( ・∀・)爪゚ -゚)それでも、私は君と空を飛ぶようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
あの時受け取った一枚の命令書が、私に多くの試練を強いることになるとは、
私自身、全く及びもつかないことだった。
( ・∀・)爪゚ -゚)それでも、私は君と空を飛ぶようです
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:01:21.59 ID:t2qVlfCp0
1.離縁状はヒトの形をとって
『南部統合軍』空軍 操縦士モララー=マタリバーグ大尉
貴君は新型兵器を受領し、適当期間試験せよ。
たったこれだけの本文からなる命令書が、私の情報端末に電子メールの形で届いた。
簡潔な本文の他には、受領する日時と場所が書かれているだけだった。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:03:55.24 ID:Zmxfv+570
ふむ
様子見支援
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:04:24.09 ID:t2qVlfCp0
私が所属していた空軍の基地は大陸の最南部にあって、それは滑走路を二本もつ、
その地域でも中核的な基地だった。
命令書の受領から二日後。二番滑走路の傍、四番格納庫の機体出入口。
私は命令書どおりに、そこで新兵器がやってくるのを待っていた。
( ・∀・)「……やあ、君も呼び出されたのか」
爪'ー`)y‐「これは、マタリバーグ大尉。新型兵器云々ということなら、そうですね」
期せずして共に待つことになったこの戦友は、名をフォックスといい、
私の機体の主任整備士である。
( ・∀・)「電子タバコでも満足できるものなのかい?」
到着予定までおよそ十分余りあった。私は適当な話題をでっちあげる。
爪'ー`)y‐「いいえ。許されるなら存分に葉巻を吸いたいところですよ。
職業選択を間違えたと、ときどき思うくらいで。
欲求に耐えるのも給料のうちと思って、我慢してるんです」
( ・∀・)「違いないね。まあ、戦闘機と、私の健康のために頑張って耐えてほしいな。」
爪'ー`)y‐「ええ、頑張りますよ。戦闘機の、ために」
( ・∀・)「おいおい、私の心配は?」
爪'ー`)y‐「もう三十そこそこの、いい壮年じゃないですか、あなた?」
( ・∀・)「おやじの心配はいらないってこと?君だってそう変わらんだろうに」
爪'ー`)y‐「戦闘機パイロットと整備士じゃ、老い先の長さが段違いですよ」
(; ・∀・)「……うーん」
首をひねって、頬に手をあててみる。
なるほど。
少ししおれた、年相応の肌触りがした。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:07:23.12 ID:t2qVlfCp0
このような他愛もない話題をいくつか使い潰したとき、
フォックスの携帯端末に、「件の機体が接近中。大きさは戦闘機クラス」との
連絡が入る。
爪'ー`)y‐「そろそろ来るみたいですよ」
( ・∀・)「輸送機ではない、ということだけど」
爪'ー`)y‐「新型機材、というわけでなければ新型戦闘機なのでしょうね。
早く見たいものです。行きましょうか」
フォックスに促されて、私たちは誘導路まで走り出た。
全く年甲斐もない彼のはしゃぎようが、私には目に見えて分かった。
( ・∀・)「君、先月の『月刊サザン・エア』読んだかい?」
爪'ー`)y‐「開発中の新型機のリーク記事でしたね。『試作機の完成間近』。
その見出しと想像図には驚いたのなんの……」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:09:56.38 ID:t2qVlfCp0
私の読んだ限り、と前置いて、彼は続けた。
爪'ー`)y‐「あの通り行けば、『北』の脅威に対する抑止力は、
少なくとも空においては、格段に増すでしょう。
単独でかの新型に勝てる機体は、この大陸には『南』にも
『北』にもないですからね」
いつもは飄々としている彼の語り口が、熱を帯びる。
やはり整備士にとって、新しい兵器とは待ち遠しいものなのか。
( ・∀・)「誕生日プレゼントを待つ子供か……」
爪'ー`)y‐「何か?」
(; ・∀・)「何でもないよ」
そのときだ。
西南西の空、地平線近くに点が一つ浮かんでいるのを私は見た。
雷の遠鳴りに似た音が、続いて聞こえてきた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:12:00.26 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「来た」
黒っぽい小さな点は、みるみる大きくなった。
点の色が、空に溶けるようなグレーだとわかる。『南』空軍機であることを示していた。
轟音がいよいよ高鳴る。機体のシルエットがはっきりとわかり始めた。
爪'ー`)y‐「ん……?」
あれ、とフォックスが不審げにつぶやく。
声にこそ出さないが、私もまた、着陸態勢に入った機体の姿に驚いていた。
爪:'ー`)y‐「現用機、じゃないですか?あれ」
何のことはない。それは、私も毎日のように搭乗している主力戦闘機だった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:14:36.46 ID:gLFT/sIuO
モララーしおれたとか言わないで支援ww
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:15:46.23 ID:t2qVlfCp0
デルタ翼とカナードを組み合わせた鋭角的なフォルムを持つそれは、
実に美しいランディングを極めてこの基地に降りてきた。
( ・∀・)「……私が教官だったら、減点するところはないね」
爪' A`)y‐「ともかく、何ですな。あの、もったいぶった命令書は何だという話です」
その通りだと思った。余程の機密であろうと踏んでいたところが、これだ。
フォックスなんかは、どう新型機をいじり倒そうか考えていたに違いないだろうに。
繰り返すが、プレゼントを待つ子供のように。
フォックスの哀れなほどがっかりした様子ときたら、それに例えれば
『今年はプレゼントはない』と親から断言されたのに似ている。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:17:34.57 ID:t2qVlfCp0
さて。
話は変わるが、お話の筋書きにはこういうパターンがある。
『ある』ものを、最初『こう』だと考えた。ところが、そのような事実はないと知る。
がっかりするなり、ホッとするなりする主人公。
しかし、思いもよらないところに本当の事実があって、
物語はどんでん返しを迎えることになる。
それで、だ。
着陸した機体のコックピットから、あどけない少女が出てきて、
これが、今回試験してもらう新兵器です。などと紹介されたときの私の気分といったら。
先に触れたような話の本や映画などを見てくれれば、
少しでもそれをわかってもらえると思う。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:19:50.01 ID:sTYdh+tL0
帰ってきたのか
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:20:34.42 ID:t2qVlfCp0
かの機体は、すでに格納庫内に移されていた。
私たちも庫内に移り、機体の様子を眺めていたが、まったく普通の機体でしかなかった。
( ・∀・)「そんな、がっかりするなよ」
爪' A`)y‐「いいんです。勝手に喜ぶ方がバカなんです」
フォックスはいよいよ自棄になっていた。
私の内心も、自棄とはいかないがそれに近い。
ただ気にかかったのは、はしごを掛けてやっても一向に降りてこないパイロットの様子である。
フォックスの部下たちが、いぶかしげにコックピットを見上げていた。
そうこうしているうち、トロトロと連絡機が、レシプロエンジンの音をさせながら滑走路に
降りてくる。その機もまた、タキシングして私たちの格納庫へとやってきた。
その小型機の中から、研究者然とした白衣の男が姿を現すと、私たちは少しばかり驚いた。
こういう人間が空軍基地に来ることなどそうはない。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:23:13.36 ID:0IzJnnHm0
渋いな
ハハロ -ロ)ハ「降りてきたまえ」
その男は私たちと戦闘機の中間あたりまで歩いてくると、戦闘機内のパイロットへ話しかけた。
すると、コックピットを覆っていた風防が開き、パイロットはようやく降りてきた。
( ・∀・)「小柄だな」
パイロットの外見について、まず、だいぶ背が小さいことに気付いた。
( ・∀・)「女性のようだ」
爪'ー`)y‐「ええ、珍しいですね」
飛行用のGスーツ越しからでも、パイロットが女性であるとわかる。
女性パイロットとは、男女同権の世とはいえ本当に珍しいことだ。
半ばあっけにとられた我々のところへ、彼女はつかつかとやってくる。
その顔を見てさらに驚かされる。怜悧そうではあるが、まだあどけない少女の顔であった。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:25:36.33 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)「モララー=マタリバーグ大尉と、フォックス=カン・リー整備中尉と
お見受けします」
折り目正しい敬礼。彼女が軍靴を打ち下ろす音が、格納庫内に残響した。
(; ・∀・)「あ、うむ。で、君は?」
とにかく、そこからだと思った。
彼女のような若い女性パイロットがいるなら、もっと話題になっていてよいはずだ。
それなのに、私が彼女のことを見たのは、これがまったく初めてだった。
私よりは噂に通じているフォックスでさえ、首をかしげていた。
彼女は突拍子もないことを口にした。
爪゚ -゚)「私の個体番号はG-000……」
その後、もう何桁かの数字が続いていたが、私の耳には残らない。
(; ・∀・)「どういうことだ……個体番号だって?」
ハハロ -ロ)ハ「大尉殿。あなたに試験していただきたいのはこれです」
満を持してしゃべり始める科学者。
男の手は、少女の肩に置かれていた。
(; ・∀・)(何を言っている?まさか……)
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:27:17.27 ID:UZ+0DoZcO
久し振り
また1から投下し直すの?
