1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
男「あぁ……」
目の前の美しい光景を前にして、自然と声が漏れる。
夕陽が斑に残る雲を透かし、
世界がオレンジ色へと染まっていた。
女「ん?」
ビルの屋上には一人の女。
口元に一本の煙草を加え、細目でこちらを伺う。
女「誰だ、お前」
男「…………」
女「おい、聞こえないのか?」
男「…………」
女「……ちっ、シカトか」
一向に返事をしない自分に嫌気がさしたのか、
彼女は背を向け、再度、空を仰いだ。
2 :
妖犬 ◆youkenkF9Y :2010/11/30(火) 17:16:17.64 ID:LCcJ5mNS0
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 17:19:25.13 ID:t1Zo6GEG0
季節は、冬。
冷たいそよ風が、頬に吹き付ける。
男「……っ」
その時、熱い何かが胸の奥で沸き起こった。
それは留まることを知らず、体中を巡り巡って、
もう堪えることは困難だった。
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旅の果てを知るものをいない。
旅の目的を忘れたことはない。
ならば、もう一度初めから。
世界がこれを否定するのならば、
この世に断ち切れぬ運命があるのなら。
何度でも。幾度でも。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 17:20:55.07 ID:t1Zo6GEG0
堪え難い苦痛を越え、新たな《夢》を始めよう。
>>>>
後ろの方で、扉が開く音がした。
あまり時間はなさそうだ。ならば、仕方ない。
男「……よし、行くか」
そう一つ呟いた後、おもむろに走り始める。
女「えっ……」
か細い戸惑いの声が聞こえた。
だが、そんな彼女の疑問に答える暇はない。
女「……お、おいっ! いったい……」
──バンッ
二人は激しくぶつかる。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 17:22:12.29 ID:t1Zo6GEG0
けれど、勢い余った運動エネルギーは収まらず、
二つの身体が宙を舞った。それも屋外へ。
視界を覆うのはオレンジ色の大空。
太陽が沈みかけるまで、あと僅か。
重力に引きつけられ地面へ叩き付けられるのも、あと僅か。
悔いがないと言ったら嘘になる。
けれど、残された手段はそう多くない。
諦めるか、それ以外か。
ならば自分は、必然的に後者を選ぶ。
それが、あの彼女に対する最後の恩返しだ。
たが、一つ不安もある。
それは、もしかすると致命的なミスかもしれない。
今までの努力を全て無に帰すような、そんな失態。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 17:23:30.53 ID:xRt9PONzO
まあ期待。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 17:23:36.10 ID:t1Zo6GEG0
いや……或いは。
男「…………」
さて残念だが、そろそろフィナーレの時間だ。
視界では確認出来ないが、
恐らく、地面はすぐそこまで来ているだろう。
あと数秒で、この命も尽きるはず。
…………。
……ん……?
そういえば、落下死は結構痛いって言ってたっけ……。
あぁ……やっちまっ──
──グシャッ!
<<<<>>>>
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 17:52:42.09 ID:MJyTvlG8O
その時突如音楽が鳴り響き、一人の男が現れた。
タイトルは「炎のファイター 〜INOKI BOM-BA-YE〜」
そう彼こそが燃える闘魂、アントニオ猪木である。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 17:54:34.58 ID:V702Xg6zP
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 18:42:14.63 ID:zu8aA7Ao0
・・・
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 18:47:08.83 ID:xRt9PONzO
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 19:14:54.09 ID:zu8aA7Ao0
つづきは・・・
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 20:48:02.58 ID:UJMqYU/y0
落ちるだろうが
え?本当に終わりなの?
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/30(火) 21:11:23.97 ID:zu8aA7Ao0
え?
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
えっ