ながら投下
( ´ω ) ZZzzz
( ´ω ) …
( ゚ω゚) ハッ
( ^ω^)「おっ?」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 08:48:23.93 ID:CQJ4ZsMS0
( ^ω^)「ここはどこだお?」
(´・ω・`)「やぁ」
( ^ω^)「おっ?誰だお?」
(´・ω・`)「うん、すまない、黙って聞いて欲しい。これは気付け代わりだ」
(´・ω・`)つ●
●⊂(^ω^ )「わーいチョコレートだお」
( ^ω^)もぐもぐ
(´・ω・`)「テキーラミルクボンボンだ」
( ^ω^)「ミルク?」
(´・ω・`*)「僕のね」
(;゙ ゚ω゚) げほおぉッ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 08:52:23.48 ID:E5Ukbh0WO
なぜこのじかんに投下する支援
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 08:56:25.59 ID:CQJ4ZsMS0
( ゚ω゚)「げほげほッ、おええー」
(´・ω・`)「なにこれ萌える」
(#`ω´)「今からお前を殺すお」
(´・ω・`)「おいで」
(#`ω´)「怒りの拳を喰らうお!」
だが、思い切り振り被った拳は、あっさりと交わされてしまった。
( ゚ω゚)「おっ!?」
勢い余って前のめった身体。後ろ襟首を猫のように捕まれて引き上げられた。
(´・ω・`)「やれやれ、今回の生贄は随分血の気が多いな」
(#`ω´)「放せお変態!」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 08:57:09.43 ID:QeAAfRta0
(´・ω・`)>
< | |
く く
>>3 まさかこの時間に支援があるとは。平日休みなんだなこれが
( `ω´)「くそ、なんて力だおこいつ」
足をバタつかせるも空しく、長身の男は少年とはいえブーンの体躯を軽々と持ち上げている。
(´・ω・`)「チョコあげたんだから大人しくしろって」
( `ω´)「むしろ要らなかったよね!アレ要らなかったお!」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ、あれはせめてもの優しさなのに」
( ^ω^)「絶対お前の趣味だよね」
(´・ω・`*)
(#^ω^)「赤らめんな」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:05:02.38 ID:mbgfq2EkO
今日が休み…だと…とりあえず支援
帰ってきてから読むから頑張ってくれー
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:06:50.77 ID:CQJ4ZsMS0
( ^ω^)「一体なんだんだお!お前誰だお!」
(´・ω・`)「おっと、ごちゃごちゃ考えられちゃう前に始めちゃおうか」
( ゚ω゚)「おっ!?」
慣れた手つきであっという間に鎖を身体に巻かれる。
(;゙ ゚ω゚)「ま、まさか…」
(´・ω・`)「ふふふ」
(; ゚ω゚)「ぶ、ブーンの家はお金なんか無いお、カーチャン一人で貧乏にめげず育てられた哀れな母子家庭なんだお」
(´・ω・`)「何勘違いしてんだ、君はこれから神様に捧げられるんだよ」
( ^ω^)「神様?」
(´・ω・`)「おいおいまさか知らないとか言わないでよね?」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:07:50.36 ID:nysfXDwCO
腐じゃないTDNネタなら読む
>>7 さんくすこ
(´・ω・`)「え、やだこの子本当に知らないの?」
( ^ω^)「一体何なんだお、教えて欲しいお」
(´・ω・`)「…」
(´・ω・`)「や、知らない方が幸せだよ」
(´・ω・`)「知らずに死になさい」
え?と返事を返す間も無く、鎖骨の間に短剣をつき立てられる。
( ゚ω゚) ―――――ぁ
硬い骨すらゼラチンのように容易に、音も立てずに刃が埋まった。
鼻先に柄が見える。
( ゚ω゚) キラキラ光ってるお… 綺麗だお、サファイアみたいだお…
死ぬ前に見るという走馬灯も見えない。なんてこった、自分はいきなり死ぬのか
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:18:30.42 ID:CQJ4ZsMS0
( ´ω ) ちゅっちゅ… セクロス… した…かった… お
積年の想いを最後の言の葉に、眼を閉じた。
ミ,, Д 彡
薄らぼんやりと、何か茶色のふさふさしたものが見える。
( ´ω ) (動物の毛だお…?あったかいお…)
逞しい腕に確りと抱え上げられている。遠く記憶におぼろげな父の面影が湧く。
( ´ω ) (やっぱりブーンは死んでしまったんだお…)
( ´ω )「せめて童貞捨てたかったな…」
ミ,,゚Д゚彡「チェリーボーイ乙」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:21:01.94 ID:E5Ukbh0WO
休みだと、羨ましい支援
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:21:42.85 ID:pALZfj37O
支援しよう
>>9 トーキョーディズニーナビゲーション?
(#^ω^)「ちょwwww誰がチェリーだお!」
ミ,,゚Д゚彡「お、なんだ元気じゃねぇか」
(#^ω^)「またかお、お前も誰だお!それとブーンだってこれからチャンスがまだ…」
( ^ω^)
( ^ω^)「あ、もう死んだからチャンスない、\(^o^)/」
ミ,,゚Д゚彡「おい、腕ん中で暴れるんじゃねぇよ落としちまうぞ」
( ^ω^)「お?」
抱え上げられている。不意に下から吹き上げる風に見下ろす。
( ゚ω゚) ガビョーン
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:29:51.87 ID:CQJ4ZsMS0
見下ろす一帯は見たことも無い景色だった。
地球が割れたかと見紛う裂け目。真赤な岩肌。巨大な谷だ。
(;゚ω゚)「お、落ちるお!落ちるお!」
ミ,,゚Д゚彡「だぁら状況見ろって、お前が暴れたら本当に落ちんだよ!」
大柄で屈強な獣男が、少年を抱えて谷の上のつり橋を渡っている、それが今の状況だった。
ブーンが暴れなくても縄と板で作られた簡素な橋は風で煽られる。
(;^ω^)「す、すまんお」
ミ,,゚Д-彡=3「やっと大人しくなったな、ったく」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:34:29.14 ID:CQJ4ZsMS0
随分長い橋だ。終わりが遠く霞んで見える。
( ^ω^)「…」
ミ,,゚Д゚彡
橋の下の谷底を見ないようにして、岩肌と対照的な真っ青な空を含めて
自分を抱え上げる男を見上げる。
ミ,,゚Д゚彡「身体は平気か?」
( ^ω^)「お…。そういえば剣が無いお」
胸には血の出た痕もない。服だけ破れている。
( ^ω^)「一体どういうことだお…」
ミ,,゚Д゚彡「何も変化はないか?」
( ^ω^)「変化?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:35:22.91 ID:9jxQ1kJ/O
SHIEN
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:35:37.04 ID:pALZfj37O
ふむふむ支援
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:37:45.56 ID:kVPaTkefO
ブーンちゃんかわいい
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:38:14.14 ID:CQJ4ZsMS0
ミ,,゚Д゚彡「いや、ないならいい」
( ^ω^) ?
怪訝に眉を顰めるも、会話は続かない。
( ^ω^) (ここは一体どこなんだお、見たこともない景色だお)
前に世界遺産のCMで見た景色によく似ている気がする。
だけどアレは海外だった。自分は飛行機に乗った覚えはない。てか乗ったことない。乗ってみたい。
( ^ω^)「あの」
ミ,,゚Д゚彡「なんだ」
( ^ω^)「ここはどこですかお?」
ミ,,゚Д゚彡「何?」
男は表情は驚しているようだ。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:42:44.38 ID:CQJ4ZsMS0
ミ;,,゚Д゚彡「何言ってんだお前、ショックで頭オカシクなっちゃったのか?」
( ^ω^)「えっ」
明らかにこっちがオカシイ物言いに、不安になった。
(;^ω^)「ま、mjd?」
ミ,,゚Д゚彡「何が?」
(;^ω^)「ブーンは頭がオカシクなっちゃったのかお!?」
ミ,,゚Д゚彡「かもしれんね、よくある話だ」
( ゚ω゚)「そ、そんな…!」
何かで読んだ。気の狂った者はそれ故に自分で狂者であることの判断が出来ないという。
しかも自分は死んでいる。もうこれは狂っているのかもしれない。
( ^ω^)「オーマイガッ」
( ´ω )「もう駄目だお、頭の狂った奴に彼女なんて出来るわけないお…」
(#^ω^)「こうなったら狂ったノリでクリスマスをぶっ潰すしかないお!」
ミ;,,゚Д゚彡 「何だクリスマスって?」
( ^ω^)「おっおっ、あんたも一緒にクリテロするお!
ミッ●タウンのイルミネーションの中心でマッパでユートピアを叫ぶお!」
(#^ω^)「そして世の中のカップルに知らしめてやるんだお!分からせてやるんだお!
お前たちもかつては独りだったということを…!!!111」
ミ,,゚Д゚彡「お、お前若いのにレジスタンスだったのか!?」
(*^ω^)「れじす… ま、まぁカッコいい言い方すれば否めないね」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:51:29.87 ID:pALZfj37O
ブーンは何歳位なんだ支援
ミ,,゚Д゚彡「ハッハ!こりゃあいい、だったら一人で歩けるな」
( ^ω^)「おっ!?」
不意につり橋に下ろされて足が着く。途端、宙に浮いたような感覚で膝が笑った。
( ゚ω゚)「おおおおおおッ!?」
ミ,,゚Д゚彡「なんだお前、分からん奴だな、息巻いたと思えばそれかよ」
呆れられた。が、自分の足で立つとどうしても下を見てしまう。
担がれているのと自分で渡るのとでは恐ろしく違った。
(;´ω )「く、クリテロは断念するお…」
ミ;,,゚Д゚彡「早ッ! なっさけなッ!」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:55:05.94 ID:ldxYkP6U0
クリテロ・・・・懐かしい響きだ・・・
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 09:55:57.05 ID:CQJ4ZsMS0
>>23 14〜17くらいのどれか。どれがいい?
( ´ω )「悲しみと絶望で前が見えないお…」
ミ,,゚Д゚彡「随分歩けるようになったな。ほれ、もう橋はおしまいだぞ」
( ´ω )「うう、ただいま地面…」
ミ,,゚Д゚彡「お疲れさん、ほら、これでも食え」
( ゚ω゚)「おっ?」
投げて遣されたのは、赤い林檎のような実だ。
( ^ω^)「わーいありがとうだおー!」
( ^ω^)そ ハッ デジャヴ!
ミ,,゚Д゚彡「ん?どうした食わねーのか」
(::^ω^)「ま、まさかこれはミルク入りですかお…?」
ミ,,゚Д゚彡「ミルク?」
( ゚ω゚)「あッ、アンタノセイシガッ!入っているのかとッ 聞いているんだッ!」
( #)ω`)「ですよね、失礼でしたよね。僕ちょっと気狂いなんでサーセン」
ミ,,゚Д-彡=3「祭司の野郎に食わされたんだろうが。気持ちは分かるけどよ」
( #)ω`)「シャリシャリシャアリ おいしいです」
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:02:05.26 ID:Tppl4hbZ0
こういうのって先が気になるな
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:03:36.32 ID:pALZfj37O
>>26 じゃあ間を取って、いま15歳であと半年したら16歳って事にして読んどく
ミ,,゚Д゚彡「夜ッコラセックス」
橋の出入り口で、適当な岩に腰掛ける男。
ブーンは林檎を齧りながら男の姿を改めて眺めた。
ミ,,゚Д゚彡「獣人が珍しいか?」
( ^ω^)「珍しいっていうか…見たことないお」
ミ,,゚Д゚彡「ふん、レジスタンスの癖に随分坊ちゃんなんだな」
(;^ω^)「れじす…それはその」
ミ,,゚Д゚彡「此処が何処だか、本当に知らんのか」
( ^ω^) コクリ 「教えてくれお、ここは日本かお?」
真っ青な空に鷹のような鳴き声が響いた。
>>30 じゃあもうそういうことにしようぜ!
ミ,,゚Д゚彡「にほん?聞いたことねぇ国だな」
( ^ω^)「どんだけ!?」
ミ,,゚Д゚彡「ここはVIP大陸のクリスマス国の辺境だ。その橋が丁度国境で、これからカス国に入るぜ」
( ^ω^)「クリスマス国wwww聞いたことねぇお」
ミ,,゚Д゚彡「おいおい、お前こそ『にほん』てどんな田舎だよ」
( ^ω^)「日本は田舎じゃないお!結構な先進国のはずだお」
ミ,,゚Д゚彡「クリスマスよりデカい国なんてねぇぞ?」
( ^ω^) そ
あれ?どうやら異世界的な奴ですか?
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:15:35.54 ID:CQJ4ZsMS0
( ^ω^)「あっわかった!」
ミ,,゚Д゚彡「んぁ?」
( ^ω^)「ここは天国だから日本ないんだお!」
ミ,,゚Д゚彡「まだ死んでんのかwwwww」
( ^ω^)「いやだって刺されたし」
ミ,,゚Д゚彡「コレでか?」
獣人が取り出した短剣に眼を見張る。
刺された感触が蘇って、怖くなった。
( ;ω;)「ほら! ほら! やっぱブーンは死んでしまったんだお!うおーん!」
ミ;,,゚Д゚彡「おい泣くな落ち着けwwww」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:21:04.68 ID:pALZfj37O
>>32 軽いなおい……
なんかやり取りがちょっとほほえましい支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:22:20.72 ID:CQJ4ZsMS0
ミ,,゚Д゚彡「お前は死んでない。まぁ、本来は死ぬ筈だがこいつは別だ」
柄に取り付けられた青い輝石が燦然と輝く。
ミ,,゚Д゚彡「クリスマスの奴らは毎年この時期に儀式をやるんだ、まさかそれも知らんのか?」
( ^ω^)「ちんぷんかんぷんだお」
ミ,,゚Д-彡=3「ったく、世間知らずにも限度があるぜ」
獣人は頭を掻き毟って嘆息する。
( ^ω^)「クリスマスの儀式って、キリストの誕生を祝うんじゃないんだお?」
ミ,,゚Д゚彡「馬鹿かてめぇは」
ドスの利いた猛者の声音に、少年の肩が竦みあがった。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:25:59.58 ID:jJyFwNEtO
|ω^)支援
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:29:03.22 ID:CQJ4ZsMS0
(;^ω^) (な、なんでそんな怒るんだお…)
ミ,,゚Д゚彡「きりすとだか知らんが、アレは祝いの儀式なんてもんじゃねぇ」
男が食べずに持っていた自分の林檎を握りつぶす。
剣呑な表情に刺されそうだった。
ミ#,,゚Д゚彡「神を嬲って縛りつける冒涜の儀だ」
(;^ω^)「…そ、そうですかお(さっきの奴より怖いお)」
兎に角もう怖いし、生きてるんだったら帰りたくなってきた。
もう帰りたい。きっとカーチャンも心配している。
友達も彼女もいないけど帰りたい。
(;^ω^)「そ、それでこれからどこ行くんですお?」
芯だけになった林檎をぽい捨てした。
頭上ではまた鳥の鳴き声が響いている。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:34:10.90 ID:CQJ4ZsMS0
ミ,,゚Д゚彡「クリスマスを出たとはいえ、奴ら生贄を取られたんだ、血眼で捜してくるからな。
カス国に入って姿を晦ます。この月を逃げ切れればこっちのもんだ」
( ^ω^)「なるほどですお、じゃあブーンは」
ミ,,゚Д゚彡「お前も来るんだよ」
( ^ω^)
( ;ω;)ブワッ
ミ,,゚Д゚彡「男の癖によく泣く奴だな」
( ;ω;)「ブーンはただの中学生なんだお! おうちに帰して欲しいお!」
ミ,,゚Д゚彡「その意味分かってんのかゴルァ」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:38:27.26 ID:CQJ4ZsMS0
ミ,,゚Д゚彡「お前が家に帰ればクリスマスの奴らにまた捕まって生贄になるのがオチだ」
( ;ω;)「それも嫌だお」
ミ,,゚Д゚彡「だから俺と来るしかねぇだろうが。安心しろ、今月が過ぎたら自由にしてやるよ」
( ^ω^)「そうしたらおうちに帰れるお!?」
ミ,,゚Д゚彡「おう、帰してやるさ」
( ^ω^)「あと二週間くらいかお、それなら我慢するお!」
ミ,,゚Д゚彡「よし、んじゃあ決まりだな―――っと」
不意に獣人が上空を仰いだ。
ブーンかわいいwぎゅーってしたい><
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:43:59.99 ID:CQJ4ZsMS0
気がつけば、巨大な影で空が覆われていた。
狐が鳴くような声が、大重音量で降ってくる。
ミ;,,゚Д゚彡「不味いな、ちと長話しすぎたか、思ったより早ぇ…!」
( ゚ω゚)「おっ!? おッ!!? 何だおアレは!?」
ミ;,,゚Д゚彡「クリスマスめ、『番鳥』を遣しやがった!」
唐突に第一話 『番鳥の強襲』
(今までのはプロローグってことにしようそうしよう)
( ゚∋゚)「ふはははははは!!この蛮族が!逃げ切れるとでも思ったか!?」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:47:31.62 ID:SIS0+6l/O
時間ないから一回だけ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:51:51.98 ID:CQJ4ZsMS0
(;゚ω゚)「ととととっと鳥だお! 巨大な鳥だお!」
動物園ですら見たこともない、鷹に似た巨大な怪鳥。広げた翼は雄に三メートル程だ。
ミ;,,゚Д゚彡「うるせぇ!野蛮なのはてめぇらだろうが!」
( ゚∋゚)バサッバサッ「ふはははは、地面を這いずる虫がよく吼えるわ」
怯え呆然と立ち尽くすブーンの肩をフサギコが鷲掴む。爪が痛い。
ミ,,゚Д゚彡「おい! 走れるな! ありったけ南へ逃げろ! 絶対に振り返るな!」
( ゚ω゚)「おっ!?おっ!?」
鬼気迫る形相に頷くことしか出来ない。
ミ,,゚Д゚彡「いいか!合言葉は『ザーメンおいしい』だ!早く行けゴルァ!!!!」
( ゚ω゚)「は、はいッ!」
思い切り押し出されて転びそうになりながら、駆け出す。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 10:55:21.23 ID:qWY31Gb8O
⊂二二(^ω^)二⊃
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 11:01:46.55 ID:CQJ4ZsMS0
( ゚∋゚)「逃がすものか!」
怪鳥が旋回しようと首を擡げる。
ミ,, Д彡 ゴルァァァァァアアアアアアアアアッ
刹那、舞い上がった砂埃を一蹴する咆哮。
その中に、怪鳥に匹敵する巨大な肢体を持つ狼の姿が飛び出し鳥の背に齧り付く。
( ;゚∋゚)「ぐおお…ッ!!?、狼風情がッ」
明らかな捕食者の敵意を前に、また捕食者である鷹が猛禽の眼で睨みつけた。
ミ,, Д彡「全くおつむの弱い鳥野郎だぜ」
ミ,,゚Д゚彡「『狼王』のフサ様相手に、背ぇ向けられると思う辺りがな」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 11:02:48.65 ID:CQJ4ZsMS0
ふぅ…。ちょっと休憩。よっこらセックス
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 11:26:01.21 ID:CQJ4ZsMS0
眠くなってきた再開
( ゚∋゚)「貴様が狼王か、相手にとって不足なし!」
背中に飛びつく狼の身体を引きずり回す。
ミ,,゚Д゚彡「ガァッ!」
向かう先に飛び出た岩に身を叩き付けられ、巨躯が転がり赤土が舞上った。
( ゚∋゚)「ふはははは! 無様なり!」
重荷を振り落として高く空へ上る鳥が哄笑を上げた。
空中でくるりと旋回し滑空してくる。鋭い爪と嘴が青空に光る。
ミ;,,゚Д゚彡「――!」
風を感じて咄嗟に地面を転がった。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 11:34:03.81 ID:jJyFwNEtO
( ^ω^)支援
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 11:34:20.16 ID:CQJ4ZsMS0
ゴカァッ
派手な音と共に岩が半分砕け散る。
( ゚∋゚)「くくく、威勢はどうした、無様だぞ狼」
上半分が無くなった岩の上に降り立ち、怪鳥が嘲笑う。
ミ;,,゚Д゚彡「…(なんつう破壊力だ、まともに喰らったらおしまいだな)」
クリスマス国の『番鳥クックル』。辺境の番人であるにも関わらずその者の名は、
常に外地にまで知れる猛者の名だ。
ブーンを抱えながら勝てる相手ではない。
( ゚∋゚)「時間が惜しい、お前との戦いも惜しいが――早々に切り上げさせてもらおう」
再び飛翔した。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 11:41:57.88 ID:CQJ4ZsMS0
ミ,,゚Д゚彡「来る!」
旋回し急降下してくる鳥を見定め、地面を蹴り飛びのく。
的確に避けた、
ミ;,,゚Д゚彡「な、に?」
はずだった。
が、半身に直撃。
ミ,, Д彡「がああああああッ!!!!111」
飛び散る鮮血。骨が折れるのが分かる。
( ゚∋゚)「愚か! 愚か! まっこと無様なり狼王ッ!」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 11:48:25.16 ID:CQJ4ZsMS0
哄笑が耳にこびり付く。
ミ,, Д彡 (なぜだ…!?一体何が…)
( ゚∋゚)「気づかなかったのか、狼の癖に鈍き者よ」
( ゚∋゚)「最初に我が声を浴びた時、お前の感覚は既に狂い始めていたのだ」
狐のような長い声。ただの鳴き声だと思っていた。
ミ;,,゚Д゚彡 (くそ、不協和音か何かか…?)
何とか体を起こす。後ろ足は暫く使い物になりそうにない。
( ゚∋゚)「お前は我が嘴で啄ばんで殺してやろう、光栄に思え」
三度目の飛翔を尻目に、狼は一つ吼えた。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 11:55:27.17 ID:CQJ4ZsMS0
黒い影が旋回し、彗星のように落ちてくる。
( ゚∋゚)「ふはははは!負け犬の遠吠えか、痴れ者め!」
首を擡げ、鋭い嘴が、落ちて、
ミ,,゚Д゚彡 ―――――来る
ドゴ、オオオオオ
舞い上がる土煙。
( ゚∋゚)「…」
( ゚∋゚) !?
嘴が深々と捕らえるのは、赤色の大地。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 12:03:20.09 ID:CQJ4ZsMS0
( ゚∋゚)「き、貴様――」
鳥の視野は広い。地面に突き立てた嘴の横に転がるのは、人型の獣男の姿。
( ゚∋゚)「ぎゃあああああ!」
突然その姿が見えなくなり、激痛が片目に走る。
ミ,,゚Д゚彡「お前はべらべら喋りすぎだゴルァ」
獣人が、片手に持った例の短剣を突き立てたのだ。
横たわった儘、地面に顔をくっ付けている鳥の眼を塞ぐのは容易なことだった。
ミ,,゚Д゚彡「まぁ俺も一か八かだったが、お前の頭が鳥なみで助かったぜ」
( メ∋゚)「ぐおおおおお!!!貴様!貴様許さんッ、許さんぞおおお」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 12:09:28.61 ID:CQJ4ZsMS0
( メ∋゚)「ふんっ…く、くそ、抜けん…っ」
ミ,,゚Д゚彡「ふごふご何言ってるかわかんねぇが、抜けねーみたいだな」
谷の大地の土は固い。
ミ,,゚Д゚彡「俺ももう暫く変態できそうもねぇ…」
ミ,,゚Д゚彡「ま、しょーがねぇな」
( メ∋゚) (くそ…!だが狂った感覚は生贄も同じ、すぐにそう遠くには行けん筈だ…!)
( メ∋゚) ふんッ、ふんぬっ …まじ抜けないこれ
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 12:16:40.52 ID:CQJ4ZsMS0
第一話 番鳥の強襲 完 たぶん。
⊂二二二(;^ω^)二⊃ ぜぇはぁ、ぜぇはぁ
赤色の荒野は続く。
==⊂二二二(;^ω^)二⊃ ハァハァ 後ろ気になるお
決して振り返ってはいけない。
===⊂二二二(;^ω^)二⊃ 見るなと言われると見たくなる恋心
====⊂二二二( ^ω^)二⊃ でもブーンはいい子だからやめるお
⊂二二二( ^ω^)二⊃ おっ? ところで南ってどっちだお?
少年、方向音痴につき。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 12:21:16.20 ID:CQJ4ZsMS0
( ^ω^) …
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「多分こっちだお!」
行くこと数十分
( ^ω^) …
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「きっとあっちなんだお!」
無闇に曲がりまくるブーンには、気づかぬうちに奇跡が起きていた。
感覚を狂わせるクックルの鳴き声が、少年の元より狂った方向感覚を是正していたのだ!
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 走るのって気持ちいいお♪
( ^ω^)「おっ、何か見えてきたお」
(^ω^) イェイ
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 12:41:29.10 ID:PKN1+dmg0
( ´ω )ゼェハァ 「近いと思ったけど結構遠かったお」
あれから丸半日歩き続けていた。もう空は夕闇が近い。
( ´ω )「そういえば林檎しか食べてないお、お腹鳴ってるお」
心細い。今は独りしかいないのだ。
( ´ω )「こんなことなら、夕べのオムライスお代わりしとけば良かったお」
( ;ω )「カーチャンのオムライスが食べたいお、おっ」
川 )「おい、止まれ」
( ^ω^)「おっ?」
気がつけば集落らしきものの入り口まで歩いていた。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 12:42:01.87 ID:+CRHZMpoO
支援する
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 12:46:55.48 ID:PKN1+dmg0
川 ゚ -゚)「ようし、止まったな。それでは遠慮なく」
長い黒い筒を構えた女性がこっちを見ている。
川 ゚ -゚)「撃つ」
( ゚ω゚)「ままままままってくだしあ」
川 ゚ -゚)「何だ、最期の言葉なら聞かんぞ、情が移るからな」
( ゚ω゚)「えっ死ぬの!?ブーンここで死ぬの!?」
川 ゚ -゚)「そうだよ」
じゃあ、さよならだ。
今度は確実に走馬灯が過ぎった。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 12:50:43.30 ID:PKN1+dmg0
『セクロスしたいお!』
『僕のミルクだよ』
『ザーメンおいしいだ!早く行けゴルァ』
( ´ω )「ザーメン…」
ろくでもない走馬灯だった。
川 ゚ -゚)「何だと?」
( ´ω )「最期の言葉は聞かないんじゃなかったのかお」
むしろもう聞かないで欲しい。
川 ゚ -゚)「いいからもう一度言え、今なんと?」
( ´ω )「…ザーメン」
川*゚ -゚)「おいしい」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 13:06:38.09 ID:uO0NEi4d0
( ´ω ) …
( ´ω )「ザーメン」
川*゚ -゚)「お、おいしい」
( ω )「ザーメン」
川* //-//)「お、おいし…」
ハァハァ( *^ω^)「ザーメン!!!!!」
川#// -//)「おいしいいですうううううううう」
( #)ω`)「わざとじゃないんやぁ、多感な時期の本能なんやぁ」
川 ゚ -゚)「黙れクソピザ」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 13:14:33.29 ID:uO0NEi4d0
ことり、と腐りかけた木のテーブルにスープカップを置く。
( ^ω^)「ごちそうさまですお」
川 ゚ -゚)「それで、逃げてきたわけか」
( ^ω^)「そうだお、あの人大丈夫かお?」
川 ゚ -゚)「番長、か。相手が悪いが、何、フサは簡単に死ぬ男ではない」
( ^ω^)「おっ、すごく強そうだったお!」
川 ゚ ー゚)「ああ、強いとも」
クーの僅かな微笑みは、とても静かだった。
(*^ω^) (綺麗な人だお。この人がさっきはあんなに…)
(*^ω^)「ザーメン」
川 ゚ -゚)「次ゆったら殺す」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 13:24:09.30 ID:qWY31Gb8O
走馬灯見たならしんだんじゃないのか?
