1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 03:33:52.89 ID:AEJ/aSFJO
男「………」
男「………ん?」
大した番組も放送していない夜更けにチャンネルを回していると、
この時間帯にはもう映っていないはずの地方局番の画面には、見慣れた町並みの中、
行き交う様々な人々を背に1人の少女は薄型の中からこちらに話しかけていた。
男「……可愛いな……この子。…………あれ?」
男はその少女をどこかで見たことがあるような気がしていた。
気がする程度のあやふやな記憶だったし、時間も時間でそろそろ布団に入ろうかと、
ぐだぐだ微睡んでいたので、その時はあまり気にしなかった。
少女『あなたは明日、必ずあたしに会うわ。必ず………。』
>>1 ありがとう
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 03:43:06.14 ID:AEJ/aSFJO
■朝■
男「………んー…」
近頃は携帯のアラームすらかけない。特に何かをするわけでもないせいか、
あまり深く長く眠る訳でもない。
ただただ、体がだるい。
男はベッドのそばにおいてある携帯を、
眠気眼に窓から漏れる優しい日光を片手で遮りつつ手繰り寄せた。
男「………まだ10時前か……」
携帯を開くと同時に、着信を知らせるバイブレーションで震える。
男「……着信?珍しい……誰だ………?」
男はまだ半分さめやらぬまま、ベッドの上に寝そべっていた。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 03:53:03.07 ID:AEJ/aSFJO
着信は、もう知り合って長い学生時代の友人であった。
友人は地元であるこの街を今は離れ、離れた地で就職していた。
定期的に連絡をとってはいたものの、時間が経つにつれて回数はへっており、今男に来た着信の前は、
覚えている限り半年以上前だったような気がする。
男「えらく久し振りだな……なにかあったのか?」
男は体を起こし、ベッドの縁に腰を落とし、床にどしっと座ると、小さなテーブルにおいてあった煙草に火をつけた。
男「なんて時間にかけてきてんだ…朝の6時過ぎなんて寝てるに決まってるだろ……」
実際、いつもその時間は寝ているかというとそうでもない。特に友人がまだこっちにいたころは、
パソコンを通じて朝まで会話していたのも『ざら』だった。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:01:37.71 ID:AEJ/aSFJO
口からゆったりと白い煙がでる。
くわえていた煙草を、
また大きく吸い込むとチリチリと音を立てて先が赤く燃える。
テレビの横に置いてある小さな時計に目をやると時刻は10時半前だった。
目が覚めてから余程ゴロゴロと微睡んでいたのであろう。
男は友人に電話を折り返した。
プルルルル……
男「(……………)」
プルルルル……
男「(………………あぁ…そう言えば………)」
男は携帯を耳に当て、呼び出しのコールを聞きながら、
目の前にあるテレビをぼーっと見ていると、
ふと夜更けを思い出した……
プルルルル……
男「あの番組…なんだったんだろう……どこかで覚えがあるような………」
もちろん、可愛いと思った印象が強く、顔は思い出せる。
しかし自分の周りには可愛い、むしろ女子の友人は数えるほどしかいない。
すぐに思い出せる中に、テレビの中の少女に該当は当てはまらなかった。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:08:23.09 ID:AEJ/aSFJO
ぼーっと大して深くも考えず数回のコールを待ったが、
友人は電話にでることはなかった。
男「なんだったんだろう」
携帯をテーブルに置くと、リモコンでテレビをつけた。
立ち上がってポットに湯を沸かし、マグカップにインスタントコーヒーの粉を入れて
洗面台で顔をあらうと、冷たい水がすっと男の目を覚ました。
男「……………」
ごぽごぽとポットが沸き立ってきた。
何を考えるでもなく、立ち尽くしていた男は昨日の不思議な番組と、
早朝にかかってきた友人の電話という些細な出来事のおかげか、
けだるさはなかった。
しかし、だからと言って今日
なにかをする予定があるわけでもなかった。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:17:54.45 ID:AEJ/aSFJO
男は今年の夏に大学を辞めていた。
3回生の夏だった。
特に理由があるわけでもない。
言い方を変えると、
特に学ぶ理由が見つからない。
のが自主退学最大の理由だった。
実家にも居づらくなり、
特に激しく使うでもなかったバイト代の貯金で憧れていた一人暮らしを始めてから少し。
特に何かが変わるわけでもなく、
むしろ生活するということに時間をとられ、ただ淡々と時間と日々だけがすぎて行っていた。
貯蓄にはまだ余裕はあったが、幸先悪くバイト先をクビになったのが先週。
理由は大した事ではなかった。
ただ勤め先が向上心のある職場で、男は学生の頃と等しく意味を持たず無気力で、
やる気の波には流されず、置いてけぼりをくらい、
いつの間にか疎まれ、口論になり、具体的に何が悪かったのかもわからぬまま解雇された。
ああ、そうなんですか。さようなら。お世話になりました。お元気で。
それで全部終わりだった。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:26:18.90 ID:TwGaj7e5O
支援
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:29:22.88 ID:AEJ/aSFJO
とは言え、働かないままでは生活出来ないので、
とりあえずコンビニに寄る際にはバイト情報誌をとる。
どうでもいいと言えば、どうでもいい。
どうでもいいから適当に、どうでも良さそうな職種を適当に探すフリをしていた。
熱いホットコーヒーの入ったカップを持ち、ベッドの縁。
定位置に戻りまた煙草に火をつけた。
テレビを見ていると、手元の携帯が震えた。
男「もしもしーどした?」
男はろくに表示された画面も見ずに通話ボタンを押して一方的に挨拶をした。
かかってくるのは友人しかいなかったからである。
?「あの…………」
小さなスピーカーの向こう、
微かでかすれそうな声が、久し振りとはいえ聞き慣れた友人の声
とは程遠い、かけ離れた
全く違う、女性の声であることに男は吸いかけの煙を勢いよくむせ返し、部屋を白く濁らせた。
?「あ、あの…………」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:32:02.89 ID:AEJ/aSFJO
>>8 支援と見てくれてありがとうございます。
もしもしで即興なので書くの遅くて申し訳ない。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:32:47.45 ID:pgu0Chi+0
俺もいるぜ
あとでまとめて一気に読むよー
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:42:45.10 ID:AEJ/aSFJO
男「はい?」
よくわからない2つ返事をした。
全く誰だか解らないままだが、とりあえずそれなりの体を装った。
男はあまりにも唐突だったため、体をそこから動かすことを忘れていた。
みるみるうちに指先で灰になっていく煙草にすら注意が行かなかった。
?「あの、わたしの事わかる……?」
ギョッと確信をいきなりえぐられ、対応しきれなくなった男は、素直に謝った。
男「ご、…ごめん。さっぱりなんだけど……誰…ですか?」
?「そうだよね。連絡するの凄く久し振りだし…」
男の脳裏に、ふと夜中の『あの少女』がよぎった。
想像していた声色ではなかったのが、一致しきれないところではあったが。
むしろ、全くもってわからないままなのが事実である。
?「あのね、急で申し訳ないんだけど………」
男「ん?何?」
名を明かせよ。まず。
と思いはしたが、短い会話の流れでも向こうは自分を覚えているわけで、
非があるのはこちらだと思い取りあえずこちらの言い分は伏せた。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:44:02.28 ID:AEJ/aSFJO
>>11 ありがとうございます。
いつ落ちるかわからないし、更新遅いので申し訳ないです。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:51:59.32 ID:AEJ/aSFJO
?「今日、時間ある?」
男「(毎日あるよ)…うーん、何時頃?(何の見栄だ)」
?「時間は男君の都合で大丈夫なんだけど……あたしはいつでも大丈夫だし…」
男「うーん。わかった。どこかで待ち合わせた方がいい?」
?「男君、家どこだっけ?」
男「………今、一人暮らしだから…〇〇なんだけど……別に何処でも大丈夫だよ?」
?「あ、そうなんだ。一人暮らししてるんだね。そしたら、●●とかどうかな。待ち合わせ場所にはちょうど良いし……」
男「わかった。何時?」
?「夕方ぐらい?」
男「そだね。じゃあそれで。」
?「着いたらまた連絡するね」
男「わかった。じゃ、また夕方に……」
?「うん。じゃ……」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 04:54:32.49 ID:TwGaj7e5O
焦らなくていい
期待支援
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:01:04.39 ID:AEJ/aSFJO
男は通話が終わるとすぐに着信履歴を見た。
アドレスに入っていない番号だった。
これじゃ、わかるわけない。
と自分は悪くないんじゃないか?知らなくても。と、自分で自分に軽く言い聞かせてはみたが
どうにも電話の相手を思い出せない。
連絡するのが久し振り。
こっちは番号を知らない。
一人暮らししたことを知らない。
集合場所を決めてきたあたり、地元の人間ではある。
全くわからない。
全くわからないが、男はとんとんと決まった女性との待ち合わせに
少しだけ心が浮かれていた。
何も起きない。
特に何も変わらない日常とは
朝から、いや、夜更けから違った非日常に少しわくわくしていた。
男「全く知らない(事もなさそうな筈なんだが…)女性といきなり会う。なかなかおもしろいんじゃないか?」
そう思い、男は急に身支度を始めた。
時刻は正午前。
こんな日だ。早めに集合場所のあたりまで行ってぶらついたりするのも良い気分転換になる。
