1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:38:46.58 ID:xb1misGn0
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:41:13.64 ID:xb1misGn0
( ‐∀‐)「ん……むう……」
けたたましい電子音に目を覚まされる。
枕もとの時計に目をやると、ちょうど7時半。
どうやら、2学期の最初から遅刻はしなくて済みそうだ。
( ・∀‐)「ふあ……」
二度寝してしまわないうちに、目をこすりながらベッドから降りる。
クローゼットから制服を出して、着替え終わった頃には眠気もすっかり覚めていた。
( ・∀・)「よし、準備ばっちり」
夏休み中でも早寝早起きした賜物だろうか。
体は学校へ行っている時と変わらないバイオリズムを保っていた。
朝食はなんだろう、なんて予想をしつつ階段を降りて居間へ向かう。
( ・∀・)「母さーん、今日の朝g」
o川*゚ー゚)o「このトースト超おいしいです! さっすが専業主婦してるだけありますね!」
ζ(゚ー゚*ζ「あらあら、キューちゃんったら嬉しい事言ってくれるじゃない」
( ^ω^)「女の子がいると家が賑やかになるおー」
( ・∀・)「」
居間に入ると、何故かキュートが我が家で朝食を食べていた。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:44:03.73 ID:xb1misGn0
o川*゚ー゚)oは残像のようです
第六話 制服のあの子が泣いてた
あ、地味に好きな奴だ 支援 最後までみるよー
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:47:04.33 ID:xb1misGn0
(;・∀・)「な、なんでいるんだよっ!?」
o川*゚〜゚)o「んーっとね、んぐんぐ……今日から2学期でしょ?
夏休みの間に髪型変えた、とか髪染めた、とかあるじゃん?
それが早く見たくて……あむっ……とりあえずモララーの所に来たの。
でも変わってないね、つまんない。あ、焼けた。バター取って下さい」
キュートは説明しながらどんどんトーストを頬張っていく。
遠慮という言葉を知らないのだろうか。
(;・∀・)「食べながら喋るな少しは遠慮しろその最後の一枚は僕に食べさせろおおお!」
o川*゚ぺ)o「モララーのケチー!」
僕が皿ごとトーストを奪い取ると、頬を膨らませながらキュートが取り返そうとしてくる。
迫ってくるキュートの額を空いている手で押さえると、キュートの両手はむなしく空を切った。
o川*;д;)o「あーん! とーどーかーなーいー!」
(#・∀・)「僕が来る前に散々食べただろうが!」
o川#;д;)o「全然食べてないもん! 三枚しか食べてないもん!」
(#・∀・)「六枚切りを三枚食べて何が全然だあああ!」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:50:03.79 ID:xb1misGn0
(#・∀・)「ふんっ!」
o川;゚д゚)o「ああー!!」
一瞬のすきをついてトーストをかじると、途端にキュートの力が弱まった。
o川*;д;)o「キューちゃんが大事に大事に育てたトースト……」
名残惜しそうに言いながら、キュートはその場に崩れ落ちた。
しかし、どんな理由があってもこの一枚だけは失うわけにはいかない。
ようやくありつけた朝食をゆっくりと噛みしめる。
(;‐∀‐)「……冷めてる」
長く小競り合いしすぎたんだろう。
ふわふわだったはずのトーストは、よく噛んで食べざるを得ない状態だった。
o川*;д;)o「キューちゃんに美味しく食べられるはずだったのに……」
(;・∀・)「それ以前に僕の朝ご飯になるはずだったんだよ!」
キュートは未だにトーストを諦めきれないらしい。
僕が牛乳と一緒に流し込んでいる間も、こんな事を言っていた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:50:52.22 ID:4peGjqR5O
面白そう…ってもう6話かあ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:53:03.30 ID:xb1misGn0
ζ(゚ー゚*ζ「あらら、明日からふたつ買ってこないといけないわねぇ」
(;・∀・)「なんで毎日キュートが来る前提なの!?」
僕らを母さんが当たり前のように言ってのける。
そのうちキュート専用の食器とか用意しそうで怖い。
調子に乗ってキュートも遠慮なく家に来そうな気がする。
(*・∀・)(キュートが毎日家に来るのは……まあ、嬉しいけど)
(;^ω^)「のんびりするのはいいけど……時間まずいんじゃないかお?」
( ・∀・)「え?」
ぼんやりしていると、父さんの気まずそうな声が聞こえた。
定まっていなかった視線を壁にかかった時計に向ける。
( ・∀・)「」
いつも家を出る時間をすでに十分ほど過ぎていた。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:57:04.23 ID:xb1misGn0
(;・∀・)「ああああああああ!!! まずいいいいいいいいいいい!!」
慌てて階段を駆け上がって自分の部屋へ向かう。
机の上に置いてある鞄をひったくるように掴むと、再び居間に戻った。
(;・∀・)「おい、キュート!! 早く行かないと遅刻するぞ!!」
未だにへたりこんでいるキュートの腕を引っ張って、立つように催促する。
o川*;д;)o「やだー! トーストもう一枚食べるまで動かないー!」
(#・∀・)「お前は子供かあああああああああああ!!」
o川*;д;)o「子供だもん! 永遠のティーンエイジャーだもん!」
駄目な意味で開き直ったキュートは、手足をじたばたさせて駄々をこねる。
トーストが食べたくて駄々をこねる女子高生なんてキュートくらいだろう。
(#・∀・)「ティーンエイジャーだってもっとしっかりしてるわああああああ!
