1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 00:13:38.61 ID:2n7IiG9sO
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 00:14:36.87 ID:hkhY0eso0
またパラレルさんですか?
澪ちゃんに嫌われて一日経った。
雨の中を独りで下校している。ずぶ濡れの制服が気持ち悪い。
唯「………」
まばらに人とすれ違う。
傘は家に忘れた。もちろん置き傘も。
かといえ誰かの傘の中に入る気はもうしない。
唯「ははっ自業自得かぁ」
6月の雨が私を冷たく包み込む。
唯「あっ車…」
唯「…よけないと…」パシャパシャッ
そのまま私の横を
唯「わっ! きたなぁい」
通りすぎるとき思いっきり泥水をかけられた。汚れた足とスカートを手で払う。
唯(まあ雨が洗ってくれるよ)
唯(泥も)
唯(…鼻水も)
かかった泥をとくに気にせずゆっくり歩く。足を速める気にはなれない。
唯(………あっ家…)
電気はついてない。
まあ当然。さっき通りすぎたお店の時計で5時だもん。この時間なら憂は買い物に出かけてる。
唯「……さびしいなぁ」
雨が少し強くなってきた。
―――昨日も昼休みから雨だった。
部室はいつもの5人で騒がしい。
律「ほれみおー、梓はもう猫ミミつけ慣れてんぞー」
梓「べっべつに慣れてるわけじゃないです!///」
澪「いやだ! なんで私までつけなきゃいけないんだ!///」
唯(おお! いじられて恥ずかしがる澪ちゃんかわいい!)
律「いいじゃんかよ、去年隠れて装着してたくせにー」
澪「おまっばらすな!///」
紬「kwsk」
唯(久しぶりに澪ちゃんを抱きたくなっちゃった♪)
つまんね^^;
澪「ぜーったいつけないからな!」
唯(背後からこっそりと…)ソローリ
唯「みーおちゃん!」ダキッ
澪「ひゃっ!」クルッ
澪「って唯!?」
唯「あずにゃんと抱き心地がちがーう」ギュッ
澪「そっそうか…じゃなくてぇ///」
紬「どんな風に!」ハァハァ
梓「ちょっとムギ先輩!」
唯「うーんとね」
唯「あずにゃんがお人形さんなら澪ちゃんはお母さんかなぁ」
梓「つまり私は人間味がないと」
澪「わたしがママ…わたしがママ…///」
唯「そうじゃないよあずにゃん!?」
唯「あずにゃんは一緒に寝たくなるんだよ!」
律梓「「ちょっ!!///」」
紬「あらあらあら!」
唯「でね澪ちゃんは抱きしめてて安心できるんだぁ」ギュゥッ
澪「あっありがと///」
あったかあったか。
こんな感じに、はじめ澪ちゃんはスキンシップを受け入れてくれてた。
唯「澪ちゃんあったかーい」
澪「ゆい…はなれてよぉ…///」
紬「まあまあ」
梓「見てるこっちが恥ずかしい///」
律「梓も普段あんな感じだぞ」
梓「なっ!?」
唯「ぎゅー」ギュー
澪「あわあわわわ///」
そしてあずにゃんにしてることと同じことをした。
唯「ほっぺたすりすり〜」スリスリ
澪「なっ!!?///」
唯「ん〜モチモチー♪」スリスリ
澪「……」プルプル
梓「うひゃぁ///」
律「だから梓もあんな感じだってば」
紬「ふふふふふ」
唯(あずにゃんとはまた違う、いいにおいがする♪)スリスリ
澪「…っ!」ドン
唯「わっ!?」
唯「いたっ!!」ドサッ
律紬梓「「「 」」」
澪「はあっはあっはあっ……」
唯「…いたたた…」
唯(おしりぶつけた…じゃなくて!)
澪「はっ……/////」
唯(わたし、澪ちゃんに突き飛ばされた…?)
澪「はぁぁっ…/////」
唯(澪ちゃんの顔が尋常じゃなく赤い…)
唯(こんな澪ちゃんはじめてだよぉ…)
澪「…ふぅ///」
唯(怒らせちゃったのかな…)
唯「あっあの澪ちゃん」澪「帰る///」
唯「えっ」
律紬梓「「「 」」」
澪「///」ズカズカズカ
唯(かばんのある椅子に早歩きしてく…)
澪「///」バッ
唯(引ったくるようにかばん取って…)
澪「///」ズカズカズカ
唯「まっすぐドアの方に……ってなに観察してんのわたし!?)
唯「あっあの…澪ちゃんごめん」
澪「///」ズカ
澪「///」ガチャッ
唯「澪ちゃん待って!」
ドア「バタンッ」
唯「みおちゃああん!!」タチアガリ
律紬梓「「「はっ!」」」
律「あんのバカなにやってんだよ!?」
紬「りっちゃんどうしよう」
梓「とんだヘタレですね」
律「おい梓」
唯「わたしあやまってくる! …あぃたたたっ」
唯「お尻が…」
紬「だいじょうぶ? ケガしてない?」
唯「…うん、へいき」
律「あー唯隊員よ」
唯「用はあとで! 澪ちゃんを追いかけなきゃ!」
律「そのことなんだけどさあ…」
梓「りつせんぱい、それは…」
紬「りっちゃん…」
唯「……?」
律「えーとな…」
唯「…」
律「私から澪に言っとくから心配すんな」
唯「えっ…」
唯(なっなに?)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 00:45:48.49 ID:2n7IiG9sO
紬「…そっそうね、ここはりっちゃんに任せましょう」
梓「ですね。じゃあ唯先輩練習しましょう」
唯「えっちょっと…」
唯(なんでみんな…そんなにあっさりしてるの……)
律「大丈夫だって。明日には澪の機嫌戻ってるさ」ツカツカ
律「な?」ポンッ
唯(…そんなふうに肩に手置かれても)
唯(安心できないよ…)
唯「……うん」
梓「それでは決まりですね」
紬「みんな、お茶にしましょ」コポコポ
律「おーそうだな」ツカツカ
唯(……)
律「じゃ澪の分は私が食べちゃっていいな?」イスドカッ
梓「それでいいですけど、食べたら練習しましょう」
律「ベースいないし今日はよくね?」
梓「うっ…わかりました」ツカツカ
唯(…なんでみんないつもどおりに過ごせるの?)
梓「ふぅっ」トスッ
紬「わたしもお茶いただこうかしら」トスッ
律「あっ」
律「あずさー」ニヤニヤ
梓「なんです、気持ち悪い顔しちゃって?」プッ
律「いつまで猫ミミつけてんのって言おうとしたんだよおお!!」ガタッ!
梓「にゃっ!?///」バッ
唯(…澪ちゃんが帰っちゃったんだよ…?)
紬「そのままで良かったのに」ニコニコ
梓「いやです!」
律「全く可愛いげない後輩だな…たく」ドスッ
律「唯もべつに良かったよなー? 梓があのままで」
唯(……)
梓「唯先輩に聞いても頷くに決まってるじゃないですか!」
唯(…わたしの考えすぎ……なのかな…)
紬「唯ちゃん?」
唯(…あとで謝ろう)
唯「あっごめんごめん、なんのはなし?」
結局ティータイムをして過ごした。
――暗い雨空の中を下校している。傘をさしていてもタイツが濡れる。
メールじゃ失礼だから、何度か澪ちゃんに電話した。いずれも私がやめるまでコールし続けた。
唯(…澪ちゃん…)
唯「ん…メール!」
唯「……なんだりっちゃんか…」カチカチ
唯フォン「ほんとに唯が心配することじゃないからな? これは澪の問題だ。私を信じろ!」
唯「…」
唯「信じてないわけじゃないんだけどなぁ…」
唯(私のせいでああなっちゃったし…)
唯(…ほんとに追いかけなくて良かったのかな……て考えちゃうんだよね…)
唯(…気遣いはうれしいけど)カチカチ
唯フォン「ありがとう」
唯「…」ピッ
唯フォン「送信中」
唯「…」
唯フォン「送信したのにゃん」
――食事中の平沢家
憂「♪」モグモグ
唯「……」モグモグ
憂「あっお姉ちゃん、明日もお昼から雨だって」
唯(だめだ…澪ちゃんのことが気になっちゃう)モグモグ
憂「おねーちゃーん?」
唯(返信こないよ…)
憂「……もう」
唯(……嫌われてない…よね?)