そう思い立ったのだ。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:10:21.16 ID:AEJ/aSFJO
髪の毛をセットするなんて、随分と久し振りだ…
そんな事を考えたりしながらも、ぱぱっと用意を済ませ、家を出た。
最寄りの駅まで、家からは遠くなかった。
途中、
(夕方って事は、ご飯もあるだろう)
と考え、コンビニでお金を下ろした。
表示された残高は、まだ気にしなければならない程でもなかったが、実質無職なんだという事実を突きつけられたら気がして、
さっきまでの浮かれた気分は少しだけ落ち着いた。
女が指定した『待ち合わせ場所●●』は、地元では皆がよく待ち合わせに使う場所で、
駅構内からも直通であり、地下街、地上の繁華街や百貨店やあらゆる遊び場、ショッピング、グルメなどを堪能できる場所にすぐ足をのばせるような場所だった。
一人でも買い物やぶらぶらするには困らない場所で、時間を潰すには十分だった。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:18:53.93 ID:TwGaj7e5O
リアルならつぼや絵画を売り付けられる罠
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:20:10.91 ID:AEJ/aSFJO
電車に乗り、目的の場所に向かう。
人混みの中に自分を投じるのすらも久しく感じた。
バイトしていたころはいたって普通だったはずの景色も、たかが数日でこうも珍しくなるものか
と思うとよくわからない自責の念に駆られた。
かく言ううちに電車を降りて改札を抜ける。イヤホンから流れる音楽が周りの音を消してくれている。
音が聞こえないとなると、目を凝らすわけで、そうなると周りが過剰に気になってくる。
男「(あれ…………)」
男「(なんだ…………気持ち悪ぃ………)」
呆然と、どこもかしこも知らない他人。
当たり前だった景色から、世界から、たった少し息抜きの感覚で離れたら
せわしなく行き交う人達も、
お気に入りの音楽しか聞こえない無音の社会も
虚ろで、死んだ魚のような目も
会社員もギャルもおばあちゃんも
みんなみんな気持ち悪くなって、ただそこに佇んでしまっていた。
男「なんだ…………これ……」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:29:40.48 ID:AEJ/aSFJO
こみ上げてきた。沢山。
男「駄目だ。……………吐く」
思ったときにはトイレの中だった。
男は個室の様式トイレであらかた戻してしまった。
何かを口にしたわけではなかったので、余計に気持ち悪い。
男「………うぇっ…………っ…………なんだぁこれっ………」
もう、何がなんだか訳がわからないまま、出し切った。
流して、蓋をして立っていた。
良くないことだとはわかっていたが、鞄の中から煙草を取り出して火をつけた。
たちこめないように、出来るだけ真上の換気扇に煙をふくようにした。
しばらくすると大分落ち着いた。もう、電話の女と会うことすらその時は忘れていた。
落ち着きを取り戻し、個室から出る。
男「取りあえず、どっか入ろう…何か飲みたい………」
カフェでも探そうと思い、トイレから出ようとした時だった。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:37:35.42 ID:AEJ/aSFJO
男はイヤホンを耳から思わず 外した。
ここは男性トイレの入り口の真ん前だったのだが……
?2「あ、あの…大丈夫ですか……」
話しかけられた声で、電話の相手ではないと言うことはわかった。
にしてもだ。
男「…………へぁ?」
自分はもう訳が分からなくなって変な声を出していた。
男性トイレの入り口前で、心配そうに声をかけてきたこの女性を自分は全く知らない。
訳が分からないとは言え、顔を見て覚えがないのだから、本当にわからない。
?2「大丈夫……ですか?」
男「はぁ……なんで………」
?2「駅で急に立ち止まって、とまんなよこんなところでって見てたら……」
男「はぁ……」
?2「倒れるんじゃないかと思うぐらい顔色が悪くて……」
?2「そうかと思えば急にふらふらと早足で……」
男「………あぁ……そういうことか……」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:49:12.44 ID:AEJ/aSFJO
男「(心配してくれてたのか…見ず知らずなのに……)」
男「大丈夫です。すみませんでした…ちょっと気持ち悪くなっちゃって……」
?2「……………」
男「お時間とらせて申し訳なかったです……」
?2「…………」
男「……………」
女性はなかなかそこを動かなかった。一応お礼は言ったし、特に会話を続ける必要もなかった筈なのに。
男「………………?あの…?」
?2「あ、はい………その…私もぶらぶらしてただけだったんで……時間とかは全然気にしないでください。……ほんとに大丈夫ですか?」
男「もう大丈夫です。ほんとに。ありがとうございます。」
自分は腕に巻いた時計を見ると、13時半を指していた。
?2「ふふっ」
女性は少しの間があったと思うと、急に一息漏らして笑顔になっていた。
男「?」
?2「しんどいですよね。めまぐるしいし、みんな腐ってるもの。ばっかみたい!!って思っちゃう」
笑顔でそういう女性はどこか自分とは違うところを見ながらそう言った。
P2「いこっ。ゆっくりできるとこ!!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:55:47.31 ID:AEJ/aSFJO
すみません。
落ちます。眠さが限界です。
読んでくれた方、支援して頂いた方々ありがとうございました。中途半端なところですみません。
昼から仕事なんですが、起きて残っていたらまた書きます。
>>22の最後がP2になっているのは?2の間違いです。
それでは。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 05:59:40.26 ID:TwGaj7e5O
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 06:59:03.08 ID:TwGaj7e5O
ほしゅ
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 10:07:54.31 ID:TwGaj7e5O
危なかった
ほしゅ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 11:41:42.21 ID:3RYdioOt0
ほ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 12:18:25.93 ID:TwGaj7e5O
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 12:43:18.48 ID:b9Eom4M80
そこらへんのつまらんキャラssよりは期待が持てる
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 13:17:51.62 ID:pgu0Chi+0
保守しま
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 13:53:18.26 ID:TwGaj7e5O
支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 14:32:54.95 ID:3RYdioOt0
ほ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 15:10:31.06 ID:pgu0Chi+0
保守ー
nn 腹筋じゃないだと・・・?
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 16:24:59.51 ID:pgu0Chi+0
あぶねー保守
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 17:15:37.55 ID:TwGaj7e5O
ほしゅ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 17:49:57.89 ID:F3e1IU68O
キャラもんじゃないならいくらやってくれても良い
と言うか読みたい
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 17:52:34.09 ID:rUxzfh9sO
一応保守
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 18:22:27.68 ID:TwGaj7e5O
徹夜明けでもう限界だ
みんな頼む
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 18:23:54.75 ID:pgu0Chi+0
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:00:48.09 ID:HN+S9Nd7O
まかせろ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:34:04.24 ID:pgu0Chi+0
∧_∧
( ゚ω゚ ) 保守は任せろー
バリバリC□ l丶l丶
/ ( )
(ノ ̄と、 i
しーJ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 19:50:00.43 ID:iFrFONo30
たんぽぽ娘関連かと
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 20:24:11.26 ID:pgu0Chi+0
捕手
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 21:08:15.52 ID:pgu0Chi+0
保守
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 21:41:57.73 ID:HN+S9Nd7O
ええやん
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 22:12:42.13 ID:AnmJV4i4O
書き手もどってくるかな?