早く行かないと新学期早々遅刻するんだよおおお!
早く行っても遅刻だろうけどさあああああああ!」
o川*;д;)o「キューちゃんは走れば今からでも間に合うもん!」
(;・∀・)「そういえばそうだったあああああああ!!!」
キューちゃんかわいいよキューちゃん。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:59:43.37 ID:VAJ1EWXi0
速いやつか
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:59:46.92 ID:o8+4/0s9O
いつも読んでるよ
支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 19:59:59.14 ID:7PMJGyyO0
もうキュートは置いていけww
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:00:03.43 ID:xb1misGn0
ζ(゚ー゚*ζ「あまりモララーを困らせないであげて、キューちゃん。
今度はいっぱい買っておいてあげるから、ね?」
o川*゚ー゚)o「ほんとですかぁ!? じゃあ学校行ってきます!」
(;・∀・)(あっさり陥落したあああああああああ!)
母さんの提案を聞いたキュートは、さっきまでのわがままっぷりが嘘のように態度を改めた。
次の瞬間には立ちあがって玄関まで駆けていった。
「ねー、モララー置いてっちゃうよー?」
(;・∀・)(僕よりトーストの方が大事なのか!? そうなのか!?)
そう考えるとなんだか目の奥が熱くなってくる。
下がったテンションのまま、キュートの後を追って玄関へ向かおうとした。
( ^ω^)「「モララー」」ζ(゚―゚*ζ
( ・∀・)「ん?」
背後から父さんと母さんが僕を呼び止めた。
どこか変なところでもあるのか、と自分の体を見てみるも特に何もない。
不思議に思って顔を上げると、ふたりが真剣な面持ちで口を開いた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:03:03.27 ID:xb1misGn0
( ^ω^)「大丈夫だお、お前は父さんと母さんの自慢の息子だお。
気にしなくてもトーストなんかに負けていないお」
ζ(゚ー゚*ζ「だからあまり気を落とさないで。もっと自信を持つのよ」
(;・∀・)「……あー、うん。それじゃいってきます」
なんだかよく分からない励ましを受けた。
どうツッコんでいいのかも分からなかったので、無難に返事をして玄関へ向かう。
( ・∀・)「あれ? キュート?」
玄関にいたはずのキュートがどこにもいなかった。
靴もなかったので、多分外にいるんだろう。
さっさと靴を履いて僕も外へ出る。
(;>∀<)「うおっ、まぶしっ!!」
出た途端に強烈な光が僕の目に飛び込んできた。
思わず顔を腕で覆って、横へ逸らしてしまう。
「あははは、びっくりした!?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:04:37.76 ID:NC7Ysxgd0
久々wktk
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:06:03.31 ID:xb1misGn0
声のする方へ視線を向けようとすると、また光が僕の目に飛び込んできた。
手のひらで光を遮りながら、なんとか声のする方に向く。
(;‐∀・)「……おい、キュート」
o川*゚ー゚)o「遅いってばー、キューちゃん待ちくたびれちゃったよ!」
手鏡で僕の顔を照らして笑いながら、キュートはそう言った。
o川*゚ー゚)o「罰ゲームのキューちゃんシャイニングビームはどうだt」
(#・∀・)「トーストで駄々こねて人を待たせた奴が言うなあああああああ!!」
o川;゚д゚)o「モララーが割と本気で怒ったー!」
踵を返すと、あっという間に残像を残してキュートはその場から消え去った。
逃げたと言ってもどうせ行き先は学校だろう。
僕は急いで自転車にまたがると、風を切って通学路を走りだした。
(#・∀・)(一緒に学校行けるって思ったのに散々人を振り回しやがってええええ!!!!)
