1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:04:20.29 ID:3RVTx0Gk0
※
その日も朝田の気配が隣室にあった。
流石はいつものようにテレビのボリウムをあげていた。
あの男がやってきたときの習慣になっている。
くだらないお笑いをぼんやり眺めていると、
いきなりその音が廊下に響きわたった。
騒々しいテレビ以上の音量だ。
靴音がなにかを蹴りつける音だった。
隣りのドアらしい。
つづいて大声があがった。
「こんばんは。
ちょいとおじゃましにきました」
馬鹿ていねいな口調だが、
どんな人種の声かすぐわかる。
かつて流石自身が身をおいていた世界のものだ。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:05:31.12 ID:3RVTx0Gk0
流石はテレビのスイッチを切った。
隣室も静まりかえった。
すると、
「おい、開けろよ」
表の声ががらりと変化した。
それからはただ黙ったまま、
ドアを蹴る音だけが執拗につづいた。
たしかに、
単調な刺激は効果的な手段のひとつではある。
プロのやり方だ。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:06:32.01 ID:3RVTx0Gk0
何分かたったころ、
「どちら様でしょうか」
ようやく室内からあがる女の声がかすかに聞こえた。
「わかってるだろうが。
とにかくこの戸、開けなよ」
「なんのご用でしょう」
「しらばっくれんでくれよ。
ゼニ勘定の義理だけは、
きっちりしてもらわんとなあ」
別の声があった。
これも同人種のものらしい。
「どなたにも義理などございません」
「あんた、
保証人になってんの忘れたんかい」
「弁護士さんから、
そちらに連絡がいったと聞いております」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:07:50.38 ID:3RVTx0Gk0
せせら笑うように最初の声が答えた。
「なあ、内藤の奥さん。
弁護士なんかと縁のない世界に首つっこんだの、
あんたの亭主なんだ。
そいつを忘れてもらっちゃ、
こちとら立つ瀬がないんだけどね」
「ここにはもう内藤という人間はおりません」
「そういうやり方でゼニの被り逃げるっつうのは、
ここんとこ流行りなのよ。
なあ、顔つきあわせてゆっくり話しようじゃないの。
とにかくこのドア開けてもらわないと、ラチもあかねえ」
「警察を呼びますよ」
「勝手に呼んだらいいじゃねえか」
またドアを蹴る音がとどきはじめた。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:08:52.41 ID:3RVTx0Gk0
そのときになって、
ようやくドアを開ける気配がした。
「君たち、どうして、どうやって、
ここがわかったんですか」
朝田の声だった。
いくぶん震えていた。
「ほう」
と訪問者がいった。
「男がいたのか。
奥さん、なかなかやるじゃないの」
「男なんて……。
僕は、そういう者じゃない。
どうして、なぜここがわかったんですか」
「そんなの関係ねえじゃねえか。
とにかく話があるんだ。入れてもらうよ」
「今度ゆっくり、
別の機会にしたら、どうですか」
つっかえる朝田の声はさらに震えを帯びたものになった。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:09:46.75 ID:3RVTx0Gk0
「きょうのところは、
とりあえず、
帰ってもらえないでしょうか」
「なあ、あんた、
当事者どうしの話を邪魔する気なのかい。
格好つけるより、
引っこんどいたほうがいいと思うけどね」
その声のすぐあと、
なにかの音がした。
その音にも流石は慣れている。
肉と肉が衝突する音だ。
かつて経験だけはつんでいる。
ウッと呻き声が聞こえ、
どさりというかすかな響きがとどいてきた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:10:28.29 ID:3RVTx0Gk0
突然、泣き声がわいた。
小さな女の子のものだった。
ほんのわずか耳にしただけで、
それはもう決してやむことがない。
そのように思えた。
しゃくりあげ、
怯える泣き声は、
岸辺に打ちよせる波音のように高くなり低くなった。
だが終わらなくつづくように思えた。
( ´_ゝ`)
流石は立ちあがった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:11:24.88 ID:3RVTx0Gk0
(;-@∀@)
表にでると、
朝田が廊下に腰をおとし、
背中を手すりによせていた。
腹をおさえ、
弱々しい呻き声をあげている。
( ´_ゝ`)
Σ(・∀ ・)
Σ( ^Д^)
そばに立った男ふたりが、
突然あらわれた流石を見た。
ともに三十前後、
お定まりの背広を身に着けてはいるが、
ネクタイには縁のない格好だ。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:12:58.41 ID:3RVTx0Gk0
(・∀ ・)「なんだ、あんた」