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 13:27:43.38 ID:uO0NEi4d0
川 ゚ -゚)「さて、贄の少年。早々にここを立つぞ」
クーが皮袋を肩に掛ける。
( ^ω^)「お?フサさんを待たないのかお?」
川 ゚ -゚)「阿呆。ここではクリスマスに近すぎる。すぐ追っ手に着かれてしまうぞ」
( ^ω^)「でもフサさんは」
川 ゚ -゚)「行き先は知っている筈だ。早くしろ」
( ^ω^)「おーん…また歩くのかお…」
朽ちかけた扉はクーに蹴破られて乾いた悲鳴を上げた。
集落は無人だった。荒れ果てた荒野に埋もれて風化していったようだ。
その中を抜けて、再び草も生えない赤土の荒野へ赴く。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 13:32:12.06 ID:uO0NEi4d0
>>63 一応まだ生きてるみたい
歩く。前を歩くクーの足取りは女性とは思えず速い。
( ^ω^)「見渡す一面赤いお」
川 ゚ -゚)「…昔は緑溢れる肥沃な土地だったんだ」
( ^ω^)「おっ?」
川 ゚ -゚)「お前まさか知らないのか?」
( ^ω^)「またそれかお、ブーンは知らないことだらけだお」
川 ゚ -゚)「贄は無垢な子供と聞いていたが、無知とはな」
(#^ω^)「ほっといてくれお」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 13:45:12.29 ID:uO0NEi4d0
川 ゚ -゚)「もう十年近く前になるか。クリスマス国とカス国は戦争をしていたんだ」
( ^ω^)「何で戦争なんかするんだお」
川 ゚ -゚)「領土争いだ、お前にもそれくらい分かるだろう」
( ^ω^)「…うんたぶん」
川 ゚ -゚)「まぁ聞け。両国の力は拮抗していてな、戦争は長く続き、疲弊した両国は冷戦協定を結ぶに至った」
川 ゚ -゚)「そして協定を結ぶ式の当日、それは起きたんだ」
硬い大地は、歩くたびに間接が軋んで痛い。
だが少年はクーの話を夢中で聞いた。
川 ゚ -゚)「その日、空は真っ黒な雲で埋め尽くされていた。
協定式は国境沿いで行われることになっていた。あの集落は当時のカス国のものだ」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 13:52:16.84 ID:uO0NEi4d0
川 ゚ -゚)「おとーさま!」
/ ,' 3 そ 「クー!お前何をしているんだ、こんなところで」
川 ゚ -゚)「えへへー、驚いたでしょ!付いて来ちゃった!」
/ ,' 3 「つ、ついてきちゃったってお前…」
川 ゚ -゚)「今日で戦争は終わるんでしょ、おとーさまももっとクーと遊んでくれるでしょ?」
/ ,' 3 「いや、まぁ、終わるというか…」
川 ^ -^)「わーい!」
/ ,' 3 「お、こらクー、あんまり走り回るんじゃない、…やれやれ」
/ ,' 3 「戦争が…終わる、か。本当に終わるのは何時になるだろうな…」
見上げた、空。
黒々とした雲が唐突に湧き出て、空が唸った。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 13:58:45.87 ID:uO0NEi4d0
話ながらも、クーの歩くリズムは変わらない。その表情もだ。
ただ、少しだけ悲しそうに見えた。
川 ゚ -゚)「…空がまるで咆哮したようだった。黒雲が一斉に迫って来たようだった」
川 ゚ -゚)「それで、この荒れた大地の出来上がりだ」
(;^ω^)「出来上がりって、一体何が起きたんだお?」
川 ゚ -゚)「クリスマスが神を無理矢理怒らせたんだ。そして縛り付けた」
(;^ω^)「は、話が見えないお」
川 ゚ -゚)「つまり、だ」
川 ゚ -゚)「奴ら最初から冷戦協定なんて結ぶ気はなかったのさ」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 14:02:44.34 ID:pALZfj37O
ラーメンおいしい支援
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 14:11:27.91 ID:qWY31Gb8O
今ちょうどラーメン食ってた
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 14:11:52.89 ID:ngitAjYZ0
川 ゚ -゚)「集まったカス国の主要な人間ごと、この土地はクリスマスの仕向けた神の怒りに焼かれたんだ」
(#^ω^)「クリスマスが騙したんだお! 卑怯だお!」
川 ゚ -゚)「ああ。だがそれでその戦争は終わった。カス国の敗戦だ」
(;^ω^)「おっ?じゃあ平和になったんだお?」
川 ゚ ー゚)「ふ…」
クーの口端が歪んだ。さっきの微笑みとは似ても似つかぬ皮肉げな笑みだ。
川 ゚ ー゚)「あはははは!」
( ^ω^)そ
川 ゚ -゚)「平和、平和か。ここ十年、それを感じたことはない」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 14:19:53.98 ID:ngitAjYZ0
今ちょうどパスタ食ってた。あ、麺繋がりね
川 ゚ -゚)「奴らの支配は酷く差別と悪意に満ち、世界は混沌としたからな」
川 ゚ -゚)「だが、それももう終わりだ。終わらせる。あの戦争が終わった時、新しい戦争が始まったんだよ、少年」
(;^ω^) 「(怖いお…) あ、新しい戦争?」
川 ゚ -゚)「そうだ。我々とクリスマスの戦争だ。今度こそ、平和を勝ち取って見せる」
(;^ω^)「クーと、フサかお?でもこんな…」
辺り一面、赤の海。血のような色の広漠な死んだ土地。
これが神の怒りとやらで成されたのだとしたら、クリスマスはとてつもない力を持っている。
川 ゚ -゚)「二人だけではない。クリスマスをぶっ潰したいと思っているのはな」
(;^ω^)「でも…」
川 ゚ -゚)「お前だ、贄の少年。お前さえ、奴らの手に渡さなければクリスマスと戦える」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 14:26:57.71 ID:ngitAjYZ0
( ^ω^)「おっ!?ブーンかお!?」
川 ゚ -゚)「…逃げようと思うなよ」
(;^ω^)「つっても、ブーンには何が何だか…」
川 ゚ -゚)「お前だって生贄で死にたくはないだろう」
( ^ω^)「それは勿論だお!ブーンはまだ…!」
川 ゚ -゚)「まだ?」
(;^ω^)「ま、まだ…」
童貞だなんてこんな美人にいえない。
(;^ω^)「し、死ぬわけにはいかないんだお!」
川 ゚ -゚)「…ふ、その意気だ。まだ三日は歩くぞ、死ぬ気でついてこい」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 14:32:05.49 ID:ngitAjYZ0
( ^ω^) 無理
(^ω^) <ムリ
おやすみ、みんな・・・
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 14:52:57.68 ID:qWY31Gb8O
おやすほしゅ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 15:50:20.65 ID:5YdZ6ACU0
ねるなお
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 15:56:07.90 ID:W4jHKV1yO
作者は眠るようです
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 16:42:31.95 ID:9jxQ1kJ/O
お保守さまに願いを
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 18:32:11.95 ID:we/1b0R9O
VIP落ちてた
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 19:12:48.80 ID:we/1b0R9O
VIP落ちてた
スレ無くなったかと思った
携帯からだけどながら投下続き
荒野は夜になると酷く冷え込んだ。
ブーンは寝巻き姿一枚だ。歯の根も合わないほどガチガチと震える。
川 ゚ -゚)「ほら、これを着ろ」
(;^ω^)「遠慮するお」
川 ゚ -゚)「なんだ、寒いんじゃないのか」
(;^ω^)「それはクーさんのだお」
川 ゚ -゚)「ほう、贄のくせに一応は男だというわけか」
(#^ω^)「ブーンは贄じゃなくてブーンだお」
まってた支援
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 19:25:42.47 ID:we/1b0R9O
川 ゚ -゚)「その名前、お前が贄じゃなくなったら呼んでやろう」
(#^ω^)「なんでだお、ブーンはブーンなのに」
川 ゚ -゚)「煩いな、早く歩け」
( ;ω;)「カーチャン、ブーンは名前すら呼んでもらえません」
川;゚ -゚)「一々泣くな、うっとおしい」
( ;ω;)「カーチャンからもらった内藤ホライゾンという名前を」
川 ゚ -゚)「ブーンじゃねぇのか」
(* ^ω^)「ブーンはあだ名だお」
川#゚ -゚)「なんか腹立つ」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 19:37:51.93 ID:we/1b0R9O
( ^ω^)「おっおっ、すごい星空だおー!」
何の隔ても明かりもない荒野の夜空は小さな星もよく見える。
プラネタリウムのような夜空と大地が何処までも続く。
川 ゚ -゚)「まさか空も見たことないとか言うんじゃないだろうな」
( ^ω^)「こんなに綺麗なのは初めて見たお」
川 ゚ -゚)「やれやれ、君は一体どこから来たんだ」
( ^ω^)「日本だお」
川 ゚ -゚)「にほん?」
クーもまた、フサと同じように首を傾げた。
( ^ω^)「クーさんも知らないのかお」
川 ゚ -゚)「聞いたことがないな」
( ^ω^)「…(やっぱりブーンの世界と違うのかお)」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 20:32:35.19 ID:we/1b0R9O
川 ゚ -゚)「まぁ、お前の故郷なんぞどうでもいい。今は逃げ切ることだけ考えるんだな」
(#^ω^)「べ、別に聞かれたから答えただけだお!」
クーは時折優しく、大体冷たくて意地悪だった。
川 ゚ -゚)「その元気があれば今夜は夜通し歩けるな」
(;^ω^) そ「夜通しとな!?」
川 ゚ -゚)「見つかり難い夜のうちに距離を稼いだ方がいい」
(;^ω^)「さいですか」
川 ゚ -゚)「何だ、お前は男だろう?」
やはり、クーは苦手だ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 20:37:30.20 ID:we/1b0R9O
投下速度おっそ!
また夜中にがつがつ投下します。
一応短編?なのでこのスレで完結目指すっす
質問してやろうって気になったらどぞ、罵倒も絶賛受付中
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 20:46:01.00 ID:hHMQpep10
読み終わった
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 21:57:36.31 ID:72hgeI7TO
これ短編か
保守保守
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 22:44:52.43 ID:nCRBNbXvO
目ちっちゃ
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 22:51:06.67 ID:we/1b0R9O
不意にお題募集すること思い付いた
べ、別にネタに困ってとかじゃないんだから!
お題も絶賛受付中
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 22:58:28.46 ID:rP7yrAVoO
なにこのゴミ、なんでこんなに人気ないし駄文を平然と公共の場に晒せるんだ?
まずストーリー、よくあるラノベっぽいなにかに萌え(笑)キャラ。
まるでマネキンのような個性のないキャラ。
地の文は文体からしてレベルが低い。
はっきし言ってしまえば俺からして見れば
アマチュアの『ア』の字すらもったいないないゴミ駄作だと思うわ。
小説を語るのもおごがましいんだよ。
小説はな?らくがきとは違うんだよらくがきとは
厨房の妄想じゃないんだよ。高等で至高なんだよわかったか?
クソつまらない駄作を二度と見せんな勘違い野郎が。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 22:59:34.73 ID:rP7yrAVoO
二度と書くな
ゴミが
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:02:14.21 ID:9W7hZmkxP
砂漠の夜に寝巻き一枚とか二時間で死ぬ自信がある
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:06:10.41 ID:L3QnO/IO0
おちんちんが出てくるの魔だー?
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:06:31.54 ID:PG4ZVL/y0
つまんね、才能無いよ
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:10:24.15 ID:j8V2YBE60
つまらないもん見せんな。駄作者乙
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:16:10.07 ID:94F2xbH7O
( ^ω^)支援
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:19:01.97 ID:rP7yrAVoO
作者逃亡おっつーwwwwwwwwww
ブーン系はつまらない奴にはとことん厳しいんだよwwwwwwww
わかったか?わかったら早く死ねwwwwwwwww
支援
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:22:07.64 ID:rP7yrAVoO
こいつらは哀れみで支援してやってる偽善者だwwwwwwwww
かわいそうな作者wwwwwwwwwwwww
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:23:32.95 ID:hHMQpep10
支援
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:26:58.32 ID:rP7yrAVoO
俺はお前にアドバイスしてやってんだよwwwwwwww
俺の叩きを糧に成長しろやwwwww
ほらほら感謝しろwwwww
哀れみ支援や同情支援ならくれてやるからいやならさっさ消えたら?wwwwwww
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:31:04.67 ID:rP7yrAVoO
わかったか?つまらない作品を書けば人間扱いされない。
だがくじけるな、面白い作品を書けば今回みたいなケースにならないから
わかった?俺に感謝しろな?応援してるから
礼はいらないから、またな
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:54:03.59 ID:72hgeI7TO
おお…作者来てたのか
お題: クリスマスツリーの飾りに時々いるおっさん
あのおっさんって確か木の精霊だった気がする
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/16(木) 23:54:13.53 ID:OLGdo5UeO
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 00:12:16.29 ID:vdi3V942O
おーい作者ーおーい
保守
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 00:56:55.82 ID:g4mKsVvA0
支援と保守ありがとうございます!11
急な仕事で携帯から投下してたらAAがミスコピとかほんとないわwwww
orz
お題も有難うっす!自分噛み締めて投下するっす!!!
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 01:21:07.59 ID:/IgObOK50
回線切れてレスが吹っ飛んで全俺が涙目
矢張り、クーは苦手だ。
( ^ω^)「…クリスマスの儀式の生贄って何だお」
不意に、尋ねた。
川 ゚ -゚)「だから、お前のことだ」
( ^ω^)「そうじゃないお、ブーンの国ではクリスマスに生贄を立てるなんて聞いたことないお」
川 ゚ -゚)「…知りたいか?」
( ^ω^)「だってブーンのことなんだお?」
川 ゚ -゚)「いいだろう」
深夜は眠い
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 01:27:43.80 ID:/IgObOK50
川 ゚ -゚)「『モミの樹』は知ってるな?」
( ^ω^)「おっおっ、それくらいなら分かるお」
川 ゚ -゚)「本当か?なんか不安だな」
( ^ω^)「いいから続けるお」
川 ゚ -゚)「『モミの樹』のオサーンのことは?」
( ^ω^)「おっさん?」
川 ゚ -゚)「オサーン、だ。大樹『モミの樹』の精霊のことだ」
( ^ω^)「クリスマスツリーにそんなん住んでるのかお!」
川 ゚ -゚)「この世界を作ったと言われる創造主の護り人を、そんなんとか言うな」
( ^ω^)「すいません」
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 01:37:42.45 ID:/IgObOK50
>>108 ごめんね
川 ゚ -゚)「『モミの樹』は、オサーンそのものでもある。
オサーンは、創造主の護り手と同時にこの世界の護り手でもあるんだ」
( ^ω^)「神様みたいなものかお」
川 ゚ -゚)「少し違う。神様は創造主のことだ。オサーンは精霊だ」
(;^ω^)「うぇぇっぇ」
川;゚ -゚)「おちつけ、まだ全然難しくないぞ」
(;^ω^)「続けるお」
川 ゚ -゚)「神話になるが、オサーンはこの世界を創造主がお造りになってから、秩序を護ってきた
毎年十二の月になると、オサーンは『モミの樹』に奇跡を起して神の力を世界に満たす」
川 ゚ -゚)「そうしてこの世界は流れる四季を、大地の恵みを与えられているんだ」
クーが空を見上げる。どこまでも高い満点の星空。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 01:47:01.00 ID:/IgObOK50
( ^ω^)「オサーンすっげぇー」
川 ゚ -゚)「クリスマスはそのオサーンをモミの樹ごと封印してしまったんだ」
( ゚ω゚)「おっ?」
川 ゚ -゚)「さらに、オサーンの力を使って神の怒りを煽り、モミの樹を兵器にしてしまった」
川 ゚ -゚)「毎年オサーンの力の高まるこの時期に、奴らは生贄を使って押さえ込むんだ。
この十年で十人が生贄になった。お前で十一人目だ」
( ^ω^)
(#^ω^)「なんという不埒な行い」
川 ゚ -゚)「何だ、怒ったのか」
(#^ω^)「許せんお! クリスマスだかクリトリスだか知らんけど酷いことするお!」
川 ゚ -゚)「あの力の犠牲になったのはその十一人だけじゃないぞ」
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 01:49:25.02 ID:+YUSoWex0
おっ、まだやってたのか
なんか和む雰囲気とどこか懐かしい異世界ファンタジーとか俺得乙
支援
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 01:59:34.40 ID:E/yWIDLb0
川 ゚ -゚)「モミの樹を制圧し神の力を手に入れた奴らは、
世界の掃除と称してカス国の人間を差別した」
川 ゚ -゚)「あるいは奴隷とし、あるいは掃討すべきとして殺した」
川 ゚ -゚)「お陰で美しかったカス国は荒れ果て、死に絶え、身を潜めてしか生きられん」
月だ。月明かりが、クーの微動駄にしない頬を照らした。
淡々と語るクー。
あくまでも、淡々と。
( ^ω^)「…」
川 ゚ -゚)「どうした、お前が聞きたがった話だぞ」
( ^ω^)「ごめんお」
川 ゚ -゚)「は?」
( ^ω^)「なんか、クー辛そうだお」
川 ゚ -゚)
( ^ω^)「無理に聞いて悪かったお」
川 ゚ -゚)つ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:04:36.84 ID:E/yWIDLb0
デェィ
川 ゚ -゚)=O)) ゚ω゚)・:ゴフッ !?
( #)ω`)「い、いきなり何するんだお!?」
川 ゚ -゚)「危ないところだった…」
( #)ω`)「何が!?」
川#゚ -゚)「うるさい、速度落ちてるぞ。キリキリ歩け!」
( #)ω^)「!? !?」
やっぱりクーは苦手だ。(三度目)
夜は更けて行く。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:07:21.19 ID:rG1TpO1q0
支援
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:08:09.56 ID:P/bRb4mA0
フラグ立つところだったのか・・・?
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:13:29.13 ID:70Oesgar0
チャチャラリーララ、チャラリラリラー
( ^ω^)「お?」
川 ゚ -゚)「む?」
ガラガラガラガラ
( ∵)<へいらっしゃい!
(;^ω^)そ 「ラーメン屋さんだ―――――!?」
川 ゚ -゚)「おお、親父、久しぶりじゃないか」
( ;゚ω゚)そそ 「クー知り合いだお!?」
川 ゚ -゚)「お前はどうせまた知らんのだろ。彼は流離いのメンラー屋だ」
( ゚ω゚)「それ僕じゃなくても知らないっすよね!?てかメンラー!?ラーメンじゃなくて!?」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:18:52.88 ID:rG1TpO1q0
支援
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:22:08.70 ID:70Oesgar0
( ^ω^)「メンラーなの!?ねぇラーメンじゃなくて!?」
川 ゚ -゚)「煩いな、丁度いい、親父二丁くれ」
(;^ω^)そ「頼むんだ!?」
( ∵)つ===○===○ <あいよ! 二丁お待ち!
(;^ω^)「この手捌き…こいつ、出来る!」
=====彡 サッ
========彡 サッ
( ^ω^)「メンラーが消えた・・・だと!?」
‖‖‖ シュタ
○⊂川 ゚ ー゚)つ○「相変わらずいい速さだ、親父」
( ∵)<クー様も腕を上げましたな!
( ^ω^)「もうどう突っ込んでいいか…!」
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:32:43.72 ID:70Oesgar0
( ^ω^)つ○「…」
ホカ ホカ
( ^ω^)つ○
( ^ω^)つ○ (どう見てもラーメン…!だがこれはメンラー…!)
川 ゚ -゚)○ハフハフ「早く食べないと冷めるぞ」
(;^ω^)そ 「た、食べるお! いただきますお!」
( ^ω^)ハフハフ
( ^ω^)そ こ、これは…!
(;^ω^)澄み切ったスープはカツオ出汁が利いていてしっかりとコクがあり全く飽きがこない、
さらに麺は細めだが確りとコシがあって噛めば噛む程小麦の香りがカツオ出汁と重なり合って
鼻からふくよかに抜けていくようだお…!
(^ω^ )キッ(こ、この親父…!)
( ∀)<ニッ
(^ω^ ) ちょwwwww顔全部口wwwwww
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:39:00.32 ID:70Oesgar0
( ^ω^)「お腹いっぱいだお!」
川 ゚ -゚)「早くて美味い。矢張りメンラーだな」
( ^ω^)「おっ?流離いのメンラー屋さんもう行ったのかお」
川 ゚ -゚)「ああ、情報も仕入れてきた。少し高く付いたがな」
( ^ω^)「おっ!?流離いのメンラー屋は情報も売ってるのかお!?」
川 ゚ -゚)「メンラー屋なら普通だろうが」
( ^ω^)
( ^ω^) ぁ、ふーん…そうなんだ…ごめんね無知で…
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:46:30.08 ID:70Oesgar0
( ^ω^)「それで、どんな情報なんだお?」
川 ゚ -゚)「それをお前に教えてどうなるんだ?」
( ^ω^)「おっ?」
川 ゚ -゚)「お前が何か役に立てるのか?」
(;^ω^)「でっ、でもブーンだって一緒に逃げるんだお、知っておいた方が」
川 ゚ -゚)「馬鹿に余分な知識を増やしても下手をこくだけだ」
(#^ω^) カッチーン
川 ゚ -゚)「お前は黙って確り付いて来ればいい」
( ω) 分かったお
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 02:52:25.73 ID:70Oesgar0
クーに背中を向けて、歩き出した。
川 ゚ -゚)「おい、何処へ行く気だ」
( `ω´)「分かったって言ったんだお! ブーンは一人で逃げ切るお!」
ずんずんと今は夜に青紫に染められた地面を進む。
川 ゚ -゚)「おい、止まれ」
( `ω´)「もういいお、全部自分でやるお。クーさんはあんまりだお!」
川 ゚ -゚)「止まらんと撃つぞ」
(#^ω^)「おっおっ、撃てばいいお、生贄なんていない方がそっちも―――」
( ^ω^)
自分の言葉に、はっとした。
川 ゚ -゚)「…そうだ、贄の少年」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 03:11:31.30 ID:Pbj7zbuzO
( ^ω^)支援
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 03:12:06.59 ID:70Oesgar0
背中で鉄塊を擡げる音がする。
川 ゚ -゚)「君が居なければ、それで済むんだ」
(;^ω^)「…どうしてだお」
ブーンのこめかみから、冷たい汗が伝い降りた。
川 ゚ -゚)「何故殺さないか? 勘違いしてもらっては困る。私たちは慈善団体じゃない」
川 ゚ -゚)「私と君はちっとも対等じゃないんだ」
(;^ω^)「じゃあ何で最初からブーンを殺さないんだお!」
思わず叫んだ。クーは矢張り、眉一つ動かさずに銃口を向けている。
(;^ω^)「フサさんとクーさんが優しい人だからじゃないのかお!?」
川 ゚ -゚)「馬鹿を言うな、フサは知らんが、私はそんなに甘くない。現にお前を殺す覚悟はしていた」
( ;ω;)
川 ゚ -゚) =3「また泣くのか」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 03:20:57.27 ID:70Oesgar0
( ;ω;)「おっ、おっ、やっぱりクーさんは優しいお」
川 ゚ -゚)「戯言を」
( ;ω;)「ブーンを殺すかもしれないから、わざと冷たくしたんだお?」
川 ゚ -゚)
川;゚ -゚)「な、なん…、どうしてそうなるんだ。お前の頭は沸いてるんじゃないのか」
( ;ω;)「ブーンには分かるんだお、うちのカーチャンがそうだったお」
川 ゚ -゚)「母親?」
( ;ω;)「カーチャン、トーチャンが死んだ時、すごく辛そうだったお。
僕を殺して自分も死のうと思ってた時のカーチャンと、今のクーさんはとても似てるお」
川 ゚ -゚)「…違う、私は、そんな」
( ;ω;)「またブーンは気づけなかったお…。ごめんお、クーさん、もう我儘言わないお」
川 - )「違う!!」
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 03:40:05.93 ID:70Oesgar0
川 - )「勝手にお前の母親を重ねるな!」
名前も呼ばない。情報を共有する気もない。
川 - )「私は殺すお前に情が移るのが、ただ、」
出来るだけ見たくないから前を歩いた。
川 -;)ポロ 「怖か……っ」
自分が殺すことになるかもしれない命。
川 -;)「く、くそっ、私は弱い。何て弱いんだ、この程度で…」
( ;ω;)「おっ!?クーさん、ごめんお!」
川 つ ) ゴシゴシ 「見るな!泣いてなんかいない!」
( ;ω;)「おっ!?」
( つω⊂)ゴシゴシ
川 ゚ -゚) (^ω^ )「ブーンも泣いてないお!」
川 ゚ -゚)
川 ゚ー゚)「本当に馬鹿だな、君は」
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 03:52:10.11 ID:GTTOik4m0
( ^ω^)「おっ!?」
川 ゚ -゚)「なんというか、根っから馬鹿なんだな。よく分かった」
(#^ω^)「なにそれひどい」
川 ゚ -゚)「煩い。さぁキリキリ歩け。夜明けになってしまう」
( ^ω^)ノ アイアイサー
( ^ω^)「夜明けになったら少し寝れるお?」
川 ゚ -゚)「無論だ。寝なければ死んでしまう」
( ^ω^)「ワーイ早く寝たいおー!」
川 ゚ -゚)「ったく」
これから二日―――歩き続けねばならない。
( ∀ )「くくく、見つけたぞ生贄の…」
( ∀ )「おっぱい!」
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 03:54:46.97 ID:GTTOik4m0
今日のところはおやすみなさい。また明日
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 04:27:12.92 ID:WzfD5j7S0
生贄のおっぱいっておいばか気になる
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 05:31:06.82 ID:rG1TpO1q0
ほ?
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 06:19:05.11 ID:vdi3V942O
揉みの木のオサーンってすごい人なんだな…
続きに期待おっぱい
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 07:41:41.50 ID:QbovxFa5O
追いついちまった
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 07:46:11.85 ID:8gHLcn780
も
生け贄のおっぱいワロタwwwwwwwww
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 09:32:13.43 ID:Pbj7zbuzO
( ^ω^)支援
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 11:20:52.88 ID:Pbj7zbuzO
( ^ω^)支援
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 11:22:22.23 ID:i/pQOesrO
ほす
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 14:01:46.81 ID:Pbj7zbuzO
( ^ω^)支援
ほす
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 17:12:33.83 ID:vdi3V942O
はいはい保守するよっと
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 18:10:36.44 ID:2S0aP6VfO
ほー
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 19:04:26.07 ID:3vKlesG5O
仕事中ですがぼくどす
再びお題あれば下さい。夜中投下します
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 19:42:08.46 ID:vdi3V942O
本物かはわからんが作者が来なすったぞー!
とりあえずお題、七面鳥
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 21:13:47.70 ID:vdi3V942O
よいしょー
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 21:33:54.50 ID:QbovxFa5O
お題:クレヨン
お題:靴下
お題:オーナメント
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 22:47:45.49 ID:IedkgLYm0
お題:サンスクリット語
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/17(金) 23:21:42.67 ID:rG1TpO1q0
ほ
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 00:05:50.14 ID:6zJ7Me/NO
すんっ
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 00:48:01.68 ID:LAdaom+fO
あと30分くらいお題いっぱいきつあまひ
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 01:18:37.07 ID:IszW4g0N0
投下しちゃうんだからっべ、べつに保守と支援ありがとうなんてっ
おもってる…
( ^ω^)「お題消化の順番はまちまちになるけど全部消化するお!」
川 ゚ -゚)「は?」
( ^ω^)「でははじまるお」
川 ゚ -゚)「…(とうとう頭が)」
_
( )
( ^ω^)そ 「おっ!?クーさん、誰か倒れてるお!」
川 ゚ -゚)「ほうっときなさい、もう死んでいるさ」
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 01:24:48.95 ID:IszW4g0N0
===( ^ω^)トトトト 「大丈夫ですかおー!?」
川 ゚ -゚)「ほうっときなさいというのに、やれやれ」
今はもう二日目の昼だ。空には照りつける太陽が輝いている。
そして、うつ伏せ倒れている男の尻も輝いている。
( ^ω^)そ「おっ!この人全裸だお!」
川 ゚ -゚)「追いはぎにでもあったのか?」
クーは遠巻きに見ている。
( ^ω^)つユサユサ 「もし、旅のお方」
川 ゚ -゚)「お前もだろ」
( ^ω^)つユサユサユサ 「どうですか?焼けますか?」
川 ゚ -゚)「日光浴のわけないだろ」
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 01:28:26.62 ID:IszW4g0N0
_
( ∀ )「う、うう…」
( ^ω^)「生きている…、だと」
川 ゚ -゚)「これは予想外」
_
( ゚∀゚)「み、水を…」
( ^ω^)「クーさんお水!」
川 ゚ -゚)「貴重な水だぞ」
( ^ω^)「そんなこと言ってる場合かお、死んじゃうお」
川 ゚ -゚)「もう全裸なんだし死ぬしかないだろ」
( ^ω^)「…ブーンの唾液でm」
_
( ゚∀゚)「そこはクーさんとやらの唾液だろjk」
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 01:31:18.78 ID:IszW4g0N0
川 ゚ -゚)「jkじゃねぇよ」
( ^ω^)「なかなかの変態」
_
( ゚∀゚)「お前に言われたくない」
( ^ω^)「てか元気そうだお。なぜ全裸なんだお?」
_
( ゚∀゚)「それが…、今しがた追いはぎに逢ってしまいまして」
川 ゚ -゚)「だろうな」
( ^ω^)「パンツも残さないとは…なんたる追いはぎ」
_
( ゚∀゚)「お陰でこの美しく逞しい肉体美がこんなにも露わに」
( ^ω^)「そこなのお前の被害」
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 01:36:34.09 ID:IszW4g0N0
_
( ゚∀゚)「助けて頂いてありがとうございました、お陰で掘られずに済みました」
川 ゚ -゚)「何もしてないけどな」
( ^ω^)「おっおっ、どういたしましてだお」
_
( ゚∀゚)つ■「これは心ばかりの御礼です」
■⊂(^ω^ )「おっ?」
川 ゚ -゚)「何だ、何貰ったんだ?」
■⊂(^ω^ )
川 ゚ -゚)つ■
川 ゚ -゚)■⊂
こ、これは…!
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 01:41:40.79 ID:IszW4g0N0
川;゚ -゚)「伝説のおちんちんオーナメント…!」
( ^ω^)「えっ」
_
( ゚∀゚)「…」
_
( ゚∀゚)「すみません、マイクの関係で聞こえづらかったのでもう一度」
川 ゚ -゚)そ
川;゚ -゚)「伝説のおちんちんオーナメント…!」
( ^ω^)「ううーん、マイクの調子が悪いみたいだお、ゆっくり、平仮名でもう一度」
_
( ゚∀゚)「ええ、お願いします」
川;゚ -゚)「でんせt」
_
( ゚∀゚)「あ、そのあとだけで」
川;゚ -゚)「おちんちんおーなめんと…!」
_
(*^ω^) ( *゚∀゚) (おちんちん、おお、舐めんと…!)
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 01:52:16.44 ID:56x0+d7B0
川 ゚ -゚)
_
(*^ω^) ( *゚∀゚) ハァハァハァハァハァ
川#゚ -゚)
デェヤッ
川#゚ -゚)=O)) ゚ω゚)・:ゴフッ
ソオリャッ
川#゚ -゚)=O)) ゚∀゚)・:オゴォッ
川#゚ -゚)「で、どうして君がこんなものを持っているのだね」
_
(#)゚∀゚)「このオーナメントを渡すように頼まれたのです」
( #)ω`)「一体おちんちんが何なんだお」
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 01:57:54.88 ID:56x0+d7B0
川 ゚ -゚)「オーナメントだ。これは…」
_
(*^ω^) dkdk (*゚∀゚) wkwk
川#゚ -゚)「もうフルネームは言わんぞ」
( ^ω^) ( ゚∀゚) <えー
川 ゚ -゚)「で、このオーナメントはな」
(*^ω^) dkdk (*゚∀゚) wkwk
川 ゚ -゚)
川 つ )
川 ∩ )
川#゚ 皿゚)
(;^ω^)そ
_
(;゚∀゚)そ
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:02:26.53 ID:QASolc7MO
ブーン系でクーが一番可愛いすぎる・・・
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:10:03.83 ID:56x0+d7B0
川 ゚ -゚)「で、このオーナメントはな、クリスマス国がカス国から奪い去った伝説の神器だ」
( ^ω^)「おっおっ、追いはぎに逢ったのによく無事だったお」
川 ゚ -゚)「聞きたいことがありすぎるな、おいお前」
クーが短銃を構え、ジョルジュに照準を合わせた。
_
( ゚∀゚)「お、お待ちください! 私は確かに渡してくれと頼まれたのです!」
川 ゚ -゚)「誰に?」
_
( ゚∀゚)「そこの少年は生贄ですね?」
( ^ω^)そ 「おっ」
川 ゚ -゚)「…矢張りクリスマスの手先か」 チャキ
(;゚∀゚)「は、話を聞いてください! 頼まれたのはアニジャという男です!」
川 ゚ -゚)「!」
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:16:43.11 ID:56x0+d7B0
明らかにクーの顔色が変わった。
( ^ω^)「クー、知ってるのかお?」
川 ゚ -゚)コクリ「ああ。…それは確かなのか」
_
( ゚∀゚)「私はアニジャとは友人です」
川 ゚ -゚)「…どこでこれをアニジャから預かったんだ」
_
( ゚∀゚)「この先にあるカス国のラウンジ街跡です」
川 ゚ -゚)「アニジャは何と?」
_
( ゚∀゚)「…彼は、急襲したクリスマスの奴らに…」
川 ゚ -゚) パァン!
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:38:37.84 ID:apOm6hfp0
支援
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:38:43.14 ID:hjeP48k40
(;^ω^)「クー!!?」
火薬の臭い。銃口から紫煙が一筋上がっている。
クーは撃ったのだ。
川 ゚ -゚)「クリスマスの犬が、下手な芝居もいいかげんにするんだな」
( ^ω^)「おっ!?」
全裸の男は掠り傷すら負っていない。
いつの間にか靴下を嵌めた左手拳をゆっくりと開くと、
ぽろ、と銃弾が落ちて転がった。
_
( ∀ )「くくく、こんなチャチな手じゃひっかからねぇか」
(;^ω^) (全裸で左手のみに靴下嵌めてるお…!しかも銃弾を靴下で…!?いや靴下は意味が!?)
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:39:47.99 ID:apOm6hfp0
支援
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:47:16.91 ID:lhnLcdjz0
( ^ω^)
( ゚ω゚) (意味ある靴下見つけたああああああああああ)
その男の、股間に。
川;゚ -゚)「く、卑猥な格好しやがって…全裸より性質悪いぞお前」
_
( ゚∀゚)「いつだってビンビンだから出来るんだぜ?」
川 ゚ -゚)「聞いてねぇよ」
(*゚ω゚)「す、すごく・・・大きいです・・・」
川*゚ -゚)「いっ、言わなくていい馬鹿者っ!」
かつてない 強敵 が現れた!
(くつした・おーなめんと・消化)
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:48:05.91 ID:swIhueyr0
支援ww
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:48:59.29 ID:oNqRyPxh0
しぇん
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 02:54:22.06 ID:lhnLcdjz0
川 ゚ -゚)チャキッ「で、貴様、アニジャをどうした」
( ゚ω゚)
川 ゚ -゚)「アニジャはこれから行く街跡で待っている筈だった男だ、お前彼をどうした?」
( ゚ω゚)
_
( ゚∀゚)「くくく、あの男なら今頃木にぶら下がって鳶の餌だろうよ」
( ゚ω゚)
川;゚ -゚)「なん、だと…貴様っ!殺したのかっ!」
_
( ゚∀゚)「さぁ?随分痛めつけたからな、死んだかもしらんな」
( ゚ω゚)
川;゚ -゚)「アニジャ…!」
( ゚ω゚)
_
==彡 シュッ 「おいおい、人の心配してる場合か?」
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 03:26:28.40 ID:3GiSNjTV0
支援
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 03:26:40.60 ID:pdVN9ilE0
( ゚∀川 ゚ -゚)そ
( ゚ω゚ ) でっかい…ちんこ…
:゚ -゚)「い、何時の間に…!?」
( ゚∀川「そうだ、自分の心配をしろよ?」
むにゅっ!