o川;゚ー゚)o「うぇぇっ!? モララーはやっ! 追いつかれる!?」
これからの人生で、こんなに速く自転車を漕ぐ事はないだろう。
走って逃げるキュートにみるみる迫る自分を、どこか客観的に見ながらそう思った。
〜〜〜〜〜〜
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:07:32.51 ID:+mTLY22RO
今北支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:08:53.16 ID:7PMJGyyO0
いいな、青春……
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:09:02.94 ID:xb1misGn0
(#・∀・)「いいか、社会に出るといままで以上に周りに対して気を配らないといけないんだ。
そして僕達は今、その練習期間なわけだ。だけど練習と言っても限度がある。
今からでも遅くない、少しは自分の周りに目を向けてみろ。そうすれば……」
o川;´д`)o「分かったよぉ、分かったからもうお説教はやめて……」
始業式が終わって体育館からの帰り道。
弱り果てた顔でキュートが振り返って呟く。
(#・∀・)「都合よく男女に分かれて並んでたのにキュートが僕の前にいるからね。
てっきり説教の続きが聞きたくて仕方ないと思ったんだよ」
o川;´д`)o「なんで近付いちゃったんだろ……キューちゃんのバカ……」
自分の頭を抱えて、アホの子だとでも言わんばかりのリアクションを取る。
キュートに追いついた賜物か、僕も奇跡的に遅刻せずに済んだ。
(#・∀・)「バカなら仕方ない。また最初から分かるまで言ってやろう」
o川;´д`)o「誰か助けて……へるぷみー……」
遅刻の心配が無くなった僕は、溜まりに溜まった鬱憤を説教という形でぶつけた。
始業式に中断させられたけど、再開して今に至っている。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:12:02.23 ID:xb1misGn0
_
( ゚∀゚)「助けを求めるキューちゃんの声を聞いて参上!
さあキューちゃんを離せ、怪人モララー!」
o川;゚ー゚)o「ジョルくん助けてー! キューちゃん洗脳されそう!」
(;・∀・)「なんだこの小芝居……」
ぼそりと呟いたキュートの声を聞いたのか、ジョルジュがどこからか現れた。
そして、ヒーローショーのごとくポーズを決めて僕を怪人呼ばわりする。
_
( ゚∀゚)「安心しろキューちゃん! すでに手は打ってある!」
o川;゚д゚)o「な、なんだってー!?」
グッと親指を立てたジョルジュに、キュートが棒読みもいいところの合いの手を入れる。
そしてキュートに爽やかに笑いかけながら、ジョルジュは力強く言い放った。
_
( ゚∀゚)「実はこの後、席替えがある! つまりキューちゃんはモララーと離れる!
いくら怪人モララーとはいえ、離れた相手に説教など不可能!」
(;・∀・)「席替えって別にジョルジュが手を打ったわけじゃないだろ!?」
見事過ぎるほどに勢いだけで、内容が伴っていなかった。
青雲
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:15:01.88 ID:xb1misGn0
o川*゚ー゚)o「モララーに説教されなくなるよ! やったねジョルくん!」
_
( ゚∀゚)「俺の手柄って事で御褒美にキューちゃんのおpp」
(#・∀・)「おい」
_
(;゚∀゚)「イエ、ナンデモナイデス」
肩を叩いて一言、声をかける。
少しだけ僕の顔を見たジョルジュは、謝罪の言葉を最後に何も言わなくなった。
( ・∀・)(席替え、か)
説教はともかく、冷静に考えればあまり喜ばしい事じゃない。
席が離れれば当然キュートとも会話は減るだろう。
そして、その間にキュートと親交を深める男子。
(;・∀・)(やがてふたりは……いやいやまずいまずい)
o川*゚ー゚)o「ふたりともどうしたの?」
_
(;゚∀゚)「ナンデモナイヨ……ハハハ……」
(;・∀・)「そ、そうそう……」
適当にはぐらかしている間も列は教室へと進んでいく。
今は周囲のクラスメイトが、羊の皮を被った狼に見えて仕方がなかった。
〜〜〜〜〜〜
支援!
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:17:59.86 ID:xb1misGn0
o川*゚ー゚)o「結局前と変わらなかったね!」
振り返りながらキュートが話しかけてくる。
位置は変わったけどキュートが僕の前の席というのは変わらなかった。
「またかよ……なんだよ……主人公補正でも働いてんのかよ……」
「せっかく隣になったのに……向いてくれるのは後ろばかり……」
_
( ;∀;)「遠くだからイチャつかれてもよく見えないもんねー、わーい……」
(;・∀・)(一学期にも増して居心地悪っ!!)
