憂楽帳:趣味
ttp://mainichi.jp/select/opinion/yuraku/news/20101118k0000e070051000c.html 米国人の妻の実家はコロラド州にある。行くたびに驚かされるのが、義理の父の趣味のスケールの
大きさ。16年前に結婚したころ、父は1960年代の名車、シボレー・コルベアのポンコツを
工具が並ぶガレージに運び込んだ。
塗装ははげ、シートは破れ、エンジンも回らない。こつこつと修理し、塗装は業者に任せたものの、
ピカピカの1台に仕上げマニアに販売した。次はボロボロの木製モーターボート。水も漏る。
数年かけてすっかりきれいにし、これもマニアに売っていた。
今は引退したが、州水道局の職員だった。高給取りというわけではないが、多趣味で、
冬にはエルク(アメリカアカシカ)の猟にも出かけていた。猟の後には、その干し肉がよく送られてきた。
何でも自分の手でやってしまうのが米国流だと感心させられた。
私も趣味で車を改造している。ただ、作業はすべて専門ショップ任せ。自宅のマンションの駐車場では、
自分でやろうにもできない、というのは言い訳……。知識がなく不器用で、手が出せない
自分が情けない。【高塚保】
毎日新聞 2010年11月18日 13時22分