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 22:44:14.37 ID:pgu0Chi+0
保守
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 22:52:23.60 ID:AEJ/aSFJO
残ってる……だと……
皆さんの保守に感謝感激です。
お昼、寝坊してしまい書けませんでした。すみません。
今帰ってきたとこなので落ち着いたら書きます!!
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 22:59:30.02 ID:Oa6pUIZh0
ありあまるあなたの文才に心惹かれた男だぁ!!
51 :
◆iMC5nbsIdM :2010/11/03(水) 23:10:02.49 ID:AEJ/aSFJO
みなさんありがとうございます。
ご飯食べながら読み返して軽く話の流れ練ります。
レスがある程度溜まってから読むと言っていただいていた方がおりましたので暇つぶしにでもなればと思いまして
探してみたらちょうど一年前に書いた(未完のまま落ちたんですが…)SSが残ってるみたいです
今回のSSと接点を持たせるつもりで書こうと思いますので良かったらそちらも…
興奮した少女が VIP
で検索かけると出るかもしれない
何せ更新が遅いのが悪いのです。すみません。
こっち単体でもわかる内容にはするつもりですので更新が遅かったせめてものといった感じです。
日付変わりそうなのでとりつけときます。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 23:15:48.14 ID:pgu0Chi+0
お、帰ってきてたか、おかえり!
53 :
◆iMC5nbsIdM :2010/11/03(水) 23:26:33.95 ID:AEJ/aSFJO
いこっ……って、どこへ行くんだ?
って言うか…誰なんだ?
言い方は悪いが凄く馴れ馴れしいし、そりゃ声かけてくれて心配までしてくれて
その上とてもじゃないが自分には相応しくない程可愛いらしいのに…
あれか?新手の勧誘…
男は向かい合って優しい笑顔で手をさしのべているこの女性を見ながら
呆気にとられていた。
それ以上に見とれていた。
黒く細いストレートの髪が、駅構内に吹く独特の気流になびいていた。
ごわつかない程度、しかしはっきりとした睫。
軽く上がる口角と、愛らしく下がる目尻。
少しだけ盛り上がった頬に塗られた染まる程度のチーク。
見ればみる程可愛かった。
?2「…………あの…」
自分ははっと我に返った。
男「あっ…………」
上手く言葉を発せられなかったが、少し茶色の混じった彼女の目を見ていた。
チークで染まった頬は先程よりも火照っているようにも見える。
?2「そんな……じっとみないでよ…」
素の彼女から隠し切れない照れを少し感じ取った自分は、あまり何も考えなくなってしまっていた。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 23:36:45.99 ID:AEJ/aSFJO
男「いこって…どこいくの?」
自分は彼女の手にそっと触れながら言った。
ひやっとしていた。折れてしまうのではないかと思うほど細かった。
?2「えーっと…まぁ……カフェにでも…」
思い出してみれば最初からカフェに寄って飲み物を口にしたいと思っていたわけだし、
言い方は悪いが、約束の16時までの暇潰しに、こんなにも可愛いこといれるなど
勿体なすぎる程だ。と思った。
男「あの、16時から友達(かどうかはわからないわけだが…)と約束が会って……」
男「せっかく声かけて誘ってくれたのに…」
?2「?……え?なんで?」
男「ごめん……」
?2「謝らなくていいよ?予定があるからこんな所に来たんでしょ?16時までで全然構わないよ?あいにく私は暇なんで!どんどん使って!」
なぜだろう、今初めて会った彼女からも懐かしさが漂ってくる。
こんなにも初対面で気の抜ける人がいるのだろうか?
男「ありがとう……じゃああの…ちょっとだけ」
?2「うん!いこういこう!!」
そう言って彼女は、触れあっていた手をきゅっと握ると
自分を優しく、それでいて力強く引っ張っていった。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/03(水) 23:48:41.91 ID:AEJ/aSFJO
彼女は自分をどんどん引っ張って言った。
例えではなく、本当に先を歩き、行き交う人を突っ切り、子供を連れて行くように自分を後ろに従えていたもんだから
とてもではないが周りの目が自分達をカップルだと思うことはなかった。
連行されているようにも見える。
?2「はい。着いたよー」
しばし歩くとチェーン店のカフェに着いた。
ガラス張りの店内にはポツポツと客がいたが、平日とはいえ繁華街。もうすぐおやつ時だと考えればこれから混むのであろうと言うことは予想できた。
?2「煙草、吸う?」
彼女はまだ自分の手を話してはいなかった。
二つ返事で了解してくれた彼女はさっそくカウンターで注文していた。
その後ろに並んでいた僕は時間が経つにつれ冷静に物事を考えるようになっていた。
誰なんだろう。
何で手を握ってるんだろう。
名前、なんだろう。
やっぱりミルクティーとか飲むんだろうか。
仕様もない考えを巡らせてはいたものの、さっさと自分も飲み物を頼み、
流石にトレーを持つ時は手を離したのだが、
喫煙ルームの一番奥に陣取った。
男「ごめん。ちょっとトイレ」
そう言って一旦席を外し、小綺麗な個室に入ると、便座の上蓋をも下ろしたままで腰かけた。
男「………………ふぅ…なんなんだろう……」
56 :
◆iMC5nbsIdM :2010/11/04(木) 00:00:13.54 ID:3HBC2IzAO
座ったまま膝に肘を立て、手のひらで顔を覆う。
見えてないのに目を閉じてじっとしていた。
自分は夜中の少女を思いだした。
少女『あなたは明日、私に会うわ。必ず。』
今日、会うのか?あの子に。画面に写っていた背景の繁華街は間違いなくこね辺り一帯のどこかである。
建物のシンボルが特徴的で、間違えるはずもない。
男「(なんで思い出せないんだろう……もしかして夢か?)」
そうは思いつつも、今日の朝起きた段階での部屋の様子から、それが夢な訳ではないと言うのは明確だった。
そういえば、友人の電話は何だったのだろうか…未だ折り返してこないあたり、大したことではないのかもしれない。
電話先の女は一体誰なんだろうか…
明らかに知っている人間なのは間違いないが、あまりにも検討がつかない。
今、一緒にいる彼女。
彼女こそ一体誰なのだろうか…全くもってわからない。
少しの間、思いつく限り思い出してみたが、何一つ解決しなかった。
うだうだしても仕方がないと思い、顔を上げた時だった。
少女『わからないの?あたしが。気づかないの?』
男は鏡に映る光景に絶句した。
57 :
◆iMC5nbsIdM :2010/11/04(木) 00:02:25.62 ID:3HBC2IzAO
僕のIDからいくと3Pの流れもほのかに感じられますが、3Pはありません。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 00:05:58.62 ID:rcUJE33F0
>>57 何の注釈だよwww
1年前のSS 見つけたよ、保守りながらゆっくり読むねー
59 :
◆iMC5nbsIdM :2010/11/04(木) 00:37:24.21 ID:3HBC2IzAO
鏡に映る少女は、少し悲しげな顔をしていた。
自分は、あまりにも不可解な光景に、恐怖しか感じなかった。
しかし、よくよく鏡を覗くと、夜中に映っていた少女とは明らかに違う点がいくつかあった。
まず1つ。これは微睡んでいた昨日の記憶が、確実であり鮮明であるとは言い難いのではっきりとはしないが、
昨日の少女より、今目の前に写る少女の方が明らかに幼かった。
初めに見たときは、女子高生ぐらいのような気もしたが、今は明らかに中学生か、そのくらいの年頃に見える。
次に、背景が違う。
どこかの家の中、渡り廊下が見え、左右にいくつかの扉がある。
自分はまたもこの景色が初めて見るものではないとわかった。
わかったのはそこまでで、後は全く思い出せない。
その他、髪型や服装など細かな違いはあったものの
最後に、明らかにどこかで見たことのあるものとして印象に残っていたものは
少女が首から下げる。ネックレスだった。
細かく、細いチェーンに、2つの指輪のついたネックレス。
全てがうやむやだが、確かにどこかで見た記憶のある鏡の中の世界。
自分は無意識に、小声で口ずさんでいた。
男「…………誰?」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 00:48:45.97 ID:3HBC2IzAO
鏡の中の少女はぴくりとも反応しない。
自分はそっと立ち上がり、ゆっくり近づいた。
ふっ
とまばたきでもするかのように、
カメラのシャッターの様に、
一瞬ぱっと暗くなると
もう鏡に写っていたのは、焦点を合わせることができなくなっていた上に、さっきの嘔吐のせいか、
淡々と起こる非日常の疲れか、
顔色が悪く、頬のこけた自分が映っていた…………
男「………………くそっ……何なんだ…」
自分はもどかしさに耐えきれず、下唇をギュッと噛んだ。
痛みを感じる程度に。
跡が残らないように。
結局は自分が痛めつけられないぎりぎりのラインを守って。
その場で顔を洗い、トイレットペーパーを思い切り取り出して、
知らぬうちにかいていた脂汗と冷や汗が混じり、仮面のようにまとわりついていた顔のこびりをきれいに拭い、
軽く身だしなみを整えた。
長く居すぎてしまった。
人を待たせているのに。
そう思いつつ、袖をめくり時計をみる。
男「嘘だろ……………………」
驚くことに、時計の針はものの5分も進んではいなかった…
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 01:00:51.01 ID:3HBC2IzAO
彼女は席に座わって店内の片隅に立ててあったフリーペーパーを読んでいた。
男「ごめん。遅くなった。」
?2「?」
彼女はよくわからない。
と言った顔をした。
そんなにも時間は経っていなかったのだろうか…自分は確実に15分以上は篭もっていたはずだと思っていた。
