男「彼女いない歴=年齢の俺には関係ないや
さて、VIPでもやるか……ん?」
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
この速さで俺にアンカーをうっかりつけちゃった奴は
今年の冬はロングブーツを履いたすきとおるような肌の黒髪ショートの美少女と
クリスマスにデートすることになってしまう強力な呪いがかかるからくれぐれも気をつけろ
あり得ないと思うかもしれないけど、きっかけなんてこんなもんだ
男「……くだらねー。このコピペ貼ってる奴まだいたんだ……」
カチカチ――カタカタ、カタカタ……タン!
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>4 いつまでそんなことやってんだよ 馬鹿か
男「これでよしと」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 13:48:15.41 ID:xs4vNsD/O
支援してやんよ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 13:49:06.53 ID:G9/0Al6P0
この速さで俺にアンカーをうっかりつけちゃった奴は
今年の冬はロングブーツを履いたすきとおるような肌の黒髪ショートの美少女と
クリスマスにデートすることになってしまう強力な呪いがかかるからくれぐれも気をつけろ
あり得ないと思うかもしれないけど、きっかけなんてこんなもんだ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 13:49:28.46 ID:5lx3soFq0
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 13:50:33.32 ID:QTXzfGZK0
支援
7 :
>>1 THX! ◆1IahjnNtgQ :2010/12/24(金) 13:54:02.90 ID:ZJJoeNId0
男「さてさて、明日がクリスマスか。どうせ今年もなーんも無いからとっとと寝るか」
男「現実逃避して夢に逃げるって訳じゃないぞ……うん……」
………………………………………………………………………………
男「ふぁ……あー良く寝た。今何時だー?」
?「えっと、朝の七時ですね」
男「おー、何気に早く起きたな――って、えっ?」
?「?」
男「……誰?」
?「あ……自己紹介がまだでしたね」
?「はじめまして。女って言います」
男「……はい?」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 13:56:17.54 ID:ZJJoeNId0
男「えーっと」
女「どうかなさいました?」
男「いや、どうして俺の部屋に君が?俺、君みたいな子と知り合った記憶がないんだけど……」
女「あ、それはですね――。…………?」
男「どしたの」
女「えっと……なんでだろ?」
男「えっ」
女「そもそも、自分の名前と男さんの事以外なにも知りませんね、私って……」
男「……えっ」
女「……どうしましょう」
男(いやいやいや……それは俺の台詞だってばよ……。何これ何これ)
クリスマスねぇ・・・
今年も妄想いう時期になりましたか・・・・
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 13:56:58.02 ID:dHmZlaRP0
夢見る俺達は例えば今この現実が夢であったとしても夢である故に夢を見ていると気付けない
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 13:57:24.78 ID:R7LCKtsG0
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 13:58:37.60 ID:ZJJoeNId0
男「……軽く質問するよ?」
女「あ、はい。どうぞ」
男「君の名前は?」
女「女ですね」
男「どこに住んでるの?」
女「……………………あれ、わからない……」
男「……年齢は?」
女「ん、んーと……十八、かな?たぶんですけど」
男(どう見ても十五、六くらいにしか見えないっつーの……)
男「どうやって俺の部屋に?」
女「えっと……それもわからないです……」
男「分からない?」
女「気付いたらここに居たんです」
男「いったいどういうことだ……?」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:01:54.60 ID:ZJJoeNId0
男「えーっと、要約すると」
男「自分と俺の名前、それ以外はほとんど何も憶えていない」
男「まるで異次元から飛ばされてきたみたいに気付いたらここに居た、と――」
男「ああ、そうか成程」
女「ほえ?」
男「女さん、ちょっといいかな」
女「あ、はい。なんでしょうか?」
男「ちょっと俺を思いっきり殴ってみて」
女「……ええ!?」
女「い、いきなりどうしたんですか!」
男「いやー、これって俺の夢以外なんでもないとしか思えないのよ」
男「普段から俺ってエロゲーとVIPしかしてなくてさ。こんな妄想タラタラ流しながら彼女欲しいなーって思ってたのよねーあっはっは」
男「だから、今の俺にはこれが現実とは思えないわけ。というか夢なら夢でとっとと醒めたい……主に心が痛くなる前に……」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:03:23.52 ID:O3ksbUOD0
きも
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:04:16.66 ID:ZJJoeNId0
男(どう考えてもこれって現実じゃないしな)
女「えっと、あのその」
男(それにしても、この子すんごい可愛いな……)
女「ホント、大丈夫なんですか?」
男(粉雪みたいに透き通った白い肌。黒髪のさらさらショート)
女「じゃ、じゃあいきますよ?」
男(……ん?あれ、これって――)
女「え、えーい――ってはわぁあ!!?」
ゴヂッ――ン!
男「ごはぁ!!」
男「いてえ!頭超いてえ!!って痛い!夢じゃないだと!?」
男「……あれ、女さん?」
女「きゅ〜……」
男「頭にタンコブ作って目回してるよ……」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:04:59.62 ID:O3ksbUOD0
きも
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:06:31.76 ID:/ot1J3ScO
いや、ないわ。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:07:04.38 ID:ZJJoeNId0
男「よいしょ……。起きるまで俺の布団で我慢してもらうか」
男「……さて、確認してみよう」
男(昨日のスレ……これか)
男(これの4っと。あった)
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
この速さで俺にアンカーをうっかりつけちゃった奴は
今年の冬はロングブーツを履いたすきとおるような肌の黒髪ショートの美少女と
クリスマスにデートすることになってしまう強力な呪いがかかるからくれぐれも気をつけろ
あり得ないと思うかもしれないけど、きっかけなんてこんなもんだ
男「…………」
男(これ以外原因思いつかねえ……)
男(けどさ、これってただのコピペだろ?なんでこんな事になってんだ?)
女「う〜……」
男(やべっ起きた。Jane落とさなきゃ)
女「いたたた……。あれ……私なんで寝てるんだろ?」
男(さすがにエロゲー板とか卑猥単語乱発のスレタイ見られるのはきついわ……)
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:09:57.74 ID:YTasAdT3O
きもい
20 :
>>14>>16-17もっと!!!もっと罵ってくれぇぇえぇぇええええ!!!:2010/12/24(金) 14:10:58.85 ID:ZJJoeNId0
女「えーと……はれ?」
男「ど、どうしたの?」
女「足滑ってからの記憶が無い……。けど頭がすっごいズキズキする……」
男「あーんー……俺の頭と君の頭が盛大に喧嘩をしてね。俺の頭は大ダメージ。君の頭は敗北を喫したって所かな」
女「あうぅ……ごめんなさい……」
男「まあまあ。俺が殴れって言ったんだし、夢じゃないって事が発覚したんだし、謝ることはないさ」
女「そうですか……」
男「うんうん、それでOKなの」
女「なんだか納得しにくいですが……分かりました」
男「うむ。素直でよろしい」
男「それで、さ。君はこれからどうするの?」
女「ほえ?」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:14:27.94 ID:ZJJoeNId0
女「どうする、とは?」
男「……簡単に言うと、君は世間一般的に記憶喪失って事になるよね?」
女「えーっと、はい」
男「だからここで選択肢」
男「一つは警察に行って保護してもらう」
男「二つ目は俺と一緒に街を廻って、手掛かりを色々探してみる」
男「三つ目はこのまま俺と一緒に住んじゃう」
男「どれがいい?」
女「ん……個人的には二番目がいいんですけど、一つ聞いてもいいですか?」
男「うん?何?」
女「どうして、身元不明で不法侵入してる私にここまでできるんですか?」
女「正直、警察に通報するのが正しいと私は思うんですけれど」
男「いやー……確かにそうだけど……」
女「なぜ、男さんはそのように振舞えるのでしょうか」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:16:46.45 ID:ZJJoeNId0
男「まあ、そりゃあ……別に俺に迷惑掛けてる訳じゃないし」
男(現状、信じたくはないけどあのスレのコピペが原因としか思えない)
男「記憶喪失の人をいきなり街に放り出す事もできない」
男(だとしたら、この子は本当に『独り』なんだ)
男「かといって、俺は警察がそんな信用できる機関とは思っていない」
男(戸籍も知り合いも無いなんて、寂しすぎる)
男「それだったら、俺はこの子と一緒に過ごそうと思う」
女「……ほえ?」
男「あー、いや、俺は三番目の選択肢をって意味」
女「ああ、なるほど」
男(あっぶねえ……心に思ってた事を口に出すとは……)
女「…………」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:19:33.96 ID:ZJJoeNId0
男「それが俺の答えだけど、おかしいかな」
女「そんな事ないですよ」
女「……むしろ、冷静で思いやりがあるって思いました」
男「いやはや、そんな事ないさ。俺は結構冷たい人間だぞ?」
女「……貴方みたいな人となら、私は一緒に居たいですね」
男「え?」
女「あ、えっと……そのままの意味でいいですってはうぅ……!?」
女「えーっとですね!一緒に居たいって言うのは男さんの言った選択肢の事であってですね!」
女「決してあのえと、ずっと一緒に居たいっていう意味ではなくて!」
男「えーと……」
女「あ、あぅ……」
男(素直に可愛いな……)
男「まあ落ち着こうか?」
女「くすん……はい……」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:22:04.28 ID:ZJJoeNId0
男「とりあえず朝飯でも食うか。頭に栄養が回れば何か良い案も思い浮かぶだろ」
女「はい。あ、私が作りますよ」
男「あー……見てもらったら分かると思うんだけど、たぶん無理」
女「ほえ?」
男「冷蔵庫開けてみ」
女「……?はい」
ガチャッ
女「…………」
男「刻みネギとプリンだけで料理なんてできないでしょ」
女「た、確かに」
男「だから、これしかなくてさ」
女「カップラーメン……毎日ですか?」
男「まあ……ね……」
25 :
そろそろ書き溜めが切れう:2010/12/24(金) 14:24:45.95 ID:ZJJoeNId0
女「材料、買いに行きませんか?」
男「え、今から?」
女「はい!インスタントばかりでは身体に悪すぎます!」
男「いやまあそうだけど……」
女「じゃあ決まりですね。行きましょう!」
男(手を差し出してる……。手にとっていいのかな)
男「ん、そうしよっか」
女「すぐに作れるとしたら、パンとかの洋食ですね。構いませんか?」
男「オーケーだよ」
男(もしかして、女の子に自分から触ったのって初めてかもしれん……)
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:29:40.55 ID:ZJJoeNId0
女「〜♪」
男(心底楽しそうな顔してるなぁ)
男(ロングブーツに白いロングコート)
男(会って一時間も経ってないけど、この子の心と同じように純白で似合ってるよな)
女「あ、聞き忘れてましたけど、苦手な食べ物ってありますか?」
男「んー?あー、特に無いよ」
女「あら、じゃあ何を作っても大丈夫ですね」
男「うん。楽しみだよ」
女「じゃあ、卵を乗っけてもいいし、ジャムとかマーガリンとかでもいいかな……」
女「でも、サラダを乗せた方が――って、この時間で空いてるのはコンビニくらいだし、野菜が無いからちょっと無理かしら……」
男(パンってそのまま食うものじゃなかったんだ……)
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 14:29:52.34 ID:aayMmgJMO
男のセリフと女のセリフからオタク臭がプンプンするんだがwwwきめぇwww
28 :
>>27おい私を罵れよ。罵る相手を間違ってるぞおい:2010/12/24(金) 14:34:02.70 ID:ZJJoeNId0
店員「いらっせー」
店員(何あの子。超美人)
女「男さん、六枚切りと五枚切りのどっちがいいですか?」
男「えーと……じゃあ六枚切りの方で。ってああ、俺が持つよ」
女「あ、お願いしますね。ありがとうです!」
店員(ちくしょう。いちゃつくんじゃねえよ。こちとらクリスマスイヴだってのに働いてんだぞksg)
店員(あれ、この手前の肉まん、破れてんじゃねーか)
店員(あのクソ阿呆が……見た目に問題あるヤツは出すなって言ったのに……)
女「あとは卵と……調味料はたしかあったからいいとして……あれ、レタスとかキュウリも置いてあるんだ」
男(調味料とかいつの間に確認したんだろ)
女「ん、これでいいですね」
店員(しゃあねえ。廃棄すっか)
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:09:29.03 ID:QYgNQfEG0
さっさと続き書けや
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:09:49.09 ID:ZJJoeNId0
女「すいません、これお願いします」
店員「っと、ありがとうごzあっつぅ!?」
店員(うはwwww肉まん乗せてる網に直に触れたwwww不意打ちクソパネエwwあちいwww)
女「あ、あの、大丈夫ですか?」
店員「あー、大丈夫ですよww慣れてますからwww」
女「えと、レジは後でいいので、先に手の方を冷やしておいた方が……」
店員(おいおい、なんちゅう希少種なおにゃのこなんだよ……笑わずに心配とか……)
男(優しいなぁ女さんって……俺だったらVIPに書き込むために注視するわ……)
店員「あー……ありがとうございます……」
女「火傷、してないといいですね」
チクチク
男(なんだこのチクチク感は……すげえ居心地が悪い……)
31 :
>>29仕事の話をしてたすまん:2010/12/24(金) 15:11:58.99 ID:ZJJoeNId0
店員「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
店員(マジでまた来て欲しいわ……普通に惚れた……)
男「財布持ってたきてなかったとは……」
女「まあまあ。最初から私が出すつもりでしたから」
男「いやね、なんかこう情けない気持ちになりまして……」
女「あぅ……で、でも!お荷物持って貰ってますし!」
男「言い換えたらそれしかしてないんだよね……」
女「ぅー……どうすれば治りますか……?」
男「あー、君が抱きついてくれたら治るかもねー」
女「ほえ?」
男「ってなんてなー。無視していいk――!?」
女「こんな事でいいなら、いくらでもしますよ?」
男(ギュッってされた……横からギュッて抱き締められた……)
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:13:58.60 ID:O3ksbUOD0
きもい
33 :
書き溜め終了:2010/12/24(金) 15:14:28.65 ID:ZJJoeNId0
男(発育途中の胸よりも大きめの、ふわっとした柔らかい双丘が俺の身体にっ!!)
女「んー……」
男「ど、どどどどしたの?」
女「えっと……たしか男の人って胸の大きい女の子が好きなんですよね?」
男「い、一般的には」
男(俺は大きいよりも控えめの方が大好きだが……女さんくらいのがちょうどクリーンヒット過ぎる……)
女「男さんは、もっとおっきい子の方が良かったですか?」
男「え、えっとあの?それはそのなんというか……」
女「正直に答えてくださいよ……?」
男(若干苦しいくらい強く抱きしめた上に、じわって涙を溜めて上目遣いしないでええ!!)
男(死んじゃうから!!俺、萌え殺されちゃうからあああ!!!)
男(どうしようどうしよう。抱き締め返していいのこれ?)
女「…………」ヂー
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35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:24:53.53 ID:ZJJoeNId0
男「あー……なんというか、控えめな方が好きです、はい」
女「嘘じゃないですよね?」
男「そ、それは勿論」
女「……はい、信じます」
女「それでは、男さんの家に帰りましょうか」スッ
男「あ、はい」
男(名残惜しいなんて口が裂けても言えない……)
女「そういえば、私って男さんの事を何も知りませんね」
男「ん?」
女「もっと、色々と知りたいなって思いまして――って、ダメだったでしょうか?」
男「構わないけど、何を知りたいの?」
女「んーと……好きな食べ物とか苦手な食べ物……は、無いんでしたっけ。あとは年齢とかですね」
男「好きな食べ物は……なんだろう。たぶんそれも無いかな。あと、年齢はたぶん二十歳だね」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:30:54.14 ID:ZJJoeNId0
女「たぶん、ですか?」
男「実は年齢とか結構どうでも良いって思ってるから憶えてなくて……」
女「な、なんというか……珍しい人ですね」
男「よく言われるんだけど、成人してるかどうかさえ憶えてたらいいやーってならない?」
女「なりませんよ……」
男「やっぱり俺の感覚ってずれてるのか……」
女「で、でも!ほら、ナンバーワンよりもオンリーワンって言いますし、良いと思いますよ?」
男「あ、それはいつも疑問に思うんだけど、競争意識がなくなるからダメな言葉だと思うんだ」
女「えーとえーと……こ、個性と言った方が……?」
男「ん、それなら嬉しいかも」
女「あは。良かったっ」
男(……ほーんと、笑顔が眩しいなぁ)
女「――――?どうかしましたか?」
男「ん、なんでもない」
女「?」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:38:35.93 ID:ZJJoeNId0
――男宅 朝食
女「はい、どうぞ」
男「ん、ありがと。いただきまーす」ムグムグ
男「……へぇ、サラダを焼いたパンに乗せるのも案外美味しいんだね」
女「サラダの種類にもよりますが、基本的にサンドイッチと同じですから」ハムッ
男「ああ、なるほど」
男(そういや、最後に手料理を食ったのっていつだったかな)
女「あ、あの……」
男「ん?ほうひたの?」
女「えっと……お口に合いませんでしたでしょうか?」
男「ングッ――。どうして?」
女「いえ……何やら難しそうな顔をしてましたのでそうなのかなって……」
男「ああ、違うから安心していいよ。ただ単に最後に食べた手料理っていつだったかなって考えてただけ」
女「そんなに久し振りなのですか?」
男「結構久し振りだと思うけど、よくは分かんないや」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:45:57.66 ID:ZJJoeNId0
男「いやー、ここまで来ると記憶障害でもあるんじゃないかなって思ってくるよ」
女「え、えーと……」
男「あ、いや……ここは笑ってくれた方が……」
男「……まあいいや。それで、ご飯を食べ終わったら街を歩いてみよっか?」
女「あ、はい!是非!」
男「えらく喜んでるけど、そんなに楽しみなの?」
女「だって、さっきのすぐ近くのコンビニまででも新しいモノがたくさん見れましたから」
男「ああ、なるほど」
男(そういや、記憶が無いんだっけ……)
女「〜♪」ワクワク
男(……俺、ちゃんとエスコートできるのかな)
男(って待てや。これって世間一般的に『デート』って言わないか?)
男(あーダメだ。自信無くなった)
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:52:43.82 ID:ZJJoeNId0
――街
男「さて、行きますか」
女「はい!」
男「まずはどこにするかな……。女さんは『こんな場所が好き』とかある?」
女「えーと……街を見るのとか結構好きかもしれませんね」
男「結構曖昧だね」
女「あ、あはは……」
男(って、早速ミスしちまったよ……。この子は記憶が無いんだった……)
男「えっと……じゃあ、まずはテキトーに歩き回ってみようか」
女「……はい」
男(ああああ……どうすりゃいいんだよこれ……)
女「――あれ?」
男「ん?」
女「今、猫の鳴き声がしませんでした?」
男「猫?」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 15:53:03.78 ID:O3ksbUOD0
さっきは荒らしてごめんなさい
うんこ
41 :
>>40よし、罵ってくれ:2010/12/24(金) 16:02:53.58 ID:ZJJoeNId0
ニャー
男「あ、本当だ。でも、そんな珍しい事じゃないと――ってうわっ!?」
女「あら、足元に居たんですね」
男「びっくりしたぁ……」
猫「みゃー」
女「……首輪が付いていないのに、なんだか人懐っこいですね?」
男「んー……近所の人達が餌でもあげてたんじゃないのか……いや、それにしては毛並みは良いし、どっかから逃げ出したのかな」
女「そうかもしれませんね……。ごめんね?私達、食べ物を持ってないの」
猫「にゃ?」
男「飼い主も探してるかもしれないし、早く帰れよー」
女「そうですよ、猫さん?」
猫「……にゃー」トコトコ
女「な、なんか言葉が分かってるみたいな気がするのは私だけでしょうか?」
男「いや……俺もそう思う……」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 16:13:27.32 ID:ZJJoeNId0
男「それにしても寂れた町だよな、ここって」
女「そ、それを男さんが言いますか?男さんってこの近くに住んでるのに……」
男「住んでるからこそ、かな。活気付いた町でもないし、何か特別な名物がある訳でもないしね」
女「でも、こんな感じのって私、好きですよ?」
男「そう?なんだか死にかけみたいで俺は好きになれないな」
女「だって、なんだか特別になれた気がしませんか?」
女「人が少ない町で、自由気ままに歩けるのって良いじゃないですか」
男「確かにそうだけど、俺はちょっとうるさいくらいが良いかな。なんだか生きた心地がしなくてさ」
女「生きた心地、ですか?」
男「そ。ただなんとなくで生きてるだけの俺にとってはさ、毎日が何も変わらないんだよ」
男「周りが死んだように静かだと、なんだか俺も死んでるような錯覚に陥るって言えばいいのかな。そんな感じになるんだ」
男「だから少しうるさくても、毎日違った声が聞こえてくる方が、俺は好きだ」
男「って、ああごめん。暗い話を――」
女「ふむ……そんな意見もあるのですね……」
男(なんだか調子が狂うなー……)
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 16:21:23.78 ID:ZJJoeNId0
女「確かに、毎日違った声が聞こえてきたら安心しますね」
男「お、分かってくれるの?」
女「はい。だって、毎日違った声が聞こえるって事は、それだけ沢山の人が居るって事ですから」
男「うんうん。分かってくれるのは君だけだよ」
女「他の人は納得しなかったのですか?」
男「友達って何それ美味しいの?」
女「え、えーっと……あの……」
男「……ごめん、スルーして……」
女「は、はい……」
男(……あれ?俺ってなんでこんなに自然と喋ってるんだろ)
男(どこの誰かも分からない、そもそもちゃんとした人なのかどうかも分からないのに、こんなに話せるなんて……)
男(あるぇー……?)
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 16:26:42.90 ID:ZJJoeNId0
女「あ、男さん。あれってなんですか?」
男「ん?……なんだあれ」
女「あれ、男さんも知らないんですか?」
男「二日前にここは通ったけど、あんな露天みたいなのって無かったよ。というか、生まれて初めて見た」
女「ちょっと見に行ってみませんか?」
男「ふむ……時間はたっぷりあるし、ちょっと見てみるか」
女「はいっ」ニコ
男「ぉー……」
女「?」
男「いや、こっちの話。まあ見てみよっか」
女「…………?は、はい」
男「何やってるんだろな?」
男(なんなんだろね、この感情って)
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 16:32:30.15 ID:dHmZlaRP0
支援
46 :
◆.CzKQna1OU :2010/12/24(金) 16:38:01.39 ID:AIhzO7A10
追いついた
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 16:41:37.59 ID:ZJJoeNId0
女「わぁー……アクセサリーで一杯だぁ」
店主「おや、興味があるのかい?」
男「ちょっと気になりましてね。この露天――ですかね?まあ、開いたのって最近なんですか?」
店主「そうそう。僕は恥ずかしながらこういう物を作るのが好きでね。とある家に厄介になりながらこうやって売っているのさ」
女「これって自作なんですか!?」
男「すっげぇ……普通に売れますよこれ……」
店主「なに。見ての通り不人気だよ。チラホラと見ていってはくれるが、実際に買っていった人は片手で数えれる程度さ」
女「こんなに凄く綺麗なのに、不思議ですね……」
店主「人が疎らというのも原因の一つだろうけど、何よりも金銭を支払う為の価値を見出せないというのが一番の要因だと僕は思うよ」
男「いやいやいや……今まで見た装飾品のどれよりも綺麗だと俺は思いますよ……」
店主「言葉は受け取っておこう。褒めてくれるのは素直に嬉しいからね」
男「それにしても、これって一ついくらなんですか?」
店主「実は決めていないのだよ。自分の実力がどの程度かというのが知りたくてね。最低額を千円にして、気持ちの分だけ貰うようにしているのさ」
男「それが一番の原因だと思います……」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 16:50:27.78 ID:ZJJoeNId0
店主「ふむ……?なぜかな」
男「やっぱり、プレッシャーが掛かるんじゃ?」
店主「プレッシャー……僕ってそんなに見た目や雰囲気に問題があるのか」
男「いやいや……純粋に、物の価値を相手に委ねてるから手を出しにくいんじゃないのかと」
店主「ふむ……そういうものなのか。不思議なものだ」
男(不思議なのはアンタだと思うよ……)
店主「では、参考にしたい。君達から見て、これらはどのくらいの価値があると思う?」
男「俺はこういうのに疎いから参考になるかは分かりませんが、大体2500円くらいはするんじゃないかな」
女「私は3000円かな?」
店主「驚いた。予想以上の金額だよ」
男「……ど、どのくらいだと思っていたんですか?」
店主「1000円、もしくは500円といった所だと感じていたのだが……」
男「いやいやいや……それは流石に安すぎる……」
女「……」コクコク
店主「ふむ……これは認識を改める必要があるな……」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 17:16:11.83 ID:dHmZlaRP0
C
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 17:16:19.34 ID:ZJJoeNId0
男「特にこの小さいのにすっごい細かいネックレスなんて、樋口さん位の価値はあると思いますよ?」
店主「……これなんかは売る価値すらあるのかどうか迷ったんだが」
女「ど、どうしてですか?こんなに細かくて大変そうなのに……」
店主「僕は細かく作る方が楽だったりするのだよ。それで、僕が我を忘れて黙々と作ってしまったのがこれという訳さ」
店主「細かすぎてごちゃごちゃしてるとは思われてしまいそうなのだが、違うのかな?」
女「いえ、逆に見とれちゃいますよこれ?」
店主「本当に不思議なものだな……」
女(どっちが不思議なのでしょうか……)
店主「ふむ……なるほど、なかなか参考になったよ」
店主「お礼として、これを君達にあげよう」
女「え、えええええ!?」
男「それは流石に悪いんじゃ……」
店主「なに。僕としては売れるとは思っていなかったものさ。ならば君達にあげても何も変わらないだろう?」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 17:21:54.89 ID:dHmZlaRP0
紫煙
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 17:25:29.60 ID:5aSy3bhE0
店主にNTR
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 17:30:53.43 ID:ZJJoeNId0
男「いや……それでも――」
店主「それに、僕としては君達にこれらを受け取って欲しいと思っているんだが――っと、すまない。君達の迷惑になるなら止めておこう」
男「くれるのはすっごい嬉しいんですけど、なんだか悪い気がしてならないんですよ……」
女「……」コクコク
店主「まったくもって不思議な人達だな君達は……」
男・女(その言葉、そのままお返しします……)
店主「ならば、こういうのでどうかな?『僕は君達に鑑定をしてもらった。その対価としてこれを支払う』これで君達も納得するかな?」
店主「ああ、直接的な金銭の方が良いのならそっちでも僕は構わないよ」
男「なんというか……思ったよりも頑固な人なんですね」
店主「……やはりそうなのか。同居人にも会っていきなり言われたからもしやとは思っていたが……」
男(その同居人さんも大変そうだな……)
店主「それで、どちらにする?」
男「じゃ、じゃあ……ネックレスの方で」
女「私もそれでお願いします」
店主「了解した。押し付けるようになってしまってすまないね」
54 :
>>52NTRは嫌いなので基本的に書かないよ。期待してたのなら540°回転する事をお勧めする:2010/12/24(金) 17:38:58.21 ID:ZJJoeNId0
店主「ありがとう。実に有意義な時間だったよ。気が向いたらまた来てくれるとありがたいかな」
………………………………………………………………………………………………………………
男「なんというか……一番高そうなのを貰っちまったな……」
女「はい……ホントに良かったのでしょうか……」
男「ま、まあ、本人が納得してたんだし、良いんじゃないかな?それに、すっごい良い笑顔だったしさ」
女「む。それってどういう意味ですか?」
男「へ?――あ、いやその……」
女「むー……」
男「ごめんなさい……」
女「……………………抱き締めてくれたら、許してあげてもいいです、よ?」
男「……へ?」
女「だ、だからその……抱き締めてくれたら……許します……」
男(ほ、本当に良いのかな……)
女「…………」ヂー
男「わ、分かった。分かりました……」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 17:47:44.45 ID:ZJJoeNId0
ギュ……
女「わ……」
男「あ、痛かった?」
女「……いえ、丁度良いです」キュ
男「……………………」
女「……………………」
男「え、えーと……いつまでしていれば良いのでしょうか……?」
女「あ、え――あぅ……」
男「ほら、落ち着いて」ポンポン
女「あ……。くす……はい……」
女「では……もう少しこのままで居させて下さい……」
女(できれば、ずっと……)
女(…………?なんでしょうか、この感覚……)
女(嬉しい反面、チクチクと刺さるような痛み……?)
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 17:51:35.51 ID:pH+7aH9q0
おいついた
支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 18:04:56.14 ID:ZJJoeNId0
女(なんでしょうか……何か大事な事を忘れてるような……)
…………………………………………………………………………………………
男「さて、時間も良い具合だし昼飯でも食いに行くか」
女「はい……」
女(結局、あれが何なのか分かりませんでした……。一体、なんだったのでしょうか……)
男「えっと……ここら辺にファミレスとか――って、大丈夫?」
女「ふにゃ!?あ、え、えーとダイジョブです、よ?」
男(本当に大丈夫なのかな……)
女「その、えっと……お任せしても構いませんか?」
男「ん、分かった」
女「…………」チャリッ
女(お揃いのネックレス……)チラッ
女(嬉しいのに、悲しいのはなぜ……?)
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 18:05:12.58 ID:HYS5j7MnO
くっそおおおおおおおおお
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 18:15:48.15 ID:ZJJoeNId0
男「ん、ここなんかどうだ?なんかクリスマスセールとかやってるみたいだし」
女「クリスマスセール……何をやるのかちょっと気になりますね」
男「じゃあ、ここにするか」
カラン――
ウェイトレス「いらっしゃいませ――あ。あちらの奥の席へどうぞ」
男「え?あ、はい」スタスタ
男(なんだこの席……ほとんど個室じゃないか……)
女「なぜこの席なんでしょうかね?」
男「さあ……」
ガラッ
男(しかも引き戸……。なんか即興で組み立てた感じだな)
男(しかしなんでまたこんな……)
コンコン
ウェイトレス「失礼します。こちら、特別メニューですのでどうぞ」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 18:28:52.04 ID:ZHmdIYK/0
追い付き支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 18:33:07.33 ID:ZJJoeNId0
男「え……は、はぁ」
ウェイトレス「それでは、御注文がお決まりになりましたらそちらのベルをどうぞ」カラッパタ……
男「特別……ねえ……って、なんだこりゃ?全部カップルの為にあるようなメニューしか――」
男(ってうぉおおぉぉい!!クリスマスセールってこういう事かよ!!)
女「わぁー、色んなのがある」
男(おお……普通のメニューもあって良かった……。今のうちに隠して――)
女「あ、そっちのも後で見せてくださいね?」
男(――おけなかった……。もうどうにでもなーれっ)
男「……じゃあ、俺はこのスパゲティで」
女「えっと……私はこのカルボナーラにします」
女「あと、そっちのメニューはどんなのですか?」
男「……はい、どうぞ」
女「んーと――わ、わぁ!すっごい美味しそう!」
男(あ、そっちか……良かった……)
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 18:47:21.49 ID:ZJJoeNId0
女「一つ頼んでみませんか?このパフェとか」
男(お、なんだ普通のもあるじゃん)
男「じゃあ、それも頼んでおくか」
……………………………………………………………………
ウェイトレス「お待たせしました。スパゲティとカルボナーラです」
ウェイトレス「それでは」カラッパタッ――
男「おお、存外にうまそうだ」
女「そうですね。では、いただきましょうっ」
男(……ああ、味は普通だな。やっぱり見た目だけか)
女「おいしーっ!」
男(……なーんでこっちも美味しく感じるのかな。これってほとんどが解凍しただけなのに)
女「あれ?男さん食べないんですか?」
男「あ、ああ。ちゃんと食べるよ」
男(やっぱり調子が狂うなぁ……)
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 19:00:20.16 ID:ZJJoeNId0
男「あー食った食った」
女「……」ソワソワ
男「ん?ああ、あの二人用のパフェ?そろそろ来る頃だとは思うけど――」
コンコン
ウェイトレス「失礼します。どうぞ、こちらが特別メニューのチョコパフェです」
ウェイトレス「それで――」
男「ちょちょちょ!?待って下さい!」
ウェイトレス「?はい、どうかなさいましたでしょうか」
男「あのー……スプーンは?」
ウェイトレス「……?お皿に乗せていますが……」
男「一つ……ですよね……?」
ウェイトレス「はい。特別メニューですので」
男(ぬかったああああああぁぁぁぁぁぁ……っ!そういう事だったのか……)
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 19:17:37.23 ID:ZJJoeNId0
……………………………………………………………………………………
男「…………」
女「…………」ワクワク
男(ああ……全然気にしてないよこの子……)
女「た、食べていいですか?」
男「……どうぞ」
女「では……」パクッ
女「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
男(おお……喜んでる喜んでる)
女「男さんっ。男さんもどうぞ!はいっ」
男「え、あの……」
女「……」キラキラ
男(ああ……純粋なのが眩しいよ……。間接キスとか一切考えてない目だわこれは……)
shien
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 19:32:37.78 ID:ZJJoeNId0
男「じゃ、じゃあ……」パク……
女「どうですか?」
男「ああ……甘いね……」
男(このクリームも甘いし……雰囲気もなんかすっごく甘いよ……)
女「♪」モキュモキュ
女「はいっどうぞ」
男「……」パクリ
……………………………………………………………………………………
ウェイトレス「ありがとう御座いました。またのお越しをお待ちしております」
女「とってもおいしかったですね♪」
男「あ、ああ……美味しかったね」
男(よくよく考えてみたら、男なら誰もが憧れるシチュエーションだったんじゃ?)
男(やべ……本当に美味しいものだったわ……。まあ、問題は――)
女「はぅ……また食べたいかも……」
男(この子がおっそろしいくらい気付いてないと言う事かな……)
鬱エンドならクリスマスで死ぬわ
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:06:46.73 ID:ZJJoeNId0
――夕方
男「時間も丁度良いし、そろそろ帰るかな」
女「そうですね。時間ってあっという間ですよね……」
男(…………)
男「この町は気に入った?」
女「え?は、はい。すっごく気に入りました」
男「ならさ――」
…………………………………………………………………………………………
女「はひぃ……っひぅ……」
男「もうそろそろだからがんばれー」
女「けれどっ……なぜっ……こんなにっ……急な階段が……あるのですか……はぅぁ……」
男「無駄だとは思ってたけど、今ならあって良かったって思うかな」
女「はぇ……?」
男「はい、ここだよ」
女「ふぃゆ……はう……――――わぁ……」
女の子の反応が欝エンド行きに見えてしょうがない
71 :
>>68>>70鬱というか、私が書くのは毎回トゥルーエンド……?ハッピーエンドとかも書くよ:2010/12/24(金) 20:27:54.14 ID:ZJJoeNId0
少女の目に映ったのは、夕闇により翳る町並み。その中で主張する人工的な光は、確かに彼女にも届いた。
女「とっても綺麗です……」
男「良かった。ここまで来た甲斐があったよ」
女「………………………………」
男(なんでかなぁ……)
女「………………………………」
男(なんでそんな寂しい顔、するのかな)
女「はふぅ……」ガクリ
男「!?」
女「足……疲れました……」
男「ああ……なるほど……」
男「おぶろうか?」
女「お願いします……」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 20:42:44.97 ID:ZJJoeNId0
男「よいしょ……はい、これで見える?」
女「えへへー、これってラクチンですね。それに、こんな綺麗な景色も見れてすごく良いですっ」
男「それは良かった」
女「♪」ギュー
男(……あれ?なんでこんなにナチュラルに背負ってるの?今日初めて会ったはずだよね?)
女「あ、今あそこで電気が付きました!」
男「よ、よく分かるなそんな事まで……」
男(まあ……)
女「ほら、今度は向こうが!あ、こっちも――」
男(この子が喜んでるなら、いいかな?)
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:01:38.92 ID:aQlqTK2HO
支援
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:05:23.91 ID:ZJJoeNId0
記憶が無い――。
一般的な知識はあるのに、自分がどこの誰で、なんで今の場所に居るのかも分からない。
知っていたのは、
『自分の名前』
『あの人の名前と存在』
だけ……。
私にあったのは、たった二つのそれだけだった。
だからって訳じゃないけれど、けど……。
男「どうしたの?」
あの柔らかい微笑みは、何もかもどうでも良くしてくれる。
今この場を楽しませてくれる。
自分がなんなのかなんて、そんなちっぽけな事に思い悩むのすら馬鹿馬鹿しくなるくらい。
女「なんでもないよ」
だから、私はこう答えれる。
こう答えれるようにしてくれる。
悩みとかそんなの、全部掻き消してくれる。
笑顔にしてくれる。
私が『私』で居られるようにしてくれる。
悲しまないようにしてくれる。
この気持ちは分からない。
分からないけれど、悪いものじゃないと思う。
この人と一緒に居ると、とても心が落ち着く。
この人を抱き締めると、とても心がドキドキする。
この人と、ずっと一緒に居たいと思う。
そう。ずっと一緒に――。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:25:58.15 ID:kwy1juqP0
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:33:49.38 ID:6rX0FyiU0
支援
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:37:22.22 ID:ZJJoeNId0
女「ちょっと疲れました」
男「ん。じゃあ、帰ろっか」
女「はい。よろしくお願いしますね?」
男「はいよ」
女「あ、晩御飯の事を忘れてました。今日は何が良いですか?」
男「んー……何が作れるかにもよるかも」
女「結構困りますね……自分でも何が作れないのかって良く分からないので……」
男「なら……中華?」
女「ふふっ――。クリスマスのイヴに中華って不思議な人ですね」
男「不思議な人はあの露天の人だろう」
女「あ、確かにそれは思いました。口調が独特ですっごく頭も固いのに、とってもとっても良い人でしたよねっ」
男「うんうん。それで、こんなにも綺麗なネックレスもくれるしね」
女「本当に綺麗ですよね、これって……」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 21:49:04.62 ID:6rX0FyiU0
支援
79 :
ごっはーん:2010/12/24(金) 21:59:15.10 ID:ZJJoeNId0
女「これと同じものを作る事は無いらしいので、完全につがいのネックレスですね……」
男「つ、つがいって……」
女「つがい、です。世界でたった一組の、つがいですから」
男「……言ってて恥ずかしくないのか?」
女「勿論恥ずかしいですよ?でも――」
男「でも?」
女「それ以上に、幸せですから……」
男(こ、この子は……っ!!)
男「あー、あんまりそういう事を男に言わない方が良いと思うぞ?」
女「え、ぇえ!?だ、ダメだったのでしょうか……」
男「……勘違いする人も居るだろ?」
女「なんだ、そんな事ですか」
男「……え?」
80 :
シチューんめえ:2010/12/24(金) 22:38:09.85 ID:ZJJoeNId0
女「……歓迎しますよ」
男「え、いや……あの?」
女「男さんとなら……いくらでも……」
女「だって……こんなにもドキドキさせてくれて……一緒に居たいって思わせてくれます……から……」
男「お、女さん……?」
女「くー……くー……」
男「……寝言?いや、会話してたし……」
男「…………」
男「ドキドキして、一緒に居たいって思う……か……」
男「俺……この子が好きなのかな……」
男「……そりゃそうだよな。だって――」
男「夢にまで見た、理想の女の子なんだから……」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:43:03.79 ID:ZJJoeNId0
とりあえずクリスマスイヴ編は終了です。
次は後半のクリスマス当日編ですけど、当日に書いた方が良いのかなこれって
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:46:51.61 ID:pH+7aH9q0
>>81 乙
どっちでもいいよ
とりあえず書いてはくれよ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 22:48:38.23 ID:ZJJoeNId0
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:02:25.11 ID:QYgNQfEG0
乙
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:33:48.42 ID:MUVBAc+L0
乙
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/24(金) 23:50:40.53 ID:bqadfmSY0
感動した
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 00:02:25.12 ID:f4a658/20
追いつき支援
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ほするか