散しねぇと気が済まねぇ…。」
拳を握り締め、歯を食いしばり、今にも襲いかからんばかりの雰囲気をかもし出している。
「た、タイガ、落ち着いて、落ち着いて……。」
「カルシウム足りてないんじゃないの?骨食べなよ骨。」
「ミズキは煽らないでッ!?」
「ああ?てめぇで発散してやろうか雌猫?」
「タイガも乗らないでッ!?」
「その拳は向けるところが違うでしょう?エイダ、説明の続きをお願いします。」
「はい。しかし、CoA世界の説明は実際に体験した方が早いと思われますので、先に任務の説明をしましょう。黒服、お願いします。」
『では、任務の説明を行います。今回の任務は『Cup of Aeon』、通称CoAに発生中の異常調査、それに伴う犠牲者の救出、および異常の解決です。今後の具体的な行動内容は……』
―――悠司たちのCOAの旅は今、ようやく入り口の門をくぐった。
―――この先、悠司たちは誰と出会い、何を見つけ、どんな結末を迎えるのか。
―――それはまだ、誰にもわからない。
【ケモノツキ_13話_異世界への訪問者】 終
雑談に夢中でうっかり投下を忘れてました
悠司&エイダ、なんとこさCoA入りです
そして寝る
ケモノさん達、かわいいなぁ
耳とか尻尾を触ったら……ビクッ!ってなるのかなぁ
もふもふ、もふふ
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:53:22.31 ID:6oR4GTya0
乙です!
ミズキちゃん可愛えええええ!!!
COAにようこそ悠司くん!(順番逆ッ
彼らの活躍にwktkせざるを得ないぜ!
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:02:41.42 ID:6oR4GTya0
>>624 なんか電波が・・・
(ミズキ>主っ、さまぁ・・・み、耳ばっかりっ、さわっちゃらめぇv
ケモノツキの人に紐無しバンジー焼き土下座あああああorz(そして粛正されました
都市伝説の回復力だけど
怪我がその場で見る見るうちに治癒していくなんてことは
回復能力持ち以外では有り得ないと考えているけど
食事とって、一晩寝たら全回復!……というのは十分に有り得ると思っている
これってゲームや漫画ならよくある話だけど
恐ろしい程の回復力だよね
こういう部分が地味に怖いよ、都市伝説
一般人視点で書いたらホラーだよ、でも一歩間違えばギャグだよ
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:03:29.33 ID:LBy1f7KV0
ほ
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:34:10.09 ID:dgrhLmq6P
ら
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 06:14:57.11 ID:dgrhLmq6P
、
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 07:35:17.42 ID:LFZ6k63f0
ケモノツキの人乙でした
つまりあれか、ケモミミ☆パラダイスってところか
>>627の人の話で思い出したけど
都市伝説って人のご飯喰う奴と喰わない奴が居ると思うのよね
上位個体ほど本物の生物に近いから飯喰うけど
発生したばかりの、たとえば口裂け女とかは人を襲って噂されることそのものが栄養補充みたいな
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 07:49:26.94 ID:6oR4GTya0
望みちゃんがパンクブーブーを助ける夢を見たんだが
>>627 骸骨系は是非やってほしい
牛乳飲んで一発再生みたいな
>>631 あー、言われると確かに
喰う必要ないけど付き合いで食べてるとか
元人間の人達は食事いるっぽいなぁ
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 07:58:01.58 ID:jN2utlsQQ
>>632 骸骨の飲食…
ギャグなのかホラーなのかwwwww
ho
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 10:27:04.95 ID:jAhrCR+r0
おっはよー、ケモノツキの人乙
OK,ナイス獣耳wwwwwwwwwwwwwww
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 11:12:52.17 ID:LFZ6k63f0
>>632 謎すぎるwwwww
元人間組は多分食事必須だよね
身体の造りとか
>>633 胃がもたれますねえ
ま、私もたれる胃がないんですけどヨホホホホホ!
ってことか
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 12:11:40.07 ID:LBy1f7KV0
ほ
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 13:12:21.66 ID:sUBriOla0
都市伝説の食事かぁ
俺は、個体毎で違うイメージで考えてから何とも
逆に、食事とらないと死ぬ個体もいると思うんだよね
人間食べる系のとかは、一定期間人間を食べないと体保つの大変そうだし
639 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 13:28:07.84 ID:F2jo0pSl0
シャドーマンの人のwiki読んでて思ったんだけどここってクトゥルフ系もありなの?
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 13:32:23.30 ID:sUBriOla0
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 13:47:02.34 ID:6oR4GTya0
噂のシャドーマンの人降臨(
>>639 神話系OKだと聞いて調子に乗ってごめんなさいorz
スライムが欲しくてつい・・・
てか見てくださってどうもありがとうございます!
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 13:53:04.23 ID:sUBriOla0
>>641 まぁ、クトゥルフ神話は、ギリシャ神話とかと違って近代の創作神話だからね
だから、「OKなん?」って質問がくるんだと思ってみたり
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 13:56:58.98 ID:6oR4GTya0
>>642 道理で電子辞書で「クトゥルフ」が出ないと思ったらそういうことか!
ごめん、クトゥルフについて一から勉強し直してくるorz
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 13:57:46.54 ID:F2jo0pSl0
こんな時間からでも書き込めなくなることあるんだなぁ
>>641 そのうちクトゥルフもので書こうと思ってたところです
無定形はいろいろロマンがあるよね
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 13:59:57.93 ID:sUBriOla0
>>643 まぁ、実際の神話とか伝承をクトゥルフ神話の中に独自の解釈を織り交ぜて取り込んでる場合もあるしね
>>644 wktkしてるぜ!
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 14:15:21.98 ID:sUBriOla0
ネタ書きつつほ
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 14:15:56.08 ID:6oR4GTya0
ネット生まれで何でも知ってるWさんに聞いてきたぜ
なんか凄く謝りたくなったorz
>>644 不定形大好きです!(ぇ
タイトルの夢幻泡影とか初めて聞いたときに厨二のハートがくすぐられたようで(
そしてwktkしてますよ〜!
>>645 なるほど、そういえばヒュドラとかありましたね
ユキ・オトコは吹いたけどww
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 14:24:02.66 ID:sUBriOla0
>>647 実際の神話や伝承も盛り込んでる辺りが、クトゥルフ神話が近代の創作神話ではなく、昔から語られているように錯覚してしまうポイントだと思ってみたり
あれって、実際はシェアードワールドノベルズですからね
>>648 >あれって、実際はシェアードワールドノベルズですからね
そういや筆者が多かったなぁ・・・筆者達の才能に嫉妬orz
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 14:39:21.59 ID:sUBriOla0
>>649 そうそう、結構筆者多いですよ
だから、微妙に世界観とか設定の矛盾が(ry
>>650 >だから、微妙に世界観とか設定の矛盾が(ry
あ〜wwwwww
つまりその点ではこのスレの方が圧倒的に勝っていると(何の争いだ
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 14:55:34.82 ID:sUBriOla0
>>651 なぁに、安心しろ
自分で書いた範囲内でも矛盾だらけの俺がここに
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 15:12:28.27 ID:sUBriOla0
もうちょっとで投下したいほ
>>652-653 まぁ言った本人である俺もちょこちょこあるから気にしないwww(マテヤ
そしてwktkしてるの
655 :
歯車回る ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 15:23:49.76 ID:sUBriOla0
「誰が駒鳥殺したの?…それは私、と雀が言った…」
学校での仕事を終えた、帰り道
ついでに、食材の買い足しを済ませておこうと考え、商店街方向へと足を向けるディラン
「私の弓と私の矢羽で、私が駒鳥殺したの……」
童謡を口ずさみ、日が落ちた街を歩く
……学校街の高校の、英会話の講師としての生活
それにも、だいぶ、慣れてきた
しばし、人間と関わる事は、あまりしないようにしてきていた
…もう、あの時のような思いをしないために
ダレンを護ると言う、そちらの役目に集中することで、人間との関わりから遠ざかっていた
……けれど
馴染んできた、今の生活
人間との関わりが、一日一日の短い時間が…とても楽しく、幸せに感じるようになっていた
長く続く幸せであるとは、思っていない
自分は、淫魔だ
人間ではない
老いぬ自分が、一箇所に長くとどまれる訳がない
いつかは、ここを離れなければならないだろう
だが
また、同じように…人間に混ざって生きることも、いいかもしれない
もちろん、ダレンを護ると言う役目を、忘れた訳ではないが…
656 :
歯車回る ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 15:25:26.88 ID:sUBriOla0
「誰が駒鳥死ぬのを見たの?…それは私、とハエが言った……」
……人間との生活に、慣れてきていたが、故に
油断が、出てきていたのだろうか
ディランは、近道をしようとして、やや人気のない路地裏へと入っていった
今までならば……特に、こう言う学校街でならば、凶悪な都市伝説を警戒し、使わないような道
そこに、足を踏み入れてしまって
「私の小さなこの目玉で、私が駒鳥死ぬのを見たの……」
すぅ……と、近づいてきた気配に
向けられた、剥き出しの殺意に
瞬間的に、体が動く
轟音と共に、一瞬前までディランがいた位置に、何かが叩きつけられる
びしぃ…っ、と、アスファルトの地面に、ヒビが入った
淫魔としての、高い身体能力
反射神経だけで、背後からの不意打ちを避けてみせる
戦闘は得意ではないが、その程度はできる
「……だ、れ?」
日が落ちて、暗くなってきた中…相手の顔は、よく見えない
ただ……まだ幼い、少女に見えた
己に叩きつけられようとしていたのは、木製の……巨大な、十字架
(…「教会」…っ!?)