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:28:06.99 ID:t2qVlfCp0
ハハロ -ロ)ハ「クローン・パイロット。これが命令書にある『新兵器』ですよ」
目の前が真っ暗になる感覚を覚えた。高G機動の最中ではもちろんなかった。
それから延々と科学者の説明が続いたが、それは私の困惑を深めるばかりだった。
クローン?
クローン。
理解できないことなど、大概、考えるべきではない。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:35:00.43 ID:t2qVlfCp0
/////
気がつくと、私は基地内の自室にいた。
できることなら、さっきのことは全て性質の悪い白昼夢であったと結論したいものだったが、
そうはいかなかった。
爪゚ -゚)「大尉、命令を」
ずっと、私の目の前に『それ』がいるからだ。
(; ・∀・)(現実が、私の前で仁王立ちをしている)
言いえて妙だな、と我ながら感心するところだが面白くもない。
しばらく私がぼうっとしていたところに、携帯端末のベルが鳴る。
爪'ー`)y‐『ようやく出ましたか。私です』
( ・∀・)「あ、フォックスか。どうした?なんのようだい?」
どうした、じゃあありません!
端末の向こうでフォックスが怒鳴る。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:35:51.82 ID:0IzJnnHm0
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:39:00.42 ID:t2qVlfCp0
爪'ー`)y‐『はあ、いや別にいいんです。君が任務に遅れて懲罰房に入れられても。
それが嫌なら、ファイルを見直してみればよろしい。あの後ブリーフィングで渡されましたよね?
まあ、君はずっと上の空でしたがね。
とにかく、10分以内に六番格納庫へ。遅れないでくださいねぇ」
(; ・∀・)「え、ちょっ、何、ブリーフィングだって?……切れてる」
私も電話を切り、そしてしばらく眉間を押さえる。
自分がいかに動揺していたのかと思うと、溜息がこぼれた。
(; ‐∀‐)「ファイル……?」
爪゚ -゚)「ブリーフィング時に配布されたファイルならこちらに」
その声に目を上げると、確かに、ファイルは『それ』の薄い躯に抱かれていた。
( ・∀・)「ああ、気が利くね」
爪゚ -゚)「大尉の命令だったかと」
(; ・∀・)「おや?そうだったか」
ファイルを受け取り、適当に目を通す。
(; ・∀・)「……なんてことだ!」
命令を理解した瞬間、私は六番格納庫へ走っていた。
あれ、以前やってたやつ?
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:42:26.26 ID:05Id48vH0
sienn...
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:43:23.01 ID:t2qVlfCp0
/////
機体各部の自己診断結果はオールグリーン。
機体の周りにいた数人の整備士たちも、次々とゴーサイン。
( ・∀・)「エンジン始動する。インテーク、ノズルから離れろ」
右、次いで左エンジン始動。
初めは低いうなり声を上げていたエンジンが、だんだんとその作動音を高めていく。
正常な始動を確認。
可動部の油圧チェック。
爪'ー`)y‐「いつも通り、万全ですよ!」
私は返事ついでにハンドサインを送る。『車輪止め外せ』
車輪止めが外されて、私と機体は格納庫を滑り出ていく。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:44:17.96 ID:05Id48vH0
シエンタ
( ・∀・)「もうちょっとの辛抱だぞ……うん、いい音だ」
ごうごうというエンジンの音は周りのすべての音をかき消すほどに大きい。
けれど私には、その咆哮がどこか不満げなように思えた。
飛行機は空を飛ぶために作られたものなのだ。
そのエンジンだって、地べたを這うためにあるものじゃない。
( ・∀・)「最終チェック、急ぎで頼む」
滑走路で一度、機体を停止させる。
自己診断プログラムを再走査、異常なし。
主任整備士が遠巻きに眺め、半ば儀式めいた最終確認をする。フォックスが指でOKサイン。
よし。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:50:00.26 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「よし、ここまでだ。私はこれから模造品を叩いてくる」
爪'ー`)y‐「クローンなんぞに負けんで下さいよ、御武運を!」
親指を立てるフォックスを横目に、スロットルを全開へ。アフターバーナーに点火。
発進を許可する、という管制官からの声と同時に、私はブレーキを緩める。
速度計の数字はみるみる増え、機体は滑走路を駆け抜けていく。
( ・∀・)(後は感覚の世界だ、が)
意を決して機首を上げる。
機体がふわりと浮く。車輪からの振動はもう無い。
車輪を格納して、急角度の上昇を開始する。
大きな手でシートに押さえつけられるような感覚。嫌いではない。
規定の高度に到達。機首を下げて水平飛行に移行する。
ここから見ればすべてが小さい。
あの巨大な基地でさえ、模型同然である。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:53:00.21 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「管制塔、訓練空域までの誘導を願う」
『この訓練に関しては特別に管制機が用意される。今回はそれに従え』
( ・∀・)「たかが訓練に豪華だね。スポンサーでも付いてるの?」
『【あの会社】以外にわが軍のスポンサーはいないさ……そんなことより』
さっさと管制機に通信を切り替えろ。そう言って管制官は無線を切った。
そうこうしているうち、同型の戦闘機がもう一機上がってきて、私の右後ろにつく。
数時間前に私とフォックスの目の前に降りてきたのと同じ機体。
フォックスが、がっかりさせられた機体。
そして、そのパイロットは──。
『それ』の行った離陸は、着陸したとき同様に非の打ちどころがなかった。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:53:54.41 ID:05Id48vH0
支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:56:00.14 ID:t2qVlfCp0
( ∀ )「」
それなのに、不思議なことに私は舌打ちをした。
客観的に見て正確無比で素晴らしく、私も着陸には素直な賛辞を贈ったというのに。
ただ、その時とこの時点とで異なるのは、ある知識の差だろう。
あの機体のパイロットが『ヒト』であって『人』ではない。
『それ』は、上層部が老兵に突き付けた、人の形をした離縁状なのだ。
『こちら管制機<ハッピーストーク>。模擬戦闘訓練が行われる空域へあなたがたを──』
DACTか
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 20:57:59.99 ID:t2qVlfCp0
/////
私は、真っ赤に明滅する警報を、呆気にとられるがままに、見ていた。
『ロックオンされている。大尉、ブレイクせよ』
(; ・∀・)「しまったっ!」
管制機<ハッピーストーク>からの通信が、私を現実に引き戻した。
真っ赤なそれはロックオン警報。
誰にしてやられたのか。
これは一対一の模擬空戦である。考えるまでもないではないか。
(; ・∀・)(何て、無様なんだ)
それは、全くの油断だった。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:00:59.18 ID:XQYBhom7O
きたぁぁぁあぁぁぁぁ!
