1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
憂「代理」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 01:47:52.18 ID:PYp3F4Y1P
ケツ毛バーガーは絶対に許さない
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 01:54:01.24 ID:HU4nhmYwO
大学に入学して、半年が経った。
もう一人暮らしにも慣れ、憂の手伝いも必要とせず生きられるようになった。
一人で洗濯をし、一人でご飯を作り、一人で掃除をする。
ただ毎月振り込まれる生活費を消費していくだけの毎日。
高校時代の友達とは、あまり連絡をとっていない。
それぞれに、それぞれの居場所ができたのだ。
もちろん、私にも。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 01:55:52.11 ID:4xY2wAzdO
一緒の大学なのにおかしいね!!
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 01:58:49.96 ID:RIjEkOp00
>>4 学校・大学ではリア充なのに休日はいつも一人な奴っているぞ
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 02:00:12.45 ID:HU4nhmYwO
部屋の壁に立てかけてあるギー太を鳴らす。
一応毎日弾いているので、弦に錆は見られない。チューニングもばっちりだ。
でも……。私は、ギー太を弾くたびに思うことがある。
ああ、私の居場所はここなんだって。いつの間にか、一人になっちゃったんだって。
この家こそが……ううん。この家にしか、私の居場所はない。
いつの間にかあまりしゃべらなくなった携帯電話を見つめ、溜息を吐く。
一人を望んだんじゃないんだ。私が、色んなことから逃げたから。
新しい友達なんていらない。軽音部の皆がいれば十分、なんて考えたから。
「ずっと同じメンツで殻に篭ってるだけじゃつまんないぜー?」
という律ちゃんの言葉をきっかけに、私達はバラバラになった。
まあ、幼馴染の澪ちゃんは、まだ律ちゃんと同じグループにいるみたいだけど。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 02:05:35.92 ID:HU4nhmYwO
サークルには所属していない。
高校時代の放課後ティータイムを思い出にしたくなかったから。
アルバイトもしていない。
これは前からの私の性格。友達もいない空間で、働くのは嫌だ。
こうやって、甘えてるから。
適当な言い訳をして、それが正しいんだって思い込んで、逃げてるから。
だから、私は一人なんだ。
「人生はつまらない」
いつの間にか、こんな最悪な言葉が口癖になっていた。
ただ待っているだけで、人生が面白くなるの?
何もしなくても、何かが起こるの?
何も受け入れようとしない私を、受け入れてくれる人が現れるの?
自問自答。
面白くならない。何も起こらない。誰も現れない。
全部……全部わかってるんだ。
それでも、逃げ続けてしまう自分がいる。
一人は寂しくない。もう慣れた。群れて何が楽しいんだろう、疲れるだけじゃん。
全部、言い訳なんだ。楽しそうにしている人間への、嫉妬なんだ。
私は、ダメな人間なんだろうな。きっと社会に出ても何の役にも立たない。
でも、「ミュージシャンになりたい」なんて大口だけは叩く。
そして自分を棚に上げて、「就きたい職がない」なんて言っている人を、心の中で馬鹿にする。
そんな自分が、嫌いで嫌いで仕方がない。
一人が楽だなんて言いながら、辛い夜に涙を流してしまう自分が大嫌いだ。
「お姉ちゃん、大学はどう?」
なんてメールがくるたびに、私の胸はきつく締めつけられて、言葉に詰まる。
そして、「楽しいよ」なんて嘘をついて、心の中で謝るんだ。
「こんな自分でごめんなさい」
って、謝るんだ。
そうやって孤独を感じるたびに、楽しかった高校生活が脳裏をよぎる。
そして、「過去の栄光にいつまでもすがるな」という言葉が浮かんできて、頭をブンブンと振る。
私は、誰と戦ってるんだろう。誰と張り合ってるんだろう。
こんなに無駄なプライドを、なんで捨てられないんだろう。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 02:15:27.81 ID:+cYX9PjT0
レム
そんな私でも、憂以外にメールをたまに送ってくれる人がいる。
あずにゃんだ。あずにゃんは高校生だから、ムギちゃん達みたいに忙しくない。
あずにゃんは今の私をあまり知らないから、通りすがっても気まずくない。
「やっぱり先輩達がいないと寂しいです」
なんてメールを読んで、私は変な安心感を得るんだ。
ああ、私を必要としてくれる人がいるんだって。後ろばかり振り返る。
でもさ、やっぱり私のプライドが私の邪魔をする。
「私も寂しいよ」
なんて言えたらどんなにいいだろう。
「あずにゃん遊ぼうよ」
なんて言えたら、どんなに楽しいだろう。
私は、馬鹿なんだ。
「あずにゃんには純ちゃんと憂がいるじゃん」
なんて言ってしまう、最高の馬鹿なんだ。傑作だ。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 02:23:36.03 ID:mbdpWv+S0
切なくなってきた
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 02:24:45.00 ID:ofZZOabz0
支援
なんて面倒な人間なんだろう。
人と関わりたいと望むのに、いざ関わるとどこか壁を作ってしまう。
高校時代はそんなことなかったのに。
理由はわかってる。今の私は、自分が大嫌いだ。だから、自信もなくなる。
こんな私と関わっても楽しくないよって思っちゃう。
それは、裏を返せば「そんなことないよ」って言ってほしいってことなんだ。
そして、そんなことまで理解している自分が、本当に面倒くさい。
素直になるのが、こんなに難しいなんて思いもしなかったよ。
私は、駄目な方向に大人になっちゃったんだ。
もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、なんて思うけど、行動しない。
誰かが手を引っ張ってくれるのを待っている。そんな駄目な人間なんだ。
朝起きて、顔を洗って歯を磨く。
朝ごはんはずっと食べていない。いつも起床がギリギリだから、食べる暇がないのだ。
そして適当な服を着て、一人で大学へ向かう。
今日の講義はなんだっけ、と、携帯を開く。
ああ、今日は苦痛な日だ。一人で3つも講義を受けないといけない。
具体的な目標もなく大学生活を送る意味を、私は模索していた。
でも、いつまでたっても見つからなかった。
ただただ講義を受けるだけ。なんとなく、単位を落とすのはまずいから。
ただ、それだけ。一人で講義を受けて、一人でご飯を食べて、一人で帰る。
一言も言葉を発さないまま、帰路につく。これの繰り返し。
「人生の夏休み」
というより
「抜けられない孤独」
といった感じだ。ちっとも心が休まらない。
人と上手に関わることができる人は、私を見て腹を立てるだろう。
「一人が嫌なら友達つくればいいじゃん」って、図星をついてくる。
そして私は、「それができたら苦労しないよ」って、逃げる。
最高の、甘ったれ。
講義が行われる教室まで歩いている間に、ギターを弾いて歌っている学生を見かける。
オリジナルの歌なのか、聴いたことのない曲だ。
私は立ち止まらずにそれを聴く。歩きながら、遠ざかっていく声に耳を傾ける。
きっと、サークルか何かに所属していて、講義のない暇な時間に歌を歌っているんだろう。
私は、その楽しそうな姿に、いつも通り嫉妬する。
「どうせプロになんてなれないのに、なんでそんなことしてるんだろう」
って、とても性格の悪い言葉を心の中で反芻させる。
「私ならもっと人集められるよ」
なんて、できもしないのに浮かぶ妙な自信。
そして案の定、行動しない。
別にサークルに入っていなくたって、歌は歌えるのに。
教室につくと、前から5番目の席に座る。
このくらいの位置がちょうどいい。律ちゃん達のグループが、後ろで騒いでいる。
澪ちゃんは、講義中だけは離れて座っているらしい。
私の反対側に、その長い黒髪が見える。
ムギちゃんは、とても優しそうな女の子と二人で笑い合っている。
この講義は、もともと皆で一緒にとった講義だ。本当だったら、4人で楽しく笑いながら受けているはずだ。
いつからこうなったのか、誰が予想したのか。
私はひたすら下を向いて、講義開始を知らせるチャイムを待った。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 02:50:47.32 ID:HU4nhmYwO
寝ているうちに講義は終了した。
筆箱やプリントを鞄につめ、慌てて教室を出る。
その途中、律ちゃんと澪ちゃんとすれ違った。
目は合ったけど、挨拶はしない。
完全なる「知り合い」
私達の間から、「友情」という言葉は去ってしまった。
そんな現実を、自分の中で勝手に理論づけし、言い訳する。
「律ちゃんと澪ちゃんには新しい友達ができたんだ。今更私に話しかけられても迷惑だよね」
なんて。
自分が本当にしたいことから、逃げる。
「話しかけられない」のに、「話すのはやめとこう」に変化する。
私はとても見栄っ張りで、弱虫だ。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 02:53:35.71 ID:HU4nhmYwO
次の教室に向かっている途中、さっきの友達と歩いているムギちゃんとすれ違った。
ムギちゃんは、目が合ったら手を振ってくれる。
私も慌てて手を振り返す。何をこんなにドギマギしているのか。
ムギちゃんの微笑みに、ひどく安心する。
でも、やっぱり話しかけない。
私のつまらないプライドが、壁を作るから。
そうして残り2つの講義を終わらせ、帰路につく。
家に入ると同時に、ベッドに寝転がる。
何もしないし、誰からも連絡はこないだろう。
自由な時間だ。自由で、孤独な時間。
この孤独に悠々と耐えられる人間になれたら、どんなにいいだろうと何度も考えた。
でも、私の性格でそれは無理みたいだ。
ただの強がりになってしまう。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 03:02:56.29 ID:HU4nhmYwO
なんとなくテレビをつけると、フリーターの若者を追うドキュメント番組をやっていた。
大学卒業後も定職に就かず、実家暮らし。
アルバイトをしているが、稼いだお金はほとんど服やゲームに消える。
小型ゲーム機を手に持ち、
「(将来)なんとかなるでしょう」
と、笑って話している。
そんな姿を見て、複雑な気持ちになる。
私から学生という身分を取っ払った姿が、そこにあった。
結局1時間のその番組の中で、彼は何度も会社に電話をし、何度も面接を受けた末に
無事に就職先が見つかった。
彼は、行動したんだ。私にはできない行動を。そして、孤独から逃げきった。
私には、そんな彼の姿がとても輝かしく見えた。
そして、
「ああ、私のところにもあの取材陣が来ればがんばるのに」
と呟いて、布団にくるまった。
もう書き溜めがなくなるとは思わなかった
書いてくる
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 03:04:55.65 ID:+cYX9PjT0
なかなか恐ろしいな
性格変えすぎ
これじゃ別人だろ
そうかな……唯はこうなる素質を十分に持ってると思うんだけど、違うかな
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 03:09:57.54 ID:+cYX9PjT0
どうでもいいんじゃネーノ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 03:14:29.20 ID:mbdpWv+S0
俺だったら絶対に取材とかに来て欲しくないわw
キラキラdays聞くと確かにそういう素質持ってそうだ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 03:16:02.87 ID:mbdpWv+S0
>>26 いいから自分の思う様に書け。
評価も批判も完結させた後だろう。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 03:17:26.77 ID:Enu0s2LQO
なにげにりっちゃんひどす
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 03:39:35.61 ID:mbdpWv+S0
ほ
律ちゃんと澪ちゃんと、ムギちゃんとあずにゃん。
皆でお菓子を食べながらお茶を飲み、わいわいと騒いでいる夢を見た。
どうやら、あの後いつのまにか眠ってしまっていたらしい。
外はもう暗い。あまり働いてくれない頭のなまま立ち上がり、冷蔵庫にある飲み物を飲んだ。
フラフラと布団に戻り、再び寝転がる。
朦朧とする意識の中、「晩御飯食べないと」と考える。
どうにか脳を目覚めさせようと、布団の上に座ろうとした時、携帯の光りが目に入った。
きっと、憂が私の身体を心配してメールしてきたんだろう。
そう思いながら、携帯のディスプレイを見る。
するとそこには、予想していなかった懐かしい名前が表示されていた。
『新着メール1件:ムギちゃん』
突然のメールに、胸が高鳴る。
何でメールを送ってきてくれたんだろう。
恐る恐る、メールを開封してみた。
From ムギちゃん
件名:唯ちゃん久しぶり♪
本文
夜遅くにごめんね、紬です。
突然なんだけど、今度の日曜日もし予定があいてたら一緒に
ピアノの発表会に付き合ってほしいの♪
今日唯ちゃんとすれ違った時、一緒に歩いてた子覚えてる?