川;゚ -゚)「ひぁっ!?」
( ゚ω゚ ) くつしたのなか
川;゚ -゚)「き、貴様、何をする不埒ものめ!」
_
( ゚∀川「くくく、この弾力、この掌から毀れる程の大きさ、これぞ俺の求めていたおっぱい…!」
川;゚ -゚)「変態だーああああ」
_
( ゚∀川「見ろ!この揉みしだく程に掌を弾き返すハリをおおおおお!!!」
川////)「よせ、やああああああッ」
( ゚ω゚ )
( ゚ω゚ )
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 03:30:47.91 ID:pdVN9ilE0
( ゚ω゚) とめるべきかとめざるべきか…
( ´ω )「なやむお」
川#゚ -゚)「いいからお前は早く逃げろこの野郎」
( ゚ω゚)そ「おっ!?」
_
( ゚∀゚)「くくく、そうはさせん」
川 ゚ -゚)
もみもみ
( ^ω^)
もみもみ
川#゚ -゚)「そうはさせんのではないのかっ!?」
もみもみ
_
( ゚∀゚)「なんという罪なおっぱい…!」
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 03:36:04.93 ID:pdVN9ilE0
_
( ゚∀゚)「手を、放すことが、できん…!」
川 ゚ -゚)「とっ、とりあえず少年、今のうちに逃げろっ」
( ^ω^)「おっぱい、もみもみ…」
川#゚ 皿゚)「逃・げ・ろ」
( ゚ω゚)そ
( ´ω )「で、でも、クーだけ置いて逃げられないお!」
もみもみ
川 ゚ -゚)「ふざけろ、お前に何が出来るっ!?お前が捕まったら終わりなんだぞ!」
もみもみ
_
(*゚∀゚)「いいだろう、逃げろよ。この女がどうなってもいいならな!」
もみもみ
( ^ω^)そ
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 03:41:26.56 ID:pdVN9ilE0
_
( ゚∀゚)「くくくく!」
川#゚ -゚)「構うな!逃げろ!」
(;^ω^)
(^ω^;)
川 ゚ -゚)「…頼む、逃げてくれ。フサや私の行動を、無駄にしないでくれ、頼む。」
( ^ω^)そ
( ^ω^ )「わ、分かったお…!」
ダッ⊂二二二(;^ω^)二⊃
_
( ゚∀゚)「ちっ」
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 03:48:09.40 ID:BpymBied0
_
( ゚∀゚)「まぁいい、あんなチビ一匹すぐに追いつく」
川 ゚ -゚)「少年…」
_
( ゚∀゚)「くくく、後悔するぜ、女。いや――――」
_
( ゚∀゚)「昇天させてやるぜ、おっぱい!」
川;゚ -゚)「くっ…」
後ろから抱きつく腕は屈強な男のもので、とても逃れられそうにない。
川; - )「サ…っ」
きつく抱きすくめられ、掌から銃が落ちた。
川 ; -;)「フサぁ!」
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 03:55:17.04 ID:BpymBied0
⊂二(^ω^#)二二二⊃=====3「食らえブーンアターック!!!!!1111」
_
( ∀ )「おごッ!!!?」
クーに夢中になっていた全裸男が突っ込んできたブーンごと吹っ飛んだ。
川 ; -;)「し、少年!?」
(#^ω^)「いくらでっかいちんこ持ってたって、女の子を泣かすなんて、」
(# ゚ω゚)「お前のちんこは腐ってるおッ!」
_
( ゚∀゚)「あいててて…、てっ、てめぇこのクソチビが…!」
(# ゚ω゚)「食らうお!食らうお!」
起き上がりざま近場の小石を拾い、投げつける。
_
(;゚∀゚)「ちょwwwいてwwwいてwwwwてめぇwwww」
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 03:57:15.64 ID:apOm6hfp0
支援
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:03:57.30 ID:i8OWbSON0
(# ゚∀゚)「ナメてんじゃねぇぞ!」
男がブーンを掴もうと左手を伸ばす。
( ゚ω゚)「おっ!?」
ずるっ
(; ゚∀゚)「しまった!靴下が脱げた!」
=川 ゚ -゚)つ バッ
その間にクーが銃を拾い上げ、
川 ゚ -゚)6◎ チャキ
全裸男の股間に照準を合わせた。
川 ゚ -゚)6◎「腐ったちんこならば―――いらなかろうっ!」
パァァ―――――ン!
_
( ∀ )「・・・・・・くくく」
( ^ω^)「!?」
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:04:50.75 ID:apOm6hfp0
支援
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:12:00.35 ID:i8OWbSON0
川;゚ -゚)「な、に…?」
_
( ゚∀゚)「驚くこたぁねぇ。この靴下は特別製でな、銃弾はおろか、どんな攻撃も通さん」
_
( ゚∀゚)「お前が狙ったのがちんこで助かったぜ…」
(;^ω^)「おっ!?」
_
( ゚∀゚)つ(;^ω^)「このクソチビが…痛い目合いたくて戻ってきたみてぇだな」
川;゚ -゚)「し、少年!」
( ゚∀(;゚ω゚)アワワ 「選手交代だ、男は好かんが、生贄は頂くぜ」
川;゚ -゚)「おのれ、そいつを放せ!」
( ゚∀(;゚ω゚)「撃てばいいだろうが。必要ねぇんだろ?自分を助けに来てくれたこのバカチビはよ!ヒャハハハ!」
川;゚ -゚)「くっ…!」
( ゚∀(;゚ω゚)「大体何ですぐ殺さねぇんだ?その方が話早ぇだろうが」
川;゚ -゚)「うっ、うるさい!撃つぞ!」
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:13:13.08 ID:apOm6hfp0
なんという靴下支援
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:14:38.89 ID:YBr/2fY30
罪なおっぱいなんて書かれたら気になって眠れねーよ
支援
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:18:15.17 ID:i8OWbSON0
_
( ゚∀゚)「情でも移ったか?これだから女って奴ァ。おっぱいしか能がねぇ」
川;゚ -゚)6◎
( `ω´)「うるさいおこの変態ちんこ!」
_
( ゚∀゚)「あ?」
( `ω´)「クーさんをナめるなお!クーさんは強い人だお!平和のために、怖くても戦ってるんだお!」
川;゚ -゚)「…!」
( `ω´)「ブーンだって、お前みたいな変態ちんこの好きにはさせないお!クーさん、撃つお!」
( `ω´)「ブーンを、撃つお!」
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:24:24.31 ID:i8OWbSON0
川;゚ -゚)「ばっ、君は、本気で言ってるのか…!?」
( `ω´)「クーさんも、フサさんも、ブーンを逃がしてくれようとしたお!ブーンだって、」
( :ω;)「ブーンだって…!!!!」
_
( ゚∀゚)「ちっ、ごちゃごちゃ五月蝿ぇ!」
( ゚ω゚)・:オェッ
腹部に激痛が走る。殴られたのだ。
川#゚ -゚)「よせっ!神聖な生贄だろうっ!?」
_
( ゚∀゚)「ハ、生きてさえいりゃ儀式は出来るんだ、ここで腕の一本二本、なくなったって構いやしねぇよ」
川#゚ -゚)「下衆…ッ! なんという下衆野郎ッ…!」
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:30:59.00 ID:i8OWbSON0
_
( ゚∀゚)「…五体満足で保護してやってもいいぜ?」
川#゚ -゚)
_
( ゚∀゚)「その強気なおっぱい、たまんねぇな」
卑しく唇を舐める男の要求は、分かりきっていた。
川#゚ -゚)「だが、どうせ儀式で殺すんだろう」
_
( ゚∀゚)「ヒャハハ!寿命はちぃと伸びらぁな」
_
( ゚∀゚)「ここでこのチビの悲鳴を存分に鑑賞してから死ぬか、大人しく俺のところに来るか…さぁ、選べよ」
( ´ω )「クーさん、撃ってお…」
_
( ゚∀゚)=○「黙れクソチビ」
( ゚ω゚)・:゜
川#゚ -゚)「よせ!!!!!11」
川 ゚ -゚)「よせ…、分かった…」
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:42:40.39 ID:i8OWbSON0
( ゚∀゚)「物分りのいいおっぱいは好きだぜ、そうじゃなくても好きだけど」
( ´ω )
川 ゚ -゚)「…」
_
( ゚∀゚)「さぁて、生贄ご一行様、我がクリスマスへご招待だ!」
( ∵【岩 「…」
その数時間前…
ファンシーで豪勢な一室で、桃色のフリフリドレスを着た少女がぬいぐるみで遊んでいる。
うさぐるみ「ひどい! だましたのね!」
くまぐるみ「聞いてくれ!子供はいないんだ!」
うさぐるみ「でも奥さんがいるじゃない!」
くまぐるみ「別れるつもりだったんだ!お前だって浮気して」
うさぐるみ「もう、いい、もう…一緒に死んでっ」
くまぐるみ「ぐわわわわわわーっ」
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 04:48:32.28 ID:i8OWbSON0
lw´‐ _‐ノv「『さぁ、次は私の番…』」
(´・ω・`)「姫、またそのようなシュールな遊びを」
lw´‐ _‐ノv「ショボンか。うるさい、私は暇なんだ。お前遊んでくれるのか?」
(´・ω・`;)「また僕が死人の役ですか、やですよ」
lw´‐ _‐ノv「あれは飽きた、次は死んだ馬」
(´・ω・`;)「馬…それより姫、クックルが生贄を見失ったようです」
lw´‐ _‐ノv「生贄?なんだっけそれ」
(´・ω・`)そ
lw´‐ _‐ノv「冗談だよ、可愛い顔しやがって」
(´・ω・`)
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 05:01:37.30 ID:olI4y+C+0
lw´‐ _‐ノv「あいつ頭も鳥並だしな。もう焼いて食っちまうか」
(´・ω・`)「食うんですか?」
lw´‐ _‐ノv「やっぱやめたキモいわ」
(´・ω・`)「今はジョルジュが追っています。先ほど足取りを掴んだらしき連絡が来ました」
lw´‐ _‐ノv「えっ、あの変態行かせたのかよ、生贄大丈夫かな」
(´・ω・`)「まぁ、殺しはしないでしょう」
lw´‐ _‐ノv「なんだ殺さないのか…」
(´・ω・`)「姫?」
lw´‐ _‐ノv「だって儀式めんどいんだもん」
(´・ω・`)
lw´‐ _‐ノv「可愛い奴め」
(´・ω・`*)
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 05:08:50.29 ID:olI4y+C+0
(´・ω・`)「その儀式ですが、今年は早めなければなりません」
lw´‐ _‐ノv「何で?」
(´・ω・`)「精霊の力が今年は異常に強まっているのです」
lw´‐ _‐ノv「あれ?年々弱まってなかった?」
(´・ω・`)「…あの生贄も、今年は例年にない選出でした」
lw´‐ _‐ノv「私のクレヨンが書き間違えたとでも?」
(´・ω・`;)「いっ、いえ!とんでもない。しかし、去年までは普通にどこかの地区の誰其れの子、でしたよね?」
lw´‐ _‐ノv「ああ、確かに今回は空から城に降ってきた」
(´・ω・`)「それも、モミの樹の下に」
lw´‐ _‐ノv「…オサーンめ、何か悪あがきでもするつもりか…」
lw´‐ _‐ノv「ふふ、おもしろい。生贄の拉致といい、今年は暇が潰せそうだ」
(´・ω・`)「…」
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 05:13:31.67 ID:apOm6hfp0
支援
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 05:13:35.24 ID:3GiSNjTV0
ショボンかあいい
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 05:14:28.47 ID:olI4y+C+0
lw´‐ _‐ノv「あいつを準備させておけ」
(´・ω・`)「あいつですか?」
lw´‐ _‐ノv「ほら、あいつだ、ええっと名前なんだっけ、兎に角あいつ」
(´・ω・`)「!、まさか」
lw´‐ _‐ノv「ふふふ、そうだあいつだ」
(´・ω・`)「あいつ、ですね…ごくり」
lw´‐ _‐ノv「…あいつだぞ?」
(´・ω・`;)「え、あいつですよね?」
lw´‐ _‐ノv「誰だよ言ってみろよ」
(´・ω・`;)そ
lw´‐ _‐ノv「ふひひwwww」
(´・ω・`)
(´・ω・`*)
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 05:17:53.23 ID:olI4y+C+0
寝るね。日曜までには完ケツするよ!させたいよ!
明日も来るよよよ
おやすまんこ
(残ったお題 七面鳥 サンスクリット語 …サンスクリット語 サンスクリット語…(クレヨン))
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 05:18:49.28 ID:olI4y+C+0
支援ありがと、ちゅっ
ひとまず乙!
とりあえず乙
ゆっくり休んでくれ
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 07:54:54.48 ID:5Vn4pwIjO
( ^ω^)支援お
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 10:11:49.43 ID:6zJ7Me/NO
ちょっと懐かしいブーン系って感じのストーリーと展開がたまらんね
変態は常にビンビンだから靴下を嵌めているのか、靴下を嵌めるために常にビンビンなのか
気になるところではある
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 13:01:41.83 ID:3GiSNjTV0
ほす
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 15:06:07.12 ID:6zJ7Me/NO
ほしゆ
あげるよ!
ぬほ
ほ
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 16:55:13.23 ID:6zJ7Me/NO
ほっ
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 18:16:40.71 ID:hHtxazA00
ほ
セイヤー
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:57:29.77 ID:hHtxazA00
ほ
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:58:17.88 ID:ascthrWfO
そいやー!
ジョイヤー
ほす
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:27:44.14 ID:hHtxazA00
もす
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 23:31:39.33 ID:6zJ7Me/NO
眠るよ!ほす
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 00:19:14.02 ID:YVgY4SBQO
日曜日になっちゃった
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 00:19:58.26 ID:lMW5p+94O
そうだね
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:06:00.26 ID:kbTWU8Ay0
日曜日になっちゃったよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
スレ残ってたよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
保守ありがとうございます、本当に感謝を…!
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:14:50.55 ID:kbTWU8Ay0
赤土の大地をさらに赤く染め上げる夕日。
荒れた土地の上に吹き荒ぶ風が、荒廃した街に残された家屋の間を通り抜けて
悲鳴のような音を立てる。
( _ゝ ) …
枯れた木の枝からぶらぶらと、重そうに揺れる実。
( _ゝ )
ミ,,゚Д゚彡「ひでぇことしやがる」
真赤に染まる景色の中で、其れを見上げる獣人が一匹。
ミ,,゚Д゚彡「…アニジャ、お前は立派な男だった」
ミ,,゚Д-彡=3
溜息が風鳴りに紛れる。
ミ,,゚Д゚彡「すまん、俺が来るのが遅かったせいで…」
(#´_ゝ`)「いいから早く下ろせ」
ミ,,゚Д゚彡そ
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:20:22.83 ID:kbTWU8Ay0
ミ,,゚Д゚彡「生きてたならもっと早く言えよ」
(#´_ゝ`) 「喋れないように自分に魔法を掛けてたんだよ、その効果が今切れたんだ」
ミ,,゚Д゚彡「…相変わらず拷問には弱いのな」
(;´_ゝ`)「だってあいつすっげー怖かったんだぞ! 見ろこの爪!」
ミ,,゚Д゚彡「うわ、全部剥がれたのかよエグッ」
( ´_ゝ`)「縄もわざわざすぐ死ねないように腰に巻きやがって、お陰で助かったけど」
ミ,,゚Д゚彡「まぁそれは良かったじゃねぇか」
(#´_ゝ`)「よかない!俺がどんだけ身を奮って鳶追っ払ったと思ってるんだ」
ミ,,゚Д゚彡「命への執着は流石だな」
( ´_ゝ`) 「サスガ・アニジャだからな!」
ミ,,゚Д゚彡「うまいこと言ってないぞ」
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:23:05.95 ID:kbTWU8Ay0
( ´_ゝ`) 「兎に角縄を切ってくれ、痛くてかなわん」
ミ,,゚Д゚彡「ほらよ」
獣人が小さなナイフを投擲した。
ぶつり、と紐が切断される。
( ´_ゝ`) あーれー!
勿論落ちた。
べちゃ。
(#´_ゝ`)「俺怪我人なんですけど!?」
ミ,,゚Д゚彡「元気そうだろうが」
お、はじまてた
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:27:28.58 ID:kbTWU8Ay0
( ´_ゝ`) 「せめて受け止めるくらいしろよ」
ミ,,゚Д゚彡「やだよ気持ちわりぃ」
( ´_ゝ`) 「おっと、遣り合ってる場合じゃなかったな、生贄はどうしたんだ」
ミ,,゚Д゚彡「そっちも遅かったみてぇだ」
獣人は淡々と言ったが、茶色の尻尾が逆立っている。
( ´_ゝ`) 「は?おいおい、まさかお前が居たのにみすみす?」
ミ,,゚Д゚彡 「…」
(#´_ゝ`) 「おいフサ、言い訳くらいしろ」
ミ,,゚Д゚彡 「…すまん」
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`) =○)゚Д゚彡
男は獣人を思い切り殴ったつもりだが、屈強な獣は微動だにしなかった。
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:33:01.63 ID:kbTWU8Ay0
(;´_ゝ`) 「くっそ、手の方がいてぇ!」
殴った拳を開いて払う。爪の無い指先から乾いた血塊が飛ぶ。
ミ,,゚Д゚彡「…気は済んだか」
( ´_ゝ`) 「ぜんっぜん。どういうことか説明しろ」
ミ,,゚Д゚彡「クーと一緒に、クリスマスの変態野郎に攫われた」
フサが差し向けた掌に、オーナメントが輝いている。
(;´_ゝ`) 「…おちんちんオーナメント!」
ミ,,゚Д゚彡「その場所にこれが落ちてたんだ。そこで出くわしたメンラー屋に全部聞いた」
( ´_ゝ`) 「それで?」
( ´_ゝ`) 「お前は何してたんだよ」
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:38:09.92 ID:kbTWU8Ay0
ミ,,゚Д゚彡「…俺は、その場に居なかった」
( ´_ゝ`) 「だから何してたんだっつの。
分かってんだよ、お前が言い訳すんのが嫌いな奴だってのは」
ミ,,゚Д-彡=3「…すまん、番鳥にやられてな。どっちにしろ俺の不手際だ」
(;´_ゝ`) 「…このフサフサ野郎!殴っちまっただろうが!俺のことも殴ってくれ!」
ミ;,,゚Д゚彡「やだよお前喜ぶだけじゃねぇか!!」
( ´_ゝ`) 「殴らないなら俺は謝らんぞ」
ミ,,゚Д゚彡「好きにしろよ、むしろ殴られてちょっと楽んなったんだ」
(*´_ゝ`) 「ようこそこちらのせk」
ミ;,,゚Д゚彡「そっちには行かねぇよ!?」
ほ
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:46:28.50 ID:kbTWU8Ay0
渺々と風が泣いている。
( ´_ゝ`) 「兎に角、それがこっちにあるんだったらまだ儀式は出来ん筈だ」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、生贄は無事ってことだ」
(;´_ゝ`) 「だが、クー様は…」
ミ,,゚Д゚彡「クーも、無事だ」
( ´_ゝ`) 「何故そういえる?」
ミ,,゚Д゚彡「メンラー屋が言っていた。クリスマスの変態ビチグソ野郎、クーを自分の女にするんだってよ」
(#´_ゝ`)そ 「なんだと!?」
(#´_ゝ`) 「そ、そ、そそそ、そそ、そ、そそそそそ、そ」
ミ,,゚Д゚彡「落ち着け、そから次全然はじまらねぇぞ」
(#´_ゝ`) 「んなことあってたまるか!!!!111まじない!ないわぁ!クリスマスの無頼者に、
く、くくく、クー様の御身が穢されるようなことがあっては、亡きお父上に申し訳があああああ!!!」
ミ,,゚Д゚彡「だから落ち着けって」
おぱーいはすでに汚されたがな
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:50:23.83 ID:kbTWU8Ay0
ミ,,゚Д-彡=3「ったく、てめぇは怪我人なんだろ、大人しくここで待ってろ」
( ´_ゝ`) 「馬鹿言うな、俺も行くに決まってるじゃないか」
ミ,,゚Д゚彡「そんな手と身体で、何しにだよ。お前の世話なんざ御免だぞ」
( ´_ゝ`) 「おい、お前俺と付き合って十年は立つよな?」
ミ,,゚Д゚彡「お?おう、そうか」
( ´_ゝ`) 「俺がクー様のバスタイムを何度覗いたか覚えてるか」
ミ;,,゚Д゚彡「…3回くらいか?」
( ´_ゝ`) 「―――――毎日だ!」
ミ;,,゚Д゚彡「お前が一番親父に申し訳ねぇよ!!!!」
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:54:40.26 ID:kbTWU8Ay0
( ´_ゝ`) 「そしてその度俺は蜂の巣にされてきた…」
ミ;,,゚Д゚彡「…あの傷お前クリスマスと戦ったって言ってたぞ」
( ´_ゝ`) 「あ、ああ、そうそうそうだった」
ミ,,゚Д゚彡
( ´_ゝ`) 「兎も角!そんな俺にとってこんな傷など、児戯にも等しい!全然感じない!
トキメかない!愛がない!色もないし夢もない!」
ミ;,,゚Д゚彡「…あ、ああ、そう…」
( ´_ゝ`) 「だからお前の手なんか煩わせねーよ、安心しろ」
ミ,,゚Д゚彡 ( いろんな意味で安心できない )
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:02:27.11 ID:kbTWU8Ay0
( ´_ゝ`) 「俺が後衛に居た方がお前も楽だろ」
ミ,,゚Д゚彡「まぁ慣れてるしな」
フサが夕焼けに目を移すと、アニジャもつられて同じ方向を見た。
日はどんどん沈んでゆく。
ブーン達が攫われたのは昼過ぎだ。あまりのんびりはしていられない。
クリスマスがオーナメントが無くなったことを知れば、何かと面倒だ。
ミ,,゚Д゚彡「行こうぜ」
( ´_ゝ`) 「ああ、だがちょっと待て」
ミ,,゚Д゚彡「おい、あんまり―――」
( ´_ゝ`) ピィィィィッ!
アニジャが指笛を鳴らした。
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:08:14.59 ID:kbTWU8Ay0
クエエエエエエッ!
ミ,,゚Д゚彡
( ´_ゝ`) ドヤ
pЗp
( ∋)
ミ;,,゚Д゚彡「きめえええええええええええええええ」
( ´_ゝ`)そ
(#´_ゝ`) 「こらやめろ、シッチメンチョ(七面鳥)を怒らせるな。
乗せてくれなくなるじゃないか」
pЗp
( ∋) < クエェェェエエエエッ!
ミ;,,゚Д゚彡「どうみても頭カタツムリなんですけど!足だけ鳥!こわっ、こわああああっ」
(*´_ゝ`)「いいかげんにしろよ?おーよちよち、ひどいわんわんでちゅねー」
ミ#,,゚Д゚彡「狼だ!」
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:15:46.04 ID:kbTWU8Ay0
( ´_ゝ`) 「よっこらセックス」
アニジャがシッチメンチョの背中に跨る。
( ´_ゝ`) 「おい、早く前に乗れよ」
ミ,,゚Д゚彡そ 「俺が!?」
(#´_ゝ`) 「そういうのはお前の役目だろ」
ミ,,゚Д゚彡 …
(#´_ゝ`) 「おい、お前シッチメンチョ君にどれだけお世話になったと思ってんだ」
ミ,,゚Д゚彡「そんな覚えないぞ」
(#´_ゝ`) 「唐揚げ、叩き、アビバ汁」
ミ,,゚Д゚彡「毎日の飯がどうしたって…」
pЗp
( ∋)
ミ,,゚Д゚彡
うわああああああああああああああああああああああああああああ
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:19:15.15 ID:kbTWU8Ay0
ミ,,;Д;彡「うわあああああああああああああああああああ」
pЗp
========( ∋) ドドドドドドドドドドドドド
ミ#,,;Д;彡「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
pЗp
===========( ∋) ドダダダダダダダダダダダ
ミ#,,;Д;彡「ああああああああああああああああああああああああ」
( ´_ゝ`) 「乗り越えろ…!乗り越えて強くなれ…!」
ミ#,,;Д;彡「くそ、くそ、くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
pЗp
=======( ∋) < クエエエエエエエエエエッ
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:25:27.48 ID:kbTWU8Ay0
***
川 - )『…あれ?』
体中が痛い。
それと、焦げた臭いもする。
川 - )『お、重い…』
視界は真っ暗だ。ぶすぶす。ごうごう。変な音もする。
自分は何をしているんだろう?どこにいるんだろう?
川 ゚ -゚) …ぱちり
ゆっくりと目をあけた。
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:25:54.70 ID:tJz1Xvvy0
支援
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:29:45.87 ID:kbTWU8Ay0
/ ,' 3
川 ゚ -゚)『おとう、さま…?』
/ ,' 3
まっくろ。おとうさまがまっくろ。あれ?おとうさまってこんなにまっくろだったかな
川 ゚ -゚)『おとうさま、おとうさま?』
喋る度に喉が焼きついてしまったように痛い。
実際、喉がしゃがれて殆ど声が出ていなかった。
川 ゚ -゚)『おとうさま、おとうさま』
まっくろなおとうさまが、自分に覆いかぶさっているのがやっと分かった。
その身体を揺すろうと、腕を引っ張り出した。
/ ,' 3 ――――ぐら
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:30:52.40 ID:yVIovfVO0
しえn
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:33:21.21 ID:kbTWU8Ay0
ずしゃ。
ぼろぼろ。
川 ゚ -゚)
まっくろなおとうさまが、揺らいで、落ちて、崩れた。
川 ゚ -゚)
少女は幼いながらに理解した。
川 ; -;)『おとうさま』
父は死んでしまったのだと。
/ ,' ;;;;;;;;::: ザラ…
川 ; -;)『―――――っ!』
叫ぼうとした声は、矢張り出てくれなかった。
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:38:09.15 ID:kbTWU8Ay0
空はあの黒雲が嘘のように晴れていたのに、少女の目には入らない。
川 ; -;)
太陽の光は舞い上がる灰をキラキラと照らすが、少女に光は映らない。
川 ; -;)
風は灰を流すけれど、少女の涙は後から溢れて乾かせなかった。
どのくらい動けずにいただろう。
思考は完全に停止して、ただ泣いていた。
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:41:28.36 ID:kbTWU8Ay0
ミ,, 彡「こりゃひでぇ」
人の声がした。
川 ; -;)
ミ,, 彡「何もかも灰になっちまいやがった」
足音が近づいてくる。
でも、動けなかった。
川 ; -;)
動く気もなかった。
(’e’) 「あっ、兄貴、まだ形のあるのが倒れてますぜ!」
すぐ近くで別の声がした。
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:48:05.66 ID:kbTWU8Ay0
川 ; -;)
死んだふりをする気力もない。少女の目にはただ悲しみと絶望しか移っていない。
(’e’) 「おっ、女だ、まだ生きてんの」
男の下卑た笑い顔が覗き込む。
(’e’) 「10歳…いや、もっと若いか、しかしよく生きてたなぁ、灰塗れだが磨きゃーモノになるか」
節くれだった男の手が気味悪く伸びてきた。
川 ; -;)
クーは灰と塵で塗れ、髪も所々焦げてぐちゃぐちゃだった。
涙は灰と混ざって綺麗な顔立ちを薄黒く汚していた。
その頬を撫でまわすように男の手が触れる。
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:01:00.89 ID:ciH4KK1BO
( ^ω^)支援
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:01:23.83 ID:S+SxLoOD0
支援
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:02:57.21 ID:viLXn/wgO
追いついちまった…!!
支援
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:03:29.86 ID:4wimr2ck0
(’e’) 「ほーら、綺麗になった」
川 ; -;)
(’e’) 「あれ、まだ泣いてる。塩味は好きじゃねぇんだけどなぁ」
男の口から牙と先割れの舌がチロチロ覗いた。
見た目は人だが、どうやら中身は違うらしかった。
(’e’) 「兄キーぃ、この娘俺喰っちゃっていいっすかーぁ」
ミ,, 彡「見つけたもんは好きにしろ、腹ァ壊すんじゃねぇぞ」
(’e’) 「うっひょーぃ、兄貴太っ腹!」
男が胸の前でぱん!と両手を叩く。
足元からみるみる青色の鱗が生えて全身を覆った。
(’e’) 「どうせ死ぬ筈だった命だ、恨むなよ嬢ちゃん」
大蛇が大きな口を縦に開いた。生臭い息がかかる。
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:13:21.98 ID:uQFTl4E20
(’e’) 「恨むならこんなヒデェことをしたクリスマスを恨むんだなァあ――ん…」
蛇の牙が前髪を掻き分け、額につ、と触れた。
その、刹那だった。
(’e’;) 「ぎゃあああああああああ!?」
蛇が悲鳴を上げて吹き飛んだ。
(’e’;)「いてぇ! いてぇ! 何だこの娘!」
眩しい光が少女を包んでいる。
川 ; -;) ( …? )
暖かい、光。この光の色を、少女はよく知っている。
川 ; -;) 「おとう…さま…?」
灰がキラキラと風にそよぐ。父親の身体はもう流れてしまって、塵しか残っていない。
なぜ?
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:18:45.71 ID:uQFTl4E20
ミ,,゚Д゚彡「おい、何やって―――」
(’e’;)「あ、兄貴!この娘が、喰おうとしたら光って…」
ミ,,゚Д゚彡「ふん?」
のそり、と歩いてきた随分大柄で毛むくじゃらな―――
矢張りこの男も獣人だろう。鼻をひくつかせてクーを眺め回す。
ミ,,゚Д゚彡「こりゃ『命の護り』だ。誰ぞ自分の命を使って防衛魔法を張ったんだな、奇特なこった」
(’e’;) 「ええーっ、じゃあ喰えないんですかい」
ミ,,゚Д゚彡「いんや、もう随分魂の臭いが減ってる。
大方神の怒りで使い果たしたんだろ、すぐ消えらぁな」
(’e’) 「ちぇっ、お預け食らったワン公の気分だぜ」
ミ,,゚Д゚彡 ギロ
(’e’;)「ちょwwww兄貴のことじゃないっすwwww」
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:23:37.35 ID:uQFTl4E20
川 ; -;) (…おとうさまの、『命の護り』…)
崩れる前のまっくろなおとうさま。
命をかけて、勝手についてきてしまった私を護ってくれた…?
川 ; -;) ――――――あ
川 ; -;) ああああああああああああああああああああ
ごめんなさい。ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい。
ごめんなさい。
(’e’;) 「うおっ!?いきなり暴れだした!?」
ミ,,゚Д゚彡「…おい、てめぇ」
ごめんなさい。おとうさま、ごめんなさい。
ミ,,゚Д゚彡つ
首を捕まれて、引き上げられる。痛い。喉が絞まる。
けれど、もっと痛い。胸の中に心があるなら、きっとそこだ。
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:33:16.46 ID:uQFTl4E20
(’e’;)「あ、兄貴!?」
川 : -:)「ごめんなさい、ごめんなさい…!」
ミ,,゚Д゚彡「ちげぇだろう」
低い声で威嚇するような獣人の形相はとても恐ろしかった。
獣人の耳には、クーの掠れた声が聞こえていた。
川 ; -;)「ち…が…う…?」
ミ,,゚Д゚彡「てめぇは命を掛けて護ってくれた親父に謝んのか
お前の命を自分の命より大事にしてくれた父親が、謝られて嬉しいかよ」
川 ; -;)「で…も…!」
ミ,,゚Д゚彡「ありがとう、だ」
川 ; -;)
ミ,,゚Д゚彡「死んだ親父に送る言葉が、ごめんなさいでいいのか?」
獣人の手が、腕が、消えかけて弱まっているとはいえ未だ残る魔法の力に、
肉が爆ぜて腫れ上がっていく。
ミ,,゚Д゚彡「お前の親父は、謝ってるお前を許さないような奴か?」
支援
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:37:40.39 ID:uQFTl4E20
川 ; -;)
違う。
いつだっておとうさまは、私のお転婆を許してくれた。
とても優しい、困ったような笑顔で、でもすこし嬉しそうに、頭を撫でてくれた。
おとうさま。ごめんなさい。
そして、
川 ; -;)「ありが、とう」
ミ,,゚Д゚彡「そぉぉおおだ!それでいい」
どさ。突然放されて地べたに転がる。
ミ,,゚Д゚彡「おーいてぇ、呪いの類は苦手だぜ」
(’e’) 「…兄貴はほんとにお人好しですねぇ、俺を拾った時もそうでしたけど」
ミ,,゚Д゚彡「お前ん時も、噛み付いてびーびー泣くわで酷かったけどな」
(’e’*) 「兄貴の内腿の感触、忘れないっす」
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:48:51.63 ID:4PYBpmr60
川 ; -;)「ありが、とう」
川 - -) スゥ
ミ;,,゚Д゚彡「おっ、おい!?」
(’e’) 「えっ、まさか今ので死んじまったんですかい!?」
ミ;,,゚Д゚彡「今の、って、えっ!?俺!?殺したの俺!?」
(’e’) 「他ならない」
ミ,,゚Д゚彡 ガーン
ミ,,゚Д゚彡そ 「って、寝息聞こえるじゃねぇか! くっそ、紛らわしい寝方すんな!」
(’e’) 「あっ、ほんとだwww良かったですね兄貴wwwww」
ミ,,゚Д゚彡「べっ、別に俺はこんなガキ死のうが関係なかったんだ!!!11」
(’e’*) 「プププ、慌てちゃって」
ミ,,゚Д゚彡
( #)e’) 「な、わけないですよねー」
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:54:55.10 ID:4PYBpmr60
ミ,,゚Д゚彡「おっと、面倒なのが来やがった、ずらかるぞ」
遥か遠くの馬の嘶きを、フサの獣耳が聞きつける。
(’e’) 「クリスマスの奴らですかね」
ミ,,゚Д゚彡「さぁな、おら、そいつ背負え」
(’e’) 「あ、やっぱ連れてくんですかいwwww」
ミ#,,゚Д゚彡「うっ、うるせえ! さっさとしろ!」
(’e’*) 「兄貴のそゆとこ、好き…」
***
川 - -) …
川 ゚ -゚) はっ!
