1 :
◆pGlVEGQMPE :
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:53:28.94 ID:2i1nHXPE0
なんでだろう……
3 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 16:57:39.73 ID:AkLWUr3d0
六章 遥か彼方
一話 マッカロー
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 16:58:37.31 ID:r0QZTTBiO
だって名前が出てないじゃない…
前スレどこまでいったっけ
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:02:10.57 ID:xWHcfRgX0
支援
6 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:02:12.86 ID:AkLWUr3d0
祭りが終わって、二日後の昼過ぎ。
ニット帽の少女とまぶたに痣のある男が建物を見上げる。
lw´‐ _‐ノv「……あまりここには来たくなかったんだけどなあ」
( ФωФ)「せっかくお呼ばれしたのだからグチグチいうものではないぞ」
彼は今朝の電話の内容を思い出す。
電話の相手はシャキンだった。
『 昼過ぎに寺に来てくれないか 』 とお願いされて、了承したのだ。
せっかくなのでシューも誘ってみたら、彼女は見慣れた無表情で彼に文句を投げつけた。
それでもついてきてくれたので、こいつは意外とツンデレだったりと彼は思う。
lw´‐ _‐ノv「そんなに私ツンデレしてる?」
( +ω+)「改めて聞かれると……ツンもデレも全然足りないな」
ナチュラルに心を読むシュー。
隠し事はすでに彼に知られてしまったので、最近はむしろ隠そうとしなくなった。
嬉しい反面、会話が飛ぶので少々疲れるところがある。
さて。
そんなわけで寺に来たのだが、どうして呼ばれたか彼は知らない。
何かまずいことをしでかしたのだろうか。
lw´‐ _‐ノv「私を見ながらそんなこと考えるなってば。
私はそんなに問題児じゃ……問題児じゃあ……。
うーん?どうなんだろ?」
悩むなよ。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:05:16.94 ID:r0QZTTBiO
支援
8 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:06:59.45 ID:AkLWUr3d0
寺の門をくぐるとシャキンとショボンが出迎えてくれた。
(`・ω・´)「本日はお越しいただきありがとうございます」
( ФωФ)「いえいえ。
ところで今日はどのような用件で?」
(`・ω・´)「実はショボンに秘術を教えようと思ったのです。
お二方にも、その秘術を知らせておいた方がよいかと思いまして」
lw´‐ _‐ノv「秘術……というとアレのこと?」
( Фω+)「アレとはなんだ?」
lw´‐ _‐ノv「ほら、前にちょこっとだけ話したの覚えてない?
結界でウツロを祓う方法があるって言ったじゃない」
( ФωФ)「ああ、あれか」
「……彼らの扱う結界の性質で、どうやって祓うことができるのか疑問だけどね」
以前、そう彼女は言っていたが。
その後ショボンから結界について少し教えてもらった。
それの性質は立ち入り禁止の看板に似ていて、結界内を行き来してはダメと教えるものらしい。
基本的に結界ができるのはウツロの隔離だけで、祓うことはできないのだ。
だがショボンが言うには、秘伝の結界でウツロを祓えるらしい。
今日彼らに見せるのはおそらくその秘伝である。
9 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:12:04.08 ID:AkLWUr3d0
シャキンはシューの言を肯定した。
(`・ω・´)「ええ、その通りです。
ヒトミさんには昔、私が見せましたが、お二人はまだですよね。
だからいい機会だと思ったのです」
( +ω+)「ですが、そもそも私はシャキンさん方がいう結界というものを見たことがないです。
秘術だなんだといわれても、おそらく理解が及ばない気がするのですが」
(`・ω・´)「……ああ、それでしたら結界について詳しくお教えしましょう」
( Фω+)「それに秘術なのに見させてもらってもいいのですか?」
(´・ω・`)「……」
(`・ω・´)「いいのです。
むしろ砂尾家の方やロマネスクさんには知っておいてもらいたいですから。
それにこの術はある意味危険なのです」
だから知らせておいた方がいい、とシャキンは締める。
どう危険なのだろうか?
シューは聞いてみたが、「霊視できるなら見て理解した方がいい」と返された。
そして質問はなくなり、ショボンを含めた三人はシャキンについてゆく。
その間、ショボンは一言もしゃべらない。
どうも緊張半分、シューに自身の見せたくない気持ちが半分であるらしい。
ウツロが関係すると二人の仲はとても悪くなるらしい。
遠目からでは仲のよい兄妹にみえなくもないが。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:14:31.91 ID:sO/fFjCLI
何か久しぶりな感じ。
11 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:17:12.51 ID:AkLWUr3d0
寺の本殿に入り、ひたすら中を進む。
やがて畳の敷かれた部屋に通される。
全員が部屋に入り、襖を閉めたあと、シャキンは言った。
(`・ω・´)「まず坐禅をしてもらいます。
ショボンは強制参加ですが、お二方も参加しますか?」
彼らはいきなりのことで面食らった。
まあ二人は自由参加のようなので、ここは黙って見学していた方がいい。
そう思った彼は、しかしシューの言葉によって退路を断たれた。
lw´‐ _‐ノv「オーケー、やろう」
( +ω+)「……まあいいでしょう」
lw´‐ _‐ノv「ふっふっふっ、風見鶏は死んだ」
(;+ω+)「……おまえな」
(´・ω・`)「……」
(`・ω・´)「分かりました。
では坐禅の作法について説明します」
簡単に手順を教えてもらう。
今回はそこまで本格的にやらないようだ。
なので彼らは座って、ただ精神鍛錬するだけでいいといわれた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:17:43.14 ID:r0QZTTBiO
しえ
13 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:21:52.55 ID:AkLWUr3d0
(´‐ω‐`)
( +ω+)
lw´‐ _‐ノv
(`・ω・´)
静寂が空間を支配する。
そして彼らは己の内を空っぽにする。
自身を排除し、自身以外のモノを感じ取る。
そうすることによって、普段と異なる視点で自身を見る。
それが坐禅である。
(;´‐ω‐)
( +ω+)
lw´‐ _‐ノv
(`・ω・´)
時折、肩を叩かれる音が聞こえる。
約三十分ほど続いた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:22:54.35 ID:xWHcfRgX0
しえしえ
15 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:27:13.71 ID:AkLWUr3d0
やがて鈴の音が鳴る。
事前に定めた終わりの合図だ。
(;´・ω・)「ふぅ」
( ФωФ)「坐禅は久しぶりだったな」
(;´‐ω‐)「でもどうして僕以外に警策がなかったんだろう?」
(`・ω・´)「それは二人とも優秀だからです。
ショボンはもっと精進しなさい」
(;´‐ω‐)「はいはい」
lw´‐ _‐ノv「……」
( Фω+)「まあ私はこれでも精神鍛錬は積んでいる方だから。
霊がみえるから当たり前なのだが。
首が不自然に折れ曲がった奴もいるから、平常心でいられるようにはな」
(`・ω・´)「ロマネスクさんにはもっと本格的にやったほうがよろしかったでしょうか?」
( +ω+)「いえいえ。
私は坊さんに比べたら未熟者ですよ。
本格的にやったらビシバシ警策が入ったでしょう」
ちなみに警策というのは、坐禅の時に肩を叩くあれを指す。
心や姿勢のゆるみを警めるために打つのだ。
彼は及第点をもらえたようだ。
16 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:32:04.83 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「……」
( Фω+)「ん?
シュー、もう終わったぞ」
lw´‐ _‐ノv「……」
(´・ω・`)「眠ってるんじゃないかな?」
( ФωФ)「だが目は ( 一応 ) 開いてるぞ?」
(`・ω・´)「姿勢の乱れもありませんし」
lw´‐ _‐ノv「……」
坐禅に集中しているのだろうか?
それはそれであっているのか間違っているのか、彼は複雑な思いだった。
と、ずっとシューを見ていて、彼はほんのわずかな違和を感じた。
(`・ω・´)「仕方がないですね。
警策で目を覚まさせましょう」
( ФωФ)「シャキンさん、ちょっと待ってください」
(`・ω・´)「……?
どうしたのですか?」
彼は答えない。
代わりに行動で示す。
17 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:38:23.00 ID:AkLWUr3d0
( Фω+)
感覚の目を開く。
白は紅く、灰色は黄色く、黒は緑に。
色は混ざり、そして分かれ、滲み、点在する。
まるでこの世の全ての色彩を以ってそこらじゅうに塗装したように感じられる。
感覚の目を開けた彼は、いつもそう思う。
いつだってそう思ってきた。
(;Фω+)
なのに今回だけは少し違った。
彼はシューを見る。
彼女の周りだけ極端に色がうすく感じられた。
(;Фω+)( まさか仏教にある一つの境地に辿りついたとかか? )
考えられなくもない。
仏教には悟りや無、空の境地がある。
“ サトリ ” やら “ 空 ” 気の妖怪やらを言霊思想などで解釈し、さらに仏教思想と融合させたのだろうか。
もちろんそんなことができるかどうか、彼は知らない。
しかし彼女は自他共に認める変人である。
奇抜な発想をする変人が偉業を達成する例は、全世界のいたるところにある。
ならば彼女が新たな法則を導くことも十二分に考えられる。
18 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:42:59.43 ID:AkLWUr3d0
(;Фω+)「お待たせしてすみませんシャキンさん。
そろそろ起こしますね」
彼が何かをみているのをシャキンは分かったのだろう、特に文句をいわずに頷いた。
そして彼は感覚の目を閉じ、シューの背後に近付き、肩を揺する。
しばらく揺すりつづけていると、彼女はふいに背後を振り向く。
lw;‐ _‐ノv「、……どうしたの?」
(;+ω+)「坐禅の時間は終わったぞ。
それよりお前、なにしてたのだ?」
lw´‐ _‐ノv「あー、坐禅?」
(;ФωФ)「いや、それは分かるのだが……。
何か様子がおかしかったからな。
仏教のなんらかの境地にたどりついたのか?」
彼は恐る恐るきいてみた。
彼女は何事もなかったかのように答えた。
lw´‐ _‐ノv「ううん、それはない。
ただ時間があったからイメトレしてた」
( +ω+)「……ていっ」
lw´‐ ,‐ノv「あぅ」
彼は思わずチョップを入れた。
妖怪のイメトレは坐禅といえるのか?
19 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:47:54.44 ID:AkLWUr3d0
( ФωФ)「ところでなぜ坐禅をしたのです?」
ジト目で頭を押さえるシューを無視し、彼はシャキンに訊ねる。
ちなみに先ほどのチョップの強さは、せいぜい肩を叩くのと同程度。
一応、頭に傷があるので加減はした。
何かあると怖いし。
シャキンは答える。
(`・ω・´)「ロマネスクさんが精神鍛錬を積んだのと一緒の理由ですよ。
今回ショボンに教えるのは、いわば禁術の一つと言ってもいいくらいですから。
多用したらまずいですし、 『 もしものとき 』 の解決手段の一つなので」
もしものとき、というのは砂尾家だけでは対処しきれないウツロのことだろう。
だが彼はその点を気にしない。
それよりもとある単語に不吉さを感じる。
( +ω+)「禁術ですか。
詳細を説明していただいても?」
(`・ω・´)「もちろん」
頷いたシャキンは不意に袖からお札を四枚取りだす。
そしてちょうど四角形になるよう、屈んでそれらを畳に置く。
準備が終わったらしい。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:47:57.08 ID:O8R9ht+7O
体調大丈夫か?支援
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 17:49:38.93 ID:s5seYRYK0
支援す
22 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:51:17.33 ID:AkLWUr3d0
シャキンは立ち上がり、一言。
(`・ω・´)「結」
瞬間、彼の感覚の目が無理やり開かれた。
そうして目の前の異変を認める。
( Фω+)「これが結界というやつですか」
(`・ω・´)「そう、これが結界というやつです。
なにか分かりますか?」
( Фω+)「はい」
お札で区切られた四角形を底面として、天井まで届く長方体が生まれた。
ただし、側面は半透明の壁のようになっている。
シャキンやショボンには見えないであろう理の壁だ。
シューならこの変化に気づけるだろう。
(´・ω・`)「でも、それっていつもの結界だよね。
秘術じゃないよね」
(`・ω・´)「ロマネスクさんが結界をみたことがないとおっしゃられたので。
だから順を追って説明させてもらいます」
(`・ω・´)「さて、これが結界です。
この世の者なら特に影響なく結界内を出入りできます。
ただ、このまま放置すると中が淀んでしまうので、役目を終えたら回収します」
23 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 17:56:54.20 ID:AkLWUr3d0
( Фω+)「淀む、というと?」
(`・ω・´)「平たく言ってしまうなら、霊が好む土壌ができてしまうのです。
一応結界ですから、彼らは中には入り込めません。
しかし、結界の周りに霊が寄ってくるでしょう」
まるで魚の餌だ、と彼は思う。
シャキンは注意点を述べて、霊が寄ってこないようすぐにお札を剥がす。
そして説明を続ける。
(`・ω・´)「 『 結 』 の掛け声によって結界は作られます。
そしてその掛け声をかけた時から、結界は作りだされた形を維持しようとします。
ちなみにこの結界は、お札を一枚でも剥がせば維持できなくなります」
(`・ω・´)「これがいつも私たちが扱う結界です。
そして今回ショボンに教えるのは、 “ ヨモツヒラサカ ” と呼ばれる結界です」
( Фω+)「…… “ ヨモツヒラサカ ” だと?」
彼は奇妙な声をあげた。
それも当然であり、シャキンにしてみれば想定内の反応である。
ショボンは唖然としていて、シューは訝しげな眼差しをシャキンに送っていた。
黄泉比良坂 ( ヨモツヒラサカ ) 。
それは日本神話に出てくる黄泉路の名である。
ちなみにその黄泉へと続く道は出雲にあるとされている。
もちろんこの町は出雲ではない。
ならばシューの力のように、名を借りただけだろうか。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:00:04.43 ID:s5seYRYK0
支援す
25 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:00:57.16 ID:AkLWUr3d0
その妖怪の名を借りた少女はシャキンを見て、呟く。
lw´‐ _‐ノv「ふむ。
読みは同じでも、日本神話の黄泉比良坂とは別物、と。
…………この世を没する、と。
随分とおもしろい名前だね」
( ФωФ)「この世を没する?」
シューの言により、黄泉比良坂そのものではないと確定したもよう。
記憶を見る力で読みとれば、他者への疑問がすぐに解決するので便利である。
シャキンは頷いた。
(`・ω・´)「そうです。
これは正式な黄泉路ではありませんので。
だから読みが同じでも字が微妙に違うのです。
