図書室 のようです

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
大理石
2 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 03:53:56.29 ID:j5uRGuxa0
シベリア復活祭にて第一話のみ投下させていただきましたものです

図書室 のようです は、短編が連なっていきます
今日はそのうちの3つほどを投下したいとおもっています
よろしくお願いします

過去ログ
http://logsoku.com/thread/raicho.2ch.net/news4vip/1291041059/

(*・∀・)「まとめ、つかなかったな」
(#<●><●>)「黙らっしゃい!!」


3 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 03:54:53.61 ID:j5uRGuxa0
帰宅し、着替えをする
通学用の鞄から外出用の鞄に教材を移し、肩にかけた
帰宅途中に買った 差し入れのチョコレートもちゃんとしまう

( <●><●>)「よし」

そして私は、二人が待つ図書館へと向かうべく玄関を飛び出した


4,図書館 なようです


4 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 03:57:23.26 ID:j5uRGuxa0
市立図書館

( <●><●>)「…………」


当初の予定では、モララーとビロードと勉強会をする予定であった
図書室のやり残した仕事を片付け、引き継ぎの報告書を書き、後から二人と合流する予定だった



なのに、この現状はどういうことだろう



5 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 03:58:03.53 ID:j5uRGuxa0
( ^ω^)「わけわかめwwww」

ξ#゚听)ξ「いい加減にしなさいよ!!もう三回目よ!あんたなんなの!?鶏!?」

川 ゚ –゚)「なぁドクオ、ここはこうであっているのか?」

(‘A`)「いや、だから…ここはこうじゃなくてこの公式を使うんだってば」

ミ,,゚Д゚彡「ギコー 三角関数って何だっけ?」

(,,゚Д゚)「おい兄貴しっかりしてくれよ サインコサインタンジェント〜ってやつだよ。
公式は自分で調べろよ。こっちはこっちで手一杯なんだからな 仲間いんだろ」

ミ,,゚Д゚彡「だってよモララー」

( ・∀・)「知るかよそんなん。ビロードに聞け」

( ><)「そんなのわかる訳がないんですwwww」

( ・∀・)「sinθ(−θ)=-sin(θ) cos(-θ)=cos(θ) はい、tan(-θ)= 何?」

ミ,,>Д<彡「わwかwんwwなwいんwですwwww」(>< )


( <●><●>) パチコーン     ( ・∀・) ペチコーン
    ⊂彡☆))><)        ⊂彡☆,,>Д<彡
6 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 03:59:14.11 ID:j5uRGuxa0

(#<●><●>)「……で?   なんですかこの人数は!?」


( ゚д゚ ) (-_-) ( ・∀・) ミ,,゚Д゚彡 川 ゚ –゚) ξ゚听)ξ
(ФωФ)     ( ><) (,,゚Д゚)  (‘A`)  ( ^ω^)

   (#<●><●>)


( ・∀・)「俺とビロードはお前待ち」

(‘A`)「俺は、みんなと勉強会に」

( ФωФ)「我輩達も、学校帰りに此処へ」

ミ,,゚Д゚彡「弟のギコと勉強しに来たぜゴルァ」

(,,゚Д゚)「兄は手におえないので、お友達に任せて俺は二年に混ざって勉強を」

( ・∀・)「…で、皆勉強会の予定だったようなので、
ついでだから机を繋げて皆で勉強しましょー…って、
こういう配置の席が出来ました っと」

7 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 03:59:56.61 ID:j5uRGuxa0
(*><)「ワカッテマス君の席はここなんです!」

問題児が、隣の席をバンバン叩いて私を誘う
いっそモララーに調教されればいいのに

なんて言葉は心の中に留め置いて、指定席につく

( <●><●>)「…では、遅ればせながらですが 参加させていただきます
それと、大声を出すのはやめてください 周りに迷惑をかけたら叩き出します」

( ФωФ)「図書館の利用は静かに で、ありますな」

( <●><●>)「それと差し入れに、脳を活性化させる為と思いチョコを買ってきたのですが」

(*><)ミ*,,゚Д゚彡「いやふうぅぅぅい!!wwww」(^ω^* )川*゚ –゚)

(#<●><●>)「 が ! 人の話は最後まで聞きなさい!」

( <●><●>)「館内飲食禁止なので、帰りに、頑張った人にだけあげようと思います
やる気のある人は応援してあげたいですからね   そういうことで、皆さん頑張ってください」