しえん
658 :
歯車回る ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 15:29:40.09 ID:sUBriOla0
ぞくり、全身に悪寒が走る
日本の……それも、学校街には、「教会」は不介入の立場をとっていたはず
なのに、どうして?
そして
問答無用で、攻撃してきた様子から
こちらの正体に、気付いている…!?
正体を知られているならば、元の姿に戻っても構わないだろう
ディランは、正体を現し、空を飛んで逃げようとした
だが、その直前
「やっと、見つけました」
かけられた、その声に………体が、硬直した
思考が、停止する
暗闇の中…近づいてきた、その幼い少女の姿に
ディランは…見覚えが、あったのだ
「……ニーナ、ちゃ……」
「「教会」の敵、汚らわしき悪魔!ようやく見つけました。今こそ、成敗してみせマスっ!!」
ぶぅん!!と
轟音と共に振り回される、巨大な十字架
ニーナの姿に思考を奪われていたディランに、その攻撃を避ける事は、できず
「………っ、ぁ……」
しえーん
660 :
歯車回る ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 15:32:22.85 ID:sUBriOla0
脇腹に、横殴りの攻撃が直撃した
骨がきしみ、折れる音が響く
ディランの細い体は、アッサリと殴り飛ばされ……建物の壁に激突し、ずるずると地面に倒れこむ
「か、は……」
けほけほと、口から血が吐き出され、アスファルトの地面を汚していく
ディランがニーナと呼んだその少女は、ゆっくりと……止めを刺そうとするように、ディランへと近づいていく
「まだ、生きていマスか………ならば、止めを」
ゆっくりと、振り上げられる、巨大な木製の十字架
ディランの頭蓋へと、狙いが定められ
振り下ろされようと
「………良かっ、た……」
「…?何を」
激痛に苦しみ、血を吐き続けながらも
ディランは、ニーナの姿を見上げて
………ほっとしたように
小さく、笑った
「良かった……生きて、いたんだね…」
「……っ、何を、言っているのデス?」
「…バーナードが、あんな、死に方して…………君も、殺されたかと、思ってた…」
し〜えん
662 :
歯車回る ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 15:35:09.93 ID:sUBriOla0
死んでしまったと、そう思っていた
……だが、生きていて、くれた
その事実に……ディランは心から、ほっとしていた
その、生きていた、少女に
今、自分が殺されようとしているのに、だ
「っ何を、言っているのデス!?………お前が………私のお爺ちゃんを、殺した癖に………っ!!」
剥き出しの憎悪と殺意を、真っ直ぐに叩きつけられ
ディランは、心底申し訳なさそうな顔をする
「そう、だね……僕が、あんな事、喋らなければ………きっと、バーナードは、死なずにすんだ……僕が、彼を、殺したような、ものだよ」
「………っ」
ディランの言葉に、少女は……ニーナは、迷う
おかしい
何か、おかしい
こいつは、何を言っている?
こいつが、祖父を殺したのだ
それを、何故、こんな言い方をしている?
殺したようなもの、じゃ、ない
こいつが、祖父を殺したのだ
自分は
その現場を
663 :
オールペクター ◆kS6ExGasMzSz :2011/01/06(木) 15:35:30.99 ID:hNCTEvDK0
しえんー
665 :
歯車回る ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 15:37:27.80 ID:sUBriOla0
見
て??
「………っ」
激しい頭痛を覚え、一瞬、眩暈を感じたニーナ
一瞬……何か、思い出そうとして
しかし、本能が、それを思い出すのを、拒絶する
「……こ、の……悪魔、が…………私は、惑わされない!!」
改めて、十字架を振るいあげる
今度こそ、今度こそ
目の前の淫魔に、止めを刺すために
祖父の仇をとる為に
「お爺ちゃんの、仇………っ!!!地獄の底へと、堕ちなさいっ!!!」
激しい頭痛を感じながらも、それに耐え
蘇りそうになる、暖かい記憶を押さえつけながら
ニーナは、ディランの頭蓋に向かって、巨大な十字架を、振り下ろした
to be … ?
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 15:38:52.40 ID:sUBriOla0
ディランがピンチっぽいシーン
時期的には、正月明けってか、冬休み明けって所でしょうか
あ、ちなみに、ディランは死ぬ予定ないです
むしろ、ここに駆けつけた人によってはニーナの死亡フラグの方がマッハです
まぁ、ダレンの親衛隊の誰かか、ザンが駆けつけたら確実にニーナ殺されるな
乙です〜
ヒャッホゥ、何この溢れ出る早く助けなきゃニーナちゃんかディランちゃんが危ない臭www
しかもニーナちゃんの方が危ないことが明言されてるし・・・
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 15:48:25.37 ID:sUBriOla0
>>667 >しかもニーナちゃんの方が危ないことが明言されてるし・・・
大丈夫だよ
ここが、ニーナの第一次死亡フラグだから
ここを乗り越えても第二次が待って(ry
むしろ、そっちを乗り越えても発狂フラグが(ry
>>668 第2次はあれか・・・思い出しちゃうのか・・・
そっちはどうにもならんからなぁ・・・
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 15:52:21.39 ID:sUBriOla0
>>669 大丈夫だよ
第二次はエイブラハム達が来日した後になるから
>>670 ほぅほぅ
てことはある意味来るまでの間が問題かなぁ・・・
(裂邪>今気づく。もしかして俺、トラウマを助ける的な展開?
ニーナちゃんどうなってもいいの?
(裂邪>デスヨネー
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 16:00:23.49 ID:sUBriOla0
>>671 ま、今回の襲撃事件直後ですがね、来日は(ボソ
>(裂邪>今気づく。もしかして俺、トラウマを助ける的な展開?
助けても別に構わないのよ
ニーナがどうなるかは知らん
>>672 >ま、今回の襲撃事件直後ですがね、来日は(ボソ
なん・・・だと・・・
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 16:09:16.32 ID:sUBriOla0
>>673 ニーナのディラン襲撃で、事態は動いていきます
だから、タイトルが「歯車回る」じゃないでつか
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 16:26:02.49 ID:sUBriOla0
ほ
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 16:44:34.49 ID:sUBriOla0
も
677 :
生きとし生けるもの皆が陥った謀略の間 ◇DkTJZY1IGo (代理):2011/01/06(木) 16:49:33.69 ID:sUBriOla0
COAの荒野で、ウムブウルは戦慄していた。
眼前の中空を漂う邪竜……全ての元凶であるサマエルの契約者サイレスは
予期せぬはずの増援も自らの不利も意に介さず
「全身から満遍なく殺気を放っておる……」
更に殺気と悪意を高めているように見受けられる。
全身が鋭い針でつつき回されるようだ。
「普通余分な殺気は隙となるものだがこの竜にその理屈は通じぬな……」
思わぬ増援に油断し
一瞬でもミカエルとルシファーのガードが下がろうものなら
一瞬でサイレスはウムブウルと直希を殺す。
そうなればルシファーとミカエルは送還される。
678 :
生きとし生けるもの皆が陥った謀略の間 ◇DkTJZY1IGo (代理):2011/01/06(木) 16:50:38.78 ID:sUBriOla0
ウムブウルは直希とトライミニッツライトニングに鋭く言った。
「絶対に迂闊に飛び込むな!あ奴はまだ策を持っておる!