自分はその後、彼女と他愛もない話を重ねた。
とにかくどうでもいい事の方が多かったが、自分は彼女と話しているときは
他の厄介事のほとんどを忘れることが出来た。
とにかく彼女は、話の中にある自分が抱えている些末な不安や疑問、共感して欲しい部分を上手く拾うのが上手だった。
あまり身の上話をしない方だった筈の自分が
どうにも彼女の前ではポロポロと口から漏らしてしまう。
彼女はそれは上手に噛み砕き、ひもほどいて、心地よくしてくれた。
自分もできるだけ彼女の話すことに同じように返そうとした。
難しいように思えたが、寸分狂いなく的を得る彼女の話を拾うのにはさほど苦労しなかった。
自分はほんとうに彼女と初対面ではないのではないか。
そう思い始めていた。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 01:12:57.44 ID:3HBC2IzAO
あっと言う間に時間が過ぎていった。
自分は最後に、昨日と先程、
鏡に映る少女の話をしてみようと思い、切り出した。
思いだせはしないが、彼女は自分を知っているのであろうと言うこと。
自分はどうにも思い出せないが、明らかにどこかで見たりあったりしたことがあると思うと言うこと。
その他諸々を伝えてみた。
こんな奇っ怪な話、真面目に(夢かもしれない…と注訳はいれてみたものの)話してる自分をみて彼女は引かないだろうか
そうも考えたが、どこか親身になって受け答えてくれるという信頼が勝手に芽生えていた。
あらかた話終わると彼女は黙っていた。
男「………………」
?2「……………………」
男「……………あの……」
?2「ふふっ」
彼女はまた、あの時の笑顔を見せた。
笑われた。と言った感じでもない印象を受けた。
?2「もう一度、もしかしたら二度?鏡の中のその子に会えば、思い出すんじゃない?」
男「そうかな」
?2「思い出して欲しいから、出てくるんじゃない?あなたのもとに」
男「………そうかも…しれないね……」
そういった考えに至れば、先ほど感じた恐怖も、さほどになった。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 01:38:44.33 ID:3HBC2IzAO
?2「そろそろ、時間じゃない?」
ひとしきり会話が済み、間が出来たところで彼女は言った。
時計の針は15時45分前だった。
男「ほんとだ…………あっ、あのさ」
?2「……いこっ。時間に遅れちゃ相手に悪いよ!」
彼女は自分の話すタイミングを切って立ち上がった。
相変わらずサクサクと動くので自分は後から席を立ち、後ろを着いて店を出た。
自分と彼女は、店の前で立ち止まっていた。
男「…………………」
?2「会えるよ。また。絶対。」
自分はじっと彼女を見ていた。
?2「それじゃあね。わたしも急用が出来ました。さようなら。頑張って。また会おうね。」
淡々と、彼女らしく言葉を発して、こちらが照れるほどの
いつもの愛らしい笑顔で握手を求めるので黙って従った。
ギュッと一度だけ強く握られた。
その時、愛らしい筈の下がる目尻が、何も変わらないはずなのに、
『愛らしい』から『寂しい』
に変わっているような気がした。
ぱっと手を離した時にはもういつもの笑顔で、少し会釈のように顔を傾けると彼女は振り返って人混みの中へ戻っていく。
自分はただそこに立ち尽くして、彼女が見えなくなるまで背中を目で追っていた。
彼女が肩からかけたバッグからストラップらしきものが出ていて、それが何なのかはっきりとは見えなかったが、それらが光に辺り、チカチカと動いていたのが印象に残った。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 01:47:55.55 ID:3HBC2IzAO
男「ふぅ…………」
大きく息を吐き、見えなくなった彼女の去っていった道をぼーっと見ていた。
男「急用…なんか、嘘だろ。」
いつ急用ができたのか。
結局自分は、彼女の名前も誰なのかもわからないまま別れてしまった。
もう、会うことはないなと思い、もう一度息を大きく吸って、吐いた。
男「(そろそろほんとに行かなくちゃ…間に合わないな……)」
さほど待ち合わせ場所まで遠くなかったので、十分間に合う距離ではあった。
気持ちを切り替えて、今は一旦忘れよう。
そう思い、彼女が去った方向とはいえ逆に足を進めた。
その時だった。
『プルルルル…』
ポケットに入っていた携帯がなる。
男「(着いたら連絡するって言っていたし、着いたのだろうか。)」
携帯を開く。
画面に表示されていた着信の相手は、例の女番号ではなく、朝かけ直した友人のものだった…
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 01:57:49.79 ID:3HBC2IzAO
男「なんてタイミングでかけ直して来るんだコイツは…」
ボソボソと呟きながらも、目的地に向かう歩を進めつつ電話に出た。
男「もしもし?」
友人「……悪い……寝てた…」
男「そう。急ぎの用事か?これから人に会うから後からもう一回かけ直してもいいか?」
友人「…………………」
男「?」
友人「………あぁ。」
男「(なんだ?今の間…)そっか。じゃあまた」
こちらも人混みやアナウンスがうるさかったが、電話先の友人の方も大概だった。
友人「あの…………」
切ろうとした時だった。
男「なんだよ。」
屋内にアナウンスが流れる。
『本日は〇〇におこしいただきまし〜…』
その時、友人は何かを話したのかも知れない。自分にはきこえなかった。
アナウンスがうるさかったのだ。自分が今ここにいるアナウンスも。
友人の携帯から聞こえてくる、『全く同じアナウンス』も。
立ち止まざるを得なかった。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 01:59:53.24 ID:3HBC2IzAO
見ていただいてる方、ありがとう御座います。
すみません。更新遅い癖にこんなこといえる義理じゃないんですがちょっと休憩します。
もしもし打ちっぱなしで指がかなり痛いです
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 02:01:40.82 ID:dM5jLr680
乙
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 02:21:54.83 ID:XJUrStX/O
良かった落ちてなくて
充分寝たから朝まで保守る
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 02:23:12.20 ID:hAKTbeuZ0
良スレはけーん
ミステリー好きです
支援ヌ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 02:26:38.08 ID:8viJ0UFFO
がんばって
しえん
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 02:27:43.59 ID:rcUJE33F0
>>1、お疲れ様です
前のSSも読んだぜー、体調には気をつけてなー
>>68 じゃあ今度は任せて俺は寝るとするかw
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 02:31:09.13 ID:pLq7ECvw0
しえん
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 02:58:11.50 ID:3HBC2IzAO
男「………お前…今……どこだ?」
友人「………………」
男「おい!おーい!」
友人「すまん。本当は俺が言わなきゃならなかったのに……」
男「?…一体何の話だよ?」
自分はキョロキョロとその場を見渡した。必ず近くにいるはずの友人を何とか探そうと必死だった。
見つかるわけがない。
この大多数の人が右往左往してる中で。
待ち合わせ場所はもう肉眼でも確認できる、目と鼻の先だったが自分はそれどころではなかった。
プッ……ツーツー…
結局友人は何も話さなかった。
自分は携帯を耳から話、腕を下げた。色々とよぎったが、自分が今何をするべきなのか、それすらも見失っていた。
プルルルル。
手の中で、また携帯が鳴る。
男「…………はい。」
?「着いたよ。」
振り返ると、少し先の大きな柱には沢山の人が集まっている。
何故かわからないが、自分には最初に目線に止まった片手を耳に当てている女性。
それが電話の先の相手なんだと確信していた。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:12:52.81 ID:3HBC2IzAO
自分はすぐに通話を切った。
早足、走っているとも言えるほどの速さで『それ』に向かって行った。
どんどん近くなる。
はっきりと肉眼でわかるほどにまで近づくと、確信に変わった。
向こうもそうだった。
ゆっくりとこちらに向かってくる。
はっきりとした結論から言うと、電話先の相手は『例の少女』ではなかった。
むしろよく見知った人物だ。
声で判断できなかったのは、会わない日々が長かった為だった。
男「久し振りだね……」
?「うん、元気だった?」
男「おう…」
彼女とは、友人よりもかなり古い付き合いだった。
小さい頃から同じ学校に通い、共に進学し、友人とその他の仲間達と一緒に遊んでいた。
所謂、幼馴染である。
しかし彼女は、中学を卒業する前に親の都合上転校したままそれっきりだった。
自分は、恋心など全く、と言えば嘘になる。特別な感情はたしかに持っていた。
しかし、連絡先を聞くことはできなかったが故に、今となってはもう殆ど過去の人、思い出とかしていた。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:20:19.94 ID:3HBC2IzAO
やはり今でも可愛かった。すこしでも何かを期待してしまう。
男「…ほんとに……久し振りだね……」
幼馴染「うん……あの…………」
男「こっちに帰ってきてたの?」
幼馴染「あの………」
男「……?………どうしたの?どっか店入る?」
自分は少し、浮き足立っていた。浮かれていたのだ。久しぶりの再開。向こうから連絡をくれたわけだし、2人だし……………………
?
