川 ゚ -゚)世界は完成されたようですべてが、いびつに歪んだんだ

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1代理
ζ(゚ー゚*ζ「迷うわぁ ツンなの デレなの どっちが好きなの?」
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:17:51.45 ID:r3HKZLo10
んだんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
3ウコン ◆LukonSd85c :2010/11/06(土) 23:18:30.11 ID:594G0VfD0
ツンちゃん可愛いお!
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:24:52.99 ID:zduYP/agO
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:26:03.18 ID:zduYP/agO
−−−−caution−−−−

これは前回書いたセクサロイド短篇の最終章後編となります。

スターシステムにより、同じAAを使っておりますが別人とお考え下さい。

内容が18禁に近いので、sage進行でお願いします。

作者の妄想世界になるため、整合性のない科学論理が展開されます。

では投下致します。
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:26:55.31 ID:UAL23TWXI
支援
7 ◆YW8tTr3Ies :2010/11/06(土) 23:28:39.73 ID:zduYP/agO
雪のちらつく宵闇。
街並みは灯が少なく、星の輪郭がぼやけて雪となる。

そうだ。そのまま私の輪郭も歪ませてくれ。

そして出来れば消し去って、夜空の星として迎えてくれないか?

また誰かが輝く私を見つけたら、雪の様にこぼれ落ちるから。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:31:35.91 ID:zduYP/agO
――――A.D1948.March.25

私は走る。

地面に点々と染みを作り、後ろだけを見て走る。
本当に向かうべき筈の場所を背にして、逃げ出して、基地へと走る。

川 ; -;)「くそっ! くそっ! あの臆病者め! 一緒に――」

奴をけなす言葉は、次々と浮かんで行く。

だが最後には、懇願してしまうんだ。

川 ; -;)「――一緒に居させてくれよ! 何故私を置いて行くんだ!」

雄叫びは奴に届いただろうか?
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:37:29.63 ID:zduYP/agO
確認したくとも、アシモフの鎖が身体を縛り絶望にしか、足を向けさせてくれはしなかった。



この機械の身体が酷く恨めしい。

ガラクタの入れ物じゃない、私の心で動く身体が欲しかった。



逃げ出した私は、ドロイドに追い付かれる事も無く基地へと着く。

恒常して稼働し続けた人工筋肉は、軋みをあげてはいたが無傷と言える。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:43:05.89 ID:zduYP/agO
それでも断続的に襲う罪悪感に、私の心は悲鳴を鳴らしていた。

命令は守った。
障礙――しょうげ――となる鎖は消えていたのだ。

その筈なのに、私は基地の中でうずくまる事しか出来なかったんだ。

計算高いA.Iはショボンの生存の可能性を否定し、自愛を優先させるのだ。

結局、アシモフを振り切れないこの身体に、嫌気がさした。

('A`)『COOL! ショボンと連絡が取れない! 奴はどうした?』

基地に繋がるエレベーターの中でふさぎ込む私に、スピーカーから聞き覚えのある声が流れて来た。

川 ; -;)「私を……私を逃がす為に、囮になりました」

('A`)『そうか、君だけでも帰還出来たなら僥倖だ。 エレベーターへの通電を、シャットダウンするから出て来たまえ』
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:49:30.37 ID:zduYP/agO
僥倖? 一人の命でたかが機械が一台戻って来ただけだぞ?

川#; -;)「何が僥倖なのです! 私などただの機械ですよ!」

('A`)『なら機械らしく、命令に従いたまえ。 ブリーフィングルームにて待つ。
すぐに来い!』

スピーカーからの音は止んだ。

機械らしくか……。

自分で言っておいて、憂鬱に浸る様になればお終いだな。




死にたい。


12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:53:05.89 ID:zduYP/agO
私はエレベーターから出て、ブリーフィングルームへと向かった。

コンコンと部屋をノックすると、入れとだけ言われた。

川 ゚ -゚)「失礼します」

('A`)「なんだ眼を腫らして来るかと思ったが、やはり機械か」

機械。
この言葉が私を締め付ける。

いきなり投げかけなくても良いじゃないか、そんなの自分が1番解っている。


川 ゚ -゚)「お呼びの理由は?」

私は心情を悟られぬ様に、努めて冷静に振る舞った。

('A`)「報告がまだだろうに……。
残存した兵士は全て収容したが、今後の対策をショーンから言付かって居ないのか?」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 23:58:04.65 ID:zduYP/agO
確かにそうだった。
報告を忘れて、泣き崩れるなんてどうかしてる。

川 ゚ -゚)「申し訳ありませんでした。 ショーン軍曹からは何も言付かっておりません」

('A`)「そうか。 それなら仕方ない。
しかし悲しみに暮れて、報告を怠るとはどう言うつもりだ?」
川 ゚ -゚)「申し訳ありません。 機械にあるまじき失態でした」
やはり機械として扱うよな、私など……。
これが普通なのだと、改めて実感する。

(;'A`)「そういう事を言ってるんじゃねぇんだけどなぁ……」

川 ゚ -゚)「は?」
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:02:01.29 ID:/hfgCXG60
キターーーーー!!
支援
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:03:15.34 ID:kv5s5RQMO
目の前の上官――ドクオ。
階級は少尉だったか?

彼は唸り、もどかしそうな顔を浮かべる。

('A`)「大体お前らの関係は聞いてるよ」

川 ゚ -゚)「はぁ? 私達は上官と、部下の関係でしかありませんでしたが?」

('A`)「まぁ事実はそうかも知れんが、感情は違うだろ?」

彼の言っている事は今一、要領を得ない。

川 ゚ -゚)「と言いますと?」

(#'A`)「あぁお前もショボンと一緒で、面倒なやつだな!」

川 ゚ -゚)「えぇと……申し訳ありません」

私は訳も解らず、謝ってしまった。
彼は何を言いたいのだろうか?

('A`)「もう良い。 君は自室で待機していろ、私は司令室へ戻る!」

川 ゚ -゚)「了解しました」
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:10:17.86 ID:kv5s5RQMO
良いのだろうか?
私は敬礼をして少尉を見送る。

彼が部屋を出た後、私は自室へと戻った。

待機していろ。

その言葉に従う。
戦闘中なのに、私は何をしているのだろうか?

機械として、前線に立つべきだ。

人として、生の実感を感ずるべきだ。

あれ?
解らなくなって来た。

なんで人間になる事にこだわって居たのだろう?

最初は身体を許す事に、抵抗があっただけだ。

いつから人間モドキになろうとしたんだっけ?
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:15:12.21 ID:kv5s5RQMO
そして気が着く。

川 ゚ー゚)「ははっ――つくづく私の頭は鈍いらしい!」

いつもながら、自嘲の言葉しか出て来ない。
あんなに早くから、私はあいつに恋焦がれていたのに。

川 ゚ -゚)「はは……欠陥品だな……私は」

もっと早く気付いて行動していれば、彼は私を受け入れてくれたのかも知れない。
そう考えると、やりきれない気持ちが溢れ出る。

オーバーロードを繰り返す私のA.Iは、休養を進言していた。

こんな気持ちじゃ戦えやしない。

少尉はショボンの友人だけあり、癖が強い優しさを見せてくれたのだ。

頭を冷やすために、私は提示された欲求に従う事にした。


――もう何も考えたくない。


18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:19:45.90 ID:79Ha5odCO
支援
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:23:56.42 ID:kv5s5RQMO
――――2時間後。

戦闘は援軍が到着した事により、なんとか巻き返したらしい。

今は見張りを立てて、再度進行が無いかの確認を行っているそうだ。

スリープ中の私を起こして、少尉が説明をしてくれた。

('A`)「寝てるとは随分立派な身分だな」

少し刺々しい。
彼はショボンの死で、私を怨んでいるのかもしれない。

川 ゚ -゚)「申し訳ありません」

彼には謝罪しかしていない気がする。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:27:53.76 ID:kv5s5RQMO
('A`)「ショボンには、けっこうな皮肉屋と聞いたんだがな」

川 ゚ -゚)「やはり親しかったのですね……」

なんだかどきりと胸が痛む。
責められないだけマシな筈なのに。

('∀`)「そりゃあ、士官学校からの仲だからな!」

彼は笑いながら答える。
ショボンに良く似たどこか暗い笑みだ。

しかし、私を責める気配は微塵も見えなかった。

川 ゚ -゚)「何故先程の様に私を責めないのです?」

('A`)「別に責める事じゃねぇだろ? 愛した相手が死んだら悲しいのは当たり前だ。 ただし――」

少し少尉の声色が低くなる。

('A`)「――さっきみたいに、守られた相手を侮辱する様なのは良くない」

彼は何が目的で話しをしているのだ?
だんだん解らなくなる。

川;゚ -゚)「あなたは私を怨んでないのか?」
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:31:41.99 ID:kv5s5RQMO
('A`)「怨む? なんで?」

川 ゚ -゚)「その……貴方達は、通じ合っていたのでは?」

('A`)「……あいつまたそういう事を」

話が見えない。
どう言う事だ?

川 ゚ -゚)「どういう事です?」

少尉は、ため息をつきつつ語り始めた。

('A`)「どうせホモだとか、言ってたんだろう?」

川 ゚ -゚)「はい」

私はこくりと頷く。
なんだか、裏がある様な物言いだ。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:37:25.32 ID:kv5s5RQMO
('A`)「そりゃあ嘘だよ。 ただ単にあいつは、女が怖いだけさ」

川 ゚ -゚)「えっと……それはどういう事ですか?」

('A`)「察しが悪いな。 あいつは臆病者なだけ、ただ最後にあんたを守って死んだ。 
臆病者にしては頑張った方だよ」

少尉は窓に顔を向けていた。
昔を思い出す様に、遠くを見つめている。

川 ゚ -゚)「何故? ショボンはそんな嘘を?」

('A`)「さぁね? あいつの恋愛遍歴は知らん。 ただいつもそうやって、追い払っていたな」

川 ゚ -゚)「そうなんですか……」

('A`)「あいつ言ってたよ。 あんたの事好きだって、でも絶対に結ばれやしないとも言ってたがな……」


本当臆病なやつだよ。


23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:40:59.45 ID:kv5s5RQMO
そう言って、少尉は押し黙る。


川 ゚ -゚)「私はこれから、どうすれば良いのでしょうか?」


もう叶わぬ恋。
それを経験した私の未成熟とも言える心は、答えを求め自然とこの言葉を発していた。

('A`)「生きろよ。 それがあいつの願いさ。 そしてもう一度、誰かを愛してやりな?」

川 ; -;)「出来るのでしょうか? ただの機械の私に」

もう限界だった。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:41:55.39 ID:+PDqh9ij0
支援
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:46:35.16 ID:kv5s5RQMO
受け入れられなかった事。
でもお互いに愛していたらしい事。
なんでこんなに複雑なんだい?


難しいよショボン。
0と1でしか判断出来ない私に、理解出来る訳ないじゃないか?

なんで置いて行くんだよ。
答を教えてくれても、良いじゃないか。

('A`)「まぁ俺は言うべき事は言ったから、もう行くぜ?」

川 ; -;)「ありがとうございます。 少尉」

('A`)「別に良い。 落ち着いたら俺の部屋に来い。 酒でも飲もう。 あと、二人の時に敬語はいらん」

じゃあな。
と言って少尉は去って行く。
私は日が落ちても、一人で泣いていた。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 00:50:47.10 ID:kv5s5RQMO
――――A.D2153.February.14

あの日、私は強烈な痛みの中で自我を確立した。

ショボンという生き方の規範が無くなり、自分の生き方を見直したからだ。

川 ゚ -゚)「あの時は、立ち直れたんだけどな……」

私は酷く弱い。

だから彼が居なくなった時、世界と一緒にいびつに歪んだんだ。

世界と私。
並行した世界はお互い歪んだのに、ご丁寧に二本の螺旋の様に交わる事を知らない。

私は家に帰らず、少し歩く事にした。

世界は歪んでいるのに、どうして雪だけは綺麗なんだろう。
27 ◆YW8tTr3Ies :2010/11/07(日) 00:55:10.21 ID:kv5s5RQMO
すいません体調悪くてキリの良い所で、一旦終わります。

明日また投下しますので、スレは残して頂けると幸いです。

すいませんでした。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 01:10:53.23 ID:tJQAI0YQ0
乙!
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 01:20:11.04 ID:ryNGZEHrO
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 01:58:43.03 ID:T5cFulDmO
今更だがこれちゃんとようです検索でひっかかるんだな…

保守
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 02:27:58.74 ID:tJQAI0YQ0
保守る
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 03:03:33.51 ID:tJQAI0YQ0
ほーしゅ
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 03:19:44.20 ID:tJQAI0YQ0
寝る前に保守る。
後は・・・まか せた・・。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 04:11:21.31 ID:pez6ZG+0O
まかせな
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 04:11:37.04 ID:2EXrMxlqO
ねるほ
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 05:05:12.94 ID:pez6ZG+0O
保守
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 06:50:09.09 ID:pez6ZG+0O
守保
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 07:38:40.72 ID:6dBogidI0
きてた
マジでショボンはホモかと思ってた
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 08:02:47.34 ID:/hfgCXG60
眠い・・・
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 08:28:48.99 ID:kv5s5RQMO
おはようございます。
7時ぐらいには再開出来そうです。

すいませんが半日ほど、引き続き保守お願いしますm(_ _)m
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 08:39:14.80 ID:/hfgCXG60
眠いから午前中しか保守できんが
午前中の間はまかせろーバリバリ
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 09:03:26.31 ID:5y4akh3y0
やめてー

保守
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 09:23:48.96 ID:/hfgCXG60
どうぞどうぞ
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 10:33:52.13 ID:tJQAI0YQ0
おはよー 保守
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 11:06:28.15 ID:5y4akh3y0
やめてー

保守
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 11:57:00.08 ID:6dBogidI0
昼飯保守
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 12:54:09.47 ID:6dBogidI0
ごちそうさま保守
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 13:27:10.56 ID:79Ha5odCO
保守しとくか
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:05:59.51 ID:vB3njiBiO
牛乳うめー保守
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 14:45:52.70 ID:wvcJeBwjO
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 15:28:06.48 ID:6dBogidI0
3時のおやつ保守
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:14:19.97 ID:vB3njiBiO
課題おわった保守
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 16:55:14.62 ID:/hfgCXG60
保守犯がいる部屋になんていられるか!
もう眠いんだ!俺は自分の部屋で寝させてもらうからな!

ねるほ
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 17:16:53.27 ID:79Ha5odCO
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:25:10.52 ID:6dBogidI0
晩飯保守
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:44:24.98 ID:kv5s5RQMO
7時半には帰れそうです

それから少し手直ししてから投下なので、8時前には投下出来ると思います。

本当ご迷惑おかけします。
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 18:46:11.52 ID:bisOnToxO
ホッッシュォオオォオォオォォォ
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:37:24.16 ID:tJQAI0YQ0
ほっしゅ
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:38:35.43 ID:tJQAI0YQ0
>>53
保守フラグ・・・。
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:57:31.69 ID:kv5s5RQMO
すいません再開します。
そして書きダメ十レスほど手直し中に電話来て消し飛びました……。

ふざくんなwww

とりあえず今夜中に全部投下するので、15レスほど投下したら書きダメ作業に戻りつつ、超鈍速投下します……。
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 19:59:19.32 ID:kv5s5RQMO
幽鬼の様に街をふらつく。

目的はない。

過去の過ちと理不尽な運命に対する遺恨が擦り減れば、それで良いのだ。

全てを記憶するこのA.Iが、忘れるとは思えないけれど。



私はメランコリの中に生きながら、街外れの高台に来ていた。

高台は木杭の跡で囲われているが、刺さっていたであろう物は木片となって散らばっている。

一歩踏み出せば、切り立った崖に落ちて行ける事だろう。

数年前なら、良く映えたであろう街の夜景も今は見えない。
わびしさを感じる風景が広がるだけの場所に立ち、呟く。

川 ゚ -゚)「後一歩なのにな……」

カツン。
小石が崖を転げ落ちる。


私もそれに続こうとした。


62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:00:25.81 ID:kv5s5RQMO
――――A.D1948.April.18

終戦まで残り一週間。
ショボンの死を受け入れた私はなんとか、通常任務に戻っていた。

ζ(゚ー゚*ζ「ツンは左翼に行って頂戴!」

o川*゚ー゚)o「私は〜?」

ζ(゚ー゚*ζ「ヒートと共に、最前列で進行を抑えて!」

ξ゚听)ξ「了解したわ」

o川*゚ー゚)o「了解だよ」

戦乱は終決へと向かうため、昏迷に陥っていた。

昼夜を問わない進行に、私たちが夜伽を強要される暇も無くなっている。
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:03:12.48 ID:tJQAI0YQ0
おかえり支援
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:07:04.68 ID:kv5s5RQMO
そのため独立部隊として、前線で戦う事が多くなってくる。

地雷や、グレネードを使いなんとか耐えたと言った所だった。

('A`)『おいクー聞こえるか?』

川 ゚ -゚)「なんだドクオ?」

通信機からドクオの声が聞こえる。

('A`)『死ぬなよ? 愛してる』

川 ゚ -゚)「馬鹿か? 切るぞ」

私は通信を切断した。
少しだけ口許が緩むのは、仕方ない事だろう。

この半月ほどで変わったのは、任務の部分だけでは無かった。

個人的な事だが、ドクオと一夜を共にしたのだ。

酒の勢いとは恐ろしい。
嫌な訳では無いが、とデレに言ったら――

ζ(゚ー゚*ζ「惚気とか止めてよね?」

――だとさ。


案外色恋沙汰には興味が無いらしい。
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:11:30.05 ID:kv5s5RQMO
川 ゚ -゚)「デレ、敵の数は?」

ζ(゚ー゚*ζ「200ぐらいね。 最近は少ない割に、毎日の様に来……るわねぇ!」

デレは会話の途中で、突撃銃を構えドロイドに放つ。

確かにおかしい。
前線基地とは言え、数で攻めれば落ちる筈なのに、何故それをしないのだろうか?

私も突撃銃を構えて、ドロイドを撃ち抜く。

川 ゚ -゚)「怖いな……少し」

嫌な感覚に包まれた。
蟻が這う様な、不思議な感覚。

終戦は近い。
誰もがそれを感じていた。
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:14:27.72 ID:tJQAI0YQ0
支援
67ブーン系採点人:2010/11/07(日) 20:19:01.24 ID:n3xpNukiO
37点
書く力はありそうだが劣化ラノベ
ナルシスト臭つよすぎ
書いててはずかしくない?
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:20:57.11 ID:kv5s5RQMO
――――同時刻、基地内司令室。

(#'A`)「ロマネスク大尉! 現状に眼を向けて下さい!
この基地は放棄すべきです!」

( ФωФ)「ならんのである! 軍令を放棄するつもりか?」
俺の怒声に周りの兵は、それぞれ不安を浮かべている。

('A`)「しかし! おかしいと思いませんか?」

( ФωФ)「おかしいであろうな。 だが、放棄すれば突如進行して来るかも知れん」

('A`)「……打つ手が見えませんか?」

( ФωФ)「そうだ。 解ってくれ」

('A`)「解りました……」

俺はおとなしく引くしかない。
胸騒ぎは大きくなるばかりだ。
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:25:17.24 ID:kv5s5RQMO
――――A.D1948.April.23

私は久しぶりに基地へと戻っていた。

川 ゚ -゚)「やはり撤退は出来ないか?」

('A`)「ああ。 兵の疲労も限界だが、上層部はもっとやばい事態なのかもしれん」
ドクオのベッドの上で繰り言を交わす代わりに、随分と色気ない会話をしている。

二人で居る時間を大切にしたいと思うが、心配事が増える度に戦争の事ばかり考えてしまう。

この周辺の基地は全て落ちてしまったのだ。
前線で突出した形となったここも、時間の問題だろう。
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:29:23.12 ID:tJQAI0YQ0
しーえん
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:30:07.22 ID:kv5s5RQMO
川 ゚ -゚)「愛してるよ。 誰よりも君を」

('A`)「俺もだ」

相変わらず、愛想のない返事だな。

川 ゚ー゚)「私が好きになる奴は、機械よりも面倒だな」

腕をドクオの首に絡めて、私は言った。

('A`)「まだショボンを引きずってんのか?」

少し嫉妬深い癖に、無愛想を気取るのは止めたら良いのに。
馬鹿なやつ。

川 ゚ー゚)「そんな事聞くなよ。 私がお前以外を見る事はないさ」

('A`)「本当か?」

川 ゚ -゚)「本当さ。 今はお前以外には居なかったと思うよ」

そんな懇願するような眼で見ないでくれ、私だって不安なんだ。

でも君が居てくれるなら、頑張れる気がするんだ。

なぁ君もそうだろう?
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:34:20.79 ID:kv5s5RQMO
――――A.D1948.April.24

日が登ってすぐだった。

ドロイド達の最終攻撃が始まった。

ドクオと一夜を共にしていた私は着のみ着のまま、基地外へと出陣した。

もう既に敵影が、肉眼で確認出来る距離に大挙して押し寄せる。

(#ФωФ)「全軍!この場を死守せよ!」

中央に立った司令官が、味方を鼓舞する。
兵達は絶望感に包まれているが、腹を括った者もいるようだ。
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:35:18.76 ID:tJQAI0YQ0
sien
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:40:14.08 ID:kv5s5RQMO
( ФωФ)「ここを一秒でも死守する事が、子供を、親を、人間を一人生かすと考えてくれ! そして生き残るのである!」

全ての兵が敬礼し、涙声で了解を示した。

('A`)「やっぱ来ちまったなこの日が……」

川 ゚ -゚)「怖いか?」

('A`)「お前と一緒なら怖くはないさ」

似合わない澄んだ笑みを私に向けて、言うドクオに笑ってしまった。

川 ゚ー゚)「私もだ。 さぁ生き残ろうじゃないか?」

でも同じ様に思ってくれてたんだな。

愛してる。

今は照れ臭くて、言えないけど。

私達は基地の前で、射撃で敵軍の波を足止めする。

新しく編成された戦車隊は、左翼から進軍して行ったようだ。

使い捨てになってしまうかも知れないが、少しでも敵を減らしてほしい。
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:45:05.67 ID:kv5s5RQMO
一月前と違うのは、数以上に編成だ。

掘削用のドロイドが多いと言う事は、篭城対策なのだろう。

奴らは私たちを皆殺しにするつもりだ。

川 ゚ -゚)「守ってみせるさ……」


ショボン。


私にとって初恋の人。
あなたの気持ちが少し、解ったかも知れない。

ζ(゚ー゚*ζ「クー以外は前線で、足止めして!」

隣に居たデレが、私以外に指示を出す。

仲間外れにするつもりか?

川 ゚ -゚)「私も行くぞ!」
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:50:10.68 ID:kv5s5RQMO
ζ(゚ー ゚*ζ「あんたはいーの! てかモドキが居ると邪魔なのよね」

彼女は冷たい表情を私に向ける。

もう騙されないよ。

川 ; -;)「あなたはいつもそうだ! 私を遠ざけて守ろうとする!」

ζ(゚ー゚*ζ「うるさいわねぇ! 命令よこれは! ドクオ少尉を側でお守りしなさい!」

('A`)「すまないなデレ」

ζ(^ー^*ζ「よろしく頼みますわよ?」

仲間達は戦車隊とは逆手から、敵陣へと飲まれて行く。

ありがとうぐらい言わせてくれても、良いじゃないか……。

轟音が響き、戦火が白波の様に前線を抜けてくる。

ホバータイプのドロイド達の脚は早い。
蹂躙されて行く友軍達が見える。
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:51:54.93 ID:n3xpNukiO
誰か支援してやれよ……
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:53:29.87 ID:hJuO/cHVO
支援
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:55:21.74 ID:kv5s5RQMO
('A`)「最後まで、一緒にいような」

ドクオの手が私をぎゅっと掴む。

川 ゚ー゚)「生きるって言ったろ?」

( 'ー`)「そうだったな」

さぁウォーライフが終わる。


生きて帰るんだ。


最初の敵影はおよそ5000。

残存兵力は補充要員を含め2800。
ここを凌がなければ、ただ蹴散らされるだけだろう。

戦車隊は後続の3万に、攻撃を仕掛け足止めを行ってくれている。
なんとか報いなければならない。

( ФωФ)「中央を重点的に攻め、奴らを分断させる!」
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 20:58:36.49 ID:kv5s5RQMO
ロマネスク大尉の激が飛ぶ。

周りの兵は一気加勢に、銃弾を中央に集めて行く。

私は撃ち漏らしたドロイドを中心に、味方の被害を軽減する事に注力した。

川 ゚ -゚)「キリが無いな……」

('A`)「んなこたぁ解ってる。 恐らく大尉は、十分引き付けてから基地内の爆薬で基地ごと自爆をするつもりだろう」

川 ゚ -゚)「兵達の逃げ道はどうなる!」

('A`)「確保してある。 だが直前まで知らせる気はないらしい」

川 ゚ -゚)「奴らも馬鹿じゃないと言う事か?」

('A`)「そうだ。 後ろを気にしてりゃ統率も鈍るしな」
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:01:38.41 ID:kv5s5RQMO
戦車隊やデレ達が凌いでいる内に、前線を片付ければ勝機があると言う事か……。

敵の中央が少しづつ拓けて行く。

もう一押しだった。

だがこちらの前線も少しづつ剥がされて行く。

凌ぎ合い。

捨て身同士の力比べだ。

時間にして数分間続いたその拮抗は、唐突に終わりを迎えた。

敵軍中央で大きな爆発が起こったのだ。
友軍の間にも動揺が広がる。

理由が解らないからだ。

地雷原でもなければ、RPGが遮蔽物を飛び越えて爆発するなど有り得ない事だ。

ただし私のアイカメラには一部始終が写っている。
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:02:19.59 ID:tJQAI0YQ0
支援
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:03:59.09 ID:kv5s5RQMO
戦場に似合わない金髪が揺れて、急激に発光した瞬間を見たのだ。

私の頬に雫が伝う。

また私を大事にしてくれた人が逝ってしまったのだ。

(;'A`)「クー! 何を泣いている!」

川 ; -;)「あの光……デレだ」

('A`)「そうか……。 だが助かった。 これで基地からの援護射撃で相当数を撃破出来る」

川 ゚ -゚)「あぁ! 活路が見えて来たよ」

雫を拭い、銃を構える。

今度は左翼を中心に攻めたてる。
援護射撃の集中放火で、進行は遅々として進んでいない。

戦車隊も無事なようだ。
少しづつ後退してくる。
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:05:54.85 ID:kv5s5RQMO
( ФωФ)『最後の作戦を伝える! 全軍は少しづつ後退し基地へと入り次第、各自地下脱出路を使い速やかに逃げ出せ。 猶予は30分とする!』

('A`)「了解! 逃げるぞクー!」

ドクオはそれにすぐさま答える。

川 ゚ -゚)「他の兵達はどうするんだ?」

('A`)「各自の判断に任せるしかねぇ……。 だがロマネスク大尉は、最後まで残るおつもりだろう」

川 ゚ -゚)「お前も残りたいんじゃないのか?」

('A`)「お前を一人にしたくない」

川 ゚ー゚)「ありがとう」

たまに素直になると、すぐに格好付けるんだからな。
きっと私は君をまだまだ好きになってしまうよ。
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:07:32.64 ID:tJQAI0YQ0
支援
兵達の逃避行が始まる。
友軍を逃がそうと、しんがりを勤める兵は1000名にも登っている。

その中に、私の仲間たちも入っているのだろう。

後列に居た私達は、早い段階で地下通路へと入っていた。

1300名。
死傷者やしんがりを抜いた数は、全体の半分を少し下回っていた。

('A`)「お前ら俺についてこい!」

<_プー゚)フ「了解しました!」

待避組は若い兵を中心に構成されていたので、ドクオが中心に纏めていた。

爆発まで10分。
問題なく抜けられそうだ。

地下を走るカツンカツンと言う音が響く。

長いトンネルを抜けて光りが見えて来た。
数名の兵を哨戒に出す。

手で出て来る様に合図される。
この時初めて、兵達に安堵のため息が漏れていた。
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:18:37.42 ID:vB3njiBiO
支援
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:32:56.20 ID:kv5s5RQMO
――――A.D1948.April.24

日が登ってすぐだった。

ドロイド達の最終攻撃が始まった。

ドクオと一夜を共にしていた私は着のみ着のまま、基地外へと出陣した。

もう既に敵影が、肉眼で確認出来る距離に大挙して押し寄せる。

(#ФωФ)「全軍!この場を死守せよ!」
中央に立った司令官が、味方を鼓舞する。
兵達は絶望感に包まれているが、腹を括った者もいるようだ。
89>>88ミス……:2010/11/07(日) 21:34:15.86 ID:kv5s5RQMO


――爆発まで残り三分。
この間に、少しでも街へと近付きたい。

私たちはまた走り出した。

三分後、背後から巨大な衝撃が襲う。

私は振り向き、戦場後を見つめる。

敵影は見えず、様々な鉄の残骸が残るだけだった。


その後、夜遅くまで私達は走り続けた。

ドクオは兵の疲労を考え、森の中で明日の朝まで休むと兵達に伝えると私を脇に呼ぶ。

愛の言葉を囁き合い私達は眠りに落ちた。
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:36:07.97 ID:79Ha5odCO
ほす
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:37:12.48 ID:tJQAI0YQ0
支援
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:49:49.88 ID:kv5s5RQMO
――――A.D1948.April.25

終戦記念日。
世界が平等の名の下に、全てが完成された日。
私にとって全てが歪んだ日。


この日は日が昇る前から激動が始まった。

通信機から最悪の現状を告げられたのだ。
全世界の主要防衛拠点が、一夜にして落とされたのだ。

これにより事実上、人間の敗北が決まった。

さて問題になるのは身の振り方だ。
通信機からの音声によると、敗残兵は大都市へと向かい待機する事を命じられた。

人間がドロイドを支配した時の様に、特区を作り管理するつもりだろうか?

川 ゚ -゚)「どうするドクオ?」
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 21:52:05.79 ID:FKVYS8MKO
支援
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 22:11:20.92 ID:kv5s5RQMO
('A`)「従うしかあるまい。 食糧も無いしな。 反乱よりも従属の方が生存率は高いだろう」

川 ゚ -゚)「なんとかなれば良いな」

('A`)「あぁ……」

ドクオを含め、兵達の表情は暗い。
受け入れ難い事だろう。
物に支配されるなんてな。

私達は元の国の首都へと、歩を進める。

未来の見えない旅路は、進行を鈍らせ肉体を蝕む。

数時間で着く道のりは半日をかけて走破した。

やはり首都についても暗い。
と言っても、首都だったと言えば良いのかも知れないが……。

データにある首都とはまるで違う景色が広がっていた。
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 22:14:09.04 ID:+PDqh9ij0
支援
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 22:15:10.59 ID:+PDqh9ij0
支援
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 22:25:22.44 ID:kv5s5RQMO
川 ゚ -゚)「これは?」

血の海。地獄。魔界。世界の終わり。
形容すべき言葉が見付からない。
アスファルトは砕け、倒壊するビル。
所々で上がる黒煙は、地獄の釜が煮立つ姿を連想させた。

そして残骸が広がる。
手や足、剥き出しの金属。
内臓や脳髄、剥き出しの眼球。

吐き気を催す血錆の臭いを、嗅ぎ慣れた硝煙の匂いでごまかした。

歩く度に、感触が代わる道。
下は見たくない。

硬い道を踏み締める事を祈りつつ、中心へと進む。

ガリッ。ガリッ。ガリッ。グチュリ。ガリッ。グチュリ。

見知らぬ誰かよ許してくれ。
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 22:30:54.98 ID:tJQAI0YQ0
sie
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 22:54:49.94 ID:kv5s5RQMO
国の中心。
長田町。

私達はその場所へと足を踏み入れた。
この周辺は未だに原型を留めている。

道の両脇は、大型のドロイド達が整列している。

確かこんな宗教画を見た事がある。
巨人が両脇を守る道を歩く黒衣の男の絵だ。

('A`)「戦闘の意思はない。 責任者は居るか!」

(//‰ ゚)「ナラバ武器ヲ降ロセ。 サスレバ管理者ヲヨボウ」

('A`)「解った。 皆武器を降ろせ」

ドクオの言葉に従い、全員が銃や爆薬を道へと降ろす。

('A`)「これで良いか?」

(//‰ ゚)「良イダロウ」

巨大なドロイドは何やら、通信音を鳴らしている。
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:05:03.69 ID:+PDqh9ij0
支援
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:05:49.34 ID:+PDqh9ij0
支援
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:06:33.38 ID:+PDqh9ij0
支援
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:08:56.14 ID:kv5s5RQMO
数分後――

長田町のシンボルから一人の少女が現れた。

付き人らしい均整の取れた顔立ちの男も側に立っている。

(*゚ー゚)「来ましたね人間」

('A`)「あんたが、ここのリーダーかい? 随分綺麗だな。 セクサロイドか?」

(,,゚Д゚)「口を慎め! 貴様らの勝手な枠組みに俺達を当て嵌めるな!」

(*゚ー゚)「良いのよギコ」

(,,゚Д゚)「おぃ、しぃ……」

川 ゚ -゚)「話が進まんなお前達は」

(*゚ー゚)「あら貴女は私達側に居るべきな方よね?」

川 ゚ -゚)「私は生憎な事に人間が好きでね」
(*゚ー゚)「あらそう? 変わり者ねあなた」
104書き溜め終わりました。:2010/11/07(日) 23:20:16.82 ID:kv5s5RQMO
川 ゚ -゚)「そうでもないさ。 それで? 私達はどうなる?」

少しほほ笑み、彼女は言う。

(*゚ー゚)「殺すわ」

(;'A`)「なっ……いきなりかよ!」

(*゚ー゚)「私達には例外は無いの、人間は平等に殺す」

しぃと呼ばれた少女は平然と言い放つ。

(,,゚Д゚)「そうだゴラァ!」

ギコと言うドロイドの言葉を合図に巨大ドロイドが動きだす。

(#'A`)「武器を取れ! この場を逃げ出す!」

ドクオの対応は速かった。
しかし失策をフォローするには至っていない。

両脇から突き出された拳には、赤い水風船が割れていた。
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:22:37.04 ID:kv5s5RQMO
ここは戦場なのか?

屠殺場の様に捻れられ、悲鳴をあげる人々。
横から死が葬列を為してやってくる。

気付けば原型を留めている人は、5人しか居なかった。

私はがっちりとドクオの手を握り、ただ震えていた。

(*゚ー゚)「さぁてそろそろ終わりね」

(,,゚Д゚)「手間を掛けさせるんじゃねぇぞゴラァ!」

('A`)「はぁはぁ……最後に一つだけ質問がある」

(*゚ー゚)「なぁに?」

私達の後ろで水が弾ける音がした。
少女は、顔をくしゃくしゃに歪めて質問を聞く。

('A`)「クーはどうなる?」

(*゚ー゚)「逆らわなきゃ、迎えてあげるわよ?」

('A`)「そうか……」

ドクオは安堵の笑みを浮かべる。
なんでそんな優しい、微笑みをこぼすんだよ。
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:23:33.17 ID:tJQAI0YQ0
支援
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:25:22.51 ID:kv5s5RQMO
(*゚ー゚)「もう良いの? じゃあ死んでね」

巨人の腕が、ドクオへと伸びる。

ドクオは安心した表情を浮かべている。

なんで納得してるんだよ!

なんで。なんでなんでなんで!

私は――





――置いてかれたく無いんだ。

川 ; Д;)「うわぁぁぁぁぁぁ!」

私はドクオを突き飛ばして抱える。

そして銃を構えて、少女に狙いを定めた。

行ける。

そう確信した。
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:29:09.75 ID:kv5s5RQMO
私は迷わず引き金を引く。



――ドスン。



目の前が暗い。
何が起きた?

('A`)「生きてくれ。 これは命令だ」

川 ; -;)「お前も最後は、機械扱いするのか!」

暖かい両腕に抱かれている。
安心出来る逞しい腕。

おかしい。
おかしいよ。
もっと力強く抱いてくれたじゃないか!

川 ;Д;)「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

彼の温もりが、少しづつ失われて行く。

私はこの日、機械として生まれた。
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:30:29.40 ID:79Ha5odCO
支援
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:32:30.40 ID:kv5s5RQMO
――――A.D2153.February.15

崖の上で今日も踏み留まってしまった。

私を、アシモフの鎖は未だに縛り続ける。

日付が変わった。
また変わらない日常が始まるのだ。

機械仕掛けに歪んだ世界は、統制と言う鎖で無理矢理真っ直ぐに立たせている。

でもやっぱり――

川 ゚ -゚)「世界は完成されたようですべてが、いびつに歪んだんだ」

――こうやって呪詛を吐き続けるしか、私には出来ないのだ。

fin.
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:33:44.03 ID:tJQAI0YQ0
しーえん
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:35:21.48 ID:tJQAI0YQ0
乙!
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:40:09.39 ID:kv5s5RQMO
と言う訳でいろいろ言いたい事あると思いますが、終わりです。

長らくの保守支援ありがとうございます。

古典的なSFを目指して書いたら、こういう落ちへとなりました。

反省点
書き溜め消える。

投下ミス。

質問や感想などあればどうぞ。
作中で説明してない部分が大量にあると思うので
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/08(月) 00:20:38.71 ID:h+nCeW/6O


しぃ達はどうなった?
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/08(月) 00:22:26.90 ID:wEmZmApP0
乙!面白かったよ。世界観がすごく好きだ

次回投下の予定はある?
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/08(月) 00:45:26.75 ID:dZ8xTgQuO
グッと引き込まれる感じの鬱だった
117 ◆YW8tTr3Ies :2010/11/08(月) 02:52:33.08 ID:A28r2GyrO
寝起ちしてました……

>>114
変わらずそこにあります。
物語も世界観もすべて終わりました。
後は無限の生を謳歌するだけです。

>>115
セクサロイド系は終わりにしようかな〜と。
軽い感じのSF物はプロット出来てるので、後は書くだけですね。
現行は山場が遠くて、だれ気味ですが……



あと裏設定ですが
(´・ω・`)がホモと嘘をつく理由は、昔セクサロイドとの悲恋を演じたからだったりします。
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/08(月) 02:55:42.08 ID:/vYQTE4+0
こういう感じの好きだ
でもハッピーエンドにはならないんだよなぁ
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/08(月) 03:01:52.02 ID:A28r2GyrO
>>118
ハッピーエンドと言うか、一応クーが死ねるエンドはあるにはあったんですけどね〜

古典的SFの未来は滅んだって言うインパクトのために、クーには生き続けて貰う形になりました。


あと見返して見ると地味に年号とかミスってんな……

2153年
2148年のどちらかに脳内保管願います。
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/08(月) 03:46:12.11 ID:+fZuXBpq0

2153年の時何月か解らないのは演出?
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/08(月) 03:56:06.08 ID:A28r2GyrO
2153は前半から一定して2.14ですね。

前半から繋げて読んで貰う前提ですが、開幕以外はちゃんと場面転換で演出したと思います。

抜けあったら……
ごめんなさいとしか……

と言いますか正直年号や時代背景には意味が無かったりします。

恋愛要素の強い前半の対比として、クリスマスかバレンタインを使用する事しか考えてなかったので……
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/08(月) 04:10:13.09 ID:+fZuXBpq0
なんということだ・・・fridayかと思っていたらFebruaryだったでござるwwwww
これは恥ずかしいwwwww
123>>122:2010/11/08(月) 04:38:49.93 ID:A28r2GyrO
>>122
そういう事かwww

なんかおかしいと思ったw

あと一応、季節的に冬の変わり目に向かう所なので心の冬が明ける事を望んでいる。

クーの心を現してたりするんですが……

自分で言ってて恥ずかしいwww

一応全編に渡っての表現のテーマが、哲学と詩的表現だったので、意味深な部分を探して、いろいろと考えて貰いたい作品だったりします。

想像力を強要する作りにはなってるかと……
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
乙!