( ´_ゝ`)「隣に住んでいるものだ。
うるせえんだよ、おまえら」
ひとりが意外そうな表情を浮かべた。
( ^Д^)「なんだあ。太いな、てめえ。
ここの女が素直じゃねえから、
表がうるさくなっちまうんじゃねえか」
流石はちらと部屋のなかに目をやった。
川;゚д川
きちんと正座した貞子が蒼ざめた顔でこちらを見つめている。
そのそばに絵里華がいる。
*(;;)*
泣き顔のなかにある黒々とした目が流石に向けられていた。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:14:55.19 ID:3RVTx0Gk0
( ´_ゝ`)「奥さん」
どう呼びかけていいのかわからなかったので、
流石はそういった。
( ´_ゝ`)「こいつらに、
部屋に入らないよういってくれるかな」
貞子は首をかしげた。
川;゚д川「どういうことですか」
( ´_ゝ`)「とにかく、そういうんだ」
語調に気圧されたように彼女は声をあげた。
川;゚д川「そちらのおふたりには、
この部屋に入っていただきたくありません」
流石は訪問者のほうを向き、
小さく笑った。
( ´,_ゝ`)「なあ、聞いたか。
ここの住人がああいっている。
すると、おまえらがこの部屋に入ろうとしたら不法侵入になるんだ。
懲役三年以下だな。
あまり無理するとサツが引っ張る理由になるぞ。
さあ、どうする」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:15:56.37 ID:3RVTx0Gk0
( ・∀ ・) (^Д^ )
ふたりが顔を見あわせた。
その直後、
(#・∀ ・)「なんだ、こいつ」
いきなりひとりが殴りかかってきた。
軽くよけながら、
部屋のなかから盲点になる位置まで流石はうしろに移動した。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:18:33.59 ID:3RVTx0Gk0
男が数歩、
足を踏みだしてくる。
ふりかえりざま、
その男の腹に素早い拳を一度だけ叩きこんだ。
肉にめりこむ久しぶりの感触があった。
( ゚∀ 。)
それだけで男は胃の中身を吐きだし、
膝を折りつつ廊下に沈んでいった。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:19:49.89 ID:3RVTx0Gk0
(;^Д^)
それを見て、
もうひとりが後ずさりした。
それからポケットからなにかを引き出し、
パチンと開いた。
ナイフだった。
( ´_ゝ`)(プロはプロでもまだひどい初心者だ。
いまこういうものを身につけているのは無能というしかない)
流石がそう考えたとき、
男が突っこんできた。
三 (#^Д^)
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:21:52.00 ID:3RVTx0Gk0
ナイフの軌道がふらふら揺れている。
自信もなく、
腰も入っていない。
ステップでかんたんにかわしたが、
刃が手の甲をわずかにかすめた。
痛みは感じなかった。
身体を流し、
手刀でナイフを叩きおとした。
ついで腰をおとし、
男の顎を下から肘で突きあげた。
男の首ががくりと揺れた。
倒れそうになるその背後にまわりこみ、
首をしめあげた。
( ´_ゝ`)(;゚Д゚)
もう一方で男の片手をねじあげる。
(;゚Д゚)「アッッ」
一転して、
かぼそい声が男の口からもれた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:23:04.54 ID:3RVTx0Gk0
黙ったまま、
さらに力をこめていった。
男の声が悲鳴になっていく。
その口を流石はてのひらでふさいだ。
やがて男の首筋が汗ばみ、
筋になって流れおちはじめた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:23:47.69 ID:3RVTx0Gk0
( ´_ゝ`)「もう少し力を入れれば、この腕、
簡単に折れてしまうな」
流石は男の耳に小声でささやいた。
( ´_ゝ`)「あれは嫌な音がするもんだ。
聞いたことがあるかい?
さて、どうしようか。
俺なら、きょうのところはおとなしく帰ろうという気になるがな」
廊下に倒れた男が立ちあがろうとしたので、
姿勢を変えず動いた流石は男の顔面を蹴りあげた。
) ∀;).・∵
悲鳴をあげて男はふたたび崩れおち、
吐瀉物と血にまみれた顔を両手でふさいだ。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:24:46.56 ID:3RVTx0Gk0
( ´_ゝ`)(これほど半チクなら、
こいつはまだこの稼業に足を踏みいれてはいないのかもしれない)
そう思えるほどあっけなかった。
腕をとられたままの男が、
流石のてのひらのなかで声をあげた。
(;゚Д゚)「わかった。わかったから、放せよ」
せいいっぱい虚勢を張ってはいるが、
力はない。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:25:31.86 ID:ujcfmZPW0
前話読んできた!