傲慢な余裕は捨てたほうが良い!
それに生け捕りなどと言う生易しい考えで倒せる相手ではない!
可能なら一時撤退も視野に入れるべきだ!」
「外野は余計な入れ知恵をしなくていいっす」
サイレスの鋭い刃が直樹とウムブウルに放たれる。
そしてサイレスはトライミニッツライトニングを挑発した。
ガードをだらりと開け、急所を剥き出しにした。
「ほれ、どうしたっすか?かかってこないんっすか?
しっかしあんたも哀れっすよねえ。エイブラハムはあんたの事なんか本当はどうでも良いのに。
あんたも、あんたの大切な人も諸共に斬り捨てる気まんまんっすよ?
信仰は守れるかもしれないっすけどそのために一体何を捨ててきたっすか?」
679 :
生きとし生けるもの皆が陥った謀略の間 ◇DkTJZY1IGo (代理):2011/01/06(木) 16:51:30.67 ID:sUBriOla0
「いかん挑発に乗っ」
ウムブウルがそのセリフを言い終える前に
トライミニッツライトニングは一筋の光となって
サイレスの心臓を貫こうと飛んだが……
サイレスはにやりと残酷な竜の牙を剥き出しにして嘲弄の笑みを深めた。
「雷は、散るもんっす。特に、神の真意を実行するものの前では。
神の意思を実行するものに神罰を与えようなんて土台無理なはなしっす」
サイレスの前に黒い呪詛の符でつくられた分厚い壁が出現し
トライミニッツライトニングはそれを突破できなかった。
ゴッ、っと硬い音が響き渡り、トライミニッツライトニングが強く弾き返された。
「封印の符。都市伝説の力を封印する符をこうやって並べれば
呪詛で作られた、都市伝説に対する鉄壁の守護になるっす
如何に強くても都市伝説である限り、これの影響はまぬがえれえないっす」
680 :
生きとし生けるもの皆が陥った謀略の間 ◇DkTJZY1IGo (代理):2011/01/06(木) 16:52:30.89 ID:sUBriOla0
サイレスが哂う。
「スピードが速いってのも考えものっすよねえ……
ぶつかればそれがそのままダメージとして自分に帰って来ちゃうんっすから
まあ、そのスピードとパワーで大抵の物を粉砕できてきたあんたが
そんなこと知るわけないっすけどねえ」
喉と心臓を尻尾でトントンと突付きながらサイレスはさらに哂う。
「神ばっかりに囚われて脳味噌呆けちゃったんすか?もうちょっと頭つかうっすよ。
急所を狙ってくる事は目に見えてたっすから後はタイミングだけの問題っす
だけど……まあ、今日はこのくらいにしとくっすかねえ……」
邪竜は傲然と宙に舞い上がる。
傲慢さと悪意で胸を一杯に膨らませながら。
東の方へ飛び立とうとしている。
to be……
681 :
◆atEiGtpnMvXy :2011/01/06(木) 16:55:07.72 ID:Oqq/wEyM0 BE:802180962-2BP(1652)
厨二精神を全うしていらっしゃるの皆様方。
方針が決定致しました。以下でお願い致します。
powered by ★VIP警察
※1ヶ月以上にわたる長期のパートスレはスレタイの末尾部分に▲を入れてくださるようお願いします。
※糞スレは『任意で』スレタイの末尾部分に▼をご記入願います。
※これにより専ブラ等でのあぼーんが簡単になります。
※またパートスレは『sage推奨』でお願いします。
例1:VIPPERアイドル「しょこたん」こと中川翔子さんと愉快な仲間たち。▲▼
例2:迷い猫オーバーラン! はっぴぃにゅうにゃあ中毒者隔離スレ▲
682 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 17:16:43.88 ID:sUBriOla0
ほ
夜戻ってきてもスレ残ってますように
ほ
ドゥッピッ
ピッパラ トゥルリラ
∩___∩ 何だか色々あったクマがクマは元気クマー
| ノ ヽ でも何だか知らない内に2chが大変な事になったっぽいクマー
/ ● ● |
. (( | ( _●_) ミ ・ ここで一句、知るか馬鹿 そんな事より オナヌーだ
彡、 |∪}=) ,ノ ∴
/ ヽ/^ヽ ヽ 。 決まったクマ...完璧なまでに決まったクマ...
| ヽ \ | てなわけで今年もお邪魔するクマー
| ヽ__ノ あ、あと裂邪...キミは夜道気をつけろよ...タマを二つ無くさん様になァ...クマーッッ!!!
お前食われてただろwww
さて、また大規模規制か・・・
686 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 18:37:27.74 ID:LFZ6k63f0
クマー!熊じゃないか!
生きていたのか!
さあ鍋になれ!
ところで皆さん、お話のメタって何処まで有りだと思うよ
個人的には狂人の戯言レベルが限界だと思うのよね
アメコミのデッドプールとか
皆さん乙です
ケモノツキ組は全員が獣耳とか生やせば幸せになれると思うの!
俺が!
ニーナとディランでなにやら情報に錯綜がありますね
ニーナの無事を祈らざるを得ない
COA敵さんが姿を見せて
これから直希が皆に伝えにいくのかな?
>>686 キャラによりますかねーやっぱ
観客がいる事を悟ってるように振舞うキャラがいようと
ギャグの一環でページの外に語りかけてみるキャラがいようとそれはそれでいいと思う
その設定を個人で使う分には
689 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 19:18:26.03 ID:oCCaKHOc0
>>686 メタは、シリアスかギャグか、とかキャラによると思うの
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 19:30:51.94 ID:LFZ6k63f0
個人的にはギャグで
「ギャハハ、キャラ人気投票で恐ろしいことになるぜ」とか
「アニメ化したらクレイアニメだな、グロシーンも可愛く仕上がる」とか
その程度に抑えるべきだと思うのよ
まあそれこそ人次第なのだけど
691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 19:35:47.23 ID:oCCaKHOc0
一応、チラ裏とか以外にはあまり出してないけど、俺が書く「かみさまのおちゃかい」辺りあhシリアスだけどメタ率高いしなぁ
まぁ、雰囲気とかにもよると思うの
まあ、世界構造そのものがメタ的な
たとえばうみねこ的なあれとか
あと戯言シリーズ的な「俺は(作品)世界の終わりを見たいんだ」とか
メタを中枢に持ってくるのはどうなんだろうとか
お話を書く上で考えちゃうわよね
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 19:48:06.51 ID:oCCaKHOc0
>>693 メタを作品の中枢にもってくるのもありっちゃありかな、と思ったり
ただ、シェアードワールド系だと、ちょいと難しいのかも、とも思ったり
そんなところかねえ
696 :
噛み合う歯車、噛み付く猛犬 ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/06(木) 20:18:56.43 ID:oCCaKHOc0
振り下ろされた十字架
それを避けようとしないディラン
彼女の気が済むのであれば
彼女が救われるのであれば
それで良いと思っていたのかもしれない
だけど
「そんなの知った事かっ!」
横合いから飛び込んできた黒い塊が、十字架を思い切り殴り飛ばして建物の壁面に叩きつけた
「どこの誰だか知らないけど、うちの教師を虐めてんじゃないわよ!」
「く、繰ちゃん……何でここに」
「私も夕飯の買出し。帰り道で見かけたら、鼻歌交じりでふらふら路地裏入ってくから心配になって来てみたら……何やってんのよもう」
髪の毛をしゅるりと戻し、ニーナとディランの間に割り込むように立つ
「悪いけど、この町は『組織』の管轄下よ。余所者が何かしたいなら上に話を通して頂戴」
別に『組織』にそんな権限があるわけではないし、この町には『首塚』など他の勢力も多々存在している
単に脅し文句とその場凌ぎのつもりで、思いつきで言ってみただけだ
「『組織』は、その邪悪な淫魔を手駒にしているというのデスか。それとも……あなたが個人的に、その淫魔に篭絡されたのデスか」
「ばっ、バカ言ってんじゃないわよ!?」
真っ赤になって怒鳴り返すその表情から、既に語るに落ちるどころの様子ではないのだが
冷静に見れば、淫魔により性奴とされたような反応とは全く違うのは明らかである
「これ以上こいつに手を出そうってんなら、痛い目見てもらうわよ! 私は手加減が下手だからね!」
697 :
噛み合う歯車、噛み付く猛犬 ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/06(木) 20:21:00.25 ID:oCCaKHOc0
「繰ちゃん、駄目っ……!」
ディランが止めるよりも早く、繰が髪の毛の拳をニーナ目掛けて放つ
だがその一撃は
「『ニーナへの攻撃は当たらない。当たらないったら当たらない、絶対にだ』」
完全に目測を誤った位置へと叩き込まれ、無駄に路地裏のゴミを撒き散らしただけだった
「何、今の……」
声がした方、ニーナの背後には黒服が一人
「悪いね、なんかそっちも『組織』の人間っぽいけど。彼女に何かあると俺が困るからさ」
繰とニーナの間に割り込むように星が立ち、サングラス越しに繰を見据える
「ま、とりあえずお互い落ち着こうよ。俺も状況はよく判らないけど」
「はん、下っ端黒服が吠えるわね。こっちは怪我人出してるのよ? 理由と詫びぐらいは置いていってもらわないと落ち着けないわね」
再び伸びた髪の毛が、ぎちりといくつもの拳を形作る繰
女郎蜘蛛の一件以来、躊躇すればろくな事にならないのは判っている
見知らぬ相手に手加減をするような性分ではないが、ディランが攻撃を躊躇っている以上は迂闊に手を出すわけにはいかない
「色々込み入った事情があるみたいだし、正直俺もよく判ってないんだけどね。判るまで保留って事にしといてくんない?」
黄金色の粒子を漂わせ、咳払いをして喉の通りを良くする星
星にとってはこの現状よりも、むしろニーナの様子の方が気掛かりで仕方ないが、とにかく現状は彼女を守る他にやれる事は無い
結果として互いに傷付け合う事こそ無かったものの、完全に膠着状態に陥ってしまっていたのだった
698 :
かくされたもの ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/06(木) 20:24:51.79 ID:oCCaKHOc0
「うわー、ここ本当に下水道?」
「ふぉーとれすー」
あちこちに築き上げられた廃材のバリケード
常備された人骨で作り上げられた武具
頭蓋骨製のランタンがあちこちに掲げられ、持ってきた懐中電灯は使う必要が無いほどだった
本来なら流れる汚水に浸かって歩かなければいけないのだろうが、彼らの生活圏はすのこ状の板が水よりもやや高い位置に渡されていた
「こりゃ増水時の対策とかもしてるかな? 相当強い能力者を見つけないと、あの作戦もやばいかも」
「ふぃふてぃーふぃふてぃー」
すのこ状の板張り床は、想像以上に音を響かせる
汚水を掻き分ける音と違い、誰かが歩いている事を明確に報せる構造となっているようだ
「僕らじゃなきゃ、速攻アウトだねこりゃ」
「でんじゃらすー」
携帯端末で地図を確認しながら、居住区の中心位置を目指すπ-No.0と1
途中、武器を提げて狩りに出ていく一団と擦れ違ったり、獲物を担いで戻ってきた一団に追い抜かれたりしながら
「生きてる人がいたら助けたりもしたんだけどねぇ」
「なむあみだぶつー」
彼らは効率的に作業を進めるために、仕留めた獲物はその場で解体する
運び込まれたものは大半が運搬しやすいサイズに加工されており、たまに混じる小柄なものも生存の可能性は全く無いものばかりだった
「さて……本命、『ソニー・ビーン一家』の家長の居場所を突き止めないとな。あいつを仕留め損なったら元の木阿弥だ」
「えんどれすー」
「また世界中を駆け巡って捜すのは大変だからね。君の為にも、ここで終わりにしなきゃ」
「はっぴーえんどー」
「うん、そうなるように頑張ろう」
そんな他愛も無い会話をしながら歩み続けた先に、明らかに生活感がある空間が広がっていた
通路よりも明らかに多くの明かりで照らされたやや開けた空間
吊るされた血の染みや裂け痕のある衣料品
様々な容器に詰め込まれた、塩漬けされた肉
剥ぎ取られた皮や搾り取られた油
武器に加工するために丁寧に付着物が削ぎ落とされた大量の人骨
積み上げられた、奪い取った金品や嗜好品が無造作に詰め込まれた箱
699 :
かくされたもの ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/06(木) 20:26:12.68 ID:oCCaKHOc0
どこから換気しているのか、勢い良く炎が燃えるかまどが並び、その上には材料を知らなければ食欲をそそられる煮込み料理の鍋が並んでいた
食事の支度をしているのは、まだ幼い身体つきの少女達
身の丈に合わない大振りな肉切り包丁を振り回して一生懸命材料を加工し、大鍋の中身を掻き回し味を確かめては調味料を放り込んでいた
そんな微笑ましくもおぞましいお手伝いの光景を尻目に、二人は更に奥へと進む
武器を加工する者達
言葉の練習をする者達
衣服を繕う者達
次の狩りの方針を練る者達
一族を増やす営みを続ける者達
様々な光景を見送りながら、二人はやがて『ソニー・ビーン一家』の子供達すら近寄らない一角へと踏み込んだ
そこは一族の長、家長である『ソニー・ビーン』の居住区
一族の全てを知り、一族の全てを知らせる食人強盗団の首領
本来なら全盛期には壮年に差し掛かるはずのその男は、都市伝説と化した影響か青年と言っていいほどの若さを保っていた
何処から運び込んだのか上質なソファーに身を沈め、塩漬けの干し肉を食みながら優雅に読書に耽っていた
「うーん……この位置だと、ほぼ全域から仕掛けないと届かないな。そういう場所を自分の住処に選ぶ辺りは流石って事か」
地図と現在位置を確認し、改めて下水道大迷宮の全景を見ながら眉を顰めるπ-No.0
「戻って計算と人員確保だ。これだけ大規模な居住区ならそう簡単には動かないだろうけど、早めに行動しないと被害が増える」
「はりーあっぷー」
二人は踵を返し、来た道を足早に戻っていく
はずだった
「っ!?」
腕を引っ張られ、その場に引き倒されるπ-No.1
「気付かれた!? そんなはずは!」
「迂闊だったな。随分と隠れるのが上手くなったようだが……私には無意味だ」
その言葉も視線も、π-No.0には向けられていない
腕を掴んだπ-No.1にだけ向けられている
「よもやお前の方から出向いてくれるとはな。お前が得たその力には、とても興味があったのだよ」
くくっと喉を鳴らせて笑う『ソニー・ビーン』
すぐさま拳銃を抜くπ-No.0だが、それを見たπ-No.1が制するように首を振る
隠蔽・偽装能力が桁外れの二人だが、戦闘能力は人並み以下である
700 :
かくされたもの ◇W5H6Y5Rl3M (代理):2011/01/06(木) 20:28:39.84 ID:oCCaKHOc0
一撃で仕留める事ができなければ、殺人のプロである『ソニー・ビーン』は『認識できない敵がいる』と知り感知できずとも反撃してくる可能性が高い
「じぇのさいどー」
作戦は実行し、自分諸共この男を、この一族を倒せ
この機を逃せばまた姿を隠す
二人とも死ねば追う者が居なくなる
「ははは、何故に我々を憎む。お前が親しくしていた少年を喰った事か? 果実や花を贈ってきた若者を喰った事か? パンを与えてくれた夫婦を喰った事か?」
π-No.1は、怒りでも憎しみでもない、哀れみを込めた視線を『ソニー・ビーン』に向ける
「ふぃなーれー」
「終わりを求めるのか。我らの終わりは、男は八つ裂きにされ女は火炙りにされる皆殺し。それを求めるというのか」
未だ余裕の笑みを浮かべた『ソニー・ビーン』は、π-No.1の襟首を掴み嘲笑う
「終わらんよ。我が一族は増え続け、奪い続け、喰い続ける。それが世界の望んだ我らの存在よ」
今にも絞め殺しそうな勢いだったが、それ以上の力が加えられる事は無い
「殺しはせんし、喰いもせん。それが我ら唯一の縛りだからな」
『ソニー・ビーン一家』は、強盗、殺人、食肉加工の教育を施された一族ではあったが
決して
決して
家族を殺す事も喰う事も無かったという
「帰ってきたお前を歓迎しよう、都市伝説と化した我が一族の末姫よ。唯一肉を食わぬ一族の異端よ。私以外で唯一生き延びた『前』の家族よ!」
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 20:41:40.35 ID:oCCaKHOc0
ほ
へ
703 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 21:22:14.09 ID:oCCaKHOc0
ほ
704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 21:36:58.51 ID:oCCaKHOc0
へ
何か話題を……!
706 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/06(木) 21:44:37.40 ID:oCCaKHOc0
【上田明也の探偵倶楽部after.act15〜「私女だけど旦那の実家がわりとセレブだった」〜】
笛吹探偵事務所にある茜さんの部屋の中。
そこにある持ち運べるサイズの量子コンピュータ。
それは対都市伝説対近代兵器の仕掛けが施されたF-No.製作の一品である。
対戦車ライフルを受けても無事なそれの名前はエメラルドタブレット。
OSの名もまたエメラルドタブレット。
茜さんが自ら作ったセキュリティ、動作速度、他OSとの互換性、全てにおいて完璧なOSである。
ただしブラウザはネットに転がっていた都市伝説「オペラ最強伝説」を使用している。
というより契約しなくても高い性能を発揮している「オペラ最強伝説」の為にエメラルドタブレットが作られたと言っても良い。
なんせ「オペラ最強伝説」は性能こそ高いが普通の素材で出来たコンピュータはそれを使うだけで簡単に壊れてしまう。
「さーて、今日は大変だったなあ……。」
エメラルドタブレットの前に座る部屋の主。
上田茜、もしくは笛吹茜。
旧姓は暮地、暮地茜。
彼女は赤い部屋というネット発祥の都市伝説なので途轍もなくパソコンが好きだ。
一日中座っていても飽きない程に。
そんな彼女が入り浸っているサイトがある。
【仮面ライダーT倶楽部】
最近放送中の仮面ライダーTのファンサイトだ。
マイナーなサイトなのであまり人も来ておらず、ファン同士でまったりチャットができるので彼女はそのサイトがお気に入りだった。
そして彼女は今日もチャットルームに入る。
「ねーちゃん、入室っと。」
707 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/06(木) 21:47:32.88 ID:oCCaKHOc0
チャット画面がエメラルドタブレットの液晶に表示される。
ねーちゃん「おいすー」
イナズマ「ねーちゃんINしたおっおっ」
【イーヴィル】「こん^^」
R-O-R"「ねーちゃん働けーw」
ねーちゃん「お前らまた雑談してたのかとww」
イナズマ「働けーw」
R-O-R"「冗談じゃなくねーちゃんは働くべき、ブレイクダンス踊ってうpしてる場合じゃない」
イナズマ「今回の新曲の振り付けはマジ神だった、女性にあんなパワープレイは普通無理」
ねーちゃん「イナズマのリリックもグーなのよ。言ってなかったけど、就職したよ><」
【イーヴィル】「ちょっとほっぺつねってきますね」
イナズマ「えっ、うそ……」
R-O-R"「大喜びじゃん!彼氏さんも絶対喜ぶって!」
ねーちゃん「いや、就職と言っても彼の所に永久就職、みたいな……。」
【イーヴィル】「なん…だと…?」
ねーちゃん「子供も出来た、胎教は仮面ライダーTサウンドトラックでやってる。」
R-O-R"「……つまりこの前の動画って。」
ねーちゃん「うん、中に居たぽいね。」
イナズマ「旦那発狂ものだな。」
ねーちゃん「撮影したビデオは全力で隠した。」
【イーヴィル】「マジで洒落にならんぞ……。」
708 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/06(木) 21:49:42.36 ID:oCCaKHOc0
「まったく……、ねーちんはもっと親の自覚を持つべきっと。」
キーボードを叩くのは「組織」のE-No.0であるエーテル・エリオット。
彼のHNは「R-O-R"」、ちょっと違うが化学式のエーテルを意識している。
「しかし結婚ねえ……。上田の所を思い出させるな。」
彼は仕事の合間の息抜きにチャットを楽しんでいた。
ねーちゃん「今日は旦那が激辛麻婆豆腐を作ってくれます><」
イナズマ「冗談だよね?そんな刺激物作る訳無いよね?」
ねーちゃん「大好物だお」
【イーヴィル】「頼むから釣りだと言ってくれ」
ねーちゃん「昨日は酢豚だったお、私料理できないから作ってくれたお」
「しかも旦那の料理のレパートリーもそっくりじゃねえか。
ねーちゃんマスクで顔隠して踊ってるから解らないんだよな。
本人だったら面識0ではないから解るけど……」
ねーちゃん「旦那の友達のお医者さんにはオッケーもらってるってばw」
R-O-R"「信じて良いよね!?良いよね!?」
ねーちゃん「うむ、任せてくれ。」
イナズマ「……ねーちゃんの旦那ってどんな人なんだ?」
【イーヴィル】「ニートしてたねーちゃん養ってるんだから余程人間できてるんじゃね?」
「ああー、言われて見れば気になるかも。ねーちゃんがあの赤い部屋だったら本当に笑っちまうな。」
そう思ってエーテルは「身バレしない範囲で旦那との出会いとかkwsk」
支援
710 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/06(木) 21:51:37.21 ID:oCCaKHOc0
ねーちゃん「私がニートしてたら本当に偶々マンションの隣の部屋で、何時の間にか通ってくるようになった」
R-O-R"「すげえ偶然だwwwww」
イナズマ「その人居なかったらまだニートしてたのかよwwww」
ねーちゃん「今でも働いたら負けだと思ってる。」
【イーヴィル】「親来たノシ」
イナズマ「おっつー」
R-O-R"「ノシ」
ねーちゃん「ノシ、それで今日は旦那の実家行ってきました。お義母さん怖かった(´・ω・`)」
イナズマ「姑にいびられたとか?」
R-O-R"「まあ元ニートの嫁はなあ……。」
ねーちゃん「いや、そうじゃなくて。」
イナズマ「?」
ねーちゃん「お義母さんは良い人だった(`・ω・´)私の身の上話でわりとほろほろと泣いていたレベル」
R-O-R"「じゃあ何が怖かったの?」
ねーちゃん「いや双子でさ。同じ顔の人が二人いるって怖くね?」
イナズマ「質量を持った残像!?」
【イーヴィル】「親居なくなったよ!よ!」
ねーちゃん「おかー」
R-O-R"「おか>< 今度は仕事オチ」
イナズマ「オカノシ」
【イーヴィル】「ノシ」
ねーちゃん「ノシ」
ねーちゃん「とりあえず旦那の家行ってお義母さんに会った訳よ。」
ねーちゃん「まあお義父さんと違って至って普通の良い人だった。」
イナズマ「義父の方は酷いの?」
ねーちゃん「ああー、此処だけの話ひどい。」
【イーヴィル】「kwsk」
ねーちゃん「ええー、あのあれよ、紅の蓮丈パパンみたいな冷酷な感じ。」
711 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/06(木) 21:52:53.40 ID:oCCaKHOc0
イナズマ「何ソレ怖い」
ねーちゃん「旦那も重度のロリコンだし、家も和風で立派だし、マジで紅ワールド、金持ちって居るのね」
【イーヴィル】「もしかして旦那さんって腕から角出したり刃物の扱いが異様に上手かったりサイボーグだったりする?」
ねーちゃん「ねーよwでも中華料理は上手い、家に居た専属のコックさんが教えてくれたそうだ」
イナズマ「コックの居る家とかwwwww」
ねーちゃん「コックさんの娘だとか言う女中さんも居たぜ。私と違って美人だったwwww」
【イーヴィル】「ねーちゃんも美人だよw」
イナズマ「ねーちゃんチュッチュ」
ねーちゃん「やめてイナズマさん、あたし人の妻なんです><」
イナズマ「サーセンwwwww」
【イーヴィル】「なんてこったい、浮気現場を押さえちまった……」
ねーちゃん「どうか旦那には……」
【イーヴィル】「俺は幼女の頼みしか効かんぞ!」
イナズマ「イブたんぶれねえなw」
ねーちゃん「イブたんマジ犯罪者、ウチの旦那と話合うと思うよ。」
【イーヴィル】「ねーちゃんの旦那ロリコンなの!?つまりねーちゃんもロリ……じゃねえよな、脚長いし」
イナズマ「あの姫様スカートの下から脚が出てきた時は驚いた」
【イーヴィル】「ねーちゃんマジ美脚」
ねーちゃん「ほめるなよ^^最近体型が崩れてきて困る」
【イーヴィル】「しかしロリコンなら何故ねーちゃんと結婚したのか。」
ねーちゃん「そこはほら、……出来たから覚悟決めたんじゃねえかと」
イナズマ「ねーちゃん策士……」
ねーちゃん「浮気の回数が目に見えて減ったよ。」
【イーヴィル】「えっ」
イナズマ「おっと、悪い奴なんじゃねえか?」
ねーちゃん「其処以外は完璧人間なのよぅ、なんていうか放っておけないタイプ」
【イーヴィル】「それは良い人なのか悪い奴なのか解らないな……」
ねーちゃん「偶に小さい女の子で性欲発散しないときついって言ってた。」
712 :
笛 ◇rpv9CinJLM (代理):2011/01/06(木) 21:53:49.84 ID:oCCaKHOc0
イナズマ「アウトオオオオオ!」
【イーヴィル】「わかり合えるのかも知れない。」
ねーちゃん「義父さんもなんか外で女作ってるって義母さんが言ってたのよね。浮気はきっと家系。」
【イーヴィル】「家系か!」
イナズマ「留まることを知らない性欲か」
ねーちゃん「スペック高い分代々短命に終わるからその前に子孫残そうとしてエロくなるとか言ってた」
【イーヴィル】「ジョースター!?」
イナズマ「いや、ジョースターは浮気しないからちょっと違う。」
ねーちゃん「とりあえずお前らライダーの話をすべき」
【イーヴィル】「そんな事言って、ねーちゃんが自分の旦那自慢したいくせに><」
イナズマ「自分語りには付き合うぜ。どうせ今日は暇だし」
ねーちゃん「お前ら優しいのな。」
R-O-R"「仕事\(^o^)/」
エーテルはチャットのログを見て気付く。
「うわ、これ絶対上田家だ……。」
ねーちゃん「おめ^^」
【イーヴィル】「おっつー」
イナズマ「乙カレー」
「恐らくなあ……、これ上田に伝えるべきなのか……?
『ねーちゃん、もしかして旦那さんの仕事ってこれから送るメールの職業ですか?』っと」
探偵と打ち込んだメールを送る、ねーちゃんから帰ってきたメールを確認する。
こうしてエーテルの胃痛の種がまた一つ増えるのであった……。
【上田明也の探偵倶楽部after.act15〜「私女だけど旦那の実家がわりとセレブだった」〜fin】
そしてエーテルの胃痛が増えたwwww
エーテル苦労しすぎだろwwww
714 :
歯車ズレる ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:08:18.98 ID:oCCaKHOc0
−−−げほげほと、咳き込んでいる声がした
慌てて視線をやれば、ディランが大量に血を吐き出している
骨が、内臓に刺さっているのかもしれない
いかに都市伝説とはいえ、早く治療すべきだろう
苦しむディランのその姿に……ニーナは一瞬、己の記憶に違和感を覚えた
気のせいだ、と切り捨てようとするが…しかし、一度生まれた違和感は、そう簡単には消えてくれない
『またね、ニーナちゃん』
「………っ」
脳裏に、記憶が蘇る
己の記憶とは、矛盾した、記憶が
『うん、僕は大丈夫だけど………気をつけてね、バーナード。そのお仕事が終わったら、ニーナちゃんと、ゆっくり暮らすんでしょう?』
…何故
何故、この淫魔が、親しげに、祖父と話していた?
『あぁ、わかってる、気をつけるさ……お前が、辛いの我慢して話してくれた事、無駄にしたかぁねぇからな』
何故、祖父は
淫魔と、親しげに話しているのだ?
715 :
歯車ズレる ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:11:47.31 ID:oCCaKHOc0
覚えのある記憶が、フラッシュバックする
血塗れで倒れている祖父
虫の息の祖父を、誰かが踏みつけている
…違う
自分が覚えている記憶と、違う
血塗れの祖父
それは、同じ
だけれども
祖父を
踏みつけているのは
誰??
「−−−−−−−−−−−っ!!」
痛い
痛い、痛い、痛い
記憶の矛盾
何かがおかしい
しかし、それに気付けない
気付きかけているけれど、思い出せない
思い出したら
716 :
歯車ズレる ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:13:49.27 ID:oCCaKHOc0
自分が、壊れてしまうような……
いや
もう、思い出しかけている
祖父を踏みつけ、自分を見下してきていたの、は
「……う」
「ニーナ?」
カタカタと、震え出したニーナ
ウッドドック伝説が、小さな木の十字架へと戻る……ニーナの精神が、不安定になったせいだ
カタカタ、カタカタと
ニーナは己の頭を抱えて、震え続けている
思い出しかけている、記憶を否定するように
こんなものが真実であるはずがない、と否定するように
「…う、違うっ!違う、違う、違うっ!!そんな訳、ない、エイブラハム司祭様が………あんなこと、するはずないっ!!」
「………っ!!」
エイブラハム
その、名前に……吐血が一旦収まり、呼吸を整えていたディランが…びくり、と体を跳ねらせて、反応した
だが、その反応は、ニーナの激しい変化の前に隠されてしまって
「いや、違う……嘘、嘘、嘘!!!そんな訳ないっ!!」
「……ニーナ!?」
717 :
歯車ズレる ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:16:03.88 ID:oCCaKHOc0
蘇りかけた記憶を、否定するように
蘇りかけた記憶から、逃げ出すように
ニーナは叫び、路地裏を飛び出した
「……っと!?」
突然、路地裏から飛び出してきた、小さな人影
それにぶつかりそうになって、慌ててヘンリーは数歩、後ろに引いた
続けて飛び出してきた黒い影が、小さな人影を追いかけていったのが、見えた
「…ニーナ?どうして、学校街に…?」
その、小さな人影が
自分が知っている少女であった事実に、首をかしげながら
ヘンリーは、ニーナが飛び出してきた路地裏に、何気なく視線をやって…
感じた、血の匂いに
倒れている、その人に
青ざめながら、慌てて駆け寄る
「ディランさん!?」
「先生!?……先生、どうしたの、先生っ!!」
倒れているディランの傍らで、少女(ヘンリーの直感的に、100%乙女)が必死にディランに声をかけている
……だが、その声は、ディランに届いていないようで
718 :
歯車ズレる ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:19:03.51 ID:oCCaKHOc0
「………い」
青ざめた、表情で
小さく、血をはきながら……ディランは、何か、小さな声で呟いている
「……ごめんな、さい……」
それは
過去の傷を、抉られたような
そんな、震えた。声
「御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい、御免なさい………」
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も
まるで、壊れた人形のように
ディランは、誰かに、何かに向かって
謝罪の言葉を、繰り返し続けていた
to be … ?
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 22:20:53.56 ID:oCCaKHOc0
三面鏡の人に焼き土下座orz
もうちょっと、事態を動かしてみた
ヘンリーが来たんで、ディランの怪我は大丈夫でしょう
ただ、ヘンリーが、ニーナが学校街に来てる事実を把握しちまいましたが
720 :
目隠しするように ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:29:46.50 ID:oCCaKHOc0
どれだけ、走っただろうか
それすらもわからないまま、ニーナは走っていた
ただ、なるべく、人のいない方向へ方向へ、と進んでいたような気がする
「嘘、嘘、嘘……あんなの、嘘………っ、そんな訳、ない……っ」
口から漏れ出すのは、否定の声
違う、違う、と
蘇りかける記憶を否定する
「嘘、違う……だって、エイブラハム司祭様は……私を、保護して、くれて………っ」
脚がもつれ、転んでしまう
気付けば、ずいぶんと人気のない場所に来てしまっていた
周囲に、人影はない
「う……ぁ……」
ぼろぼろ、ぼろぼろと、涙がこぼれ落ちる
違う
あんな光景が、事実であるはずがない
ならば
この記憶は、何なのだ?
祖父は、あの淫魔に殺されたはずなのだ
ジャア、ナゼ、ソフハアノインマトシタシゲニシテイタ?
突然、あの淫魔がやってきて……自分に、襲い掛かってきて
乙でしたー
これはお互い大ダメージだなあ
722 :
目隠しするように ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:32:56.88 ID:oCCaKHOc0
それから、祖父が、自分を庇ってくれて……そして、殺されたのだ
チガウ、ソフハ、アノインマトソレヨリマエカラシリアイダッタ
目の前で、祖父を殺されて
怯えていた時に、エイブラハム司祭達が来てくれて……
ホントウニ?