その代償とでも言うべきだろうか。
僕への羨望というか、殺気というか、怨念のようなものは一層強さを増していた。
(゚、゚;トソン「……新しい席で心機一転したところで、次へ進んでいいでしょうか」
暗い空気の漂う教室をぐるりと見渡してから、気まずそうに先生が口を開いた。
本当に問題ないのか、答える余裕がないのか分からないけど、反対の声は聞こえない。
確認するかのようにもう一度教室を見渡してから、先生は黒板に向かう。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:20:58.87 ID:xb1misGn0
(゚、゚トソン「はい、黒板にも書きましたが文化祭での出し物についてです。
これを決めるまで今日は帰れません!」
綺麗な文字で「文化祭の出し物」と書いた先生が振り返って言い放った。
えー、という不満げな声があちこちから聞こえてくる。
o川;゚д゚)o「えー!? キッズウォーの再放送をみるという大事な用事があるのにっ!」
(;・∀・)「いや、確かに夏休み過ぎても続いてるから気になるけどさ!」
目の前にいるキュートも声の発信源のひとつだった。
教室がにわかに騒がしくなり始める。
それを遮るかのように、先生の凛とした声が響いた。
(゚、゚トソン「早く帰りたいなら早く決めればいいんですよ。
食品を扱う出し物は一年時には禁止されていますので、それ以外でお願いします」
( ・∀・)「なんかいいのないかな……」
頬杖をついて文化祭の風景を思い浮かべる。
喫茶店、展示、劇、ゲーム。ぱっと浮かんだのはそれくらいだ。
喫茶店は無理だから、必然的に残り三つから選ぶ事になる。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:23:59.49 ID:xb1misGn0
「劇とかどうですか!?」
「なんかゲームしましょうよ!」
_
( ゚∀゚)「クラスの女子全員のおっぱいをかたどったオブジェをですね」
(゚、゚トソン「ジョルジュ君、後で職員室に来てください」
_
(;゚∀゚)「冗談ですごめんなさいすいませんでしたぁっ!」
思い浮かべたそばから、黒板は同じ意見で埋まっていった。
みんな考える事は大体一緒という事だろう。
(゚、゚トソン「まだ他に意見があるという人はいませんか?」
手を上げる人が誰もいなくなって、教室が静かになる。
切り上げるために先生が最終確認を取った時だった。
o川*゚ー゚)o「はい! はいっ!! はああい!!!」
キュートが勢いよく立ちあがり、ぴょんぴょんと跳ねながら手を挙げた。
しーえん。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:27:01.31 ID:xb1misGn0
o川*゚ー゚)o「キューちゃんは気付いたの、今まで挙がった案に足りない物に!」
「「「な、なんだってー!?」」」
台本でも用意されているかのように、教室中から驚きの声が上がった。
みんなの注目の視線を浴びながら、何故かキュートは教卓に向かって行く。
そして、チョークを手に取ると黒板に大きく文字を書いた。
o川*゚ー゚)o「それはね……具体例だよっ!」
書かれた文字をばんばん、と叩きながらキュートはみんなの方へと向き直った。
勢いを重視し過ぎたのか、書かれた文字は言われないと『具体例』とは読めない汚さだ。
しかし、気にする事なくキュートは話を続ける。
o川*゚ー゚)o「劇ならどんな劇をするのか。
ゲームならどんなゲームをするのか。
何か作るなら何を作るのか。
それを決めるために、これから更に時間を取られるに決まっているんだよ!」
(;・∀・)「キュートがまともな事を言っている……だと……?」
想像すら出来なかった光景に、思考が口からそのまま出てしまう。
戸惑いを隠せずにいるとキュートは胸を張って、元々出ている胸を更に前へ突き出した。
それから息を大きく吸い込むと、声高に宣言した。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:30:01.92 ID:xb1misGn0
o川*゚д゚)o「だからキューちゃんは……ここで具体例としてお化け屋敷を提案します!!!」
「灯台もと暗しだった……しかし、灯台の下にはキューちゃんがいたんだな」
「これがキュートさんの77の能力のひとつ……相手は死ぬ……」
周りの席から納得の意見が続々と僕の耳に入ってくる。
ざわつく喧騒の中を、キュートは颯爽と戻って来た。
僕の気のせいだろうか、どことなく表情がいつもより凛々しく見えた。
(;・∀・)「どうしたんだキュート……こんなのお前のキャラじゃないだろ……?」
まるで、どこか遠くに行ってしまったかのような感覚すら覚える。
知らない物に初めて触れるみたいに、恐る恐るその横顔に呼びかけた。
o川*゚д゚)o「キッズウォーまでに家に帰りたいキューちゃんに死角はないっ!」
僕の心配を粉々に砕くようなどや顔で、キュートは右手の親指を天へと突き上げた。
(;‐∀‐)「なるほどね……」
さっきまでの自分があまりに馬鹿馬鹿しくて、頭を抱え込む。
僕はどうやら、キュートの事を大げさに考えて過ぎてしまう兆候があるらしい。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:30:42.64 ID:7PMJGyyO0
しえーん
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:33:01.19 ID:xb1misGn0
(゚、゚;トソン「ええと、他に意見がある人はいませんか?
なければこの中からひとつ選んで手を上げてください」
異様な空気の中、先生が本来の目的を思い出させるように問いかけた。
挙げられた順番に多数決を取っていくが、上げられる手はまばらだ。
(゚、゚トソン「お化け屋敷がいい、という人」
一番最後の案が読み上げられる。
途端に、教室中の手が一斉に上げられた。
(゚、゚トソン「それでは、お化け屋敷に決定ですね」
もはや数えるまでもない、といった調子で先生は結論付けた。
(゚、゚トソン「これでホームルームは終わりです。みなさん文化祭に向けて頑張りましょう」
先生がそう告げると、教室は一気に騒がしくなる。
みんな内心は早く帰りたくて仕方なかったんだろう。
o川*^ー^)o「わーい! やっと終わったよぉー!」
嬉しくてたまらないといった感じで、キュートが大きく伸びをした。
そして、すぐに鞄へ勉強道具を詰め込んでいく。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:34:08.66 ID:xb1misGn0
o川*゚ー゚)o「準備完了! じゃあねモララー、文化祭楽しみだねっ!」
(;・∀・)「ああ、じゃあなキュー……ってもういないや」
言い終わるより先にキュートの姿は目の前から消えていた。
あそこまで急いで帰るあたり、相当楽しみにしているらしい。
( ・∀・)「僕も帰るか……」
午前で終わる予定だったから今日は弁当が無いから、残るなら昼食は自腹になってしまう。
幸い残る予定もないから、大人しく帰って節約する事にした。
〜〜〜〜〜〜
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:36:01.97 ID:xb1misGn0
月日は過ぎて、あっという間に文化祭が目前に迫っていた。
ここ最近の放課後は、クラスみんなで残って小道具を作る日々が続いている。
「あ、そこのガムテープ取って」
( ・∀・)「ん……はい」
「サンキュー」
今やっているのは小道具作りだ。
道の両側に置くための壁や、おどろおどろしいお墓といったところだ。
_
( ゚∀゚)「モララー、これ出来たから倉庫に運ぼうぜ」
ジョルジュが出来上がった壁を軽く叩きながら誘ってくる。
( ・∀・)「おお、分かった……せーのっ」
_
( ゚∀゚)「よっし、行こうぜ」
息を合わせて壁を持ち上げる。
周りに気を付けながら教室を出て倉庫へと向かった。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:39:03.72 ID:xb1misGn0
(;・∀・)「いつ来ても薄暗くてほこりっぽいなあ……」
_
( ゚∀゚)「ささっと置いて戻ろうぜ。息苦しくてたまんねえ」
( ・∀・)「そうだな……ん?」
僕らのクラスの小道具を置く場所のすぐ横。
影になっててよく見えないけど、何かが置いてある。
(;・∀・)「うわっ!!」
_
(;゚∀゚)「な、なんだよ!?」
(;・∀・)「だ、っだだだっだ誰かいる!!!」
目を凝らして見てみると、それからは乱れた長い黒髪が生えていた。
大きさはちょうど人がうずくまったくらいの大きさ。
さらに、髪の色とは対照的に新雪のように白い着物を着ていた。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:42:03.74 ID:xb1misGn0
_
( ゚∀゚)「ん……?」
(;・∀・)「ちょっ、何してんだよ!? 逃げようよ!!」
心霊的な事をしていると本物が寄ってくると聞いた。
鼓動が高鳴って、脳が警鐘を最大音量で鳴らしている。
僕は声を荒げて余裕の態度を見せるジョルジュに呼び掛けた。
_
( ゚∀゚)「ああ……大丈夫だよ。これ、うちのクラスで使う衣装だ」
(;・∀・)「……へ?」
_
( ゚∀゚)「モララーってヘタレだったんだな……プププ」
(;・∀・)「う、うるさいな!!」
さっきとは違って、今度は恥ずかしさで鼓動が高鳴る。
からかわれながらも、壁を他の小道具と一緒のところに置いた。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:45:07.67 ID:xb1misGn0
_
( ゚∀゚)「ったくよお、よく見れば分かるだろこれぐらい」
( ・∀・)「そういえば……こういうの作ってるところ見た気がするな」
改めて近寄って眺めてみる。
正体さえ分かってしまえばこんなの怖くもなんともない。
( ・∀・)「なんでこんなのにビビってたんだろう……」
じっくり眺めてみようと思い立って、カツラを手に取ろうとした。
(;・∀・)「えっ!?」
_
(;゚∀゚)「んなっ!?」
手が届こうとした瞬間、目の前からカツラが消え去った。
それだけじゃない、衣装も消えている。
何が起こったのか、それを理解する前に――
「……うらめしや」
背後からぼそり、と低い声が聞こえた。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:48:04.68 ID:xb1misGn0
o川д゜川o「うらめしやあああああああああ!!!!」
(; ∀ )「」
_
(; ∀ )「」
頭が真っ白になって、言葉も出せず足元からその場に崩れ落ちた。
動こうとするけど、体が言う事を聞いてくれる気配はない。
本当に恐ろしい体験をした時、どうやら人は何も出来なくなるらしい。
o川д川o「……ぷっ」
(; ∀ )「……?」
o川*д川o「あっはははははは! あーおかしい!」
どれほど固まっていただろう。
静寂の中に、聞き慣れた笑い声がこだました。
(;・∀・)「あ……れ?」
ようやく強張っていた体が動き、後ろに振り返る。
広がる視界の先で、小道具もとい幽霊が笑い転げていた。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:51:06.43 ID:xb1misGn0