憂「澪さんのこと?」
唯「!?」ビクッ
憂「やっぱり」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 01:07:27.20 ID:2n7IiG9sO
唯「……なんで憂が知ってるの…」
憂「梓ちゃんにメールで聞いたよ」
唯「…そっか」
唯「ひどいよねわたし、友達の嫌がることしちゃったんだよ」
憂「大丈夫」
憂「お姉ちゃんは心配しなくていいから」
唯「っ…」
唯(憂までそう言うの…)
唯「…ねえ、それってどうい」憂「とりあえず律さんに任せようよ」
唯「…」
憂「律さんなら澪さんをなんとかしてくれるよ」
唯「私がしないと…」
憂「とにかく大丈夫だから、ね?」
唯(まるで私が悪くないみたいに……)
唯「……うん…」コクッ
憂「ほらほら、早くごはん食べちゃって」モグモグ
唯「うん…」モグ モグ
――0時。真っ暗な中ベッドに寝っころがっていた。
唯「雨、やんでたんだ…」
唯「……」
唯(寝れない…)
唯(……澪ちゃん…)
唯「……」
唯「…」チラッ
唯フォン「…」inハンド
唯(……まだ返信来ない)
この行動はもう何十回目だろう。
お風呂から上がって、すぐに部屋に戻った。何もする気になれない私は電気を消した。無気力なままベッドに横たわった。
それから返信をずっと待っている。
いざ開いてみれば展開は嫌いじゃないけど
スレタイが臭いから敬遠してた
唯フォン
唯「こないなあ……」
手が汗ばんでいる。携帯がベトベト。
唯(……)
唯(…)カチカチ
唯フォン「ほんとに唯が心配することじゃないからな? これは澪の問題だ。私を信じろ!」
唯(……私を信じろ、かぁ…)
唯(…りっちゃんは何したんだろ…)
唯(…それに)
唯(なんでみんな…喧嘩のことを軽く見てるんだろ……)
唯(……)
唯(…明日にはちゃんと仲直りできるかな……)ウトウト
唯(……ねむい…)ウトウト
唯(……)ウトウト
唯(…ごめんね…)ウト ウト
唯(………)
唯「……」zzz
―――はっ! 思い出してたら足が止まってた…。
唯「フェックチ!」
雨の勢いは変わらない。辺りがますます暗くなってきた。
唯「さぶさぶさぶ…」
体がブルブル震える。
プールにでも飛び込んだように制服が体にはりつく。…あっ
唯「携帯……」
ポケットに手を突っ込んだ。ぐっしょりなんてもんじゃないね。
唯「ご愁傷さま……ヘッ…」
唯「ヘックシュン!」
唯「ぅぅ…」ブルブル
唯「…さすがにヤバイかな…」
唯「…走ろっか」
制服が重くて走りにくい。それでも私は走ったな。
平沢家はすぐそこだ。
唯「……?」ビシャッ
足が止まった。
前と右の二手に分かれる道。家は真っすぐ向こう。
そのもう一方からなにかが見えた。顔を向けると真っ白なものがいた。
唯「……」
?「……」トボトボ
唯「…犬だ…」
?「……」トボトボ
唯「おっきい…」
?「……」トボトボ
その子はゆっくり私の足元に来た。私の足に鼻先が当たると、静かに右折した。
私のことは警戒しないみたい。そんなにわたしって……まあいいや。
支援
唯「びしょびしょだね、私みたい」
?「……」トボトボ
唯「そっち行くんだ。私と同じだね」
?「……」トボトボ
その子はただ歩いていく。
私はその子のそばに近寄ってしゃがんだ。
唯「あたま、しつれいしまーす」
?「…」
そっと撫でてみた。
?「……」
唯「目を細めた…てことは」
唯「きもちいい?」ナデナデ
?「…」
唯「そう、よかったぁ」ナデナデ
?「……」
唯「犬にさわるの、久しぶりだなぁ」ナデナデ
雨がさらに強くなった。
唯「わぉっどしゃ降りになったよ」
?「……」
唯「…まあいっか」
唯「ふふっ」ナデナデ
私は優しく撫で続けた。
こうしていると心が安らいでいく気がした。
唯「…ファッ…フゥァッ…」
唯「ハックチ!」
?「!」ビクッ
?「…」タタタ
唯「あっごめん…待って」トテトテ
?「……」タタタ
唯「待ってぇ…ヘックシュン!」トテトテ
?「……」タ タ
唯「…あっ」トコ
?「……」トボトボ
唯「よかったぁ、ゆっくり歩いてくれるんだね」トコトコ
?「……」トボトボ
唯「…この子と帰ろ」トコトコ
?「……」トボトボ
唯「……」トコトコ
――犬さんは私の家の前でしゃがんだ。
私も犬さんのそばで足を止める。犬さんが私を見上げた。
?「……」ジー
唯「この子…首輪がないんだよね…」
唯「…フェークション!」
?「……」ジー
唯(このまま帰すのはかわいそう…)
唯(…それに一人はいやだし)
唯「……おうち、はいる?」
?「…」スクッ
?「……」トボトボ
唯「……ふふっ」
唯「ようこそひらさわ家へ」トコトコ
犬さんが家のドアに向かっていく。私もついていってドアを開けた。
唯「ただいまー…て真っ暗だぁ」
唯(…わかってたけどね)
唯「おいでー」
?「……」トボトボ
唯「ドアしめまーす」キィッ
?「……」ブルブルブルブル
唯「ひゃっ」
?「……」
唯「もー、めっ」
?「……」ジー
唯「……」ジー
唯「…きみもさむいよね、ちょっと待ってて」
唯「…わたしもびちょびちょだよぉ…」
今も身体中から水滴がボトボト垂れる。
このまま家に上がったら床がびしょ濡れ。
唯「そしたら憂に怒られちゃう」
唯「どうしよう……」
唯「……」
唯「……」チラッ
?「…」
唯「…まいっかぁ」
唯「カバンは…床の上でいいよね」ポンッ
唯「んしょんしょ…」ヌギヌギ
唯「上着脱ぎづらいよぉ…」ヌギ ヌギ
俺「…わたしもびちょびちょだよぉ…」
?「……」ジー
唯「…そんなに見ないでよぉ……」
?「…」ジー
唯「…んしょっと」ヌギリ
唯「……あっ…」
唯「ブラも水びたし…」
唯「……」チラッ
?「……」
唯「…つけたまんまでいいや」
唯「脱いだものはカバンの上に置こ」ビチャッ
唯「スカートはらくちん、ほいっと」ビチャッ
唯「…タイツは座んないと脱げないね」トスッ
唯「んしょ…んしょ……」ヌギ ヌギ
唯「…タイツめぇ〜」ヌギ
?「……」トボトボ
唯「あっ足のあいだに入っちゃ…」
?「…」コツン
唯「きゃっ」
?「……」クンクン
唯「太ももくすぐったいよぉ///」
私は犬になりたい
?「…」フイッ
?「……」トボトボ
唯「…ふぅっはなれた///」
唯「んしょんしょ…///」ヌギヌギ
唯「脱げた」ぴちゃっ ぴちゃっ
唯「よしっと」
?「……」
唯「ちょっと待っててね」タタタ
私はブラとパンツだけになった。その身で階段を駆け上がりお風呂場へ走った。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 01:55:02.88 ID:2n7IiG9sO
唯「えーっとタオルタオル……」ガサガサッ
唯「あれー洗面台にあった気がしたんだけど…あっ」ガサガサッ
唯「見っけ」
バスタオルを2枚持ってまた走る。寒がってるであろうエッチさんの元へ。
滑りかけながらも玄関に着いた。
唯「……あれ?」
あの子がいない。
辺りを見回しても白いものは見えない。
唯「なんで……」
二枚のバスタオルを床に置いた。
唯「あっ………」
心あたりがある。
急いで靴を履く。玄関のドアに近寄り手を乗せてみた。
唯「…」キィッ
唯「…開いた」
唯(そういえば)
唯(あの子が震えた時ドアから手を離したっけ)
唯(だから閉め切れてなかったんだ…)
唯「行っちゃったかぁ……」パタンッ
唯「……」
途端にさびしくなった。
唯「……」
唯「…また一人にされちゃった…」
唯「……」
鼻の横を水が一筋流れた。
唯「………あの時と同じだな……」
唯「………」
唯「……ヒック…」
放置されたバスタオルを見つめる。
冬かと思うくらい体が寒い。でもそれを使う気になれなかった。
―――今日の朝は灰色の空。眠くて頭が重い。憂とした会話の内容は覚えてない。
唯(はあ…)トボトボ
唯(結局メールの返信、来なかった……)トボトボ
唯(……教室着いた)
唯(入りたくないな…)
中をこっそり覗く。りっちゃんと澪ちゃんが澪ちゃんの席付近に立って話していた。
唯(澪ちゃんの顔…暗い…)
唯(ん、りっちゃんが何か諭してる…?)