逃亡だと思ったじゃないか!頑張れよ支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:01:43.18 ID:t2qVlfCp0
あのクローンとの模擬空戦が始まったのは、この瞬間からほんの十分ほど前のことであり、
私が相手に先んじてその機影に気づき、完全に後背を取ったのはせいぜい一分前であった。
簡単なものだとロックオン、模擬ミサイルを放ったのが4、50秒前。
あとは撃墜判定を確認するだけとたかをくくっていた私である。
促成栽培品が、やがて人生の半分をパイロットとして過ごそうかというベテランに勝てるものかと、
敵機の回避機動を見る顔には微笑みすら浮かんでいたと思う。
敵機、ミサイル発射に気が付き機動開始。
急旋回。
フレア散布。
敵機、ミサイル回避に成功。
( ;・Д・)「なんと、まあ……」
それを見届けて、微笑を唖然とした表情に変えるのには、そう苦労はなかった。
ミサイルの不調ではない、発射角度も、最善でないが悪くはなかった。
悪い夢でも見ているような心地に、空にまで来て再びなるとは思っておらず、
そんな私の後ろに、敵機が食らいつくのはそれからすぐのことだった。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:04:48.60 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)(全く馬鹿じゃないのか?私が、だ)
何のことはない。
向こうが『常軌を逸した』旋回を行い、正攻法に回避しただけのことじゃないか。
動揺するべきじゃない。
たとえ、敵機を駆るパイロットが、あのように年若い少女のなりをしていても。
自分への恨み事を反芻しつつ、回避機動にうつる。
振り返って後ろを確認すれば、敵機は自機の排気に焙られんばかりに近かった。
ここまで近づくと、ミサイルの確実性はむしろ下がる。
射出されたミサイルの、加速する時間すらない距離だからだ。
となると、敵に残された攻撃オプションは一つ。さらに接近して機銃を叩きこむことだ。
実際、敵機は私の機体との距離を、さらに近づけようとしているようだった。
勘でタイミングを計り、45度バンクした状態で操縦桿を手前に引き倒した。
自分の体重が数倍される負荷に、体中がきしむ。
頭の血流は滞り、視界がモノトーンになる。
肺も押し潰されるようだ。息が苦しい。
それに歯を食いしばって耐え、ここぞと思う位置で操縦桿を戻した。
間一髪、曳光弾の放つ赤い光が、ほんの数瞬前に私のいた場所を貫く。
それが模擬弾とはいっても、気分は良くない。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:06:21.97 ID:05Id48vH0
しえんしえん
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:08:00.46 ID:t2qVlfCp0
敵の照準を外し、オーバーシュートを誘う。
そんな私の狙いのど真ん中に、敵ははまった。
敵機は半ば私の機体を追い越してしまったらしく、
ロックオン警報はあっけなく解除された。
私は呼吸を整えながら、それを確認する。
なるほど。
(# ・∀・)「くるくる回れるだけ、ということかッ」
素質はある。だが、賢く立ち回ることはできないようだった。
もったいない話だが、私は無遠慮に、それに付け込むことにさせてもらう。
頑丈なだけの新人を相手にした戦術なら、いくらでもある。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:09:01.26 ID:xS9V+6Tw0
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:10:06.60 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「さて」
ねたが割れれば、どうということはない。
クローンにないものを、経験の差を見せてやろうじゃないか。
背面飛行に移り、操縦桿を引く。
降下していく自機が、その前方に敵機の姿を捉える。
敵機は回避機動をようやく始めるところであったが、もう遅い。
( ・∀・)「反撃を始めよう、か」
照準の真ん中に敵機の姿。すぐさま射撃ボタンを押し込む。
20ミリ機関砲が吠えた。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:11:32.41 ID:Ep6ckweVO
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:13:04.50 ID:t2qVlfCp0
/////
『<ハッピーストーク>より訓練中の各機へ。既定の時間だ。訓練を終了し、所属基地へ帰投せよ』
終わってみれば、全くどうということはなかった。
私は一発も食らっていないし、あれ以降ロックオンも許さなかった。
対して、相手の機体は悲惨な状況である。
エンジンブロックからエアーインテークにかけて、模擬弾の蛍光塗料が
機体の中央を緑色に染めていた。
実戦なら機体は爆発して四散しているだろう。
キャノピーにも数発命中させた。これも実戦であれば、パイロットに被弾、即死。
十分間のドッグファイトで、敵機への撃墜判定は、前述含めて計五回。
機関銃で三回、少し距離を取って、ミサイルでさらに二回。
( ・∀・)(……フルコースだ)
一方的な結果になったものだと我ながら思う。
このような訓練を通して私が思ったのは、クローンという『モノ』に関して、
新兵器としての有用性がまだ乏しいということだ。
強い遠心力に耐える身体の頑強さも、お粗末な戦術を立ててしまえば意味がない。
ハードウェアにかなうソフトウェアが必要であろう、と。
( ・∀・)「了解。帰投する」
そして進路を南に向ける。後は、管制機の指示に従うだけでいい。
一息ついた私は、眼下の風景に目を向ける。
ここそこにクレーターが大穴を開ける、殺風景な大地があるだけだった。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:17:00.55 ID:t2qVlfCp0
/////
基地に着陸し、元の六番格納庫まで機体を移動させた。
件のクローン機も、四番格納庫でなく、私の横に駐機した。
爪'ー`)y‐「お疲れ様。どうでした、あの新兵器は?」
私がキャノピーを開けるやいなや、フォックスがはしごを立て掛けつつ、
そのように尋ねてきた。
彼の視線は、私の機体の向こう、同じくキャノピーを開けたところの、
あのクローンに対して向けられていた。
( ・∀・)「うん……ちょろいね。今のままだと、『北』の無人戦闘機と変わらない」
爪'ー`)y‐「しかし、このままではない。そうでしょう?」
( ・∀・)「それは、まあ、そうだろう。なんといっても、器は人間と同じ……」
あの頑丈さに、経験が上積みされればどうなるのだろう。
そこに考えが及んで、薄ら寒さを覚える。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:19:17.43 ID:xS9V+6Tw0
支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:20:44.88 ID:sTYdh+tL0
もどってきてくれて嬉しいよ 支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:21:31.01 ID:t2qVlfCp0
爪'ー`)y‐「どうしました?急にぼんやりとしてしまって」
( ・∀・)「……さて、降りるとしようか。デブリーフィングだ」
爪'ー`)y‐「そうしましょう。ああ、終わったら飲みに行きません?
聞きたいことがいろいろありますから」
( ・∀・)「それはいいね」
その続きを、あえて強調して言うことにした。
「ネタには尽きないよ」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:22:21.29 ID:gy7UKnXz0
いいねいいね
支援
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:23:30.41 ID:t2qVlfCp0
/////
『高度なジャミング下における近距離戦闘訓練』
と銘打たれた先の戦闘シミュレーションは、
従来のパイロットとクローンパイロットとの初顔合わせだったらしい。
その結果はもはや言うまでもないが、史上初めての戦いを
人間の勝利に終わらせたということを含めて、
私はその栄誉(と基地司令は言った)を喜ぶ気にはなれなかった。
(; -∀-)「まさか、デブリーフィングにあれほど時間をかけるだなんて……」
夕方から深夜まで続いたデブリーフィングのおかげで、
結局フォックスとの約束もお流れになってしまった。
全くもって、今日という日は、あの新兵器に振り回された一日といえた。
あの科学者の紹介から始まって、空戦のこともある。
そしてこのデブリーフィングと、私はエネルギーを浪費するばかりだった。
爪゚ -゚)「この後は、大尉の自室で引き続き、諸説明に
移りたいと思います」
(; -∀-)「なんてことだ。もうガス欠だよ」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:24:30.55 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)「任務であります」
(; -∀-)「……君、こういう時はね、労いの言葉をかけるのがいいんじゃないかな。
例えば、お疲れのところ失礼いたしますが、とかさ」
爪゚ -゚)「了解。お疲れのところ失礼いたします」
(; -∀-)「……うん。もういい」
自室に戻れば、また長々と説明を聞くことになるのかと思うと、
クローンの道徳面に説教する気にもなれなかった。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:25:59.35 ID:05Id48vH0
しえん
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:28:15.65 ID:xS9V+6Tw0
支援
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:28:26.11 ID:t2qVlfCp0
/////
三十年前の戦争によって、大陸総人口の半分が失われた。
特に、先進地域だった中央部の被害は著しく、人類がこれを放棄して久しい。
戦後しばらくすると、その中央部を挟んで、南北に二つの政治機構が成立した。
『南』──南部独立国共同体──と、
『北』──汎大陸連邦──。
これらの勢力が、復興のために協調していた時代は確かにあった。
しかし、それは各々がとりあえずの復興を遂げるまでの、わずか数年の話でしかない。
孤児、戦傷兵士等々の戦後処理にかたがつくと、南北は闘争を始めた。
思い出したかのように。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:30:12.64 ID:eRkA2W1w0
面白くなってきた
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:30:30.57 ID:t2qVlfCp0
闘争は初め経済的な軋轢として姿を現し、それが極みに達したとき、戦争が始まった。
件の『新兵器』を見たときには、すでに開戦から三年が経っていた。
もはや『南』において、戦場にクローンがいることは、何ら特筆すべきことではない。
陸軍では最前線の兵士は例外なく、海軍では甲板員の多くは
クローンによって構成されるようになっていた。
同じく『北』もまた、高度なAIによる自律戦闘兵器が、人に取って替っている。
「人命の尊重のために」、工場で大量生産されたクローンが、
各々戦場で武器を手に取り、戦い、破壊される。
これが『南』の軍事機構に、もはや分かち難く結びついたルートなのだ。
だが空軍は、そうした流れと全く隔絶しているように見えた。
パイロットにせよ、整備士にしても、よく訓練されていることが要求されたし、
陸海軍ほどには人的消耗は激しくない。
つまり空軍には、大量生産・使い捨てのクローン兵の進出を許さない、
人間の牙城であり続けられる理由があった。
しかし、破局は結局訪れた。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:33:11.38 ID:t2qVlfCp0
( ‐∀‐)(いつかはこうなるって、分かってはいた。しかし……)
終わらない戦争のさなかで、空軍は徐々に消耗し続けていたのだ。
一度の出撃で失われる戦力はわずかでも、この三年間、空軍はあらゆる戦場の上空にいた。
パイロットは疲弊し、それでも出撃を強いられて、撃墜される。
パイロットは一たび失われれば、その穴を埋めることは容易ではない。
結果、歯抜けのようになった編成で飛ぶしかない彼らは、
より多くの任務を押しつけられ、疲れきってゆく。その先には、更なる損失があった。
この悪循環のために、いつしか空軍全体が疲労していた。
一方『北』は、我々に先んずること数カ月、無人戦闘機を大々的に投入してきていた。
理由はやはり明白である。
彼らもこの疲労に悩まされていた。
そして、一足先に、このサイクルから抜け出したのだ。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:35:04.95 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)「大尉。説明を開始しても宜しいでしょうか」
( ・∀・)「ああ、頼む」
そして我々もまた、脱出を試みようとしているということか。
爪゚ -゚)「我々は軍用ヒトクローンG型。製造はスレスト・バイオ社。
空軍の発注によるクローンの、最初のモデルです」
落ち着きのある、透き通った声が、私の部屋に静かに残響した。
( ・∀・)(我々……?)
