「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」
「くっそ!なにしやがる!」
顔にかかった麻婆豆腐を拭き取ると俺は辺りを見回す。
老人の姿は消えていた。
後に残ったのは麻婆豆腐だけ。
再び口に含んでみる。
…………うまい。
「うまちょびれ……。」
あまりのおいしさに感嘆の声が漏れていた。
「いや、うまちょびれなんてもんじゃない。
ウマチョビラータだ、このうまさはうまちょびらーただ!」
もはや自分でも何言っているのかよくわからない。
だが、この麻婆豆腐の作り方は解る。
何故かは解らないが、一口食べただけで作り方が理解出来てしまったのだ。
いや待てよ、作り方という表現が妥当なのだろうか?
これはまるで俺の心のありよう全てを辛さに還元し、旨味に消化させたような麻婆豆腐。
ならばこの場合作り方という表現は正しくない。
何故ならこれは俺の心そのものなのだから。
「そう、今なら全て理解出来る。
この俺の都市伝説との契約の為に出来てるような身体が!
本来何の奇跡を起こすために作られた肉体なのかを!」
心の有り様を現世に映し出す奇跡。
即ち麻婆世界で現世を塗りつぶす。
そう念じるだけでこの麻婆豆腐はもう、既に俺の手の中に有る。
「見せてやる、麻婆豆腐を生み出すことだけに特化した俺の魔術を!」
「上田さんどうしたんですか?
いきなり朝から……。」
寝室のドアが開いて彼方が顔を出す。
「マ゛アァァァァアア!ボオオオオオゥウゥゥウウ!」
ドベチャアン!
手から生み出した麻婆豆腐を彼方にぶつける。
ふふふ、良いぞ……。
思った通りに麻婆豆腐を扱える。
これが俺の真の力か……。
これさえ有れば世界最強の麻婆豆腐ラーになれる!
人間の食べ物としての限界を超えた辛さとその先にある醤の旨味で、
彼方はとても幸せそうな顔をしていた。
少し痙攣しているがきっと問題無い。
「大丈夫か彼方ブッ!?」
次に橙がやってくる。
こいつにも麻婆豆腐だ。
今度は上手に口の中にたたき込んでやった。
食べた瞬間に意識すら保てなくなって気絶したがまあ問題有るまい。
「お兄ちゃんどうしたの……?」
「ンマアアアアアアアアアアアボオオオオオウウウ!」
「んぅ!」
吉静ちゃんまで騒ぎを聞きつけてこっちに来てしまった。
彼女にも迷わず麻婆豆腐を食わせた。
だが……、倒れない。
「これ美味しい!お兄ちゃんの麻婆豆腐いつもより美味しいね!」
「はっはっは!そうか、じゃあお兄ちゃんの熱くてドロドロしたのをたっぷり飲み干してくれよ!」
「こ、こんなのだめだよぅ!」
手から無限に麻婆を垂れ流す俺。
それを素早く飲み干す吉静ちゃん。
勝負は一進一退、俺が全ての麻婆を絞り取られるか。
吉静ちゃんが俺の麻婆でお腹パンパンにさせられるか。
決着は意外と簡単に着いた。
「お兄ちゃん、もう無理だよ!入らないぃ!」
「まだだ、まだだぞ吉静ちゃん!お兄ちゃんの勢いはこんなもんじゃあ止まらない!」
「らめえ!麻婆豆腐美味しすぎておかしくなっちゃうううう!」
「はっはっは!……それでも、良いんだよ?」
吉静ちゃんも無事陥落した。
俺は気絶した三人を放って町に出ることにした。
「マーボゥ!豆腐!」
まずは出会い頭に通行人に麻婆豆腐をぶっかける。
あまりの辛さに悶絶し……気絶、したかに見えた。
通行人は起き上がり高らかに叫ぶ。
「ハイル!マーボゥ!」
なんてことだ、俺の麻婆豆腐が進化してる!?
まあ都合が良い。
このまま麻婆で世界を征服してやろう。
俺は道行く人々に麻婆豆腐をぶっかけたりつっこんだりしながら町を悠然と進んでいった。
「居たぞっ!」
「第二のマ神だ!」
「逃すなよ、確実に仕留めろ!」
黒服に囲まれた。おのれ、組織の犬共め。
「はあああああああああああ!」
俺は心の中により強く麻婆豆腐をイメージする。
そしてそれが作られる鍋。
俺の心の炎が麻婆豆腐をより美味しく調理するカギだ。
「麻婆開眼!豆腐三昧!」
「ぬわああああああああ!」
「ぎゃあああ!?」
「おいしいよおおおお!」
俺が麻婆豆腐で出来た津波を叩き付けると黒服達も簡単に麻婆豆腐派と化した。
ふん、これならば俺が神聖麻婆皇帝チャイナリウス・トーフT世として君臨する日も遠くないな。
「待て、上田明也!」
「ん邪魔だ!」
「あひゅん!」
「あ、アスマ!?」
「どけぃ女ァ!」
「クヤシイケドオイシイビクンビクン」
俺の目の前に現れた明日弟&恋路に麻婆豆腐を叩き付ける。
二人とも一瞬でトリップ状態になってしまった。
どうやらこいつらもこの辛さに耐えられなくなったらしい。
「明也さん、そこまでです。」
「…………お前は!?」
「我が名は組織F-0、サンジェルマン伯爵!
組織の名の下に貴方をマ神と認定し、排除することを決定しました。」
『そしてその契約者たるフェリシアお姉さんだ。』
『今日は私も異常を使って良いと言われて居るから……』
「麻婆ビーム!」
「ぎゃああああああああ!?」
『あれ、異常が発動しないよおおおおおおおお!?」
ベシャアン!
ふん、この程度か。
他愛もないな。
「やぁの!やぁの!!こっち来ないでぇぇぇぇぇ!!!」
「へっへっへ、お嬢ちゃぁん。
そんなに怖がるなよ…………?
お兄ちゃん悲しいなあ、涙が出ちゃうなあ……。
ほら、美味しい麻婆豆腐だよぉ?
なぁ、食えよ……。食えって言っているだろうが!」
「いやああぁぁぁァァァッ!」
とりあえずそこら辺に居た少女に麻婆を食わせてみた。
豆板醤が血しぶきのように散る。
まだ子供のようだがこのマーボリウス五世に手加減なんて無い。
「辛いの!いやあなの!もうやめてよおおお!」
「マダだなあ、吉静ちゃんだってこの十倍は食べてから倒れたんだ。」
「…………。」
限界を迎えたか。
他愛ない。
俺は同じように麻婆を食べて気絶した人々の中に彼女を捨てた。
「ふぅ……つまらんな、俺の麻婆を食える物はこの地上にいないのか?」
「待てよ。」
「む?貴様は何者だ?」
「そんなことどうだって良い。
只お前は、俺の大切な人を傷つけた。」
目の前の男は刀を抜きはなって俺に向けて構える。
どうやら俺に何かの恨みがあるようだ。
「はっはっは!あの女のことか!
青い、青いなあ少年!
情によって動くとは本当に青い!
ならば……、我が麻婆豆腐で紅より赤く染まれ。」
戦いは三日三晩続いた。
俺の麻婆とその男の剣は拮抗し続けたが、ついに人のみを捨てきれなかった彼の身体に限界が来た。
「また、守れなかった……!」
「ふん、非麻婆豆腐ラーでありながら良く練り上げた。
誰が忘れようと貴様の勇姿は余が胸に刻もう。」
静かに目をつぶった男の亡骸に、余は黙って麻婆豆腐をぶっかけた。
「ふ、結局のところ、余に並び立てる者などおらぬのか……。」
もはや一人称がおかしくなっていたが気にしない。
余はわずかな孤独を胸に抱えて一人小高い丘の上に立っていた。
今頃世界は麻婆につつまれているだろう。
我が麻婆豆腐十二使徒ならばその程度容易いことだ。
「ああ、……これが王の孤独。
しかしこれもまた悪くは……。」
次の瞬間、南の方角から雄臭いオーラが流入してくる。
向こうは麻婆十二使徒が向かった筈の土地だ。
一体何が有ったというのだ?
「神聖麻婆豆腐皇帝マーボナスV世……、いいえ、上田明也。貴方を倒しに来た。」
「貴様は……禿の黒服!」
「兄貴帝国と麻婆帝国、臣民を傷つけるのは貴方の本意では無い筈だ。」
「ふっ、まさか余と同じ、いやそれ以上の王気を纏えるものがいようとはな!」
「私たちの一対一の決闘で決着をつけましょう。」
「ふむ、良かろう。王は王に敬意を払うものだ。」
そういって余は禿の黒服と正面から対峙する。
兄貴の♂と余の麻婆が交差する刹那、世界は光に包まれた。
……俺は何故か自宅の寝室にいた。
どうやら夢だったらしい。
この後彼方とレモンが俺に対してやたら警戒を強めていたが、それはまた別の話である。
【上田明也の麻婆豆腐〜神聖皇帝マボントウニスT世、豆板醤もマシマシだ〜fin】
以上、代理でした
ふと思ったが、このネタをご新規さんが見たら、このスレに対してあらぬ誤解を受けそうだwwww
都市伝説スレのモットーは、「狂気とカオスと時々日常」です
ごめんなさい嘘です
ほ
ふ
れ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 19:20:29.72 ID:8Hwf6nLC0
ただいま、笛の人と代理の人乙ー
どこに突っ込んだらいいのかわかんねぇえええええええwwwwwwwwwwwww
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 19:39:00.77 ID:8Hwf6nLC0
ほ
147 :
笛(土下座EX) ◇rpv9CinJLM (代理):2010/11/23(火) 19:49:02.80 ID:8Hwf6nLC0
【上田明也の奇想曲33〜美味しい麻婆豆腐の食べ方〜】
「命ってなんなんですかね探偵さん。」
「俺には解りませんよ看護婦さん。」
「ていうか名前で呼んでくれないんですか探偵さん。」
「そっちこそ名前で呼んでくれないんですか看護婦さん。」
「そっちが名前で呼ぶまでは呼びませんよ。」
「だって貴方の名前って偽名じゃないですか。」
「ありゃりゃ、ばれていたか。」
「探偵ですから関わった相手のことくらい少しは調べますよ。」
「ってことは我が家の家庭事情とかもバレバレだったり?」
「まあ貴方が友人に話している程度には調べています。」
顔をつきあわせて四方山話に興じる二人の男女。
一人は臙脂色のネクタイに紺色のスーツを合わせた鷹のような眼をした男。
もう一人はタートルネックのセーターに黒い革のコートを合わせた背の高い女性。
遠くから見ているとまるで映画に出てきそうな二人である。
しかも話している場所が探偵事務所ともなれば尚のことだ。
「えー、素直に聞いてくれれば良いのに。」
「だって貴方ウソツキじゃないですか。」
「私だって探偵さんに聞かれたら本当のことくらい言いますよぅ。
なんせ命の恩人ですからねぇ。」
「嘘くさいなあ……。」
上田明也とこの女性は何度か会っていたがその中で彼は一つの発見をしていた。
この女性――看護婦さん――は嘘吐きなのだ。
148 :
笛(土下座EX) ◇rpv9CinJLM (代理):2010/11/23(火) 19:50:38.28 ID:8Hwf6nLC0
上田明也は彼女との二度目の遭遇後、色々と彼女の身辺調査をしていたのだが、
どうにもこうにも彼女の言っていることと彼女の周囲の環境の辻褄が合わないのだ。
看護婦ということは合っていたが別にゲームに嵌っている形跡も無いし、
彼氏も居るような雰囲気だし、
ならば何故彼と会い続けるのかも解らないし、
あと父親の正体がよくわからなかったりするし、
その割に家は裕福そうだし、
でもそれ故に上田明也の興味を惹いているとも言える訳で。
「流石に彼氏が居る女性を口説く趣味は俺にはないんだけどなぁ?」
小さい女の子的な何かにランドセルを背負わせてアレする趣味はあるけど。
あと小さな女の子の小さなお口に熱くてドロドロした麻婆豆腐を流し込む趣味もあるけど。
「どうしたんですか探偵さん?」
「いや、なんでもないよ。」
「なら良いんです。」
「今日はどんな用で呼んだんですか?」
「いや、この前教えられた通りにしたら口裂け女倒せたので今度はテケテケ辺りとやってみようかなあ……と。」
「え?」
「何驚いているんですか。準備して慌てずにやれば誰でも倒せるって言ってたじゃないですか。」
「いやいや、言いましたけど……。」
本当にやるとは思っていなかったのだ。
「それよりも、ご褒美にこの前約束していたアレ、食べさせてくださいね?」
「ああ……麻婆豆腐ですか。」
「はい!」
心底嬉しそうに彼女は返事をした。
149 :
笛(土下座EX) ◇rpv9CinJLM (代理):2010/11/23(火) 19:51:54.79 ID:8Hwf6nLC0
「貴方の熱くてドロッとした麻婆豆腐食べてみたかったんですよね。」
「やめようね!?今日番外編でそのネタやったばかりだから!」
「うにゅ?」
「まあ良いや、少し待っててください。」
上田は台所にたって麻婆豆腐を作り始める。
「まずは材料を切る!
長ネギ豆腐唐辛子葉大蒜!
それぞれ食べやすいサイズに!特に唐辛子は原型無くなるまで刻む!
そして次にタレだ!
熱した鍋に油を引いて挽肉をパリパリになりすぎない程度に炒める!
ここに大蒜!豆鼓醤四川豆板醤四川辣椒粉甜面醤XO醤穀醤草醤魚醤肉醤!
さらに上田家伝来!食べるラー油!」
「上田?探偵さんってば笛吹って名字じゃ……」
「次に豆腐をゆでる!
南イタリア産の岩塩をひとつまみ入れておくことにより味わいが爽やかになる!
これでたれの味が引き立つぜ!」
「探偵さ〜ん?」
「豆腐がぷるぷる震え始めたら優しくすくい上げてやれ!」
「探偵さ〜ん!?」
「さあこのまま豆腐をぶち込むぞ!」
「駄目だ、トランス状態になっている……。」
「名字は気にするな!」
「あ、聞いてたんだ。でも上田って……まあ良くある名字だし良いか。」
彼女は小首をかしげて何か悩むような素振りをするが、
割とすぐに忘れてしまった。
150 :
笛(土下座EX) ◇rpv9CinJLM (代理):2010/11/23(火) 19:52:42.34 ID:8Hwf6nLC0
「この鍋に!俺が作り置きしている鶏ガラスープをたたき込む!
魚介だしを僅かにまぜることで味に深みが増しているぜ!
使用している鳥は出汁専用に特化した老鶏だから美味いぞお!」
「そういえば探偵さん?」
「さあ火力を最大にしろ!少し煮えたら紹興酒をたたき込め!
塩や醤油で味を調えることはしない!
俺が使うのはこれだ!」
「それは!さっき使っていたXO醤!」
「違うぜ看護婦さん!」
それにしてもこの看護婦、ノリノリである。
「真の料理人たるもの状況に合わせて様々なXO醤を作っておくのが当たり前さ!」
「まあ、すごいわ!」
「俺のは……濃いぜ?」
上田が仕上げ用と書かれた瓶に入った真紅のXO醤――諸悪の根源――をたたき込む。
これが入った瞬間、鍋の中が完全に赤く染まった。
「で、最後に水溶き片栗粉をタぁアァァアップリ!混ぜて、……できあがり。」
「わぁ、とってもおいしそう!でもこれってカロリー……」
「食えば全部消費するから大丈夫。」
「いくらでも食べられるわね!」
「まかせてくれ!」
上田は皿にたっぷり麻婆豆腐を盛って看護婦さんに出した。
151 :
笛(土下座EX) ◇rpv9CinJLM (代理):2010/11/23(火) 19:53:31.77 ID:8Hwf6nLC0
「でわでわ……、頂きます!」
「召し上がれ!」
赤黒いソレが看護婦さんの柔らかい唇の間に入り込み、彼女の味覚を蹂躙する。
「んっ……、はぁぅ……。
なに、これえ……?すっごく辛くて、でも……。」
「これでも自信があるんだけど、どうだい?」
「うふふ、……すっっごくイイです。」
看護婦さんの額にじっとりと汗がにじむ。
あまりの激しさに早くも体力を消費し始めているようだ。
「そう言ってくれると嬉しいね。」
「こういう刺激的なのって、大好きなんですよ。」
「嬉しいこと言ってくれるじゃないの、それじゃあ……。
と こ と ん 喜ばせてあげないとなあ!」
「きゃっ、怖いわぁ、……なんてね。」
上田は特製物食うってレベルじゃないラー油を取り出して彼女に差し出した。
「これをかければ……、もっと熱くなれるぞ?」
「まぁ素敵…………!」
彼女は迷わずにそれを手に取る。
なんの遠慮も容赦もなく、彼女はそれを麻婆豆腐にぶっかけた。
152 :
笛(土下座EX) ◇rpv9CinJLM (代理):2010/11/23(火) 19:54:56.89 ID:8Hwf6nLC0
「こんなに出しちゃうなんて随分と随分じゃないか、イケナイ看護婦さんだ……。」
「あらぁ、怖いんですか探偵さん?自分から始めたくせに。」
「怖いさ。」
「え?」
「怖いけど……。」
上田は自分の分の麻婆にもラー油をだくだくとかけ始める。
そしてスプーンでぐちゃぐちゃにかき混ぜてから一口、二口。
「でもそれが最高に……そそるんだよな。」
「―――――まぁ、悪い子。お姉さんそう言うのは許さないぞ?」
「ソレを言ったら二人とも悪ガキだよね?」
「そのまま大人になっちゃった。」
「ふふっ」
「あはは……」
それにしても、自分に姉が居たらこんな感じなんだろうか。
いつも悪戯をしようとしたら見つかって、でも笑顔で一緒にしてくれる姉が欲しかった。
親父にもそんな我が儘言ったっけか。
……正月の親族一同集まってた所で。
ごめんね父さん母さん。
まあそれは過去のことだ、俺が見つめるべきは今。
今目の前にある麻婆豆腐。
「じゃあ、」
「改めて、」
「「頂きますっ!!」」
そんなことを思いながら上田は看護婦さんと麻婆豆腐をむさぼり始めたのだ。
【上田明也の奇想曲33〜美味しい麻婆豆腐の食べ方〜】
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 20:09:54.83 ID:8Hwf6nLC0
ほ
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 20:17:45.70 ID:8Hwf6nLC0
る
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 20:32:28.30 ID:8Hwf6nLC0
も
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 20:47:19.62 ID:8Hwf6nLC0
ん
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 21:07:58.29 ID:8Hwf6nLC0
や
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 21:23:01.65 ID:8Hwf6nLC0
き
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 21:32:19.58 ID:8Hwf6nLC0
き
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 21:40:30.73 ID:8Hwf6nLC0
て
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 22:03:11.73 ID:8Hwf6nLC0
い
162 :
赤い幼星 † とある組織の荷電粒子砲 ◇7aVqGFchwM (代理):2010/11/23(火) 22:29:56.21 ID:8Hwf6nLC0
パタン、と携帯電話を閉じるローゼ
裂邪からの電話―――彼の弟が『COA』に吸い込まれたという連絡を受け、
彼女は再び、『COA』に侵入する事を決めた
(ローゼ>もう一度、行ってまいりますわ
皆さんはここで待機していてください
(日天>なっ・・・1人で行く気か!?
(ローゼ>大丈夫ですわ、裂邪さんもいらっしゃることですし
(ロール>アンタはここ最近で能力使いまくってるじゃん!
これ以上負担かけたらマジやばいって!
(日天>あぁ! せめて、オレ達だけでも―――
スッ、と彼女を止めるように蓮華が手を伸ばす
(日天>れ、蓮華さん・・・!
(蓮華>この人がやる気になったら、誰も止められないのはご存知でしょう?
(ローゼ>R-No.1・・・あとは、宜しくお願いしますわ
(蓮華>死にに行くみたいな言い方しないでください
書きかけの報告書がまだ残ってますからね。書き終えてから逝って下さい
苦笑する、と思いきや、思いっきり笑ってしまったローゼ
蓮華がジョークを飛ばすのは、竹の花を見かけるよりも稀なのだ
一頻り笑った後、彼女はロベルタに小さなメモを渡す
(ローゼ>R-No.6? もう1度だけ、ここにお願いできる?
(ロベルタ>う〜ん・・・オッケー、何とか、行ける、よっと!
疲れきった表情で、ガラッ、と勢いよく引き出しを開ける
その中は、我々の知る引き出しの中身ではなかった
163 :
赤い幼星 † とある組織の荷電粒子砲 ◇7aVqGFchwM (代理):2010/11/23(火) 22:32:14.93 ID:8Hwf6nLC0
(ローゼ>ありがとう。では―――
(ライサ>待ってお姉様!
がしっ、と強くローゼに飛びつくライサ
(ローゼ>ら、ライサ・・・貴方も、ここで皆さんと一緒に
(ライサ>やだ! 私もお姉様と行く! 向こうで、怪我をしてる人がいるかもしれないから!
ゲームの中でも、痛いのは嫌なことだから、癒してあげたいの!
涙目になりながら訴える
ローゼは少し迷って・・・ぽん、とライサの頭に手をやり、優しく微笑んだ
(ローゼ>分かりましたわ。でも、無茶だけはなさらないでね?
(ライサ>うん!
ローゼは彼女を抱き上げると、他のメンバーに小さく手を振り、
底の無い引き出しの中へと飛び込んだ
光はすぐに見えた
彼女はその「向こう側の引き出し」から顔を出し、
(ローゼ>遅れて申し訳ありませんわ!
部屋には、依頼主―――黄昏 裂邪ただ一人
恐らく「シャドーマン」の作り出した異空間にいるのだろう
それにしても、何故この少年は少し驚いているのだろうか
そんなことを考えていると、彼が口を開いた
(裂邪>すまないローゼちゃん。それに・・・ライサちゃん?
(ライサ>怪我してる人がいるかもしれないから、私も行く!
(ローゼ>と言って聞きませんの
164 :
赤い幼星 † とある組織の荷電粒子砲 ◇7aVqGFchwM (代理):2010/11/23(火) 22:37:28.30 ID:8Hwf6nLC0
(裂邪>いや、助かる。ゲームとは言え、死を体験するのはあいつらにゃ早過ぎるし
彼の言うとおり
彼もそうだが、彼の弟も、まだ子供
子供に、そのような恐ろしい体験をさせるわけにはいかない
彼女はライサを抱きながら、引き出しから出る
(裂邪>じゃあ、頼んだ
(ローゼ>えぇ・・・『アセンション』!
パチン!と指を鳴らすと、3人を赤いオーロラのようなものが包み込む
瞬時に背景は、平凡な住宅の一室から、青空の広がる草原へと―――
バチッ!
何かが、電磁波の壁に触れたらしい
オーロラが晴れると、目の前にいたのは、
背中に翼が生え、全身が鱗で覆われた、剣を持つ人の形をした化け物―――ドラゴニュート
彼女はそれを見た事が無かったが、敵である事に違いはないと判断した
ライサを庇うように己の背後に降ろし、ジッとしてるように無言で指示して、
右腕に『フォトンエッジ』を生成し、黒い鎌を持った裂邪と共に切りかかった
―――漆黒が包む黄昏に
―――深紅の薔薇が咲き誇る
(裂+0>『ローズ・オブ・ダスク』!
赤い刃と黒い鎌がクロスを描き、ドラゴニュートの腹部に血の十字架が出来た
どさり、とその場に倒れるドラゴニュート
まだ息はあるようだが、今は一刻を争う時
すぐにでも、裂邪の弟を探し出さねば
165 :
赤い幼星 † とある組織の荷電粒子砲 ◇7aVqGFchwM (代理):2010/11/23(火) 22:42:55.31 ID:8Hwf6nLC0
(少年>お兄ちゃん!どうしてこんな所に!?
背後から、そんな声が聞こえた
振り向くと、今まで気がつかなかったが、丁度ライサの真後ろに少年がいた
ちらと様子を見ると、裂邪は何やら安心した表情をしている
もしや、と彼女は思い、
(ローゼ>裂邪さん、彼が・・・
(裂邪>あぁ、黄昏正義。俺の弟だ
よかった、どうやら無事だったようだ
彼女もほっとするが、状況が状況である
周辺には、正義という少年の友人と思しき子供達が3人、
そして、「こっくりさん」と正体不明の都市伝説――正義少年と契約関係らしい――の姿
さらに、先程斬ったものと同タイプの化け物が、他にも4体いる
武器はそれぞれ違うらしく、斧、弓、ハンマー、棍棒、
剣と合わせて5体いたようだ
様子から、少年達が劣勢・・・間に合ったと考えるべきか、もう少し早ければと嘆くべきか
不意に、斧を持ったドラゴニュートが裂邪に襲い掛かる
彼女は守ろうとしたが、その前に裂邪自身が弾き飛ばした
(裂邪>なぁ、俺は別にお前らが何しようが怒りゃしねぇよ
ぶっちゃけお前らも余計なお世話だとか思ってるだろうし
でもさ、他人に心配かけちゃいかんと思うんよ
166 :
赤い幼星 † とある組織の荷電粒子砲 ◇7aVqGFchwM (代理):2010/11/23(火) 22:45:53.79 ID:8Hwf6nLC0
彼の影が、一層黒くなる
その瞬間、影の中から7体、いや8体の都市伝説が飛び出した
「赤マント」、「注射男」、「下水道に棲む白いワニ」、「ベッドの下の殺人鬼」、
何故か合体している「テケテケ」と「トコトコ」、「メリーさんの電話」、そして「幽霊」
どれも契約状態ではない
それに、本来ならどれも討伐対象になり得る都市伝説ばかりである
しかし彼女は裂邪を信じた
否、信じざるを得なかった
(パーカー>少年殿!助太刀に来た!
(女子校生>少年くん!もう大丈夫だからね!
(正義>「ベッド下の男」! 「テケトコ」!
どうやら、正義少年の味方であるらしい
友達、といったところだろうか
思わず、笑ってしまったローゼ
こんな関係を持てる人が、この世に沢山いてくれたら・・・
(裂邪>メリーさんにレイちゃん、この『回復薬』をあいつらに
(メリー>わかったわ!
(ローゼ>ライサ、貴方もあの子達をお願いできる?
(ライサ>任せてお姉様!
167 :
赤い幼星 † とある組織の荷電粒子砲 ◇7aVqGFchwM (代理):2010/11/23(火) 22:48:19.05 ID:8Hwf6nLC0
子供達の治癒は、彼女達に任せよう
先程斬った、剣を持ったドラゴニュートも起き上がり、5体の目線がローゼ達に向けられる
ハンマーと棍棒は「ベッドの下の殺人鬼」達に任せるとして、残りの3体をどうするか
(裂邪>ローゼちゃん、あの弓使いを頼めないかな?
(ローゼ>え? でもそれだと裂邪さんが・・・
(裂邪>俺達は1回、あいつらを3匹相手にしたんだ
剣使いは死にかけてるし
それに、ちょっと考えがある
(ローゼ>・・・分かりましたわ。死ぬ事のありませんように
(裂邪>あぁ、あんたもな
ローゼは遺伝子の構造を変化させて脚力をあげ、
弓を持ったドラゴニュートに飛び掛ると同時に蹴りを入れた
後方に飛ばされる弓使いだが、飛ばされながらも矢を3本射る
(ローゼ>『フォトン・ヴェール』!
すぐさま張られた赤いカーテンのような壁
バチバチと音を立てながら、矢は弾き返される
即座に『フォトン・エッジ』で弓使いに切りかかる
弓使いもその名の通り、弓を使って防御しながら攻撃を入れようとする
大柄な体躯故に、小さな身体であるローゼには当たらないのだが、どちらも防戦一方だ
(弓使い>ギャッ! ギャァッ!!
(ローゼ>(くぅ・・・これでは持久戦になってしまいますわ・・・
少しでも動きを止められれば・・・)
168 :
赤い幼星 † とある組織の荷電粒子砲 ◇7aVqGFchwM (代理):2010/11/23(火) 22:53:00.36 ID:8Hwf6nLC0
―――私、メリー。今貴方の後ろにいるの
後頭部に蹴りを受け、よろめくドラゴニュート
それより、少しドラゴニュートの動きが鈍くなったように見えた
再び状況を確認すると、裂邪と一緒にいた、ピンクのドレスを着た少女と、白い着物を着た少女がいた
(ローゼ>貴方達は・・・えっと、メリーさんに、レイちゃん、だったかしら
(メリー>手伝ったわけじゃないんだからね、ただ見てるだけじゃつまらないから!
(レイ>おねーちゃん、私達も戦うよ!
私は、そんなに力は無いけど・・・相手の邪魔をするくらいならできるの!
都市伝説とはいえ、子供に手を借りるというのは、「組織」としても胸が痛むが・・・
今は、彼女達の力を借りるしかない
(ローゼ>1分・・・いえ、30秒だけでいいですの
あれの動きを止めていてください!
大きく頷くと、レイは両手をドラゴニュートに向ける
彼女は「交通事故で死んだ子供の幽霊」だ
故に「子供を道連れにする」ような能力を使えるのだが、何分契約状態にないので、
十分な力を発揮できず、完全に操ることは出来ない
だが動きさえ鈍れば、メリーが瞬間移動しつつ攻撃することが容易になる
実は彼女達は、普段からこの方法で悪い都市伝説を撃退していたのだ
169 :
赤い幼星 † とある組織の荷電粒子砲 ◇7aVqGFchwM (代理):2010/11/23(火) 22:54:19.33 ID:8Hwf6nLC0
その間に、ローゼは両腕を広げ、掌に赤い光を集中させる
(ローゼ>「幼気」解放・・・フォトンを、極限まで加速させます
そのまま彼女は、例えるなら「ファイナルフラッシュ」のような構えをとる
周囲の空気が僅かに振動し、それが徐々に大きくなっていく
(ローゼ>フォトンは質量が0に近い、だから運動エネルギーも無いに等しいけれど・・・それを「幼気」で補えば!
メリーさん!レイちゃん!お退きになって!
時間稼ぎをしていたメリーとレイは、ドラゴニュートから早々に離れた
ドラゴニュートが最後に見たものは、光か、それとも
(ローゼ>終わりですわ・・・『フォトン・ストリーム』!!
ローゼの両掌からのびる赤い光条は、
大地を抉り、空を震わせ、
ドラゴニュートを跡形も無く消滅させた
しかし真に恐ろしいのは、それほどのことをやってのけて尚、息も切らしていないローゼだろうか
(メリー>・・・こ、ここまでする必要あったの?
(ローゼ>ん〜・・・ちょっとやりすぎちゃったかしら? おほほほほ♪
後ろから、「わ、わっ!」と慌てる声が聞こえた
見ると、どうやらミナワが空から落ちてきた裂邪をキャッチしたらしい
「ベッドの下の殺人鬼」達も、なんとかやってくれたようだ
(ローゼ>任務完了、ですわ♪
...To be Continued
170 :
やる気なさそうな人 ◇HdHJ3cJJ7Q (代理):2010/11/23(火) 23:05:58.03 ID:6yWNQFdh0
COA内、宿屋
トンットンットンッ、と女が階段を軽やかに降りてくる。
脚の動きに合わせ、柔らかく薄く透けている生地を重ね合わせたギャザースカートが風になびく。
スカート丈は足首まであり、裾は緩く広がっていた。
スリットが入っているため、スカートが踊れば、すき間から脚が垣間見える。
腰骨の位置にはスカーフを巻き長く垂らしているため、動きに合わせて揺れ、動きを強調していた。
「さて、これからどうしようかな」
胸を覆うビキニタイプの衣装からは腹部に垂れるように、下の部分からビーズ飾りを垂らしている。
その上に、半袖で丈が短く、薄いレース生地で作られたブラウスを羽織っていた。
首元や腕には銀色の装飾品を着けており、きらびやかな光を放っている。
階段を降りきった女は、その場でクルリと回った。
ヒラヒラとした布が柔らかく舞う。
「うん、やっぱりファンタジーはこうじゃないと」
踊り子の衣装を纏った女、葉は満足気に笑った。
171 :
やる気なさそうな人 ◇HdHJ3cJJ7Q (代理):2010/11/23(火) 23:09:58.08 ID:6yWNQFdh0
「ご利用ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
降りてきた葉に対して、宿屋の主人であるNPCが定型文のお礼を述べた。
それを通り過ぎ、葉は宿屋の1階にある酒場兼食堂でサンドイッチを注文した。
出て来たものを受け取り、席に着いてモキュモキュと食べていると、テーブルの向かいに男が現れた。
「ここの席、開いてますか」
「空いてるよ」
男はその席にとても疲れているように座った。
じっと葉の顔を見ている。
「何?」
「あなたが食べ終わるのを待ってるんです」
男は黙って水を飲んでいる。
葉がサンドイッチを咀嚼し飲み込み、指についたソースを舐めていると、話し掛けてきた。
「私は、Y-No.0さん、あなたがCOAに侵入したという報告を調査課で受けました。
あなたを発見したら保護、調査をするようであれば情報提供などサポートするように言われてます」
「ほうほう、それで」
172 :
やる気なさそうな人 ◇HdHJ3cJJ7Q (代理):2010/11/23(火) 23:13:04.11 ID:6yWNQFdh0
「ですが保護の必要も調査する気も無いようなので私はこれで帰ります。
無事であるという報告をしに帰ります。調査課は忙しいんです」
「まぁまぁそんなに急ぐなよ、とりあえずお金ちょうだい」
「離してください。そんな装備揃えれるなら必要ないでしょう」
「もうモンスター素材で稼いだお金無くなっちゃったんだよう」
「なら、その装備着てるんですから踊ってお捻り貰えばいいでしょう、あなたならかなり稼げますよ」
「はっ、そうか! それを見たいがためにこんな態度を。エッチー、 スケベー!」
「もうやだこの人」
「さぁ…大人しく渡すか身ぐるみ剥がされるか、選んで?」
「耳元で囁かないでください」
「ふふふっ、ゾクッとした? サービス料金として…」
「資金は渡すので離れてください」
葉はお金と一緒に突き放された。
「今、どさくさに紛れて」
「何もしてません。忙しいんですから、これで失礼します」
「チッ、ノリの悪い。あ、そーだ」
「まだ何か?」
「ちょ、そんな心底めんどくさそうな顔するなよ」
「めんどくさそうじゃなくてめんどうなんです。することいっぱいあって疲れてるんです」
「まぁそれは置いといて、私さ、COAに入るとき、ナース服なドレス着た女に会ったんだけど、そいつ都市伝説っぽいんだよね」
「へえ」
「冤罪吹っ掛けて憲兵に突き出すぞ」
「情報提供ありがとうございます。あらゆる情報は調査課で厳正に調査致します」
葉は自分がそのドレスの女から聞いたことについて話し出した。
ちなみにこの話で主にしたかったことは情報提供である。
葉がふざけたりしなければもっとコンパクトに収まったのである。
続いたらいい
173 :
警官と契約者と殺人鬼 ◇YdAUTYI0AY (代理):2010/11/23(火) 23:15:37.70 ID:6yWNQFdh0
学校町 警察署 広瀬美緒
「どうだ?警部補殿」
「どうもこうもありませんよ・・・頭が痛くなるばかりです」
目の前に広がる大量の書類・・・
「公園での一件目、商店街での二件目・・・そして」
下校中の小学生女子が犠牲になった三件目
買い物中の老婆が犠牲となった四件目
組織の契約者の一人が犠牲となった五件目
「徐々に、着実に、人目に付きやすい場所へ移っています」
「最後の組織の契約者が犠牲になった奴だけは成り行きっぽいな・・・」
部下の言葉に静かに頷く
「影守さん・・・無事だと良いのですが」
「何だ?やっぱりあの兄ちゃんが気になんのか?」
「彼は我々に協力的な組織の契約者です、身を案じるのは当然でしょう」
「へぇぇぇぇぇぇ」
「何ですかその邪悪かつ不愉快な笑みは、訴えますよ?勝ちますよ?
始末書書かせますよ?」
「全力でお断りします!!」
174 :
警官と契約者と殺人鬼 ◇YdAUTYI0AY (代理):2010/11/23(火) 23:17:41.06 ID:6yWNQFdh0
学校町 東区 影守蔵人
「ダメか・・・」
事件現場を順番に回り奴の次の行動を予測・・・しようとしたがダメだ
被害者も場所もバラバラ
人目に付きやすそうな場所と時間と言う以外には共通点も無し
「・・・チッ」
何時もなら組織がこういう下調べは全て済ませてくれるのだが・・・
K-bフ上層部と組織の上層部の折り合いが悪いとK-1は語っていた
アイツもK-bフ上層部だろうに
「敵を見つける所から始めるのがこうも面倒だったとはな・・・」
K-bフ上層部・・・か
K-bヘ元々組織の暗部だ・・・いや、暗部と言うのもおかしいか?
恥かしすぎて世間体に出せないってのが理由だからな
流石に筋肉馬鹿とホモの集団は・・・なぁ
「・・・そろそろ決めるべきなのか?」
K-1は言っていた
何時までもK-bノ居る事は無い、さっさと他所の部署に移れと
K-0が何かを企んでいる・・・お前までそれに巻き込まれる事は無いと
「・・・って言ってもな」
175 :
警官と契約者と殺人鬼 ◇YdAUTYI0AY (代理):2010/11/23(火) 23:18:38.29 ID:6yWNQFdh0
最近、ハクの個別行動が増えた
K-232も姿を見せない
K-1も妙にピリピリしている
恐らく、K-0の企みとやらが佳境なのだろう・・・そして組織の上層部もそれに気付いている
「どうするのが正しいか・・・」
K-bフ仲間を見捨てるか?
K-bノついて組織を敵に回すか?
こんな時あのお人よしやエロ魔人ならどうするのだろうか
『………………美緒を、頼んだ』
何時だったかエロ魔人もとい広瀬宏也に言われた言葉を思い出す
「そうだな・・・」
K-bェどうなるのか
組織がどうなるのか
先のことは全くわからないが・・・
「取り合えず、彼女位は守ってみせるさ」
さぁ、次の現場へ向かおう
176 :
警官と契約者と殺人鬼 ◇YdAUTYI0AY (代理):2010/11/23(火) 23:21:35.37 ID:6yWNQFdh0
学校町 裏路地 門真希
「あー、もう!!」
前回殺した奴の事を思い出す
組織からの追手・・・意外と仕事が速い
「倒せる相手だから良かったけど・・・けど!!」
気に食わない!
本当に気に食わない!!
私の邪魔をするなんて!!
「違う」
今はそんな事考えてる場合じゃない
少し隠れよう
派手にやりすぎた
「次の狩りは・・・しばらくお預けね」
そして・・・少女の周囲に浮く人形達は静かに姿を消した
続く?
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/23(火) 23:41:46.15 ID:Ben14NFG0
ほ
178 :
後戻りなどできない ◆nBXmJajMvU :2010/11/24(水) 00:02:56.96 ID:Bi9nfZwf0
忘れ去ったはずの、その記憶は
悪夢という形となって、時折、こいつを苦しめる
「あ、ぅ………あ………あぁああああああああああああっ!!??」
「…っジョルディ、落ち着け!」
悪夢に怯え、暴れるこいつを何とかなだめようとする
錯乱状態でうっかりと能力を発動させられては、洒落にならないし…
…何より、こいつの苦しんでいる姿など、見たくもない
「や、だ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだっ!!??ボク、何もしてないよ、お願いやめて、死にたくないっ!!??」
悪夢で見た光景が
忘れ去ったはずの記憶を、引きずり出してしまっている
こいつの、綺麗だった赤い髪が
この、白い髪へと変わってしまった、その出来事が
忘れ去ったはずの、忘れさせてもらったはずの、おぞましい記憶が
こいつの精神を、蝕む
「やだ、嫌だよぉ……怖いよやめて殺さないでお願いやめて痛いよこのままじゃ死んじゃうよ……っ」
「ジョルディ!」
このままでは、まずい
その体を揺さぶるが、その眼差しは虚空を見つめたままだ
179 :
後戻りなどできない ◆nBXmJajMvU :2010/11/24(水) 00:04:32.65 ID:Bi9nfZwf0
「…け、て、助けて………怖いよイザーク、助けて……っ!!」
「………ッジョルディ!!」
やや強く、名前を呼ぶ
びくり、と、その体が震えて
「…イザー…ク…?」
ようやく、その赤茶色の目が、こちらを捕える
見る見る内にその瞳に涙が浮かびだして
「……っうわぁああああああああああああああああんん!!!!イザークゥ!!!」
がしりと、力任せに抱きついてきた
…やはり、無意識に能力を発動してしまっているのか、かなり力強い
背骨を折られないようにするので必死だ
「怖かったよぉお………夢だよね?ボク生きてるよね?死んでないよね?」
「……あぁ、生きている、お前はココにいる」
こちらの言葉に、ようやく安心したのか
しゃっくりあげつつも、とりあえず落ち着いてきた
…その背中を、ゆっくりと撫でてやる
「…お前は死なせない。俺が護ってやる」
180 :
後戻りなどできない ◆nBXmJajMvU :2010/11/24(水) 00:06:28.79 ID:Bi9nfZwf0
たとえ
その為ならば、この身を幾多もの罪で汚しても、構わない
どうせ、自分は元から罪人だ
これ以上罪に汚れようとも、何の問題もないのだ
…そう、たとえ
こいつを護る為だけに
罪なき者を踏みにじり、邪悪の手先になろうとも
…もう、俺達には引き返すことなど、できないのだ
to be … ?
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 00:08:38.22 ID:Bi9nfZwf0
「13使徒」の幼馴染組二人ですた
何、この腐女子への餌、ふざけてるのか俺
だが、設定固めていったらこうなったんだから仕方ない
そして寝る
おやすみー、スレ残ってますように
ほ