o川*д川o「ふたりとも凍っちゃったみたいで……お腹痛いよぉ……!」
( ・∀・)「……」
未だにぷるぷると震える幽霊に近付いていく。
向こうは僕に気付く気配はない。
( ・∀・)「ていっ」
「あっ!」
振り乱された黒髪を掴んで取り払うと、
(;‐∀‐)「……やっぱりお前か」
o川;゚ー゚)o「あ、バレた?」
見慣れた顔が現れた。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:54:13.42 ID:xb1misGn0
( ・∀・)「……何やってんだ?」
o川*゚ー゚)o「いやね、せっかく衣装も小道具も出来たから誰か驚かそうと思って。
そしたらさ、モララーが倉庫へ行くっていうじゃん。
だからキューちゃんは先回りしてスタンバイしておいたんだよ!」
両手の親指をグッと立てて、僕の眼前に突き付けてきた。
よほど思い通りにいったのか、キュートの表情はいきいきとしている。
日も暮れ始めて、薄暗い倉庫の中でも輝いて見えた。
(# ∀ )「そうか、それはよかったな」
o川*゚ー゚)o「うん! でも、まさかここまで上手くいくなんt」
(#;∀;)「上手くいき過ぎなんだよバカ野郎がああああああああ!!!」
o川;゚д゚)o「うんにゃああああああっ!?」
大成功の余韻に浸ろうとするところを、ヘッドロックで阻止した。
僕の後ろでキュートの体がじたばたと暴れる。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:57:04.58 ID:xb1misGn0
(#;∀;)「時と場所って物があるだろうがよおおおおおおおおお!!」
o川;゚д゚)o「え、選んだ結果がこれだy……いひゃいー! やあー!」
弁解しようとするキュートの頬を、空いている方の手でつねる。
より強くキュートが暴れるが、体勢的には僕の方が有利だ。
(#;∀;)「見ろ、ジョルジュなんかまだ魂抜けたみたいになったままなんだぞ!!」
_
( ∀ )「」
o川;゚д゚)o「ろれんあひゃい! もえんあはい!」
こうして時に騒がしく、準備に追われる日々は矢のように過ぎていった。
ちなみに、この後目覚めたジョルジュは
_
( ゚∀゚)「おっぱいの大きい天使さんが手を引いて川へ連れてってくれたんだよ。
そしたらさ、向こうに遺影でしか見た事ないひいじいちゃんが手振ってたわ」
という事を話してくれた。
〜〜〜〜〜〜
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 20:58:39.25 ID:NC7Ysxgd0
ニヤニヤする
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:00:02.32 ID:xb1misGn0
( ‐∀‐)「ふああ……おはよう」
ζ(゚ー゚*ζ「おはようモララー。はい、朝ご飯」
まだ自然に閉じようとする目を擦りながらテーブルに着く。
僕の前にことり、とトーストが置かれた。
(;・∀・)「またトースト?」
(;^ω^)「仕方ないお、母さんが大量に買ってきちゃったんだから……」
トーストを一口かじって、諦めたように父さんが呟いた。
大きくため息をついてから僕もトーストにかじりつく。
当たり前だけど、味は食べ飽きた食パンだった。
( ・∀・)「今日の天気はどうですか、っと」
牛乳でトーストを流し込みながら、テレビに目をやった。
ちょうど清楚な美人のキャスターが天気情報を読み上げていく。
今日も明日も、その先にも太陽のマークが並んでいた。
ζ(゚ー゚*ζ「あらぁ、よかったじゃない。ずっと晴れよ」
( ・∀・)「うん、たくさん人が来てくれた方がいいしね」
明日はいよいよ文化祭だ。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:00:21.74 ID:7CONAw47O
しえん
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:02:04.55 ID:Ala15IRhI
sien
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:02:45.51 ID:n/7hkTvxO
し
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:03:03.24 ID:xb1misGn0
「えー、ただいま入ってきた情報です」
天気予報が終わると同時に、神妙な面持ちの初老のキャスターが映された。
手に持った原稿らしき紙に目を配りながら、それを読み上げ始める。
「筋ジストロフィーの特効薬、通称SNOCを開発し、
2000年のノーベノレ医学・生理学賞を受賞した荒巻博士が、
先ほどシベリア市内の病院で亡くなったとの事です」
画面が穏やかな顔をした老人の写真に切り替わる。
横に簡単なテロップが表示された。
「死因はまだ発表されていません。今後情報が入り次第……」
(;^ω^)「この人死んじゃったのかお……」
( ・∀・)「父さん知ってるの?」
( ^ω^)「モララーはまだ小さかったから覚えてないだろうけど、受賞当時はすごかったんだお。
テレビを付けると、どこかのチャンネルには出ているくらいだったんだお」
( ・∀・)「ふーん……」
視線を父さんからテレビに戻すと、すでに画面は次のニュース番組に変わっていた。
そして、右上に表示される時刻は8時ちょうど。
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:06:06.24 ID:xb1misGn0
(;・∀・)「ああっ! やばい、遅刻する!」
慌てて立ち上がってトーストを無理矢理小さく折りたたむ。
大きく開けた口にねじ込み数回噛んで、牛乳で一気に流し込んだ。
(;・∀・)「行ってきまーす!」
「車に気を付けるのよー」
母さんの声を聞きながら、玄関を勢いよく飛び出した。
鞄を前かごへ乱暴に放り込んで、自転車にまたがる。
( ・∀・)「ひっく」
(;・∀・)「……食パン一気に食べたからか」
しゃっくりは学校に着くまでの間、止まる事はなかった。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:09:11.76 ID:xb1misGn0
o川*゚ー゚)o「おはよ、モララー」
( ・∀・)「おはようキュート」
短い挨拶をかわして席に座る。
最近は殺気も弱まってきたので、ここにいるのが億劫じゃない。
こんな風な三年間の高校生活が続けばいい、そう思った。
(゚、゚トソン「ホームルームを始めます、みなさん席について下さい」
物思いにふけっていると、ドアを開けて先生が入ってきた。
いそいそとみんな自分の席に戻っていく。
(゚、゚トソン「明日は文化祭ですので、午後の授業はなしです。
今日はみなさん怪我に気を付けて準備をしてください。
文化祭実行委員は……」
( ・∀・)「なんか……わくわくしてきたな」
去年、志望校のいくつかの文化祭に行った時の事を思い出す。
あの時はやたら道行く生徒が大人に見えていた。
今年は自分が大人に見られる番なのだろうか。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:12:04.50 ID:xb1misGn0
o川*゚ー゚)o「だよね、楽しみだよね!!!」
僕の呟いた独り言を聞いたのだろう。
キュートが体をこっちにひねって話しかけてきた。
僕を見つめる瞳は、綺羅綺羅としたビームが出そうなほど輝いている。
o川*゚ー゚)o「初めての文化祭だよ! 絶対今日寝れない!」
(;・∀・)「小学生かよ……」
思い返せば初めての体育祭も、海に行った時もやたらはしゃいでいた。
小学生というのはあながち外れていないのかもしれない。
o川*^ー^)o「キューちゃんいっぱい驚かせるんだ!!
家で怖い声を出す練習も一生懸命やったんだよ!」
(;・∀・)「すごい念の入れようだな、おい」
o川*^ー^)o「それだけじゃないよ! たくさんホラー映画見てありとあらゆるパターンの……」
(;・∀・)「分かった分かった、キュートの努力は分かったから」
僕は、こうやって無邪気で、素直なところに惹かれたのかもしれない。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:15:05.20 ID:xb1misGn0
(゚、゚トソン「素直さん、素直さん」
o川*゚ー゚)o「はい?」
満面の笑みで喋っていたキュートに先生が呼びかけた。
キュートは顔だけ先生の方に向けて答える。
(゚、゚トソン「ホームルームが終わったら、私と一緒に校長室まで来てください」
o川;゚ー゚)o「先生、もしかしてキューちゃん……何かまずい事しました?」
(゚、゚トソン「私も呼んでくるように言われただけなので……」
o川;゚ー゚)o「なんだろ……分かりました」
どうやらキュート自身に思い当たる節はないらしい。
しかし、身に覚えはなくても天然で何かやっていそうな気はする。
(゚、゚トソン「それではこれでホームルームを終わります。
行きましょう、素直さん」
o川*゚ー゚)o「そういえば、一時間目移動なんですけど……」
(゚、゚トソン「それは事前に向こうの先生に連絡済みだそうです。
遅れても問題ないですよ」
o川*゚ー゚)o「分かりました、じゃあ行きます。またねモララー」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:16:11.31 ID:451nZmle0
C
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:18:04.20 ID:xb1misGn0
僕に軽く手を振って席を立つと、キュートは先生と一緒に教室から出ていった。
( ・∀・)「しっかし、なんでなんだろうな……」
ふたりが出ていったドアを眺めながら、思案にふける。
当然だけど、答えは分からないままだった。
( ・∀・)「……移動するか」
キュートの事は気がかりだけど、僕があれこれ考えても仕方ない。
教科書を机を取り出すと、誰もいなくなった教室を出た。
( ・∀・)「LOVELETTER FROM HEART BEAT 今〜♪」
最近気にいった歌を口ずさみながら、無人の廊下を歩く。
人がいそうなところではなるべく小声だ。
( ・∀・)「心よりの恋便りあなたへ〜……あれ?」
目的地が目前に迫った時、妙な違和感を覚えた。
なんだろう、と自分の体をぐるりと見渡してみる。
(;・∀・)「筆箱忘れた……」
ここに来るまでに気付かない自分に、我ながらあきれる。
ため息を漏らしながら、仕方なく教室への道を引き返し始めた。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:21:09.48 ID:xb1misGn0
(;・∀・)「やばいやばい、授業に遅れる!」
息を切らしながら廊下を駆けていく。
筆箱のせいで遅れました、なんて説明する事だけはなんとしても避けたい。
(;・∀・)「よっし、着いた……」
開けっぱなしだった教室に、勢いのまま転がりこんだ時だった。
o川* - )o
誰もいないはずなのに、何故かキュートの姿があった。
俯いたまま机の上の鞄に勉強道具を詰めている。
前髪に隠されたその表情を、窺い知る事は出来ない。
(;・∀・)「ど、どうしたんだよ。早く移動し――」
o川* - )o
僕が言い切るより早く、キュートの姿が消える。