あの子の発表会なんだけど……どう?
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 03:59:03.55 ID:HU4nhmYwO
私はその内容に目を見開いた。
胸の中に溜まっていた、孤独という名のモヤモヤが、一度に吹き飛ぶ。
自然と口元が緩み、急いで親指を動かした。
To ムギちゃん
件名:ムギちゃん! 久しぶり!
本文
夜遅くでも大丈夫だよ!
誘ってくれてありがとう! 絶対行く!
送信。
何故か少しアタフタしながらメールを待っている。
約半年間メールをしていない相手ってだけで、こんなにも慌てるのか。
すると、5分もしないうちに返信がくる。
From ムギちゃん
件名:
本文
よかったー♪
その子が舞台裏にいる間一人だから寂しかったの
じゃあまた連絡するね!
そのメールに返信をし、携帯を置く。
今日は金曜日だ。つまり、明日が終わればムギちゃんと遊べる。
今の私には、それが楽しみで楽しみで仕方がなかった。
中途半端に眠っていた脳も、完全に目を覚ましていた。
「よーし、やるぞー!」
嬉しさのあまり、突然のやる気が満ち溢れた。
そして、そのやる気の矛先を、料理に向ける。
ちょっと遅いけど、まだギリギリスーパーは開いているはずだ。
今日の晩御飯は、カレーにしよう。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 04:20:12.60 ID:vnrnqgc1O
頑張れ、頑張れ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 07:37:02.50 ID:gqaDONfhO
続きはどうした
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 08:00:53.27 ID:L/KKxY2N0
唯がこうなる素質を持ってるとかなんのギャグだよ
1期14話とか見てこい
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 08:04:06.98 ID:GGrXP26pO
唯じゃなくて他の奴らだろ変えすぎなのは
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 08:19:03.52 ID:0HVDuF9HO
別にいいじゃねえか
まだー
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 09:31:10.33 ID:8KPVyCYwP
唯に仮託したぼっちのSSか
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 12:11:37.01 ID:qgnj2fkvO
…
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 12:19:20.44 ID:dV8K2BA2O
これは…
発表が終わった後の二人の仲いい空気に唯は耐えられないだろ
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 12:57:59.53 ID:ELTu5K+bO
死にたくなった
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 13:13:18.53 ID:8KPVyCYwP
いい予感がしない
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 14:16:53.13 ID:mbdpWv+S0
ほ
ごめん
今起きたんだけど、今日は満足に書けそうにない
時間もないし、寝たせいで書き溜めもない
また後日完結させてから立てるから落としてください
代行してくださった方、本当に申し訳ありません
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 17:18:24.96 ID:7nlgEHpL0
この唯ほとんど俺の事を言ってるようで胸がいたい
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 17:44:41.28 ID:qAa/0jJFO
待ってるぞ
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
このモヤモヤした気持ちの中で中途半端に切らないでくれ・・・