( ^ω^)ブーンはモンスターハンターのようです

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63 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:39:03.38 ID:glkVnsymO

―――密林・ベースキャンプ―――

( -ω-)「ううーん… おっ?」

目が覚めた場所は、ベースキャンプに設けられている仮設のベッド。

自分はエリア6で“イャンクック”にやられた筈だ、と困惑する。

辺りを見回すと、大勢のアイルー達が動き回っている。
その手に持つ物は武器であったり、医薬品であったりと様々だ。

側には台車がある。
どうやら、あれに乗せられて運びこまれたようだ。

(;^ω^)「おっ?」

ブーンが起き上がった事を確認すると、ポーチの中に何かの書類を突っ込み、わらわらと引き返していく。
64 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:41:03.35 ID:glkVnsymO

(;^ω^)「何だったんだお…?」

こちらに悪意を持っている訳ではなさそうだったので、今は“イャンクック”を倒す為の手立てを考える事にする。

  _,,_
( ^ω^)「………
      凄い時間掛かるし、面倒なんだけどお…」

“イャンクック”を倒す為ならば、多少の手間は仕方のない物として、ブーンは再びエリア6へと進んでいった。

―――密林・エリア6―――

先ほどまで“イャンクック”と戦っていた、エリア6まで戻ってきたブーン。

もちろん、まともに立ち向かっては勝ち目は薄い事は分かっているため、今は交戦するつもりはない。
65 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:43:03.60 ID:glkVnsymO

もう何処かへ行ってしまっているかもしれない、と少し不安になったが、桃色の大型のモンスターを見つけ、安心する。

怒りも落ち着いたようで、怒っている時に感じていた威圧感もない。

( ^ω^)「よし、いくかお」

ブーンは手に〈ペイントボール〉を握り、“イャンクック”のいる方向へ走り出す。

“イャンクック”がブーンの接近に気付き、翼を広げて威嚇する。

( `ω´)「おっ!」

その間に、〈ペイントボール〉をぶつける。
〈ペイントボール〉は翼に命中し、臭いを放つ成分が付着する。

( ^ω^)「よっしゃ、逃げるお!」
66 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:45:03.33 ID:glkVnsymO

今の目的は交戦ではなく、“イャンクック”の動きを察知する為に〈ペイントボール〉をぶつける事。

まともに立ち向かっては勝ち目は薄いため、対策を整えている間に襲われてはひとたまりもないからだ。

当然、“イャンクック”もブーンを追いかけ、突進していくも先に駆け出したブーンに追いつく事は出来ない。
ブーンは無事、エリアからの逃走に成功した。

―――密林・エリア7―――

洞窟の中の、一際広い空間であるこのエリア。
外では雨が降っているため、大型の草食竜“アプトノス”もこの洞窟の中にやってきていた。
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 15:46:12.88 ID:UviOCh4p0
しえ
68 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:47:05.55 ID:glkVnsymO

( ^ω^)「ごめんお…」

ブーンが近付いても敵意を見せる事なく、洞窟内に生えた草を食む“アプトノス”に斬り掛かる。

数回斬りつけたところで、“アプトノス”が倒れる。
“アプトノス”の仲間たちはただ、逃げ出す事しか出来ないようだった。

( ^ω^)「これを使わせてもらうお」

〈生肉〉を剥ぎ取ると同時に太く長い骨、〈竜骨〉を手に取る。

( ^ω^)「次のは、あるのかお…?」

必要な素材が手に入るのか、不安が残る。

( ^ω^)「手に入らなかったら、勝てないお」

なら、それを探し出せばいい。

ブーンは洞窟の出口を抜け、エリア9へと向かった。
69 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:49:09.36 ID:glkVnsymO

―――密林・エリア9―――

洞窟の脇の、山に挟まれた細長い空間。
ここには小さな池もあり、餌を持っていれば釣りも楽しめそうだ。

(;^ω^)「……見つからないお…」

しかし、ブーンが探している物は見つからない。
奥へ奥へと進んで行くと、エリア1に続く道が見えてくる。

( ^ω^)「あれ、この先って…」

地図ではエリア1と区分されていたが、ブーンが訪れた事のない場所。
少し気になったので、覗いて見る事にした。
70 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:51:06.86 ID:glkVnsymO