私以外には、この部屋には『それ』が一人、いや一体いるだけだ。
やや不可思議だったが、クローンというものが均質、均等であることを思い返し、納得する。
( ・∀・)(自分を他の個体と分ける必要が無いというわけだ)
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:37:00.54 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)「我々は現生人類の遺伝子の平均を基に製造されています。
特定個人のゲノム・データを複成しているものではないため、
人間がもつ基本的な権利はこれを保持していません。
根拠となる関連諸法はマニュアルの奥付に掲載されています」
( ・∀・)「なるほど、うるさい人権団体もシャットアウト、と」
爪゚ -゚)「はい。クローンに関する反対意見は、いかなる団体からも確認されていません」
( ・∀・)「ふぅん、いくら掴ませたんだろうね、スレスト社は、連中に」
爪゚ -゚)「質問の意味が、理解できません」
私の皮肉はねじ伏せられ、再び説明が始められる。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:40:00.52 ID:t2qVlfCp0
しかし、目の前にいるクローンの言い分がどうあれ、私が思うに、
スレスト社が金をばらまいていないなどと考えるのは、あまりに能天気な考え方だろう。
大陸の二大企業の片割れ、スレスト・インダストリアルは、もうずいぶん昔から
政府や軍と蜜月の関係にある。そうして得た利益の、コンマ数パーセントを
くれてやるだけでも、人権団体を手なずけるにはお釣りがくるはずだ。
地獄の沙汰も……。そんな言葉が思い出される。
( ・∀・)「はっ、まあいいや、続けて?新兵器ってのはどれだけすごいんだい?」
爪゚ -゚)「はい、大尉。では、簡単なスペックの説明から──」
こうして説明はとめどもなく続き、気がついたときには、もう日をまたいでいた。
爪゚ -゚)「……と、以上で説明を終了させていただきます」
( ・∀・)「ああ、ご苦労さま」
虚礼の言葉をいうと、私はすぐにベッドに倒れ込んだ。
( -∀-)(ああ、本当に、なんて日だよ、全く……)
うつ伏せになって、顔を枕にめり込ませる。
(; ・∀・)「どうして、まだそこに?」
自分以外の誰かの存在を感じて、私はやむなく顔を上げた。
そして、ぴくりとも動かず、直立不動でその場に居残る『それ』の姿を見た。
爪゚ -゚)「休止地点の指示を受けていません」
琥珀色の瞳をじとりと向けられて、私は顔を背けた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:43:30.70 ID:t2qVlfCp0
(; ・∀・)「そんなことまで、指示がいるって?」
爪゚ -゚)「指示を、受けていないのです」
(; ・∀・)「……わかったよ」
ともかく、私は『それ』にベッドをあてがってやることにした。
渋々ではあったが、夜明かし睨まれるよりはましだろう。
こういうとき、誰に断ればよいのか初め見当もつかなかったが、
とりあえず基地の憲兵隊に連絡を取ることにした。
「おたく、飛行隊の大尉さんだろ?なら、自由に部屋をくれてやって問題ないはずだ」
果たしてこう返された。つまり、どこにやるかは自由に決めてよいというわけだった。
(; ・∀・)「困った」
そういう丸投げが一番面倒なのだ。
これから端末で空き部屋をさがし、そこまで送り届けなければならないのかと。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:45:30.60 ID:t2qVlfCp0
(; ・∀・)「勘弁してほしいな……そういえば」
『それ』が直立不動で突っ立っている後ろ、ベッドが存在していたことを思い出した。
この部屋は本来相部屋であったのだ。しかしある時から住人は私一人になり、
以来、ベッドは私の私物に半ば埋もれてしまっていた。
( ・∀・)「今日はそこで眠りたまえ。いろいろ乗っかってるが、退かしてかまわん」
そう言ってやると、『それ』はものすごい速さでベッドを片付けにかかる。
律儀にも、ベッドの上に積まれていたのと同じ配置で、床の上に私物は並べ直されていった。
( ・∀・)「マメだね……実に感心するよ」
爪゚ -゚)「命令ですので」
( ・∀・)「ああ、そうだね」
一通りベッド・メイキングを済ますと、『それ』は服を脱ぎ始めた。私の目の前で。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:49:12.84 ID:xS9V+6Tw0
支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:50:00.34 ID:t2qVlfCp0
まずは濃紺のジャケットから。
そして、白いワイシャツ。
私はその様子を、特に目をそらすわけでもなくただ見ていた。
私の機体の計器類を見るように。
『それ』はベルトに手を掛けると、そのまま取り払い、
紺色のスラックスも難なく脱いだ。
( ・∀・)「兵器か……」
今やインナーだけしか着ていない『それ』を見ると、私の中で、確かにこれは
空で戦うべく造られた生体部品なのだなという得心がいった。
小柄であった方がGに強い。かといって小柄過ぎれば、これまでに生産された
航空機に乗るには小柄過ぎていけない。つまり、これが適正なのだろう。
その小さな筐体には、不必要なぜい肉はついていないし、かといって
空を飛ぶには邪魔になるような過剰な筋肉もない。
全体として、人間の体を表現する言葉で表せば、スレンダーということになるだろうか。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:52:00.76 ID:XQYBhom7O
し
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:52:12.80 ID:U9sSl2a60
うほっ
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:52:26.29 ID:xS9V+6Tw0
いいじゃないか
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:53:15.14 ID:t2qVlfCp0
考察する私を尻目に、『それ』は自分で片付けた寝床につくと、即座に寝息を立て始めた。
不眠症という言葉は、軍用クローンにはないのだと私は思う。
( ・∀・)「ベッドを片付け、そしてそこで眠れ、か。
確かに私はそう命じていた。『マメだね』って私は言ったけど……」
単に、命令に従っただけ。マメっていう『個』性から来る行動じゃあない。
ようやく一人になれたと同時に、さまざまな感慨が心に浮かびあがってくる。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:55:00.43 ID:t2qVlfCp0
ついにこんな時代が来てしまった。と私は思った。
『人』が死なない戦争。
かつての戦争で、名もなき兵士が最前線で引き金を敵に引き、引かれていたものが、
これからは後方の工場で名もなき労働者が生産ラインのボタンを押すのだ。
この二つが、戦果の上で等価値になる時代。
まさか、と思っていた。しかし、目の前で眠るものこそ新時代の兵器そのものであり、
実物を見た以上、私としてもそういう未来を信じざるを得なかった。
そんな未来に、わだかまりが無いわけではない。
こんなモノがいよいよ配備されるまでに、一体どれだけ人が血を流したことか!
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:57:30.42 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「あいつは、墜ちて片足を切らなきゃならなかった……」
今やクローンが眠るベッドに、かつての戦友の姿がオーバーラップする。
以前いた、そのベッドの主。私と違って調子のいい男だった。
そんな彼もまた、多くの『南』空軍パイロットの後を追っていった。
過労につけ込まれて撃墜され、右足を失って軍を去った。
( ‐∀‐)(もっと昔から、クローンに空を任せていたら?)
そう自分に問いかけた。おそらく、我々パイロットは民間の企業で働く
一般人だったろう。戦死者が出ようもない戦争のニュースに一喜一憂していたことだろう。
彼だって、五体満足でいられたろうに。
いっそ今にでも退役して、多少不甲斐ないこの後進に後を譲ることもできる。
そうすれば、手足ワンセットを欠けることなく伴って、基地のゲートを出ていける。
しえん
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 21:58:26.41 ID:xS9V+6Tw0
支援
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:00:00.42 ID:t2qVlfCp0
ここまで思いめぐらし、私はその仮定を粉砕する。
( ・∀・)「だが、ね……」
一呼吸置く。そして『それ』を睨みつけて言う。
( ・∀・)「この戦争は人間が始めて、人間が戦って、人間が血を流してきた……」
だから。
( ・∀・)「中途半端にして降りるなんて、私には出来やしないのさ。
私はもうパイロットとしては老兵だが、ただ消え去るなんて、まっぴら御免だ。
……最後まで飛び続けてやる」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:05:03.50 ID:t2qVlfCp0
ここまで言い切って、私は自分の顔がほころんでいることに気が付いた。
終わらない戦争、いつまで経ってもやって来ない出番に腐っていた私が、笑っている。
生き残ることしか考えてこなかった私が、改めて掴んだ信念。
人間の兵士として、この戦争を最後まで見届ける。
時代の流れという巨大な敵に立ち向かうということ。
一つ、決意した。それだけのことが嬉しかったのだ。
( ‐∀と)「ま、なんにしても……寝よう。全ては明日からだ」
そう言ってベッドに身を沈めると、驚くほどたやすく、私は眠りに落ちた。
しかし、この期に及んで、本当に次の日から生活が変容するなどとは、
私は未だ夢にも見ていなかった。
――2.『強行偵察(前)』へ続く
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:05:49.30 ID:xS9V+6Tw0
とりあえず乙
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:08:22.65 ID:t2qVlfCp0
では、2話投下に移ります
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:10:00.48 ID:t2qVlfCp0
2.強行偵察(前)
私は早朝の冷えた空気を押し分けながら、黙々と走っていた。
( ・∀・)(往生際悪く飛び続ける、なんて言った手前、ね)
これは、前の晩に宣言したささやかな決意。
そして、誰も聞いていないであろうそんなことを、私は実現するつもりでいた。
まずは体力を取り戻すのが先決と考えた私は、翌朝早朝に兵舎を飛びだしたのだ。
あのクローンを置いて。
(; ・∀・)(にしても、張り切りすぎたか……?)
4000メートル級の滑走路を2本持つ私の基地である。
兵舎を出て、滑走路、そしてそれらを囲む格納庫や管制塔などの主要施設群を
ぐるりと一回りすれば、それだけでたっぷり10キロはある。
そういうわけで、滑走路を挟んで兵舎が反対側に見える頃、
私は、有り体に言えば後悔し始めていた。
訓練の一つとしてはともかく、これは調子に乗り過ぎではないかと。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:11:52.80 ID:2YNYrdr7P
しえん
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:12:00.51 ID:t2qVlfCp0
(; ・∀・)(フォークリフトか……いかんいかん、何を考えているんだ)
格納庫のそばに駐車されている作業車両にまで目移りする自分に腹が立つ。
車に乗って帰るジョガーなんて、情けないにも程があろう。
(; ・∀・)「まあ、じっくり行こうか……なんだ、あれ」
私が立ち止って汗を拭いていると、何気なく見た兵舎の玄関から、
群青の制服を着た人影が飛び出してきた。
( ・∀・)「?……まあ、行くか。こうなったら一周だ」
私は行く道の方角に向き直り、再び足を踏み出した。
( ・∀・)(クローンなぁ……)
道のりの中、私は『新兵器』について思いを巡らせていた。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:14:00.44 ID:t2qVlfCp0
さて、この3年前に始まった『北』との戦争は、それに遡ること四半世紀、
これまた戦争――これは核戦争だった――からの経済復興に端を発する。
かつて人類文明の中心だったこの大陸は戦争によって、実質的に一度滅びた。
大陸の中核だった国々は、街も人もことごとく蒸発し、黒い雨に溶け、
それ以外の地域も、その混乱と無縁ではいられなかった。
戦後、大陸の人々分布は核汚染のひどい中央部に分断される形になり、
南北でそれぞれが復興を行っていった。
人口は半減、出生率も1を切る状況だが、悪いことだけではなかった。
なにせ住める土地を求めて難民が押し寄せたものだったから、
これまで民族がどうとか言っていた問題が、結果的になりを潜めたのだ。
ちなみに、私もまた、中央からの難民の一人だった。
故郷が蒸発するという貴重な光景も、私は遠くから見ることができた。
火球が炸裂し、空間が波打つ。
話を戻そう。
その後の経済復興は恐ろしく早かった。
マイナスがゼロに戻るということは自然に則していたし、
北にも南にも、食うにも困る人々が大勢押し寄せていたのだ。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:16:00.45 ID:t2qVlfCp0
思えば不思議なことだが、復興が進むにつれ、大陸の南北はそれぞれ
互いから自立していき、ついには『北』と『南』は別個の国になってしまっていた。
そこで何が起こったのか私にはわからない。わかりたくもない。
きっと、政治家の生き残りが、主導権争いでもしたのだろうと思う。
( ・∀・)(『もはや、戦後ではない』か、懐かしいな……)
そうした言葉が政府の広報に踊るころ、私はひよっこパイロットとして、
おっかなびっくりながら空を舞うようになっていた。
さて、復興は成ったが、問題はその後だった。
必要なものが国中の人々に行きわたり、もう工場を動かす必要はなくなった。
しかし、ここで止めればどうなるか。
雇用を守るために、余った分は輸出しよう。『南』政府はそう考えた。
ところが、輸出先を探す国家は『南』だけではなかった。
( ・∀・)(笑い話だよ……誰が買うんだ?みんな売りたいっていうのに)
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:19:00.24 ID:t2qVlfCp0
やってきたのは大不況だった。
政府への不満が高まると、彼らは手っ取り早い国民のストレス解消法を選んだ。
景気が悪いのは、優秀な我が国の製品を買わない他国のせい。
我々は、雇用を守る努力をしているだけだのに、他国はそれを不当に非難している。
と。
当時、政府が大々的に他国に責任を転嫁し始めたのを、
私と同僚たちは苦々しく見ていた。
最悪、尻拭いをするのはこの我々じゃないか。
どうしてお前らが背中を押してくるんだ、と。
( ・∀・)(果たして、その通りになった)
そうして、ついに3年前戦争が始まり、『南』は『北』とずっと戦う羽目になった。
海で、山で、そして空で多くの血が流れたが、戦況に変化はなかった。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:19:54.30 ID:sTYdh+tL0
支援
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:21:00.39 ID:t2qVlfCp0
ところが、変化は経済に生じた。
長らくゼロとマイナスの境目をさまよっていた経済成長が、
大きくプラスへ躍進したのだ。
遠くの戦場で軍人が多くの血を流している一方で、
市民の生活は逼迫するどころか、いよいよ豊かになった。
( ・∀・)(で、軍に人材が尽きたら、クローンか。大概だな)
陸海空、あらゆる組織がその損害に耐えがたくなってきたとき、
『南』ではクローンが、『北』では自律戦闘機械が人に取って代わり始めた。
なぜ、南北で『人の身代わり』が異なるのだろうか。私は考察する。
おそらく、二つの大企業グループの性質を、そのまま反映しているのだろう。
『北』のスカルチノフ・スチール、『南』のスレスト・インダストリアル。
それぞれが、それぞれの地域で押しも押されもせぬ大企業グループを形成していた。
海外へ進出しようとするこれら大企業にとって、互いの存在は、
おそらく排除しておくべきものだったに違いない。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:23:00.45 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「ふぅ……ペース、もう少し上げるか」
腰のドリンクホルダーからスポーツドリンクを取り出し、口に含む。
生産者、スレスト・ボトラーズ。軍へは無償供与であるらしかった。
このような有形無形の援助が、『南』でも、『北』でも行われていた。
戦勝後の条約に、『敗戦国の大企業の解体』という条文を付け加える代わりに。
さて、ここで先に言及した大企業の性質というものが、大いに影響してくる。
スレスト社は特に生物工学に重点を置いた企業であり、
対してスカルチノフ社は金属加工、また人工知能の研究に先んじていた。
そうとくれば、何が人に取って代わるかは自明となる。
各々の最有力技術をもって、『新兵器』を開発したのだと。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:23:29.55 ID:05Id48vH0
しえしえ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:25:00.16 ID:t2qVlfCp0
「大尉」
(; ・∀・)「ぬふぅ」
突然、背中に声を投げかけられて、私は情けない声を上げてしまう。
(・∀・ )「……ああ、君か」
平静を装いつつ振り向けば、そこにいたのは、あのクローン。
昨日と同じく紺色の制服を身にまとい、無表情を顔に張り付けていた。
爪゚ -゚)「大尉、これを」
『それ』は制服の平たい胸ポケットから携帯端末を取り出すと、差し出してきた。
受け取ってみると、それは私の端末だった。
メニュー画面に、基地司令からの指令書が届いたことを示す、手紙のアイコン。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:25:38.07 ID:Es6EjKZVO
まさか、続編か?
支援支援
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:28:08.69 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「うん、受け取った」
爪゚ -゚)「では、私は帰還します」
( ・∀・)「……いや、ちょっと付き合え」
親指で、行く先を指し示す。
爪゚ -゚)「……了解」
私は、端末で指令書を確認しながら、この小柄な『新兵器』を
傍らに引き連れて歩くことにした。
( ・∀・)(多分、私だけでやる任務ではないんだろうな……)
その直感は当たった。
( ・∀・)「新しい任務だ。今度は実戦なんだと……君と飛ぶことになる」
実戦。
口に出せばまた違った趣がある、と私は思った。
数カ月ぶりの実戦に、否が応でも心が高ぶる。
これが『新兵器』の実地試験の一環だということを差し引いてなお、だ。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:30:00.37 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)「……」
反面、クローンの顔はその一張羅しかないように、無表情のままだ。
初の実戦というものをどう感じているか、それをうかがい知ることはできない。
( ・∀・)「……なん、だと」
ある情報を目の当たりにして、画面をスクロールさせていた私の手が止まった。
作戦開始時刻 本日 10:00
なお、新兵器の実戦投入にあたり、軍用クローンG-000……を空軍少尉に任官する
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:32:00.13 ID:t2qVlfCp0
(; ・Д・)「10時、だって?」
爪゚ -゚)「現時刻より3時間と12分15秒後であります、大尉」
アラートやスクランブルじゃあるまいに、ここまで急なことが。
そして思った。
( ・∀・)「お上は、本当にクローンで戦争するつもりなんだな……」
クローンに階級まで与える性急さを、私は上層部に感じ取った。
人間の組織に無理なくクローンを組み込むためには、確かにこれが上策であるが。
( ・Д・)(そんなに人間を追い出したいか……?)
戦果が得られれば、人間でも、そうでなくても構わないというのか。
どうしても釈然としない思いが、言葉に出なくとも顔面に固着する。
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:33:51.30 ID:05Id48vH0
しえい
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:34:00.42 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)「……大尉?」
( ・∀・)「ん?ああ……何でもない」
件の無表情にじとりと見つめられて、私は我に帰る。
全く、何を考えていたものかと。
上層部が私たち人間のパイロットを追い出すかどうかなど彼らの裁量であり、
一度決まれば私ごときにはどうしようもないのだ。
宇宙が終わったらどうしようと考えるのと同じく、全くどうしようもない。
そうだとも。淡々と毎日を過ごしていくしかない。私は気を取り直した。
( ・∀・)(まずは兵舎に帰ることだ)
私は兵舎に足を向けた。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:36:00.21 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)「……」
( ・∀・)「どうした?早く準備に取り掛からなければ」
爪゚ -゚)「……了解」
立ち止まっていたクローンに声をかけると、ゼンマイを巻いた車のおもちゃのように、
びゅんと朝もやの中を突っ切って行ってしまった。
(; ・∀・)「ああ……こうやって追いついたのか。はは、こいつは凄い」
一人取り残されて呆気にとられた私だが、スレスト社の仕事の確かさに
感嘆の言葉をつぶやいた後で、足取り重く再び走り始めた。
あれが少尉、なあ。
私は思った。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:36:01.66 ID:I3i5VBbl0
まとめのないカス作品は大変だねw
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:38:30.37 ID:t2qVlfCp0
/////
爪'ー`)y‐「久しぶりの実戦。と言っても、私の仕事は変わりませんけどね?」
およそ2時間後、愛機が待つ戦闘機格納庫に私はいた。
グレーのデルタ翼機の下で、幾人かの整備士があれこれ作業に没頭していた。
手際は問題ないが、彼らは何かをちらちら気にしているようだった。
その目線の先にいたクローン、少尉は、パイロットスーツを着ているとはいえ、
この場にそぐわない容姿であることは明らか。
一方少尉自身は全く気にもかけていない様子で、出撃を待っていた。
( ・∀・)「カメラポッドはもちろんだけど、ミサイルも数基積んでおいてくれ」
爪'ー`)y‐「大した用心ですね。目標は軽武装の小さい空軍基地でしょう?
しかも、ただの偵察って話じゃないですか」
ここに来る前のブリーフィングには、フォックスも出席していた。
それだけに、簡単な任務に過剰な装備を要求する、私の考えを計りかねるようだった。
( ・∀・)「大した用心、まあそうだ。でも、備えあれば憂いなしだからね。
……そもそも、私はでっかい不確定要素と一緒に飛ぶんだぜ?頼むよ」
私がちらりと目を向けた先には、クローン少尉。
フォックスも少尉の姿を認めると、納得したようにうなずいた。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:40:05.72 ID:+eaLNRFo0
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:43:04.51 ID:s498EY2c0
早く投下しろよ
よんでねーけどw
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:44:11.44 ID:t2qVlfCp0
爪'ー`)y‐「……分かりました。ま、出来るだけのことは。
しかし、思うんですがね?ミサイルはほどほどに、増槽を積むべきかと」
整備士たちが、フォックスの言葉に機敏に反応して、ミサイルと増槽を
機体のハード・ポイントの下に手際良く用意し始めた。
( ・∀・)「ほう、どうして?」
爪'ー`)y‐「遠出ですからね。帰りの電車賃を残しておけた方が、安心でしょう?」
大陸の南部から北へ1000キロ近く飛ぶ、行って帰って2時間程度の任務だ。
それを考えたとき、確かにフォックスの言うとおりだと、私は思い直した。
( ・∀・)「そうだな。じゃあ、片道分頼んだ」
言うが早いか、両翼のハード・ポイントに一本ずつ増槽が取り付けられ、
固定金具の音が格納庫に反響した。
爪'ー`)y‐「なかなか、優秀でしょう?うちの連中」
フォックスが、得意げに親指を上げる。
( ・∀・)「ああ、知ってる。頼むよ、これからも」
私はフォックスとこぶしを突き合わせた。
支援
ID変えて荒らしとるアホが湧いてるから、スルーしとけ
支援
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:47:36.81 ID:XQYBhom7O
支援
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:48:00.28 ID:t2qVlfCp0
/////
爪゚ -゚)『<エコー>より<ドリフター>へ。敵レーダーの範囲内まで5分』
二か月ぶりの実戦の空を、私は飛んでいた。
私以外の飛行隊パイロットがとうとういなくなった三月以来、初めてのことだった。
一機きりでは任を果たせない。
そうして長らく基地に留め置かれていたところに、私の隊は前日新たなパイロットを迎え、
最小単位である二機を充足して実戦任務が可能になったというわけだ。
( ・∀・)(悪くない、この感覚)
敵国奥地への強行偵察を命じられ、『北』の空に深く分け入っていた私である。
言い知れぬ不安、緊張といった忘れかけていた感覚が、新鮮さを持って押し寄せていた。
不安といえば、実戦のブランクもそうだったが、さして問題でない。
むしろ、その間の孤独な鍛錬の成果を見せてやろうという気概こそあった。
( ・∀・)「……了解した。こちら<ドリフター>。降下する。ついてこい、少尉……いや、<エコー>」
本当の不安の種。
あるとすれば、やはりこのクローンをおいて他にない。
私にできることと言ったら、装備を整える他には、
ろくに実績もない新兵器を託してきた、無責任な上層部を信じることしかないのだった。
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:49:31.47 ID:s498EY2c0
荒らすと支援が増える
俺は支援すら面倒くさがる読者へ鞭を入れる役割だろうな
ほらほら、しゃかりきこいて支援しろや支援奴隷w
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:51:00.37 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)『ところで』
右後方を飛ぶ少尉――TACネーム<エコー>――の機体から無線が入る。
真下が起伏のない草原であるにしても、少尉はこの低空飛行によくついてきていた。
( ・∀・)「どうした」
爪゚ -゚)『あのとき格納庫内でフォックス中尉とお話しされていた、『不確定要素』とは、
一体何のことなのでしょうか?』
少尉自身のことだ、言わせるな恥ずかしい。などとは流石に言い難かった。
( ・∀・)「……敵の基地の現状についてだ」
爪゚ -゚)『敵基地、ですか』
これは苦し紛れとはいえ、全くのでまかせでもなかった。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:52:18.95 ID:llAaooej0
面白そうだ
これから詠むよ支援
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:52:43.62 ID:KRX38OLX0
特に感想がないけどしえ
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:53:22.14 ID:XQYBhom7O
TACネームっつかコールサインじゃないの?まぁどうでもいいけど
し
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:54:33.46 ID:t2qVlfCp0
このような偵察任務は、本来なら航空機部隊に回されることなど無いと言ってよい。
動かない目標に対してなら、普通は衛星を使えば良いのだ。
10センチ四方の物体すら区別できるそれは、本来無くてはならない空からの目のはずだった。
しかし、24時間常に何らかの衛星が使えた、開戦時の万全の態勢は、
たった3年の間に、もはや見る影も無くなっていた。
戦争の最序盤、低軌道を周回する衛星が撃墜されたのを皮切りに、
南北両軍とも敵衛星の破壊に全力を上げていたためだ。
破壊された衛星とその破片が、世界の宇宙開発に
致命的な障害となりかねない状況に陥って、両国は衛星の使用自粛を取り決めた。
戦時中に結ばれた、数少ない妥協の一つだった。
( ・∀・)(おかげで、こっちは無駄な度胸試しをする羽目になる)
最低でも1日1回、『北』の軍事施設を監視していた目を失い、
情報の鮮度は以前より格段に落ちた。
これから行く地方の小基地など、偵察は数カ月ぶりだという。
これでは、向こうの現状は推し量ることも叶わない。
ふう。追いついた。
( ・∀・)「……と、言うわけだ。無理はしないように」
爪゚ -゚)『ですが、任務に変化はありえません』
暇つぶしついでにこのようなことを私が話すと、
真の『不確定要素』に、決然として切って捨てられた。
( ・∀・)「まるで、自分が墜ちないかのような口ぶりじゃないか、少尉」
私はひゅう、と口笛を吹いた。
エースにでもなるつもりかい?私は茶化す。
爪゚ -゚)『いいえ』
( ・∀・)「じゃあ、何だ?」
爪゚ -゚)『……私は、墜ちてもよいのです』
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 22:58:30.51 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「……そりゃあ、どうして?」
我々は兵器として生産されている。
潤沢に生産されるクローンは『北』の自律戦闘機械に対抗し、
人の損害を低減するために存在している。
我々は任務の達成、戦争の遂行のために、最も合理的な選択をする。
時には不可逆的な損傷を進んで得るかもしれないが、
合理的な判断の結果であるから問題はない。
などと少尉は続け足して言った。
なるほど、確かにそうかもしれない。
少尉の言うことにも一理ある。
だが。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:00:00.46 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「墜とされることが合理的であることなんて、ないと思うがな」
こちらも、その見識、切って捨ててやろう。
勝手に撃墜されるのは、私にとって迷惑極まりない話だったからだ。
爪゚ -゚)『……理由を』
理解に苦しむ、というニュアンスが無線の向こうから漏れ出してきた。
人工子宮の中で学習した行動原理を否定されれば、さもありなんと私は思う。
思えば、少尉が感情を声に乗せてきたのはこれが初めてだった。
( ・∀・)「前提として、まあパイロットって人種は生きのびるのが仕事でね。
わかるだろう?片道旅行でいいならミサイルのが余程いい」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:01:22.95 ID:o4ZE06Ts0
くそつまんねえよばああか
おらおら同情支援しろや読者どもw
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:02:00.45 ID:t2qVlfCp0
爪゚ -゚)『ですが、クローンは……』
( ・∀・)「私が話してる。まあ聞け……なぜ生きのびるのかって、
まず、人が生きたいと思ってるからだ。当然のことだが」
爪゚ -゚)『……』
( ・∀・)「第一がそれとして、第二に、金と時間がかかってるからだ。
少尉のような半人前を、この私のような中年に負けるようなパイロット、
一人育て上げるのに、一体どれだけの金と時間がいると思う?
おいそれと機体を棺桶にさせるわけにはいかないね」
爪゚ -゚)『学習なら、生産時に刷り込まれています。それではいけないのですか?』
( ・∀・)「正直、出来はいいがまだ新米レベルだと思ってる。
あれじゃあ、少尉。『北』の無人主力機に何もできずに終わりだよ。
刺し違えるなんてこと空戦には無いんでね。犬死だ」
爪゚ -゚)『……大尉、あなたの言うことを理解する限り、大尉は我々クローンの
意義を否定しているように思えます。……本当に、そうなのですか?』
困惑したように、少尉は質問を繰り返した。
存在意義を否定してくれるな、という哀願のような口ぶりで。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:02:44.88 ID:o4ZE06Ts0
オナニー地の文長すぎw
オナニー会話文無駄すぎw
ちったぁ削って見せるってことを覚えろやw
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:03:24.44 ID:ekXxhLD00 BE:3470170469-2BP(241)
支援
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:04:05.18 ID:o4ZE06Ts0
ひゃひゃひゃ書けばいいってもんじゃねえんだよw
説明文かお前の小説はw
どっこがおもしろいんですかああああ??
くだらねくだらねw
くっだらねえww
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:04:30.32 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「ああ、その通りだ」
私は彼らクローンに鉄槌を下した。
( ・∀・)「君たちは、まだまだ使い物にならない」
全く、酷いことを言ったものだ。
無線の向こう側は沈黙し、耳に届くのはエンジン音ばかりだった。
爪 - )『……』
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:04:54.46 ID:grQBjmAGO
確かにつまらんわ
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:05:20.42 ID:05Id48vH0
sienn...
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:06:29.83 ID:t2qVlfCp0
このくらいでいいだろう。私はそう判断した。
( ‐∀‐)「……言っておくと、使い物にならん、というのは現時点の話だ。
……おい、聞いているか、少尉」
爪゚ -゚)『……はい』
たどたどしい返事。私は続けた。
( ・∀・)「君たちは戦いの中で、経験を積むことができる。
後にそれらを活かすこともな。……なぜ出来るのか、わかるか?」
爪゚ -゚)『それは……』
少尉は言いよどむ。私は待たない。
( ・∀・)「なぜなら、君らと私たちが同じ器をもっているからだ」
爪゚ -゚)『……』
( ・∀・)「多少あいまいなメカニズムだが、血肉に刻みつけた経験は、
『北』の戦闘機械には真似出来やしない武器になる。覚えておきたまえ」
それだからこそ、彼らは我々の居場所を奪いかねないのだが。
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:06:48.03 ID:Es6EjKZVO
支援
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:07:20.65 ID:grQBjmAGO
つまらん
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:07:28.92 ID:XQYBhom7O
何故か読み違えてた
エコーはTACネームですねサーセン
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:08:30.54 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「経験を積めよ、少尉。君はずっとうまくなる」
( ‐∀・)「生きのびて、うまくなるといい。そっちのほうが合理的だ。
……了解、してほしいな」
数瞬の後、『了解』という、歯切れのよい声が返ってきた。
理詰めな性質もこういうときには、尾を引かないという長所になるようだ。
( ・∀・)「……ん。さて、時間だ」
レーダー上に表示される、敵索敵圏を表す破線が、すぐ前方に迫っていた。
楽しい歓談の時間はここまでだ。
( ・∀・)「ここからは通常無線を使うな。どうしても伝えるべきことは、
超指向性通信で交信するように。……<ドリフター>、切り替え完了」
爪゚ -゚)『<エコー>、切り替え完了』
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:08:48.00 ID:grQBjmAGO
つまんね
( ・∀・)「ああ、その通りだ」
私はo4ZE06Ts0に鉄槌を下した。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:09:35.33 ID:p+qCpGyA0
俺の魔法学の方が面白い自信があるがwwニヤニヤ
お前の書くものは出汁を使わない味噌汁だなあw
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:09:41.47 ID:grQBjmAGO
うわ、レベル低いわ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:10:30.48 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)「よし。……生きて帰るぞ、少尉。帰ったら昼時だ。
食堂でプレーンオムレツでもつつこうじゃないか」
爪゚ -゚)『プレーン:planeは航空機ですが、『おむれつ』とは何です?』
(; ・∀・)「まさか知らないのか……?っと、いよいよだ。幸運を祈るぞ、少尉」
爪゚ -゚)『了解、大尉』
二つの機影は音もなく、見えない破線を突き抜けた。
平らかな草原の草花を刈るように、我々は北へ突き進む。
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:10:37.91 ID:grQBjmAGO
やばいくらいおもしろくない
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:12:30.57 ID:t2qVlfCp0
( ・∀・)(私は戦場に、人間として踏みとどまる。
そのために、あの少尉を一人前に育て上げなくてはならない。
強い部下と、未熟な部下、どちらを率いたいかなんて、決まってる。
どちらとなら生き延びやすいか?……愚問だな、これも。
クローンは気に入らない。気に入らないが……)
私は、ああなりたくない。
暴力的な気流に吹き散らされる草花を、私は見ていた。
草花は、かつて街であり、人であり、文明だったもの。
その塵から芽吹いたものだった。
――3.『強行偵察(後)』へ続く
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:12:38.91 ID:XQYBhom7O
し
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:14:59.23 ID:K+13icKv0
乙
地と会話のバランスが実にいいね
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:15:44.00 ID:t2qVlfCp0
本日の投下は、ここまでとさせていただきます。
さまざまな支援を頂き、本当にありがとうございました。
支援攻撃
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:16:30.30 ID:xS9V+6Tw0
あー寝たら終わってた
乙
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:16:42.80 ID:grQBjmAGO
なかなか魅力的なSSですな。続きを期待してる。
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:18:39.80 ID:XQYBhom7O
乙
次回投下が待ち遠しい
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:19:01.68 ID:grQBjmAGO
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:19:47.13 ID:p+qCpGyA0
自分で作った単語や専門用語多すぎワロタw
全っ然、場面が想像できないんですけど??w
読者が描く像が中途半端な想像のままでいいならお前の文章もっと削れるよね?w
雰囲気小説乙〜w
馬鹿みたいに文章伸ばして馬鹿みたいに連投規制に遭う
さるか?お前わwwwww
ひゃはははははww
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:20:52.98 ID:grQBjmAGO
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:21:01.74 ID:GjyQBajfO
乙乙
前回から気になってたから是非頑張ってほしい
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:22:23.68 ID:sTYdh+tL0
お疲れ様です
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:23:03.21 ID:05Id48vH0
おちゅ
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:23:03.63 ID:grQBjmAGO
おつちゅっちゅぅ〜!
ああぁ〜! 作者いいよ作者、ちゅっちゅ!
作者の耳書きしてる姿でオナニーしますしましゅふっつうつつうwwwlhjkd!!
(・∀・) イクイクイッチャウンデス!!!
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:27:05.40 ID:d2ab10Ip0
乙
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:30:25.63 ID:t2qVlfCp0
〜TACネームとコールサイン〜
( ・∀・)「うん。説明頼む、少尉」
爪゚ -゚)「了解。……まずこれらが使用される場面の説明から始めさせていただきます。
TACネーム:同一部隊内の交信
コールサイン:パイロットと管制塔、管制機間の交信 といった風に、TACネームはややローカル、
コールサインはより厳格に取りきめられます」
( ・∀・)「うむ」
爪゚ -゚)「この違いは、命名法にも表れています。
TACネーム:部隊内のあだ名
コールサイン:作戦時に定められる と、いった傾向があります」
( ・∀・)「うむ。今回の作戦中、<エコー>、<ドリフター>という呼称が使われていたが、
これはTACネーム。管制機との交信はやはりしていない」
爪゚ -゚)「<エコー>はこだま、反響、<ドリフター>は漂流者という意味ですね」
( ・∀・)「我が隊のコールサインはさて何か。これは次回に……」
爪゚ -゚)「任務終了、帰投します」
( ・∀・)「御苦労」
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:32:43.78 ID:M9J7/FxD0
おつっちゅっちゅ
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:33:01.39 ID:xS9V+6Tw0
へぇ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:34:40.12 ID:xS9V+6Tw0
エスコンでなんとなく知ってはいたけど
そういえば管制からの呼び方は違ってたな
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:35:28.89 ID:gLFT/sIuO
寝てたら進んでた
読んでたら終わった
乙です 次回も期待しています
エコーが人間味を帯びてくるのかなぁ…と期待
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:40:59.18 ID:t2qVlfCp0
何かご質問がありましたら支援代わりにでも書き込んでください。
後でお答えしますので。
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:42:00.92 ID:xS9V+6Tw0
そういや次いつ?
爪゚ -゚)←の髪色って何色?
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:44:43.35 ID:grQBjmAGO
死ねつまらん早く落とせ
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:46:15.51 ID:gLFT/sIuO
軍モノは趣味ですか?
何かの参考資料を元に書いてるんですか?
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:46:39.37 ID:t2qVlfCp0
>>158 むしろ、いつにします?目標を作ってもらえると奮起します
>>159 当方は黒を想定していますが、皆さんの想像力を阻むものではありません
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:47:30.56 ID:grQBjmAGO
早く落とせ駄文曝しやがってマジうざい
乙!!
使用されてる戦闘機のイメージは?
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:48:39.17 ID:0IzJnnHm0
おお終わってたか
面白かった。乙
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:49:14.81 ID:grQBjmAGO
ありえないふざけんな
ありえないふざけんな
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:50:03.40 ID:xS9V+6Tw0
じゃー水曜あたりで
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:50:05.37 ID:+JlyjIek0
いい物語り読ませていただきました
次回の投稿を楽しみにしてます
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:51:11.41 ID:+JlyjIek0
やぁん
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:51:16.02 ID:t2qVlfCp0
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:52:23.38 ID:grQBjmAGO
なぜだ。ゆとりがマジでうざい新参がゆとりがマジでうざい
昔ならこんなの40レスで終わりだ
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:54:01.32 ID:t2qVlfCp0
>>168 はい、では……どうにか。
来週の水曜とかになったら殴っていいです。
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:56:49.06 ID:grQBjmAGO
>>174 ゆとりは早く消えて害虫害虫害虫害虫害虫害虫害虫害虫害虫害虫害虫害虫害虫
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:57:45.88 ID:keZNxQug0
今より読者の舌が肥えてない昔で「戦争」は40もいかなかったけどNE!
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 23:58:10.66 ID:pehVTYf6O
おつ
普段は何かブーン系読んでるか?
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 00:01:54.80 ID:VRJjhHUs0
>>177 並行して投下していた落ちこぼれのようですとか、現行をぽつぽつと。
優しい月曜日がやってきたので、このあたりで寝ます。
今回書き込んでくれた皆さんに感謝を。
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 00:06:11.02 ID:V0Lu24Ln0
乙
いつの間にか0時まわってるな。
>1おやすみ。
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 00:07:50.58 ID:w2PEB5PN0
乙
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 00:11:15.76 ID:VMBnN8UB0
>>178 落ちこぼれの名前出すなよ・・・
比べられるじゃんか・・・
どう考えても文章量支援量ともにこっちのスレの方が上なのに、
強者の余裕か? 憐れむなよ、弱者を
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 00:13:06.98 ID:p2xV9dUo0
そんな事気にする奴は誰もいない
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 00:15:03.08 ID:2+T3jornO
あとでじっくり読みたいんだけど、この作品まとめってあるんかな?
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 00:50:28.93 ID:/epAuBw7O
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 01:03:16.23 ID:4BbXwgIC0
おもしろかったよ
久々に続きが気になる現行だ
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 01:26:41.27 ID:bX/jvhGy0
よむほしゆ
ほほほほh
保守
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
保守する?水曜だと落ちるぞ。