「妹が爆発する世界」を真面目に考たら、こんな導入になった

このエントリーをはてなブックマークに追加
1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
『皆様、あの大惨事から20年の月日が流れました』
『今年も数万人の遺族達が集まり、爆心地に花を添えました』
『複数の宗教団体による衝突も見られましたが、けが人はいないようです』


20XX年代初頭、全世界に爆破事件が多発した。人間が次々に爆発したのだ
なぜ? それに答えられる者はいなかったが、爆発した人物の共通点はすぐに見つかった

『妹』

特に年若く、兄妹仲の良い者が爆発した
俗説によれば、爆発の威力は兄妹仲に比例すると言う

小規模の爆発は妹のみを、最大規模の爆発は都市を丸ごと滅ぼした

神の怒りに触れたのだ、と人は言う
「禁忌とされる近親愛に目覚めた者を、神が罰したのだ」、と

しかし謎は解明されぬまま、国連は近親相姦を禁じる条約の批准を推進

「兄妹間の姦淫を犯す者を刑罰に処す」

人々を守るための緊急措置は20年間継続され、
世界には、仲の良い兄妹を忌避する風潮が生まれた

その時期を境に、男女の出生率に偏りが現れ始めた
主な理由は、堕胎。無事に産んだとしても養子に出す者や、育児途中に殺めてしまう者もいた


目に見える変化、目に見えない変化を抱えながら、社会は妹の爆発を受け入れていった