( ><)「がんばるんです(お)!!」(^ω^ )

(#<●><●>)「だからそこ!騒がない!!叩き出しますよ!?」

(;ФωФ)「委員長、落ち着くでありまする」

8 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:01:04.74 ID:j5uRGuxa0
( <●><●>)「What do you doing now?」

( ФωФ)「I'm studing now」

( <●><●>)「Please do its best   By the way, is there it after this in time?」

( ФωФ)「Yes」

( <●><●>)「If you have time an extracurricular class for fools all right after this at a restaurant?」

( ФωФ)「Oh, it is a good thought」

( ><)「途中から何言ってんのかわかんないんです!」

( ・∀・)「あはは ビロードの為に課外授業を企画してるみたいだよ」

( ゚д゚)「I'm sorry I cannot participate because I must return to the home」

( ФωФ)「I understood it」

ミ,,;Д;彡「なんなのこの一年達」

(*-_-)「……二人とも、すごい…」

9 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:01:59.15 ID:j5uRGuxa0
(,,゚Д゚) 「春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、少しあかりて、
紫だちたる雲の細くたなびきたる…時刻は「あけぼの」 風物は「山際の空・雲【色彩の変化】」 」

(‘A`)「冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでも、
いと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし」

( ^ω^)「いとワロスwwww」

ξ#゚听)ξ「黙りなさい」


( ・∀・)「 11世紀ころ盛んに建てられたピサ大聖堂などの建築様式を何という?」

(-_-)「ロマネスク様式」

( ・∀・)「1077年に教皇グレゴリウス7世と皇帝ハインリヒ4世とが争った事件を何という?」

(-_-)「カノッサの……凌辱?」

( ・∀・)「がんばれ!wwww 次、504年に没した当代の総大将は?」

(*-_-)「……ハンナバル総大将…!!そこまで読んだんですね!?」

(*・∀・)「「桜は、まだ咲いてる…かな?」」

(*-_-)「あーーーーーーーーーーっ////」

10 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:03:02.88 ID:j5uRGuxa0
館内放送が流れる  閉館のアナウンスのようだ

それを合図に、各々がテキストを閉じ 体を捻ったり伸びをしたりする

( ><)「結局意味わかんなかったんです」

ミ,,;Д;彡「sinθ(−θ)=-sin(θ) cos(-θ)=-cos(θ) tan(-θ)=-tan(θ) ……」

(;,,゚Д゚)「兄貴結局そこまでか」

(。-_-) 「幼い頃に、親を亡くしていた自分にとって……
ハンナバル総大将は、まるで――――父親のようでした
……だから、誓います。 必ず、ヴィップの覇道を成し遂げると」

( ;-∀-)「頼んだぜ…息子よ…」

(*。-_-)「そうだいしょおぉぉぉぉぉ!!!!!」

(# <●><●>)「そこ、いいかげんにしなさい」

鞄に教材を詰め、席を立つ面々に個包装のチョコを渡していく

( ФωФ)「お疲れ様なのであります。館内は飲食禁止故、出てから食すように」

( <●><●>)「食べ歩きも良くないですから、帰宅して自主学習を始める前にでも食べてください」

( ;^ω^)「さりげなく 帰っても勉強しろって言われてるお……」

11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:03:22.53 ID:XZysHhbuO
文法wwwwww
12 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:04:09.52 ID:j5uRGuxa0
( <●><●>)「この後、私と杉浦はファミレスで続きをしますが、他に参加する人はいますか?」

( ><)「僕は行くんです!」

( ・∀・)「俺パース」

(-_-)「僕は参加します……杉浦君、お願い」

( ФωФ)「承知」

川 ゚ –゚)「私達はパスで」

ξ゚听)ξ「ごめんなさい」

(,,゚Д゚)「門限うるせーしな」

ミ,,゚Д゚彡「な」

(‘A`)「んじゃ俺はブーンのお守りで参加するわ」

( ^ω^)「ちょwwまだ勉強すんのかお」

(‘A`)「留年したいか?」

( ;ω;)「……参加、させていただきますお」

( <●><●>)「決まりですね。 皆さん気を付けて帰ってください」

( ФωФ)ノシ「では、また明日」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:04:35.70 ID:GgdnO+LsO
しえ
14 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:05:14.49 ID:j5uRGuxa0




15 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:05:53.93 ID:j5uRGuxa0
( ・∀・)「ただいまー」

家に上がり、靴を揃える
そして振り返ると


そこには 昨日自分を殴った弟がいた


(・∀ ・)「…おかえり」

( ・∀・)「………ただいま」

言葉だけの挨拶で、目は射るように鋭い
帰ってきて早々 不快だと思った

(・∀ ・)「兄貴、どこ行ってたの?」

( ・∀・)「ワカ達と勉強会」

(・∀ ・)「兄貴、勉強する必要あんの?」

確かに、今の成績を見る限り、勉強会なんかに参加する必要はない

( ・∀・)「や、俺は先生 今日は教え子がいっぱいいたけどなぁ」

またんきの眉間に皺が寄る
こいつが何かを懸念しているのは解っているから、カマをかけてみようと思った
16 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:06:38.77 ID:j5uRGuxa0
(・∀ ・)「……いっぱい?」

( ・∀・)「ワカの友達と、フサとその弟と、
二年の常連ドクオとその連れ、ヒッキー達一年」

一年の名前を出した時、眉が跳ねた
これか と確信し、いやらしく笑う


( ・∀・)「一年の、ロマネスク?
あれワカと仲いいんだけどさ あそこだけでなんか難しい会話が成り立ってた」

またんきの表情は変わらない

( ・∀・)「ギコはミルナってのと真剣に勉強したり」

少し俯きがちになり、睨みが鋭さを増す

( ・∀・)「ヒッキーは、元は保健室通いだろ?
周りより進歩が遅かったからさ、俺がマンツーマンで…」

(・∀ ・#)「う、うるせー!!」


ここでまたんきが吠えた
理由はヒッキーのようだ

17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:07:41.75 ID:GgdnO+LsO
またんき支援
18 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:09:08.39 ID:j5uRGuxa0
(・∀ ・#)「ヒッキーは俺の友達だ!俺と一緒に勉強するんだ!
兄貴は手ぇ出すなよな!!」

鞄を肩にかけながら、嘲笑してみせる

( ・∀・)「あぁなんだ……嫉妬?」

それが気に食わないらしく、胸倉を掴み上げられた
視線は寄せられ、高さも最適
喉は詰まるが、見下すには丁度良い


(´・∀・)「昨日殴ってきたのも、もしかしてそれ?
何、嫉妬?俺に?ヒッキーのことで?
お前、馬鹿?」

矢継ぎ早に喧嘩言葉を口にする
またんきの顔は真っ赤だ

( ・∀・)「お前もヒッキーの友達 けど俺も、ヒッキーの友達
なんか文句あんのか? なんか問題あんのか?
俺に突っかかるなら、先に勉強しろよw
ヒッキーに頼られるくら…」

(・∀ ・#)「………っ!」

19 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:10:06.20 ID:j5uRGuxa0
唐突に左から飛んでくる拳
左の頬骨を犠牲に、右肩にかけた鞄をまたんきの頭にあてた
中には参考書やノート、辞書などがみっちりと詰まっていて 重い

全力で振り切ると またんきは頭から横へ吹き飛んだ


(・∀ ;;#)「っっつああぁぁぁっ!!」

頭を抱えて喚くまたんき
喚いてのた打ち回る
普通なら脳震盪を起こすなり、
局部から血が出てパニックを起こしても不思議ではないのだ

相変わらず変なところでタフなんだよなぁ と、溜息を吐く

(#・∀・)「……喧嘩が、長引くじゃないか」

またんきがふらりと立ち上がり、低姿勢のまま突進してくる
眼光は鋭く、右手には鈍器

どうやら今夜は 久々の殴り合いになるらしい


20 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:13:37.14 ID:j5uRGuxa0
第四話ここまでです
五話いきます
六はしんどいかも……です

こんな時間に立ててくれた>>1さん
支援くれるみなさま 本当にありがとうございます
21 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:14:25.05 ID:j5uRGuxa0
早朝
挨拶と同時に腕を掴まれた

強く 強く

鞄を背負ったまま
教室にも入らず


彼は歩く
掴まれた腕が痛む
でも僕は拒めない



何故なら彼が 必死だから



5.保健室 のようです




22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:15:26.88 ID:Jh0HLOlN0
支援
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:16:03.31 ID:GgdnO+LsO
頑張れ支援
24 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:16:30.06 ID:j5uRGuxa0
(;<●><●>)「モララー」

( ・∀)「あ゙?」

彼はぶっきらぼうに返す
聞かれたくはないのだろうが、聞かねばならない

( <●><●>)「そのがんた ミ,,゚Д゚彡「おーっすっておぉいどうしたモララー!」

素っ頓狂な声をあげたのはフサギコ
彼は嫌がるモララーの顔を抑えつけ、心配気な顔で眼帯の上からそっと撫でた

ミ,,´゚Д゚彡「あぁどうしたんだモララー 痛そうだな……」

(#・∀)「ィャ痛いから。マジ痛いから。やめて。なでないで。
痛い痛い痛い痛い触んなっつってんだろうがあぁぁぁぁ!!」


ブチキレて絶叫するモララー
察するに眼帯の下は腫れているのだろう

( <●><●>)「騒ぐ元気があるだけ、まぁいいですか」

モララーが本気でキレると、どす黒いオーラを纏ってだんまりを決め込むのだ
それに比べればこのくらい、なんてことはなかった


25 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:17:22.92 ID:j5uRGuxa0

( <●><●>)「で、」

事の顛末を一通り聞く
曰く、

ミ,,゚Д゚彡「どっちがヒッキーの本当の友達かを争って、殴り合った と?」

( ・∀)「や、だから、それはまたんきの言い分であって」
    ,
( <●><●>)「実の弟にマウントポジションとって
カバーごと辞書を振り下ろす位ムキになった人間に、
弁解の余地がないことくらいわかってください」

(;・∀)「うっ…」

その辺の自覚はあるらしい
とりあえずまたんき君の安否を確認するため、
杉浦に様子見をお願いするメールを送っておいた


26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:17:26.40 ID:Jh0HLOlN0
支援
27 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:19:48.53 ID:j5uRGuxa0
( ФωФ)「おっ」

ポケットの中で携帯が振動する
HRが近い為、マナーモードにしてあった
サブディスプレイに表示されるのは 委員長の名前

( ФωФ)「こんな時間に、珍しいであるな」

机の影でメールを確認する
そこでチャイムが鳴る


HR後、隣の教室に駆け込んだ

見渡すが、そこにまたんきの姿はない
自分の来訪に気が付いたのか、ミルナが席を立った

( ФωФ)「ミルナ!またんき見なかったであるか?」

( ゚д゚)「いや、朝からいないぞ。どうかしたか?」

( ФωФ)「なんか、モララー先輩と喧嘩したようなのである」

先程来たメールをミルナにも見せる
ミルナは一通り目を通し

( ゚д゚)「……そういえば、ヒッキーも朝から見ないな」

28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:20:29.06 ID:Jh0HLOlN0
支援
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:21:15.19 ID:GgdnO+LsO
しえ
30 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:21:24.09 ID:j5uRGuxa0
保健室


先生にお願いして、一番端のベッドを借りた
元保健室登校だった僕、久しぶりに保健室に来た
先生は何も聞かずに、ベッドを貸してくれた

カーテンを閉め、布団に潜る

(-_-)(一時間だけ寝たら、勉強しよう)

そう決めて、毛布を頭まで引き上げる


保健室というのは面白いところで、
以前の僕のような 周りに馴染めない子が居着く場であり
騒がしく馴れ馴れしい生徒が屯しに来る場であり

本当の病気を持っている人が 体の為に来る場所でもある



保健室で過ごしていた僕は 彼を知っていた
昨日の勉強会の時 初めて保健室の外で会った

彼は僕に 小さくウインクしてくれた

「良かったんです」 と
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:21:51.76 ID:Jh0HLOlN0
支援
32 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:22:43.55 ID:j5uRGuxa0

彼の事は知っていた
保健室に行けば、必ず見かけた
先生に事情を聞いてみたら、見守ってあげて とだけ言われた
よくわかんなかったけど 僕はいつものように注射を打った


彼を何度か 図書室で見かけることがあった
先生曰く、リハビリだそうで
だから僕は、図書委員の友達にお願いした

彼の居やすい環境をつくってあげてほしい と



昨日の勉強会に 彼はやってきた
そういえば最近 保健室で見かけなかった
友達が出来たようだ
僕にはそれが、とても微笑ましかった




33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:23:04.34 ID:GgdnO+LsO
支援
34 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:23:28.58 ID:j5uRGuxa0
「失礼します」

始業のチャイムと共に、保健室に来訪者
聞き覚えのある 高めの声

彼だ


僕は毛布を強く握り締める
出ていっちゃいけない


(-_-)(またんき君との、約束なんだ…)


彼専用の引き出しから、硝子を弄る音がする


彼は 保健室の先生に、昨日のことを話して聞かせていた
図書委員長のこと、モララー先輩のこと、
そして 僕のこと


「ヒッキー君、楽しそうだったんです!
彼が教室に行けるようになって、気付けば僕の友達の輪とも馴染んでて、みんなで楽しく
勉強会して……図書館の後に行ったファミレスでは、ちゃんとみんなとお話出来てたんです!」

35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:23:48.24 ID:Jh0HLOlN0
支援
36 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:24:45.49 ID:j5uRGuxa0

…………あぁ…


彼の声がこちらにも聞こえてくる
彼の声は弾んでいて、本当に喜んでくれていたことがわかる

気にしてくれていたことに、嬉しさと恥ずかしさを覚え 同時に罪悪感を感じた


だって僕は今 またこの閉鎖空間に居るのだから


先生の戸惑った気配を感じる
先生は 僕が此処にいて、恐らく聞いていることを知っているから
彼も、先生の動揺に気付いたらしい


「どうかしたんですか?」


あぁ、先生 言わないで
そして気づかないで
今彼に、こんな姿で会いたくない

37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:25:56.43 ID:GgdnO+LsO
シエンタ
38 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:26:23.29 ID:j5uRGuxa0


からん
硝子筒を机に置く音
近付く足音
カーテンに映る 小柄な人影


( ><)「ヒッキー君、起きてますか? お邪魔するんです」

彼は選択肢を与えず、宣言だけをして カーテンを開けた


光が差し込む
体を小さく小さく丸めて、頭を抱える


あぁ 見ないで 見ないで

涙が、止まらない





39 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:28:13.16 ID:j5uRGuxa0

何度目かの休み時間


次の教科は移動教室の為、ワカッテマス達は、一時捜索から外れることになった

( <●><●>)。「杉浦、何か手掛かりはありましたか?」

校内での、昼休み・放課後以外の携帯の使用は禁止されている
仕方がないのでワカッテマスは、ワイヤレスイヤホンマイクを髪で隠して装着していた
勿論ワカッテマスの物ではなく、モララーの私物である

( ФωФ)。『いえ。屋上、体育館倉庫、校舎裏は調べたのですが…』

(;<●><●>)。「何故そんな危なげなとこばかり…」

(;ФωФ)。『彼の体験談から抜粋したのであります』

( <●><●>)。「彼は一体何を…」

(;ФωФ)。『測りかねるのであります…』

( <●><●>)。「まぁ、いいです。私達ももう教室についてしまいますので、話はまた昼休みに
私用も兼ねて保健室にも行ってみるので、そのまま図書室に集合しましょう」

( ФωФ)。『把握』

40 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:33:49.78 ID:j5uRGuxa0
彼は ― ビロード先輩は、
僕を見つけると、中に入ってきてカーテンを閉めた


何を言われるのか解らなかった
失望されるのが 怖かった


しかし彼は 僕の枕元に立ったまま、何も言わない

時間がとても長く感じて、僕はそっと目を開けた




目の前に差し出されたのは 大きな包みの飴玉



( ><)「はい、これあげるから泣き止むんです」

ビロード先輩は、にこりと笑った
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:39:06.36 ID:GgdnO+LsO
支援
42 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:41:55.42 ID:j5uRGuxa0
以上 第五話でした
もう四時……(;´ー`)
ちょ、六話はまた次回とさせていただきます
こんな時間まで 支援ありがとうございました

>>11 文法は俺のせいじゃない Yahoo翻訳さんに言ってください(´・ω・`)


では皆様 おやすみなさい
また次回はあれば よろしくお願いします
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 04:42:29.66 ID:GgdnO+LsO
乙です
44 ◆zynqho4iRI :2010/12/06(月) 04:58:42.41 ID:j5uRGuxa0
次回予告 第六話

保健室 なようです










伸ばされた手のひらが形を変えた

見上げると

突き出された小指


( -_-)「………ゆび、きり…」


それは 約束の証





45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 08:17:01.41 ID:oSCpSRo7O
なんつー時間に投下してんだよwww
これから読む
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 12:08:36.28 ID:+YE48M6M0
乙乙! 次回もwktkしてるぜ
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 14:22:28.64 ID:Jh0HLOlN0
乙!
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/06(月) 15:04:18.09 ID:A1kUEm5NO
この時間まで残ってることにびっくり
ありがとうございます
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
終わってたか
乙でした
何かドクオの顔が変だったけど仕様?