連絡を………くれた?
どうやって?
どうやって、知ったんだ?
男「あ、あ…………」
ポンっ
と自分の肩を後ろから軽く叩く。
この手にはまださびない程度の新しい記憶が残っていた。
男「友人……………」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:27:07.66 ID:3HBC2IzAO
男「……やっぱいたのかよ」
男「あ、そうだ!覚えてるか?幼馴染だよ!!」
友人「…………」
幼馴染「………」
男「…………?」
男「ど、どうしたんだよ………な、なんなら今から3人でご飯でも……」
友人「…………………よ。」
男「な、いいじゃん!!またみんな仲良くさっ!!あれだな、昔の仲間も呼んで!!ほら自分のもう一人の男の幼なじみ覚えてるか?アイツも連絡先知らないけどなんとかしてさ!!またみんなで…………」
友人「…………俺が…教えたんだよ。幼馴染に。」
男「何を?」
友人「おまえの番号だよ。」
男「あ、そうなん…………だ……?」
幼馴染の目は、あふれそうなほど涙が溜まっていた。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:32:18.98 ID:XJUrStX/O
おかえり
期待
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:34:54.54 ID:PnMKtpYVO
くそっ
今日も寝れそうにないな
支援いたす
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:39:27.15 ID:pLq7ECvw0
きたい
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:40:37.43 ID:3HBC2IzAO
よくわからない。
いや、ほんとはわかってる。
こいつらも、よくわかってる。
なんだかんだ言ったって長い付き合いなんだ。
特に自分と友人は、現在進行なんだ。
大体、自分が考えてることや気持ちだってわかってくれてるんだ。
男「……………いつからだよ…」
友人「………………」
男「…………なんで…黙ってたんだよ………」
幼馴染「何度も……言おうとしたんだよ………グスッ……」
友人「すまん。おまえの気持ちは知ってたんだけど……ずっと……」
友人「今からうちに挨拶なんだ……だから…ちょうど良い機会だと…………」
男「……………」
簡単な事だ。
自分は幼馴染が好きだった。
多分、心の奥底でも、ずっと。
ただ、友人も好きだった。
友人は連絡先を聞いていた。
自分は聞けなかった。
友人はすぐに就職した。幼馴染の街で。
自分は、意味もなく金を溝に捨てて進学した。
友人は普通のサラリーマンになった。普通の定期収入で腰を落ち着かせた。
自分はただのクズになった。収入がなく、ベッドの縁に腰を落とした。
友人は幼馴染を射止めた。今日は挨拶の為に地元に来ている。
自分は何も知らず非日常とか言っちゃって構内のトイレでゲロを吐いた。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:45:50.47 ID:hAKTbeuZ0
うわああああああああああああああああああ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 03:51:41.56 ID:3HBC2IzAO
友人は最後の最後まで自分に気を使って言えなかった。
今日の朝まで。
自分は何もしていないのでただ寝れなかった。
今日の朝方まで。
男「……………そっかぁ……」
友人「…………」
幼馴染「…………」
男「おめでとう。また連絡くれ。なんか…気を使わせてしまった……申し訳ない。また……落ち着いたら……みんなで飲みにでも行こう………」
友人「………………男……」
男「じゃ。帰るわ。また絶対連絡くれよ」
二十歳過ぎれば皆大人。
自分は、笑顔で2人に挨拶をした。本当のところを言うと、
嫌みの様に聞こえただろう、多少ひねた気持ちがないわけでもなかった。
それでも、2人が一緒になることはいいことなんだ。
心からそう思えていたのも嘘ではなかった。
自分は何も言わない2人と交互に握手を交わした。
2人は泣いていた。
よくわからなかった。
身を翻し、来た道をゆっくり歩いて駅に向かった。
昨日から良いスレに出会ってばっかりで眠れないな…
まぁ良いことなんだがな
さてと、起きるか
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 04:04:40.71 ID:3HBC2IzAO
もう、何も見えてなかった。
周りを行き交う人々も、音も。
いつの間にか、自分の周りで自分と同じ位置にいるのは自分だけだった。
幼馴染に連絡先が聞けなかった。じゃない。
自分がクズだったのだ。
友人が大学進学を選ばなかったのに対し「大変だな」なんてよくそんな皮肉が言えたもんだ。
自分はクズだったのだ。
大学に行く理由が無かったんじゃない。
ただやる気のなさをあわないという言葉で覆っただけだ。
信頼できる人がいない。
作る努力を他人に押し付けただけだ。
自分はクズだったのだ。
仕事をクビになったのは周りのやる気にあわせる気がなかったからじゃない。
意味のない、通用しないプライドをただぶら下げていただけだ。
自分はクズだったのだ。
自分はクズだったのだ。
と言うことも、
本当は薄々前から気がついていたはずなのに、今更これを気にどっと波が来たかのように被害者ぶって涙なんか流したりして
心を入れ替えた振りして
3日後にはまた忘れたようにベッドの縁で座ってる。
そこまで自分で自分を甘やかして、
よくわかってるくせに、何をしようって具体的な案もない。
自分はクズだったのだ。
ぜひ続きが見たい
保守
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 04:14:25.30 ID:XJUrStX/O
全ニートが泣いた
今の俺には凄く心に刺さる
そして名作の予感。期待
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 04:42:24.01 ID:3HBC2IzAO
構内にある大きな時計は17時前を指していた。
会社帰りのサラリーマンが増えると、皆が皆自分を犬を見ているような目で見ている気がした。
少し若いOLの目には臭うモノのような、ギャルには空気、オシャレな若者にはゴミ扱いを受けている気がした。
電車の中の広告には格安ブライダルの宣伝が貼ってあった。
家の近所のコンビニで、フリーペーパーの求人誌と飲み物を買った。
調子に乗って下ろした金は、電車代とコーヒー代だけだった。
張り切ってわりと多額を財布につっこんでいる割に使い道などあるわけもない。
もう日が大分傾いて、薄暗かった。
ただ黙々と歩いて、何にも考えなかった。面倒だった。何かに関わりを持つから面倒で、じっと当たり障りなくひっそりしていた方が楽なんだと思った。
家に帰ってきて服も全部脱ぎ捨ててベッドへ転がり込んだ。
何にも音がしなかった。
男「……………………ぐっ…」
涙より先にしゃくりあげて、止まらなくなって、苦しい声を上げながら、自分はベッドの上で大の字になって
何に泣いてるのか全くわからなかったが
それすらもあまりにも情けなくて、ただひたすら嗚咽を漏らしながら泣いていた。
夕日はもう落ちていた。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 05:01:53.63 ID:JkUv3cq9O
なんかいい雰囲気のSS
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 05:02:10.14 ID:6oMxN/mm0
今から読むため保守
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 05:25:27.86 ID:8TuQAURKO
前のやつ読んできた
代理で立ててもらった今回は 最後まで書くと信じて
保守
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 05:59:10.37 ID:XJUrStX/O
ふぅ
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 07:34:13.77 ID:6oMxN/mm0
前のやつ読んできたけど、読まなきゃよかったよ
未完のままのSSとかもやもやして最悪なんだよ
くそ面白かったけど
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 09:04:02.41 ID:6oMxN/mm0
ほーしゅ♪
保守保守
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 11:54:57.96 ID:XJUrStX/O
やべー寝てた
保守
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 12:41:40.64 ID:hAKTbeuZ0
ほ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 13:27:49.44 ID:3HBC2IzAO
すみません落ちてました。
保守していただいている皆様本当にありがとう御座います。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 13:32:09.02 ID:lY31Qcm8O
星
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 13:33:50.92 ID:3HBC2IzAO
ひとしきり泣き終わると、自分はベッドの上でぼーっとしていた。
何をしたらいいのかよくわからなかった。
ただしばらくそうしていると急激に目蓋が重くなってきた。
疲れる、という感覚は久し振りだった。
あやふやな意識の中、自分の頭に映っていたのは
名前も知らない、優しい彼女の笑顔だった。
目を覚ました時、辺りが真っ暗だった。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 13:44:31.88 ID:3HBC2IzAO