唯(…澪ちゃんが頷いた…あっガッツポーズした……?)
唯(………普通に話してる…)
唯(……うーん…)
唯「今行ったらだいじょうぶかな……」
唯(…どんな顔しよう…)
唯(……)
唯(自然に…自然に…)トコトコ
律「おっゆい!」
唯「り、りったんおいーす…」
噛んだ。
律「どーした、元気ないぞー!」
唯「そんなことないよー」
律「うんにゃいつもの唯じゃない!」
律「いつもはこう、ぽわわーんってしてさ!」
唯「ひどーい…」
唯「…」チラッ
澪「……」
澪ちゃんは私の方を見ようとしない。ただりっちゃんを見て困った顔をしてるだけ。
唯(話しかけづらい…謝りたいのに……)
律「おおそうだ澪、唯になんか用事あるんだろ?」
唯「!」
澪「!!?」
りっちゃんはそう言って澪ちゃんの腰をポンッと叩いた。澪ちゃんはすっごい顔してた。
急に澪ちゃんと話す機会を作られてドキッときたよ。りっちゃんめ……ありがと。
唯ちゃん可愛い
唯「へっへぇそうなの。きぐうだなー」
澪「あぅ……」チラッ
律「ほら澪早くしろって、予鈴なるぞー」
澪「あっあっあの……」
唯「うん……」
澪「……」パクパクパク
澪「///」パクパクパク
唯(…私と話しづらいのかな……そりゃそうだよね…)
澪「/////」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 02:16:04.67 ID:WfudRQPw0
ゆいみお みおゆい
唯(…わたしから言おう)
唯「わたしから」澪「ほけんしつううううぅぅ!!!!!!」ダダダダ
律「はああああ!!!!??」
唯「澪ちゃん!?」
ドア「バタンッ!」
唯「待ってみおちゃん!!」ダッ
唯「澪ちゃん!」ガラッ!
……私が教室を出たときにはもう澪ちゃんの姿はなかった。
代わりに
紬「 」パチクリコ
唯「……」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 02:19:11.87 ID:8bgXyWvT0
頑張れよ澪
紬「えっと……澪ちゃんはどうしたの?」
唯「…わたしが話そうとしたら避けられた……」
紬「そう…」
唯(やっぱりわたし…)
唯(きらわれたかな……)
唯「…グスン…」
紬「ちょっと唯ちゃん!」
律「澪の奴、せめてかばんぐらい置いてけよなぁ」トコトコ
律「すまんな唯、澪がっておいおい泣くなよ!?」
唯「だって…ヒック…」
さ「あなたたち教室に、て唯ちゃんどうしたの?」
律「あー、ちょっとややこし」唯「澪ちゃんにきらわれたぁ…ワアアアァン!!」
さ「ええ!?」
律「あちゃー」
紬「唯ちゃん落ち着いて!」
……先生たちになだめてもらいながら席についた。
――空虚な気持ちで過ごして早3時限目。空いてる澪ちゃんの席をぼーっと見て過ごす。
唯(……)
唯(…)チラッ
律「……」カチカチ
紬「……」カカカカカ
唯(りっちゃんとムギちゃん、またメールしてる…)
唯(…澪ちゃんとしてるのかな……)
唯(……)
唯(わたしもなにかしなきゃ…)
唯(メールは……返信こないし…)
唯(やっぱり保健室に話しに行こうかな……だめ)
唯(また避けられちゃうよ……)
唯(…行くのはこわい…)
朝からずっとこんな感じだった。
何だろう。
Rain Songの歌詞がポッと浮かんだ
チャイム「キンコォーンカンコォーン」
唯(……はあ…)
唯(…休み時間…ね……)
唯(また二人…来るのかな…)
休み時間のたびにりっちゃんとムギちゃんは私の所に来た。いつもいつも『心配すんな』と前置きして話しかけてきた。話す気分になれないから今まで、適当な返事でそれを流し続けた。
そばで聞いてた和ちゃんはもちろん話についていけない。でも和ちゃんはとくに追求しなかった。
私に配慮してくれたのかな。
……りっちゃん…ムギちゃん……心配すんなってなにさ……。
…りっちゃん達が来るたびにいらつくようになった。
唯(また来た……)
律「ゆーい!」
唯「……なに」
律「つれないなー! もっと元気だしてこうぜ!」
紬「そうよ唯ちゃん! 澪ちゃんのことは私たちに任せて、ね?」
和「……」
唯「っ…」
……ねえ、昨日からずっと聞いてるよその言葉。それで今こんな状況になってるのに。
なんで私が悪くないみたいに言うの……?
律「あっムギ! 悪いんだけど宿題見せてくりんさい」
唯「うるさい!!」バン!
律紬和「「「!?」」」
思わず机をたたいてしまった。
自習中の和ちゃんが振り返る。周りの視線が針みたいにチクチクささる。
どうでもいい。
唯「なんなの昨日から! 心配すんなってなに!?」
律「えっと…な」
唯「無茶言わないでよ! わたしのせいなんだよ!!」
律「それは…えと……」
紬「……」
和「ちょっと唯…」
唯「のどかちゃんは黙ってて!」
和「……そう」
聴いてもこのSSとは合わないよ
最初の雨に打たれてる時に浮かんだから
唯「…」キッ
律「ひぃっ」
唯「大体さ、なんとかするってなに?! どんどん悪くなってんじゃん!!」
紬「唯ちゃん落ちついて」
唯「っ」
唯「これが落ちついてられるの!? ムリだよ!!」
紬「落ちついて、ね?」
唯「もういいよ!!」
紬「落ちつけって言ってんのよ!!!」
律唯和「「「ヒッ!!?」」」
耳鳴り。短い悲鳴。目の前の鬼。
その顔に見覚えがある。ムギちゃんが鍋奉行化した時だ。
鍋奉行なのか
63 :
>>62 うらおん参照:2010/11/20(土) 02:38:17.14 ID:2n7IiG9sO
紬「∵∴∵∴∵∴」ギーー
唯「っ……」
合わせてしまった目を反らせない……ううん、反らすことを許されない気がした…。
紬「∵∴∵∴∵∴」ギーー
唯「…………」ゾクッ
紬「∵∴∵∴∵∴」ギーー
唯「…… 」
律「ぉっおい二人とも…」
和「……」
紬「∵∴∵∴∵∴」ギーー
唯「 」
紬「∵∴∵……」ギー…
紬「…ごめんね唯ちゃん」
唯「 」
唯「 ……」ダラリ
緊張が切れて首がだらしなく垂れた。
律「…わたしもごめん」
唯「……わたしこそごめん…」
顔を上げることはできなかった。
――昼休み。りっちゃんたち三人が普段通りお昼に誘ってくれた。でも断った。
わたしが混ざっても空気悪くするだけだもんね。
律「……だめか?」
唯「……」
唯「………」ゴソゴソ
唯「…」パカッ
唯「……」モグモグ
律「……」
和「ゆい…」
紬「……」
断る意思表示のために、私は三人の前でお弁当を広げた。そのまま黙々と食べ始めた。
唯「………」モグモグ
律「……いつでも来いよ」
唯「……」
返事はできなかった。
そして三人は離れていった。
唯「……」ジー
……気になる。そばにいてくれてた事が名残惜しいのかもしれない。
横目で三人を追跡する。
三人が澪ちゃんの席に集まる。その周りの机4つを澪ちゃんの机にくっつける。五人分のいびつなテーブルができた。
和「…」チラッ
唯「!」プィッ
和ちゃんと目があったから追跡をやめた。
唯「…はぁ……」
唯(お弁当食べよ…)
唯「……」モグモグ
唯(…味しない…)モグモグ
唯(……みんなと食べたらどんな味したかな…)モグモグ
唯(…そういえば)
唯(澪ちゃんがまだ保健室から帰ってこない……)
唯(どうしてるんだろ…)
唯(りっちゃんたちには聞きづらいし…)
唯(……なにやってんだろね私…)
なんとなく窓の外に首を向けた。
唯(あっ雨…)
唯(昨日憂に言われてたっけ)
唯(…外暗い…)
頬杖をつく。食事中なのも忘れてぼうっと外を眺めた。教室の喧騒が意識から取り除かれていく。
規則的に降る雨。地面に垂直に降り注いでいく。風はないみたい。
唯(昨日より雨が強そう)
唯(今日はタイツどころかスカートまで濡れちゃうね…)
唯(そろそろ大きな傘が欲しいな)
唯(……あっ傘)
唯(…持って来るの忘れてた)
唯「ははっ…どうしようもないね…」
唯(……今みたい…)
私はやっぱり馬鹿だ。
あれだけりっちゃんたちの言葉を否定しておいて、結局自分は動かない。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 03:01:06.09 ID:2n7IiG9sO
紬「澪ちゃんのところに行ってくる」
律「やめとけって」
唯「!」クルッ
澪ちゃん、突然そう聞こえて思わずムギちゃんを見た。
席を離れようとするムギちゃんと、ムギちゃんの右腕を座ったまま掴むりっちゃんが映った。和ちゃんは何事もなくお弁当を食べてる。
唯(ムギちゃん……怒ってる…?)
紬「いくらなんでもひどすぎると思うの」
律「まっまあそうだけどさ…あの澪だし…」
紬「りっちゃんは澪ちゃんに甘すぎる! あれじゃただ臆病なだけ!」
律「……」
唯(……澪ちゃんに怒ってるの…?)
紬「りっちゃんの代わりに連れ戻してくる」パンッ
律「おいムギ!」ガタッ
紬「……」ツカツカツカ
紬「……」ガラッ
ドア「ピシャッ」
律「……まずいな…」
和「………」モグモグ
唯(ムギちゃん……)
澪ちゃんは悪くないよ…悪いのは私でしょ……。
…なんでわたしを責めないの………?
律「…電話しとくか…」カチカチカチ
唯「………」
律「……ああ澪? いまムギが保健室向かってるから」
律「……はあ!? そうたいいぃ!!?」
唯「!!」
律「はあ……はあっいや意味わからんぞ! とにかく戻ってこい!!」
律「……おまえいい加減にしろ? な?」
律「…ムギがマジ切れしてるぞ?」
唯「……」
今日も仲直りできなくなる……。
…もしかしたらこのままずっと……?
それだけは絶対イヤ!
律「…いやなんとかしてっておまえ……」
唯(やっぱり澪ちゃんを追いかけなきゃ!!)ガタッ! ダダダダ!
和「?」
ドア「ガラッ!」
律「って唯! かばん持ってどこに――」
何ヶ月ぶりかの全力疾走はきつい。それに澪ちゃんの正確な位置は知らない。
でも走らなきゃ。
唯(そうだよ、避けられるのを怖がっちゃいけないんだ)ダッダッダッダッ
唯(だってこのままなら本当に友達じゃなくなっちゃうもん!)ダッダッダッダッ
唯(ちゃんと謝って許してもらう!!)タッタッ タッ
唯(…息…苦しい)タッ タッ タッ
唯(もうすぐ下駄箱…)タッ タッ タッ
唯(……いない…)
唯(ううん、まだだ)
唯(靴はあるかな…)トコトコ
唯(……ない)
唯(…はあ……)
唯(行っちゃったかぁ……)
ため息。上履きの置かれたスペースを見つめたまま…。
唯(間に合わなかった……)
唯(……)チラッ
唯(!!)
中庭にまっすぐ伸びる道。突き当たる円状に広がる常緑樹。
その道の分かれ目に差し掛かる傘。
その傘から伸びるあの長い黒髪は……澪ちゃん!
唯(間に合う!)ガタゴトッ
唯(待って待って!)クツ ハキハキ
唯(あっ傘)
唯(澪ちゃんのに入れてもらえばいいや!)ダッ
澪「……」トボトボ
唯「はあっはあっ」バシャバシャ
澪「…?」クルッ
澪「!!」ダッ
唯「待って!」バシャバシャ!
澪「///」バシャバシャバシャ!
唯「おねがい!!」バシャバシャ!
澪「///…」バシャ バシャ
唯「はあっはあっ!」バシャバシャ!
澪「///」
唯(校門前で止まってくれた!)バシャバシャ
澪「///…」チラッ
澪「/////」プイッ
唯(やっと追いついた…)バシャバシャ
唯「澪ちゃ」ガッ
唯(足がもつれた!)グラァ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 03:20:32.69 ID:6m+cVERC0
てっきり中二病唯かと期待したけど素敵な展開じゃないか!
支援
澪「/////」
唯「あぶない!」ァァァ
澪「///!?」
不思議なことに動作がやけにスローモーションに思えた。
澪ちゃんが体ごと振り返る。澪ちゃんの首の両脇を私の両腕が通り抜ける。澪ちゃんの胸と私の胸がぶつかった。
押し倒さないために澪ちゃんの体を引き寄せた。なんとか二人とも立て直した。
……わたしが抱きしめてるみたいな態勢じゃないのこれ…。
澪「はっはわわわわわわ!!/////」
唯「あっごめん!」パッ
唯(昨日も澪ちゃんが嫌がってたのにわたしのバカバカバカ!!)
澪「わああああ!!!!/////」ババババシャシャシャシャ!!!
唯「澪ちゃんごめんね!! 待って!!」パシャッ
唯(あっあれ…足が……)
澪「ああああアアアアア―――」ババシャシャ―――
唯「待ってええ!!」パシャッ パシャッ
唯(追いかけなきゃ…)パシャッ
唯(追いかけなきゃいけないのに……)
こわい。
昼間悩まされた恐怖。どんなに澪ちゃんに近づいても避けられてしまうんじゃ…。澪ちゃんを傷つけてしまうんじゃ……。
足の震えが止まらない。前に足を踏み出そうにも足が上がらない。
唯「今追いかけないと! ……」
唯「走って! 走って……」パシャッ
唯「走らないと……ヒック…」
唯「…グスン…」
唯「……ヒック…ヒック…」
唯「…もうやだあ……」
唯「グシュッ……う゛ぇ…」
唯「……みおぢゃあん……」
唯「……ヒック…」
唯「…う゛っ…う゛ぅ……」
唯(……もうかえろ…)トボトボ
無気力。雨天下の暗い町を帰ることにした……我慢できず泣いてしまった。
―――またぼおっとしてた……。
ふぇ…ふぇ……
唯「ぶぇっくしゅん!!」
唯「…グシュッ……」
唯「公園で降られてたっけ……」
唯「……」
唯「…グスンッ…」
唯(……どうしよう…)ブルルッ
唯「ハックシュン! ……うぅ…」
唯(りっちゃんたちにはもう相談できないし……)ブルッ
唯(……あずにゃん…)
唯(…だめだよ…)ブルブル
唯(わたしが解決しないと……)カチ カチカチ
唯(………どうしたら…)カチカチカチ
唯「…ん……?」カチカチ
たたんだ制服の中から聞こえてくる、くぐもった振動音。携帯…とっくに壊れてたと思ってたのに。
歩み寄って制服を探る。
唯「んしょんしょ…」ゴソゴソ
唯「あった……まだ震えてる」ブルッ
唯「…あずにゃんから……」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 03:39:35.90 ID:2n7IiG9sO
唯(……出る…?)
唯(……)
唯(………やめとこ)ピッ
唯「あっ通話ボタ」梓「おそいです!!!」
唯「はうっ!」
手に持った携帯から聞こえる声。それは耳元に持ってこなくても響きすぎた。
梓「しかも今電話無視しようとしましたね!!?」
唯「あっあのあず」梓「口答えしない!!」
唯(たっためぐち…)
梓「まったくもー…どの先輩もダメダメです」
唯「…それはけっこうヒドいよ」
梓「はっすいません」
唯(でもあずにゃんの声聞いたら少し楽になれた…かな)
唯「で、何の用?」
梓「そうだった、唯先輩今どこにいるんですか?」
唯「家だよ。あっごめんね、部活さぼっちゃって」
梓「そんなことは今はいいです」
梓「それより澪先輩のことなんですけど」
一気に血の気が引けた気がした。
唯「やめて」
口が勝手に動いた。
りっちゃんたちの助けを拒絶しておいて、あずにゃんの助けは借りる? そんなことできるわけないよ。
それに……こわい…。
梓「…いいんですか、このままで」
唯「っ」
唯「いいわけないじゃん!!!」
あずにゃんの言葉で頭に血が昇ってしまった。
いけないことだってわかってる……わかってるのに口が勝手に…勝手……。
唯「何度もダメだって思ったよ! だから早退してまで追いかけた!」
唯「でも許してもらえなかった!! わたしが転んだせいでまたイヤがることしちゃったの!」
唯「だから澪ちゃんは逃げちゃって……ひとりになっちゃって……グシュッ…」
唯「うわああああ゛あ゛あ゛ああぁん!!!」ボロボロ
梓「………」
もう涙をこらえられなかった。
なにもできない。仲直りしようと近づけば、友達が傷つき避ける。それを見て私も傷つく。それでも諦めず近づけば……。
あずにゃんの一言がそんな負の循環を現実として再び突きつけた。
わたしには耐えられなかった。
唯「ぅ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇん……」
梓「……」
唯「…ヒック…ヒック…」
梓「………澪先輩の家に行ってください」
唯「……無理だよぉ……」
梓「どれだけ怖いのかは伝わってきます。でも」
梓「やっぱりあきらめちゃダメです! でないとそれこそなにも変わりません!」
唯「………」
梓「…はあ」
梓「いいですか? 唯先輩が話しかけると澪先輩が逃げるんでしたね?」
唯「……うん」
梓「だったら逃げられない状況にすればいいんですよ」
唯「…えっ?」
梓「というよりもうなってます」
唯「……?」
梓「クエスチョンマークが伝わってきました」
梓「つまり、澪先輩の家なら逃げようがないんです」
唯「! ……でも」
梓「家に入れてもらえないかも、ですか?」
唯「あぅ……うん」
梓「必死にドアでもインターホンでも鳴らしまくればいいんですよ」
唯「それじゃ迷惑だよ…」
梓「むしろ迷惑被ってるのは唯先輩だから大丈夫です!」
唯「!」
唯「…また」
梓「? どうしました?」
りっちゃんもムギちゃんも憂も。それにあずにゃんまで…。
唯「……なんで澪ちゃんが悪いみたいな言い方するの?」
梓「あっ…」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 04:02:02.52 ID:2n7IiG9sO
唯「明らかにわたしが悪いよね? ねえなんで?」
梓「……とにかく行ってください」
唯「みんな変だよ! わたしなんか擁護する価値ないでしょ!!」
梓「あとでわかります!!!」
唯「っ!?」
耳がキーンってする。いやそんなことより
唯「どうい」梓「澪先輩と仲直りしたいんでしょお!!」
唯「…」梓「だいじょうぶですから! 私が保障します!」
唯「……」
強引だなぁ……そんなに言われたら……。
…いいんだね?
あずにゃんのこと…信じるからね?
梓「もう切りますよ! 早く行ってください!」
唯「…さいごに一つだけ、いい?」
梓「一つ、だけですよ?」
唯「あのね」
唯「迷惑で済む話じゃなくて、私が家に行ったら澪ちゃんが傷つくことは」梓「ぜったいありません!!」
唯「ありがとう!!」ピッ
左手に携帯を力強く握りなおす。
いますごく気分が高ぶってるのを感じる。寒いのに力がみなぎってきたみたいな。
さあ
唯「待っててね澪ちゃん!」
右手でドアノブを壊れるぐらい捻った。
唯「とぉ!」ガチャン!
唯「まだ雨降ってる」
唯「傘!」クルッ
唯「あっあれ傘はー!?」キョロキョロ
唯「もうなくていいよ!」ダッ
唯「雨つめた!」バシャッ
唯「てあれ?」
唯「…」ジロッ
唯「服着てなかったああ!!/////」バシャッ
唯「クローゼットまで服取りに行くのめんどくさい…」ダッ
唯「濡れてる制服でいいや」ビチャキリ ビチャキリ
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 04:08:34.87 ID:6m+cVERC0
>>89 待て、ブラとパンツのまま出て行くのかい!!!!!?
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 04:09:52.07 ID:6m+cVERC0
失礼しましたorz
――真っ暗な雨の中、息もきれぎれに澪ちゃんの家が見えてきた。
唯「はっはっはっ…」タッ タッ
唯(あれ…?)タッ タッ
澪ちゃんの家より少し先から人が歩いてきてる。
最初はただの通行人だと思ってた。でもだんだん馴染みのある髪型が見えてくる。手にはビニール袋を提げてる。
唯(あの人って……)タッ
そして澪ちゃんの家の前。私たちはお互いの顔を確認できた。
唯「みおひゃん!」
澪「ゆい!!?」
息が上がって声を出しずらい。
澪「///」プイッ
唯「うっ」
澪「/// …!」クルッ
澪「なんで傘さしてないんだよ! しかもまだ制服で!」
唯「はあっはあっ…あははちょっとね…はあっ」
唯(会話ができてる!)
澪「とにかくうちに来い! 風邪引く!」ガシッ
唯「わっそんなに腕引っ張んないで」バシャシャ
そのまま澪ちゃん家の玄関に連れられた。
澪「ただいま! ママー、大きいタオルってどこにあるー!」
唯「ママ?」
澪「! お母さん!///」
いつかやった漫才。それができるほど澪ちゃんは普通に接してくれた。
あずにゃんの言う通りにして良かった。ありがとう。
――澪ちゃんに荒々しくタオルで拭いてもらったり、澪ちゃんの私服を借りた。
…ほんとにお母さんっぽかった……胸まで…。はぁ。
唯「お風呂とか下着まで借りちゃってごめんね」トコトコ
澪「別にいいよ、唯が風邪引くのは嫌だしな」トコ ガチャッ
唯「おー、ここが澪ちゃんの部屋」トコトコ
澪「べつに感嘆するほどじゃないよ」トコトコ トスッ
澪「唯も床に座っていいよ」
唯「うん」トスッ
澪ちゃんの正面で同じようにあぐらをかく。
雰囲気的にそろそろ切り出そう…この分なら大丈夫そうだし。
……あれ、じゃあなんで避けられてたんだろ私?
唯「澪ちゃん」
澪「ん? どうした……っ!」
唯「?」
澪「///」
唯(えっ…?)
突然澪ちゃんがはっとしたかと思ったら、また顔が赤くなりはじめた。
たぶんまだ赤く……
澪「/////」プイッ
唯「あっ…」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 04:24:20.53 ID:2n7IiG9sO
やっぱり…私が突き飛ばさせてしまった時と同じ。トマト? …ぐらい紅潮してる。
澪「っ/////」
澪ちゃんの手が拳を作った。それに小刻みに震えてる。なにかを我慢してるみたいに。
さっきは緊急だから構ってくれたのかもしれない。でも本当は許してない……よね。
唯(澪ちゃんは優しいね)
もし言葉で許してもらえないならなんでもしよう、うん。
唯「澪ちゃん」
組んでた足を正座にする。
これからやるのはもちろん
唯「ごめんなさい」
土下座。
澪ちゃんの反応が見れないけどしかたない。ただのごめんでは済まないほど澪ちゃんを傷つけた……あずにゃんは違うって言うけど…。
でもいいの、これが私の気持ちだから。
澪「/////」
澪「はっ/////」クルッ
唯「……」
澪「そういうわけじゃないのぉ!/////」
唯「!」
澪「唯は悪くない! だからそんなことしないでくれ!///」
唯「………」ムクリ
顔を上げる。ものすごく慌てた顔がそこにあった。
澪「えっとな…///」アタフタ
澪「その…/////」
唯「……落ちついて話して欲しいな」
澪「ごめん!!///」ドゲザ!
唯「!?」
澪「みんなから聞いた! わたしが臆病だから唯をすごく心配させたって!」
唯(…ほんとに澪ちゃんが悪いの? みんなそう言うけど……なんで?)
澪「ごめん! ごめんなさい!」
唯「…顔を上げて」
澪「ヤダ!」
唯「……私の方が苦しくなるからやめて」
澪「……」
澪「…うん」ム ク リ
唯「…ねえ」
澪「……///」
唯「なんで澪ちゃんが悪いの? 澪ちゃんは私がいつまでもくっついてたから怒ってたんじゃないの?」
澪「ちがうんだ/////」
澪「むしろうれしかったんだ…/////」
唯「!」
唯(なんと……)
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 04:38:17.87 ID:UhALXZru0
じゃ支援
ごめん上げちゃった
もうそろそろ終わりそうなのにさるか……
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 05:00:05.39 ID:2n7IiG9sO
唯(えっと……つまりきらいじゃなくて)
唯(うれしい…私といるとうれしいってことだよね)
唯(えへへ♪)
澪「…唯はいつも梓とスキンシップとってるだろ?/////」ポタッ
唯「あっうん」
唯「って澪ちゃん鼻血はなぢ!」
澪「えっきゃあ!!」
唯「ティッシュティッシュ!」ドタドタ!
澪「チコワイチコワイチコワイチコワイチコワイ」ガタガタガタガタ ポタポタッ
唯「お待ち! …澪ちゃん」
澪「チコワイチコワイチコワイチコワイチコワイ」ガタガタガタガタ ダラダラ
唯(…自分の鼻血がこわいの……)ガッサガッサ
頑張れ 支援
唯「はいティッシュ、入れるよー」スルッ スルッ
澪「うっ……ありがとう…」
唯「床拭いとくね」フッキフッキ
澪「わたしも」
唯「澪ちゃんはだめ、下向いたら鼻血が余計に出ちゃうよ」フッキ ポイッ
澪「ごめんな」
唯「いいよこれぐら…ヘートジュン!」
澪「! 風邪引いたのか?」
唯「グシュッ…大丈夫だってば〜」ニコッ
澪「そうか…///」
唯「私より澪ちゃんの方が心配だよ、熱あるんじゃないの? 昨日から顔赤いし」
澪「こっ…これはちがう…///」
唯「むぅ〜ほんとにー?」
澪「ほんとう!///」
澪「話、続けるな///」
唯「…うん」
澪「梓が来る前は私と時々…その……じゃれてただろ?」
唯「ぷっ!」
澪「ゆい!///」
唯「じゃれるって…クッ…ククッ」プルプル
澪「うるさい!///」
唯「つづけ…プッ…て…」プルプル
澪「…だから久しぶりで驚いたんだ…」
唯「私も久しぶりだな、て思ったよ。……それだけ?」
澪「えっと…」
唯「…」
澪「…///」
澪ちゃんが目を反らした。そして口元に左手を当てて何か言いづらそうにしてる。
似たような状況が昼間にあった気がする……うん。
唯「ごめん、言いづらかったらべつにいいよ」
澪「いや言わなきゃいけないことなんだ!///」
唯「うぉっ」
澪「……ごめんちょっと待って」
唯「うん?」
澪「…」
澪「……///」
澪ちゃんが目を閉じたままなにかを考えてる。そういえば結局私じゃなくて澪ちゃんが悪いって話だったっけ。
その説明をしてくれるのかな。
澪「/////」
唯(それよりまた顔が赤いけど病気じゃないよね……)
澪「ああもお!!/////」ガシャガシャ
唯「!!?」ビクッ
唯(髪グシャグシャし始めちゃったよお……110番呼ぼっかな…)
澪「ゆい!!」ガシッ
唯「いたいいたいっそんなに肩掴まないで」
澪「いいか!? ヒカないでくれよ! おねがいだ!!///」グッ
唯「ヒクってなんのはなし…」
澪「あのな!///」
澪「唯のことが好きなんだ!!/////」
唯「……」
澪「/////」
唯「…?」
澪「言っちゃったあぁぁ/////」クルッ
唯(背向けちゃったよ…)
唯「私も澪ちゃんのこと好きだよ?」
澪「!! …」
澪「いや待って待って!」クルッ
澪「そうじゃなくて…///」
唯(よくわかんないよ…)
唯「…」
澪「……///」
澪「!///」グッ
唯「?」
澪「恋人として好きなんだ!!/////」
唯「 」
澪「/////」
唯「 」
澪「///// …」
唯「 …」
澪「あぅ……/////」
唯「告白!?」
澪「/////」コクリッ
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 05:18:26.64 ID:2n7IiG9sO
唯(どうしよどうしよ!!)
澪「…好きだから…あの時抱きつかれたとき…/////」
唯(カップルって男の人と女の人がくっつくものじゃないの!?)
澪「恥ずかしくって…頭が真っ白になっちゃって…/////」
唯(あわわわどうしよ憂たすけてー!!)アタフタッ
澪「…ほお擦りしてきたときが限界だったんだ…///」
唯(はっ落ちつけ平沢ゆい!)
澪「唯のくちびるがわたしのほおを擦りそうで…きゃああ/////」バタバタ
唯(相手は私の親友! ならそれに答えるのが私の役目!)
澪「/////」バタバタ
唯(いやいや嘘はだめだよ! 澪ちゃんをそういう目で見てるわけじゃないし!)
澪「/////」ゴロゴロ バタバタ
唯「って澪ちゃんがもだえてる!?」
澪「はっ!!/////」シャキッ
唯(う〜ん……)
澪「/////」
唯(やっぱり……だよね)
澪「あっあのさ……///」
唯「澪ちゃん」
澪「はいぃ!///」
唯「よくわかんないや」
澪「………だよな……」
澪「ごめんな!」
唯「あっ…えっと」
澪「気持ちわるいこと…言ってさ……」
唯「澪ちゃーん」
澪「…グスッ…」
唯「ちょっと待って、そうじゃなくて」
澪「………」
唯「保留、じゃだめかな?」
澪「……?」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 06:06:31.87 ID:2n7IiG9sO
唯「もちろん澪ちゃんのことをきらいになんてならないよ? 驚いたけどね」
澪「…ホォ…」
唯「むしろ大好きだよ」
澪「…///」
唯「でもこれは恋じゃないの」
唯「恋だったら周りの人みーんな、私の恋人だよ」クスッ
澪「…」コクリ
唯「えっと…それで……あっ」
唯「わたし、恋するっていうのがよくわからないの」
澪「…クスッ」
澪「だよな」
唯「むっ仕返しですと」
澪「あっいやそんなつもりはないよ」
唯「まあいいや。だからね…えっと…」
澪「うん…」
唯「そういうのがわかるようになるまで、待ってて欲しいな」
澪「…うん///」コクッ
唯「ありがと」ニコッ
澪「わたしからもありがとう///」ペコッ
唯「ふぅー、よかった〜」
澪「♪///」ポタッ
唯「澪ちゃんっ鼻血がまた!」
澪「え、ひゃあああ!!」ガタガタガタ
唯(ティッシュで吸いきれないほど鼻血を出したんだ…)バタバタッ
唯(ホントに病気じゃないよねえ……?)フキフキ
澪「チィコワイチコワイチコワイチコワイ」ガタガタガタ
唯「拭いたよー、澪ちゃんこっち向いてー」
澪「…ふぅ、ごめん…」
唯「はい新しいティッシュ詰めるよ」ズポッ ズポッ
澪「ん…」
唯「…ねえ澪ちゃん」スルスル
澪「ありがと。なんだ?」
唯「ティッシュを鼻に詰めて告白する人って珍しいよね」
澪「 」
唯「もしかして澪ちゃんが初めてじゃない?」ニコニコ
澪「 」
唯「すごいシュールだよね♪」
澪「やりなおそう!! やりなおすぞ! ほら正座してくれ!!/////」ガシッ!
唯「肩掴まないでいたいいたい!」
――一件落着。澪ちゃんはベッドに顔をうずめてうめいてる。私は座ったままその様子を楽しんでた。
お泊りしていきたいな……そういえば。
窓の方を見た。
雨はまだ降ってるんだ。ザーって音が部屋に届く。
雨、か。
澪「ふぅぅ…///」クルッ
唯「……」ジー
澪「ん、どうした?」スクッ
まだ顔の赤い澪ちゃんが隣に座る。もちろん足を崩して。
唯「雨って不思議だなあ、てね」
澪「雨?」
唯「うん」
ティッシュを外して澪ちゃんがキョトンとした。
唯「その時の気分で雨の印象が変わるんだよ」
澪ちゃんに突き飛ばされちゃった最初の日の雨。みんなの励ましを台なしにした雨。不安でいっぱいだったね、わたし。
今日早退した時の雨。私の涙が一緒に降ってきてる、そんな雨。あの犬さんも悲しかったのかな…?
そしてあずにゃんに助けられた時の雨。いかにも私の行く手を阻んでる雨。そんななかを迷わず走り抜ける私、かっこいい…なんてね♪
今となってはいい思い出だね。
澪「なんだ唯、詩人に目覚めたのか?」
唯「そんなんじゃないよぉ」
唯(たしかに私らしくないね、こんなこと考えるなんて)
澪「あっ」
唯「どうしたの?」
澪「みんなに伝えないと」
澪「…私たちのことさ///」
唯「あーっそうだね、私もあずにゃんにお礼言わないと」
澪「……梓には感謝してもしきれないな」
唯「うん! …ん?」
唯「ちょっと待って」
澪「うん?」
唯「もしかしてさ」
気になってたみんなのあの妙な態度。それの謎がすべてわかってしまった気がした…。
唯「りっちゃんとムギちゃんも澪ちゃんの気持ちを知ってるの?」
澪「うっうん、私が相談したんだ///」
唯「…憂にも?」
澪「…うん///」
唯「なにそれ!? 私以外みーんな知ってたの!?///」
澪「うん///」
唯「一人で悩んでた私がバカみたーい!!///」カミ ガシャガシャァ!
澪「ほんとうにごめん!!///」ドゲザ!
みんなの言う『心配すんな』の意味をとーっても理解したあと。
澪ちゃんの携帯でりっちゃん、ムギちゃんに電話した。私の携帯は故障して電源がつかなかった。
二人とも私達の行方を見守ってくれるみたい。りっちゃんにはからかわれながらも、最後にありがとう、て伝えた。ムギちゃんは気の早すぎる話を始めたから途中でブツ切った。
今は澪ちゃんから先にあずにゃんと話してる。
澪「あの時は電話切ってごめんな」
唯「♪」
澪「ぐっ…けっこうクルよその言葉…」
唯(澪ちゃんも言われたんだ)
澪「いやこの結果でいいんだよ」
澪「ふふっ♪」ニコッ
唯「!」ドキッ
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 06:44:20.91 ID:2n7IiG9sO
澪「いっいいじゃないか! 大進展だろ!」
唯「…」ジー
澪「わー! そんなこと今できるわけないだろ!///」アタフタッ
唯(あらためて見ると、澪ちゃんは本当に可愛い)
唯(こんな可愛い人に愛されるのって)
唯(こそばゆーい♪)ソワソワ
澪「笑うな! 律みたいなこと言うんじゃない!///」ガー!
唯(♪〜……)
澪「いやそこまでショック受けなくても…」
唯(ていうか緊張してきた…)ドキドキ
いまさらだけどね。
澪ちゃんの私を見る目は昔と違う。そんなそぶりは…あったかも。6月の頭から、澪ちゃんと目が合いやすくなった気がする。
それよりほんと、これからが不安かも。一度意識しちゃったからか、体にいらない力がかかってる気がする。
今まで通りに接する……できるかな?
今まで通り…つまりありのままの私、だよね。
普段の私だと…………
あっ。
かわいいもの好き。
ということは……でも待って。
抱きついたらまた突き飛ばされちゃったり…。
……あれ?
澪「そうだ、ムギと似たことを言って」梓「そんなわけないでしょう!!!?」澪「うわああ!! 大声出すな!」
唯(べつに澪ちゃんは嫌がってるじゃないんだよね?)
唯(むしろうれしいって言ってた!)
澪「悪かった…私が悪かったから…な?」
唯「……フフフッ」ニヤーリ
澪「今日の梓のキャラ…違くないか? ……わたしがヘタレなだけか…うん」
唯(澪ちゃんはこっち向いて話してる……よし!)
唯「みーおちゃん!」ダキッ
澪「わっ!?///」ドサッ
唯(抱き着くつもりが押し倒しちゃった)
唯(まあいいや)ニヤッ
澪「ゆっゆい! 今電話中だから!///」
唯「わたし、かわいいものが大好きなんだー♪」
澪「なっ!? はっ離れてくれ!///」
唯「えー? ほんとはうれしいんでしょ」ニヤニヤ
澪「そういう問題じゃない!///」
梓「なんだ本番始めるんですか、切りますね」ブツッ
澪「ちがう!!/////」
唯「わーお///」
澪「とにかく離れて!///」
唯「いいではないか〜」ホオ スリスリ
澪「あぐっ/////」プルプル
唯「あったかーい」スリスリー
澪「こんのばかああ!!/////」ゴンッ!
唯「いたい! あたまぶったー!」
うん、これがありのままの私♪
そして澪ちゃんは照れ隠し屋さんです。
このあと澪ちゃんがまたベッドに顔をうずめたので、あずにゃんに電話をかけ直した。
唯「ありがとね、えへへ」
梓「まったく…唯先輩って本当に鈍感ですね…」
唯「それ二人にも言われたよぉ、えへへ」
梓「そりゃ言われますよ」
唯「ねえねえ、あずにゃんは恋愛経験あるの?」
梓「いきなりですか。残念ですけど私みたいな体型は需要がないみたいです」
唯「えっなんで? 小さくてかわいいよ? 」
澪「!」
梓「! …ありがとうございます」
梓「それより唯先輩……?」
澪「……」ジー
唯「なーに、えへへ」
澪「……」ジー
梓「気色悪い笑いはともかく…今のうちに誤解をといた方がいいかと」
澪「……」ジー
唯「へっなんの?」
澪「……」ジー
梓「…そこまで鈍感ですか…澪先輩は今なにしてます?」
澪「……」ジー
唯「ふぇっ澪ちゃん?」クルッ
唯「わっなにそんなにらんでるの!?」
澪「……だって唯が梓を…かわいい…て…グスン」
梓「だから言ったじゃないですか」
唯(澪ちゃんみたいな人って…たしか名前があったような…)
唯「ごめんね澪ちゃん、あずにゃんを好きになったわけじゃないから」
澪「…ほんと…?」ウルウル
唯(もえもえ〜っきゅん♪)
唯「大丈夫! 浮気なんてしないから!」
梓「まだ付き合ってないですよ」
澪「よかった」パァア
唯「それもそうだね、てへっ」
唯(あれ、もしかして)
唯(澪ちゃんってめんどくさい人なんじゃ……)
唯(まいっか、ふふっ)
ドア「バアン!」
憂「おねえちゃん!!」
澪「!」ビクッ
唯「あっ憂ー」ニコッ
唯「よくわたしのいるところがわかったね」ニコニコ
憂「梓ちゃんに聞いたの!」
澪「……」ビクビク
唯「そっか」ニコニコ
唯(ほんと澪ちゃんと仲直りできてよかったよ〜ふんふん♪)ニコニコ
憂「…」ムゥー
澪「あっあの憂ちゃん…」ビクビク
憂「なんですか?」ニコッ
澪「ヒッ!……相談に乗ってくれてありがとう…」
憂「はいお幸せに!! それよりお姉ちゃん!」
唯「はーい」ニッコリン
澪「おしあわせに…///」
支援
憂「そこに正座して! 言いたいこといっぱいあるんだから!」
唯「わかったー♪」ヨイショ
澪「ずっと笑顔な唯…かわいい///」
唯「憂ー、澪ちゃんにかわいいって言われたー!」ニマー
憂「っ…マジメに聞いて!」
澪「ごめん…」
唯「はいはーい」ニーッコォリ
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 07:51:14.31 ID:RCc2Ufh70
支援
憂「今8時だよ! なんで私に連絡しないの!」
唯「ごめんごめん」ニヘラー
憂「それに一階の廊下がびしょびしょ! タオルはかばんに入れて登校して、て朝言ったのに!」
唯「ごめんねー」ニマニマ
憂「あと置き傘はどうしたの!? 傘は壊れたから持ってって言ったよ!」
唯「えへー」ニィー
澪「わたし…部屋の外で待ってるよ…」ソローリソローリ
憂「なに言ってるんですか澪さん」カタ ガシッ
澪「はいぃ!?」クルッ
憂「お姉ちゃんの叱り方を教えますからちゃんと見ててください」ニコッ
澪「 」コクコクコクッ!
憂「ほらお姉ちゃん聞いてる!?」
唯「ごめんねうん」ペコチャン
憂「……」ジー
澪「はわわわ」アセアセ
唯「どしたの憂ー」ニコチン
憂「おうちのアイス、全部捨てるね」
唯「はっ!? ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」ドゲザゲザゲザ
憂「こんな感じです、わかってもらえました?」
澪「簡単…」
――結局説教の内容はさっぱり覚えてない♪
ずーっとふわふわな気分だったんだもん。
仲直りどころかカップルになれちゃうかもって思うとさ。
まあ
唯「まずは私の気持ちを決めないとね」
憂「なにか言った?」
唯「なんでもなーい」ニコッ
憂「?」
憂「ならいいけど」ニコッ
今は怒りきってご機嫌な憂。私達は相合い傘で帰宅中。
雨は行きと違って静かに降ってる。感傷に浸るにはもってこいの音だよ。
ほんとうはお泊りしたかったけど。明日も学校があるし、しかたないや。
それに、澪ちゃんが笑って見送ってくれたからね♪ 帰る時になぜか羨ましそうに見つめられたけど。
唯「ふんふんふん♪」
憂「よかったねお姉ちゃん」
唯「うん! だからもうあんなうれしい事、隠さないでね?」
憂「はーい♪」
――気持ち良く目覚めた朝。うん快晴だ。
憂も驚くほど私は早起きした。それでいつもより早く登校できた。
というのも携帯が壊れてて、夜は澪ちゃんと話せなかったんだよね。
だから欲求不満を晴らすべくノリノリで教室に着いた。
……なのに澪ちゃんがまだ学校に来てない。ぶぅ。
しかたないから自分の席で和ちゃんと話すことにした。
唯「おはよー和ちゃん」ニコニコ
和「3回目の挨拶でやっと反応したわね」
唯「あれそんなに?」ニコニコ
和「ええ、唯らしい顔してたわ」
唯「やだなー可愛いだなんて〜」テレテレ
和「あんたねえ……」
×……なのに澪ちゃんがまだ
○……なのに澪ちゃん達がまだ
和「それで昨日はどうしたのよ? 澪となにかあったみたいだけど」
唯「澪ちゃん来たの!」ガタッ!
和「いやまだよ」
唯「ちぇー」トスッ
和「だから昨日の話よ昨日の」
唯「えーどうしよっかなー♪」ニッコニッコ
和「いちいちムカつくわね。その様子だと話しても大丈夫でしょう? 憂は直接聞けって言うし」
唯「んー、あんまり言いふらしたくないな〜。まいっか」
唯「実はねえ・・・」ニヤニヤ
和「もったいぶらなくていいから」
唯「澪ちゃんから告白受けちゃいましたー」ニッコニッコ
和「え゛っ」
唯「あっ澪ちゃん!」ガタッ
澪「二人ともおはよう」
唯「みーおちゃーん!」ダキッ
澪「あっこら!///」
唯「ほれほれー」ホオスリスリ
澪「あんもぉ! からかうな!///」ゴンッ
唯「いたい! あたまぶったー!」パッ
澪「うるさい!///」
微笑ましいよきかなよきかな
律「私のポジションがなくなっちまったぜ」
唯「あっりっちゃんおはよー! そしてありがとー!」
律「へへっわたしのありがたみがよくわかっただろ?」
澪「それは梓だろ」
律「ぐさっ」
紬「あっ三人ともおはよう」
澪「おはよう」
唯「おはよー!」
紬「で、二人ともどこまでいったのかしら!」
――ムギちゃんのたわごとは無視するとして。
放課後部室であらためて、澪ちゃんと二人であずにゃんにお礼を言った。
情けない先輩達だ、て飽きられちゃった。でも憧れの人達でもある、て言ってくれた。照れますなぁ♪
唯「みーおちゃん」
澪「もうからかわないでくれよ? なんだ?」
唯「呼んでみただけー♪」ニコッ
澪「!/// からかうなって言ったよなあああ!!」ダッシュ!
唯「逃げろ〜」タッタッタッ
梓「今度は痴話ゲンカですか」
律「部室の中走り回るとか…バカップルめ」
梓「おお、唯先輩ってフェイントうまいですね」
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 08:24:54.64 ID:2n7IiG9sO
紬「みんなーお菓子おまたせ」コトッ
律「おおっホールケーキうまそうだな、てあれ?」
律「ムギ、さわちゃんの合わせてもフォークが5本しかないぞ?」
紬「ふふふ♪」
梓「あー……私が唯先輩と席替えますね」ガタッ
律「あっなるほどな、二人がどうするか見物だな」ニヤニヤ
唯「わ〜…クシュン!ッ」タッタッ
澪「つっかまえた!」ゴチンッ
唯「またあたまぶったー!」
END
まさか徹夜になるとは
内容が内容だけに寝オチだとすぐスレが落ちそうだから寝たくないし
というわけでありがとうございました
お?おわりか
お疲れ様とてもよいものが読めてしあわせです
乙
唯澪はやっぱり美しいな
乙
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 08:33:43.09 ID:w5bNehvCO
>>148 今見つけて読もうと思ったら百合か
帰るわ
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 08:53:08.83 ID:2vBHG46fO
乙
素晴らしい澪唯だった
>>25 ちょっとしたいことがありましてわざわざこんなスレタイになった
誰も「あれ?」って思うことなく読み終えたみたいね、それでも満足です
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 11:59:05.71 ID:y9b7sCqDO
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 12:38:08.01 ID:2vBHG46fO
それにしても
よく携帯からこんな長編投下したよな
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 14:07:25.96 ID:65a8uOp20
これはいい唯澪
乙
ただ時間が時間だな
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 14:44:28.65 ID:tU5MagXv0
唯澪はふわふわ
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 14:52:28.32 ID:UnDpXxoVO
よかった
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 15:09:25.64 ID:EGgGyX+g0
乙
よかった澪唯は俺得
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 15:42:48.47 ID:5t3bHxXO0
乙
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙
唯澪好きだ