1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 17:25:28.99 ID:uwkcjmjZO
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 17:41:51.12 ID:uwkcjmjZO
「あずにゃん、別れよう」
唯が言った。六月の終わり、細い針のような雨の降る日。
「もう……嫌だよ。正直に言うけど、限界。お互いに苛々させあってるだけなんだもん」
悪臭と熱気を放つヘドロのような感情が、唯の中で渦巻いていた。
後輩の顔を見つめる。言われたことが理解できていない表情だ。唯は梓の顔を……醜いと感じた。
見開かれた大きな目も、半開きになった口も。愛を交わしあった唇も。
何もかもが醜悪に見えた。
「これは先輩としての忠告だけど、将来彼氏にああいうことするの止めた方がいいよ。はっきり言って……気持ち悪いから
じゃあ、私は行くね。もう彼女として接するのは止めてね」
そして、二人の関係はトランプの塔のようにあっさり崩壊した。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 17:52:00.93 ID:uwkcjmjZO
……それは、長い梅雨が始まる頃のことだった。
「唯先輩、好きです。付き合って下さい」
後輩の梓に、下校時刻の近づいた音楽室でそう告げられた。
最初はとても驚いた。唯はそれまで告白されたことなどなかったから。
しかも相手は女の子なのだ。おまけに自分に厳しく接する梓なのだ。
次に唯は、梓がとても可愛いと思った。
緊張で見開かれた大きな目も、ほんのり染まった頬も、結ばれた唇も愛しく感じた。
「……いいよ、私でよければ。付き合おう」
そして唯は梓を抱きしめた。これまでにないほど強く、そして優しく。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:01:23.28 ID:uwkcjmjZO
腕の中で、梓の体が小さく震えているのがわかった。唯の体にしがみつきながら、彼女は泣いているようだった。
きっと、すごく悩んだ末での告白だったのだろう。
唯は女の子同士の恋愛に、まったく抵抗を感じなかった。
何かに差別や偏見を持つほど世間を知らないせいもあるが、単純に恋愛に疎いせいもある。
支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:04:42.88 ID:yICEwoMDO
続けて
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:10:15.68 ID:uwkcjmjZO
それに、初めての恋愛の対象が可愛がっている後輩というのも悪くないと思った。
「私も、あずにゃんが大好きだよ」
「……唯先輩の言う好きとは、違うかもしれませんよ」
「大丈夫。同じだよ。私もあずにゃんとおんなじ」
唯は後輩の髪を撫でながら言う。梓は顔を上げ、涙に濡れた顔に笑みを咲かせる。
……闇が迫る音楽室。
唯はこれから始まるであろう甘酸っぱい日々を思い、胸を踊らせた。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:17:35.57 ID:uwkcjmjZO
それから二人は、並んで帰りながら交際の“ルール”を決めた。いたってシンプルな二つのルール。
二人の関係は誰にも明かさないこと。
……女の子同士の恋愛に、眉をひそめる人もいるだろう。不快な思いをしたくないので、お付き合いは秘密。
浮気は禁止。
……当然のことだ。
「唯先輩、絶対に絶対に忘れちゃダメですからね!」
梓は何度もそう念を押した。
「大丈夫だよ〜。こんな簡単なルール、いくら私でも忘れないよ〜」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:18:19.14 ID:yICEwoMDO
はやく〜♪
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:29:16.58 ID:uwkcjmjZO
翌日から、早速二人の秘密の付き合いが始まった。
登下校は必ず一緒。休み時間はなるべく二人ですごす。たまに互いの家に遊びに行く。
唯は梓と登校するために、早起きの習慣を身につけた。その気になれば、朝早くに起きることなど何も苦痛ではないのだ。
「お姉ちゃん、最近朝が早いね」
「朝練があるんだ」
二人の関係は、もちろん憂にも秘密だ。妹に嘘をつくのは少し後ろめたいが、約束の方が大事だった。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:36:03.79 ID:uwkcjmjZO
「唯先輩、こっちです!おはようございます、先輩!」
静かな雨の降る日。梓が大きく手を振るのが見えた。
小さな猫のイラストがついた傘を片手に、顔を輝かせて。
……あずにゃん、意外と子供っぽいなあ。唯は苦笑する。
「唯先輩、今度の日曜に予定はありますか?」
「特にないよ?」
「じゃあ、二人でお買い物に行きましょう。私たちの初デートです!」
「……いいね、行こう行こう!」
二人は一つの傘で登校する。相合い傘など初めての経験だった。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:44:47.96 ID:uwkcjmjZO
時が進むのが急に遅くなったようだった。日曜が来るまで、何度カレンダーや時計に目をやっただろう。
ようやく来た日曜日。唯は朝食もろくに食べずに家を飛び出す。ありがたいことに、その日はきれいに晴れてくれた。
待ち合わせ場所。梓がいつものように大きく手を振って合図する。
「ごめんね、待った?」
「いえ、ちっとも。たった三十分です」
「早すぎだよ〜。それより、あずにゃんのその服可愛いね」
梓は青いタンクトップに半ズボンをはいていた。夏向きの、動きやすい服装だ。
「唯先輩の服も、可愛いですよ」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:51:19.36 ID:koEcDSqMO
ほう
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:51:43.26 ID:uwkcjmjZO
そして二人の、秘密の時間が始まった。
電車に乗って、大きな街に出る。可愛らしい服を試着し、書店を見てまわり、ゲームセンターでクレーンゲームに熱中した。
「次はどこに行こうか、あずにゃん」
「あそこのアクセサリーのお店にしましょう」
昼過ぎ。暗い色の雲が空を覆い、せっかくの日曜を台無しにしようとしていた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 18:58:36.46 ID:uwkcjmjZO
色とりどりのアクセサリーが輝く店内は、唯に宝石箱を思わせる。蛍光灯の無機質な明かりですら、親しみやすく感じられた。
「私から、唯先輩にプレゼントさせて下さい」
梓がそう言ってくれた。しかし唯は知っている。梓の財布がだいぶ軽くなっていることに。
唯はわざと、安いアクセサリーばかり見て回る。
「えーと……あ、じゃあこれにしようかな」
唯が指したのは、色とりどりのビー玉が入ったケースだった。値段もそう高くない。
「アクセサリーのお店にビー玉?……こんなものでいいんですか?」
「うん!私はこれがいい。色はあずにゃんが決めてくれるかな」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:04:19.28 ID:uwkcjmjZO
梓は迷わずに赤いビー玉を選ぶ。
「唯先輩には、赤がよく似合いますよ」
「そうかなぁ?じゃあ澪ちゃんやりっちゃんにはどの色のをプレゼントする?」
「そうですね、澪先輩はクールだから青いビー玉、律先輩は明るいから黄色ですね。」
「ムギちゃんは紫かなぁ。あずにゃんは絶対にピンクだね!」
「ピンクのビー玉なんてありませんよ」
二人はおかしそうに笑う。赤いガラスの玉が蛍光灯の明かりにきらめく。
「……ありがとう、あずにゃん。大事にするね」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:06:15.86 ID:HcjY5C4yO
実に興味深い
続けて
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:09:07.43 ID:uwkcjmjZO
いつの間にか、雨が降り始めていた。午後の静かな雨は二人を店の軒先に足止めさせる。
「天気予報って、アテにならないよね」
「でも、私はちょっと嬉しいです。こうして二人でいられる時間が伸びたから」
二人はしっかりと手を握りあう。
確かに、こうして雨の街を眺めながらすごすのも悪くない。
そんなことを考えていた時、唯の携帯電話が鳴った。
「あ、りっちゃんからだ」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:15:21.00 ID:uwkcjmjZO
律からの電話は、たわいもない内容だった。暇なのでからかい半分にかけたのだろう。
それでも、唯の顔は自然と綻んだ。律には人を楽しませる才能があるのだ。
「……じゃ、また明日ね〜」
二言三言話してから、唯は電話を切る。
「律先輩からですか?」
「うん。大した用じゃなかった」
「どんな用だったんですか?」
「つまらない用だよ」
「だから、どんな用ですか」
……え?
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:15:51.61 ID:r6qtDUR30
支援
うわあ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:17:55.36 ID:iYujzcI7P
これは…
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:18:59.46 ID:yICEwoMDO
早くも本領発揮のゴキにゃん
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:20:07.72 ID:uwkcjmjZO
後輩の顔を見る。
梓は厳しい顔で、唯の携帯電話を睨んでいた。唇がキュッと結ばれている。
唯は少し驚いた。
私、何かいけないことしたかな。もしかして、デート中に電話に出るのはマナー違反なのかな?