目が覚めた。見開いた双眸に映ったのは広くて異様な部屋だった。
異様というのは、どこもかしこもおっぱいの絵で埋め尽くされているからだ。
川 ゚ -゚)「ここは…」
寝ていたのはベッドだ。やたら大きな天蓋つきベッド。
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:58:13.00 ID:LCQ9KPwi0
支援
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 03:59:10.60 ID:4PYBpmr60
川 ゚ -゚)「随分懐かしい夢を見たような…」
起き上がる。 じゃらり。
川 ゚ -゚)「う?」
足に、重くて冷たい感触。鎖だった。
川 ゚ -゚)「ああ、そうか、この変態部屋はあの変態の部屋か」
どうやら部屋の主は居ないらしい。ほ、と胸を撫で下ろす。
川 ゚ -゚)「!」
ば、と己の姿を省みた。
川 ゚ -゚)「……ああ」
身体を触って確かめる。良かった。何も変わってない。
いや、変わって…る…?フリフリ。ここもフリフリ。
川#゚ -゚)「なんじゃこりゃああああああ」
純白の花嫁衣裳。
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 04:06:59.57 ID:4PYBpmr60
川 ゚ -゚)「あいつ、まさか…」
私と結婚するつもりなのか。
ミセ*゚ー゚)リ「いえ、多分貴女のおっぱいとだと思います」
川 ゚ -゚)「誰!?」
ミセ*゚ー゚)リ「私召使いのミセリですわ、そのドレスは私が着せました」
ミセ*゚ー゚)リ「常々ジョルジュ様は私に仕立てさせたそのおっぱいドレスを着せる方を、
ずっと探していたのでございます」
川;゚ -゚)「おっぱいドレス!?」
ミセ*゚ー゚)リ コクリ 「そのドレスは完璧なおっぱいの持ち主にしか着られぬ採寸で作られたもの」
ミセ*゚ー゚)リ「まさに貴女様のおっぱいは神のおっぱいですわ…!」
川 ゚ -゚)そ 「私のおっぱいが、神…!?」
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 04:13:03.83 ID:4PYBpmr60
ミセ*゚ー゚)リ「…これでジョルジュ様も、満願を果たすことが叶うでしょう」
ミセ*゚皿゚)リ「ほろり」
川;゚ -゚)「言ってることと顔が全然違うぞ!?」
ミセ*゚つ゚)リ「失敬、つい嫉妬のあまり」
川;゚ -゚)「嫉妬…(おかしい。クリスマスの奴らは皆おかしい)」
クーはミセリ越しに窓の外を見た。どうやらここはクリスマスの城の中らしい。
自分はどれくらい寝ていたのだろう。外は夜だ。
川 ゚ -゚)「生贄はどうした」
ミセ*゚ー゚)リ「お答えする必要がありませんわ」
川 ゚ -゚)「ちっ」
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 04:18:09.00 ID:4PYBpmr60
ベッドに腰掛け足を再び見た。
鎖は頑丈そうで、ベッドの足にくくり付けられている。
川 ゚ -゚)「ご丁寧に錠前まで掛けてあるな」
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ様のご指示ですわ、式の準備が整うまで念のため、と」
川 ゚ -゚)「私は変態と結婚する気はない!」
ミセ*゚ー゚)リ「あらあら、あらあら。」
ミセ*゚皿゚)リ「だったら今すぐ死ねよメス豚」
川 ゚ -゚)そ (人違ッ)
ミセ*゚皿゚)リ「お前なんかおっぱいしか脳がねーんだよビッチが」
川 ゚ -゚) …
川 ゚ -゚) 「お前、あの変態がそんなに好きなのか…?」
ミセ*////)リ「なっ」
川 ゚ -゚) (普通に恥らうのか…)
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 04:26:51.54 ID:4PYBpmr60
ミセ*゚ー゚)リ「とっ、とにかく、式が始まるまで大人しくしていてもらいますわ」
川 ゚ -゚)「…(式が始まれば鎖を解いて移動、か。チャンスかもしれんな)」
川 ゚ -゚)「式はいつ始まる?」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ、式場の準備は出来ているのですわ」
川 ゚ -゚)「じゃあ」
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ様はとてもロマンチストでいらっしゃるのです」
_
川 ゚ -゚)「は?」
召使の女の微笑みに、何か、嫌な予感がした。
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ様は結婚式を、生贄の儀と同時に執り行う、と」
夜空の窓。差し込む月明かりが召使いの笑顔に影を作る。
ミセ*^ー^)リ「生贄の死が、二人とクリスマスの続く栄光を祝うのです」
川;゚ -゚)「ばかな…!」
それでは、間に合わない。ミセリの続いた言葉は、最早クーには聞こえなかった。
――――――とても素敵でしょう?
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 04:29:06.68 ID:4PYBpmr60
だめだああああああああああああああああ日曜に終わらないよおおおおおお
もうすぐなんだよおおおおおおおおおおお
ごめんなさい、本当にごめんなさい。
支援してくれた人も保守してくれた人も本当にすみません。
今日中にまた来ます。
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 04:32:07.76 ID:ciH4KK1BO
( ^ω^)乙!
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 04:46:13.00 ID:4PYBpmr60
>>260 こんな時間に乙ありがとうっす!!!!!!!11111
それと
今日中っつっても夜になると思います。
俺、このスレが完結するまで、寝ないんだ…
でも完結したら、クリスマスまでに恋人が出来るような気がする…
おやすみなさい
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 05:17:12.18 ID:m8zoNGU40
乙です!
よむほ
追いついた保守
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 09:09:07.52 ID:ciH4KK1BO
( ^ω^)支援
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 09:20:26.18 ID:lMW5p+94O
よめたー
そういやブーンとかいう子もいたなぁ
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 10:34:14.99 ID:viLXn/wgO
ほしゅしゅ
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 11:21:03.97 ID:+IylPIzw0
ほ
ほしゅ
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 13:49:31.11 ID:lMW5p+94O
ほっしっゅ
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 15:19:11.75 ID:iqZizVlhO
ほしゅ
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 15:38:23.08 ID:0QiRAgVc0
ほ
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 16:44:27.68 ID:lMW5p+94O
ぼじゅ
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 16:54:03.83 ID:QZ2xs4i20
ゆったら、で萎えた。
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 17:12:56.15 ID:0QiRAgVc0
ほ
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:16:07.90 ID:9SfVQQu90
ホッシュート
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:40:28.58 ID:3cx96onj0
ゆったら、で萌えた
ぬるぱ
コッ
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:54:04.78 ID:0QiRAgVc0
めるぽ
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:29:22.44 ID:ciH4KK1BO
ガッ
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:14:37.37 ID:lcIjHXRh0
ぬるい
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:41:29.11 ID:flKjMrlM0
ゆったらわざとです。すいません、自分は萌える派で…
偉大なる支援と保守に感謝と敬意を示して投下します。
( ´ω )
( ´ω )
ξ゚听)ξ「ちょっとブーン、起きなさいよ」
( ´ω^)「…おっ…?」
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:45:20.62 ID:0QiRAgVc0
キター
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:47:31.04 ID:flKjMrlM0
目が覚めると、目の前にツンがいる。
金色の髪をふんわりと愛らしく巻いた、釣り目の少女が目を
さらに吊り上げて腰に両手を当てて唇を尖らせている。
( ^ω^)「…あれ?」
ξ゚听)ξ「あれ、じゃないわよ! 全くもう、何寝てるのよ!」
彼女は怒っているようだ。
目をごしごしと擦ってもう一度見た。
( ^ω^)「おっ?君は…ツンだお…?」
ξ#゚听)ξ「あんたバカ!? そうに決まってるじゃない!」
(;^ω^)「おっ、おっ、ごめんお」
( ^ω^) (あれ?)
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:51:53.30 ID:flKjMrlM0
( ^ω^)
見回す。暗い大きな部屋。天井が高い。座席の羅列。
自分はその座席の一つに座っている。
ツンの背中に、巨大なスクリーンが見える。
( ^ω^) (映画館、だお…?)
だが、何故自分はこんなところにいるのか。
ξ#゚听)ξ「ほんっとフザけてるわけ? あんた全然内容見てないでしょ!」
わけが分からない。どうして、自分はツンと映画館にいるんだ?
スクリーンでは、もうエンドロールが回っている。
自分達の他の客は少なく、その客すらぞろぞろと映画館を出始めている。
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:53:12.42 ID:NC35es62O
ぬる
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:58:44.74 ID:flKjMrlM0
ξ#‐凵])ξ「あんたから奢るからって誘ってきたくせに、何なのよもー」
ツンが膝掛けを畳み、苛立った様子でバッグを肩にかける。
( ^ω^)「…ブーンが、ツンを誘ったお?」
ξ゚听)ξ「一ヶ月前に、あたしにいきなりチケット渡して来たじゃない」
ツンの表情が怪訝に曇った。
(;^ω^)「そ、そうだったお!?」
ξ゚听)ξ「…。忘れたの?」
ツンの手入れしなくとも綺麗に生え揃った眉がハの字に下がる。
(;^ω^)「おっ!?」
何か、不味い雰囲気だ。
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:07:04.35 ID:flKjMrlM0
ξ゚听)ξ「学校で、チケット渡そうとして転んで、あたしのパンツ見たことも?」
不味い。言い方がちくちくしてきた。
(;^ω^)「ちょ、ちょっと待つお、今ちょっと混乱してるお」
ξ゚听)ξ「大事な話があるから、って言ったことも?」
( ^ω^)「――――えっ?そんなこと言ったお!?」
思わず聞き返してはっとする。
ξ゚−゚)ξ
瞬く間にツンの顔から表情が消えてしまった。
消えたというより、限りなく無表情に近い。
そしてその無表情から、少しだけ覗く軽蔑と呆れが酷く目に痛い。
ξ゚听)ξ「私、帰るね」
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:08:20.41 ID:lMW5p+94O
あらら来てたの
支援
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:19:54.14 ID:flKjMrlM0
( ^ω^)「おっ!? ツン、ごめんお、ちょっと待っ―――」
(;^ω■==3 バシッ 「ぶっ!?」
膝掛けを放り投げられ、綺麗に畳まれていたのにぐちゃぐちゃになって落ちた。
慌てて拾い上げてツンの背中を追おうとした。
(;゚ω゚)そ 「おっ!」
膝が折れて、その場に転んだ。
(;´ω )「いてて、何だお、凄く身体がだるいお」
映画で少なくとも二時間は眠っていたはずなのに、酷い倦怠感だ。
まるで随分歩き続けたかのように、足が痛い。
( ´ω )「一体どうなってるんだお」
スクリーンに目を移すと、まだエンドロールが流れている。
( ^ω^)「一体何の映画を見に来てたんだお…?」
流れる文字列に目を走らせ、探す。
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:34:20.39 ID:flKjMrlM0
クール・ラージャン 素直 クール
フサ・リンガ 高橋 フサギコ
シュー・ラーマナ 素直 シュール
シ=ョボン 佐々木 ショボン
・
・
・
( ^ω^)「…?全然知らない俳優だお。B級映画だお?」
自分は、何故、そんなものにツンを誘ったんだろう。
結局、映画は記憶の呼び水にはならなかった。
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:43:51.48 ID:flKjMrlM0
*** 翌日―――
( ^ω^)つ ガラ
(*゚ー゚) *(‘‘)*
教室の扉を開けるなり、一部の女子の冷たい視線が突き刺さった。
(;゚ω゚)「おっ?」
('A`)「お、来たwwwww」
( ゚д゚)「でたwwwww」
女子の視線が痛い中、友人男子は笑顔…というより、にやけ顔で迎えてくれた。
(;^ω^)ノ「お、おはすー」
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:48:10.42 ID:flKjMrlM0
窓際の、一番前から五つ目の机が自分の席だ。
席に鞄を置くなり、ドクオとミルナが近寄ってきた。
('A`)「おはすー、じゃねーよこのリア充wwww」
(;^ω^)「何のことだお?」
( ゚д゚)「トボけんなお前wwww」
('A`)「昨日、映画館にツンと二人で入るの見たってよ」
( ゚д゚)「おう、このミルナ様の目でしかと見た」
(;^ω^)「ああ…そのことかお」
('A`)「お前ら何時からそういう関係なんだよwwww」
( ゚д゚)「ちゅーした?ヤった?」
(;^ω^)「ち、ちがうお!するわけないお!」
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:51:56.85 ID:flKjMrlM0
(;^ω^)「ツンとはそんなじゃないお!」
ξ゚听)ξつガラ!
( ^ω^)そ
教室内に、気まずい空気が流れた。
('A`) 「うはwwwww」
( ゚д゚) 「ちょwwwwwwktkr」
ξ゚听)ξ「…」
無表情のまま、ツンが入ってくる。
('A`) 「おいおいwwwいきなり修羅場なのwww」
( ゚д゚)「何この空気wwwまずいwwwまずいwww」
(;^ω^)
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:55:48.95 ID:flKjMrlM0
*(‘‘)*「ちょっと!やめなさいよ」
(*゚ー゚)「あんたたち関係ないでしょ」
('A`)「お前らも関係ねーだろ」
( ゚д゚)「ブガイシャwww乙wwwww」
(#゚ー゚)「ほんっと男子ってガキ」
*(‘‘)*「まじでありえないー」
ドン!
ツンが机の上に鞄を乱暴に置いた。
('A`)「…」
( ゚д゚)「こええー」
(;^ω^)「つ、ツン、おはようお」
ξ゚听)ξ
ξ゚听)ξ「バッカじゃない」
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:00:10.65 ID:flKjMrlM0
(;^ω^) (めちゃめちゃ怒ってるお…)
ブーンを遮るように、ヘリカルとしぃがツンの机を囲んだ。
お陰で、もうすっかり話しかけづらくなってしまった。
*(‘‘)*「ツン、おはよ」
(*゚ー゚)「ツン、平気?」
ξ゚听)ξ「…おはよ。別に、もういいよ」
('A`)「お前、何しちゃったんだよブーン」
( ゚д゚)「ツン本気で怒ってるぞアレ」
(;^ω^)「それが…ブーンにも何がなんだかお」
二人に、映画館での出来事を話す。
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:04:56.92 ID:flKjMrlM0
('A`)「リア充なんて言ってごめん…お前最高だわ…」
( ゚д゚)「やっぱお前に彼女は無理だったな」
(#^ω^)「うるせえおwwwww」
('A`)「にしても酷いな、映画寝たくらいで怒るなんて」
( ゚д゚)「女って心狭いよなー」
( ^ω^)「お前らにも彼女むりだわ…」
('A`)「まぁフラグ折るのにかけては天才的なのは認める」
( ゚д゚)「俺は彼女いるから」
( ^ω^)
('A`)
( ゚д゚)「あれ?言ってなかった?」
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:12:42.94 ID:flKjMrlM0
('A`#)「は!?聞いてねぇよ! 誰!?」
( ^ω^)「このクラスかお!?」
( ゚д゚)「えっ、ああ、ほら、あの一番前の…」
ζ´・ω・`ζ
( ^ω^)「…え、あんな子居たっけ」
('A`)「ちょwww浦澤ショボンヌちゃんじゃんwwwwめちゃかわええwwww」
( ^ω^)そ
(*゚д゚)「いつも大人しいから影薄いけど、ちゃんと居たっつの」
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:16:57.96 ID:flKjMrlM0
('A`)「いつから何でどうしてそうなったんだよwwww」
( ゚д゚)「幼馴染でさ…今年のクリスマス、一緒に会おうってことになって…」
(*゚д゚)「二人でがいい、って俺が言ったんだ」
( ^ω^)「まぢかお」
('A`)
('A`;;;::)
( ^ω^)「ちょwwwwドクオがリア充じんましん出したおwwwww」
( ゚д゚)「なにそれこわい」
来ていたのか
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:22:42.27 ID:flKjMrlM0
鐘が鳴った。
('A`;;;::)「友達だと、思ってたのに…」
( ゚д゚)「俺はまだ友達だと思ってるって」
('A`;;;::#)「うるさい! リア充なんか友達じゃない!」
(;^ω^)「落ち着けおドクオ、鐘なったお」
(;A;;;;::)「ウボァー」
(;゚д゚)「ちょ、吐いたぞ!?」
(;^ω^)「どんだけ!?」
まだ授業も始まる前から、とんだ一日の始まりだ。
ミルナに触られるのを嫌がるドクオを保健室に連れていくのは、
他でもないブーンの役目になってしまった。
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:30:15.93 ID:flKjMrlM0
震えるドクオを支えながら、廊下を歩く。
(;^ω^)つ「大丈夫かお?」
(;A;)「ごめん…」
( ^ω^)つ「ブーンはいいお、ミルナに謝るお」
(;A;)「それは嫌…」
バケツを両手に、ドクオが力なくうな垂れる。
(;^ω^)つ「彼女なんてドクオにもいつか出来るお、
その時友達じゃないなんて言われたら、ドクオだって悲しいお?」
(;A;)「俺には彼女なんて出来ないもん…」
( ^ω^)つ「出来るお! ドクオは凄くいい奴だお!」
(;A;)「…ほんとにそう思うか?」
( ^ω^)つ「思うお」
(;A;)「…。俺、別にミルナに彼女出来たから怒ってるんじゃないんだ」
( ^ω^)つ「分かってるお。ミルナが何も言ってくれなかったからだお?」
(;A;)「それもあるけど…」
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:34:07.07 ID:flKjMrlM0
廊下を抜けて、階段に差し掛かる。
( ^ω^)「お?他にあるのかお?」
(;A;)「俺も好きだったんだ…」
(;^ω^)そ
(;A;)
階段の前で、止まってしまった。
(;^ω^)「好きって…浦澤さんをだお?」
(;A;) こくり
階段の上の窓から、明るい日差しが照らした。
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:34:07.72 ID:lMW5p+94O
支援
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:44:08.44 ID:flKjMrlM0
二人とも、随分趣味が変わったな、と思ったが言えなかった。
自分がツンを好きだと打ち明けた時も、ドM乙とか、散々言われて傷ついたものだ。
(;^ω^)「な、なんで言ってくれなかったんだお」
(;A;)「恥ずかしかったんだよ」
(;^ω^)「うーん…」
思わぬ友人の複雑な恋模様に、何と言葉を掛けていいのか分からない。
こんな時に何だが、よくあるドラマのシナリオを思い浮かべて、
これからもとの友達の関係が壊れそうな気がして怖かった。
(;A;)「…ごめんな」
(;^ω^)「別に、ドクオが謝ることじゃないお」
言ってから後悔した。少し、突き放すような言い方だったかもしれない。
(;A;)「…保健室」
(;^ω^)「そ、そうだおね、階段下りれるかお?」
余分に優しく言ったつもりが、余計白々しかった。
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:46:15.16 ID:lMW5p+94O
ショボンヌちゃんなんでこんなに人気なん
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:48:20.93 ID:flKjMrlM0
ドクオが頷く。それ以上、何もお互い話さないで歩いた。
(;^ω^) (…僕はどうすればいいんだお)
折角帰って来れたのに――――
( ^ω^) ?
不意に思った自分の内側の声に、また自ら疑問符を浮かべた。
帰って来れた?どこから、どこに?
傍らで支えるドクオの小柄な肩は暖かく、まだ小さく震えている。
よほどショックを受けているんだろう。
二人は漸く階段を降り始めた。
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:54:42.35 ID:flKjMrlM0
ドクオを保健室に送って教室に戻ると、もう授業が始まっていた。
先生に報告を済ませて席に戻る。
やはり、視線が痛い。
( ^ω^)
ξ )ξ
でも、ツンだけは視線を合わせてくれなかった。
( ´ω )=3
( ゚д゚) (…おい、ブーン)
後ろの席のミルナが、いてもたってもいられない様子で声を潜めて話しかけてきた。
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:59:10.58 ID:flKjMrlM0
( ´ω ) (…お)
( ゚д゚) (バレっからこっちみんな)
( ´ω ) (…お)
( ゚д゚) (ドクオ、どうだった?)
( ´ω ) (…保健室で寝てるお、大丈夫だお)
( ゚д゚) (そか…俺のこと)
( ´ω ) (…)
やはり、何と答えていいか分からない。
しかし、ブーンの口から言っていいことではないような気がした。
( ´ω ) (自分で聞いた方がいいお)
( ゚д゚) (…そんなに怒ってるのか?)
( ´ω ) (きっとミルナのことが嫌いになったわけじゃないお)
言った言葉には、自信が無かった。
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:03:49.26 ID:tDfkv6b70
( ´ω ) (…はぁ)
もう正直面倒臭かった。
ミルナもそれ以上、後ろから何か言って来ることはない。
先生がじろりと此方を伺ったからだ。
ツンの方に目をやる。授業を聞いているようだ。
なんとなしに前方の席を見た。
ζ´・ω・`ζ
( ´ω ) …
ζ´・ω・`ζ
( ´ω ) …?
どこかで見たような…?
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:07:57.07 ID:tDfkv6b70
すみません、ちょっと出ます。数時間かかるかもしれませんが戻って来たら再会します
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:13:14.78 ID:q1/fL4wrO
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:57:13.38 ID:kX3lTRS80
早く帰ってこれたwwww
ζ´・ω・`ζ
『(´・ω・`)』
『(´・ω・`)「知らずに死になさい」』
( ゚ω゚)「――――――ッ!!!?」
脳に稲妻が走ったように、反射的に身体が跳ねた。
仰け反った身体が椅子と一緒にミルナの机に踊り込む。
(;゚д゚)「おっ、おい!?」
(;゚ω゚)「!? !? !!?」
何が起きたか分からず椅子に座ったまま床に転がるブーン。
周囲も驚愕の視線を呆然と向けた。
(;゚д゚)「大丈夫かブーン?」
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:04:33.28 ID:kX3lTRS80
( ゚ω゚)「い、今のは何だお!?」
(;゚д゚)「おい、何だよ、どうしたってんだ?」
( ゚ω゚)
(;^ω^)<はっ
我に返ったブーンが周囲を見渡すと、視線が自分に集中していた。
(;^ω^)「…あ、いや、す、すいませんお」
慌てて立ち上がり、口を開けたまま見つめる教師に頭を垂れる。
( ゚д゚)「…ほんと、大丈夫かよ」
自分の机とブーンの椅子を直しながら、ミルナが心配そうに言った。
(;^ω^)「…」
正直、自分でも大丈夫なのか分からなかった。
心の中でもやもやとしたものが重く圧し掛かって晴れないところに、
さらに何か不明瞭なものが加わって、混乱している。
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:11:15.95 ID:uKlcrotX0
教師が余りに青ざめた少年の顔色を心配して、保健室に行くよう薦める。
だが、保健室に行けばドクオと一緒になる。
ドクオには悪いが、今は気乗りしなかった。
(;^ω^)「もう大丈夫ですお、授業を受けますお」
( ゚д゚)「無理すんなよ」
席を直してくれたミルナに礼を言って、再び席についた。
ξ゚听)ξ「…」
*
終礼が終わって下校の時分になるまで、ずっと授業は頭に入らなかった。
ドクオは三限目まで休んだが、昼を待たずに早退したらしい。
( ´ω )「…」
( ゚д゚)「大丈夫かブーン」
( ´ω )「ミルナ、悪いけど今日はすぐ帰って寝たいお」
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:18:09.48 ID:uKlcrotX0
( ゚д゚)「…おう、無理すんなよ」
( ´ω )「うん」
心配そうなミルナに済まないと思いつつ、正直誰とも話したくない。
鞄に教科書を数冊放り込んで、すぐに家路に着いた。
J( 'ー`)し「おや、おかえり。今日は早いねぇ」
( ´ω )「カーチャン…」
玄関を開けて家に入ると、台所にカーチャンがエプロンをして立っていた。
夕食の支度をしている。いつもどおりの光景だ。
J( 'ー`)し「? どうしたんだい、顔色が悪いねぇ」
カーチャンが包丁を止め、手を拭いながら歩み寄ってくる。
息子の額に水仕事後の冷たい手をひたと着けた。
J( 'ー`)し「あれまぁ、熱があるんじゃないかい?風邪かしら」
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:27:38.54 ID:uKlcrotX0
( ´ω )「…」
冷たい手が気持ちいい。
心の中から、徐に沸き起こる熱い感情。
今まで当たり前であったものを、改めて実感し感謝する気持ち。
昨日はツンのことで頭が一杯だったが、今日は母の優しさがとても有難い。
( ;ω;)「カーチャン…」
J( 'ー`)し「えっ、なんだい、どうしたんだいこの子は。いきなり泣き出して」
( ;ω;)「おっおっ、カーチャン」
J( ;'ー`)し「そんなに具合が悪かったのかい?ほらほら、大丈夫だよ」
カーチャンが頭を撫でてくれる。
何故だろう、風邪で心が弱ってしまったんだろうか。
カーチャンの傍にいることが、いつもよりずっと安心する。
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:33:17.06 ID:uKlcrotX0
熱は低かった。
カーチャンが用意してくれた水枕を敷いて、寝巻きに着替えて布団に寝かされた。
( ^ω^) (なんかおかしいお…)
部屋の天井を見ながら、溜息を吐いた。
( ^ω^) (なんか…変だお…)
でも何が変なのか分からない。
何かうっかり大事なことを忘れてしまっているような気がする。
( ^ω^) (ドクオとミルナは大丈夫かお)
自分の部屋の窓の外は夕焼けだった。真赤な光が白いカーテンを染める。
( ^ω^) (…ツンはまだ怒ってるかお)
少し隙間が開いた窓から、風が吹いた。
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:37:41.07 ID:uKlcrotX0
( ^ω^) (ブーンの頭はおかしくなってしまったのかお)
教室の出来事を思い出す。あれは恥ずかしかった。
それ以上に、ショボンヌの顔が何かにダブって見えた。
あれはなんだったんだろう。
( ^ω^) (…あれ?)
そういえば、何にダブって見えたんだっけ。
何にあんなに驚いたんだ?
『(´・ω;;:::』
『(´;;;;;;;;;;::::』
(;^ω^) (うーん、うーん)
思い出そうとすればするほど、霞を掴むようだった。
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:41:15.89 ID:uKlcrotX0
ふわっとカーテンが浮いて、一際強く風が入り込んできた。
( ^ω^) (…お、冷たくて気持ちいいお)
冷えた風に心なしか頭がスッキリしたような気がして、窓辺を見る。
( ^ω^) (夕日が真赤だお)
カーチャンには早く寝ろと言われていたが、色々考えてしまってなかなか寝付けない。
赤く染まるカーテンがゆらゆらと翻るのを眺めながら、出来るだけぼーっとしていた。
( ^ω^)
( -ω-)
( -ω-) …
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:44:47.13 ID:uKlcrotX0
( -ω-) ZZzzz
( -ω-)
( ゚ω゚)「ハッ!?」
( ^ω^)「あれ?」
一面真っ暗だ。
暖かい布団も、冷たい水枕も無い。
( つω^)ゴシゴシ
( ^ω^)
( ^ω^)つ ペシペシ
床を叩いてみる。石のようだ。
支援ー見てるよーがんばってくれー
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:54:48.58 ID:uKlcrotX0
(;^ω^)「ここはどこだお!?」
石の部屋の中だ。
暗闇に目が慣れて来ると、うっすらとだが四畳程の四角い部屋だと理解出来た。
(;^ω^)「さっきまで確かにブーンはおうちの中に居たお、なのに…」
( ) ―――――良かった、呼び戻せた――――――
(;^ω^)「おっ!?誰か居るお!?」
声は、暗闇の中で降って来るようだった。
( ) ―――――生贄の少年よ――――――
( ゚ω゚)「おっ!!」
生贄の少年。
そう言われた時、胸で痞えていたものが全部四肢の隅々に戻るような気がした。
(;^ω^)「やっぱり、あっちが夢だったんだお」
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:03:52.88 ID:uKlcrotX0
服の胸の破れを撫でる。
あっちが夢だった。安心したような、辛いような、酷く複雑な気分になった。
( ) ――――どちらも夢ではない――――
(;^ω^)「おっ?」
( ) ――――どちらも、君の現実だ――――
(;^ω^)「どういうことだお、あんた誰だお」
( ) ――――私はオサーン…――――
(;^ω^)「オサーンって、神様を護ってるっていう…」
( ) ――――長く話している時間はない――――
( ^ω^)「どっちも現実って、どういう意味だお!?ブーンを呼び戻したって…」
( ) ――――この世界には、君の助けが必要だ――――
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:14:04.63 ID:uKlcrotX0
(;^ω^)「やっぱりここは違う世界なのかお」
( ) ――――そうだ、異世界の君ならば、この世界の宿命を変えることが出来る―――
( ^ω^)「さ、だめ…って何だお?何言ってるんだお!?」
( ) ――――助けて欲しい、少年よ―――――
(;^ω^)「助けてって言われても…ブーンも助けて欲しいお!」
(;^ω^)「さっきのは、あっちで起こったことも現実ってことかお!?」
( ) ――――君が、最後の生贄なのだ――――
(;^ω^)「質問に答えて欲しいお!」
( ) ――――儀式が行われてしまったら、支柱たる私が消えて――――
( ) ――――この世界も消えてしまう――――
(;^ω^)「!!?」
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:21:53.87 ID:uKlcrotX0
かつん、と階段を下るような音が聞こえて来た。
( ) ――――これが、最後の――――
(;^ω^)「ちょ、え?オサーン!?」
声が、途切れた。
(;^ω^)「オサーン!! 待ってお! 答えて欲しいお!」
いくら叫んでも、声は戻らない。
代わりに、がしゃりと鉄の音がして暗い部屋に明かりが入った。
( ゚∋゚)「何を一人で喚いているのかね」
( ゚ω゚)「番鳥!?」
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:32:32.59 ID:W+y46OTR0
明かりの中から現れた顔に、人型ではあったが、見覚えがあった。
( ゚∋゚)「ふっふっふ、流石にこの番鳥クックルから受けた恐怖は覚えていたか」
( ゚ω゚)「ふ、フサさんはどうしたんだお…まさか」
( ゚∋゚)「ハァーッハッハッハ!あんな犬ころ造作も無い。次に会えば必ず殺してy」
(;^ω^)「フサさんは無事だお…!良かったお…!」
( ゚∋゚)「…。それより、あの時はよくこの私から逃げおおせられたものd」
(;゚ω゚)「あっ、クーさん!クーさんはどうしたんだお!?」
(#゚∋゚)「し る か ッ」
むんず、と首根っこを捕まれた。
( ゚ω゚)「きゃー!?」
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:37:21.38 ID:W+y46OTR0
(;^ω^)「何するお! 離せ、離すお!」
( ゚∋゚)「光栄に思うがいい虫けら。
我がクリスマスの姫君のお呼びに、私が迎えてやったのだ」
(;^ω^)「ひめ!?」
( ゚∋゚)「そうだ、我が国の主、シュー姫様だ!」
( ゚∋゚)←パシリ
(;^ω^)「お姫様なのかお…?」
( ゚∋゚)←パシリ 「くくく、お前のような虫けら、本来なら会うことも叶わぬ高貴なお方だぞ。
生贄である身に感謝するんだな」
(;^ω^)「全然嬉しく無いお…」
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:43:19.76 ID:W+y46OTR0
lw´‐ _‐ノv (´・ω・`)
王女様は暗いお城の暗い玉座の上に。
その傍らにはいつも陰気な召使い。
クリスマスの国は狂っておりました。
家来は皆差別家や色欲者ばかり。
国を護る為ではなく、自分の退屈を紛らわすため。
自分の欲望を満たすため。
神様とモミの樹に手を掛けた。
世界が壊れてしまっても
退屈なこの世の中が尚悪い。
( ゚∋゚)「陛下、生贄をお連れしました」
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:50:12.16 ID:W+y46OTR0
( ^ω^) (あれが王女様だお…)
lw´‐ _‐ノv「ご苦労、クックル。下がれ」
( ゚∋゚)「あ、あの、私の処罰は…」
(´・ω・`)「痴れ者め。格下げで済んでいるのは寛大な処置だ」
( ^ω^)そ (あいつ…!)
lw´‐ _‐ノv「あー、めんどくせーなー、丸焼きに変更すっか」
(;゚∋゚)「しっ、失礼いたしますッ」
クックルが慌てて退場する。
(;^ω^) (この女の子がそんなに怖いのかお…?)
高い天井の下で大きな玉座に大儀そうに腰掛けてはいるが、
ブーンの目に映るのはどう見ても12,3歳くらいの女の子だ。
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 02:57:47.23 ID:W+y46OTR0
>>訂正 陰気な顔の召使い→陰気な顔の魔法使い
lw´‐ _‐ノv「漸く会えたな生贄君。この時を待っていたよ」
(´・ω・`)「うそつき」
lw´‐ _‐ノv「そう、うっそーん」
(´・ω・`)「うそつきは泥棒の始まりですよ姫」
lw´‐ _‐ノv「神泥棒が今更だろ」
(´・ω・`)
lw´‐ _‐ノv「いいねその顔そそる」
(;^ω^) (なにこのひとたち)
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:07:36.08 ID:W+y46OTR0
lw´‐ _‐ノv「ところで生贄君、キミにはもうすぐ死んでもらうよ」
(;^ω^)「い、いやですお」
lw´‐ _‐ノv「だめーwwww生贄になってもらわんとオサーンが制御出来ないからね」
(;^ω^)「そ、そんなことしたらこの世界が消えちゃうかもしれないお!」
lw´‐ _‐ノv
(´・ω・`)
(;^ω^)「…お」
二人がはたと止まった。
lw´‐ _‐ノv「ほほう、少年それは本当かね?」
( ^ω^)「おっおっ、オサーンがそんなようなこと言ってたお!」
話を、聞いてくれるかもしれない。
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:13:10.11 ID:W+y46OTR0
lw´‐ _‐ノv「オサーンが何て?」
(´・ω・`)「…姫」
lw´‐ _‐ノv「いいから話せ、何て言ってたんだい?」
( ^ω^)「ぶ、ブーンが最後の生贄だって、支柱が消えたら、世界が―――」
lw´‐ _‐ノv プッ
lw´‐ ∀‐ノv あはははははははははははははははッ!!
( ゚ω゚) <!?
lw´‐ ∀‐ノv「やっぱりね、ほら、オサーンのやつ、可愛い真似するじゃん」
(´・ω・`;)「姫様」
lw´‐ _‐ノv「私のクレヨンはそんなこと、とっくのとーにおみとーしだっつーの」
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:17:50.84 ID:6nmm5/IvO
( ^ω^)
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:21:03.49 ID:W+y46OTR0
(;^ω^)「あ、え?」
lw´‐ _‐ノv「お前オサーンに使われてんだよ、生贄君。けど残念でしたー、このシュー様は騙されんよ」
(;^ω^)「ど、どういうことだお!?」
lw´‐ _‐ノv「うそうそ!嘘吐かれたんだって、オサーンがたかだか十年そこらで滅ぶわけないじゃん」
(;^ω^)「で、でもオサーンが本当に…!」
lw´‐ _‐ノv「あー、酷いね、これはもう重症だね、オサ厨乙wwww」
(´・ω・`)「姫様、本当に…」
lw´‐ _‐ノv「何だよショボン、オサーンと私どっちを信じんの」
(´・ω・`*)「勿論姫様です」
lw´‐ _‐ノv「よーしオサーンめ、早速分からせてやろーぜ」
lw´‐ _‐ノv「飼い主が誰かをな」
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:27:17.86 ID:W+y46OTR0
lw´‐ _‐ノv「花火を打ち上げろ!儀式の合図だ!民衆に知らしめせ!
クリスマスは神をも手に入れた最強の国であると!」
(´・ω・`)「はっ!」
lw´‐ _‐ノv「ヴァギナの剣とおちんちんオーナメントを用意しろ!
数刻の後に儀式を開始する!」
(;^ω^)「ま、待つお!!!1111」
lw´‐ _‐ノv「なんだ、間抜け顔の生贄君。命請いなら肥溜めに吐いて捨てろ」
(;^ω^)「本当なんだお!!!本当にオサーンは消えそうなんだお!!!」
lw´‐ _‐ノv「証拠は?」
(;^ω^)「おっ…」
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:45:39.29 ID:W+y46OTR0
lw´‐ _‐ノv「大人の世界でそういうの通用しないよ少年」
(;^ω^)「で、でも」
lw´‐ _‐ノv「いいかい?オサーンはこの世界が創られた頃から居る精霊なんだ。」
lw´‐ _‐ノv「いくら無理矢理こき使われても、十年で消えるというのは余りにも早すぎる。
第一、オサーンを通して神の力を使っていたんだから、
オサーン自身がそこまで憔悴する筈はないんだよ」
( ^ω^)「おっ!?」
オサーン自身の力―――?
もし、オサーンが二度もブーンを異世界から召喚したのだとしたら?
( ^ω^)「それって―――」
lw´#‐ _‐ノv「クレパス・マリンブルー=v
シューが青い色のクレヨンで宙に円を描き、中心を先端で押した。
途端に宙に描かれた青円が飛んで来るうちに水球になり、ブーンの顔を覆った。
( ゚ω゚)「がぼ!?」
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:51:33.88 ID:W+y46OTR0
lw´‐ _‐ノv「少しそこで溺れてなさい」
( ゚ω゚)「がぼがぼ!?がぼ!?」
シューが行ってしまう。背中を追おうと足を動かすが、息苦しさに倒れ伏した。
( ゚ω゚)(まずいお、まずいけど…)
( ´ω )(ブーンは一体、何をしたらいいんだお…)
好きな子を怒らせて、傷つけた。
ξ#゚听)ξ
大切な友人を、妬ましいと思う。
( ゚д゚)
友達が泣いていても、何も言ってあげられない。
(;A;)
カーチャンには、甘えてばかりだ。
J( 'ー`)し
( ´ω ) オサーン、こんなブーンには無理だお…
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:01:51.05 ID:W+y46OTR0
***
ガチャガチャと金属を引っかく音が変態部屋に響く。
川 ゚ -゚)「くそッ、駄目かっ」
ミセ*゚ー゚)リ「うふふ、おバカさんですわぁ、やっぱり全部おっぱいに脳が行っちゃったのかしら」
川#゚ -゚)「好きでこんなおっぱいになったわけじゃないわあああっ」
ミセ*゚ー゚)リ「あらあら、短気ねぇ、理性もおっぱいに吸い取られちゃったんですのね」
川#゚ -゚)「お前、本気であんな男が好きなのか」
ミセ*゚皿゚)リ「あんな男ですって!許しませんわよ!?」
川 ゚ -゚)「まじわかんねぇよお前」
ミセ*゚ー゚)リ「ふん、恋もしたことない小娘に分かるものですか」
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:06:31.25 ID:W+y46OTR0
川 ゚ -゚)「…私にだって、そのくらい分かるさ」
ミセ*゚ー゚)リ「あら?あらあら?貴女も恋を為さってるとおっしゃい?」
川 ゚ -゚)「ああ、そうだ」
ミセ*゚皿゚)リ「まさかジョルジュ様に…!」
川 ゚ -゚)「なわけねぇだろ」
ミセ*゚皿゚)リ「っ!この不埒者!目狐!想い人がありながらジョルジュ様とッ」
川;゚ -゚)「なんなのもうお前」
川 ゚ -゚)「大体、そんなに好きなら好きだと言えばいいじゃないか」
ミセ;゚ー゚)リ「…なっ」
川 ゚ -゚)「え?まさか言ったことないのか?」
ミセ;゚ー゚)リ「そ、そんなこと、言える筈ありませんわ…!」
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:11:18.33 ID:W+y46OTR0
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ様は高貴なお家柄…私は卑しい召使い…」
川 ゚ -゚)「だから?」
ミセ*゚ー゚)リ「吊り合うべくもありませんわ!」
川 ゚ -゚)「でもあいつおっぱいがあればいいんだろ?見たところ立派なものをお持ちじゃないか」
ミセ*゚ー゚)リ「そ、そうですとも!私はこのおっぱいを認められてジョルジュ様にお使えしたのですからッ」
川 ゚ -゚)「うぁ、やっぱ変態だなあいつ」
ミセ*゚ー゚)リ「そこがいいんです」
川 ゚ -゚)「お似合いだと思うんだけどなぁ」
ミセ;////)リ「なっ!?」
川 ゚ -゚)「告白してみればいいじゃないか」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、貴女、話を聞いてらして!?私は卑しい―――」
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:14:29.95 ID:W+y46OTR0
川 ゚ -゚)「私の好きな男は獣人だぞ?」
ミセ*゚ー゚)リ「へっ?」
川 ゚ -゚)「しかも元盗賊だ」
ミセ;゚ー゚)リ「…あ、貴女こそ、何を考えてらっしゃるの?」
川 ゚ -゚)「さらに私は元カス国の王女だ!」
ミセ;゚ー゚)リ「それココで言っちゃっていいの!!?」
川 ゚ -゚)「また後で使うけどさ」
ミセ;゚ー゚)リ「…正気かこの女」
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:16:58.43 ID:W+y46OTR0
川 ゚ -゚)「けれど私は彼を愛している」
ミセ;゚ー゚)リ「だ、だって、そんなの赦される恋じゃありませんわよ」
川 ゚ -゚)「だが愛している」
ミセ;゚ー゚)リ「両想い、なんですの?」
川 ゚ -゚)「かんっぺきに片想いだ」
ミセ;゚ー゚)リ「…怖くないんですの?」
川 ゚ -゚)「なんで?」
ミセ;゚ー゚)リ「だって、獣人で盗賊なんて、どう考えても幸せになんて…」
川 ゚ -゚)「なんでそう思うんだ?」
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:24:44.72 ID:W+y46OTR0
ミセ#゚ー゚)リ「だってだって、不釣合いですわ!」
川 ゚ -゚)「不釣合いだと幸せになれないのか?」
川 ゚ -゚)「お前のその天秤はどっから持ってきた?どうしてその天秤でしか量れない?」
ミセ;゚ー゚)リ「な、何を言っているんですの…」
川 ゚ -゚)「相手が高貴だからとか、自分が卑しいからとか、そんなの後付の言い訳じゃないか」
ミセ;゚ー゚)リ「言い訳ですって…?」
川 ゚ -゚)「お前はジョルジュとやらが乞食になったら嫌いになるのか?」
ミセ#゚ー゚)リ「わ、私の恋を侮辱するおつもり!?」
川 ゚ -゚)「ほらみろ、身分なんて関係ないじゃないか」
ミセ#゚ー゚)リ「世迷言を!それこそ言い訳ですわ!」
川 ゚ -゚)「どうだかな」
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:26:43.06 ID:2RwKbpm70
面白いな、支援支援
でももう寝ないと…クソッ!昼まで残っていてくれよ…!まだ初めしか読んでねぇ!
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:30:17.98 ID:W+y46OTR0
再びクーは鎖と錠前と格闘し始める。
川#゚ -゚)「むううっ、ふんぬっ!くそ、なんて重いベッドだ無駄に豪勢にしやがって!」
ミセ*゚ー゚)リ「…」
ミセ*゚ー゚)リ「貴女は告白したんですの?」
川 ゚ -゚)=3「してないさ。よし、今度は押してみるか」
ミセ*゚ー゚)リ「ほっ、ほら! 貴女だって怖いんじゃないですの!」
川 ゚ -゚)「今は出来ない。私は戦わねばならん。せーの、」
川#゚ -゚)「ふんぬぬぬぬぬっ」
ミセ*゚ー゚)リ「…何故ですの。何故そんなに自信があるんです?」
川;゚ -゚)「ぜー、はー、ぜー、はー」
ミセ#゚ー゚)リ「お答えなさいったら!」
川;゚ -゚)「じゃあ手伝えよ」
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:43:17.44 ID:W+y46OTR0
ミセ;゚ー゚)リ「えいっえいっ!」
川#゚ -゚)「ふざけてんのかへっぴり腰、お前こそ乳だけじゃねぇか」
ミセ#゚ー゚)リ「うっ、うっさいですわ、それより手伝ってるんだから答えなさいよ!」
川 ゚ -゚)「私だって自信なんかないし、拒否されるのは怖い」
川#゚ -゚)「ふん―――ッ!くそ、びくともしない…」
ミセ;゚ー゚)リ「何よ、私と同じじゃない…!」
ミセ#゚ー゚)リ「ええーいっ、ゼェハァ」
川゚ -゚)「お前のは、告白しない理由を他にこじつけて逃げてるだけじゃないか」
川#゚ -゚)「くっそおおおおおっベッド動けええええっ」
ミセ*゚ー゚)リ「私が、逃げてる…?」
川#゚ -゚)「そうっ、だっ!恋愛っ、ってのはっ、理屈っ、抜きでっ」
川#゚ -゚)「素っ裸のっ、心でっ、勝負するもんだろうがああああああああっ」
ギギ、ギ…
ミセ*゚ー゚)リ「!」
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 04:50:04.44 ID:W+y46OTR0
川 ゚ -゚)「あ、だめだ手が――」
汗で、滑る。
ミセ#゚皿゚)リ「どっせええええりゃああああああああああッ」
ゴゴーン…!
ベッドが横転した。
川;゚ -゚)「な、なんという力…」
ミセ# ー )リ「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
ミセ;゚ー゚)リ「はしたない、ところを…見せてしまいましたわね…」
川;゚ -゚)「あ、ありがとう…でも、良かったのか?」
ミセ*゚ー゚)リ「だって…貴女を、ジョルジュ様と結婚させるわけには、いきませんもの」
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:04:20.13 ID:1bgE0NKT0
ミセ*゚ー゚)リ「まだ…私、勝負もしてませんわ…!」
召使いが瞳を潤ませて笑った。
途端に、窓の外で大きな爆裂音がする。
川 ゚ -゚)「な、なんだ…!?」
ミセ*゚ー゚)リ「生贄の儀式の合図ですわ…」
ミセ;゚ー゚)リ「いけない、ジョルジュ様が戻って来てしまう! さぁ、早く行って!」
川 ゚ -゚)「だ、だが私が居なかったら…!」
ミセ*゚ー゚)リ「きっと、ジョルジュ様は私をお叱りになりますわね」
川;゚ -゚)「叱られるだけで、済むのか?」
ミセ*゚ー゚)リ「…あの方は、本当はお優しい方ですのよ?」
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:11:09.19 ID:1bgE0NKT0
川 ゚ -゚)「…済まない、ありがとう」
ミセ*゚ー゚)リ「敵に礼を言う暇があるなら早く行ってくださらない?告白の邪魔ですわ」
川 ゚ -゚)「…ああ!」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、待って」
ミセリが箪笥からハサミを取り出し、ドレスの裾を摘んで切り裂いた。
川;゚ -゚)「お、おい!?これはお前が」
ミセ*゚ー゚)リ「走るのには邪魔ですわ、それにこのドレスはもうゴミですわ」
川 ゚ -゚)「…助かる」
クーは右足から垂れる鎖の端を持ち、勢い良く扉を開けて飛び出す。
ミセ*゚ー゚)リ「…貴女の恋は、実るといいですわね」
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:17:28.53 ID:1bgE0NKT0
走り去った娘の後、内側から扉をそっと閉める。
ミセ*゚ー゚)リ「私、分かってしまったんですわ…」
鋏を、箪笥に仕舞う。
ベッドはもう一人では動かせないが、その他のものは何時ものように、
綺麗に部屋を整えた。
ミセ*゚ー゚)リ「拒否されるよりも怖いことが」
これは、ミセリがジョルジュに遣えてから、毎日してきたこと。
ミセ*゚ー゚)リ「私の、裸の心の…気持ち」
窓の外では花火が打ち上げられている。
色とりどりの花火が、窓際に立つミセリを照らした。
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:24:54.47 ID:1bgE0NKT0
ミセ*゚ー゚)リ「キレイ…」
毎年こうして、花火をこの部屋で見た。
そうして、ジョルジュの帰りを窓際に立って待ち、
彼が入って来たら「おかえりなさい」を言う。
ミセ* ー )リ「ジョルジュ様が他の誰かと結ばれるのを見るくらいならば―――」
足音が聞こえる。
ああ。この足音は聞き違えるはずもない。
ミセ*゚ー゚)リ「死んでしまった方がずっとマシですもの…」
こんなにも、告白とは緊張するものだったのか。
でも不思議と心は穏やかだ。
ミセ* ー )リ「スゥ」
扉が開く――――――――
おかえりなさい、愛しい人。
はい、おやすみー!
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:30:06.90 ID:1bgE0NKT0
城は広い。
ジョルジュの部屋は離れの塔にあったことが、外に出て分かった。
川;゚ -゚)「ハァ、ハァ…!」
ミセリが裾を切ってくれたお陰で、随分走りやすい。
が、矢張り重いこの鎖は邪魔だ。右足が擦れて血が滲む。
川;゚ -゚)「どこだ…! 少年、どこに居る…!」
居城に入って尚、広い。長い廊下にいくつもの扉。
川;゚ -゚)「くそ、くそ…!」
弱い、とクーは思った。私は弱者だ。
やらなければならないことが分かっているのに、自分だけでは何もできない。
川 ゚ -゚)「!」
人の声が聞こえた。
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 05:56:47.32 ID:1bgE0NKT0
>>353 おやすみなさい
<ヽ`∀´>「ニダニダ! とうとう儀式が始まるニダ!」
( ・−・ )「…」
兵士が二人、回廊を歩いている。
<ヽ`∀´>「ついでにジョルジュ様の結婚式も行われるニダ!」
( ・−・ )「…」
浮かれた様子の二人は、既に酒気を帯びていた。
<ヽ`∀´>「今日はたらふく飲み食いできるニダ!
早くウリ達も準備を終えて式場に向かいたいニダ」
( ・−・ )「…」
|::━◎┥
<ヽ`∀´>
( ・−・ )
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 06:01:39.70 ID:1bgE0NKT0
|::━◎┥
<ヽ`∀´>「ニダ?こんなところに鎧なんて飾ってたニダ?」
( ・−・ )「…」
廊下の端の鎧の前で、二人が立ち止まる。
<ヽ`∀´>「お前いっつも喋らないニダ、どうだったか聞いてるんだニダ!」
( ・−・ )「…」
( ・−・ )「あった…ような…」
( ・−・ )「なかtt<ヽ`∀´>「そうかあったニダかwwwニダもうっかり者ニダwww」うな」
<ヽ`∀´>「さっさと生贄の準備をするニダ、そして結婚式に御呼ばれするニダwww」
( ・−・ )「…」
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 06:08:55.26 ID:1bgE0NKT0
兵士が歩いて行ってしまう。
|::━◎┥
|::━◎┥「…」
|::━◎┥【 川;゚ -゚) (…ふぅ、馬鹿な奴で助かった) 】
「おい、待て」
|::━◎┥【 川;゚ -゚)「!?」 】
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 06:12:31.11 ID:1bgE0NKT0
おやすみ… (
>>1;;;;;;:::: ザラァ
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 07:21:31.47 ID:tWJ74BxaO
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 08:27:56.79 ID:q1/fL4wrO
ほ
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 09:36:40.44 ID:PR4eG5YfO
昨日は途中で寝ちゃったのでこれから読む
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 10:22:26.52 ID:dNtKNRbLO
ミセリ可愛いよミセリ
保守
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 11:14:53.57 ID:2RwKbpm70
やっべぇな、コレホントにおもしれぇわ
保守
ほ
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 12:25:21.05 ID:2RwKbpm70
保守
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 13:04:50.67 ID:2RwKbpm70
ほっほ
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 14:10:20.17 ID:PR4eG5YfO
よいしょー
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 15:01:02.55 ID:2RwKbpm70
ほしゃ
ほしょ
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 17:11:56.05 ID:PR4eG5YfO
ふしゃ
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 17:58:52.01 ID:M3ShGLJqP
ほ
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 18:30:19.10 ID:PujB6v8IO
(´・ω・`)
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 19:35:31.03 ID:q1/fL4wrO
(´・ω・`)
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 20:34:05.50 ID:PR4eG5YfO
lw´‐ _‐ノv 可愛い顔しやがって
ほ
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 21:47:07.87 ID:PR4eG5YfO
眠るよ
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 22:15:19.19 ID:ZKVwLkSBO
ほう
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 22:46:09.84 ID:rSpKcJh90
ぷ
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:02:48.47 ID:jaBMmAMI0
|::━◎┥【 川;゚ -゚) (支援ありがとう、投下が始まるみたいだ) 】
|::━◎┥【 川;゚ -゚) (ちなみに今完全にピンチなので小声で赦してくれ) 】
|::━◎┥【 川;゚ -゚) (支援と保守に感謝す…、あいつは!) 】
(´<_` )「式参加とかふざけてんじゃねぇぞ」
|::━◎┥【 川;゚ -゚) (あに、じゃ…?) 】
<ヽ;`∀´>「オトジャ様…!?」
(´<_` )ニヤ 「なんだ、幽霊でも見たような顔だな」
( ・−・;)「…!」
<ヽ;`∀´>「い、いえ…、そんな…!」
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:06:25.00 ID:M3ShGLJqP
リアタイキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:08:36.49 ID:jaBMmAMI0
|::━◎┥【 川;゚ -゚)(…おとじゃ?あにじゃじゃないのか?) 】
<ヽ;`∀´>「解放されていたのですか…?」
(´<_` )「…万が一、の事態があるらしいな」
鼻筋の通った長身の青年の声には、静けさの中に違和感がある。
( ・−・;)「…」
|::━◎┥【 川 ゚ -゚)(…なんだ、あいつら。アニジャそっくりの奴に、怯えている…?) 】
<ヽ;`∀´>「と、とにかく解放おめでとうございますニダ!」
( ・−・;)「…ます。」
(´<_` )「…」
(´<_` )「へぇ?」
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:13:07.00 ID:jaBMmAMI0
|::━◎┥【 川;゚ -゚)ゾクリ (――――!) 】
クーは息を潜めながら感じた。
オトジャから発される禍々しい気配。
(´<_` )「俺の解放を祝ってくれるか、同胞よ」
<ヽ;`∀´>「も、もも、もちろんですニダ!同胞だなんて、光栄ですニダ!」
( ・−・;)「…」
(´<_` )「本当に光栄か?」
<ヽ;`∀´>「ええ、ええ!」
(´<_` )「じゃあ、握手してくれないか?」
( ・−・;)「…!」
<ヽ;`∀´>そ
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:13:48.56 ID:2RwKbpm70
今日中に終わる気配が全くしないだと…!?
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:18:57.42 ID:jaBMmAMI0
鎧の中のクーからは余り良く見えないが、
オトジャは体中を特殊な模様の描かれた黒い布でミイラのように巻いている。
⊂(´<_` )「ほら」
( ・−・;)「…」
<ヽ;`∀´>「…」
⊂(´<_` )「どうした、同胞の手を宙ぶらりんにさせる気か?」
|::━◎┥【 川 ゚ -゚) (握手って…何考えて――) 】
<ヽ;`∀´>つ オソルオソル
ニダーが、震える手を差し出す。
( ・−・;)「…」
⊂(´<_` )
<ヽ;`∀´>つ
つ⊂
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:24:00.84 ID:jaBMmAMI0
>>383 頑張るよ!頑張るんだからあああああ!
<ヽ`∀´>つギュ 「…」
ニダーが握手して、ほっとしたような表情を垣間見せる。
(´<_` )「…なぁ」
(´<_` )「結婚式、楽しみだった?」
<ヽ;`∀´>「へっ」
(´<_` )「俺が幽閉されてる間、結婚式で飲み食いするのが楽しみだったんだろ」
<ヽ;゜∀゜>「いっ、いえええっ!!!そんなことわはああああああああ」
ニダーが激痛に叫びを上げる。
( ・−・;)「おっ、おゆるし・・・を…!オトジャ・・・様…!」
(´<_` )「うん、お前は赦すよ。別に人生楽しくなさそうだし」
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:31:17.79 ID:2RwKbpm70
支援
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:31:45.72 ID:jaBMmAMI0
<ヽ゜∀゜>つ「ああ、ああ、ああああああああぎゃああああああああ」
<ヽ゜∀ >つ「ああ、ぁ…」
<ヽ ∀ >つ
∩(´<_` )パ 「おっと、殺したらまた幽閉されちまうか」
黒いミイラ男が手を離すと、ニダーが崩れ落ちた。
|::━◎┥【 川;゚ -゚)(な、何をしたんだ…!?) 】
( ・−・;)そ 「…!」
もう一人の兵が、ニダーの身体を支える。
( ・−・;)「に、だー…」
<ヽ ∀ >
(´<_` )「残念だが結婚式に参加は無理そうだな?」
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:36:57.02 ID:jaBMmAMI0
( ・−・;)
(´<_` )「何だ、その目は」
(´<_`*)「同胞、お前も握手してくれるのか?」
( ・−・;)そ 「い、生贄の、準備…あるし、失礼…しま…」
ずるずると、ニダーを引き摺り足早にオトジャに背を向ける。
(´<_` )「…何が同胞だ、蛆虫が」
(´<_` )「なぁ、お前さんもそう思わないか?」
|::━◎┥【 川;゚ -゚) (…!) 】
敵か味方か?
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:45:37.17 ID:M3ShGLJqP
しえ
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:47:51.33 ID:jaBMmAMI0
やばい。何だか分からんがこの男はやばい。
|::━◎┥【 川;゚ -゚) (気づかれたのか…!?) 】
男の灰色の双眸が此方を向いている。
(´<_` )
|::━◎┥【 川;゚ -゚) 】
(´<_` )「姫さんのクレヨンによると、生贄の誘拐犯が城に向かっているらしかったな…」
(´<_` )「…おそらくアニジャだ」
|::━◎┥【 川 ゚ -゚) (!) 】
(´<_` )「アニジャ… 漸く会えるな」
男の言葉は独り言のようにも聞こえる。
困惑と緊張で心臓が痛い程鳴るが、クーは言葉を発さずに居た。
(´<_` )「――――簡単には殺さないぞ、アニジャ」
|::━◎┥【 川;゚ -゚) (……!?) 】
どうなる? 支援
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 23:58:36.58 ID:MbA9FbIt0
(´<_` )「…」
(´<_` )「生贄の居る部屋は三番目の角の先を左に、階段を下りて最奥の扉だったな」
(´<_` )「あんたに果たして何が出来るかな?」
黒いミイラ男は、一つ嘲笑うと踵を返して行ってしまった。
|::━◎┥「…」
|::━◎┥「…」
ガシャ…
川;゚ -゚)「ぶはっ…ハァ、ハァ…」
息苦しかった。心臓が本当に止まるかとも思った。
見回すも、もうオトジャの姿もない。
川;゚ -゚)「…一体、何者なんだ」
あれは自分に対する言葉だった筈だ。
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:04:25.26 ID:YLXiopec0
どうして自分を殺さず、生贄の場所を教えるのか。
気になる。乱される。
あの男の不気味な嘲笑に感じた不吉な予感。
川;゚ -゚)「…ええい!」
強く鎖を握った。
純白のドレスは煤で汚れてしまったが、
自分の心まで煤けている場合ではない。
川 ゚ -゚)「三つ目の角を左…!」
き、と見据えて走り出す。
川 ゚ -゚)「私に何か出来るか…」
なぜか、あの召使いの顔を思い出した。
川#゚ -゚)「見せて欲しいなら見せてやろうじゃないか…!」
走る、走る。
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:08:43.25 ID:YLXiopec0
川#゚ -゚)「階段を下りて…、ッ」
駆け下りる。
裸足の足と鎖絡まる足首に血が滲むが、そんなものにも構っていられない。
あの男は誘拐犯が来ていると言っていた。アニジャが来ていると。
ならば、きっと、きっとフサも来てくれる。
仲間達が来てくれる。
それが何よりも、弱い自分を強くした。
川#゚ -゚)「必ず…必ず儀式を阻止するんだ…!」
最も、奥に、扉を見つけた。その前に先ほどの兵が立っている。
( ・−・;)そ 「何、者…!?」
クー頑張れ!
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:14:00.72 ID:vU8ima250
ほ
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:16:31.74 ID:YLXiopec0
やった。幸運だ。一人はまだ気を失ったまま壁に凭れている。
敵は一人。ならば―――――
川#゚ 皿゚)「一撃必さあああああああああああつ!!」
疾走のスピードを乗せて地を蹴った。
のろまな兵に剣を抜く暇も与えず飛び蹴りで―――
( − ):;・ 「ぎゃふっ…!?」
胸部に鎖を喰らわす!
強烈な一撃に、白目を剥いて倒れる兵。
‖‖‖
川 ゚ー゚)スタッ 「ふふふ、案外役に立つじゃないか…」
川;゚ -゚)グラ 「とと。」
鎖の重みでバランスを崩しながらも、また其れを持ち上げ、扉に向き直った。
川;゚ -゚)「まだそこに居てくれよ、少年…!」
扉を、開く――――
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:26:07.48 ID:YLXiopec0
※ ここから場面よく切り替わります。混乱にご注意ください
***
( ´_ゝ`) 「クリスマス城、か…久しぶりだな」
ミ,,゚Д゚彡「あ?お前カス国の魔法使いじゃなかったのか」
( ´_ゝ`) 「いや、出身はクリスマスだ」
ミ;,,゚Д゚彡「おいおい、初めて聞いたぞ」
二人の男は目立つシッチメンチョを少し離れた所に繋ぎ、
城壁の後ろへぐるりと回ってきていた。
( ´_ゝ`) 「なに、昔の話さ」
アニジャは城壁を触り、何かを確かめているようだ。
ミ,,゚Д゚彡「…で、どうやって忍び込む。城壁は高くて上るわけにはいかねぇし、
裏口だって儀式間近で兵士が固めてるぞ」
( ´_ゝ`) 「なーに、俺に任せろ。確かここら辺に…あった!」
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:30:58.18 ID:YLXiopec0
アニジャが、壁の一部に爪を引っ掛け、取った。
ミ,,゚Д゚彡「!?」
( ´_ゝ`) 「ふふ、昔ここらに抜け道の仕掛けがあるのを覚えていてな」
開いた穴に右手を突っ込む。ガコン、と音がして、数間離れた所の城壁が開いた。
ミ,,゚Д゚彡「こりゃたまげた」
(*´_ゝ`) 「敬え。そしてこう言え。アニジャさんを連れてきて僕は本当によかtt」
ミ,,゚Д゚彡「何してんだ、早く来い」
(#´_ゝ`) 「聞けよワン公」
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:34:35.66 ID:nwwIT5ul0
しーえn
アニジャ爪復活したのかwwww
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:38:06.87 ID:nwwIT5ul0
魔法使いらしいから、治癒系の魔法でも使ったんじゃね
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:49:05.65 ID:YLXiopec0
真っ暗な抜け道を、アニジャの魔法の光が照らしている。
ミ,,゚Д゚彡「で、ここはどの辺に繋がってんだ?」
(#)_ゝ`) 「謝る気はないのか」
ミ#,,゚Д゚彡「俺は犬じゃねぇ」
(#)_ゝ`) 「スマンカッタ、その拳を下ろしたまえ」
( ´_ゝ`) 「確か第二広間に繋がっている筈だ。
余り使わないところだから、見つかる心配もない」
( ´_ゝ`) 「儀式を行うとすれば場所は北の塔の筈だ。
第二広間からなら兵士を装って行けるかもしれん」
ミ,,゚Д゚彡「なるほど、今は儀式でてんやわんやしてるだろうからな」
辺りが僅かに震えて、大きな音の片鱗が響いてきた。
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:52:33.38 ID:YLXiopec0
>>402 403 爪忘れてたwwwwwww
>>400 の訂正
アニジャが爪を引っ掛けて…
( ´_ゝ`) 「あ、俺爪無かったわ、フサ頼む」
ミ,,゚Д゚彡「ちょwwwおまwww ここか?」
(*´_ゝ`) 「いいよいいよ、そこぉおおおッ」
ミ;,,゚Д゚彡「!?」
以下同文
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:56:28.73 ID:2miJgYvp0
ちょwww支援
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 00:59:02.54 ID:YLXiopec0
ミ,,゚Д゚彡「何だ!?」
( ´_ゝ`) 「…花火か。恐らく儀式の合図だ」
ミ;,,゚Д゚彡「何?始まっちまうのか?」
(;´_ゝ`) 「いや、花火は合図の筈…だが兎に角急ごう!」
ミ,,゚Д゚彡「おう!」
一列で走り出す。
焦りの汗を浮かべながら。
(;´_ゝ`) 「ハァ、ハァ」
ミ,,゚Д゚彡「…! 階段が見えたぞ!」
(;´_ゝ`)「あ、ああ、第二広間の床に繋がってる筈だ」
ミ,,゚Д゚彡「開けるぞ!」
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 01:05:39.13 ID:YLXiopec0
階段を駆け上がると、屈強なフサの腕が慎重に蓋を押し開いた。
ミ,,゚Д゚彡「…っ」
眩しい。光が差し込む。
(;´_ゝ`) 「ゼェ、ゼェ」
フサに漸く追いつき、光の魔法を終了する。
ミ,,゚Д゚彡「…」
フサが穴から首を出す。
白い壁と灰色の石の床のだだっ広い広間。まばらに置かれた椅子の他、
人の気配はない。
ミ,,゚Д゚彡「大丈夫そうだ」
獣人が一飛びに広間の床に立つ。
振り返り穴の下に手を差し伸べた。
支援
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 01:10:46.69 ID:YLXiopec0
アニジャがその手を掴み、続いて床の上に這い出る。
(;´_ゝ`) 「ふぅ、俺は肉体派じゃないんだ」
ミ,,゚Д゚彡「魔法使いってのは貧弱だもんな」
(#´_ゝ`) 「だが夜の俺を舐めるんじゃない」
ミ,,゚Д゚彡「聞いてねぇよ」
流石は大国クリスマスの城、といったところか。
使われない第二広間も随分と広い。
ミ,,゚Д゚彡「ここで一暴れでも出来そうなくらいだ―――!」
唐突にフサが剣呑に瞳を細めた。
広間の扉に焦点を合わせ、鼻に皺を寄せて唸る。
(;´_ゝ`) 「おい、どうした」
ミ#,,゚Д゚彡「…何か来るぞ」
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 01:15:24.49 ID:YLXiopec0
ギ、ィ、ィ。
それが扉を開けると狼の鋭敏な鼻には酷く臭った。
ミ,,゚Д゚彡「ちっ、殺意ばら撒きやがって、戦闘準備だ、アニジャ――」
(´<_` )
ミ,,゚Д゚彡
ミ,,゚Д゚彡「…アニジャ?」
フサは目を疑った。
扉を開けて現れたのは、自分の仲間にそっくりな、黒いミイラ男だった。
( ´_ゝ`) 「…いや、あいつは」
(´<_` )「そう、オトジャだよ、――――兄さん」
黒いミイラは笑みを貼り付けていた。
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 01:15:29.45 ID:4ieQZcP+O
しえーんっ
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 01:24:11.24 ID:YLXiopec0
ミ;,,゚Д゚彡「に、兄さんん?」
(´<_` )「兄さん、やっぱり、ここに来ると思ってたよ」
(;´_ゝ`) 「オトジャ…」
三者が対峙する第二広間に、異様な空気が流れる。
だが決してそれは、感動の再会と呼べるものではない。
(´<_` )「漸く、会えたね、兄さん」
ミ;,,゚Д゚彡「お、おいアニジャ、どういうこった?」
フサが強かに殺意を携えるミイラ男とアニジャの間で、視線を泳がせる。
(;´_ゝ`) 「俺がクリスマスの出身だと言っただろう。
アレはクリスマスに残った、俺の双子の弟だ」
ミ;,,゚Д゚彡「双子…」
なるほど、鏡に映したように似ている。
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 01:30:34.81 ID:YLXiopec0
(´<_` )「残った?おいおい、捨てた、の間違いだろう?」
だが、二人の持つ雰囲気はまるで似ていない。
アニジャが静かに湖面にさざめく波なら、オトジャは荒ぶる嵐の黒潮だ。
(´<_` )「貴様は俺を捨てて、この国を去った。
…分かるか?その後、俺がどういう風にこの国を生き抜いてきたか」
(;´_ゝ`)「…すまない、オトジャ。だが分かってくれ、今は行かねばならん」
(´<_` )「行く?は、ハハ!また俺を捨てて行くのか、アニジャ」
(;´_ゝ`)「違う!…頼む、そこを通してくれ!」
(´<_` )
(´<_` )「残念だが、兄さんが通るのは地獄の門だよ――――」
ミ;,,゚Д゚彡 !
オトジャの身体に巻かれた黒い包帯が、ざわつくように揺れ、
どす黒い魔力が身のうちから蠢いた。
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 01:38:19.44 ID:YLXiopec0
ミ;,,゚Д゚彡「な、なんだありゃあ…!」
( ´_ゝ`) 「…おい、フサ。ここは俺が引き受けるから、隙を見て行けよ」
ミ;,,゚Д゚彡「お、おい、だが」
( ´_ゝ`) 「いいから行け、儀式を止めてクー様を助けてくれ」
ミ,,゚Д゚彡「…アニジャ」
アニジャが、両手を胸の前に翳す。
( ´_ゝ`) ―――明くる朝の光の精霊よ
(´<_` ) =\――沈む夜の闇の亡霊よ
オトジャには、アニジャしか見えていない。
二人が同時に詠唱を始めると、
アニジャからは白の光が、オトジャからは黒い煙が立ち昇る。
ミ;,,゚Д゚彡「待ってるぞアニジャ!」
フサは二人の間を抜けて駆け出した。
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 01:53:25.95 ID:d5fL1BHD0
獣人が扉を潜っていくのが見えた。
( ´_ゝ`) (クー様を頼むぞ、フサ…!)
(´<_` )$笆]と悲しみの呼び水に応えて立塞がる者に死を
オトジャの片手に集束される黒煙と。
( ´_ゝ`) 奮い立つ勇気と覚悟に応えて邪悪を退け
アニジャの両手に眩く輝く光。
( ´_ゝ`) 『白雷の盾ッッ!!』
(´<_` ) 『黒雲の剣ッッ!!!!』
アニジャの光が前面に広がる。
オトジャの黒煙は鋭く集束し、剣の容を成して襲い掛かった。
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:00:23.35 ID:d5fL1BHD0
剣が盾に触れるや、白と黒は相殺する。
(;´_ゝ`) 「くっ、片手であの威力…」
(´<_` ) £セむ夜の闇の亡霊よ
( ´_ゝ`) そ
(´<_` ) 『黒雲の剣ッッ!!!!』
(;´_ゝ`)「馬鹿なッ―――」
忽ち黒き煙は集束し、黒剣がアニジャの肩を穿つ。
(;´_ゝ`)「が、ッあああああああッ!」
鮮血が飛び散り、激痛が走った。
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:06:38.28 ID:d5fL1BHD0
衝撃に数歩も退き、肩を抑える。
(;´_ゝ`)「詠唱の省略に、連撃だと…」
弟は、悠々と立ち笑っている。
(´<_` )「忘れたのかアニジャ」
(´<_` )「俺は忌み子だ。だからあんたは捨てたんだろう―――?」
(;´_ゝ`) 「…!」
(´<_` )£セむ夜の闇の亡霊よ
( ´_ゝ`) 「オトジャ、違う、待っ―――」
(´<_` ) 『黒雨の矢』
容赦なく、黒き矢が雨のようにアニジャに降り注ぐ。
( _ゝ ) 「う゛あああああああああッ!!!!11」
419 :
AA間違えそう:2010/12/21(火) 02:13:28.37 ID:d5fL1BHD0
( _ゝ )
無数の穴を身体に刻み、だがアニジャは立っていた。
(´<_` )「そうだ、まだ死んじゃ駄目だ。もっと苦しめよ、アニジャ」
オトジャが歩み寄る。
(´<_` )「これが」
オトジャの伸ばした青白い手が、アニジャの首を掴んだ。
( _ゝ ) 「!?」
(´<_`#)「あんたが捨てた忌み子の力だ!」
(;´_ゝ`)「あ、ああッ!!?」
捕まれた首から激痛が走る。皮膚が溶ける。
蝕まれるように、侵食されるように。
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:17:48.09 ID:2miJgYvp0
支援
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:22:45.91 ID:d5fL1BHD0
(´<_`#)「そうだ! 苦しめ! 俺よりももっとだ!」
(; _ゝ )「うぐぁぁぁああああああああ!!!」
ああ、そうだ。
オトジャは忌み子だった。
十年…いやもっと前。俺がカス国の王に仕えるよりもずっと昔。
あの時、俺は確かに闇の忌み子のお前を疎ましいと思ったこともある。
けれど、断じて捨てたわけじゃない。
俺はお前を――――
( _ゝ ) 「護り、たか…っ」
(´<_` )「は?」
(´<_` )「何を?誰を?…俺を?」
(´<_` )「ふ、…ははははははは!!! 今更何を!」
(´<_` )「お前に置いて行かれ、俺がどんなに絶望したか!どれだけ憎んだか!」
(´<_` )「死ね!アニジャ!死ねよ、苦しんで死んで償ってくれよ…!」
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:28:32.33 ID:d5fL1BHD0
捕まれた首が黒く変色し始める。
それはゆっくりと広がってゆく。
(´<_` )「――――じわじわと、嬲り殺してやるからな、兄さん」
それを眺めるオトジャの口元は、醜く歪んでいた。
****
扉を、開いた。
川 ゚ -゚)「っ!」
部屋の様子を伺うなり、兵士の存在を考え身構えるクー。
だが、杞憂だった。
川 ゚ -゚)「ほ。…少年!」
そこは玉座の間だった。高い天井の下の玉座に王は居ない。
視線を移すと、広間に少年が転がっているのを見つけて、駆け寄る。
( ´ω )「…う」
川 ゚ -゚)「ああ、良かった無事だったか」
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:38:17.09 ID:d5fL1BHD0
( ´ω )「…クー、無事だったお…」
川 ゚ -゚)「ああ、当たり前だ、あんな変態の嫁になんぞなってたまるか!」
クーが少年を助け起す。
川 ゚ -゚)「皆が来てくれるぞ!しっかりしろ、早くここを離れ――」
( ´ω )「…クーは、強いお」
川 ゚ -゚)「う?」
( ´ω )「ブーンとは、大違いだお…」
川;゚ -゚)「どうした、少年」
( ´ω )「ブーンは、弱くて、何も出来ないお」
( ´ω )「ブーンは、弱虫で、…もう、生きてるの辛いお」
川;゚ -゚)「な、何を言ってるんだ」
( ´ω )「クーも言ってたお、僕に何が出来るって…」
少年の心は弱っていた。
その原因に、シューの放ったブルーの魔法の力も加わり、
少年をさらに闇に引き摺りこんでいた。
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:45:04.34 ID:d5fL1BHD0
川;゚ -゚)「だ、だがお前が生贄になったら…!」
( ´ω )「…オサーンは、もう世界が消えちゃうって言ってたお」
川 ゚ -゚)「何だと!?」
( ´ω )「ブーンが生贄になったら、オサーンも死んじゃうっぽいお…」
川;゚ -゚)「ま、まじかよ…」
( ´ω )「クリスマスの王女はそんなの嘘だって…」
川#゚ -゚)「シューか! あのクソ女、イカれてやがる!」
( ´ω )「…ここを離れても、きっとまた捕まってしまうお」
( ´ω )「…だから、クー」
( ´ω )「ブーンを、ここで殺してくれお…」
川;゚ -゚)「…!」
クーは見開いて弱った少年を見た。外傷は殆ど無い。
川 ゚ -゚)「お前、それでいいのか?」
( ´ω )「もう、ブーンには何も出来ないんだお…」
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:45:47.56 ID:2miJgYvp0
支援
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:55:09.78 ID:d5fL1BHD0
川 ゚ -゚)「…お前、母親に殺されかけたんだったな」
( ´ω )「…?」
川 ゚ -゚)「お前は、それをどう思った?」
( ´ω )「とても、悲しかったお…」
川 ゚ -゚)「それだけか?」
( ´ω )「…凄く、悔しかったお。カーチャンの苦しさに、気づいてあげれなかったことが」
川 ゚ -゚)「なぁ、ブーン」
川#゚ 皿゚)「歯ァ食いしばれ」
( ´ω )「―――お」
川#゚ 皿゚)=O))゚ω゚)・:゜「ッッ!!?」
川#゚ 皿゚)=O))゚ω゚)・:゜
川#゚ 皿゚)=O))゚ω゚)・:゜
( #)ω゚)ノノ「ちょwwwww死ぬwwwww」
川;゚ -゚)ハァハァ 「な、なんだ…殴り殺されたいんじゃないのか?」
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 02:58:25.64 ID:2miJgYvp0
支援
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:02:37.15 ID:d5fL1BHD0
( #)ω゚)ノノ「もっとさくっと殺してくれお!」
川 ゚ -゚)「我儘言うな、今ちょっとツールがないんだ」
川 ゚ -゚)「あ、この足の鎖なら…」
(;゚ω゚)「もっと痛そうだお!!!?」
川 ゚ -゚)「死にたいのか死にたくないのか」
( ´ω )「…お」
川 ゚ -゚)「私だって強くない」
クーが、ブーンの破れた胸倉を掴み上げる。
川 ゚ -゚)「私だって強くないんだ、ブーン」
名前を呼ばれて、クーの顔をはっと見た。
綺麗に整った顔だ。先ほどまで自分を殴っていた手が震えている。
川 ゚ -゚)「だけど、強くなれる。私たちは強くなれるんだ」
クーの姿を漸くまじまじと見つめて気づいた。
破れたドレス、足は血だらけ。鎖まで引き摺って…
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:09:21.59 ID:2miJgYvp0
支援
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:09:22.33 ID:d5fL1BHD0
(;^ω^)「…クーさん、足…」
川 ゚ -゚)「大したことはない」
一体どれだけ苦労して、ここに辿り着いたんだろう。
どんなにか怖かったんだろう。
( ´ω )「ブーンは、また…」
川 ゚ -゚)つ パシッ
( #)ω`)「おっ…」
今度は平手打ちだった。
川 ゚ -゚)「悔しいまま終わるなよ」
川 ゚ -゚)「強くなれる。私を助けようとしてくれたお前なら」
川 ゚ -゚)「自分を殺そうとした母親を、優しいと言ったお前なら」
川 ゚ -゚)「生贄なんかで終わるな、簡単に死ぬなんて言うな、」
川 ゚ -゚)「私と一緒にもがいてくれ、ブーン…!」
( ゚ω゚)「クーさんと、一緒に?」
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:16:54.45 ID:d5fL1BHD0
川 ゚ -゚)「そうだ」
頷くクーの清んだ双眸が真っ直ぐに届く。
水の底に沈んだ心が、こぽこぽと泡だって、浮き上がり始めた。
( ゚ω゚)「ブーンは、強くなれるお?」
川 ゚ -゚)「ああ」
川 ゚ -゚)「生きていさえすればな!」
( ^ω^)「…!」
そうだ。
死んでしまったら、もうツンに謝ることも、ドクオを慰めることも、
また三人で、一緒に遊ぶことも出来ない。
カーチャンに会うことも。
( ^ω^)「ブーンは、生きたいお!」
川 ゚ー゚)「ふ、そうやって間抜けな顔してる方が似合うぞ」
(#^ω^)「おっ、ブーンは間抜けじゃないお!」
川 ゚ー゚)「ああ、そうだな、さぁ、誰も来ないうちに逃げるぞ、立てるか?」
( ^ω^)「おっおっ、勿論だお!」
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:22:35.45 ID:d5fL1BHD0
< そうはイカのコンコンちき!
川;゚ -゚) そ
( ^ω^)「イカの…?」
扉の方からの声に、二人が振り向く。
( ゚∋゚)「ふっふっふ、様子を見に来てみれば…」
川 ゚ -゚)「鳥?」
(;^ω^)「番鳥だお!」
( ゚∋゚)「そおおおうだ番鳥様だッ!そして番鳥様は――――」
( ゚∋;)「今恐ろしく感動しているッ!!」
川;゚ -゚)「は?」
(;^ω^)「な、何か片目だけで泣いてるお」
( ゚∋;)「そっち側は義眼になっちゃったのよ気にしないで」
フサとの戦闘で受けた傷だった。
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:25:22.94 ID:d5fL1BHD0
( ゚∋;)「兎も角、女ッ!」
川;゚ -゚)「う、私か?」
( ゚∋゚)「お前の名は?」
川;゚ -゚)「クールだ」
( ゚∋゚)「とてつもなく最高に熱い女よ!お前の名に敬意を表して、お前は逃がしてやるっ」
川;゚ -゚)「は、はぁ、どうも」
( ^ω^)「おっ、案外いい奴だお!」
( ゚∋゚)「だがお前は駄目だ豚」
( ^ω^)そ 「豚!?」
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:29:23.44 ID:d5fL1BHD0
( ゚∋゚)「生贄は逃がすわけにいかん。さぁ、大人しくこっちに来い」
(#^ω^)「豚とは失礼にも程があるお!このぼんちり!」
( ゚∋゚)「ぼんちり!?」
川 ゚ -゚)「ぼんちり!?」
(*^ω^)「一番おいしいお」
(#゚∋゚)「何だかよく分からんが、貴様愚弄したな!?」
(*^ω^)「多分褒めたんだお」
( ゚∋゚)「えっ」
川 ゚ -゚)「そうなの!?」
(*゚∋゚)「…。こ、こんな時…どんな顔したらいいか、わからないんだ」
( ^ω^)「笑えばいいと思うお」
( ゚∋゚)
( ^Θ^) ニコッ
( ^ω^)「きめえwwwwwwwww」
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:29:28.08 ID:2miJgYvp0
支援
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:30:33.27 ID:py/jaN9i0
テラどたばたwwww
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:38:51.89 ID:YGLaYTAp0
( ^Θ^)「えっ」
( ^ω^)「今だおクーさん!」
川#゚ 皿゚)「ちぇすとおおおおおおおおおッ」
クーの鎖がクックルの股間に炸裂した。
( ^Θ^) そ キーィィン…
( ゚∋;)「ぐおおおおおおおおッ!!?」
‖‖‖
川 ゚ -゚)シュタ 「よし、逃げるぞブーン!」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「走るおー!!!」
( ゚∋;)「鳥だけに、鳥イテエエエエエエエエ」
前屈みにもんどり打つクックルを通り抜ける。
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 何が出来るか分からないけど…ブーンは絶対あっちに帰るお…!
扉を抜けて、二人は走った。
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 03:47:33.72 ID:YGLaYTAp0
(#゚∋゚)「くそおお!!獣人といい、あのガキといい…、絶対に赦さん!」
( ゚∋゚)「ショボン様に言いつけてやるからなぁあああああッ」
後ろから雄叫びが聞こえる。
川;゚ -゚)「不味いな、早く城を出ないと…」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「おっおっ!」
****
北の塔に続く回廊で、戦いは始まっていた。
ミ#,,゚Д゚彡「ゴルァァァァアッ」
獣人は牙を剥き出し、大剣を横薙ぎに振るう。
男は其れをひらりと飛び交わしながら右拳で剣の腹を殴る。
ミ,,゚Д゚彡「おおッ!?」
バランスを崩し剣を地に叩き付け、忌々しく敵を睨んだ。
ミ#,,゚Д゚彡「この変態野郎…」
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 04:02:45.31 ID:4+D8vprG0
ミ#,,゚Д゚彡「そこをどきやがれぁああああッ」
素早く剣を持ち上げ、着地の瞬間を狙い逆袈裟に切り上げる。
_
( ゚∀゚)「てめぇこそ…」
全裸の男は靴下を巻いた拳で其れを払いのける。
ミ;,,゚Д゚彡「何ッ!?」
_
(# ゚∀゚)「おっぱい嫁探しの邪魔をするなあああああああッ」
速い。一飛びにフサへと肉薄し、身体を回転させながら
股間の靴下に包まれた凶器でフサの顔を打ん殴った。
ミ,,゚Д゚彡・:「ぐはッ!?」
フサを超えて着地する、全裸の男。
_
( ゚∀゚)「俺のイチモツは今怒りに燃えてんだ…キョーレツだろうが」
ミ,,゚つ゚彡グィ 「…ちっ、マジで変態だな」
口端の血を拭い、
ミ,,゚Д゚彡「だが―――全然利いちゃねぇよ」
犬歯が笑う。
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 04:17:17.92 ID:4+D8vprG0
( ゚∀゚)「ほう、少しはやるか?」
ミ,,゚Д゚彡「獣人ナメてんじゃねぇぞゴルァ、てめぇの粗末なちんこなんざ屁でもねぇ」
_
( ゚∀゚)「ヒャハハ、だがこんな狭い所じゃ変化できねーだろうが」
其処は回廊。
狼の巨体は強力だが、身動き取れなければ意味がない。
ミ,,゚Д゚彡「ハ。わからんか?」
腰を落とし大剣を構え、走り出す。
ミ#,,゚Д゚彡「お前にゃ十分なんだよッ!!」
_
( ゚∀゚)「クソ犬が」
大振りの剣の突き。
さ、と身体を反転させて避けたその
ミ#,,゚Д゚彡「狼だ」
刹那、獣人が剣を引っ込めず片手に持ち替えた。
_
( ゚∀゚)「!」
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 04:27:03.62 ID:4+D8vprG0
_
( ゚∀゚)・:「ご、ぁッ…」
追いかけて来た剣の腹に突き飛ばされる。
回廊の壁に身を打ち付けた。
_
(;゚∀゚)「てめ…」
なんて馬鹿力だ。
重い大剣を撃の途中で持ち替えるなど。
ミ#,,゚Д゚彡「ゴルァァァ!」
_
(;゚∀゚)「やべ、」
二撃目が来る。
咄嗟に床に這う。頭の上を剣が掠めて、壁を粉砕する。
_
( ゚∀゚)「ワン公おおおおおッ」
跳ね起き獣人の懐に潜り込み、
顎に向けて身体ごと拳を振り上げる。
ミ#,, Д 彡・:「うがッ」
_
( ゚∀゚)「オラオラオラオラァッ!」
上向いた獣男を機に、一気に両手で殴り続ける!
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 04:34:07.60 ID:4+D8vprG0
ミ,, Д 彡 ガッ…
大剣が手を離れて、音を立てて落ちた。
_
( ゚∀゚)「ゴールデンバットスラァァァアアアッシュ!」
止めとばかりに声を上げ、床を蹴り飛び上がる。
男の強靭なイチモツが、フサの顔面を強打した。
ミ,, Д 彡 「――――」
声も上げない獣人の前に、再び降り立つ全裸の男。
_
( ゚∀゚)「ち、負け犬の遠吠え、聞き損ったぜ」
フサの片膝が、地に付いた。
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 04:42:27.16 ID:4+D8vprG0
****
椅子が数個置かれただけの閑散とした広間で、
瓜二つの二人の男。
一人は苦しみに喘ぎ、一人は狂喜に満ちてそれを眺める。
( _ゝ )「あ…、あ…」
(´<_` )「苦しいか? 苦しいよな?」
(´<_` )「ほら、命乞いしろ、泣き叫んで許しを請えよ」
( _ゝ )「おと…じゃ…」
アニジャの両手がオトジャに伸びる。
(´<_` )「…なんだ、兄さん。俺を殺そうって?」
( _ゝ )「お前は…ずっと…一人で…」
(´<_` )「…そうだよ」
(´<_` )「辛かった。怖かった。苦しかった。憎かった」
(´<_ )「憎いよ兄さん。俺を捨てた兄さんが憎いよ」
首を掴むオトジャの手に、力が篭る。
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 04:48:05.04 ID:4+D8vprG0
( _ゝ )「…ごめん…な」
( ´_ゝ`) 「ごめん…」
(´<_` )
兄の両手が、背中に回った。
(´<_` )「よせ」
(´<_` )「よせ、謝るな、さっきみたいに違うって言えよ」
(´<_` )「苦しむだけじゃ足りない。足りないだろ?だって俺はこんなに憎んだんだ」
そっと、抱きしめられる。
じわり、と首の黒い痣がさらに広がる。
(´<_` )「憎めよ」
オトジャは手を離すと同時にアニジャを蹴り飛ばした。
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 04:55:34.06 ID:m1HFq5200
( ´_ゝ`) 「ぐ…」
床に転がるアニジャをさらに蹴りつける。
(´<_` )「憎めよアニジャ」
蹴る。
(´<_`#)「ほら、死ぬぞ?殺されるぞ?弟に」
蹴る。
(´<_`#)「痛いだろ!?怖いだろ!?俺が憎いだろう!?」
ああもう、蹴るだけじゃ足りない。
(´<_`#)£セむ夜の闇の亡霊よ
黒い煙がオトジャの両手に集束する。
( _ゝ ) 明くる朝の光の精霊よ
床に転がったままのアニジャの両手に、光が宿る。
(´<_` ) (…そうだ。俺を憎め。アニジャ)
弟が哂う。
支援
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 05:16:00.90 ID:m1HFq5200
(´<_` ) (お前だけ、憎しみで心が汚れないまま死ぬなんて許さない)
( _ゝ ) 世界を統べる白の王者よ 我が声に応えて精練なる光を与えよ
(´<_` )¥闇に住まう黒の覇者よ 汝の僕の叫びに応えて破壊の限りを
(´<_` ) (これで兄さんを殺せるよ、兄さん―――)
( ´_ゝ`) そは救い 慈悲を垂れ 彼は叫び 嘆き囚われる闇の咎人
(´<_` ) (…? 詠唱が長い…?)
( ´_ゝ`) そは救い 慈悲を垂れ 彼は叫び 嘆き囚われる闇の亡者
(´<_` ;) (…二重詠唱!? いや、微妙に違う?)
(´<_` ;) ≠、我は叫び 我は嘆き 我は蹂躙せし闇の戦士
( ´_ゝ`) そは救い 慈悲を垂れ 闇の迷宮を彷徨いし哀れなる囚われ人
オトジャの黒い闇が強まる程、光は呼応して強く輝く。
(´<_`;) (…俺の詠唱にリンクしている!)
( ´_ゝ`) 我は命 命はそ そは光 光は我 我は望む―――
(´<_`;) (何をしようとしているか知らんが、俺の詠唱は終わりだ)
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 05:24:29.10 ID:m1HFq5200
(´<_` )$士は与える 全ての者に等しき 望まぬ安寧を
(´<_` ) (さよならだ、兄さん)
(´<_` ) 『常闇の死』――――!
オトジャの両手から黒々とした亡霊の顔が浮かび上がる。
亡霊はおぼろげな目鼻立ちを人のように携えて、
ゆっくりと口を開く。
死の叫び、死の魔法。
( ´_ゝ`) 神よ 哀れなる囚人を闇より解き放て
(´<_` )「ハ! もう遅い」
闇の顔がアニジャに近づく。アニジャを飲み込もうと襲い掛かった。
( ´_ゝ`) 『救いの御手』
光が、溢れた。
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 05:29:15.97 ID:m1HFq5200
真っ白な光が。
(´<_` )「…なんだ、これは」
(´<_` )「何が起きた?」
一面見渡す限り真っ白だ。
(´<_` )「…俺が負けたのか?」
(´<_` )「俺が、死んだのか」
アニジャの姿も見えない。
(´<_` )「自棄に、身体が軽いな。死んだらこうなのか」
(´<_` )「…アニジャ」
(´<_` )「…ありがと」
漸く、憎しみからも解放される。
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 05:33:33.06 ID:m1HFq5200
『おい、勝手に死ぬな』
(´<_` )「アニジャ?」
アニジャの声だ。なんだ。アニジャも死んだのか?
『こっちだ、いつまでも其処にいるな、危ないから』
(´<_` )「…どこだよ、アニジャ」
(´<_` )「言っとくけど、俺はまだ許してないからな」
『いいから、こっちだ』
(´<_`#)「指図すんな、昔っからそうだったよな」
歩く。真っ白な光の中を、声の方へ。
『早く来い』
(´<_`#)「だから――――おわ!?」
唐突に、光を抜けた。
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 05:40:06.52 ID:m1HFq5200
(´<_`;)「っは」
両の眼を見開いた。水の底に居たように息が苦しい。
オトジャは元のように広間に立っていた。
(´<_`;)「アニジャ、一体何を―――」
(´<_` )
自分とよく似た男が、床の上に転がっていた。
(´<_` )「アニジャ?」
( _ゝ )
返事は無かった。
(´<_` )「…なんだ、勝ったのは俺だったのか」
(´<_` )「…?」
身体が軽い。初めての感覚だ。
生まれてこの方取れたことの無かった、体中を這いずり回るものが消えている。
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 05:43:35.45 ID:m1HFq5200
(´<_` )「…アニジャ、何をした?」
包帯が白くなっている。
これは己の力を封じる為に巻いていたものだ。
その効力が消えている。
(´<_` )「おい、アニジャ」
返事は、矢張り無いのだ。
(´<_`;)「何をしたんだ、おい、俺に…」
(´<_`;)「俺に一体何をしたあああああああああああッ」
動かない身体に掴みかかった。
がくがくと揺らす。揺らしながら、殴りつける。
されるがままに動かない。
また殴る。
殴るのに疲れた。
(´<_`;)「ハァ、ハァ」
自分の手は死者をも黒く蝕む筈なのに。
(´<_`;)「なぜ、だ…なぜ…」
この手は今、誰に触れても侵すことはない。
悲鳴を上げさせることはない。
(´<_`;)「この為か…この為に、俺を置いていったのか…?」
(;<_; )「俺から、闇の力を取り除く為に…!!!111」
捨てられ、一人になってから、
どんなに罵られ、蔑まれても、
暗い穴の中に幽閉されても、
決して涙を流すことは無かった。
アニジャを殺す。その憎しみが、あったから。
その為だけに、生きてきた。
(;<_; )「なんでだ、なんでだ…!」
(;<_; )「なんで俺を憎んでくれないんだ! 殺してくれなかったんだ!」
(;<_; )「アニジャ…」
( ´_ゝ`)
(;<_; )「ずりぃよ… 自分だけ、綺麗なままで死にやがって…」
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 05:51:12.54 ID:m1HFq5200
( ´_ゝ`)
(;<_; )「こんなに、綺麗な顔して…」
(*´_ゝ`) 「まぁな」
(;<_; )
(*´_ゝ`) 「あんまり見つめるなよ」
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 05:53:40.25 ID:m1HFq5200
\\\
(⌒\ ∧_∧
\ ヽヽ( ´_ゝ`)
(mJ ⌒\
ノ ∩弟 / /
( | .|∧_∧
/\丿 | ( ;) <OK、時に落ち着け、いや今こそ落ち着け、
(___へ_ノ ゝ__ノ もう死ぬ、ほんとに死ぬからああああああああ
しえん
(´<_`#)「なんだってんだ畜生」
( ´_ゝ`) 「奇跡的に生きてただけで、瀕死だが何か」
(´<_`#)「どんだけしぶといんだよ」
(*´_ゝ`) 「正直ここまでの瀕死度は初めてで、興奮している」
(´<_`;)「…変態になったなアニジャ」
アニジャの首の黒い痣は消えていた。
だが、身体に着いた夥しい傷跡までは白の光は消してくれなかった。
実際、殆ど死の魔法に喰われかけていた。
(´<_` )「…俺を殺せば、まだ助かるかもしれんぞ」
( ´_ゝ`) 「え、何それ俺死ぬ前提?」
(´<_` )「もう魂が半分も無いんだろ。俺の闇の力を取り除くのにも使って」
( ´_ゝ`) 「それなんだが、オトジャ」
( ´_ゝ`) 「死ぬのが怖くて、ちょびっと残しちゃった」
(´<_` )
( ´_ゝ`) 「だから包帯は取らない方がいいんだぜ?」
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:05:52.38 ID:m1HFq5200
(´<_`#)
( ´_ゝ`) ノノ サッ
(´<_`#)
( ´_ゝ`) ノノ
(;<_; )
(;´_ゝ`) 「あ、あれ?殴らないのか?」
(;<_; )「いいよ、もう」
(;<_; )「ごめん。ごめん、アニジャ」
(;´_ゝ`) 「な、なんですと!?」
(;<_; )「アニジャ、ごめんよう…」
オトジャは俯いて肩を震わせて泣いた。
アニジャは困ったような顔をした。
嬉しそうに、困ったような顔で、少しだけ泣いた。
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:09:38.64 ID:fT26b+qeO
年下扱いにちょっとおこりそう 馬鹿なのをわからせようわからせようみたいに私がいかに馬鹿なのか恥ずかしがらせてきそう
だんだん年上の女からからかわれてるみたいに見えてきた(笑)
なんか私の愚痴とかなんかわかってもらおうと年上の女に愚痴ったりしそう
すっきりしてもまた私の意味不明なセクハラにイライラしたり勝ち誇って笑って馬鹿にしたりしそう
しかも気付つけないようにたまに餌を与えてきそう
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:10:39.81 ID:fT26b+qeO
年下の男の子に萌えるおばさんになっちゃったんだけど(笑)
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:11:06.62 ID:m1HFq5200
( ´_ゝ`) そ 「そ、そうだ、こうしてはおれん」
(;<_; )「あ、ああ、そうか、そうだったな」
(´<_` )「だが、兄者は動けるのか?」
(#´_ゝ`) 「…動けんッ!お前の所為でなッ!」
(´<_`;)「いや、悪かったとは思ってるが」
( ´_ゝ`) 「ならば行け、弟よ。兄の代わりに働くのだ」
(´<_`#)「何か微妙に腹立つ」
( ´_ゝ`) 「おお! 行ってくれるか!」
(´<_` )「…なぁ、兄者」
(´<_` )「本当に、大丈夫なのか?」
(#´_ゝ`) 「ばっかもーん!私を誰だと思っている」
アニジャは元気そうだった。
分かったよ、弟は立ち上がる。
( ´_ゝ`) つ■「あと、コレを持っていけ」
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:12:57.75 ID:py/jaN9i0
支援
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:18:29.46 ID:m1HFq5200
■⊂(´<_` )「む。これは…アニジャが持ってた方がよくないか」
( ´_ゝ`) 「いや、お前が持っていろ。俺じゃ見つかったら護りきれん」
おちんちんオーナメントが、オトジャの手の上で輝いた。
オトジャはそれを懐に仕舞う。
(´<_` )「分かった。あとで迎えに来るからな、アニジャ」
( ´_ゝ`) 「ああ、クー姫様もいる筈だ。頼んだぞ」
(´<_` )「…ああ」
オトジャが扉を潜る。
それを見送った。
( ´_ゝ`) 「…すまんな、オトジャ」
魂が、色を失ってゆく。
弟に掛けた術は闇を全て取り除くことが出来なかった。
加減したからではない。
未だ、未完成だったからだ。
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:27:17.84 ID:Er86cp7H0
( ´_ゝ`) 「クー様…。創造の神よ、精霊オサーンよ…」
身体中から力が抜けてゆく。
( _ゝ ) 「どうか、彼らの行く手に幸運を…」
帳が下りるように、眼を閉じた。
大広間に、一人。
****
ミ,, Д彡「ヌルぽ」
_
( ゚∀゚)「あ?」
狼に背を向け、クー探しを続行しようとしていた男は眉を顰めた。
ミ,, Д彡「ヌルい…っつってんだ」
_
( ゚∀゚)「…ああ、そうかよ」
口端を愉快げに吊り上げて肩越しに振り返り様、
跳んだ。
_
( ゚∀゚)「だったら殺してやらぁぁぁあああッ」
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:37:20.65 ID:UnD5kCdk0
_
( ゚∀゚)「ほらほらほらほらァッ、どうしたぁッ!」
棒立ちの獣人の腹に、恐るべき速さで拳を叩き込む。
_
( ゚∀゚)「ヌルィーんじゃなかったのかッ!?」
タン、と一歩軽く退き、体重を乗せて回し蹴りを繰り出す。
フサの横っ面からそっ首に向かい、高く足を上げた。
蹴り足が音を立てて毛皮に減り込む。
確かな手ごたえ。まともに喰らった筈だ。
ミ,, Д彡「どいつも、こいつも…」
_
( ゚∀゚)「!?」
ミ#,,゚Д゚彡「喋り過ぎで五月蝿ェんだよゴルァァァアア!!」
_
( ゚∀゚)・:゜「―――ガッ!」
獣人の拳が鳩尾に入り、
身体が吹き飛ばされる。
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:43:37.40 ID:UnD5kCdk0
ミ,,゚Д゚彡つ「おう、待てやゴルァ」
_
( ゚∀゚)「!?」
仰け反った頭を鷲掴みにする巨躯の手。
ミ#,,゚Д゚彡「このフサギコさんはなぁ、犬コロじゃあねぇ」
_
( ゚∀゚)
両手で頭を掴む。
ミ#,,゚Д゚彡「『狼王』様だゴルァァァァァァァァァァァア」
咆哮と共に自分の額をジョルジュの額にぶち当てる。
_
( ゚∀゚)・:;゜ ゴハァァァ
_
( ∀ )
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:49:37.98 ID:UnD5kCdk0
ドサァ。
変態は倒れ伏した。
ミ,,゚Д゚彡「ててて、くそ、意外と痛かったぜ」
額に手を当てる。血が滲んだ。
ミ,,゚Д゚彡「何がおっぱい嫁だ、クーを変な目で見やがって」
け、と倒れ伏している男を侮蔑する眼で見た。
ミ,,゚Д-彡=3「まぁ、ちとスッキリしたがな」
人んちの娘を、と溜息を吐く。
そして大剣を拾い上げて背中に背負うと、北の塔へ向け、回廊を歩き出した。
ミ,,゚Д゚彡「こいつが探してるってこたぁ、クーは逃げたってことか」
ぼりぼり、とふさふさの胸毛を掻き毟る。
クーもアニジャも、無事だといいが、と一人ごちた。
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 06:57:07.14 ID:UnD5kCdk0
****
――――モミの樹は、創世の頃よりそこにあった。
天に届く程の高さを誇り、幹の太さは小さな街に匹敵する。
神の護り手、世界の支柱。
そう呼ぶに、まさに相応しい大木の佇まい。
lw´‐ _‐ノv「おいおい、準備まだなの?」
(´・ω・`)「すみません、姫…それが」
lw´‐ _‐ノv「短剣はクックルが眼に刺して帰ってきたっしょ、おちんちんオーナメントは?」
(´・ω・`)
lw´‐ _‐ノv「ばああああかwwwww」
(´・ω・`)「すみません」
lw´‐ _‐ノv「そんな顔して、ばかばか、もう!分かってたっつーの」
Σ(´・ω・`)
(´・ω・`*)
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:02:26.61 ID:UnD5kCdk0
クリスマスの王女と魔法使いは、その大木を望む、
北の塔の上に居た。
塔の周りにはぐるりと蝋燭が灯り、
中央には赤い絨毯が敷かれている。儀式の祭壇だった。
lw´‐ _‐ノv「私のクレヨンは何でも知っている」
(´・ω・`)「流石姫」
lw´‐ _‐ノv「そう!褒めよ!湛えよ!」
(´・ω・`)「シューちゃんカックイー!」
lw´‐ _‐ノv「調子に乗んな、ハゲろ」
(´・ω・`)
lw´‐ _‐ノv「早くハゲろよ」
(´・ω・`)
彡⌒ミ
(´・ω・`)
lw´‐ _‐ノv「好きだ結婚してくれ」
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:06:11.70 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「さて、おちんちんオーナメントは持って来てくれている子がいる」
(´・ω・`)「本当ですか」
lw´‐ _‐ノv「だがもう少し時間がかかるな」
( ゚∋゚)「ショボン様!!!」
(´・ω・`)「失せろハゲ」
lw´‐ _‐ノv「キモイ顔見せんな」
( ゚∋゚)
彡⌒ミ
( ゚∋゚)
lw´‐ _‐ノv「おもしろいと思ってんのか死ねよ」
( ゚∋;)
(´・ω・`)「用件はなんだ」
( ゚∋゚)「は、其れが…!」
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:11:32.49 ID:UnD5kCdk0
(´・ω・`)「何。生贄が…」
lw´‐ _‐ノv「これはこれは予想外」
(´・ω・`)「姫…」
lw´‐ _‐ノv「ふふふ、いいよいいよ、シューちゃん萌えてきた」
シュー姫はば、とクレヨンを両手の指の間に挟み、十本取り出した。
(´・ω・`)「!」
lw´‐ _‐ノv「奴らはまだ城の中。ならば待つより手を打とう」
lw´‐ _‐ノv「城の中は私の中。私の中なら容易いこと」
(;゚∋゚)「…!」
クレヨンの先から色が吹き出る。
幻想的に噴水のように。
lw´‐ _‐ノv「招待しよう、そうしよう…!」
lw´‐ _‐ノv「クレパス・テレパス・ルルルルル=v
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:17:32.22 ID:UnD5kCdk0
『ア・テンションプリーズ☆』
ミ,,゚Д゚彡「あ?」
(´<_` )「…なんだ?」
川 ゚ -゚)「声が、頭の中に…!」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「おッ!?」
『各地の諸君に告ぐ! 私はシュー。これから貴様らを地獄に招待してやるぜ!』
『僅かスリーカウント後に貴様らは北の塔の上に転送される!速やかに動くな!』
『動くと身体のどっかだけ時空の彼方に行っちゃうかもよ☆』
『繰り返す!…』
( ^ω^)「これはお姫様の声だお!」
川;゚ -゚)「…く! 魔法を使って連れ戻す気か!」
『カウント開始!』
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:21:50.30 ID:UnD5kCdk0
ミ,,゚Д゚彡「…眼の前なんだが、昇る手間が省けるか」
『はいわぁーん!』
(´<_` )「フン、望むところだ」
『つーぅ!』
⊂二二二(;^ω^)二⊃「おっおっおっ、どうするおどうするお」
川;゚ -゚)「ばか! 動くなっ、次元に切り裂かれるぞっ」
『すりーぃ!!!!』
( ^ω^)ピタ「おっ!?」
…
『フォーwwwwwwなんちゃってーーーwwww』
( ^ω^)ズコー
( ^ω;;;:: アッ ウゴイチャッタ
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:28:24.34 ID:UnD5kCdk0
::;;;ω^) オッ?
:;;^ω^)
( ^ω^) じゃーん
( ^ω^)「良かったお! 大丈夫だったお!」
(´・ω・`)
( ゚ω゚) オッ
(´・ω・`)「おかえり」
(;゚ω゚)「全然大丈夫じゃないお…いきなりピンチだお」
lw´‐ _‐ノv「愚かもん、転送したのはお前とおちんちんオーナメントを持った者だけだ」
lw´‐ _‐ノv「余計なのも着いて来たがな」
川#゚ -゚)「悪かったな」
咄嗟にブーンの裾を掴んだのだ。
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:32:59.30 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「お前がおちんちんオーナメントを持っているとは…」
(´・ω・`)「…兄を討ったのかい?」
(´<_` )「…まぁな」
川 ゚ -゚) そ 「アニジャを討っただと!?」
lw´‐ _‐ノv「うはwwwwテラひどすwwww血を分けた兄弟を殺したしwww」
(´<_` )「アニジャは死んでない」
lw´‐ _‐ノv「ありゃ?」
(´<_` )「俺の戻るのを待っている」
(´<_` )「儀式をぶっ潰して、戻るのをな」
川 ゚ -゚)「…!」
lw´‐ _‐ノv「ふーん?」
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:39:16.73 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「へー?はー?あ、そーぉ?」
(´<_`#)「何だ」
lw´‐ _‐ノv「オトジャ君。私のクレヨンはなぁーんでも知っている」
(´<_` )「…」
lw´‐ _‐ノv「私には、アニジャの魂の光がもう描けないんだが?」
(´<_` )「…よせ、嘘をつくな」
lw´‐ _‐ノv「礼は言ったか?謝ったか?」
(´<_`;)「やめろ」
lw´‐ _‐ノv「ちゃあああんと仲直りしてから殺せて良かったなああああああwwwwww」
(´<_`#)「貴様ぁッ!!」
オトジャが両手を前に翳し、詠唱を省略する。
(´<_`#)『黒雲の―――』!
(´<_`;)「うっ」
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:46:18.50 ID:UnD5kCdk0
(´<_`;)ω・`)「何時の間に後ろに…!」
(´<_` )ω・`*) 「キミの背中、アッタカイネ…」
(´<_`#)つ彡「クソッ、離れろ気持ち悪い!」
振り返り様、冷たい感触が右腰に突き刺さった。
(´<_`;)「…!」
(´・ω・`*)「キミの血も、アッタカイネ…」
(´<_`;)「てめぇ…」
lw´‐ _‐ノv「うーん、オトジャ君、キミやっぱ相当消耗してるんじゃん?」
lw´‐ _‐ノv「怪我もしちゃったし、ちょっと寝てなよ」
lw´‐ _‐ノv「クレパス・ブルー=v
⊂二二二( ^ω^)二⊃「だがさせないおっ」
( ^ω^)「がぼっ!」
川;゚ -゚)「ブーン!?」
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:48:11.30 ID:D9MmiScDO
現在進行形かよおぉぉぉぉ!!!
今はこれが限界だ………
支援
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:53:43.14 ID:vU8ima250
おはよ
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 07:57:23.96 ID:UnD5kCdk0
川;゚ -゚)「何をしてるんだお前はっ」
(;^ω^)「がぼがぼがぼがぼ」
lw´‐ _‐ノv「ちょwwwwばかばかwwww生贄wwww」
(´・ω・`)「姫、めっ」
lw´‐ _‐ノv
(´・ω・`)「めっ」
lw´‐ _‐ノv「ごめんなさい」
(;^ω^)「がぼがぼがぼ!!」
川 ゚ -゚)「いいから取ってくれ、と申しております」
(´<_`;)「くそ!くそ!くそ…!」
(;<_; )
川 ゚ -゚)「アニジャは死んでなんかない、と申しております」
lw´‐ _‐ノv「おまwwwシリアスに行けよそこはwww」
(´・ω・`)「姫」
lw´‐ _‐ノv「う?」
(´・ω・`)「めっ」
lw´‐ _‐ノv「わかりました、儀式を始めます」
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 08:03:10.38 ID:sZ6X/IGwO
おはよういま起きた
作者はいつ寝るの支援
483 :
でも限界近いわwwwwうはwwうぇwww:2010/12/21(火) 08:09:21.22 ID:UnD5kCdk0
■⊂(´・ω・`)「では姫、これを」
(´<_`;)「あれはおちんちんオーナメント…!さっき掏られたか!」
lw´‐ _‐ノvつ■ 「あいよ」
(´・ω・`)「さぁ少年、こっちにおいで」
(;^ω^)そ 「おっ、いやだお!」
†⊂(´・ω・`)ギラリ
(;^ω^)「ひぃぃ! 刃物持ってるお!」
⊂川 ゚ -゚)つ バッ
( ^ω^)そ
(´・ω・`)「ほう、庇うか女」
(´・ω・`)「キミから先に串刺しにしちゃうよーん」
⊂川#゚ -゚)つ 「寄るな無礼者ッ!」
クーの口から、聞いたこともないような怒号が飛んだ。
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 08:18:49.42 ID:UnD5kCdk0
( ゚∋゚) (…俺、完全に忘れられてるよなぁ…)
( ゚∋;)
川 ゚ -゚)「私を誰だと思っているっ!」
lw´‐ _‐ノv「えーだれー」
(´・ω・`)「…」
川 ゚ -゚)「かつてお前たちは自ら言い出した協定を餌に、我が国を葬った…」
川 ゚ -゚)「神の力を冒涜し、自らの約束を破り、
挙句の果て作り上げたのは仁徳の欠片も無いこの荒れ果てた治世…!」
川#゚ -゚)「恥じて悔い改めよ、クリスマス国王女、シュール!」
lw´‐ _‐ノv「…」
lw´‐ ∀‐ノv「くく、ふ、あはは…」
川#゚ -゚)
lw´‐ ∀‐ノv「ハァーッハッハッハッハッハッハ!!これはいい!」
lw´‐ _‐ノv「非を正しに来たというわけか、カス国王女、クール!」
支援ぬ
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 08:23:32.23 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「どう?悪役っぽい?悪役っぽいべ?」
(´・ω・`*)「姫、ステキです!」
lw´‐ _‐ノv「そーだろうそーだろう!」
川#゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「ブーン、今のうちに」
( ^ω^)「おッ?」
lw´‐ _‐ノv「逃がすかあああああッ」
クレパス・ブルー=I
川 ゚ -゚)「ブーン!」
( ^ω^)「そうなんども…」
サッ彡( ゚ω゚)「――――同じ手は喰らいま千円ッ!!!!111」
( ゚∋゚)「がぼッ!?」
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 08:29:12.36 ID:UnD5kCdk0
(´<_` )「…あ、クックル」
( ゚∋゚)「がぼぼぼぼ!?ぼぼぼ!?」
(´<_` )「何言ってっかさっぱりわかんねーわ」
( ゚∋;) ブワッ
lw´‐ _‐ノv「ちょこざいな…行けッ、ショボン!」
†⊂(´・ω・`) ギラリ
(;^ω^)「クー、どくお!」
⊂川;゚ -゚)つ「だめだ! 儀式はさせんぞ…!」
(´<_` )$ク霊よ
(´<_` )『黒雲の剣』ッ!
lw´‐ _‐ノvクレパス・アイアングレー!
黒い剣を退けるは灰色の鉄の盾。
(´<_`;)「…く!」
lw´‐ _‐ノv「邪魔だなぁやっぱりキミは」
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 08:37:34.27 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv クレパス・ファイアーレッド!
(´<_`;)「…!精霊よ…!=v
巨大な炎の塊がオトジャを襲う。
(´<_`;) 『漆黒の翼』…!
蝙蝠の皮翼に似たガードを前に出現させ、防ぐ。
だが、押されている。
(´<_`;)「…くそ、魔力が足りんッ」
lw´‐ _‐ノv「ほーれほれ、どうした、あんまり後ろに下がると落ちてしまうぞー」
( ゚ω゚)「や、やめるお!」
( ゚ω゚)「皆止めるおっ!殺すなんて駄目だおっ!」
(´・ω・`)「キミが大人しく生贄になれば全て収まるよ」
川#゚ -゚)「ほざけこのショボクレ!」
(´・ω・`)
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 08:37:56.95 ID:LXBPm3BbO
( ^ω^)支援
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 08:47:13.86 ID:sZ6X/IGwO
支援
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 08:51:14.52 ID:UnD5kCdk0
(´<_`;)「っ、背中が…!」
気づけば塔の外壁の狭間に追いやられていた。
蝋燭の炎が吹き上げる風に揺れる。
落ちれば命は無いことを、風が囁く。
lw´‐ _‐ノv「ふふふ、人の落ちるのを見るのは何日ぶりかなー」
(´・ω・`)「じゃあ仕方ない、君から殺そう」
川;゚ -゚)「やれるものならやってみろ…!」
クーが身構える後ろで、少年は唇を噛んだ。
( ^ω^)「…ブーンはまた何にも出来ないお」
( ^ω^)「護ってもらって、助けてもらって…」
(#^ω^)「でもそれだけじゃ駄目なんだお!」
⊂二二二(#^ω^)二⊃「うおおおおおおっ!」
川;゚ -゚)「!?」
(´・ω・`)「そうだ、こっちに―――」
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 09:00:11.87 ID:UnD5kCdk0
(´゚ω゚`)「こぶほぉぉおッ!?」
ショボンの鳩尾に体当たりを食らわす。
( ^ω^)つ† バッ「こんなものよこせお!」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「お前もやめるおおおおおおっ!!」
lw´‐ _‐ノv=3「…愚かしい」
シューが向かってくるブーンを一瞥もせず嘆息した。
lw´‐ _‐ノv クレパス・アイヴィーグリーン
⊂二二二( ^ω^)二⊃
( ゚ω゚)「おッ!?」
クレヨンの先から放たれた緑が、植物の蔦になってブーンに巻きつく。
(´<_`;)「少年…!」
lw´ ∀ ノv「余所見はつれないんじゃないか、ボウヤ」
(゚<_゚ ;)「何ッ」
炎が一際勢いを増した。
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 09:06:18.08 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ ∀‐ノv「あはははははは! 楽しい! 楽しいぞー!」
lw´‐ _‐ノv「お前たちのお陰で退屈しないよ、ほんと」
( <_ )「うああああああああああッ」
( ゚ω゚)「おおッ、やめるおー!!」
オトジャの身体が炎に包まれる。
†⊂(´・ω・`)「さぁ、短剣を返してもらうよ」
( ゚ω゚)「…酷いお」
川 ゚ -゚)「…ブーン!」
( ゚ω゚)「何でこんなに酷いことが出来るんだおおおおっ」
lw´‐ _‐ノv「いいね、いいね。いよいよそれっぽくなってきたところで、儀式といこう」
シューが片手をくいと上げた。
途端に蔦がわらわらと伸びてブーンを高く祭壇の上へと誘う。
lw´‐ _‐ノv「さぁ! オサーンよ! 時が来たぞ!!」
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 09:14:42.64 ID:UnD5kCdk0
(´・ω・`)つ†
真っ黒な魔法使いが、王女の作った蔦の道の上を歩いて来る。
短剣をその手に光らせ、生贄の元へと。
(#^ω^)「く…!う…!このっ」
蔦を千切ろうともがき、噛み付く。
だが次々に蔦は生えてきてまた絡みつく。
(メ<_`メ;)「うう、く…」
全身に火傷を負ったオトジャの身体は動かない。
もう魔法を唱えることも出来そうにない。
川;゚ -゚)「ブーン…」
川;゚ -゚)「やめろ! ブーンを帰せ! 殺させるものかあああああっ」
クーが走り出す。
蔦を操るシューを目指して。
鎖で一撃を御見舞いしてやる。軽く跳躍した。
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 09:25:57.88 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「ち、これから儀式の呪詞に集中せねばならんのに」
lw´‐ _‐ノv「クックル! 働け!」
( ゚∋゚)そ
( ゚∋;)「がぼ!」
クーの目の前に怪鳥が降り立つ。
( ゚∋゚)「ふははははは!私が来たからには―――」
川#゚ -゚)「どけええええッ」
(#゚∋゚)「生意気な、ふんぬッ」
羽を仰ぎ、突風を生み出しクーの足を止める。
川;゚ -゚)「くっ、止めさせろ、止めさせてくれえええええっ」
lw´‐ _‐ノv「――――$B5lLs@;=q$N(B$B%5%s%9%/%j%C%H8l(B$BLu!#J8;z」
呪いの儀式の言葉が、紡がれ始めた。
明け方が近い空はモミの樹の下の地平線から、少しだけ白み始めている。
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 09:29:51.22 ID:1Jh3vX6n0
(;^p^)・・・ゴクリ
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 09:33:17.36 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノvつ■「$B5lLs@;!$B!#1Q8l$G=q$+$l$?1|IU$+$i!"=PHGG/$O(」
シューが祈りながらおちんちんオーナメントをモミの樹に翳す。
(´・ω・`)つ†
(;^ω^)「来るな!来るなおおおっ!」
(´・ω・`)つ† 「諦めて死になさい」
(;^ω^)「いやだお! もうブーンは絶対に諦めないお!」
(´・ω・`)つ† 「君は世界が消えるって言ってたね」
( ^ω^)「そうだお! それは本当だお! あんたはそれでいいのかお!」
(´・ω・`)つ† 「知ってるよ」
( ^ω^)「えっ」
(´・ω・`)つ† 「うん、すまない。姫様はきっと世界が消えるのを知っている」
( ^ω^)「…じゃ、じゃあ」
(´・ω・`)つ† 「君が異世界から来たんじゃないか、って思ってるんだ」
( ^ω^)「…なぜだお!? じゃあなんで…!」
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 09:40:19.80 ID:UnD5kCdk0
そこまで分かっているのに。
どうして儀式をやめようとしないんだ。
陰気な顔の男はさらに顔を暗くして、口元だけを弱く微笑ませた。
(´・ω・`)「だって姫がそう望むからさ」
(´・ω・`)つ† 「さぁ、さようなら、生贄の少年」
lw´‐ _‐ノvつ■ 「時と気は満ち足りた!」
濃紺の夜空に、二つの神器は振り上げられ、星々も霞むかと光を放つ。
川 ; -;)「だめだああああああああああああっ」
( ゚∋゚)「おお…!儀式が終わる…!」
lw´‐ _‐ノv「我が盟約の鎖の元に落ちよ、オサ――――」
身震いするような獣の咆哮が、シューの言葉を切り裂いた。
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 09:48:22.45 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「…何だ!?」
塔の横の居城の屋根から、その獣は跳躍し、
怒りに眼を狂わせて、勇猛な雄叫びをあげて塔へとやってくる。
ミ#,,゚Д゚彡「ゴルァァァァァアアア!!」
(;゚∋゚)「あいつは…!」
(´・ω・`;)つ†「 狼王! 」
川 ; -;)「…ふ」
川 ;Д;)「フサ…!!!!111」
( ^ω^)「おっおっ、フサさんだおー!!!」
lw´‐ _‐ノv「ショボン、刺せえええええええええッ」
(´・ω・`)つ†
( ゚ω゚)「おっ――――!?」
支援
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:03:34.15 ID:sZ6X/IGwO
電車待ち支援
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:08:41.88 ID:UnD5kCdk0
(メ<_`メ;)『黒雲の剣』―――ッ!
Σ(´・ω・`)つ彡 キィンッ
集束した黒は小さくはあるが、十分だった。
黒い魔法に短剣が吹き飛ばされる。
(´・ω・`;)「貴様…ッ」
lw´‐ _‐ノv「ええい、くそッ、もういいッ」
シューが祭壇から立ち、狼を眼で射抜く。
lw´‐ _‐ノv「招待客以外のご来店は――――お断りだッッ!!」
lw´‐ _‐ノv クレパス・ライトニングイエロー=I!!
シューのクレヨンから稲妻が迸る!
ミ#,,゚Д゚彡「ゴルァァァァアアア!!!」
バサッ( ゚∋゚)「ふはははは、再び見えたな狼王よ――――」
( ゚∋゚)「あれ?」
雷は直撃した。鳥に。
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:13:12.24 ID:nwwIT5ul0
鳥wwwwwwwwww
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:14:15.61 ID:UnD5kCdk0
lw´#‐ _‐ノv「やっぱりあの鳥もっと早く丸焼きにしとけばよかった」
(´・ω・`)「姫」
lw´‐ _‐ノv「ん?」
(´・ω・`)「生贄の胸には一度短剣を刺しています」
lw´‐ _‐ノv「は?」
(´・ω・`*)
lw´‐ _‐ノv「ちょwwwwwお前テラでかしたwwww」
lw´‐ _‐ノv「て、いやもっと早く言えよこのバカ」
(´・ω・`)
lw´‐ _‐ノv「と、いうわけでええええええええええええ」
( ;^ω^)「おッ!?」
シューが両手を挙げて注目を集める。
片手に短剣、片手にオーナメント。
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:19:47.50 ID:sZ6X/IGwO
どうなるどうなる
支援
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:22:54.48 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「狼ッ、貴様も動くなよ。お前も知っているだろう」
ミ,,゚Д゚彡『グルルルル…てめぇ…』
lw´‐ _‐ノv「くくく、そうだよな!?だから貴様はこの短剣も共に盗んだんだ」
lw´‐ _‐ノv「クリスマスに伝わるこのヴァギナの剣は、刺した者の魂を取り込む!」
(;^ω^)「そういえば…」
(´・ω・`)「ふふふ」
lw´‐ _‐ノv「いやー、すっかりうっかりだったよ…!儀式の手順ばかりに捉われていた」
lw´‐ _‐ノvつ† 「最早生贄の魂はここにある」
lw´‐ _‐ノv「そして身体もこの場に揃っている」
■⊂lw´‐ _‐ノv「おちんちんオーナメントも私は取り戻した」
(´・ω・`)「さぁ姫さま…!」
儀式を!
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:25:16.69 ID:nwwIT5ul0
うっかりってレベルじゃねぇよw
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:32:40.22 ID:UnD5kCdk0
橙と濃紺のグラデーションが掛かった夜明け空が、
黒雲に覆われてゆく。
lw´‐ _‐ノv「アーッハッハッハッハッハ!!」
魔女のような笑い声が闇を呼ぶ。
(´・ω・`)神は我 我は神すら喰らう者 深淵の奥底すらも 泥濘の揺り篭すらも
ショボンが呪を口にする。
彼がこの封印を成す要なのだ。
彼こそが、全ての魔力と命を懸けて、支柱の封印となっている。
lw´‐ _‐ノvクレパス・アイアングレー=I
川;゚ -゚)「…ぐ!」
ミ,,゚Д゚彡「ガルルルルァァァアアア!」
鉄槍が動こうとしたクーを磔けた。
怒りも露わにフサが前を遮る。
lw´‐ _‐ノv「くくく、動くな、動くなよ狼、目の前でその女が死ぬのを見たくないだろう」
lw´ ∀ ノv「まぁどの道死ぬけどねええええええええ」
川;゚ -゚)「なぜだ…シュー王女」
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:38:58.75 ID:UnD5kCdk0
川;゚ -゚)「儀式をすれば、この世界が滅ぶんだぞ」
lw´‐ _‐ノv
川;゚ -゚)「お前は何故儀式に固執する、力に固執するんだ」
lw´‐ _‐ノv「ちっ」
川;゚ -゚)「もう戦争は終わった、クリスマスは世界一の大国になった」
川;゚ -゚)「それでもまだ足りないのか!?」
lw´‐ _‐ノv「ショボーン、まだー?」
(´・ω・`;)…風を喰らい 水を喰らい、火を喰らい、土を喰らい
lw´‐ _‐ノv「ち、もうちょっとか…」
川#゚ -゚)「応えろッ!!」
lw´‐ _‐ノv「うっせーなー」
lw´‐ _‐ノv「戦争終わったら退屈んなっちゃったんだもん」
川 ゚ -゚)「は?」
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:44:24.28 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「カス国ぶっ潰したらさー、骨のある国なくなっちゃったんだよね」
川 ゚ -゚)
lw´‐ _‐ノv「でも今はちょっと楽しいよ、あんた達のお陰で」
川 ゚ -゚)「…お前は狂ってる」
lw´‐ _‐ノv
lw´‐ _‐ノv「そうだね、そうかもしれない」
lw´‐ ∀‐ノv「…私は狂ってる」
狂った王女は滅びを望んでいる。
( ´ω ) (まずいお…さっきから身体から力が抜けていくお…)
蔦に絡まれ身動き出来ない体が、余計に動かせなくなってきている。
( ´ω ) (まぢやばいだるい)
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:46:21.33 ID:nwwIT5ul0
起死回生の一打、無いのか!
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:48:54.50 ID:UnD5kCdk0
( ´ω ) (もう…眠くなってきたお)
『―――異世界の君ならば―――』
( ´ω ) (…お?)
『―――この世界の宿命を―――』
( ´ω )
( ^ω^)「そうだお、ブーンは絶対、諦めないんだお」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「変えることが出来るお!」
(´・ω・`;)そ
lw´;‐ _‐ノv「なっ!? 暴れだした!?」
ミ,,゚Д゚彡
川 ゚ -゚)
(´<_` )
!?
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:55:23.88 ID:UnD5kCdk0
lw´;‐ _‐ノv「バカなッ、もう魂が引っ張られてる筈だぞっ!?」
⊂二二二(#^ω^)二⊃「うおおおおおおおッ!」
蔦を引き千切っては絡まれ、引き千切っては少しずつ前に進む。
(´・ω・`;) (…!まずい、集中できない)
⊂二二二(#^ω^)二⊃「儀式なんか、させないおおおおおおッ」
⊂二二二(#^ω^)二⊃「クーたちの世界を、消させたりするもんかおおおおおお」
川 ゚ -゚)「ブーン、あの馬鹿…」
川 ゚ー゚)「加勢するぞッ!!」
ミ,,゚Д゚彡「ゴルァァァアア!!」
フサが牙でクーを張付ける鉄を噛み抜く。
ミ,,゚Д゚彡「動けるかクー、乗れ!」
川 ゚ー゚)「無論だッ!」
lw´#‐ _‐ノv「うざいわ蝿野郎共おおおおおッ」
lw´‐ _‐ノvクレパス・ライトニングイエロー=I
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:56:45.14 ID:nwwIT5ul0
来た!主人公来た!真打ち来た!これで勝つる!
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 10:57:19.42 ID:sZ6X/IGwO
これは熱い展開支援
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:04:27.44 ID:UnD5kCdk0
『白雷の盾』―――ッ!
眩い光が稲妻を退けた。
lw;‐ _‐ノv「…この魔法は!」
(メ<_`メ;)「アニジャ!」
(;メ´_ゝメ) 「待たせたな」
(メ<_`メ;)「兄者、今お前最高にカッコイイぜ…!」
lw´‐ _‐ノv「ちっ、死んでいれば良かったものを…」
lw´‐ _‐ノv「お前らまとめて消し炭にするわ」
lw´‐ _‐ノvクレパス・テンパス・カンバス
十本の指に挟む八色のクレヨン。噴出し、混ざり合い、
真っ黒の光になる―――
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:08:38.78 ID:nwwIT5ul0
兄者!兄者生きていたのか!
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:12:35.22 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「受けてみろ、このクリスマス国の主、シュー様の魔法」
どろどろと中空に渦巻くクレヨンの混ざり合いが、
徐々に膨らんで解放の時を待っている。
ミ,,゚Д゚彡「…あれはヤベェぞ、クー!」
川;゚ -゚)「みたいだな」
(メ<_`メ;)「兄者、まずいぞ」
(;メ´_ゝメ) 「うむ、どうやら姫さんまじギレしてるぞ」
(メ<_`メ;)「ああ」
(;メ´_ゝメ)「おい、フサ!」
ミ,,゚Д゚彡「おっ、おお! アニジャ!」
(;メ´_ゝメ)「俺とオトジャで後方から支援する。いけるか?」
ミ,,゚Д゚彡「…クー」
川 ゚ -゚)「行くぞ…!」
勇気が。
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:21:34.94 ID:UnD5kCdk0
⊂二二二(##^ω^)二⊃「うおおおおおおッ!」
ブチブチブチブチィッ
(´・ω・`;)「…ッ!(集中がッ…いや、これは…!?)」
愛が。
川#゚ -゚)「いけええええフサああああッ」
ミ#,,゚Д゚彡「負けっかゴルァアアアアアアアアア!!」
lw;‐ _‐ノv「何なんだッ、何なんだよお前らぁああああああッ」
lw#‐ _‐ノv「気持ちわりぃいいんんだよおおおおおおッ!!!」
巨大な禍々しい塊が動き出す。
(;メ´_ゝメ)「弟者、今だ!」
(メ<_`メ;)「おう!行くぜ兄者!!!」
(;メ´_ゝメ)(メ<_`メ;)『闇と光の力持て、強靭なる矛となれ!』
白い光と黒い煙が回転し混ざり合い、
虚空を切り裂きフサとクーの横を追い抜き、シューの魔法に激突する。
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:30:52.49 ID:sZ6X/IGwO
プリキュアにこんな感じの白黒技があった気がする支援
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:31:38.04 ID:UnD5kCdk0
lw´‐ _‐ノv「ば、ばかめ、そんな弱弱しい力で―――ッ!!?」
lw´‐ _‐ノv「!?」
気づけば目の前に肉薄する、狼と―――
川 ゚ -゚)「シュー、」
lw´‐ _‐ノv
川#゚ 皿゚)「歯ァッ、食い縛れええええええええッ」
その背から自分へ、飛び降りた女――――
川# ゚ 皿゚)=O)) ゚ _ ゚ノv
lw#)_ ゚ノv ・:゜
初めて他人に殴られた。
痛い。
殴られるってこんなに痛いのか。
知らなかった。
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:39:05.79 ID:UnD5kCdk0
(´・ω・`;)そ(シュー様!!!!11111)
⊂二二二(#### ゚皿゚)二⊃ 「儀式をッ、やめるおおおおおおおおおッ」
Σ(´・ω・`;)(こわッ! こわあああッ! 誰だよお前ッ)
(´・ω・`;) (うおッ、だめだ、集中が解ける、まずいッ…)
(´・ω・`;) (やっぱりだ、やっぱり…だがありえないッ、なぜだっ)
⊂二二二(#### ゚皿゚)二⊃
(´・ω・`;) (何故こいつの魂に、私の魂が引っ張られているんだッ!!!!?)
このまま術を続けようとすれば、この集中できない状況で、
呪文を唱え続けなければならない。
呪を噛む、若しく間違えるは即ち、術者にその儘反動が帰ってくる。
呪が大きければ大きい程に、その反動は大きい。
(´・ω・`;) (―――――ッ)
⊂二二二(#### ゚皿゚)二⊃
生贄が、近づいて来る…!
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:46:28.92 ID:UnD5kCdk0
⊂二二二( ^ω^)二⊃「だめだお」
(´・ω・`;)「!?」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「大切な人が望むから、その通りにするだけなんて」
(´・ω・`;)
⊂二二二( ^ω^)二⊃「間違ってることは教えてあげなきゃいけないお」
⊂二二二( ^ω^)二⊃ (´・ω・`)「どうしてさ」
⊂二二二( ^ω^)二⊃ (´・ω・`)「間違ってるかなんて、わからないじゃないか」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「分かるお、あんたは分かってた筈だお?」
(´・ω・`)「…」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「だからいつも悲しい顔してるんだお?」
(´・ω・`)「…」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「言えなかったら、言われないお」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「言われなかったら、言えないお」
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:50:06.64 ID:UnD5kCdk0
『 ξ#゚听)ξ 』
『 (;A;) 』
『 (;゚д゚) 』
⊂二二二( ^ω^)二⊃「きっとそれは」
( ^ω^) (´・ω・`)
( ^ω^)「とっても悲しいお」
(´・ω・`)
(´;ω;`)「シュー様…! 私は…!」
ショボンは、呪を、手放す―――――――
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 11:54:01.95 ID:nwwIT5ul0
クライマックス支援
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:00:24.62 ID:UnD5kCdk0
ショボンが駆け出す。殴られ、倒れたシューの元へ。
(´;ω;`)「姫、姫、私は、私たちは、間違っておりました」
lw´‐ _‐ノv「…」
(´;ω;`)「シュー様、すみません、私は儀式を、オサーンを手放しました」
川 ゚ -゚)「…」
傍らで、皆がじっとショボンの涙を見ている。
lw´‐ _‐ノv「…いいよ」
lw´‐ _‐ノv「もういいよ、ショボン」
(´;ω;`)「姫様!?」
lw´‐ _‐ノv「…ありがとう」
その時、一斉に城中の鐘が鳴り響いた。
空の黒雲は晴れる。白み行く空に残った濃紺に、輝きが染み渡る。
ミ,,゚Д゚;彡「なんだ!?」
(;メ´_ゝメ)「おい、オトジャ、見ろ―――」
川 ゚ -゚)「モミの樹が―――――」
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:07:15.95 ID:UnD5kCdk0
( ^ω^)
少年は、祭壇の上の蔦の橋に立っていた。
立って、キラキラと不規則に光るモミの樹を見ていた。
ショボンが盟約の鎖を、その手綱を放した。
( ) ―――おおおおおおお――――
( ) ―――戻った…十年振りに、自由が戻った―――
歓喜の声が空から降って来る。
モミの樹のオサーンが、心から喜んでいる。
( ) ―――ありがとう――――
( ^ω^)「おッ!?」
モミの樹の光が一際強くなり、天辺に星が降って止まった。
星は燦々と輝き世界を照らす。
赤土のみの大地を照らし渡り、水と緑を齎した。
( ^ω^)「おお…きらきらして、まるでクリスマスツリーみたいだお…!」
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:13:02.69 ID:UnD5kCdk0
ミ,,゚Д゚彡「綺麗だなゴルァ」
川 ゚ -゚)「フサ…好きだ愛してる結婚してくれないか?」
ミ,,゚Д゚;彡そ
( ´_ゝ`) 「オトジャ…好きだ愛してるけkk」
(´<_` ;)「おちつけ、兄者。俺達はそういう関係じゃない」
(´<_` )「これからも…ギブ・アンド・テイクで頼む」
( ´_ゝ`) 「…」
(*´_ゝ`) 「おう」
lw´‐ _‐ノv「…」
⊂(´・ω・`)「…」
lw´‐ _‐ノvそ
lw´‐ _‐ノv⊂(´・ω・`) ナデナデ
夜が明ける―――
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:16:00.04 ID:wK9pe7v5O
支援
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:19:33.95 ID:UnD5kCdk0
川 ゚ -゚)「あれ」
ミ,,゚Д゚彡「どうした?」
川 ゚ -゚)「ブーン?」
ミ,,゚Д゚彡「…」
川 ゚ -゚)「…」
川;゚ -゚)「大変だああああああブーンがどっかに落ちたあああああああ」
クーが慌てている。
つられて皆も慌て出した。
けれど僕はもう空の彼方だ。ああ、さよならも言えなかったな。
( ) ―――別れの挨拶をするか?―――
( ^ω^) …おっおっ、いいお、寂しくなるから
( ^ω^) オサーンから、皆にありがとうって言っといてくれお
( ) ――― そうか ――――
( ^ω^) ブーンは早く帰らなきゃだお!皆に言わなきゃいけないんだお!
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:22:44.09 ID:ttax6/4+i
ほ
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:26:55.91 ID:UnD5kCdk0
( ^ω^)
( ω ) …
( -ω-) …ZZzzz
('A`)「ショボンヌちゃん…」
(;A;)
( ゚д゚)「おい、ドクオ」
('A`)「…」
( ゚д゚)「ごめん」
('A`)そ
('A`)「俺の方こそ…ごめん」
( ゚д゚)「ところで俺フラれちったwwwww」
('A`)「ちょwwwwww何があったかkwskwwww」
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:28:25.14 ID:nwwIT5ul0
ブーンは自分の居るべき場所に戻ってきた訳か
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:29:52.28 ID:sZ6X/IGwO
支援
( -ω-) …ZZzzz
J( 'ー`)し「ほんとにこの子ったら…滅多に風邪なんか引かないのに」
J( 'ー`)しつ「あらあら、布団蹴っちゃって」
J( 'ー`)し「ふふ、父さんに似てきたねぇ…」
( -ω-) …ZZzzz
ξ゚听)ξ「…」
ξ゚听)ξ「ブーン」
ξ゚听)ξ「ねぇ」
ξ゚听)ξ「ねぇったら」
――――早く起きなさいよ。待ってるから。
( -ω-) ZZzzz
( -ω-) …
( ゚ω゚) ハッ
( ^ω^)「おっ?」
メリークリスマス、ブーン。
( ^ω^)は眠るようです 完
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:34:33.87 ID:LXBPm3BbO
( ^ω^)乙!
>>537 乙。面白かった
クレヨンの魔法とサスガ兄弟の詠唱かっこ良すぎる
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:35:25.23 ID:UnD5kCdk0
はいはいクリスマスネタクリスマスネタ
どんだけー!?な時間このクッソスレとお付き合いくださり、
支援と保守と感想と訂正をしてくれた皆様、
メリークリスマス。心からお前らに幸せなクリスマス来い
寝るよねー
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:37:10.85 ID:UnD5kCdk0
>>537 ありがとうっす、詠唱とか魔法を褒められると緊張して書いたから嬉しいwwww
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:37:44.58 ID:nwwIT5ul0
あっ、てめ、最後ツンとの仲直り描かないのかよ想像で補えってかよやるなテメェ
乙
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:38:11.91 ID:UnD5kCdk0
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:38:26.46 ID:sZ6X/IGwO
おつ
クリスマスツリーの飾りでついてるおっさんがまさかこんなに凄い人だとはおもわなんだ
みんなかっこよかった
作者は他に何か書いてる?
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:38:27.49 ID:NCrYVECU0
おつ
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:39:20.01 ID:UnD5kCdk0
>>542 うへへwwwうへえwwww
流石兄弟の回想シーンもぶっとばしたぜwwww色々ぶっとばしたwwww
ξ゚听)ξ「ごめん」
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:41:07.73 ID:UnD5kCdk0
皆乙乙言い過ぎwww俺鳥なみだ目wwww
>>544 現行のスランプで生き抜きにこのスレたてた、今は後悔している
つ某ゲームと関係ない( ^ω^)系スレタイ
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:42:03.92 ID:mvDn4xPd0
乙
(・ω・`)乙 これは乙じゃなくてポニーテールなんだからね!
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 12:56:47.37 ID:UnD5kCdk0
じゃあ僕そろそろ寝ます。
テンションおかしくてすいませんっした。なんかすいませんっした。
おやすみなさい。次はあっちで会いましょう。
皆メリークリスマス!
乙でした
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 13:04:10.13 ID:ywM2yfXk0
ゴッドイーター?
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 13:06:09.19 ID:1Jh3vX6n0
乙でした!おやすみなさいー
ゴッドイーターか
あっちのクックルさんはかっこいいのになんでこうなった
面白かった&あっちも楽しみにしてる
おやすみ作者乙
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 13:18:23.94 ID:ctc+XYTGO
読み終わった
乙!
ゴッドイーターの人だったか! 読み終わった乙!楽しかった!
最後の言葉いいね乙! 感動した!
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 15:58:42.90 ID:UOAvEP7cO
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 16:16:08.05 ID:4ieQZcP+O
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 18:23:41.20 ID:59/rcHbnO
おはようございます。
まだ残ってたので昇っている質問に答えます。
ちなみに携帯からですが
>>1です。
作品はゴッドイーターです。読んでくれている方が居るとは有り難いことです。
クックルがこうなったのは彼が鳥だからです。
>>471の呪文だけは秘密の○ッコちゃんにインスパイアされています。
何か抜けてたりあったらどぞ
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 18:55:10.59 ID:UXJi8rib0
やだ、面白いじゃ無いの
>>560 おはよう
もう見てないかもだけど、ミセリどうなったの?
今読み終わったー!
面白かった乙乙!
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 22:35:40.55 ID:59/rcHbnO
ミセ*゚ー゚)リは生きています。
本当はその辺も描けたら良かったんですが…
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 22:59:52.36 ID:ziJc/nqJ0
乙
最高でした!!!
ログ保存した
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/21(火) 23:48:06.54 ID:LXBPm3BbO
( ^ω^)
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 00:43:40.33 ID:c1uRl5VhO
( ^ω^)
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 01:57:50.18 ID:LTneW0Sn0
スレ残ってることに感謝してひっそりおまけ投下
( ^ω^)は眠るようです
おまけ 『ミセ*゚ー゚)リは告白したようです』
おかえりなさい、愛しい人。
_
( ゚∀゚)
あらゆるおっぱいの絵で埋め尽くされた部屋。
その中の一枚を、自分は最も気に入っていた。
完璧なおっぱいを描ききれたことは未だにないが、
それだけは最も理解してくれる者に、最初に褒められた一枚だったからだ。
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:06:46.72 ID:LTneW0Sn0
リアルで写実的に描かれた絵ばかりの中で、
その一枚だけは印象を思うがままに書いた。
己のおっぱいに対する愛情を、
今の自分に出来る限りの筆力と情熱を持ってして。
_
( ゚∀゚)「…うむ、いいおっぱいだ」
決して育ちは悪くない。趣味は油絵と読書と音楽。
だがそんな貴族、ジョルジュ・パイナバルの性格は、粗野で乱暴で気狂いと評される。
男の一途な不器用さもその要因にあったが、彼は己を偽らない頑固者でもあった。
_
( ゚∀゚)o彡゜
だからこそ、自称天才は孤独でもあった。
女性の乳房は素晴らしい。女性の乳房こそ人間の持つ慈愛と芸術の頂点だ。
頑なな男の信念とあまりに激しい情熱は、
苦笑されこそすれ理解を求めることは難しかった。
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:07:41.96 ID:c1uRl5VhO
( ^ω^)支援
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:11:11.96 ID:LTneW0Sn0
_
( ゚∀゚)「おい女、そのおっぱいを曝け出して俺に差し出せ」
だから彼は尚更、その愛の対象にすら理解を求めることを止めた。
彼は好色と呼ばれた。
あながち間違ってもいないが、対する精神の根本が違う。
ミセ*゚ー゚)リ「…」
女は最初黙っていた。
恥ずかしがっているのだろうと思った。だが、その女は今までの女と違った。
ミセ*゚ー゚)リ「高貴なるジョルジュ様のお申し出とあらば、このおっぱい、差し出しましょう」
貴族の権威に平伏しているのだと思った。
だが、違ったのだ。
ミセ*゚ー゚)リ「けれど」
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:17:10.99 ID:LTneW0Sn0
ミセ*゚ー゚)リ「不肖ながらこのミセリ、殿方の前で乳房を曝け出したことがございません」
_
( ゚∀゚)「だから何だ」
ミセ*゚ー゚)リ「どうすればいいのですか?」
面倒だな、と思った。
処女など珍しくもないが、正直そんなことはどうでもいい。
おっぱいを愛でる過程など、どうでもいいと、この時までは思っていた。
ミセ*゚ー゚)リ「ミセリは思うのです。料理はその見た目を彩る色、器までもが料理だと言います」
_
( ゚∀゚)「む?」
ミセ*゚ー゚)リ「私のこのおっぱいを、いかなる形で御見せするのが、最良でございましょう?」
_
( ゚∀゚)「…!」
この女は違う。
今までの恥ずかしがりつつも、何も考えず俺の眼を雄の眼としてのみ捉えていた
そういう女たちとは違う。
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:22:30.02 ID:LTneW0Sn0
_
( ゚∀゚)o彡゜「ミセリと言ったな!」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
_
( ゚∀゚)o彡゜「貴様のおっぱい、街中で曝け出させ大衆に晒すのは最良でないとみた!」
ミセ*゚ー゚)リ「それは何故です?」
_
( ゚∀゚)o彡゜「貴様の憂うような白肌は静かに鑑賞するに相応しい」
ミセ*゚ー゚)リ「光栄でございます」
_
( ゚∀゚)o彡゜「お前俺の召使いになれ」
ミセ*゚ー゚)リそ
ミセ;゚ー゚)リ「そんな、恐れ多い…」
_
( ゚∀゚)「…『気狂いジョルジュ』の字が怖いか」
脅すような語気を含ませた。
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:24:31.10 ID:P8EOnCuQ0
支援
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:28:57.33 ID:LTneW0Sn0
ミセ*゚−゚)リ
_
( ゚∀゚)
ミセ*゚ー゚)リ「いいえ、光栄に御座います」
だがそれでも、女は怯えるどころか笑ったのだ。
初めて、異性の理解者を手に入れた。
ミセリはよく尽くしてくれた。
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ様、おかえりなさい」
_
( ゚∀゚)「おう」
俺がいかに何日も部屋を空けた後、血に濡れて帰ろうと、
俺の部屋はいつでも綺麗に整頓され、ベッドは何時でも日の匂いがした。
俺が絵を描いている間、ミセリはずっと縫い物をしたり、
或いはわざと部屋を出てくれた。
だが、俺が必要とした時は必ず傍に居る。
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:31:31.87 ID:LTneW0Sn0
_
( ゚∀゚)「ミセリはいるか?!」
ミセ*゚ー゚)リ「ただいま、ここに」
_
( ゚∀゚)「絵の感想が聞きたい。お前はこれをどう思う?」
いつの間にか、人に感想を求めなくなって久しい。
とっくにそんな行為は諦めていたというのに、
この召使いにだけは、気兼ねなくそれが出来るようになっていた。
ミセ*゚ー゚)リ「…」
_
( ゚∀゚)o彡゜「感想!感想!」
ミセ*゚ー゚)リ「B」
_
( ゚∀゚)
_
( ゚∀゚) Bカップ…だと…
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:42:05.83 ID:P8EOnCuQ0
支援
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:48:21.33 ID:Bd93yrSI0
正直、自信作であった。溢れんばかりの豊満さ、肉の柔らかさ、
曲線、陰鬱な商売女の暗い影までも表しきった。
ショックだった。
_
( ゚∀゚)「な、なんでだミセリ、これのどこがBカップクラスだ!?」
語気が凶暴になる。生来のものだが、恐らく他人なら怯え、
竦んで何も言えなくなったろう。
ミセ*゚ー゚)リ「…申し上げて宜しいのなら」
_
( ゚∀゚)o彡゜「言え! 言って見やがれ!」
正直、納得出来なければ手を出したかもしれない。
ミセ*゚ー゚)リ「この絵は、とても素晴らしいと思います。模写として評価するならば」
_
( ゚∀゚)「何?」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。このおっぱいを持つ方がどんな方なのかまで見えるようです、ですが」
俺は次の言葉を待った。待たされた、というが正しいだろう。
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ様の凶暴なまでの、おっぱいに対する愛は見えないのですわ」
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:49:02.00 ID:Bd93yrSI0
俺のおっぱいに対する愛が、見えない?
俺はさらに困惑した。だが、心の奥底では頷く自分が居た。
_
( ゚∀゚)「…俺の絵が、詰まらない絵だというのか」
ミセ*゚ー゚)リ「ミセリは思います」
水仕事の途中で慌てて来たのだろう。
ミセリはエプロンで手を拭いながら言った。
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ様のおっぱいへの情熱こそが、器になるべきですわ」
_
( ゚∀゚)
ミセ*゚ー゚)リ
_
( ゚∀゚)「もういい、下がれ」
悔しかった。
悔しかったが、俺は燃え上がった。
俺は再び筆を取った。
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 02:56:48.52 ID:Bd93yrSI0
それから十日間、俺は部屋に篭って絵を描き続けた。
ミセリはそんな俺の部屋に余り顔を見せなかった。
時折食事を運んで来たり、俺の呼び出しに応える以外は、
会話も殆ど無く時が過ぎた。
_
( ゚∀゚)「…」
絵が描きあがった頃、召使いは測ったかのようにやってきた。
ミセ*゚ー゚)リ「ジョルジュ様、お食事をお持ちしました」
俺の身体を気遣ってか、よく煮込んだシチューのいい香りが立ち上る。
そういえば絵が佳境に入るにつれ、余りものを口にしていなかった。
ミセ*゚ー゚)リ「ここに置いておきますわね」
テーブルの上に食器を並べ、ミセリが踵を返す。
_
( ゚∀゚)「おい」
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:00:32.54 ID:Bd93yrSI0
_
( ゚∀゚)「これをどう思う?」
ミセ*゚ー゚)リ
_
( ゚∀゚)
自分でも子供だと思うが、胸の動機が抑え切れなかった。
ミセ*゚ー゚)リ「G」
_
( ゚∀゚)
それだけ言うとミセリはぺこりと礼を示して、扉を潜った。
_
( ゚∀゚)「…G」
_
( ゚∀゚)「Gカップ、か…」
_
( ゚∀゚)「ふふふ、悪くない…悪くないぜ…」
久々にその夜はよく眠れた。おっぱいの夢を見た。
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:03:47.14 ID:P8EOnCuQ0
支援
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:05:58.88 ID:Bd93yrSI0
その絵が飾ってあるのを、俺はその日も召使いの声を聞きながら見ていた。
ミセ*゚ー゚)リ「おかえりなさい、愛しい人」
何も変わらない、いつもと何も違わない笑顔で、
窓際にいつものように立っている。
違うのは、ミセリの言葉とその後ろのベッドの配置。
_
( ゚∀゚)「…どういうことだ」
ミセ*゚ー゚)リ「…」
変わらない笑顔。いや、いつもと変わらないように見えたのは、
この俺の眼だけなのかもしれなかった。
_
( ゚∀゚)「てめぇ、裏切ったのか」
それほどに、頭に血が上っていた。
拳を凶暴に握り、振りかざす程に。
ミセ*゚ー゚)リ「…」
何も言わぬ召使いに余計に腹が立つ。
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:11:10.78 ID:Bd93yrSI0
鈍い音がした。柔く貧弱な感触がした。
ミセ#)ー゚)リ「…」
見る間にミセリの愛らしい顔が半面膨れ上がる。
だが彼女は声も上げなかった。ただ黙って俺を見据える。
それが余計に癪に障る。
_
( ゚∀゚)「何とか言え!」
俺は確かに絶望していた。
酷く落胆し、それ故に怒りの振れ幅は大きかった。
_
( ゚∀゚)「死にてぇみてぇだな」
頭に血が上って口走った言葉だった。
だが俺は確かに本気だった。
信頼していたのだ。
俺はこうなって初めて、俺のミセリに対する信頼が
随分膨れ上がっていたことに気づいた。
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:13:26.03 ID:c1uRl5VhO
( ^ω^)支援
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:15:57.21 ID:Bd93yrSI0
孤独であったが故に、依存は大きかった。
_
( ゚∀゚)「こっちに来い」
気丈な女だ。裏切って尚、この部屋で待っていた。
どうなるか分かっているんだろう。
覚悟は出来ていたんだろう。
ミセ*゚ー゚)リ「…」
ミセリが進み出る。一歩、一歩。
緩慢にだが確実に、俺の与える死に近づいてくる。
_
( ゚∀゚)「殊勝だな。言い残すことはないか」
ミセ*゚ー゚)リ「…」
_
( ゚∀゚)「…いいだろう、黙して死ね」
俺の振り上げる左拳には、特殊な力が装着されている。
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:22:19.49 ID:Bd93yrSI0
それはか弱い女など、一撃で死に至らしめることが出来るだろう。
出来るだけ苦しませず殺してやろう。
それがせめてもの情けだ。
ミセ*゚ー゚)リ「……」
拳を振り上げた。
ミセ*゚ー゚)リ「……た」
振り下ろす寸前に、俺が唯一の理解者を殺す決意をしたその時に、
聞こえた言葉。
ミセ*゚ー゚)リ「愛して…しまいました」
女の頭上で腕が止まる。
何を言っているのか、分からなかった。
俺は言葉が解せ無くなってしまったのか?
ミセ*;ー;)リ「ミセリは、とても…強欲に成り下がってしまいました」
女は既に死を覚悟していた。
俯いた儘、俺の与える安寧が来るのを待っている。
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:26:25.59 ID:Bd93yrSI0
なぜだ。
なぜこうなっている?
ミセ*;ー;)リ
死を待ち受けるばかりの浅ましいこの裏切り者は、
愛故に裏切ったという。
まさに悪魔の囁きを聞いたようだった。
_
( ゚∀゚)
信頼していた。
信頼していたのだ。
ただ一人の己の情熱の、理解者として。
_
( ゚∀゚)「解雇だ」
ミセ*゚ー゚)リ「…!」
女は死を待つよりも絶望的な顔をした。
_
( ゚∀゚)「どこぞへなりと失せろ、生涯俺の前に現れるんじゃねぇ」
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:35:20.25 ID:Bd93yrSI0
それ以上女を見るに耐えなかった俺は、
自殺でもしそうなミセリを置いて部屋を出た。
_
( ゚∀゚)
_
( #゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!」
叫んだ。叫んでいた。力の限り叫び、回廊を走った。
_
( #゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!」
荒ぶる心を更に沸き立たせ振り切るように、俺は走っていた。
_
( #゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!」
探した。あの神のおっぱいを。
探してどうするというのだ?
殺そう。
殺してしまおう。
永遠に俺のものとしてしまおう。
そうすれば、このどうしようもない心の乱れが、幾分か晴れる気がする。
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:40:58.59 ID:Bd93yrSI0
ミ,,゚Д-彡=3「やれやれ、城ってのァ無駄に広くて仕方ねぇ」
ミ,,゚Д゚彡「この先が北の塔ってやつか―――」
ミ,,゚Д゚彡 (殺気…?)
_
( #゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!」
前方から殺気だって走ってくる男を認める。
ミ,,゚Д゚;彡「ち、ここで敵襲か…面倒くせぇ」
_
( #゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!」
ミ,,゚Д゚彡
_
( #゚∀゚)o彡゜
_
( #゚∀゚)
眼が合った。はたと対峙する。
ミ,,゚Д゚彡 (全裸の靴下男…こいつぁ確か…クーを攫った!)
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:47:38.52 ID:P8EOnCuQ0
支援
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:51:16.49 ID:Bd93yrSI0
_
( #゚∀゚)「…女が此処を通らなかったか」
ミ,,゚Д゚彡「知らねぇなぁ」
ミ,,゚Д゚彡「おいおい。そんなに眼ェ血走らせて、女を殺そうってのか?」
_
( #゚∀゚)「貴様にゃ関係ねぇ、見逃してやるからさっさとどけ」
ミ,,゚Д゚彡「てめぇがどけよ、俺ァこの先に用があんだ」
互いに退く選択肢を持たぬ者同士。
一人の女がその間に入れば、尚。
戦うことは必然だった。
ミ#,,゚Д゚彡『この変態野郎…』
ミ#,,゚Д゚彡『そこをどきやがれぁああああッ』
_
( ゚∀゚)『てめぇこそ…』
_
(# ゚∀゚)『おっぱい嫁探しの邪魔をするなあああああああッ』
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:51:56.73 ID:P8EOnCuQ0
支援
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 03:59:54.76 ID:Bd93yrSI0
****
じょ… ゅ… さ…
ジョル… ジュ…
ミセ*;ー;)リ「ジョルジュ様、ジョルジュ様…!」
呼ばれたような気がして眼を開けると、
女の泣き顔がおぼろげに映った。
ミセ*;ー;)リそ 「ジョルジュ様!」
_
( ゚∀-メ)「…」
俺の頭は膝の上で、膝の持ち主は俺の顔に
雫を垂らしながら必死に叫んでいた。
_
( ゚∀-メ)「なんで、お前…が」
跳ね起きようとして、身体の激痛に苦悶の表情を浮かべる。
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 04:00:49.99 ID:P8EOnCuQ0
支援
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 04:06:49.91 ID:Bd93yrSI0
ミセ*;ー;)リ「良かった…! 良かった!」
唐突に、余りに強く抱すくめられて、俺はまた小さく呻いた。
泣きじゃくるこの女は誰だ?
俺の知っている召使いは、常に冷静で、理知的で、
この気狂いにすら臆することなくものを言ってのける気丈な女だった筈だ。
抱すくめられていると、胸に顔が埋まる。
痛いが、柔らかい。
_
( ゚∀-メ)「…」
どのくらい寝ていたのか。
回廊の窓の外は空が白み、何かがキラキラと輝いている。
ミセ*;ー;)リ
泣いている女の雫に反射して、光が揺らめく。
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 04:16:40.79 ID:P8EOnCuQ0
支援
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 04:19:28.98 ID:Bd93yrSI0
_
⊂( ゚∀-メ)
ミセ*;ー;)リそ
_
ミセ*゚ー゚)リ⊂( ゚∀-メ)
そっと手に触れた感触。
暖かく、動悸が激しく鳴っている。
おい。
はい。
俺は絵が描きたい。
はい。
描かせろ。
…っ
ミセ*;ー;)リ「―――――何枚でも、お描きください」
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 04:22:26.53 ID:Bd93yrSI0
半壊した回廊で、窓の外から朝日が降り注いで、
私の大切な人を照らしている。
おかえりなさい、愛しい人。
( ^ω^)は眠るようです
おまけ 『ミセ*゚ー゚)リは告白したようです』 完
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 04:23:28.06 ID:c1uRl5VhO
( ^ω^)乙!
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 04:24:24.53 ID:Bd93yrSI0
おまけ投下完了。
本編で書けなかったところですが、またちょっとしたアナルザーストーリー、
まぁ別もんとしてお読みください。おまけにカコつけたオナニー失礼いたしました。
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 04:26:32.00 ID:Bd93yrSI0
支援と乙、とても心強かったです。
ありがとうございました。
乙!
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 05:36:42.37 ID:fOPFYvg9O
>>601 あ、ちょっと感動した
なるほどそう繋が
るのか
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 07:50:24.63 ID:c1uRl5VhO
( ^ω^)
いつも携帯から見てたから支援できなかったけどずっと見てましたよ。
面白かったです、これからも頑張って下さい。
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 10:01:51.63 ID:6JbjnribO
アナザーストーリーも読了
乙!
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 10:12:49.83 ID:DW+ItKMaO
本編書いてくれよ
しかも本編より伸びて悲しくならないか?
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/22(水) 10:52:39.71 ID:4gRAEYUO0
おはようございます。
>>608 ゴッドイーターのことですが、数話書き終わっているのですが投下を躊躇っている状態です。
色々思い入れが強くて、展開に納得しきれないまま投下したくないなどと、
ちょっと意固地になっていたかもしれません。すみません。
出来れば次回の投下で二章は終了までまとめて投下したいと思っています。
どうぞ、宜しければゴッドイーターも完結まで生ぬるく見守ってやってください。
乙!ミセリが幸せになれそうでよかった
ゴッドイーターの方も楽しみにしながら気長に待ってる
納得いくまでこねくりまわしてくれ
改めて乙
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
( ^ω^)