普段なら手元においてあるはずの携帯を寝ぼけ眼で探しては見るものの
帰宅した時に、そのまま脱ぎ捨てたズボンに入ったままだと言うことに
ぼーっとした頭で気がつくまでには少し時間がかかった。
男「…………………あぁ…」
寝起き独特の枯れたような
面倒くさそうなうなだれた声が自然と漏れる。
ずるずるっと半分だけ体を起こした状態でベッドから這い、
定位置でもあるベッドの縁に落ちた。
とりあえず、腰を据えて体を伸ばし鞄を手にとった。
携帯と煙草を出し、その辺に鞄をほおりなげ、買ってきていた飲み物の封をあける。
煙草に火をつけて、
テレビも電気もつけず真っ暗な部屋の中でじっと煙を吸っては吐いていた。
テレビの横に置いてある時計は夜中の2時を指していた。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 14:16:09.25 ID:3HBC2IzAO
自分は段々と頭が冴えてきた。
少しづつ出来事を思い出しながら、整理していく。
少し時間が経ったせいなのか、良く寝たせいなのか、自分は1つ1つよく考えてみて、出した結論は
なんだ、この陳腐な話
だった。
さして考えれば、そこまで何か変わった訳じゃない。
最初から無かったことにすればいいのだ。
幼馴染とか、友人とか
あぁそんな奴いたね。ってなものだ。自分には関わりのない、少し知ってる程度で、
そうすれば、ああそうなんだ。
ぐらいですべて解決する。
自分はそう思い、テーブルに置いてあった求人誌を真っ二つに引き裂いて、燃えるゴミに捨てた。
一度立ち上がり窓を空けると、ひんやりとした風が吹いてくる。
寒いぐらいだったが、部屋に立ち込めた煙もそう。
全部入れ替えたかった。
トイレに行き、用を足して戻ってくると、部屋の電気はつけないままで、テレビの電源を入れる。
そこで男は、『映る少女』をはっと思いだした。
ほ
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 14:56:12.51 ID:XJUrStX/O
キター
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 15:32:49.67 ID:yg7/Q1240
昨日から見てる!
保守
は
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 16:53:21.34 ID:rcUJE33F0
じ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 17:17:55.62 ID:9HbjeKkX0
こんな上手いSS久々に見たわ。
田口トモロヲのナレーションみたいだ
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 18:02:35.31 ID:rcUJE33F0
ほしゅー
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 18:31:13.85 ID:rcUJE33F0
出掛ける前に捕手
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 19:35:14.55 ID:PFT14Vm30
ほゅ!
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 19:35:51.87 ID:3HBC2IzAO
自分は思い立ったようにテレビのリモコンを手にした。
今、テレビの中の少女に会ってどうこうしようといった事はない。
ただ、今なら思い出せそうだったのだ。少女の事を。
自分はリモコンをテレビに向けた。
主電源の切れていたテレビはリモコンではつかなかった。
自分は立ち上がり、テレビの縁にある主電源に手を伸ばそうとした。
その時だった。
プツン
まだボタンに触れていない僕の目の前で、
一切の明かりがともっていなかったこの部屋で、
自発的にテレビは活動を開始したのだ……
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 19:50:51.40 ID:3HBC2IzAO
男「まじかよ………」
目の前で、電源の入ったテレビのモニターに光が点り始める。
しばらく、そこに何が写っているのか全くわからなかった。
画面の中に、少女はいなかったのである。
それだけではない。
自分が更に驚愕したのは、今までは思い出せなかった背景が、今度は明らかに知っている場所だった。
男「…………これ……」
テレビに写っていた画面の映像は、今もなおそこにいるはずの自分自身が立っている
自分の部屋だった………
男「………自分の…部屋?」
急激に怖くなった。
男はボタンに手を伸ばし、不可解についているテレビを消そうとしたが、
何度押しても画面が暗くなることはなかった。
自分は完全に震え上がっていたが、ふとある言葉を思い出していた。
『もう一度会えば、ちゃんと思い出せるんじゃない?』
消すという行為を諦め、自分はテレビから離れ、いつもの定位置に腰を落とし、テレビと向かい合った。
男「………出てきてよ……話をしよう。」
テレビに話しかける。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 19:57:43.80 ID:T3knkD4h0
シエンタ
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 20:19:52.93 ID:xKGSy/dB0
いきなり怖くなってきた
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 21:02:16.15 ID:XJUrStX/O
ミステリアス
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 21:46:18.38 ID:tQGwf/TsO
ぽ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 22:16:52.90 ID:hAKTbeuZ0
おもしろくなってきた
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 22:56:06.55 ID:7yY622MnO
ほ
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/04(木) 23:55:14.54 ID:tQGwf/TsO
し
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 00:45:55.62 ID:VPr2PHSs0
ゅ保守
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 01:44:02.29 ID:SGxfYbec0
ほし
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 02:35:02.51 ID:fRNhFyKBO
更新遅くて大変申し訳ないです。
ようやく落ち着いて書けます。
保守していただいた皆さん本当にありがとう。
125 :
◆iMC5nbsIdM :2010/11/05(金) 02:48:29.28 ID:fRNhFyKBO
男「…………」
なんて言ったって端から見れば滑稽な光景だった。
子供ではあるまいし、自分以外は誰もいない真っ暗な部屋で、夜中に淡く光る画面の中の
自分の部屋に『写っているはず』の少女に声をかけている男がいるのだ。
男「…………………」
男「…………あれ?」
男は画面を見つめていた。
確かにそこに写っているのは、紛れもなくそろそろ住み慣れた自分の部屋だった。
しかし、初めて見た時よりも、個室の鏡で見たときよりも、
冷静に向き合っているという状況で細部までよく目を凝らすと
画面の中の世界には男の現実の世界には見当たらない小物が合った。
壁に掛けてある時計。
テーブルに乗っているノートとペン。
これらには見覚えがある。
はっきりとはしないが。
一番気になったのは、自分が普段携帯を置いてある場所。
ベットの横につけてある小物置きの位置に、写真立てが置いてあった。
写真立てともなると、自分は普段あまり活用しないものになるので、記憶があやふやになることはないと感じていた。
これには見覚えがない。
そう確信をもてるほどだった。
写真立ての中に入っていた写真の細部までは、荒く確認出来なかった。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 02:58:27.94 ID:fRNhFyKBO
男は確かに自分の部屋だと感じ、多数の小物がそれを確信させてはいたのだが、
どうにも『今』自分が住んでいる状態ではないと言うことにも疑問を持ち始めていた。
男はこの時、自分が画面や鏡越しに見ているものに対してある事実にはまだ気がついていなかった。
計三回の不可思議な現象は、写っていた場所も、少女の容姿も全く違っていた
にも関わらず、男はその中で気になっているものには
『確かではないが覚えがある』
『全く覚えがないのに目に付く』
という意識がある。
写真立てと、2回目の少女が首に下げた2つの指輪がついたネックレスが後者に当たる。
男「………………出てこないの?」
男「何でもいいから…言ってくれよ……」
男「思い出したいんだ……ちゃんと…………」
独り言のように呟いていた。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 03:16:09.74 ID:fRNhFyKBO
男「………………?」
微かにだが、足音が聞こえる。
しかし、少し音が遠い。
自分は住んでいるアパートの住人かと思った。
が、ここ数日、夜更けに起きている時間帯が多い自分がこの時間帯に家に帰ってくる他の住人がいると音ではあるが確認したことはない。
推測すれば、たまたま夜中に帰ってくる事だってあるだろうとは考えられるが、
玄関先の渡り廊下を誰かが歩いている音とは明らかに違う。
そのくらいは聞き分けがついた。
少し画面から目を離し、真っ暗な闇にの中に冷たく映る玄関のドアを見た。
足音の大きさは微かにだが大きくなる。
ドアを見ることによって傾けた耳の位置がちょうどテレビと対になったことによって明らかになった。
