1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
放課後・軽音部部室 収納庫
澪「この辺は唯か?全く、溜め込むなって言ってるのに」
紬「澪ちゃん、どうかした?」
澪「見てくれよ、これ。あっという間に、物で埋まりだした」
紬「唯ちゃん、可愛い物を集めるのが好きだから♪」
澪「それは良いけど、程度問題だろ。これをこうして、これをこっちに持って来てと」
律「ムギー、お茶淹れてくれー。って、なにやってんだ?」
澪「片付けだよ。律、お前も自分の分はちゃんと持って帰れよ」
律「ああ、分かった」 きゅっ
澪「どうして私の手を取る」
律「いや。私の物だから」
澪「馬鹿言ってないで、全部持って帰れよ」
律「わーった、わーった。ムギ、お茶頼むなー」 すたすた
澪「全く」 くすっ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 19:57:40.78 ID:AotxWkHW0
_,...---、_________ ______
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(::::ノ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 19:58:09.82 ID:jVpVQpQp0
生理と性豚?
紬「お待たせー♪」 こぽこぽー
唯「ありがとー。あれ、澪ちゃんは?」
紬「収納庫を片付けてるわよ。ちょっと荷物が溜まってきてるから」
唯「困った人もいるんだねー」 ずずー
澪「お前の荷物が一番多いんだ」 ぐいぐい
唯「ひぃーっ」
律「やれやれだぜ」
澪「お前もだ」 ぐりぐり
梓「済みません、遅れました」
澪「梓の私物は殆ど無いな」
梓「え、何の話ですか?」
紬「収納庫。また、物が溜まってきてるの」
梓「どうせ、唯先輩と律先輩の私物ばかりなんでしょう」
唯「だってここは、私の部屋みたいな物だからね」
律「そうそう。だから、つい甘えちゃうんだよな」
唯「だよねー」
梓(それって、私が部室に思い入れが無いって事なのかな) たらー
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:00:43.52 ID:dOYzGkJ8P
澪「とにかく今日は、収納庫の整理。それと、部室の掃除」
唯「えーと、ギー太のチューニングをと」
律「ちょっとペダルの調子を見てみるかな」
澪「整理と、掃除。だ」
唯「面倒だよ。掃除は本当に面倒なんだよ。澪ちゃんは最後までそれをやり抜く覚悟があるって、私に誓える?」
澪「怖いから、真顔で言うな。そんなの当たり前だろ」
紬「私、掃除道具を借りてくるわね」
唯「和ちゃんの所なら、私もー」
澪「分かった。こっちは整理を始めてるからな」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:01:45.60 ID:dOYzGkJ8P
生徒会室
和「持って行く道具の名前と数を、用紙に書いておいてね。消耗品は、そのまま持って行って構わないわ」
紬「分かったわ。……これで良い?」
和「ええ。唯、ちゃんと掃除するのよ」
唯「もう、和ちゃんまで。私はやれば出来る子なんです」
和「自分で言わないでよね」 くすっ
唯「えへへ。澪ちゃん達が先に始めてるから、本当に大丈夫だよ」
和「だったら平気か。紬も、唯の事よろしくね」
紬「ええ、任せて♪」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:02:48.03 ID:dOYzGkJ8P
軽音部部室 ドアの前
紬「ただ今戻りましたー・・・。あれ?」
唯「入れないね」
紬「これは棚かしら。・・・よいしょ」 ひょい
唯「おおっ」
律「我々は助かったぞー」
梓「律先輩、大げさです」 ひょっこり
唯「あずにゃん?何してたの?」
梓「それが、その。えーと」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:03:31.46 ID:XxDbXwFkO
投下速いな
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:03:48.04 ID:dOYzGkJ8P
澪「・・・」
紬「結構広がってるわね」
唯「荷物が溢れ出てるね」
澪「・・・」 びくっ
律(しー。澪がまずは収納庫の荷物を全部出せって言い出してさ。そうしたら、部室中が荷物で溢れかえった」
紬(それで落ち込んでるって訳。棚は?」
梓(右に同じです。棚の後ろも掃除しようって事になって運んだんですけど、ドアの前で力尽きました)
紬(そうだったのー)
唯「・・・」 とたとた
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:05:03.05 ID:dOYzGkJ8P
唯「澪ちゃん、澪ちゃん」 ぽんぽん
澪「や、やあ。唯」 びくっ
唯「大変な事になっちゃったね」
澪「ああ。威勢の良い事を言っておいて、この様だ。さっきは済まな・・・」
唯「もう大丈夫だよ」 撫で撫で
澪「え?」
唯「ムギちゃんも戻ってきたからね。私達が力を合わせれば、出来ない事なんて何も無いよ」 にこっ
澪「・・・うん。ありがとう、唯」 にこっ
唯「てへへ。じゃ、力を合わせて頑張ろーっ」
澪「おー」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:06:05.86 ID:dOYzGkJ8P
梓「これ、唯先輩のです」
紬「これは、唯ちゃんのね」
律「これ、唯のだな」
唯「う、うう」
澪「まあまあ。唯、それは私が片付けてやるよ」
唯「ありがとー。澪ちゃんありがとー」
澪「もう、そんなにひっつくなよ♪」
梓(無いわー、それは無いわー)
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:07:07.04 ID:dOYzGkJ8P
律「この辺は、プリントか。また随分古いのばっかだな」
紬「始業式、遠足、プール開き。なんだか、懐かしくなってくるわね」
律「それは良いけど、もういらないだろ。全部捨てるぞ」
澪「駄目駄目、駄目だ。いつか、このプリントを必要とする時が来るかも知れないだろ」
律「いつなんだよ、それは」
澪「だったら律は、プリントをどうしてるんだ」
律「ふっ。私って女は、もらった端から捨てていくぜ」
梓「言い方を恰好良くしても駄目ですよ」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:08:09.85 ID:dOYzGkJ8P
律「とにかく古いプリントは、全部捨てる事。唯、紐で縛ってくれ」
唯「私、こういうの苦手なんだよね。絶対指を結んじゃうから」
梓「ギターの弦を押さえるみたいに、ささっとやれば良いんですよ」
唯「あずにゃんは良い事言うね」 ささっ、むにっ
梓「・・・まあ、失敗するとは思ってましたけどね」
唯「あーん。あずにゃんがいじめるよー」
澪「よしよし。私が押さえててやるからな」
唯「澪にゃーん♪」
梓(あはは、冗談ばっかり)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:09:19.52 ID:dOYzGkJ8P
唯「大体結べたけど、運ぶ時が大変そうだね」
律「任せとけ。そういう時こそ、ムギの出番だぜ」
澪「お前が威張るな。ムギ、行けそうか?」
紬「全然平気♪」 ひょい
唯「さすがムギちゃん。だったら、私も・・・」 よろよろ
紬「あらあら」 はしっ
唯「ありがとー。やっぱりムギちゃんには敵わないな」
紬「うふふ♪唯ちゃんは、梓ちゃんと一緒に運んでみたら?」
唯「あ、そだね。あずにゃん、一緒に頑張ろ−」
梓「ああ、はい」
紬「うふふ♪」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:09:45.78 ID:oUoRdtz50
あずにゃんはまだ生理きてないな
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:10:35.94 ID:dOYzGkJ8P
階段
唯「・・・結構大変だね」
梓「一枚一枚は軽くても、相当な数を束ねてますからね」
唯「私達も紙に負けないように、力を合わせて頑張ろうよ」
梓「なんですか、それ」 くすっ
紬「私、先に戻ってるわねー」 すたすた
唯「ムギちゃん、2往復目だね」
梓「私達って、何なんでしょうね」
唯「紙より軽い存在って事じゃないのかな・・・」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:11:41.84 ID:dOYzGkJ8P
軽音部部室
律「よう、お疲れ様。先に、お茶してるぞ」
唯「・・・」
澪「二人とも、大丈夫か?」
梓「・・・」
紬「はい。今日はラズベリータルトよ♪」
唯・梓「・・・」 がつがつがつ
律「食べるのかよ、おい」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:12:44.21 ID:dOYzGkJ8P
唯「あー、疲れた。・・・これ、アルバム?」
澪「棚の奥から出てきた。ずっと探してたんだよ」
律「やっぱり、掃除をして正解だな」
澪「お前が言うな」
紬「まあまあ。これは、入学したての頃かしら」
律「こっちはムギの別荘に行った時だな」
澪「これは学園祭か。あはは・・・」
梓(先輩達の、1年生の頃の写真か。私はその時いなかったから、会話に入りづらいな) しゅん
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:13:46.16 ID:dOYzGkJ8P
唯「あずにゃん、あずにゃん。これ見てよ、澪ちゃんが初々しいよ」
梓「はぁ」
唯「あー、この時は本当に楽しかったなー」
梓「そう、ですか」
唯「でもあずにゃんがいたら、もっと楽しかったと思うよ。何倍も何十倍もね」
梓「・・・唯先輩」
唯「ん?」
梓「写真、もっと見せてもらえますか?」
唯「うん。一緒に見よう♪ほら、これ見て見て」
澪「それは見せるな」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:14:48.16 ID:dOYzGkJ8P
律「・・・あれ、一枚無いな」
澪「無いんじゃ無くて、ほら。あれは、封筒に入れて」
紬「ああ。あれって結局、見つかってないのよね」
唯「私達も、見つけられなくなったけどね」
梓「何がです?」
唯「私達にとって大切な写真が、どこかへ行っちゃったんだよ」
梓「学園祭や新歓ライブの写真ですか」
唯「それも大切だけど、もっともっと大切な写真だよ」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:15:49.97 ID:dOYzGkJ8P
澪「片付けてれば、その内見つかるだろ。さて、また始めるか」
唯「今日はもう良いんじゃ無いの?」
澪「駄目だ。ほら、早く来い」 きゅっ
唯「あーん。引っ張らないでー」
律「澪は姉さん女房だなー。だははー」
梓(え、何々?何が面白いの?私、全然分かんない。あははー)
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:16:53.67 ID:dOYzGkJ8P
収納庫
澪「床も掃いたし、棚を戻すか。ムギ、頼む」
紬「了解♪」
唯「私も手伝うよ」
律「しゃーない、私もやるか」
紬「せーので持ち上げるわよ。・・・せーの」 ひょい
唯「おっと、よっと。おお、おおお」 よたよた
律「唯、大丈夫か?」 よたよた
澪「もう、仕方ないな」 さっ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:17:56.79 ID:dOYzGkJ8P
唯「澪ちゃん、ありがとー」
澪「良いから、しっかり運べ」
唯「はーい。よいせ、よいせ」
律「本当、掛け声だけは一人前だな」 よたよた
梓(律先輩を助けるべきなのかな。でもそうすると、ムギ先輩はって話になるし)
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:19:00.21 ID:dOYzGkJ8P
紬「よっこらせと。どうにか運び込めたわね」
梓(悩んでる間に終わっちゃったよ。はぁ)
唯「お疲れ様ー」
澪「ああ、お疲れ様」
律「よーし、そろそろお茶にするか」
澪「いい加減にしろ」 ぺた
唯、紬「あははー」
梓(結局私は何もしてないし、全然笑えないな) しゅん
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:20:03.20 ID:dOYzGkJ8P
律「梓、棚へスコアを収めてくれ。ああ、その前に拭き掃除も」
梓「あ、はい」
律「それが終わったら、ゴミも捨てといてくれよ」
梓「はい」
律「後は梓に任せて、私達は部室の掃除を始めようぜ」
梓(厳しいな、律先輩。でも今は、その厳しさが嬉しいな)
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:21:15.81 ID:dOYzGkJ8P
軽音部部室
梓「片付け、終わりました」
紬「ご苦労様。床は掃き終わったから、後は壁と窓の拭き掃除ね」
唯「・・・あれは?」
紬「どれ?」
唯「天井のあれ。何か、ふらふらしてる」
紬「紐?目地に引っかかってるのかしら。でもあの紐って・・・」
唯「しゃーっ」 ぴょんっ
澪「全然届いてないし。掛け声変だし」
律「蛇か、お前は」
紬「唯ちゃん、可愛いー♪」
梓(価値観は人それぞれだなー) にまー
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:22:17.55 ID:dOYzGkJ8P
澪「とはいえ、気付くと気になるな」
唯「しゃーっ」 ぴょん
律「それはもう良いんだ。椅子を使っても、・・・届かないか」
澪「高枝切りばさみは?」
律「どこにあるんだよ、それは」
紬「肩車する?」
梓「いくら何でも、それは」
律「グッドアイディア♪」
梓「・・・どうして私を見るんですか」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:23:18.88 ID:dOYzGkJ8P
唯「あずにゃん、あずにゃん」 すたっ
梓「一応聞きますけど、どうして屈んだんですか?」
唯「なんたって、ゆいあずだからね。それとも、あずにゃんが下になる?」
梓「・・・まあ、色んな意味で乗ってみますよ」 ひょい
唯「よっこらせ」 ぐい
梓「済みません。床が顔に近付いてるんですけど」
唯「奇遇だね。私もそんな感じだよ」
梓「そろそろ突っ込んだ方が良いですか?」
唯「・・・名前を呼んだところで、突っ込んで欲しかったかも」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:24:20.64 ID:dOYzGkJ8P
律「やっぱり下がムギで、上が梓だろ」
梓「結局、逃げられませんか」
律「まあまあ。ムギ、頼むぞ」
紬「任せて♪」 すたっ
梓「・・・では、失礼します」 ひょい
紬「ゆっくり立つわよ」 すーっ
唯「おお。ムギあず誕生っ」
澪「でも梓が上なんだから、あずムギじゃないのか?本名で考えても、あずつむぎ。うん。やっぱり、あずムギだっ」 ぽんっ
律「無限大にどうでも良い台詞だったな」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:25:34.65 ID:dOYzGkJ8P
梓「唯先輩。ホウキをお願いします」
唯「手を離して大丈夫?」
梓「ムギ先輩を信頼してますから」
紬「ありがとう、梓ちゃん♪」
梓(だけど肩車って、冷静に考えると結構な体勢だよな)
紬「うふふ♪」 さすさす
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:26:44.19 ID:dOYzGkJ8P
梓「・・・結構引っかかってるな」 ひょいひょい
澪「梓、無理するなよ」
梓「ええ、私は平気です。・・・ムギ先輩は大丈夫ですか?」
紬「100人乗っても大丈夫よ」
唯「うーん、白ウサギ♪」
律「持って回るな、おい」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:26:58.35 ID:3Fz5siEEO
あずにゃんさすさす
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:27:46.52 ID:dOYzGkJ8P
梓「済みません、もう少し前にお願いします」
紬「はいはい♪」
梓「そこで結構です・・・よっ」 ひょいひょい
唯「もう一人乗らないと、届かないかな」
澪「そうなると、あずムギッツか」
律「どうして私が下決定なんだよ。梓、もう止めだ。危ないから降りてこい」
梓「でも、これが取れないと」
律「そこまで無理する事じゃないって言ってるんだよ。ムギ、ありがとう。もう良いよ」
梓「はぁ」
紬「ゆっくり屈むわね」 すーっ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:29:05.75 ID:dOYzGkJ8P
梓「済みません、お役に立てずに」 しゅん
律「だったら脱げ」
梓「えっ?」 びくっ
律「ほら、早く」 ぐいぐいっ
梓「な、な、にゃーっ」 すぽっ
紬「うふふ♪」 きらきらっ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:30:08.93 ID:dOYzGkJ8P
律「澪、ほれ」 ひょい
澪「ジャケット、結構汚れちゃったな。天井をはたいたから、埃が落ちて来たんだ」 ぽんぽん
梓「ああ、そういう。そういう意味でしたか」 ほっ
紬「うふふ♪」 きらきらっ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:31:11.97 ID:dOYzGkJ8P
澪「大体、こんな所か」
梓「あ、ありがとうございます」
澪「気にするな。よし、掃除の続きをするぞ」
紬「後は壁と窓を拭いて終わりね」
唯「紐は?」
律「もしかしてあれは、何かのスイッチかも知れないぞ」
唯「だったら、迂闊に取らない方が良いのかな」
紬「紐を引くと何が起きるの?」
唯「おめでとーって、垂れ幕が下がってくるとか」
律「色んな意味でおめでたいな」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:32:13.27 ID:dOYzGkJ8P
澪「ふーん♪ふふーん♪」 きゅっきゅっ
律「いるよな。掃除の時に、鼻歌を歌う奴」
唯「でも鼻なんだから、歌うって言うのも変じゃない?」
律「うーん、意外と深いな」
梓「どうでも良いから、掃除をお願いします」
唯「あずにゃんはいつも真面目だね。お姉ちゃん、肩凝っちゃうよ」
梓「なんですか、それは。とにかく手を休めないで、掃除をお願いします」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:33:17.31 ID:dOYzGkJ8P
澪「ふーふふーん♪ふふふーっ♪」 きゅっきゅっ
唯「澪ちゃん、楽しそうだね」
澪「作曲の才能が芽生えたかも知れないな」
唯「だったら今度は、私が詞を書いてみるよ」
澪「お。ゆいみお誕生だな」
梓「ふ・・・。ふふーん♪ふふふーん♪」 ちらっ、ちらっ
律「梓、鼻歌下手だな」
梓(下手って言われたし。鼻歌が下手って、意味分かんないし)
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:34:19.25 ID:dOYzGkJ8P
紬「後は机と椅子を元の場所へ戻してと」 ひょいひょい
律「ドラムは大体、この辺か」
澪「食器棚が残ってるぞ。これこそ、全員じゃないと動かないな」 ぐいぐい
澪「せーので持ち上げましょうか」
律「全員、囲めー」
唯「おー」
律「持ち上げろ−」
紬「おー」
梓「・・・何故、私を」
澪「つい」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:35:21.15 ID:dOYzGkJ8P
律「冗談はそのくらいにして、本当に運ぶぞ」
澪「お前が言い出したんだろ」
紬「まあ、まあ。もう一度、せーのでは持ち上げるわよ」
唯「おー」
梓「唯先輩は、そればかりですね」
紬「うふふ♪・・・せーの」
唯「ぅおーっ」
梓(い、意外に野太い声が)
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:36:25.02 ID:dOYzGkJ8P
律「みんなで力を合わせて、気持を一つにするんだっ」
澪「またややこしい事を」
紬「わっしょい♪わっしょい♪」
唯「ぬぁーっ」
梓「何一つとして揃ってませんね」
唯「それが軽音部の良い所だよ」 にこっ
梓(何故、突然笑顔)
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:37:27.53 ID:dOYzGkJ8P
紬「もう少し下がって、下がって。下がって」
律「今思ったんだけど。これ以上下がると、私は壁と棚に挟まれるんじゃないのか」
澪「気のせいだろ」
梓「気のせいですよ、気のせい」
唯「なんだか、妖精さんみたいだね」
紬「ロマンチックねー」
律「というか、あんこが出そうなんですけど」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:38:32.29 ID:dOYzGkJ8P
律「あー、ひどい目に遭った」
紬「まあまあ。でもこれで、一通り終わったわね」
澪「後は食器を棚へ戻して終わりか」
唯「これ、紅茶が入ってた箱だよね」
律「「どうかしたのか?」
唯「空なのに、音がするよ」 かたかた
澪「爆弾だったりしてな。はは」
律「後ろに隠れるな」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:39:43.16 ID:dOYzGkJ8P
唯「そういう音じゃないんだけどね」 かたかた
澪「確かそれは空で、でもデザインが可愛かったから残してたのよね」
唯「飴ちゃんでも入ってるのかな」 かたかた
澪「好奇心は猫を殺すぞ」
律「むしろ、開けない方が殺すと思うけどな」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:40:52.74 ID:dOYzGkJ8P
唯「・・・分かった。これだよ、これ」 かたかた
律「近すぎて見えないよ。・・・ああ、これか」
澪「・・・思い出した」
紬「そういう事ね」 ぽんっ
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:41:54.32 ID:dOYzGkJ8P
梓「さっき言ってた、探してる写真ですか」
律「鋭いな。梓、開けてみろ」
梓「・・・私の恥ずかしい写真とか、そういう意味ですか」
律「さて、どうかなー」
紬「もう、りっちゃんってば。大丈夫よ、とっても素敵な写真だから」
澪「第一私の写真以上に恥ずかしい物なんて、そうはないさ」 ふっ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:42:56.64 ID:dOYzGkJ8P
唯「あずにゃん、早く開けてみてよ」
梓「・・・びっくり箱ってオチとか」
律「つくづく可愛くないな。昔はあんなに素直だったのに」
梓「なっ」
紬「嘘嘘。梓ちゃんは今でも可愛いわよ」
梓「はぁ」
澪「大丈夫。良いから開けてみろ」
梓「・・・分かりました」 かぱっ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:44:28.53 ID:dOYzGkJ8P
梓(紅茶の良い匂い。・・・封筒、か) かたっ
唯「なんて書いてある?」
梓「・・・宛先は、中野梓」
唯「差出人は?」
梓「田井中律、秋山澪、琴吹紬。・・・平沢唯」
唯「何が入ってるんだろうね」
梓「・・・写真が入ってます。皆さんが言ってたように」
唯「どんな写真?」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:45:31.12 ID:dOYzGkJ8P
梓「場所は、この部室。そこで皆さんが写ってます」
律「私達だけか?」
梓「違います」
澪「他には誰が?」
梓「・・・私が、皆さんと一緒に写ってます」
紬「つまり?」
梓「私が初めて部室に来た日の写真です。・・・それと、手紙が一通」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:46:33.30 ID:dOYzGkJ8P
┌───────────────────────┐
│ │
│ あずにゃんへ .│
│ │
│ いつまでも、この5人で ......│
│ また今度も、この5人で .....│
│ │
│ │
│ 田井中律 秋山澪 琴吹紬 平沢唯 ..│
│ 中野あずにゃん .│
│ │
└───────────────────────┘
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:47:35.36 ID:dOYzGkJ8P
唯「あーずにゃん♪」
梓「ちょっと、唯先輩」
唯「昔は良くこうしてたねー」
梓「今でもしてるじゃないですか」
律「まあまあ。とにかく大切に保管しようって事になってさ」
唯「初めは、天井の紐にぶら下げようって言ってたんだよ。あずにゃんがいつ気付くかと思って」
澪「でも私達のバンド名は、放課後ティータイムだろ。大体、天井って」
紬「だからティーセットのどこかにしまっておこうって。さっきの紐で、隠した場所を思い出したの」
唯「ちょっと、やりすぎちゃたけどね」
律、澪、紬「あはは」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:48:37.81 ID:dOYzGkJ8P
梓「あの。えと、その」
律「ん、どうした?」
梓「いえ、その。そんなに皆さんが、私の事を気に掛けてくれていると思ったら。えと、その」
唯「でも写真の場所、忘れちゃったしね」
律「それでこそ、私達だ」
澪「威張って言うな」
紬「せっかくだし、また写してみる?」
律「良いな、それ。よーし、全員並べー」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:49:39.02 ID:dOYzGkJ8P
律「もうちょっと詰めて。ほら、寄って寄って」
梓「狭いんですけど」
唯「大丈夫大丈夫」
澪「全然答えになってないぞ。律、タイマーは」
律「今セットした」
紬「りっちゃん、早く」
律「おぅっ」 とたとたっ
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:50:41.02 ID:dOYzGkJ8P
律「とーちゃーく」
澪「この、また無理矢理」
梓「だから寄りすぎですって」
律「なんだとー。みんな、囲めー」 きゅっ
唯「おー♪」 きゅっ
紬「えいっ♪」 きゅっ
澪「全く♪」 きゅっ
梓「えーっ?」
ぱしゃっ
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:51:43.91 ID:dOYzGkJ8P
┌──────────────────┐
│ .│
│ これを読んでいる私へ ......│
│ .│
│ いつまでも、この5人で .....│
│ また今度も、この5人で ....│
│ .│
│ .│
│ 律先輩 澪先輩 ムギ先輩 唯先輩 .....│
│ 中野梓 .....│
│ .│
│ .│
└──────────────────┘
終わり
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:52:43.75 ID:dOYzGkJ8P
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
特にこれといった内容はなく、写真風のAAを貼るとより雰囲気が伝わったのかも知れません。
テーマとしては、「ゆいみおも良いけれどやっぱりゆいあず」でしょうか。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:55:30.17 ID:3Fz5siEEO
乙
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 20:57:54.13 ID:k5uip0yNQ
乙
こういう何気ない感じがいい
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/16(土) 21:05:06.80 ID:tdt06w1eO
いい終わり方だ
こういうの好きだ。