「……明日の授業の確認だったんだ。澪ちゃんに聞いた方がよかったのにね」
「本当にそうですか?」
「本当だよ」
「本当に?」
「……あずにゃん、怒ってるの?」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:25:27.00 ID:63zr3d1s0
uzee
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:31:18.46 ID:uwkcjmjZO
唯の心に暗雲が広がる。空を覆う雨雲のような、鼠色の暗雲。
梓ははっきりと、律からの電話に不快感を示している。それが唯を不安にさせた。
「……いえ、怒ってないですよ」
しばらくの沈黙の後、梓が口を開く。いつもの彼女の口調だった。
「本当?」
「本当ですよ。あ、雨が小降りになってきましたね。帰りましょう」
それからの梓は、いつも通りの彼女だった。電話の話も一度も出なかった。
だが唯は、胸に小さな違和感が生まれたのを感じた。それは帰宅するまで消えなかった。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:42:52.57 ID:uwkcjmjZO
翌日。
唯は梓と並んで昇降口に向かう。昨日のデートを思い出し、クスクスと笑いあう。
電話の一件は、一度も話題に上らなかった。
「……唯先輩は、安く買い物をするのが下手くそです。だいたい……」
梓は嬉々として話し続ける。言っていることは少々きついが、笑顔はこの上なく愛らしい。
「二人とも、おはよう」
「あ、澪ちゃん!おはよ〜」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:46:03.00 ID:DiSxw5Tk0
期待
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:47:46.69 ID:uwkcjmjZO
「唯、宿題やってきた?」
「え、宿題なんかあったっけ……あぁ!忘れてた〜」
「まったく……見せてやらないからな」
澪が呆れた声を出す。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:48:40.20 ID:uwkcjmjZO
飯くってきます
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:53:31.66 ID:7Au1badoO
いつまで飯食ってんだよ
とっとと再開しろ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:57:02.78 ID:iYujzcI7P
5分の食事休憩も許されない。
これがSS作者の日常である。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 19:57:10.31 ID:1LAjRwWw0
お前普段10分以内に飯食ってんのか、もっとよく噛んだほうがいいぞ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:01:36.16 ID:DiSxw5Tk0
5分ワロタ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:02:13.56 ID:7Au1badoO
現代人はちゅーちゅーして10秒で食事済ます
>>2は代理でスレ立ててもらってるんだから食事やおしっこは飲んで済ませるべき
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:03:34.04 ID:iYujzcI7P
そしてこれがもしもしの実態である
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:29:48.87 ID:I6LgdDei0
まだかい
>>38 そう急かすな
けいおんの同人誌でも読め
気分が達観したかのように晴れやかになる
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:36:15.88 ID:uwkcjmjZO
「じゃあ、また後でな」
「ふーい……。澪ちゃん最近厳しいよね、あずにゃん」
澪を目で送ってから、梓の方を振り向く。……可愛らしい後輩の笑顔はそこにない。
梓は険しい顔つきで唯を見つめていた。瞳に暗い炎が踊っている。
「……また後で、ってどういう意味ですか?」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:42:27.27 ID:qTuYnRKL0
こりゃ疲れる罠
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:45:13.78 ID:uwkcjmjZO
唯は思わず身をすくませる。忘れていたはずの違和感が、胸に戻ってきた。
……昨日と同じだ。
「どうして澪先輩と、あんなに親しくしてるんですか?」
「……お、おかしいかなぁ?」
「いえ、おかしくないですよ?ただ、澪先輩って唯先輩とはあまり接点ないじゃないですか。だから、ちょっと気になっただけです」
梓が唯に顔を思い切り近づけ、彼女の瞳の奥の何かを探ろうとする。
こんなに顔を近づけたのは初めてだ。だが胸はときめかない。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:50:02.52 ID:uwkcjmjZO
「な、何もないよ〜。普通だってば〜」
「本当ですね?」
「……ほ、本当に本当だよ……」
「……わかりました。信じましょう。すみません、変なこと聞いて」
……ちょっと気になっただけ。梓はそう言った。
ちょっと気になっただけで、人はあんなに瞳を燃やせるものだろうか。
怒りと憎しみに満ちた、赤黒い炎を。
「……唯先輩」
「な……なぁに?」
「“約束”破っちゃ嫌ですからね?」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 20:56:46.41 ID:uwkcjmjZO
……私が悪かったのだろうか。唯は考える。
あずにゃんをほったらかして、話に熱中していた私がいけなかったのだろうか。
唯は誰かに相談したかった。恋人との付き合い方を教えてほしかった。
恋愛経験のない彼女は、知識を欲していた。
だが、誰かに打ち明けるわけにはいかないのだ。それは“約束”を破ることになる。
「何を暗い顔してるの?唯」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:08:31.31 ID:uwkcjmjZO
「……あぁ〜、姫ちゃん」
「おはよっ」
立花姫子。唯の隣の席の大人びた少女。
「えへへ、ちょっと考え事」
「唯は明るい顔の方が似合ってるよっ」
姫子が頬をつつく。少しくすぐったいが、唯は嬉しかった。友人の気づかいが。
……姫ちゃんの髪、きれいだなぁ。
不意に唯の携帯電話が鳴る。メールの着信音だ。
メールは梓からだ。
【どうしてその人と、仲良くしてるんですか?】
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:11:59.16 ID:yICEwoMDO
こわっ
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:14:28.02 ID:uwkcjmjZO
思わず椅子から立ち上がり、教室の出入り口を凝視する。……恋人の姿は見えない。
「唯?どうかした?」
姫子が不思議そうな顔をする。
「……ううん、何にもないよ」
唯は引きつった顔を、無理やり笑いの形に変える。いつもの脳天気な彼女を必死に演じる。
だが心臓は、おかまいなしに暴れていた。
……なんで?
なんで私の人間関係に干渉したがるの?
どこから見ていたの?
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:15:40.74 ID:F36IIGwkP
確かにこういう奴とは付き合いたくない
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:25:52.00 ID:Fhpl21AUO
こういうの好きだわ
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:30:07.39 ID:uwkcjmjZO
一時間目の授業が始まっても、心臓は大人しくしてくれなかった。
恋愛とは、相手を束縛するものなのだろうか。
これが澪ちゃんが詞に書いた、恋というものなのだろうか。
……違う。
ドラマや漫画の恋人たちは、もっとのびのびとしていた。
……こんなのは、間違ってる。
唯の思考は、マナーモードにした携帯電話のバイブ音で途切れた。
机の下で、こっそりと携帯電話を開ける。案の定、梓からだった。
【授業はしっかり受けてますか?変なこと考えてちゃダメですよ】
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:32:38.47 ID:uwkcjmjZO
すまん、ちと休みます
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:34:38.52 ID:8PVect8W0
超能力者か!
>>51 乙
ゆっくりマイペースでやってください。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:41:15.57 ID:I6LgdDei0
おもしろい
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:49:35.07 ID:7Au1badoO
いつまで安んでるつもりだい
スレ立て代行させてまで書きたかったんじゃないのかい
mjtpzjなんですけど
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 21:55:37.95 ID:1JkbM8qw0
実に興味深い内容である
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 22:12:14.36 ID:yICEwoMDO
次からは書きだめしてから立てろ
遅漏
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 22:34:00.52 ID:YpCCkIs5O
まだかいな
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 22:54:26.60 ID:7Au1badoO
典型的な逃げだな
スレ立て代行までさせておいてこれだよ
これだからもしもしは困る
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 23:06:47.65 ID:lCTZlE86O
どんだけスパルタなん!?w
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 23:08:17.48 ID:qv0qbVN90
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 23:15:25.25 ID:6055A5y90
期待age
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/30(木) 23:27:13.72 ID:iYujzcI7P
エンディングまで大筋の流れが出来てても、
途中で、イマイチ流れが作れないと言うパターンだな。
地の文で状況説明をしようとするタイプだと陥りやすい。
こう言う人には書き溜めを推奨するよ。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:05:25.55 ID:+ye1zWq9O
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:06:21.16 ID:CMGqHjerP
>>64 大先生の書いたSSが読みたいです!先生!!
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:08:49.13 ID:lezY0EZk0
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:24:10.31 ID:kxE7/vJiO
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:33:23.20 ID:UHixO2zE0
支援
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:35:30.86 ID:PI2/b1TsO
すまんです
三十分寝るだけのはずがこんなに寝てしまいましたorz
お待たせしました。
再開します。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:44:15.92 ID:PI2/b1TsO
梓からのメールは、その後も頻繁に来た。
授業中に休み時間。唯が何かをしようとするたびに携帯電話が鳴る。
トイレで用を足している最中にまで来た。
【紙は足りていますか?】
その時ほどトイレの個室の天井の隙間を恐れたことはない。水を流すまでの間、何もない空間から目を離すことができなかった。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:52:34.10 ID:PI2/b1TsO
電源を切ればいいのだろう。そうすればメールに煩わされずにすむのだ。簡単なことだ。
しかし唯はそうしなかった。というよりできなかった。
もし電源を切ったら、梓は理由を問いただすだろう。あの暗い炎が踊る目で、じっとこちらを見つめながら。
このままじゃいけない。私はどうすればいい。
……ああ、なーんだ。
はっきりと「嫌」と言えばいいのだ。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:57:35.89 ID:y1sv2mMq0
支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 00:59:01.26 ID:PI2/b1TsO
昼休み、唯は音楽室の前で梓と待ち合わせる。
「ごめん、待った?」
「いえ、ちっとも。今来たところです」
それはそうだろう。二人とも授業があったのだ。
梓はいつもの愛らしい笑顔だった。瞳も燃えていない。唯はひとまず安堵する。
「それで、話ってなんですか?」
「もう、メールを送らないでほしいの」
途端に梓の笑みが、あっさりと溶け去った。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:04:03.41 ID:PI2/b1TsO
「どうしてですか?」
「ここ、学校だしさ。授業中にまでやりとりするのはやっぱりおかしいよね」
「どうしてですか?」
「それに、正直に言って嫌だよ。なんか信用されてないみたいでさ。恋人なら、もっと信頼してくれてもいいよね」
「どうしてですか?」
「ねえ、あずにゃ」
「どうしてですか?」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:08:29.50 ID:HpugAc1BO
うっぜええええwww
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:09:53.05 ID:I0OTv0iKO
これあずにゃんじゃないよ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:12:36.81 ID:efwN1zpZ0
どっちも病んでね?
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:16:09.56 ID:PI2/b1TsO
梓の瞳から奥行きが消えていた。
「恋人のメールが、そんなに苦痛ですか?」
「恋人からメールが来ると、まずいことでもあるんですか?」
「恋人に知られたくないプライベートでもあるんですか?」
梓の口から、言葉が漏れる。きちんと閉めなかった蛇口から垂れる水滴のように。
言葉という水滴が、鼓膜にポタポタ落ちる。その音は不自然に大きく響き渡る。
代理で立ててもらって最初の投下が15分後って時点で
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:22:43.36 ID:PI2/b1TsO
「……これから四六時中、私の目の届く範囲にいて下さい。そう約束できますか?」
唯は首を横に振る。口の中が乾いてゆくのがわかった。
「そうでしょう。私たちは学年だって違うんですからね。そんなことは不可能です」
不可能、と梓は言った。
……嘘だ。
「ですから、メールで妥協してあげてるんです。口出しはしないで下さい」
……何を言っても無駄だ。唯ははっきりと悟った。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:35:39.87 ID:PI2/b1TsO
「……唯先輩」
「な、何?」
「キス、してみませんか?」
梓が甘い口調で言う。だが彼女の瞳は、相変わらず鮫のそれであった。
「まだ早くないかな?」
「私たちは恋人同士です。問題ありません」
「誰かに見られちゃうよ」
「問題ありません」
……いったい、“約束”の話はどこへ行ってしまったのか。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:36:52.50 ID:q2Wi3p4m0
いや、こう言う奴マジでいるからね
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:44:13.89 ID:PI2/b1TsO
梓が唯の頬を両手で包み、顔を近づけてくる。頬に手があてられた瞬間、背筋に虫が這うような感覚が走った。
梓の唇が近づけてくる。瞳も迫ってくる。奥に嫉妬を宿した平板な瞳が。
いやな臭いがした。梓の口臭だろうか。それとも干上がった自分の口内の臭いだろうか。
あと数センチ……。
始業のチャイムの音で、二人だけの“夢のような”時間は終わりを告げた。
「……残念。キスは次の機会にお預けです」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:44:54.61 ID:Ve69ZSm90
英語でいうとノンフィクション
うわあああ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:46:18.46 ID:PI2/b1TsO
入浴してきます
ちなみに嫉妬にゃんは二期最終回の日本人形な梓のイメージで
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 01:53:27.86 ID:ARViB5ZLP
純梓まだ?
この梓はすごいね
どんどん梓が過激になる
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 02:22:08.15 ID:XE3exZkr0
四円
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 02:30:37.22 ID:OQ0WcDvQO
おもしろい
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 02:35:10.04 ID:q2Wi3p4m0
うん
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 02:39:36.07 ID:PI2/b1TsO
放課後。
「おーそいぞー!」
「ごめーん、待った?」
「気にしないで。今日はレモンティーよ」
音楽室には、すでに仲間たちが集まっていた。もちろん梓もいる。
「ちゃんとお掃除しましたか?」
「大丈夫だよ〜。心配しないでおくれやす〜」
いつも通りの調子の梓を見て、唯はそっと胸を撫で下ろす。
先ほどの鬱屈した雰囲気は微塵も残っていない。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 02:45:59.59 ID:PI2/b1TsO
あの後、唯の携帯電話が鳴ることは一度もなかった。
ことによると、授業中に彼女の言葉を反芻して改心したのかもしれない。
いずれにせよ、今の梓は可愛い後輩にすぎなかった。唯が毎日抱いている子猫のような後輩。
「あーずにゃーん」
「もう、みんな見てますよ」
声で嫌がってみせるが、梓は嬉しそうに目を細める。そんな姿も愛くるしい。
「さあさ、お茶にしましょう。今日のお菓子はマドレーヌなの」
紬も幸せそうだった。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 02:51:46.03 ID:WGkHyiJF0
しえん
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 02:58:08.01 ID:PI2/b1TsO
お茶とお菓子を味わいながら、仲間との会話に花を咲かせる。唯の一番のお気に入りの時間だ。
「いただきまーす」
唯はお茶の香りを楽しみながら、ゆっくりと飲んでいく。胸が暖かくなり、活力が身体の隅々にまで……。
異物感があった。
親指と人差し指で、舌先についた何かをつまみ上げる。
一本の髪の毛だった。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 02:58:39.23 ID:q2Wi3p4m0
しえん
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 03:04:16.13 ID:Ve69ZSm90
呪術じみてきた!!
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 03:04:41.00 ID:5MF4V1pIO
じゅさつ!
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 03:09:37.90 ID:PI2/b1TsO
やれやれ。唯は何でもないといった調子で髪を捨てる。
紬も人間なのだ。時にはこんなこともあるだろう。
それに、髪の一本くらいどうってことない。こんなことで騒いで、せっかくのティータイムを台無しにしたくなかった。
「それにしても、雨が多いよなぁ。ベースが湿気っちゃうよ」
「ケースを開けたらカビだらけ」
「ひいぃ!?」
「……梅雨かぁ。嫌だなぁ。ギー太がカビちゃったらどうしよう」
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 03:18:48.43 ID:PI2/b1TsO
「……こほん。唯、雨の日はギターは家に持ち帰らない方がいいよ」
澪がアドバイスする。
「うーん、なるべくならずっとそばにいてほしいけど、仕方ないよね……」
唯は壁に立てかけておいたギターを抱きしめ、優しく語りかける。
「大丈夫だよ〜。捨てたりしないから。私とお前は一心同体だよ〜」
「……またギー太ギー太って……」
「へ?」
唯は声の主……梓の方を振り向く。彼女はお茶のカップを片手に微笑んでいた。
「いえ、何も言ってないですよ?」
……嘘だ。
唯の胸に暗雲が広がる。あずにゃん、どうして嘘つくの?
梓の瞳にまたもあの暗い炎が宿った気がして、唯は不安にかられるのだった。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 03:20:15.35 ID:PI2/b1TsO
キリがいいんでそろそろ寝ます。
明日は午後から講義だけど、まあなんとかなるさ。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 03:26:25.41 ID:WE+dNFaR0
支援
明日も期待してます
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 04:15:13.75 ID:MDq8/h4EO
ほ
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 04:16:00.31 ID:Ml0zrw/70
IDが澪っぽい俺が来ましたよ
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 04:30:56.85 ID:Ml0zrw/70
ほ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 04:43:47.87 ID:3S8/ns+fO
遅筆にもほどがあるだろ
風呂上がりから寝るまで5レスって
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 04:55:54.45 ID:H3d8g34y0
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 06:05:37.33 ID:EQ9PQMxcO
ほ
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 06:41:09.32 ID:NzUpdQb20
まだ読んでないけどスレタイ見ただけで鳥肌がたった
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 07:56:19.49 ID:A4WQBywP0
ほ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 08:17:09.21 ID:PI2/b1TsO
霧のような雨が、白い校舎を優しく打つ。何もかもがしっとり濡れた、梅雨のある日。
「おっかしいなー。どこ行っちゃったんだろ。う〜ん……」
唯は筆箱の中身をひっくり返し、鞄の中を漁る。和が声をかけてきた。
「何をうなってるのよ、唯」
「あぁ〜、和ちゃん。実は消しゴムがなくなっちゃったみたいで」
和はため息をつくと、消しゴムを一つ差し出してくれた。黒い汚れが見当たらない、きれいな形のピンクの消しゴム。
「どうせ無くしたんでしょ。予備を貸してあげるわ」
「わあ、和ちゃんありがと〜!」
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 08:25:38.58 ID:PI2/b1TsO
「それにしても、またかぁ。やんなっちゃうよぉ〜」
ここ最近、唯は物を無くしてばかりいた。
筆記用具にリップクリームなど、身の回りの物が忽然と姿を消すのだ。
幸いにも金銭や貴重な品は消えなかったが、困ることには変わらない。
「普段からだらしないから、こうなるのよ。これからはきちんと身の回りを整理整頓なさい」
「違うよ〜!きっと足が生えてどっかに行っちゃったんだよ!」
「はいはい」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 08:29:08.92 ID:Gd5ITSCQO
まだ読んでないけど唯梓?
