( ^ω^)ブーンとツンは別れるようですξ ゚听)ξ

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19 ◆AoH6mbCY.w

街は今日も騒がしい。
誰かが誰かを笑って、自分を思って泣いて、世の中に苛立って声を荒げている。
目紛しいくらい、色んな感情がぶつかっている街に僕は生まれた。

大きな笑い声が雑音に聞こえる。前を見ないで走る人達とぶつかりそうになる。
多分、この街の事を知らない人からすれば、居心地の悪い場所だと言うだろう。
でもこの街は嫌いじゃない。むしろ僕はこの街が大好きだった。

人の間を駆け抜け、自由に走れるこの街が好きだった。
他の街じゃこんなに走れない。この街だからこそこんなに早く走れるんだ。

そしてなにより、ツンと出会えた街だからだ。
あの日ツンと会わなければ、今の僕は何をしていたんだろう。
ただ走るだけじゃない、特定の誰かを思う気持ちはそれと同じくらい気持ちよかった。

特に何か思った訳でもなく、ただ何となくツンの手を握った。
顔を真っ赤にして怒るかと思ったら
一瞬驚いたような顔をして僕を見、そのまま小さく手を握り返して来た。

いつものツンなら絶対にそんな事しないのに。
普段通りじゃないツンに、本当に別れてしまうんだなと改めて実感した。