ソレジャア、ソフヲフミツケテイタノハダレダ?
『−−−−−ッ踏まないで!!』
あの、叫びを
自分は、誰に向けたのだった?
「………ぅ」
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い……
記憶が、這いずりあがってくる
ズキズキと、なぜか、背中が痛んだ
矛盾した、暖かな記憶
それと一緒に、何か、別の記憶も這い上がってきて…
「………ぁ」
涙を流し続けるニーナ
その、目元に
723 :
目隠しするように ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:35:03.53 ID:oCCaKHOc0
そっと……誰かの手が、当てられた
……追いついた!
人の多い商店街を駆け抜けて行ったニーナ
追いつくのに、若干、時間がかかってしまった
星が、ニーナを見つけた時
その、ニーナの傍に……ぶかぶかのローブを着て、長い杖を持った、長身の男の姿が、見えて
「っ!?」
何者かは、わからない
だが、ニーナの状況が状況だ
星は走る速度を速める
「っ【ニーナから、離れ……】」
「忘れろ、思い出すな」
ぼそり
ローブを着た、その男は
座り込んでいるニーナの傍らにしゃがみこみ…その目元を、手で覆っていた
「思い出せば、お前は壊れる。思い出すな。忘れろ。壊れたくなくば、その記憶、封じてしまえ」
「…………ぁ」
ぷつん、と……糸の切れた、人形のように、ニーナが倒れこむ
ローブの男は立ち上がり……駆けつけてきた星に気付いて、ニーナから距離をとる
724 :
目隠しするように ◆nBXmJajMvU :2011/01/06(木) 22:40:21.27 ID:oCCaKHOc0
慌てて、星はニーナを抱き上げた
…気を失っているようだ、外傷は、ない
その頬は、涙でうっすら濡れていた
「…ニーナに、何をした?」
「何だよ。俺様、悪い事はしてないぞ」
敵意をにじませる星の言葉に、ローブの男はむくれた表情をして見せた
…何だか、ずいぶんと子供っぽい男だ
「俺様は、そいつが思い出したらヤバそうな事を、一旦忘れさせてやっただけだぞ?思い出したら、あの気に食わない野郎の思い通りになっちって…その餓鬼、壊れるぞ」
あっさりと、残酷な事を言い放つ
思い出せば、ニーナの心が壊れると
まるで、確定しているかのように、男は言い切った
「そんな餓鬼、どうなろうと知ったこっちゃねーけど。そいつが壊れたらカインが悲しむから、俺様嫌だ」
「…どう言う事だ?」
警戒はとかないまま、ニーナを抱きかかえる
いつでも、攻撃できるように
いつでも、ここから離脱できるように
「どういう事って、簡単だよ。そいつは、利用されてて、本当の事を思い出したら発狂する。俺様はそうなると不都合だから、そうならないようにしてやった。そいつを助けてやったんだぜ?」
ありがたく思えよ、と
けらけら、男は笑って
……直後、その姿は、漆黒の蝶の群れへと変わった
ひらひら飛び回り、姿を消していく
「……助けた?よく言うよ」
確かに、ニーナは助かったかもしれない
…だが、一時的なものに過ぎない
あの男がやった事は、ただ、その瞬間が訪れるのを遅らせただけに過ぎない
根本的に、ニーナを救ったわけじゃ、ない
小さく、寝息を立て始めたニーナ
恐ろしい夢でも見ているのだろうか、小さく、震えて
……ぎゅう、と
自分を抱き上げている星のスーツを、その小さな手でしっかりと握り締めたのだった
to be … ?
「……助けた?よく言うよ」
確かに、ニーナは助かったかもしれない
…だが、一時的なものに過ぎない
あの男がやった事は、ただ、その瞬間が訪れるのを遅らせただけに過ぎない
根本的に、ニーナを救ったわけじゃ、ない
小さく、寝息を立て始めたニーナ
恐ろしい夢でも見ているのだろうか、小さく、震えて
……ぎゅう、と
自分を抱き上げている星のスーツを、その小さな手でしっかりと握り締めたのだった
to be … ?
ありゃ、被ったかorz 申し訳ない・・・
おお、被ってしまった……
申し訳ないです
729 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:01:30.12 ID:PGwOU15s0
書きながらだから、遅くなるかもだけどゆるしてくだせー
次、俺投稿しまーす
730 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:01:48.10 ID:oCCaKHOc0
代理投下感謝です〜!
とりあえず、ニーナは(一時的に)どうにかなりました
ただし、後でどうなるかは知らん
731 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:02:50.57 ID:PGwOU15s0
あ、目隠しするようにさん。乙でした!!
ニーナのこの後の展開楽しみにしてます!!
それにしても茜さん人間らしくなったなあ、契約の影響かね
そして星君はニーナちゃんにフラグか……
733 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:04:29.05 ID:oCCaKHOc0
首切魔の人wktk支援体勢
ニーナは、生き延びればいいよね!!
734 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:05:33.93 ID:PGwOU15s0
__________________
_______________________
_____________________________
???「はい、俺っす。はい、どうやらそんな感じっすね」
時刻はまだ昼の3時くらいだろうか
少し西側に傾きかけている太陽がビルとビルの間の道を照らす
どうやらそこはつい1時間ほど前にとある少年が蜘蛛に化けた女と戦った場所であるようだ
???「まだ強い霊気がのこってます。はい、どうやら風を使ったみたいで、はい。
今、キツネのやつに調べさせてます」
その道の真ん中に立って男が携帯で電話をしている
今にも倒れてしまいそうな青白い顔が特徴の男だ
体型はひょろっと長く、まるで棒のような印象がもてて、着ている服は
まるで喪中のような黒1色のスーツ、そして手には白い手袋をつけていた
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:08:51.08 ID:oCCaKHOc0
しえしえ
736 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:10:36.34 ID:PGwOU15s0
???「はい、わかりました。それでは、」
と、電話が終わったらしく、男は携帯を耳から離しポケットに入れる
それから振り返り、大声で叫ぶ。
???「おい!!キツネ!、聞いたか?」
すると、にょきっと地面から可愛らしい女の子の首がはえる
美少女であるだけにコンクリートの地面から首が生えてるのは
まるでそこに生首があるかのようで異質だった
いや、もう地面から首がはえてるので十分に異質だが
キツネ「きこえてる!大声で叫ぶな」
???「くひひひひ、でもようでもようでもよう!!
久しぶりの狩りだぜぇ!おら、わくわくしてきたぞぉ!!」
さっきとは人が変わったように大声で興奮したようにはなす黒服の男
それに対し不機嫌そうな顔でキツネは答える
キツネ「楽しくない!人を殺すのは嫌い」
737 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:13:20.29 ID:oCCaKHOc0
美少女生首w
738 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:15:50.67 ID:PGwOU15s0
首をぶんぶんと振るキツネ
???「くひひひひ、殺しはしないさ
相手が素直だったらなぁ…」
黒服の男の顔が不気味に歪む。
???「さあて、今回はどうなのかなぁ?
……っと時間だ。キツネ場所は?」
歪んだ男の顔が急に元の不幸せそうな顔にもどる
キツネは地面から、にょきっと体を全部だして答える。
「大丈夫!問題ない」
???「うし!じゃあいくか!
くひひひ、『組織』過激派、ラクヨウ。行くぜ」
キツネ「同じく!行くよ」
____________
遡る事1時間前
__________________
_______________________
俺「ふんふん、つまりお前ら都市伝説と契約すると。
契約者が力を持ったり、お前らの力がアップするわけだ」
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:16:08.80 ID:oCCaKHOc0
しえしえ
740 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:21:06.80 ID:PGwOU15s0
俺は凛から都市伝説についてレクチャーを受けていた
場所は蜘蛛女を倒した場所と同じで、とりあえずこっちにむかっているという
響と合流するためだ
あいつは携帯を持っていないので、連絡がとれないのだ
俺「にしては、俺自体はあまり変わってない感じがするんだがな」
凛「そりゃ、そうだろう。詳しいことはわからないんだけど
契約したばっかだからね、まだマスターにも能力が宿ってないんだろう」
ずいぶんと面倒くさい設定だ
俺「つーことは直に俺も風みたいになって
お前みたいにバヒュヒューンって敵を切り刻んだりできるってわけか?」
と俺が蜘蛛女の時の凛の戦いかたを思い浮かべながら話す
凛「さあ、どうだろうね
私もまだ契約なんてしたことないからさーマスターがどんな能力に目覚めるかなんて
わからねーよ」
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:22:53.91 ID:oCCaKHOc0
しえええええん
742 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:23:51.32 ID:PGwOU15s0
俺「ふーん」
ふんふん、都市伝説についてやっとすっきりしてきた感じだ
と
凛が急に詰め寄ってくる
凛「あ、あと。私は天狗を探すために契約したんだからね
勝手に自分の都合の良いように私をつかわないでよ!!」
何を言ってるんだろうこいつは?
