唯「幸せの鏡」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
代理
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:01:04.19 ID:STasvQblO
>>1 サンクス。
さっさと始めていきます
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:02:31.40 ID:STasvQblO

 平沢家 夜

唯「わたし……憂のことが好きなんだ」

憂「……う、うん。私も、好きだよ」

唯「憂っ」

唯「ごまかさないで……気付かないふりをしないで」

憂「え、と……」

唯「憂の返事を聞かせてよ」

憂「い、いやっ……」

憂「わたし……違うのっ、お姉ちゃんのことは、そういう好きじゃないの」

唯「……」

憂「だから、ごめん……」

唯「……ほんとに?」

憂「ほんとに。……お姉ちゃんには、特別な気持ちは持ってない」
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:03:29.12 ID:StqgOCb10
大学1年の春、健康診断で尿検査があった。
看護婦さんに紙コップを渡され、尿を入れてきて下さいといわれた。
この時入学したばかりで緊張していたのかどうかは思い出せないが、
紙コップに尿を並々入れて提出してしまった。震度1で零れますよ、ぐらい。
零れないようにそーっと机の上に置いたら看護婦さんに

「(笑いながら)あんた! これ入れ過ぎよ!」

騒ぐな! このメス豚! などと罵りたかったがそうは行かず、とりあえず
愛想笑いと苦笑いが入り混じった笑いをクールにしようと思った。

「はは…、いや、間違っていっぱい入れちゃいました。すみません」

こんな風に落ち着いて言いたかったのだが、緊張やら恥ずかしいやらでもう舌が回らず

「フヒヒヒヒ! すいません!」

もろ変態みたいに言ってしまった。相当恥ずかしかったよ。その後ロボットみたいな歩き方でどっか行った。

5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:06:11.41 ID:STasvQblO

唯「そっか。じゃあしょうがないや……」

唯「ごめんね憂……困らせちゃったよね」

憂「ううん、気にしてないよ」

憂「お姉ちゃん、今まで通りに……ね?」

唯「うんっ、仲良くしよう!」

唯(……とか、ね)

――――

 翌朝

唯「……つぅ」ズキン

唯(あたま痛い……)

 コン コン

唯(……憂が起こしに来た)

 コンコンッ

唯「起きてるよぉ」
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:06:23.66 ID:StqgOCb10
大学2年の夏、飲食店でハンバーグセットを頼んだ。
可愛いウエイトレスさんに冷たい水を渡され、かしこまりましたといわれた。
この時一人で入店したばかりで緊張していたのかどうかは思い出せないが、
並々入ったコップをバシッ! と手で払い退けてしまった。あなた気が触れているのですか?、ぐらい。
テーブルの周りに毀れた水を店員にバレないようにそーっと大学のトイレからパクってきた
トイレットペーパーで吹いていたらウェイトレスさんに

「(バックからおもむろにう取り出したトイレットペーパに苦笑しながら)
 お客様ー! 大丈夫ですよー、私が吹きますから!」

騒ぐな! このメス豚!いや、美女か? などと罵りたかったがそうは行かず、とりあえず
笑いで誤魔化そうと思った。

「あっははは、すいません、ほんとおっちょこちょいなもんで」

こんな風に落ち着いて笑いたかったのだが、周りの客に持参のトイレットペーパーを見られたことで
緊張やら恥ずかしいやらでもう舌が回らず

「うはははは! うははははははは! うははははははは!」

もろ変態みたいに言ってしまった。驚愕の色を浮かべるウェイトレス。相当恥ずかしかったよ。
その後ロボットみたいな歩き方で笑いながらトイレ行った
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:06:54.45 ID:UAOM/SD90
支援
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:08:21.04 ID:U6dF15oJ0
しえん
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:10:17.42 ID:STasvQblO

唯「……憂?」

唯「……」

唯(なんで入ってこないんだろ)

唯(私が……怖くなっちゃったのかな)

唯(レズだから……憂が好きだから)

唯(襲われる、とか思っちゃうのかな?)

唯(憂はもっと頭いい子だって思ってたのに)

 ギュ…

唯(……寂しい)

唯「……」

唯「憂、入って来てよ」

唯「どうして入って来ないの?」

唯「なんか憂、いつもどおりじゃないよ」
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:10:39.99 ID:LtbvhceQO
ID:STasvQblO支援

ID:StqgOCb10どっかいけ、邪魔
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:10:51.62 ID:StqgOCb10
長いです。すいません。

 中学1年の頃、教育実習生として1ヶ月だけ国語の授業をすること
になった、ある女の先生がいた。その先生は背が小さく童顔で
とても可愛い、ロリコンでも幼女と間違ってズタズタに犯してしまいそうな
そんなロリロリな美少女だった。まだ慣れてない授業におどおどしながらする姿は
とても可愛かった。男子には絶大な人気を得ていた。僕はこの先生が好きに
なった。これは初恋だったと思う。
 僕は国語の時間が待ち遠しかった。楽しみだった。好きな先生に会えるから。

 ある日のこと。昼休みが終わってチャイムが鳴ったと同時にがらがらとゆっくりドアが開き、
先生が入ってきた。先生を見ると常に勃起する僕は勃起した。
 先生はまたおどおどしながら授業を始めた。何故か僕を見ながら「授業を始めます」
といった。目が合うとドキッとした。
 漢字の問題を生徒にやらせている先生の空いている時間、先生は突然
僕の横に来てそっと座った。いいいいい一体どうしたのだ!!!!!???
激しく動揺していると先生は授業中のおどおどしている様子とは打って変わった
非常に優しい声で話し掛けた。何故だ。今まで話し掛けてこなかったのに。
「さとる君、漢字は得意なの?」
「えっ、か、かかかかかかかか漢字は漢字です」
「くすっ。緊張しなくていいよ。もっと柔らかくね」
 まるで僕を誘惑するような言い方だった。これから僕はクラスメイトの前で
先生に犯されるのではないか?などと有り得ない妄想をしてますます動揺する。
「ねぇ、私の授業分かりやすい?」
「ジュギョウ、ワカリヤスイ!」
「あははっ。ありがとう」
「ありがと!」
 もはや会話になっていない。先生はオウムと話しているような感じだっただろう。
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:13:04.08 ID:STasvQblO

 …カチャ

憂「……起きてないじゃん」

唯「起きてますー」ブー

憂「起きないと、学校遅刻するよ?」

唯「んー」

唯(なんだろ、この感覚……)

唯「いいや。どうせ今日、終業式だけだし」

憂「そうだけど、さ……」

憂「……」

憂「お姉ちゃんこそ、いつも通りじゃないじゃん」

唯「……普通でいられたらよかったけどね」ハァ

憂「今日は休むの?」

唯「うん。めんどくさい」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:13:17.80 ID:StqgOCb10
「あのね、小学校の頃のさとる君見たことあるよ」
「べ!」
「庭で友達とローラースケートしてたよね。あの時さとる君可愛かったから、ずっと
さとる君のこと覚えてたよ」
「な、な、ななんで僕を見たんですか??」
「私さとる君の親戚だからね、おばあちゃんに用があってきたときに、見かけたの」
 次々と衝撃的なことばかり言ってくれるので、最早気が気でなかった。事実、気が
触れかけていた。
「先生もクレオパトラよりカワイイです」
「くすっ、ありがとう」
「僕は男なのに、なんで可愛いんですか?」
「母性本能をくすぐられるっていうかね、なんか可愛いの」
 先生は笑いながら微かに頬を赤くした。周りの席の男子女子は呆然としたまま僕らを
見ていた。その後眩暈がしながら国語の授業を受けた。席の前の女子に「動揺してたね」
と言われ、まだ動揺してたので「動揺してたね」とオウム返しした。すると先生はまた
心に激震が走るようなことを言った。「今日で先生の授業は終わりです」卒倒しそうだった。

 放課後、今日だけ友達とは帰らず、一人でとぼとぼと歩いて帰った。自転車で登校したのに、
自転車で登校したことを忘れていた。失恋のショックは大きかった。元気ないまま、帰宅すると
見知らぬ車があった。あれ、誰だろう?と思いながら家に帰るとなんと玄関に先生がいた。
 「うひ! うひ! うひ!」あまりの喜びに爆笑した。「あっ、さとる君!」と先生は
元気いっぱいに話し掛けてきた。「うひひひひひひひひひ! 先生がいる!どうしたんですか!」
かつてない笑いを零した僕をさっきまで先生と話していた母は信じられないという表情で見ていた。
だが今は母なんかに構ってられない。先生と最後の会話だ。
「今日で最後だから、一目見たくて来たんだよ。もう遠くに行っちゃうからね、私」
「あっ、ど、どどどうもです」
「これあげるね」
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:14:12.75 ID:U6dF15oJ0
>>10
NGしとけば?俺はすぐに消したぞw
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:15:51.32 ID:U6dF15oJ0
すまん、もしもしなんだね
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:16:08.65 ID:STasvQblO

憂「そう……じゃ」

 バタンッ

唯(……そんな強く閉めなくたっていいじゃん)

唯(なに苛々してるの、憂?)

唯(……私もか)

――――

 キィ パタン

 タ、タ…

唯「……」

唯(憂、行っちゃった)

唯「……ばーか」

唯(天井がとれて、空が見れたら気持ちいいだろうなぁ)
ハァ
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:16:24.16 ID:StqgOCb10
先生はとても奇妙な人形をくれた。一つ目ピエロでどこか不吉な匂いを伺わせる、
恐ろしい人形だったが先生がくれたということでとても可愛らしいものと思うように努めた。
「ちょっと待ってて下さい」
 僕は部屋に戻り、小学生以来鍵をかけて厳重に保管していたどんぐりを取り出し、先生に
プレゼントした。
「はい、魔法のどんぐりです」
「えっ、魔法?」
「空から降ってきたんです。このどんぐり」
 今考えると木から落ちてきただけのどんぐりである。背が小さくて馬鹿だったから空から
降ってきたと思い込んでいたのだ。そして中学生になっても馬鹿は変わりなかったから、信じ続けた。
「そうなの! ありがとう」
「どどどどどどどどんぐりです」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:20:36.79 ID:STasvQblO

 ブー ブー ブー

唯「ん」

唯(メールかぁ……)

唯「よいしょ……」カチ

澪『来ないのか?』

唯(……澪ちゃん)

唯(私が休んだ理由、わかってるんだ。……当たり前か)

唯(欠席したことじゃなくて、欠席した理由を心配してくれてる)

唯(「来れないのか?」じゃなくて「来ないのか?」だもんね)

唯『うん、休む』カチカチ

唯「そーしんっ」ポチ
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:21:05.24 ID:StqgOCb10
 そのとき、急に感動のお別れの時を母は邪魔し出した。なんだ、大切な時にこの人は。
「あんた、腐ったどんぐり先生にあげてどうするの!」
「だだだだだってこれ大切にしてたから」
「いえ、私嬉しいのでいいですよ」
 先生は心底嬉しそうな顔をしながらどんぐりをポケットに入れた。
「ほんとねえ、この子陽子さん(先生の名前)のこと毎晩言ってたのよ」
「えっ、そうなんですか?」
「うん、もうねよほど陽子さんのこと好きらしいよ。国語のテストで100点とって先生になでなで
してもらうのが夢とか、ねぇほんと。あはははは!馬鹿じゃないかしらこの子!」
 母は家で先生の噂をしていたことを暴露し出した。僕は恥ずかしくて死にそうだった。
「へー。じゃあなでなでしてあげよう」
 なでなで、と赤ん坊をあやすように言いながら玄関で頭をなでてくれた。勃起しつつ狂喜した。
「うひひひひひひひひひひひひひひ」
「やだあ。変態じゃないかしらこの子」
「そんなことないですよ。可愛いですよー」
「だでだでぼっどじでーーー(なでなでもっとしてー)」
 理性は吹き飛んでいた。


 …思い返すと死にたくなる。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:23:01.31 ID:UAOM/SD90
告白したこと知ってるのか
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:23:34.49 ID:STasvQblO

 ブー ブ

澪『そうか。ゆっくり休んだ方がいいと思う』

澪『今、みんなで唯の家に見舞いに行こうって話が出てるんだけど、止めようか?』

唯「……」

唯『澪ちゃんとだけ、お話したいかな』

澪『わかった。学校終わったら、一人で行くよ』

唯『ありがとう』カチコカチコ

――――

唯(11時かぁ……お腹減ったな)

唯(朝ご飯食べてないや。……憂、作ってくれてるかなぁ)

唯「……」

唯(もし、憂が朝ごはん置いといてくれなかったら)

唯(それって……)
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:24:08.34 ID:StqgOCb10
 中学1年の頃、クラスでまんこブームが起こっていた。円状な物はなんでもまんこに結び付け、
そして笑うという、一歩間違えれば病気みたいなものだった。性への関心が最も強い
時期だから仕方ないことかもしれないが、やっぱりどこかおかしかった気がする。
 例えば英語の授業でCDの絵が描かれているプリントを配られた場合、
CDは二重丸だからこれは「まんこ」という形でクラスの者は連想し、ククク
笑うのである。時には「うおおおお! 先生!これはまんこですかー!」
などと絶叫して笑いを取ろうとする勇者もいたが、勇者は無残にもその先生に死ぬほど殴られ
て撃沈していた。

 女子もククク笑っていたのだが、驚くべきことに大半の女子は「まんこ」
とは何かをわからずに笑っていたのである。男子はそこに目をつけ、からかった。
 この女子をからかう時は表現出来ない面白さがあった。

 ある10分休みの時間、席の前にいるツインテールの結構可愛い、比較的仲のいい
朝美ちゃんが質問をしてきた。
「ねーねーさったん。(俺のあだ名)素朴な疑問いい?」
「いいよ」
「まんこって何?」
「ククク…(笑いを無駄に押し殺しているから自然と変態みたいな笑いになる)」
「ねー、私みんなが笑うからつられて笑うんだけど、何かわからないの」
「えっとね、まんこって高橋のあだ名だよ」
「えー本当?なんでまんこっていうあだ名なの?なんでそれを笑うの」
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:26:19.57 ID:STasvQblO

唯「……頼んじゃおうかな」

 カチカチ…

唯『お昼ごはん買ってきてくれない? 澪ちゃんのぶんも出すから』

唯(……ほんとなら、憂に頼むべきことだよね)

唯(というか、帰ってきたらお昼ご飯になる、のかもしれないし)

唯(これを澪ちゃんに送ったら、私は……憂を拒絶するってことに)

唯「……えいっ」ポチッ

唯「押しちゃった」

唯「……」

 ブーッ ブーッ

澪『構わないけど、唯にたかるわけにはいかないよ』

澪『心配しないで待ってること。いいな?』

唯『りょーかいです』
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:27:46.52 ID:StqgOCb10
 半信半疑のこの困り顔をしている朝美ちゃんがこれまた異様に面白く、聞いていた周りの
男子も笑い始めた。俺はこの朝美ちゃんをこれから先もっとからかいたかったから、適当に
この場をごまかして上手く逃げた。朝美ちゃんは困った顔をしながら釣られて笑っていた。
 しかし次の時間からこの朝美ちゃんは恥を知らずに授業中であろうが廊下であろうが外で
あろうがどこでも金魚の糞みたいに俺にまとわり付き、しつこく同じ質問をしてきた。
「まんこって何。」よほど知りたかったのかも知れない。だが俺は頑として答えよう
としない。しかしここまで必死に真剣な表情で答えをせがまれると、なんだか次第に怖くなってきた。
「まんことは、女性器のこと」と暴露した時、もし彼女が急に鬼のように冷たい態度を取ったら
どうしよう、もうこれはからかうとかそんな問題じゃないのではないかと急に不安になった。
途中から「からかうために答えようとしない」ではなく、「恐れて答えようとしない」に
変わっていた。