ヨモツを黄泉とは書きません。
この世を没する、と書いてヨモツと読みます」
つまり “ 黄泉比良坂 ” ならぬ、 “ 世没比良坂 ” 。
シャキンの説明によると、お札で区切った空間に門を開けるものらしい。
(`・ω・´)「その門にウツロを落とせば彼らも消滅します。
これは一時的にですが、あの世とこの世を繋げます。
感受性の高い子供には、その門がみえてしまうことすらありますね」
名前も恐ろしいものなら、その効果も何気におそろしいものだった。
26 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:06:14.34 ID:AkLWUr3d0
シャキンが紫のお札を畳に貼る。
ただし先ほどのお札よりも存在感がある気がする。
デモンストレーションを行うようだ。
( Фω+)「シュー、ニット帽を脱げ」
lw´‐ _‐ノv「?」
( +ω+)「ずれるぞ」
lw´‐ _‐ノv「……む」
短い会話で彼らは意思疎通を図る。
シューはなにも言わずにニット帽を脱いだ。
以前、彼は霊能力はずれだと表現した。
ほかの者より魂があの世に近く、ゆえに霊障に似た力がその正体だろ言った。
世没比良坂があの世への門を開くものなら、霊能力が使える彼らにだって影響はある。
あの世から幽霊が飛び出してこないとも限らないが、それから護るのがシューのニット帽の役割である。
が、おそらく幽霊よりも早く、あの世自体の影響が彼らに降り注ぐだろう。
最悪、力の暴走もありうる。
彼の師にも黄泉路を開ける力があったので、数秒後の自分たちを彼は予想できた。
だから彼はシューにニット帽を脱ぐように指示した。
気を引き締めろとは彼はいわない。
おそらく読みとっているだろうから。
27 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:11:16.58 ID:AkLWUr3d0
お札を張り終えたシャキン。
正五角形に切り取られた畳を見て、背後にいる三人に声をかけた。
(`・ω・´)「……いきます」
( Фω+)「はい」
lw´‐ _‐ノv「うぃ」
(;´・ω・)「……」
(`・ω・´)「 『 青 ・ 白 ・ 朱 ・ 玄 ・ 勾 ・ 帝 ・ 文 ・ 三 ・ 玉 』 」
(`・ω・´)「…… 『 彼の者の名より、今、ここに門を開けることを命ずる 』 」
(`・ω・´)「 『 結、世没比良坂っ!!』 」
――――‐ 瞬間、目の前の映像が乱れた。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:11:31.54 ID:DcpTSoV20
支援
29 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:15:05.86 ID:AkLWUr3d0
…………。
……。
(;+ω+)
_,
lw;‐ _冂v
(;´‐ω‐)
(`・ω・´)「皆さん大丈夫ですか?」
(;´‐ω‐)「……なんか結界張ってた時、すごく寒気がした」
(;+ω+)「……わたしはなんとか」
_,
lw;‐ _冂v「あたまいたい、せかいもまわってるしきもちわるい」
(;Фω+)「あー、ちょっと待ってろ」
シャキン以外はぼろぼろになっていた。
あの世への道を開いた途端、皆が体調不良を訴えた。
なのでシャキンはすぐに結界を崩した。
ショボンは寒気を訴えた。
霊能力なんてまるで縁のない人間にも影響を与えたようだ。
ならばもちろん霊能力のある彼とシューは、より影響が出ただろう。
30 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:19:18.32 ID:AkLWUr3d0
彼は感覚の乱れを感じた。
視覚はもちろんのこと、聴覚や平衡感覚にも影響が出た。
持ち前の耐性によりなんとか難を逃れたが、胃からこみあげる気持ち悪さはぬぐえない。
シューは左目の奥より痛みを感じた。
自身の力を使いすぎてこうなることはあっても、外的要因でなったことはない。
彼の手当てによりある程度の痛みは消えた。
しかし、小さい痛みはまだ目玉の後ろを刺激している。
結論。
黄泉路怖い。
(`・ω・´)「……すみません。
アキちゃんの訓練が上手くいってると聞いたもので。
お二人は呼ばなかった方がよろしかったですね」
(;+ω+)「まあ。
でも砂尾家の者には知っておいてもらいたかったんでしょう?」
(`・ω・´)「もちろんそうではありますが」
lw;‐ _‐ノv「私からは文句ないよ。
ヒー姉も 『 特殊な結界みせてもらったーっ 』 って以前話してたし。
あの人たちに近づけるなら問題ない」
(;´・ω・)「……僕は全くの無視ですかそうですか」
(`・ω・´)「もともとお前に教えるためのものだからな」
31 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:23:03.19 ID:AkLWUr3d0
(;+ω+)「でも少し横にならせてもらえると嬉しいです」
lw;‐ _‐ノv「わたしも」
(`・ω・´)「なら隣の部屋で休んでいてください。
座布団だしますので。
ショボンはもう一度坐禅な」
(;´・ω・)「はいはい」
シャキンの案内により、襖越しに隣接する部屋に通させる。
そして座布団を数枚寄こし、シャキンは立ち去る。
ショボンの坐禅をみるためだろう。
彼とシューだけがこの部屋に残された。
lw;‐ ,‐ノv「ふひぃ〜。
ありゃあ無理ですわ、死にますわ。
なんでシャキンさんとかショボンは平気なんだろ?」
(;+ω+)「私たちの魂はあの世の理に近いのだから、より黄泉路に引っ張られたのでは?
だから普通の人には寒気程度で済んでるのだろうよ。
生きてる人間が死後の世界に歓迎されるわけないからな」
lw;‐ ,‐ノv「私たちにとってみればあの結界、文字通りの鬼門じゃんか」
合図したかのように同時に倒れ込む二人。
座布団を枕代わりにして横になった。
32 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:27:08.88 ID:AkLWUr3d0
lw;‐ _‐ノv「あ゛ー。
まだ視界がおかしいよ゛ー」
(;+ω+)「私もだ」
彼は己の存在の揺れを自覚できた。
なのでいつもの浄霊と逆のことをした。
分解するイメージじゃなく、固化するイメージを以って。
霊ではなく、己に。
自身の体に力を送った。
(;+ω+)「……ましにはなったが」
それでも視界の揺れはひどい。
しばらくこの状態が続くだろうと、彼はうんざりした。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:27:25.35 ID:KqXDEMTt0
支援
34 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:30:48.09 ID:AkLWUr3d0
35 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:34:01.94 ID:AkLWUr3d0
六章 遥か彼方
二話 ゲシュタルト
36 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:37:19.62 ID:AkLWUr3d0
数時間後。
寺をお暇し、夕暮れの道を二人並んで歩く。
あの後、二人はずっと横になっていた。
彼らの共通の症状である “ 視界のブレ ” が治まったのはついさっきだ。
安全のため、今もシューはニット帽を被っていない。
ちなみにその間ショボンは何をしていたかというと、ひたすら坐禅と専用のお札の作り方を学んでいた。
お札の素材もそこに書かれる文字も特殊なものらしい。
lw´‐ _‐ノv「しかしひっどい目にあったよ」
( +ω+)「まあいいではないか。
そのお詫びにこんなのもらったのだから」
彼の手には大きなビニール袋がぶら下がっている。
中身はハムだ、それも数点。
時期が時期だから、お中元のあまりか何かだろうか。
lw´‐ _‐ノv「ヒー姉が晩ご飯作ってなかったら、これでサラダ作ろう」
(*Фω+)「ほう?」
lw´‐ _‐ノv「食い意地張りすぎ」
(;ФωФ)「そ、そんなことないぞ?」
lw´‐ ,‐ノv「おほほ、私に嘘は通じませんよん」
( ФωФ)「……ボクっ娘のくせに」
37 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:41:32.93 ID:AkLWUr3d0
軽口を交わす。
彼らの影はさらに長く伸び、やがては夜闇に消えてゆくだろう。
黒くなりはじめた山が、カァーと鳴く。
lw´‐ ,‐ノv「ロマー」
( +ω+)「んー?」
時刻は六時過ぎ。
早い家ではもう晩ご飯の時間である。
田舎であるせいか、さきほどから誰ともすれ違わない。
二人っきりである。
彼はその点を意識する。
別にシューに対して恋心があるわけではない。
ただ、誰ともすれ違わないせいで、まるでこの世界に二人だけとり残された感覚をおぼえる。
lw´‐ _‐ノv「なぁーに寂しがっちゃってるのー?
おねーさんにいってみー?」
( ФωФ)「とりあえず今はどこにもお姉さんなぞいないな。
帰ったらヒートと話してみるか」
lw´‐ _‐ノv「私には?」
( ФωФ)「お前は絶対、お姉さんという役ではないだろ」
lw´‐ _‐ノv「言葉のあやだっつの」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:43:20.04 ID:YDjpbA8v0
支援
39 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:46:15.31 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「まあロマが物寂しいのも分かるよ。
だってこんなに綺麗な夕日だもん」
( +ω+)「夕日と私の感情が関係あるのか?」
lw´‐ _‐ノv「あるよ」
「はいはいそうですか」、彼はかるく流す。
そんな態度を前にし、シューもぼんやりと空を見上げて言葉を吐く。
lw´‐ _‐ノv「夕焼け空のこの時間は黄昏っていうんだよ」
( ФωФ)「知ってる」
lw´‐ _‐ノv「その由来も?」
( +ω+)「 “ 誰ぞ彼 ” ……彼は誰だろうという意味だな。
辺りが陰りだし、相手の顔もはっきりしない時間帯だからな」
逢魔時とも呼ばれる。
日は沈みかけ、周りは半端に明るく半端に暗く。
だから人とすれ違えど、その顔がぼんやりとしか分からない。
例え魔に逢ったとしても、きっと誰も気付かないだろう。
シューは彼を横目にみる。
彼女の瞳は少しだけ悲しそうな光を灯した。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:46:24.03 ID:4AkBgiaNO
リアルタイム遭遇した!
しえーん!!!
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:49:36.12 ID:YDjpbA8v0
支援
42 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:50:25.17 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「……魔、ね。
私たちも……特に私は、その魔の範疇に含まれるだろうね」
( ФωФ)「お前が魔なら、私はなんなのだ?」
lw´‐ _‐ノv「魔王でしょ。
まあロマの下半身の話はどうでもいいけどさ」
( +ω+) ブフッ ! !
「魔王が私のナニを指しているのなら、お前の魔はなにを指しているのだ?!」、彼は問い詰めたかった。
しかしいきなりの下ネタに面食らって追求できない。
さらにいえば、それを聞いてしまうと色々まずい気もする。
案の定、質問する前にシューに殴られた。
lw´‐ ,‐ノv「私でやらしい想像すんな」
(;+ω+)「ふったのはお前だろうが」
lw´‐ ,‐ノv「そうだけどさ。
私を題材にしたやらしい妄想を向こうの人柱さん (仮名) に見せたくないの。
味を覚えられて今後、そんな目で見られても困るんだよ」
( +ω+)「……大丈夫、それはない。
胸も毛もないであろうガキンチョに人を惑わす色香はない。
そんな容姿と体型なら男の娘でも通るから」
シューもひどい言い草だが彼の方もひどかった。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:54:25.73 ID:xWHcfRgX0
支援
44 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 18:54:40.32 ID:AkLWUr3d0
ご飯にお呼ばれされました
投下で中断の多い今日この頃
落ちたらまたたてますゆえ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:55:39.34 ID:xWHcfRgX0
ほしゅ
紫煙
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:20:53.70 ID:xWHcfRgX0
ほっしゅ
48 :
再開 ◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 19:39:31.08 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ ,‐ノv「……ここでどんな反論しても墓穴掘りそうなんですけど。
でもむかつく、この気持ちどうしよう?」
( ФωФ)「家にいるあの霊で発散すればいい」
lw´‐ _‐ノv「おk、わかった」
駄弁りながらゆっくり歩いていると、大きな影が二人を飲み込んだ。
ふとシューが立ち止り目線をあげると、この町の中心に位置する一本杉が見下ろしていた。
彼もその場に停止して、彼女と同じく一本杉を見上げる。
ぼそりと彼女は言う。
「昔の大衆的な考えでは、黄昏時に会う “ 良くないモノ ” は化け物なんだろうね」、と。
そしてほんのちょっぴり言いづらそうに続けた。
lw´‐ _‐ノv「それは私のような奴や、もっとひどい奇形児なんかも含むんでしょうね」
(;ФωФ)「む」
シューの言い分はある意味ただしく、それ故彼には否定できなかった。
昔の日本人の感覚でいえば、そういう子は祟られたと考えられていた。
だから日の高いうちは、隠されていたとも考えられる。
ならばその子らは外で遊んでいる子をみて、羨ましく思ったに違いない。
そして誰もいなくなる時間帯になって、外に出て遊んだであろう。
49 :
再開 ◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 19:44:44.20 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「『 昨日、河童と遊んだ 』 と子供が言ったとしよう。
それは本物のソレなんだろうか?
それとも本物っぽいナニカなんだろうか?」
( +ω+)「……」
lw´‐ _‐ノv「どちらにせよ、彼らから言わせれば私は魔なんだよ。
頭はおかしいし、神通力めいた力が使える」
「だから」と彼女は区切る。
彼女はいつの間にか彼に目を向けていた。
顔のパターンが理解できないからか、それとも口に出しづらい話題だったからか。
そうして、まるで生徒に解答をおしえる教師のように言う。
lw´‐ _‐ノv「綺麗な夕日があると、とっても悲しくて寂しいんでしょうね。
だってこんなにもネガティブな記憶がただよっているのだから。
きっとロマはあてられたんだよ」
( Фω+)「何にあてられたというのだ?」
lw´‐ _‐ノv「空気」
( +ω+)「……かもな」
きっと彼女は語られた河童のような幼少期を過ごしたのだろう。
人の顔が見えず、代わりに霊が見えていた。
そのせいで怖がりな彼女が出来てしまったわけだが、それでも寂しかったのだろう。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:45:58.54 ID:xWHcfRgX0
おかえりしえん
51 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 19:48:26.06 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「ロマは小さい頃、どんなふうに過ごしたの?」
( ФωФ)「昼間に外で遊んでたぞ。
そのかわり夕方、夜は絶対外に出なかったな」
lw´‐ _‐ノv「ありゃま、私と逆じゃん」
( Фω+)「……そのニット帽のおかげじゃないのか?
霊がみえるからそんなの被るようになったんだろう?」
ニット帽の裏に貼ってあるお札は洒落にならないらしい。
彼は、ヒートがそんなことをいっていたのを思い出す。
その言葉をシューは否定する。
lw´‐ _‐ノv「ニット帽にお札効果が付加したのは神隠し以降よ。
昔はお守りでなんとかなってたわけだしね」
ニット帽の役目は強すぎる力を抑えるのと、まずい霊が寄ってこないようにするためのものらしい。
「力を使わせないようにしたかったみたいだけど、抑えるのが関の山らしいよ」、シューは言った。
まあどうやら、今話にでてきたお守りが夕方に遊べる環境を作ったようである。
ある意味彼の推察は当たっていた。
( +ω+)「私がそういうのに頼ったのはもっと後になってからだな。
夕、夜は幽霊やら妖怪やらがワラワラ湧き出てたと思ってたしな」
lw´‐ _‐ノv「うん、実際そういうのってけっこうあるよね」
52 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 19:51:34.00 ID:AkLWUr3d0
黄昏は昼と夜の境である。
そういった時間の隙間に霊が出没するのを彼らはみてきた。
だから逢魔時 ( 大禍時 ) といわれてきたのだろう。
彼は言う。
( Фω+)「案外、そこらへんも信仰が関わってたりするかもな。
生前そういう話を聞いて、死んでからその話を思い出して……。
で、数多の霊たちが既成事実をつくってたりしてな」
lw´‐ _‐ノv「そんなことってあるの?」
( +ω+)「ありえなくはないだろ。
臨死体験すると三途の川がみえると聞くだろう?
実のところ、それは民族による差異があるらしい。
あるいは神が現れた、あるいは花畑がみえた、あるいは体から飛びでた……。
同じ民族、同じ文化圏でも個々人で違いがみられると記録されてたぞ」
lw´‐ ,‐ノv「実はあの世がなかったりしてね」
( Фω+)「まあ、それもありだろう。
全てが幻覚で片がつくわけだしな」
霊がみえたとしても、それであの世の存在を証明できるわけではない。
死んだら霊になると確定したわけでもない。
だけど人はそれらを信じる。
人が霊をそういうものだと信じたなら、霊にだって霊の在り方を信じられるだろう。
まあ、答えなど出るわけないのだが。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:55:12.74 ID:xWHcfRgX0
四円
54 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 19:56:15.08 ID:AkLWUr3d0
そうして彼らは再び歩きだす。
一本杉はゆっくり後方へ流れていった。
lw´‐ _‐ノv「そうそう、ロマに頼みごとがあるんだけどさ。
ちょっと離れて歩いてくれない?」
( ФωФ)「なんでだ?」
lw´‐ _‐ノv「危ないから」
不審に思った彼はすぐさま言われたとおりにできなかった。
なのでシューのほうから距離を開ける。
lw´‐ _‐ノv「しかしまあ、百歩譲って石投げるのは許すとしてだ」
シューは首を傾ぐ。
彼女が何をいってるか分からなかったが、彼はすぐ気付いた。
後ろから、さっきまで頭があった位置に石つぶてが飛んできたからだ。
彼女は自然な流れで背後を振りかえる。
そこには一人の少年が立っていた。
lw´‐ ,‐ノv「頭は狙うな、洒落にならん」
(,,゚Д゚)「……」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:57:45.84 ID:xWHcfRgX0
しえーん
56 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:01:56.00 ID:AkLWUr3d0
まだ幼さがのこる少年の顔は、険しくなっていた。
いきなり現れたようにみえたのは、おそらく一本杉の影に隠れていたからだろう。
彼は少年をみる。
もしかしたらこの少年とシューには因縁めいたなにかがあるのかもしれない。
だが、それで投石した事実を肯定できるわけがない。
彼は注意しようとする。
が、それより早く少年は言った。
(,,゚Д゚)「……しぃたちに何をする気だ?」
lw´‐ _‐ノv「あなたの考えてるようなことは何もしないよ」
( ФωФ)「それより少年、お前な……」
lw*‐ _‐ノv「ちょいさー」
(;ФωФ)「 ゲフッッ ! ! 」
彼が何かを話す前に、シューの貫手が横腹を突く。
一瞬、横隔膜がひっぱられたように感じ、彼はうずくまる。
「黙れ」という彼女なりの意思表示らしい。
(,,゚Д゚)「信じられねえよ」
lw´‐ ,‐ノv「そりゃあ私の言葉は何一つ信じないでしょう、貴方は」
(#゚Д゚)「てめえの、そういうところが、気に食わねえっっ!!」
57 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:04:40.29 ID:AkLWUr3d0
少年が突進してくる。
それを認めてシューは一言。
lw´‐ _‐ノv「ばーか」
吐き捨てられたその言葉には、少年が何一つ正解を手にしてないことを証明していた。
そんなことなど知らぬとばかりに少年は拳を突き出す。
シューは殴りかける腕の外側へ、体を進めて避ける。
次いで少年の突き出された方の腕を掴む。
と同時に少年の T シャツの襟元も掴む。
それだけで二人の動きは止まった。
(#゚Д゚)「ぐ……ぅ……」
lw´‐ _‐ノv「これ以上、私からはしぃちゃんたちに何もしないよ。
まあ別に信じなくてもいいよ。
……とりあえずギコくん、今は歯を食いしばれ」
(;゚Д゚)「っ!!」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 20:07:35.46 ID:xWHcfRgX0
しえん
支援
61 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:08:51.46 ID:AkLWUr3d0
シューが少年の腕をひっぱる。
少年もその動きに逆らわなかった。
もしかしたら逆らえないのかもしれない。
二人はシューを中心に、独楽のようにぐるりと二回転して、
lw´‐ ,‐ノv「よっ」
(;゚Д゚)「うおっ!」
襟元を掴んでいた彼女の手が離され、代わりに少年の顎を軽く押した。
二人の喧嘩を遠目で見ていた彼にはそう感じた。
しかしそれだけで少年は背中から倒れた。
(,, Д )「 ガッ ! ! 」
lw´‐ _‐ノv「……ぬるぽ?」
地面はアスファルト。
畳じゃないため、投げ技はすごく痛いはずだ。
案の定、少年は呼吸を乱していた。
シューが加減したからか、頭からは落ちなかったようだ。
地面に横たわる彼に背中をむけ、シューは言った。
lw´‐ _‐ノv「さ、ロマ、帰ろうか」
(;ФωФ)「あれは放っておいていいのか」
lw´‐ _‐ノv「あの子なら勝手にするでしょうよ」
62 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:13:25.92 ID:AkLWUr3d0
冷たい言葉だった。
信頼しているといってもいいのだろうか。
シューに促され、彼もその場から離れる。
少年は追ってこなかった。
しばらくして、彼は聞いてみた。
(;+ω+)「なあ、シューよ」
lw´‐ _‐ノv「ん?……ああ、そのことか。
あれは入り身投げだよ。
普通に構えをとっていたとしても、後ろ足のかかと方面へ押すとバランスが崩れるの。
それを利用した合気道の投げ技だね。
……本当はこういう喧嘩に使っちゃまずいから、みんなにはナイショだよ」
(;+ω+)「いや、そっちじゃない」
lw´‐ _‐ノv「分かってる、ギコくんのことでしょ?」
(;Фω+)「……分かっててはぐらかしたのか」
lw´‐ ,‐ノv「豊かな会話は豊かな人生をつくりあげるのでぃす」
ギコと呼ばれた少年はなんだったのか。
彼はあの現場に居合わせていたが、何が起こったのかさっぱり分からない。
シューが疲れた声で言った。
lw´‐ _‐ノv「簡単にいえば恨まれてるんだよね、私」
63 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:18:08.52 ID:AkLWUr3d0
シューはそれだけでこの会話を終わらせようとしたのだろう。
雰囲気で彼は察した。
彼女にとって都合の悪い話だったらしい。
それともあの少年にとって都合が悪いのだろうか。
lw´‐ _‐ノv「しっかしギコくんもたいしたもんだよね。
この暑い中、けっこう歩き回ったみたいよ?
私たちが寺にいってることを知ると、一本杉で待ち伏せしてさ。
本当、ばかだよあの子は」
( ФωФ)「見たのか?」
lw´‐ _‐ノv「見たさ。
そこらじゅうにギコくんの足跡がみえるよ」
寺でのアクシデントのため、彼女は今、ニット帽を被っていないのだ。
だから記憶がよくみえるのだろう。
むしろ見ていなければ、対処も難しいところだったと彼は思う。
lw´‐ _‐ノv「対処は難しいだろうけど、まあ私だし」
(;+ω+)「なんだそれは?」
lw´‐ _‐ノv「私、天才」
( ФωФ)「そう言う輩は馬鹿が多いのだぞ」
天才だからといって、災難を避けられるものではないだろう。
記憶をみなければ背後からの投石はもちろんのこと、合気道の投げ技も決まらなかったはずだ。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 20:19:10.27 ID:xWHcfRgX0
しえしえん
頭に石は洒落にならんな
66 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:21:54.26 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「そうだね、心を見ないと決まらない技ではあるね。
合気道なんて段もってても実戦で使える人はほとんどいないでしょうし。
実戦使用が目的じゃないし……まあ、昔なら違ってたかもしれないけど」
( Фω+)「実戦使用が目的じゃないのか」
敢えて合気道について、彼らは駄弁る。
あの少年には触れないようにしているのだ。
それを意識して彼は話す。
シューも彼と同じ考えであろう。
lw´‐ ,‐ノv「んー……難しいところだけど今は実戦目的じゃないね。
道場には警察官とか自衛隊の人とかいるから、一概にはいえないだろうけど。
ま、あの人たちだって人を殺す気まんまんじゃないんだし、やっぱ実戦使用はなしかな?」
(;+ω+)「まて、なにか物騒なこといわなかったか?」
殺すとはなんなのだろう、彼は視線で問う。
シューは説明する。
lw´‐ _‐ノv「『 投げた相手は見なくていい。
なぜならそいつはもう死んでるから 』
……これが師範代の言葉だよ」
(;ФωФ)「そんな危ないものだったのか?」
スーパー支援
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 20:25:08.65 ID:C+8kCGtxO
お久しぶり支援
69 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:26:18.80 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ ,‐ノv「地面に投げたらダメージでかいから、頭からおちたら重傷確定よ。
それに合気道ってどんな技でも、当て身を入れれる間があるんだ。
しかも、基本的に体勢を崩す武道だからね。
筋肉の防御も薄くなって、そこにうまく当てれば骨くらい折れるっぽいよ」
もちろん今はそんなことしない、とシューは付け足す。
それから彼女は空手や柔道の説明をする。
どうも、今はどの武道もそこまで要求しない、と伝えたいようだった。
lw´‐ _‐ノv「この時代に殺しを要求する武道、武術なんてない方がいいんだ。
特に平和な日本では、一般国民に習わせない方がいいんだ」
( +ω+)「だな」
lw´‐ _‐ノv「……だからやっぱり私は魔なんだ。
どの視点でみても、私は外道を歩いているから」
( +ω+)「……話を戻すなよ」
紅く静かな時刻に、彼女の声はよく透った。
「あれは人みたいなナニカを殺すのに必要な武術だからね」、と。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 20:27:36.16 ID:xWHcfRgX0
しえん
71 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:28:48.76 ID:AkLWUr3d0
六章二話おわり
次いきます
72 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:31:00.01 ID:AkLWUr3d0
六章 遥か彼方
三話 サッチャー
作者元気すぎだろしえん
年末だというのに・・・
74 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:34:38.48 ID:AkLWUr3d0
『 あとで話をきくと A ちゃんは霊媒体質で常にお守りなどを持っているようでした。
小ビンにお神酒などを入れていたのも、そういう対策らしかったです。
もしあのとき A ちゃんがあそこを通りかからなかったら、私たちはどうなっていたか……。
私たちはもう二度とあそこに近づかないと誓いました 』
lw´‐ _‐ノv「……」
ノハ;゚听)「へえ、怖いね」
( Фω+)「ふーむ」
晩飯を食べ終えたあと、彼らはとある番組をみていた。
それは心霊特集で、おかしな写真を紹介したり、投稿された怖い話を再現 VTR にしていた。
今、画面の向こうで投稿された怖い話の解説をしている。
ノパ听)「しかし心霊スポットに行くなんてバカだよね」
( Фω+)「寄ってきた奴がどんなのか分からないのも危険だな」
lw´‐ _‐ノv「……むぅ?」
75 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:37:07.23 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「やっべぇ、怖いけどちょっとトイレいってくる」
('∀`) イッテキマス
lw´‐ _‐ノv「ロマ」
( +ω+)「把握」
( +ω+)つ< ;'A`) オニイサン、ハナシテ
死んだのだから、霊は賢者モードである。
……そう彼思っていた時期が彼にもありました。
そもそも、霊になっても本能 ( エロ ) をもってる奴は地獄に堕ちてしかるべきだ。
本当にこいつにはいなくなってほしい。
もう成仏してほしい。
それが無理ならシャキンに封じてもらいたい。
( Фω+)「……案外いいアイディアかも」
(;'A`) ハナシテ、ハナシテ
必死すぎるだろ、こいつ。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 20:37:31.86 ID:xWHcfRgX0
sien
77 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:44:21.63 ID:AkLWUr3d0
ノハ;゚听)「あー、だめ、私、こういうの、だめなのっ」
「うわあ……」とうめきながらも、ヒートの目はテレビに釘付けた。
駄目なら見なければいいのに、と彼は思う。
というか、だ。
( Фω+)「ウツロを祓っている砂尾家の姉がそれでいいのか?」
ノハ;゚听)「こっ、こわいものはしかたがないじゃんかーっっ!!
うううう、私も誰か死んだ場所には近づかないようにしよう、うん!」
( +ω+)「ま、テレビで言われているような 『 人の死んだ場所に近づかない 』 は無理だがな。
ぶっちゃけてしまえば人が死んだことのない場所なんて、もうほとんどないだろ」
ノハ;゚听)「ロマさんっ!!
あなた、霊がみえるくせに心霊スポットを否定すんの!?」
( Фω+)「……否定はしないが。
私がいいたいのは、霊に逢わない限り気づけないってことだ。
心霊スポットなんて無名なのもたくさんあるのだぞ?」
ノハ;゚听)「ちょ、こわっ。
それ洒落になってないよっっ!!」
( +ω+)「ふふふ」
(*'∀`) コワガッテル ヒータン モエwww
78 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:48:10.75 ID:AkLWUr3d0
『 さて、つづいて心霊写真のコーナーです!!
今回はどのようなものが送られてきたのでしょうか!! 』
画面が切り替わる。
高波長の音楽がなり、その写真をとった詳細をまたもや再現 VTR で説明している。
どんな時に、どういう場所なのか、誰といたか等が再現されてゆく。
そろそろ写真をとる瞬間が再現されそうになったとき、
……電話がなった。
ノハ;゚听)「ひっ!!」
(;+ω+)「とってこようか?」
ノハ;゚听)「い、いや、私がとるからっ」
(;Фω+)「分かったから深呼吸しような」
そんな調子で電話に出られるのかとても怪しい。
彼じゃなくともそう思うに違いない。
そして電話が鳴っているにもかかわらず、ヒートは立ち上がろうとしない。
…………あれ?
( ФωФ)「どうした?腰が抜けたか?」
ノハ;゚听)「いや、あのね……」
ノハ;゚ー゚)「つ、ついてきてくれたら嬉しいなーって思うんだっ」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 20:51:21.05 ID:xWHcfRgX0
しえしえ
ヒートかわええええええ
ペロペロ
81 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:53:55.75 ID:AkLWUr3d0
今夜はじっとり湿った空気が満ちている。
しかしそれは外の話で、廊下の空気は少し冷たい気がする。
怖がり姉さんはそう思ったらしい。
彼の隣で時折ふるえていた。
ノハ;゚听)「ごめんねロマさん」
(;+ω+)「気にするな」
廊下にある受話器に手を添えるヒート。
ゆっくり取りあげ、耳元までそれを持っていき、電話の向こうの誰かに声をかける。
ノハ;゚听)「は、はいっ、砂尾ですっ!!」
気合いが入っていた。
震える声で話すよりはよほどいいだろうと思いたい。
願わくば、ひとまわり声を小さくしてもらいたいところだ。
そんなに怖いのなら、今夜、一人で寝ることができるのだろうか?
彼の考えを余所に、ヒートの声は次第に落ち着いたものとなっていった。
ノパ听)「え……うん、うん。
そうだねえ、ロマさんをそっちに送ればなんとかなるのかな?
一応、シューもつけておくよ。
二人に確認をとって、折り返し連絡するね……うん」
受話器を置くと、ヒートは彼を見た。
またウツロかと彼は思ったが、ヒートの言葉が予想を裏切ってくれた。
82 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 20:58:05.74 ID:AkLWUr3d0
ノパ听)「しぃちゃんがね、お祓いお願いしたいんだって」
( ФωФ)「なんでまたお祓いを?
それより私を指名してもよかったのか?」
ノハ‐凵])「うーん、まあいいでしょう。
なんかね、しぃちゃんの友達が霊に憑かれたっぽいことを話してたんだよ。
真偽はまだ分からないけど、ロマさんなら大丈夫でしょうし」
彼には浄霊できる力がある。
ヒートもそれを知っているため、彼に頼ったのだろう。
「いける?」ときく声に、彼は「大丈夫だ」と返した。
( ФωФ)「というかお前は来ないのか?」
ノハ;凵G)「こわいんだよばかああああああああああああああああっっっっ!!!!」
(;+ω+)「……うん、そうだよな」
心霊特集をビクビクしながら見てた彼女だ。
さっきの今でついていけるわけがない。
そんなわけで、彼はシューに話をつけてくる。
まだトイレにいるのだろうか?
まあ入っていても、戸の向こうから声をかければいいと彼は思い、
lw´‐ ,‐ノv「……………うん、うん」
トイレの前に、携帯電話で誰かと話しているニット帽を見つけた。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 20:59:42.81 ID:xWHcfRgX0
試練
84 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:00:22.52 ID:AkLWUr3d0
砂尾妹は彼の存在を認めた。
しかしまだ通話中のため、彼を無視する形で電話をつづける。
lw´‐ _‐ノv「……ふんふん、なるほどねえ」
lw´‐ ,‐ノv「まあなんだ、ヘリカルちゃん。
『 休み明け覚悟しとけ 』 って皆に伝えてね。
今度かってに投稿したら、サダちゃんと一緒にのろってやるから。
……うん……んじゃ、おやすみ」
シューは電話を切る。
そして彼に向かって一言、「おまたせ」 。
何も言わなくても、言いたいことがすでに伝わっていた。
だが、今生まれた疑問には答えてくれなかった。
彼は頭の中をもう一度整理して、直接聞いてみることにした。
( +ω+)
( Фω+)「 A ちゃん?」
lw*‐ _‐ノv「……てへ」
本名、砂尾アキは肯定した。
85 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:03:59.95 ID:AkLWUr3d0
こうして彼とシューは夜道を歩くこととなった。
ただいま二十時、二人は椎名家へ向かっている。
しぃの友人たちは今、そこにいるとのこと。
lw´‐ _‐ノv「……で、なーんか聞いたことある話だなあって思って確認いれたわけよ。
そしたら、ビンゴだったわけだわさ。
もう泣きたい」
( Фω+)「お前も浄霊できるのか?」
lw´‐ ,‐ノv「いやいや、ロマみたいには無理だから。
私にできるのは拝み屋のマネごと程度だよ。
一応、祓詞もできるにはできるけど……あれやると背中が疼くからね」
( +ω+)「お前も大変だな。
しかしこういう浄霊の依頼はけっこう来るのか?」
lw´‐ _‐ノv「たまにね。
普通ならお寺のほうでやってもらうんだけど。
まあ女の人や子供なんかは、私たちのほうに頼むことが多いかな。
歳と性別が同じくらいだから、相談しやすいのかもね」
「廃神社の子であるからいろいろ甘いんだけどね」と彼女は締める。
砂尾姉妹は心霊現象にたいして未熟者であるからだろう。
浄霊できるレベルはかなり低いと思われる。
しっかりしたものは寺で、あまいものは神社で……というのがここの地域の考えのようだ。
しばらく駄弁っていると、いつの間にか椎名家に着いていた。
86 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:07:15.31 ID:AkLWUr3d0
玄関でしぃが出迎えてくれた。
(*゚ー゚)「夜分遅くにすみません」
lw´‐ _‐ノv「ううん、気にしないで。
私は付き添いだから」
(;+ω+)「……ということは、やはり私がやるのか」
lw´‐ _‐ノv「私よりロマがやったほうが確実でしょ?」
( Фω+)「それもそうだな」
椎名家に上がり、居間へ通される。
そこに四人の少女がいた。
暗い雰囲気を醸しだしてる三人に、つーが励ましている。
lw´‐ _‐ノv「この四人がなにかやったの?」
( Фω+)「……雰囲気的に三人じゃないのか?」
(*゚ー゚)「つーはただの野次馬ですから気にしないでください」
彼らが居間に現れた瞬間、四人の少女は沈黙する。
八つの目が、居間に現れた三人の男女を見つめている。
黙ってても埒が明かないので、この場はしぃが仕切り、つーを除く三人を紹介しはじめた。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 21:10:37.73 ID:xWHcfRgX0
紫苑
88 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:11:35.08 ID:AkLWUr3d0
(*゚ー゚)「左から順に、テルコ、テルミ、コバヤシです。
私のクラスメイトで、たまに一緒に遊ぶ仲です」
⌒*(・ω・)*⌒
⌒*(・∀・)*⌒ 「「「よろしくおねがいしまーす」」」
⌒゜(・ω・)゜⌒
lw´‐ _‐ノv「よろしくね……ええと、キバヤシさん?」
(;゚∀゚)「シューちゃん、私、つーだよっ!!」
(;゚ー゚)「そもそもキバヤシじゃないです。
コバヤシですから」
lw´‐ _‐ノv「あー、ごめんごめん。
初めて会う人だと、顔と名前が一致しないからね。
あなたはテルオさんだっけ?」
⌒*(;・∀・)*⌒「テルミですっ!」
顔が見えないシューにとって、初対面の人の集団とは相性がすごく悪いようだ。
まあ彼にとっても、少女たちは区別がつきにくいのだが。
流行なのか知らないが、三人とも同じ格好だったおかげで。
89 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:16:14.62 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「それでなにがあったの?」
(*゚ー゚)「かくかくしかじか」
lw´‐ _‐ノv「ああ、なるほどね。
なんて面倒なことを」
(;+ω+)「普通はそれだけで把握できないって分かってるのか、このニット帽は?」
(;゚ー゚)「まさか本当に伝わるとは思ってもみませんでした」
lw´‐ _‐ノv「貴方たち、私を誰だと思ってるの?」
( Фω+)「……おいシュー、どういうことだ説明しろ」
シューは自身の力で事情を知ったのだ。
そして一連の流れで分かるだろうが、彼女の力はしぃにも知られているようだ。
ついでにいえば、つーにも知られているのだ。
原因はこの前の祭りの夜にあった。
つーがガサ入れをして、押入れに置いてあったニット帽をみつけたのだ。
そしてその裏側に縫いつけてある布製のお札を見られたのだ。
だから 『 記憶をみる力があって、それを封じるためのもの 』 とだけ説明したのだ。
一応、完璧に力を封じ込められていないことも伝えておいた。
lw´‐ ,‐ノv(というわけ)
彼女は小声で彼の耳にささやいた。
顔見えてても判別できねえよwwwww
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 21:16:42.96 ID:SbQY2weXO
うっわぁぁぁ!ひっさびさ!
92 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:22:59.75 ID:AkLWUr3d0
……この件については後回しにしよう。
今はこの三人の少女たちをどうにかしよう。
彼はそう考え、事情を聞いてみた。
lw´‐ _‐ノv「こっくりさんやったみたいだよ」
(;+ω+)「降霊術の対応は何度も経験したが、こっくりさんははじめてだな。
しかしなんてものを……」
彼は呆れた。
こっくりさん。
降霊術の一種とされる。
紙にかな文字を書き、それに十円玉を乗せる。
そして「こっくりさんこっくりさん、お越しください」といい、霊の言葉を聞くのだ。
ちなみにこっくりさんは孤、狗、狸が語源となっている。
大抵は動物霊を呼び寄せるものだが、稀におかしなものも引き寄せる。
また、たとえ霊がこなくとも、集団ヒステリーを起こす可能性だってある。
だからこっくりさんはとても危険なまじないなのだ。
よい子のみんなは絶対真似するなよ。
lw´‐ ,‐ノv「まあ呼んだものはそんなに大したものではないみたいよ」
(;+ω+)「それが救いではあるがな」
彼らは三人の少女の背後をみる。
シューと彼は、感覚の目ですでにそれを認めていた。
93 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:28:21.72 ID:AkLWUr3d0
< ゚ _・゚> グルルルル…
lw´‐ _‐ノv「犬だね」
( Фω+)「狐じゃなくてよかったよ。
狐だと大当たりの確率が増すからなあ」
lw´‐ _‐ノv「増すんだ?」
(;+ω+)「ああ。
稲荷神社とかから出張してくる輩でもいたのかと疑いたくなるほどに。
たまに私や師でも祓えないときがあったからな」
lw;‐ _‐ノv「うへえ……日本の狐信仰こわいね」
「犬でも当たりはいるけどな」、誤解がないように彼は付け足す。
彼風にいわせてもらうなら、今回のは犬の外れらしい。
ただ呼び寄せられたから来ただけのようで、この霊自体にそれほど脅威は感じない。
三人がこっくりさんを行った現場からここまで来れたことが、小物の証明にもなっている。
しかし、このまま放置しておけば面倒なことになる。
怯える少女たちに彼は近づく。
( ФωФ)「あー、いまから浄霊するから。
簡単に済むので少しの間、大人しくしててくれな」
⌒*(;・ω・)*⌒「はい……」
ガキ使より気になるぜ
戻ってきたのわからなかった
支援
95 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:31:38.60 ID:AkLWUr3d0
( ФωФ)「シュー」
lw´‐ _‐ノv「んあ?」
彼は心の中でシューの頼みごとをしておいた。
彼女はしっかり読みとったようで、「把握」と返した。
lw´‐ _‐ノv「しぃちゃん、ちょっと頼みがあるんだけど」
(*゚ー゚)「はい、なんでしょう?」
そうして台所へ向かうシューとしぃを見た後、彼は再びツインテールたちに向き直る。
正確にはその背後の犬っころに。
彼はかけ声一つ。
( Фω+)「よっと」
<;゚ _・゚> ギャース !
その手が犬の首根っこを掴む。
犬の方も掴まれるとは思ってなかったようで、大いに慌てた。
だがそこは彼の力で黙らせる。
分解するイメージを以って、それを手のひらから放出する。
<;゚ _・... モルスァ…
( +ω+)「ひとまずこんなところか」
96 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:34:11.79 ID:AkLWUr3d0
<;゚ _・... キューン…
犬はまだ首根っこを掴まれていた。
彼もまだこの犬を浄霊させる気がなく、そのため逃げないようにしているのだ。
しばらくすると台所のほうからシューが現れた。
その手にはどんぶりが載っている。
lw´‐ _‐ノv「箸とか立てなくていいかな?」
( ФωФ)「犬だからいらんだろ」
lw´‐ _‐ノv「そだね」
シューはどんぶりを犬の前に差し出す。
中身は猫まんまだった。しぃに頼んで夕食の残りで作ったのだ。
そして彼女は犬に向けて手を合わせる。
と同時に、彼は手を離す。
< ゚ _・... ……
彼はこっそり思う、「まあ最後のこの世だ、これで勘弁してくれ」と。
宗教上の作法など理解できない彼にとって、この行為は同情以外の何物でもない。
せめて少しでも気持ちよくあの世へいってもらいたいと願うだけなのだ。
犬は大人しいままだった。
彼はその様子を眺めて、そして浄霊の理を振りおろす。
今度は完璧にこの世から消そうと力を込めた。
モルスァ
98 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:36:59.84 ID:AkLWUr3d0
…………。
……。
⌒*(・ω・)*⌒「本当にっ」
⌒*(・∀・)*⌒「ありがとうっ」
⌒゜(・ω・)゜⌒「ございましたっっ!!」
三人の少女たちは口々にお礼を言った。
その後、タクシーを呼んで帰っていった。
タクシーが到着する前に、彼は「今後こっくりさんを行わないこと」と釘を刺した。
そして、
( ФωФ)「さて、シューよ。
しぃさんたちはどうなのだ?」
(*゚ー゚)「もしかして記憶をみる力のことですか?」
(*゚∀゚)「私もそれ知ってるよっ!!」
lw´‐ ,‐ノv「……正直、頭を抱えたい」
シューも話したくて話したわけじゃないらしい。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 21:50:22.83 ID:w4m67tpuO
さるった?
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 21:50:55.00 ID:YDjpbA8v0
支援
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 21:51:31.33 ID:SN0h5PYBO
支援
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 21:54:11.39 ID:mopu+SpTO
支援!
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 21:56:52.94 ID:8qlTO5n30
紫煙
104 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 21:57:35.07 ID:AkLWUr3d0
彼は頭の中でシューに質問する。
シューの “ 顔が見えない症状 ” をしぃさんたちは知っているのか?
シューの力をどれほど正確に理解しているか?
しぃたちはその力のことを誰かに話す気はあるのか?
すぐに答えがかえってきた。
lw´‐ _‐ノv「一つ目はノー。
二つ目は、まあそれなりに。
三つめも、ノーだね」
( +ω+)「そうか」
それなら何もいう必要はない。
むしろ、シューにとっては最高の対応ではないだろうか。
ちなみに椎名姉妹は、シューのいっていることが分からず、ポカーンとしている。
lw´‐ _‐ノv「二人ともいい子だからね。
こんな私を不気味がらずに接してくれて、本当に感謝してるよ」
自分より年下の姉妹に頭をさげるシュー。
その当人たちは彼女のいきなりの行動に、吃驚したようだ。
(;゚ー゚)「え?あの?」
(;゚∀゚)「シューちゃん、頭をあげてっ!!」
言われたとおりシューは頭をあげる。次いで自分の正体を語りだした。
そして、
105 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:03:00.25 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「ま、こんなよく分からん奴が私なんだ。
この間まで隠しててごめんね。
だけどこの異状を誰かに知られたくないんだ」
lw´‐ ,‐ノv「普通に誰かと接していたいんだ。
実のところ、まだ隠し事があるのかもしれない。
この力についても貴方たちには分からないでしょう。
明らかに常軌を逸脱しているからね。
でも…………」
lw´‐▽ノv「こんな私でも貴方たちは受け入れてくれるんだね?
変わってるよ、二人とも」
彼女は、わらった。
わ、わらった…?
107 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:07:46.25 ID:AkLWUr3d0
六章三話おわり
>>20 微妙にさっきまで眠かったです
>>73 逆に考えるんだ
いままでが元気なかったのです
>>90 書いた私も分かんねえ
>>94 ガキ使みようぜ
私はみませんが
ちょっとタイム
ななばつさんみてきたら、もうこの前の話あげられてた
ななばつさん流石だな
新しい話も読めたよwww
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:12:52.05 ID:Q4U8uGlT0
支援
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:15:32.62 ID:Ouv5FGvk0
支援
無理スンナよー
111 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:18:34.68 ID:AkLWUr3d0
親戚きて焦って閉じたwwww
>>106 この作品を書き始めた目的の一つが『lw´‐ _‐ノvの顔をいじりたい』なのです
うん、まあ、これが精一杯でした
次いっちゃっていいのか未だに悩むけどいきます
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:20:31.07 ID:Q4U8uGlT0
笑ったか嘲ったかで解釈が変わるな
113 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:20:36.78 ID:AkLWUr3d0
六章 遥か彼方
四話 ポップアウト
114 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:24:16.70 ID:AkLWUr3d0
椎名家からの帰り道。
彼らは星をみながら駄弁っていた。
季節は夏。
九時を過ぎた程度で、放射冷却されていてもまだ空気が生ぬるい。
朝に近づくほど肌寒くなっていくが、この時間にその冷気は期待できない。
……はずだった。
( +ω+)「そういえばさっきのお前の笑顔、なかなか可愛らしかったぞ」
彼の何気ない一言だった。
それが一瞬だけ空気を凍らせた。
シューはすばやく夜空から彼に視線をシフトする。
lw;‐ _‐ノv「おい」
(;Фω+)「ぬ?」
彼女の声は震えていた。
その時になって、彼はとんでもないボタンを押してしまったのでは、と不安になった。
ナイス直感、それ正解。
lw;‐ _‐ノv「わわ、わ、わたしうまくわらえてたの?」
(;ФωФ)「あ、ああ」
lw*‐ _‐ノv「マジ?!表情作れたの?!」
115 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:27:57.77 ID:AkLWUr3d0
lw*‐ _‐ノv「ィヤッホオオオオォォォォォォォイッッ!!!!」
彼女は喜ぶ。
しかし無表情。
いや、興奮しているのか、頬が少し赤みを帯びている気がする。
辺りは暗いので見間違いかもしれないが。
そしてシューよ、今が夜だということを忘れているだろう?
(;+ω+)「ヒートじゃあるまいし」
lw*‐ _‐ノv「いやだって、嬉しかったもので。
私、顔パターンが脳にないから、自分で思った通りの表情できないのよ。
それなのに笑えた!
しかも可愛いって言ってもらえた!!
私、進歩している!
もう鉄仮面って馬鹿にされたり、冷徹だって言われずに済むんだ!
これでニコニコ顔をマスターしたら、今後、嵐だってやり過ごせる!
ざまあみろ、運命 ( バーカ ) !!
これで私に襲いかかる数多の災難を乗り切れるぜぃっっ!!」
ここにヒートがいなくてよかったと、彼は心から思った。
もしいたらどうなったか、容易に想像できた。
116 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:31:50.41 ID:AkLWUr3d0
その後、砂尾家に帰ったシューはヒートに報告した。
当然、彼女は笑顔のことも話してしまった。
ヒートは我がことのように喜んだ。
彼は耳をやられた。
そして明くる日の朝、砂尾家の居間にて。
lw´‐ 皿ノv「笑えてる?」
( ФωФ)「悔しがってる」
lw;‐ _‐ノv「ノー……」
結論からいえば、あの時の笑顔は偶然だったらしい。
流石にかわいそうに思い、彼は慰める。
( +ω+)「まあ偶然にせよ、表情を出せたのだ。
練習すればいつか顔の筋肉がほぐれるだろうよ」
lw´‐ _‐ノv「おい、筋肉がほぐれるってなんだよ?
私の顔はそこまで鉄製なの?」
(;ФωФ)「すまん、失言だった」
lw´‐ _‐ノv「許さん。
それに失言ってなんだよ、本心ではそう思ってるのかよ?」
とっさの問いに思わず彼は、心の中で肯定してしまった。
支援
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:34:03.24 ID:Q4U8uGlT0
支援
119 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:35:55.37 ID:AkLWUr3d0
(;ФωФ)「ぐわあああああああああああっっ!!」
lw´‐ ,‐ノv「ほれほれ」
シューは彼の腕を掴んでいる。
そしてそこにあるツボを押している。
そこは筋肉のつかない部分なので、はっきりいうと押すと痛い。
上から押されて、彼は立ち上がることができなかった。
lw´‐ ,‐ノv「ごめんなさいはー?」
(;ФωФ)「ご、ごめんなさい」
lw´‐ ,‐ノv「うん、分かった。絶対許さないけど」
(;ФωФ)「ぎゃああああああああああああっっ!!」
ノパ听)「……今日も平和だねえ」
('A`) ソウダネ
離れたところでヒート ( と余分な何か ) は眺めていた。
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:36:21.95 ID:Q4U8uGlT0
支援
121 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:40:58.61 ID:AkLWUr3d0
ノパ听)「さてと」
ヒートは立ち上がり、外出の準備をする。
そして戯れている二人に声をかけた。
ノパ听)「ちょっとお墓参りいってくるね」
lw´‐ ,‐ノv「む」
ヒートの一言にシューは敏感に反応した。
彼もようやく解放されて、一息ついている。
lw´‐ _‐ノv「私もいったほうがいい?」
ノハ*゚听)「いやいや、今日のところは私だけでいいよ。
簡単な掃除だけだし、お供え物も用意するのに時間かかりそうだしね」
lw´‐ _‐ノv「分かった。
んじゃ明日からいくことにするよ」
ノハ*゚听)「うん、それでお願いね」
(;+ω+)「ふぅ……ふぅ……。
しかしなんでまた墓参りに?」
彼の疑問に姉のほうは呆れ顔に、妹のほうは無表情ながら眉間を押さえた。
シューには「なんて駄目な子」なんて言われる始末だ。
ヒートはため息を吐いて、彼に教える。
ノハ;゚听)「一応、今日からお盆なんだけどね」
支援、しかし季節外れだなww そうかコレ夏休みの話だったか
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:45:03.94 ID:Q4U8uGlT0
支援
124 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:45:34.66 ID:AkLWUr3d0
( ФωФ)「……ああ、忘れてた。
そういえばそんな時期か」
lw´‐ ,‐ノv「ロマが今、すっげえ罰あたりな発言したよ」
罰あたりだろうが、彼は気にしない。
どう頑張っても墓参りなどできないのだから。
そこでヒートは問うてきた、「……もしかして私がここにとどめたから?」
もちろんそれは関係ないので、彼は否定した。
( +ω+)「いや、私の祖先がどこで眠ってるか分からないだけだ。
だから私には関係のない行事だと思ってたのだ。
どこかに墓があろうと、どうせ今年も帰れないからな」
ノハ;゚听)「さらりと重いこといったよ、この人っっ!!」
( Фω+)「まあ世間では重い話題だろうが、慣れたしな」
だから彼はこの話題をあまり話さない。
慣れるだけ多くの反応をみてきたからだ。
それらの相手をするのも面倒になってしまったのである。
彼の肩に手が置かれる。
シューだ。
lw´‐ _‐ノv「同情してやろう。
私の境遇を聞いた時と同じくらい同情してやろう」
……こいつ、意外に根に持つタイプかもしれない。
125 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:48:59.13 ID:AkLWUr3d0
ノハ*゚听)「んじゃいってくるねー」
ヒートは手を振り、居間を後にする。
少しして、玄関の戸の開閉する音がきこえた。
さて、残された者たちはなにをして時間を潰すのだろうか。
lw´‐ _‐ノv「んじゃちょっくらイメトレしてるわ」
( ФωФ)「暇だから後でみてもいいか?」
lw´‐ _‐ノv「邪魔しなければ別にいいよ」
(*ФωФ)「……そういわれるとしたくなるな」
lw´‐ _‐ノv「……気持ちは分かるけどその場合、パワーをメテオに変えるよ?」
邪魔した時は命がけで制裁するらしい。
刀でも振り回すのだろうか?
まあシューの冗談なのは分かるけど。
lw´‐ _‐ノv「んじゃ部屋にいってイメトレしてるよ。
勝手に入ってきてもかまわないから」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:49:26.72 ID:Q4U8uGlT0
しえんしえん
127 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:53:06.15 ID:AkLWUr3d0
シューは断りをいれて自室へ向かう。
こうして居間には彼一人だけが残った。
……いや、もう一匹余分なのがいるのだが。
('A`) ヒマダー
( +ω+)「ふむ」
彼もやることがなく横になろうとしたが、ふと、いいアイディアが浮かんだ。
彼とこの霊ならば、出来る遊びがあるのだ。
ありがたいことに半透明の男も空気を読んでくれた。
('A`) アーアー… ……アー
('∀`) オーケーデス
( Фω+)「よし!」
彼らは目を輝かせる。
ヒートやシューがいたら絶対できないであろう遊びをしようというのだ。
志の高い兵どもを止めるものは誰もいない。
――――― さあ、全力で戯れようか。
パワーを支援に!
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:57:02.33 ID:mopu+SpTO
支援
こんな時間まで投下していて大丈夫なんだろうか
130 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 22:59:08.99 ID:AkLWUr3d0
('A`) 『何ダ貴様ハ! 何者ダ!?』
( ФωФ)「『よくぞ聞いた。
我輩は宇宙大魔王杉浦ロマネスク!
この地球を征服しにB78星雲からやってきた悪の帝王だ!!』」
('A`) 『フザケルナ!
コノ正義ノひーろー、ますく仮面ガイル限リ、ソンナ悪事ハ許サンゾ!!』
( ФωФ)「『何ィ、正義のヒーローだとぉ!?
それはいい! ならば今ここで貴様を倒せば、我輩の悪のステータスも上がるというものだ!!』」
(;+ω+)「ククククク……
行くぞ、マス……グファッッ!!!!」
(;'A`) ッ !
台詞が途切れた。
彼の頭めがけてメテオが降ってきて、床に落ちたそれは勢いよく跳ねた。
当然、彼は無事では済まない。
頭を押さえてうずくまっている。
やがてメテオらしき物は動きを止め、その正体を知ることができた。……目覚まし時計だった。
転がったそれを拾い上げ、魔導士は言った。
lw;‐ _‐ノv「悪寒を感じて駆けつけてみれば……なにやってくれてんのさ?」
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 22:59:41.31 ID:D1sLsBxG0
支援
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 23:01:11.51 ID:8RBHz3Xq0
そういえばマスク仮面と宇宙大魔王、ってこないだも言った気がするぞwww
133 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:02:56.24 ID:AkLWUr3d0
(;+ω+)「いいではないか。
暇だったのだから」
lw#‐ _‐ノv「黙れ。
こういうのはいろんな方面で怖いんだよバカアホマヌケっ」
(;+ω+)「大丈夫だ。
誰もみてないから。
お前も何かになりきってみればいい……例えばラスカとか」
lw#‐ _‐ノv「あんな T シャツ持ってないよっ。
これ以上そういう話続けるなら、脳削るよっ!!」
(;'A`) マアマア、オチツイテ
lw#‐ _‐ノv「貴方はちょっと生きてた時の痛みを思い出せよコラっ」
(;'∀`) ア、ア、ケラナイデ
そこからはもう散々だった。
シューが暴れ、彼はフルボッコにされた。
霊の男は何度も蹴られていたが、なぜか嬉しそうだった。
ほんの十分程度で嵐も治まってくれた。
ただ、彼はシューの部屋に強制連行されることとなった。
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 23:03:42.75 ID:s5seYRYK0
ちょwwwwそのネタは禁術だろうにww
支援す
ドクオが大活躍ってこれかよwwwwwwww
136 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:07:31.64 ID:AkLWUr3d0
lw;‐ ,‐ノv「ったく、意識を集中させようってときに」
(;+ω+)「……っつぅ、頭が痛い」
lw;‐ _‐ノv「ほれ、これで冷やしてな」
(;+ω+)「ん、ありがとう」
シューは自分の部屋に戻ってくる前に、台所から氷をとってきていた。
ビニール袋に入れられたそれを彼にわたす。
彼は受けとった氷袋を頭に押し付ける。
( +ω+)「ひんやりしていて気持ちいい〜」
lw´‐ _‐ノv「そこらへんで横になって休んでるといいよ。
んじゃ私はイメトレしてるから」
言われたとおり、彼は横になる。
シューはニット帽を脱ぎ、畳の上に半跏趺坐で座りこむ。
そして彼女は目を閉じる。
いつも薄目の彼女が目を閉じたところで、違いはあまりみられないのだが。
遠目だと坐禅にしかみえない。
しかし、やっていることは瞑想だ。
シューの部屋は、外から入ってきた蝉の鳴き声しか聞こえなくなった。
137 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:12:00.31 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv
( Фω+)(……ふむ)
彼はこっそり感覚の目を開ける。
白は紅く、灰色は黄色く、黒は緑に。
色は混ざり、そして分かれ、滲み、点在する。
この異状な視界で、彼はいつも心霊現象を読みとってきた。
シューを見る。
イメトレを始めて一分も経たないのに、彼女の周りで変化がおきていた。
それは昨日、寺で彼女に起こったのと同じ現象だった。
……色の薄色化だ。
実は彼自身、この視界を覆う混色フィルターの正体を正確に理解していない。
だが、彼はこれまでの人生で多くの心霊現象に触れてきた。
それ故なんとなくではあるが、色がどういうものなのか考察できている。
霊たちは色を強くもっていたから。
シューの少女っぽい地平線がゆっくりと膨らんでは元に戻る。
その呼吸にあわせて、彼女自身から色の粒が放出された。
おそらくだが、彼女は周囲の何かをとりいれている。
彼が色と認識できるような何かを。
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 23:13:40.01 ID:r0QZTTBiO
いいですとも!
支援
139 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:16:30.99 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv
( Фω+)
十数分ほど経過した。
色の粒が出たり入ったりを繰り返している。
さすが神通力なだけはある、と彼は思う。
こういう現象は彼とて滅多にお目にかかれないのだ。
lw´‐ _‐ノv
( Фω+)(ん?)
彼は横になってずっとシューをみていた。
そしてシューは今、ニット帽を被っていない。
だから彼女より早く異変に気づけた。
今日の彼女の T シャツには 『 老人に席を強請ろう!! 』 と書かれていた。
読みが “ ゆすろう ” なのか、 “ ねだろう ” なのか迷うところだ。
だが今は、席の字が黒く塗りつぶされていた。
つまり 『 老人に■を強請ろう!!』になっているのだ。
“ ゆすろう ” でも “ ねだろう ” でも、潰されたところに入る文字によっては危険ワードになる。
黒塗りされた席の字に視線をむけると、 黒い部分は徐々にだが広がっているようにみえた。
この現象は彼にも覚えがある。
数日前の黒い少女が、彼の頭の中に現れた。
来年もよろしく支援
141 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:20:27.58 ID:AkLWUr3d0
(;ФωФ)「おい、シュー」
lw´‐ _‐ノv
彼は起き上がり、すぐにシューに近づく。
ニット帽をしてないので、今日の彼女は倒れていない。
が、彼のよびかけにも反応を示さなかった。
(;ФωФ)「シューっ!」
揺すろうとして、彼はシューの肩に手を置こうとする。
その直前で彼は空気が振動していることを知った。
lw´‐ _‐ノv「 ブツ… ブツ… 」
(;Фω+)「……あの時の呪文か?」
彼女は何かをいっている。
しかしほとんど声になっていない音なので聞きとれない。
いよいよまずいと思った彼は、強く彼女の肩を叩く。
と同時に彼女も彼の手を掴んだ。
lw;‐ _‐ノv「……」
(;+ω+)「目が覚めたか?」
彼は問いかけた。
142 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:23:03.97 ID:AkLWUr3d0
シューは彼に視線を送る。
表情が若干強張っているように感じた。
触れた彼の手のひらから、彼女が震えている事実を知った。
なにかよくない記憶でも見たのだろうか?
彼は再度問いかけようと顔を近づける。
(;Фω+)「大丈夫か?」
lw;‐ _‐ノv「っ!」
シューは後ろに身を引いた。
その様子をみて、彼は黒い少女の言葉を思い出す。
『 怖いんですよ。顔の見えない人たちが怖いから嫌いなんです 』
( Фω+)「……怖かったのか?」
lw;‐ _‐ノv「そりゃあ、顔なんてワケワカランものが視界を占領してたらね。
集中してたわけだし、ロマに注意むけてなかったし」
( +ω+)「すまん」
lw;‐ _‐ノv「頼むから予想外の行動をとらないでおくれ。
心臓とまるから」
誰よりも早く記憶をみる少女がいう。
そんな力をもつ者に対して、予想外の行動なんてそうそうとれるものではないのだが。
143 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:26:53.49 ID:AkLWUr3d0
lw;‐ _‐ノv「それよりどうしたの?
ちょっかいかけるためとか言ったら、全力で警察呼ぶからね」
(;ФωФ)「呼ぶな呼ぶな。
それよりお前、自分の腹をみてみろ。
墨が湧きでてるぞ」
lw;‐ _‐ノv「え……あ、ホントだ」
( ФωФ)「軽くシャワーでも浴びてこい」
lw´‐ ,‐ノv「……そうだね」
そんなわけでシューは着替えを用意して、風呂場へ向かった。
T シャツは無地の黄緑のものを選んでいった。
目の前で替えの下着を押入れからとりだしてたが、本人は気にしていなかった。
まあ洗濯では一緒に洗ってるみたいなので、いまさら羞恥心も湧かないのだろう。
シューがシャワーを浴びている間、彼は彼女の部屋で待機していた。
しばらくして、再びシューがこの部屋に現れた。
( +ω+)「体から墨が出ていたのだろう?
黒の T シャツは着ないのか?」
lw´‐ _‐ノv「これから暑い時間をすごすのに黒はないよ。
さすがの私でも熱中症になりかねないから」
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 23:27:20.76 ID:r0QZTTBiO
ごめん限界だねみい
ラスト支援
146 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:30:52.74 ID:AkLWUr3d0
( Фω+)「……今みた感じでは、墨がでてないな。
止まったのか?」
lw´‐ _‐ノv「一時的なものだったみたい。
こういう症状は始めてだよ」
( ФωФ)「そうなのか?」
lw´‐ _‐ノv「うん」
シューが言うには、墨がでるのはいつも力が暴走する直前らしい。
暴走のプロセスは次の通り。
1.体から墨がでる
2.力が暴走、記憶の海へようこそ
3.力が治まる
4.墨が止まる
5.“ 私 ” をリカバリー
lw´‐ ,‐ノv「つまり、体から墨が出たらしばらく出っぱなしなんだよ。
すぐ止まるなんてこれまでなかったよ」
( ФωФ)「……イメトレが成果を出したのか?」
結論はでない。
しかし、シューの力は少しづつ変化をみせているらしい。
147 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:35:17.73 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ _‐ノv「墨を抑えたとも、暴走しかけたとも考えられるね」
( +ω+)「喜んでいいかどうか迷うところだな。
そういえばまた何か呪文唱えてたぞ」
lw´‐ ,‐ノv「……それは知らなかったよ」
気づかないほど集中していたのか、それとも記憶の海に溺れかけたのか。
やはりここでも結論はでない。
それより、と彼は疑問に思ったことを聞いてみた。
( ФωФ)「あの呪文はいったい何なのだ?」
lw´‐ _‐ノv「さあ?
適当に記憶を読みあげちゃったんじゃない?
記憶の海に溺れかけると、自分の思考なんて彼方へ飛んじゃうからね」
( Фω+)「そんなものなのか」
だから呪文を唱えているとき、シューにその記憶が残らないのだ。
そう彼女は話した。
つまり、そのときの彼女はトランス状態になっているのだ。
その状態の彼女ならば、物の記憶も容易に吸いとれるだろう。
誰かの生前の記憶を読むのもかんたんだ。
……シューの力は、彼女すら知り得ない情報をもってくるだろう。
彼はそこに危険を感じた。
この投下が今年中に終わるのかが気になってきた支援
149 :
◆pGlVEGQMPE :2010/12/31(金) 23:39:56.44 ID:AkLWUr3d0
lw´‐ ,‐ノv「しっかしさあ。
ただでさえおかしな刺青してるのに、さらに墨の紋様が浮かんでくるって……。
本当に女の子としてどうなのよ、これ。
私はどこぞのシャーマンかよ?」
( ФωФ)「シャーマンキングの妻になれるのではないか?」
lw´‐ _‐ノv「……気味が悪いのは自覚できてるから一生独身でいい。
将来の夢は石女なわけだしね」
なかなか悲しいことをいう。
素材が素材なのだから引く手数多だろうに。
児童ポルノ規制がどうとか騒がれているしな、と彼は思い、シューを憐れんだ。
そこでシューが一言。
lw;‐ _‐ノv「頼むからそんな怖いこと考えないでおくれよ」
合法ロリ的需要か
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 23:42:19.48 ID:YDjpbA8v0
支援
しえ
さるか?
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:09:14.33 ID:UGpfQTiT0
支援初めになるのがここで良かった
あけおめ支援す
155 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:11:05.18 ID:0oJIG6LT0
六章四話おわり
分からなかった人のために解説をば
>>130の('A`)と( ФωФ)の会話は『('A`)ドクオは正義のヒーローになれないようです』から
>>133のラスカは『( ^ω^)ブーンがシリアルキラーになったようです』の登場キャラから
それぞれ使わせてもらいました
正直、投下してもいいかどうか迷いました
ですがあの部分が今までで一番楽しく書けたので投下しちゃいました
ごめんなさい
二作品とも面白いので未読の方は読んでみてはいかがでしょう
>>122 イエス
作中の時間経過が遅いためですね
いきなり冬にはなれませんので…
>>132 以前ですか?
ちょっと覚えがないですね
>>134>>135 楽しかったwwwww
>>140 今年もよろしくお願いします
>>148 ははは
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:13:05.59 ID:ffGL3P9+0
あけおめです支援
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:13:58.22 ID:2n97e1e7P
新年初支援
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:14:13.98 ID:/flEKei4O
あけましておめでとうございます!
支援
>>155 >132だけどごめんさとりごころの話じゃなかった気がする
正義ヒーローはいろんなところでパロられてるよね
160 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:14:47.89 ID:0oJIG6LT0
明けちゃいました
今年もよろしくお願いします
作品の基になった音楽聴いてたのにニコニコめ…
そしてさるで歳跨いじゃったから、悔しくてそば食ってました
>>112 笑った、でおkです
次いきます
161 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:17:23.48 ID:0oJIG6LT0
六章 遥か彼方
五話 カクテルパーティ
162 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:21:44.41 ID:0oJIG6LT0
町のスピーカーが十二時を知らせる。
そのブザー音はシューの部屋にも届いた。
四枚。
その数字はシューが今日着た T シャツの枚数だ。
二人はそれらを畳に並べて観察していた。
文字入りのものは今日のはじめに着ていたものだけだ。
それ以降は無地のものになっている。
( ФωФ)「ふむ、やはり墨が少なくなっているな」
lw´‐ _‐ノv「やっぱり私の力、変化してるのかな」
これは彼が思いついたことだ。
二枚目の T シャツでシューが再びイメトレしていたら、また墨が湧きでたのだ。
再びシャワー浴びようと風呂場へむかう彼女に、彼は待ったをかけた。
もしかしたらまたすぐに止まるだろうと考え、それならどのくらい墨がでるかみてみようと提案したのだ。
そして腹と背中の部分が黒ずんだ T シャツが四枚できた。
これに対し、シューは「ひどいじゃなイカ!!」とか意味不明な供述をしており。
……まあ犠牲になったものたちを思い、悲しんでいたっぽい。
lw´‐ _‐ノv「二枚目からは止まるまで着てたせいで、墨の着色部分が大きいね。
三枚目、四枚目とつづくにあたって、着色部分が小さくなってるのはどうしてだろう?」
( Фω+)「イメトレが原因だとしても、すぐにいいイメージに変えるなんて無理だからな。
お前……もしかして力の制御のコツでも掴んだのか?」
しえーん
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:23:27.01 ID:xkD7i7nK0
あけおめ支援
あけおめさとりごごろ支援
166 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:26:16.20 ID:0oJIG6LT0
lw´‐ _‐ノv「うーん、実感湧かないわ。
単純に異状への慣れとかじゃないのかな?」
二人は顔を見合わせ、首をひねる。
ちなみにお昼時だが、彼らは昼飯の準備はしていない。
ヒートが弁当を買ってくると連絡してくれたためだ。
( +ω+)「今日は他にもおかしな点があったな」
lw´‐ _‐ノv「なになに?」
( Фω+)「墨がでるのは暴走の前兆っていったよな?
そのわりには今日、お前が頭を押さえる姿をみていないのだが」
lw´‐ _‐ノv「そういえば今日はそんなに痛まないね。
でも一応、刺青の結界は働いているよ。
少しクラクラするだけで、頭痛はないけど」
( +ω+)「……今日のお前の力は色々ちぐはぐな点があるな」
lw´‐ _‐ノv「つまりどういうこと?」
( ФωФ)「不安定なりに制御出来てきてる、というところか?」
lw´‐ ,‐ノv「……その答え聞いて、私、どんな反応をすればいいんだろうね?」
知らんよ。
お前が考えろ。
167 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:29:13.61 ID:0oJIG6LT0
彼らが腕を組んで考えていると、遠くのほうから玄関の戸を開ける音がきこえた。
ヒートが帰ってきたようだ。
lw´‐ _‐ノv「とりあえずお昼にしようか」
( +ω+)「だな」
部屋をでて、居間へ向かう。
廊下の途中でヒートと顔をあわせた、「ただいまーっ」「おかえり」
三人で居間に入り、ヒートは両手にもっていたビニール袋の片方をテーブルに置く。
もう片方は床のすみに置いた。
ノハ;゚听)「いやあ、今日もあっついねー」
( ФωФ)「この家は涼しいのだがな」
lw´‐ _‐ノv「周りに緑が多いからじゃないの?
一応神社だったのがすぐそこにあるしね」
ノハ;゚听)「それだけが救いだよ本当に」
lw´‐ _‐ノv「弁当はなに買ってきたの?」
ノハ*゚听)「じゃじゃーんっ!!」
ヒートはテーブルに置いたビニール袋の中から、容器を三つとりだす。
そして得意げに彼女はいった。
ノハ*゚听)「温泉卵弁当、三人前、おまちっっ!!」
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:29:52.96 ID:xkD7i7nK0
支援
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:30:43.19 ID:vtlfmCmr0
温泉卵弁当美味しそう
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:31:36.85 ID:xkD7i7nK0
気がついたらオムさんが更新してた支援
171 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:33:06.35 ID:0oJIG6LT0
( ФωФ)「……なんだそれは?」
lw´‐ _‐ノv「あー、ロマは知らないんだっけ。
妹者丘で経営している温泉で買えるんだよ。
ぶっちゃけちゃうと温泉卵入り牛丼みたいなの」
ノハ;゚听)「いや、それはいわないであげて。
ただでさえ田舎の温泉なんだから。
外から来た人をガッカリさせたら営業妨害で訴えられるよ」
lw´‐ _‐ノv「大丈夫、牛丼もおいしいから」
( Фω+)「なるほど、牛丼か」
ノハ;゚听)「……」
ノハ*゚听)「ま、いっか。
それなら早く、この牛丼を食べましょう!!」
三人に牛丼が行き渡り、そして手を合わせる。
そしてそれぞれの口を合わせて、「いただきます」
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:34:03.18 ID:xkD7i7nK0
支援
173 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:37:32.19 ID:0oJIG6LT0
三十分程度で皆、昼飯を食べ終えた。
牛丼を入れてきたビニール袋に、空の容器をいれる。
ごみも片付け、三人は冷蔵庫で冷やしていた麦茶に口をつける。
コップ片手にヒートは思いだしたように言った。
ノパ听)「そういえばさ、シューになにかあったの?」
( ФωФ)「ん?」
ノパ听)「だって着ている T シャツ、朝と違うよ」
lw´‐ _‐ノv「あー……そうだね」
今、シューは薄紅色のものを着ている。
もちろん無地のものである。
さきほどの墨が原因だ。
黒い T シャツなら、たとえ体から墨が湧きでても気にならない。
しかし暑い時間帯に黒い服など着られるわけがない。
なので、汚れても問題ないと思われるものをチョイスしたのだ。
もちろんシューのチョイスだ。
ことごとく無地のものを選んだのだ。
よほど文字入り T シャツが大切なようだ。
それをシューに読みとられると彼女は反論した、「それらはオシャレだから」
彼は彼女の感性を疑った。
大丈夫かこいつ、と。
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:38:26.83 ID:xkD7i7nK0
支援
175 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:42:33.86 ID:0oJIG6LT0
とりあえず彼らは朝からこの時間までの出来事を簡潔に話す。
ヒートは黙ってきいてたが、彼らの話が終わったところで疑問をぶつけた。
ノパ听)「でもさ、ロマさんが教えてからまだ一週間も経ってないよ。
そんなに早く変化するものなの?」
( ФωФ)「ああ、それか。
まあそういうものだからな」
そもそもなんらかの力なり験なりを身につけるのは大変なことだ。
昔はそれこそ荒行なんてものもあった。
そういう修行はたしかに長い時間がかかるのだろう。
なぜならば、その人たちは力を持っていないから。
持ってない験を得ようとする修行は、人生を費やしても得られないかもしれない。
だが、シューは違う。
さまざまな偶然により、験と呼ばれるようななにかをすでに持っている。
ならば後はそれに気づき、コントロールするだけなのだ。
( +ω+)「自らの内にある力ならば、あとは本人の努力次第だからな。
シュー自身、昔から霊の類がみえたのであろう?
コントロールしようとしてなかっただけで、記憶をみる力とも付き合いが長い。
だから順応性も高いのだろう」
才があるということだ。
とても嫌な才だが。
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:42:55.03 ID:xkD7i7nK0
支援
177 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:47:41.81 ID:0oJIG6LT0
lw´‐ ,‐ノv「なるほどなるほど。
シューちゃん、スーパーヒロインか」
( Фω+)「なんだそりゃ?」
lw´‐ _‐ノv「私、神様に愛されガールってことでしょ?」
ノハ*゚听)「ま、実際そうなんじゃないかってくらい天才少女だったりするもんね、シューって。
私が高校三年の頃、よく受験勉強につきあってもらったしね」
(;+ω+)「……おい、流石にそれはおかしくないか?」
普通に考えればありえないことだ。
もし本当ならば、シューの頭脳は同世代よりずば抜けているといっていい。
以前、シューは学年成績一位だと教えてもらったが、それほどのレベルだとは思いもしなかった。
lw´‐ _‐ノv「そのころあたりから記憶をみる力を授かったわけでね。
だから手探りでいろいろみてたわけなんだよ。
それで受験シーズンの頃になってヒー姉が困ってたから、力を使ってみたの。
私はみた記憶を覚えて教えただけだよ」
(;+ω+)「……たしかにお前の力は天から授かった才みたいなものだが。
それを天才と表現していいのか?
というかテストの時、カンニングとかしてないだろうなお前?」
lw´‐ _‐ノv「むしろカンニングしたら間違うでしょうが。
なんで九十スレ未満の点数の奴らをみなければならんの」
大真面目な声で言ってのけた。
記憶をみて不正をしているのではなく、本当に頭がいいらしい。
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:48:25.47 ID:xkD7i7nK0
スレ…?支援
179 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:52:00.64 ID:0oJIG6LT0
( ФωФ)「……ちなみにいつもどのくらいの点数なのだ?」
lw´‐ _‐ノv「中学校の百点満点のテストでたまに満点とってたよ。
今までの最低点は九十ジャスト。
現国の小論文には消えてなくなってほしいね」
(;ФωФ)「まじか?」
lw´‐ _‐ノv「大マジ」
ここで高校のテスト結果をあげなかったのは、まだ二回しか受けていないからとのこと。
それでもいままでの高校のテストでも平均点九十以上だったらしい。
なんなのだろう、こいつ?
( +ω+)「人は見かけによらないのだな」
lw´‐ _‐ノv「私の見かけはアホの子か?」
ノハ*゚听)「大丈夫、人間アホの子にみえるくらいなのが可愛いんだよっ!!」
lw´‐ _‐ノv「……ヒー姉、それフォローになってないッス」
まああれだ、天才と変人は紙一重だということだ。
シューは紙一重で変人なのだが。
それで自らを「神様に愛されガール」といってしまう痛い子なのだ。
lw´‐ _‐ノv「変人と思われるのはいいけど、痛い子と思われるのはいやだなあ。
そういう悲しいこと考える人にはちょっとご褒美をあげないと」
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:53:49.15 ID:xkD7i7nK0
sienn
181 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 00:55:59.15 ID:0oJIG6LT0
( Фω+)「どんな褒美だ?」
lw´‐ _‐ノv「選択できる権利を与えようか。
右脳と左脳、次に目覚まし時計をぶつけられるならどっちがいい?」
(;ФωФ)「どっちもお断りだっ」
彼は思わず、朝の戯れの時に当てられた部分をさする。
不自然な膨らみがあり、触れると痛い。
こぶができていたことを今はじめて知り、彼は落ち込んだ。
それから特にやることのない三人は適当に駄弁った。
この番組の司会者がどうだとか。
晩飯なににするかとか。
次に雨が降るのはいつなのかとか。
ノハ*゚听)「五日後に雨が降るらしいよ。
多分そこあたりですずしくなってくるでしょうね」
lw´‐ ,‐ノv「それはありがたいね。
私、夏は本当に苦手だから」
( Фω+)「ニット帽だからな」
ノハ*゚听)「私は夏、好きだけどねえ。
夏生まれだってことが関係してるのかな?」
lw´‐ _‐ノv「私は秋生まれだから秋が好き」
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 00:57:28.18 ID:xkD7i7nK0
支援
183 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:00:34.78 ID:0oJIG6LT0
( ФωФ)「そうだったのか」
ノハ*゚听)「意外だった?」
( +ω+)「いや、けっこう予想通りだ。
シューなんて名前からすぐ分かるものだしな」
ノパ听)「あ、そういえば。
シュー、貴方、宿題やってる?」
lw´‐ _‐ノv「夏休みのはじめの一週間で大体は。
残るは読書感想文だけだよ」
(;Фω+)「……お前が優秀だと違和感あるな。
まあいい。ところで読むものは決まっているのか?」
lw´‐ _‐ノv「うん。
『 タイムマシン論 』 にしようと思ってる」
ノハ;゚听)「……以前読んだことあるけど、あれって学術書の類じゃなかったっけ?」
(;+ω+)「なんの感想を書く気なのだ?」
lw´‐ _‐ノv「夢があっていいじゃん。
特異点さえあればワープできるなんてすばらしいと思わない?」
まずデロリアンみたいな乗り物を作ってくれ。
「それ、再提出くらいそうじゃない?」、ヒートはぼそりと呟いた。
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:02:15.91 ID:OXh/s5si0
あけおめ支援
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:02:29.18 ID:vtlfmCmr0
シュー頭いいなしえn
あけおめ支援
187 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:05:20.21 ID:0oJIG6LT0
そうこう話しているうちに、いつのまにか十三時を回っていた。
lw´‐ _‐ノv「さて、ちょっくらイメトレしておこうかな?」
ノハ*゚听)「私はやることないから自室で本でも読んでるよ」
( ФωФ)「それなら私は全力で戯れるとしよう」
ノパ听)「?」
lw´‐ ,‐ノv「……ロマは黙って私についてこい」
午後からそれぞれが予定を述べる。
そしてこの場は解散しようという流れになった時、玄関の戸が開く音がきこえた。
「ごめんくださーい」
「ごめーんくださーいっっ!!」
はじめにそれなりの音量で、次いでヒートっぽい元気はつらつな大声がした。
彼らには聞き覚えのある声だった。
lw´‐ _‐ノv「はいはい、今行きますよー」
ノパ听)「どうしたんだろ?」
( ФωФ)「さあ?
遊びに来たとか?」
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:06:42.01 ID:xkD7i7nK0
支援
189 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:10:16.94 ID:0oJIG6LT0
シューは訪問者を迎えるため、玄関へゆく。
そこには三人の子供たちが立っていた。
一人は中学生の女の子。
一人はその妹。
そしてもう一人は、同じく中学生の男の子。
(*゚ー゚)「すみません、いきなり押しかけてきて……」
(*゚∀゚)「遊びにきたよ!!」
lw´‐ _‐ノv「うん、用件は分かった。
まあ三人とも上がりなよ」
どうせ午後にやることといえばイメトレくらいしかなかったのだ。
遊びにきてくれたならどんな子でも歓迎してやらねば、と彼女は思う。
二人は言われたとおり、靴を脱いだ。
lw´‐ _‐ノv「貴方も上がりなよ。
あ、でもそのバットは玄関に置いておいてね。
室内では野球出来やしないんだし」
(,,゚Д゚)「……」
「別にとって食おうとしてるわけじゃないのだけど」、シューは彼の肩に腕をかけてこっそり言う。
少年は慌てたが、彼女は特に気にしなかった。
そのまま内緒話を続ける。
lw´‐ _‐ノv( 貴方は殺人犯になりたいの? )
(,,゚Д゚)( …… チッ )
190 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:12:30.63 ID:0oJIG6LT0
しぃたちとギコは幼馴染なのだ。
家もわりと椎名家の近くにある。
だから少年は彼女たちと外でばったり会うこともあるらしい。
今回はそのように彼女たちに会い、シューに遊びにゆく旨を聞いて、少年もついてきた。
砂尾家のニット帽少女は素早くギコから情報を読みとった。
lw´‐ _‐ノv( 私を恨んでるのはわかるけど、最近過激じゃね? )
(,,゚Д゚)( 普通に飛びかかっていったら、いつも返り討ちにされたじゃねえか…… )
だから過激にならざるを得ないとギコは思う。そしてシューは読みとる。
シューは記憶を読み、そして心を読む。
故にこの少年がとる過激な方法にも対処できる。
なんらかの武器を持っていたら投石する。
投石されたらよける。
どこを殴ろうとしていても避ける。
奇襲されそうになってもすぐ察知する。
だからギコはシューに勝てない。
まあ、なんらかの格闘技をやっていたなら話は変わるが、少年は素人なのである。
(*゚∀゚)「あー!!なに内緒話してるのーっ!?」
lw´‐ _‐ノv「ん、ギコくんがね、こんなこと言ってるんだ。
『 くやしい、でも男一人だと疎外感感じちゃう、ビクビク 』 ってね。
だから他にも男友達呼んでみようかと思ってね」
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:13:08.87 ID:xkD7i7nK0
支援
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:16:20.91 ID:ffGL3P9+0
寝支度前支援
193 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:16:50.29 ID:0oJIG6LT0
(;゚Д゚)「俺はそんなこといってないっ!!」
lw´‐ _‐ノv「だいじょーぶだいじょーぶ、お姉さんは分かってるって。
ギコくんを一人ぼっちにしないからさ。
でもここでダダこねちゃったら、ギコくんの好きな子バラすぞー?」
(*゚ー゚)「あ、それちょっと興味あります」
(;゚Д゚)「……え、あんた知ってるの?」
lw´‐ _‐ノv「ギコくん、耳を貸しなさい」
こうしてシューはうまく話をそらした。
そして少年の想い人の答え合わせをする。
記憶をみたので正解率 百パーセントなのが、ギコの不幸だろう。
(;゚Д゚)「ぎゃあああああああああああああっっ!!」
lw*‐ ,‐ノv「ふぉっふぉっふぉ、わったしーはなーんでーもしっているー♪」
(*゚ー゚)「シューさん、気になるので教えてください」
(*゚∀゚)「私にも教えて!
私もギコをつつきたいのっ!!」
(;゚Д゚)「お前ら、聞いたら承知しねえぞ!!」
lw´‐ _‐ノv「……まあ男はショボン一人呼べばいいかな?」
194 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:23:00.00 ID:0oJIG6LT0
シューは客人を居間に招いた。
ギコをみた居候の彼が眉をひそめたが、シューが招き入れたなら、と深く考えなかった。
ヒートは純粋に遊びにきてくれたことを喜んでいた。
その後、シューは寺に電話した。
ショボンは「寺を抜ける良い言い訳になりそうだ」と少し嬉しそうだった。
昨日の結界の修行でもやってたのだろう。
とりあえずシャキンからオーケーが出たようで、すぐ向かうと言っていた。
そうしてシューが電話を終えて、今。
(*゚ー゚)「実は昨日の御礼に伺いました」
ノハ*゚听)「へえ、こんなに野菜をくれるとは。
これは助かるよ」
(*゚∀゚)「そして遊びにきました!」
ノハ*゚听)「おー、それはありがたい。
なにもないところだけどゆっくりしていってねっ!」
(,,゚Д゚)「……」
lw´‐ _‐ノv「でも本当になにもないんだよね。
なにしてあそぼっか?」
( ФωФ)「缶けりとか体を動かす類がいいのでは?」
ノパ听)「うーん、今の時間帯だと外で走ったりすると日射病になりそうだけど?」
しえ
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:25:25.41 ID:0Na2rFeyO
これでギコの好きな子がしぃじゃなくてつーだったら斬新なロリコンだなw
197 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:28:38.80 ID:0oJIG6LT0
lw´‐ _‐ノv「日陰でひっそり遊べるのがいいのかな?
それともカードゲームやる?
七人だから配られる枚数少なくなるだろうけど」
(*゚∀゚)「みんなでキャッキャッウフフしたい!!」
ノパ听)「ふーむ、それなら……」
ノハ*゚听)「花火でもやる?」
こうして彼らは明るいうちから花火をすることになった。
「貰いものだったんだけど夜はやる暇がなくてね」、ヒートは花火をとりだしてきた。
外は日差しが強かったので、シューが家の麦茶をもって家を出た。
彼は人数分の紙コップをもち、シューのあとにつづいた。
花火は下でやることになった。
下とは、砂尾神社の石段の下の空き地である。
ここの神社が機能しなくなる前は駐車場や催し物として使っていた。
先日は祭りの出店もこのあたりで営業していた。
彼らは木の影に水の入ったバケツを設置する。
シューと彼は日の当らないベンチに麦茶とコップを置く。
ヒートはチャッカマン片手に皆に注意事項などを話しはじめた。
198 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:32:43.49 ID:0oJIG6LT0
ノパ听)「火を誰かに向けないこと。
草木やゴミを意識的に燃やさないこと。
火の消えた花火はバケツの中に入れること」
ノハ*゚听)「守らなかったら鉄拳制裁ね。
んじゃみんなーっ、たのしめーっっ!!」
(*゚∀゚)「おおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」
ヒートのかけ声に答えたのはつーだけだった。
そも、夏の一番暑い時間帯に外で花火をやるのはおかしいと思わなければいけなかった。
「ヒートの提案に賛同したの誰だよ」、彼はげんなりしながら呟いた。
lw´‐ ,‐ノv「私だ」
(;+ω+)「なんだお前か」
ノハ*゚听)「暇を持て余した」
(,,゚Д゚)「神々の」
(*゚∀゚)「??……なにそれ?」
(*゚ー゚)「なにかの合言葉ですか?」
椎名シスターズの言葉が四人に突き刺さった。
真面目っ子と元気少女は、そのタイプの知識に疎いようだった。
なぜだろう。なにも間違えていないはずなのに、敗北感が彼らを包みこんだ。
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:33:41.60 ID:xkD7i7nK0
支援
支援支援支援
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:36:33.69 ID:0Na2rFeyO
しえーん
202 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:36:56.62 ID:0oJIG6LT0
ノハ;゚听)「ま、まあギャグはこのへんにしておいて。
みんな、好きなものをとるんだっ!!」
さきほどのやりとりをなかったものにしたいがため、ヒートは花火をやるよう促す。
皆は言われたとおり、それぞれ好きなものを手にとる。
しぃ、つーはオーソドックスなものを。
ギコは爆竹を。
ヒートは仕掛けのある花火を。
彼は紙コップを。
シューは煙玉を。
むし暑いお盆の十四時。
砂尾神社の石段の下で白っぽい煙が上がった。
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:41:21.42 ID:vtlfmCmr0
しぃつーかわいいよ支援
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:42:55.08 ID:0Na2rFeyO
さる退治支援支援
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:44:06.93 ID:ffGL3P9+0
煙玉待てwwww
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:45:22.00 ID:0Na2rFeyO
IDがオナニーだった支援
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:46:32.41 ID:ffGL3P9+0
俺なんかGL3Pだぜ支援
208 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:46:46.60 ID:0oJIG6LT0
六章五話おわり
>>178での指摘により間違いが判明しました
>>177 lw´‐ _‐ノv「むしろカンニングしたら間違うでしょうが。
なんで九十スレ未満の点数の奴らをみなければならんの」
スレは無視して読んでください
直すの忘れてました
>>196 候補
ノパ听) ←お姉さん的な
lw´‐ _‐ノv ←ロミジュリ的な
(*゚ー゚) ←王道的な
(*゚∀゚) ←ロリコン的な
こっくりさん行った三匹のAA ←大穴的な
考えられるのは今のところこのくらいですかね
実はまだ決めてなかったりします
(,,゚Д゚)の恋話なんて書こうとも思ってなかったけどどうしよう?
次いきます
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:47:42.02 ID:vtlfmCmr0
>>207 FF外伝でそんな卑猥な作品が出るのか支援
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:48:39.80 ID:5Oz7fGdwO
二週年目かな?
とりあえずオメ
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:49:02.29 ID:ffGL3P9+0
今回はロマシューだけにしようよ
212 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:49:53.87 ID:0oJIG6LT0
六章 遥か彼方
遥話 スキーマ
213 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:53:55.39 ID:0oJIG6LT0
皆は花火を楽しんでいる。
一人だけベンチで麦茶を飲んでいる奴もいる。
しかしあれはあれで、皆の様子をみて楽しんでいるのだ。
ヒー姉はひものついた花火を木にぶらさがるよう設置している。
あれは火が消えたあとに提灯が出来上がるものだ。
しぃちゃんとつーちゃんは棒状のいわゆる普通の花火を手にしている。
「きれいだねー」「ねー」、と微笑ましい会話がきこえる。
火の色が変わるのを眩しそうにみているのだろう。
lw´‐ _‐ノv「……」
私は皆から離れてもくもくと煙玉に火をつける。
これでも火薬の匂いは好きなほうだ。
ド派手に火が出なくとも、私はこれで満足できる。
(,,゚Д゚)「……そんなのが楽しいのか?」
lw´‐ _‐ノv「たのしいよ」
背後から声がかかってきた。
もちろん事前に力で察知していた。
今のギコくんには、私をどうにかしようという気はないようだ。
ま、私に近づいたのは一種の警戒だ。
だからしぃちゃんたちをとって食おうって考えてないのに……。
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:56:59.98 ID:0Na2rFeyO
しえしえ
215 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 01:57:46.87 ID:0oJIG6LT0
少し幼い顔つきの少年が私と肩を並べてしゃがむ。
ヒー姉から借りたライターの一つを右手にもっている。
左手には爆竹数個。
爆竹に火を点け、煙玉があると思われる場所へ投げた。
次いで赤い煙のむこうで破裂音がした。
lw´‐ _‐ノv「私と肩を並べるなんて意外だね。
貴方、私のことを嫌ってるとおもったのに」
(,,゚Д゚)「正直、嫌いだ。
だけどお互いこの場ではなにもできないだろ」
ギコくんはしぃちゃんたちの前で、私をぼっこぼこにできない。
私は皆の目があるのでやんちゃできない。
…………というところだろうか。
赤い煙の幕がうすくなる。
煙玉が燃えつきたのだろう。
今度は黄色の煙玉に火をつける。
実は私もヒー姉からライターを借りている。
が、ここは友好の証としてギコくんのライターで火をつけさせてもらった。
(,,゚Д゚)「もう一度聞いていいか?」
lw´‐ _‐ノv「いいよ」
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 01:58:53.52 ID:xkD7i7nK0
支援
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:01:41.45 ID:0Na2rFeyO
ギコとしぃの年齢っていくつだっけ
218 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 02:01:51.81 ID:0oJIG6LT0
(,,゚Д゚)「なんで俺の親父を殺したんだ?」
lw´‐ _‐ノv「さあ?どうしてだと思う?
多分、答えは貴方のなかにあると思うけど?」
(#゚Д゚)「……」
ギコくんの怒りが伝わってくる。
もちろん私は無視して黄色い煙を眺めている。
だって今の少年には、私をどうこうすることができないから。
……私が強いとかじゃなく、単にこの場で争うのはよくないという意味で、ね。
なので、ギコくんは苛立ちを爆竹にぶつけた。
四個ほど一気に火を点け、煙の上がっているところへまとめて投げた。
そして破裂音。その音と爆竹によって煙が乱れた事実が、彼の怒りをすこし鎮める。
ところでギコくん、煙と私は関係ないよ?
ギコくんは私を恨んでいる。
私がこの子の父親を殺したのだと。
うふふ。
幼かった私は間違った選択をしてしまったのだ。
いまさら後悔したところでもう遅いのだ。
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:02:55.41 ID:xkD7i7nK0
支援
220 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 02:06:22.26 ID:0oJIG6LT0
人の脳はよくできている。
知覚した情報を分解し、また、数多のクオリアなどを駆使してリアリティは造られる。
錯覚やある種の法則がその事実を教えてくれる。
例えば。
脳の応答性が一時的に減少して、方向に随伴する色彩残光が発生する “ マッカロー効果 ” 。
ある集団やまとまりを、一定の線や形として認識する “ ゲシュタルト法則 ” 。
顔を逆さまになると、顔の形を正しく認識できなくなる “ サッチャー効果 ” 。
注意をむけてないにも関わらず、いつのまにか情報をとりいれている “ ポップアウト効果 ” 。
逆にあるものを注意して、目の前で起こっている事象をとりいれられない “ カクテルパーティ現象 ” 。
パターン認知もそれに該当するものである。
顔パターンがこぼれおちてしまったせいで、私はこういうのを少しだけ知っている。
でも私はサッチャー効果だけピンとこないんだよね。
大統領の顔を逆さまにしたって、私にはよくわからんものだし。
要するに私たちの現実はいろいろな嘘が混じっているのだ。
目の前で起こっていることが、本当なのかどうかも怪しい。
普通に生活しているかぎりでは、人は盲点すら気づけないのだから。
221 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 02:10:49.99 ID:0oJIG6LT0
そして。
それは人の記憶にもいえるのだ。
『 記憶とは、絶え間ない想起による再構成化の過程である 』
昔の人はそう言ったそうだ。
まあ昔といってもそれほど古い時代ではないし、研究もけっこうされていたはずだ。
そしてこの言葉は 『 記憶は思い出しながら変化してく物 』 ということを意味している。
記憶は微積分のように連続した想起である。
そして想起は、その人の知識や文化的枠組みによって再構成的に行われるのだ。
ちなみに、ここで挙げた人の知識や文化的枠組みをスキーマという。
先ほどの言葉を分かりやすくいうならパズルのピース。
これを組み立て、バラし、組み立て、バラし……を繰り返して一つの絵をつくる。
それが想起だとしよう。
だが、あることが起こるとパズルのピースの絵が変わる。
ピースの一つが変わると、全体の絵もおかしくなる。
そこで脳が矛盾をなくそうと他のピースも少しずつ変えてゆく。
組み立て、バラし、を繰り返して、やがて元の絵がどこにもなくなってしまう。
これが記憶の変容性。
人の記憶は自身が思っている以上にあやふやなものなのだ。
222 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 02:12:56.62 ID:0oJIG6LT0
さて、パズルのピースはどこで変わるのだろう?
それは想起が再構成されるときに使われる、スキーマを獲得したときだ。
例えば、とある少女が少年の父親のウツロを祓ったとしよう。
その少年は父親よりもむしろ少女に怯えた。
まあ、会いたがっていた父親を消されたならそう思うだろう。
そして少女は言った、「私が消した」と。
少年は強いショックを受けただろう。
いいかえるなら、少女の言葉に強く興味を持ったのだろう。
だからその言葉を信じようとしなくとも、頭に沁みこんでしまった。
こうして少年の記憶は変容した。
少年は、私がギコくんの父親を殺したと思っているのだ。
認知障害のせいでこういうのを少しばかり知っていて、そして記憶を読める私だから。
だからギコくんになにが起きたかすぐ理解できた。
私の力で記憶をみれば、きっと返り血に濡れる私が立っているでしょう。
lw´‐ ,‐ノv「本当に、あの時の私はどうしてもっと柔軟に対応しなかったんだろうね」
(,,゚Д゚)「いきなりなに言ってんだお前は?」
lw´‐ _‐ノv「独り言だっつの、返事すんなよ」
物想いにふけっていたら、いつの間にか黄色い幕が消えていた。
次は緑の煙玉にしようか。
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:12:59.06 ID:ffGL3P9+0
ギコいつ出たっけ?
しえんだ
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:15:20.51 ID:xkD7i7nK0
いえん
226 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 02:16:43.65 ID:0oJIG6LT0
緑色の煙が上がる。
今日からお盆。
迎え火と勘違いして早めにこられても、たぶん困る。
なので軽く祈っておいた、「あとでちゃんと迎えいれますので」と。
煙はゆらゆらと形を変えている。
それはまるで私たちの在り方のようだった。
おそらくこの世には正しい物などどこにもない。
もしくは全て正しい。
人も記憶も歴史も罪もなにもかも、揺らいでいる。
だからどこもかしこも不変の正しさはないだろう。
だけど人は社会を形成するため、正しさを定義する。
ならば全てが正しくなりうる。
lw´‐ _‐ノv「まるで幽霊みたいだなあ」
(;゚Д゚)「またいきなりワケワカランことを……」
霊も在るといえばあるし、無いといえばないのだ。
まるで理解不能。禅問答じゃあるまいし。
そしてギコくん、だから独り言だっつってるでしょ。
さて。
気を取り直して再度、記憶をみてみよう。
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:18:01.20 ID:xkD7i7nK0
支援
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:19:00.45 ID:gViEJeerO
さとりごころ初リアルタイム遭遇だ
紫煙
229 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 02:20:46.41 ID:0oJIG6LT0
ギコくんを警戒する意味で、もう一度となりの少年の心を読む。
ふひひ、ごめんねー。私、こわがりなのー。
lw´‐ _‐ノv「……」
(,,゚Д゚)「……」
lw´‐ ,‐ノv「そんなに私が怖いの?」
(;゚Д゚)「……っ、怖がってない!!」
まあ、殺人者と思っている奴と肩を並べているから無理はないけどね。
誤解を解きたいところなんだけど、どう解けばいいんだろうね?
どんなこと言っても、信用されなそうだしねえ。
ギコくん、変に頑固だし。
少年は恐怖を隠すように、力強く爆竹を投げた。
しかし、なんというか空気が重い。
早くきてよショボン……。
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:22:49.72 ID:0Na2rFeyO
シェンムー
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:25:54.73 ID:ffGL3P9+0
ショボンを頼った…!?
232 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 02:31:56.39 ID:0oJIG6LT0
六章遥話おわり
>>210 昨年は投下回数がものすごく少ないから違和感が…
まあその分今頑張っているのですが
>>211 おk
まあ二人がくっつくとは限りませんが
>>217 忘れているだけかもしれませんが、年齢は書いた覚えがありません
ただしぃが中学生ということは明記していたはずです
ギコもしぃと同学年にしちゃおうと考えてます
>>223 六章の二話からです
さて、ここ辺りが起承転結でいうところの承の終わりです
この次も投下すべきかどうか迷いましたが、転は全て書き終えていませんので今回はここまでにさせてもらいます
書き溜め分はあと70レス残っていますが、すみません
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:33:43.87 ID:xkD7i7nK0
乙!
乙です
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:35:12.15 ID:ffGL3P9+0
300中230投下したのか
乙だ
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:36:08.40 ID:0Na2rFeyO
乙!
長時間投下乙
新年も元気でお過ごし下さい
乙でした!
239 :
◆pGlVEGQMPE :2011/01/01(土) 02:38:59.74 ID:0oJIG6LT0
はじめの300レスという発言は
数字+話・・・20レス
言葉+話・・・10レス
をいつも基準として書いていますのでだいたいそのくらいかなあと思って言ってしまいました
数えてみると300レスいってねえ……
ちなみに次の章は断章としておりますので数字+話のものはなかったりします
まあ次の投下も今日みたいなスタイルでやった方がいい気がするので、また間隔が開きそうです
次に現れたときに完結させます故、どうか御慈悲を
では
くそっ、帰ってきたら終わってた
乙
そしてあけましておめでとうございます
今年も待ってます
次に完結とか悲しいこと言わないで小出しでも待ってるんだかんな
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:27:10.14 ID:yDgmh/m7O
投下時間長いと張り付いていられないから辛い
ほし
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 08:39:24.07 ID:V8ykTAyL0
乙
おつつ
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙です