唯「女体的な観点で見るとあずにゃんはちょお魅力的だよね」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ぶしつ!
梓「何なんですかその特殊な観点。むしろ観点というか考え方が特殊ですよね」
唯「いや、あずにゃんは可愛いなあということを客観的に表現したくてですね?」
梓「女体的な観点じゃなかったら、可愛くないってことです?」
唯「そんなことは決してないよ!?」
とはいえ。
一応誉められているわけでして、私だって自然と顔がにやけてきちゃうのです。
唯「あ、あずにゃん何だか嬉しそう!」
梓「にゃ!? う、嬉しくなんかないですよ!?」
こう、どうせならもっと直接的に誉めてもらわないと、手放しで喜べないというか。
贅沢なことを言っているとは思うんですけどね。
梓「可愛いって言ったら、唯先輩や憂の方がよっぽど可愛いと思いますけど」
唯「うぅん? 確かに憂は自慢出来るくらい可愛いけど、私はどうかなぁ」
梓「双子かってくらいほとんど同じ顔してるんですから、唯先輩も自分で自分を自慢していいんじゃないですか」
ええ、唯先輩も可愛いですよ。悔しいくらい。
姉妹だから比較しちゃうのは仕方ないかもですけど、性格とか、ふとした仕草とか、私の目から見たら唯先輩のがよっぽど可愛いんですが。
唯「憂に比べたら、自慢出来ることは何もありません!」
梓「いえ……胸を張られても……」
唯「だって、憂だよ!? 私のどこが憂に勝ってるっていうの!?」
まぁ、何でも卒なくこなしちゃう憂には敵わないって、私も思います。
けど、唯先輩には唯先輩のいいところがあるんですよ。
梓「……歳、とか?」
唯「ハタチ越えたら逆にプレッシャーになっちゃうよ!?」
梓「あー……」
生まれた順番は、確かに優劣と関係ないですよね。
んじゃ、他には……何があるかなあ?
軽音部のメンバーである、っていうのは……憂が入部すればすぐにアドバンテージじゃなくなるし。
……あれ?
何に対してのアドバンテージなのかな?
梓「参考までに聞きたいんですけど、唯先輩は、どうして憂に勝ちたいんですか?」
唯「うん? 別に、勝ちたいとかじゃないんだけどね」
梓「はあ。だったら、今まで通りでいいんじゃないですか」
唯「……今まで通りだと、あずにゃんが憂を好きになっちゃうかもしれないでしょ」
梓「はい?」
唯「だから、私と憂が同時に『好き』って告白したら、あずにゃんはどっちがいいか比べて、結局最後には憂を選んじゃうでしょ?」
梓「……はい?」
そんな状況は、今まで微塵も考えたことありませんでしたよ。
っていうか、女の子同士で好きだの何だの、ほとんどジョークみたいなもんじゃないですか。
唯「憂はとっても大好きだけど、あずにゃんを取られるのは悔しいよ」
梓「え? どうして私が憂を選ぶと決め付けちゃってるんですか?」
唯「え? まさかあずにゃん、憂のこと嫌いなの?」
うわあ、何なんだろこの正解のないクイズ。
正直なところ、付き合うのが面倒臭いですよ。
梓「憂は友達、クラスメイトとして好きですが、唯先輩のことは、もっと深く真剣に真面目に好きです」
唯「ああ、やっぱりそうな……え」
梓「いきなり止まらないでください」
唯「……やっぱりそうなんだ、って言おうとしたのに、予想外の答えが返ってきて、え? ってなったんだよ……」
ええ、まあ、さらっと告白しましたから、同じようにさらっと流される覚悟でしたけどね。
でもしっかり引っかかってくれちゃって、唯先輩ってば変なところで律儀ですよね。
梓「好きです、唯先輩」
唯「へっ!? あ、その、私……えええ!?」
周りをきょろきょろ見回したって、どっきりじゃないんですから、誰もいません。
梓「……冗談ですよ。女の子同士の『好き』なんて、非生産的じゃないですか」
唯「えぇ……ものすごく嬉しかったのに、嘘だったんだ……」
いえ、そんなにがっかり肩を落とさなくても。
梓「嘘じゃありませんよ。私は唯先輩が大好きです」
唯「ほわぁ……! じゃ、じゃあ!?」
梓「大好きですけど、女の子同士で何かをどうこう出来るわけないですよね?」
唯「……どうこうは出来ると思うんだけど……あずにゃんは、私とどうこうしたくないんだね……」
梓「したいとかしたくないとかじゃなくて、非生産的だってだけですっ」
男の人が相手なら、結果的に子供が出来るとか、そういうことになるんですけども。
女の子同士で指や肌をこすり付けるんじゃ、無駄に虚しい時間を浪費するだけでしょうに。
唯「……『非生産的』っていうのは、いわゆるレズい行為は何の感情も産み出さないから、っていう意味かな?」
梓「そこまでは言いませんけど、不毛じゃないですか。何度やっても、いつまで続けても、気持ちいいだけだなんて」
唯「私は……あずにゃんに気持ちよくなってもらえたら、嬉しいんだけどね」
照れたような恥ずかしがる感じと、少し寂しげな感じが入り混じった表情。
私を前に言うってことは、つまり、そういうことなんだろうな。
梓「私と、いわゆるレズい行為をしたいんですか?」
唯「……うん。私、自分にそういう気はないと思ってたんだけどね、あずにゃんと会ってからは……その、えっちぃ気分になってばっかりでね」
梓「えっちぃ気分っていうのは、えっと……こ、こういう感じ、ですか」
唯先輩の胸へ、飛び込むように抱き着く。
いつもとは逆。
唯先輩が、普段は私の感触や匂いを楽しんでいるのとは逆に、私が唯先輩の感触や香りを堪能する。
唯「はう、う、うぁ……あっ、あずにゃんっ!?」
梓「レズいのが自分だけだと思わないでください。私だって、唯先輩にこうしたくって堪らなかったんですよ?」
唯「はう……」
言っちゃった。
今までずっと言えなかったけど、唯先輩が誘ってくれたから、言っちゃった。
女の子同士なんて変なのに、唯先輩とエッチなことしたいって思ってたこと、思いっきりバラしちゃった。
唯「い、いいの? 私っ、変なんだよ!? 女の子同士なんだよ!?」
梓「いいんです。唯先輩は変ですけど、私も負けないくらい変ですし」
ぎゅう、って。
私からも抱き着いてるから、唯先輩に抱き締められると、いつもより深く強く身体が密着する。
唯「ううう……しやわせすぎて夢みたいだよう、あずにゃんっ」
梓「んむんむぅ……私も、まさか真正面から唯先輩の胸の感触を思いきり楽しめる日が来ようとは、夢にも思ってませんでした」
唯「え、ええと、えっと……ふふふ、子猫ちゃん? いくらでも楽しんでいいのよ?」
梓「……そういう演技されると、何だか気分が白けてきますね」
唯「わっ、わわっ、ごめーん! だって甘えられたらこう言わなきゃいけないのかなって、だから……」
梓「だから?」
唯「……もうしません。だから、もっとぎゅーってさせてくれる?」
梓「はい、喜んで」
ぎゅううっ。
唯「はー。このまま横になって、ごろごろ転がれたらもっとしやわせなんだろうなあ」
梓「部室じゃ無理ですけど、ええ、まあ、とても素敵な感じですね、それ」
唯「うん、部室じゃ無理だねえ、部室じゃ……」
そんなことを言いながら、私の髪に顔を埋めてくる唯先輩。
今日は体育があったから、汗臭くないか心配だったんだけど。
梓「あ……」
唯「んん……あずにゃん、いい香りがする。あんまりくんくんすると嫌われちゃいそうだから、この辺にしとくね」
梓「い、いえ、別に……嫌なら嫌って言うので、言わない時は気にしないで続けて構いませんよ」
唯「……どうしよう、あずにゃんがすっごく優しい上に何でもかんでもさせてくれるなんて!」
梓「そこまでは言ってません」
唯「えー」
私だって、唯先輩の膨らみの感触をじっくりと味わっているんですから、お相子です。
右にむにーってほっぺを押し付けたり、左にぎゅーっと鼻先を埋めてみたり、ふにふにって谷間の真ん中で顔を左右に振ってみたり。
唯「んっ、あん、あずにゃん……くすぐったいよぉ?」
梓「おっぱいがある人の運命だと思って諦めてください。こんなこと、私には無理なんですから」
唯「……私も、させて欲しいなあ。あずにゃんの胸に、お顔すりすり」
梓「制服ですれて痛くなるだけだから止めておいた方がいいです」
唯「あー、うん、そうじゃなくって……その、はだ、だ、裸っ、に、なって……すりすり……」
梓「言うだけで緊張しまくって心臓ばくばくなくせに、裸になったらどうなっちゃうんです?」
唯「……倒れたら介抱してくれる?」
梓「面倒臭い人ですね」
はあ、とわざと大きな溜め息をついてみせる。
唯先輩の身体が、びくっと震えたのが伝わってきた。
ちょっと心配になって、見上げてみると。
唯「うく、ぐすっ……私っ、やっぱし、あずにゃんにとって、面倒でうざったい先輩なのかなぁ……?」
そんな、今ので泣くことないじゃないですか。
相手の一挙一動、何気ない言葉の端々で傷付くことないじゃないですか。
梓「……はい。本当に面倒臭そうです、唯先輩とお付き合いするのって。今のところは、ですが」
唯先輩の肩に掴まるように手を回して、背伸びして、紅潮したほっぺを伝う雫に口を付ける。
梓「ん、んっ、ちゅ……んもう、ほんとに……ちゅ……面倒、なんですから……」
ちゅ、ちゅっと何度も塩辛い涙を吸っていると、唯先輩が硬直しているのに気付いた。
唯「あ、あう、あっ、あずにゃ……あうあうあぅ……」
梓「……唯先輩。私、お互いに気を遣いすぎる関係って嫌なんですよ。そりゃあ、大事なところでも無神経な態度を取るのはどうかと思いますけど……」
唯先輩は、まだ動かない。
仕方ないから、私はもっと頑張って背伸びしながら、耳元まで口を寄せる。
梓「私は、唯先輩が傍にいてくれると、嬉しいですよ?」
唯「ふぁ……!?」
梓「さっき『今のところは』って言ったのは、唯先輩が、きっと私のそんな気持ちをわかってくれてないからです」
梓「唯先輩は、どうです? 慣れない演技をしたり、エッチなこと考えただけで自信がなくなったり……まぁ、エッチの方は私も興味がないわけではないですけど」
梓「自然体で付き合えない相手に、私が気を遣って、その、今は大好きに違いないですが……もしかしたら、そのうち疲れちゃうかもしれませんよ?」
唯「……そんなの、やだ。あずにゃんが私に気を遣うせいで、疲れちゃうなんて、絶対に嫌だよぉ」
さっきまでとは違って、優しく抱擁してくれる唯先輩。
声色も、まだ鼻声だけど、とても冗談で言っているようには思えなかった。
だから。
梓「じゃあ、唯先輩。いきなりレズいことしたいとか言わないで、そんな風に急がないで、ちゃんとステップを踏んだお付き合いをしましょう?」
唯「うん……そうだよね。勢いですることじゃないもんね」
梓「はい。勢いに任せるのは、もっともっとお互いを好きになってから、です」
唯「うん」
ぎゅ。
唯先輩は、ちょっと身を屈めて、私が背伸びしなくてもいいようにしてくれた。
唯「嬉しいよ、あずにゃん。私のこと真面目に考えてくれてて、すっごく嬉しい。大好きだよ」
梓「はい。私も大好きです、唯先輩」
唯「うん。ありがと、あずにゃん。ほんとに大好き」
柔らかくてあったかいほっぺが、すりすりとこすりつけられる。
唯先輩は、延々と説教を垂れていた私をずっとしっかり抱き締めていてくれて、話を聞いた上でも諦めないでくれたみたい。
もし軽い気持ちだったら、とっくに離れてるハズ。
梓「で、でも、ですね?」
唯「んにゅんにゅぅ……んぅ?」
梓「私が入部して結構経つわけですし、その頃から唯先輩は私に抱き着いたりしてたわけですし……世間一般の、見知らぬ間柄が告白で成立したカップルじゃないと思うんですよ」
唯「……そのココロは?」
梓「……き、キスくらいまでなら、しちゃっても、いい、の、かなー、なんて……」
私は。
一体。
何を言っているんだろう。
これじゃ、普段より濃密なスキンシップで発情したみたいなのに。
梓「いえっ! 今のは何でもないです! 聞かなかったことにしてくださいっ!」
わたわたと腕を振って、唯先輩の身体を突き放そうとしたけれど、もう遅かった。
唯「んふー……今。ここで。キスまで……なら、しちゃってもいいんだね?」
梓「あ……だ、だから、その……」
ほっぺすりすりが止まる。
名残惜しそうに肌を離した唯先輩の両目は、とろとろに潤んでいた。
唯「え、えっとね、初めてだから、上手じゃないかもしんないけど……下手だからって怒らないでね?」
梓「あぅ……ん、んっく……私も、初めて、ですから……気にしないでください……」
唯先輩の腕が、私の身体を解放した。
その代わりに。
指と指を絡めるように、私の両手を握ってきた。
唯「……嫌だったら逃げていいからね、あずにゃん」
梓「は……い……」
何かの儀式のように、私達は正面から真っ直ぐに向き直る。
もう唯先輩の瞳しか見えない、目を逸らせない。
梓「ん……」
私は観念して、目蓋を閉じた。
そして、軽く……唯先輩の顔に、首を上向ける。
唯「キス……するよ、あずにゃん」
梓「…………」
答えられない。
言葉を発した瞬間に唇を塞がれたら、折角のファーストキスが間抜けになっちゃいそうから。
だから、じっと目を閉じたままで待つしかないんですよ、私は。
唯「……ふふ。すっごく緊張してるあずにゃんも可愛いねえ」
梓「…………」
早く。
するなら、早くしてください。
絡めた指をくすぐって遊んでないで、キス、してください。
唯「……あ、初めてなのに、部室だとムードないかな?」
梓「ん……んんっ……」
だから、早くしてくださいってば。
ずっと待ってるのに、唯先輩がちゅってしてくれるの待ってるのに、何のお預けプレイですか。
唯「……そんな難しい顔のあずにゃんにはキス出来ないかなぁ」
梓「……え?」
目を開けると、唯先輩は何だか困ったような表情を浮かべていた。
唯「ううん、キスしたくないわけじゃないんだよ? でも、緊張して、唇をへの字にして、かちこちになってるんだもん」
梓「わっ、たし、そんな顔してました?」
唯「多分、あずにゃんが私にキスする側でも、同じ風に思ったんじゃないかな?」
うわー、うわーうわー。
偉そうなこと言っておいて、これ以上ないくらいの『キスしていいですよ』サインを送っておいて、唯先輩を覚めさせちゃうだなんて。
最初からこんなに唯先輩に気を遣わせてたら、すぐに、嫌われちゃうよ……。
唯「ねえ、あずにゃん?」
梓「はい……?」
唯「私とキスするの、怖い?」
梓「そっ、そんなことないですっ! 目をつむってる間、まだかなまだかなって、ずっと待ってて……」
唯「あ、うん、今の顔がいい。恥ずかしそうだけど、キスして欲しいっていう気持ちが伝わってきたよ!」
梓「うぅ……」
あんまり恥ずかしすぎて、目を逸らす。
逸らした目を、そのまま閉じる。
唯先輩にキスして欲しい。けど、難しい顔でなんかしたくない。
どうすればいいのか、わかんない。
そんな混乱の中、あったかくて柔らかな感触が、私の唇に触れた。
唯「……ちゅ」
梓「ん……んんっ!?」
驚いて目を開けると……眼前に、恥ずかしそうに目を閉じた唯先輩の顔。
ただ、唇を触れさせるだけの口付け。
なのに、唯先輩は緊張で小さく震えていて、ううん、私も同じなんだと思う。
梓「んっ……ちゅ、ちゅっ」
触れている部分はほんの少し、唇だけなのに、とっても気持ちいい。
そして、嬉しい。
……幸せ。
唯「ちゅ、んっ……ちゅ……はあぁ」
唯先輩の唇の感触がなくなったところで、ゆっくりと目蓋を開く。
すると、唯先輩も同じように目を開けているところだった。
唯「……えへへ。しちゃったね、キス」
梓「……はい。しちゃいましたね、キス」
唯「もっとしたいね、キス」
梓「したいですけど、そろそろ他の先輩方が来ちゃいますよ」
唯「うー、残念だよー」
梓「はい、残念ですね」
どきどきが治まらない。
唯先輩も同じみたいで、あの柔らかいほっぺを真っ赤に火照らせながら、胸元に手を当てている。
唯「……はぁ。もっとすごいことしたら、私、どうなっちゃうんだろう」
梓「いきなりレズいことに挑戦しなくてよかったですね?」
唯「いや、今も裸で抱き合ったりとか、そういうことしたいって気持ちに嘘偽りはないんだけども!」
梓「……わからないでもないですけど、ちゃんと、健全なお付き合いから始めましょうね」
唯「うん。まずは今日の帰り、ぷちデートしようね!」
梓「でっ……!?」
その、キスはしたけども、デートとなるとまた別の種類の心の準備は必要なわけで。
私はその場の空気を誤魔化すように、ソフトケースからギターを取り出してチューナーを繋ぐ。
唯「……あずにゃんのいけずー」
梓「色気にかまけて練習しないとか、そういうのは嫌ですからっ」
ぎゅいーん。
ぎゅうーん。
ちゅいーん。
唯「ねぇ、あずにゃん」
梓「はい?」
ちゅーん。
唯「3弦、きっともうすぐ切れるよ。やっぱりデートついでに弦を買いに行こう!」
ぴゅーん。
いつもの交換時期には、ちょっと早いですよ。
梓「音は……今日は割と、狂ってないみたいですけど」
ペグを少し締めて、もう一度合わせる。
唯先輩は心配そうな顔で私を見つめてながら、自分の……ギー太を出して、じゃらんとひと奏で。
唯「……うん、やっぱりあずにゃんの弦の音、いつもと違うよ」
ええまぁ、そちらは例の通り、チューナー不要なんでしょうけど。
……あれ? 『いつもと違う』?
梓「チューナーで合わせたのに違うってわかるんですか」
唯「うん」
梓「どんな感じなんです?」
唯「今日の練習は大丈夫そう。でも、帰って弾いたら急にバチンっていきそうな感じ」
うわあ……そこまで詳細に言われると怖いですよ、唯先輩。
嘘だったとしても、交換したくなっちゃうじゃないですか。
梓「……わかりました。デートじゃありませんけど、弦のストックもありませんからお買い物には行きましょうか」
唯「やったー! デート! あずにゃんとデートだ−♪」
梓「違いますってば!」
ガチャ。
律「おー? またやってんなー、おふたりさん」
澪「唯がチューニングしてる……やっとやる気を出してくれたんだな!?」
紬「あらあらまぁまぁ、お祝いにお茶の用意をしましょうね〜」
澪「ちょ!?」
唯「紬ちゃん! 今日のお菓子は一体なぁに!?」
梓「あ……」
今日もこうして、なし崩し的にティータイムに雪崩れ込む。
ただ、いつもと違うのは……私と唯先輩の関係が、少し変わったこと。
だから、ちょっと強気に出てみる。
梓「唯先輩! ティータイムが済んだらすぐ練習ですからね!」
いつもと同じ雰囲気、光景。
先程の出来事を暴露したら、変わるんだろうか、変わらないんだろうか。
唯「楽しみだね、あずにゃん♪」
ええ、確かに、色んな意味で。
だから、私はこう答える。
梓「はいです♪」
〜おしまい!〜
〜つづき!〜
唯「デート終わっちゃったね……」
梓「デートじゃありませんでしたけど、まぁいつものお店でいつもの弦を買うだけでしたからね……」
唯「そ……そう! フラット! フラットは大丈夫!?」
梓「フレットです……ちゃんと手入れしてますよ。ペンチとか、女の子らしからぬ工具がクローゼットに揃ってますよ」
唯「そっかぁ……あずにゃんのお部屋には、色んな怪しい道具が揃ってるんだぁ……」
にへらぁ、って笑わないでくださいよ。
周りで聞いてる人達に、別の意味で取られちゃうじゃないですか。
梓「別に、珍しいものはありませんよ?」
唯「ほんと〜?」
梓「本当ですっ」
唯「紙に誓って?」
梓「その発音的に、ザ・ペーパー!?」
唯「うんうん、それじゃあ恋人であり先輩である私としては、本当かどうかちょぉーっとお邪魔させてもらわないとねぇ?」
梓「何なんですかそのちょっとやそっとじゃ済まないような雰囲気は!? ほんの少し前に、ステップ踏んでお付き合いするって言ったばかりじゃないですか!」
唯「あ、憂〜? 今日ね、あずにゃんのおうちにお泊まりするね。うん。え? いやー、実はそうなんだよ〜……え? そんなのいいってば!」
梓「……唯先輩? 憂と何を話してるんですか?」
私が問いかけた頃、電話は終わったようだった。
唯「あ、うん……あずにゃんに告白したよ、って。そしたらお赤飯炊くって、憂が……」
梓「それは何か違うですよね!?」
実態の把握というか、飲み込みが早すぎませんか。
それに私のうちに泊まるっていうことは……つまり、そういうことで……。
唯「だ、だから、炊かなくていいって……」
梓「そうじゃなくって、お泊まりって! 私のうちに! ステップなお付き合い、一足飛びで登っちゃってるじゃないですか!?」
いえ、両親は今日もいないんですけど、いきなり来るって言われても困るっていうか片付いてたかなとか、お夕飯はどうしようかなとか、お風呂とか寝る時とか。
梓「…………」
私以外のベッドを使わせるわけにはいかないよね?
それに、客間とお布団はあるけど、それだとあんまり唯先輩との距離を取り過ぎちゃう気がするし……。
唯「ねぇ、あずにゃん。夕ご飯の献立、決まってた?」
梓「あ……いえ、まだですけど」
冷蔵庫の中はほぼ空っぽだし、スーパーに寄って適当に決めようかと。
唯「じゃあファミレスで食べようよ! デート的に、レストランとはいかないけど!」
梓「……唯先輩なら、私の手料理を食べたいとか言うんじゃないかと思ってました」
唯「あ! それもいいね! そっちにしよう!」
梓「いえ、ファミレスにしましょう。丁度季節メニューで新作が出てますし」
唯「……ちぇー。失敗したなあ」
残念そうにカバンとソフトケースを抱え直す唯先輩。
私の手料理を食べて欲しかった気持ちはあるけれども、やっぱり、急にっていうのは練習も出来ないから困るですよ。
ん、まぁ、朝の分はあり合わせでもふたり分は何とかなるし、簡単でいいし、うん。
梓「実は今週の食費の予算的に余裕があるので、ファミレスに行こうかなーどうしようかなーと思ってたんですよ」
これは嘘じゃない。
浮かせた食費をお小遣いにしてたし、お小遣いを食費にするのも私の自由だし。
唯「うーん、あずにゃんがそう言うならー」
やたら、とっても、ものすごく残念そう。
そんなに私の手料理を食べたいなら、ちゃんと練習して自信を持ってから、食べさせてあげますよ。
梓「さあ! キノコとナスのリゾットがオススメですよ!」
唯「おお、美味しそう!」
実際より少々誇張されたファミレスの垂れ幕の写真に、唯先輩が瞳を輝かせる。
いえ、実際に思ってたより美味しいんですけどね。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:13:50.30 ID:syS4EgB80
食糞期待
しょくご!
唯「ふぁー、美味しかった! たまには外食もいいもんだねえ」
梓「たまには、って……もしかして、あんまり外食しないんですか?」
唯「え? だって、さっきのも憂に頼めば多分作ってくれるし、きっともっと美味しいと思うよ?」
梓(憂……恐ろしい子!)
憂なら本当にやってのけるんだろう、とか何とか。
それはまぁそれとして。
梓「私、憂みたいに料理上手じゃありませんけど、恋人が私でいいんですか?」
唯「え〜? 当たり前でしょ、あずにゃんは憂じゃないんだもん。お料理が上手でも下手でも、私が好きなのは、あずにゃんなんだよ?」
梓「うっ……」
そんな、真顔で言われると返答に困るんですが。
こう……口元を押さえて横を向きたくなるような恥ずかしさがあるというか。
唯「あ! 猫ちゃんがいる! にゃんにゃ〜ん!」
梓「…………」
私としてはまだ話の途中だったのに、唯先輩はペットショップのウィンドウに駆けていってしまった。
んもう、もっと絡んで恥ずかしい思いをさせたりさせられたりしたかったのに。
食糞期待
唯「あずにゃ〜ん、見て見て! ウサギだよウサギ! うさにゃんだよ!」
梓「……ウサギに『にゃん』は無理があると思いますよ?」
唯「ほらほら! もむもむしてる! エサ食べてる! かーわーいーいー!」
梓「うっ……え、ええ、可愛い……ですね」
こう、問答無用で心の……母性本能? をくすぐるような仕草が堪らなく可愛らしくて、唯先輩が夢中になるのもわかります。
唯「やーん♪ お鼻をふんふんさせてる! 可愛いー! 可愛いー!」
でも、くだらないってわかってるけど……私のことも可愛いって言ってくれるのに、ウサギに夢中だなんて、ちょっと悔しいですよ。
梓「唯先輩……知ってますか? ウサギって、自分の……を食べるんですよ?」
唯「ええ? うっそだあ、うさにゃんはそんなこと……しな……」
もむもむもむ。
唯「…………」
梓「帰りましょう、唯先輩。食後に眺める動物じゃないですよ、ウサギなんて」
唯「う、ううっ……騙された……無邪気な草食動物の可愛さに騙されたよぉ……!」
手を引くと、唯先輩は半分涙目になりながら私の後を歩いてくる。
唯「あ、あずにゃんは……うさにゃんより可愛いけど、私を騙して、あんなことしないよね?」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:15:30.52 ID:syS4EgB80
食糞期待
梓「絶対にしませんっ! っていうか、冗談でも今度そんなこと言ったら本気で絶交しますからね!?」
唯「ううっ……あーずにゃーん! 穢れたうさにゃんに騙された私の心を癒しておくれー!」
がばっ、と飛び付いてきた唯先輩をかわして、でも地面に落ちないように支えようとして、でも支えきれなくて。
重い、っていうか私が非力すぎるんだけど。
梓「ちゃ、ちゃんと、自分の足で立ってくださいっ……こんなところで押し倒すつもりじゃないでしょう!?」
唯「う、うん……ごめん、ちょっとショックが大きくて……あんなに可愛いうさにゃんが……ぐす……」
い、いつまで引きずるんですか、唯先輩。
物理的に支えきれないですよ、そろそろ、体力の限界です。
梓「……もう! うさにゃんとあずにゃん、どっちが好きなんですか!?」
唯「それは勿論、あずにゃんだよ!」
ふんす、って踏ん反り返って腰に手を当てる唯先輩。
いや−、直前のイメージがウサギだけに、何だか素直に喜べないなー。
唯「大好きだよ、あずにゃん!」
梓「……はい」
……やっぱり、嬉しい、かも。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:16:13.17 ID:syS4EgB80
食糞期待
あずさのへや!
唯「ほえ〜。ここがあずにゃんのお部屋かぁ〜」
梓「あ、あんまり見ないでくださいよ。恥ずかしいじゃないですか」
唯「うへへ、そういうあずにゃんを眺めるのも、またオツなもんですなあ」
梓「今度そんなこと言ったら叩き出しますよ」
唯「ごめんなさい」
荷物を置いて、とりあえずゆっくり。
冷蔵庫と炊飯器を確かめて、うん、朝食は大丈夫。
次はお風呂……かな?
私のじゃないけど、バスローブがあるから、唯先輩にはそれを着てもらおうっと。
唯「えーと、充電器、充電器……あった。あずにゃん、そこのコンセント使っていい?」
梓「はい?」
唯「携帯の充電しときたいから……」
梓「そうじゃなくって! どうして充電器持ち歩いてるんですか! しかも機種専用のを!」
唯「いや〜……いつあずにゃんとどこにお泊まりしてもいいように、って……あ、パジャマもあるよ?」
梓「準備よすぎですよ!?」
呆れる私をよそに、唯先輩は空いてるタップに充電器を繋いで、携帯をセット。
それに、パジャマどころかバスタオルや歯磨きセットまでバッグから取り出して。
唯「ふんふんふ〜ん♪ あずにゃんとお風呂♪ あずにゃんとおねむ♪」
梓「……あの? 唯先輩?」
唯「え?」
梓「どうしてそんなに用意がいいんですか?」
唯「……えへへ。まだえっちぃことは出来そうにないって、部室でわかったけど……準備だけはしてたんだよ」
梓「……はあ。そうですか」
理想と現実の差異を認識する前の行動なら、責めるに責められないか。
それに、え、えと、バスローブ……とか、えっちぃ格好になられても私が困るし、不幸というか幸いというか、どっちなのかな。
梓「お風呂はお湯張ります? シャワーにしますか?」
唯「はい! あずにゃんと一緒に湯船に浸かりたいです!」
梓「……シャワーならすぐ浴びられますから」
唯「……うぅん、いけずぅ」
梓「エッチなことしないって、約束してくれますか?」
唯「うん! 触らないから! 背中流してあげるとか言いつつ前もとか思ってたけど、今の私にはきっと無理だから、約束するよ!」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:16:53.67 ID:syS4EgB80
食糞期待
梓「……微妙に不安ですけど、約束してくれるなら」
バスタブは洗ってある。
ぴっ、と壁の操作盤を押して、お湯を貯めることにした。
唯「わーい」
梓「水着で入ってもいいですか?」
唯「えっ? あずにゃんって帰国子女?」
いえ、外国では温泉とか水着で入るのが当たり前って聞きますけど、その返しはどうなんですか。
梓「唯先輩にえっちぃことされないように予防線を張っておくんですっ」
唯「や、やだなぁ。私があずにゃんに触ったりしたら、ハナチ出してぶっ倒れちゃうよ?」
梓「裸を見る分にはぶっ倒れないわけです?」
唯「うん。ふたりきりでお風呂だなんてまたとない機会だし、頑張って我慢するよ!」
頑張られても困るんですけど、今日は汗かいたし、水着はやりすぎかも。
ここは……唯先輩を信じて、素で入ることにしよう。
かっぽーん!
唯「よ、予想以上に恥ずかしいね、こりは……」
梓「お互い様、です、よ……?」
女の子同士だから、気にすることはないハズなのに。
おっぱいとか、股間とか、そこを見られて恥ずかしがる表情とか、変に意識しちゃう。
梓「唯先輩、ここまで聞こえるくらい息が荒いですよ……?」
髪を洗っていた時はそうでもなかったけど、身体をスポンジでこすっていると、唯先輩の視線がやけに気になっちゃう。
何故かぺったんこな胸も凝視するし、脇の下とかおへその辺りとか、椅子に座ってなかったら大事なところもまじまじと見られていたに違いない。
唯「う、うんっ!? 全然! ほんと! そんなことないよっ!?」
梓「明らさまに嘘じゃないですか! あーん、えっちぃ目で見られながら身体洗うなんて恥ずかしすぎますよぉ!」
……でも。
大好きな唯先輩が、私の身体に興味を持ってくれるのは、正直なところ嬉しい。
ぷーい、なんて明後日の方向を向かれてたら、一緒に入った意味がないっていうか、うん、矛盾した考えなんだけども。
唯「へーぇ。あずにゃんの身体って、こうなんだぁ……ちっちゃくて、触ったらすべすべで気持ちよさそうで……うぷっ」
梓「……ぷぁ、はー……唯先輩?」
唯「うぅ、うん、だいじょぶ、ハナチ出るかと思ったけど、出なかった……うん。つるぺたあずにゃんの可愛い裸、たっぷりじっくりねっちり脳内メモリに記録したから!」
梓「うく……つっ、次は唯先輩の番ですよ! 私だって、唯先輩の裸を隅々まで観察させてもらいますからね!?」
唯「う……うん。いいよ、あずにゃんに、なら」
……そんな返しをされると、妙に恥ずかしくなっちゃうじゃないですか。
梓「じゃ、じゃあ……」
唯「うん……」
ざぱ、と私がボディソープの泡を流し終えたところで、唯先輩もバスタブから上がる。
……見えちゃった。
思わず顔を逸らしつつ、誤魔化すように髪を掴んで絞って、くるくると結ぶ。
唯「あ……はぁ……あずにゃんのおっぱいも、脇も、とっても綺麗だね……?」
梓「なっ、何見てるですか!? 早く身体洗ってくださいよ!?」
無防備なところを見られて、恥ずかしい。
だけど、『綺麗』って言われて、嬉しい。
こんな子供っぽい私の身体を、唯先輩は、誉めてくれた。
とっても恥ずかしいのに、嬉しくて嬉しくて堪らない。
梓「…………」
唯「うん♪ たん♪ うん♪ たん♪」
梓「…………」
綺麗だなあ、唯先輩って。
お肌もそうだし、いつも『食べても太らない』って言ってるだけあって、プロポーションもいいし……。
何このすべすべっぽいお肌。私なんて、少し焼いただけで別人かと間違われちゃうくらい真っ黒になるのに、まさに雪のような白さ。
唯「泡がふわふわたーい……」
梓「いきなり鼻歌変えないでくださいよ!?」
唯「えええ!?」
梓「んもー。折角唯先輩の無意識な鼻歌に聴き惚れてたのに、台なしですよ」
唯「ご、ごめんね、あずにゃん」
申し訳なさそうに、今までに比べて小さくこしこしとスポンジを動かす唯先輩。
何だか、私のせいで萎縮させちゃったみたい。
梓「え、ええと……今の、うんたん、っていうので……嫌じゃなかったら、続けてください」
唯「嫌じゃないけど……ちゃんとした歌じゃなくていいの?」
梓「いいんです」
唯「じゃ、じゃあ……」
こしこし。
唯「うん♪ たん♪ うん♪ たん♪」
うん、ものすごく単純なリズムだけど……唯先輩の声が楽しそうで、聴いてて心地いいっていうか。
無理強いしちゃったかな、って思ったけど、唯先輩も腕とか脇とかおっぱいとかお腹とか脚とか、軽快な感じで洗っていって……。
唯「うん♪ たん♪ うん♪ たん♪」
食糞期待
梓「……ぷくぷくぷく」
はぁ。
どこもかしこも泡だらけ、大事なところも泡だらけ。
最後にシャワーで泡を流すと、それらが全部あらわになって、妙な考えに支配されていた私の頭を灼く感じで。
唯「ふぷぁー! さっぱりしたよ、あずにゃん!」
梓「…………」
唯「あずにゃん?」
梓「は、はひっ!?」
唯「い、一緒にお風呂に入っても……いい、かな?」
もう、入ってるじゃないですか。
お互いに裸を見て、身体を洗ってるところを見て、同性でも恥ずかしいところを見て。
……あ。
梓「はっ、はい。狭いですけど、どうぞっ」
唯「うんっ♪」
唯先輩が、ゆっくりバスタブに脚を入れてくる。
ざぱ、ってお湯が溢れて、何だか申し訳なさそうな表情を浮かべたけど、ふたり分だからしょうがないじゃないですか。
梓「早く入らないと、風邪引きますよ」
唯「う、うん」
唯先輩は意を決したように、私に向かい合って肩まで湯船に浸かった。
足先が触れて、すね、膝、太もも……こすれた部分が、とっても気持ちいい。
唯「ん……んぅ……」
梓「……あの」
唯「なっ、何かなっ!?」
梓「い、いつもの、その……抱っこされてる方が、落ち着くと言いますか……お風呂なんですし、唯先輩が嫌でなければ、その方がリラックス出来るかな、って」
唯「嫌じゃないよ!? ううん、むしろ喜ばしくてハナチ出るかと思ったよ! 出さないけど!」
狭い浴槽の中で、唯先輩が私の背後へ回り込もうとする。
肌同士が、お湯の薄膜を挟んでずるっとこすれて、想像以上に気持ちいい。
やだ、別にこんな副産物を望んでたわけじゃないのに。
……望んでたのは、もっとえっちぃことなんだけども。
唯「え、えっと……じゃあ、抱っこしてもいい、かな?」
梓「は、はいです……どうぞ、お願いします……ぷくぷくぷく」
私の口元は、半分お湯に浸かっている。
自分からおねだりしたのに、恥ずかしすぎて、余計なことを言いそうだから。
唯「ん……あーずにゃーんっ!」
ふにゅう。
梓「んにゃぁ!?」
唯「あ、あずにゃん?」
梓「んにゃ、にゃんでもないです……」
唯先輩に、変なところを触られたわけじゃない。
ただ。
触れ合う肌とか、それがお湯でぬめる感触とか、特に背中に当たる唯先輩のおっぱいのやわらかさが気持ちよくって、変な声が出ちゃっただけ。
唯「あずにゃん、大丈夫? のぼせちゃった?」
梓「いえ……こんなぬるいお湯でのぼせたりしませんよ?」
唯「んじゃ、ええっと……追い炊きスイッチは、これかな?」
ぴっ。
梓「あ」
唯「あ?」
梓「……唯先輩は、熱めの方がいいんですか?」
唯「ううん。あずにゃんがぬるいって言ったから。私はこのくらいで長く入ってる方が好きかなー」
梓「じゃ、じゃあ、そうしましょう」
ぴっ。
唯「……あずにゃん。私と、この格好で、なが〜く入ってたいんだ?」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:20:52.16 ID:syS4EgB80
食糞期待
梓「……そう取ってもらって結構です」
ぷくぷくぷく。
後ろを、振り向けない。
唯先輩が、にんまり笑ってそうだから。
唯「ん〜……あずにゃんは、裸で抱っこすると、いつもの三倍気持ちいいねぇ♪」
梓「そっ、そう、ですか……」
何か、私は唯先輩のおっぱいが直接触れてる分だけ、三倍どころか十倍も気持ちいい感じですが。
梓「ん……んぅ……んん」
やあらかいです。
唯先輩の胸が、私の背中に押し付けられて、お湯で滑って、とっても気持ちいいです。
それがもう、抱っこされて全身の肌がこすれ合ってるんだから、気持ちよすぎて、もう……。
梓「ふあ……♪」
唯「んー? あずにゃん、どしたの?」
梓「いえ、お風呂って、やっぱり気持ちいなあ……って思ってたんです」
唯「うんうん。お風呂は気持ちいいよねえ」
むにむに、って。
唯先輩は、わざとらしく胸の膨らみを押し付けてきて、私をもっと抱き締めて、お互いの肌のこすれ合う感触を強める。
ズルいです、わかっててするなんて、本当にズルいですよ。
梓「んぅっ、ん、んぁ……♪」
唯「お風呂の中だと、あずにゃんが大人しく抱っこされてくれるし、あずにゃんの感触をじっくりたっぷり直接たんのー出来るし、いいこと尽くめだね♪」
するりと、唯先輩の手が私の胸元へ滑ってくる。
唯先輩くらいあるならともかく、こんなぺったんこな平原を触って何が面白いんだか。
梓「んふっ、ふぅ……ふぁ、あぁ……」
唯「私に見られてたせいで、ここちゃんと洗ってなかったでしょ、あずにゃん?」
梓「ふぁ……い、そ、そおかも、しれないです……」
嘘。
洗った、洗いました。
唯先輩に凝視されている緊張と興奮で、乳首がぷくってなってるの、覚えてます。
でも、唯先輩が形の上だけでも、もう一度洗ってくれそうな雰囲気だし……。
唯「駄目だよぉ、あずにゃん。今日、体育あったんでしょ? 汗は流しておかないと……ね?」
さすさす、と私のない胸を掌でなで回される。
ないのに、気持ちいのは、何でだろう。
梓「あう、あ、あぅ、唯先輩っ……ちょっ、おっぱい触るの、駄目ぇっ」
唯「うーん? あずにゃんのおっぱいは、どこにあるのかなあ?」
そんな意地悪なことを言いながら、唯先輩は手を動かし続ける。
今まさに触っている場所が、私のおっぱいです。
今後育つかどうか不安で、でも唯先輩への想いは沢山詰まっているんです。
梓「や、唯先輩、えっちぃことしないって、約束っ……したじゃ、ないですかぁっ」
唯「私は、あずにゃんのお肌をマッサージしてるだけだよ? 美容の為だよ?」
梓「だ、だから、そこ、胸、おっぱいっ……なくても、おっぱいなんですっ」
唯「あ……ごめんね、そうだったんだ。悪気はなかったんだよ、許してくれる?」
私の胸から、唯先輩の手が離れていく。
気持ちよさが薄れて、段々と正気が戻ってきた。
梓「……約束、したのに」
唯「うん? 約束って……えっちぃことしない、って? 私、何かエッチなことしたかな?」
梓「う、うぅ……私のおっぱい、触ったじゃないですか……」
唯「……ごめん。本当に、どこがあずにゃんのおっぱいだったかわからないよ」
唯「あずにゃん、言ったもんね。本当に嫌な時はそう言う、って……ごめんね、嫌なことしちゃって」
梓「あ……は、はい……」
唯「私、先に上がってるね。もう充分あったまったし、これ以上あずにゃんとぴっとりくっついてると……本気でエッチしたくなっちゃうから」
梓「は、い……」
今のはエッチなことじゃないんですか。
本気になったら、何をするつもりなんですか。
……っていうか。
唯「ドライヤー借りるね〜」
さっさと自分だけ上がっちゃって……私の中途半端に昂ぶった気分は、どうしてくれるんですか、もう。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:22:34.26 ID:syS4EgB80
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あずさのへやあげん!
唯「う〜ん、もふもふもふ……♪」
梓「……ゆぃせんぱぁい……何してるんですか、私のベッドで」
唯「ふも!? こっ、これは違うんだよ! 私はただ、あずにゃんが毎日寝てるベッドの寝心地を確かめてただけで、別にくんかくんかしてたわけじゃないんだよ!?」
いえ、見た目そのまんまだったんですが。
梓「はあ……まぁ、遅かれ早かれしたんでしょうし、別にいいですけど」
唯「えっ?」
梓「え、って。唯先輩のことですから、一緒に寝ようって言い出すんだろうなあと……」
唯「いいの!? ほんとに!? やったー!」
梓「そ、その……実はですね。折角唯先輩がうちに来てくれたのに、別々に寝るのは寂しいかな、って思ったりするわけで……」
唯「うん、うんっ! 別々は寂しいよ、今夜は一緒に寝ようね! あずにゃーんっ♪」
梓「わわっ、わあ!?」
唯先輩が嬉しそうに駆けてきて、ぱふっ、と私を抱き締める。
いつも通りといえばそうなんだけど、今回はだいぶ感触が違っていた。
梓「ふ……んも、もふぅ……の……のーぶら、ですか?」
梓「要は、時と場所さえわきまえてくれたら、ええ、私も気が済むまで甘えられるっていうか」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:23:17.14 ID:syS4EgB80
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唯「……お膝もじもじして、身体くねくねさせて、変なこと考えてるあずにゃんも可愛いねえ〜」
梓「……はっ!? いえ、変なことなんかこれっぽっちも考えてませんよ!?」
唯「ふぅーん? へぇ〜ぇ? ほぉぉぉぉ?」
いえいえいえ、決して変じゃなかったですよ?
こう、折角抱き着いてもらえるんだから、ゆっくりじっくり幸せな時間を過ごす為の約束ごと……みたいなものですし。
梓「どっ、どうなんですか! わかってくれましたか、唯先輩っ!?」
唯「うん、わかったよ。これからは時々、『今から抱き着くよー』って教えればいいんだね!」
梓「全然わかってないですよね、それ」
今までとあんまり変わってないですし、全くもう唯先輩ってば。
湯上がりだから、ただでさえ身体が火照ってるのに、あんな真似されたら余計に頬が熱くなってきちゃいましたよ。
梓「はー、暑い……唯先輩、何か飲みます? それとも帰りに買ってきたアイス食べます?」
唯「アイス!」
梓「はい」
私はとりあえずジュースでも、っと。
梓「どぞ」
くぴくぴ、と私はよく冷えたぶどうジュースを少しずつ飲む。
……あれ?
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:23:58.13 ID:syS4EgB80
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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:24:41.56 ID:syS4EgB80
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やだなあ、お母さんったら。
私がいつも頼んでるやつと違うよこれ、ちょっと味が変……飲めないこともないし、勿体ないから飲むけど。
唯「あずにゃん、ありがとー♪」
唯先輩は、私の手からアイスを受け取ると、夢中になって食べ始めた。
大好物だとは聞いてたけど、アイスの何が唯先輩をここまで変えるんだろう……。
唯「うまうま〜♪ お風呂上がりに食べるアイスは最高だね!」
梓「はあ。さすがに、時期的に湯冷めしそうな気がするんですけど」
でもまあ、嬉しそうだからいっか。
それに今夜は一緒のベッドで眠るんだし……私が湯たんぽ代わりになって、湯冷めなんかさせないですよ。
唯「真冬におコタに入って食べるアイスも格別だよ!」
梓「あ、それは何となくわかります。うちの父も、真冬に暖房ガンガン利かせた部屋でキンキンに冷えたビール飲むことありますし」
くぴー。
唯「おお、同好の士! あずにゃんのお父さんとは美味しいアイスが食べられそうだね!」
梓「そこは『お酒』って言うところじゃないんですか」
くぴぴ。
唯「だって、お酒はハタチになってからだよ!」
梓「あうー。そういえばそうでしたねー」
くぴゅ。
唯「……あずにゃん?」
梓「はひ? 何れふか、唯しぇんぱい?」
何でだろ、冷たいジュースを飲んでるハズなのに、身体が熱い。
風邪引いちゃったかな、でも湯冷めにしては早すぎる気がするけど。
唯「それ、あずにゃんが飲んでるの……ジュースじゃない、よ?」
梓「へっ? やですよ、唯しぇんぱーい。どっからどう見ても立派なぶどうジュースじゃないれふかー」
くぴくぴ。
ほら、缶にプリントされてるのもマスカットの写真ですし。
何か変な四角い模様が沢山刻んでありますけど、缶がやたらペコペコするから、きっとその為じゃないですかね。
あれですよ、荷物を梱包するプチプチみたいに、缶をペコペコさせて楽しむんですよ、きっと。
唯「うわーん、あずにゃんが不良になっちゃったよぉ〜!」
梓「誰が不良品ですか! しっけーな! 私はまだ発育途上なんですから、おっぱいだってこれから育つんです!」
くぴー。
梓「そんな、ちょっと……いえ、かなり私よりおっぱい大きいからって油断しないでくださいね! すぐに追い越しちゃうんですから!」
唯「ううっ、しかも酒乱だよぉ、絡み酒だよぅ」
梓「にゃんですとー」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:25:35.94 ID:syS4EgB80
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くぴくぴ……ぢゅー。
梓「あ、なくなっちゃったです……割と美味しかったからもう一本……」
唯「あずにゃん! 駄目だよ!」
梓「ほえ? 何がらめなんれふかー?」
ああ、頭がふわふわして、これは本格的に風邪かなあ。
何だか、真っ直ぐ歩けないし、あれれー?
唯「あずにゃんっ」
ぎゅう。
梓「ふぁ……唯、先輩……? らめれふよ、抱き着く時はちゃんと先に……」
唯「お酒臭いあずにゃんにはあんまし抱き着きたくないけど、ここは先輩として止めてあげなきゃいけないんだよ!」
梓「お……さ、け?」
手の中の空き缶をよく見てみる。
……何なの、この『5%未満』って。
梓「あり……私、どうしてお酒なんか飲んだんれしゅか?」
唯「え? あんまりナチュラルに飲んでたから、あずにゃんはいっつも湯上がりチューハイが習慣なのかと思っちゃったんだけど」
梓「いやー、ぶどージュースのつもりだったんれふよ? れも、変な味だなあと思ったんれふよ? れも、ひと口しか飲まないの勿体ないなあって」
唯「うん、私もお正月とか、ちびっとだけお酒舐めさせてもらったことはあるけど……気付こうよ! チューハイだよこれ!」
梓「ううっ、しゅみましぇん……どーりで身体が熱かったり、ふわふわした感じになってたんでしゅね……」
唯「……うう、あずにゃんがだらんって身体預けてきてくれてすっごく嬉しいのに、お酒臭くてそれどころじゃない……!」
梓「はう……と、とりあえず、今度こそせーりょーいんりょーを飲んで、お酒覚ましますから……」
唯「心配だから私も冷蔵庫までついてくよ」
ううん、もう、唯先輩ったら。
お酒臭い私は嫌って言ったくせに、こんなに私のこと心配してくれるなんて。
なんかもー、嬉しくて幸せで、ロマンチックが止まらないじゃないですかぁ。
梓「あうー。いい感じに酔っ払って唯先輩に抱っこしてもらって、まさにふわふわターイム♪」
唯「手ぇ放して、鉄山靠かましちゃってもいい?」
梓「……しゅみましぇん」
そのご!
梓「お見苦しいところをお見せして、大変申し訳ないです……」
唯「いいよいいよー。もう酔いは覚めたみたいだし、あずにゃんも大酒飲みじゃなかったし、安心したよ」
梓「い、いつもは冷蔵庫のあの場所に、私の好きな濃縮果汁100%のジュースが入ってるんですよ!? でも、何でだか、今日に限って……」
唯「……今度からは、ちゃんと確かめてね?」
いえ、その……そんな目を潤ませてお願いされなくても、今日で充分懲りましたから。
梓「はい……」
唯「くんくん……うう、まだちょっとお酒臭いよ」
梓「あの、唯先輩は私のベッドで寝てください。私は親のベッドで寝ますから」
唯「それはやだ。さっき一緒に寝るって言ったじゃん」
梓「でも、お酒臭いのが消えるまで、もうしばらくかかるんじゃないかと……」
唯「……こうなったら、私もお酒を飲むしか!」
梓「たった今、私にお酒飲むなって言ったくせに!?」
唯「私もお酒臭くなれば気にならないと思ったんだけど……そうだよね。ハタチになってからだもんね」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:27:20.93 ID:syS4EgB80
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はう。
舞い上がっちゃって、不注意でチューハイ飲んじゃって、私が招いた結果とはいえ……何てことしちゃったんだろう。
本当なら今頃、唯先輩とベッドの上で抱き合って、ごろごろ転がったりしながらじゃれ合ってたハズなのに。
唯「じゃあ、テレビで夜更かししよう! そんでもって、匂いがわかんなくなったら一緒に寝よ?」
梓「はい……あ、ついでだから弦の交換しちゃいますね」
唯「だ、駄目だよ! 酔っ払いにそんな危ないことさせられないよ!」
いえ、別に危なくないと思うんですけど……でも、今夜のところは唯先輩の言う通りにしておこうっと。
唯「はい、あずにゃんはここ! 早く来て!」
テレビの正面に陣取った唯先輩が、自分の座ってるクッションをぽむぽむと叩いて私を急かす。
……って。
梓「あの、私がそこに座ると……お酒臭いんじゃ」
唯「あずにゃんの息が私にかからなかったら平気だよ! それにお酒が抜けたかどうか、すぐ確かめられるしね!」
あー……。
何となく、唯先輩のしたいことがわかっちゃいましたよ。
梓「えと、うち、衛星放送映るんで……これ、番組表です」
誘われるがまま、唯先輩の目の前に、背中を密着させるように膝を抱えてちょこんと座る。
すると、女の子なのに行儀悪いって思うけど、唯先輩はあぐらをかくように脚を回してきて、腕は勿論私の身体を抱き締める。
唯「ううん、あずにゃん……あったかいねぇ♪」
予想通り、ぴったり、密着。
しかもしっかりホールドされてて、どう頑張っても逃げられそうにない。
梓「あっ、あの、チャンネルは……」
唯「あずにゃんの見たいやつでいいよ? 私はこうして、あずにゃんからお酒が抜けたかどうかチェックするので忙しいから!」
くんくんくん。
梓「じゃ、じゃあ、とりあえず、動物番組の専門チャンネルで……」
ぽちっとな。
唯「うわ! 何この可愛い生き物!?」
くんくん、ぎゅう。
梓「さ、さあ……? でも、吹き替えですから、すぐに解説が入るかと」
落ち着かない。
薄いパジャマ越しに唯先輩のおっぱいが、これでもかってくらいに押し付けられてるし、髪とか首筋とか喉元とか、絶えず匂いを嗅がれてるし。
唯「すんすん……おおう!? 肉食だよ、この子!?」
梓「ん……そ、そうみたい、ですね……」
ぞくりと寒気に思わず震えた私の身体を、改めて抱き直す唯先輩。
声色が、ちょっと、意地悪な感じ。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:28:12.74 ID:syS4EgB80
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梓「さ、寒くはないですよ、はい」
唯「でも、今、ぞくぞくって震えたよね? あずにゃん」
くんくんくん。
梓「は、はぅ……それは、唯先輩が、変なとこに息をかけるからっ……」
唯「はぷっ」
梓「んにゃっ!?」
首筋に、噛み付かれた。
歯を立てられたわけじゃないから、痛くはないんだけど……その、何ていうか、気持ちいい。
唯「んむむ、はむはぷ……ちゅーぅ」
梓「にゃ、にゃにをするんですか、いきなりっ」
唯「……えへーぇ。あずにゃんのお酒臭い息を嗅いでたせいで、私も酔っ払っちゃったのかなあ?」
そんな馬鹿な言い訳が通ると思っているんですか。
……っていうか。
この背後から抱っこされた無防備な体勢、もしかして、ものすごくヤバいんじゃないのかな?
唯「あーん……はぷっ。んむ、ちゅ、あむっ」
梓「にゃああ!? み、耳っ、耳はっ、やっ、ちょ、唯先輩いいいいっ!?」
唯「あれ、耳は嫌だったかな、それじゃあ……んむっ、ん、んんっ……ちゅうううっ」
梓「ふああ、あっ……ま、た、首っ……あううっ、あっ、ひゃあん!」
唯「首も……嫌、なの? それじゃあ私、あずにゃんのどこにキスしたらいいのかな?」
そんな、さっきまでの酔った時なら、お酒のせいに出来たのに。
今されたら、何のせいにも出来ないじゃないですか。
唯先輩ってば、本当に、意地悪……。
梓「き、キスするなら、最初にっ……お、お口に、してくださいよぉ……」
唯「んー? だってあずにゃん、お酒飲んだでしょ? キスして、まだお酒の匂いがしたら、嫌だし」
梓「もっ、もお、絶対に間違っても飲みませんから、だからっ……意地悪なこと、しないでくださいっ」
唯「ほんと?」
梓「唯先輩にキスしてもらえないなんて、つらいです……だから、特別に今日だけ……許してくださぁい」
手足に力が入らない。
喉から漏れるのは、私自身も信じられないくらいに甘えた声。
首筋や耳を甘噛みされたっていっても、ほんの少しだけ。
なのに、唯先輩のキスだけで、こんなに自分が気持ちよくなっちゃうなんて思ってもみなかった。
唯「……うん。酔っ払って、くてんってなったあずにゃんも可愛かったけど……でも、やっぱりお酒臭くない方が好きだよ、私」
梓「ん、く……」
唯先輩の方を向く。
私、息が荒くなってるけど……まだお酒臭いかな、許してもらえるかな。
キス、してもらえるかな。
唯「……ちゅ」
梓「ん、んっ……はぁ……♪」
唯「オレンジ味だね」
梓「……お酒臭くて、すみません……」
唯「うん、まだちょっとだけアルコールの匂いがするけど……もう遅いし、寝よっか?」
梓「いいんですか?」
唯「寝ちゃったらきっとわかんないよ。さ、歯磨きして寝よ?」
梓「……はい」
このまま寝ちゃうっていうのは、何だか納得いかない、けど。
それよりも、唯先輩と一緒に眠れなかったら、もっと寂しい気分になっちゃいそうだから、私は頷くしかなかった。
規制に引っかかったか
支援なしとか無理だろ
支援
sage進行了解
ボボン行きになってた
黙々と投下しようと思ってたけどさすがに無理ぽ
というわけで支援してくれる人よろしくおながいします
いんざべっど!
電気を消して薄暗い中、ベッドの傍に並ぶ。
ええと、割と結構、緊張気味するもんですね。
唯「ね、ねえ、あずにゃん?」
梓「はい?」
唯「こういう時って、どうすればいいのかな? 横に並んで寝る? 私があずにゃんを後ろから抱っこ? 逆?」
梓「……お互いに正面で抱き合うってのもありだと思いますよ」
うん、私としてはその方が望ましいっていうか、唯先輩の胸に顔を埋めて眠ってみたいです。
梓「あ、でも、身体の下に腕を回したら、起きた時にものすごくしびれてそうですよね」
唯「あ」
梓「はい?」
唯「その前に、あれしようよ! あれ!」
梓「あ……あれ!? す、するんですか? しちゃうんですか!?」
いやいやいや!
唯先輩がエッチしないっていうから、それっぽいことはされましたけど全然警戒してませんでしたから!
ううん、でも、わざと私をむらむらさせてる節もあったし……最初からそのつもりだったのかな。
そのお陰で、私も何だかおかしな気分だし……唯先輩となら、いいかも。
唯「おいで、あずにゃん! 部室じゃ出来なかったけど、ベッドの上で抱き合ってごろごろしよー!」
梓「ああ……はい。そうでしたねー、わぁい」
両手を広げて私を誘う唯先輩の胸に、ちょっぴり残念な気持ちになりつつ飛び込む。
すかさずぎゅっと抱き締められて、そのまま一緒にベッドに倒れ込んで。
唯「あーずにゃーんっ♪」
ごろごろごろごろごろ。
梓「んにゅ……む、胸っ、はうう、予想以上に、押し付けっ……んむむっ」
回転して唯先輩が上になる度、体重がかかって息が苦しいくらいにおっぱいを押し付けられる。
鼻も口も塞がれて、唯先輩の香りを嗅ぐ余裕もないくらい、だけど、何故か不思議に素敵で幸せな気分。
唯「あずにゃん、あずにゃん、あっずにゃ〜ん♪」
ごろごろごろり、ごろごろり。
梓「あう、あうぅ……ゆっ、唯先輩……おっぱい、おっぱいが! もがもがっ」
唯「ふう……あり? どうしたの、あずにゃん? 元気ないよ?」
梓「い、いえ、違う意味で元気ですから、ご心配なくっ……ふー、ふーっ……」
唯「そお? んじゃあ、あずにゃんの感触をたっぷり堪能したところで、寝るとしますかね!」
梓「も、もうお終いなんですか……」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 07:34:51.85 ID:syS4EgB80
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唯「明日も学校だし、寝坊したら大変だもんね」
私的には、少しくらい苦しくてもいいから、もーちょっと唯先輩の胸で窒息していたかったなあと。
ええ、まあ、窒息しない程度に抱き着いている分には、唯先輩も何だか嬉しそうだけど。
ああ……好きな人とベッドに横になって向かい合うのって、妙な気分になっちゃう。
梓「んふう、もふぅ〜」
唯「んふふ、あずにゃんってば甘えん坊さんだねえ。もー、かーわーいーいーっ♪」
もっと、おっぱいの感触を楽しんでいたい。
私のそんな気持ちに気付いてくれたみたいで、唯先輩も私を優しく抱き返してくれる。
う〜ん、ふにふにもふもふ……やっぱり羨ま素敵ですよ、唯先輩。
唯「んぅ、んんっ、あふ……あずにゃんにこうやって甘えられるの、すっごく嬉しいよぉ」
梓「んみゅんみゅ、ふも……そ、そおですか、嬉しいですか……じゃ、も、もっとさせてください……んむんむっ」
唯「あ、待って。このまま寝ちゃってもいいように、お布団かぶろうね」
梓「はいですっ」
ふにふにの胸が気持ちよくって、ぽやんとした気分になってくる。
そうしているうちに、唯先輩が私の頭に手を伸ばし、優しくなで始めた。
梓「ふもふもっ、もふう……私もいつか、このくらいおっきなおっぱいになりたいです……」
唯「うん。そうなったら、今度は私があずにゃんの胸にもふもふさせてもらうからね?」
梓「はぁい……どぞ、遠慮なく……んみゅ、にゅむぅ……んぅ……♪」
布団をかぶって密着した唯先輩の身体は柔らかいし、おっぱいなんて特に最高の感触。
ちっちゃな子供を寝かしつけるように、そっと髪をなでつけてくれて、もう……とっても素敵な気分ですよ、本当に。
梓「んむぅ……おやしゅみなしゃぃ、唯しぇんぱ……んにゅ……すぴ……」
唯「……うん。おやすみ、可愛いあずにゃん」
あったかいです。
いい匂いです。
やあらかいです。
……大好きです、唯先輩。
〜おしまい!〜
べつのとあるひ・しょうこうぐち!
唯「あずにゃ〜ん、今日はうちに寄ってかない?」
梓「あ、唯先輩っ!? ちょ、ちょっと待ってくださ……ああっ」
ばさばさー。
唯「…………」
梓「…………」
唯「……いちおー聞くけど、これ、ラブレター……だよね?」
梓「は、はい、多分……何故に私なんかにラブレターをくれるのか、さっぱり理解出来ないんですけども」
いつもは見られる前にカバンに仕舞っちゃうんだけど、今日はタイミングが悪かった。
ううん、別に私にやましいことがあるわけじゃないんだけど、何だか居心地が悪いっていうか、唯先輩に対して後ろめたいっていうか。
唯「へ……へー。モテモテなんだね、あずにゃん。うん、わかるよ。とっても可愛いし、ツンっとしてるようでいて実は甘えん坊だし、口が悪いようでいてちゃんとフォローしてくれる優しさもあるし……」
梓「あの、唯先輩?」
何か、怒ってませんか?
これは私が望んでもらったラブレターじゃないんですから、怒られるいわれもないんですが。
唯「あ、あはは、やっぱ今日はいいや。よく考えたら、憂が用事で遅くなるから、自分でご飯作らなきゃいけないんだったよ!」
梓「あ……」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 07:38:24.87 ID:syS4EgB80
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落ちたラブレターを放っておくわけにもいかなくって、走り去る唯先輩を追うことが出来なかった。
っていうか、憂の帰りが遅くなるっていうことは……つまり、一緒にご飯作ろうとか、あの広い部屋で抱き抱きごろごろしようとか、そういうお誘いだったに違いないのに。
梓「……はあ」
女子校なのに、ラブレター。
しかもほぼ毎日、両手の指じゃ足りないくらい届くって、どういうことなんだろ。
私や唯先輩みたくレズい関係だったり、そうなりたがってたり、或いは興味本位や冗談で書いてる人もいるんだろうなあ。
今まで、読んでて『むむ、これは!』って思うくらい本気っぽい手紙も確かに何通かあったけど。
梓「……はあぁ」
また、思わず溜め息が出る。
自分が唯先輩ラヴなことを考えると、こういう手紙を書く人達に文句を言えるわけもなく。
かといって、今みたく唯先輩に明らさまに避けられるのは……すっごく、つらい。
梓「んしょ……よっと」
とりあえず、手紙を拾って束にして、カバンの中に詰め込む。
これはこれで、書いてくれた人の気持ちがこもっているハズだから、読まずに破ったり捨てたり、そういうことはしたくないし。
梓「……ええと」
ぴ、ぴぴ、ぴっ。
梓「…………」
ぷるるるる、ぷるるるるっ。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 07:39:13.47 ID:syS4EgB80
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梓「…………」
唯『……なぁに、あずにゃん?』
梓「あの、唯先輩……どこまで行っちゃったかわかりませんけど、今から頑張って追いかけますから、一緒に帰りませんか……?」
唯『……ラブレター読むのが先じゃないかな? 放課後に体育館裏で待ってます、っていうのがあったら、相手の子が可哀想でしょ?』
梓「っく……い、今まで、そういう急な呼び出しはありませんでした。ほら、部活がいつ終わるかわからないですし」
唯『……へーぇ。あずにゃんって、結構場数踏んでるんだねぇ』
止めてくださいよ、唯先輩。
そういう言い方されたら、何か、ちょっと、鼻の辺りがツンとしてきちゃいますよ。
梓「あの……」
唯『じゃあ、ゆっくりラブレター読みながらでいいから、私のおうちまで来て。私はスーパーでお買い物してくから、ゆっくりね』
梓「……はい。それじゃ、また後で」
ぴっ。
梓「……ぅう、ぐす……」
唯先輩、冷たい声だった。
どうして怒るんですか。
私だって、ラブレターが欲しくてもらって回ってるわけじゃないんですよ?
なのに、いちいちラブレターのこと持ち出して。
私の気持ちを知ってるくせに、酷いじゃないですか。酷すぎるじゃないですか。
今まで唯先輩以外の誰から告白されたって、私は完全完璧にお断りしてきたのに。
梓「……っすん」
でも、目を赤くして唯先輩に会うわけにはいかないよね。
うん。
平気、私は大丈夫。
さ、唯先輩の家に行こう。
ゆいのいえ!
唯「あれ? 早かったね、あずにゃん」
梓「……どもです」
唯「ゆっくりでいいって言ったのに……最近冷え込むし、待ってる間も寒かったでしょ?」
カチ、ガチャリ。
梓「い、いえ、ついさっき着いたばかりですし……」
唯「まあ、どうでもいいよ。すぐ暖房入れるから」
ドアの鍵を開けた唯先輩は、買い物袋を抱えて、私の真ん前を通り過ぎていく。
視線のひとつさえ、寄越してくれない。
梓「……はい」
やっぱり、来なきゃよかった、かも。
唯先輩が落ち着いた頃を見計らって説明した方が、よかった……かも。
唯「えーっと、これはすぐ使うからこっち、これは冷凍庫、これも冷凍庫……」
梓「…………」
家に入れといて無視って何なんですか、唯先輩。
そりゃあ、暖房は入れてくれたし、おコタの電源も点けてくれましたけど。
お料理のお手伝いとか、させて欲しいのに。
唯「暇なら、さっきのラブレター読んでていいよ。テレビ見ててもいいよー」
梓「…………」
唯「あずにゃん?」
梓「本気でそう言ってるんなら、私っ……も、もう、帰りますよ!?」
酷いです。
私がどんな気持ちでここにいるのか、さっぱりわかってないですよね?
唯「んー? 材料、余っちゃうから……ご飯食べてってくれないと、困るんだけどなぁ」
梓「だからって、だからって……私をいじめて楽しいんですかっ」
唯「……え?」
梓「私が嫌いになったんなら、そう言えばいいじゃないですか! なのに、わざわざおうちに呼んで、意地悪なこと言って……んく……うぅ、ぐすっ……う、うわあああああん!」
唯「あずにゃん!?」
今まで我慢していた涙が、ぽろぽろと両目から零れ落ちる。
その途中、がさっ、と買い物袋が床に落ちる音。
梓「やだ、やだ、こんな風に唯先輩にいじめられるなんて、もうやだぁ! 私、こんなに唯先輩のこと好きなのに、どうしていじめられなきゃいけないんですかぁ!?」
唯「う……ん……ごめんね、あずにゃん。そお言われると、今日の私、すっごく意地悪なことしてたね……」
梓「んっ、んぅ……っく、ぐす……」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 07:49:10.62 ID:impL79jqO
誰かこれでスレたてて…
スレタイ:キャメロンディアスとリックディアスの違い教えて下さい><
本文:><
唯「だ、だってね? あずにゃんってモテモテで、ラブレターも一杯もらってたし……私より好きな人がいるんじゃないかな、って……思った、から」
梓「私、そんなこと……ひと言でも、言いましたか?」
唯「……言ってない、ね」
梓「私が好きなのは、唯先輩だけなんですっ! なのに、なの、に……意地悪っ、唯先輩の意地悪ぅ! 本当に酷いですよっ!」
涙でぐっしょり濡れた唯先輩の制服に、深く顔を埋める。
まだ、涙は止まらない。
でも、唯先輩は私の背中に腕を回し、ぎゅっと優しく抱き締めてくれた。
唯「……ごめんね、あずにゃん。私、ヤキモチであずにゃんをすっごく傷付けちゃったんだね」
梓「んううっ、ぐすっ、う、ううっ……ゆ、唯せんぱぁい……」
唯「私は、ずーっとあずにゃんだけが大好き。でも……ほんとに、ごめんね。私、あずにゃんを泣かせちゃうつもり、なんか、ぐすっ……なく、って……ほんとだよ、あずにゃんの泣いてるとこなんて、見たくない、もんっ」
私の制服の肩口に、じわじわと熱く濡れた感触が広がる。
唯先輩が目元を押し付けてる場所。
梓「う、うっ……うわぁぁぁん! 唯せんぱぁぁい!」
唯先輩も、胸元に同じような感触を受けているんだろう。
だから、私が演技とかじゃなくって、本当に泣きじゃくっているんだって、わかってくれてるんだろう。
唯「うく、うう、ごめん、あずにゃんっ……意地悪して、ごめんね……でも、誰かにあずにゃんを取られると思ったら、あんな態度しか取れなくって……」
梓「ん、っく……わ、私は、唯先輩だけのものですっ……唯先輩以外と付き合う気なんて、全然ありませんよぉ!」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 07:53:00.69 ID:syS4EgB80
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唯「んぅ……私も、あずにゃんとしか付き合いたくないよぉ……私は、あずにゃんが大好きなんだもんっ」
また、ぎゅっと抱き合う力が強くなる。
……思えば、くだらない喧嘩の理由だけど。
こういう小さな理由を潰していけば、私と唯先輩の仲は、もっとずっと強いものになるのかな。
梓「ん、ぐす……唯先輩? お願いがあるんですけど……」
唯「にゃ、にゃに、あずにゃん? んく、はう……」
梓「私の気持ちを疑わないでください。私も、唯先輩の気持ちを疑いません……だから、こんな風に、もう泣かせないでくださいよぉ……」
唯「んっ、うん……ごめん、ほんとにごめんね。大好きな人のこと、疑っちゃ駄目だよね……うん。もう、疑わないから、信じて……くれる?」
きゅ、と不安そうに少しだけ腕の力が強まる。
……うん。大丈夫ですよ、唯先輩。
梓「はい、信じます。だって唯先輩は、私の最愛の人なんですから!」
唯「んきゅ……あ、あずにゃーんっ! ありがと、嬉しい、ごめん、でもやっぱ嬉しいっ!」
梓「はう、んぅ、あ……ちょ、苦しいです、唯先輩っ……は、はう……♪」
この抱き締められる苦しさは、唯先輩の想いの強さ……だと、思う。
だって、そうでなきゃ、ただの後輩のひとりにすぎない女の子を、こんなに強く抱き締めるハズがないから。
唯「んっ、好き、大好き。あずにゃん大好きだよ、んっ、ちゅ、ちゅちゅっ、んちゅー」
梓「あう、あ、ちょ……んむっ……唯せんぱ、い、待っ……ちゅく、んちゅっ」
唯「ごめんね、ごめん。もう泣かせたりしないからね」
梓「……はい。約束ですよ」
唯「うん、約束……仲直りに、一緒にお夕飯作ってくれる?」
梓「はいです」
ちょっとだけ残った涙を拭いて、唯先輩の目元も拭ってあげて。
お互いに顔を見合わせて、真っ赤になった目を見て、笑って。
梓「……ふふっ。唯先輩には、泣き顔は似合わないですよ」
唯「うん。あずにゃんも、笑ってる顔が一番可愛いよ」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 07:59:31.54 ID:syS4EgB80
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その、お互いの言葉で照れ合って、でも、生理現象は止められなくて。
偶然にも、私と唯先輩のお腹が、ぐきゅ〜って鳴っちゃった。
唯「……ご飯作るの、手伝ってくれる?」
梓「はい! 望むところですよ!」
……ああ、空気が元に戻った。
ぽやぽやして、ちょっと恥ずかしくて、でもどきどきする雰囲気。
梓「さあ、献立は何ですか?」
唯「んーとね、とりあえずぅ……」
並んだ材料を見れば、何を作りたいのか大体の察しは付くけど、私は唯先輩の指示を待つ。
こう見えて、私はリードされたい性格なんですよ、唯先輩。
〜おしまい!〜
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 08:00:13.64 ID:syS4EgB80
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とあるべつのひ!
梓「実はこんなチケットを親からもらったんですが」
唯「……高級ホテルのスゥイートルームのペアチケット?」
梓「はい。自分達で使えばいいじゃん、って言ったんですけでど……何か押し付けられちゃって」
実のところ、唯先輩と甘々タイムを過ごす為に無理矢理奪ったわけですが。
高級ホテルのスゥイート、ワイン……はお預けだけど、乾杯とかしちゃって、おっきなベッドで抱き合って……えへへへへへへへへ。
梓「えへへへへへへ」
唯「あずにゃん?」
梓「あ、いえ、何でもないです……というわけなんですが唯先輩、今週末はお暇ですか?」
唯「うん、暇だよ〜」
梓「じゃあ、週末は一緒にホテルでデートしましょう! 温水プールもありますから、水着の準備も忘れないでくださいね!」
唯「うんっ!」
〜ほてる!〜
唯「ほわあ……すっごいね、お金持ちになった気分だよ!」
梓「とりあえずチェックインします。部屋に行くまで、なるべく大人しくしててください」
唯「うん」
……………………。
…………。
……。
唯「うっわあ! すっごーい! こんなすごいお部屋にお泊まりしていいの!?」
梓「はい。一応、そういうチケットなので」
唯「えええ!? あっちの部屋にもこっちの部屋にもベッドがあるよ!? どこで眠ればいいの!?」
梓「好きなところでいいんじゃないかと」
唯「……じゃ、じゃあ、そっちの部屋のベッドが一番おっきいから……あずにゃん、一緒に寝てくれる?」
梓「ば、馬っ鹿じゃないですか!? ホテルにまで来たのに、一緒に寝ない意味がないじゃないですかっ」
唯「……う、うん、私、馬鹿かもしんないけど……私と一緒のベッドで寝てくれる?」
……ああ。
いくら恥ずかしいからって、こんな言い方するなんて酷いですよね。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 08:06:26.88 ID:syS4EgB80
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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 08:07:07.45 ID:syS4EgB80
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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 08:07:48.04 ID:syS4EgB80
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梓「え、えと、馬鹿って言ったのは本気じゃなくて……そ、そう! こういうホテルに来た時のお約束なんですよ!」
唯「お約束?」
梓「はいです。同じベッドで眠りたい時、でもちょっと恥ずかしい時、今みたく言うのが作法なんですっ」
唯「おお〜。さすがあずにゃん、勉強になるよ!」
梓「とりあえず着替えましょうか」
唯「うん」
お洒落な服、っていう指定はしたけど、大丈夫かな。
憂が付いてるから問題はないと思うけど。
梓「…………」
いやー、まさかこんな形で買ってもらったドレスを着るとは思わなかったなあ。
親の付き合いで引っ張り出されるのは覚悟してたけど、その、唯先輩に見せるとなると……また違う緊張感があるというか何というか。
唯「あずにゃーん、着替え終わったー?」
梓「は、はいっ。私は大丈夫ですっ」
唯「んじゃ……じゃーん! どーかな!?」
梓「…………」
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 08:08:48.35 ID:syS4EgB80
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素敵なイブニングドレスじゃないですか。
その、失礼ながら、唯先輩のご両親は普通の親御さんだと思ってましたから、私がホテルの中で買うのも考えてたんですが。
唯「え、えへ……ど、どうかなっ?」
梓「綺麗、です……唯先輩ぃ……」
自分の顔が緩んでるのがわかる。
唯先輩の姿に見惚れて、たり、って唇が緩んでる。
唯「んへー……あずにゃんも、すっごく可愛いよぉ?」
梓「ど、どぉも、です……」
私なんかより、唯先輩の方が比べるまでもなく可愛いです。
あぅ……もお、今すぐ抱き着いてふにふにむにむにして、喉の奥からえっちぃ声を絞り出して欲しいくらいに。
梓「はぁ……唯先輩、ほんとに、綺麗ですよぅ……」
唯「えへ、えへへ……照れちゃうよ、あずにゃんにそう言ってもらえるなんて」
梓「いえ、本当に綺麗なんですから……お世辞抜きで、唯先輩、素敵です……」
唯「……うん。ありがと、あずにゃん」
唯先輩の両腕が、中途半端な高さに持ち上がる。
私に抱き着こうとしたけど、自重してるみたい。
梓「……ホテルのディナー、食べてから。ね、唯先輩?」
唯「う、うんっ……そおだね、折角のドレスだし、ぐちゃぐちゃにしたらいけないよねっ」
……どんな風にされるとこだったんだろ、私。
しょくご!
唯「さすがにワインは出なかったね〜」
梓「未成年ですもんね」
唯「出ても力尽くで止める覚悟だったけどね」
梓「い、いえ、ちゃんと申し込む時に、高校生だって書きましたから……」
もう、お酒に酔って唯先輩を困らせるのは懲り懲りですよ?
抱っこしてもらえなくなっちゃいますし。
唯「でも、高級ホテルはやっぱ違うね。フルコース料理なんて、私、初めて食べたよ〜」
梓「初めての割には、食器使う順番とか間違いませんでしたし、静かに食べてましたね」
唯「やー、あずにゃんに恥をかかせないように、憂にみっちり仕込んでもらったんだよ。あと、わかんなくなったらあずにゃんの真似をすればいいから、って言ってた」
梓「ああ、なるほど……」
さすがは憂、抜かりなし。
実はいつどんな失敗をするか冷や冷やしてたんだけど、お陰で食事を楽しめたよ。
唯「でもさ、ボーイさん、私達の格好見て不思議そうな顔してたね?」
梓「あぁ……女子高生がふたりでドレス着て食事なんて、珍しいからじゃないですか?」
唯「そんじゃ、もし今度こういうチャンスがあったら、どっちかがタキシード着て素敵カップルのふりしようよ!」
梓「あ、いいかもですね、それ」
ぽやんぽやんぽやん……。
こう、ぴしっとキメた唯先輩に寄り添って、腕にすがっちゃったりして!
ちゃんとハタチになってからなら、ワイングラスで乾杯なんかもして!
んでもって、ちょっと酔っちゃった私を唯先輩が優しく支えながら部屋まで連れてってくれて!
その後は……いやーん! きゃー! もーやんやんやーんっ!
唯「でもさ、あずにゃん」
梓「はっ……はい?」
唯先輩は、じっと自分の胸元と私のそれとを見比べた。
……そうして導き出された結論は。
唯「タキシード着るのはあずにゃんだね! うん、きっとぴったし似合って格好いいと思うよ!」
梓「……今、何気に酷いこと言いましたね?」
唯「私が着ると、ほら……ね? どうしても……でも、あずにゃんなら大丈夫っぽいし!」
梓「いつまたこういう場に来られるかどうかもわかりませんけど、その頃には私だって成長してます! タキシードは唯先輩に着てもらいますからっ」
唯「ふぇ……? う、うん、あずにゃんがどーしてもって言うんなら、私が着てもいいけど……本当に格好いいと思うんだけどなぁ」
そう言ってもらえるのは嬉しいんですが、やっぱり私、ぴっと凛々しい唯先輩にエスコートしてもらいたいですよ。
すいーとるーむ!
唯「もうドレス脱いじゃっていいかな、あずにゃん?」
梓「ええ、ホテルの探検するんでもなければ、お風呂入ってゆっくりしましょう」
唯「あ、そうだお風呂! さっき見た時すっごく広かったよ! ふたりで入ってもちょー余裕だよ、あずにゃん!」
するり、とドレスを肩口から脱ぎつつ、振り返り気味に視線を送ってくる唯先輩。
梓「んくっ……」
明らかに『一緒に入ろ?』って、誘ってる眼差し。
食い気の次は色気ですか、食休みもなしに。
唯「えへへへ……あずにゃん、広〜いお風呂で洗いっこしよ?」
梓「はう……ん、っく……はうぅ……」
駄目。
きっとまた、私だけえっちぃことされて、もう最後までされちゃってもいいかなって思い始めた頃に、唯先輩が急に素に戻って何事もなかったようにお風呂から上がるんだ。
だから、駄目……なのに。
梓「い、いいですよ……洗いっこ、しましょう……」
唯「やた! そーこなくっちゃね!」
半分脱ぎかけの行儀の悪い姿のまま、私に向かって腕を広げる唯先輩。
ドレスが胸元まではだけちゃって、ブラの紐も片っぽ外れて、かなり目の毒。
でも、私はぼーっとしながらとてとてと走って、唯先輩の胸元に飛び付いた。
唯「えへ……あずにゃんは素直ないい子だね、可愛い可愛い」
梓「んうぅ……いつもみたいな意地悪は、しないでくださいね?」
唯「うんっ。こんな特別な場所に連れて来てくれたお礼に……あずにゃんがおねだりしてくれたら、何でも言うこと聞いてあげちゃうよ」
梓「じゃ、じゃあ、早速ですけど……ドレス、脱がせてくださいです……」
唯「……私が全部脱いじゃってからでいい?」
梓「唯先輩のは、続き、私が脱がせてあげたいです」
唯先輩の胸に頬をすりつけると、段々とブラがズレて素肌同士がこすれ合うようになる。
いつもながら最高に柔らかくて、いい香りがして、あったかい。
唯「うん、わかった。それじゃあずにゃん、後ろ向いてくれる?」
梓「は、はい……」
生おっぱいの感触はとっても名残惜しいけれど。
私は言われるがまま、髪をかき上げながらドレスの背中を唯先輩に向けた。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 08:25:47.60 ID:syS4EgB80
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ばするーむ!
かっぽーん。
唯「うわあ……改めて見ると、すんごいお金かかってそうだよねえ……」
梓「そういうものですよ。普通ならひと晩泊まるのに、十万とか二十万って料金取られるんですから」
唯「何だかものすごく場違いな気がしてきたよ、私……」
梓「偶然手に入れたタダ券でも、私達は立派なお客様なんです。さあ、お願いします。唯先輩」
唯「う……うん。よ……ほっ」
繋いでいた手を放して、唯先輩の首筋に回す。
唯先輩は、私の背中と膝の後ろに腕を差し入れて、ひょいっと私を抱え上げる。
梓「わ、うわぁ、お、お姫様抱っこだ、ほんとにお姫様抱っこ……唯先輩、重くないですかっ」
唯「うん、だ、大丈夫だよ……あずにゃんちっこいから、意外と軽いしねっ」
平気そうに振る舞ってるけど、やっぱり女の子の腕力じゃ無理があるみたい。
でも、もう少しだけ。
ちっちゃく丸まって、唯先輩に強くしがみ付いて、全身すべすべな感触を楽しませてください。
梓「んにゅ……ふふっ、うふふ……えへへへへへ、唯先輩に、憧れのお姫様抱っこされてますよぉ……♪」
唯「んー……しょ、っと、よっと……そ、そろそろいいかな、あずにゃんっ?」
梓「あ……は、はい。無理言ってすみませんでした」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 08:26:28.06 ID:syS4EgB80
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105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 08:27:08.42 ID:syS4EgB80
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唯「あは、あはは、このくらい別にいいのことアルよー」
ぺたっとタイルに足を付くと、唯先輩の額にはじんわり汗がにじんでいた。
嬉しくって、気持ちよかったけど……あんまり頻繁に頼めそうにないなあ、お姫様抱っこ。
梓「唯先輩っ。お姫様抱っこしてくれたお礼に、気合い入れてお背中流しますっ」
唯「う、うん……気合い入れなくてもいいけど、お願いしちゃうよー」
腕をさすりながら、唯先輩。
私を抱っこしたせいで筋肉痛になっちゃったりしたら、嫌だなあ。
梓「唯先輩。ここのお風呂、ジャグジー付きなんですよ」
わしゃわしゃわしゃ。
唯「おお、豪華だねぇ。スーパー銭湯みたいだよ!」
梓「……何か急にジャグジーが庶民的なモノに見えてきました」
しかしお高いホテルだけあって、置いてあるボディソープやシャンプーやらも触感からして違う。
ホテルのロゴ入りボトルに詰め替えられてるから、商品名はわかんないけど……私達が普段使ってるような安物じゃないってことだけはわかる。
唯「ふわーぁ。すっごいあわあわだね、あずにゃん♪」
梓「そうですね。一生懸命に泡立てなくてもコレですから、その気になったら一体どうなっちゃうんでしょう」
ごっしごっしごっし、しゃわしゃわしゃわ。
唯「あっ、前は自分で洗……わないことにしよっかな、あずにゃん?」
梓「はいです。全身ばっちり私に任せちゃってくださいっ」
かと言って、私は唯先輩の前に回るでもなく。
後ろから抱き締めるように、泡にまみれた肌へ覆い被さる。
梓「んにゃっ……ふ、ふぁ……あ、あぅぅ……」
唯「あっ、ああ……んく……あ、あずにゃん。早く洗ってくれないと、ふたりとも風邪引いちゃうよぉ?」
ぬるる、って。
泡がぬめって滑って、何をしたわけでもないのに、肌同士をこすれ合わせるだけで脱力しそうなくらい気持ちいい。
梓「んみゅ、ふう、ふうっ……んんぅ……はふぅ……」
わしゃしゃ、わしゃ。
快感を堪えて、頑張って腕を伸ばして、唯先輩のお肌を綺麗にしていく。
で、でも、洗い終わったら、次は私の番だよね……まともな気分でいられる自信ないなあ、ちょっと、これは。
唯「んふ、ふふふ……あずにゃんのぺったんこなおっぱい、ぷにぷにって背中に押し付けられてて気持ちいーよ?」
梓「はうっ……ん、もう、唯先輩っ……そーゆー目的でしてるんじゃないんですっ、私は純粋な気持ちでですね」
唯「うん、でも、あずにゃんはいつも私のおっぱいが好きって言うけど……私も、あずにゃんの控え目なおっぱい、大好きだよ?」
梓「んくっ、う、うにゅ……」
唯「まだ膨らみかけで可愛いし、けっこー敏感だし……おっきくなったら、今よりえっちぃおっぱいになるのかなあ?」
梓「う、ううっ、はうう……」
胸の辺りは最後のお楽しみに、って取っておいたんですけど。
あらかた洗い終わりましたから、もういいですよね?
梓「ええ、えっちくなっちゃいますとも! 唯先輩に、こんな風に弄くり回されて、えっちぃ声上げさせられてるんですからっ」
唯「やあんっ♪ んっ、んあっ、ああ、や!? ちょっ……ぬるぬるして、すごっ……ふああ、あぅ、あっ、あずにゃんっ、ああう、あうっ」
梓「んきゅ……か、可愛い声出したって駄目ですよっ!? まだまだ、唯先輩が本気で降参するまで止めませんからっ」
ぬるぬるむにゅん、って。
掴もうとすればぬめって逃げるし。下から支えて揉もうとしても手の中から柔らかく滑るし。
ええい、唯先輩のおっぱいなだけあって、往生際の悪さもタダモノじゃないです。
唯「んううっ、ん、あぁんっ! ひゃ、ひゃううんっ、んぅぁ……はぁ。はふ、んく……ちょっと、おねが……ひゃぁぁぁ」
梓「んんん、はう、はぅはぅ……んもー、唯先輩ってば、本当にもー。ただ身体を洗ってるだけなのに、えっちぃ声で悶えたって騙されませんからねっ」
唯先輩の背中に、胸がぬるぬるこすれて気持ちいい。
お腹だって、腕だって、唯先輩の体温を直接感じながら、泡のぬめりで滑って余計に感じちゃう。
それに、両手も。
ぷくっと膨れて固くなった乳首に掌をくすぐられたり、柔らか滑らかなおっぱいを揉みしだく感触も堪んなく心地がいい。
唯「ふあっ! あ、ああっ、も、もぉ、駄目だよ、あずにゃぁんっ! ほんとに、も、こおさんするよぉ!」
梓「っん……ま、だ、です……まだ洗い足りないです、から……おっぱいが大きい分、丁寧に時間をかけて洗わなくちゃですよっ」
唯「んやぅ、はううっ……んっ、あんっ、丁寧すぎ、だよぉ……も、もお、ほんとに洗うのいいからっ」
梓「『いい』んですね? なら、もっと続けるですっ」
もにゅもにゅむにゅん、って。
揉んでるだけで気持ちいいおっぱいとか、卑怯すぎますよっ。
唯先輩はズルいんですから……本当にズルいですよ、もう。
唯「んぁ、あっ、んんっ……きゅふぅぅぅぅんっ! んっ、あ、あずにゃ、んんっ! んあっ、あずにゃ……ああ、あぅっ、ひゃあぁぁんっ!」
梓「……あれ?」
唯先輩が全身を震わせたのが、ぴっとりくっつけた肌から伝わってくる。
びくびくんっ、ぎゅうううって。
唯「ひゃふ……ん、んくぅ……あず、にゃぁん……こおさん、だよ、もうらめ……ゆるひてぇ……」
梓「あ……えっ? そんな、唯先輩、まさか……本気で、降参なんです?」
唯「ふやぁ……あ、あー……んっ、んんっ、あ、あう……んくぅん、ん、ひゃうぅ……♪」
何度か大きくわなないて、今は小刻みに震えている唯先輩。
乱れた息遣いが今まで見たこともないくらいえろっちくて……演技とは思えなかった。
梓「ん……ゆ、唯先輩? あの、すみません、ちょっと調子に乗っちゃいました」
唯「……はうぅ、んっ、あん……酷いよぉ、あずにゃん……ふぁ、あ、あぅ……降参って、ゆったのにぃ……」
梓「その……私も気持ちよかったですし、唯先輩のおっぱい、もっと揉んでいたくって……」
梓「こんな風に、無理矢理しちゃうつもりじゃなかったんです! ごめんなさいっ!」
唯「ううん。わ、私もね、嫌じゃなかったから……いい、よ? でも、次からは……ちゃんとして欲しいなあ?」
まだ唯先輩の胸に添えたままだった私の手を、唯先輩が上からそっと包むように握る。
慌てて離そうとしたけれど、唯先輩が振りほどいたりせず、こうしてくれるってことは……別に、怒ってない、みたい。
梓「すみません、興奮のしすぎには重々気を付けます……」
唯「えへへ……あずにゃんってば、えっちぃんだあ。やーい、おっぱい大好きあ〜ずにゃんっ♪」
梓「にゃっ!? わ、私が好きなのは唯先輩のおっぱいだけですよっ!?」
唯「……うん。あんなに強く揉まれたのに、全然痛くなかったもん。それって、あずにゃんが私を気持ちーくしてくれようって思いながら揉んでくれてたからだよね?」
梓「あ、や、そういうことにしといた方がいいかなって思うんですけど、割と欲望の赴くままに……」
唯「でも、痛くなかったんなら、そういうことなんだよ」
梓「……はい」
唯「あずにゃん、あずにゃん。お顔、もちょっとこっち」
梓「……んぅ?」
唯「洗ってくれてありがと。とっても気持ちよかったよ!」
ちゅっ。
梓「は、はわっ!?」
唯「えへへ。次は私があずにゃんを洗ってあげる……って言いたいとこだけど、腰が抜けちゃったみたい」
あ……と、とりあえず、泡を流して湯船にでも。
次は私の番だとしても、とりあえず唯先輩が落ち着いてからでないと。
梓「お湯かけますね、じゃないとまたにゅるんってなって触っただけで気持ちよくなっちゃって、私っ」
唯「うん。お願いね、あずにゃん」
ざぱー、ざぱぱー。
梓「うく」
お湯を珠のように弾く唯先輩のお肌が、普段よりすべすべに見える。
今すぐ触って確かめたい、けど、我慢我慢。
ううう、恐るべし高級ボディソープ。
唯「ふあー。さっぱりしたー」
よろめきながら立ち上がろうとする唯先輩に、肩を貸してあげる。
身体を支えようと思ったけど、変なとこ触っちゃったらいけないし……ううん、悩ましいです。
梓「気を付けてくださいね」
唯「うん。ありがとーね、あずにゃん」
そう言いながら、唯先輩はジャグジーの中へ、ざぶんと、入った。
唯「んひゃああああああああ!?」
梓「どっ、どうしたんですか唯先輩っ!?」
唯「あ、ちょ、助けっ……あわあわが、ああっ、ヤバいよ、ちょお敏感になってるのにっ……こことかそことかあそことか、ひゃ、ああ、んふううううっ!?」
梓「……ああ。なるほど」
私も今ので身体に付いた泡を綺麗に洗い流してから、唯先輩と一緒の湯船に入る。
ぶくぶくのあわあわが勢いよく、四方八方から全身にぶつかってきて、なかなか気持ちいいです。
ええ、今の唯先輩には酷な刺激かもしれませんけどね、うふふ。
唯「ひゃんっ! あ、ああっ、あぅぅぅ、あずにゃん、助けて、ああ、ふあああんっ! 駄目、ちょっ、あ、ま、またっ、私っ……またあっ!」
梓「……ぶくぶくぶく」
色っぽく叫んで、艶っぽく身をくねらせて、何かを我慢するみたいにぎゅーってなって、でもまた身悶えを始めて。
いやー、これはなかなかの眺めですよ、唯先輩?
ちょっとあと!
唯「ひゃあう……んっ、んんぅ……も、もぉ、らめぇ、あ、あぅぅっ、らめらよぉ……うふぅぅぅぅんっ」
梓「のぼせたら大変ですから、少しそこに座って待っててくださいね。私も急いで身体洗っちゃいますから」
背中を流してもらえなくなっちゃったのは、少し残念だけど……眼福、眼福。
唯先輩ってば、限界を超えるとあんなやーらしい声であえいじゃったりするんだぁ……えへへ、えへへへへ。
いつか、私だけの力で唯先輩をここまで骨抜きにしちゃえるようになりたいなあ。
梓「ふんなふんなふーん♪」
わしゃわしゃわしゃのわしゃ、っと。
唯先輩があの様子じゃ、お風呂では無理だろうけど……寝る頃になればきっと大丈夫、そう、ベッドの中で可愛がってもらえばいいもんね。
その時の為に……こうして、お肌を磨いておかなきゃ。
梓「……んにゅー」
脚は、まぁ、細い方だよね。
二の腕にも余分なお肉はないし……腰の周りも大丈夫、だと思う。
難点を言えば、全体的に肉付きがよろしくないっていうか……ひんそーっていうか。
ううっ、唯先輩みたく肉感的になりたいなあ。
そうすれば唯先輩も、私に抱き着いた時にもっといい感じになってくれるだろうに。
唯「はうー……あずにゃーん」
梓「はいはい、何ですか?」
しばらくまともに身動き出来なさそうだったから、いきなり背後から抱き着かれる心配はない。
私は概ね洗い終わったことだし、とお湯をかぶりながら、ちらっと声のした方に目を向けた。
唯「え、えへー。こんなマットがそっちの隅っこに置いてあったよぉ?」
梓「……にゃああああ!?」
マットっていうか、正確には海水浴なんかで使いそうなエアマット。
その上にうつ伏せに横たわって、とろんと潤んだ瞳で私を見つめる唯先輩がいた。
……いえ、お風呂にあるっていうことは、浮かべて使う用途のモノじゃないんでしょうけど。
唯「ぽよんぽよんして、面白いよぉ〜?」
梓「……ちょ、ちょっと、それ以前に、唯先輩が動くとおっぱいもぽゆんぽゆん弾んで、目のほよぅ……いえ、目の毒ですよ」
唯「んも〜、あずにゃんってば……そんなに私のおっぱいがお気に入りなんだぁ?」
梓「す、好きなのは、おっぱいだけじゃありませんけどっ……どーしても目がいっちゃいますよ、そんな格好だと!」
唯「えへへ。恥ずかしいけど、嬉しいなあ……あずにゃんに『好き』って言われると、いつもすっごくどきどきしちゃうんだよね」
梓「んくっ……」
それはつまり、私が唯先輩の『特別』だっていうこと。
そうじゃなきゃ、見られるのさえ嫌だもんね。
でも、このギリギリ一杯まで潰れたおっぱいの質感……これもこれで結構いいけど、やっぱり何か違う。
梓「ううっ……唯せんぱぁい。おっぱい、ふにふにしたいから上向いてくださいよぅ」
唯「もー、仕方ないなぁ。はい、おっぱいでちゅよー?」
くるんと転がって、今度は仰向けになる唯先輩。
そうなると当然、おっぱいが重力に引かれていやらしい感じになっちゃうわけで。
唯「ねー、あずにゃん。身体洗ってあげる約束、守れなかったけど……ちょっと休んだから、さっきの続き出来そぉだよ?」
梓「い、いえっ、無理にしなくても……いい、です……よ?」
本当は、して欲しい。
でも、ずっとジャグジーの中で悶え続けてたの見てたから、唯先輩が何度も気持ちよくなっちゃったのだって知ってるんですよ?
だから、元気になるまで休んでいてもらっても……。
唯「ほらほら、そのボディソープ持ってきて? このマットの上で、ぬるぬるになりながら抱き合お?」
……それは、とてもとても素敵なお誘いですね。
梓「は、はい……んっ、く……」
逆らえない。
命令じゃないんだから、逆らうっていうのも変なんだけど、身体が唯先輩の言う通りに動いちゃう。
唯「マットだから痛くないし、冷たくないし、滑り止めも付いてるから危なくないし……えへへ。たっぷりぬるぬる出来るねえ?」
梓「はい……」
えろいやらしい瞳で私を誘う唯先輩。
さっき唯先輩を洗った時の昂ぶりや、湯船の中で悶える姿を見ていた興奮が、一気に募ってくる。
その前に、ちょっとだけ準備。
梓「んっ……ちょ、ちょっと冷たいかもですけど、最初だけですから……」
ちゅー、ちゅっ、ちゅちゅーっ。
ポンプを何度も押して、唯先輩のおっぱいやお腹にボディソープをかける。
梓「……ふうう!? う、うくっ」
ええと、これはその、予想外にえっちぃ姿の唯先輩が出来上がっちゃったんですが、どうしましょう。
唯「んひゃあ♪ ちべたっ……早くあっためて、あずにゃぁん♪」
梓「ふぁ……ふぁい……」
まるで男の人とエッチした直後のような、欲望の猛りをぶち撒けられて穢されたかのような、肌を上気させて白濁液にまみれた唯先輩。
……ボディソープは、手に取って塗り付けた方がよかったですかね。
いやぁ、危うくハナチ出ちゃうところでしたよ。
梓「んと、それじゃ、唯先輩……んしょ」
ぬりゅん、ぬりゅりゅ。
梓「んぅ、ふぅっ……ん、んく……」
唯「んあ……あったかいよぉ、あずにゃん」
大きさは違うけど、胸同士を合わせるように抱き着く。
早速ぬるぬる滑って気持ちいーけど、もっと、もっともっと気持ちよくなれると思うと、嬉しくて期待が一杯です。
梓「えへへ……終わったら、また一緒にジャグジーですからね?」
唯「ちょ、ちょぉーっと、それは、許して欲しいかも……」
梓「駄目です。私、また唯先輩が感じて悶えてだらしなく口を開けて、気持ちよさそうにあえいでるとこ見たいんですから」
ねちゃねちゃって卑猥な音を鳴り響かせながら、唯先輩の耳元でささやく。
ゆっくりと身体を滑らせて、肌をこすり合わせる度に、私の耳にも唯先輩の感じてる甘い声が聞こえる。
唯「んあ、あっ、あふう……わ、私っ、さっき、そんなに、だらしない顔になってたの……?」
梓「はい。とっても、こーふんしました。だって唯先輩、何度も何度もイっちゃってましたよね?」
唯「ん……っう、うん……イってた、よ……気持ちよすぎるから、助けて欲しかったのにぃ……あずにゃん、どうして助けてくれなかったの?」
梓「だから、唯先輩のイってる表情が堪らなくえっちくて、見惚れちゃってたんですってば」
はあ。
首筋も、うなじも、何て色っぽいんだろ。
耳元なんて、ちょっと舐めただけで大きく跳ねそうなくらいに赤く火照ってる。
梓「んぅ……んむ、ちゅ、ぴちゅっ、んちゅーっ♪」
唯「ひゃあああんっ!? やぁ、あっ、あずにゃああんっ!」
梓「んふ、くちゅっ、くぷっ、んぬぷ……ふふ、何だか唯先輩を襲ってる気分です」
唯「さ、さっき、おっぱい魔人に襲われたばっかしだよぉ……んはぁ、はぁ、はううっ……やぁ、だ、駄目、また気持ちよくなっちゃいそっ」
私の背中に回された腕に、ぎゅっと強く力が込められる。
同時に、痙攣のように小さく震えながら、唯先輩があられもない声で叫ぶ。
唯「あぅ、あっ、あー! 駄目っ、駄目ぇぇ! 気持ちいいよ、あずにゃんっ……ふあぁ、あああっ、んあああああ!」
梓「んっ……ゆ、唯先輩っ……」
またイっちゃった、みたい。
唯先輩がひとまず落ち着くまで、ほっぺをすり寄せながら、抱き合って震えを感じ取る。
……まだ敏感になってるんですね。
だからって、こんな、イく有り様を直接感じちゃったら……もう本気で堪らないですよ?
唯「ふぇ……ごめん、ね、あずにゃぁん……私、こんな早く、気持ちよくなっちゃったよお」
梓「今度は私の番じゃなかったですか? もお、また唯先輩ってば、こんなにえろっちぃ表情して……んちゅっ、ちゅぅ、んむぅ」
唯「はうう、んぅぅ……んくっ、んちゅう、れるりゅっ……ちゅ、ちゅちゅっ」
ほんと、唇を重ねただけですぐに舌を割り込ませてくるし、それだけじゃなくって舐るように絡ませてくるし。
やらしくって、とっても素敵です、唯先輩。
唯「んふ、ちゅるっ、んっ、んく……ごめんねぇ? でもでも、あずにゃんが優しく気持ちよくぬるぬるしてくれるから、我慢出来なくって……はむっ、ん、ちゅぷ」
息をするのも苦しそうなのに、私の口中をねろねろと舐め回す唯先輩は、舌を絡めたまま離してくれない。
表も裏も、先っちょは勿論、根元まで執拗になぞり上げて、それでも飽きずにキスを続ける。
梓「んあ、あう、んはむ、んむむっ、ちゅぷ、ちゅう……ん、あぅ、ゆ、唯、せんぷぁ……んちゅっ、くぷっ」
唯「んちゅー♪ んむあむ、くちゅるっ、ちゅむむむ、ちゅうっ、んむう……あむあむ、ちゅるるっ」
あれ。
何か、頭、私の方がぼーっとしてきてる……。
もう何回か唯先輩をイかせてあげて、またしばらくジャグジーで悶えるとこを眺めさせてもらって、上がるつもりだったのに。
唯「んふう、ふう、ふー……ちゅううっ、くむっ、んっ、んるれるっ、ちゅっ、ちゅくく……んむぅぅぅ〜♪」
梓「はぷっ、あ、ちょ、唯せん、んあっ、あう、ふぁぅ……んちゅ、くちゅる、ちゅむちゅるっ」
涎を吸い取られて、喉を鳴らして飲まれてる。
私が上になってるんだから、垂れるのが自然なんだけども、それだけじゃ足りないって言ってるみたいに唇をちゅうちゅう吸われてる。
肌がこすれ合う感触と同じくらい気持ちよくて、でもお口の中を熱い舌先で刺激されて、頭の奥まで熱さでしびれるような感じ。
梓「はあっ、はう……ん、ちゅううっ、ちゅぷ、んむぅ……はっ、はうぅ、あふ……んぷ、ちゅぅ、ぴちゅる」
唯「んっ、んく、はふう……キス、とっても気持ちいいね。ぬるぬるで抱き合ってるせいかな?」
きっと、違うと思います。
理由のひとつではあるかもしれませんが、唯先輩のキスの仕方が上手だから、かと。
……そう言えたらいいのに、私ってばだらしなく唇を半開きにして、荒い呼吸を繰り返すことしか出来なかった。
梓「あぅ、あ、はぅぅ、んんっ……唯、せんぱぁい……どおして、こんな、キス、上手なんですかあ?」
唯「え? 私、そんなに上手かなあ? あずにゃんの方が、とろっとろに涎を流し込んできてくれたりして、えっちぃと思うんだけど」
梓「んちゅっ、ちゅうっ、ちゅ、ちゅっ……ふぅっ、んふぅぅ……んちゅ、ちゅちゅ」
唯「ん、あん、ほ、ほらぁ。こんなに、丁寧に、キスしてくれるしっ……ん、あっ、やぁん♪」
いえ、それは単にキスが気持ちよくて意識を持ってかれちゃって、唾液を垂れ流してるだけですよ?
今だって、私が零した涎で唯先輩の口元を汚しちゃったから、せめて自分で吸い取って綺麗にしたいと思ってるだけであって。
唯「……あれ? あずにゃん、何だか止まってる……動くの疲れちゃったの?」
梓「はぁぅ、は、はう……そおじゃ、ありませっ、けどぉ……すみません、少しだけっ……すぐ続きしますからっ」
唯「そっか……えへぇ」
梓「疲れたんじゃなくって、その、ですね? 唯先輩……?」
唯先輩の笑みを見た私の背すじに、ぞくりと寒いモノが走った。
割と悪い意味で。
嗜虐的、っていうのかな。
唯先輩の唇の端がちょっぴり吊り上がったような気がした。
唯「あずにゃんが休んでる間、私がぬるぬるしてあげるね?」
梓「えっ? あ、いえ、すぐっ……唯先輩は、イったばかりですし……にゃあっ!?」
にゅるんっていうか、ぐるんっていうか、一瞬で視界の真ん中にいる唯先輩以外の景色が反転する。
……ああ。
身体の位置、逆にされちゃったんだ。
唯「ふえぇ……一杯イっちゃったせいかな、まだ頭がふらふらするよ〜」
梓「だ、だから、ここは私に任せてください……んくっ」
このままじゃ、マズい気がする。
息を飲みつつ、ぼうっとした意識のままお願いしてみたけど……やっぱり、唯先輩は聞いてくれなかった。
唯「ううん、遠慮しないで? あずにゃんに触られたのと同じくらい、私もたーくさんおっぱい揉ませてもらうから♪」
梓「ううっ……」
やっぱり恨んでるんだ、さっきのこと。
でも、どういうお返しされたって私は後悔しないもん!
あんなに唯先輩のえろっちぃ顔を見られるなんて、滅多にないんだから!
唯「んー……とりあえず、えいっ」
梓「にゃあああん!?」
唯先輩はわざわざ両手を広げて、私のちっちゃなおっぱいを包み込む。
そして、絞るように……にゅるにゅる滑るのを利用して、何度も何度も揉み上げる。
梓「ひゃああ……! ああっ、あう、ゆっ……唯せんぱぁい!? んにゃう、あっ、あううんっ!」
平気なふりをしようと思っていたのに、背すじが勝手に仰け反っちゃう。
唯先輩の手、優しくって、あったかくって……気持ちよくって……ぞくぞく、しちゃう。
唯「えへへ〜。ぺったんこーなおーっぱい、あーずにゃーんのおーっぱい♪」
梓「にゃ、にゃふううぅ……へっ、変な歌、作らないでくださいよぉ……んっ、あ、ふにゃあんっ」
やだ、恥ずかしいくらい身体が震えてる。
さっきまでの唯先輩みたいに、えっちく、小刻みに。
唯「あはぁ……そんなに可愛い顔して、感じてくれてるの? あずにゃん」
梓「んぁぅ、あっ、あ、ふにゃぁんっ! あぅぅぅ、あっ、唯せんぱっ、やんっ、ちょっ……んにゃあ!」
感じてます、とっても感じてます。
そんなの、わざわざ聞かなくてもわかるじゃないですか。
唯「えへ、おっぱい触ってるだけなのに、腰までぷるぷるしてるよぉ? 何か、どきどきしちゃうねっ」
ええ、そうでしょうとも。
私だって唯先輩が反応してくれるのを見たから、嬉しくなって、興奮して、どきどきしてましたもん。
梓「んうっ、んん……は、はぁっ、はぅ、ぅんっ……む、胸ぇ……私のおっぱいなんて、全然揉めないのにぃ……」
唯「そんなことないよ? ほら、こう、ぷにぷにって……膨らんじゃうのが勿体ないくらいだよっ」
梓「やぁ、わ、私、もっと成長するんですっ……唯先輩くらいに……ううんっ、唯先輩よりおっきくなるんですからっ」
唯「うん、うんっ。おっきくなったら、それはそれで揉み甲斐があって楽しそうだよね」
そう言って、唯先輩は平べったい私の胸を愛おしそうになでて、揉んで、時々乳首を刺激したりして。
いちいち反応しちゃう自分が情けないというか、悔しいというか。
唯先輩に何をされても気持ちよくって、もう、えろいやらしー声しか上げられなくなってる。
梓「ひゃうんっ! んにゃあ、あっ、ああ、あっ、やだ、ち、くび、んひぃんっ!? ひゃあぁ、ああぁ、んにゃあああんっ!」
唯先輩は、私がしたように……ううん、もっと強く乳首をつまんだり、引っ張ったり。
ボディソープのぬめりが痛みを消しちゃってて、逆に滑りがよすぎて気持ちよさばっかりになっちゃってて。
恥ずかしいのに。
もう許して欲しいのに。
ぎゅうってされると、ちっちゃい胸なのに思いっきり反らして突き出しちゃう。
唯「んくっ……と、とぉってもえろっちくて可愛いよぉ、あずにゃん……もっとして欲しいんだね?」
梓「ふあっ、あ、はあっ……あぅ、あぅっ……んっ、んあぅ……ゆ、唯せん、ぱいっ……私ぃ……」
唯「……まー、して欲しくないって言われても、気が済むまでおっぱいいじり倒させてもらうんだけどね?」
にまー、って意地悪な微笑みに、さっきの悪寒とは違う寒気を感じた。
楽しみっていうか、怖いっていうか、両方が混じったような……ちょっと複雑、かも。
梓「んぅ、ふぅぁ、あぁ、あっ……駄目です、そんな、私……このまま続けられたら、きっと……」
唯「きっと……どうなっちゃいそうの?」
梓「き、きっと……イっちゃいます……」
っていうか、もう一杯一杯ですよ。
私みたいな薄い胸でも、唯先輩への想いとか、気持ちよさとか、はちきれんばかりに詰まってるんですから。
唯「……じゃあ、イかせてあげないと可哀想だよね?」
梓「んぅっ……ん、ふ、ふあ……!」
唯先輩は嬉しそうに目尻を下げながら、きゅっ、と指の間に私の左右の乳首を挟み込む。
そのまま転がすように、そして器用に薄い乳房を揉みつつ、耳元を舐め上げてくる。
唯「ん、ふぅ……あずにゃん、ほんと、可愛いよぉ……好き、大好きぃ……んちゅ、ちゅうう、んっ、んむっ」
首筋から耳までをしつこいくらい丁寧に舐められて、すっごく、ぞくぞく。
胸を揉む手だって休んでくれなくて、こっちも身体の芯から、ぞくぞく。
ボディソープで滑る肌がこすれ合って、唯先輩が感じてる震えも伝わってきて、やっぱりぞくぞく。
梓「んにゃああああ!? ああっ、やぁん、駄目駄目っ、唯せんぱぁい、そんなこと言いながらっ……にゃあ、ふにゃあああああっ!」
唯先輩の背へ回した腕に、思いっきり力を込める。
我慢しようと思っても、出来る類のものじゃない。
もお、ふわって浮かんでどっかに飛んで行っちゃうような、大好きな人にしがみ着いていないと怖い感覚。
梓「んんんっ! にゃ! あああっ! はぁっ、は、ふにゃぁ……あぁ、あぅっ、う、んっ……んにゃ……♪」
唯「んひひ……あずにゃん、イっちゃったみたいだね?」
ちろちろと、猫がミルクを飲む時みたいに、唯先輩が私の唇を舐めてくる。
それがとっても気持ちよくて、私も快感の波に流されそうになりながら、同じようにちろちろと舐め返す。
梓「んちゅ、んるっ、れりゅる……んぅ、は、はぁい……イき、ましたぁ……」
唯「……約束、守れたかな?」
梓「ん……はい、でも、気にしなくてもよかったのに……」
唯「そんなわけにはいかないよ。とっても大好きで、大切な、あずにゃんとの約束だも……ちゅ、ちゅく、んむっ」
少しずつ引いていく気持ちよさの昂ぶりが、唯先輩のキスで引き留められてる。
普段、これくらいなら、もう少しで素に戻れる頃なのに。
梓「ん、ちゅ、ちゅう……んふ、唯せんぱぁい……とぉっても、気持ちーですぅ」
唯「そお? よかった。私だけあんなに気持ちよくなってたら、あずにゃんに悪いもんね」
梓「にゃふ……?」
……『あんなに』?
って思ってたら、唯先輩が自分ごと何回かお湯をかぶって、ぬるぬるを洗い流す。
梓「……い、嫌っ……唯先輩? まさか、えと、まさかっ……」
ふるふると首を左右に動かす。
でも、唯先輩はにっこりと笑っているだけで、『何が嫌なの?』とか、尋ねようとしない。
そんな、ちょっと、お願いだから待ってください。
唯「とーお! 必殺! お姫様抱っこぉ!」
梓「嫌あああああああぁ!?」
唯先輩が向かう先は、勿論……。
梓「んにゃあああああ! あっ、あああ! ゆ、唯先輩っ! あっ、ふにゃああんっ!?」
ざぶん、とジャグジーの中に落とされて。
溺れはしないけど、むしろそっちの方がマシだったかもしれない。
唯「うわぁ……本当だ。あずにゃん、すっごくえろっちぃ顔してるよ……♪」
梓「ひああああんっ! ちょ、あぅ、さ、さっきは、もぉちょっと、ゆーよがっ……あ、あああああ、にゃ、んにゃっ……にゃああああああぁんっ!」
梓「うふふ……ぷくぷくぷく……♪」
鼻先まで水面に沈めて、唯先輩はじーっと私が身悶える様子を観察してる。
あっちやこっち、そっちから、もう予想もしてない方向から泡がぶつかってきて、おかしくなりそう。
ついさっき、唯先輩も、この感覚を嫌っていう程に味わったわけですね。
この、地獄のような快楽天国を。
べっどるーむ!
梓「ふにゃあ……♪」
唯「気持ちいかったね、あずにゃん」
梓「……はい、です……」
身体も髪も唯先輩が拭いてくれたけど、まだ天井がぐるぐる回ってる。
ベッドがよく弾むせいか、感覚が変になってるせいか、ぽわんぽわん弾んでるみたい。
唯「ええと……冷蔵庫の中、飲んでいいのかな?」
梓「は、はい……親からカード借りてますし、何なら、ルームサービス頼んでも平気ですけど……」
もう少し後にしてもらわないと、こんなイきまくって、ぜいぜい息してる姿なんて、ホテルの人に見られたくないですが。
唯「ミネラルウォーターでなくっても、私は水道のお水でいいんだけどなあ……」
梓「あ……私のバッグに、飲み物入ってます。カルピスですけど」
唯「初恋の味だね! いただきます!」
元気ですね、唯先輩は。
私なんて、もう数えきれないくらい気持ちよくなっちゃって、何ていうか……お腹一杯ですよ。
唯「んぐ、んく……ぷはー。はい、あずにゃん! 間接キス!」
梓「あっ……ど、どもです。ん……はむ。んっ、んぅっ、んくっ……はあ……♪」
普段そういうこと全然気にしないくせに、どうしていきなり間接キスとか言うんですかね。
お陰で、自分のペットボトルなのに無駄にどきどきして……妙に美味しく感じちゃったじゃないですか。
唯「あずにゃん、あずにゃん! 私、他の部屋のベッドでもぼーんって跳ねてくるね!」
梓「あ、あっ……」
まあ、その、どうせ使っても使わなくてもベッドメイクはするんだろうから……少しくらい遊んでも、別にいいと思いますけど?
そんなにはしゃいじゃって、子供みたいじゃないです?
そりゃあ、こんなスプリングの効いたベッドで遊ぶ機会なんて滅多にないでしょうけど?
……こういう遊びでうずうずしちゃうのって、やっぱり私がまだ子供ってことなのかなあ?
梓「わ、私も行きます、唯せんぱーい!」
やだ、まだ膝ががくがくしてて、普通に立てない……。
でも、唯先輩と一緒に遊びたいから、頑張る。
梓「ゆ、唯先輩っ! ひとりだけで遊ぶなんてズルいですよーぉ!」
ばゆんばゆんって、私も跳ねて遊びたいですよ。
ただでさえ面白そうなのに、唯先輩が一緒なら、それはもう楽しいに決まってます。
唯「え〜? ベッドで跳ねて遊びたいだなんて、あずにゃんはまだまだお子ちゃまだねぇ〜」
……よりによって、貴女がそれを言いますか。
いんざべっど!
唯「楽しかったね、あずにゃん」
梓「はいです」
唯「……お風呂、とっても気持ちよかったね」
梓「……はい、です」
唯「一泊二日……なんだよね」
梓「はい。屋内プールで遊ぶなら、夜更かししないで早寝するのがベストですよ?」
唯「んう〜……」
何かされそうだけど、私はもぞもぞと唯先輩に向かって這いずってく。
ふたりで寝てもとっても広いベッドだけど、やっぱ、相手がいてこそだよね。
梓「んにゅ〜……唯せんぱぁい」
唯「んん……あーずにゃん♪」
ぎゅうっ、って。
ぴっとりくっつくと、期待通りに唯先輩が抱き締めてくれる。
いつもとは違う匂いと、慣れないバスローブの感触。
でも、唯先輩のあったかさは同じ。
唯「……あずにゃん、どおする?」
梓「プールで遊ぶんなら、このまま寝ちゃいましょう」
唯「折角のホテルなんだし、こう、えっちぃことしてあずにゃんと非日常な夜を過ごすのもいいかなと」
梓「そ……れは、私もいいかなと思いますが、時季外れのプールも捨てがたいな、と」
唯「……私、水着新しいのじゃないよ?」
梓「私は新しいの用意しました」
唯「じゃあ寝る! 今すぐ寝るよ!」
梓「……どういう基準なんですか」
唯「えへへ。ちゃんとわきまえるから、抱き着いたり抱っこしたりさせてね?」
梓「えっちくなければ、別にいいですけど」
唯「んじゃあ、そうゆうことで……おやすみ、あずにゃん。好きだよ」
……はい。
言わなくても、いえ、言ってくれると嬉しいですけど、私も大好きですよ。
梓「はい。おやすみなさいです」
バスローブ越しでもふよふよの胸に、顔を埋める。
唯先輩は、半分寝ぼけながらも、しっかり私を抱き締めてくれた。
嬉しい。
気持ちいい。
あったかい。
……幸せ。
梓「……大好きです、唯先輩」
唯「んう……」
まだ起きてるのか、もう寝ちゃったのか、わかんないけど。
きゅ、って少しだけ、私を抱く腕の力が強くなった気がした。
めざめのあさ!
何かむにっとしてあったかい。
気持ちいいからすりすりしちゃえ。えいっ。
梓「にゅむにゅぅ〜……」
唯「んんぅ……♪ もお、あずにゃんってば寝ぼけちゃって……」
……ああ、そっか。
この柔らかいのは、唯先輩のおっぱいなんだ。
梓「ふにゅ〜」
すべすべしてて、こうしているだけでとっても幸せな気分です。
こう、指を動かすと素肌の程よい弾力も楽しめ、て……?
……素肌?
梓「ふえっ!?」
唯「あ。おはよー、あずにゃん。よく眠れた……みたい、だね」
梓「はわわっ!? あの、私、ええっ!? どおして、こんなことに……」
ちょっぴり顔を赤くした唯先輩が、目覚めの私に微笑みかけてくれている。
けど、寝る前は確かに合わせてあったバスローブが、今ははだけて胸元全てがあらわになってしまっていた。
勿論、それだけじゃなく。
跳ね起きる前は、私は唯先輩の生乳に頬をすり寄せていた気がするし、何より、まだ両手が唯先輩のおっぱいを掴んでいた。
唯「んー、何かね、あずにゃんが寝ぼけたまんま私のおっぱいを触ろうとしてね」
梓「は、はい……」
唯「バスローブが邪魔だったみたいで、眠ってるとは思えない鮮やかな手付きで脱がされちゃって、びっくりしてたらお顔でもすりすりしてきて」
梓「……す、すみませんでした……はぅぅ」
私ってば、何ていう真似をしちゃったんだろう。
寝ぼけてた、なんて言い訳にならない。
少なくとも唯先輩の睡眠を妨げたことには違いないし、了解も得ず勝手に胸を触って……しかもその行為をほとんど覚えてないなんて悔しすぎる。
唯「えへへ……謝らなくてもいいよ? 私も、あずにゃんの可愛い寝顔を眺めて楽しませてもらったもん」
梓「ん、んく……ど、どうもです……素敵な胸枕、ご馳走様でした」
唯「うふふ、変なお礼。こんな胸でよければ、いつでも貸してあげるのに」
梓「は、はぁ……そ、それじゃ、またいずれ、一緒に寝る時にでもお願い出来れば……」
唯「うんっ。今度からは、脱がされやすそうなパジャマを用意しとくね!」
寝ている間にこんな真似しちゃうなんて、もしかしてものすごく欲求不満だったりするのかな、私。
ううん、昨夜は唯先輩の気が済むまで悶えさせられたし、私だって、他人には絶対に見せないような唯先輩のやらしー表情を堪能させてもらったし。
だから、欲求不満ってことだけはないとおもうんだけど……ううっ、唯先輩の顔、まともに見られないよぉ。
梓「…………」
ちらっと視線を上げて、顔色を窺ってみる。
何か、ちょっと困ったような表情を浮かべてる。
唯「ねえ、あずにゃん」
梓「はいっ、何でしょうかっ」
唯「……おっぱい、もういいかな? お腹減ってきたし、朝ご飯食べたいんだけど」
梓「…………」
むにゅむにゅむにー。
梓「んひゃあ!? すすすっ、すみませんすみません!」
唯先輩の胸元から慌てて手を放して、バスローブの前を合わせて膨らみを隠した。
本当、何やってるんだろ、私ってば。
梓「はうー……」
頬が熱い。
恥ずかしいし、唯先輩に変な子だって思われちゃったかもしれないし。
両手で顔を覆うように隠して、強烈な恥ずかしさが落ち着くまで、少しだけじっとしていようと思ったんだけど。
唯「うわあ、あずにゃんってばえっちぃなぁ。私のおっぱい触ってた手、そのまま顔に当てて感触に浸るなんて」
梓「んにゃっ……!?」
確かに、状況だけ見ればおっしゃる通りなんですが、何でもそういう方面に結びつけるのはよくないと思います。
梓「浸ってませーんっ!」
唯「えへへ、そっか」
駄目だめ、こんな間近にいたら、またおかしな気分になっちゃう。
早く着替えて朝食を済ませて、そんでもって、お楽しみのプールに行かないと!
ぷうる!
唯「朝ご飯もすっごく美味しかったねー、あずにゃん♪」
梓「はいです。さ、しっかり食べたことですし、プールで遊び倒しましょう!」
唯「うん! 季節外れのプールって変な感じだけど、たっくさん遊ぼーね!」
水着を持って、更衣室に向かって。
唯先輩には先に着替えてもらって、その後で、私は新しく買った水着を装着する。
梓「……うん、大丈夫だよね……よしっ」
鏡でチェックも済ませて、いざ唯先輩の下へ!
唯「ふおおおおおおう!?」
顔を合わせるなり、唯先輩がへんてこな叫び声を上げた。
ざっと見回した限りでは、他のお客さんはいないみたいで、よかった。
唯「天使……!」
梓「……はい?」
唯「おおう、感謝します神様! 今ここに、あずにゃんという名の天使がご降臨あそばされました……!」
いえ、そんなの大袈裟ですってば、唯先輩。
膝がくがく震わせながら拝まないでくださいよ。
梓「その……言いすぎだと思いますけど、嬉しい、です」
唯「言いすぎなんかじゃないよ! とぉっても可愛いよ、あずにゃん! また惚れ直したよ!」
あう、そんな、惚れ直しただなんてぇ……もー、照れちゃうじゃないですか。
唯「これで羽根と輪っかがあったら、もう完璧に天使だよ! 持ち前の可愛らしさが有頂天だよ!?」
天使とまで言ってもらったのに、私は月並みな誉め言葉しか言えませんけど、本心ですからね。
ううっ、面と向かってこういうこと言うのはとっても恥ずかしいですね、唯先輩!
梓「う、うく……唯先輩も、水着姿、とっても素敵ですよ……?」
ざっぱーん!
唯「あっずにゃーん! 気持ちいいよ、生あったかいけど寒くなくて、ぬるい温泉みたいだよ!」
梓「…………」
あれ? 何で速攻でプールに突入しちゃってるんですか?
もしかして私をからかって遊んでましたか?
もう少しもじもじする私の反応を楽しんだり、一緒に準備運動して密着、どきどきしますねどうしましょう的なことを考えたりはしないんですか。
……はあ。
仕方ないか、プールが目の前にあるんだし……私も楽しむことにしようっと。
梓「あ。ぬるめでもプールだから塩素がたっぷり入ってるハズですよ。他にお客さんいないからって、変なことしないでくださいね?」
唯「えー」
梓「……注意しなかったら、するつもりだったんですか。変なこと」
唯「ううん、決してそんなことはないよ。うん」
まあいいですけど。
私も軽く準備運動して……っと。
梓「えいっ」
ざぷーん。
あー、気持ちいい。
お湯でも水でもない中途半端な温度だけど、唯先輩が言った通り、季節外れのプールなんてとっても贅沢な気分。
しかも、時間帯のせいかもしんないけど、私達ふたりの貸し切り状態だし。
唯「あずにゃん、あずにゃん。こっちにおいで」
梓「はい?」
ばしゃばしゃ。
唯「……水の中なら!」
梓「にゃあ!?」
いきなり、抱き上げられた。
私の背中と脚の裏に腕を回して、私自身も驚くくらいに、ひょいって。
唯「ほら! お姫様抱っこだよ!」
梓「ふあ……!」
唯「えへへ。あずにゃんが重いわけじゃないんだけど、私、あんまり力ないから」
唯「でも、水の中ならこのとーり! お姫様抱っこも軽々だよ!」
梓「…………」
唯「……あり? あずにゃん?」
こんな不意打ち……ズルいですよ。
梓「ん……唯せんぱぁい……♪」
身を縮こめて、甘えるように肌を合わせながら、唇を上向ける。
私、昨夜言いましたよね、お姫様抱っこは憧れだって。
だから、もう、どっきどきで……こんな場所なのに、我慢、出来ないんです。
唯「変なこと……しちゃ駄目って言ったの、あずにゃんだよ?」
梓「だ、だってぇ、唯先輩がお姫様抱っこなんかするからぁ……私、その、昨夜のこと思い出しちゃって……」
唯「昨夜のことって……なぁに?」
梓「わっ、私、好きな人にお姫様抱っこしてもらうのが夢で、ちょっぴりでしたけど、唯先輩が叶えてくれて……でも、また、こんな……うう、はうぅ……」
顔が真っ赤になってるどころか、私の頭のてっぺんからは湯気が出ているかもしれない。
どきどきどき、どきどき。
唯「んー……んっ、こほん、んん……あー、あー、あ゛」
梓「……唯先輩?」
いきなり咳払いをして、妙な発声練習なんかして、どうしちゃったんですか。
と思ってたら、唯先輩は私の耳元へ唇を寄せて、低い声でささやいた。
唯『可愛いね、梓』
梓「……にゃああ!?」
唯『梓が喜んでくれるなら、お姫様抱っこくらい、いくらでもしてあげる』
梓「んんぅ……にゃぅぅぅぅっ……!」
私を『あずにゃん』って呼ぶのは唯先輩だけだから、普段は『梓』って呼ばれる方が多いんだけど。
唯先輩に、いつものほえほえした声色とは雰囲気を変えて『梓』って呼ばれると……ものすごく新鮮で、んでもって、とっても変な感じ。
梓「ゆぃ、せんぱぃ……私、おかしな気分になっちゃいますよぉ……だから、今は、それくらいで勘弁してください……」
唯「ん、けへけへっ、ふう……そっか。あずにゃんは、今みたいにすると、触ったりいじったりしなくても、腰砕けになっちゃうんだ?」
梓「んっ、ん……唯先輩、焦らさないでっ……んっ、んぅー……」
プールのぬるま湯を追い出すように、唯先輩の首筋に抱き着いて肌を密着させる。
胸元のまろやかクッションの感触も気持ちいいし、水の中でも、私を落とさないようにってしっかり支えてくれている唯先輩の腕の緊張感も嬉しい。
それより何より、気分が昂ぶっちゃって、キスだけでもしてもらえないと、変になっちゃいそう。
唯「んふふ……あずにゃんの、えっち……んっ、ちゅうう、ちゅく……あぷ、あむ、ちゅくるっ」
梓「んんっ、くぷ、ちゅううう、くぷ、んむっ……はぁう、はむっ、んく、んっ……はあ……♪」
唯「ほっぺ真っ赤にして、ぷるぷる震えて、可愛いね。でも、泳げそうには見えないから……このまま時間まで抱っこしてていいかな?」
梓「は、い……もお、放した途端に溺れちゃいますから、しっかり抱っこしててくださぁい……そ、それと、もっと、その……キスを……」
唯「うんうん、おねだりされるの嬉しいし、あずにゃんも喜ぶし、いくらでも聞いてあげるよ。でも、ほんとに変な気分にならない程度にね?」
梓「んにゃ……い、意地悪なこと、ゆわないでくださいよぅ……」
唯先輩の首筋、鎖骨……胸元。
昨夜のあわあわ程じゃないけど、水で滑って、ほっぺをすりつけると気持ちいい。
特に、胸。
ぎゅううって身体を精一杯丸めて、顔を埋めて、ふよんふよんの感触を楽しむ。
唯「ん、あ、あはっ……あずにゃんは本当におっぱいが好きだねぇ。どーする? 一旦上がって、あの日焼け椅子で一緒に横になる?」
梓「いえ、それだと、色々とマズいことになりそうなので……それよりっ、早くキス、キスしてくださいっ」
唯「……そっか、そうだね。じゃあ、お姫様抱っこしたままで、何回もキスしてあげる……んっ、ちゅ、ちゅうっ」
梓「んむっ、はう……は、はぷ、んくっ……んっ、んっ、くぷ……ちゅぱ……はぅ♪」
結局、時間がくるまで私達はろくに泳ぎもせず。
ビーチボールとか、浮き輪とか、遊び道具もホテルのがプールサイドに一杯置いてあったのに。
唯先輩に抱っこしてもらって、抱き着いて……沢山、キスをして。
ただそれだけなのに、あんまり遊べなかったのに、とっても……心の底から、満足出来た。
ちぇっくあうと!
荷物をまとめてバッグに詰めて、忘れ物がないかチェック、チェック。
といっても、長逗留したわけじゃないから、自分のものは何がどこにあるか、きっちり把握してたけど。
梓「あ……そうだ、唯先輩。ちょっとケチ臭いかもしれませんが、一応」
唯「うん? なぁに?」
梓「テーブルにチョコとかクッキーとかのお菓子、用意してありましたよね。あれ全部タダですから、お土産に持って帰っても大丈夫ですよ?」
唯「本当っ!? あんな高そうなお菓子、いくらするかわかんないから食べるの我慢してたのに!」
梓「旅館にあるお茶のセットみたいなもんです……って、早っ。もう取りに行ってるし」
間違って備品まで持ち帰らないように、と、一応見守りにいく私。
そこには、目をきらきら輝かせてお菓子を漁る唯先輩がいた。
唯「あ、これムギちゃんが持ってきたことある! こっちも見覚えがあるよ!? これは知らないけど美味しそう! うわー、うわー!」
梓「どんだけ我慢してたんですか……」
唯「半分こね、はい! こっちはあずにゃんの分!」
梓「いえ、私は別にいりませんけど……こんなに甘いモノ食べると太っちゃいますし」
部活の時のティータイムだけでリミット一杯なんですよ、私は。
だから、だから……うくっ。
唯「じゃあ、半分の半分だけでいいから、持って帰って?」
そ、そのくらいなら……いい、かな?
梓「は、はい。そこまで言われたら、お断りするのは失礼というものですしね」
唯「……えへへ。帰ったら、私とここでしたえっちぃこと思い出しながら食べてね? 私もあずにゃんを想って、悶々としながら食べるから」
梓「そっ、そーゆーことなら、やっぱり半分お持ち帰りします。四分の一じゃ足りそうにないですっ」
唯「えへー……そんじゃ、はい」
袋詰めにしたお菓子セットを受け取って、バッグの隙間に放り込む。
もう変に意識しながらでないと食べられないじゃないですか、単なるお菓子なのに。
悶々とするだけならいいですけど、堪らなくなって、真夜中にひとりで変な行為に及んじゃったりしても知りませんからね?
……主に、私が。
梓「じゃあ、忘れ物はないですか?」
唯「うん。何でもかんでも用意してあったから、着替え以外はバッグから出さなかったし……あ、でも、ひとつだけ」
梓「はい?」
唯「あずにゃん。素敵な思い出を、ありがとう」
ちうっ。
梓「んっ……ちゅ……ふ、ふにゃぁ……」
急に真顔になって迫ってきて、びっくりして動けない私の唇を奪う唯先輩。
ほんの軽く触れただけだったけど、私は硬直したまま何のお返しも出来なくて。
唯「さっ、行こっか。時間過ぎると追加料金取られちゃうんだよね?」
梓「は、い……」
さすがに唯先輩も照れてるみたい。
けど、私の方がもっと照れちゃってて、けど嬉しくって、どきどきしてて。
梓「あの……手、繋いでくれませんか、唯先輩……」
唯「……うん。いいよ、あずにゃん」
ぎゅっ、て。
唯先輩は優しく私の手を握って、ゆっくりと歩き出す。
……はあ。
やっぱり私には、こんな風に、唯先輩の後に続いてくのがお似合いな気がしますよ?
ふろんと!
梓「……結局、全部タダ券の分で済んじゃいました」
唯「ふう。ルームサービス、頼まなくてよかったね〜」
梓「いえ、ちょっとした軽食とか、ジュースの一本や二本なら頼んでもよかったみたいです」
唯「えええ!? 勿体ない、今からお願い出来ないかな!?」
それは無理というものです、唯先輩。
しっかり説明書きを読んでなかった私も悪いんですけど。
梓「ええとですね、うちの両親、たまにこういうタダ券もらってくるみたいで、その時はまた奪い……いえ、もらってきますから」
梓「きっとまた一緒に来ましょうね、唯先輩!」
唯「……『きっと』?」
梓「あ、ホテルじゃない方がいいですか? 確か、こないだどっかの温泉旅館のペアチケットがどうとか言ってた気が……でも電車代がかかりそうだったのでスルーしました」
唯「私はそういうことを言いたいんじゃないよ、あずにゃん」
梓「はい?」
何だろ、また真面目な顔付きになって、キスをされそうな雰囲気じゃないけど。
後はホテルを出て、お互いの家に帰るだけなのに。
唯「行き先はどこだっていいの。大事なのは、好きな人と……あずにゃんと一緒、っていうことだから」
梓「はうっ……!?」
唯「だから、『きっと』じゃなくって、『必ず』だよ。いい、あずにゃん?」
梓「……はい。それじゃ、その……また、必ず一緒に、どこかにお出かけしましょう!」
唯「うん!」
周りから見れば、さぞかし変な女子高生ふたり組だったろう。
でも、私達は至って本気。
お互いに手を繋ぎ合って、ぽかぽかあったかい『約束』を胸に抱えて、帰路に着く。
本当は帰らないで、ずっと唯先輩と一緒にいたいけど。
でも、また一緒にお出かけする為には、離れないといけないから。
唯「えへへー」
梓「楽しそうですね、唯先輩」
唯「うん、最初はお祭りの後みたいに寂しくなると思ってたんだけどね」
梓「私もです」
唯「次があるって思うと、今は何だか、そっちの方が楽しみになってきて仕方がないよー」
梓「はいです。とりあえず、またタダ券ねだってみますけど……」
唯「ううん。あずにゃんのおうちにお泊まりとか、普通のデートとか……こういうホテルじゃなくってもいいんだ、って気付いたんだよ」
梓「……はい?」
唯先輩は、握っていた手を組み替えて、指先同士を絡めてくる。
くすぐったくて、どきどきして、思わず唯先輩の顔を見上げると。
唯「私にとっては、あずにゃんと一緒にいられれば、どこでも『特別な場所』なんだ、って……ね?」
梓「んにゃ……」
唯「だから、また、特別な思い出を作らせてね、あずにゃん♪」
梓「は……い……」
どうにかこうにか、か細い声でそれだけを絞り出した。
そりゃあそうです、私だって唯先輩が一緒でなかったら、どんな場所へ行ってもきっと楽しくないですよ。
逆を言えば、唯先輩さえいてくれたら、どこだってとっても楽しいに決まってます。
でも……でも、そんなこと、真顔で言われたら、恥ずかしすぎるじゃないですか。
唯「……あれぇ? ほっぺ真っ赤だよぉ? もしかして……また、キスして欲しくなっちゃった?」
梓「ちっ、違いますよぉ! んもう、唯先輩ってば!」
からかうような口調に、私はがあっと怒った素振りで返す。
でも、手指はしっかりと絡め合わせたままで、離さずに。
私達はゆっくりのんびり、家路を辿るのでした。
〜おしまい!〜
べつのひ!
唯「あ、あずにゃんが先に来てる〜」
梓「どもです、先輩方」
カバンを放り投げて、ぱたぱたと嬉しそうに駆け寄ってくる唯先輩。
そして、いつも通りといえばいつも通り、だけど密かに力加減を強めて私を抱き締めてくれる。
唯「わーい、あーずにゃんっ♪」
梓「はあ……またですか、唯先輩」
唯「んにゅ〜……あずにゃん分補給開始だよ! きゅーんきゅーんきゅーんきゅーん……」
律「補給っつーより何か物騒なモノ充填してないか、その効果音」
唯「物騒じゃないよ、あずにゃん分だよ! この有り余る可愛さで癒してもらう感じだよ!」
紬「はいはい。今日のおやつはチョコタルトよ〜」
……まぁ、唯先輩とべたべたしても不審がられないのは気楽でいいですが。
何ていうか、ちょっとこの異常な光景に慣れすぎてませんか、皆さん?
澪「今日も練習出来そうにないな……はあ」
梓「いえ、練習しましょうよ。ね、唯先輩?」
唯「へ?」
梓「昨日も一昨日も、結局お茶と雑談で終わっちゃったじゃないですか」
唯「あー……うん、そうだったかも……」
梓「律先輩もですよ? 部長として、しっかり部員を発憤させてくれないと困ります」
律「お……おー」
紬「あらあらあら」
自分は蚊帳の外とばかりに、ムギ先輩がみんなの紅茶を用意してくれる。
ええ、確かにムギ先輩は練習する日もしない日も、さり気なくお茶を入れるばかりでどっちつかずですよね。
梓「……ムギ先輩も、今日は練習しません?」
紬「はっ……まぁ、何ということでしょう〜♪」
梓「ムギ先輩?」
紬「私、後輩から不真面目だって注意されるのが夢だったの〜♪」
梓「……はあ。そうですか」
相変わらず、この人だけは正体が掴めない。
浮世離れしているっていうか、私達みたいな一般庶民にとっては当然のことが『夢』だとか、うん、まぁ、人それぞれだけども。
澪「よ、よおーし。ティータイムが終わったら今日こそ練習だ! いいな、律!」
律「はい、澪しゃん」
梓「私も賛成でーす」
紬「後輩に注意されて、嫌々ながら従うのも夢だったのよ〜♪」
……嫌々されるのは、それはそれで困るんですが。
唯「きゅーんきゅーん……」
梓「……唯先輩は?」
唯「んうっ!? な、何が!?」
梓「今日は真面目に練習するかどうか、っていう多数決なんですけど」
真上を見上げて、じとー、ってちょっと冷たい目で唯先輩を見つめる。
ああ、目が泳いでる泳いでる、でっかい迷ってますね?
唯「え、えっとね、私、もう少しあずにゃん分を補給して、それからでないとギー太の実力を発揮出来そうにないよ!」
梓「ふーん……」
唯「あっ、あのね、今日は真面目に授業でノート取ってたから、いつもより疲れてて、だからあずにゃん分が不足してて……」
澪「ああ、そういえば唯にしては珍しく起きてたな。ノートの内容まではわからないけど」
律「なっ!? 私も起きてたぞー!?」
澪「いや、お前は半分舟こいでたろ」
紬「あらあら、うふふ……はい、どうぞ。ちなみに多数決でもう練習することに決まってるから」
唯「んにゅう……」
梓「……というわけです。さあ、折角の紅茶を美味しくいただくか、冷めてからもそもそタルトを食べるか、ふたつにひとつです!」
唯「……わかったよ。今すぐ食べるよ……」
ぱ、と肩口にかかっていた重みが消える。
唯先輩は不承不承ながら自分の指定席に着いて、先輩方と同じくチョコタルトにフォークを入れ始めた。
紬「ふふっ……いいのかしらね、そんな冷たい態度取って」
梓「はむ?」
ムギ先輩の顔を見つめる、けど、普段通りに柔らかく微笑んでいるだけ。
何を考えているかなんて、少しも読み取れない。
……冷たい態度、ですか?
れんしう!
律「よぉーし! んじゃ、いっちょ真面目にやってやんよ!」
澪「『いっちょ』じゃなくて、いつも真面目にやろうな……」
梓「頑張りましょうね、唯先輩!」
唯「うん……」
紬「……うふふ」
……………………。
…………。
……。
ぢゃらーん。
唯「…………」
澪「なあ、唯……調子悪かったのか?」
律「途中で止めてもよかったんだぞー」
ジャンジャン、バババドーン!
澪「ちょっ……今はお前が止めろ、律!」
律「あい……」
唯「うん、何か、ごめんね……今日は先に帰るよ。みんなやる気になってたのに……ほんと、ごめん」
梓「唯先輩? 帰るって、そんな……もうちょっと合わせれば、調子出てきますよきっと!」
唯「ううん、帰る。ごめんね、あずにゃん。折角あずにゃん分を補給させてもらったけど……明日、明日はちゃんと頑張るから」
ギー太をケースに仕舞って、カバンを拾ったかと思うと、唯先輩は小走りに部室を出て行っちゃった。
私はいつも通り……練習しましょうって言って、珍しく先輩方がノってくれて、軽く演奏しただけなのに。
どうして、こんなに寂しい気持ちになっちゃってるんだろう。
紬「あら。そういえば私、今日はどうしても外せない用事があったのを忘れてたわ」
律「おいおい、それじゃ今日は練習したくても出来ないじゃないかー」
澪「棒読みな上にどことなく嬉しそうだぞ」
律「うっ」
いえ、そんなことはどうでもいいんです。
練習が中止になったんなら、私は、その……。
紬「梓ちゃん、ちょっとこっちに来てくれる?」
梓「はい?」
いつもの席に戻る澪先輩達をよそに、ムギ先輩が、鍵盤を拭きながら私を手招きする。
私もソフトケースを拾い上げつつ、一体何なんだろうと耳を寄せてみると。
紬「あのね。唯ちゃん、あの日だったんだけど……気が付かなかったかしら?」
梓「へ? えっ!? ちょっ……むしろ! どうして気付くんですか!?」
紬「女の子の日なんだもの、どう頑張っても調子悪いわよね〜。なのに、大好きな梓ちゃんに責められて、ハートブレイクよね〜?」
梓「ん……う、うう……」
ムギ先輩は、こういうことに関しては嘘をつかない……と、思う。
だからこそ唯先輩があの日だった、っていう話を信じられるし、実際に調子はとても悪かったみたいだし。
なのに、私ってば全然わかんなくって、むしろお付き合いしてる仲なんだから、そういう周期ぐらい把握してなきゃいけなかったのに。
紬「早く追いかけてあげて? 私、後輩の恋を応援するのが夢だったの」
梓「そ、それが本当か嘘かはともかく、ありがとうございますっ」
紬「いえいえ〜♪」
梓「私もお先です、先輩方っ! それではまた明日です!」
荷物を背負って走り出す。
唯先輩が出て行ってから、まだそんなに時間は経ってない。
スカートがはためくのも気にしないで階段を段飛ばしで飛び降りて、廊下を走って昇降口へ。
もつれる指先にもどかしさを感じながら上靴を履き替えて、唯先輩の帰り道を追いかける。
梓「はぁ、はっ、はぁっ……」
唯先輩。
すみませんでした、知らなかったとはいえ責めるようなこと言って。
許してもらえなくても仕方ないですけど、せめて、謝らせてください。
唯「……はあ」
……いた。
唯先輩が、重々しい溜め息をつきながら、とぼとぼと歩いていた。
梓「あ……は、はぁ……唯先輩っ!」
唯「……あ、あずにゃん? どおして?」
梓「はっ、はあ、はあぁ、はふ……その……ムギ先輩から、話を聞いてっ」
唯「ムギちゃん? んーと……話って、どんなこと?」
どうしよう。
いくら女の子同士でも、直接的には言いづらい。
でも、唯先輩は直接的に言わないとわかってくれないくらい、お鈍さんだから……!
梓「唯先輩が、その、えっと、えと……せ、せ、生理だって……だから、調子悪かったんですよね? なのに、私ったら全然気付かなくてっ」
唯「……えっ?」
梓「……え?」
唯「私、来週の予定だよ?」
梓「…………」
……騙された!
あの金毛白面九尾の女狐!
私にこんな恥をかかせる為に、意味深なこと言って、嘘まで吹き込んで!
梓「ちょっと今すぐ学校に戻ってムギ先輩を締めてきます。この獣のむったんで、物理的に差し違えてでも」
唯「駄目だよ、あずにゃん。腕力じゃムギちゃんには敵わないよ」
梓「それでも戦わなければならない時が女にはあるんですよ! よりによって、唯先輩の生理周期のことで私を騙すなんて!」
唯「えっ、えーと、ね? そのぉ……往来で、そーゆーこと大声で言われる方が、恥ずかしいかも……」
梓「……すみませんでした」
……ああ。
これは、嫌われちゃったかなあ、さすがに。
唯「で、でもでも、あずにゃんが心配して追っかけてきてくれたのは嬉しいよ? そんでもって、暴力反対だよっ」
梓「唯先輩がそう言うなら……今回は堪えることにします」
唯「ん……よかった」
胸元に手を当てて、ほっと安堵の溜め息。
……いやいやいや、どうして私は唯先輩の胸の形とか、溜め息ついた時に動いたボディラインで興奮気味になったりしてるのかな!?
梓「ま、まぁ、それはそれとして置いときましょうか……それで、唯先輩? 今日、本当に調子悪かったんじゃないです?」
唯「うん……今日は、憂が和ちゃんに生徒会のお手伝いを頼まれてて……帰っても誰もご飯を作ってくれないんだよ」
梓「…………」
唯「カップ麺で済ませよっかなあ、とか、ファミレスに行ってもひとりじゃ寂しいなあ、とか……考えてるうちにどんどん寂しくなってきて……うう、ぐすっ」
そんな理由だったんですか。
あ、いえ、唯先輩にとっては重大な問題だったんでしょうけど。
っていうか……やっぱり、『そんな理由』ですよ。
梓「……私に相談してくれたらよかったのに」
唯「え?」
梓「ご飯くらい作ってあげますよ! ファミレスでひとり飯が寂しくたって、私がいれば平気でしょう! さあ、何でも言ってください!」
唯「ん……ほ、本当に、ご飯作るの、お願いしてもいいの?」
梓「勿論です! 憂と比べられたら、腕には全く自信ないですけど!」
唯「比べないよ。あずにゃんと憂は、別の人間なんだもん」
梓「……じゃ、じゃあ、ご希望の献立をお伺いしましょうか」
あの日だ、っていうのは嘘だったけど。
唯先輩の様子がおかしかったのは本当で、気付いたのはムギ先輩だけで。
悔しいけど、でも、今から挽回させてください、唯先輩。
唯「……グラタン、は……いいかな?」
梓「唯先輩のうち……オーブン、ありましたよね」
唯「うん」
梓「なら、任せてくださいです! 材料買いに行きましょう、唯先輩でも食べきれないくらい作っちゃいますからね!」
唯「うんっ」
独り暮らしスキルが、こんなところで活きるとは思ってなかった。
でも、唯先輩の表情は、さっきまでと違ってとっても嬉しそうで、明るい。
唯「ねえ、あずにゃん」
梓「はい?」
唯「お買い物して、帰ってからでいいんだけど、お願いがあるの」
梓「いいですよ、この際ですから何でも聞いちゃいます!」
ええ。
あずにゃんこと中野梓、今はとってもやる気に満ち溢れてますからね!
唯先輩の為なら、例え火の中水の中!
唯「あずにゃん分を補給させて欲しいなあ、って……うん、あずにゃんが来てくれて、寂しくなくなったんだけどね、その、やっぱり……さっきの分じゃ、足りないんだよ」
梓「……お料理するのに響かない程度にお願いします」
ええ、ふたりっきりになったら抱っこされるくらい想定してましたとも、私は唯先輩の恋人なんですから。
だけど、あんまり夢中になっちゃったら、お料理出来なくてふたりしてお腹が空いて、唯先輩がひもじい思いをするじゃないですか。
だから数分……長くても10分くらい、で、お願いしますね。
唯「んへー……ありがと、あずにゃん。私の心も身体も満たしてくれるのは、やっぱりあずにゃんだけだよぉ〜」
梓「んにゃっ……そっ、そーゆー恥ずかしいことは、それこそ往来で言うべきじゃないと思います!」
もお。
唯「ああん、そんな、あずにゃ〜ん!」
丸っきり誤解ってわけじゃないですけど、他人に聞かれたらどおするんですか、全くもー、唯先輩ってば。
〜おしまい!〜
またべつのひ!
紬「梓ちゃん。正直に答えて欲しい質問があるの」
梓「は……はひ、何でせう?」
紬「梓ちゃん、唯ちゃんとお付き合いしてるわよね? 恋人的な意味で」
……はあ。
この人は、何でまた百合ん百合んしたことに首を突っ込みたがるんだろう。
梓「唯先輩に聞いてください。私、こないだムギ先輩に騙されたの、まだ根に持ってるんですから」
紬「あら、唯ちゃんの生理の話かしら?」
梓「まさにそおです」
何を考えてますか、この金毛白面九尾の女狐め。
紬「あの時は風邪気味で、ちょっと鼻と勘が鈍ってたかもしれないわ〜。でも今は平気よ? 例えば……梓ちゃんは、今日か明日が始まりね」
梓「なっ!?」
いえ、勘とかそういう話じゃないんですけど、それ。
鼻? うん、鼻のいい人は嗅ぎ分けられるって聞いたことがないこともないような気がするけど、まさかムギ先輩が?
紬「前後二日くらいは、誤差の範囲ということで〜♪」
梓「……ええ。調べられたらすぐにバレますから、白状します。まさに今日です」
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:16:22.40 ID:K9H0TD2l0
…で
食糞はどこなの
ずっと待ってたんだけど
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:17:04.42 ID:7Tdxic0t0
一気に投下されると結構頑張って書いてたのがわかるな
最後まで投下がんばれ
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:17:40.71 ID:syS4EgB80
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紬「あらあら♪」
梓「で、そういう恥ずかしい秘密を暴露したところで、相談があるんですけども」
紬「あら〜? 私、後輩に恋愛相談されるのが夢だったの〜♪」
梓「……まぁ、はい。悔しいことにその通りなんですが」
この人はどこまで自分を隠しているんだろう。
その、せ、生理の匂いとか、並の嗅覚じゃわからないハズなのに……かといって、ストーカーの真似をして周期を把握した風でもないし。
梓「ご想像通りだと思うんですけど、唯先輩に関してです」
紬「ふむふむ」
梓「実は、なかなかふたりきりになれる機会がないんです。唯先輩の家には憂がいますし、いつも私の家に呼ぶのもマンネリですし」
紬「それは深刻な問題ね」
梓「面白がってませんか?」
紬「ううん。私としては、唯ちゃん達にはもっと深い仲になって欲しいもの」
梓「……面白がってませんか?」
紬「う、ううん。決して面白がってなんかいないわ。純粋に貴女達に幸せになってもらいたくて」
何でちょっと言い淀んだんですかね、ムギ先輩?
その一点だけで、何やら背後に怪しげな雰囲気が広がって見えるんですけど?
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:18:24.69 ID:syS4EgB80
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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:19:04.98 ID:syS4EgB80
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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:19:45.30 ID:syS4EgB80
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紬「そうだわ! うちのグループで、今度新しくオープンするホテルがあるの! 招待させてもらえないかしら?」
梓「……こないだ、泊まりがけデートに行きました。タダチケで、某有名ホテルのスゥイート。立て続けだと、私はよくても唯先輩が飽きるんじゃないかと」
紬「ほうほう、それはそれは……んむ、そこまで進展してるにゃんて……」
梓「ムギ先輩、ハナチ出てますよ」
私が指摘すると、ムギ先輩は慌ててティッシュを取り出して拭い、鼻つっぺ。
仮にも、っていうか真性のお嬢様がする行為じゃないと思うんだけどなあ。
紬「んむぎゅ……んはぁ。それじゃ、温泉旅行はどうかしら? 勿論、覗き対策も万全で、男女別の旅館を格安で紹介させてもらうわ」
梓「温泉、かぁ……よさそうですね。おいくらで都合してもらえます?」
紬「……怒らないで聞いてくれる?」
梓「内容によりますが、まぁ、とりあえず聞かせてください」
紬「こちらで渡すデジカメで、旅行の記念撮影をしてきて欲しいの。ただし、同じお布団で並んでポーズ取ってるところだけは確実にね?」
梓「そっ! そんな、の、撮れるわけ……」
紬「流出の心配はしなくていいわ。私のお願いを聞いてくれたら、その次の旅行も移動費込みの格安ツアー料金で……内容によっては、更に半額以下の料金にもしてあげる」
内容、って……どういう写真を期待してるんだろ、ムギ先輩。
それに、勝手にこんな約束しちゃったら……唯先輩を騙すみたいで、後ろめたすぎます。
梓「ええと……唯先輩にも相談してから、でいいでしょうか?」
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:20:25.65 ID:syS4EgB80
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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:21:08.06 ID:syS4EgB80
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紬「私は構わないわ。琴吹グループの旅行部門で、今度新しくカップル向けの商品を売り出す予定だから、何組かリサーチを頼んでいるところなの」
はあ。
商売繁盛、笹持ってこーいってやつですか。
この不況の世の中、景気のいいお話ですね。
梓「じゃ、未定ですけど予約ということでお願いします」
紬「はいはい♪ 埋まっちゃっても、無理矢理ねじ込んであげるから♪」
ムギ先輩が言うと、別の意味に聞こえて怖いですよ?
でも、まぁ、私と唯先輩との仲を応援してくれてる……のかな?
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:22:14.91 ID:syS4EgB80
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172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:22:55.21 ID:syS4EgB80
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そのご!
梓「……かくかくしかじか、というわけなんですが、どうですかね?」
唯「まるまるうまうま……いいんじゃないかな。私達はお安く旅行出来るし、ムギちゃんはモニターの意見が欲しいっていうことだよね?」
梓「いえ、欲しがってるのはデジカメの……お布団で、並んで写した写真なんじゃないかと思いますけど」
唯「んー……やっぱ、いいんじゃないかな? うん、その、えっちぃことする前なら何ともないし……しちゃっても、朝に写せば大丈夫だよ!」
朝が大丈夫かどうかはまた別の話なんですけど、ええ、エッチする前に撮影すれば平気ですかね。
ムギ先輩的には、事後だとハナチ噴いて喜んじゃうかもしれませんが、そうなると複雑な気分ですが。
唯「ねぇ、あずにゃん。こないだのホテルみたく、タダっていうのはお得っぽいけど……ムギちゃんは、お金を払う旅行を楽しませたいんだと思うよ!」
梓「はい?」
唯「だって、本当なら何倍もお金かかるんだよ? なのに、今回はお安く済ませてくれるってゆうんだから……」
梓「ええ、確かにそうですけど。調べてみたら、いくらモニターっていっても、相場の半額以下は破格すぎで……」
唯「旅っていうのは、本来はどこに行くか悩んで選んで決めて、行った先でも楽しむものだと思うのです!」
唯「でも、私達はまだ高校生だから、お金の制約があるんだよ! それなら制約の中で行ける楽しそうなところを選ぶのは当然じゃないかな!?」
ふんす、って腰に手を当てて踏ん反り返らなくてもいいと思うんですけど。
……まぁ、特に気になってたのは写真の件ですが、唯先輩が構わないなら、私もいいですよ。
梓「じゃ、じゃあ、写真のことも含めて、ムギ先輩にお返事しちゃっていいんですね?」
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:24:12.28 ID:syS4EgB80
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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:24:52.69 ID:syS4EgB80
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唯「ムギちゃんのカメラとは別に、私達用の思い出作りの為のカメラも持っていくけどね!」
梓「……いやあ、それは……」
唯「あずにゃんがデジカメ持ってたら任せるよ! うちにもあるけど、使い方よくわからないし!」
梓「は、はい、です」
そういうことなら、まぁ、流出的な心配もないですし……私と唯先輩の写真、撮り放題……ってことだよね、えへへ、えへへへへ。
梓「えへへへ」
唯「あずにゃん?」
梓「はっ……!? あ、ああ、ムギ先輩にお願いしてきます! 行き先は、また相談するっていうことで!」
唯「うんっ!」
さらにそのご!
梓「……ということでした。ムギ先輩の思惑通りっぽくて面白くないんですけど」
紬「ふふふ……思惑だなんて、梓ちゃん、変なこと言うのね?」
明らさまに怪しく笑いつつ、ムギ先輩は一通の封筒を差し出してきた。
受け取る、しかない。
梓「……これは?」
紬「今週末の、新幹線乗車券と特急券。それと、温泉旅館の特別割引チケットよ?」
梓「変な取り引きしてるみたいで、嫌な気分です」
紬「あら? 私は純粋に梓ちゃん達の恋を応援してるのよ〜?」
純粋に信じられない、けど、中身は確かにムギ先輩の言う通りのモノだった。
割引券が本当に使えるのかどうかはともかくとして。
梓「とりあえず、ありがたくいただいておきます」
紬「うふふ。ずーっと協力するつもりなんだけど、梓ちゃんに信じてもらえるようになるのが先かしらね?」
梓「部員として、先輩としてなら……でも、やっぱり私、汚い人間なんですかね? お金が絡む話になると、ちょっと……」
紬「あら、私だって無償協力っていうわけじゃないのよ? ギブアンドテイクの関係、だったら信じてもらえるかしら?」
……唯先輩と私の睦み事。
その、ほんの最初の瞬間を写真に撮るだけ。
いい、のかな。
唯先輩に聞かないと、私にはわからないよ……。
りょこうぜんじつ!
唯「遂に明日はラヴい温泉旅行だね!」
梓「はい……」
唯「あり? あずにゃん、あんまし乗り気じゃない?」
梓「その……ムギ先輩の条件が、引っかかっちゃって」
唯「ああ、写真を撮ってきて、っていうやつだよね。それがどうかしたの?」
梓「…………」
唯先輩、わかってるのかな、わかってないのかな。
別に私は、唯先輩と女の子同士でお付き合いしてるのが周囲に知られるのが嫌なわけじゃないんです。
知られたところで、ちょっとうるさくなるだけで、抱き着いたり抱き着かれたり、それ以上のことをするのも変わらないと思うんです。
でも、例えムギ先輩であっても、私達ふたりの関係に割り込まれるのは抵抗があるんです。
唯「写真、嫌なの?」
梓「……はい。風景とか、建物とか、記念写真みたいなのは構わないんですけど……お布団の上とか、そういうのはちょっと」
唯「嫌、なんだね?」
梓「はい」
唯「……うん、わかった。旅行は残念だけど、あずにゃんが嫌なことはしたくないもん」
梓「え……」
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:32:05.37 ID:K9H0TD2l0
ぼくはあずにゃんの排便周期を臭いで把握したいにゃん
わずかな体臭の変化、ニキビ吹き出物、体調の変化で
あずにゃんが便秘何日目かとかを当ててやるのにゃん
腸内に蓄えられたガスは腸壁から再吸収されて血中に流出
皮膚呼吸や肺呼吸を通じて体外に排出されるのにゃん
ぼくはそのわずかな臭いの変化すら見逃さないのにゃん!
前の方の周期はムギに任せて、ぼくはあずにゃんのおしりの穴の方の定期的な生理周期を把握して
あずにゃんの健康を常に気にかけるのにゃん
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
唯先輩が携帯を取り出す。
ぴぴ、ぴってダイヤル先を選んで、発信ボタンを押そうとする。
梓「あっ、あの、でも、ムギ先輩が手配してくれた旅行なんですし、一緒に温泉行けるんですし……」
唯「でも、あずにゃんが嫌がってるんなら、私も嫌だよ。このまま旅行に行くくらいなら、あずにゃんのおうちにお泊まりする方がのんびり出来ていいと思うよ」
梓「ん……」
のんびりっていう話なら、確かに私の家に泊まってくれた方が色々と便利で楽ですけど。
でも、でもですね。
唯「あ、ムギちゃん? 旅行ね、やっぱ止める。写真撮りたくないから」
電話越しに、『え〜?』って、ものすごく残念そうな声が聞こえてくる。
唯「うん、記念写真は別にいいんだけど、それ以外はやだよ。え? うん、だって、デジカメでそーゆー写真撮ったら、怖いインターネッツなんでしょ?」
いやあそれは何というか、ムギ先輩が自信を持って扱うって言ってるんですから、きっとスタンドアロンな感じだと思いますが、でもやっぱり怖いですよね。
唯「ええ? よくわかんないよ、とにかくやだよ、写真が条件なら行きたくな……え? ムギちゃんのデジカメは置いてってもいいの?」
……え?
唯「代わりにレポート? それ、どういう……旅行の感想? そんなんでいいの? うん、うん……別にいいけど」
ど、どういう話になってるんですかね、唯先輩?
夜のレポートとかだったら、全力でお断りさせてもらいますよ?
唯「ん……うん。じゃあ、予定通り行くね。ありがと、ムギちゃん」
ぴ。
唯「えへへ……何かね、写真はどーでもいいんだって。その代わりに、ツアーに参加した感想をレポートに書いて提出して欲しいって言われちった」
梓「あ、あの……唯先輩? どうして、こんな簡単に……ムギ先輩が出した条件を引っ繰り返しちゃえたんですか?」
唯「条件って……だって、私達、友達で仲間でしょ? ……あ! 私とあずにゃんはちょおラヴい恋人同士だけど!」
梓「そういう無駄に細かいフォローはいりませんから」
唯「うっ、うん……えっとね、ムギちゃんがね、『重荷になるようなら純粋に旅行を楽しんで来て』って。その後、カメラの代わりにレポートの話になって」
梓「…………」
あの金毛白面九尾ったら……女狐のくせに、小憎らしいことしてくれるじゃないですか。
悩まされただけに、素直に感謝は出来ないけど……ま、まあ? 旅行から帰って、来週顔を合わせたら、頭を下げるくらいはしてあげてもいいですよ。
唯「ね、ねっ、あずにゃん。温泉旅行、やっぱし行くよね?」
ものすごく行きたそうにして、準備だってしっかり済ませてるだろうに、今更そんなことを聞きますか。
私の方の中止に足る懸念材料は、完全に消え去りましたよ。
梓「はい。変な写真撮らなくてよくなりましたから」
唯「……撮っちゃ駄目なの?」
梓「……はい?」
あれ、何ですかその見慣れない最新型デジカメ。
しかも表情をきらきらさせて、早速撮影ポーズになったりして。
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:37:45.70 ID:w2mJnbCR0
唯と梓が互いを思いやってて優しくていいな
ただそれだけに人を喰ったような性格なムギが少し残念かな
唯「あずにゃん! セイ、ウィスキー!」
梓「…………」
ぱしゃ、って。
……ウィスキー?
唯「あれ……ううん、これはこれで、いつものあずにゃんだけど……にこにこ笑顔が欲しかったよ……」
梓「普通はチーズって言うんじゃないですか?」
唯「憂に、世界共通って聞いたんだよ! 旅行に行くって言ったら、外国の人にも通じるからって教えてくれたんだよ!?」
梓「日本人にはチーズの方がいいと思いますよ」
唯「そう言ったら、あずにゃんもにっこり笑ってくれる?」
梓「……え、ええ」
や、やだなぁ、自分でハードル上げちゃったよ。
タイミング外したらやだし、作り笑いを撮られるのもやだし。
梓「あの、唯先輩っ! 写真は後でいくらでも撮れますから、旅行先でどうするか相談しましょうよ!」
唯「あ、そうだね! 旅館でゆっくりするのもいいし、温泉巡りもいいし……ううん、ムギちゃんのいけずぅ!」
梓「ツアーですから、観光地回りますんで……旅館以外はそんなに自由時間ありませんよ」
唯「……でも、夜はゆっくりあずにゃんといちゃいちゃ出来るんだよね」
おお、やっと見つけた
支援する
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:39:20.65 ID:syS4EgB80
梓「え、ええ、そうですけども」
唯「えへー……じゃあ、いいや。このカメラで記念写真撮ってもらおうね! 普通のはムギちゃんにも分けてあげようね!」
梓「は、はい。いちおー、渡す前に画像チェックさせてもらいますけどね」
これだけは譲れない。
唯先輩にならどんな写真を撮られてもいいけど、これだけは! これだけは!
唯「んへー……んじゃ、はい。チーズっ」
梓「チーズっ」
ぱしゃ。
梓「…………」
いえ、今のは何ていうか、つい、反射的に。
唯「わ、かわいー! ほらほら、あずにゃんが笑ってる可愛い写真だよ!」
梓「あは、あははは……よかったですね、滅多に撮れませんよ? そんなの」
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:40:27.79 ID:K9H0TD2l0
ぼくが思うにあずにゃんはきっと便秘してると思うのにゃん
親があんまり家にいないようだし、それだから食事が不定期になりがちだし
思い詰めてしまう性格からかストレスを溜めてしまいがちだし
思い当たる要因はいくらでも考えられるのにゃん
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:40:32.61 ID:syS4EgB80
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190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:41:17.19 ID:syS4EgB80
>>188 かずにゃんは梓が便秘気味な法がよろこばしいの?
もう、いきなり撮るもんだから半分くらい素だったじゃないですか。
見たところ、買ったばっかりでバッテリーもメモリーもたっぷりだし……ん、まぁ、撮られる練習だと思えばいいのかも。
唯「えへへ。後で憂に頼んで印刷してもらって、それと携帯の待ち受けにしてもらおっと」
梓「ちょぉ!? そういう用途だったら、ポーズ決めたり着替えたりしますから!?」
唯「おお……それは、何と素敵な……でもこの写真も可愛いから、これはこれでね!」
梓「嫌ああああああっ!?」
結局、使い方がわからないからって削除とかしてくれなくて。
唯先輩の部屋を後日訪れると、ポスターみたいに大きく引き伸ばされて、唯先輩がベッドに寝た時に真上になる場所に貼られてた。
……嬉しい、けど恥ずかしい、けど嬉しい、けど恥ずかしい、けど嬉しい、っていうか……まさか、憂が引き伸ばし加工したんじゃないよね?
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:42:58.24 ID:syS4EgB80
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りょこう!
唯「ごっめーん、待った〜?」
梓「はい、15分くらい」
唯「やんやん、そこは『ちっとも、今来たところだよ』ってゆってくれないと!」
梓「でも、唯先輩が約束の時間に遅れたのは事実ですから」
唯「んむー。あずにゃんのいけずー」
そんな可愛らしくほっぺ膨らませても駄目ですよ。
電車の時間まで、あと10分しかないんですからね。
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:44:53.38 ID:syS4EgB80
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梓「唯先輩、朝ご飯は食べてきましたか?」
唯「ううん! 駅弁食べたかったから!」
梓「やっぱり……ええと、横浜しうまい弁当でいいです?」
唯「うん、どこで売ってるのかな、早く買わないとね!」
まだ駅舎に入る前からきょろきょろされても……。
もう、唯先輩は本当に、私が付いていないと駄目なんですから。
梓「切符は指定席ですし、乗り遅れたら大変です。先にホームに入っちゃいましょう」
唯「え〜? しうまい弁当は〜?」
梓「最悪、車内販売で買えますから。あとホームだと他の駅弁も選べますけど、乗り遅れると思ったら首根っこ掴んで電車に乗りますからね」
唯「ううん、何だか強引な雰囲気のあずにゃんにどっきどきだよ!」
梓「冗談言ってる場合じゃないんですってば! ほら、急ぎますよ!」
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:46:23.29 ID:syS4EgB80
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しゃない!
がたんごとん、がたんごとん……。
唯「しうまい美味しい! 冷たいけど美味しい! 不思議!」
梓「ふう……」
何とか間に合った。
案の定、唯先輩が他の商品に目移りしちゃって、新幹線に駆け込み乗車する羽目になっちゃったけど。
梓「駄目ですよ、もう。これに乗り遅れたらツアーも旅館もキャンセルしなきゃいけないところだったんですから」
唯「まーまー、乗れたんだからよかったじゃない。あ、あずにゃんもしうまい食べる?」
梓「遠慮しときます」
唯「美味しいのになぁ」
ええと、これからの予定は……っと。
しばらく新幹線。
着いたらツアーに参加して、あとは流れに任せるだけ。
……現地集合・解散のツアー旅行っていうのも何だかなあ。
交通費を削った分だけ、料金を安く見せられるからかな。
唯「ふぃー、ご馳走様でしたっ」
梓「あ、唯先輩。ちょっと動かないでくださいね」
口の横にちょっと汚れが……ふきふき。
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:48:52.60 ID:K9H0TD2l0
だってさ、見た目は小さくてかわいいおにゃのこの腸内に
醜悪で汚い黒色の塊が詰まっていると思うと萌えないかにゃん?
その方がスカトロプレイのやりがいがあるのにゃん!
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
梓「はい、もういいですよ」
唯「はわぁ……何か今、恋人ちっくだったね! ねっ!」
梓「子供の面倒を見る母親の気分でしたよ……」
唯「んむー」
少しご機嫌を損ねちゃったみたいで、ほっぺを膨らませる唯先輩。
そんなことすると、ますます子供みたいですよ?
梓「唯先輩。水筒に紅茶入れてきましたけど、飲みます?」
立ち上がって、頭上のバッグの中を探る。
すぐに見付かって、またうとんと自分の席に戻ると。
唯「えい」
ぱしゃ。
梓「…………」
唯「……てへっ」
梓「不意打ちで写真撮るの禁止ですっ」
唯「う、うん」
今、ものすごく無防備な顔してたのに。
後で絶対削除してやるんですからね、もう。
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:50:22.94 ID:syS4EgB80
>>198 あーなるほど
じゃあ下痢とかはダメなの?
がたんごとん、がたんごとん……。
梓「ふわあぁ……」
しかしながら、この眠気を誘う独特のリズムはどうにかなりませんかね。
ちょっとくらいなら眠ってもいいかなと思うけど、お連れ様が唯先輩だから、一緒に寝こけたら乗り過ごしちゃうし……。
唯「すぴょ〜……くぅ〜……にゃむ〜……」
もう寝てるし!
わ、私だって昨夜は楽しみで楽しみでなかなか寝付けなくって、今朝も寝坊したら大変だと思ってやたら早起きしたっていうのにこの人は!
唯「んにゅぅぅ……あずにゃぁん……♪」
梓「…………」
まあ、眠ってしまったものは仕方がないですよね。
私の方は何とか、唯先輩の寝顔を見物させてもらって、眠気を誤魔化すことにしますか。
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:53:05.89 ID:syS4EgB80
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203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 10:53:46.35 ID:syS4EgB80
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梓「……えいえい。ほっぺむに〜」
唯「んー♪」
あらやだ、可愛い反応。
でもやりすぎると起こしちゃうし、程々に……。
梓「…………」
胸を、ぷにっと突ついてみたり。
唯「にゅ〜……んう……ふみゅ、すぴょぴょ……」
何ていうかこれは、ひとりでも結構退屈しなくて済みそうな予感ですよ。
とうちゃく!
唯「ふわああ……よく寝たぁ。これですっきりした気分で観光を楽しめるよ!」
梓「あは、ははは……そおですか、それはよかったです……ね」
元気一杯の唯先輩とは対照的に、私の方は寝不足で足下も覚束ない。
やっぱり、遊んでないで少しくらい仮眠取った方がよかったかもしれない。
梓「あ、集合場所に人が集まってますよ。多分私達と同じツアー参加者じゃないですか」
唯「うん、そうだね。行ってみよ〜」
唯先輩と人だかりのとこまで行くと、旗を持ったお姉さんがすぐにこちらに気付いた。
今まで頭数が揃わなかったんだろう、参加者名簿を見せられて、確認が取れると、すぐ近くに停まっていたバスへ乗り込むよう案内された。
『本日は○○旅行社、□□ツアーにご参加いただきありがとうございます。本日ご案内いたしますのは……』
適当な席を確保して、バッグも頭の上の棚に押し込んで、ようやくひと息。
アナウンスはまだ続いてるけど、あれですよね、自己紹介とか回るルートの説明とかですよね。
唯「あずにゃん、窓側と通路側、どっちがいい?」
梓「通路側で。っていうか唯先輩、窓側に座りたくて仕方ないって顔してますし」
唯「うんっ! 実はそうだったんだよ!」
はあ。
そんなの、聞く意味ないじゃないですか。
梓「よっ……と。ほら、唯先輩」
唯「おお?」
梓「肘掛けが動かせるんですよ、この座席。こうすれば……窓の外も、一緒に見られます」
唯「う、うんっ……そう、だね」
梓「でもまだ駅前ですからねー。特に目を引くようなものはないですか」
唯「…………」
梓「……唯先輩?」
唯先輩が不意に押し黙ってしまったので、何事かと思って目をやると。
唯「い、今のアングルで一枚、撮らせてもらってもいーい?」
もう指がシャッターを押す寸前。
アングルっていったって、ごく普通に窓の外を眺めていただけなのに。
梓「……はあ。いいですよ、減るもんじゃないですし」
ぱしゃ。
唯「わーい、ありがと〜♪」
何だろう、初めてカメラを手に入れて、目に映るもの全てを撮影してはしゃぐ子供……じゃないよね。
今時デジカメなんて珍しいものじゃないし、携帯にも付いてるんだし。
パート化するならそういう板に行けばいいのに
唯「おお、撮影可能枚数が999枚から減らないよ! すごいねあずにゃん!」
梓「メモリーがやたら多いんですね。正直、それだけ写す前に電池切れになったり旅行が終わったりすると思いますが」
唯「ふっふうん。抜かりないよ、あずにゃん! スペアの電池も充電器もばっちりさー!」
梓「その準備のよさを早起きとか音楽なんかに向けてくれれば……よよよよよ」
唯「あ、ほらほらあずにゃん、もうすぐ最初の目的地のお寺さんだって。カメラ持ってるけど写真撮るの何か怖いねぇ〜」
え?
私の相手しながら、バスガイドの人の話もちゃんと聞いてたんですか、唯先輩?
なんて思っていたら、ぷしう〜っていう大型車がよく鳴らす音と共に、バスが停車した。
『それでは皆様、こちらでの滞在時間は20分程になります。くれぐれも時間までに集合くださいますよう……』
唯「さて、行こうかあずにゃん。真昼の肝試しだよ!」
梓「いっ、いえいえいえいえ! 肝試しなんかじゃありませんから!」
手を引っ張られるようにしてバスを降りて、お寺の門をくぐる。
た、確かこの下の木を踏んじゃいけないんだよね、うんっ。
唯「あれ〜? お寺って言ってたのに、全然お墓ないね」
梓「どうして残念そうなんですか」
唯「それは勿論……お墓とあずにゃんのツーショットを撮って、変なのが写ってたら面白いかなって!」
梓「私そんなの絶対に嫌ですよぉ!?」
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:01:31.88 ID:K9H0TD2l0
下痢便は食糞よりも塗糞向きだと思うのにゃん
あずにゃんがもし下痢気味な体質だったらぼくは間違いなく塗糞プレイに走るのにゃん
便秘とはまた別の意味で臭いが強烈だから、あずにゃんの液状ウンチを体に刷り込むたび
まるでぼく自身があずにゃんのウンチにでもなったかのような錯覚を覚えるのにゃん
そしてあずにゃんの下痢ウンチの中から辛うじて形の残っているウンチの欠片を探して
キャンディーみたいに舌の上でそのあずにゃんのウンチを転がして
貴重な固形ウンチの味を反芻するかのように味わうのにゃん
もしあずにゃんが嫌じゃなければお互いローションプレイのローションの代わりにウンチまみれになりながら
キスしながらキャッチボールでもするかのように一口サイズのウンチを
口移しであずにゃんの口内にいれてあげたり、またいれてもらったりしたいのにゃん
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
唯「まあまあ。旅の記念に、ね?」
そんなホラーな記念はこの先の人生においても絶対にお断りです。
も、もう、唯先輩ってば、私を怖がらせようとして……っていうか、唯先輩は平気なのかな、こういうの。
唯「んう?」
梓「あのっ……は、はぐれたら困りますから、ここ掴んでていいですか?」
唯「……手、繋ごっか。はい」
梓「でも、デジカメ……」
唯「写真は片手でも写せるよ、何たって手ブレ補正付きだし! でも、あずにゃんが怯えてるっぽいのは、放っとけないもん」
梓「ん……じゃ、じゃあ、手、お願いします……」
唯先輩が差し出してくれた手を、私は両手で包むように握り締める。
その途端、ふっと憑き物が落ちたように今までの怖さが消えたような気がした。
唯「えへへ……んじゃ、お寺の建物まで行って、誰かにツーショット写真撮ってもらおっか」
梓「は、はいですっ」
本殿、っていうのかな。
奥を覗いたら大きな仏像があって、写真を撮ってもいいのかな、って後ろめたい気持ちになったんだけど。
唯「すいませんーん! シャッターお願いしますー!」
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:03:21.44 ID:syS4EgB80
>>209 なるほど、形状によって用途を使い分けるわけだね
まあ下痢直のみとか豪勢だがいかんせん勿体無いしね
見知らぬ人に気軽に声をかけて、デジカメを渡して。
どんなポーズを取るのかと思ったら、部室でする時みたいに、後ろから私に抱き着いてきて。
梓「は、はう……」
唯「ほらほら、あずにゃん。ピースピース。目線はレンズだよ」
梓「はい……」
って言われても、私にはそう簡単に出来ることじゃなくって。
ぱしゃ、って音が聞こえた時には、真っ赤な顔をしながら、超控え目なVサインを出すことしか出来なかった。
唯「ありがとうございました〜♪」
梓「ひ、酷いですよ、いきなり抱き着くなんて……心の準備が、その……」
唯「うん、でも、可愛いく写ってる。ほら、照れて真っ赤になってて、すっごく可愛い〜♪」
梓「ううっ……も、もういいですよね? 時間もありませんし、早くバスに戻りましょうっ」
今度は私の方から唯先輩の手を握って、引っ張って。
唯「わ、わわ、あずにゃん? そんなに急がなくても大丈夫だよぉ〜」
聞こえません、知りません。
もお、唯先輩のどっきり大作戦には乗せられませんからね。
いどうちゅう!
『それでは出発いたします。え〜、次の目的地は……』
唯「あれ〜 変なの写ってないや。やっぱり観光地だから、幽霊さんも、騒がしいのが嫌で引っ越しちゃったのかな」
梓「おっ、お願いですから、そういうこと言わないでくださいよぉ」
折角、何事もなく帰ってこられて、写真を確認してもおかしなモノはなくって、安心しかけたところなのに。
今度言ったら、人目もはばからず胸に飛び込んでぎゅうって抱き着いちゃいますからね?
唯「そんなに怖がらなくても大丈夫だよぉ。あずにゃんは私が守ってあげるから」
なでなで。
梓「あ……」
い、いえ、優しく頭をなでられてもですね、騙されないっていうか、警戒は続けるっていうか……。
唯「……ね? あずにゃん」
梓「……はい」
なでなでなでり、なでなでり。
梓「……ふにゃ……」
ま、まあ? 今回のところは許してあげないこともないですよ、唯先輩。
でも、次からは充分に気を付けてくださいよね。
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:06:31.97 ID:syS4EgB80
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215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:07:12.37 ID:syS4EgB80
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216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:09:07.21 ID:syS4EgB80
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217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:12:41.94 ID:K9H0TD2l0
食糞がだめなら塗糞希望
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:13:49.37 ID:syS4EgB80
断固食糞希望
書けないものないんですよね
>>1さん?
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:18:48.44 ID:RjNZOTOd0
食糞はきつい せめて飲尿
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:20:04.39 ID:syS4EgB80
きちんとけじめつけた後なら塗糞でも飲尿でもすきにやったらいいと思う
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:29:35.22 ID:K9H0TD2l0
塗糞のあとに食糞にすれば、この二つは両立できるのにゃん!
あずにゃんのウンチをあずにゃんの体に塗って唯がペロペロすれば片方立たずということはないのにゃん
おしりの穴に口をつけて直接直食いもいいけど、あずにゃんのおっぱい、おまんまんから
まるであずにゃんが食べられている感が出るような食糞スタイルもなんだかいいのにゃん
ウンチの女体盛りなのにゃん!
あずにゃんのちょお魅力的な女体が、全身ウンチでコーティングされて
さらに魅力的になるのにゃん!
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:53:09.94 ID:K9H0TD2l0
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
ちゅうしょく!
『それでは、これよりお食事の時間となります。二種類のメニューからお好きな方を選んでいただきまして……』
唯「ご飯! ご飯だよ、あずにゃん!」
梓「はいはい、ちゃんと聞こえてましたよ」
各々の観光地を巡るのは駆け足だったけど、ご飯くらいはゆっくり食べられるといいなあ。
唯先輩のデジカメを借りて、画像を確認しながらそんなことを思う。
何とかの滝。何とか城の跡。どっかで聞いたことがあるようなないような、昔の人の生家。
どれもこれも10分とか20分とか、いくら格安ツアーだっていっても本当に記念写真くらいしか撮れないじゃないですか。
唯「あ、あそこで食べるのかな。ホテルみたいだけど」
梓「あー。ツアー客用に量を作るんなら、確かにホテルの領分かもですね」
結婚式でもない限り、厨房がフル回転することなんてないだろうし、持ちつ持たれつ?
唯「二種類のメニューって何だろうね! あずにゃん、別々の選んで比べっこしよっか!」
梓「いいですよ。私的には、唯先輩と同じメニューでも構わないんですけど……」
唯「うーん、何だろうね! 楽しみだよぉ〜」
聞いてない、し。
梓「どぞ、デジカメお返ししますね」
唯「変なの写ってなかった?」
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 11:56:16.31 ID:am0megrAO
この書き手はいつも同じパターンばっかりで、エロいだけでつまらないんだから食糞くらい書けクズ
梓「写ってませんでしたよっ!」
……ぷしう〜。
どうやら唯先輩が目を付けたホテルで昼食みたい。
バスが停まって、他の人達もぞろぞろ降りていって、私達も後に続く。
レストランらしき広い場所に入ると、例のメニューとやらがお盆に載って左右に沢山並べられていた。
……へー。
作り置きしといて、選ぶところからはもうセルフサービスなんだ。
唯「あずにゃん、あずにゃん! 私、こっちにしてもいい?」
梓「はい、私はこっちの海鮮丼っぽいのにします」
唯先輩と一緒に、お盆を持って席に着く。
唯「んじゃあ、いっただっきまーす!」
梓「いただきます」
うん、でもまぁ、割と美味しそうな見た目。
マグロ、ホタテ、甘エビ……んむんむ、これは、なかなか……美味しい、かも。
唯「あずにゃーん。この天ぷらあげるから、そのお刺身頂戴?」
梓「むぐ? あむあむ、んっ、は……はい、どうぞ」
いえ、まぁ、お刺身っていっても何切れかありますから……ごそっと持っていかれない限りは平気ですけど。
唯「ありがとー。はい、カニの脚の天ぷらが二本あるから、とりあえずこれね。んで、私は……甘エビ、もらっていい?」
梓「どうぞ。っていうか、カニと交換ならもう2・3種類くらい持ってってもいいですよ?」
受け取ったカニ脚を、早速口に運ぶ。
まあ、こういうツアーだから形が小さいのは仕方ないとして……。
梓「ふも!? むぐむぐ……お、美味しい……!?」
あれですね、これはもしかして、わけあり品ってやつですね!?
品質は普通の商品と変わらないのに、ボイルの段階で脚が取れちゃったりとか、そういう!
唯「んう〜♪ 甘エビ、とってもあまぁいよぉ♪ スーパーで売ってるのより何倍も美味しい〜」
梓「……ええ。正直、こんなケチぃツアーなので、食事もさっぱりだと思ってました。でも……」
ん、まぁ、何ていうか。
日本人には『終わりよければ全てよし』的な、最後の印象がとても重要っていう妙な風潮がありますからね。
このツアーも、参加した人達は途中の観光地すっ飛ばし巡りのことなんか忘れて、『ご飯がすごく美味しかった! 最高!』っていう感想を言うんだろうなあ。
唯「あう〜ん、美味しい、美味しい。あずにゃん、エビの天ぷらもあるよ? 食べる?」
梓「あ……私、もうエビに見合うネタはないんですけど……」
唯「いいからいいから。美味しいから食べて欲しいんだよ!」
梓「では、遠慮なく……ん、あむっ」
……え?
どうして作り置きだったくせに衣がまだサクサクですか?
エビも美味しいし、衣を重ねて大きさを誤魔化してるわけでもないし!
梓「むぐむぐむぐ……ん、っく」
唯「ね? 美味しいでしょ?」
梓「はい……予想外に、とっても……」
悔しいことに、箸が進む。
時間的にお腹が空いてるっていうのもあるけど、お味噌汁やお漬け物に至るまで全てが平均点以上だなんて。
唯「はぁ〜あ♪ 美味しかった、ご馳走様!」
梓「ご馳走様でした……ふぅ、意外と満腹になっちゃいましたね」
唯「あ、写真撮るの忘れてた! あっちに置いてあるやつ、今から撮らせてもらってくるね!」
梓「ああ……そんな恥ずかしいことを……」
……って。
係の人にデジカメ見せながら説明して、何か許可もらったみたい。
あっちでパチリ、そっちでパチリ。
そして、満足げな表情で戻ってきた。
唯「ふぃ〜。これでムギちゃんに提出するレポートはばっちりだね!」
梓「ああ……そういえば、そんな話もありましたっけ」
でも、唯先輩に任せておいたら、この食事の話だけで終始してしまいそうな気がする。
食事にお金をかける為に他の部分のコストを削ったのかもしれないですけど、やっぱり、観光なんですから……ねえ?
唯「ところでさ、あずにゃん。全部食べちゃったし、私達は平気みたいだからいいんだけど」
梓「はい?」
唯「甲殻類アレルギー、ってゆうの? そういう人は、このご飯食べられないよねえ」
梓「……割といいとこ突いてくるじゃないですか。それ、絶対にレポートに書いた方がいいですよ」
梓「えへへ〜。あずにゃんに誉められた〜♪」
こっちには刺身の甘エビ。もう一方にはエビとカニの天ぷら。
うん、折角こんなに食事に力を入れてるのに、アレルギーだからって食べられないのは可哀想だよ。
そういう人達の為に、別の素材を用意してもらわないと納得いかない。
いどう!
『それではこれより出発地の駅に戻りまして、解散となります。皆様とお別れするのは〜』
唯「解散だって、解散! この後は旅館じゃなかったの!?」
梓「私に言われてもわかりませんよ……あれじゃないですか、迎えの人が駅前で待っててくれてるんじゃないですか?」
唯「あ……そっか。それか、駅から歩いてすぐに行ける場所に旅館があるとか!」
どういうポジティブ思考ですかそれ。
って、もう見覚えのある駅前ですし。
『本日は本ツアーにご参加いただき誠にありがとうございました。皆様、お忘れ物などないよう……』
いえ、唯先輩がデジカメを出したくらいで、別に荷物はどうこうしてませんが。
まぁ、とりあえず引っ張り出して、唯先輩の分も下ろして……っと。
梓「デジカメ忘れないでくださいよ、唯先輩?」
唯「うん! えへへ、今日だけであずにゃんとの思い出が一杯出来ちゃったね!」
梓「…………」
だ、だから、そおゆう恥ずかしいことを真顔で言われると、まともに顔を見られなくなって困るんですってば。
梓「え、ええと……降りましょうか。旅館のことは、そこら辺で休憩しながら考えましょう」
唯「うん」
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:05:09.51 ID:3PD8M4GL0
ん〜わざわざ全部張りなおす必要あったのか?
スレタイも変えても良かったんじゃ・・・
おむかえ!
あれ?
駅前の隅っこの方にクルマを停めて、直立不動で立ってる着物の女の人がいる。
……いやあ、まさか、ねえ?
唯「あずにゃん、あずにゃん。あの人、もしかしてお迎えの人じゃないのかなあ?」
梓「だ、だって、私達は割引チケット使ってお安く泊まろうっていう、儲けの少ないお客ですよ? なのに、お迎えとか……」
とか言い合っていると、私達の視線に気が付いたらしく、着物の人がこっちに近付いてきた。
女将「琴吹亭の女将をしている者です。失礼ですが、琴吹紬様のご友人の方でいらっしゃいますか?」
唯「ほ? は、はい。私達、ムギちゃんとお友達ですけど」
女将「然様ですか。お話は伺っております、どうぞあちらのクルマへ」
梓「…………」
いやあ、ムギ先輩?
女将さん自ら迎えにこさせるとか、割引チケット云々っていうレベルじゃないですよ?
女将「お荷物、お預かりさせていただいてよろしいでしょうか?」
唯「は、はい……あ、カメラだけ別に……お願いします」
梓「あ、私もお願いします」
女将「では、ご案内いたします」
女将さんが合図をすると、クルマが音もなく近付いてきた。
トランクに荷物を積んでもらって、後部座席のドアを開けてもらって、戸惑いつつも乗り込んで。
女将「10分少々で到着いたします。申し訳ございませんが、しばし車窓の風景をご覧になってくださいまし」
梓「は、はい……」
すっごい緊張する。
ムギ先輩の名前が出たってことは、私達に対して決して粗相がないように、って従業員全員が身構えてるんだろうし。
そもそも女将さん直々のお出迎えというのが、何とも、その。
唯「わぁ〜。バスの時と違って、山が綺麗に見えるよ! あずにゃん!」
梓「そりゃ、通る道が違ってますからね……」
唯「むむ! 何か固い表情のあずにゃん、いただきぃ!」
ぱしゃ。
梓「にゃっ!? にゃにゃにゃ、にゃにをするですかっ!?」
唯「えへへへへ。折角ムギちゃんが私達の為に手配してくれたんだから、楽しもうよ。緊張してたら面白くないよぉ?」
梓「……ええ、まあ、そうですけど」
私達のやり取りを聞いていた女将さんが、くすりと笑ったような気がした。
りょかん!
女将「長らくお待たせいたしました。当旅館・琴吹亭へようこそいらっしゃいませ」
荷物は、運転手の人が軽々と運んでくれてる。
もしかしたら私達が部屋に案内されたら先に届いてるかもしれない。
唯「あの〜……」
女将「はい、何でございましょう?」
唯「私達、ムギちゃんから旅行のレポートを頼まれてるので……色んなとこで写真撮ってもいいですか?」
女将「はい、勿論です。ただし、従業員用のエリアへの立ち入りは、ご遠慮願います」
梓「はい、ちゃんと私も見張ってますから! ご迷惑はおかけしませんっ」
唯「じゃあとりあえず一枚いきまーす。女将さん、玄関ののれんの横でにっこりしてくださーい」
うわあ、何この遠慮無用な態度。
さすがに不躾すぎて、こういう旅館の人は……って。
女将「この辺りでよろしいでしょうか?」
はい?
唯「はーい。それじゃ……セイ、ウィスキー!」
女将「ウィスキー」
ぱしゃ。
梓「…………」
ノリがいいんだか、ムギ先輩の影響力なんだか。
唯「こんな感じで撮れました!」
女将「あらあら、実物より綺麗に撮っていただいて。ありがとうございます」
リップサービスもお上手だし。
女将「それでは、そろそろお部屋へご案内いたしますね」
梓「あ、よろしくお願いします」
唯「お願いしまーす」
女将「ああ、念の為……本日、他のお客様はおられませんが……普通のお部屋と、離れのお部屋。どちらになさいますか?」
唯「へ?」
梓「ふ! 普通の部屋でお願いします! っていうかお気遣い無用で!」
女将「うふふふ……承知しました。では、どうぞこちらへ」
この人、もしかしたらムギ先輩の血縁なんじゃ……?
りょかんのへや!
唯「…………」
梓「…………」
女将「お荷物は、そちらへ置かせていただきました」
唯「は、い……」
女将「僭越ながら、お茶の方ご用意させていただきますね」
梓「あ、ありがとう、ございます……」
広い、和室。
ううん、この部屋まで歩いてくるまでにも感じていたけれど、ここって、ものすごく格式高い和風旅館なんじゃあ?
梓「あっ、あの、すっごく失礼なことを聞いちゃうかもしれないんですけど!」
女将「何でしょう?」
梓「さっき、他にお客さんいないって言いましたよね? それってまさか、ムギ先輩が私達の為に手を回して無理矢理……」
女将「うふふ……オフシーズンの旅館なんて、どこもこんなものですよ。お嬢様のご心配なさっているようなことはございませんでした」
梓「そ、そうでしたか……」
唯「うおお! 内風呂もある上にヒノキの露天風呂まであるよ! ここに引きこもって暮らしたくなるくらい素敵なお部屋だよ!」
梓「……あの人はものすごくフリーダムですから、あんまり気にしないでください……」
全部貼り直すなら前スレ貼る必要なかったんじゃ
女将「うふふふ、紬お嬢様から伺っております。とても楽しい方ですね?」
梓「は……はい。一緒にいると楽しくって、嬉しくて、幸せで……唯先輩の方は、私に対してそう思っていてくれるのかわかりませんけど……」
……あれ。
私、何で今日初めて会ったばかりの人にこんなこと話してるんだろ。
女将「失礼を承知で申し上げますが、それは無駄な心配というものです。さ、お茶が冷めないうちに召し上がってくださいませ」
梓「あ……はい。唯先輩! 女将さんがお茶入れてくれましたよー!」
唯「はーい!」
女将「ふふっ……あちらの電話の傍に、当旅館の案内がございます。ご不明な点は、いつでもご遠慮なくフロントまでお問い合わせくださいまし」
梓「はい……どうも、ありがとうございます」
女将「それでは、私はこれで……お夕飯は18時、お布団は20時にご用意しに参ります。当旅館には自慢の温泉がござますので、ごゆるりと」
梓「はい」
すすす……っていうのは、私の頭の中に響いた擬音。
実際には、女将さんは物音ひとつ立てずに、静かに部屋から出て行った。
唯「お茶菓子ーぃ!」
梓「わあ!?」
唯「……あれ? これ、前にムギちゃんが持ってきてくれた羊羹じゃないかな?」
そんな、ひと口でほとんど食べちゃってからどんな分析してるんですか。
いや、でも、確かに包みに見覚えがあるし……ん、味も、とっても美味しい、です。
唯「ずずー」
梓「ずずー」
唯「えへへ。お行儀悪いんだ、あずにゃん」
梓「唯先輩こそ」
段々とぬるくなるお茶をすすりながら、時計に目をやる。
さっきお昼ご飯食べたばっかりで、移動を含めても、あんな短距離じゃたかが知れてる。
つまるところ、お夕飯までは何時間もあるっていうこと。
梓「ずずー……」
唯「ずずず……ずーっ」
ことん。
唯「ね、あずにゃん」
梓「……ずず、ずー……はい?」
ことん
唯「時間が来るまでえっちぃことしよっか!」
梓「……わ、私も、それを考えなかったといえば嘘になりますけど……こんな明るいうちからですか?」
それより旅館の探検とか。
ほら、こういうとこって、古いゲームとか卓球設備とかがあるって、大体相場が決まってるじゃないですか。
唯「んうー……じゃあ、温泉に入る? 女将さんも、自慢の温泉だってゆってたし……」
だからどうして貴女は話を明らかに聞いてない風なのに、しっかり聞き耳立ててるんですか。
梓「温泉にしましょう。ええ、何時間も入ってるわけにはいきませんけど、折角来たんですから! ね!」
女将さんに教えられた通り、電話の横の案内パンフを手に取る。
えーと……ふむふむ、ふむ。
唯「ご飯の後に温泉の方がいいと思うんだけどなあ」
梓「……『美女の湯』っていうのがあるみたいですよ」
唯「何ゅ」
梓「あと、何かこんなに続くと眉唾ですけど『美髪の湯』っていうのと『美肌の湯』っていうのが」
唯「あずにゃん! 早く浴衣出して! 急がないと!」
……唯先輩は、『美肌の湯』に入るくらいでいいと思いますけどね。
今でも充分に綺麗ですし、これ以上素敵になったら、沢山の人に言い寄ってこられて困っちゃうんじゃないかと。
唯「ほらほら、何してるのかな!? お夕飯まであんまり時間ないよ!?」
梓「はいはい、すぐ準備しますから」
びじょのゆ!
かっぽーん。
唯「びじょのゆ……ねえ、具体的にどうなるのかな? まさか顔の形が変わるわけじゃないよねぇ」
梓「さあ、私には何とも……お肌が綺麗になっていつもより美人に見えるとか、そういうことじゃないんです?」
唯先輩はいつだって可愛くて綺麗ですけど……きゃっ、そんなこと口に出していえないっ。
唯「『美肌の湯』もあるってことは、『美女の湯』には別の効果があるに違いないんだよ。でも……何なんだろうね?」
はぷー、と湯船の外でタオルを絞って、たたんで、頭の上に乗せる唯先輩。
ううん、綺麗です綺麗です、誰が何と言おうと唯先輩は美女ですよっ。
梓「まあ、言い伝え的なものかもしれないですね。入り口に温泉成分の一覧表があったので見てきましたけど、一般的な温泉と大差なかったですし」
唯「それでも! きっと美女になれるんだよ、ここは!」
溜め息をつきつつ、のんびり身体を洗い終えた私もお湯に浸かる。
はー。
ちょっち熱いけど、なかなか、気持ちいーですねぇ。
梓「はー」
唯「はー」
梓「唯先輩、あんまり長く入ってると、のぼせちゃいますよ?」
唯「そんなこと言って、自分だけ美女になろうって腹だね!?」
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:22:03.23 ID:7Tdxic0t0
てか女体の人は●持ちなのか?
投下速すぎだし
梓「……いえ、美肌とか美髪とか、そっちにも入りたいんなら、ローテーション組んで回るのがいいんじゃないかなあ、と」
唯「……おお。それは確かに」
ちなみに私、美女は諦めてますよ。
唯先輩と並んで比べられたら、敵いっこないですし。
唯「……でも、うん、あずにゃん。もちょっと一緒に入ってようよ」
梓「はい?」
唯「あずにゃんって、今は『美少女』だけど、大人になったら『美女』になるんだし。入っておいて損はないよー」
梓「んにゃっ……!?」
だから、どっ、どおして、そおゆうことを真顔で言えるんですか。
誉めてくれてるんだから嬉しいとか、お世辞だっていうのがわかりきってるけど嬉しいとか、気分は様々なんですけど。
唯「今は本当に可愛いから、可愛いって言ってあげられるけど……大人になったら、それじゃ駄目なんだよねぇ……」
梓「……いえ。私、きっと、大人になってもそんなに変わりませんよ……だから、唯先輩には、いつまでも……可愛いって、言って欲しい、です」
ぶくぶく、ぶくぶくぶく。
顔を半分くらいまで湯船に沈めながら、ちらっと唯先輩を眺める。
何か、複雑そう。
でも、不意ににっこり笑って。
唯「うん。可愛いあずにゃんでいてくれる間は、一杯可愛がってあげるからね!」
い、いえ……それは、何だか違う意味にしか聞こえないんですけど……わざとです?
でも、ずーっと、唯先輩に可愛がって欲しい、です。
梓「……ぶくぶく」
唯「あ」
梓「はい?」
唯「もしかしたら、この温泉の中でえっちぃことしたら、美女になれるかもしんないよ!?」
梓「そんな真似してまで美女にはなりたくありませんっ!」
唯「えー」
んもう……言い伝え、伝説ですよ。
入っただけで美女になれるんだったら、いくら閑散期とはいえ、女性客で溢れ返ってるハズじゃないですか。
唯「じゃあ、どこならえっちぃことしてもいいの?」
梓「とりあえず、全部回ってからでしょうか。唯先輩は発情期みたいなので、一緒に回るのちょっと怖くなってきましたけど」
唯「発情なんてしてないよ! でも、でもぉ……あずにゃんの裸を見てると、お腹の奥から火照ってきちゃうっていうか……」
梓「ああ、それは温泉でしっかりあったまった証拠ですね」
私は気にせず、汗を拭って次の温泉へ向かう。
美髪、だっけ。結構、気になるし。
びはつのゆ!
かっぽーん。
梓「はあ……」
他に誰もいないわけだし、ってことで、湯船に浮かんで髪を浸す。
温泉成分の表示はなかった、けど、最初のとことは泉質が違う気がするから。
唯「……もきゅ」
梓「……唯先輩? いくら唯先輩でも、変なとこ覗いたら承知しませんからね?」
唯「……ちぇー。デジカメの防水ケースも用意してあるのにー」
それでどこを撮るつもりだったんですかね?
梓「そういうのは、後で内風呂でやりましょうよ。こう、手拭いで顔を拭いた感じの時にパチリと」
唯「そだね。変なとこ撮って、お返しされたら私も恥ずかしいし」
だから、どこを撮るつもりだったんですかね?
唯「じゃ、私もあずにゃんみたくぷかぷかするー」
ざば、とお湯を跳ねる音が聞こえた後は、すっごく静かになった。
空はまだ明るい。
外気に触れてる上半面と、お湯に浸かってる下半面の温度差が、ちょっと不思議な感じ。
唯「えーい」
こつん。
梓「んにゃ……ゆ、唯先輩?」
唯「えへへ。浮かんでるだけじゃつまんなくって」
梓「だからって泳がないでくださいよ……えいっ」
こつん。
唯「あはっ……地味だけど、楽しーね、これ」
梓「はい」
こんな温泉に浸したくらいで、髪が綺麗になるんだろうか。
唯先輩の寝癖を直しやすくなるんだろうか。
……まあ、別に、今までと変わらなくたっていい。
だって、唯先輩とお風呂に入った後、髪を乾かして櫛でとかすのは、私の密かな楽しみなんだから。
びはだのゆ!
梓「……遂にきましたね」
唯「うん……正直、ここが一番の期待だったよ」
梓「お肌が……」
唯「美肌になる……」
同時に、ちゃぷん。
唯「…………」
梓「…………」
唯「これ、アルカリ泉なのかな?」
梓「ええ、ちょっとぬるっとしますね」
個人的には、アルカリ泉は好きくないですが。
だって、肌が溶けちゃうからぬるぬるするのに、手触りがよくなったーって言う人がいるし。
いえ、酸性泉でも溶けるのは溶けるんでしょうけども。
唯「……お部屋の内風呂はどんなんなんだろうねぇ」
梓「アルカリじゃないのを期待します」
唯「うん、もしそうだったらまたさっきの温泉に入るとして……えーい♪」
梓「にゃぅん!?」
にゅるにゅるにゅるぅ。
唯「あは……あずにゃんのお肌、ぬるぬるだぁ。いつもと違って、これはこれで気持ちいいね!」
梓「んぅっ……ちょ、やん、唯先輩っ、駄目ぇ……あんまりこすると、後でヒリヒリしますよ!?」
唯「ええ!? ほんと!?」
梓「だ、だって、ほんの少しですが、肌の表面が溶かされてるわけですから……大袈裟に言うと、赤むけ状態になっちゃうんですよ?」
唯「う、ううっ……それじゃあ私はいつ裸のあずにゃんに抱き着けばいいの!?」
梓「部屋の内風呂か露天風呂でいいじゃないですか!?」
唯「ああ……うん、そおだね、そおだったね……そんなのもあったね……」
ものすごく残念そうに俯かれても、困っちゃうわけですが。
梓「え、えと……唯先輩? そろそろ一旦上がって、ちょっと休んで、また入りませんか?」
唯「防水ケース入りのデジカメ……一度も活躍しないままなんだね」
梓「少しくらい撮らせてあげますよ! でも、唯先輩の写真も写しますからね!?」
っていうか、そろそろ私がのぼせちゃいますよ。
ちょっとした写真なら撮られてもいいですし、代わりに唯先輩のも撮らせてもらえばお相子だし。
だから、もう、お部屋に戻りましょう。
りょかんのへや!
唯「はー。結構だるい感じになっちゃったねえ」
梓「ええ……特別動いたわけでもないんですけどね」
あ、お茶セットが新しくなってる。
ちょいちょい、ぱっぱのじょろろろ……っと。
梓「唯先輩、お茶飲みませんか?」
唯「おお、さすがあずにゃん! 気が利いてるねえ〜」
梓「いえ、旅館の人が用意しておいてくれたんですけどね」
自分の分も入れて、ずずずっと。
唯「……はあ」
梓「……ほう」
唯「はー。温泉に入ると、身体の芯からぽぽぽって熱くなるよね」
……って。
浴衣の合わせを開いてぱたぱたされても、目のやり場に困るんですが。
梓「……ずず」
唯「あずにゃんは、ぽっぽーってならない?」
梓「なりますけど……別に、唯先輩みたくぱたぱたする程じゃないです」
唯「あ。興味ないふりして、しっかり見てるんだ?」
梓「見せてるんじゃないですか!」
もう。唯先輩ってば、本当にもう。
唯「……はい、あずにゃん。好きな時に写していいよ?」
梓「え?」
デジカメ……。
好きな時に、って。
つまるところ、いつでもいけないシャッター★チャンスを狙えっていうことなんです?
梓「…………」
唯「えへへへへ。お望みなら、あずにゃんに言われた通りのポーズ取るよぉ?」
梓「じゃ……じゃあ、窓の外を眺めながら、そこのうちわで首筋を扇ぎつつ気だるげに溜め息をついてください」
唯「難しいね」
梓「何度か繰り返してくれたら、上手いこと撮ってみせます」
唯「うん……」
唯先輩はうちわを拾って、私の指示通りに視線を窓の外に向ける。
そして、ぱたぱたと扇ぎながら憂鬱そうに溜め息をつく……寸前、浴衣の胸元をするりと開いた。
梓「わ……」
ぱしゃ。
唯「ね、ねっ、どーだった、今の!? あずにゃん的には合格!?」
梓「だ、誰が浴衣をずらしてくださいって言いましたかっ!?」
ぴ、ぴっ。
唯「うわ、えっちぃね。あずにゃんにしか見せらんないよ、こんなの」
梓「……こほん。それは後で削除するとして、次の撮影をしましょうか」
唯「え〜? 消しちゃうの?」
消すか消さないかは、またその時の気分ですけど。
梓「え、えと、唯先輩。こっちにきてください」
唯「んう?」
梓「もっとこっちです」
唯「こお?」
私の膝の上に、唯先輩がもたれかかる。
さっき浴衣をはだけたせいで、微妙にえろいやらしい。
梓「お願いですから、そのまま、何もしないで……え、えと、何ていうか……えっちしたいなーっていう感じで、レンズに目線送ってもらえます?」
唯「ん……声に出しても、いいよね?」
梓「んくっ……は、はい」
接写になるっぽいけど、ピントは自動で合わせてくれるみたい。
だから、膝上の唯先輩の、頭から腰の辺りまでをフレームに収めていたんだけど。
唯「したいよ、あずにゃん……ずっと、ずっと、今朝会った時からずっと、えっちぃことしたくて堪らなかったんだよぉ」
唯「それなのに、誤魔化されたり、逃げられたりして、私……もお、こんな近くであずにゃんとくっついたら、本当に我慢出来ないよぉ」
ぱしゃ。
梓「…………」
唯「ね、撮れた? 撮れた? どお?」
ぴぴ、ぴ。
唯「……撮れてるけど……どうかな、あずにゃん?」
梓「……えろっちぃ視線で、何かこう、全身からえっちぃことしたいオーラも出てて、とってもいいんじゃないかと」
唯「えへ。今の、かなり本気で言ってたもん……あずにゃんが何も感じてくれなかったら、とっても悲しかったかも!」
い、いえ、デジカメを構えてなかったら、がばっと覆い被さってたかもしれませんよ。
こんな……っく、えろっちぃ視線で姿勢で雰囲気で、まさかまだ明るいのに私を本気で誘ってらっしゃいますか?
梓「私、にも、そんな余裕があったら……是非、撮らせてください」
とりあえず、カメラを置く。
自由になった両手を、唯先輩の背中から回して抱き締めて、左右の膨らみを揉みしだく。
唯「んぅ……ん、んあ、はぁ……あ、あっ、やん、カメラ使えないよ、あずにゃぁん……い、いいのぉ?」
梓「カメラなんて、正直なとこ、どうでもいいです。それよりも、唯先輩とエッチするのに集中したいですから」
私に余裕があって、唯先輩にも隙があれば勿論狙いますけどね。
でも、今は唯先輩の胸を触りたくて、隣り合っていた身体を重ねるように持ち上げて、私の膝に乗せる。
唯「んはぁ……あずにゃん、どんどん上手になってきてる……ちょっと触られただけなのに、私、もおとっても感じちゃってるよ」
梓「唯先輩だって、私をいじめる時はすっごい勢いじゃないですか。感じすぎちゃって、イかされちゃって、でも許してくれなかったり?」
唯「んんっ、はうぅんっ……んく、あぅ、ああ……い、いぢわるぅ……♪」
私自身のそれとは程遠い膨らみを、こねるように揉みほぐしていく。
痛い場所はわかってる。痛くない……気持ちいいところも、知ってる。
唯先輩が甘い声ばかりを上げてくれるように、精一杯の気持ちを込めて指先に集中、集中。
唯「はぁんっ、あっ、あああっ……やぁ、感じちゃうよっ……あずにゃぁん、あ、あっ、気持ち、いいっ……!」
梓「唯先輩って、乳首、もっと感じますよね?」
唯「ひゃあ!?」
梓「私にする時は、ちょっと怖いくらいなのに……される時は、とっても可愛いんですねえ?」
唯「んんっ、あ、ふあ……わ、私、怖い……? あずにゃんのこと、怖がらせてた?」
梓「ものの例えです。雰囲気が怖い、とか……そういう意味で。本当に、存在自体が怖いと思ったことは……あったりなかったり?」
怖いと思ったことはあっても、それはエッチの最中だけのことであって。
普段は何ともないっていうか、こう、抱き着いたり抱き着かれたりでぽやぽやの幸せな気分にさせてくれるし。
唯「ん、ふぅ……わ、私のこと、怖く、ない……の?」
梓「怖いハズがありません。だって、こんなに……ちゅ、ちゅっ……んむ、ちゅむ……こんなに好きなんですから」
唯「あ、あは……嬉しい……♪ ね、ねぇ、キスぅ……もっと、してぇ?」
梓「はい……ん、んく、ちゅ、ちゅう……んむ、ちゅっ、ちゅちゅ、はぷ……あむあむ、はむ……れるっ」
口付けだけでなく、甘噛みも織り交ぜる。
歯形が付いたら困るだろから、本当に、軽く、かぷって。
唯「んぅ♪ んん、んー……気持ち、いいっ、あずにゃぁん……♪」
梓「それは、どうもです……んはぷ、んちゅ、ちゅくっ、ちゅう……あむはむっ、くぷ……」
と、言われても。
背中や肩に吸い付いているだけじゃ、何だかちょっとつまらない、から。
唯先輩が震えながら浮かせている腕の下へ頭をくぐらせて、その先にある膨らみへ口を付ける。
梓「んちゅう……ちゅっ、ちゅっぷ、んむっ……はむむ、んっ、ちゅ、くちゅる」
唯「ひにゃ!? にゃ、あ、あぅぅ……あずにゃっ……ちょっ、ちょぉ……! いきなり、おっぱいは、駄目ぇ!」
梓「じゃあ、おっぱい舐めたり吸ったりします……で、いいですよね?」
唯「うく……よ、よくない、よ?」
梓「今更そんな都合は知りません……んむ、ちゅううっ、ちゅ、ちゅくく……んむ、はぷちゅ」
本気で嫌だったら、私を跳ね除けてどっかに行っちゃうハズ。
それをしないで、私の傍で、私が与える刺激に震えているっていうことは……つまり、本気で嫌がってない、っていうことですよね?
梓「ちゅううっ、んむ、んう、くちゅ……ん、ふ……乳首、吸わせてくださいね?」
唯「んふぁ、あぁ、あぅ……や、やあ、そんな、あずにゃぁん……」
梓「ちゅううっ、んちゅ、ちゅくっ、ちゅちゅっ……んちゅううううっ」
唯「ふにゃあああああああんっ!? ああ、あっ、ひゃああああんっ!」
びくびくんって、唯先輩の身体が痙攣する。
おっぱいだけでイくなんて、っていう人もいるかもしれないけど、唯先輩はイっちゃう人なんですよ。
……私も、ですけど。
梓「んふ、ちゅ、くむっ、れるりゅ、りゅぷ……んっ、ちゅっ、ちゅうううっ」
おっぱいを揉みながら、更に乳首にも刺激を与える。
どっちが気持ちいいのか、それは、唯先輩にしかわからないけど。
唯「んひっ、ひ、ひゃああああん! 駄目ぇ、あっ、あずにゃんっ! イっちゃうよ、私もおイっちゃうよおおっ!」
梓「ちゅっ、じゅちゅっ、くぷちゅ、ちゅるるっ……んむ、んむむくぷ、ちゅむむっ、れるれるるっ」
唯「あ、あっ、あああああ! ひゃああああああああんっ!」
唯先輩が、胸元を突き出すようにしながら全身を硬直させる。
ゆ、と意地悪く乳首を歯の先で引っかきながら口を離すと、その瞬間にびくんって揺れて、私の膝の上でぐったりと脱力する。
唯「ふあ……あ、あっ、んぁぅ……ま、またぁ……おっぱいだけ、で、イかされ、ちゃった、よぉ……♪」
何となく、意地悪をしたい気分。
だから、傍のカメラを構えて、唯先輩の全身を一枚。
気付かないでいる表情を一枚。
……気付いた表情を、一枚。
ぱしゃ。
ぱしゃ、ぱしゃ。
唯「あぅ……や、やぁん……あずにゃん、こんなとこ撮るの、意地悪だよぉ……」
梓「唯先輩だって、後で私をイかせて、骨抜きのふにゃふにゃにして、こういう写真を撮るつもりだったんですよね? お相子ですよ」
唯「んぅ……」
梓「……そんなつもりはなかったんだよぉ、とか反論してくださいよっ」
ぱしゃ。
唯「ね、ねえ、あずにゃん。お願いがあるんだけど」
梓「……はい?」
唯「今の、イってる顔の横で、私にちゅうしながら、一枚……撮ってくれないかな?」
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:52:22.44 ID:hU0PiRNrO
来たか
今度は変なの来ないといいな
ええ、いいですとも、喜んで。
梓「んじゃ、撮りますよ」
唯「えへー」
梓「ちゅー……」
ぱしゃ。
唯「ね、私の顔、やーらしかった?」
梓「はい、とっても。下品な言い方をすれば、オカズに使えるくらいでしたよ」
唯「えへへ……嬉しい。あずにゃんに、そんだけ感じさせてもらったってゆうのが、とっても嬉しいよ」
梓「……まぁ、オカズはともかく……もうしばらくしたら夕食の時間です、ゆっくりじっくり落ち着いて、興奮を覚ましましょうね」
唯「うん」
いきなり冷水を浴びせるような真似はしない。
いつもとは逆に、私が唯先輩を抱っこして頭をなでてあげたり、湯船から出て火照りが冷めるのを待ったり。
唯「ん〜……」
梓「落ち着きました?」
唯「うん……多分、だいじょぶ。さ、ご飯の前にあずにゃんのお茶をいただこっかな!」
もう平気そうですね。
では、早速お茶の用意をさせてもらいましょうか。
おゆうはん!
座ったまま、後ろから唯先輩に抱っこしてもらいながら、ぼんやりとテレビを眺める。
チャンネルが少なくて、面白い番組もやってなかったけど、何の音もなければまたえっちぃことを始めちゃいそうだったから。
もうすぐ旅館の人が食事を運んでくる頃だもんね。
唯「んふぅ〜……ご飯食べたら、また温泉に行こっか。カメラ持って」
梓「んにゅ……いいですよ。ただし、私を写す時にはきちんと許可取ってからにしてくださいね」
唯「うん〜。いや、でも、あずにゃんの抱き心地は相変わらず最高だねぇ〜♪」
梓「唯先輩こそ……んにゅにゅ、んぅ……温泉のお陰で、お肌がいつもよりもっちりしてますよ?」
唯先輩の肌にほっぺをすりつけたり、お腹のとこに置かれた手を握ったり、その指の腹をぷにぷに押してみたり。
やー、何ていうか、人目も時間も気にせずこうやって、一見無駄な行為をしながら甘えられるのっていいですよね。
女将「お客様、失礼いたします」
唯「あ、はーい」
ちぇ、時間が来ちゃったか。
私はちょっぴり残念に思いつつ、唯先輩から離れてテーブルの向かい側に移動する。
女将「お食事のご用意が出来ました。お運びしてよろしいですか?」
唯「待ってました! よろしくお願いしまーす」
女将「かしこまりました」
女将さんが合図をすると、次々とお膳が運び込まれてくる。
テーブルの上は、あっという間に食べきれない程のご馳走で埋め尽くされてしまった。
唯「わあ! すごいすごい、美味しそうだね、あずにゃん!」
梓「は、はい……」
んぐ、って思わず生唾を飲んじゃう。
女将「石焼きとお鍋の方、熱くなっておりますのでご注意を。では、何かございましたらお申し付けくださいまし」
唯「はーい!」
梓「ありがとうございます」
唯「っと、記念撮影、記念撮影……」
ぱしゃ、って。
結構こまめに撮りますね、唯先輩。
唯「んじゃ、いっただっきまーす!」
唯先輩ってば、女将さんが退室する前に大声で叫んじゃって、ああもう恥ずかしいなあ。
けど、その気持ちもわかるっていうか……わ、私も!
梓「いただきますっ」
キノコの炊き込みご飯に白子の味噌汁、天ぷらとお刺身がそれぞれ盛り合わせにされてる。
石焼き、っていうのはこれかな? 豚肉に見えるけど……ううっ、じゅーじゅー焼けてて美味しそう。
唯「はむはむはむ、んぐ、もぐもぐごくんっ。美味しいよあずにゃん! すっごく美味しい!」
梓「そんなに慌てて食べなくても、なくなりませんよ……もぐもぐ」
……はっ。
こ、これは! 丹精込めて育てられた最高級豚肉の霜降り部位を云々かんぬん、実は全然知らないけど。
梓「もぐもぐもぐもぐ……こ、こんなご馳走ばっかで大丈夫なんですかね、宿泊料金の方っ」
唯「今更気にしたって仕方がないよ! 折角だから目一杯楽しもうよ!」
何かものすごくお高い感じですけど、確かにその通りですね。
ええ、腹が減っては戦が出来ぬといいますし。
唯「もぐもぐもぐもぐもぐ」
梓「もぐもぐ……ごくん」
しょくご!
唯「ご馳走様でした! とっても美味しかったです!」
梓「ご馳走様でした」
食器を片付けにきた女将さんに、唯先輩と揃ってお礼を言う。
はー。食べ過ぎちゃったかも、体重計に乗るのが怖いかも……。
女将「あらあら、ありがとうございます……お布団は如何いたしましょう?」
唯「布団はひとつ、枕はふたつでお願いします!」
梓「ちょっ……そういう意味じゃないですよ! あ、あの、私達また温泉に入ってきますし、戻ったらすぐ寝ますから、敷いといちゃってくださいっ」
女将「あらあら……ふふふ、かしこまりました」
唯「ええ〜? あずにゃん、すぐに寝ちゃうの? ゆっくりいちゃいちゃしようよぉ〜」
梓「ううっ……何という無駄恥……」
もお、唯先輩ってば見知らぬ人相手に何てこと言うんだろ。
旅の恥はかき捨てって言うけど、わざわざ羞恥プレイの渦中に飛び込む必要はないでしょうに。
おんせん!
唯「あずにゃ〜ん。ポーズ決めて、ポーズ! ちょおいやらしいやつ!」
梓「嫌ですよ……は、はい。こんな感じでどうです?」
ぱしゃ、と間髪入れずにフラッシュの光。
唯「いいねいいね〜。その調子でタオル取ってみよっか!?」
梓「駄目ですっ。他に誰もいないからって、そこまで恥を捨てきれませんのでっ」
唯「ううぅん、あずにゃんのいけずぅ〜♪」
温泉に浸かるというよりは、代わりばんこに撮影会をしてる感じ。
唯先輩は、かなーりご機嫌な様子。
唯「あのねあのね、あずにゃん。さっき、ムギちゃんからもらった割引チケットを確認したんだけどね」
梓「はい?」
唯「ひとりよんせんえんでいいみたいだよ! こんなに素敵な旅館だけあって、素敵な割引率だよね!」
梓「……はい? 旅行費用は、一緒に計算して確認しましたよね」
唯「うん。あ、でもね、ムギちゃんが『間違えて期限切れのチケット渡しちゃったの〜』って、交換してくれたんだけど」
えっと、確か私が受け取った時は八千円になる計算で、結構痛い額だけど唯先輩との思い出作りだし、とか思ってた覚えがあるんですが。
それでもいざ泊まってみたら、八千円で済ませるのが申し訳ないくらいの豪華な旅館で。
唯「ちゃんと携帯の電卓で計算したよ? 私も、いくら何でも安すぎじゃないかなー、どこ間違ったかなーって思ったんだけど……」
梓「はあ……ムギ先輩に、後でしっかりお礼を言わないといけませんね。割引チケット、超特別優待チケットにしてくれたみたいですから」
唯「……うん、そうだね。ふけーきとかオフシーズンとか言っても、こんな素敵な旅館が貸し切りだなんて、やっぱりおかしいもんね」
んう……これじゃあ女狐だとか、心の中でだって失礼なこと言えないじゃないですか。
あの人は気にしないんだろうけど、おっきな借りが出来ちゃった気分ですよ。
梓「あの、唯先輩。ムギ先輩へのお土産、ってわけじゃありませんけど……欲しがってた写真、一枚だけならあげてもいいかなと」
唯「え? あずにゃん、嫌だったんじゃないの?」
梓「いえ、嫌なのは嫌なんですけど、それは唯先輩との本気でラヴい写真を他の人に見せるのが嫌なわけで……明日、旅館の前で抱っこしてもらって、ってくらいなら構いませんよ」
唯「そっかぁ。じゃ、女将さんにお願いしないとね」
梓「はい」
ムギ先輩のご期待には添えそうにありませんが、お陰様で唯先輩と楽しい旅行が出来ましたよー、っていう気持ちということで。
唯「んじゃー、それはそれとして! あずにゃん、はいえろポーズ!」
梓「ふぇっ!? え、えっ、わあ!?」
ぱしゃり。
唯「う、うわあ……今、すっごいの撮れちゃった……」
梓「なっ、何ですか!? どんなの写しちゃったんですかぁ!?」
唯「んへへへへ。おぜうさん、この恥ずかしい写真をばら撒かれたくなかったら、もっと大胆な写真を撮らせてーん♪」
梓「どーいう理屈ですか、それっ! やだもう、今度は私が唯先輩を撮る番ですよ!」
わいわい、きゃいきゃい、ざぶーん。
温泉って本来、もっとしっとり楽しむものなんだろうけど。
唯先輩にかかれば、どうしてもこうなっちゃうのは仕方ないかなあ。
おねむ!
唯「ふあゎ……んにゅうー」
梓「は、はしゃぎすぎましたね、さすがに……温泉に入って逆に疲れるとか、有り得ません……」
ふたりしてへとへとになりつつ、部屋に戻る。
まぁ、お昼の観光の疲れがどっと出たのかもしれないけど。
唯「……ふぉぉぉ!?」
梓「どうしたんですか、唯先輩?」
先に部屋に入った唯先輩の背中にぶつかりそうになって、慌てて足を止める。
唯「や、や、や……やったー! これだよこれ! 温泉旅館っていったらこれがないとね!」
……って。
梓「唯先輩が変なこと言うから、本当にお布団ひとつだけしか敷いてくれてないじゃないですかぁ!」
唯「んふー……枕、ふたつ並べてあるよ? ちゃあんと、枕元にティッシュも置いてくれてるしぃ」
梓「雰囲気出そうとして声色変えても駄目ですっ。そ、そりゃあ、一緒に寝るつもりでしたけど……その、えっちぃことする体力、残ってないってゆうか……」
唯「あずにゃん。エッチはいつでもどこでも出来るけど、温泉旅館でひとつの布団で寝るっていうのは、なかなか経験出来ることじゃないよ?」
そんな真面目な顔で力説されても困るんですが。
ああもう、早速記念写真撮ろうとしてるし。
唯「あずにゃんあずにゃん、ほらほら。横になって一緒に記念撮影しよ! 早くっ」
梓「はあ……んもう、唯先輩ってば、本当に仕方ないですねえ……」
唯「ん……あずにゃん、も少し寄って、ほっぺぴたーってなるまで。うん、後ろのティッシュも入れて……はい、撮るよー」
梓「も、もうっ……こんな恥ずかしい写真、撮るなんて……」
ぱしゃ。
唯「はー、満足満足。それじゃあ……お風呂にする? エッチする? もう寝ちゃう?」
梓「さっき、私もう体力残ってないって言いましたよね?」
唯「にゅー。あずにゃん、寝るのはいつでもどこでも出来るけど、温泉旅館でひとつの布団でえちーことするっていうのは……」
梓「写真撮る前と言ってること微妙に変わってますよね」
唯「……わかったよ。今夜は大人しく寝るよ……」
梓「はい。そんでは、私はお先に……ふわゎゎゎ……んにゅぅ……」
汗も引いたし、髪もほぼ乾いてるし、歯磨きも済ませてあるし。
さ、明日は朝ご飯をいただいたら、すぐに出発しないと。
唯「電気消すよー」
梓「ふぁい……おやしゅみなしゃい、唯しぇんぱぁい……」
布団に潜り込むなり、強烈な睡魔に襲われる。
でも、もうちょっとだけ、起きてないと。
唯「んしょ、んしょ……えへー。あずにゃん、おやすみぃ」
梓「んにぅ」
唯先輩も同じ布団に入ってきて、当然のように私を胸の内に抱き締めてくれた。
ちょっとだけ頭を動かして、谷間のところに鼻先を埋めて、収まりをよくする。
……うん。これで快眠は約束されたも同然です。
唯「えへへへへ。おっぱい好きなあずにゃん、大好きだよ」
何とでも言ってください。
こんなにあったかくて柔らかくて、気持ちいいモノをお持ちな唯先輩のせいなんですからね。
梓「……ゆぃしぇんぱ……だぃ、しゅき……れふ……すぴゅー……」
まよなか!
梓「むにゅ……」
ふと、目が覚めた。
別におトイレに行きたくなったわけでも、寝苦しくなったわけでもない。
ただ……何だか、むずむずする。
唯「……すぴょぴょ……んぅ〜……にゃふ〜……」
どう、しよう、かな。
すやすや眠ってる唯先輩を起こせないし、寝る前にあんなこと言った手前、お願いするわけにもいかない。
しょうがない、自分でするしかない……かな。
梓「んっ……んん、ふ、ふぅ……」
浴衣の裾に手を入れて、自分を慰める。
ちょっとくらい無理をしてでも、えっちぃことしてもらえばよかった、かな。
梓「んぁっ、あっ、あふぅ……っく、ん、んきゅ……きゅぅんっ……」
唯先輩、きっと私をへろへろにして、恥ずかしい写真を撮るつもりだったんだろうな。
気持ちよくなっちゃって、もう正体も怪しくなった辺りで、えろいやらしーポーズなんか取らせるんだ、絶対に。
梓「んぅ……ゆ、唯先輩っ……はぁ、はぁぅ……んくっ……」
こんなに密着して添い寝してるのに、何してるんだろ、私。
でも、起こすの可哀想だし……あ、そうだ、ちょっとだけなら。
梓「唯、せんぱぁい……指先だけ、ちょっぴり、貸してください……ん、しょ……んくぅ」
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:18:31.20 ID:NR7CUi6M0
食糞!食糞!
さっさと食糞!
唯先輩の腕を動かして、指先が私の股間に触れる位置へ。
そして、私の指を添えて、また淫らな行為に耽る。
梓「はあっ、は、ああ、唯先輩っ……んく、ぁう、き、気持ちーです、唯せんぱぁいっ……ああ、あふっ」
唯「すぴゅぴゅ……すぅ……くふぅ〜……」
梓「あ、う、そこっ……唯先輩、そこ、とっても感じちゃうですよぉ……っはう、はぅんっ……あっ、あああっ」
気持ちよくって、時々、身体が跳ねる。
密着した唯先輩も一緒に揺れるけど、眠りが深くて全然気付いてないみたい。
……もう少しだけ、もう少しで済みますから、眠ったままでいてくださいね?
梓「んっ、ん、んんぅ、ふぁ……あは、い、いいですぅ、唯先輩、気持ちいいですぅっ……んっ、くぅっ、んんん!」
もう、少し……もう、済みます、から。
梓「ふああ、あっ、駄目だめ、イくっ、あっ、イきます、唯先輩っ……私、イっちゃいますっ、ああ、ふにゃあああっ!」
全身に走る快感を、ぎゅううっ、と唯先輩の腕にしがみついて堪える。
声も、出来るだけ我慢したつもりだったけど、唯先輩の指先が、酷く敏感になっている私のあそこを優しくさすってくれるから、まだ快感が止まない。
……え?
梓「んぅ、あ、にゃうっ……も、もしかして……唯先輩、起きちゃってます……? い、いつから、ですか?」
唯「んう……あずにゃんが、イっちゃう直前かな? んもー、起こしてくれればよかったのにぃ」
梓「はうっ、んんんっ……んにゃ、は、はう、すみませんでした、からっ、もお、指っ……んく……ふにゃあ」
唯「あずにゃんのえっち。私の指、勝手に使うなんて……どうしてくれるのかなあ?」
あ……何か、唯先輩の目が意地悪モードになってる気がする。
梓「こ……こお、します……んっ、あむ、ちゅるる……ぴちゅ、んく、ちゅぴる」
唯「わぁ、お口で綺麗にしてくれるんだ……ちょっと予想外だったよ」
ぱしゃ。
梓「ひんっ!? んふ、ぷぁ……しゃ、写真は、駄目ですよぅ」
勝手に手指を使っちゃったのは謝ります。
けど、私の愛液にまみれた指を私自身が舐めてお掃除してるところなんて、写さないでください。
唯「指、早く綺麗にしてくれないと……お布団めくって、きっと大変なことになってるあずにゃんの格好を写しちゃうよ?」
梓「ふぁ、ふぁい……っんむ、くむっ、ちゅるる、れるぷ、はむ……ん、んあ……」
そんな写真を撮られたら、私、恥ずかしすぎて死んじゃうかもしれないです。
唯先輩の指、一生懸命に綺麗にしますから、どづか許してくださいよぅ。
梓「んむっ、ふう、くぷぷ、ちゅっ、れる、れろっ……んふ、ちゅううっ、ちゅ、ふあ……はあ、はぅ……唯先輩、これで、どおでしょう?」
唯「ん……うん、結構気持ちよかったし、綺麗になったね……けど、駄目。私が隣にいたのに、ひとりでえっちぃことしたのは許せないよ」
ばさっとお布団が剥ぎ取られる。
浴衣は勝手にまくれてて、私と唯先輩の素足が絡み合ってるいやらしい光景。
そして……太ももの途中まで脱ぎかけの、私の縞々ぱんつ。
梓「や……や、です……唯せんぱぁい……」
唯「駄ぁ目。撮っちゃうからね……はい、チーズ」
ぱしゃ。
ぱしゃぱしゃ。
梓「やああっ! お願いです、許してくださいっ! も、もうこんなことしないから、だからっ」
唯「……本当に? 約束?」
梓「約束します……んく、ぐす……本当に、唯先輩と一緒の時は、無理に起こしてでもえっちぃことしてもらいますから……」
唯「そっか、うんうん。それならいーんだよ。もう今夜は写真は撮らないであげるね」
うう、消してくれるわけじゃないんですか。
唯「んじゃ、少しだけ一緒にお風呂に入ろっか。拭くだけより、洗った方がすっきりするでしょ、お股」
梓「うく……は、はい……」
私、唯先輩を起こす気は全然なかったのに……こんな目に遭わされるくらいなら、最初からお願いしてた方がよかったかも。
よくじつのあさ!
唯「おはよう! 清々しい朝! そしてあずにゃん、今日もよろしく!」
梓「おはようございます……はあ」
唯「おりょ? 元気ないね、あずにゃん……もしかして夜中、私が目を覚ます前に、何回もひとりエッチしてたのかにゃ〜?」
梓「あの一回だけですよっ! 元気ないのは、その……唯先輩とお風呂入ったら、結局またエッチに雪崩れ込んじゃったせいです……」
さっとお湯を浴びて流すだけでよかったんだけど、唯先輩がわざわざ背中を洗ってくれたり、湯船の中で後ろから抱っこしてきたり。
それだけなら安眠出来たかもしれないのに、本格的に唯先輩のスイッチが入っちゃったみたいで……大変だったなあ。
でも……えへ、えへへ……自分でするより、すっごく気持ちよくしてもらっちゃったなあ。
唯「朝ご飯はなっあにっかなぁ〜♪」
洗顔を済ませ、浴衣から着替えつつ鼻歌を鼻ずさむ唯先輩。
私と同じくらいしか寝てないのに、この人はどうして元気なんだろう。
もしかして夜中のエッチの時、私の元気を吸われちゃったのかな。
梓「普通に、ザ・和食って感じの献立だと思いますよ」
唯「そうだね〜。むしろそうでないと拍子抜けだよ」
私も着替えて洗顔、戻ってくると仲居さん達が手早くお布団を片付けているところだった。
……へ、変な染みとか、出来てないかどうか確認はしたけど……バレたりしないよね?
女将さん「おはようございます。昨夜はお楽しみでしたね」
梓「んにゃっ!?」
唯「やーん、うふふふふ。お布団ありがとうございました」
女将「あらあら、本当に可愛らしいですこと」
な、何が!? 誰が!?
っていうか会話してくださいよ! 意味深な微笑みを交わしてないで!
女将「では、朝食のご用意をいたしますので、少々お待ちを」
唯「はい! よろしくお願いします!」
梓「ううっ……少しくらい恥ずかしがってくださいよぉ……」
私の呟きをよそに、てきぱきと並べられていく料理。
白いご飯に焼き鮭、お味噌汁、海苔と卵と小鉢。
唯「ザ・和食だね! あずにゃん!」
梓「そうですね、ええ……」
わかりましたよ、もう。
旅の恥はかき捨てですもんね、こうなったらちゃんと腹ごしらえするですよ。
女将「それではごゆっくりどうぞ。ご出立の折には、フロントまでお電話くださいませ」
唯「はーい」
梓「どもです」
唯「んーと……ほっ」
ぱしゃ。
唯「んじゃ、食べよっか。あずにゃん」
梓「はい」
唯「いっただっきまーす!」
梓「いただきます」
んぐもぐむぐ……うん、美味しいですね。
安宿だと、焼き鮭なんかはすっかり冷めたのが出てくるのに、まだ湯気がほこほこですよ。
唯「もぐもぐ……何から何まで美味しいね、すごいねこの旅館」
梓「はい……んぐ、もぐ……ここら辺って、どうも海産物に力を入れてるみたいですが」
あ、でもお味噌汁の具は豆腐とお揚げ。
まぁ、朝から丼でアラ汁なんて出てきてもちょっと引きますが。
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:30:32.76 ID:NR7CUi6M0
食後のデザートに食糞!食糞!
朝御飯を食べた後は、腸の蠕動運動が活発になるのにゃん!
つまり食糞を行うには一番いいタイミングなのにゃん!
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
唯「海産物? んぐ、ずずー……」
梓「はい。昨夜だって、お肉は申し訳程度にしか出てきませんでしたし、昨日のお昼も海鮮丼だったりしたじゃないですか」
唯「そういえば、そうだったねえ……天ぷらも海のものばっかりだったし、美味しかったけど」
梓「お魚苦手な人は、ちょっと厳しいかもって、レポートに一筆書いておいてもらえればと……もぐもぐ」
うわぁ、この海苔、味付きじゃない……高いやつだ。
うーん、海苔だけ取っても少し贅沢な気分。
唯「はむっ、もぐもぐ……おひつにお代わりご飯があると、得した気分になれるよね」
梓「はい? いえ、私、朝からお代わりってしない方なので……」
唯「だって、鮭で一杯、卵で二杯。小鉢とお味噌汁で三杯は食べられない?」
梓「んず、ずずー……私はそんなに食べられません。よかったら唯先輩、食べ過ぎない程度にどうぞ」
唯「まーかせて! あ、あずにゃんの分の卵、食べないんだったらもらっていい?」
梓「は、はい……四杯目確定ですか」
唯「大丈夫、ここのお茶碗うちよりちっちゃいから!」
何ていうか、朝からどんな食欲ですか。
っていうか、よく入りますね、そんなに。
っていうか、絶対太りますよね? 太らないハズがないですよね?
でっぱつ!
女将「お泊まりいただきまして、誠にありがとうございました。機会がありましたら、どうぞまたお立ち寄りくださいまし」
唯「いえいえ、こちらこそほんとーにお世話になりました! ご飯もとっても美味しかったし、温泉も気持ちよかったです!」
梓「……私も、その……お世話になりました」
女将「うふふふふ」
ううっ、そういう含んだような笑い方されると、とっても恥ずかしいんですけど。
唯「あ、そうだ! すみません、シャッターお願いします! 記念写真撮りたいので!」
女将「はい、こちらのボタンでよろしいですか?」
唯「よろしいです!」
梓「ちょ……唯先輩、そんな言い方は失礼ですよっ」
……なぁんて、心配して恐縮する私のことなんてお構いなし。
唯先輩は、私の手を引いて旅館ののれんの前に立つと、背後から覆い被さってくる。
唯「んへ〜……あずにゃん、笑顔だよ笑顔っ! あと、ピースピース!」
梓「ん、んもう……普通に恥ずかしいのに、無理言わないでください……」
それでも、まあ、記念だから。
ぎゅっと抱き締められながら、ほっぺをむにっとすりつけながら、手をチョキにして前に出す。
女将「いきますよー、アイキャンフラーイ」
唯「アイキャンフラーイ♪」
梓「フラ!?」
ぱしゃ。
梓「あ」
唯「……どうでした?」
女将「可愛く写ってらっしゃいますよ、ほら」
唯「おお……こりはなかなか」
い、一体何がどうなって『なかなか』なんです!?
ちょ、唯先輩、見せてくださいよ!
女将「では、駅までお送りいたします。道中、お気を付けてどうぞ」
唯「はーい。ありがとうございました!」
梓「ううっ……あ、ありがとうございました……」
色々問い詰めたり撮り直したいとか思うんだけど、電車の時間が迫っていた。
いいや、うん、こういう時って割とまともに写ってることが多いし。
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:36:44.56 ID:NR7CUi6M0
きっと、唯はあんまり栄養が吸収されずにそのままウンチとして出ちゃってるに違いないのにゃん
つまり、唯のウンチは栄養満点でなおかつ大量なのにゃん!
しんかんせん!
唯「また駅弁買えなかったよ……」
梓「乗り遅れたら元も子もないですよね」
唯「ううっ、お願いだよあずにゃん。車内販売のお姉さんが来たら必ず呼び止めておくれ」
梓「え?」
唯「何かね、朝ご飯一杯食べたせいか、何だか眠くなってきて……」
いえ、まさか、そんな。
梓「そっ、そうだ唯先輩! 私、実は寝不足だから帰りは寝ようと思ってたんです! あー眠い! おやすみなさいっ」
一気にまくし立てて、ぱふっ、と唯先輩の胸に顔を埋める。
……手すりが邪魔だなあ、って思って、先に上げておくべきだったと思いつつ、寝たふりをしながらぐいっと。
唯「……あずにゃん?」
梓「……すー、すー……」
唯「……まぁ、買えなくてもいっか。一緒に寝よ、あずにゃん」
梓「ん……すーすー……すー」
唯「さすがに身体を斜めにしてまでおっぱいに顔を押し付けるのは、無理な姿勢だと思うよ?」
ええ、もう早くもキツいなあって思ってたところなんです。
梓「……こお、でもいいですか?」
唯「うん、いいよ。窮屈そうだけどね」
梓「いえ、そんなことないです。私ちっちゃいですから」
丸まって、唯先輩のお膝の上に頭を乗せて、目をつむる。
……うん。割と、悪くない寝心地です。
唯「ふぁ……おやすみ、あずにゃん」
唯先輩は、私の肩と頭に手を置いて、優しくなでてくれて。
何か、猛烈に眠かったわけじゃないのに……段々、眠く……。
梓「おやすみ、なさい……」
ぐっすりと眠って、私が先に起きた頃に丁度車内販売が回ってきて。
お昼もお腹を空かせることなく、私達は無事に家に帰り着いたのでした。
そのご!
唯「旅館の前で記念撮影した写真を持ってきたよ、ムギちゃん!」
紬「えっ? 写真は撮らないハズじゃあ……レポートはもう書いてもらったし……」
唯「あずにゃんがね、ムギちゃんのお陰で素敵な旅行が出来たから、一枚だけあげてもいいって!」
梓「……ま、まあ、そういうわけです……あ、USBメモリは返してくださいね」
照れ臭いけど、ムギ先輩のお陰なのは間違いないし、心ばかりのお礼というか。
勿論、私がチェックしてUSBメモリに一枚だけコピーして、ですけど。
紬「あらら、まあまあ♪ 私、後輩に不器用ながらも気を遣われるのが夢だったの〜♪」
梓「どんなピンポイントで歪んだ夢ですかっ!?」
紬「うふふ。ありがとう、梓ちゃん。このUSBメモリ、うちの家宝にするわね〜」
梓「それ1個しか持ってないんで、写真コピーしたら返してくださいってば」
さり気なく宝物にされるところだった、危ない危ない。
唯「そんでね、次のデートはいつにしようか話し合ってるところなんだけどー」
紬「むっ!? ふむふむ、是非私にも相談して欲しいわね!」
唯「こないだはムギちゃんに甘えすぎだったから、今度は近場でどうかなあって」
紬「気にしなくていいのに……丸二日拘束されるモニターアルバイトの日当だと思ってくれれば、妥当なラインだったんじゃないかしら?」
梓「ええとですね、頻繁に旅行に行くというのも何ですし……ちょろっと出かけてうちに帰って、一緒にごろごろするとか、そういうのもいいなあと」
紬「ふむふむ! 念の為、そのごろごろの内容を詳しく聞かせてもらえないかしら!」
唯「ええとね、私があずにゃんを抱っこして座ってね、何となくそーゆー気分だったらあずにゃんの身体を触っ」
梓「ちょおおおおおっと! 唯先輩!?」
紬「ふむふむふむ! ちなみに、梓ちゃんがそーゆー気分の時は!?」
唯「うぅん、それがまた可愛いんだよぉ。ほっぺすりすりって甘えてきて、おっぱ」
梓「わ、わーわー! わああ! も、もう用は済みましたから! 帰りましょう、唯先輩!」
唯「えぇー」
どうしてそうナチュラルに何でもかんでもバラしちゃおうとするんですか、貴女は。
紬「ふぷっ……お、おっぱ?」
梓「ムギ先輩は少しハナチを自重することを覚えてください」
はあ。
やっぱり油断のならない女狐ですね、ムギ先輩は。
何ていうか……私と唯先輩の仲に強引に踏み込んでこないのはいいんだけど、それでも前途多難な予感がしますよ、んもう。
〜おしまい!〜
今回はこれにて終了だよ!
保守支援してくれた人ありまとう、お疲れ様ーノシ
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:49:09.06 ID:NR7CUi6M0
唯は憂によって徹底的に栄養管理されているから、かなり快便っぽさそう
固すぎもせず、柔らかすぎもせず、適切なタンパク質と食物繊維を含んだ絶品のウンチをするように
憂に調整されているに違いないにゃん
唯のウンチは、ウンチだけならという観点から見ればきっとあずにゃんすら凌ぐ一級品のウンチをするといっても過言ではないのにゃん
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:00:29.69 ID:NR7CUi6M0
乙にゃん!
実を言うとお前に食糞を書いてもらうことよりも
最近食糞を頑なに書かないお前のスレで食糞レスをする方がなんだか楽しくなってきたのにゃん
手段と目的が入れ替わってしまったのにゃん!><
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
乙ー毎度の唯梓お疲れさん
雰囲気がえろいよな
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:33:14.44 ID:xLK9BIOD0
乙なのねん
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:23:02.29 ID:abNRNBjt0
おわり・・・だと?
乙
次回も楽しみにしてるぜ
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:38:51.94 ID:sZrkMxop0
食糞なしで書いてくれてありがとう
前スレみたいにならなくてよかった
>>294 そうじゃなくて、書けないから逃げてるんじゃない?
あ、何でも書けるらしいから違うのか
ところで
>>1の文は特にモノローグの部分がワンパターンかつ気持ち悪いね
言葉の端の部分やふとした一言なんかにも気持ち悪さがよく滲み出てる
なんというか…オタク臭い文だよね
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:17:59.06 ID:wEWfm7qX0
黙々すぎんだろww
まぁ乙
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:20:13.04 ID:kEciWas30
何気なく読んでたらパンツに水たまりが出来てた
どうしてくれる
>>297 つまんなすぎて失禁したか…
気持ちはまあわかる
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 19:47:57.99 ID:YIjxPku+O
ぬるぬるの流れでオナニーしてしまった
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 21:05:20.92 ID:wEWfm7qX0
ところで次はいつ頃書く予定?
>>1 年越し唯梓やら新年唯梓やら期待してるんだが
とりあえず前スレのdatくれさい
ところで次はいつ頃書く予定?
>>1 食糞唯梓やら食糞唯梓やら期待してるんだが
お疲れ!
とってもいいSSだったよ!
ゆいあず最高
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 22:55:35.68 ID:0eWzxHo4O
唯梓最高
食糞最高
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 23:30:20.97 ID:WSZdmt470
食糞期待
食糞期待
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 23:59:37.61 ID:v3kW9TY/O
ぷんたかエレファントたのんだぞ
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:02:50.42 ID:xBaFG77yO
頼むぞ
かずにゃんのレスだけまとめるように
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:06:52.23 ID:xBaFG77yO
心配だからもひとつ
もう寝るが同士はいるはず………
SSちゃんねるかエレファント速報に乗るんじゃないかな