―――密林・エリア1―――

( ^ω^)「お、崖の上かお」

今の場所からは、このエリアが一望できる。

初めて密林にきた時には登れなかった崖の上。
それが、今ブーンが立っている場所だ。

( ^ω^)「木しか見えないけど、いい気分だお」

高いところからの眺めは、どんな物であっても心を躍らせる。
小さな頃は、鳥のように空を舞い、広い世界を眺めてみたいと願っていた。

(;^ω^)「…って、そんな事考えてる場合じゃないお」

周囲を見回すと、崖の側の植物に目がつく。崖に垂れ下がる様に生えた、蔦。
71 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:53:05.04 ID:glkVnsymO

( ^ω^)「〈ツタの葉〉…
      それに」

その付近には、丈夫な糸で張られた〈クモの巣〉。

( ^ω^)「見つけたお…!」

〈ツタの葉〉と〈クモの巣〉。
その両方を採集し、手を加える。

丈夫で、粘着性をもつ〈クモの巣〉に〈ツタの葉〉を張り合わせ、更に強度を増す。

こうして出来上がるのは、狩りに使う為の〈ネット〉だ。

( ^ω^)「出来たお! あとは…」

取り出す物は、先ほど剥ぎ取った小型の〈竜骨〉。
その辺に落ちている木の枝で円形の枠を作り、〈ネット〉を繋ぐ。
出来上がった袋の枠に、小型の〈竜骨〉をくくり付けると完成する物は――――
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 15:54:02.09 ID:8kNVfp+w0
昼支援
73 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:55:03.03 ID:glkVnsymO

( ^ω^)「〈虫あみ〉の完成だお!」

――――何の変哲も無い、虫捕り網だ。

( ^ω^)「よっしゃ、行くおー!」

〈虫あみ〉の完成で気持ちが高ぶっていた。
そのまま、両手を広げて駆け出し、崖から飛び降りる。

⊂ニニ(*^ω^)ニ⊃

⊂ニニ( ^ω^)ニ⊃

⊂ニニ(;゚ω゚)ニ⊃

地面が近付くに連れて表情が変わっていき、そして地に落ちる。

(;´ω`)「痛いお…
      変な事するんじゃ無かったお」

幸い、大きな怪我には到らなかったようだ。
74 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:57:03.56 ID:glkVnsymO

着地の衝撃で痺れる脚を引きずりつつ、エリア2へ向かった。

―――密林・エリア2―――

開けた場所であるこのエリアには、虫が集まるポイントがある。
〈虫あみ〉を握ったブーンは、真っ先にそのポイントを探し出す。

( ^ω^)「………いたお!」

目的の虫を発見し、〈虫あみ〉で捕獲する。

( ^ω^)「おっお、〈光蟲〉ゲットだお」

その後も〈光蟲〉を探し、捕まえた数は三匹。
〈虫あみ〉は破れて使い物にならなくなってしまったが、十分だろう。

( ^ω^)「ついでに…」

下に目を向ければ、一面に植物が生い茂る。

( ^ω^)「あったあった、〈ネンチャク草〉!」
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 15:57:07.20 ID:T1Zy1oXc0
siesie
76 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 15:59:11.40 ID:glkVnsymO

採集し終えた瞬間、異臭が立ち込めてくる。
〈ペイントボール〉の臭いだ。

(;^ω^)「“イャンクック”が…!」

ブーンの目の前に降り立つ“イャンクック”。
本来ならば、接近を感知したらすぐに逃げ出すつもりでいた。

しかし、この雨のせいで臭いの成分が落ちてしまった為か、こうして対峙する事となってしまった。

既にこちらの存在に気付き、攻撃体勢に入る“イャンクック”。

(;^ω^)「今は逃げるしか…!」

“イャンクック”に背を向け、エリア3へ通じる道へ駆け出す。

だが。
ブーンの頭上に影が指したかと思えば、その直後に重い風圧がブーンに襲いかかる。

(;^ω^)「う…! お!?」
77 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:01:03.88 ID:glkVnsymO

何とか風圧を堪えたブーンが前を見る。
その先には、背後にいた筈の桃色。

(;^ω^)「道が塞がれたお…」

“イャンクック”の攻撃を掻い潜り、先へ進まなくてはならなくなった。

武器を構えるとそれが邪魔となり全力疾走が出来なくなるが、盾を活用しなければ切り抜けられない。

そう判断したブーンが、【フロストエッジ】の柄に手を掛けた、その時だ。

少し離れた場所から聞こえる、笛の音。

ブーンも“イャンクック”も、反射的に音源の方向へ顔を向ける。
その先にいた物は、

( ´3`)<  〜♪
     ∩

〈角笛〉を吹き鳴らすモナーの姿。
78 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:03:04.31 ID:glkVnsymO

( ^ω^)「モナーかお!?」

(;´∀`)「なにやってるモニャ!
      旦那さんは早く逃げるモニャよ!」

〈角笛〉は、モンスターの意識を奏者に向ける事ができる道具。
つまり、モナーは自らを囮としてブーンの逃走の援護に入ったのだ。

( ^ω^)「…ありがとうだお、モナー!」

モナーの意を汲み取り、“イャンクック”の意識が逸れている間にエリア3へと向かう。

その間、“イャンクック”へ〈ペイントボール〉を再びぶつける事も忘れない。

( ´∀`)。o(旦那さんは…
       無事に逃げられたモニャね)
79 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:05:17.73 ID:glkVnsymO

“イャンクック”と対峙する形でエリア2に残ったモナーだが、モナーもまともに戦う気は更々無い。

その考えを知ってか知らずか、“イャンクック”がモナーに突進を仕掛ける。

( ´∀`)「モニャ!」

十分な距離が開いていた為に避ける事は容易だったが、その間合いを詰められる。

“イャンクック”が体勢を立て直している間に、にゃんにゃん棒で頭部を殴る。

対したダメージは入らないであろう事は、モナーも承知の上である。
だが、無いよりは全然いい。

その時、“イャンクック”が身体を大きく動かす。

(;´∀`)「!!」
80 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:07:03.69 ID:glkVnsymO

モナーが大きく弾き飛ばされる。
一度モナーに痛手を負わせた、尻尾での払い除け。

ここで、再びそれを繰り出した。

(;´∀`)「同じ手は食わん! …モニャ!」

にゃんにゃん棒の柄を上手く使い、威力を削いだモナー。
しかし、体勢は大きく崩されている。

迫る、“イャンクック”の突進。

(;´∀`)「どうせやられる位なら…」

懐からタル爆弾を取り出し、“イャンクック”の前方に放り投げる。

“イャンクック”の顔面に直撃し爆発するも、やはり雀の涙程の影響しか与えられない。



モナーは、そう思っていた。
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:08:40.40 ID:T1Zy1oXc0
支援
82 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:09:03.99 ID:glkVnsymO

( ´∀`)「…?」

爆発の直後、ぱたりと動きを止めた“イャンクック”。

その足取りはふらふらとおぼつかない様子で、何かの前触れという訳でもなさそうだ。

( ´∀`)「よく分からんけど、逃げるなら今のうちモニャね」

地面を掘り、その中へ身を投じる。
こうして、モナーもエリアからの脱出に成功したのだった。

―――密林・エリア4―――

その頃のブーンはエリア3を経由し、エリア4へと足を運んでいた。

( ^ω^)「早く探すお…」

自分を逃がす為に囮となったモナーを助けに行きたい。
けれど、今は対抗する手段が無い。
83 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:11:07.03 ID:glkVnsymO

あと一息で体勢が整う。
早く、早く。

若干の焦りを感じながら、湖の岸に駆け寄る。

( ^ω^)「……! 見つけたお!」

手に取る物は、只の〈石ころ〉だ。
もちろん、このまま使うつもりは無い。

その為に、わざわざ各エリアを駆け回って素材を集めたのだから。

( ^ω^)「まずは、〈石ころ〉に〈ネンチャク草〉を貼り合わせて…」

強い粘着性をもつ〈ネンチャク草〉を、〈石ころ〉の表面に貼り付ける。

完成するのは、〈素材玉〉。
その名の通り、様々な道具の素材となる道具だ。

( ^ω^)「あとはこれと〈光蟲〉を使って…」
84 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:13:05.10 ID:glkVnsymO

手持ちにあるガラクタ等を使い、何とか完成させた物は〈閃光玉〉。
かつて二度に渡ってブーンやドクオを救ってきた、頼りになる道具だ。

( ^ω^)「よし、これさえあれば対抗出来るお…!」

持ち合わせの〈光蟲〉三つを全て使い、〈閃光玉〉を三つ完成させる。

すぐにモナーと別れたエリア2へ向かおうとするブーンの足元が盛り上がり、何かが飛び出す。

( ´∀`)「見つけたモニャ」

(;^ω^)「ちょ、お!?」

今から助けに行こうと思っていた相手が地面から現われたので、どこか出鼻を挫かれた様な感覚を覚えた。

だがそれも、すぐに喜びの気持ちで塗り潰される。
85 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:15:20.73 ID:glkVnsymO

( ^ω^)「モナー、無事だったのかお!」

( ´∀`)「その言い方、モニャがやられると思ってたモニャ?
      見くびってもらっちゃ困るモニャよ!」

(*^ω^)「凄いお! モナーがいてくれるなら安心だおね!」

( ´∀`)「……モニャモニャ」

実際の所は苦戦の末に逃走出来たのだが、それは心の内に止める事にしたようだ。

( ^ω^)「よーし、秘密兵器も完成したし、リターンマッチといくお!」

エリア2から逃走する際に“イャンクック”にぶつけてきた〈ペイントボール〉の臭いを辿る。

( ^ω^)「…多分エリア3にいるお!」
86 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:17:03.50 ID:glkVnsymO

〈ペイントボール〉本来の用途である、モンスターの追跡を行い、モナーと共にエリア3へと向かった。

―――密林・エリア3―――

強い雨が降りしきる中、桃色の甲殻に黄色の大きな嘴の怪鳥“イャンクック”が遠目に映る。

( ^ω^)「うーん… どうするかお…」

“イャンクック”はこちらに気付いていない。
効果的に先手を取るにはどうしたらよいのか。

( ´∀`)「旦那さん、そういえばさっき…」

モナーの気に掛かっているのは、逃走直前の出来事。
タル爆弾をぶつけた直後の“イャンクック”の反応だった。
87 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:19:06.02 ID:glkVnsymO

( ^ω^)「お? どうしたお?」

( ´∀`)「あいつにタル爆弾ぶつけたら動きが止まったモニャよ」

( ^ω^)。o(お…?)

それを聞き、ブーンに疑問が浮かぶ。

タル爆弾の威力はたいした物では無いはず。
ならば、威力に怯んだ、という事は無い。

というより、モナーは『動きが止まる』と言った。
怯んだのならば怯んだ、と言うだろう。

となると、考えられる原因は―――――

( ^ω^)「モナー、爆弾は何処に当たったんだお?」

( ´∀`)「顔面直撃」

( ^ω^)「その時の“イャンクック”の様子は?」

( ´∀`)「怒る前の、のろま」
88 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:21:21.30 ID:glkVnsymO

( ^ω^)。o(! やっぱり…)

タル爆弾が与えた影響、それは恐らく『爆音』だ。
タル爆弾の爆音を直接聴いてしまい、酷い耳鳴りか何かに襲われたのだろう。

( ^ω^)「立派な耳持ってるし、聴力はいいんだおね」

( ´∀`)「?」

しかしそれなら、大きな音で刺激を与える〈音爆弾〉でも同じ現象は起こせる筈。
だが、それは出来なかった。
何故ならば。

( ^ω^)「怒ってる時は、周りの音は耳に入らないのかお」

( ´∀`)「???」

一人、思考を整理する様に呟く。

( ^ω^)「おっけ、じゃあまずは〈音爆弾〉使って動きを止めるお」

( ´∀`)「モニャ」
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:21:38.04 ID:GCSslk48O
支援
90 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:23:03.13 ID:glkVnsymO

( ^ω^)「いくお!」

〈音爆弾〉を握り、“イャンクック”の元へと駆け出す。

( `ω´)「そこだお!」

“イャンクック”がこちらに気付くと同時に、耳元を目掛けピンを引き抜いた〈音爆弾〉を投げる。

狙った点で〈音爆弾〉が破裂し、甲高い音を響かせる。

(;^ω^)「“イャンクック”は!?」

こちらに気付いた時点で怒りに火がついていたら失敗だ。
だが、ブーンの奇襲は成功したようで、“イャンクック”は身体を伸ばし、ふらつき始める。

( ^ω^)「いよっしゃ! 攻撃するお!」
( ´∀`)「モニャ!」
91 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:25:04.20 ID:glkVnsymO

“イャンクック”の意識がはっきりしない内に、斬れる部位を斬りつけていく。

翼に、尾に。
堅い部位である脚も斬る。

甲殻が頑丈なため、一撃で与えられる傷は小さいが、【フロストエッジ】の氷属性も合間って、かなりの体力は奪った筈だ。

そこで、“イャンクック”の意識が覚醒する。
すると同時に、凄まじい怒気を放つ。

(;^ω^)「もうやられたりはしないお!」

“イャンクック”の吐き出した炎を後ろへの軽いステップで躱す。
地に炎が着くと同時に火柱が立ち上がる。
そして、立ち上がった火柱が、ブーンに迫る。
92 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:27:02.66 ID:glkVnsymO

(メ ゚ω゚)「熱っ、おぉ…っ!?」

火柱と同時に、強い風圧がブーンを襲う。

“イャンクック”の羽ばたきで、立ち上がった火柱の熱をぶつけているのだ。

(メ ゚ω゚)「風…圧の…せいで…動け…な…!」

下手に動けば体勢を崩される。
その隙にあの大きな嘴で噛み砕かれるか、突進で突き飛ばされるだろう。

しかし、動かずに堪えていても時折吐き出す炎により、熱風となった風がブーンの体力を奪っていき、やがて力尽きるだろう。

(;メメ゚ω゚)「くそ、どうすれば…!」

(# ´∀`)「好き勝手させんモニャよ!」
93 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:29:16.14 ID:glkVnsymO

熱風に呑まれずに済んだモナーが“イャンクック”の頭部にタル爆弾をぶつける。

しかし、先ほどの様に動きを止める事は無い。

(;´∀`)「モニャ!?」

音で動きを止める事は出来ないと判断したモナー。
しかし、何とかして動きを止めなくてはならない。

(;´∀`)「モニャに出来る事なんて…
      …モニャ?」

ふと、モナーの目にある点が映る。

( ´∀`)「…急ぐモニャよ!」

こうしている間にも、主人であるブーンの体力は削られていく。
早く手を打たなければならないのだ。
94 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 16:31:45.09 ID:glkVnsymO

(# ´∀`)「モニャ!」

武器を手にし、“イャンクック”の脚を殴る。

“イャンクック”の脚は堅い。
それはモナーも重々承知している。

しかし、羽ばたきの為に地に踏ん張る脚を、僅かだがずらす事は出来る。

(# ´∀`)「モニャ、モニャ、モニャ!」

何度も、何度も。
同じ方向から、同じ場所を殴り続ける。

少しずつだが、確実にずれていく脚。

(# ´∀`)「最後!」

足元にタル爆弾を仕掛け、離れる。

炸裂するタル爆弾。
ずれる脚の軸。
踏ん張りが効かなくなり、倒れる巨体。
吹き止む熱風。

(メメメ ω )

――――そして、動き出す狩人。
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:38:21.75 ID:8kNVfp+w0
支援
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:48:03.47 ID:GCSslk48O
さるった?
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:48:32.95 ID:Q1CA0DK90
713 名前: ◆bUYB7.cOOs[] 投稿日:2010/10/23(土) 16:34:59 ID:spmUh8aMO
VIPで投下してたらさるってしまいました\(^o^)/

この事を伝えてくれると助かります…
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 16:50:55.19 ID:P1YW24Rh0
さるよけ支援
99 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 17:00:10.36 ID:glkVnsymO

(#メメメ`ω´)「おおぉぉぉぉ!!」

倒れ、もがく“イャンクック”に氷の剣で斬り掛かる。

翼膜を裂き、嘴を砕き、扇の様に広がった耳の片方を斬り落とす。

(#メメメ`ω´)「はあぁぁぁぁあ!!」

それでも、ブーンは斬る事を止めない。

(#メメメ ω )「これで…!」

剣を下向きに握り、頭上から振り下ろす。

(#メメメ`ω´)「とどめだお!!」

“イャンクック”の眉間に、深々と氷の刃が突き刺さる。

最早“イャンクック”は動く事叶わず、力尽きる。
100 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 17:02:44.10 ID:glkVnsymO

(メメメ゚ω゚)「……倒したお…?」

未だ半信半疑のブーンを余所に、モナーは“イャンクック”の亡骸を武器でつつき回す。

( ´∀`)「へんじがない。 ただのしかばねのようだ」

(;メメメ^ω^)「そ、そうかお? なら、村に戻ろうお!」

なるべく傷の無い鱗や甲殻を剥ぎ取る。

(;メメメ^ω^)「切り落としちゃった耳は…
       持っていくかお」

何かに使えるだろうとポーチの中にしまい、モナーと共にポッケ村へと帰還した。
101 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 17:04:18.84 ID:glkVnsymO

―――ポッケ村・中心部―――

(#゚;;-゚)「“イャンクック”を倒したみたいだね!
     これが報酬さ」

(メメメ^ω^)「ありがとうです…お?」

渡された報酬金に違和感を感じた。

(;メメメ^ω^)「…ちょっと少ないお?」

依頼を請ける際に提示された金額より、若干少ないのだ。

(#゚;;-゚)「あぁ、それはね。
     ブーン殿、一度倒れたかい?」

(;メメメ^ω^)「お? あ、はい…」

(#゚;;-゚)「ポーチの中に、書類があるだろう?
     あれは、アイルーのレンジャー達に助けられたっていう証明書でね。
     応急処置を受ける度に、『報酬金の三分の一』を支払う取り決めになってるのさ」
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:04:43.84 ID:P1YW24Rh0
さるよけ
103 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 17:06:37.66 ID:glkVnsymO

(;メメメ^ω^)「じゃ、三回倒れると依頼失敗って言うのは…」

(#゚;;-゚)「現状、勝てる見込み無しって判断されるからみたいだね。
     もっとも、そのまま強行しても報酬金ゼロなんだけどね」

(;メメメ^ω^)「気を付けますお」

(#゚;;-゚)「例え何回倒れたとしても、生きていてくれさえすればいいからね。
     余り無茶はしないでおくれよ…」

分かりましたお、とでぃに伝えブーンは自宅へと戻って行った。

―――ポッケ村・ブーン宅―――

(メメメ´ω`)「ふぃー、疲れたおー」

ノリ, ^ー^)li「お疲れ様ですにゃ!」

防具を外していると、ジャンヌが水に濡らした布を持ってきてくれる。
104 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 17:08:19.61 ID:glkVnsymO

( ^ω^)「お、ありがとうだお」

受け取り、身体を拭きつつ、今回の狩りを振り返る。

( ^ω^)「結局、〈閃光玉〉使わなかったお」

頭の中で道筋を立てたつもりでいたが、終わってみれば大きく反れた形となった。

( ^ω^)「そういえば、モナーはなんで“イャンクック”を転ばせられたんだお?」

( ´∀`)「んー…
      始めは凍った斬り傷がいっぱいあったから、攻撃してみたモニャ。
      あんまり意味無かったけど、軸がずれてったモニャ。」

モナーもまた、立てた予定とは違った結果となったようだ。
105 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 17:10:03.31 ID:glkVnsymO

初心者の壁と言われる“イャンクック”を倒す事は出来た。
しかし、両手放しで喜ぶ事が出来ないのも事実だ。

( ^ω^)「まだまだ課題はいっぱいあるおね…!」

強くなる為に山積みとなっている課題。
一つずつでも、解決していけばやがて全てをこなす事が出来る。

その時初めて、自分の目的を達成出来るのだろう、とぼんやり考えるブーンだった。



第十一話 end
106 ◆bUYB7.cOOs :2010/10/23(土) 17:12:03.25 ID:glkVnsymO
という事で、今回の投下は終わりです。

オリジナル厨二要素、名前だけ出しました。
そういうのが嫌いな方は、見限るなら今のうちですよ

支援してくれた皆様、ありがとうごさいました!
さるでgdgdになって申し訳ないです…
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:19:15.96 ID:8kNVfp+w0
乙です
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:20:42.14 ID:T1Zy1oXc0
おちゅ
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:21:57.45 ID:GCSslk48O
110拳王 ◆QP91zo8lHclw :2010/10/23(土) 17:39:46.71 ID:AW0jFSDOO
新参は俺に頭さげろって
空気は応援してやる、頑張れよひゃはは
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 17:57:23.42 ID:3Cxou+f/0
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
乙!面白かったよ!!