1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
「すーる?」
放課後。
いつもどおりの部室にて。
軽音部のお嬢様一名を除き、全員が首を傾げた。
「そう、姉妹(スール)制度をうちの軽音部でもやってみない?」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:39:00.42 ID:XFzuSynA0
律「えっと、そのスールってなに?」
紬「私の知り合いで、リリアン女学園っていう学校に通ってる子がいるんだけど、
その子が教えてくれたの」
澪「いかにもお金持ちって感じの学校だな……」
紬「リリアンには姉妹制度っていうのがあって、上級生と下級生が
『姉妹』になって特別親しい間柄になるんですって。
ただ、軽音部じゃ下級生は梓ちゃんしかいないから、先輩後輩っていうのは
無しにして、一度やってみない?」
唯「でもでもムギちゃん、軽音部は五人だよ?」
梓「『姉妹』になるのは二人一組ですよね?」
紬「えぇ、そうよ。でも私は見ているだけでいいわ。四人の中でペアを作って」
紬はそう言うと、ふふっと笑い言った。
律は「おもしろそうだなあ」と言うと、唯も「やろうやろう!」と乗り気になった。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:44:51.79 ID:XFzuSynA0
澪「でもさ、ムギ」
紬「なに、澪ちゃん?」
澪「その『姉妹』になったとして、具体的に何をするんだ?」
律「確かにそれは聞いてなかったなあ。それに特別親しい間柄になるって言っても
私たちはもうそんな感じじゃん?」
紬「りっちゃんったら」
律「何赤くなってるんだ、ムギ」
紬「あら、ごめんなさい。そうね、別に『姉妹』になったって何も特別なことはしなくて
いいわ。ただ、どんなときでも一緒にいること。それだけかしら?」
(ずっと一緒に居たらそれだけで仲睦まじくなるものだもの)
紬は内心でうふふっと笑いながら、首をかしげて澪と律の質問に答えた。
梓「どんなときでもって、家に帰るときとかはどうするんですか?」
紬「その時は仕方ないわ。別にずっと一緒に居たかったらいてもいいけど」
梓「いえ、いいです」
きんにくんスレかと
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:47:43.83 ID:2xO+B9rnP
スレタイで期待させといてソレっすか
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:49:33.16 ID:XFzuSynA0
紬「そう?それじゃあ、誰と誰が姉妹になる?姉妹になったら、姉と妹も
決めてね。妹になったら姉のことを『お姉さま』って呼ぶの」
律「え……何それ恥かしい」
唯「えー、いいじゃん!私あずにゃんに『お姉さま』って言ってもらいたい!」
梓「い、嫌ですよ!」
澪「呼ぶほうも呼ばれるほうも何か照れるよな……」
紬「素敵じゃない、『お姉さま』って」
(まさに百合の王道よね!)
律「ま、いーや。じゃ私、澪と組む」
唯「私はあずにゃん!」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:57:57.21 ID:XFzuSynA0
紬「だめよ!」
律・唯「え?」
紬は大きな声で話の流れを止めると、鼻息荒くもう一度「だめなの!」と言うと、
澪と梓を見た。
澪・梓「ひっ!?」
紬「元々特別親しい間柄の人とじゃいけないわ!やっぱりみおあ……、いえ、
澪ちゃんと梓ちゃん、二人が姉妹になるべきよ!」
澪「……う、うん?」
梓「はあ……」
澪と梓は紬の勢いにただ頷いた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 16:58:52.43 ID:Ss7gmFQb0
唯と梓がスールになるやつは早く続き書けよ
もうずっと待ってんだぞ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:01:02.86 ID:XFzuSynA0
紬「そしてりっちゃん唯ちゃん!やっぱり今の時代はゆいり……いえ、何でもないわ。
唯ちゃんとりっちゃんが姉妹になるべきなの!」
律「お、おう?」
唯「……へえ?」
律・澪・唯・梓(結局ムギ(ちゃん・先輩)が決めてるじゃん)
律「で、でもさムギ?一応軽音部って皆同じように仲良いし、そもそも姉妹になる
ことなんてなくねーか?」
律(澪と『姉妹』になれないんなら、やる意味ないし)
唯「そうだよね!やっぱりやらなくていいよ!」
唯(あずにゃんが澪ちゃんに『お姉さま』なんて言ってるとこなんて見たくない……)
紬「でも……」
澪「私はやってみてもいいと思うけどな」
澪(律のお守しなくてよくなるなら別にいい、かな?)
梓「私も澪先輩の意見に賛成です!」
梓(憧れの澪先輩と仲良くなれるんだから……)
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:02:49.46 ID:XFzuSynA0
>>8 悪いけどそれ書いた覚えない。
違う人じゃないか?ネタ被ってたか…orz
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:03:25.22 ID:syHvN+fR0
うむ
続けたまえ
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:03:48.65 ID:KMoBlKzKO
唯と律をかませにして負け組同士でくっつけるわけですか
ないわ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:06:59.26 ID:XNQ5MvdV0
よし期待
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:09:49.27 ID:dLWngrC60
sienta
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:10:37.30 ID:XFzuSynA0
紬「澪ちゃんと梓ちゃんが良いって言ったんだし決定ね!」
律・唯「えぇー」
紬「大丈夫よ、一週間だけのお試しだから!」
紬がチャームポイントである眉毛を吊り上げそう力説すると、
律と唯が「まあいっか」と顔を見合わせた。
律「まあ別にいいけど……面白そうだし」
唯「うん……で、りっちゃん。もちろんりっちゃんが『お姉さま』って呼んでくれる
んだよね?」
律「えぇ!?無理、恥かしいじゃん!唯が私のことそう呼べよ!」
唯「りっちゃんがお姉さまなんて変だよう!」
律「お前が言うな!」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:17:51.82 ID:XFzuSynA0
紬「……澪ちゃんと梓ちゃんは、どうするの?」
唯と律はとりあえずほっておき、紬は苦笑しながら澪と梓に訊ねた。
澪「うーん、そうだなあ。別に私はどっちでもいいけど」
梓「私はその……、『姉妹』って元々先輩後輩がなるものなんですよね?
それなら私が澪先輩のことを『お姉さま』って呼んだほうが良いんじゃないかなと……」
紬「そうね、それがいいわそうしなさい!」
澪「な、なんでムギがそんなに興奮してるんだ……」
紬「梓ちゃん、一回澪ちゃんのこと『お姉さま』って呼んでみて!」
梓「は、はい……?えっと……、お姉、さま」
紬に言われて、梓は若干戸惑いながらも澪のほうを向くと言った。
上目遣いで、頬を赤く染めながら。
紬(……いい、いいわ!これこそ姉妹!)
律「おーい、ムギ。鼻血出てるぞ鼻血」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:23:21.57 ID:XFzuSynA0
澪「やっぱり、なんか照れるな……」
梓「は、はい……」
律(くっ、なんかすっげーむかつく!)
照れて赤くなる澪と梓から目を逸らすと、律は唯の肩をがしっと掴んだ。
唯も梓たちの様子を見ていたのか、突然肩を掴まれて変な声を出した。
律「唯!」
唯「ひゃ、ひゃい!?」
律「やっぱりここは、唯が私のことを『お姉さま』って言うべきだ!」
紬「だめよ!」
紬(私が求めているのは唯律よ、唯律!律澪のときの攻めりっちゃんじゃなくって、
攻められる乙女りっちゃんが見たいのよ私は!だからここはやっぱり!)
紬「りっちゃんが唯ちゃんのことを『お姉さま』って言うべきなのよ!」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:26:34.32 ID:dLWngrC60
need more speed
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:30:57.32 ID:XFzuSynA0
律「へ?」
唯「そうだよりっちゃん!ムギちゃんの言う通りだよ!決定だよりっちゃん!
ほら、呼んでみて、私のこと『お姉さま』って!」
律は何を言っても意味がないことを悟ったのか、大きく溜息をつくと、
恥かしそうに、呟くような声でその単語を唇から紡ぎだした。
律「……、お姉さま」
律(屈辱的だ、唯のことを『お姉さま』なんて!)
紬(いいわ、これよ私の求めていたものは!なんて乙女りっちゃん!)
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:31:48.69 ID:XFzuSynA0
唯「うーん、りっちゃんに『お姉さま』って言われるなんてなんか清清しい!」
律「うっさいわ!」
紬「あ、言い忘れてたけど、妹はお姉さまに絶対服従ね」
唯「ほんとっ!?ふふっ、りっちゃん覚悟してね?」
律「さ、最悪だあああああああ!」
梓「うわ……」
澪「大丈夫、梓。別に私は無茶なこととか言わないから」
梓「で、ですよねえ……」
梓(でもちょっと複雑、かも……。べ、別に唯先輩と姉妹になりたかったわけじゃないけど!)
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:32:45.82 ID:XFzuSynA0
ちょっと出かけてくる。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:33:00.02 ID:n+5+N/HDO
志摩子さんとムギちゃんって微妙に似てるよな
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:33:01.38 ID:roO7LAiJ0
ここまであからさまに趣味嗜好をさらけだすとはな。気に入った!
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:34:13.12 ID:1em9Nj3yO
はい
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 17:39:28.60 ID:Ss7gmFQb0
>>10 ごめん余計なこと言っちゃったみたいだな…
すーるって文字を見て反射的に書き込んでしまった…
気にしないで続けてくれ
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:17:11.01 ID:0E0yL11i0
ほ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:19:05.82 ID:43uyXRisO
このムギは分かっているようで分かっていない
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 18:52:04.17 ID:tPNqB2S0P
いい感じだな
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:11:23.54 ID:qf0S/wfj0
こいつはダメだ
なんだ律澪じゃないのか
>>25 俺も未だにあれの続きを待ってる
いいかげんパンツ履きたい
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:22:51.66 ID:MkitZe3o0
ロザリオスールよかったよな。落ちたのがいまだに悔しい
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:48:26.35 ID:0E0yL11i0
ほ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:56:52.29 ID:CIOAiKw50
し
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 19:59:38.59 ID:+fwG/Mcj0
の
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:01:46.78 ID:2xO+B9rnP
み
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:07:15.88 ID:+fwG/Mcj0
に
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:11:57.44 ID:K2NvbwBUO
に
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:12:40.49 ID:0mTE8UvU0
お
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:21:39.49 ID:+fwG/Mcj0
で
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 20:27:27.23 ID:4waEN0ONO
こ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:04:27.27 ID:zhu3i5CG0
遅くなった。続ける。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:10:02.52 ID:r9Iz9j2s0
こいやー
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:14:13.36 ID:zhu3i5CG0
紬「楽しみねえ」
律・澪「何がだよ」
紬「何でも。あ、あともう一つ、大切なことを忘れてたわ」
突然、何かを思い出したらしく、自分の制服のポケットから何かを取り出した紬。
紬の手には二つのロザリオが握られていた。
紬「ロザリオなんだけど」
梓「ロザリオ?」
紬「本当の『姉妹』になりたかったらこれを妹の首にかければいいの。
それでスールの契りは成立。ただ今はまだ、『お試し期間』だからかけなくても
いいわ。もし、お試しじゃなくって本当に『姉妹』になりたくなったらいつでも
使って」
言い終えるや否や、紬は澪と唯にそれぞれ一つロザリオを握らせると、
清清しい表情で言った。
紬「それじゃあ今日は解散!」
律「それ、私の台詞じゃ……」
.
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:23:42.20 ID:zhu3i5CG0
<澪梓サイド>
澪「姉妹は二人で下校するってムギが言ってたけど……」
梓「いつもどおり、ですね……」
いつもどおりと言えばいつもどおり。
ただ、律たちがいないだけ。
だけど澪は、それが少し寂しいと感じてしまっていた。
澪(あのうるさい奴等がいないだけで、こんなにも静かなんだな……)
梓「澪先輩」
一人物思いに耽っていると、名前を呼ばれて澪は慌てて梓を見た。
それからあることを思い出して、「そういえば」と呟いた。
澪「えっと、『お姉さま』、じゃなかったっけ?」
梓「あ……、ま、まさかムギ先輩がいないとこでもちゃんとやる気だったんですか……?」
澪「え?違うのか?」
梓「違うって言うか、澪先輩のことだから誰も居ないとこだと普段どおりなのかなって……」
澪「あぁ……、いや、なんというか」
澪(正直『お姉さま』が気に入ったっていうか……)
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:27:06.27 ID:+fwG/Mcj0
りっちゃんに行ってもらえばいいじゃん
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:33:59.31 ID:zhu3i5CG0
澪は梓から目を逸らすと、なんとなく、といった言葉で誤魔化した。
梓「はあ……?あ、ところで澪せんぱ……じゃなかった。お姉さま」
澪「う、うん?」
梓「私、あそこの角で曲がるんですけど……」
澪「あ、そうなんだ」
梓「一応、姉妹ですし、一緒に帰ったほうがいいんですよね?私、お姉さまの家まで……」
澪「あ……、いや、いいよ!」
澪(ばったり律と出くわしたりするのもなんか嫌だし)
梓「でも……」
澪「なら私が梓を送っていくよ。一応、姉、なんだし」
梓「いいんですか?結構遠いし遅くなっちゃいますよ?」
澪「大丈夫。あそこで曲がるんだよね?暗くなる前に早く帰ろう」
澪はそう言うと、何となく梓の手に自分の手を重ねてみた。
梓が一瞬驚いたように手を離そうとしたけど、すぐにそっと握ってきた。
二人はそのまま、少しだけ微笑み合うと、再び歩き出した。
.
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:46:08.96 ID:n+5+N/HDO
澪と梓ならいい姉妹になれそう
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:51:27.62 ID:zhu3i5CG0
<唯律サイド>
一方、律たちは別の方向から帰っていた。
唯が、紬から貰ったロザリオを目の前でかざしながら溜息を吐いた。
唯「綺麗だねえ。りっちゃんにあげるのが勿体無いや」
律「それは悪うござんした。つーか別にかけてくれなくてもいいし」
唯「だよねえ……。りっちゃん、澪ちゃんと一緒が良かったんでしょ?」
律「……別に?唯こそ梓とが良かったんだろ?」
唯「……、りっちゃん」
律「え、な、何急に?」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:54:31.50 ID:zhu3i5CG0
唯「『お姉さま』……」
律「は?」
唯「『お姉さま』だよりっちゃん!唯じゃなくってお姉さま!」
律「えぇ……今は別にいいじゃん、ムギいないんだし」
唯「だめだよ!」
唯はそう言うと、立ち止まってぐっと律に詰め寄った。
唯「ほら、お姉さまは?りっちゃん」
律「……う。ゆ、唯だけずるいだろ!」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:55:46.14 ID:g12GLbzJP
おっと紬の話題はそこまでだ
俺の嫁に口を出さないでもらおう
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 21:58:22.17 ID:zhu3i5CG0
唯「え?りっちゃんもお姉さまって呼んで欲しいの?でもだめだよ、ムギちゃんが
私が姉って決めたんだから」
律「違う。そうじゃなくって、いや、確かにお姉さまとか呼ばれてみたいけど
どっちにしても恥かしいし、突然呼び方変えるのが無理っていうか……」
もごもごと言う律に対し、「どういうこと?」と唯が首を傾げた。
律は「だからさ」と言うと、さらに言い難そうに俯いた。
律「私だけ呼び方変えるんじゃなくって、唯も呼び方変えて欲しいっていうか……」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:00:37.44 ID:n+5+N/HDO
仏像趣味のエリちゃんはどうした?
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:01:07.22 ID:zhu3i5CG0
唯「……りっちゃん妹」
律「なんでだよ!」
唯「えー、じゃありっちゃん隊員。あ、これいつもどおりだよね」
律「そうだぞ、唯隊員。って乗らせるな」
唯「りっちゃんが勝手に乗ってきたんじゃん。そうだねえ、じゃあ……」
うーん、と考え込むと、唯は突然「あ!」と声を上げた。
そして、律を見るとふふっと笑いを漏らした。
律「な、なんだよ……?」
唯「りつ」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:05:01.70 ID:in5Z271XO
律姉澪妹だと
モンバーバラの姉妹になりそうだ
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:05:03.91 ID:wKBJEf4O0
これはいい
支援
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:13:23.93 ID:zhu3i5CG0
律「……へ?」
唯「律。これならいいでしょ、りっちゃん?澪ちゃんと一緒の呼び方だよー」
えへへ、と笑いながら唯が言うと、律は無言で目を逸らした。
少しだけ、頬が赤くなっていた。
唯「あれー、りっちゃん顔赤いよ?」
律「うるさいっ」
顔を覗き込もうとしてくる唯を避けながら、律は歩き出した。
それでもまだからかうように声を掛けてくる唯を、律は立ち止まると振り向いた。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:14:39.65 ID:zhu3i5CG0
唯「ねえねえ、りっちゃん!」
律「りっちゃんじゃないだろ、お姉さま」
唯「あ……、えと、律。……ほんとだねえ、なんだか照れちゃうや」
照れ笑いを浮かべた唯は、立ち止まった律の隣に並んだ。
二人同時に歩き出す。
唯「今日はどうしよっか」
律「んー、そうだな……。んじゃ、家に招待しますわ、お姉さま」
唯「似合わないよー、そんなお嬢様言葉!」
律「う……」
唯「それじゃあ行こっか、律」
拗ねて再び立ち止まった律に、唯は笑いかけると手を差し出した。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:22:06.62 ID:zhu3i5CG0
<澪梓サイド>
梓「それじゃあ、送ってくださってありがとうございました」
梓は家の前に着くと、門の前で澪と向き合ってぺこっと頭を下げた。
ずっと繋いでいたままの手を離すと、その途端に突然雨が降ってきて、
二人は顔を見合わせた。
梓「あの、お姉さま。良かったら雨宿り、していきますか?」
澪が「傘あったっけ」とカバンの中を探すのを見て、梓は思わずそう声を
掛けていた。
澪「え、けど……出来れば、傘だけ貸してもらえたら。迷惑だろうし」
梓「大丈夫ですよ、家、今誰もいませんし、せっかく送って貰ったんですし……」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:26:58.17 ID:zhu3i5CG0
澪「……、梓がいいんならお邪魔させてもらうよ」
梓「は、はい!どうぞどうぞ!」
澪は梓の表情がなんとなく寂しそうに見えて、そう言った。
梓はパッと顔を輝かすと、澪を家へと招き入れた。
.
澪「お邪魔します……。綺麗な家だなあ」
梓の家へ足を踏み入れてすぐ、思わず澪は呟いていた。
黒で統一された家は、その中も同じで、通されたリビングはシンプルに
纏められていた。
梓「そんなことないですよ。あ、ここ、座っててください。何か持ってきますね」
澪「別にいいよ?雨止んだらすぐに帰るし……」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:31:05.35 ID:zhu3i5CG0
梓「けど、ちょっと雨に濡れましたし、身体冷えちゃいます」
そう言うと、梓は一旦リビングを出て行ってすぐにタオルを抱えて持ってくると、
それを澪に渡してからキッチンでコーヒーを淹れた。
梓「インスタントなんですけど……」
澪「ううん、ありがとう」
梓の淹れてくれたコーヒーを一口飲むと、澪は猫舌なのかコーヒーを冷ましている梓を
見て言った。
澪「梓」
梓「はい?」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:34:29.28 ID:zhu3i5CG0
澪「ちょっと来て」
澪に言われ、梓は一旦コーヒーの入っているマグカップをテーブルに置くと、
澪が座っているソファーの前まで近付いた。
すると、澪は梓を自分の前に座らせると、まだ残っていた乾いたタオルで梓の髪を
拭き始めた。
澪「梓だってすごい濡れてたのに……。このままにしてたら風邪引いちゃうよ」
梓「……、す、すみません」
梓(ど、ど、どうしよう!?何かすごい緊張してきちゃったよ!?)
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:41:37.53 ID:0E0yL11i0
| |
| |∧_∧
|_|´・ω・`) そ〜〜・・・
|桃|oC o
| ̄|―u'
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|_|・ω・`)
|桃|oCo.
| ̄|―u'
""""""""""
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|_|(´・ω・`)
|桃|o ヾ
| ̄|―u' C <コトッ
""""""""""""""""
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|_| ピャッ!
|桃| ミ
| ̄| C
""""""""""""""""
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:42:31.99 ID:zhu3i5CG0
澪の手が梓の髪の上を滑っていく度に、梓の心臓はどくどくと音を立てた。
梓(あぁ、これが唯先輩ならこんなに緊張しなくたって……)
梓はそこまで考えて、何でこんなときまで唯先輩のことを思い出すんだと
自分に呆れて苦笑を浮かべた。
澪「……よし、これで一応大丈夫かな」
梓「あ、ありがとうございます」
澪の手が止まり、離れると梓はほっと息を吐いた。
ずっと憧れていた人と二人きりでも嬉しいのに、まさかこんなことまでしてもらえるなんて。
梓(今の、本当の姉妹、みたいだったなあ)
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:47:29.99 ID:zhu3i5CG0
澪「あ、雨止んできた」
ふと外を見た澪が、呟いた。
梓も同じようにして外を見ると、確かに雨は止んでいる。
梓「夕立、だったのかな……」
澪「かもな。それじゃあ、私は帰るよ。そろそろ暗くなる頃だし」
梓「あ……」
立ち上がった澪の手を、梓は思わず掴んだ。
澪「梓?どうしたの?」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:55:21.65 ID:zhu3i5CG0
梓「あ!……いえ、すみません」
梓(今私は何を言おうとしてたんだろう。……もう少しいてくれませんか、なんて)
慌てて手を離し、俯いてしまった梓を見て、澪は首を傾げると、すぐに梓の家に今、
誰も居ないことを思い出して、梓の頭に手をおいて撫でた。
澪「梓、もし良かったら、もう少しここにいていいか?私も兄弟とかいないし、
実はこういうのに憧れてたんだ。だから、コーヒー飲めるまでの間だけでも」
梓「澪先輩……」
澪「ん?お姉さま、だろ、梓」
梓「……はい、お姉さま!」
意外な澪の言葉に、梓は驚きながらも頷いた。家で誰かが自分の傍にいてくれることは
あまりなかったから、誰かがいてくれるのが梓は凄く嬉しかった。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 22:56:28.14 ID:37bcdO450
続けて
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:02:32.89 ID:zhu3i5CG0
<唯律サイド>
唯「うわ、雨降ってきちゃった!」
律の家へと歩き出してすぐ、突然振り出してきた雨に、二人はまたしても
足を止めた。
唯「律、傘ある!?」
律「わ、悪い、見当たらん!そうだ、唯、あそこで雨宿りしよーぜ!」
唯「唯じゃない、お姉さまでしょ!」
律「今はそんなこと気にしてる場合じゃねーの!」
そう言うと、律は先に立って雨宿りが出来そうな公園の大きな木の下に走った。
唯もその後を追いかけた。
唯「うわー、びちょびちょになっちゃったよ……」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:27:23.62 ID:I0gU8IZWO
さっさと
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/20(水) 23:37:50.68 ID:+uzik95z0
書け太郎
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:03:18.78 ID:oZLZVsZ8O
IDてす
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:21:50.29 ID:o/Cwor8rP
し
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 00:51:52.71 ID:j+h/OBfQ0
澪律
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:27:40.44 ID:4HAtFv3e0
さっさと
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:36:33.44 ID:sZT16EX0P
すーる!
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/21(木) 01:45:46.88 ID:SUNMg0N00
唯律だろ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
寝る