早い更新で嬉しい
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:26:42.02 ID:3RVTx0Gk0
流石はねじりあげた腕をゆるめなかった。
男の背広の胸ポケットに片手をつっこむ。
財布があった。
なかの免許証をつまみだして、
名前を見た。
宝田笑司。
住所は東京、豊島区。
財布といっしょに廊下に放りだし、
今度は脇のポケットに手をいれた。
小さな固いものにふれた。
とりだすと、バッジだった。
楕円のなかに刻まれた稲妻がある。
流石はしばらくそれを眺めていた。
それからバッジだけはポケットにもどし、
ようやく男の手を放した。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:27:37.04 ID:3RVTx0Gk0
男は廊下に散らばった財布とその中身、
ナイフをあわてて拾いあげたあと、
倒れていた男の身体を揺すりはじめた。
少し離れたところに立ち、
流石は自分の手を見おろした。
甲の皮膚が切れ、
血がいく筋か流れおちている。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:28:08.50 ID:ujcfmZPW0
この兄者かっこよすぎるだろ……
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:28:56.68 ID:3RVTx0Gk0
(;゚Д゚)
(#)∀;)
立ちあがったふたりが腰を引きながらこちらを見たとき、
流石は手の甲を彼らに向けた。
( ´_ゝ`)「なあ、宝田笑司。
覚えてろよ、なんてダサイ台詞いうなよ。
見ろよ。おまえ、傷害やったんだ。
名前と住所はわかっている。
今度へたな追いこみをやった日には、
俺の知ってる所轄のデカを呼ぶぞ。
そのときはどこかの事務所まで、
銃刀法でガサが入るかもな。
もう一度やってくるつもりなら、
その覚悟はしておいたほうがいい。
上が許してくれるかどうかは、知らないがな」
ふたりは声もあげず背を向け、
階段を駆けおりていった。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:30:47.69 ID:3RVTx0Gk0
( -@∀@)
流石は廊下に座りこんだまま呆然としている朝田に近づいた。
( ´_ゝ`)「起きれるかい」
Σ( -@∀@)
(;-@∀@)「え、ああ」
彼はようやく我にかえったようにつぶやいた。
(;-@∀@)「あいつら、腹を蹴った。
足で何度も蹴った」
( ´_ゝ`)「どうやら、やくざが相手らしいな。
素人はあまり、無鉄砲をしないほうがいい」
すると朝田の身体が震えはじめた。
((;-@∀@))「素人?
じゃあ、あなたもやくざかなにか、
そういうものなんですか」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:32:14.34 ID:3RVTx0Gk0
川゚д川「朝田さん」
いつのまにか貞子が横に立っていた。
川゚д川「助けていただいたのに失礼じゃありません?」
それから彼女は流石の手に目をやった。
川゚д川「お怪我は大丈夫ですか」
( ´_ゝ`)「ああ、たいしたことはない」
川゚д川「でも血がでています」
( ´_ゝ`)「こんなの水道で洗えば自然に治るさ」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:35:34.98 ID:3RVTx0Gk0
*(‘‘)*「ねえ、おじさん、強いんだ」
戸口まででてきた絵里華の声があった。
その頬は、
涙の乾いた跡を残している。
だがそれだけで、
いまは怯えのいろもない。
ふだんの表情がもどっている。
あの乱闘は部屋のなかから目がとどかないようにはした。
それでも騒動の音や男たちの悲鳴は聞いたはずなのに、
ひどくしっかりしている。
この齢でそれだけ気丈な性格なのだろうか。
あるいは慣れているのか。
流石は彼女に笑いかけた。
( ´,_ゝ`)「あいつらが弱すぎるんだよ」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:36:46.12 ID:3RVTx0Gk0
(;-@∀@)「僕、これで失礼します」
なんとか起きあがった朝田が弱々しい声をあげた。
(;-@∀@)「今度は連中が大勢でおしかけてくるかもしれない」
静かに女が答えた
川゚д川「そうね。
そうしてくださったほうが、
これからもごやっかいをおかけしないですむでしょう」
浅田はよろめき、
足をもつれさせながら、
それでも駆けるように廊下を去っていった。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:37:33.48 ID:3RVTx0Gk0
その姿をじっと見送っていた貞子の視線が流石にもどった。
川゚д川「そうだ。
傷の手当てをしなきゃいけませんね」
( ´_ゝ`)「大丈夫だよ、こんなの」
川゚д川「大丈夫じゃありません!」
毅然とした声だった。
顔をあげると、
それまでのはかなげな印象が消えていた。
まるで違う表情がいま、
そこにある。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:38:58.27 ID:ujcfmZPW0
ヘリカル可愛い
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:41:29.49 ID:3RVTx0Gk0
Σ( ´_ゝ`)
彼女の手が静かに流石の手をとった。
しなやかな指だった。
その感触に困惑しているうち、
流石はそのまま部屋のなかに導かれた。
*(‘‘)*「いらっしゃいませ」
絵里華がおしゃまな口調でいった。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:43:10.35 ID:3RVTx0Gk0
流石は室内に視線をめぐらせた。
殺風景な流石の部屋に比べ、
整然としてはいるが、
やはり家具が多すぎる。
ちゃぶ台を動かさなければ、
布団さえ敷けない。
ただ電話はなかった。
その点は絵里華のいったとおりだ。
そして流石の部屋ともおなじだった。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:44:14.38 ID:3RVTx0Gk0
流石の傷を念入りに調べていた貞子は、
押し入れから救急箱を引きだしたあと、
また流石の手をとった。
( ´_ゝ`)(ひどくかぼそい指だ)
ふたたびそう思う。
さっきとおなじ、
しなやかで滑らかな感触がある。
( ´_ゝ`)(こんな指には、
いままでさっわたことがないな)
流石が考えたとき、
消毒液が手の甲をひんやりと濡らしていった。
大型のバンドエイドがそうえに手際よく貼りつけられる。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:46:04.86 ID:/XNttEp90
やっとブーン系らしい作品の投下が来たか
もうキモイ作品のスレしかない状況にはコリゴリだったし
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:46:12.07 ID:3RVTx0Gk0
手当てされた自分の手を眺め、
貞子の顔を見た。
ふしぎそうな表情で彼女も流石を見かえしていた。
流石はなんといっていいのかわからなかったので、
とりあえず、
( ´_ゝ`)「ありがとう」
といった。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:47:17.25 ID:3RVTx0Gk0
( ´_ゝ`)「じゃあ、俺はこれでもどるから」
川゚д川「流石さん」
( ´_ゝ`)「なんだい」
川゚д川「自分がお怪我をなさったのに、
どうしてお訊きしようとなさらないんですか」
( ´_ゝ`)「なにを?」
川゚д川「たとえば、なぜきょうのようなことがあったのか。
いま、私たちがどういう立場にいるのか」
( ´_ゝ`)「まあ、人にはいろんな事情があるさ。
そんなもの、たいてい知られたくはない事情だろう」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:48:47.06 ID:/XNttEp90
支援ー
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:49:28.29 ID:3RVTx0Gk0
貞子は沈黙し、
自分の膝に目をおとした。
それからしばらくして顔をあげた。
川゚д川「流石さんは、
人の気持ちがおわかりになる人なんですね」
( ´_ゝ`)「そうでもない。
だがなぜ、きょうのようなことがあったのか、
なんとなく想像はつく。
やつらがどうしてここへやってきたのかも、
だいたわかる」
川゚д川「どうしてですか」
( ´_ゝ`)「奥さんにミスがあったからさ」
川゚д川「奥さんと呼ぶのはやめていただけません?」
( ´_ゝ`)「では、なんと呼べばいい」
川゚д川「山村でも、貞子でも……。
それより、いまおっしゃった私のミスとはなんでしょう」
( ´_ゝ`)「なら山村さん。
あんた、住民票を移しただろう」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:52:48.77 ID:/XNttEp90
きょう
支援
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 20:58:12.88 ID:3RVTx0Gk0
彼女はうなずいた。
川゚д川「絵里華が転校するため、必要でした」
( ´_ゝ`)「転校か」
流石はつぶやいた。
( ´_ゝ`)「それではしかたないな。
この子は何年生なんだ」
*(‘‘)*「小学校の二年生」
絵里華が答えた。
眠そうな声になっている。
たしかに小学二年生の女の子には刺激が強すぎる夜だった。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:00:21.91 ID:ujcfmZPW0
支援
支援
支援ー
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:08:36.42 ID:ujcfmZPW0
猿っぽいな
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:10:19.34 ID:3RVTx0Gk0
貞子が口をはさんだ。
川゚д川「住民票の移動は家族以外、
わからないことになっているはずですが」
( ´_ゝ`)「連中は、
その気になればどんなことだってやってみせるさ」
川゚д川「そうなんですか」
( ´_ゝ`)「そうだ」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:11:41.96 ID:3RVTx0Gk0