音は、こっちからじゃない。
テレビの中の部屋の外から聞こえているんだ…
自分はソレに気がつくとすぐに画面に視線を戻した。
音の出所に気がつくと、映っている自分の部屋にどんどん音が近付いているのがわかる。
コッ……コッ……コッ……
音が止まる。
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 03:20:41.84 ID:fRNhFyKBO
ズッ………
ガチャ……
キィー……………
扉が開けられていく。
開けられていくのは音でわかるが、写っている位置からでは玄関が確認出来ない。
男「……………誰?……」
食い入るように画面に見入っていた自分は、意識しない所で言葉を漏らしていた……
バタンッ…………
『ただいまー』
女性の…………声だった。
プンッ
画面が真っ暗になる。
男はあまりに突然の事態に思わず立ち上がった。
男「……っ!!」
こええええええよ
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 03:32:32.21 ID:fRNhFyKBO
男「嘘だろ……!!」
慌ててテレビの主電源を入れると、意外とあっさり画面に光が灯る。
しかしそこに写っていたのは、仕様もない地元のテーマパークをわざとらしい地方弁をつかった司会が、
ぎこちない笑いを入れながら紹介している
(それももう何回も再放送されてるであろう)
地元局の番組だった。
自分は呆気にとられていた。
目線は画面に向いてはいたものの、もう視界がぼやけ、力が抜けてぴくりとも動かなかった。
しばらくそのままの状態ではあったが、まず1つ、気がついた。
画面の中に帰ってきた女性の声は、少女のものとは少し違った。
新しい誰かのような気がした。
自分はとりあえず目の前にある飲み物をぐっと入れ、喉を潤した。
その後、煙草に火をつけて、朝起きた最初の1本のようにゆっくりと吸った。
煙は口から吐くというよりは、隙間からもやもやと漏れるようで、赤々と燃える先から出た一筋の白い線も、すーっと上に延び、
少し高いところで空気と混じって、散って消えた。
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 03:36:07.93 ID:fRNhFyKBO
皆さん今テレビつけたら少女移るかもしれませんね
と煽って見ますが、このSS、即興なんですが路線があやふやに……
大丈夫だ。問題ない。
>>130が無かったら確実にトイレ行けなくなってた
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 03:50:36.20 ID:SGxfYbec0
しえん!
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 03:52:06.22 ID:fRNhFyKBO
煙草を吸い終わると、自分は少し変な気持ちになっていた。
ついさっきまではぐわっと激情に駆られ泣いていたくせに、今は全く気にならなくなっている。
むしろ、あ、そう。と言ったものだった。
今は目の前で起こっていた事実の方がよほど気になる。
熱いコーヒーを飲もうと思い立ち、いつも起きた時のようにポットでお湯を沸かしながらカップにインスタントの粉を入れる。
テレビからはまだ仕様もない司会の下手くそなナレーションが聞こえてくる。
『もう一度会えば、ちゃんとおもいだせるんじゃない?』
その通りだった。
真剣に向き合えば、なんとなく記憶を紐解いていけそうな気がするではないか。
自分はさっぱりとする為、洗面所で顔を洗おうと思い、そこへ向かった。
ポットの中で、湯が沸き立つ音がする。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 04:11:07.26 ID:fRNhFyKBO
男「…………ははっ」
もう笑いしかでなかった。
洗面台の鏡には、今までのどの少女よりも大人になった少女が写っていた……
男「………………誰?」
恐る恐るではなく、ちゃんと思いだそうとしてるんだよという意図が少しでも伝わるようになんとか言葉に含みを持たせたつもりだった。
鏡の少女は何も答えない。
男「話さないんだね。……まぁいいや。今は感謝してる。きっと君は自分の知ってる人なんだろ?」
男「いつか……どこかで会えるのかな。そしたらちゃんと話してみたいな。こんな夢みたいな話……バカみたいなんだけど………」
男「…………君は……………」
鏡の中の少女はじっと自分を見つめていた。
男「………あれ?」
急に、頭の中で絡まっていたもやもやが紐解かれていくような気がした。
少女はニコッと笑う。愛らしい笑顔で。
自分も返して優しく笑いかける。
何故だかわからないのだけれども、少女と会うのはこれが最後なんじゃないのか、そんな予感がした。
その時、鏡の中の少女は目を閉じて、小さな口をゆっくりとあけ、淡々と小声で言った。
少女「来るよ。もうすぐ。あたしが。」
自分は、それがどこから来てるのか全くわからなかったが、すーっと一筋涙が頬をつたっていた。
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 04:28:04.27 ID:fRNhFyKBO
ゆっくりと手を伸ばし、顔を洗った時に濡れた水滴がまだ少し残る人差し指を
そっと鏡に近づけた。
それは鏡の冷たさではなかった。
それは鏡の平らな硬さでは確かになかった。
柔らかくふわっと、すこしだけ感じる生暖かさ、自分は確かに『映る少女』の優しい唇に触れていた。
少女は目を閉じたまま、自分の触れていた指に唇をすぼめ、キスをした。
自分はもう涙で視界がぼやけていた。
空いていたもう片方の手でそれを拭うと、もう鏡には自分以外誰も写っていなかった。
そっと鏡から離した手を強く握ってよくわからない何かを確かめた自分は、その場で立ち尽くしたまま考えた。
ここで少女に会えた事が、自分のあやふやな記憶の断片をゆっくりと繋いでいく。
男「わかった……………」
男「ははっ」
男「………………助けてもらってばかりだ」
自分は用意していたコーヒーなど全く気にとめず、すぐさま携帯を取りに戻った。
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 04:32:42.23 ID:6QOHCLXuO
頑張れ
支援
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 04:37:05.62 ID:fRNhFyKBO
プルルルルル…
プルルルルル…
男「(出ろ……出てくれ……)」
ガチャ
男「おい。昨日は何だかすまなかったな。お幸せに。そんな事より、聞きたいことがあるんだ。」
友人「………あ、ああ。…なんだ?」
男「夜中に電話なんてすまん。でも懐かしいだろ?昔はよくやってたじゃないか。あとそのぎこちなさ止めろ。うざったい。」
友人「うざったいって言うな。おまえ……俺がどれだけ……」
男「わかったよ。悪かった。」
友人「で、何?」
男「幼馴染の番号を教えてくれ」
友人「……は?昨日……かかってきてただろ?」
俺「そうじゃねぇよ。そっちじゃねぇよ。男の方だ。『もう一人の方の幼馴染』の方だよ!!」
自分は、友人と出来の悪い会話をしながら、一連の不可思議な出来事の細部が繋がる1つの答えを見いだしていた。
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 04:45:28.50 ID:fRNhFyKBO
友人「どうしたんだよ急に……まあいいか。したらメールで送るから。………あとそれと幼なじ」
プッ…ツーツー
自分は最後まで話を聞かずに電話を切った。
携帯をテーブルにほおりなげて、友人がメールを送ってくるのを待つ間に放置していたコーヒーをついだ。
プルルルルル
男「きたっ……………きた?」
あらぬことにこんな夜更けに自分の携帯に着信したのは、友人のメールではなく、またも知らない番号だった。
それでも自分には、もうこのタイミングでかけてくる電話の相手など一人しか該当しなかった。
男「…………………」
ガチャ
男「………………………」
男「久し振り。」
『そう?そうでもないよね?』
男「そうでもないかな。」
『…………ん?』
男「…………会いたいよ、今すぐ君に」
『知ってる。だから言ったじゃん。「また会うよ、絶対」って』
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 04:52:50.49 ID:Pj57YKup0
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 05:03:22.69 ID:fRNhFyKBO
それが、彼女が自発的に起こせる行動ではないとしたら、この不可思議な現象は
不可思議で不可解なままだけど、必然必要不可欠な事柄だった。
じゃなければ、自分はこの答えに絶対に気がつかなかっただろう。
記憶の紐をとく最初の鍵になったのは『声』だった。
誰もいない部屋に帰ってきた『ただいま』の声は紛れもない。
最後の少女がやっと話してくれた言葉もあどけなさがのこるものの、それに近い。
少女は全て同一人物で、
中学生、高校生、大学生あたりの年齢をさしている。
2回目に映った背景の渡り廊下は、男の幼なじみの家の中だ。
少女が、今電話の繋がっている彼女、自分の考えている人で間違いがなければ、
確かに自分は少女と1回目に写っていた背景の場所に行ったことがある。
写っていた部屋にあった時計と写真立てはその少女の部屋に確かに合ったものだ。
なにより、最後にみた少女の笑顔
優しく下がる目尻も、
緩やかに上がる降格も、
淡々と話すその口調も、
(昔はそんな感じでは無かったような気もするが)
今にして思えば、初対面だったと勝手に勘違いしていたのに懐かしい気がして当然だった。
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 05:05:17.97 ID:fRNhFyKBO
>>140 すみません。
俺ではなく男です。
出来るだけリアルに想像して書こうとしたら感情移入してました。
申し訳ない。
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 05:10:55.99 ID:vH7sg4wfO
ま、まさかの男の娘ルートなのか?
ハァハァ(*´д`*)
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 05:14:18.13 ID:fRNhFyKBO
男「話したい事、沢山あるよ。2回目になるかもしれないけど。」
『……ふふっ』
男「よくわからないけど、今会ったらまた心配されそう」
『そう?』
『………ほんとは全部知ってたんだ。男くんが今日あそこに行くことも。』
男「なんで?」
『今日、ちゃんと言うって言われてたし。わたしはちょくちょく連絡とりあってたから』
男「……そうか。で、見に来たんだ。自分が何も知らないで浮かれてどん底に落ちるのを」
『会いたかったんだよ。ずっと』
男「自分は誰かもわからなかったのに?」
『ちょっとショックだったけどね。あそこで見つけた時も、トイレから出てきたときも、手をつないだときも、話してるときもやっぱり何にも変わらないなぁって思ったよ。』
男「そっか。」
『うん。』
男「会いたい。今すぐ。ちゃんと伝えたいことが沢山ある」
『わたしも。遠慮して言えなかった気持ちがあるよ』
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 05:17:12.74 ID:fRNhFyKBO
>>143 期待に添えずすみません。
最初に書いたのですが、中途半端に書いて落ちた前のSSと世界が多少リンクしていますので、
そっちを読むとこっちのオチが若干読めてしまうのですが…
男の娘ルートではないです…
支援
ほ
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 07:23:55.01 ID:EROX5fWhO
も
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 09:29:16.54 ID:nySAvfJ60
ほ
保守
ほ
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 14:12:14.76 ID:VPr2PHSs0
しゅ
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 15:05:53.75 ID:9jSc8r32O
ほ
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 15:25:36.10 ID:idIdATMTO
しゅ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 16:11:26.14 ID:xYztJ12/0
おほしゅさま
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:11:37.22 ID:fRNhFyKBO
電話の向こうから聞こえる優しい声。
事実に気がついてからと言うもの、彼女の声はやはり少女のもので、自分の部屋に帰ってきていた女性のものでもあったと確信した。
時計の針は、朝方4時を回っていた。
男「今も実家?」
『そうだよ。昔お兄ちゃんの部屋に男くんがよく遊びに来てたあの家にまだ住んでる』
男「あいつは元気にしてる?」
『してるよー。昔から働いてた居酒屋さんのオーナーがもう歳だからって言ってお兄ちゃんに継がせようと毎日料理勉強させられてる』
男「そっか。」
『お兄ちゃんも、結婚するんだよ!!』
男「まじかよ。誰?自分の知ってる人?」
『ううん。全く知らない人。男くんや友人くん、幼馴染さんがみんなバラバラに住んだり働いたりするようになってから出会った人なんだ』
男「そっか……みんなちゃんっ進んでるんだな……」
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:18:39.04 ID:fRNhFyKBO
『男くんだって…』
男「いや、自分なんか全然駄目だ。つい昨日気づかされたとこだよ」
『そんなことないよ。』
男「………………」
『わたしはちゃんと知ってるよ。男くんの良いところ。たくさん知ってる。わたしがずっとちゃんと見てるよ』
男「そっか……ありがとう。」
自分はもういても経ってもいられなかった。
男「ごめん。また後でかけ直すよ。」
『寝ないの?』
男「うん。もっと大事な事があるんだ」
『…………ふふっ』
男「なんだよ」
『待ってるよ』
自分はおもむろに電話を切った。
格好とか髪型とか、そんなものもうどうでもよかった。
今はただ伝えたい。
今はただ会いたい。
少女に。彼女に。
男はさっと着替え、ポケットに必要なものを詰め込んで家を駆けだしていた。
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:29:42.46 ID:fRNhFyKBO
電車なんか動いてるわけなかった。
少し冷たい風が緩やかに吹く。
まだ空も白くならないうちから、カラスがカァと一鳴きして、
また新しい朝来るよと告げていた。
もうあまり変わらないと思ってた毎日。ただ無気力に、心のどこかで他人をバカにしてた。
他人も自分をバカにしていた。
淡々と今、今日、数時間後だけを考えて、その場限りの大したことない思考を頼りに難を逃れていた。
いつも。いつも。
今だってあまり変わらない。
それほど大したことじゃないのかもしれない。
それでも、それでもただ彼女に合いたくて、少女に会いたくて、がむしゃらに自転車で夜の帳を駆け抜けていく
何も考えていない自分は
ほんのすこしだけ新しい自分だった。
段々と雲に白い色がつき始める。
少しずつ燃えるような暖かい赤に染まる。
どれほどの時間が経ったのかもわからないけど、自分はただひたすらにそこに向かっていた。
どれだけ格好つけても、周りはみんな自分を蔑んだのに、
どれだけ格好を気にしてない今の自分を蔑んでいるものは、そこには何一つ無かったのだ。
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:42:48.37 ID:fRNhFyKBO
空がもう明るかった。
まばらではあるが早くに出社する会社員達が歩道をちらほらと歩いていた。
息の上がった自分は、懐かしくて随分と訪れていなかった男の幼馴染の家にまでたどり着いた。
道はうる覚えだったのによく着いたものだった。そもそも、今自分がここまでどういう道を辿って来たのかも無我夢中で覚えてなかった。
彼女は腕を組みながら、ラフな格好に上から防寒具を羽織って玄関先で自分を待っていた。
?2「ほら、ね?また会った。絶対会うって言ったじゃん」
男「………そのネックレス…」
少女が付けていた、見覚えのない二つのリングがついたネックレスを彼女は首から下げていた。
?2「あ、これ?大事なものなんだ。外行くときとかは外すときもあるけど、基本つけてるんだ。」
?2「お兄ちゃんの奥さんになる人から、17歳の誕生日にもらった所謂『いわくつき』ってやつかな?今となっては大事なお守りみたいなもんなんだ」
男「そうなんだ」
もう揺るぎなかった。
少女の正体は、男の幼馴染の妹だ。
確かに、自分はこの子の事を、ずっと前から知っている。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 17:45:31.10 ID:fRNhFyKBO
すみません。
仕事の休憩が終わりそうです。
保守していただいてるみなさん本当に感謝しています。
もうすぐクライマックスです。
更新遅くてほんとに申し訳ない。
あとミステリーでも男の娘展開でもなく申し訳ない。
最後まで楽しんでいただけたらと思います。
それでは。
仕事がんばってー
ほ
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 18:48:28.92 ID:VPr2PHSs0
しゅ
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: