( ^ω^)戦闘諜報員がピザデブだったらこうなるようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 22:41:11.83 ID:Jot9AgPi0
俺に家
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 22:42:47.74 ID:vftGseJV0
↑にいえ
5 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 22:45:12.76 ID:zfsbDZLk0
(´・ω・`)「はっきり言おう! お前たちはクズである!」
刃渡り八十センチ程度の日本刀を持つ、しょぼくれた眉毛の男が乾いた風の中で叫んだ。
男は土壁で造られた民家の屋根の上に立ち、東欧の乾いた風を漆黒のロングコートで受け止めている。
その足元には先端が潰れたり切れたりした幾つもの鉛弾。
全て、この男が刀で叩き落としたものだった。
( ^ω^)戦闘諜報員がピザデブだったらこうなるようです
ニンジャマン編:SHOT-3
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 22:45:36.03 ID:IqnqRgdIO
なんだお前は?ここはパートスレ禁止だぞ!
やめろ!オラ!
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 22:46:53.78 ID:jYkLwoqN0
ピザとデブって同じじゃないんすか?
8 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 22:46:57.22 ID:zfsbDZLk0
( ・∀・)「ファッキン!! 残念眉毛ぇ!!」
その残念眉毛―――――ニンジャマンを見上げるようにして、モララーの持つカービン銃が火を噴いた。
放たれた物体は金属を金属で包んだ高位殺傷弾<フルメタルジャケット>。
防弾ベストをも貫通する弾丸がニンジャマンに迫る。
(´・ω・`)「眉毛のことは言うんじゃねえ。これでも女子には受けがいいんだぜ」
ニンジャマンが刀を構えた。
構えたが、鋭い刃先は水平に構えれており、モララー達へは向けられていない。
右手で刀の柄を持ち。刀身の先端には左手が添えられている。
攻撃でななく、何かを待ち構えるような姿勢だった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 22:48:46.60 ID:lVXLhjvOO
しえ
10 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 22:49:00.39 ID:zfsbDZLk0
そして―――――
( ・∀・)「くそっ。また弾かれた!!」
全ての弾丸が刀によって墜とされた。
(,,゚Д゚) 「弾の無駄だな。あの眉毛の持つ骨董品……ただの趣味じゃなさそうだ」
ミルナが胸を投げナイフで貫かれてから既に二分。
辛くもニンジャマンの先制攻撃から逃れたギコとモララーだったが、
二人の撃つ攻撃はニンジャマンの異常ともいえる反射神経で全て阻まれてしまっていた。
11 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 22:51:22.41 ID:zfsbDZLk0
先ほどまで人々で賑わっていた街道にモララー、ギコ、そしてニンジャマン以外の人影はなかった。
一般市民は民家へ避難し、扉を固く締め、恐る恐る外の様子を窺っているのだろう。
演劇の公演会場のようだな、とモララーは思う。
( ・∀・)「隊長が来るまで何とか持ちこたえなきゃね」
ならば自分たちは役者だ。
ギャラリーが隠れているのならば派手に立ちまわっても害は及ばないだろう。
ニンジャマンの方も民間人を巻き込む気は無いらしく、初めから闘犬部隊のみに狙いを定めて攻撃してきていた。
( д )「…………」
舞台の上には死人役もいる。
黄色い砂地の上に四肢を投げ出したミルナが仰向けに倒れていた。
目を大きく見開き、胸の上には黒墨のナイフが墓石のように刺さったままになっている。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 22:52:28.30 ID:lVXLhjvOO
しえん
13 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 22:55:22.58 ID:zfsbDZLk0
( ・∀・)「ミルナさn……ドMのミルナさん……」
(,,゚Д゚) 「(なんで言いなおしたんだ)」
(´・ω・`)「お前ももうじきそうなるよ」
( ・∀・)「うるせー変態め」
(´・ω・`)「ふふん。見慣れない装備を持った連中がいると聞いて来てみれば
まさかオレ様を狙っていたとは驚きだ。依頼人は誰だ?
どうせ米帝のCIAあたりだろう?」
(,,゚Д゚) 「四の五のと問答に付き合うつもりはない。クライアントからは死体にしてでもいいから
お前を連れてこいと言われている。お前は黙って俺達に殺されていればいいんだよ」
ニンジャマンが人間を超越した存在であることはギコもモララーも既に感じ取っていた。
当たり前だ。
猿のように屋根を飛び回り、どこかの漫画のキャラクターよろしく銃弾を切り落とす人間が
この世の何処にいるというのだ。
14 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:00:52.19 ID:zfsbDZLk0
(,,゚Д゚) 「(まあ、目の前にこうしているんだけどな)」
ゆえに、二人はニンジャマンと遭遇した直後から生け捕りという選択肢を放棄していた。
例え生首のみになっても油断してはならないのがビーストである。
闘犬部隊部隊は経験上それを重々承知していた。
タタラ場の女首領が腕を食いちぎられたのも、
アルファベットで戦う鼻が直角に曲がったオッサンが隻腕キャラになり下がったのも
全ては油断から始まったものなのだ。
(,,゚Д゚) 「弾がダメならコイツはどうだ」
ギコがアサルトライフルに取り付けれられたグレネード弾を発射する。
直撃すれば即死を免れない小型榴弾は放物線を描いてニンジャマンの立つ民家の屋上に直撃した。
=(´・ω・`)ノ「とぅあ!」
着弾の直前、ニンジャマンは人間とは思えない跳躍でギコの攻撃をかわし、
二、三度空中で回転した後に地面の上で華麗な着地を決める――――
(;゚Д゚) そ「うっ!?」
――――ギコの背後に。
15 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:02:08.69 ID:zfsbDZLk0
――――ギコの背後に。
(´・ω・`)「飛び道具に頼り過ぎなんだよ。お前たちは」
銀色の日本刀が煌めく。
(;゚Д゚)「うああああああ!!」
反射的にギコは持っていたアサルトライフルで刀を防いだ。
が、金属製の突撃銃は豆腐が切るようにして真っ二つに切断されてしまう。
勢い余った切っ先がギコの頬を掠めた。
(´・ω・`)「運がいいな。あと一歩踏み込めていたらお前も真っ二つにできたんだが」
ニンジャマンの舌打ち。
着地後、振り向きざまに右手で抜刀したために刀身に乗るモーメントが足りなかったのだ。
気持ち悪い汗を背中に感じながら、ギコはバックステップでニンジャマンと距離を取る。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:02:39.90 ID:Lgv+pLmp0
しぇん
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:03:47.01 ID:yckkwjut0
しえん
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:04:24.85 ID:p6NH/7IRP
おし今のところ全遭遇
街狩り並に技術進んでんな
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:06:36.72 ID:IqnqRgdIO
なにこのゴミ、なんでこんなに人気ないし駄文を平然と公共の場に晒せるんだ?
まずストーリー、よくあるラノベっぽいなにかに萌え(笑)キャラ。
まるでマネキンのような個性のないキャラ。
地の文は文体からしてレベルが低い。
はっきし言ってしまえば俺からして見れば
アマチュアの『ア』の字すらもったいないないゴミ駄作だと思うわ。
小説を語るのもおごがましいんだよ。
小説はな?らくがきとは違うんだよらくがきとは
厨房の妄想じゃないんだよ。高等で至高なんだよわかったか?
クソつまらない駄作を二度と見せんな勘違い野郎が。
20 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:07:06.37 ID:zfsbDZLk0
( ・∀・)「隙あり」
銃倉装填を終えたモララーが再びニンジャマンに発発砲する。
ニンジャマンは刀をギコに振り抜いていたために姿勢が固まったままだ。
( ・∀・)「どんだけ動体視力が良くても、見えないんじゃ意味ないよね」
モララーはニンジャマンの死角に立っていた。
つまり、ニンジャマンから発泡された弾丸は見えない。
今度こそ、当たる。
(´・ω・`)「せいせーい!」
が、ニンジャマンはロングコートの中に隠し持っていた脇差しを左手で抜き取り、死角からの攻撃を弾いてしまった。
(´・ω・`)「惜しいねえ。五連鎖を決める直前にお邪魔ぷよに連鎖阻止されるぐらい惜しい」
荒ぶる鷹のポーズをしながら、どや顔をするニンジャマン。
ギコが唸り、モララーが目を見開く。
21 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:09:51.62 ID:zfsbDZLk0
( ・∀・)「(な、なんで……こいつ頭の後ろに目玉オヤジでもついてんの?)」
(´・ω・`)「よーし。そろそろ飽きたし、お兄さんPMCを皆殺しにしちゃうぞ☆」
サブアームのハンドガンで近距離から攻撃しようとしたギコを蹴り飛ばし、ニンジャマンが腰を深く落とす。
手には刀、思考は抹殺、殺意はモララーへ。
跳躍だ。
モララーは一瞬で理解した。
ニンジャマンの視線の先には自分の心臓。
ニンジャマンは刀を槍のように構えて自分を串刺しにするつもりでいるのだ。
構えられた白刃が死神のように舌なめずりをしている。
(´・ω・`)「血は、人に命を与える」
暗黒のロングコートに隠れるニンジャマンの強靭な下肢が膨れ上がる。
(´・ω・`)「鉄は、人を強くする」
爆発。
そうとしか例えようのない威力速力を持ってニンジャマンがモララーに突っ込んできた。
(;゚Д゚) 「避けろモララァアアアア!!!!」
(;・∀・)「やっべっwwwwwwこれマジでやべe……!!」
22 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:12:01.66 ID:zfsbDZLk0
真っ黒な影がモララーをさらうかのように、棒立ちになった仲間の姿がギコの視界から消えた。
(´・ω・`)「おっと。勢い付け過ぎた」
(; ∀ )「――――――!!」
モララーとニンジャマンが路面に並ぶ屋台に突っ込んだ。
並べられていた売り物の果実や野菜が吹き飛び、木組みの店々が砕け散る。
幾つかのけたたましい倒壊音と土煙りを起こし、舞台から二人の男が消えた。
(;゚Д゚) 「…………」
そして、
(´・ω・`)「オレ様を殺したけりゃ」
瓦礫の中から"ニンジャマンだけ"が出てくる。
(´・ω・`)「戦車百台連れてこい」
片手にぶら下げる刃は真紅に染まっていた。
(;゚Д゚) 「このっ川 ゚ -゚)「なら、そうさせてもらおうか」
23 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:15:37.21 ID:zfsbDZLk0
「撃て!!」
クールの号令と共に高速で突っ込んできた戦車が急停止、搭載された二基の機関銃が吠えた。
マシンガンとカービン銃とでは扱う弾丸の威力もスピードもまるで違う。
ニンジャマンの刀は最新の材料力学に基づいて開発された金属から打ち出した
高い破断応力、弾性力を持つニンジャマンの刀だが、それでも受け止められるものには限界がある。
(´・ω・`)「塑性変形しても電気を流すと元の形にもどるんだぜ!!
でも破断したら意味ないんだぜ!! 機械学会の教科書に書いてあったんだぜ!!」
堪らず、ニンジャマンはギコに振り上げていた刀を降ろして物陰に逃げ込んだ。
(,,゚Д゚) 「隊長ォ!!」
川 ゚ -゚)「何を涙目になってんだ。ばかもん」
運転席からクールが顔を出し、戦車の背後へ避難するようギコに指示する。
ニンジャマン襲撃の知らせを受けたクールが現地のPMCからパクってきた戦車で援護に駆けつけたのだ。
川 ゚ -゚)「ミルナとモララーがやられたか」
(,,゚Д゚) 「すみません。あいつら俺の足を引っ張ることしかしなくて……
俺だけだったら簡単に倒してたんですけどね。
あ、ちなみに今から本気出すところでした」
24 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:17:46.14 ID:zfsbDZLk0
土の上に赤い絨毯を敷くミルナを睨みながらクールは唸る。
悲しみはなかった。
むしろ驚きの方が強かった。
なぜならミルナは今の職に就いてから既に"三回死んでいる"が、暗殺という倒され方は初めてだったからだ。
川 ゚ -゚)「ギコ。モララーとミルナの回収を急げ。ニンジャマンは我々が相手にする」
欺瞞ゆえにミルナが倒れたという可能性を初めから排除していたクールはニンジャマンに対する警戒度を引き上げる。
(´・ω・`)「やべ。しょんべんしたい。膀胱がやばい。爆発する」
一方、迸る尿意を催したニンジャマンは逃げ込んだ民家で厠を必死に探していた。
人様の前で破廉恥なことをしてはいけませんという母の言葉が脳裏を霞める。
彼は紳士なので例え戦場であっても立ちションとか立ちグソとか、そんな破廉恥なことはしないのである。
いつでも用を足せるようにコートの中の下半身は丸裸にし、ニンジャマンは室内を歩く。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:18:25.15 ID:lVXLhjvOO
支援
26 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:22:42.54 ID:zfsbDZLk0
(*´・ω・`)「股間がスースーする……なんだ。この感覚は……?」
生まれて初めての体験だった。
スカートを履いてる女の子っていつもこんな感じなのか?
(´・ω・`)「この解放感はいったい……まさか、これが偉大なる師
『瀬戸内=ジャック・ソン』が仰られたいた本当の自分の開放……?」
この瞬間、ニンジャマンの中で露出狂の種がゆっくりと芽吹き始めることとなる。
「弾頭および炸薬装填ヨーソロー!!」
「照準ヨーシ。目標、腐れ眉毛が隠れてるダイワハウス!!」
( ゚ω゚)ノ「ハァイヤァアアアー」
ニンジャマンが顔を紅潮させながら厠に駆け込んだとき、
クールに無理やり車内に押し込められた内藤と現地PMC隊員が
戦車の主砲をニンジャマンが逃げ込んだ民家へと向けていた。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:24:00.47 ID:lVXLhjvOO
しえーん
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:24:54.42 ID:iS7luIN/O
支援
29 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:24:59.73 ID:zfsbDZLk0
人を殺すときは大きい鉄砲は使ってはいけませんと
国連の偉い人たちが法律で決めているので、戦車のレティクルは壁を狙っている。
( ゚ω゚)「壁を壊そうとしたらたまたま人を巻き込んじゃっただけだもんNE!!」
(;´・ω・`)「ふ〜。すっきり……あれっ。ドアが開かない。えっ? マジ? えっ?」
着弾。そして炎上。
下半身を丸出しにしたままニンジャマンは爆発による圧力と熱波に包まれた。
川 ゚ -゚)「ん〜。いい感じに燃えてんな」
( ^ω^)「我が帝国戦車で爆砕できぬものはありませんお。
あの眉毛はヒャクパー死にました」
(,,゚Д゚) 「フラグなんざ立てなくても最初から立ってるぞ内藤。
あいつはビーストだ。この程度で死ぬかよ」
(´・ω・`)「そのとーり!!!」
30 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:27:33.95 ID:zfsbDZLk0
ニンジャマンが再び瓦礫の中から現れる。
急いで出てきたのでズボンを履いている暇がなかった。
ロングコートの下ではブリーフから解放された息子が揺れている。
(*´・ω・`)「oh……yeah……」
嗚呼……こいつら、俺がコートの下で真っ裸なの知らないんだよな……。
その興奮が。その背徳感が。そのインモラルが。ニンジャマンの精神状態を最高潮に引き上げた。
(((*´゚゚ω゚゚`)))「ぬわははははははは!!!!」
燃え盛る炎を背景にニンジャマンが戦車の真横を駆け抜ける。
途端、戦車の砲身が叩き斬られた。
「あの眉毛、鉄で鉄を斬りやがった」クールがそう舌打ちし、迎撃のために戦車を急旋回させる。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:29:52.10 ID:p6NH/7IRP
英雄ラリってんな
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:30:25.09 ID:DfXI2M1xO
元ネタあんの?
33 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:31:05.29 ID:zfsbDZLk0
(´・ω・`)「オレ様は紳士な剣士だが、実は魔法少女でもあるんだぜ」
発砲される機関銃を避けつつ、ニンジャマンは懐から直方体の黒い物体を取り出す。
物体にはなにやらコードやらスイッチやらが付いた小さな機械が取り付けられている。
粘土の如く、自由自在に形を変えられる二十一世紀の爆弾。C4だ。
(´・ω・`)「魔法を見せてやるよ」
それを再接近した戦車の装甲に貼り付けた。
川 ゚ -゚)「ん!」
(;^ω^)「ああっ!」
内藤とクールがニンジャマンの意図に同時に気付く。
(´・ω・`)「燃えあが〜れ、萌えあが〜れ、燃えあが〜れ、ガンダムぅ」
ぽちっとな。
爆弾付き戦車から離れたニンジャマンが無線スイッチを押す。
34 :
>>32ちょびっとだけあります ◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:35:07.01 ID:zfsbDZLk0
川;゚ -゚)「やっばい!! 逃げよ」
=o);゚ω゚)「ぶへっ!? ちょwwww自分だけ逃げないでくださいおwwwwww
痛い痛い痛い! 蹴らないで!!」
ドカン。
先ほどの砲撃に負けず劣らずの爆発が今度は戦車を巻き込んだ。
灼熱の爆風が周囲の建物を瓦礫に変え、膨張したガスが全てを吹き飛ばす――――
(´・ω・`)「やっべwwwwww火薬の量間違えたwwwwww」
―――――攻撃した本人も巻き込んで。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:38:31.66 ID:lVXLhjvOO
支援
36 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:38:53.56 ID:zfsbDZLk0
**** **** ****
川 ゚ -゚)「う……内藤……おい……」
ぱちぱちと燃える戦車を見ながら、クールは冷たい土の上でうつ伏せに倒れていた。
爆発の衝撃を喰らった余韻のせいか、視界が定まらずピントもぶれている。
四肢を指先から順に動かして行き、どこかが“欠けていないか”を恐る恐る確認する。
身体の節々が痛むが、どうやら致命傷はなさそうだった。
\( 。ω゚)/
横には内藤が白目を剥いて伸びている。
戦車が爆破する直前、クールが内藤を下敷きにする形で地面に着地したのでまともに頭を強打したのだ。
川 ゚ -゚)「他のPMCは……逃げ遅れたのか……」
(´・ω・`)「いや、逃げ出したところを斬殺した」
川; - )「痛っぁああああああああ!?」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:40:32.89 ID:lVXLhjvOO
しえん
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:44:29.29 ID:yckkwjut0
しえん
39 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:44:31.57 ID:zfsbDZLk0
クールの脚にに鋭い一線が走った。
後を追うようにして痛みが追って来る。
切創の激痛は既に経験済みだ。
逐一確認しなくともニンジャマンの仕業であることをクールは瞬時に理解した。
切れたズボンからピンク色の筋肉が覗き、それがみるみる赤くなっていく。
立ちあがりかけていたクールは姿勢を崩し、ニンジャマンの足元に崩れてしまった。
(´・ω・`)「しかしPMCに女隊員がいるとはな。
相当な実力者かな?
男たちの肉便器って感じでもないし」
川; - )「あっ! がッ!?」
ザクリ、ザクリとクールの纏う装備が切断されていく。
メインアーム、サイドアーム、防弾ベスト、予備マガジン。
鬱陶しい蝿を切り落とすように、しかしクール本人には致命傷を与えないように、ニンジャマンはクールの身体を刻んでいく。
爆発による打撲でクールは抵抗することすら叶わなかった。
(´・ω・`)「まあ、切り傷程度にしといてやる。訊きたいこともあるしな」
やがて、恐ろしい斬撃が止んだ。
川メ゚ -゚)「ぐう……お前、なんだその身体は……」
(´・ω・`)「ん? 強化骨格を見るのは初めてか?」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:49:35.10 ID:lVXLhjvOO
支援
41 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:50:41.31 ID:zfsbDZLk0
打撲と切創の痛みに心が折れぬよう、クールは自分を見下ろすニンジャマンを睨む。
そこにはングコートが焼け焦げ、日の元に照らされていたニンジャマンの肢体が露わになっていた。
川メ゚ -゚)「強化内骨格……常人の肉体ではおよそ耐えきれない
理想だけを追い求めた兵装……か」
灰色の人工筋肉。
ピッチリと密着した黒色の戦闘服。
肉体の表面に埋め込まれた鈍銀色のアサルトアクセサリ。
しょぼくれた眉毛を持つ男の肉体は、頭部を除いておよそまともな人間の身体ではなかった。
サイボーグという言葉がこれほど似合う存在はそういないだろう。
(´・ω・`)「ビーストって知っているか」
ニンジャマンが無造作に刀を振るう。
クールの戦闘服が切り破られ、上半身の下着が露わになった。
川メ゚ -゚)「自分の遺伝子に他者の遺伝子を植え込むことで発現する異能者……お前のことだろう」
クールはそれに構うことなくニンジャマンの睨み続ける。
視線を外すと、何故かそれが死に直結すると感じていたからだ。
42 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:52:20.07 ID:zfsbDZLk0
(´・ω・`)「そうだ。俺はガキの頃に、ある英雄の遺伝子を組み込まれたドッペル・ビーストだ。
生存率一%の幸運を掴んだってわけだ。お陰でターミネーターみたいな身体になっちまったがな。
なあ……お前ライデンという男を知ってるか?」
川メ゚ -゚)「知らん」
(´・ω・`)「そうか。まあ、俺が誰の遺伝子を植え込まれたかなんてことはどうでもいい。
肝心なのは俺の能力だ。【ホワイト・ブラッド<白悪魔の雷刃>】っていうんだが……」
そい言って、ニンジャマンは黒いグローブを嵌めた左手で自分のこめかみを指す。
(´・ω・`)「俺は自分の周囲三百六十度にある物体を第六感として知覚できるんだ。
人だろうと物だろうと。小粒のような蟻だろうと音速で飛ぶ弾丸であろうと
俺の検索圏内に侵入したものは全て感じ取ることができる」
(´・ω・`)「機械でいうところのソナーだな。味覚・視覚・触角・聴覚・嗅覚……その全てを
封じられていても俺は街を難なく歩きまわれるし、爪楊枝の上の米粒を斬ることだってできるのさ」
ニンジャマンが刀の切っ先をクールの胸に当てる。
白い、柔らかな肌に僅かな影が落ちた。
43 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:53:44.79 ID:zfsbDZLk0
川メ゚ -゚)「なるほどな。ハンター×ハンターの円みたいなものか」
(´・ω・`)「あんな魔法みたいなものと一緒にするな。知っているだろう?
ビーストが使役する異能は"可能性の連続体"であると」
(´・ω・`)「さっきまで闘っていた奴は俺の能力を驚異的な動体視力
と反応速度だと考えていたようだが、それはこの機械の身体のお陰さ。
いくら"視えて"も反応できないんじゃ意味ないからな」
ぷつっ、とクールの肌が弾力の限界を超えた。
小さな血液の玉が現れ、みるみる膨らんでいく。
(´・ω・`)「で、オレ様の身体と脳みそをさんざんイジリまわした挙げ句に
ゴミのように捨てた米帝が今さらなんのようだ?
お前らのせいで俺の人並みのささやかな人生は糞のように狂ったんだよ」
川メ゚ -゚)「知るかそんなもん。私達はPMCだ。
近所の糞ガキの喧嘩相手から国家解体戦争までをこなす最強の何でも屋だ。
お前の人生プランなんざいちいち気にしてられるか!」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:53:50.70 ID:Lgv+pLmp0
支援
45 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:57:09.31 ID:zfsbDZLk0
(´・ω・`)「俺は"オマエ"じゃない。ショボンという名前がある。
俺がマミーの股から出てきたときから持ってる唯一最期の財産だ」
そう言って、ニンジャマン――――ドッペル・ビースト・ショボン=ダッチマンは刀を垂直に振り上げた。
目は何故かクールではなく、この場にはない遠い何かを見ていた。
(´・ω・`)「さよならだ。戦争の犬」
そして、
(´・ω・`)「せめて美しく。心臓を射抜こう。斬殺体ってのは事後が汚くていけねえ」
ショボンが地面に膝を付くクールと距離をとり、胸の投げナイフを構えた時だった。
「ふ……・ふはははははははははは!!!」
(´・ω・`)「?」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:58:17.55 ID:lVXLhjvOO
しえ
47 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/30(木) 23:59:09.80 ID:zfsbDZLk0
重い、ゾッとする笑い声が人気のない街に響いた。
川 ー )「くくくくく。ふふふふふふふふふ」
魔女を思わせる声の主はクールだった。
ぼろぼろになった身体を手で押さえながら、クールは眉根を寄せるショボンを見据える。
(´・ω・`)「恐怖で狂った……わけじゃないな」
川 ー )「そうだニンジャマン。まだだ。まだこの殺し合いは終わりではない」
(´・ω・`)「だがどうする。お仲間は全滅。ギコといったか……助けた髭面の男もどこかに消えた。
この窮地から脱する方法があるのか?」
攻撃の構えを見せたままショボンが問い掛ける。
それに対してクールは無表情の顔のまま淡々と口を開く。
48 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:01:04.61 ID:qErwdE7b0
川 ゚ -゚)「本当にそう思っているのか?
本当に私達が手詰まりだとでも?
馬鹿が。"獣"は貴様だけではないよ」
その台詞を聴覚が捕らえた瞬間、ショボンは一気に動いた。
何故かはわからない。
ただ頭の奥底で「この女を今直ぐ殺せ」という叫びが聞こえた。
(´・ω・`)「知らんがな。死ねィ!!」
ショボンが投げナイフを放つ。
速い。
傍から見ればショボンは手を真横に振っただけにしか見えなかっただろう。
しかし、その手元からは鋭利な凶器がしっかりと射出されていた。
墨染のナイフは地面に膝を突くクールの胸元へ正確に飛んでいく。
クールは微動だにしない。
動かないのか。それとも動けないのか。
遅い。
もう、避けられない。
川 ゚ -゚)「無駄だよ。確かに速い。だがそれだけだ」
(;´・ω・`)「ん!」
49 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:08:06.99 ID:qErwdE7b0
途端、ショボンの表情が険しくなった。
放ったナイフはクールの手前で地面に刺さった。
ショボンは考える。
弾かれたのか。いや、それは違う。
それならば固い地面に刺さるのではなく落ちているはずだ。
(´・ω・`)「…………」
だが、こんな自問と自答が無意味であることを当の本人はよく分かっていた。
ショボンは今起きた"それ"の答えを既にその目でしっかりと見ていたからだ。
ショボンの眼はクールの柔らかい身体に突き刺さる寸前、ナイフが地面に向かって"進行方向を変える"様を映していた。
まるでレールを敷かれた遊具列車のように自然な動きで急降下し、固い土へと吸い込まれたのだ。
(´・ω・`)「どういうこっちゃ」
ただ、その事実が俄かには信じられなかった。
再び神速のナイフを撃つ。
が、それも右へ左へと吸い寄せられるようにベクトルを変え、クールを避けていった。
50 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:09:48.21 ID:qErwdE7b0
やはり見間違いではなかった。
ショボンの神眼に幻想や錯覚は映らない。
ただ目の前で起きた現象はまぎれもなくリアル。
ナイフは明らかに"ベクトルを変えられていた"。
(´・ω・`)「(アクティブ防御システム?
いや、電磁波兵器がただのナイフをあんなふうに屈曲させられるわけが……)」
ショボンがクールを睨む。
対するクールは不敵な笑みを浮かべていた。
(´・ω・`)「……まさかお前――――」
(#・∀゚)「うがあああああああああああ。オメーが死ねええええ!!!!!」
(´・ω・`)「今度はなんだ」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:10:26.38 ID:FAl4Ynxq0
支援
52 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:12:01.97 ID:qErwdE7b0
瓦礫に埋もれたはずのモララーの絶叫が空から響いた。
見上げると、両目を真っ赤に充血させた女顔の男が宙に浮きながら両手を天に向かって突きあげている。
脇腹からはポタポタと血が流れていた。
ショボンの刃はモララーの身体の真芯を貫いてはいなかったのだ。
「どうりで手応えがないと思ったわ」とショボンは自分の周到さの欠如に呆れる。
(´・ω・`)「オメーは舞空術でも体得してんのかよ。それと、その手の上に浮いてるのは何の冗談だ?」
モララーの両手の上にはショボンに破壊されて今だに燃え続ける戦車が一両。
(#・∀゚)「死ね! 死ね死ね死んじまえぇ!!!!」
(´・ω・`)「やべっwwwww」
それが、重力の力を得て猛烈な勢いで振り落とされた。
百トン以上の大重量がショボンに向かって落ちてくる。
落下地点の近くにはクールもいる。
川;゚ -゚)「ちょ、待て。おいっ。私もい―――――」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:12:25.83 ID:fnd/VhojP
スネークが居そうな世界だな
54 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:14:08.97 ID:qErwdE7b0
(#・∀゚)「燃えてしまえ! なにもかもおおおおおおお!!!!」
額から血を流すモララーが叫ぶ。
鈍い激突音と、一拍遅れての爆発。
戦車内にのこっていた砲弾の炸薬と燃料が引火したのだ。
ドン、っというくぐもった音が連続して響き、人気が無くなった街道上の物々を爆風で吹き飛ばしていく。
黒煙があたりを包み、クールとショボンの姿が見えなくなった。
渦巻く炎を見下ろしながらふわふわと宙に浮くモララーは汚い言葉でショボンを罵り続ける。。
(´・ω・`)「あっぶねぇ」
間一髪、ショボンは持ち前の俊敏さで近くの廃墟へ飛び込み、爆発から逃れていた。
あの巨乳女はどうなったのかな、と考える。
自分が脱出するときは茫然とした顔で落ちてくる戦車を見ていたが――――
川#゚ -゚)「おい、モララー。手前、降りてこい!! あとちょっとで死んでたぞコラ!!」
(#・∀゚)「腐れ忍者ァアアアア!! 何処へ隠れたあああああ!!」
―――――しっかり生きていた。
綺麗な顔が怒りで潰れているがピンピンしている。
どうやら自分が逃げのびたことも既に割れてしまっているようだ。
55 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:16:13.51 ID:qErwdE7b0
(´・ω・`)「面倒臭ぇ。家に帰りてえな」
( ゚д(´・ω・`)『同感だ』
( ゚д(;´・ω・`)「……痛ッ……」
ショボンの胸から白い棒が飛び出した。
いや、それは棒ではない。
刃渡り二十センチ近くもあるスカウトナイフだ。
それがショボンの身体を背中から貫き、白い人工血液と共に飛び出している。
(´・ω・`)「オレ様は夢でも見てんのか? 昨今のPMCは妖怪も雇うのかよ」
( ゚д゚ )「妖怪地味ているのはお互い様だ」
刀を無理やり振るい、とっさに距離を取る。
薄暗い室内にはショボンが心臓を貫いたはずの男、ミルナ=ダルマンが立っていた。
(´・ω・`)「ふー。俺のナイフは確かにお前をハートキャッチしたはずなんだが……」
そう言ってショボンは血まみれになったミルナの上半身を見つめる。
それを受けたミルナは種を明かすようにして上着を脱ぎ捨てた。
胸の傷はふさがっていた。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:17:36.02 ID:1J6XPzbe0
ヴァンプさんですか
57 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:21:41.59 ID:qErwdE7b0
(´・ω・`)「オッサン。何で死んでないんだ?」
( ゚д゚ )「生憎、地獄が満員でな」
正対。そして激突。
拳に打撃補助兵器であるスタンパンチャー<電撃甲拳>を装着したミルナと、
胸にナイフを刺したままのショボンが激しい格闘戦を始める。
( ゚д゚ )「剣対拳では少し分が悪いかな」
(´・ω・`)「バカ言え。そのグローブに当たったらこっちは感電死するじゃねーか」
剣撃とそれをいなす探り合いが数回続く。
(´・ω・`)「そいそいそいそい!」
( ゚д゚ )「どうした。動きが鈍いぞ。やはり先ほどの戦車砲撃が効いているようだな?」
(´・ω・`)「…………」
そして、ボクシングステップを取っていたミルナが勝負に出た。
58 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:22:41.61 ID:qErwdE7b0
( ゚д゚ )「ふん!!」
重い正拳。
(´・ω・`)「ウッチャンナッチャンのイライラ棒を思い出すな」
接触した瞬間に相手へ数千ボルトの電圧を放つ凶悪な一撃を潜りぬけ、ショボンは腰に挿した短刀をミルナの脇腹に突き刺す。
「ぐっ」という短い呻き声と共にミルナの屈強な身体が崩れる。
が、
(;´・ω゚`)「ぐぎゃああああああああああ!!!!」
ショボンの身体に電子の塊が駆け巡った。
見れば、ミルナの左拳がショボンの鳩尾にきっちり入れられている。
素早さでは敵わないことを承知していたミルナの肉斬骨断たる一撃だった。
59 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:26:26.01 ID:qErwdE7b0
( ゚д゚ )「これは返してもらう」
身体をくの字にして思わず膝を付いたショボン。
丸見えになった背中に刺さるスカウトナイフを乱暴に抜き取り、ミルナは渾身の一撃でショボンの顔に膝蹴りを見舞う。
(´ ω `)「げヴぁあ!!??」
堪らず、ショボンは本能的に跳躍し、割れたガラス窓から廃屋を飛び出した。
まともな着地もできず、地面の上を無様に転がるが気にせずそのまま走りだす。
一所で戦い続ければ、わらわらと蝿のようにして闘犬部隊の面子が寄ってくることは目に見えていたからだ。
(;´ ω `)「ふぅ。ふぅ! オレはタイソン=ゲイとウサイン=ボルトの息子なんだ……!!」
途中、ショボンは自分の視界の右半分が無くなっていることに気付く。
(´メω・`)「うげっ。右目を潰されてたか……っと!!」
60 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:32:53.09 ID:qErwdE7b0
今度は足がふらつく。
血を、人工血液を流し過ぎて貧血状態になっているのだ。
ミルナに刺された胸からは心臓の動きに呼応して自分のいのちが噴き出している。
切断された血管に挿入されたナイフが抜かれたことによって、流血を食い止める『栓』が無くなってしまったのだ。
実際、大きな異物が身体を貫いているとき、治療のプロであっても
大量失血を警戒して十分な処置が行えるまではそのまま放置することも多い。
(´メω・`)「心臓の静脈損傷・・・・・・肺も片方死んでるな……」
無知は罪ではなく死である。
自分がどれほどの損傷を受けたのか。
どこまでなら活動できるのか。
それは応急処置が可能なのか。
その度合いを兵士は常に把握しなくてはならない。
ダメージコントロールができない馬鹿はいつか死ぬ。
幕の内一歩のような闘いは戦場では通用しない。
61 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:34:46.53 ID:qErwdE7b0
(´メω・`)「どっかで……休むか……」
とりあえず日陰へ。
ノックもなく入り込んだ民家。
外の喧騒から避難していたのであろう家族らしき人間が
突然ドアを刀で叩き斬って入ってきたショボンを見て悲鳴を上げた。
当然だろう。
何せ鬼のような形相をした男が、体中から白い液体をボタボタと落としながら「お邪魔します」
と言って向かって来たのである。
幼い娘が泣き喚き。母親がそれを抱き寄せて神への祈りを震える声で必死に口にする。
屈強な父親は妻と娘には手を出すなと大きく手を広げてショボンの前に立ちはだかる。
ショボンはそれをまとめて一撃で真っ二つにした。
62 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:38:45.67 ID:qErwdE7b0
(´メω・`)「なんだよ、結構酷い傷じゃねーか。唾付けとけば治るかなあ」
真っ赤な鮮血がアジア風に飾られた壁一面にこびりつく部屋の中で、ショボンはなんとか胸の出血を止めようとする。
いくら薬物と強化内骨格で補強された身体であっても、失血し続ければショック死は免れない。
人工血液は通常の血液よりも大量に酸素を運ぶことができるため、
多少のリスクを覚悟した闘いをすることはできるが、それでも今回受けた傷は酷かった。
(´メω・`)「獣はお前たちだけではない……か。
噂には聞いちゃいたが、まさか実在するとは思わなかったわ」
少しずつ遠のく意識の中でショボンは先ほどまで闘っていた闘犬部隊の顔を思い出す。
(´メω・`)「調子にのって異能を喋るべきじゃなかったかもしれん」
こういった稼業をしていると伝説と実話が入り混じったフィクション<戦場伝説>は嫌でも耳にはいってくる。
大都市への衛星落下を防いだ謎の航空部隊が実は国家反逆罪で殺されたとある孤島の飛行部隊だった、とか。
世界的伝説のスパイが敵の目を欺くのにダンボール箱を愛用していた、とか。
大概が根拠のない出鱈目なものばかりだが、全ては元ネタあっての伝説であるということを今回の件でショボンはよく理解した。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:42:32.11 ID:cqbctohEO
なんだよ来てたのかよ
これから読む支援
64 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:45:06.04 ID:qErwdE7b0
(´メω・`)「ビーストの、ビーストによる、ビーストを狩るための戦闘部隊……」
(´メω・`)=3「化け物を造って。その化け物を殺すために化け物を造ってたんじゃ世話ねぇな」
ドッペル・ビースト。
ある人間の遺伝子に一定量以上の他人の遺伝子を組み込むと、その人間の九割は二十四時間以内に死亡する。
遺伝子は身体を作る設計図である。
混合されたハイブリッド遺伝子を基に生み出される細胞が癌にも似た働きをし、宿主を破壊してしまうからである。
奇跡的に生き残った一割の人間も、大概が臓器の酷い拒絶反応を起こして数カ月で力尽きていた。
しかし、外部から侵略してきた遺伝子を取り込み、制圧し、共存することに成功する人間が稀に出現することがあった。
(´メω・`)「自分の身体を作る設計図を弄るんだ。そりゃ少しでも不備があれば死ぬわな。
生損率一%なんて宝クジで一等当てるようなもんだ」
試練に打ち勝った神からの褒美とでも言うべきだろうか。
その一等を当てた人間にはこの世ならざる恩恵が与えられていることが後の研究で判明する。
65 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:47:52.04 ID:qErwdE7b0
それは端的に言うならば魔法。
空を飛び、物を捻じ曲げ、人の心を読む。
遺伝子改造の生還者たちは人間を超越した能力を個々人で有していたのだ。
(´メω・`)「発現する異能は組み込まれる遺伝子によって大きく変わる。
あの女が率いている部隊の連中も何か持ってるってわけだ」
(´メω・`)「例えば……」
おもむろに投げナイフを胸のシースから引き抜く。
(´メω・`)「姿を消す能力とかな!!!」
(; Д゚)「ぐっ……ばれてたか……」
バチバチと青白い電光を身体に纏いながら、肩を押さえたギコの姿が"半分だけ"現れる。
(; Д゚)「だが、この距離なら!!」
直後に何もないはずの空間からガンパウダーの燃焼音と共に数発の弾丸がショボンに向かって射出された。
66 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:50:59.66 ID:qErwdE7b0
芸の無い奴め。
ショボンはすぐさまそれを刀で防ごうとするが、
(;´メω・`)「ん!?」
刀が重い。いや、腕に力が入らない。
やはり大量出血が身体に響いているのだ。
灰色の強化骨格にギコの弾丸がめり込み、ショボンはそれに構わず再び窓から外へ離脱した。
(;´メω・`)「言ったはずだぞ。俺の【ホワイト・ブラッド<白悪魔の雷刃>】は周囲の物体を知覚できるものだと
お前が戦車の騒ぎのときからお前がオレ様を尾けているのは分かっていた」
刀を杖のようにして立ちあがるショボン。
吐く息が熱い。
自分でも気付かないうちに息が上がっていた。
( Д゚)「まあ……俺の異能はお前とは相性が悪いかもな」
光に照らされるショボンとは対照的に、暗い室内の窓辺からギコが顔を出す。
ギコの肩にはショボンの放ったナイフが刺さっていた。
被弾した箇所は不可視になることができないのか、半透明になった部分に赤い染みが浮き出ている。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:52:02.66 ID:cqbctohEO
支っ援
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:52:07.09 ID:604yGVVe0
支援
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:53:30.51 ID:fnd/VhojP
支援
70 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 00:54:35.91 ID:qErwdE7b0
(´メω・`)「使えそうで使えん異能だな。ステルス迷彩なんざ昨今の科学で既に技術化されている。
お前、戦争に向いてないよ。少なくとも俺には通じない」
( Д゚)「凡兵相手になら十分過ぎる力だがな。でもよ……」
「俺の異能はそれだけじゃないんだぜ」と言い、
(,,゚Д゚) 「こんな小細工もできる」
指をパチンと鳴らす。すると―――
(;´メω・`)「……ちっ」
青白い雷光と共に、
川 ゚ -゚)「なるほど、室内にいたギコには気付いたが、
外で待機していた我々までは感知できなかったようだな。ニンジャマンの探知能力には限界があるらしい」
不可視を解いた、
( ゚д゚ )「異能の性能はビースト自身の精神状態と肉体状態によって大きく左右される
大量失血で感知範囲が狭まっていたのだろう」
闘犬たちが、
(#・∀゚)「ぎゃははっはははは。弱ってるよわってるうううう!!!
殺すよ!? さあブチ殺そう。いますぐいますぐうううう!!!!」
現れる。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:58:04.19 ID:BaOPijE00
ブーンさんテラ空気
72 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 01:02:05.17 ID:qErwdE7b0
(´メω・`)「よくもまあ、わらわらと集まりやがって。
要は、俺と同族の人間ということじゃないか。
と言っても、お前らはビーストとの戦闘に随分慣れているようだがな」
川 ゚ -゚)「だろうなあ。世界広しといえど異能の人間で構成された戦闘部隊はそうはいないだろう」
「そういえばまだ名乗っていなかったな」と上半身がブラジャーだけのクールが
部下に集まるよう指の先端をクルクルと回す。
川 ゚ -゚)#・∀゚)゚д゚ ),,゚Д゚)
「初めましてホワイト・ブラッドのビースト。
我々はPMCニューソク・インダストリ社所属の
独立戦闘ユニット『ウォードック隊』――――」
そそくそと集合した面子が定位置に着き、
73 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 01:04:49.15 ID:qErwdE7b0
(,,゚Д゚)
_,;ト - イ、 ( ゚д゚ )
(⌒` ⌒ヽ ,,ト.-イ/,、
|ヽ ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒)
ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /|
〉 |│ |`ー^ー― r' |
/───| | |/ | l ト
irー-、 ー ,} / i
/ `X´ ヽ / 入 |
「通称『闘犬部隊』
専門はビーストの抹殺だ
よろしくね!!」
川 ゚ -゚)
(⌒` ⌒ヽ
ヽ ~~⌒γ⌒) イ
(#・∀゚) ヽー―'^ー-' |
_, i -イ、 〉 |
(⌒` ⌒ヽ / /
ヽ ~~⌒γ⌒) { }
ヽー―'^ー-' | |
〉 | { ,イ ノ
/ | / | | |
{ } / | | |
| | / .| { |
{ ,イ ノ / | | |
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:07:57.86 ID:cqbctohEO
決まってるんだかいないんだかわからんwww
支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:08:52.20 ID:BaOPijE00
トーイ支援
76 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 01:14:38.58 ID:qErwdE7b0
(,,゚Д゚)「やばい。久しぶりに決まった。これは確実に惚れられる完成度」
川 ゚ -゚)「な? やっぱりこういうのがあるとハクが付くだろう」
( ゚д゚ )「なんで俺だけ正面を向いてるんだ」
(#・∀゚)「ケラケラケラケラwwwwww」
(´メω・`)「初めてですよ。ここまでオレ様をコケにしたおバカさんたちは……」
ショボンが、立つ。
(´メω・`)「いいだろう!!
かつて完成された蛇にすら勝利したこの螺旋の力を持って、
お前たちを精神レベルから殺す!!」
川 ゚ -゚)#・∀゚)゚д゚ ),,゚Д゚)「かかってこいや! こちとら冬のボーナスがかかってるんじゃ!!」
二度目の決戦が始まる。
今度は、獣と獣の屠り合いとして。
川 ゚ -゚)#・∀゚)゚д゚ ),,゚Д゚)「「死ねぇ!! ビィイイイストォオオ!!」」(メω・`#)
これより、戦場は修羅と化す。
\( 。ω゚)/「(やべえ。死んだふりしてたらいつの間にかボッチになった)」
これより、内藤は空気と化す。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:16:47.94 ID:cqbctohEO
これよりって言うか、わりと前からブーンは空気だよな
所々にちりばめられてる色んな小ネタが好きだ支援
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:17:17.01 ID:r+BiWLGkO
支援
79 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 01:24:08.08 ID:qErwdE7b0
本日はここまでです。
遅くまで支援をありがとうございました。
チラ裏ですが、とあるブーン系スレで私がかつて書いた作品を
挙げてくださった方がいらっしゃいました。
正直に言って客観的に見てもあまり支持を得られていなかった作品ですが、
あのようにして「好きだ」と言って下さることは、ブーン系作者の端くれとしては
無上の喜びであり、同時に「やっていてよかたなあ」と心から思うことができました。
感想や応援メッセージをクレクレというわけではありませんが
読者の方々の何気ないたった一言のレスが、作り手にとって無限の糧になることは真実だと思います。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:26:43.75 ID:cqbctohEO
乙!
なかなか続きが気になる展開
差し支えなければ過去作品を教えていただけますか
81 :
◆GOO3eNv.Vk :2010/12/31(金) 01:31:01.45 ID:qErwdE7b0
>>80 ご期待に応えられるよう精進します。
過去作品については中編と短編数本を書いたことがあります。
ただ、まとめて下さっていたサイト様が閉鎖してしまったので今は読むことが
できないかと思われます。
新規作者として出発したいと考えていますので過去作品の紹介は
勝手ながら現在のところは自粛させて頂きたいと思います。
すみません。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:39:25.70 ID:cqbctohEO
過去作品が読めないのは残念だけど、そういう事ならとにかく今はこのピザデブに専念してくれ
応援してる
改めておつ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:26:59.89 ID:t0Uk/OgO0
保守したほうがいいのかな?
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 05:04:46.93 ID:wD8X/MQ20
nad
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 07:28:15.58 ID:O8R9ht+7O
よむほ
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 08:48:16.76 ID:Ouv5FGvk0
応援してるよ
乙 結構好きだよ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 11:50:22.55 ID:Ouv5FGvk0
ほ
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 12:27:55.78 ID:1J6XPzbe0
ほ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 13:04:50.24 ID:fnd/VhojP
乙
スレタイ関係無くなってきたな
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 14:46:09.91 ID:Ouv5FGvk0
年末は人居ないな
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 15:43:33.31 ID:t0Uk/OgO0
ぬ
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
る