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 08:31:16.10 ID:PI2/b1TsO
「お二人さん、次は体育だぜ。早く行こうぜ〜!」
律が二人に声をかける。雨が降っているので、体育館での授業だ。
「あーあ、梅雨最悪だよぉ……」
唯は雨の体育館が好きではない。湿っぽくて薄暗く、まるで穴蔵に閉じ込められた気分になるのだ。
「ぐずぐず言ってないで、行くわよ」
「ふぁーい……あ」
「唯?」
「和ちゃん。……体操服なくなっちゃった……」
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 08:39:29.87 ID:DMiEzIQfi
あにゃずんがんばれ
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 08:40:42.39 ID:DMiEzIQfi
誤爆
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 08:42:04.36 ID:PI2/b1TsO
……
結局その日の体育は、見学することにした。
唯はため息をつく。運動はもともと好きではないが、見学よりはましだ。
要は雨の体育館にいるのが嫌なのだ。
唯の他に見学者はもう一人いた。唯があまり話したことがない、いちごと呼ばれている寡黙な少女だ。
「ねー、いちごちゃん。私の体操服見なかった?」
「知らない」
「梅雨って嫌だよね〜。いちごちゃんはどの季節が好き?」
「興味ない」
会話が続かない。唯がクラスメートの気を引こうと躍起になっていた時。
ポケットの電話が鳴った。
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 08:54:09.73 ID:PI2/b1TsO
「電話」
いちごが指摘する。唯は半ばげんなりしながら携帯電話の画面を見る。
案の定、メールは梓からだった。
【ちゃんと見学してますか?クラスメートとおしゃべりしてちゃダメですからね】
唯はあたりを見回す。もちろん、後輩の姿はどこにもない。
気のせいだろうか。このところ、四方八方から視線を感じるのだ。トイレの個室にいる時ですら、その感覚は消えなかった。
これも、恋人からのメールのせいかもしれない。
「どうしたの」
いちごが声をかける。
「ううん、何でもない」
唯は視線をバレーボールの試合に戻す。そうだよね、ちゃんと見学しなくちゃね。
……どうして、私が休んだの知っているんだろう。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:00:24.74 ID:PI2/b1TsO
体育館を後にしても、唯の気分は重いままだった。
なんだか胸の中にドロドロしたモノが溜まっている気がする。いやな臭いと熱を発する、不快なモノが。
「唯ちゃん、顔色があまりよくないわよ」
「……心配しないで、ムギちゃん。私は大丈夫だから」
大丈夫。たぶんね。
「……あら、どうして教室の鍵が開いているのかしら」
スレタイわざわざ台詞形式にする意味あんの?
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:10:05.33 ID:PI2/b1TsO
毎年日本全国の高校では、何百、何千もの盗難事件が発生する。
そしてそれは桜高も例外ではない。先月も、一人の二年生が一万円札入りの財布を失った。
だから和は、クラス全体で教室を空ける際は戸に鍵をかけるようにしていた。盗難防止のために。
にも関わらず、戸は開いていた。
不安がさざ波のように教室全体に広がる。全幅の信頼を置いていた戸に裏切られたのだ。無理もない。
「みんな、貴重品を確認して。何かなくなっていたらすぐに先生に報告して」
和が言った。もちろん皆すぐに従った。
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:14:56.93 ID:PI2/b1TsO
「……よかった、何もなくなってないよ」
「私も私も。よかった〜」
クラスのあちらこちらから、安堵の声が上がる。
和は胸を撫で下ろす。もしかしたら、自分が鍵をかけ忘れたのかもしれないのだ。
自分のミスでクラスの誰かに危害が及ぶのは、断じて許されない。
「……あ」
「唯、どうしたの?」
「和ちゃんの消しゴム……」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:16:38.04 ID:CMGqHjerP
ヤンデレってジャンルでいいのかなこれも。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:23:09.48 ID:PI2/b1TsO
和が丁寧に使ってきた、汚れを知らないピンクの消しゴム。
それは短冊状に裂かれて、唯の机の上に散らばっていた。
素手でここまできれいに裂くことなど不可能だ。何者かが……刃物を使って事におよんだのだ。
「……自爆かしら?」
「和ちゃん。……ごめんね」
「いいのよ、唯がやったわけじゃなし。それより、何も盗まれなかった?」
「……うん、何もなくなってない……」
唯は暗くふさぎ込んでいた。消しゴムを、物を大切にする和の心境を思うと胸が痛んだ。
結局その日、唯の私物は何もなくならなかった。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:42:32.31 ID:DMiEzIQfi
シリアスなシーンなのに、和ちゃんの反応に笑っちゃうw
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:43:56.30 ID:PI2/b1TsO
その日のホームルーム。
「平沢さんの体操服などがなくなっています。みんな、心当たりがあったら申し出て下さい」
さわ子が壇上で言う。
その日の昼休み、唯は和といっしょに今までの経緯を話した。
体操服の消滅に鍵の一件。偶然とは思えない。
「みんなも身の回りにはくれぐれも気をつけてね。じゃあ今日はここまで」
唯の気分は重い。
こういう時は、恋人である梓に相談すればいいのだろう。だが彼女はそんな気分になれない。
それは今もポケットで鳴っている、携帯電話のせいだろうか。
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:48:45.05 ID:DMiEzIQfi
支援
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:50:09.33 ID:aRk9/C6I0
おもしろいじゃないか
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:53:51.58 ID:PI2/b1TsO
放課後の音楽室。
唯が戸を開けると、梓の明るい笑い声が耳に刺さった。
「あ、唯先輩こんにちは」
梓が嬉しそうに挨拶する。唯は曖昧にそれに答える。
本当なら耳に心地いいはずの、可愛い恋人の笑い声。今はひどく耳に障った。
……ねえ、あずにゃん。
私の体操服、無くなっちゃったんだよ。
和ちゃんの消しゴムがズタズタになっちゃったんだよ。
誰が犯人か知らないかな?……知ってるはずないよね。学年違うもんね。
「あれ、唯。今日は抱きつかないのか?」
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 09:59:10.61 ID:PI2/b1TsO
澪が指摘する。唯はのろのろと梓の小さな体に腕を回す。
「あーずにゃーん……」
「もう、澪先輩が余計なこと言うから!」
言いながらも、梓は嬉しそうに目を細める。彼女の小さな手が、唯の背中を撫でる。
「今日の唯は暗いからな。梓から元気を分けてもらえ」
……ありがとう、澪ちゃん。でもちょっとだけ、余計なお世話かも。
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:05:26.25 ID:PI2/b1TsO
放課後のティータイム。
唯は紅茶のカップから、一本の長い髪を取り除く。ここのところ毎日、唯のカップにはおまけが入っている。
「それにしても、最近の部室はなんかすっきりしてるよな」
律が言った。確かに以前に比べて、物が減った気がする。
「今までが散らかりすぎてたんだよ」
「私、きれいな部室でお茶飲むの夢だったの〜」
「……あれ、私のぬいぐるみは?」
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:19:01.96 ID:PI2/b1TsO
「え?」
「あれ……漫画も何冊か無くなっちゃってるよ。あれ……?」
唯は戸棚をゴソゴソと漁る。
「あら、また唯ちゃんの物?」
「なんか気味が悪いな。唯の熱烈なファンでもいるのかな。……きっと曽我部先輩みたいな人だぜ」
「ひいぃっ!?」
曽我部先輩は、澪にとってはタブーなのだ。
「……き、きっと掃除に来た誰かが間違えて捨てちゃったんですよ!」
「かもな。私も何かなくならないうちに持って帰ろうかな」
「……」
唯の気分は、さらに落ち込む。
無理もない。お気に入りの品も、中にはあったのだ。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:31:25.51 ID:PI2/b1TsO
数分の後。軽音部はようやく練習を始める。
「唯、ひさびさにギター教えてあげようか」
難しいコードにてこずっている唯を見て、澪が声をかけた。
「あ、じゃあお願いしようかな。」
澪の手が、唯の手を優しく導いてくれる。
……澪ちゃんの手は大きくてぷにぷにで、あったかいんだよね。髪もいいにおいがするし。
「あ、できたー!澪ちゃん教え方うまいね〜!」
「唯の上達が早いんだよ」
「おうおう、なーにを仲良しやってんだよっ!」
「お前は自分の練習に集中しろっ!」
「私も混ざるわ!」
「ムギまで!?」
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:31:56.73 ID:3S8/ns+fO
さるよけ
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:35:33.58 ID:PI2/b1TsO
練習は大いに盛り上がった。
唯はその日初めて、心から楽しいと感じた。
……澪ちゃんとみんなのおかげだよ。ありがとう。
「あずにゃん、いっしょに帰ろっ」
「……あ、すみません。今日はちょっと用事があるんです」
梓は足早に帰ってしまう。
「残念だな〜、唯。……つうわけで、アイスでも食いに行こうぜー!」
「こら、無駄使いするな!」
このペースでさるが来るわけないよね
なんかよっぴーを思い出すな
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:36:08.16 ID:aRk9/C6I0
しえんしてやるか
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:36:57.53 ID:CMGqHjerP
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:37:51.26 ID:59CLsw36P
よっぴーは、ただの綺麗好きな普通の女の子だろ
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:43:12.93 ID:PI2/b1TsO
結局梓を除いた四人は、薄暗いアーケードで大いに遊びまわった。
アイスを舐めながら、街を練り歩く。唯の心は風船のように軽く舞う。
帰宅したのは、夜の七時すぎだった。
「もう、遅くなる時は連絡してって言ったでしょ。罰として夕刊取ってきて!」
「ふぇーい……」
ポストを開ける。夕刊といっしょに、手紙とおぼしき封筒が入っていた。
唯宛ての封筒。切手はない。直接入れたのだろうか。
憂に夕刊を渡すと、唯は封筒を開け、ひっくり返す。
たくさんの紙片が、唯の手に広がった。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 10:52:23.71 ID:PI2/b1TsO
短い悲鳴が、居間に響き渡った。唯は手のひらの紙片をすべて床に投げ捨てる。
紙片は桜の花びらのようにゆっくりとフローリングの上に広がる。
「お姉ちゃん、どうしたの!?」
姉は床にぺたんと尻餅をつき、毒蛇を前にした人のように後ずさる。脚が激しく震えていた。
紙片は写真の残骸だった。誰かがバラバラに引き裂いた、たくさんの写真。
よく見ると、写真にはすべて同じ人物が写っている。
長い黒髪の人物。姉妹がよく知る人物。
……秋山澪。
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 11:01:47.57 ID:PI2/b1TsO
キリいいんでまた休みます
書くのおそくてすまんです。前はもう少し早かったんだが…
書きためって大事だね
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 11:03:53.22 ID:G+2te3vsO
あずにゃん怖ッ!
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 11:07:24.77 ID:3S8/ns+fO
遅いけど面白いから大丈夫
ぜったい完結してくれ
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 11:07:27.08 ID:59CLsw36P
定期的に書いてないとすぐ遅筆になるからイカン
澪ヤバイな…
なんか憂も心配になってきた
こういうやつって本当にいるの?
友達とかでたまに聞くけどこんなにひどいの聞いたことないな
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 11:20:34.73 ID:puucfj1v0
だいたい人が想像出来るような人間は実在する
むしろそれの少し上をいく
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 11:51:22.49 ID:feUnQMFpO
保守
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 12:54:56.31 ID:PI2/b1TsO
大学着いたら続き書きます
もう少しお待ちを
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 13:16:11.00 ID:kxE7/vJiO
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 13:16:52.09 ID:/lPhWHKv0
あにゃずんェ…
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 13:29:15.74 ID:YKIqk/MpO
面白いな
保守
まじかー。復帰しようかなー。
ギルメン誰もいなさそうだなー。
誤爆しただろ。ふざけんなよ。
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 13:35:13.57 ID:OUXCJqGPO
寺生まれのTさんがなんとかしてくれるはず
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 13:55:45.63 ID:ivpRCWmFO
面白い。
がんばれ。
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 13:58:25.41 ID:PI2/b1TsO
……
封筒が届いてから数週間後。
細い針のような雨が降る夕方だった。放課後の音楽室。
「あずにゃん……別れよう」
唯が言った。喉に絡みつく汚物を吐き出すような口調で。
もう限界だった。あの日自分の中に感じた、ヘドロのようなモノの悪臭と熱気にこれ以上耐えられそうにない。
「私……もう嫌だよ。お互いにイライラさせあうだけなんだもん」
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 14:05:12.46 ID:NzUpdQb20
しえん
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 14:21:35.99 ID:PI2/b1TsO
「……どうしてですか。私の何が気に入らないんですか。言って下さい」
梓の目は見開かれ、口が半開きになっていた。唯はその顔を、ひどく醜いと思った。
「言われないとわからないんでしょ?自分のしていることが見えてないんでしょ?だからもうおしまい」
……いったい今まで、どれだけの“交際の思い出”ができただろう。
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 14:27:12.30 ID:PI2/b1TsO
携帯電話が鳴るたびに相手や要件を執拗に聞かれる。
彼女に話しかけてきた人間は、老若男女問わずに梓の罵詈雑言の餌食になった。
例えそれが道を尋ねただけの老人であっても。
軽音部やクラスメートとの付き合いにすら干渉された。
週末に同い年の仲間と遊びに行ったという理由で、何時間も“尋問”された。
それだけなら、まだ我慢もできた。だが梓の自制を知らない矛先は、とうとう妹の憂にまで向けられたのだ。
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 14:29:54.34 ID:ft4zEPuFO
人間関係皆無でぼっちな俺にはこういうのはむしろ憧れなんだが
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 14:44:32.53 ID:PI2/b1TsO
「梓ちゃんが怖い」
妹の憂に助けを求められたのは数日前のことだ。
聞けば顔を合わせるたびに、彼女が“平沢唯の妹”であることを強調されるらしい。
「おはよう憂。今日も可愛いね。唯先輩の妹だけあって」
「憂は料理が上手だね。さすがに唯先輩の妹だね」
「憂はできた妹だね。まあ唯先輩の妹だからね」
……梓にとって彼女は親友でもなければクラスメートでもないのだ。同級生ですらないのだ。
恋人の妹。それ以上でもそれ以下でもない。
それは当然、憂を深く傷つけた。当然だろう。
恋人の妹である以外に、お前に存在価値はない。そう言われたも同然なのだ。
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 14:46:39.28 ID:glnKOgl3O
ちんこまんこ梓
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 14:57:53.44 ID:PI2/b1TsO
もちろん、それだけではない。
「私ね、知ってるんだよ。あずにゃんが影で何をしているか」
「……へ、へえー。私がいったい何をしたと?」
「とぼけたってダメだよ。
私の物を盗んでるのも、私のお茶に髪の毛を入れてるのも、私の家に澪ちゃんの写真を送ったのも、全部あずにゃんでしょ?」
梓の顔が引きつる。それを唯は見逃さない。
「……先輩、何を根拠に私が盗みを行っているとおっしゃるんですか?」
「根拠も証拠もないよ。でも私は確信してるんだ」
「ふぅーん、唯先輩は証拠もないのに人を疑うんですね?名誉毀損です。裁判で争いますか?」
梓の言葉は、すでに恋人に向けるそれではない。
「そこまで言うなら、警察に被害届を出してもいいんだよ?
児童の人権にうるさいご時世だもん。女子高生の体操服がなくなったと聞いたら、警察も喜んで動いてくれると思うんだ」
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 15:05:29.85 ID:PI2/b1TsO
「じゃ、じゃあお茶の髪の毛の件はどうなんですか!だいたい、お茶を淹れてるのはムギ先輩じゃないですか!」
唐突に話題が変わった。
「そうだね。私ももっと早くに気づくべきだったよ。あれは明らかにムギちゃんの髪じゃなかった」
唯のカップに毎回入っていた髪。それは西洋人形を思わせるブロンドではなかった。
真っ黒な、日本人形のような髪だった。
「く、黒髪なら澪先輩の可能性の方が高いじゃないですか!そうですよ、澪先輩がやってるんです!」
「……かわいそうな澪ちゃん。写真をバラバラにされた上に、濡れ衣まで着せられて」
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 15:10:18.64 ID:XE3exZkr0
しえん
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 15:10:54.61 ID:PI2/b1TsO
「写真?何のことですか」
「とぼけなくていいよ。封筒に入った澪ちゃんのバラバラ写真。あれもあずにゃんの仕業でしょ?」
「な、何を根拠に……!」
「写真の背景を見ればすぐにわかるよ。
……音楽室。ムギちゃんの別荘地。ライブハウス。全部軽音部に関係あるところだからね」
「軽音部の皆さんなら、他にも……!」
「りっちゃんやムギちゃん?あの日は私たちといっしょに街で遊んでたのに?
それともさわちゃん先生?写真なんか持ってないのに?」
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 15:13:23.85 ID:kxE7/vJiO
ハァハァハァ・・・興奮してきた。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 15:20:16.74 ID:j4ux/pz0P
正直たまらない
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 15:22:38.68 ID:CMGqHjerP
珍しく唯が明朗
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 15:53:27.22 ID:PI2/b1TsO
講義かったるい…
も少し待ってくだせえ
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 16:04:19.61 ID:kxE7/vJiO
この唯はヘアピンつけてないなwED唯にか見えないw
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 16:08:39.98 ID:PI2/b1TsO
梓は何も返せない。口をパクパクさせるその姿は、死にかけた水際の大きな魚を連想させる。
「安心して。あずにゃんがしたことは誰にも言わないから。元恋人を警察に突き出したりしないよ」
元、に力を込める。
「でもこれだけは忠告しとく。将来、彼氏ができたらああいうことするの止めた方がいいよ。……気持ち悪いから」
唯の口調には、はっきりと嫌悪感が込められていた。
そして二人の関係は、あっさりと終焉を迎えた。風に吹かれたトランプの塔のように、あっさりと、音もなく。
178 :
【だん吉】 :2010/10/01(金) 16:09:14.12 ID:NsA1j6Bvi
ふぅむ病んだ梓とは珍しい
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 16:23:44.82 ID:ft4zEPuFO
こっからあずにゃんがどうでるか期待
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 16:24:20.96 ID:lhoH7D5i0
復讐鬼
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 16:41:40.71 ID:PI2/b1TsO
梓のねっとりした思考が大きく渦巻く。
……嘘ですよね唯先輩だってあんなに好きって言ってくれたじゃないですかあれは全部嘘だったんですか
「これからは、あずにゃんって呼ぶのも止めるね」
お茶に髪を入れたのだって唯先輩ともっと深い関係になりたかったからなんですよ唯先輩の中に私の一部が断片が切れ端が組み込まれるなんて素敵じゃないですかそれなのにそんなのって
「今から、あなたのことは中野さんって呼ぶよ」
悪いのは澪先輩じゃないですか人の恋人に馴れ馴れしく接してあの泥棒女許せない人の恋人に手出しするなんて死ねばいいのに
「じゃあ、私は帰るよ。……バイバイ、中野さん」
ねえ先輩中野さんなんて呼ばないで私はあなたのあずにゃんじゃないですか中野さんなんて嫌です嫌です嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
そんな悪いことを言う口は閉じなくちゃ歯を全部引き抜いて舌を引っこ抜いて私以外の女を見る目をくり抜いて代わりに赤いビー玉入れて私を愛さない唯先輩は殺
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 16:42:49.19 ID:j4ux/pz0P
最強の私でもさすがに引く( ̄▽ ̄;)
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 16:43:25.91 ID:X92lO6/EP
怖過ぎワロタ
ういーおわかれだよー
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:00:11.75 ID:PI2/b1TsO
「ぁ……はぁあああぁ……うああぁあああああああ唯先輩いいいいぃぃィィィィイイッッッ!!!!!」
音楽室を後にしようとする唯の背中に、梓が絶叫する。
絶叫。
違う。それは咆哮だった。
生きがいを、心の寄りどころにしていたものを失った、無防備な畜生の咆哮。
>>1の文体結構好きだけどたまに表現が突き抜けて逆に笑っちゃうなw
畜生の咆吼ww
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:07:06.71 ID:PI2/b1TsO
唯は驚き振り向く。
そこにいたのは、愛らしいかつての恋人でも欲に任せて醜い行いに走った後輩でもない。
猫背で荒い鼻息を吐くソレは、獣性を解放し畜生道に墜ちた何か禍々しいものだった。
ソレはこの世のものとは思えない形相で地を蹴り、羽ばたく怪鳥のような格好で獲物に襲いかかる。
唯は短い悲鳴をあげ、鞄を放り出して階段を転げ落ちるように駆け下りる。
踊場に踏み出した途端、背後にソレが着地したのがわかった。
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:08:32.63 ID:/lPhWHKv0
>>185 俺は、消しゴムズタボロにされた和ちゃんのセリフに笑っちゃったわ
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:08:58.10 ID:kxE7/vJiO
スターウォーズ的にはパルパティーンが脱皮するとこだなw
まさかのゾアントロピー…
梓「実は私には唯先輩に言ってない秘密があったんですよ」カサカサ
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:18:01.44 ID:PI2/b1TsO
階段の手すりで終わらないかけっこを続ける黄金色のうさぎと亀に、ソレの汚らわしい唾液が飛び散った。
ソレの赤く染まった視界に、悲鳴を長々と歌い半泣き顔で逃げ惑う最愛の獲物がはっきりと写る。
ソレは再び獣の咆哮を上げると、ギターを我が子のように抱え二階に逃げた獲物に向かって大きく跳躍する。
その姿は、太古の爬虫類を彷彿とさせる。
鋭い鉤爪で自分の何倍もの獲物を切り裂き、生きたまま喰い散らかす白亜の時代の捕食動物。
ソレのわずかに残った理性が、軋む車輪のような悲鳴を上げる。
……またギー太ですか唯先輩私もギー太みたいに抱っこされたいですギー太ギー太っていつもそいつばっかり許せない弦を喰いちぎってネックにかぶりついてへし折って壊す壊す壊す殺す
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:30:38.28 ID:kxE7/vJiO
「ザ・ネスト」という古い洋画で、人がゴキブリに寄生される話があった。そんな感じか。
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:33:45.62 ID:PI2/b1TsO
「何、今の声!」
「音楽室の方からだよ!」
わずかに残った生徒が二階の廊下に集まる。
唯はその生徒の群れに飛び込む。自分以外の人間とは、なんと心強いことか。
「唯、どうしたの!唯!」
生徒の群れの中には、ソフトボール部の練習を終えた姫子の姿があった。半狂乱で手足をバタつかせる唯を必死になだめる。
「後ろ、来る、食べられちゃう!」
唯は支離滅裂なことを喚く。彼女のダムは完全に決壊しており、顔は涙や鼻水で悲惨な状況だ。
急に周囲の生徒が四方八方に散る。我先にと階段に走り、少しでも接近したソレから遠くに逃げようとする。
中には恐怖のあまり、窓から飛び降りた生徒もいた。その生徒は真っ逆様に池に落ち、鯉やメダカと対面するハメになった。
姫子は恐怖に震える隣の席のクラスメートを抱きしめ、ゆっくりと接近するソレから守ろうとする。
ソレは腕を前に突き出し、前屈みになってゆっくりと近づく。ギザギザの歯が輝く真っ赤な口を大きく開け……。
もうガイバー的な光景しか想像できねえ…
歯型まで変わったのかよw
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:42:25.61 ID:kxE7/vJiO
ヤッテヤルデス
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:42:46.42 ID:X92lO6/EP
まさかとは思うけど?地獄寺生まれT落ちじゃないよね?
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:45:08.42 ID:3S8/ns+fO
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:48:16.20 ID:PI2/b1TsO
急にソレの体が宙を大きく舞い、壁に大きく叩きつけられた。
身を寄せ合う二人は、一人のクラスメートが低い唸りを上げながらソレに近づいていくのを呆然と見つめた。
先に気づいたのは姫子だった。
「逃げるよ、唯!」
彼女は固まってしまった唯を抱きかかえるようにして階段を駆け下りた。
狩りの邪魔をされたソレは、怒号を上げると邪魔者に飛びかかっていく。
だが、それも無駄な抵抗だった。邪魔者はソレの喉笛をいとも簡単にくわえると、大きく振り回して開いた窓から放り投げた。
ソレ……中野梓は魚の仲間入りをする直前、大好きな先輩の笑顔を走馬灯の中に確かに見た。
一方、二階の廊下に残されたいちごは黄昏の空に向かって、大きく勝ちどきの咆哮を上げたのだった。
いちご!?
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 17:50:09.11 ID:PI2/b1TsO
講義終わった、かえろっと
202 :
【凶】 :2010/10/01(金) 17:55:53.90 ID:7LSXQa7V0
支援
204 :
!omikiji:2010/10/01(金) 17:56:24.09 ID:7LSXQa7V0
もう一回
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 18:02:14.16 ID:PI2/b1TsO
帰ったら後半戦書きます
ちょこっと間違いがあったけど、まあいいか
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 18:03:34.97 ID:LmeSP0Nw0
おい唯梓期待してスレ立ててやったのにこれはなんだ?
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 18:05:11.31 ID:Nwag2yPrO
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 18:05:48.29 ID:ft4zEPuFO
いちごちゃんかっけーwww
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 18:23:12.14 ID:/uqUcrdDP
>>206 \ /
\ ノ´⌒ヽ /
γ⌒´ \ |\/\/\/|
// "" ´⌒ \ ) / / \
\ ノ//,. i;/ ⌒ ⌒ i ),ミヽ / \ /
\ / く i (・ )` ´( ・) i,/ ゝ \ < バーカ! >
/ /⌒ l (_人__). | ' ⌒\ \ / \
(  ̄ ̄⌒ \ `ー' _/ ⌒ ̄ _)  ̄|/\/\/\/ ̄
` ̄ ̄`ヽ /´
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 18:29:10.99 ID:CMGqHjerP
ドン引きキチガイヤンデレ展開と思ったら黒い家のあいつ以上のモンスターぶりだったでござるの巻。
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 18:33:39.62 ID:kxE7/vJiO
唯・憂・梓が苦痛に晒されるSSはまじ快感
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 18:33:49.96 ID:/uqUcrdDP
聡登場展開かと思ったお・・・
なんかこう追い詰めてるんだろうか
追い詰めたけど突如飛来したいちごのカウンターによってあずさの寿命がマッハ
そういうことか
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:02:54.06 ID:A4WQBywP0
ここから唯憂に持って行くのが神
それ以外はゴミ
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:03:49.46 ID:jFeNeW0B0
>>215 唯憂が読みたいだけだろお前wwwww
まぁ俺も読みたいけど
構成考えてあるんなら変えんなよ
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:13:07.93 ID:PI2/b1TsO
唯は目を覚ました。
ゆっくりと、上体を起こす。壁に立てかけられたギター、整頓されてない机、奇怪な人形。
ああ、私の部屋のベッドだ。
唯は先ほどまでさまよっていた、真っ白な夢の世界を思う。その世界には何も余計なものはなかった。
悩みも迷いも、記憶もない。
記憶。
そういえば私は、どうしてここで寝てるんだろう。
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:20:36.09 ID:PI2/b1TsO
唯は思い出そうとする。だが無から何かを作り出すことは不可能だ。
頭が痛くなる前に、彼女は記憶をかき回すことを諦める。
戸が開き、憂が入ってきた。
「お姉ちゃん、起きた?」
妹の優しい笑顔を見て、唯もにっこりと微笑む。
何とも清々しい気分だった。朝の高原の冷たい空気を、深々と吸い込んだような気分。
「今日は軽音部の皆さんが来てるんだよ」
「……わぁ、嬉しいなぁ。呼んできてくれる?」
ネタはいいんだが…
いかんせん文章が稚拙すぎ。これで大学生って、中学生かよ。中二っぽい展開だし…
どうせなら会話文だけにしな。文章が下手すぎてイライラする
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:26:05.52 ID:PI2/b1TsO
やがて懐かしい仲間たちが賑やかに入ってくる。律と澪と紬。
「おいっす、唯」
「元気そうだな」
「ケーキを持ってきたわ。みんなでいただきましょう」
唯の顔が否応なしにほころぶ。仲間たちの笑顔とは、なんて素晴らしいんだろう。何年ぶりに見ただろう。
……何年?
唯は時間の感覚がすっかり麻痺していた。
私はいつからこうして寝ていたんだろう。どれだけの間、みんなと合わずにいたんだろう。
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:26:07.89 ID:CMGqHjerP
>>220 気持ちはわかるがそっとスレを閉じた方が精神衛生上いいぞ。
イライラしながら見るってお前とんだドMだな
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:30:29.01 ID:PI2/b1TsO
晩飯食ってきます
今日中に終わるといいな。明日は高校の仲間と遊びに行くんで
は?
いや、最初はネタがよかったし、まぁ文章も下手だなとは思ったけどうざくはなかった
でも急に中二みたいな文章になってからイライラした。
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:33:37.33 ID:7L/sGznIO
>明日は高校の仲間と遊びに行くんで
わざわざ…なっ、中学生だろ?
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:34:16.95 ID:QrtGx/IuP
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/01(金) 11:17:36.07 ID:7L/sGznIO
こういうやつって本当にいるの?
友達とかでたまに聞くけどこんなにひどいの聞いたことないな
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/01(金) 19:23:43.18 ID:7L/sGznIO
ネタはいいんだが…
いかんせん文章が稚拙すぎ。これで大学生って、中学生かよ。中二っぽい展開だし…
どうせなら会話文だけにしな。文章が下手すぎてイライラする
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/01(金) 19:32:01.18 ID:7L/sGznIO
いや、最初はネタがよかったし、まぁ文章も下手だなとは思ったけどうざくはなかった
でも急に中二みたいな文章になってからイライラした。
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 19:33:37.33 ID:7L/sGznIO
>明日は高校の仲間と遊びに行くんで
わざわざ…なっ、中学生だろ?
どーでもええわ
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:36:34.10 ID:OsX30LNs0
なんかへんなやつがおる
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:37:34.83 ID:G7Ff/uXG0
何が気に入らなかったんだろう
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:41:17.48 ID:WGkHyiJF0
どんなに中二文だろうと書き溜めじゃなかろうが俺はイライラすることはない
ただ保守させてあたりまえと思ってるような奴がゆるせん
スレ勃てたんなら完結させるまで書き続けろ
>>232 同意
再開から中断までがいくらなんでも短すぎる
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:44:55.70 ID:aRk9/C6I0
今、書き手のモチベーションががんがん下がっていくのが目に見えるようだ
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 19:46:18.61 ID:CMGqHjerP
SS作者って絶対途中で一回退席するよな。飯とかなら仕方ないけど
一晩空けたり明日の夕方まで保守よろとかは流石にペース考えろと思う。
お前らはSSしか楽しみがないのか
>>236 VIPなんて煎じスレばっかで飽きた
今じゃSSスレくらいしか開かん
しかも代理だし
人にスレ立てしてもらってこれだからな
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 20:00:49.39 ID:OsX30LNs0
オナニーしてねろ
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 20:09:28.44 ID:s30wkIrOO
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 20:12:09.91 ID:IAUmlpOaO
たかが便所の落書きなんだしそんな気張って見るもんじゃないだろ
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 20:43:37.61 ID:PI2/b1TsO
「みんな、今日は何月何日かな?」
唯が問いかける。憂と軽音部の仲間たちは顔を見合わせる。
「七月×日だよ、お姉ちゃん」
やがて、憂が教えてくれる。何でもない、といった笑顔で。
窓の外から、蝉たちの合唱が聴こえてくる。夏の日差しがいよいよ強くなりはじめる頃。
「なあ唯、何も覚えてないのか?梓のことは?」
「梓?あずさって誰?」
「……いや、いいんだ。気にするな」
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 20:44:33.53 ID:/uqUcrdDP
あ?なんだよこの展開ふざけんな
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 20:50:57.77 ID:r4Lt0I5li
(・ω< )
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 20:55:35.74 ID:PI2/b1TsO
……平沢家の書架には、あの日の翌日の朝刊が眠っている。
社会面の片隅に、桜高での事件が小さく載っている。見出しはこうだ。
……女子高生、放課後に飛び降り自殺
記事は一人の女子高生が放課後、窓から飛び降りて池で溺死したこと、
事件と関係があると思われる二人の生徒が行方不明になっていることを伝えていた。
自殺した生徒の名前は……中野梓。
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:07:22.44 ID:lS3asDz70
校舎から飛び降りて池で溺死ってシュールだな
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:11:48.68 ID:PI2/b1TsO
桜高の池には静寂が戻っていた。
鯉やメダカは、何事にも無頓着な顔で悠々と泳いでいる。
数日前の惨劇を覚えている者など、この池にはいない。
彼らにとって大切なのは、餌と縄張りだけなのだ。
……一匹の鯉が激しくもがきはじめる。水面でヒレをばたつかせ、鱗に覆われた体を狂ったようによじる。
やがて、鯉の腹を食い破って一人の少女が“誕生”した。黒髪をツインテールにした一人の少女が。
生みの親の鯉を絶命させると、少女は池から這い出て、大きく身震いする。
どうすればよいのか、梓にはすべてわかっていた。彼女はゆっくりと歩き出す。
行き先は……平沢家だ。
あずにゃん星から来たあずにゃん星人編:完
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:14:53.13 ID:JWmX7DTZ0
マジキチ
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:18:11.66 ID:lS3asDz70
お前が飽きたのは伝わった
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:18:53.51 ID:PI2/b1TsO
すまんです、途中で明らかに方向性を誤りました。
あずにゃんのモデルを暴走庵にしたことがすべての間違いでした
>>1ありがとう、そして期待にそえなくてごめんね
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:19:24.66 ID:cXnBg2cg0
つまんね。
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:20:54.53 ID:zaHx3BKd0
才能ないカスがSS書いてんじゃねーよ
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:27:35.69 ID:y1m3wzWWO
逆に面白いと思うのは俺だけか
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:27:47.26 ID:5hivsEMM0
サイヒル的な流れに行くのかと思ったらそうでもなかった
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:34:05.32 ID:Bqzv4/Nq0
最後の梓をなぜか
ぷよぷよのスケトウダラ的な感じになったのを想像してしまった
唯「あずにゃん…もう別れよう」
梓『嫌です…嫌だ』
唯「ごめん…もう話すことはないから」
梓『…は、あははははははは!!』
唯「っ!?」
梓『唯先輩ぃ?私を捨てるんですかぁ?』
唯「も、もう切るから!」
梓『もういいです。ただ…』
唯『…』
梓『今日憂は帰らないと思いますよぉ?』
あずにゃん暴走前は良かったのに
と思ったらなんかはじまた
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:49:00.89 ID:lhoH7D5i0
存分にやれ。
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 21:51:56.67 ID:I+sxKkiwO
唯「…え?」
いったいどういう意味だろうか。否、唯にも想像はついていた。ただ、それを言葉とする勇気は唯にはなかった
唯「どういう…こと?」
梓『聞こえませんでしたか?ふふっ…もういいですよ?唯先輩。電話を切っても』
唯「う、憂に…何かしたの?」
唯の声が震える。事実、もう部活が終わって家にいるのに憂の姿はない。そして唯の携帯に連絡もない
唯には憂がどこに行っているのか予想がついていた
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:07:13.12 ID:I+sxKkiwO
梓『さぁ?…そうそう唯先輩、憂って髪解いたら唯先輩にそっくりですよね。顔立ちも、体つきも、全部…ふふっ』
唯は思わず電話を切りそうになるくらい梓の声に寒気がした。
唯「…………何が、望み、なの?」
唯「お願いだから…、憂を返してっ…!」
梓『別にぃ〜、望みとかないですよ?ははっ』
梓『今は唯先輩とこれからの事について話していたんじゃないですかぁ?唯先輩こそ私に何か言っていませんでしたか?望んでいませんでしたかぁ?』
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:18:46.25 ID:PI2/b1TsO
頼んだ
明日残ってたら
>>177から書き直す…かも
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:23:20.38 ID:I+sxKkiwO
唯「…私達が、別れなければ…いいの?」
梓『さあ?私は唯先輩の意見に従いますよぉ。唯先輩が決めて下さいよぉ』
唯「…」
梓「あ、出来れば後1分以内に答えて下さい。ないとは思いますけど私たちの関係に他の誰か…警察とかが関わることなんて有り得ないですから。まあもし何かあったら今の私は何するか分かりませんけどねぇ」
唯「…ぁ」
唯の体が震える
もう頭が回らない
唯「私…は」
しかし決めなければならない
唯「あ、ずにゃんが、好き」
唯「ずっと、大好き」
唯「だから」
唯「他の人と関わらないで…っ!」
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:27:12.00 ID:I+sxKkiwO
梓『そうですか…。私も唯先輩が好きです。これからもよろしくお願いしますね!』
梓の声に明るさが戻った。心から嬉しそうな声
唯「うん、これからもよろしくね、あずにゃん!」
巻
終わっただと!?
保守とかは仕方ないし出先でも書いてて頑張ってるなとは思ったけど
>>262みたいな言い方しちゃう奴は死ねばいいと思う
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 22:50:07.35 ID:/uqUcrdDP
よくないなぁ・・・こういうのは
行方不明って誰だ
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:26:56.63 ID:bYPLk0mUO
かもってなんだよかもって
もうこれで完結でいいよ。乙
その電話から数時間。まだ憂の姿は平沢家にはなかった。
いつもであれば憂の作る手料理に舌鼓を打ち、憂の入れてくれるお風呂に入り
アイスアイスと甘えてゴロゴロしている。そんな時間帯。
しかし今リビングにいつもの優しさはなく、ただただ寒々しい静寂だけがあった
私は一人、玄関先へ出ては人影を探してはため息をつき
握り締めた携帯が震えたような気がして、何度も何度も確かめてしまう
そんな徒労だけが募った数時間だった。
唯「憂…あず…にゃん…」
ポツリ と二人の名を呟く
どうしてこんなことになったのだろう。何度も何度も考えたが
結局はその答えは得られなかった。得られないまま、最初に違和感に養分を与え、
やがて芽吹き、大きくなった違和感が今、自分の最愛の妹に牙を剥いている
その現実が、益々私を苛でいく
唯「憂…どうか無事で帰ってきて…」
ガチャ
唯「!!」
玄関の開く音、憂!憂!帰ってきた!憂!
唯「うい!おかえ……り…」
梓「こんばんわ。唯先輩」
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:41:23.89 ID:QvJwioJs0
ぼくもあずにゃんに色んな私物を盗まれてて
ぼくが今日で満23年間も守ってきた童貞も盗られていたという展開に陥りたいにゃん!
何か寝苦しいなと思いつつ朝起きたら、朝勃ちしたぼくのぽこにゃんを
自分のちっちゃいおまんまんに挿入してぼくの上で腰を振っているあずにゃん
みたいな感じで
ぼくとセクロスしてるんじゃなくて、飽くまでぼくのぽこにゃんを使ったあずにゃんのオナニー
そしてあずにゃんが満足した事後、
ぼくが今日の今日まで守ってきた童貞はあずにゃんのおまんまんとは違うもう一つの穴で捨てたかったと
あずにゃんの前で後悔の念を吐露したいにゃん!
そして無理矢理あにゃるプレーの展開に持ち込みたいにゃん!
あずにゃんがぼくのぽこにゃんを使ったオナニーをした後は
今度はぼくがあずにゃんのあにゃるを使ったオナニーをしてやるのにゃん!
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:45:17.48 ID:QvJwioJs0
あずにゃんは大変なものを盗んでいったのにゃん
それはぼくの心と、お金と、時間なのにゃん!
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:50:17.71 ID:QvJwioJs0
あずにゃんの陰毛で煎じたお茶が飲みたいにゃん!
いやむしろ、あずにゃんの陰毛本来の素材の味を損なわない為にお茶の葉を入れないで
あずにゃんの陰毛を80℃に熱して超純水で煎じた100%あずにゃんの陰毛ティーが飲みたいにゃん!
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
唯「あず…にゃん…」
打ち砕かれた期待に、二重の意味で身体の力が抜ける。
憂は?憂はどこ?どうしてあずにゃんがうちに来るの?
疑問ばかりが溢れかえり、めまいがした。
梓「唯先輩?大丈夫ですか?」
崩れる私の脇を抱えるように、梓が素早く抱き上げてくれた
梓「ちょ…唯先輩。しっかりしてください!」
緊張が限界を迎えた私の意識はそのまま暗転し
最後に見たのは、ハロウィンのカボチャのような、酷薄な笑みを浮かべる恋人の姿だった
唯「う…」
梓「あ、唯先輩。起きたんですね。大丈夫ですか?もー、びっくりしましたよ。」
ここは…私の部屋だ。
そうか…私は玄関で、あずにゃんを見て。憂がいなくて…憂…憂!
唯「あずにゃん!憂は!憂はどうしたの!無事なの!?お願い!教えて!」
ガバッと突然起き上がったせいか、一瞬また血の気が引く感覚があったが、
なんとかそれを押さえ、ベッドの脇で姿勢を崩してのぞきこんでいた梓につかみかかった
梓「ちょちょ…!ちょっと!唯先輩!落ち着いて!唯先輩!」
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:53:19.07 ID:/uqUcrdDP
もういいって
おいどうしよう飽きてきた
>>276 だよな!
久しぶりにアナリスクして寝るわ!
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/01(金) 23:56:57.50 ID:QvJwioJs0
実は忙しかったから書き込まなかったけど
今日はぼくの誕生日なのにゃん!
いつも好きな人のものを盗んでばかりのヤンデレあずにゃんも
たまにはぼくに何かをくれることがあっていいとも思うのにゃん!
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:00:18.23 ID:DRhdzkFK0
そうか。
おめでたい男だ。
>>279 おめでとう
これでまた一歩寿命に近づいたな!
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:06:07.89 ID:1UzhDVxE0
まぁ当然のごとく、
誰からも祝ってもらえなかったのにゃん
知らせてないから誰からも祝われないのは当然なのにゃん
でもいいのにゃん
ぼくのPCのモニター上で、テレビのなかで、ぼくの脳内で祝ってくれるあずにゃんがいるから
こんな奴らに祝ってもらえなかったぐらい取るに足らないのにゃん!
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:09:56.28 ID:DRhdzkFK0
映画まで延命できたけどそのあとどうするの?
そろそろ落とそうぜ
キモいヤツも涌きやがったし
>>282 モニターの電源をオフにしてじっと見つめたら
猫耳つけてお祝いしてくれるあずにゃんが映るよ!
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:21:00.15 ID:1UzhDVxE0
さっき一回試したら黒いモニターの中にすんげーきもい奴が写ってたんだけど
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:30:53.54 ID:ZleBLpis0
無茶しやがって…俺と一個違いで何やってんだよ
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:32:04.21 ID:1UzhDVxE0
何て気持ちの悪いものを見せるのにゃん!1
折角の誕生日の余韻とあずにゃんの脳内での素敵な一時が台無しなのにゃん!
責任取るにゃん!
謝罪と賠償を要求するにゃん!
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:35:40.60 ID:1UzhDVxE0
許さない
絶対ニダ
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:37:56.16 ID:1UzhDVxE0
場合によっては訴訟も辞さない
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:39:23.94 ID:9m93bgr7O
誰かオレのためにスレを立ててくれ、そうしたらおまえらを泣かせるお話が書ける気がする
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 00:46:14.70 ID:1UzhDVxE0
あのモニターのきもい顔を見たせいですっかりぼくのぽこにゃんも萎えきってしまったのにゃん
こんな粗末なぽこにゃんであずにゃん崇拝の儀式に挑むなんて
あまりにも失礼なのにゃん…
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:41:49.76 ID:NR9X4Lev0
ほしゅ
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 01:48:40.18 ID:r0/isil3O
誕生日おめでとう
生まれてくれてありがとう
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:06:14.68 ID:Tx+3G39jO
そういえば夕方かずにゃんの好きそうなSSを見たな
内容は薄くてひたすら唯×梓のスカトロもんだったけど
良い誕生日になったじゃないか
>>262 まず書き溜めてスレ立ててくれ
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/02(土) 02:51:53.82 ID:nod43dWnO
誤爆?