もともとこいつが俺の命を拾うとか言い始めて了承しただけじゃないか
俺「わかってるよ
俺の命はあんたのものだ。一生、お前についていく、そうゆう約束だろ」
口だけじゃ信憑性が足りないと思ったので凛の手を握る。
俺「いまじゃ、頼りないかもしれないが、直にもっと強くなってみせるさ。
だから…俺の命、好きにつかってくれよな。」
ニコッ
あと、特別にとびっきりの笑顔を見せた
これだけやれば信じてもらえるだろう
と思って凛の顔を凝視していると
743 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:24:20.41 ID:oCCaKHOc0
支援
744 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:26:54.04 ID:PGwOU15s0
凛「な……なに……」
お、赤くなってきた
どうでもいいけどもともとが色白だから顔が赤くなったら本当に印象がかわるな
本当にどうでもいいけど
凛「なにいってんだ!お前は!?
そ、そんなことわかってるよ!!!」
俺「おわっ」
とドンと突き飛ばされた
腰を思い切りコンクリにぶつけた。
いててて、怒ってしまったのだろうか?
俺が腰を押さえてると
凛「ああ!?す、すまん!つい!」
と凛がいきなり慌て始めた。
怒ったり慌てたり一体なんなんだこいつは?
凛「ほ、ほらつかまれ。」
と凛が手をさしのばしたのでとりあえずその手をつかもうとすると
響「おにいちゃーーーーーーーん!!」
道の向こうから響がやってきた
745 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:27:33.25 ID:oCCaKHOc0
やだこのツンデレ可愛い支援
746 :
首切魔を巡る物語。の人☆:2011/01/06(木) 23:28:19.73 ID:PGwOU15s0
すまん。ぜんぜんすすまないから
今日はこれでやめます!
支援ありがとございました!!
乙です〜
凛ちゃんかぁいいwwwwww
キツネちゃんも気になるぜ!
そして修羅場のヨカーン
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:30:51.05 ID:oCCaKHOc0
乙でした〜!
おぉう、これは凛ちゃんと響ちゃんが対面するかな、wktkだ
じゃ、今から代理投下するね
749 :
はないちもんめ ◇YdAUTYI0AY (代理):2011/01/06(木) 23:34:00.46 ID:oCCaKHOc0
「やっほー、大樹居る?」
「友美さん・・・」
ずかずかと上がり込んでみれば不安そうな大樹の顔
「その様子だと、感付いてるみたいだね?」
「望の身に・・・何かあったのですね?」
「ご名答、K-0が動き始めた
そして、望は・・・奴等に攫われた」
「・・・何の為に?」
「あれ?意外と冷せ「早くしてください」・・・でも無さそうだね
さぁ?望をどう利用するのかまでは私も知らないよ
ただ、娘だからってのが理由とも思えないけど・・・」
「今、なんと?」
「娘だからってのが理由とは思えないけど?」
「待ってください、どういう事ですか!?」
あれ?驚いてる?
「・・・もしかして母さんから聞いてなかった?
望の本当の父親はK-0だよ」
それを聞いた瞬間大樹は部屋から飛び出そうとする
「待てぃ」
それを友也が押さえつけた
「落ち着きなよ、今アンタが慌てふためいてもどうにもならないでしょ?
大樹、翼は?」
「・・・まだ帰ってきてませんが」
あの役立たず肝心な時に・・・仕方ない
「大樹、アンタ影守の家わかる?」
「それは知ってますが・・・」
「なら、今すぐ影守の所へ向かえ
護衛には友也を付ける
詩織」
「描写されてなかったけど最初から居るよー」
「アンタは私と一緒に行動な・・・そろそろ時間も無くなって来る頃だ」
さて、と
「大樹、今の内に聞いておきたい事はある?
答えられる範囲でなら答えてあげるけど?」
続く?
(ライサ>お姉様〜! 次はね、次はねー♪
(レクイエム>おいおい、そんなにはしゃいでると危ないぞ?
既に日も落ちかけてきた、学校町のとある公園
そこに、ベンチに座る白髪の少女――レクイエムと、青髪の幼女――ライサがいた
ライサが無邪気に走り回る姿を、レクイエムは微笑ましく眺めていた
(レクイエム>(ふっ・・・数日前まで、他人のことなど全く気にもかけていなかったのに・・・
・・・・ダメだ、こんなことを考えているとあいつのことが頭から離れないっ!?
落ち着けレクイエム・リッケンバッカー、忘れろ、忘れろ・・・)
(ライサ>お姉様ぁ〜?
(レクイエム>忘れ・・・・・・ん?
(ライサ>ブランコやりたいから手伝ってー♪
(レクイエム>あぁ分かった、今行く
また微笑みながら、彼女は立ち上がり、ライサの元へ行く
ライサも、楽しそうにスキップしながら、ブランコに向かう
丁度、ライサが自動販売機の前を通りかかった時だった
バッ!!と、フード付きの服を着た男が、斧を構えて自動販売機の下の隙間から飛び出した―――「下男」だ
下男の狙いは、目の前にいる青い髪の幼女
(ライサ>きゃっ―――――――
(レクイエム>ライサぁ!!
レクイエムは胸の谷間に手を入れ、小ビンを掴み取った
瞬間、
ひゅうっ、と冷たい風が吹いた
(ライサ>・・・・・・・・・あ、あれ?
縮こまってびくびくと涙目になって震えていたライサが顔を上げると、
そこには氷付けになった下男が地に伏していた
(レクイエム>ライサ! 怪我は無いか!?
(ライサ>ぁ・・・お姉様ぁ!!
傍に駆け寄ってきたレクイエムに、泣きながらひしとしがみ付くライサ
(レクイエム>すまない・・・もう、怖くないからな・・・
しかし、これは・・・R-No.8か?
(少女>あ、あの・・・大丈夫ですか?
ふと、少女の声がして、レクイエムは声のする方を見る
青い着物を着た中学生くらいの少女と、20代前後の青年がそこにいた
(レクイエム>(この娘・・・都市伝説か? それにこの冷気は・・・)
(青年>よかった、どうやら無事みたいだな
(レクイエム>貴様等が助けてくれたのか・・・恩に着る
是非、礼をしたいところだが・・・
(青年>いや、礼なんていいよ
(少女>そうですよ、困った時はお互い様、ですから
少女の言葉に頷く青年
しかし、彼の目が終始レクイエムの胸に視線が行っていたのは気の所為だろうか
それはともかく
気をつけて、と言葉を残すと、2人は公園から立ち去ろうとした
止めるように、レクイエムは2人を呼び止めた
(レクイエム>待て! せめて、名前だけでも教えてくれないか?
ちら、と少女と青年は互いに視線を交わし、
(青年>俺は、白峰 徹
(少女>私はユキと申します
(レクイエム>私はレクイエム・リッケンバッカー・・・貴様等への恩、必ず忘れはしない
ぱしゃり、と2人の画像を撮った後、彼女はライサを抱き上げて公園から忽然と消えた
この出会いが、後の彼女達にどう影響するのかは、誰も知らない・・・
...To be Continued
犬神憑きと怪人アンサーの人に焼き土下座orz
宣言通り、レクイエム達と会わせちゃいました
台詞とか合ってるかどうか超心配ですorz
あと、徹くんは胸に興味をお持ちだということであんなシーン書いちゃったの(氷付けにされました
ちなみに、写真撮ったのは「ヒエロニムスマシン」の能力で写真の人物の所在や健康状態が分かるからだぜ
シャドーマンの人様乙ですー
やったー!かぁいい幼女達と出会えたー!
台詞等、問題ないですよー