( ・∀・)の王国のようです

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
代理です。作者が来るまでしばらくお待ちください。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:04:25.02 ID:MKetiaY2O

・今作は曲を元に独自解釈ものです。

・the pillowsへの愛とリスペクトが詰まっています。

・オナニー小説は最後まで書いてこそオナニー。

まとめ?無いです。はい。まとめられて無いです。


第三話投下します。
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:05:17.96 ID:MKetiaY2O


( ・∀・)の王国のようです


ー第三話ー


星空がきれいな日のお話

4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:05:19.54 ID:hEYgsbh60
>>1に聞きたいんだが何のために代理なんてしてるんだ?
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:07:25.10 ID:MKetiaY2O


気が付けば地面に落っこちてた。
目を開けると周りは石だらけ。

ふと、地面を見ると赤い線があった。
その線を目で辿ると、おうさまの手が見えた。

何か考える前に、おうさまに向かって必死で駆け出していた。

6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:08:45.48 ID:uFP+vrDb0
支援
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:10:33.56 ID:MKetiaY2O


(;^ω^)おうさま!?大丈夫ですかお!?


だけど、おうさまは何も答えてくれない。

おうさまのために掴んだくだものを手に握らせながら叫んだ。


(;^ω^)おうさま!くだもの食べるお!元気だすお!


手に力が入る様子は無く、コロリと地面に転がった。

8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:11:00.30 ID:uFP+vrDb0
支援
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:12:40.76 ID:MKetiaY2O

半分かじって渡しても何も変わらない。
今朝は嬉しそうに「ういやつめ」って言ってくれたのに。

指を引っ張っても、声をかけても起きてくれない。


( ;ω;)朝ですおー!起きて下さいおー!


イヤだ。イヤだ。あんなに優しいおうさまを失うなんて。

絶対に、イヤだ。

あの暖かい膝でまだ寝ていたい。
幸せそうな顔で、撫でてもらいたい。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:13:11.52 ID:uFP+vrDb0
支援
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:16:14.69 ID:MKetiaY2O


おねがいですから、起きて下さい。


あてもなくおうさまの周りをぐるぐる回る。
おうさまを直視出来ずに下を向くと、あることに気が付いた。
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:17:10.02 ID:MKetiaY2O



いつの間にか地面に丸い大きな模様が出来ている。



おうさまに乗っかっていた石が砂になって消えた。
おうさまの血がキラキラ光って顔に集まっていった。


光はおうさまの顔の形になった。

13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:17:51.63 ID:uFP+vrDb0
支援
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:19:46.83 ID:MKetiaY2O


( ・∀・)あ……ゲホッ
     あぁ…死んじゃったか。
     ん?ブーン?怪我してないかい?


おうさまは起き上がって、やっと返事をしてくれた。

転がり落ちたくだものに気付くと、一口かじって「元気が出たよ。怖かったね。ごめんね。」と優しい顔で撫でてくれた。


撫でてもらっても、涙はずっと止まらなかった。
おうさまも、泣きそうな目をしていた。

15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:20:49.67 ID:uFP+vrDb0
死んでも自動復活とかヤバイな支援
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:21:02.83 ID:MKetiaY2O
〜〜〜〜〜〜〜


( ・∀・)さて、と


今日は広場でキャンプをすることにした。

魔法で木を集め火を付けブーンを一撫で。

ブーンは特等席(膝の上)で眠っている。泣き疲れてしまったのだろう。
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:21:55.52 ID:MKetiaY2O


ふと、空を見上げる。


人が地上から光を発さないため、プラネタリウム顔負けの星空が広がっていた。

子どもの頃から伝承、伝説について学んできたおかげで、全ての星座の名を挙げる自信がある。


そう。子どもの頃から。


18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:23:11.86 ID:uFP+vrDb0
支援
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:23:22.78 ID:MKetiaY2O

小学校に入る前から、父お抱えの教育者が付きっきりで教育を施した。

学校が終われば、すぐさま車で家に帰り知識を詰め込んだ。

夏休みは経験のため毎年世界を飛び回った。

中学、高校、大学と、親の決めた学校に通った。


自由の存在すら知らなかった。



病を患い、君に出会うまでは。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:24:23.41 ID:uFP+vrDb0
支援
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:24:52.36 ID:MKetiaY2O


( ・∀・)そう。自由。そうだ。僕は


自由が欲しかったんだっけ。


誰にも何も言われない。

誰にも何も強制されない。

病に時間を奪われない。


今、僕は完璧な自由を手にしている。


22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:25:32.75 ID:uFP+vrDb0
支援
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:26:35.29 ID:MKetiaY2O

その代わり、

誰にも何も言って貰えなくなった。

必要とされ、何も強要される事もなくなった。


君と過ごせるはずの時間は消え去った。


自由を手に入れた代償は大きかった。
逆にこの代償で、自由以外の何かを手に入れられただろうか?
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:27:27.63 ID:MKetiaY2O


じゃあ僕は、なんのために自由が欲しかったんだ?