流石自身も住民票は動かしてはいない。
いま持っている運転免許証にある住所は、
以前いた杉浦会の長岡とおなじところになっている。
もっともおなじ住所というだけで、
単身世帯での届けだから長岡でさえ正規にのぞけるわけではない。
だがその気になりさえすれば、
どんな世界にも不可能はないのだ。
経験で知っている。
戻ったか
支援
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:14:33.94 ID:3RVTx0Gk0
*(う -)*「ママ。もう眠い」
絵里華の声が聞こえた。
母親が流石を見た。
川゚д川「この子を寝かしつけてよろしいでしょうか」
( ´_ゝ`)「ここは、あんたの部屋だよ」
貞子はかすかに笑いをかえした。
それからちゃぶ台を動かし、
押し入れから布団をとりだした。
流石は部屋の片隅に腰をずらした。
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:15:39.39 ID:3RVTx0Gk0
部屋のまん中いっぱいに敷かれた布団で畳が隠れた。
その上に立った絵里華が流石に向けて声をあげた。
*(‘‘)*「こっち見ちゃだめよ。
着がえるんだから」
( -_ゝ-)「わかった」
流石は目をつむった。
( -_ゝ-)(このようすなら、
この母娘はここでひとつ布団に寝ているらしい。
たぶんいままでの生活とは、
おそろしくひどい落差があるだろう。
ふたりの雰囲気でそれがわかる)
支援
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:16:33.58 ID:3RVTx0Gk0
*(‘‘)*「もういいわよ」
( ´_ゝ`)
声がして、目をあけた
パジャマに着がえた絵里華が布団にもぐりこもうとしているところだった。
*(‘‘)*「ねえ、おじさん」
( ´_ゝ`)「なんだい」
*(‘‘)*「トソウコウって、
みんなけんかが強いの?」
流石は笑った。
( ´,_ゝ`)「そいつは、ちがうな。
あれはどっちかというと、
器用なところが必要な仕事なんだ」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:17:22.66 ID:127Zp8u1O
支援
無邪気だ
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:18:16.89 ID:3RVTx0Gk0
*(‘‘)*「おじさん、器用なの」
( ´_ゝ`)「いや」
流石は、
荒巻の鮮やかなハケ捌きを思いうかべ、
首をふった。
( ´_ゝ`)「俺は全く、器用じゃない。
だいたい字を見ればわかるだろ。
だから、まだ半人前の塗装工なんだ」
*(‘‘)*「ふうん」
と絵里華がつぶやいた。
*(‘‘)*「世間には、いろんな人がいるんだ」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:18:28.23 ID:IRsWZrM1O
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:19:13.53 ID:3RVTx0Gk0
くぐもるような声があった。
川^⊂川
横を見ると、
母親が口を手でふさぎながら笑いをこらえている。
( ´_ゝ`)「その通りだよ」
流石はいった。
( ´_ゝ`)「世間にはいろんな人間がいる。
いろんなこともある。
もう、おやすみ」
*(‘‘)*「おやすみなさい」
貞子が立ちあがり、
蛍光灯の光を半分におとした。
一分もたたないうち、
かすかな寝息がとどきはじめた。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:20:49.63 ID:ujcfmZPW0
暖かくていいな
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:22:17.43 ID:AKuYCt3w0
流石
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:22:47.81 ID:3RVTx0Gk0
川゚д川「この齢で……」
ふたたび隣りに腰をおろした貞子が、
寝入った娘に目をやりながらひっそりつぶやいた。
( ´_ゝ`)「世間という言葉を教えたのは俺なんだ。
わるかったな」
川゚д川「いいえ」
彼女は首をふった。
川゚д川「そういうことじゃなくて、
よく我慢しているなと思って。
こんなに環境が変わったのに」
そのときふいにその思いが訪れた。
( ´_ゝ`)(二年半まえ見た瀟洒なマンションが建ち並ぶあの通り。
玄関に流れていた泉水。
植え込みにあった葉群れの青さ。
そうだ。
こういう母娘があの青山のようなところ住んでいたのではなかろうか)
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:23:38.34 ID:3RVTx0Gk0
さりげなくたずねた。
( ´_ゝ`)「ここのまえは、
どこに住んでいたんだ」
川゚д川「浜田山でした」
静かに貞子が答えた。
川゚д川「その頃にも、
あの人たちが自宅へやってきたことは何度もあります。
でも、ここもわかってしまった以上、
これからもまたおなじようになるんでしょうね」
( ´_ゝ`)「なるだろうな」
流石はうなずいた。
( ´_ゝ`)「少し、脅しはしたが、
懲りる連中ではないからな。
だがいずれ、
あんたからはもうなにも絞りとれないとわかるだろう」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:24:49.40 ID:3RVTx0Gk0
川゚д川「私、偽装離婚したと思われているんです。
だからここへ引っ越したのも資産隠しのための隠れ蓑だと、
なかあの人たちはそう信じてこんでいるようですね」
他人事のように彼女はそういった。
それから流石に目を向けた
川゚д川「お話をお聞きになります?」
( ´_ゝ`)「あんたがそうしたいなら」
流石はやや考えたあと、
そう答えた。
理由はなくもなかった。
さっき見たあの稲妻が彫りこまれたバッジ、
あれはかつて自分が預かりの世話になった杉浦会の末端、
鬱田組のものだった。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:25:44.69 ID:3RVTx0Gk0
貞子はたんたんと話しはじめた。
( ^ω^)
彼女のかつての夫は、
内藤平地といった。
数十人の従業員を抱える印刷会社の経営者だったという。
貞子は名前だけを連ねる名目上の役員だった
バブル以降の不況で経営は傾いてはいたが、
それでもまだなに不自由ない生活はつづいていた。
ところが一年ほどまえから、
運転資金を銀行が貸し渋りはじめた。
金融機関が不良債権償却に追われるこのご時世ではよくある話だ。
一般のノンバンクも当然、
お話にはならない。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:25:53.90 ID:+ACI44bK0
支援
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:26:31.64 ID:3RVTx0Gk0
結果、
手形をおとすために貞子の夫は個人名義で街金に手をだすはめになった。
それが数百万から数千万に急激に膨れあがった。
その規模で融通できるのは、
もちろんただの街金ではない。
裏金融の世界だ。
暴力団の企業舎弟だった。
その際、
彼は連帯保証人として無断で妻の名を実印を使ったという。
そして結局、
お定まりの末路、
行方をくらます事態にいたった。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:27:55.76 ID:3RVTx0Gk0
署名ずみの離婚届が郵送されてきたのは、
彼が去ったあとだ。
女は女であるだけでカネになるだろう。
夫からの手紙にその文面を見たとき、
貞子は躊躇なく離婚届を区役所に届けでた。
以前から銀行の抵当に入っていた家屋、
工場はもちろん失ったが、
それでもまだ街金への負債は三千万ほど残っている。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:28:39.23 ID:3RVTx0Gk0
流石にとっては、
平凡なありふれた話だった。
そういうことなら、
よくて月イチ、へたをすればトイチ。
かつて二十歳そこそこで、
そんな事情をのみこむ立場にいたのである。
だが当人にしてみれば、
やくざの追い込みを受けるのは平凡でありふれた話ではないだろう。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:29:23.40 ID:+ACI44bK0
支援
ひどい話だ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:29:43.77 ID:3RVTx0Gk0
川゚ー川「皮肉なことに、
その離婚で資産隠しだと思われたようです」
貞子はかすかな笑みさえうかべながらそういった。
川゚д川「弁護士さんの話だと、こういう場合、
離婚と債務は関係がないそうですね。
私はいま自己破産を申請中なんですけれど」
( ´_ゝ`)「あの朝田って男は?」
貞子はなぜかまた笑った。
川゚ー川「流石さんは誠実な方ですね」
( ´_ゝ`)「いきなり、なんだい」
川゚ー川「あの人がみえたとき、
いつもテレビの音量をあげてらっしゃったでしょう?」
流石は答えなかった。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:30:37.96 ID:ujcfmZPW0
借金は怖いな
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:30:57.73 ID:+ACI44bK0
支援
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:31:20.05 ID:3RVTx0Gk0
貞子がつづけた。
川゚д川「朝田さんはこの話とは関係ありません。
夫のところで経理にいた人ですが、
転職してもう無関係な立場の方です。
私も少しは社員の方を知ってはいましたが、
あの人はなぜか、
夫が姿を消してから何度も私のところへやってくるようになって……。
でも引っ越しのときだけは、
手伝っていただける男性がいなくて、つい甘えてしまいました。
私は運転できなくて、
レンタカーも借りられませんから」
( ´_ゝ`)「業者に頼めばよかったじゃないか」
川゚д川「そうすれば、
調べられて住所がたどられるような気がしたんです。
いま思うと取り越し苦労だったのかも知れません。
でもあの方には、悪いことをしましたね。
きょうみたいに怖い目にあわせて」
( ´_ゝ`)(この女、ほんとうに変わっているな)
流石はそう思った。
( ´_ゝ`)(また危ない立場にもどったのに、
平然と他人のことばかり気にしている。
ただの引っ越しの手伝いだけでいい寄られ、
そいつに迷惑していたのは自分じゃないか)
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:33:13.85 ID:+ACI44bK0
支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:34:28.51 ID:3RVTx0Gk0
しばらくして、
かすかなつぶやきが聞こえた。
川゚д川「庭さえなくして、
この子、この齢で……」
流石は隣りにいる女を見た。
貞子の視線は眠っている娘に静かに注がれていた。
川゚д川「私、この齢の頃、
焚き火が好きでした」
( ´_ゝ`)「焚き火?」
川゚д川「ええ」
彼女は遠くを見る目つきになった。
川゚д川「幼い頃、朝早く庭にでて、
よくひとりで焚き火をしたんです。
この子を見ていると、
なぜかそんなむかしを思いだしました」
( ´_ゝ`)「…………」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:36:55.74 ID:3RVTx0Gk0
川゚д川「秋、庭には落ち葉がたまるでしょう?
朝誰もいないころ、それを集めて、
夜露がはじけてしまわないうちに火をつけて。
でも露で枯れ葉は燃えずに白く燻るだけ。
だけど目や鼻を心地よく刺激するその白い煙がとても好きでした。
それから髪の毛やセーターにしのびこんだ煙をいっぱい抱いて、
もう一度ベッドにもぐりこむんです。
すると煙のにおいにつつまれて、
うとうととなんだかとても気持ちがよくて……。
そんな焚き火が、私は大好きだった」
静寂が訪れた。
流石のなかで、
ふいにまたよみがえるものがあった。
二年半まえの早朝。
あの日の疑問。
歳月を超えたその思いがふたたび訪れた。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:37:05.75 ID:+ACI44bK0
えっ?
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:37:40.91 ID:3RVTx0Gk0
( ´_ゝ`)「なあ、奥さん。
いや、山村さん」
川゚д川「なんでしょう」
( ´_ゝ`)「その焚き火をしたときの木の葉の名前、
あんた、覚えているかい」
川゚д川「ええ。柿、クヌギ、ブナ。
それにカリンの木もありました。
訊かれていま思いだしました。
カリンの実はおいしくなかったけれど、
黄色い実はとてもきれいだった」
流石は黙りこんだ。
しばらくしてぽつりとつぶいた。
( ´_ゝ`)「庭が広かったんだな」
川゚д川「ええ、もう遠い記憶になりましたが」
( ´_ゝ`)「それで、あんたは子供の頃から、
木の名前に詳しかった」
川゚д川「そうでしょうか。それがなにか?」
( ´_ゝ`)「いや、なんでもない」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:37:41.25 ID:ujcfmZPW0
ん?
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:38:20.50 ID:3RVTx0Gk0
答えて流石は伸びをした。
( ´_ゝ`)「さて、俺も眠くなった。
もう部屋にもどることにするよ」
貞子はなにかいいかけたが、
すぐに目を伏せた。
やがて、
川゚д川「お疲れになったでしょうね」
そういった。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:39:32.38 ID:+ACI44bK0
これ何話目だ?
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:40:07.52 ID:ujcfmZPW0
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:40:56.98 ID:3RVTx0Gk0
ドアを開けたとき流石はふりかえった。
戸口まで立ってきた貞子は深々と頭をさげ、
それから顔をあげ微笑した。
川゚ー川「おやすみなさい」
会釈だけして、
表にでた流石は、
暖かい春の夜気を深く吸いこんだ。
そして、
そっと声にだしてつぶやいた。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:42:08.20 ID:3RVTx0Gk0
( ´_ゝ`)「木の名前か」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:42:35.11 ID:biw7TA9B0
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:43:46.76 ID:3RVTx0Gk0
今日はここまでです。
たくさんの支援ありがとうございました。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:44:37.39 ID:IRsWZrM1O
乙だがこれは原作通りに展開するのか?
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:44:51.89 ID:ujcfmZPW0
乙!
次回も楽しみにしてる。
物語がどんな風に展開していくのか楽しみでしかたない。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:45:10.00 ID:biw7TA9B0
乙つ
まとめがないのが不思議だな
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:50:01.74 ID:ujcfmZPW0
>>87 原作があるのか?
ちょっと読んでみたいんだが
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:55:17.04 ID:IRsWZrM1O
>>90 >>1が答えてくれないから書いちゃうけど
雪が降るって題名の短編集が原作っぽい
作者は藤原伊織で講談社が出してる
言っちゃ悪いけど、今のところはその中の『紅の樹』って短編の丸写し
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:57:59.16 ID:ujcfmZPW0
>>91 マジか。ありがとう。
ちょっとググッてみたら、凄く好みの作者っぽいから、まとめて借りているわ
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 21:58:46.23 ID:ujcfmZPW0
いるわってなんだよ……
みるわだよ……
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:04:17.28 ID:yyipRUiA0
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:07:22.09 ID:c6b8BUWL0
盗作というわけではないのだね?
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:10:30.58 ID:IRsWZrM1O
ちょっと待ってろ
少しだけ写すから
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:16:03.14 ID:3Sj8mTx20
来てみれば投下が終わってるし原作があるらしくて二重に驚きです
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:24:32.91 ID:IRsWZrM1O
ごめん、本探すのに時間かかった。やっぱパクりだわ
その日も○崎(何故か変換できないんで伏せます)の気配が隣室にあった。
堀江はいつものようにテレビのボリウムをあげていた。
あの男がやってきたときの習慣になっている。
くだらないお笑いをぼんやり眺めていると、
いきなりその音が廊下に響きわたった。
騒々しいテレビ以上の音量だ。
靴音がなにかを蹴りつける音だった。
隣りのドアらしい。
つづいて大声があがった。
「こんばんは。ちょいとおじゃましにきました」
馬鹿ていねいな口調だが、どんな人種の声かすぐわかる。
かつて堀江自身が身をおいていた世界のものだ。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:25:52.14 ID:HitEVFab0
原作ですらねえじゃんwwwwwwwww
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:27:14.43 ID:FdPxELvc0
へえ、荒らしもよく考えるもんだ
PCと携帯を駆使した自演で良作に盗作疑惑を掛けるなんてな
醜い嫉妬は見苦しいよ
作者さん乙でした
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:27:47.65 ID:ujcfmZPW0
丸パクリかよ……
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:29:28.35 ID:FdPxELvc0
>>99 え、ちょ、マジで? 盗作?
ごめん、ほんとごめん、すみませんでした
許してください俺が間違っていた
作者この野郎、許さねえぞ、
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:36:33.25 ID:IRsWZrM1O
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:37:15.55 ID:mQ6NhbiWP
盗作問題はたびたび起こるね。前はweb小説だったからすぐ判明したけど
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:37:19.26 ID:ibhH6PjC0
丸パクリかよ
ご丁寧に投下間隔もあけて、いかにも自分で書いているように見せかけてさ
なんつーか残念な事件だ
続きは気になるから書籍の方を読むことにするわ
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:43:51.42 ID:Dxa8lKBH0
よむほ。と書きこもうと思えば盗作かよ!
ググって調べたらあらすじがまんま一緒じゃん!
もう何を信じたらいいのかわからない。。。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:45:26.90 ID:127Zp8u1O
乙
雪が降るは手元にあるから見てみたら、丸パクリだな
このスレ見てなかったから気づかなかったけど、作者クズだな
いや、作者ですらないか
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:54:13.69 ID:oKNGm3EJO
うーん
原作有り無しは別にして、最初から晒せば良いのに
空気作者の戯れ事でした。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 22:54:18.90 ID:/U5bigpK0
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:01:27.68 ID:uvV3i7pF0
これは酷い
>>109 そういう問題じゃない
登場人物の名前変えただけで、後の描写は一言一句同じ
違法アップロードと変わらんわ
今まで誰も気づかなかったのが不思議だ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:05:47.12 ID:uvV3i7pF0
検索に掛かるものでもないし読んだことがないと気がつかないからなあ
むしろ気がついたことが奇跡なんじゃね?
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 23:14:51.27 ID:uQnEZk9a0
ブーン系風にアレンジを加えるのならまだしも、
完全な丸写しとは…。
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ハードボイルド系小説信者の俺に死角は無かった
この機会にみんな藤原伊織読んでくれ
雪が降るもいいが、特にテロリストのパラソルは傑作だ