1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:24:53.35 ID:9x1OlJiqO
代理ありがとうございます!
〜VIP暦 FOX1425〜
ニュー速市民公園の中央に植えられたらひときわ大きな桜の木の下で、女の子と男の子が話していた。
ζ(゚ο゚*ζ「ね!?この桜の下、ポコッて盛り上がってるでしょ?」
( ・∀・)「はぁ〜?前からそうだっただろ?デレは本当にしょうもないことばっかり…」
ζ(゚、゚*ζ「むぅ…そうだったかなぁ?」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:26:00.18 ID:9x1OlJiqO
( ・∀・)「そうだよ。もう暗いし帰ろうぜ?腹へったよ…」
男の子、モララーは桜の木の根元に置いていた黒色のランドセルに腕を通しながら女の子を振り返る。
ζ(゚、゚*ζ「……」
ζ(-、-*ζ「わかったよぅ…今日はもう帰りますぅ〜」
そんなモララーの様子をみて、女の子デレはしぶしぶと了承をする。
その顔は不満たっぷりといった様子だ。
( ・∀・)「……んじゃ、俺こっちだから。じゃ、また明日!寝坊すんなよ〜」
モララーは半ば呆れつつも、デレに背中を向けて公園の西門に向かって歩き始めた。
sien...
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:27:03.17 ID:9x1OlJiqO
ζ(゚、゚*ζ「わかってるよぅ!モララー君こそ宿題忘れちゃだめだからね!」
モララーはデレの呼びかけに振り向くことなく右手をブラブラと振ることで返事をした。
ζ(゚、゚*ζ「…絶対昨日まではこんなポコッてなかった。」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:28:08.98 ID:9x1OlJiqO
モララーが帰って人影がなくなったニュー速市民公園でデレが呟く。
風に吹かれて、桜がケラケラと笑うように揺れた。
ζ(゚ー゚*ζ「でもデレもおなかすいたし帰ろうっと!」
デレは暗くなった公園に少し怖くなり、桜の木の根元に置いていた赤色のランドセルに手を伸ばす。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:28:56.94 ID:blNNnjzPO
シエンタ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:29:17.92 ID:FFuD5+uq0
しえんしえん
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:29:37.51 ID:a2MWfqpv0
支援がほしけりゃもっと1レスに詰めるんだな
作者側に努力がないなら一人で延々と投下してなんどもさるにあうがいい
もしくは投下時間がメッチャ長くなる
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:29:51.70 ID:9x1OlJiqO
その時……
(∪*^ω^)「わんわんお!わんわんお!」
ζ(>、<*ζ「あぅっ!」
桜の木の裏側から犬が飛び出してきたのだ。
尻尾をちぎれんばかりにブンブンと振る犬は、小学5年生にしては小柄なデレをすっぽりと覆ってしまう巨体である。
(∪*^ω^)「わんわんお!」
犬はデレに覆い被さったまま顔をなめ回す。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:31:13.22 ID:FFuD5+uq0
しえ
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:31:25.70 ID:9x1OlJiqO
ζ(>ー<*ζ「あはっ!くすぐったいよぅ」
デレは笑いながら犬の下から這い出る。
(∪*^ω^)「お?」
犬はデレが這い出る様子を見ると、自身の体を退け静かに腰を下ろした。
ζ(゚ー゚*ζ「あ!お座りしてる…えらいねぇ」ナデナデ
(∪*^ω^)「おっおっ!」
デレに頭を撫でられたら犬は嬉しそうに立ち上がると、桜の根元に鼻をこすりつけた。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:32:45.81 ID:FFuD5+uq0
この犬…支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:34:11.32 ID:9x1OlJiqO
(∪*^ω^)「おっ!」
鼻をこすりつけてはデレを振り返る。
ζ(゚、゚*ζ「ん?どうしたの?」
デレは犬の隣に座り込み、桜の根元の盛り上がったところの土を少し掘り返してみる。
(∪*^ω^)「!!わんわんお!おっおっ!」
デレが土を掘り返すと犬は再び尻尾を振り、デレの周りをグルグル回り始めた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:35:12.19 ID:FFuD5+uq0
しえn
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:37:42.07 ID:9x1OlJiqO
ζ(゚、゚*ζ「ここを掘るの?」
デレは戸惑いながらも土をさらに掘り返していく。
15センチほど掘り返すと小さな箱に爪先があたった。
ζ(゚ο゚*ζ「なにこれ!?ママの指輪の箱みたい…きれい…」
デレは両の手の平に収まるほどの箱をつまむと、その装飾の美しさに息をもらした。
ζ(゚、゚*ζ「ん…?なんだろ、この紙?」
ふと箱の蓋を見てみると何やら紙が貼ってある。
その紙には何か難しい漢字が書かれていた。
ζ(゚〜゚*ζ「ん〜なんかわかんないけど、剥がしちゃえ!!」
えいっ、と箱の蓋に貼られた紙を引き剥がすと
先ほどまで美しく桃色に色づいた桜が、一瞬にして金色に染まった。
支援!
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:40:15.96 ID:9x1OlJiqO
ζ(゚、゚;ζ「え……?」
デレの周りの空気がピリピリと張り詰める。
そして手のひらの箱の蓋が勝手にズリズリと開いていることに気づいた。
その隙間から白の光が洩れていく…
「ふぅむ。どうも世は随分と移り変わっている様子じゃ…」
箱の蓋が完全に開ききったか
という時、デレの耳にリンと透き通った声が響いた。
綺麗だけれど、何か背筋が冷たくなるような声だった。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:42:11.72 ID:oSyDgB9f0
おもしろい
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:42:19.75 ID:FFuD5+uq0
sienn
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:43:17.84 ID:9x1OlJiqO
ζ(゚ー゚;ζ「な…にこれ…?」
白い光の真ん中に浮かぶ黒い影にデレは言葉を失った。
「お…?九尾様、やっとお目覚めかお!?」
ζ(゚ー゚;ζ「!!?」
後ろから突然聞こえた声に振り返るデレ。
(∪*^ω^)
そこには先ほどの犬が座り込んでいるだけであった。
ふむふむ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:47:47.31 ID:FFuD5+uq0
しえしえ
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:47:57.89 ID:9x1OlJiqO
「む…?そちは内藤か?ふふっ…久しいのぅ」
(∪*^ω^)「おー、けっこう大変だったんですお?九尾様にあう肉体を捜すの…」
「ふふっ…感謝しておるぞ?」
犬と影の談笑の傍ではデレが驚きを隠せずにいた。
ζ(゚、゚;ζ「わ、わんちゃんがしゃべって……」
手のひらの箱を地面に落とし、そのままへたりと腰を抜かしてしまう。
(∪*^ω^)「ささっ、九尾様。僕が用意した肉体にお入りくださいませ。」
犬はそう言うとデレの足元に転がった箱をくわえ、光の真ん中にいる影まで運んでいった。
「ふふっ…やはり転生は若いおなごに限るのぅ。喰ろうてしまいたいくらいじゃ…」
影が犬から箱を受け取ると、その箱の中をデレに向けた。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:49:36.47 ID:FFuD5+uq0
支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:50:41.18 ID:9x1OlJiqO
「よろこべ、おなご。そちはわらわの肉体となるのだからのぅ…」
影はそう言うと箱をゆっくりと包み込んでいく。
ζ(-、-;ζ「あ゙……くるし………」
箱が影に呑まれれば呑まれるほど、デレの意識は遠のいていった。
「さらばじゃ、そなたの魂…ふふっ、わらわがかわいがってやるから安心せぃ。」
影が箱を完全に呑み込んだ瞬間、デレの意識は完全に途絶えた。
穏やかじゃないな・・・ 支援!
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:53:27.37 ID:FFuD5+uq0
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:56:10.51 ID:9x1OlJiqO
――――
―――
――
―
ニュー速市民公園の中央にある桜の木の下に、小さな少女が倒れていた。
その横には大きな白い犬が座っている。
(∪*^ω^)「……九尾様、御気分はどうですかお?」
犬がフサフサの毛を少女の体にこすりつける。
ξ*-ー-)ξ「……フッ」
ξ*゚ー゚)ξ「うむ、悪くないぞ」
少女はそう呟くとゆっくりと体を起こした。
そして体についた土をはらい落とす。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/07(木) 23:57:30.12 ID:FFuD5+uq0
狐のしもべが犬とはしえん
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:02:07.14 ID:tr6TBPThO
(∪*^ω^)「!それはよかったですお!僕も頑張ったかいがありますお〜」
犬は尻尾を左右にゆらゆらと揺らしながら少女の横に回る。
ξ*゚ー゚)ξ「しかし内藤よ。そちはしばらく見ないうちにひどく小さく間抜けな姿になってしまったようじゃが?」
少女は犬をジロジロと見まわすとクスリと笑った。
(∪*-ω-)「おー仕方ないですお。九尾様が封印されてから300年たつんですお?僕だっt」
ξ*゚听)ξ「内藤。貴様はわらわに殺されたいのか?」
犬の言葉の途中、突然少女のリンとした声が割ってはいる。
支援。
狐娘イ从゚ ー゚ノi は出てくるのかなっ?
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:07:05.25 ID:tr6TBPThO
(∪;^ω^)「お…!す、すみませんお…」
ξ(゚、゚*ξ「わらわは封印されていたのではないわ…眠っていたのじゃ。」
犬はすぐさま謝罪の言葉を口にした。
その尻尾は股の間に入り込み、耳はぺたりと後ろに下がってしまっている。
ξ*゚ー゚)ξ「フッ…まぁよい。そちはこの素晴らしい肉体を用意してくれたのだからの…特別じゃ。」サワサワ
すっかり怯えてしまった犬の様子を見て、少女は犬の頭を優しく撫でてあげた。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:09:49.51 ID:a+tJhl500
しえn
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:13:34.14 ID:tr6TBPThO
(∪*^ω^)「おー!九尾様、嬉しいですお!」
頭を撫でられ安心したのか、犬は再び尻尾をゆらゆらと揺らす。
ξ*゚ー゚)ξ「内藤よ?わらわのことは九尾ではなくツンと呼べと前の肉体の時に言わなかったかの?」
少女はそんな犬の様子を見て微笑んだ。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:15:59.63 ID:+OHYO3dt0
sien
支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:20:14.02 ID:tr6TBPThO
(∪*^ω^)「そうでしたお!ツン様!!」
ξ(゚、゚*ξ「ち、ちがうじゃろ?内藤。わらわとそちの2人きりの時は…」
犬が少女の前で座り込む。
しかし少女は照れくさそうに目をそらし、ゴニョゴニョと呟く。
(∪*^ω^)「……でも…」
ξ(゚、゚*ξ「いいからツンと呼べと言っておろう!!」
戸惑う犬に少女が声をあらげた。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:22:53.11 ID:a+tJhl500
支援しえん
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:25:20.57 ID:tr6TBPThO
(∪*^ω^)「………」
(∪*^ω^)))キョロキョロ
犬は周りを見渡す。
暗くなった公園には、少女と犬しかいない。
(∪*^ω^)「ツン…」
ξ*///)ξ「!!」
犬が名前を呼ぶと少女は顔を真っ赤にして肩を震わせた。
ξ*///)ξ「な、なんじゃ内藤!!?」
先程のような冷たい声ではなく、少女らしい声で犬にたずねる。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:28:08.34 ID:tr6TBPThO
(∪*^ω^)「やっぱり僕もツンって呼ぶ方が落ち着くお!」
ξ*゚ー゚)ξ「そうじゃの…わらわもその方がよいわ。」
ξ(゚、゚*ξ「しかし…その体はなんとかならんのか?犬のようで見ていてあまり気分のいいものではないぞ?」
少女は眉をひそめながら犬の全身を改めて見直した。
(∪;^ω^)「お!?僕は犬じゃないお!狸だお!!」
ξ*゚ー゚)ξ「わらわには白い太った犬にしか見えぬが?」クスクス
慌てふためく犬に少女はクスクスと意地悪く笑ってみせる。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:30:55.05 ID:a+tJhl500
もうだめねる支援
支援!
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:36:46.85 ID:cr5K6vFi0
ながらか、ねる
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:42:49.47 ID:tr6TBPThO
すいません…
蜜柑ちゃんで抜いてました…
あと2レスくらいで一話終わります。
支援ありがとうございました!
では次から投下します。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:46:19.12 ID:tr6TBPThO
(∪;-ω-)「おー…僕はツンと違ってただの狸の妖怪の端くれなんだお?ツンがいない間、白狸の兄様がいなくなってしまったから僕が白狸の兄様に化けてたんだお。」
ξ*゚听)ξ「白狸…あやつが?どうせまたふらりと旅に出たのであろう?して、内藤?」
ξ*゚ー゚)ξ「そちの変化、ちっとも似ておらんぞ?」
少女がニヤリと口元をつりあげてみせる。
ξ*゚ー゚)ξ「わらわが手本を見せてやろう…」
少女がそう言うと少女が闇に溶け込む…
「そうじゃな…まずは雪女に変化してみてやろうかの…」
闇の中に声だけが響くと、すぐさま先程とは違う少女が闇から浮いて出てきた。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:49:08.64 ID:tr6TBPThO
川*゚ー゚)「どれ、こんなもんかの?」
雪のように白い肌に漆黒の長く真っ直ぐな髪を持つ少女が、犬の前に一歩踏み出す。
(∪*^ω^)そ
その時、犬が突然立ち上がり公園の正門の方に向きうなり声をあげた。
川*゚ー゚)「内藤?」
少女が、犬の見つめる先に目をやると赤色のランドセルをしょった女の子がこちらに向かって歩いてきていた。
(*゚ー゚)そ「!」
女の子は少女に気がつくと、嬉しそうに走ってきた。
(*^ー^)「くーちゃん!一緒にかえろっ!」
―――――
一話:九尾様はよう女のようです。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/08(金) 00:55:57.94 ID:tr6TBPThO
一話は以上です。
たくさんの支援ありがとうございました!
おやすみんしゃい!
乙乙ー!