自由が欲しくて駆けずり回って、やっと逃げ込んだこの王国に、僕は来たかったのか?




自由ってなんだっけ。




見上げた星空はいつの間にかぼやけていた。

25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:27:34.51 ID:uFP+vrDb0
支援
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:30:06.78 ID:MKetiaY2O


( ;∀;)ねぇ。クー。君はまだ、僕の中にいるのかい?


涙で滲んだ月に問いかける。



月は、なにも答えてくれなかった。



つづく


27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:32:20.33 ID:MKetiaY2O
オナニーは鮮度が命。

続いて幕間です。

uFP+vrDb0さんの優しさが泣ける。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:34:15.99 ID:MKetiaY2O


( ・∀・)の王国のようです


ー夢三話ー


弟者の嘆き

29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:36:09.12 ID:MKetiaY2O


(´<_`;)………クソッ


ついに、モラが倒れてしまった。

オレはモラを救う方法が無いか研究室をひっくり返していた。
モラの命は、あと一年は持つはずだった。


30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:36:32.32 ID:uFP+vrDb0
しえーん
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:39:02.82 ID:MKetiaY2O


アトランティスについてから、モラの睡眠時間は目に見えて減っていた。
いくら安静するよう声をかけても、頑として休まなかった。

その無理がモラの命を大幅に削っていった。


まるで、命の蝋燭が激しく燃え上がったかのように。


32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:40:56.04 ID:uFP+vrDb0
しえしえ
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:41:44.94 ID:MKetiaY2O


高校で出会い、大学を卒業してからはモラの親父さんの研究グループに助手となった。
共に世界を巡り、様々な発見をした。


親父さんが早くに亡くなってしまってからは、意志を引き継ぎモラがトップに立った。

そして、アトランティス研究に乗り出してすぐの事だった。


モラは命の残り時間が突きつけられた。

34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:43:02.00 ID:MKetiaY2O


モラは余命を宣告されてから、魂が抜けたようになりつつ闘病生活を続けた。

ブレインを失ったチームは足踏み状態に陥った。


そんな闘病生活の中で、モラはクーさんに出会った。

それからのモラは幸せそうだった。
モラの顔には生気が戻り、死の絶望から少し解放されたように思えた。

35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:44:56.55 ID:MKetiaY2O


アトランティス発見の三ヶ月前、突如モラはチームに戻ってきた。


(*・∀・)約束をしたんだ。
     約束を果たすまで絶対に死なない。


オレが心配そうな顔に対して、モラは恥ずかしそうにこう答えた。

オレは、彼らのか細い約束を叶えさせたかった。
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:46:06.22 ID:MKetiaY2O


(;<_; )約束はどうしたんだよ……モラ…


涙が溢れて止まらなかった。

ポタポタ、ポタポタと研究室にあった古代人の墓石に、涙が水玉模様を作った。




(;<_; )…あれ?


石板の濡れた部分に模様が浮かんでいた。

37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:47:35.02 ID:MKetiaY2O


いや、模様ではない。


文字だった。


それに気が付いた瞬間、ペットボトルから水をぶちまけた。
全体が濡れると文章が浮かび上がった。

新発見だとかそんなの喜んでいる暇は無い。
藁をもすがる思いで、解読を開始した。

38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:48:37.85 ID:MKetiaY2O

〜〜〜〜〜〜〜


王の作った不死の魔法に違和感を感じた私は密かに解析を行った。

あの魔法は確かに不死の魔法と言って間違いは無い。

しかし、その犠牲となるのは世界すべての人間だ。

39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:49:53.79 ID:uFP+vrDb0
支援
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:51:16.84 ID:MKetiaY2O

膨大な量の魂を一人に集め、半永久的な命を得る術式なのだ。

このような一人のための大虐殺が許されるだろうか?

私はこの文を遺し、王を止めに行く。

私の死に涙し、この文を見つけた君に、志を引き継いで貰いたい。

41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:52:03.52 ID:uFP+vrDb0
支援
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:53:44.23 ID:MKetiaY2O

解読を終え、文章を理解した時、血の気が引いて行くのがわかった。
それと同時に、嫌な予感がした。


モラは常に古文書を持ち歩いていた。
アトランティスに居られるのは明日までだ。


予感が外れる事を願ながら、病室へと駆け出した。


続く


43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:55:54.66 ID:MKetiaY2O
以上です。

いや。もう清々しいですね。

uFP+vrDb0さんに乙をあげたい。
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 02:59:34.19 ID:uFP+vrDb0
乙!
…もしかしてもう佳境だったりする?
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
あと1話と幕間、エピローグですね。