(;・∀・)「っ!?」
次の瞬間、僕の体は見えない何かに突き飛ばされていた。
受け身を取る暇もなく、壁に思い切り頭をぶつけてしまった。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:21:15.40 ID:NC7Ysxgd0
何か嫌な予感が……
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:22:37.83 ID:1gxj9/wi0
いつになく不穏な空気
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:24:07.08 ID:xb1misGn0
(;・∀・)「おい! いきなり……」
いきなりの暴力に対する文句は途中で途切れた。
それを聞く相手は、すでにこの場から消え去っていたからだ。
(;・∀‐)「なんなんだよ……いつっ」
後頭部をさすりながら立ち上がった。
痛みからして、あきらかに手加減なしで突き飛ばされている。
( ・∀・)「ん……?」
ふと触れた自分の頬に、何かが付いていた。
手を見てみると、それは水のような無色の液体だった。
( ・∀・)「これ……何だろう」
僕しかいない教室に、チャイムの音が鳴り響く。
それでも僕はただただ、その場に立ち尽くしていた。
〜〜〜〜〜〜
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:27:09.63 ID:xb1misGn0
「モララー、お疲れさん」
「ジョルジュ……ありがとう」
「文化祭、大盛況だったな」
「ああ」
「お客さん、たくさん来てたな」
「ああ」
「みんなすごい怖がってくれてたな」
「……ああ」
「……なあ、モララー」
「……」
_
( ‐∀‐)「なんで……キューちゃん、来なかったんだろうな」
( ∀ )「……なんでだろうな」
大盛況に終わった文化祭。
そこにキュートの姿は、なかった。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:28:30.40 ID:xb1misGn0
o川*゚ー゚)oは残像のようです
第六話 制服のあの子が泣いてた
終わり
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:30:46.77 ID:1gxj9/wi0
気になる所で終わったああぁ!!
乙
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:31:06.16 ID:NC7Ysxgd0
乙、嫌な予感しかしない……
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:31:28.67 ID:WYoQaGTu0
やばい鬱展開しか想像できない
とりあえず乙
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:31:40.93 ID:7PMJGyyO0
風呂入ってる間に終わってた……。
乙!
すげー気になる。展開を予想しつつ、次回を待つ!
乙! 次も期待してまーす。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:34:03.98 ID:xb1misGn0
まずは続きをずっと待っていてくれた人たち、ごめんなさい。
上手く話が膨らまなかったり、それでモチベがガタ落ちしたり、もう一度プロットを作り直したりしてました。
そうしたら、こんなに時間が経ってしまいました。
全十話だよ、と昔に言ったと思いますけど、今回の組み直しによって全九話になりました。
ぶっちゃけ言うなら、当初の予定通りに戻しました。
今回は繋ぎの回、そして次回はハイパー伏線回収タイムです。
この話も佳境に入ってきましたが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
支援ありがとうございました。
最後に感想、批評、質問など気軽に書いていってください。
68 :
避難所より:2010/10/30(土) 21:40:18.35 ID:7PMJGyyO0
738 名前:以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします[] 投稿日:2010/10/30(土) 21:39:00 ID:bzXnuFmU0 [2/2]
誰かo川*゚ー゚)oは残像のようですに乙を配達してプリーズ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:48:05.48 ID:+mTLY22RO
乙
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:53:09.17 ID:VAJ1EWXi0
いいねー乙
年内に完結する感じ?
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 21:56:22.25 ID:xb1misGn0
>>71 また行き詰まったりしない限りは年内の予定です
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 22:15:11.49 ID:a7x2JSDKO
また懐かしいのが…
待ってたぞ。
年内に完結か、寂しくなるな。もう次に何書くか決めてたりするタイプ?
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
>>74 もう考えてありますけど、すぐに書くかは分かりません。
もしかしたら残像で燃え尽きるかもしれませんし。
ただ、次に書く話も残像みたいな感じになるつもりです。