2 :
◆jWeuiwbNxM :2010/11/05(金) 17:35:36.74 ID:mB6t12vw0
そろそろ鳥つけるか!鳥バレ怖いから難しい鳥にするぜ。ヒントは食べられないフライパンね
あらすじ:
魔族の襲撃から生き残ったブーン、モララー、トソン、アヒャはバンドを組んで闘うことを決意。
どうしてバンドを組んで闘うかって?HAHAHAそれは魔族たちの弱点がロックだからさ(ドッ)
そんなとき街にある噂が流れる。泣きながら人を切り刻む殺人鬼「黒頭巾ちゃん」。
四人はワカッテマスに連れられ、黒頭巾ちゃんが現れたとされる廃墟へ。
しかし着いたとたんに、黒頭巾による襲撃でモララーが倒れてしまう。
( ^ω^)サマソニ?行ったことねぇよw
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:38:03.54 ID:mB6t12vw0
「ごめんなさい…」
从;ー;从「ごめんなさい…ごめんなさい…」
降りしきる雨の中、少女の呟きが恐ろしく冷たく響いた。
彼女にやられたモララーは、地面に倒れたままぴくりとも動かない。
彼の首筋からは、今も黒い血が流れ続けている。
( ゚ω゚)「モララああああ!!!」
从;ー;从「ごめんなさい…止まらないの、私。ううん、止められないの…」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:38:36.86 ID:epEKJCUdI
sie
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:39:16.41 ID:mB6t12vw0
「楽しすぎて…」
( ^ω^)音楽が世界を救うようです
第六話「異端」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:43:57.36 ID:ReapmIzg0
>>1−!鳥、鳥ーッ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:45:00.74 ID:mB6t12vw0
( ゚ω゚)(ヤバイヤバイヤバイヤバイお!こいつ、めちゃくちゃヤバイ!)
ブーンの本能が死を感じた。
恐怖と焦燥が嵐で巻き起こった濁流のように押し寄せる。
从;ー;从「私、駄目ナノ。イケナイ子…とってもとってもイケナイ子。許して…」
くらくらとする頭を抱えて、ブーンは一歩後ろによろめいた。
( ゚ω゚)「!?」
目の前を何かが、超高速で通り過ぎた“感じ”がする。
すると一拍遅れて、さっきまで自分がいた場所の地面が大きくえぐれた。
鋭い爪を持った巨人が地面を掻いたような、そんな光景だった。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:51:08.20 ID:mB6t12vw0
从;ー;从「よかった、よけてくれてありがとう。でもごめんなさい…次は当てるから」
雨ガッパの少女は全く別の場所にいた。
彼女の両手に土がついている。ブーンの額に冷や汗が浮かんだ。
( ゚ω゚)(速すぎる!速すぎてなにも見えねえ!)
(゚、゚;トソン「なによ今の!縮地!?」
( ;<●><●>)「あの停止状態から瞬間的に最高速まで速度を上げることにより
目にも止まらぬ、いや写らぬ速度で敵に攻撃が出来る伝説の走法!?」
( ゚ω゚)「詳しいなおまえ腐女子か?宗×真か?」
( <●><●>)「けっこう余裕あんのね君」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:54:20.30 ID:RV9Oz+9B0
瞬天殺
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:55:37.20 ID:mB6t12vw0
从;ー;从「ごめんなさい…許して…」
(゚、゚;トソン「また来るわよ!」
( ;<●><●>)「とりあえずモララーを車へ!」
血だまりに伏せるモララーに向かって、ワカッテマスが走り寄った。
スロウモーションに見えた。
ストッキングを身につけているワカッテマスの両足が、ハムのように分断され、二つとも空中に舞った。
両足を無くしたワカッテマスが、一瞬空中を浮いているような状態になり、次の瞬間顔から地面に落ちた。
( <○><●>)「あ…あぁああぁ…!」
( ゚ω゚)(゚、゚;トソン「あああああああああ!!!!!!」
支援
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:58:05.97 ID:ti4SR6F2O
来てたか
これ好きだ支援
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:01:53.06 ID:mB6t12vw0
( ;< ><●>)「痛い…っ…痛い痛い痛いっ……痛いぃ……あっ……ああああっ…。
いやっ…うぅうぅうぅっ…ああああああああああっ!!!痛いぃっ!ああっ!!!」
ワカッテマスは完全に混乱していた。
無くなった両足の先を見て、痛みに涙した。
長めのブーツのように無造作に転がっている自分の両足が、酷く滑稽に思える。
(゚、゚;トソン「キャアアアアア!!なに!あ…嫌ああああ!!」
从;ー;从「ごめんなさい…誰も逃がすつもり無くてごめんなさい…」
( ゚ω゚)
ブーンだけは、とにかく冷静に、今自分が置かれている状況と、そして生き残る為の策を思案していた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:04:35.80 ID:mB6t12vw0
( ゚ω゚)「思いつかねえ」
諦めた。
(;、;トソン「やだ!やだ、死にたくないよっ」
( ;<○>< >)
( ∀ )
( ゚ω゚)「うおぉぉぉぉトソン!死ぬ前に一発やらせてくれお!」
(;、;トソン「死ね!」
( ゚ω゚)「…?」
(゚、゚トソン「あら?」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:05:50.73 ID:vM0tpopc0
ロックはどうした
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:08:00.05 ID:ti4SR6F2O
しえ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:08:19.04 ID:mB6t12vw0
从;ー;从
路地の真ん中に仁王立ちしている少女は、じっとしたまま動かない。
ブーンとトソンは、不思議と逃げることは考えず、彼女の挙動をじっと見続けることが出来た。
从;ー;从「ごめんなさい…」
その内、ブーンは気がついた。
フードのついている雨ガッパのせいで、今までよく見えなかったのだが、
( ;^ω^)「目を瞑っているお」
黒頭巾は、目を開けていなかった。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:11:23.52 ID:oVv2z0ZqO
あれ?スレタイが
sien
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:12:39.77 ID:mB6t12vw0
( ゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャ!こんなところにボンレスハムが!」
断裂したワカッテマスの両足に向かって、アヒャが動いた。
( ゚∀゚)「アヒャ!?」
空間をえぐるような音がして、アヒャの左腕が吹き飛び、辺りに血の雨が降った。
( ゚∀゚)「いてぇーーーー!」
(゚、゚;トソン「わかった!動いてるものを襲ってる!」
( ;^ω^)「ナンダッテー!」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:15:36.78 ID:mB6t12vw0
( ゚∀゚)「いでぇよぉー!!!アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
( ;<●><○>)「うぅ……逃げて…あんたたち…」
( ;^ω^)「音を聴いて反応してるってことかお!?」
(゚、゚;トソン「だったら私たちの声にすぐ反応するはず!
もっと別の…別の何かが動体探知機みたいに作用してるのよ!
たとえば…」
トソンが空を見上げ、ブーンがそれにならって同じように顔を上げた。
(゚、゚トソン「この雨とかね」
( ;^ω^)「なるほど」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:17:35.91 ID:+7bI1xTn0
ノトーリアスBIGっていうスタンドがあってだな
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:19:14.09 ID:mB6t12vw0
从;ー;从「ごめんなさい…」
黒頭巾に動きは無い。
真新しい血のついた痕が、雨ガッパにいくつも残されていた。
(゚、゚;トソン「それがわかったから何だって話だけどさ!
早く病院に連れていかないと、みんな死んじゃう!」
( ;^ω^)「でも演奏しようにも、メンバーのうち二人はもう…!」
(゚、゚;トソン「あんた、まだアレが魔族だと思ってんの?」
( ;^ω^)「…」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:21:38.38 ID:ti4SR6F2O
支援!
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:23:02.12 ID:mB6t12vw0
(゚、゚;トソン「あれは人間よ。
从;ー;从「すごく悪い子…私、悪い子…叱られちゃうの…みんな殺してごめんなさい…」
よくわかんないけど、魔族とは違う。
変な能力を持ってる、けれど歴とした人間。私たちと一緒!」
( ;^ω^)「楽器は効かないってことかお!?」
(゚、゚;トソン「そう。ファットガールは扱いに難しいってこと」
( ;< >< >)「……」 ( ゚∀゚)「あ……あひぇあ……」
( ∀ )「……」
( ω )「みんな…死んじゃ駄目だお…」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:29:07.07 ID:mB6t12vw0
思い出すのは、あのロックフェスでの親友の死であった。
( ω )「ロックは死なない」
自分のせいでショボーンは死んだ。
( ω )「ロックは逃げない」
そう思い詰め、あのフェスからずっと眠れない夜を過ごした。
( ω )「ロックは諦めが悪いんだお」
(実は)背負っていた父親の形見のギターを手に取り、軽く弦を弾いた。
(゚、゚;トソン「ブーン!(そんなの背負ってたんだ!)なにするつもり!?」
( ゚ω゚)「歌う!」
(゚、゚;トソン「馬鹿なの!?」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:38:24.60 ID:mB6t12vw0
( ゚ω゚)「魔族に効くロックがこんな変なやつに効かない訳が無いお!」
(゚、゚;トソン「全っっっっっっっっっ然りくつになってないから!」
( ω )「ぐぅぅぅぅ…ショボーン…!!俺に力を貸してくれお!!
音楽は誰にでも平等に…!!」
(゚、゚;トソン「ブーンっ!」
( ゚ω゚)「音楽に壁はあるお。国境もあるお!それをぶち壊すのがロックだお!!!」
(゚、゚;トソン「やめて!!やめてよ!やだよ!!死んじゃやだ!
やっと、やっと手に入れたと思ったのに!!やめてよ!!
僕の居場所!もう、どこにも無いんだよ!!」
( ゚ω゚)「おまえの立ってる場所が“おまえの場所”だお」
静かなアルペジオから、勢いよくコードへと繋げて、ブーンの旋律が雨中に舞う。
ブーンの右手につけている指輪が反応し、コンパクトなヘッドセットとなってブーンの頭に装着された。
( ゚ω゚)「〜〜〜〜〜〜!!!」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:40:09.90 ID:8RNql+p20
おもろい!支援!
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:42:53.31 ID:ti4SR6F2O
ブーン△
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:44:39.45 ID:mB6t12vw0
ブーンは魂を込めて歌った。
技術はさほど無い、しかし聴く者の心を打つ何かが旋律の裏にあった。
降りしきる雨と、少女の泣き声と、ブーンのシャウトが交錯する。
ちょうど一曲歌い終わったときだった。
ブーンの着ているシャツのボタンが、上から一つずつ取れていった。
全てのボタンが取れたとき、
( ゚ω゚)「あ……」
首元から下腹部までの肉が裂け、脂の混じった血がどろりと沸き出した。
提げていたギターがめきめきと音をたてて、二つに割れて地面に落ちる。
从;ー;从「私…イケナイ子…」
黒頭巾の手が、さらに黒く染まっていた。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:49:05.18 ID:mB6t12vw0
(;、;トソン「あっ!」
( ω )「…父ちゃん…ショボーン……今いくお………………………………」
前のめりに倒れ込む。
壊れたギターを抱え込んで、ブーンの意識は闇に落ちた。
(;、;トソン「やだ!!やだやだやだやだやだ!!!イヤアアァーーーーー!!!!!!」
トソンは体中の力が抜けていくのを感じた。
五感と思考力が鈍くなり、雨が降っているのか、止んでいるのか。
自分が立っているのか座っているのか。
息をしているのかしていないのかさえ分からなくなる。
支援!!!
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:50:55.18 ID:ti4SR6F2O
支援
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:53:52.41 ID:mB6t12vw0
目の前が真っ暗になるという表現があるが、彼女はそれを言葉通りの意味で体現していた。
上も下もわからない空虚な空間で、ただ溢れる悲しみに絶望していた。
(;、;トソン
(゚、゚トソン「…?」
正気に戻った彼女は、本当に辺りが真っ暗闇になっていることに気がついた。
(゚、゚;トソン「え?モララー!ブーン!ワカッテマス!あれ?なに、ここ…え、夢?」
「夢じゃないわ」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:56:48.77 ID:mB6t12vw0
(゚、゚;トソン「ひっ!?」
頭の中に響いた声に対し、大げさに反応を示す。
辺りを見回してみるが、全ての視界は闇で埋まっていた。
「ただし現実でもない。ここはあなたの中」
(゚、゚;トソン「よ、よくわかんないけど、中2的なアレな感じで考えていい訳?」
「そう言われると身も蓋もないけど大体合ってるわ」
(゚、゚;トソン「あなた誰!?」
声の主は女性のようだった。
落ち着いた物腰を感じる声色で、自分より年上のように感じる。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 19:00:11.33 ID:mB6t12vw0
「私はあなたの髪留めよ」
(゚、゚トソン「神器!」
「そう」
(゚、゚トソン「わかった!テイルズね!!」
「そう言われると身も蓋もないけど大体合ってるわ」
声の主は、彼女の武器である神器、つまりあのドラムセットの意志のようだ。
「ドラマーってさ、みんな同じこと言うの、知ってた?」
(゚、゚トソン「え?」
「場所が無い―――て」
(゚、゚;トソン「それ練習場所とか置き場所のことじゃ…」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 19:03:06.73 ID:ti4SR6F2O
大体合ってるんだwww
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 19:04:05.11 ID:mB6t12vw0
「あなたの場合、自分の居場所のことかもね」
(゚、゚トソン「―――!」
「大切なあなたがいる場所。大切なあなたが、大切にしたい場所。大切な誰かがいる場所。
護りたいなら、力を貸すわ」
(゚、゚;トソン「お願い!!お願いします!!!」
闇の中で、小さな光が生まれ、そこに顔のようなものが浮かび上がった。
( ∵)「いいわ。あなたに護る力を与えます」
(゚、゚トソン
色々と予想外だった。
第六話「異端」 終
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 19:04:54.27 ID:8RNql+p20
乙!
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 19:07:30.39 ID:mB6t12vw0
どうもありがとうございました!
>>22 やばい被ったかなw
乙!!
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 19:09:31.65 ID:ti4SR6F2O
予想外すぎるwwwww
乙!
あひゃひゃ、どんどん面白くなってるなぁ
>>36には吹いたぜ、乙
いま読んだ
どうなるか続きが気になるよ、乙