 全授業が終わり、後はだるい掃除で今日は終わる。この朝美ちゃんと同じ班だった俺は、体育館裏の
掃除担当区域だったので、適当にほうきにまたがって空へ飛ぼうとしていた。掃除はいつも
サボっていた。空へは飛べなかった。そんな俺を見て、同じ場所を掃除している朝美ちゃんは
いつも注意してくれるのだが今日は注意せず、別のことを言い出した。例のまんこのことである。
 絶対に答えない俺に聞いて真実を知ることは不可能だと知った朝美ちゃんは放課後図書室へ
行くねと俺に不貞腐れた表情で言った。国語辞典で「まんこ」を調べるのである。真実を知った
朝美ちゃんはこの先どんな冷たい態度を取ることになるのか。もしかしたら絶交されるかもしれない、
もしかしたら女子に言い触らして皆から獣扱いされるかもしれない、…もう答えても答えなくても
恐怖はすぐ目の前に来ているので蒼白となった俺は取り乱し、わかった、わかった、
まんこの意味を教える、ごめんなさい、ともう怖くて泣きながら謝った。
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:30:03.25 ID:STasvQblO

唯「……えへへ」

唯「澪ちゃんもいいかも」

唯(……なんて言ったら、鉄拳飛んできそうだけど)

唯(こういうことが言える気分には、長い事なってなかったかも)

 グゥーッ

唯「……なに買ってきてくれるかなぁ」

――――

 キィッ…

唯「……」

唯「憂、おかえり……」ボソ

唯「……」

唯(澪ちゃん、まだかな)

 ピンポーン

唯(来たっ!)
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:30:27.19 ID:StqgOCb10
 突然めそめそ泣き出した俺に驚いた朝美ちゃんはどうしたの? どうして泣いてるの?と心配そうに
言った。 心配する様子を見て、ああ、その無垢で純粋な女の子に俺はなんて酷いことをして
しまったのだろうと後悔し、 更に泣いた。あぁ、もうこれで俺の楽しい学園生活は終わりなのかな、
でも仕方がない、俺が悪かったからと心を決め、死ぬ覚悟で伝えた。


「まんこって、ひっく、まんこって女のチンチンのこと…」
「えっ!!」
「ひっく、ごめん、ひっく」
「そうなんだ…」

 朝美ちゃんは困っていた。泣かれながらまんこの意味は女性器と伝えられるとどういう態度を
取ればいいのか混乱している様子だった。怒ったらいいのか笑ったらいいのか、多分わからなかった
に違いない。「うん、わかった。ありがとう」と朝美ちゃんは優しく言い、そしてなんか俺を
慰め始めた。
「でもさあ、泣くことないやん、ね、ほら、早く泣き止まないと泣いてるとこ誰かに見つかるよ。
私別に怒ってないから。ね」
 朝美ちゃんのお陰で泣き止んだ俺は、朝美ちゃんと既にホームルームが始まっている教室へ急いで
戻った。

 翌日から朝美ちゃんを見る度に、恥ずかしさのあまり気が狂いそうだった。朝美ちゃんは俺を
見るとクスクス笑っていた。
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:33:21.96 ID:STasvQblO

 トン トン トン…

唯「……」

 コンコンッ

唯「いいよぉ」

 ガチャ

澪「唯。気分は?」

唯「……どうかな」

澪「買ってきたぞ。すき家の牛丼」ガサッ

唯「おー、ありがと澪ちゃん」

澪「……なぁ、唯」

澪「憂ちゃんがいるのに、こうやって私に昼食を頼んだということは……その」

澪「……一番悪いパターンになっちゃったのか?」
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:33:59.79 ID:StqgOCb10
 今年、お盆の日にガキの頃よく一緒に遊んでいた親戚の千絵ちゃんの家に母と二人で行った。
もう千絵ちゃんとは5年ぐらい会ってなかったので、今千絵ちゃんはどんな女の子に変わって
いるのか大変興味があった。確か今女子高生だから、もう体は凄まじいことになってるだろうなあ、
うえへへへへ涎を拭いつつ、千絵ちゃんの家のチャイムを鳴らした。
 千絵ちゃんと千絵ちゃんのお母さんが玄関に来た。千絵ちゃんは昔と顔はあまり変わらず、
なんか童顔だった。貧乳で、全体的に小柄なちょっと可愛い少女みたいな感じ。ロリコンの僕は
意思に反して勃起した。やばいな、たっちゃったと思っていると次の瞬間、千絵ちゃんは僕を見るなりとんでもない発言をし出した!
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:34:33.03 ID:6/uokDPk0
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30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:36:31.55 ID:STasvQblO

唯「それは……分かんない。怖くて確かめられてないから」

唯「でもとりあえず、告白は失敗だった。私のこと、そういう好きじゃないって言われちゃった」

澪「……そうか」

澪「ごめん唯、役に立てなくて……」

唯「ううん。澪ちゃんに相談できただけで、すごく支えになってたよ」

唯「食べよっか」

澪「……だな」

――――

唯「よいしょっと」ガサッ

唯「ゴミはうちで処分しとくよ」

澪「あぁ、ありがとう。……」

唯「……」

澪「唯……これからどうするんだ?」
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:37:14.13 ID:StqgOCb10
「あっ! さとるおにいちゃんね、えっちなんよー!」

 なんと過去僕が千絵ちゃんに行った卑猥な出来事を玄関先で次々と暴露し出したのだ。
小学校の頃押入れに入れられておっぱい揉まれた吸われた舐められただの、変な言葉を言わされただの
えっちな本見せられただの数々の悪事をとても楽しそうに言った。多分、彼女は思い出の笑い話としていったのだと思う。
……だけど、僕の変態っぷりを千絵ちゃんの母親や僕の母親に生で聞かれるのは辛かった。さとるお兄ちゃんは超変態!って
出会頭それも僕らのお母さんがいる前で叫んでどうするんだ?と半泣きで聞いていた。もう手首切って自殺したかった。
千絵ちゃんは僕に似て昔から突拍子もないことをいう女の子というのはわかっていたけれど、これはあんまりだよ、もうちょっと
場を考えてくれと心の中で思った。
 それを聞いていた千絵ちゃんの母と僕の母は、あっはっは…と力のない笑いをし、ま、とりあえず
あがってと千絵ちゃんのお母さんは何事も無かったかのように言った。僕の母は真っ赤になりながら「あんたね!」と僕のお腹を
思いっきりつねった。母も恥ずかしかっただろうが、僕のほうが数倍恥ずかしかったと思う。
 千絵ちゃんのいきなりの発言にいささか頭にきた僕は思い切って千絵ちゃんの悪事も暴露しようかと思った。
千絵ちゃんは昔、僕と遊んでいる時千絵ちゃんが買っているインコを絞め殺したことがある。なんで千絵ちゃんが
そんな鬼のような行動に移ったのかわからないが、とにかくこの明るい少女はインコを明るく絞め殺した。
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:40:10.51 ID:STasvQblO

唯「これからって……」

澪「これからの、憂ちゃんとの付き合い方だ」

唯「付き合い方って……そんな、他人みたいな」

唯「……ううん。他人のほうがマシかもしれないぐらいなんだよね」

澪「そういう場合もあるってだけだ。まだ確かめてはいないんだろ?」

唯「そうなんだけど……」

唯「でも多分、憂は私を怖がってる。私のこと避けてるもん」

澪「怖がってる?」

唯「私の予想でしかないけど……私に襲われるって思ってるのかも」

唯「百合とかボーイズラブのエッチ漫画って、大抵そうやってむりやりのHで成立してそうだからさ」

澪「漫画みたいに襲われるかも、か。……そういうイメージは出来ちゃってるかもしれないな」

唯「うん、だから……」

澪「もう修復できないって、唯は思うのか?」
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:41:55.21 ID:StqgOCb10
「ぴーちゃん、ぎゅ〜〜〜♪」
「ゲーーーーーーーーー(インコの断末魔)」

 千絵ちゃんは「うひひひひひひひひひひひひ」と僕とそっくりな笑い声をあげた。さすが僕の親戚である。
僕はこのときの鬼畜的行為を働いた千絵ちゃんに震え上がり、しばらく千絵ちゃんに近づかなかった。
千絵ちゃんはこのことを親に嘘をついた。

「ぴーちゃんね、見たらなんか死んでた。私知らない」

 もう一つ千絵ちゃんはとんでもない悪事を働いたことがある。それは虫かごにいるカブトムシ達を大殺戮した
「カブトムシ事件。」千絵ちゃんはまずカブトムシの四肢をうひうひ言いながらもぎとり、動けなくなったカブトムシ
を順番に爪楊枝で突き殺すという何とも惨い殺し方で殺戮を楽しんでいた。そして死体だらけのカブトムシが
入った虫かごをそのまま土に埋めた。僕は止めろよ、と止めていたが千絵ちゃんはうるさい!と僕を跳ね除け
泣き虫だった僕はずっとカブトムシが殺されて行く恐ろしい光景を見ながらわんわん泣いた。
 この二つを暴露しようと思った。だがコレ、言うと大問題になるんじゃないか?と言った後のことを考えると
ちょっと怖かったので、もう、今回はしょうがない、黙っといてやろうと僕の優しさで内緒にするよう決めた。

 昼時だからお昼ご飯食べよう、と千絵ちゃんの母はナポリタンを食卓に出し、皆で食べた。千絵ちゃんはこの
食事中、また僕にイタズラされた過去のことを何か思い出したらしく、ナポリタンを食べながら黒いチンコを散々
見せられただの陰毛を触らされただの私のお尻を匂ってきただのとても楽しそうに暴露し出した。気まずい食卓。
先週世界の中心で愛を叫ぶを読んだ僕は、ひたすら心の中で「助けてください! 助けてください!」と連呼していた。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:43:20.20 ID:STasvQblO

唯「……無理だもん」

唯「今だって、ゴハンだよって呼びに来てくれない。休むって言っても心配してくれない」

唯「部屋に入って起こしてくれなかった。ちっとも笑ってくれない」

澪「……」

唯「もとに戻りたいよ……あれ以上なんにもいらなかったのに……」

唯「憂の笑顔が見たいよ……」

澪「……唯。顔上げて」

唯「やだ」

澪「いいから」グイッ

唯「なに、もう……」

 スッ

唯(ヘアピンが)

澪「唯、前見て」
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:44:18.46 ID:StqgOCb10
 小学4年の頃、一緒に登校していた女の子がいた。名前は真希ちゃんという、結構可愛くて
頭がよかったのでクラスで人気者だった。 僕はこの真希ちゃんの声が好きだった。
真希ちゃん自体はどうでもよかった。微妙にアニメ声で、声を聞いていると何ともいえぬ色っぽさ
があり、小さな悲鳴「きゃっ」などと発するときは無性にムラムラしてつい飛び掛ってしまいそうな
衝動に駆られることがしばしばあった。 もし今ドラゴンボールがあったなら、真希ちゃんを死ぬほど
苛めて嫌がる声や悲鳴を聞きたいな、という小学生にしては 随分マニアックな 願いをシェンロンに頼みたかった。
僕はどうも昔からSだったような気がする。
 確か7月ぐらいの、セミがうるさく、暑くて死にそうな日学校へ登校するときのことだった。
いつものように真希ちゃんと一緒に登校していると、 真希ちゃんがあまりの暑さによろめいたいのかこけそうになった時、
「あん…」ともの凄く色っぽい声を出した。僕も暑さにふらふらして元気がなかったが、この声を聞いた瞬間仙豆でも
食ったかのように突然元気になったというか興奮した。全身にエネルギーが満ち、動物並みの反射神経で その声に反応した。
「あーっ。真希ちゃんがえっちな声出したー!」
 やーん、違うよぅとまた色っぽく答える真希ちゃん。恥ずかしさと暑さで真希ちゃんの頬はより赤く染まり始めたことで、
僕はますます興奮した。可愛いすぎる。
「えー、絶対あんって言ったよ?」
 恥らう姿を見たいため、また話を振る。真希ちゃんは「違うったらぁ」と照れ臭くかぶりを振った。体がぞくぞくし、
猿のように何度も繰り返した。

「あんっていった。絶対いった」
「(頬を膨らまして)違うもんー」
「真希ちゃんエロいー。エロすぎるよ本当!」
「そんなこというさっちゃんの方がえっちじゃない?」
「違うよ。そんなことない。俺の百億万倍真紀ちゃんはエロい!」
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:46:13.93 ID:STasvQblO

唯(前を……)

唯「……あっ」

澪「笑って」

唯(……鏡が)

唯(ううん。憂が見てる……)

唯(澪ちゃんが後ろから見守ってる)

澪「……なあ、唯。こんなことで気は済むか?」

唯「……憂」ニコ

澪「唯?」

唯(憂が笑ってる……)

 ヒュオオ…

澪「っ」ブルッ

澪「ゆ、唯……なんか寒くないか?」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:46:28.91 ID:StqgOCb10
 このときの僕は女子社員にしつこくセクハラする変態上司とあまり大差はなかったかもしれない。真希ちゃんはあまり
しつこくいう僕に段々精神が参ってきたらしく、目をうるうるさせ始め、無言になっていった。僕はその目の潤いを感じ取り、
からかうことを止めようかどうか迷ったが、そのうるうるした目がとてつもなく可愛かったため、ますます過激にエロい吐息を
漏らしたことをサド全開でストーカー並に責め立てることにした。さあ! あの可愛い声で泣いてみろ!
もう真希ちゃんが立ち直れないぐらい苛めたかった。

「なんで、なんであんって言ったの?」
「どうしてあんって言ったの?」
「ねえなんで? なんで?」
「どうして?」
「どうしてあんとか言ったの?」
「普通言わんよ。あんとか。エロいこと」
「ねえ?どうして?」

 しつこ過ぎる質問に真希ちゃんはとうとう泣き出してしまった。ここで僕ははっとわれに返った。しまった、
なんてことをしてしまったんだ、と。気づいた時にはもう遅かった。泣き始めたころ、すでに学校について
いたので、真希ちゃんは「うえーん」と泣きながら教室へと入っていった。その泣き顔をみた真希ちゃんの友達がかけより、
どうしたの?と心配する。さっちゃんが、さっちゃんが怖いー、とそのまま真実を告白し始めた。やばいなあ、これから
女子達に相当怒られることだろうなあと机の上でガタガタ震えながらノートに迷路を書いている僕のところへ、真希ちゃんの
親友であるむっちゃんはつかつかと怒りながらやってきた。やってくるなりおもむろに僕の頭を思いっきりぶっ叩き、
「変態!」と罵った。迷路を書いてた鉛筆が前方に吹き飛んだ。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:50:04.03 ID:STasvQblO

唯「……」

澪「おい、唯っ!」ユサユサ

唯「憂がいる……」

澪「は……?」

 フワッ

澪「浮いっ!?」

唯「うん、憂だよ」

澪「ちがうっ、私たち浮いっ、浮いてっ!」

 ゴオオオオッ

澪「吸いこまれるうぅぅ!!」ギュウ

唯「澪ちゃん」

澪「唯っ、手離さないで、絶対手離さないで!」

唯「……フリをありがとう」

 パッ
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:50:14.76 ID:StqgOCb10
「ねえ、ばあちゃん、ちんちんかいて…」
 3歳の頃既にオナニーを経験していた僕はばあちゃんの家に泊まりに行ったとき
ばあちゃんに手コキをせがむようになっていた。両親にせがんでもしてくれなかった。
「またかね! さっちゃんは!」
と僕を別に怒ることなく、あれは寧ろ嬉しそうに手コキに精を出していた。
ばあちゃんはなかなかのテクニシャンで、10分ほどで3歳の僕をいかせていた。
3歳児が経験する絶頂はあまりにも強すぎる刺激で、もう体を仰け反りながら
ばあちゃんの愛撫を受けていた。絶頂に達すると「も、もういいよばあちゃん。ハァハァ」
と手コキのストップを出す。するとばあちゃんは「ひひ、そうかね!」と嬉しそうに
手コキを止め、仏壇に置いてあったバナナを僕に与えた。
 4歳の頃、ばあちゃんの家にあった電動マッサージ機を股間に当てると激しく
気持ちがいいことを知った。ばあちゃんがかいてくれるよりよっぽどいいと思った
僕はばあちゃんの家から電動マッサージ機を貰い、家でオナニーライフを満喫した。
隠れてやるわけではなく、父や母の前で堂々と見せつけんばかりにしていた。しかし
それを見ても両親は何も言わなかった。はぁはぁオナニーしている僕をただの観葉植物
か何かを見るように、オナニーするのが当たり前とばかりにずっと見ていただけだった。両親は
どう注意していいのか対処しきれず、もう放置していたのだと思う。だけどどんな注意
でもいいから、今考えるとしてほしかった。思い出したら恥ずかし過ぎる。
 こたつで父は新聞を読み、母はテレビを見ながらみかんを食べ、僕はお気に入りの電動
マッサージ機でオナニーとどこか異様な家族団欒の時を過ごしていた。親の前でオナニー
する行いは6歳まで及んだ。電動マッサージ機があってもばあちゃんの手コキもやっぱり6歳まで続いた。
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:51:17.34 ID:s5NgEgbeP
押すなよ!絶対押すなよっ!!
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:53:13.63 ID:STasvQblO

 ゴオオオォッ

澪「唯いいぃぃ!!」

唯(ここ、何処なんだろうなぁ)

唯(鏡はガラスと銀の膜を貼り合わせたものだって聞いたことがある)

唯(としたら、ガラスと銀の間なのかな)

唯「……ほんとだ、吸いこまれてってる」

唯「ジェットコー、スタっに、のってるみた……い」

唯「うっぷ」

唯(牛丼が……っ!!)

唯(だめ、もう限界……)

唯「おっ」ピュッ

 ゴボッ
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:53:35.51 ID:StqgOCb10
 それから16年の年月が経ち、一人暮しのアパートから実家へ帰省したときのことである。
久しぶりに母とばあちゃんと僕の三人でどこか食べに行こうかと車の中で行く場所を決めていた。
ばあちゃんは感慨深そうに僕を見ながら、突然昔話をし出した。
「そういえばさっちゃん、昔ばあちゃんにようちんちんかかせたわあ。覚えとうかね!」
 当時忘れたい思いでNO.1だったこの思い出は、ばあちゃんの昔話により見事その思い出を根元から
えぐり出された。「あん時のさっちゃん、ほんとかわいかったきね!今は只のおっさんに成り果てた!」
聞いていた母はどう反応していいのかわからない様子で、しきりに意味もなく車の点検をしていた。
恥ずかしさを通り越し、よくわからない殺意が沸いた僕は、エンジンのかかった車のアクセルを
めいいっぱい踏み、前の頑丈な塀に150キロで突っ込んで自分もろとも皆殺しにしてやろうかと思った
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:57:33.48 ID:STasvQblO

 鏡の中 唯の部屋

 カタン…カタカタ

唯「……ん?」

唯「またどっかに隠れてるのかな……」ギシッ

唯「憂ー、今なら見逃してあげるから出てきなさい」

 シーン…

唯「……」チッ

唯「腹に一発で済ませてやるから出てきなさい」

 ゴトッ

唯「後ろっ!?」ブンッ

唯「おえええぇぇぇ!」ビョー

唯「うわああああっ!?」

 ドムンッ

唯「おごぽっ」

唯「ひっ」
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 18:58:01.87 ID:StqgOCb10
僕が初めて一人で美容室に行ったときのこと。中学までおじちゃんが切ってくれる
床屋で済ませていたので、女性が切る美容室に行くのはかなり恥ずかしかった。
それまでに一回行ったことがあるのだが、床屋のおじちゃんはずっと始終無言で接してくれて
楽〜な姿勢で切ってもらえるが、美容室の女性となるとこれはもうペチャクチャお喋りが止まない
ぐらい話題を振ってくる。何を話せばいいのか分からず、母と行ったときずっと凍ったように
カチンコチンのまま「はい、そ、そうですよね(引き攣った笑い)」の繰り返しで済ませていた。
それ以来もう美容室なんて行くもんかと決めた。

 だけど悲劇は訪れた。ある日母親から変態みたいに髪が伸びてるから散髪行ってきなさいと言われ、3000円渡された。
 3000円を握り締め、自転車でだるそうにウィリーしながらいつもの床屋に向かった。だがいつもの床屋は2週間前ぐらいに
潰れていたのを思い出し、あと近くにはあの恐ろしい美容室しかないことに気付いた。むぅ、どうするか。当時「美味しんぼ」の
海原雄山に憧れていたのであのどっしりとした腕を組んだポーズをとりながら「うーむ」と声に出して考えた。
傍から見たらただの馬鹿である。
 うむ、もう高校生なんだし、僕は大人だ。よし、美容室ぐらい行くか!と覚悟を決め、あの女性ばかりいるハーレムの場所へ向かった。

 15分ほどで着き、ドキドキしながら店に入った。すると店員はすぐに反応し、「いらっしゃいませー」と
とびっきりの笑顔で対応する。僕は恥ずかしがってクールを気取ろうとカッ、と足を前方に出し、
モデルみたいなことを無意識にしてしまった。それに自分が気付くと、うわ、何やってんだ俺、と顔が
恥ずかしさでかーっと火照り始め、足を引っ込める。ドアの前でまごまごしていると美容室のお姉さんが
こちらへやってきた。「今日はカットでよろしいですかー?」またカッ、と足が出てしまった。引っ込める。
また足が出る。この時も海原雄山の真似で腕を組んでいたので、その様子はさながら直立したままのコサックダンスのようだった。
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:00:21.56 ID:STasvQblO

 ビッチャア…

ゲロ唯「……」

唯「はぁ、コホッ……」

唯「ご、ごめんなさい、私、あのっ」

ゲロ唯「うーいー……」

唯「う、酸っぱい」

ゲロ唯「本気で殺す、今のは絶対許さない」フラッ

唯「あれ? 君……」

ゲロ唯「黙らあああ!!」ブン

唯「ひゃあっ!」スカッ

ゲロ唯「今度という今度は、もうね、ほんとっ」

ゲロ唯「死ね憂っ!!」

唯(憂……?)
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:00:24.04 ID:UAOM/SD90
what?
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:00:54.45 ID:StqgOCb10
 恥ずかしくて顔面が鬱血し、破裂するかと思った。美容室のお姉さんはビクビクしてる僕を見て笑い、
「じゃあ、こちらへどうぞー」と僕を案内した。必死に僕は冷静なんだ、と相手に悟らせるため、あの海原を
思い出し、「うむ。」と答えた。ロボコップみたいな歩き方で散髪する椅子へ緊張した面持ちで向かった。
 やはりここは冷静であることを見せるため豪快に座らなければならない。
 どかっ、と首が45度曲がったままイカれた社長みたいな座り方をすると、ぷっ、と美容室のお姉さんは噴出した。

「そんな、こちこちにならなくてもいいよ」

 「はむ(笑)」と僕は答えた。「うむ」と「はい」が混ざったのだ。ますます恥ずかしい。どうにかして平静を
取り戻さなければ。

「今日はカットでいいかなー?」

 むっ! なんてことだ、急にタメ口になりやがって、このメス豚! 僕を見下し始めやがった!なれなれしい口調に
いささか腹を立てた。僕は威厳を見せるためますます海原雄山のポーズを取り始めた。ぶっきらぼうに

「あぁ、カットでお願いしたい」

 自分で書いてても恥ずかしい台詞を吐いた。店員はすかさず聞いてきた。「今日はどんな風にする?」

「眉毛が隠れるぐらいで、あとは適当に」
「横は髪が隠れるぐらい?」
「ん、まあはい」
「後ろはどれくらい?」
「えーと、お任せします」

 いちいち注文の多い床屋だな。イライラしてると、やっと髪を切り始めてくれた。

 が、緊張していたせいか、突然凄くおしっこがしたくなった。5分ぐらいするともはや我慢出来なくなり、
くねくね椅子の上でタコのように体をうねり始めた。店員はその異常な動きに気付き、「どうしたの?」と聞いてきた
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:03:14.00 ID:STasvQblO

 ガチャッ

憂「お姉ちゃん、呼んだ?」ニコニコ

ゲロ唯「えっ?」ピタ

唯「……」

憂「わ、お姉ちゃんゲロまみれだし二人……いるし」

憂「え? 天国?」

唯(憂が……)

ゲロ唯「こんなゲロ臭い天国なんかないよ! ちょ、ちょっと……」

ゲロ唯「だ、誰なのあなたは?」

唯「……私?」

ゲロ唯「……」コクコク

唯「平沢、唯」

ゲロ唯「唯、なんだ。憂じゃなく」
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:03:40.76 ID:StqgOCb10
(だがここでこの僕ともあろうものが女性の前で厠に行きたいなど言語道断! 絶対に我慢しなければならない!)

 こんなわけわからん決意を固め、「いえ、大丈夫です」と女性店員に散髪を続行させた。この女性店員は
切羽詰まった表情をしている僕に話しかけにくかったらしく、あまり話題を振ってこなかった。

 我慢し続けて20分後、洗髪に入った。「はい、洗いますよー」と仰向けにされ、顔にガーゼを被されて視界が閉ざされる。
仰向けにすると膀胱を刺激し、もうこの場で「シュボーーーーーーーーーー!!」と音を立てて失禁するとどんなに楽なの
であろうか? などと放尿シーンを想像すると、本当に出そうになった。出る。出らん。出る。もう出る。出ちゃう。漏れる。
「出る」「出る」「出る」「出る」「出る」「出る」と脳がしきりに警告を出し始めた。もう終わりだーーー!!!と心の中で叫び、
観念してトイレに行かせて貰うよう店員に頼むことにした。

「ひょいれ…」
「えっ?」
「ひょいれ行かしぇてくらさい・・・」
「あれ、さっきから我慢してたの!?」
「ひゃい・・・」

 情け無い声で、もう海原雄山もクソも無い光景だった。シャンプーで泡だった頭のまま立ち上がると店員さんはタオルで
泡立ったまま頭を拭いてくれて、首にタオルを巻きつけたままトイレへよろよろしながら行った。

 会計時。店員は「うふふふ」と笑っていた。金を払い、どうも、と一礼すると「ありがとうございました」のあとにまた「うふふふふ」と笑った。
 ひひ!と僕は笑い返した
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:06:28.49 ID:STasvQblO

ゲロ唯「……」ビシャ

憂「お姉ちゃん?」

ゲロ唯「近づかない」

憂「……ハイ」

ゲロ唯「……シャワー浴びてくる」

 ベチャ ビチャ

 バタン

唯「……えっと」

憂「お姉ちゃん、なんだよね?」ニコッ

唯「う、うんっ」

憂「近く、いっていい?」

唯「だ、だめだめっ、臭くなっちゃうよ。……あ、そうだ掃除しないと」

唯(……)
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:06:51.20 ID:StqgOCb10
小3の頃、まだ母と一緒に風呂に入ってたときのこと。
 この時期僕は「ちんぽ」だの「肛門」だの下劣な言葉を非常に
好んでいたので、いつもの如く風呂の中でマリオの音程に合わせながら

「ちち、ちんぽぽっぽ。っぽ。ちんぽっぽ、ぽっぽっぽぽぽぽぽ」

 無邪気な笑顔で水鉄砲を打ちながら歌っていた。母はそれを聞いて、突然
「ねえ」とにんまりとした笑顔で「チンポマリオ」を歌ってる僕を呼びかけた。

「そんな汚い歌歌わないでさ、あのね…ひひひひひひひ」

 何か興味津々、みたいな非常ににやけた顔で僕の顔を見ながら言った。
いつもだったら軽く注意するのに…。かつてない笑顔と態度を現した母をかなり
不気味に思った僕は歌うことを止め、「な、何」と恐る恐る反応した。

「あのね、男の子のアソコって、ちんちんでしょう」
「う、うん」
「じゃあさ、女の子ね、あそこのことなんていうか知ってる?」
「え? ちんぽじゃないの?」
「違うよ。もう一つ呼び名があるのよ」

 なんと! もう一つ呼び名があるとな! 脳天に稲妻が落ちてきたかのような
強い衝撃を受け、その呼び名を早く知りたい一心で「えっ、な、なんなのそれそれそれ」
短時間でしつこく聞いた。

「えっとね、これ誰にも言ったらダメよ」
「うんうん!」
「女の子のちんちんは…」
「……」
「まんこって言うのよ」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:07:30.17 ID:U6dF15oJ0
なにがどうしてどうなったw
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:10:11.57 ID:STasvQblO

憂「えっと、じゃあ私が何か拭くもの持ってくるね!」

唯「うん、よよろしく!」

 ガチャッ パタパタ…

唯(……えっと、えっと)

唯「……」

唯(分かんない……)

唯(夢? でも、さっきのお腹を殴られた感じとか、ゲボ吐く感覚とか、すごく……現実だった)

唯(そもそも私は寝てもいないし……)

憂「お姉ちゃん、雑巾持ってきたよ」

唯「あっ、うん、ありがとう憂!」

憂「……エヘヘ」

唯「?」

憂「ありがとうって言ってもらっちゃった」ニコッ
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:10:37.97 ID:StqgOCb10
 まんこ……。なんだか光が世界に溢れ出したような、希望に満ちた素晴らしい言葉のように思えた。
東から太陽が昇る……日の出……そんな想像をした。

「まんこ!」 暗記するように呟いた。
「そう、まんこっていうんだけど、これ人に言っちゃだめよ。皆知らないからね」
「まんこ皆知らないの?!」
「うん」

 み、皆知らない。。。僕とお母さんだけが知ってる秘密の言葉ナノカア。
しかも女の子のちんちんの呼び方があっただなんて…。数分で数々の感動を
与えてくれた「まんこ。」なんだか凄まじく嬉しくなり、風呂場で勢いよくこの喜びを抑えきれず体で表した。
つまり浴槽の中で暴れだしたのである。

「うひょーーーーーー! まんこー! まんこちんぽまんこちんぽまんこちんぽ!!」
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:13:27.88 ID:STasvQblO

唯「……う、うい?」

憂「お姉ちゃんは優しいんだね」

唯(……)

唯「そんなワケないよ。私が優しいなんて」フキフキ

憂「ううん。会って間もないけど分かるよ」ゴシゴシ

唯「あの人……憂のお姉ちゃんにゲロかけたけど……」

憂「それは仕方ないよ。お姉ちゃんが乱暴したんでしょ?」

唯「うーん……どうかな」フキフキ

憂「お姉ちゃん……私ね、お姉ちゃんに嫌われてるんだ」

唯「えっ? ……ああ、ゲロをかぶった方」

憂「うん、ゲロのお姉ちゃん。……ややこしいね」

唯「……そしたら、ゲロの唯ちゃんって呼ぼうかな?」

憂「汚いよぉ、その呼び方」クスッ

唯「憂が言ったんじゃぁん」クスクス
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:13:37.30 ID:StqgOCb10
 暴れながら大声で卑猥な言葉がこだまする。母は周囲が心配になったのか、「声が大きいよさっちゃん」
と注意した。だが狂気乱舞している僕の耳にはそんな蚊の鳴くような注意は全く入らず、ますます
叫びはヒートアップした。面白い! なんて面白い言葉なんだ、まんこって! もっと叫ぼう! まんこ!

「まんこおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「黙れええええええええええええええええええ!!!」

 母は昔からキレやすい。注意を聞かない僕にキレた母は僕を浴槽に頭から抑え付け、
お湯の中でガボガボ溺れそうになっている僕の頭を水中でゴツゴツと叩きまくり、「愛の躾」をした。
僕は小さい時から体が弱く、この時点までに20回ほど入院経験がある。このショックで翌日、39度の高熱が出てしまった。
 母はハアハアと意識朦朧としている僕の看病をしながら、泣いて謝った。「ごめんね。私親失格よね」
高熱が出た今はそんなことなんてどうでもよく、食欲がなくて何も食べれないから僕の大好きな
棒キャンディのアイスクリームが食べたい、と頼んだ。すると母は泣きながら急いで買いに行き、ほんの十数分で戻ってきた。
「わあ」と視界が定まらない状態で棒型のアイスクリームをゆっくりと齧った。だが大好きな棒キャンデーの
アイスクリームも食べれず、「べえ」と吐き出し、あまりに自分が悲惨な状態だったので「うえぇぇええ」と泣き出した。
何も食べれずこのままだと死んじゃうかと思ったからだ。
 それを見て母は良心が更に傷ついたのか、「おおおおおお」とゾンビみたいな怖い泣き声を僕の枕元であげた。

―――馬鹿親子の悲しいおもいで。
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:16:17.14 ID:STasvQblO

憂「えへへ……ねぇ、お姉ちゃん」

唯「うん? なぁに」フキフキ

憂「お姉ちゃんは、どこから来たの? どうしてここに?」

唯「……どう説明したらいいかな。鏡を見つめていたら、吸いこまれたんだ」

唯「憂に……憂の笑顔に会うために、来たんだと思う」

憂「わ、なんだかすごい話だね」

唯「信じてない?」

憂「信じてるよ。お姉ちゃんだもん」

唯「ゲロの唯ちゃんは?」

憂「……誰だって、自分のことを嫌いな人より、好きな人を大事にしたいって思うものだよ」

唯「……確かに」

憂「だから、私は」

唯(……)

憂「すごく混乱してる……」
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:16:49.28 ID:StqgOCb10
 小学校時代の或るクリスマスの朝。目覚めると、枕元に何かでっかいものを感じた。
はーーーーーっ!!!もしやーーーーーーっ!!!!!! と直感しその赤いリボンが巻かれた
でっかい袋を原始人のように大急ぎで千切って開けると、やっぱりあった!

「ホッピングだ!」

 今から遡ること一ヶ月前、友達の家に遊びに行くと、その友達がホッピングで跳ねてケラケラ
笑っていたのを見かけた。その光景は何かとても楽しそうだった。僕は「なあに、それー!」 興味津々で聞くと
「えへへー、ホッピング」と楽しそうに答えた。

「この前お母さんに買って貰った」
「へえ、いいなあ」

 ビョンビョン馬鹿みたいに跳んでる友達を見ながら、(今度お母さんに買って貰おう)と思った。
しかし(あっ、でもお母さんいつもお金ないって言うから頼むの悪いかな。。)と僕はおかしな所に気を使ってた子供なので、
一回頼んでダメだったら諦めようと思った。

 ホッピングのことしか考えず自転車で家に帰ってると、家の近くの自動販売機に突っ込んだ。
この自販機に恨みでもあるのか?と問われそうなほど豪快な突っ込み方だったので、この自動販売機は下の方がベコンと凹んでいた。
だが僕も結構大きな怪我をした。右足全て擦りむき、血がドクドク出ている。しかし不思議とあまり痛くなかった。
神経までホッピングで夢中だったのかもしれない。
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:20:09.64 ID:STasvQblO

唯「……うん」

憂「私はね。お姉ちゃん……ゲロのお姉ちゃんが好きなんだ」

憂「昨日から、お姉ちゃんを見てたら急にドキドキして、色々アタック仕掛けちゃって」

憂「それだけでも凄く困ってた。今までは私たち嫌い合ってたのに……今は私が自分を抑えられない」

唯「……」

憂「なのに、ね。こうやっていきなり別のお姉ちゃんが現れて」

憂「こんなに優しくされちゃったら、ね」

 パシャッ

唯(ゲロ踏んでる……)

憂「分かるよね、お姉ちゃん?」

唯「あっ……?」グイッ

唯(なに?)

 チュウ
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:20:46.18 ID:StqgOCb10
 それほど期待しながら家に帰り、心臓をバックンバックンさせて洗濯物を干してる母に言った。「ね、ねえお母さん…」
もう息がハアハアしてる。多分ダメだろうけど、もし買ってくれたら…。「いいよ」という答えが返ってきたら
もうそれは射精より気持ちが良かっただろう。どう返事が来るだろうか…。期待を胸に、決心して言った。
「ホッピング買って…」母は言った。「お金ないからダメ」 いつも通りの答えだった。こういわれるのは分かっていた。
そうなんだ、期待していた僕が馬鹿だったんだ、と母の短いながら重過ぎる一言で現実を残酷なまでに叩きつけられ、
少しでも夢を見た僕がとても幼稚な子供に思えた。当たり前だ、買ってもらえるわけないじゃないか。
そうクールに吹っ切れたかったが、まだそこは子供でなかなか吹っ切れない。ホホホホホホホホホッピングが欲しくてたまらないのだ。
 僕は、それまでの僕らしくない行動をとった。通常は一回頼んだら諦めるのだが、このときばかりは違った。
もうホッピングがどうしても欲しいのだ。ただビョンビョンあほみたいに跳ぶ下らない玩具だが、あの友達の嬉しそうな顔を思い浮かぶと
どんなに楽しいものか試してみたくてたまらなかった。

「ねえお母さん…」
「何よ」
「ホッピング」
「馬鹿! あんな高いもの買えるわけないでしょ! あんた病弱でこの前入院したばっかりなのに、どこにそんなお金があるの?
言ってごらんなさい! あ、この先風邪引いて入院しないで、死んでもいいんだったらいいよ」
「死んでも欲しい」
「さっちゃんらしくないね。どうしたの?」
「ホッピングウ」
「ダメったらダメ!!!」
「ホッピング…」
「しつこい! うるさい! ダメ!」
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:23:19.14 ID:STasvQblO

憂「んむっ」チュッ

唯「……」

憂「……ごめんね」

唯「いまの……キス?」

憂「うん、キス……」

唯「なんで?」

憂「好きなんだもん……自分でも分かんないよ」

唯「そ、そっか」

唯(頭が追いつかないよ……)

唯(なんかクサいし……!!)

憂「……お姉ちゃん、もう一回いい?」

唯「だ、だめっ、やだぁ!」

憂「……」
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:23:57.54 ID:StqgOCb10
 散々の言われようだが、僕はこれから1ヶ月、諦めなかった。何故なら1ヶ月先に願いの叶う日「クリスマス」という
ラストチャンスがあるからだ。このころサンタなんか既に信じてなく、家族の誰かが買ってくれてるだろうと分かっていた。
だが母が承諾しなければ「ホッピングが枕元に置かれる」奇跡は起きない。この奇跡を起こすために、僕は死に物狂いで母に頼んだ。
 家族で食事している最中も母に頼んだ。「ホッピング」 バン! と箸を置き、「うるさい」と凄みをきかせていう。
だが僕はめげない。母とお風呂に入ってる時も「ホッピング」 バシャッ! とお湯を顔面にかけられる。宿題を終えたことを母に告げた
後「ホッピング」 「ホッピング」「ホッピング」「ホッピング」「ホッピング」「ホッピング」「ホッピング」「ホッピング」
もう母がノイローゼにかかるぐらいホッピングをねだった。「いいよ」という言葉を待ち続けて。

 だけど、とうとう母はクリスマスまで承諾をしてくれなかった。クリスマス前夜、布団の中で悲しくてシクシク泣いた。あれだけ頑張ったのに。
ホッピングは手に入らないのだ。正月のお年玉で買おうにも、そのお金は母がいつも「入院費」と言って取るのであてにならない。
いつの間にか号泣に変わり、わあわあ泣いていた。泣いていると喉が渇いたので自室から居間に出た。居間で父はコーラを飲みながら
映画を見ていた。父は号泣している僕に驚き、「なんかあったんか」と聞いてきた。「ホッピングウ」と言うと、父は悲しそうな顔をしながら
「明日サンタさんが持ってくるよ」といった。父はコタツに僕を入れ、コップにコーラを注いでくれた。
この夜、しばらく父と二人でコーラを飲みながら「お母さんはどうして鬼畜生なのか」ということについて語り合った。

 そして、クリスマスが到来し、やっと手に入ったのだ。念願のホッピング。本当に嬉しかった。後から聞いた話だが、
この一ヶ月のあまりに惨めな僕、断固としてホッピングを買ってやらない鬼のような母を見て父は泣きながらこっそり
ホッピングを購入したという。父は母に「あんなにねだるの、見たこと無いぞ。可哀想だから買ってやれ」と言ったらしいが
母は「甘やかせたらダメ」の一点張りでどうしようもなかったという。そんなホッピングにまつわる馬鹿な思い出。
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:24:01.04 ID:fi9lrSUX0
たまげたなあ
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:26:13.22 ID:STasvQblO

憂「どうしてだめなの?」

唯「だって……私、さっき」

唯(ファーストキスがこんな酸っぱい味だなんて……)

唯(でも私、憂と……ううん、違う! この子は憂じゃないよ、きっと別人……)

憂「……お姉ちゃん、けっこう乙女だね?」

唯「それ以前の問題だよっ! 憂もちょっとは気にしてよ……」

憂「ん、ごめんね……でも」

唯(ここは私のいた世界じゃないはず、よく似た別世界なんだ)

唯(だからこの子は……憂じゃ)

憂「もうわからないんだ。汚いとかイヤとか、お姉ちゃんにそんな感覚もてないの」

唯(憂じゃないのに……どきどきする)

憂「お姉ちゃん、好き……」

唯「……私も、うい好きだよ」
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:26:26.57 ID:StqgOCb10
 中学校の頃「まんじゅう」を女子に10回言わせて笑うという一種のセクハラが
ブームとなっていた。まんじゅう、をずっと続けていうと次第に舌が回らなくなり、
「じゅう」が「じる」となる。「まんじゅうまんじゅうまんじるうまん汁まん汁」といった按配で
言うにつれどんどん卑猥な言葉に変わっていくのだ。真面目な女子などにそれを
「クイズ」と称し、何のクイズかわからないが、「まんじゅうって十回言ってみて」とお願いする。
わけのわかっていない女子は素直に「まんじゅう」を十回言い、見事意図通りに「まん汁」へと変化した。
僕ら男子は「うわー! まん汁とか言いよう井上さん!」といつも真面目な女子が顔に似合わず
とても卑猥な言葉を言うというギャップに腹抱えてゲラゲラ笑うのである。女子はまん汁が何か分かっていなかったので、
キョトンとしていた。その表情もまた一層笑いを引き立て、この凄まじい笑いを出力するには声だけでは物足りず、
次第に僕ら馬鹿男子らは全身を使って笑いを表すようになっていった。掃除箱に走っていって突っ込んだり
ゴミ箱にダイブしたり机にあたまを打ちまくったり打ち所が悪かったら後遺症が残っていたかもしれないほど
笑いに悶えて暴れていた。その狂った様子は女子から見ても馬鹿すぎて笑っていたので、その女子から
笑われていることにまた笑いが起こり、もうキチガイみたいに男子達は笑い声をあげていた。

 そんなまんじゅうブーム真っ只中のある日のこと。学校が終え家に帰ると母がタイミングよくまんじゅうを食べていた。
僕はまんじゅうを見るなり学校の出来事を思い出し、笑いが堪えきれずまんじゅうを見て爆笑した。
突然和菓子を見て笑い出す息子に母はまんじゅうを吹き出し、吃驚していた。

「え、な、なんで笑ってるん?」

 このときいつも笑いものにしていた真面目な女子と母が驚くほど重なって見えた。
すると、つい反射神経でいつもどこかに突っ込んでる癖が出てしまった。「まん汁!」と笑いながら
おもむろに本棚へダイブしてしまったのだ。母、大驚愕。

 そのあと母が「脳の病院行こう」とマジな顔していうので誤解を解くのに必死だった。思い出してもえらい恥ずかしい。
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:30:12.47 ID:STasvQblO

憂「でも、それは……」

唯「憂とおんなじ意味で言ってるよ」

唯「好き。好きだよ、憂ぃ」ギュッ

憂「ふぁっ……」

 チュッ

唯「憂……好き好き、大好きぃ!」チュ チュッ

憂「ん、ぅぁ、はっ……」

唯(やっちゃった)ボー

唯(どんどん戻れなくなってるよ……)

唯「……」

憂「お姉ちゃぁんっ」ギュー

唯「うい……」

唯(ごめん、ごめんね……)
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:30:25.84 ID:StqgOCb10
 最近の趣味といえば、いや、趣味とはいえないけど夜中自転車にのって近所を散歩することがマイブームである。
 僕が今住んでるところは結構田舎で、夜中人や車が出てるところはあまり見かけない。だから安心して気軽に散歩が出来る。
 以前まではただ単に夜の風景を見ながら自転車を漕いでいただけだったが、近頃自転車に乗りながら変なことをすることが多くなった。
夜中滅多に人が通らないので、かめはめ波を打つ真似をしたり、両手離しでラジオ体操の真似をしたりして遊んで(?)いる。

 さっきそれが災いして警察に職務質問を受けた。

 職質される前、僕は蝶を頭の中で描きながら両手をなびかせて自転車を漕いでいた。ちょうちょ〜、ちょうちょ〜
と鼻歌を歌いながら。そのまま本当にお花畑へ行ってしまいそうな危険な様子を、前方に待機していたパトカーの中の人は
僕をじーっと見ていた。それに僕は気付いていたが、まあ何にも言われないだろとあまり気に留めず、パトカーの前を
蝶のように通りすがると、突然パトカーから「ビーーーッ!!!!」と世の終わりを告げるような恐ろしい音がなった。
それまでお花畑ワールドでのんびりと蝶になって浮遊していた僕はその音に狼狽し、羽を引きちぎられたみたいに安定感を失った。
幸いなことにあまりスピードを出していなかったので、そのままパタン…と行き倒れのように自転車と共に倒れた。

 パトカーから警官が4人ほどバラバラと降りて僕のところへ駆けつけた。倒れたまま僕はその警官達を見て驚き、
何事か! といわんばかりの顔で警官達を睨み付けた。警官達もまた何事か! と言わんばかりの顔で僕を見ていた。
 しかし物騒な警官達は自転車と僕をゆっくり起こさせ、大丈夫? と親切に尋ねてくれた。おぉ、優しいポリスマン。
世の中捨てたもんじゃないな(涙)、と感動していると一人の冷たそうな警官が「ちょっと今から聞きたいことあるけどいいかな」
事務的な口調で職務質問を始めた。

「あのね、さっき両手を離してヒラヒラしてたでしょ。何してたの?」
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:33:30.64 ID:UAOM/SD90
支援
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:33:43.09 ID:STasvQblO

唯「大好き……ずっとずっと好きだった」

憂「……ずっと?」

唯「……」ギュッ

唯「だって、別人なんて思えないよ。こんなにそっくりで……」

唯「……私のこと、愛してくれるんだもん」

憂「私は、あっちの私の代わり?」

唯「代わりなんかじゃ……」

憂「いいんだよ、私なんて代替品で。お姉ちゃんに愛してもらえるなら、それで」

唯「ちがうよ……」

憂「そうやって否定してくれるってだけで、嬉しいよ」チュッ

唯「んむぅ」

唯(……いいのかなぁ)

唯(こんな、何も考えずに幸せになっちゃって)
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:34:54.94 ID:StqgOCb10
困った。何ていえばいいんだろう。ちょうちょの真似をしていました、とか言ったら完全なる電波な人と思われるし…。
どういえばいいんだろう。。。考えてもわかんかったので、僕はなんとか誤魔化そうと適当な言葉を言い続けた。

「えと、あの、えと、その、それが、その、えと、ははは、はは、は、ヒラヒラは、へへ、へ」
「まあ理由はどうでもいいけどね、ああいう運転の仕方は危ないから止めなさいね」
「は、はい」
「それから、最近盗難が多いから、ちょっと協力させてね」

 それから15分ぐらい4人に徹底的に職務質問されて、とんでもない辱めにあってしまった。まるで精神を輪姦された気分で
帰宅し、今こうして書いている。恥ずかしかった。。
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:36:31.27 ID:STasvQblO

 バタンッ

唯「!!」サッ

憂「あ……」

ゲロ唯「……掃除はありがたいけど、換気くらいして欲しかったな」

唯(……見られてない?)

唯(見られたからってなんだって言うんだろ……)

ゲロ唯「憂は早く私の部屋から出てって」

憂「……はぁい」

 スタスタ

唯「う、憂!」

憂「また後でね、お姉ちゃん」パタン

唯「……うん」

唯(後って、いつ?)
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:37:00.16 ID:StqgOCb10
中学の頃、皆やたらと下ネタにハマっていた。クラスの男子が「マンコ」と呟けば
言えばみんな爆笑するし、クラスの女子に輪ゴムを持った男子が「全身縛ってやる!」とでもいえば爆笑の渦だった。

こんなことを皆毎日言って笑っていた。だが俺はシャイだったので、
そんなことは考えていても口には出せず、ずっと黙って聞いて笑っていた。
そんなある日、くそぅ…俺でも皆がウケれるようなことは出来ないのか、
皆一人はネタ披露して絶対ウケられてるのに、俺だけネタ披露してない…。畜生、俺もウケさせたい…何かネタを考えてやろうと思った。
そこで俺は突然話すのがダメなら、面白いものを書いてウケさせようと思い「保健特別テスト」なるものを思いついた。
おぉ、これなら皆ウケるぞ! と自信満々だったそのテストには

問1. 最近有名なAV女優3人を述べよ(10点)
問2.射精すると何が出るのか。次の四つから選べ(10点)
 1 ヨーグルト
 2 精液
 3 ベンツ
 4 香港返還
問3.マンコの拡大図を出来るだけ詳しく書くな。(30点)

などと恐ろしく低レベルな、馬鹿げた問題が満載だった。
問3なんて回答を拒否しているからな。ふざけすぎている。
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:41:14.29 ID:STasvQblO

 カチャン ギッ…

ゲロ唯「ふー、今日も外暑いね」

唯「……」

ゲロ唯「……」ハァ

ゲロ唯「君は、私なんだよね」

唯「……」

唯「そんなの訊かれても、わかんないよ」

ゲロ唯「そっか。そうだね」

唯(別世界の私……どうして憂にひどいことするんだろう)

ゲロ唯「とりあえず、これからどうするか考えないと」

唯「これから……」

ゲロ唯「行くあてとか、ないよね?」

唯「……」コクン
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:41:28.37 ID:StqgOCb10
このテストを思いついた日に家で早速作成に取り掛かり、4時間かけて完成させた。夜の10時から作成し、仕上がったのは午前2時。
よぉし、これで明日、俺も皆にウケて貰えるぞ、楽しみだなぁ。と安堵し、完成させたテストを横に置いたまま、そのまま疲れて机で寝てしまった。
次の日の朝、いつもどおり母親が起こしにきてくれたが、

「さとる、朝よ。おきなさい。んもぅ、また机で寝てから、風邪引くわよ……ん?」
「あぁ、おはよ。何、どうしたん?」
「何これ……」

母親が朝っぱらから目にしたのは「マンコの拡大図を出来るだけ詳しく書くな(30点)」だった。
母親は絶句したまま全てのキチガイ問題文を読み終えると、なんだか諦めの表情で俺を見つめ、

「そうよね、あんた昔から頭おかしかったもんね。今更頭おかしいって責めるのも酷いよね。
そう、あんたは頭がおかしい…」

と何か悟ったみたいにフラフラと母親は自室に戻った。
もう恥ずかしいとかいう場合じゃなくて、悶死しそうだった。
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:44:15.82 ID:STasvQblO

ゲロ唯「じゃあまあ、暫くはうちに居ついていいよ」

ゲロ唯「さすがに他人って気はしないもん。見捨てるのは寝覚めが悪いしさ」

唯「……何か企んでる?」

ゲロ唯「第一印象は悪いかもしれないけど、私そんな悪人じゃないよ」

ゲロ唯「ほら、私としても君が知らないとこでちょろちょろ動くと厄介だし」

唯「確かにそうだけど……」

唯(憂を嫌うような人なんて信用できない)

唯(けど、この世界だと他のみんなも同じように信用できるかは分からないしなぁ……)

唯(憂もいるし、ここに留まった方が良いかな)

唯「ん、じゃあ……お言葉に甘えて」

ゲロ唯「よかった」ニコッ

唯「……」

ゲロ唯「……で、その代わりと言っちゃなんだけど」

唯(もう憂しか信じない)
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:44:50.52 ID:s5NgEgbeP
もう一人の唯はゲロ唯でいくのかww
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:48:06.80 ID:STasvQblO

唯「……私にできることならいいけど」

ゲロ唯「ありがとう。……っとね、あの妹、憂なんだけど」

唯「憂がどうかしたの?」

ゲロ唯「なんかね、昨日からおかしいんだ」

ゲロ唯「私の寝てるうちに部屋に忍び込んでベッロベッロしてきたり」

ゲロ唯「バイオハザードかってくらい物陰から現れて抱き着いてきたり」

ゲロ唯「とにかくまあ、気持ち悪いんだ……」

唯(なに言ってるか分かんない)

ゲロ唯「だから、よければ憂の相手をしてくれないかな」

唯「どうしてそういう風になったか、心当たりはないの?」

ゲロ唯「……あったら、自分でなんとかしようって思うよ」フイッ

唯「? そっか」

唯(何か隠してる……)
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:50:25.04 ID:STasvQblO

唯「そういうことなら、私は全然いいよ」

ゲロ唯「ほんとに?」

唯「うん。わたし憂のこと大好きだし」

ゲロ唯「……」ポリポリ

ゲロ唯「それじゃ、寝床は憂の部屋でいいかな?」

唯「あ、うん。それでよろしく」

唯(憂と一緒の部屋……)

唯(ほんとに夢じゃないのかなぁ? 上手くいきすぎてるよ)ムニー

ゲロ唯「夢みたいって思う?」

唯「……うん。その、幸せで」

ゲロ唯「本当に憂が好きなんだね。……姉妹なのに」

唯「あ、いや、えっと」

ゲロ唯「いいよ。私はそういうの理解してるつもりだから」
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:51:48.52 ID:ckSm+gHfO
何故か吐いたほうじゃなくぶっかけられたほうがゲロ唯呼ばわりされる理不尽さw
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 19:53:23.95 ID:STasvQblO

唯「……」

ゲロ唯「なんだって、誰かを愛する気持ちには敵わないと思うんだ」

ゲロ唯「だから自由にしていいと思うよ。……せめて夢がさめるまで」

唯「……これは夢なの?」

ゲロ唯「夢みたいなものだよ。きっと、長い夢」

唯「何か知ってるなら教えてよ、ねぇ」

ゲロ唯「唯ちゃんは知んなくていいの! 知ったら不幸になるよ!」

唯(何それ)

唯「……わかった。もう訊かないね」

唯「私だって、この夢から覚めたくないし」

ゲロ唯「うん、それがいいよ」

唯(……なんか不安だなぁ)

唯「もういい? 憂のとこ行きたいんだけど」
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:00:10.70 ID:STasvQblO

ゲロ唯「あ、いいよ。……ごめん、余計なこと言ったね」

唯「なにが?」

ゲロ唯「……」

唯「……それじゃね」スック

 スタスタ

ゲロ唯「……唯ちゃん!」

唯「うん?」

ゲロ唯「あんまり……その、のめり込みすぎないようにするんだよ?」

唯「……それは無理」

ゲロ唯「ちょっ」

 バタン

唯(わけが分かんないよ、あの人)
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:03:26.42 ID:STasvQblO

唯(憂のとこ行こ)スタスタ

 ピタッ

唯(……これが夢だとして)

唯(目が覚めたら、そこには元通りの……私を避けてる憂がいるのかな)

唯(その時に辛くなるから、ゲロの唯ちゃんは私にあんな風に言ったんだろうか)

唯(でも、せめてそれまでは楽しむべきだとも言ってた)

唯(あの子も、どうするべきか悩んでるのかなぁ)

唯(私は……どうしたらいいんだろう)

唯「……ふー」

 コンコン

唯「うい、私だよ。……入るね」ガチャ

唯「……」パタン

唯(あれ、居ない?)キョロキョロ
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:08:12.94 ID:STasvQblO

唯「……いや、いる」

唯「クローゼットの中かな」ガララ

唯「んー……」

 ガタッ

唯「!?」

憂「お姉ちゃんゲットー!!」バッ

唯「うわわああ!!」グイン

 ドタンッ

憂「えへへ、つかまえた」

唯「う、憂かぁ……」ドキドキ

 ガシッ

唯「あうっ?」

唯(顔が両手でがっちり挟まれて……うごかせない)
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:09:44.91 ID:WTiWcjuk0
なんだ規制か
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:12:15.96 ID:STasvQblO

唯「ちょっと待って憂、私……んむぅ」

憂「ん、ちゅ……」

唯(待って、ダメ、ダメッ!)

唯「んんう、んい……ん、ぐっ」

憂「っ、ふ……んんっ」ニュチュ

唯(舌がっ……息ができない)

 ピチャ レロ…ピチッ

唯「ら、あっ」ピクン

唯(お願い憂、離してっ、しんじゃうよ!)

唯(こんなっ、緊急事態なのに……力が入んない)ボー

憂「ぷはぁっ」

唯(あ……)
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:16:17.60 ID:STasvQblO

憂「はぁ、はぁっ……はぁっ」

唯(憂の口から、涎が垂れてくる……)

唯(まだ酸っぱい臭いがする、のに)コクッ

唯「んく……はぁ、はぁ、ゴホッ」

憂「お姉ちゃん」スッ

唯「待ってよぉ、憂……」

 チュッ

憂「待てないよ」

唯「憂、だめっ!」

憂「!」ビクッ

憂「……お姉ちゃん、どうしたの?」

唯「ごめん……」ムクッ

憂「……」
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:18:08.50 ID:UAOM/SD90
支援
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:19:12.01 ID:wevOOr/a0
しえ
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:20:20.44 ID:STasvQblO

憂「私じゃ……代わりにさえなれないの?」

唯「違うよ。なんか、怖いんだ……」

憂「怖い……?」

唯「何か取り返しのつかないことをしようとしてるって」

唯「憂とくっついてると、そう感じる……」

憂「……なにそれ。私が妹だから?」

唯「女の子だし、妹だし……でも、それだけじゃない」

唯「もう、なんなのかなぁ。自分でもわかんないよ……」

憂「お姉ちゃん、じゃあ」

唯「ごめん。しばらく考えさせてほしいな」

憂「……大丈夫だよ。心配しないで」

唯「憂、私は……」

憂「理由も分からないものに怯えるなんて、お姉ちゃんらしくないよ?」
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:24:41.36 ID:STasvQblO

唯「でもっ」

憂「お姉ちゃん、ねっ、いいでしょ?」スリスリ

唯「ん……」

憂「だめ?」ジィッ

唯(そんな目で見られると……)

唯「っ」ゾクン

唯(憂は、私としたいんだ)

唯(それを拒否しようなんて、わがままなんじゃないかな)

憂「ねぇ、お姉ちゃんってば」

唯「……うい、立って」

憂「……」

唯「ベッド行こう? ここじゃ背中が痛いよ」

憂「……お姉ちゃん!」ガバッ

唯「ちょっ」
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:28:10.21 ID:STasvQblO

――――

 音楽準備室

澪(やっと学校に辿りつけたはいいけど……)

澪(ここも今日で夏休みみたいだな……誰もいない)キョロキョロ

澪(でもとりあえず、ここなら落ち着けそうだな)

澪「……ふぅ」

澪(私の家には私がいた……勘違いなんかじゃない)

澪(何にしても、一番いけないのはあの私と接触することだ)

澪(早く唯と合流して、この別世界から脱出しないと)

澪(でも、どうしたらいいんだろう……分からないことだらけだ)

澪「はぁ……会いたいな、律」

澪「いや、ダメだダメだ! 自分でなんとかするんだろ!」

澪(原因を考えよう。この世界が何なのか、どうして迷い込んでしまったか)
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:29:43.82 ID:UAOM/SD90
そういや澪も来てたな
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:32:10.52 ID:STasvQblO

澪(唯が失恋して、私が鏡を見せて……)

澪(でも私だってあの日に、鏡を見ていたはず)

澪(ここはきっと鏡の中なんだろうけど、普通に鏡を見てもその中に入っちゃうことはないよな)

澪(なにか条件があるはずだけど、それって一体……?)

 タン タン…

澪(……誰か来る!)

澪(どこか隠れるところは……)

澪(とりあえずこの死角にっ)ササッ

 ガチャッ

 パタン

澪(誰が来たんだろう)コソッ

律「……」ガサゴソ

澪(律……!)
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:36:10.51 ID:STasvQblO

律「ん?」ジロッ

澪(いけないっ!)サッ

澪(……あれ? 別に隠れる必要はないよな)

澪「律、なんでここに……」

律「せぁやっ!」ブンッ

澪「ぴいいぃぃ!?」バッ

 ガシャアァン

澪(ハ、ハイハット投げてきた……!?)

律「……外した」チッ

澪「ばっ、馬鹿! 当たってたら怪我じゃ済まないぞ! それに、だいたい」

律「まぁいいか。で、何してんだよこんな所で」

澪(人の話を聞けよ)
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 20:48:42.79 ID:UAOM/SD90
さる?
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:00:14.72 ID:STasvQblO

澪「私は、えっと……」

澪(何と説明したらいいんだろう……)

律「泥棒か?」

澪「あのな! 私がそんなことすると思うか?!」

律「さあ、無くはないだろ?」

澪「……なに言ってるんだよ」イラッ

律「50万のギターとかあったぐらいだしな……」

澪「……」

澪(違うな。律はこんなこと言わない)

澪(やっぱり別の世界に来てしまったんだ。こいつは私の知ってる律じゃない)

澪「……おまえ、一体誰だ?」

律「あ? なに、ボケた?」

澪「誰だって訊いてるんだ!」
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:05:15.28 ID:STasvQblO

律「……お前もお前で、変だぞ」

澪「……」

律「偽者ってぐらいに違う。もっと虐めやすい奴だったんだけどな」ガタッ

律「……お前も座れば」

澪「何しに来たんだ?」

律「関係ねーだろ。そうだ、もうすぐ他の奴らも来る」

澪「他の奴ら?」

律「知ってるだろ。こんだけ仲良しなんだからさ」

澪(仲良しだと……?)

澪「唯とかが来るのか?」

律「平沢? どうだろうな。何にせよ、大体の面子は揃うだろうよ」

律「お前がここにいるってことは、そういうことだ」

澪「……」

澪(よく意味が……いや、とにかくこれで唯と合流できそうだな)
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:08:04.79 ID:STasvQblO

澪「でも、どうして来るって分かるんだ?」

澪「誰が来るかが分からないなら、約束を取り付けたわけでもないんだろう?」

律「そりゃあ、私がここに来たのは同期するためだしな」

澪「同期?」

律「そうさ。そしたらそこにお前がいた」

律「きっとたぶん、律のことを大好きなお前がな」

澪「お前は……」

律「田井中律だよ。ただし私のことをお前は知りっこない」

澪「……どういうことだ?」

律「鏡の法則さ」ニヤ

澪「……」

澪(気管支のあたりがひんやりする……)

澪(聞いたこともない言葉なのに、この不快感は何なんだ?)
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:12:13.49 ID:STasvQblO

律「奴らが来るまでに、鏡の法則を1つ教えておくか」

澪(鏡の、というくらいだから、やっぱり鏡の中なんだな)

律「さっき同期って言っただろ? あれは滅茶苦茶に厄介なものなんだ」

律「私たちの行動範囲を著しく制限する」

澪「と言うと……」

律「私ら鏡の中の住人は、鏡の外にいる自分の近くにいなきゃいけない」

律「でなきゃ、像が消えちまうからな」

澪「像って?」

律「言ってみれば、私たちの存在そのものだな。消えちまったら復活は出来ない」

澪「……おおごとだな」

律「そんなこともないぞ。別に鏡の外の人間には関係ないんだから」

律「むしろ私たちは消えた方がいい。お前もいずれ、そう思う」

澪「……」
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:12:20.05 ID:s5NgEgbeP
さるよけ
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:15:52.00 ID:wevOOr/a0
支援
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:16:11.33 ID:STasvQblO

澪「現実で私たちのいる場所に近づくのが、同期というやつなのか」

律「そう。現実の自分がどこにいるかは感覚で分かる」

律「私は自分がこの音楽準備室に移動しているのを感じてここへ来て」

律「そしてお前を見つけた。……鏡の外から失踪してきたお前をな」

澪(……どうしてこいつは何でも分かっている風なんだ?)

律「で、あぁこりゃきっと居なくなったお前を探すために、全員集まるだろうなと思っているわけだ」

澪「なるほど……」

澪(あれ? でもそしたら唯は来ないってことにならないか?)

澪(唯とは合流できないか……いや、でも憂ちゃんか和が来てくれるはずだ)

澪(きっとあの二人のとこに唯は向かっているはず。もう辿りついてるかもしれない)

澪(とりあえず皆の到着を待って、それからは和と行動したほうがいいかな)

 タン タン

律「お、誰か来たかな」

 ガチャッ
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:17:26.10 ID:UAOM/SD90
ただのパラレルワールドじゃないのね
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:20:40.53 ID:STasvQblO

紬「……こんにちは」

 パタン

澪「ムギか」

紬「……」ジロリ

澪(なんで睨むんだよ……)

澪「おい、律」ボソッ

律「んだよ」

澪「ムギは……律もだけど。なんかこう、凶暴なんだけど」

律「鏡の法則その2だよ」

澪「端折るなよ。意味が分かんない」

律「見ていりゃわかるさ」

澪「教えてくれたらいいだろ。さっきだって教えてくれたじゃないか」

律「……私にだって、良心はあるよ。誰にでも噛み付いてるように見えるだろうけどさ」
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:24:20.58 ID:STasvQblO

澪(良心があるなら教えてくれよ……って、違うか)

澪「それって、私にとって辛いことなのか……?」

律「まあ、な」

澪「……優しいんだな、やっぱり」

澪(住む世界が変わっても、律は律だな)

律「やめろよ。そんなこと言うな」

澪「照れるなって」

律「照れてないっ」

紬「……」チラ

律「ほら、睨まれてるだろ」ドンッ

澪「ごめんごめん」

澪(……ん、また誰か来たな)

 ガチャッ
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:26:24.97 ID:VfBSQMp/O
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:27:13.43 ID:UAOM/SD90
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:29:20.58 ID:STasvQblO

 パタン

梓「……」

澪(無言……)

梓「こんにちは、律先輩」ガタッ

澪(じゃないっ!?)

澪(梓が律の隣に……珍しい光景だな)

律「……よ」

紬「……」チッ

澪(ムギって怒るとこんな顔するのか……今のは確かにムギでも怒りそうだけど)

澪(梓はムギを特別嫌ってて……逆に律はそこまででもなさそうだな)

澪(けど、結局みんな明らかに苛立ってるよ。……嫌だ、この空間)

澪(どうしたものか)

梓「……秋山先輩」

澪「ん? なんだ梓」
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:32:58.61 ID:STasvQblO

梓「あずっ……はぁ。うろちょろ鬱陶しいんで座っててくれませんか」

澪「……」

澪(もう慣れた)

澪「ごめん、いま座るよ」

紬「私の隣には来ないでくださいね」

澪「う、うん」

澪(もう、慣れた……)ガタ

 ガチャ

さわ子「だる」バタンッ

澪(さわ子先生も来た)

 シーン…

澪(これだけ人がいるのに静かだなぁ)

澪(みんなの押し殺してる感じの呼吸が耳に痛い……)
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:36:12.90 ID:STasvQblO

澪(にしても、おかしいな……)

澪(憂ちゃんと和が他より遅れてくるなんて考えにくい)

澪(……いや、憂ちゃんは仕方ないかもしれないか。問題は和だよな)

澪(真っ先に来るだろうと思ったんだけど……遅いような)

 チッ チッ…

澪(時間ばかり過ぎていく……)

澪(もう30分は経つな。確か学校と唯の家は、ゆっくり行っても1時間も離れてない)

澪(和……)

澪(どうして来ない。来なきゃ消えてしまうんじゃないのか?)

澪(それとも、別行動で唯を探してるのか……)

澪(……そもそも律たちはこんな所で何をしてるんだ)イライラ

澪(ここで待ってたら私や唯が戻ってくるとでも思ってるのか?)

澪(……まさか。律たちは、和を待ってるんじゃ)
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:45:02.47 ID:CDdSqnXrO
つまり、現実とは逆さまなのか…
って事は、現実の憂は唯の事が…
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:53:09.15 ID:UAOM/SD90
またさるか
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:56:29.14 ID:zlKS/o3W0
ムギさんが起こった顔はどんなんだろう
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 21:59:31.28 ID:CDdSqnXrO
0分リセットしたら支援しとこう
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:00:12.89 ID:STasvQblO

澪(和や憂ちゃんにここに集合するように連絡したけど、二人が来ないからここで待機してる)

澪(唯との一件で、憂ちゃんが来ないっていうのは……酷だが分かる)

澪(でも和はどうしてこんなに遅れてるんだ……)

澪(こんな時に一人で突っ走るほど、和はバカじゃない! はず……)

澪「……」ガタンッ

律「ちょえっ!」ビク

律「おい、なんだよ急に立ち上がるな!」

澪「和を探してくる!」

律「和を?」

澪「あぁ。ここにいないのはおかしいんだ。だから探さないと」

律「探したところでどうする? 説得でもするってのか?」

澪「そんなの……わからないけど、放っておくわけにはいかないだろ!」

澪「もしかしたら和だって、なにかに巻き込まれてるかもしれないんだぞ!」
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:00:33.15 ID:CDdSqnXrO
支援
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:01:35.33 ID:UAOM/SD90
さる避け支援
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:04:45.61 ID:STasvQblO

律「……和か」

澪「だから……その手を離せ」

律「……」ギュー

律「……余計なことすんなよ。お前のためにもならない」

澪「ここで立ち止まることの何が私のためなんだよ」

律「だからそれは」

澪「教えてくれよ、その鏡の法則とか言うやつを」

澪「でなきゃ私は、和を探しに行くぞ」

律「……」

梓「はぁー……」ガタッ

澪「……なんだ、梓」

梓「その呼び方やめてくださいよ。薄気味悪いです」
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:06:47.85 ID:VfBSQMp/O
しえ
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:08:37.44 ID:STasvQblO

 ツカツカ

律「おい、中野」

梓「秋山先輩、なんなんですかあなた」

澪「何って……」

澪(……)

澪「鏡の外から来たんだよ。お前が像なら、私は実体だ」

梓「あぁ、そういう。狂ったのかと思ってました」

澪(この中野……)

梓「律先輩、教えるべきですよ。このままじゃ和先輩が消されます」

律「……そんなの、どうでもいいことだろ」

梓「それはそうですけど。問題はこの人のせいで現実が変わりかねないってことです」

澪(……現実が変わる?)

律「……」フッ
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:11:12.17 ID:wevOOr/a0
おお、全然先が読めないぞ
支援
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:12:09.22 ID:STasvQblO

律「中野。そのことなら、もう手遅れだって」

梓「は……まさか、律先輩」

律「な、澪。分かるだろ?」

澪「……どういうことだよ」

律「中野、いいぞ」

梓「人任せですか……まぁいいですけど」

梓「教えましょう。この世界とあっちの世界を繋いでる、鏡の法則」

澪「……」

澪(私が知るには辛いことだって、律は言ってくれたけど)

澪(知らなきゃいけないこと、なんだよな……)

澪「……それは、どういうものなんだ?」

梓「そうですね。まず一つは、身体を制約する、同期というものの話なんですけれど」

澪「それはもう律から聞いた。私が知りたいのは、もう一つの方だ」
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:14:38.97 ID:i4iy7Dp1P
ゲロ唯ってゲロを吐いたほうじゃなくて、ゲロをかけられたほうか。
紛らわしい。
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:16:12.10 ID:STasvQblO

梓「……感情のほうですか」

澪(身体と感情……)

梓「私たちのおかしさには、秋山先輩といえども気付いてますよね」

澪「……いちいち刺々しいよな。やめてくれないか?」

梓「別にやめたって構いませんよ。ただ、それで苦しむことになるのは秋山先輩ですけど」

澪「……」

梓「いいですか。私たち鏡の中の存在は、鏡の外側に居る私たちの本体に影響されます」

梓「身体は同じ場所に。心は逆さまになるんですよ」

澪「……心が逆さま?」

梓「ベクトルといいますかね。人に対する感情の向け方が逆になります」

澪(……?)

梓「あちらの世界に、Aさんを好きなB君がいるとしましょう」

梓「この鏡の世界では、B君はAさんのことが大っ嫌いです。殺したいほど憎んでいます」
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:18:39.77 ID:wevOOr/a0
もう十分ひどいことになるのがわかった
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:20:07.10 ID:STasvQblO

澪「それじゃ、えっと」

梓「先輩の世界とここでは、好きと嫌いが逆転している、と考えていいんじゃないですか」

澪「梓や律や、それにムギの態度も……つまりそういうことか?」

律「……あぁ。そっちの世界での好意と悪意を、裏返しにしただけだ」

澪「なるほどな。やっと理解できたよ」

梓「……なんも分かってない顔ですね」

律「だな。……でも、それがいいさ」

澪(現実の梓の裏返しとはいえ、ウザい)

澪「分かってないって?」

梓「そのままですよ。何も分かってないですし、その方が幸せです」

澪「いいから、梓」

梓「……」チラ

律「……」コク
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:24:11.82 ID:STasvQblO

梓「私たちの悪意が、私たちの実体が持っている好意だということは分かってますよね?」

澪「ああ」

梓「ああ。じゃないですよ。みなまで言わすなです」

梓「つまりその逆はどういうことになりますか?」

澪「逆って……そりゃあ!」

澪(じゃあ、この世界で好意を向けられるっていうことは)

律「……澪。これから和のところに行くなら、鏡の法則だけは忘れるな」

律「お前は鏡の外の人間だ。私たちがこうやって集まっていることが示すように、みんなが澪を心配してる」

律「いつか。いや、すぐにでも帰らなきゃならない」

澪「……」

律「その時のために、忘れないでおくんだ」

澪「……律」
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:27:16.74 ID:VfBSQMp/O
面白い設定だ
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:28:16.70 ID:STasvQblO

律「私たちはただの虚像かもしれない。でも、物思う心だってちゃんとあるんだ」

律「私たちが考えて、この心が変わった時にも……鏡の法則は保たれる」

澪(……そうか)

澪(だから律は、さっきからこんな悲しそうな顔を……)

律「ごめんな、澪。私の揺らいだ気持ちは、あっちでなんとか修正してくれ」

澪「……バカ律っ」フイッ

律「……へへ」

澪(もしもこのまま、この世界にとどまれば……)

澪(律と、そんな関係になれるのか?)

律「もう行け、澪!」

澪「っ……」

澪(駄目だ! そんな事、律は望んでない!)

澪(そうだ、ただの鏡に映る像……そうなんだ!)
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:32:42.15 ID:STasvQblO

澪「……じゃあみんな、またっ!」ダッ

 ガチャッ

澪「……」ダダダ…

澪「っう……」タッ タタッ…

澪(なんでこんな場所……来たくなかったよ)

澪(あんなちょっとの間で、嫌いを好きに覆せるくらいにしか……律は私を好きじゃなかったんだ)

 タッタッタッ

澪(当たり前だよな……)

澪(いきなり同性の幼馴染に、好きなんて言われて……嫌悪を抱かないほうがおかしいよ)

澪(唯たちさえあんな状況なのに……律は、無理して私と)

澪「はぁっ、はぁっ……」

澪「……」

澪(和の家に行こう。律が待ってる)

澪(唯を見つけて、一緒に帰るんだ!)ダダッ
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:36:09.17 ID:STasvQblO

――――

 憂の部屋

唯「ふぅーっ」クタッ

憂「お姉ちゃん、お疲れ?」

唯「ん……えへへ。少しだけ、かな」

憂「声とか凄かったもんね。よく頑張りました」ナデナデ

唯「もう、憂ってば……」

唯(……ん?)

唯「こ、声っ!」

憂「え?」

唯「声だよっ、私の……聞こえてたよね、隣の部屋に」

憂「隣……お姉ちゃんに? 大丈夫だよ」

憂「お姉ちゃんの可愛い声は私だけのものだもん」
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:36:50.44 ID:UAOM/SD90
しえ
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:43:00.99 ID:i4iy7Dp1P
現実では憂は唯のことが嫌いってことか。
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:53:42.39 ID:qLun1fLn0
StqgOCb10が面白いんだけどコピペ?
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 22:57:26.99 ID:StqgOCb10
>>134
コピペ
いまいち面白いのにいまいち知名度低いんだよね
「フヒヒ」みたいな言い回しの発祥と言われてるみたい
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:00:16.32 ID:STasvQblO

唯「え、でも隣には唯ちゃんが……」

憂「忌み合ってるけど、私はこれでもお姉ちゃんの妹だもん」

憂「ちょっとぐらいは分かってるつもりだよ。お姉ちゃんのこと」

唯「……?」

憂「お姉ちゃんはこんな時にじっとしてるような人じゃないと思うな」

憂「きっと、誰か大事な人のところに行ってるはずだよ」

唯「こんな時って……こんな時?」

憂「ちがうよ。こんな時のことは、つい最近まで考えたことないもん」

憂「私はお姉ちゃんがずっと憎かったから……」

憂「お姉ちゃんが消えないかなって、そんなことばっかり考えてた」

憂「消えるとしたら、どんなことを思いながら消えるのかな……って」

唯「……消える?」

唯(死ぬじゃなくて? なんだか、隕石が落ちてくるみたいな言い回し……)
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:04:26.37 ID:STasvQblO

憂「内緒にしてて、ごめんね」

唯「な、なにを?」

憂「けど教えたら、お姉ちゃんは放っておかなかっただろうから……」

憂「ごめん。お姉ちゃんと一緒にいたかったの。帰ってほしくなかった」

唯「ねぇ、憂っ!」

憂「……ほんとは、お姉ちゃんが鏡を通り抜けてこっちに来ちゃった時、すぐに教えるべきだったんだ」

憂「あっちの世界に帰る方法と……お姉ちゃんが帰らなきゃいけない理由」

唯「私は……帰らないといけないの?」

憂「そういう訳じゃないよ。むしろ、今は……ぜったいに帰ったらだめからね」

唯「……その、理由は?」

憂「お姉ちゃんが決意したことだから」

憂「命をかけて願った、お姉ちゃんの幸せだから。捨てるなんて、ありえない」

唯「命を……?」
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:08:05.63 ID:STasvQblO

――――

 平沢家近辺の路上

ゲロ唯「……」フラフラ

澪「ん? あそこにいるのは……」

澪「唯、唯ー!?」

ゲロ唯「……」チラッ

澪「よかった会えて……誰かと一緒じゃなかったのか?」

ゲロ唯「……」

澪「唯? どうした?」

ゲロ唯「……何なの? 鬱陶しいよ」

澪「いあっ!?」

澪(鏡の中の唯か……びっくりさせるなよ)

ゲロ唯「私、行くとこあるから」

澪「ま、待って!」ガシッ
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:10:22.94 ID:s5NgEgbeP
しえん
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:11:16.77 ID:CDdSqnXrO
せめて鏡唯とかにすれば良かったのに
支援
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:12:44.01 ID:STasvQblO

澪(律が言っていたはずだ)

澪(鏡の中の人間は、同期するために自分の実体の居場所が分かる……それなら)

澪「頼む、教えてくれ。唯は……こっちの世界に迷い込んできた唯はどこにいる?」

ゲロ唯「私がそれに答えると思う?」

澪「お願いだ、何でもするから!」

ゲロ唯「何もして欲しくなんかない。あえて言うなら、その手を離して」

澪「約束だな?」

ゲロ唯「ん?」

 パッ

澪「さあ手を離したぞ、唯の居場所を教えてくれるな?」

ゲロ唯「……そういうところがほんっとに嫌い」

ゲロ唯「はあぁ……。ま、いいや。ついておいで」スタスタ

澪「ありがとう」
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:17:11.53 ID:STasvQblO

ゲロ唯「といっても、すぐそこだけどね。ホラ」

澪「ここは?」

澪(……表札に真鍋って書いてある。それに、ここは唯の家の近くだし)

澪「もしかして、和の家?」

澪(……そういえば私、和の家がどこにあるのかも知らなかったんだな)

ゲロ唯「……」カチ

 ピーンポーン

澪(それは返事か?)

ゲロ唯「……」

 トタトタ…

和「あら」ガチャッ

和「珍しいわね、唯から会いに来るなんて」

和「で……秋山さんは何かしら?」ギロ

澪(もう慣れた、もう慣れた……)
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:20:48.99 ID:CDdSqnXrO
「唯から」?…
まさかこっちの和は唯に好意を持ってるとかいう展開じゃねえだろうな
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:20:48.25 ID:STasvQblO

澪「唯を探しに来たんだ。……和のことも」

和「……唯。何か変よ、こいつ」

唯「放っといていいよ。絡んでもうざいだけだし」

澪(落ち着け、落ち着くんだ私)

澪「それより和、ここに唯がいるんじゃないのか?」

和「いるじゃない、そこに」

澪「じゃなくて! えっと、私は鏡の外から来たんだ。唯も一緒に」

和「……なんですって?」

澪「唯と一緒に、鏡の外から来たんだ。けど途中で唯とはぐれて……」

澪「なんとかして唯と合流して、元の世界に帰りたいんだ」

澪「だから、唯を出してくれ。あっちに帰るために、力を貸して欲しい」

唯「……秋山さん、ちょっと顔貸して」スッ

澪「ん?」

 バシンッ
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:25:01.65 ID:STasvQblO

澪(……痛い)ジンジン

ゲロ唯「さっきから勝手なことばっかり言ってさ……自分が正しいとか思ってる?」

澪「どういうことだよ……」

澪「私たちがこの世界に留まり続けるだけでも、誰かの感情に悪い影響を与えることになる」

澪「一刻も早く帰らないといけないんだ!」

和「……どうでもいいけど、玄関先でぎゃーぎゃー騒がないでくれないかしら」

和「唯。それからそこのデカブツも、上がっていいわよ」

ゲロ唯「……そうだね。あがるよ、真鍋さん」

澪「……ごめん、和」

 パタンッ

和「私の部屋でいいわよね?」

ゲロ唯「真鍋さんだけトイレでもいいけど」

和「勘弁して頂戴」

 スタスタ
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:26:51.37 ID:UAOM/SD90
現実の和は唯が嫌いで澪が好きなのか
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:29:15.41 ID:STasvQblO

 ガチャ

和「部屋のものに勝手に触ったら殺すからね」

澪「わ、わかってるよ」

和「どうだか」バタン

澪(信用されないって辛い)

唯「さて、と」

和「そういえば聞きそびれてたけど、唯はどうして私の家に?」

唯「今から話すよ」

澪「……なぁ、唯はどこに」

澪「べふっ」ドスン

唯「真鍋さんには、なんだかんだでお世話になったからね」

唯「消える前に挨拶しておきたくなっただけ」

澪(……消える?)サスリサスリ
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:29:28.14 ID:CDdSqnXrO
こっちの唯が誰からも好かれまくってたら怖いな…
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:33:15.77 ID:STasvQblO

和「……鏡の外の唯が、こっちに来てしまったのよね」

ゲロ唯「うん。だから……」

澪「唯、その消えるっていうのは……鏡の法則か?」

ゲロ唯「うるっさいな。分かってるなら訊かないでよ」

澪「そうなんだな?」

ゲロ唯「……そーだよ」

澪(どういうことだ? 同じ場所にいるなら消えないと言っていたじゃないか)

澪(……鏡の外の同じ場所じゃなきゃだめなのか? ……だったら、私たちがこの世界に来た時点で)

和「解せないわね。迷い込んできたなら、すぐ帰してあげればよかったじゃない」

和「いくら唯でも、実体を帰す方法を知らないわけじゃないでしょ?」

ゲロ唯「当たり前じゃん。殴るよ?」

和「殴ってみなさいよ」

ゲロ唯「やめとこ」
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:35:20.06 ID:CrX3G1W60
だがちょっと待ってほしい
この世界で律に嫌がらせをしまくって嫌われた後に元の世界に戻れば
りっちゃんは澪の虜なのではないだろうか
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:36:28.99 ID:STasvQblO

和「もう。それで? 唯はどうして消えるのよ」

和「私の目には、唯が消えたがっているようには見えなかったけど」

澪(……消えたがる、という場合もあるのか)

ゲロ唯「実をいうと、昨日から憂がおかしくって」

和「へぇ。元からおかしいけどね」

ゲロ唯「……私のことを好いてた。確かに、もとから私ほどの敵対心は持ってなかったみたいだけど」

ゲロ唯「それってつまり、法則に従うと、そういうことでしょ?」

和「だから……?」

ゲロ唯「私は本当に、ほんとに憂のことが大嫌いだから……」

ゲロ唯「憂に好かれるのが、いやでいやで仕方なかった。消えたい、とさえ思うぐらいにね」

和「……」

ゲロ唯「そんな気持ちで、あの子が元の世界に帰った時のことを考えたんだ」

ゲロ唯「どうしようもないくらい私に憂を嫌わせる、あの子のことを」
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:36:48.02 ID:wevOOr/a0
>>150
頭いいな
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:37:44.01 ID:wIDprK8P0
>>150
マジレスすると澪が法則ってのを知ってることは鏡の律も知ってるんだから
嫌がらせしてくる澪を見てどう思うかってことだな
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:39:04.08 ID:44UakKD80
支援
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:40:33.65 ID:CDdSqnXrO
鏡の世界の澪のふりをするとか
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:55:55.79 ID:QLnN3aGq0
現実の世界の唯はどうしようもないほど憂が好きで、逆に憂はどうしようもないほど
唯が嫌いってこと?

え?なにそれめちゃくちゃ切ねぇ・・・・
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:57:47.12 ID:z77eRGfBO
ほぅ…
ふぅ…
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:59:46.26 ID:ZXYJOhNA0
唯憂の愛が世界の法則を捻じ曲げたんだろう。よくある事だ。
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/18(木) 23:59:57.47 ID:yJCZwAmQ0
規制で困ってるみたいだからメールくれたらいいもの送るよ
nipponia_nippon_20☆xxne.jp
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:00:07.39 ID:STasvQblO

ゲロ唯「あの子は……唯ちゃんは、憂を愛してた。私が同情しちゃうくらいに深く、ね」

ゲロ唯「私が存在したいがために、あの子を辛い現実に帰したくはなかったんだ」

和「その代わりに自分が消えても?」

ゲロ唯「構わないよ。しょせんは、ただの物思うだけの幻影なんだしさ」

ゲロ唯「私が消えることで、あの子の幸せな居場所ができるなら……全然いい」

澪(唯は……だからあんなに怒って、唯を連れ帰るのを阻止しようとしたのか)

澪(命をかけて守ってあげた幸せ、だものな……)

和「……なるほどね。唯も優しいところあるんじゃない」

ゲロ唯「何言ってんの? 優しさのかたまりだよ、私」

和「どの口が言うんだか……」

ゲロ唯「殴っていい?」

和「……」

ゲロ唯「やめとこ」
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:04:50.82 ID:H3oeMRl+O

ゲロ唯「……ふぅ」

澪「……」

ゲロ唯「そろそろ、かな」

澪「唯……」

和「……」

ゲロ唯「いい、秋山さん。……いや、澪ちゃんか」

ゲロ唯「そういう訳だから、唯ちゃんはこの世界に置いていってあげて欲しいな……」

ゲロ唯「私が失うものを、命だと思ってくれるなら」

澪「……」

和「おい」

澪「わかってる、わかってるんだよ……」

澪「でも、唯を置いて帰るわけにはいかない」

澪「唯の居場所は鏡の中じゃない。みんなと居た、鏡の外の世界だ」
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:08:17.87 ID:H3oeMRl+O

和「あなたねっ!」

ゲロ唯「いいよ、和ちゃん」

ゲロ唯「澪ちゃんにはまだ分からないだけ。あの子がどんな状況にあるか」

澪「……唯が辛いのは知ってる。けど、逃げたらだめだろ! 向き合わないと」

ゲロ唯「それを本人に……言えるかな」フラッ

澪「……」

和「唯、しっかり」ガシッ

ゲロ唯「ふ、ふふ……えへへ」

ゲロ唯「ねぇ、和ちゃん。……なんだかんだで、最後まで一緒にいてくれてありがとね」

和「……唯らしくないわね」

ゲロ唯「私はほら、入れ替わったからさ。あっちの唯ちゃんっぽく振舞わないと」

和「そういうことにしといてあげるわ」クスッ

和「……さよなら、唯」ギュ
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:12:28.79 ID:H3oeMRl+O

ゲロ唯「えへ……」

ゲロ唯「澪ちゃん。あの子に会いたいなら、私の家に行って」

澪「……いいのか?」

ゲロ唯「いいか悪いかは、澪ちゃんがそこに行って、考えることだよ」

ゲロ唯「でも、何も考えないで、義務だと思って連れ帰るのはだめ。そんなことしたら呪うから」

澪「……わかった。約束するよ」

ゲロ唯「ふぅーっ……」

澪(唯の身体が透けてきた……)

澪(輪郭だけ残して……硝子の像みたいになっていく)

和「……」

ゲロ唯「ありがとう、和ちゃん……」

ゲロ唯「新しい私にも、優しくしてあげてね? みんなにあたられて、戸惑う事ばかりだと思うから」

和「当たり前じゃない。唯の願いだもの……」
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:14:26.80 ID:hOc/JeWY0
ゲロ唯いいやつだったな
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:15:14.54 ID:YKVV7FgfP
ゲロ唯だけどな
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:16:38.96 ID:H3oeMRl+O

ゲロ唯「おねがいね……任せたよ」

澪(もう、唯が見えない)

澪(でも和の腕の中には……いるんだろうな)

ゲロ唯「バイバイ、和ちゃん。澪ちゃん……」

ゲロ唯「えへへ。人の腕の中って……あったかいんだぁ」

和「……」

和「……」

澪「……唯は?」

和「……唯の家にいるって言ってたじゃない」

澪「そう、だったな……」

澪(私も今頃……?)

和「……」
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:17:58.37 ID:WCxYfLqW0
オチがぜんぜん読めない・・・面白い、支援
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:20:19.53 ID:H3oeMRl+O

澪「和、その……」

澪(なんて言ってやればいいんだ……?)

和「……なによ」

澪(唯はまだ『他にいる』。けど、今たしかに……和にとっての唯は死んだんだ)

澪(ただの、鏡にうつした虚像? 違う。もっと重い……命だ)

和「何もないなら行ったら? 一刻も早く戻らないといけないんじゃないの?」

澪「……ごめん。もう行くよ」

澪(私には……適当な慰めの言葉が浮かばないよ)

澪(帰る方法は、別の誰かに聞けばいい。……)

 ガチャッ

澪(……帰る、のか?)

澪(じゃあ、鏡の中に残される律はどうするんだ?)

澪(私の分身も、きっともう消えてしまっているのに)
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:24:55.53 ID:H3oeMRl+O

澪「お邪魔いたしました」キィッ

 パタン

澪「……」

 テクテク

澪「唯の家……」

澪(立ち入っていいのか? 私は……)

澪(唯は……消えてしまった唯は、憂ちゃんに好かれたと言ってたな)

澪(鏡の法則に当てはめると……憂ちゃんは、唯のことを)

澪(……くそう)ギュッ

澪(ごめん、律……みんな。唯のこと、連れて帰れそうにない)

澪(いいだろ? この世界の人達だって生きてるんだから……)

澪(律たちは、まだ学校にいるかな?)

澪(私も……律の家に行くべきか)スタスタ
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:28:24.78 ID:H3oeMRl+O

――――

唯「それじゃあ……」

憂「たぶん、とっくに消えちゃってると思う」

唯「なんで……」

憂「……」

唯「ひどいよ、そんな大事なこと黙ってるなんて……」

憂「それは、現実の私がお姉ちゃんをどう思ってるかってこと?」

憂「それとも、お姉ちゃんが消えること?」

唯「どっちも……かな」

唯「別に元の世界に帰りたいとは思わないよ。こんな事聞いたら、なおさら」

唯「でも、ただ……その前に考えたかった」

唯「これじゃあ、何かしてあげられることがあったんじゃないかって、後悔しちゃうよ……」

憂「……けど、何か出来ることはあった?」

唯「無いよ。きっと無い……だけどさっ!」
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:31:39.22 ID:hOc/JeWY0
しえん
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:31:47.57 ID:67HmKl0KO
正直すごい面白い
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:32:31.56 ID:H3oeMRl+O

憂「お姉ちゃんはもう消えたの」

唯「……」

憂「今日からお姉ちゃんが、お姉ちゃんに代わってこの世界で生きるんだよ」

憂「ここなら幸せだから……ね、お姉ちゃん」

唯「憂……」

憂「私もついてるよ。愛してるよ。だから……お姉ちゃんのためにも、後悔なんてしてあげないで」

唯「……ごめん。たしかにそうだね」

憂「わかってくれたならいいの。……お姉ちゃん、大好きだよ」

唯「ん……」

 チュッ

唯「ねぇ憂ぃ」

憂「なあに?」

唯「私、幸せかなぁ……」
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:36:06.01 ID:YKVV7FgfP
どうなる
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:36:10.36 ID:H3oeMRl+O

憂「……」ギュッ

 チュッ

唯「ふ……ういぃ」

憂「……後ろめたさはあるよ」

憂「違和感だって、たくさん感じる。でも……お姉ちゃんは幸せにならなきゃいけないよ」

憂「お姉ちゃんから、幸せを託されてるんだから」

唯「うん……」ポヤー

唯「うい、もっと」

憂「……」クスッ

憂「お姉ちゃんの幸せって、こういうこと?」
ツン

唯「ン、う……」コクコク

憂「お姉ちゃんのえっち。……それじゃ、たっぷり幸せにしてあげるね」

唯「うん。憂ぃ……」
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:42:42.95 ID:WCxYfLqW0
なんだろう?泣けてきた・・・
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:46:40.31 ID:iCqjVCzlO
鏡唯消えたけど、ここでリアル唯がリアルに戻ったら鏡唯のいない鏡世界はどうなるの?
逆にリアル唯が鏡に居続けるとリアル唯のいないリアル世界はどうなっちゃうの?
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:55:52.52 ID:hOc/JeWY0
ん?さる?
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 00:59:08.25 ID:ENMZoX940
9レスでさるが来るのか
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:00:32.53 ID:H3oeMRl+O

――――

 律の部屋

律「驚かすなよなー、まったく」トントン

澪「ごめん、まさかもう帰ってるとは思わなくて……」

律「いいさ。スティック投げつけられるよりマシなもんだ……うし、消毒完了」

律「痕になったらごめんな?」

澪「平気だよ。律に会えた証になる」

律「なーにを言ってんだか……」フッ

律「ほんとに帰っちまうんだな?」

澪「あぁ。……私には、元の場所も、鏡の中も捨てきれない」

澪「だから、こっちに唯を残していく。唯のことを大事にしている人がたくさんいるから……」

律「……澪は」

澪「私は帰らないと。私が幼馴染としてずっとやってきた律は、あっちの律だ」
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:04:15.90 ID:H3oeMRl+O

律「……」

律「だよな。しょうがないさ」

澪「……ごめん。身勝手だよな」

澪「私たちが来たせいで、唯も私も消えてしまったのに」

律「なんだ、私の心配してるのか?」

澪「そりゃあ、だって……寂しいだろ?」

律「そっちのりっちゃんと一緒にするなやい。相手は他にもいるっての」

律「心配だってんなら、澪がちゃんと、今まで通りにあっちの私と付き合ってくれりゃあいいんだ」

律「そしたら澪のことをすぐ忘れられるはずだからさ」

澪「……だな。律はそういうやつだよ」

律「ははっ……そんじゃ、いくか」

律「そこの鏡の前に」

澪「ああ」
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:08:47.72 ID:H3oeMRl+O

 カタ

澪「鏡の中の鏡の世界……ってあるのかな」

律「さあ、どうだろうな? あるとしても良いものじゃないだろうけど」

澪「……そうか?」

律「ああ。澪だって嫌だろ? 自分の気持ちが意図せず人を傷つけてしまうなんてさ」

律「誰かを好きになることさえできやしない……後ろめたさが付き纏うんだ」

澪「……律」

律「どうした?」

澪「おまえの辛さは全部私が請け負うよ」

澪「だから……律の想いたい人を、好きになっていい」

律「……ばっかだなぁ、澪」

澪「……」

律「目を閉じろ。鏡の中に入れてやる」
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:13:06.64 ID:H3oeMRl+O

澪「ん……」

律「目開けるなよ。鏡の隙間に閉じ込められるから」

澪「それは……嫌だな」

律「んじゃ、いつかな!」

澪「ああ……」

 チュッ

澪「……んなっ!?」

律「っはは、ホラ行ってこい!」ドンッ

澪「騙したなぁ、律ー!!」

 ゴオオオォッ…

澪「……まったく」

澪(ほっぺた……か)クスッ

澪(元の世界に帰ったら、律になんて言われるやらわかったものじゃないな)
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:16:54.61 ID:H3oeMRl+O

――――

 元の世界 律の部屋

 ドサッ

澪「っつう」

澪(……律の部屋か)スック

澪(外も薄暗くなってる……)

澪「……」

 パカ カチカチカチ…

 プルルルルッ プルルルルッ

律『澪っ!?』

澪「……もしもし、律」

律『もしもし……じゃねーよっ! お前、今どこだ!』

澪「どこって」

澪「律の部屋、だ……」
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:20:15.01 ID:H3oeMRl+O

律『……なんで私の部屋にいるのかね』

澪「……私に言わせれば、律がこの部屋にいないことのほうがよっぽどおかしい」

律『お前と唯を探してたんだよっ! ……あ、そうだ唯は!』

澪「……説明が難しいな。一旦帰ってこい。そこでみんな話すから」

澪「だから、急いでくれ」

律『わかった。すぐ帰る』プツンッ

 プー プー

澪「……」

澪(間に合うかな……)

澪(……バカ律)

澪「……」

 トトト…

律「澪っ!」ガチャッ
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:23:49.82 ID:WCxYfLqW0
これ面白いな
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:24:12.76 ID:H3oeMRl+O

澪「りつ……」

律「……」スタスタ

 ギュウッ

澪(……)

律「馬鹿ぁ……本気で心配したんだぞ?」

律「二度と私に黙って消えたりするなよ。わかったか?」

澪「……うん、わかった」

律「よし」パッ

律「で、どこ行ってたんだ? 私の部屋にずっと籠ってたわけでもないだろ?」

澪「……唯と一緒に、パラレルワールドに行ってた」

律「……」

澪「本当だ」

澪「鏡の中に入って、鏡を通って帰ってきた」

律「そうか。……それで、唯は?」
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:28:21.30 ID:H3oeMRl+O

澪「唯は……あっちに残してきた」

律「……え」

澪「そうするのが一番いいと思ったんだ。唯のためには」

律「……唯にとっちゃ、そのパラレルワールドで暮らすほうが幸せだってか?」

澪「それは分からない。でも、そうでなかったとしても大丈夫さ」

澪「あの世界にも、帰りたい人を帰してくれないような意地悪はいないからさ」

律「いまのところ、唯は帰りたがってないんだな……」

澪「だと思う。……これからもきっと」

澪(一人の命の上に、唯は立ってるんだから)

律「……はぁ」

律「いい友達だと思ってたの、私たちだけなのか」

澪「……さあ。かもしれない」

澪「でもそれが唯の選んだことならしょうがないと思う」
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:30:43.82 ID:cgw7R2i+0
追いついた支援
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:32:17.57 ID:H3oeMRl+O

律「……」

律「そうかぁ……唯が」

律「梓が……泣いて悲しむな」

澪「自分のことを棚に上げてそう言うのはよくないぞ」

律「……みおだって」

澪「そう……だな」

澪「……ふ、ふふっ。あー、律の気持ちもわかるな」

律「え、なんだ?」

澪「こっちの話だよ。大事な人に二度と会えないって……こんな辛いんだなって思ってさ」

律「やなこと言うない……信じろよな」

澪「……ごめん」

律「……あー」バタッ
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:33:39.22 ID:hOc/JeWY0
この律は好き嫌いの中間くらいなのかな
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:36:20.38 ID:H3oeMRl+O

律「天井が抜けて、空が見れないかな……」

澪「なんだよ、それ」

律「わからん。そんな気分だ。……なぁ、澪ぉ」

澪「ん、どうした? 律」

律「あの日の返事……今から変えることってできるか?」

澪「……あの日って」

律「澪が私に好きって言った日。で、いいのかだめなのか?」

澪「……」

澪(そんなやけくそみたいに言われても、嬉しくないよ……)

澪(でも、そんなのは我が儘だよな)

澪(それが『律』の心を癒すんだったら……)

澪「……どう変えるんだ?」
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:38:12.04 ID:WCxYfLqW0
現実の世界の憂ちゃんは唯がいなくなったと知ったらどんな反応するんだろうね
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:52:59.70 ID:hOc/JeWY0
10レスすると止まるのか
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 01:56:05.57 ID:jWBLzo6DP
携帯が全規制来てるっぽい
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:00:20.17 ID:H3oeMRl+O

律「決まってるだろそんなの。野暮だぞ」

律「……澪。今回のことで気付かされたよ。えっと、なんていうか」

律「私も、澪とおんなじニュアンスで、澪のこと好きなんだって」

澪「……ほんとに言ってるのか?」

律「本気だ! 私だって、いきなりだと思うけど……」

澪「……律。私、すっごく嬉しいよ」

律「私も……なんか変かな。けど嬉しいかも」

澪(虚無感を補うための、か)

澪(それは、誰しも同じなのかも……)

澪「好きだぞ、律」


  おわり
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:03:33.69 ID:6406IqbQO
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:05:55.87 ID:hOc/JeWY0
乙、面白かった
唯は向こうに残ったままなのか
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:06:09.08 ID:WCxYfLqW0
え?これで終わり?
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:13:12.56 ID:McPuPtWsO
続きが気になる話だが乙
物語にめり込める文章の上手さに脱帽。ゾクッとしてしまうほど好みだった。うーん、続きを期待したら…駄目か
もう一度読んでこよう
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:32:54.30 ID:cgw7R2i+0
ここで終わりかぁ
おつ
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:34:05.54 ID:6jTO/FKpO
非常に続きが気になるが、その分色々考えることができるよな。
乙ー
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 02:52:36.96 ID:Um5HgbC4O
おつ
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 03:54:36.36 ID:2YgO0CkGO
向こうで仲良くなったのになんで律はこんな優しいんだ
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 04:09:01.01 ID:jhq3Lkg4O
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 05:34:07.20 ID:jXnGLywC0
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 05:37:17.24 ID:EvjX/4uT0
             ______
            /         \
          / / /|  |\  \\
          | | /△ \|△ \  | |
           | |/  ●  ●  | | |    ほぼ出番がなかったけど乙だわ
          | |   \___/ | | (
          | \    \/    | 、/ |
          /,,― -ー  、 , -‐ 、 人
          (   , -‐ '"      )  )
           `;ー" ` ー-ー -ー' 人(
            l           l
            l           l
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 06:37:32.07 ID:H3oeMRl+O
>>204
なんで律は澪に優しくできたんでしょうね?

蛇足になるので、補足はこれきりで。
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 06:45:41.58 ID:sdmciZP4O
久々に最後まで読めた乙
210450:2010/11/19(金) 07:11:47.14 ID:+ldeEvTv0
>>204
りっちゃんだからさ
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 07:46:30.48 ID:8DIRxUl3O
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 09:23:17.42 ID:ASY+q0XMO
りっちゃんが優しいのはりっちゃんが天使だから
ムギちゃんが可愛いのはムギちゃんが天使だから
それ以上の理由を求めるなんて野暮ですよ
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 10:37:29.20 ID:iDJxOJ1c0
面白かった

214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 11:28:26.38 ID:x0f7mIcfO
お疲れ様
面白かった
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/19(金) 12:22:36.78 ID:GgI2L7RX0
乙。最後悲しいな
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
現実側の憂の事が気になってしょうがない
唯の事が嫌いになって一日くらいしか経ってないけど、それまで暮らした10年以上の思い出とかも
いやな思い出に変わっちゃうのかな、鏡憂の心の影響を受けるとすると、鏡世界で唯憂がうまくいくほど
現実世界の憂は唯がいなくても、寂しくも悲しくもないってことになるし、なんか切ないなあ

面白かったよ、乙