「全体的にバランスをことさら重視する姿勢が時代遅れ」「批判は感情的にならず、理性的でありたい」www
社説:新聞週間 より信頼されるために
ttp://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101015k0000m070097000c.html 「『新』シイコト、『聞』コエル」。15日に始まった新聞週間の標語の入選作である。
インターネットの登場でメディアが多様化する中で、新聞の役割は何だろうか。世の中の新しい動きと、
それの意味するところを読者に早く、そして適切に伝えることは、重要な一つだろう。
(中略)
私たちは、小沢氏に政治家として説明責任を果たすよう再三求め、進退にも言及してきた。
だが、刑事事件として「無罪推定」がはたらくことは承知しており、批判は感情的にならず、理性的でありたいと思っている。
一方、全体的にバランスをことさら重視する姿勢が時代遅れに映り、読者の新聞離れを起こすとの指摘もある。
だが、日本新聞協会が全国6000人を対象に実施し、今年6月に公表した新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、インターネットの
主要5メディアの評価に関する調査結果では、「情報源として欠かせない」「知的である」「情報が正確である」など
33項目中16項目で新聞がトップだった。また、9割以上が日常的に新聞を読んでいた。
事実報道に基づく情報の信頼性こそが、新聞の命綱であることを改めて認識したいと思う。
もちろん、新聞の役割は、「事実」の提供にとどまらない。事実をとらえる多様な「視点」を示すことも重要だ。
外傷性脳損傷に苦しむイラク帰還米兵を追った連載企画や、性分化疾患や性同一性障害の子供たちの報道など、
毎日新聞はこの1年、さまざまなキャンペーンを展開した。今後も読者の期待に応えたい。
自民党の下野や、証拠改ざん事件で揺れる検察など、従来の権威が次々と失墜し始めている。
メディアも常に批判にさらされることを肝に銘じ、たえず謙虚でありたいと思う。
毎日新聞 2010年10月15日 2時35分