1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理ん
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:19:05.86 ID:8HzZbp9rO
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:19:31.29 ID:RGgcRSPe0
ktkr!
このスレは何なの
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:20:03.95 ID:8HzZbp9rO
魔女で在ろうと
――王女で在ろうと
――――王様で在ろうと
――――――英雄で在ろうと
――――――――人間で、在ろうとする。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:20:50.85 ID:RGgcRSPe0
支援
しぇーん
8 :
>>4 種類的にはブーン系です:2010/11/06(土) 01:21:48.44 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 約束を抱いて眠るようです
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:22:45.78 ID:8HzZbp9rO
次第に明るんできた森の中。
気づけば寝ることも忘れ、ただひたすらに本を読み、思考に耽っていた。
本の内容により記憶がだいぶ蘇ってきたおかげか、頭痛も弱まってきている。
今まで、ひたすらにこの本を読んでいた。
流石に疲れた目を気遣い、右手で眉間を押さえてみる。
ジワリ、ジワリと目が楽になって行く感覚。
瞼に触れた時、熱を持っていた気がするが気のせいだろう。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:23:42.45 ID:8HzZbp9rO
一度、本から自分を剥がして辺りを見渡してみれば、夜中の間に生まれた露達が寝起きの太陽に照らされて、キラキラと輝いている。
川 ゚ -゚) 「綺麗なところだったのだな、ここは」
たったの三日。
しかし、自分にとっては、間違いなく大切なものとして残っている、三日。
川 ゚ -゚) 「思い返してみれば、そんな経験なかったもんな」
そんな存在も、いなかった――ハズだ。
いまだ朧気である記憶を呼び起こす。
もしかすると、まだもやで見えないだけで、いたのかも知れない。
だが、恐らくはありえないであろう。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:23:45.33 ID:RGgcRSPe0
支援
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:24:42.28 ID:8HzZbp9rO
誰も、父上ですらも、してくれなかった。
王女として。
娘として。
そんな肩書きも何もない、人間として。
そう見てくれる存在。
それは恐らく対等な、友達等と呼ばれる存在なのだろう。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:25:20.93 ID:RGgcRSPe0
支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:25:32.40 ID:8HzZbp9rO
――――――――――――――――――――――
扉を開けて、一歩前に踏み出した王女。
川 ゚ -゚) 「おい、名ばかりの極悪非道」
先程までの作業の続きをしていた魔女は、一度振り向きます。
〆(゚、゚トソン 「何ですか?」
テーブルへと歩を進め、既に定位置と化したイスの前で立ち止まると、王女は今まで魔女に向けたことのない強い目で見つめます。
川 ゚ -゚) 「いろいろと聞いておきたい」
答えられる範囲であればと、本から目を離さずに伝えます。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:26:06.28 ID:r9dansMb0
支援
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:26:10.31 ID:RGgcRSPe0
支援
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:26:33.33 ID:8HzZbp9rO
手は止まることがなく、しばらくは何かを書き込む音だけが室内を満たしていました。
川 ゚ -゚) 「お前の狙いは、何だ?」
王女の言葉で、ピタりと止まる魔女。
(゚、゚トソン 「何の話ですか…一体」
川 ゚ -゚) 「誤魔化すな」
変えるんだ―――自分も、まだ分からないが起こりうる最悪の結末も。
その想いだけが、今の王女を突き動かしていました。
川 ゚ -゚) 「間違いない、断言しよう」
川 ゚ -゚) 「お前は、国等欲していない」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:28:12.65 ID:RGgcRSPe0
支援
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:28:16.12 ID:5o/swYBg0
し
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:28:22.82 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン 「それでは貴女を攫った意味がありません」
川 ゚ -゚) 「それだよ、おかしいんだ」
矛盾している部分がいくつかあるのだと、言いながら腰を掛けた王女。
川 ゚ -゚) 「国等欲していないお前が、何故か私を攫った」
川 ゚ -゚) 「ある時から、急にお前の噂が流れた」
川 ゚ -゚) 「そして、極悪非道と呼ばれるハズなのだが」
特にこれと言った話を聞いたことがない―――。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:29:03.04 ID:RGgcRSPe0
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:29:38.08 ID:8HzZbp9rO
魔女は顔は上げず、只その言葉にばつの悪そうな顔を浮かべます。
川 ゚ -゚) 「只、極悪非道の魔女がいる、と、その噂だけが流れ始めた」
おかしいとは思わないか、との問いに返って来るのは、ペンが紙面を走る音だけ。
〆(゚、゚トソン 「そうですね、なかなか興味深い考察です」
一度目だけで王女を見やると、また魔女の視線は本の中へ溶け込んでいきます。
〆(゚、゚トソン 「しかし穴がありますね、私が国を欲していない?」
川 ゚ -゚) 「あぁ」
〆(゚、゚トソン 「どうしてそう言えます?」
川 ゚ -゚) 「そんな野心家が何もせずに、こんなところで魔術書なんか書いているか?」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:30:30.64 ID:8HzZbp9rO
王女の言葉に一瞬だけ不思議そうな顔で固まると、何か気づいた様にくつくつと笑い作業を進める魔女。
〆(゚、゚トソン 「よし、と…」
魔女はペンを置き、その立派な外装の本を閉じると、強めに息を吸い込んでからしっかりと王女の目を見ます。
(゚、゚トソン 「まずは、そうですね……噂から」
(゚、゚トソン 「噂が流れる少し前にですね、この森の中でちょっとした爆発を起こしたのですよ」
魔法の実験ですよ、右手をヒラヒラとさせて、目を閉じて真実を語り始めます。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:31:06.35 ID:RGgcRSPe0
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:31:49.88 ID:INOVvn87O
ktkr!しえーん
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:32:11.93 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン 「恐らくは、それを見た人が流したのでしょうねー」
(゚、゚トソン 「極悪非道は、たぶんそれに尾鰭が付いただけでしょう」
何とも言えない悪意が込められてそうですがね。
悲しそうな顔で漏らす魔女は、きっと昔あった人間と魔族の戦いを思い返しているのでしょう。
(゚、゚トソン 「魔女だって、魔族とは言え本質は人間ですよ」
(゚、゚トソン 「私の様に無名な魔女なんかは、他の魔族から見れば嘲笑される対象ですし」
それでも、人間から見れば脅威なのでしょうが、と間に挟み、言葉を続けます。
(゚、゚トソン 「まぁあの戦争に参加していなくても、貴女達からしたら生き残りですしね」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:32:42.24 ID:RGgcRSPe0
しえ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:32:44.26 ID:xtVwqVWC0
きてるぅ
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:33:24.27 ID:INOVvn87O
しえん
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:33:46.16 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 「その辺りは、いい。戦争と言うものは嫌いだから、あまり思い出したくはない」
優しい方なのですね、言葉と共に魔女には笑みが浮かびます。
(゚、゚トソン 「そして、私が国を欲していないと言う部分」
(゚、゚トソン 「割と本気で、国は欲していましたよ」
魔族と人間が、共存できる世界の確立が目的で。
そうして紅茶を一口飲み、息を吐きます。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:34:29.53 ID:INOVvn87O
支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:34:43.62 ID:r9dansMb0
支援
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:35:00.04 ID:RGgcRSPe0
支援
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:36:46.15 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 「私も頂いていいか?」
(゚、゚トソン 「ええ、そこの棚からカップを出してください」
魔女に背を向け、棚を漁っている王女を見ながら一言。
(゚、゚トソン 「貴女と過ごしていると、不可能ではない気がするのですがね」
(-、-トソン 「所詮は一部分だけの結果と叶うことのない理想なのでしょうか……」
溜め息混じりにぼやくと、カップを手にした王女が戻ってきました。
川 ゚ -゚) 「いい理想じゃないか。国の強奪はよくないがな」
(゚、゚トソン 「最初から、貴女に協力を求めるつもりであったら、違ったのでしょうかね」
川 ゚ -゚) 「それだ!」
テーブルにカップを置いた後に、手を大きく叩きながら王女は賛同します。
その音に驚いた魔女は、注いでいた紅茶を王女のカップからが少し零してしまいました。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:36:51.72 ID:INOVvn87O
紫煙
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:37:21.21 ID:RGgcRSPe0
支援
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:38:07.56 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 「置物王女とは言え、王女は王女!発言力だけならばある!」
持っていた不安――その全てが解決する、そんな淡い期待が王女の胸を支配します。
(゚、゚トソン
( 、 トソン 「無理で、しょうね」
対して、見る見るうちに萎んでいく魔女の気持ちは、申し訳なさが多量に混じっていました。
川 ゚ -゚) 「何故だ?」
(゚、゚トソン 「強制されて、出来る様なことではありませんから」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:38:18.09 ID:INOVvn87O
しえ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:38:36.59 ID:RGgcRSPe0
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:39:12.90 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 「だがお前はそれをしようとした」
(゚、゚トソン 「気づいたのですよ」
(゚、゚トソン 「強制して従ったところで、民の気持ちがそうと変わらなければ、結局は同じだと」
川 ゚ -゚) 「私が言えば、従うハズだ」
(゚、゚トソン 「それは結局のところ強制ではありませんか」
川 ゚ -゚) 「何事も、やってみなければ分からないだろう」
また一口。
紅茶を口に含むと既にそれは冷めていて、独特な苦味と中途半端な温度が魔女の顔をしかめさせます。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:39:35.66 ID:INOVvn87O
支援
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:39:55.43 ID:RGgcRSPe0
支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:41:13.80 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン 「……ありがとうございます、王女様は優しいのですね」
川 ゚ -゚) 「お前も、人のことを言えないぐらいには優しいぞ」
(゚、゚トソン 「明日、遣いの者が来たら言ってみましょうか」
その言葉が耳に入ると、紅茶に口を付けていた王女はニッと笑いました。
(゚、゚トソン 「そうだ、貴女を攫った理由でしたね」
言うべきものかと迷いながらもじもじとする魔女と、頭にクエスチョンマークを浮かべる王女。
川 ゚ -゚) 「国を欲していたからだろう?」
(゚、゚トソン 「それと、もう一つ―――」
友達が、欲しかったんですよ。
恥ずかしそうに笑いながら、魔女はそう言いました。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:41:42.46 ID:INOVvn87O
試演
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:43:32.87 ID:8HzZbp9rO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
再度、計画の見直しをする。
英雄、お供、魔女。
紙に書かれたその三つにバツを付け、思わず顔がにやけた。
ここがスタート地点なんだと、自分に渇を入れる。
ゴールまでは多少かかるのに、今ここでしくじるワケにはいかない。
目的は、唯一つ。
国を、盗る。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:44:08.01 ID:INOVvn87O
シエン
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:44:24.86 ID:RGgcRSPe0
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:45:46.44 ID:8HzZbp9rO
――――――――――――――――――――――
川 ゚ -゚) 「コイツだ」
また現れた黒く塗り潰されたページ。
酷くなった頭痛に少しだけ顔を歪めるが、それだけではない。
川 ゚ -゚) 「何なのだ、コイツに対して持つ感情は」
いや、分かっている。
分かっていながら、否定しようとしているのだ。
そんな醜い感情を持つと、この記憶が穢れてしまうから。
間違いなく、コイツに、何かある。
口に出さぬ様、考えぬ様、それだけに努め――、
川 ゚ -゚) 「気味が悪い」
――吐き捨てた。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:46:20.68 ID:INOVvn87O
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:46:40.94 ID:8HzZbp9rO
――――――――――――――――――――――
川 ゚ -゚) 「それは分かったが、なら攫うなよ」
(゚、゚トソン 「二つの目的が一致した末の計画です」
川 ゚ -゚) 「最初に私なんかいらないと言ってた割にめちゃくちゃ求めてるじゃないか」
(゚、゚トソン 「ツンデレですよ」
川 ゚ -゚) 「うわー、何かいらん情報聞いた」
そう言い合って、笑い合います。
お互いが、お互いに出来た、初めての友達。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:47:22.80 ID:RGgcRSPe0
しえん
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:47:34.59 ID:INOVvn87O
しえーん
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:48:39.79 ID:8HzZbp9rO
高過ぎる身分故に、孤独だった王女。
魔女であった故に、孤独だった魔女。
出来過ぎた偶然は、逆に運命と呼ばれる必然だと、二人は思いました。
もし本当に、必然なのだとしたら、そう言った物語なのだとしたら。
楽しい時間は、注意力が散漫になりがちです。
談笑の合間に、王女は時々寂しそうな顔をする魔女に気づいていませんでした。
(゚、゚トソン 「通ればいいですね、交渉が」
川 ゚ -゚) 「通るさ。もし神が通さないと言っても、私が通す」
(゚、゚トソン 「魔族の友達ですしね」
川 ゚ -゚) 「お前こそ、王族の友達だろ」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:48:51.40 ID:INOVvn87O
支援
支援!!
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:49:55.37 ID:8HzZbp9rO
向かい合って、同時にニヤリ。
出会ってまだ一日半とちょっとしか経っていないのに、それはそれは仲良しでした。
何故か考えれば、お互いに友達と呼べる存在がいなかったからなのでしょう。
気の合う、しかし立場的には全く合わない二人。
何故、出会ってしまったのでしょう。
何故、この様な出会い方だったのでしょう。
何故。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:50:26.36 ID:INOVvn87O
紫煙
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:50:32.33 ID:9j02CVrd0
支援
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:50:44.62 ID:RGgcRSPe0
支援
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:50:56.88 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 「よし、晩飯も私が作ってやろう」
(゚、゚トソン 「それだけは止めろ」
川 ゚ -゚) 「口調が変わる程にイヤか……」
(゚、゚トソン 「当たり前です。あれは下手をすればトラウマレベルですよ」
川 ゚ -゚) 「私は好きなんだがなぁ」
(゚、゚トソン 「はいはい、貴女はのんびり待っていてください」
川 ゚ -゚) 「仕方がないな」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:51:52.68 ID:RGgcRSPe0
支援
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:52:24.66 ID:8HzZbp9rO
そうして台所へ向かう魔女。
一人残された王女は、テーブルにだらりと身を乗せます。
川 ゚ -゚) (友達…か……)
川* ー ) 「ふ、ふふ…」
"帰ったら、父上に自慢してやろう"
"箱に入った置物も、外に出して見れば仲間が出来るのだと"
嬉しさのあまり、だらしなく顔がにやけていたことに気づいた王女は思考を止め、深呼吸をしました。
ふと、手元にある本が視界に入ります。
川 ゚ -゚) (トソンの書いていた、魔術書か)
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:52:39.70 ID:INOVvn87O
試演
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:53:04.31 ID:r9dansMb0
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:53:36.60 ID:8HzZbp9rO
魔術書とは、どんなものなのか。
自分の知らない物を見つけた王女は、好奇心の赴くがままにそれを手に取ります。
川 ゚ -゚) 「題名も何も書いていないのだな」
両手の中で、くるくると。
持ち上げて覗いたり、下ろして覗いたり。
厚くもなく薄くもなく、しかし外装は立派な本。
いざ開こうとした、その時でした。
(゚、゚;トソン 「ダメですッ!!」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:53:41.88 ID:RGgcRSPe0
支援
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:53:50.73 ID:INOVvn87O
支援
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:54:54.81 ID:8HzZbp9rO
家に響き渡る、魔女の声。
あまりにも突然で、吃驚した王女は思わず本を落としてしまいました。
川;゚ -゚)そ 「うぁ!スマン、落としてしまった……」
(゚、゚;トソン 「大丈夫です。しかし…」
王女の謝罪も落とした本も気にしない様子で、素早く本を拾います。
(゚、゚;トソン 「……見ました…?」
川;゚ -゚) 「いや、ギリだ…」
フーッと長い息を吐くと、魔女はへたり込んだままの姿勢で安堵の表情を浮かべました。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:55:14.53 ID:INOVvn87O
しえ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:55:38.45 ID:RGgcRSPe0
支援
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:55:55.19 ID:8HzZbp9rO
(-、゚;トソン 「恥ずかしいので、見ないでくださいよ…」
添削や書き直す部分が残っていると言うと、棚の上に本を乗せます。
川 ゚ -゚) 「えー、読んでみたいじゃないかー」
(゚、゚トソン 「完成したら、いいですよ」
ヽ川 ゚ 3゚)ノ 「私は明日で帰るんだぞー今読みたいだろー」
ブーブーと文句を垂れる王女に、魔女はやれやれと首を振りながら頭を押さえました。
(゚、゚トソン 「わかりましたよ」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:55:59.89 ID:OOme18lcO
追い付き支援
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:56:29.75 ID:INOVvn87O
しえーん
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:56:44.26 ID:RGgcRSPe0
支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:56:46.71 ID:r9dansMb0
しえん!
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:56:50.55 ID:8HzZbp9rO
川*゚ -゚) 「では…」
(゚、゚トソン 「明日の交渉が終わったら、どうぞ読んでください」
川 ゚ -゚) 「む」
川;゚ -゚) 「むー……」
しばらくうんうんと唸った後に、諦めた様に肩を落とします。
川 ゚ -゚) 「まぁ…お前の本だしな……」
(゚、゚トソン 「分かって頂けたなら良いでしょう」
川*゚ -゚) 「だが、約束だからな!」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:57:19.32 ID:INOVvn87O
シエンタ
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:57:49.48 ID:RGgcRSPe0
支援
支援
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:58:32.59 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン
(゚ー゚トソン 「プッ…」
川 ゚ -゚) 「む、何故笑う。指切りだ、小指を出せ」
(゚ー゚*トソン 「いえ、そうですね――」
―――約束、です。
魔女と王女は、小指を繋げ、掛け声と共にそれを切りました。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:59:00.60 ID:INOVvn87O
紫煙
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:59:21.97 ID:RGgcRSPe0
支援
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 01:59:50.16 ID:8HzZbp9rO
――――――――――――――――――――――
違う。
いや、確かにこれは事実。確かなことだ。
しかし、だ。
川 ゚ -゚) 「私がした約束は、本当に思い出すべき約束は、これじゃない…」
もしかしたら、"これじゃない"のではなく、"これだけじゃない"のかも知れない。
流石にそこまでは分からないが、でも確かにこれだけは言える。
まだ、何か約束があったハズだ。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:00:06.21 ID:INOVvn87O
しえん
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:00:32.88 ID:RGgcRSPe0
支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:02:31.55 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 「そう言えば、まだあの本を読ませてもらってないな」
はたまた読んだが、思い出していないだけか。
川 ゚ -゚) 「まぁ今度会った時にでも、読ませてもらうか」
何にせよ、今はこの本を読むべきだろう。
そう考えて私はまた視界を文字で満たした。
気づけば太陽が、もうすっかり目を覚ましていた。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:02:46.73 ID:INOVvn87O
しえ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:03:03.72 ID:RGgcRSPe0
支援
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:04:21.13 ID:8HzZbp9rO
――――――――――――――――――――――
テーブルのある場所まで香ばしい匂いが漂い始めてから、しばらく。
すっかりお腹を空かせた王女の元へ、トレイを持った魔女が戻ってきました。
川ヽ゚ -゚) 「腹が減った」
(゚、゚;トソン 「やつれる程!?今持ってきましたから食べましょうか」
湯気を出している皿を二枚、トレイごとテーブルに置きます。
川 ゚ -゚) 「お前…最後の日の晩餐にカレーかよ……」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:04:41.95 ID:INOVvn87O
支援
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:04:59.95 ID:RGgcRSPe0
ついにカレーが…
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:07:10.31 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン 「あら、三食カレーは止めると言っただけでカレーを作らないとは言ってませんよ?」
川 ゚ -゚) 「まぁいいんだが…」
一番自信のある料理なので、安心してくださいと一言。
白いご飯の上にかけられたルー。
そして湯気と共に沸き上がる食欲をそそる匂い。
川 ゚ -゚) 「確かに美味そうだ」
(゚、゚トソン 「そうでしょう?それでは、いただきます」
川 ゚ -゚) 「いただきます」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:07:17.83 ID:RGgcRSPe0
支援
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:07:27.83 ID:INOVvn87O
紫煙
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:08:06.46 ID:8HzZbp9rO
両の手を合わせ、二人共に頭を下げます。
スプーンでカレーを一掬い、そして口に運ぶ王女。
川 ゚ -゚) 「う」
川*゚ -゚) 「ま」
川*゚ー゚) 「い!!」
(゚、゚トソン 「伊達に毎日三食カレー作ってませんよ」
川*゚ー゚) 「流石だ!毎日三食カレーは引くけどこれは美味い!!」
(゚、゚トソン 「次泊まりに来たら三食カレーで歓迎します」
川 ゚ -゚) 「今回は泊まりに来たワケじゃなく誘拐されたんだが……」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:08:39.75 ID:INOVvn87O
シエスタ
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:08:52.58 ID:RGgcRSPe0
支援
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:09:22.34 ID:8HzZbp9rO
夕食の場には、他愛のない話の花が咲いています。
きっとこれが幸せと言うものなのでしょう。
人といる、幸せ。
一人で食べる時とはまた違った味付けがされていて、一段と美味しく感じさせます。
川 ゚ -゚) 「本当はな」
急に何かが覚めた様に、手に持っていたスプーンを置いて王女は新しい話を始めました。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:09:38.80 ID:INOVvn87O
支援
支援。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:09:58.20 ID:RGgcRSPe0
しえ
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:10:43.81 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 「コワかったんだ」
(゚、゚トソン 「何がですか?」
川 ゚ -゚) 「お前が来た時だよ」
魔女が来た時。
それはつい昨日のこと、国の代わりに連れて行くと、突然その場に呼び出された王女。
川 ゚ -゚) 「最初は、漸く国の為になれるチャンスが来た!なんて嬉しかったんだ」
川 ゚ -゚) 「でも、その時はお前のことなんて極悪非道ってことくらいしか知らなかったしな」
今はそうじゃないと分かっているぞ、そう細めた目に込めて、魔女の目を見つめます。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:11:19.07 ID:INOVvn87O
しえん
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:11:41.30 ID:RGgcRSPe0
しえ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:12:10.53 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン 「確かに、何をされるか分かりませんしね」
川 ゚ -゚) 「あぁ。お前に何もされないと言われた時には、本当に拍子抜けしたもんだ」
川 - ) 「それでもな、やっぱり死ぬんじゃないか、って。死ぬのはコワいなって、思ったんだ」
(゚、゚トソン 「……」
川 ゚ -゚) 「すまない。夕飯の場でする話ではないな」
謝罪の言葉を一つ。
それに応える様に、魔女もポツリと話し始めます。
(゚、゚トソン 「私も、貴女に嫌われるのがコワかった」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:12:29.63 ID:INOVvn87O
紫煙
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:13:06.11 ID:RGgcRSPe0
しえ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:14:47.92 ID:9j02CVrd0
支援
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:16:52.59 ID:AS27dooWO
2人ほどすごい支援してる人いるけど、支援だけを連投するのは気を付けてな
運が悪いと規制される可能性があるからね
という支援
しーえん
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:22:06.26 ID:INOVvn87O
支援で規制ってきついでし
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:22:49.21 ID:RGgcRSPe0
さる?
113 :
みーライオンに食べられる:2010/11/06(土) 02:24:30.17 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン 「確かに、何をされるか分かりませんしね」
川 ゚ -゚) 「あぁ。お前に何もされないと言われた時には、本当に拍子抜けしたもんだ」
川 - ) 「それでもな、やっぱり死ぬんじゃないか、って。死ぬのはコワいなって、思ったんだ」
(゚、゚トソン 「……」
川 ゚ -゚) 「すまない。夕飯の場でする話ではないな」
謝罪の言葉を一つ。
それに応える様に、魔女もポツリと話し始めます。
(゚、゚トソン 「私も、貴女に嫌われるのがコワかった」
114 :
抜け出せた……ッ!!:2010/11/06(土) 02:26:25.23 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン 「いきなり攫って、計画を話して――まぁあの計画はかなり誇大してましたが、それで嫌われるんじゃないかって」
もしかしたら逆上した貴女に、殺されるんじゃないか、って―――。
川 ゚ -゚)
(゚、゚トソン
川 ゚ー゚) 「プッ……」 (゚ー゚トソン
川 ゚ー゚) 「ははは、お互いワケの分からん不安を持って、コワがっていたんだな」
(゚ー゚トソン 「いえ、貴女のそれは真っ当なものだと思いますよ」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:26:27.21 ID:INOVvn87O
同じレスだからか?
sien
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:28:15.13 ID:8HzZbp9rO
そんな二人が、今や友達です。
人生と言うのは、何があるのか分かりません。
そんな風に二人はゲラゲラと笑い合いました。
どうしようもなく、コワがりで、孤独であった、昨日初めて会ったばかりの魔族と王族。
キッカケも奇妙なもので、でもそれくらいが、二人にはちょうどよかったのかも知れません。
食事を終えてもしばらく談笑していたのですが、明日の為に本を書き上げたいと魔女のお願いに応え、王女は部屋に戻りました。
みーらいおんはレス頭に同じ文字が続くとかかる
最初のレス頭
(゚、゚トソン「
次のレス頭
(゚、゚トソン「
みたいにね
セリフが違っても、AAとカッコまで同じとかで引っかかったりする
一番楽な抜け方は、最初の行を空白にしてスペースで調整とかね
(゚、゚トソン「
(゚、゚トソン「
119 :
>>118 ありがとうございます、そんな規制あったのか……:2010/11/06(土) 02:30:35.33 ID:8HzZbp9rO
川 ゚ -゚) 「まだ寝るには少し早いけどな」
ベッドに寝転がり、王女はぼやきます。
川 ゚ -゚) 「まだ、帰りたくないなぁ…」
少しの間しかいなかったハズなのに、その居心地の良さにすっかり慣れてしまっていました。
あと少し、本当に、あともう少しだけでも。
川 ゚ -゚) 「まぁ何時だって会いに来れるか」
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:31:41.76 ID:INOVvn87O
しえしえ
121 :
>>118 ありがとうございます、そんな規制あったのか……:2010/11/06(土) 02:32:12.81 ID:8HzZbp9rO
(゚、゚トソン 「……」
(-、-トソン 「はぁ…」
王女が部屋に戻った後、魔女は既に書き終えた本を読み返していました。
思わずその内容に、溜め息が漏れてしまいます。
(゚、゚トソン 「抗えないから、運命」
(゚、゚トソン 「知っていても、どうしても捻曲げることの出来ない、必然」
(゚、゚トソン 「だから、人に夢と書いて、儚いと言うのでしょうか」
只の人間ではない私でも、そう考えた頭を振るい、誰も見ていないのに魔女は気丈に笑ってみせます。
(゚ー゚トソン 「夢は叶った。幸せも、確かに得た。それに――」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:33:38.97 ID:INOVvn87O
しえ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:33:52.82 ID:RGgcRSPe0
四円
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:34:07.49 ID:8HzZbp9rO
( ー トソン 「それに、貴女が無事ならば、それで……」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:34:49.22 ID:g6zznT5J0
しなないで
えっちぃてんかいがいいです
ん
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:34:54.19 ID:OOme18lcO
支援
支援
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:35:21.01 ID:RGgcRSPe0
支援
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:36:05.71 ID:8HzZbp9rO
その一言は口から漏れ、一緒になって何かが落ちました。
( 、 トソン 「そうだ、もしかしたら。もしか、したら……」
もしも、もしも運命が覆るのならば―――。
そんな風に呟きながら、最後のページにサラサラと何かを書いた魔女。
壁を隔てた場所で、気づけばスヤスヤと王女は眠りに付いていました。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:36:35.99 ID:INOVvn87O
シェーン
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:37:48.19 ID:8HzZbp9rO
木を叩く音が、室内に響きました。
魔女の家から視点を変えて、ここは双子の片割れの部屋。
明日のことをぼんやりと考えていた男は、ゆったりと扉へ顔を向けます。
誰かと問うてみれば、向こう側の人は扉を開ける音で答えました。
(´<_` ) 「兄者か……」
( ´_ゝ`)ノ 「いよーう、気分はどうだ?」
(´<_` ) 「良くはない…が、悪くもないよ」
英雄の、付き人。
弟が城へ仕えたのは、英雄が縁を切られてからすぐ。
まだ長く仕えていない彼にとって、今までにない大仕事です。
( ´_ゝ`) 「ははぁ、緊張しているんだな?」
(´<_` ) 「それなりには、な…」
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:37:56.24 ID:RGgcRSPe0
sie
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:39:29.90 ID:8HzZbp9rO
こめかみを押しながら、溜め息混じりの返答。
(´<_` ) 「何でオレなんだよ、兄者のが魔法使えるじゃん」
( ´_ゝ`) 「人間でオレの右に出る者はいないレベルでは使えるぜ」
もう一人の片割れから出た事実は、片割れの気を更に重くさせます。
(´<_` ) 「何でお前隠してるんだよ、魔法使えること」
( ´_ゝ`) 「あー?面倒ごとに巻き込まれたくないからに決まってんだろ…アサピー様にはバレてると思うがなー」
その言葉に、顔をしかめる片割れ。
しーえん
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:40:43.06 ID:INOVvn87O
しえーん
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:41:02.95 ID:8HzZbp9rO
既にバレている事実を隠すことに、何の意味があるのかはいまだに分かっていません。
( ´_ゝ`) 「ま、今回は巻き込まれても良かったんだけどな。王女様の一大事だ」
おどけた言い方はしているが、基本的には真面目な片割れ。
頭の回転や魔法を使う資質も、その他にも片割れ以上だと言われています。
(´<_` ) 「兄者が面倒臭がりじゃなかったら、間違いなくもっと高い地位になっていただろうな」
( ´_ゝ`) 「ん?うーん……」
(´<_` ) 「お前何しに来たんだ……」
( ´_ゝ`) 「……激励?」
(´<_` ) 「何で疑問型だよ、じゃあ何で本読んでんだよ……」
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:41:08.61 ID:RGgcRSPe0
しえー
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:43:29.20 ID:8HzZbp9rO
部屋に入ってから十分としない内に、片割れは床に寝転がり本を読み始めました。
それを見て文句を垂れる片割れは、そんな様子を見て張り詰めた気を緩ませていました。
なんだかんだ言いつつも、いつもの雰囲気に安らいでいます。
( ´_ゝ`) 「……なぁ」
(´<_` ) 「何だ?」
( ´_ゝ`) 「明日、不安か……?」
(´<_` ) 「…あぁ」
(´<_` ) 「コワいな、極悪非道の元になんか、行きたいワケがない」
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:44:03.95 ID:INOVvn87O
シエンタ
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:44:12.57 ID:RGgcRSPe0
支援
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:45:07.82 ID:8HzZbp9rO
お互いに沈んだ兄弟。
生まれてからの時を共に過ごし、顔まで似たものをもらった者同士、思うところがあるのでしょう。
(´<_` ) 「まぁ、王女様の為だ。必ず連れ戻して、生きて帰るさ」
腕を捲り笑ってみせる片割れを見て、決意を決めた様に片割れは口を開きます。
( ´_ゝ`) 「やっぱり…いや、スマン」
突然の謝罪に、片割れはきょとんと。
( ´_ゝ`) 「お前を、行かせたくはない」
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:45:40.84 ID:INOVvn87O
しえ
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:47:16.36 ID:8HzZbp9rO
(´<_` ) 「何を今更…もう決まってしまって……」
( ´_ゝ`) 「大丈夫だ、オレらなら」
片割れの言葉を上手く理解出来ませんでしたが、すぐにハッとした顔をします。
(´<_` ) 「……馬鹿にしているのか…?」
怒りを隠す様子もなく、弟は睨みつけました。
( ´_ゝ`) 「そうじゃない。が、間違いなくオレが行った方がいい」
(´<_` #) 「それが馬鹿にしているんだろうッ!?」
ベッドの横にあるテーブルを叩きながら、既に皆が寝静まった城内の部屋で叫びます。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:47:47.59 ID:INOVvn87O
支援
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:48:01.89 ID:RGgcRSPe0
しえん
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:49:07.09 ID:8HzZbp9rO
( ´_ゝ`) 「そう捉えたなら、この際それでも構わない」
(´<_` #) 「お前は……兄者はいつも……ッ」
( ´_ゝ`) 「だが、今回は失敗できない」
出来る限り感情を込めない喋り方。
言葉を吐き出すと共に、兄の胸はズキズキと痛みます。
( ´_ゝ`) 「お前を信頼していないワケではない。が、オレの方が成功する可能性が高い」
(´<_` #) 「そうだろうな、お前よりもオレは劣っているから」
(# ´_ゝ`) 「そう言う意味じゃないッ!!」
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:49:34.70 ID:INOVvn87O
支
援
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:51:13.38 ID:8HzZbp9rO
突然の怒鳴り声は、逆上していた弟を固まらせ、急速に頭を冷やします。
( ´_ゝ`) 「攫われたのは王女だ。失敗は…出来ない」
(´<_` ) 「……」
( ´_ゝ`) 「国の未来に関わる…、国の未来に関わることなんだぞ?」
その問い掛けに、片割れが返すのは溜め息。
(´<_` ) 「…分かったよ、明日は入れ替わろう」
( ´_ゝ`) 「スマン…分かってくれて、ありがとな」
(´<_` ) 「いや、こっちこそ心配してくれてありがとな」
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:51:40.32 ID:INOVvn87O
試演
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:53:07.73 ID:8HzZbp9rO
( ´_ゝ`) 「アサピー様とギコにはバレるだろうが、まぁ察してくれるだろう」
(´<_` ) 「……必ず連れ戻して、生きて帰って来いよ」
( ´_ゝ`) 「安心しろ、オレはお前の兄だ」
あぁ、自慢の兄だ――。
その言葉を背中に受けながら、片割れは部屋から出ていきます。
(´<_` ) 「…約束だぞ」
その姿を見つめながら、弟は胸にかけたペンダントを強く握りしめ、呟きました。
弟を照らすろうそくの火が、一瞬だけ強く燃えました。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:53:42.81 ID:INOVvn87O
しえーん
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:53:49.82 ID:RGgcRSPe0
支援
153 :
◆zve30lFKRHKr :2010/11/06(土) 02:56:27.31 ID:txJRlRn00
その頃、デミタス
(#´・_ゝ・`) 「ハァッ!!」 プスッ…
(´・_ゝ・`)
(#´・_ゝ・`) 「ヌゥン!!」 プ…フス…
(´・_ゝ・`)
(#´゚_ゝ゚`#) 「ぬもんちゅがぁっ!!」 プ…プス…ブリュリュッ
(*´・_ゝ・`*) 「あ、お、お、お、おおお」 ブリュリュリュリュ ブリュリュトプントプン
トイレで天国してた。
154 :
◆zve30lFKRHKr :2010/11/06(土) 02:57:15.29 ID:txJRlRn00
ごめんなさい誤爆しました
死ね オレ死ね
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:58:06.96 ID:RGgcRSPe0
なんてモン誤爆してんすかwwwwwwww
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:58:22.32 ID:8HzZbp9rO
そうして、二日目の夜は過ぎていき、遂に訪れる約束の日。
この日を望んでいなかった二人。
この日を待ち望んでいた誰か。
そんな、運命の一日。
どこかの狡猾な蛇が、舌なめずりを一つしました。
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 02:58:38.80 ID:INOVvn87O
これはひどい
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 03:00:30.02 ID:INOVvn87O
支援
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 03:03:29.79 ID:8HzZbp9rO
二話目後編終わりぃぃいいい!!みーライオンに本気で焦った秋の夜!
本日も支援、代理スレ立てとありがとうございました!!
片割れだったり弟・兄だったりと表記変えてるけどミスじゃなく意図です!
まだしばらく起きてますので、もしも質問とか意見とか呪いの言葉とか何かあればお願いします
>>153 デミタスって、流石兄弟にちょっと似てますよね
投下がんばってください(゚ー゚トソン
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 03:06:05.48 ID:r9dansMb0
乙
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 03:06:08.85 ID:INOVvn87O
乙!!
続き待ってるぜ!
乙!
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 03:07:44.70 ID:RGgcRSPe0
乙!!
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 03:13:53.49 ID:xtVwqVWC0
つぎはいちゅなのぉ・・・!
じらしちゃ・・・いゃぁ・・・
乙
ひどい誤爆を見た
そしてこれはブーン系スレではいつでも使えるコピペになる
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 03:39:15.55 ID:OOme18lcO
乙!
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/06(土) 03:55:15.53 ID:8HzZbp9rO
書き込んだと思ったら書き込めてねぇよぉ……
乙ありがとうございます!皆様乙です大好きです!!
次はまた書き溜めが終わり次第に、ちょっと難産になりそう……
遅くても来週、再来週には投下出来ればと思ってますが、今現在真っ白…( ^ω^)
とにかく今日も本当にありがとうございました!
あと数回の投下で、終わる予定なのでそれまでお付き合い頂けたらと思います
おやすみなさい!
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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: