1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
第二話書く
↓
結局第一話を加筆修正
↓
もうノリでプロローグも加筆修正。
↓
もう全部最投下するよ〜\(^o^)/
↓
バイオハザード見たいから、早めにやるよ〜\(^o^)/
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 17:46:24.59 ID:TtoeOoN00
( ^ω^)おっ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 17:48:31.62 ID:TAzXsYHK0
( ^ω^)おっおっ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 17:48:39.08 ID:VBgadrkxO
えーとりあえず60〜70レスになりそうですので支援してくれると助かります。
じゃ初めます。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 17:50:31.27 ID:VBgadrkxO
外は止まぬ雨が続く。
魔族の進行も続く。
涙を流す人々の嘆きも続く。
前線の砦で最後の作戦の前に、僕らは休んでいた。
立ちはだかる魔族を、切り伏せ、潰し、焼き払う。
いつまで続くのだろう?
ふと、日記に目が留まる。
あぁ旅人だった頃に点けていた物か……。
懐かしくなり僕は、それに手を伸ばした。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 17:55:48.44 ID:VBgadrkxO
1
−プロローグ−−
「初めから、終わりの間」
ぽつぽつと現れる中世の面影が残るレンガ壁の家と、牧歌的な田園風景。
僕はそんな田舎道を春の麗らかな陽気に誘われ、口笛を吹き吹き気ままな放浪を続けていた。
ただ今回は仕事で旅をしているために、少々時間が圧している。
これでは気軽な旅烏を楽しめずにいた。
7 :
>>6訂正;:2010/09/26(日) 17:59:45.64 ID:VBgadrkxO
−−プロローグ−−
「初めから、終わりの間」
ぽつぽつと現れる中世の面影が残るレンガ壁の家と、牧歌的な田園風景。
僕はそんな田舎道を春の麗らかな陽気に誘われ、口笛を吹き吹き気ままな放浪を続けていた。
ただ今回は仕事で旅をしているために、少々時間が圧している。
これでは気軽な旅烏を楽しめずにいた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:03:33.31 ID:VBgadrkxO
普段慣れない時間の束縛に、僕は愚痴を零した。
( ^ω^)「全く、西国の果てに査察とは面倒な事を押し付けてくれたお」
−−内政部署所属領地査察管理官−−
この仰々しい役職が、僕の仕事である。
まぁかい摘まんで仕舞えば、国が管理している領地の実態を調査するのが目的なのだ。
人の出入りや、奴隷身分の待遇。
領主が納める国への税金の過不足の調査。
それらを洗いだして叫談する。
諸因、身内を売る仕事、嫌われ者。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:04:34.87 ID:6imBpqwd0
一レスもっと詰めれば半分で終わるんじゃね
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:07:43.09 ID:VBgadrkxO
まぁそんな事は大して気にはしてないのだけど。
家に居ても仕事がないし、旅は好きなので自分としては合っていると思う。
指令がなければ適当に国内をぶらつく。
そして顔見知りの領主が居れば適当に寄生する。
この厚かましさで、生まれてから20年間生きてきた。
意外とどうにかなるものだ。
11 :
>>9やってみる:2010/09/26(日) 18:13:23.23 ID:VBgadrkxO
ちなみに、家系的には中々格式が高い。
それだけに僕みたいな落ちこぼれは、本家の業名を名乗る事を禁止されている。
そのため僕は、ブーン・ホライズンと言う平民と同じ性名の二つだけしか名乗れず、
『貴族の落ちこぼれです』
と宣伝して居るような物のため少々具合が悪い。
家督は妹が継ぐようだ。
なので新しく爵位を陛下から承らなければ、僕は一生平民と同じ名を名乗るのである。
でもそれに危機感を持たないのだから、やはり僕は落ちこぼれなのだろうね。
僕は、日記を閉じる。
しえしえ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:15:23.27 ID:QhZ0E3QD0
期待
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:16:23.82 ID:gSsaZD8yO
無理しない程度に、でもバイオに間に合うようにがんばれ
15 :
改行エラー出るか……:2010/09/26(日) 18:16:28.94 ID:VBgadrkxO
僕の古い日記には少々、自分語りが長く書かれていた。
正直に言えば恥ずかしい。
僕はこの日記の後も
“落ちこぼれ”
として生きると思っていた。
だが輝かしい栄光への、苦難の道へと変える出来事に遭遇する。
だがこの先は、日記などでは、現せないだろう。
そして、ツンデレ−−
君に出会ってからの事を、僕は忘れる事はない。
僕は、壁際で休んでいる君に話掛ける。
−−最後の刻まで、時間はあまりないけどお願いがあるんだお−−
−−なぁに? ブーン−−
−−ツン、昔話をしないかお?−−
日記で干渉に浸るよりも君と思い出を語る方が、何倍も楽しいだろう。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:18:52.49 ID:VBgadrkxO
君はふっと笑い僕の隣に腰掛ける。
それが合図となり、僕は語り掛ける。
−−僕は君に会う迄は退屈で、死んでいたお−−
−−私は、あんたと出会って生傷耐えなくて散々よ−−
−−うっ…… ごめんお−−
−−ふふ、でもあんたが居なきゃ私も退屈で死んでたかもね−−
−−ツンありがとうだお−−
−−ありがとうブーン−−
僕らはその刻が来るまで語りあった。
そして誓い合う、また昔話をしようと−−
プロローグ
「始まりから終わりの間」
了
17 :
ここから一話目となります:2010/09/26(日) 18:22:45.80 ID:VBgadrkxO
お邪魔した藁置き小屋に光りが漏れる。
VIP国の内政部署からの通達により、
南のキジョ州から西北西に街道を下り続けて三日目となる朝だ。
( ^ω^) 「ふぁー、良い天気だおー」
明かり取りの窓から漏れる光りに、機嫌を良くした僕は、藁小屋の主に御礼を言いに行く事にした。
小屋から出ると偶然にも、小屋の主の若夫婦の娘が小屋に向かって来ていた。
18 :
改行エラー……だと……?:2010/09/26(日) 18:27:42.71 ID:VBgadrkxO
*(‘‘)* 「あっ旅人さん! おかーさんにご飯が出来たから旅人さんを呼んで来てって言われたの!」
( ^ω^)「ご飯かおー! 有り難いお」
ここ数日は乾物ばかりなので、暖かい物が食べられる。
それに釣られて
−−ぐー
っと僕のお腹はなってしまう。
*(‘‘)*「あはは! 旅人さんお腹空いてたんだね〜」
( ^ω^)「そんなに笑うなお〜、それにお腹が空くのは元気の印だお!」
*(^^)*「なにそれ〜? 変なの〜」
( ^ω^)「へんじゃないお〜」
し
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:29:42.71 ID:VBgadrkxO
五、六歳ぐらいの少女はころころと、笑い続ける。
そのまま少女は僕の手を掴み、とててと走りだす。
*(‘‘)*「さぁ早くいこ!」
なんとも可愛らしい。
断じて性的な意味ではない。
( ^ω^)は落ちこぼれのようです
第一話
「長閑な旅路」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:31:14.44 ID:kyGNPRx7O
知ってるかもしらんが、改行は30までだよ
バイオに間に合うようがんばれー
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:31:49.05 ID:gSsaZD8yO
ヘリカル可愛いなぁ
ロリコン的な意味ではなく
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:33:39.27 ID:VBgadrkxO
朝ご飯を頂いて、少女の母親にお礼を述べると−−
リハ´∀`ノゝ「気にしなくて良いわよ〜。しかし若い内から旅暮しは辛いでしょ?」
( ^ω^)「そうでも無いですお? 元々旅暮しが夢でもあったんですお」
リハ´∀`ノゝ「そうなの? 身体には気を付けなさいね?」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
リハ´∀`ノゝ「そういえば旅は急ぐの?」
( ^ω^)「はい……、昼前には出発しようかと思いますお」
リハ´∀`ノゝ「じゃあそれまで、ヘリカルに旅の話を聞かして上げてくれないかしら?」
( ^ω^)「構いませんお!」
リハ´∀`ノゝ「ありがとう。ごめんなさいね。疲れてるでしょうに」
( ^ω^)「いえいえ、せめてものお礼ですお」
リハ´∀`ノゝ「ヘリカルー! 旅人さんがお話してくれるってー!」
*(‘‘)*「えっ? ホントー!」
僕はヘリカルちゃんに、旅の話を聞かせてあげる事にした。
最近の事だと米狂いの、幼なじみの話になってしまうのだけどね。
支援
25 :
>>21 避難所投下前提でながらで改行しようとして計算してない俺涙目w:2010/09/26(日) 18:38:22.84 ID:VBgadrkxO
*(‘‘)*「へぇー南の領主様って変わってるんだね〜」
( ^ω^)「そうだお〜。一に米、二に米、三四が無くて、五に米とか言う米狂いだおw」
*(^^)*「あはは、ホントにおかしぃー!」
リハ´∀`ノゝ「旅人さん、そろそろ出た方が良いんじゃないかしら〜?」
台所から、母親が出てくる。
確かにもう十一時を回っている。
*(‘‘)*「えーもう行っちゃうの〜?」
( ^ω^)「ごめんお〜また帰りに寄るから待ってて欲しいお」
*(‘‘)*「ホントに? 絶対だよ!」
( ^ω^)「約束するお!」
旅で出会う人々は、楽しい時間を過ごさしてくれる。
これもまた、旅の醍醐味だ。
僕はヘリカルの言葉に、じーんと感じ入り胸が暖かくなった。
けして僕が少女趣味と言う訳ではない。
断じて違う。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:41:42.18 ID:kyGNPRx7O
もしもしのながら投下なら投下直前にレスをコピるといいよ
あとたくさん書いた時はリターンマークを数えるとかね
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:42:18.13 ID:VBgadrkxO
僕は一宿一飯のお礼に、薬草を煎じた風邪薬を置いていき、ヘリカル達親子に別れを告げた。
*(‘‘)*ノ「旅人さーん気を付けてねー」
( ^ω^)ノ「ヘリカルも元気でおー」
お父さんの方は、野良仕事で結局会えなかった。
挨拶は出来なかったが、また来た時にお礼をしようと決めた。
また会えば良い。
こう言う考え方も有りだろう。
僕が立ち止まらなければ、路は続いて行くのだ。
がんばー
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:48:15.06 ID:VBgadrkxO
僕は街道を歩き出す。
この時点で、今回の旅路も半分を切っていたのだが、やはり一人になるのは少し寂しく感じる。
少し前までは幼馴染みでキジョの地の領主、
−−シュール・ライズサン・スナオ−−
の元に身を寄せて居た僕に、中央から勅令が下った。
そのため三日前から、西の果てピンク州に向かっている。
その際、幼なじみから−−
lw´‐ _‐ノv「米神さまのお導きだよ」
−−と訳の解らぬ激励?を頂いた。
しかし何故、居場所がバレたのだろう?
ここ半年は定期連絡以外して居ないから、足取りは捕まれないと思ったが……。
友人を疑いたくは無いが、僕は売られたのだろうか?
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:53:38.54 ID:VBgadrkxO
−−ちなみに後日、中央に行った際に解った事だが単純に寒い時は、春まで南の暖かい場所に居るだろうと陛下に読まれて居たらしい−−
「僕は渡り鳥か何かか?」と陛下に尋ねると「害虫の間違いじゃないか?」と辛辣な言葉を返された。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:55:16.18 ID:gSsaZD8yO
陛下は誰だろう?
害虫ってひでぇw
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 18:55:48.15 ID:VBgadrkxO
−−閑話休題。
今回は明後日迄には、領主への謁見を済ませなければならない。
そのためどうしても、早足気味の旅になってしまっている。
ここから先の街道には、村や街がピンクに入る迄はない。
これでは少々気が滅入てしまう。
それでもめげずに歩く事で気を紛らすと、次の日の夕方にはピンクの入り口に街に着いた−−
街の名はAV
−−アップルヴァレイ−−
僕は早速宿に、向かう事にした。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:00:10.38 ID:LikF0BJ00
今から読む支援
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:00:26.07 ID:VBgadrkxO
宿で数日分の疲れを癒し、お風呂に入ってから夕餉を頂く事にした。
この調子なら明日の昼には、西部の領主邸があるテデベイアに着くだろう。
夕食を食べた後、僕はリビングのソファーで休む事にした。
( ^ω^)「ふぅー喰った喰ったお〜」
J( 'ー`)し 「お粗末さまだね」
宿の女主人が話かけてくる。
( ^ω^)「美味しかったですお〜」
J( 'ー`)し「お口に合ってなによりだよ」
宿の女主人は、口元を綻ばせる。
( *^ω^)「南から来たけど、デザートから何から負けないぐらい美味しかったですお」
J( 'ー`)し「へぇ、あんた南の出かい? あっちは砂糖きびの栽培が盛んだよね?」
( ^ω^)「出身は違いますお。 仕事であちらに居たんですお」
J( 'ー`)し「へぇお客さんは商人には見えないけど、なんの仕事だい?」
( ;^ω^)「えーと、仲買人なんですお。 先に現地で交渉を済ましてから、荷物は後から来るキャラバン隊に任せるんですお」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:02:13.96 ID:W9PdrsigO
バイオは123全部録画して今晩徹夜で見るからいくらでも支援してやるよ
36 :
>>35ミラ様の生足ペロペロしたいお(U ^ω^):2010/09/26(日) 19:05:14.08 ID:VBgadrkxO
僕は咄嗟に嘘を着いた。
公式な査察とは言え、おおっぴらにやれば動きづらいのだ。
J( 'ー`)し「あぁそうなのかい? なんか根掘り葉掘り聞いて悪いねぇ」
( ^ω^)「気にしないで下さいお。 でも最近は南でも、魔術汚染で砂糖が高騰してるのに、随分豪勢なデザートでしたお〜」
J( 'ー`)し「貿易で、隣のメガミ国から安定して供給されてるからね。この辺りは」
( ^ω^)「……そうなんですかお?」
J( 'ー`)し「わたしゃあまり、流通には詳しくないんだけどねぇ」
( ^ω^)「良ければ少し教えて下さいお」
J( 'ー`)し「商売人だねぇ、まぁ噂だけど」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:07:59.10 ID:VBgadrkxO
と、前置きして女主人が話を始めた。
しかしこの主人は、中々に話好きなようだ。
こう言う世間話から、いろいろヒントを貰う事があるので大いに助かる。
J( 'ー`)し「なんでも、中枢とは別口の貿易路を領主様は持っているらしいのよ?」
( ^ω^)「それが闇市に流れてるのかお?」
闇市はご法度だ。
庶民間ならまだしも、一領主が絡むとなれば国家への反逆としては十分な行為となる。
J( 'ー`)し「まぁ多分そうだねぇ。しかも魔族が絡んでいるらしくてね」
( ゚ω゚)「魔族? こんな西側にですかお!」
僕は驚きを隠せず声が上擦る。
J( 'ー`)し「あくまで噂だけどねぇ」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:11:23.66 ID:VBgadrkxO
魔族。
−−僕ら人間とは違うが良く似た者達、魔力を精製して魔法として使う人間に対して、大元の魔力を直接扱う長命、残忍な種族−−
この国と海を挟んで東側に、大きな領土を持つ彼等は歴史の中で何度も人間と敵対して来た。
直近では、16年前の大戦が記憶に新しい。
西側の人間による連合軍と、東側の魔王軍がお互いに支配権を巡って戦った。
その時は両軍に多数の死者が出たが、人間の英雄が魔王モララーを討った事による終結した。
ただ、戦争の勝敗はなんとか引き分けと言った所で、未だに睨みあいが続いている。
しかし東側に住む魔族が何故?
ここはVIPの西端に位置する。
地理的には不自然だ、海を介すにしてもメガミ国を経由しなければならない。
メガミ国は人間側の国家だし、経由したとは考え難い。
39 :
1話此処まで、割りとスムーズに投下出来たので30分まで小休止します:2010/09/26(日) 19:16:16.76 ID:VBgadrkxO
J( 'ー`)し「どうしたんだい? 随分顔が怖いよ?」
( ゚ω゚)「え?」
僕は考えに耽っていた事に気付き、慌てて取り繕う。
( ;^ω^)「あっいや、魔族って言葉にびっくりしちゃったんですお」
J( 'ー`)し「ははは! 噂だからね? あまり気にしないことさ」
女主人は豪快に笑うと、台所に引き込んでいった。
( ^ω^)(魔族かお……)
魔族。
闇市。
別口の貿易路。
残されたブーンは、今回の査察に胸騒ぎを感じるのであった。
第一話
「長閑な旅路」
了
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:16:19.31 ID:W9PdrsigO
( ・∀・)<まおーだぞー
41 :
続き投下しまうす:2010/09/26(日) 19:29:45.91 ID:VBgadrkxO
AVの夜は眠らない。
元々、西の流刑地として犯罪者を住まわしておく土地だったのだが。
東側の魔族の脅威の為に逃げてきた難民の、一時的な緩衝材的な地域になってからは物や人が集まり出した。
がらの悪い地域性と 、入れ替えの激しい難民の受け入れ地域と言う事で風俗産業が栄え、闇市等も発展している。
管轄の権限はピンク州の領主ではなく、中央にあるため半ば独立した地域となってしまっている。
その点もあり、闇市の取り締まりも進まないのが現状だ。
( ^ω^)「さってっと、酒場に繰り出して闇市の場所を探すかお〜♪」
締まりのない口調で、旅から旅で薄汚れた服を着るこの男の名は−−
ブーン・ホライズン。
業名を名乗れない貴族の落ちこぼれである。
( ^ω^)は落ちこぼれのようです
第二話
「陽気な店員」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:34:39.51 ID:vz9p/GP9O
ちょい期待支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:34:46.58 ID:VBgadrkxO
宿の部屋の鍵を閉め、一階へ降りると女主人が声を掛けて来た。
J( 'ー`)し「あっと、お出かけかい?」
( ^ω^)「少し酒を引っ掻けて来ますお」
J( 'ー`)し 「……」
( ;^ω^)「なんですかお? その顔」
J( 'ー`)し「18歳以下は捕まるからね」
Σ( ゚ω゚)「ホントに酒場ですお!」
その後も心配そうな眼差しで、彼女は僕を見つめていた。
なんとも失礼な話だ。
僕はロリコンではないと言うに!
いやちょっとは、かわい……いやなんでもない。
J('ー`)し「捕まらない様にね」
( ゚ω゚)「良い加減にしろお!」
僕は怒鳴ると、街へと繰り出したのだった。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:37:30.31 ID:W9PdrsigO
ロリコン支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:37:42.15 ID:VBgadrkxO
( ^ω^)「全く失礼にも程があるお!」
酒場はどの辺だろうと首を捻る。
宿に戻って聞こうかと思ったが、あの流れでは娼館を紹介されかねない。
( ・ω・)「どうしよう……」
とりあえず、闇市等の胡散臭い情報が集まりやすい場所と言えば酒場だろう。
しかも、治安が悪い場所。
7時を過ぎたばかり、僕は時間はまだあるので、適当に街をぶらつきながら酒場を探す事に決めた。
やはりピンク州の入り口だけあり、旅人と思わしき人影も多い。
それらの流れに着いて行くと、裏路地に一件の酒場が建っていた。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:41:06.89 ID:VBgadrkxO
その酒場のドアを潜ると、陽気な店員が声を掛けて来る。
(*゚∀゚)「あっいらっしゃーい! 適当に掛けててよ!」
異常に声がでかい……。
耳が、きーんとなる。
( +ω+)「……おっお。解ったからあんま大声で喋らないでくれお」
(*゚∀゚)「ん? 何? 聞こえないよ!」
またしてもでかい……。
顔は可愛いが、煩いのは良くない。
( ´ω`)「もういいお……カウンターでも良いかお?」
(*゚∀゚)「はいよー!」
またしてもきーん、となる。
三度目……。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:44:06.76 ID:W9PdrsigO
つーかわいいよつー
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:46:36.03 ID:VBgadrkxO
カウンターは六席あり、三人が隣あって座っていた。
僕が左側の端に座ると、マスターらしい顎髭の生えた中年男性が声を掛けてくる。
僕が咄嗟に耳を塞ぐと、マスターが吹き出した。
(=^ω^)ノ 「ぶはは! ツーの大声はうるせぇだろ?」
( ´ω`)「流石に、あーもきんきんと響くのは始めてだお」
(=゚ω゚)ノ 「すまねぇなぁ旅人さんよ」
( ^ω^)(?)
(=゚ω゚)ノ「不思議って面してんなw 長い事酒場をやってるとある程度は旅人かそうでねーかぐらいは解るもんなんだよぅ。」
( ^ω^)「へぇーそんなもんかお?」
(=゚ω゚)ノ「ついでにお前さんが、酒を飲みに来たんじゃないのもな」
( ;゚ω゚)(なにもんだお、このおっさん!)
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:49:06.24 ID:VBgadrkxO
(=゚ω゚)ノ「まぁ種明かしすると普通旅人ってのは、こういう所に来る時はホールに行くもんさ」
( ^ω^)「目立って目をつけられない為にかお?」
(=゚ω゚)ノ「そゆことぉ。 静かに飲みたいやつは、うちみたいな所にはこねーしなw」
( ^ω^)「確かにw ツーさんでしたかお? あの娘が居たら静かとは無縁になるおw」
(=゚ω゚)ノ「まぁそう言うこったw んで、とりあえず一杯ぐらいは飲んでくだろう?」
( ^ω^)「まぁそのつもりだおw 葡萄酒を炭酸で割ってくれお」
(=゚ω゚)ノ「あいよぅ!」
威勢よくマスターはカウンターの奥に引っ込んで行く。
さっきの女性とは違い常識的な、大声が店内にこだました。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:54:43.64 ID:VBgadrkxO
少しだけ待つと、木のコップに波々と葡萄酒が注がれて出てきた。
僕はそれを、掴むと一気に半分程飲み干す。
炭酸で割っているとは言え、渋味とアルコールの強い赤い葡萄酒は僕の喉を焼いていく。
あとから来る炭酸の清涼感が、渋味を洗い流すと僕はほっと一息を着いた。
(=゚ω゚)ノ「中々良い飲みっぷりじゃねーか!」
( *^ω^)「久しぶりに飲むけど、やっぱり酒は美味いおー」
(=゚ω゚)ノ「そりゃそうだw 楽しい時間は酒と共にあるもんさ」
( *^ω^)「間違いないお! でも楽しいだけじゃ人生はつまらない物だお」
(=゚ω゚)ノ「深いねぇ、退屈な時間が酒を美味くするって事かよう?」
( ^ω^)「まぁそんな所だおw それでマスター? ちょっと聞きたい事があるんだお」
(=゚ω゚)ノ「マスターは辞めてくれw おらぁイヨゥのおやじさんって呼ばれてんだ。んで聞きたい事ってなんだよぅ。」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:57:34.94 ID:VBgadrkxO
( ^ω^)「解ったお! イヨゥのおやじさん。んで聞きたい事なんだけど−− 闇市の場所は解るかお?」
(=#゚ω゚)ノ「あぁ? お前さんそんな事を聞いてどうすんだ?」
( ;^ω^)(なんか態度が急に変わったお)
(=#゚ω゚)ノ「おい! 聞いてんのか!」
周りの目が僕に集中する。
( ;^ω^)(こりゃまずったかもしれね〜お)
僕が黙ってると、イヨゥさんは今にも殴り掛かって来そうな剣幕だ。
そんな風に考えていると次の瞬間にはイヨゥさんは右手を振りかぶり、殴り掛かってきた。
僕は咄嗟に両手を顔の前に上げるが、いつまでも衝撃が来ない。
身構えて固まって居ると不意に、どさり−− 何かが倒れる音が聞こえた。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 19:58:11.40 ID:rYaYZUeS0
追いついた支援
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:02:32.60 ID:dKUIO9uT0
支援するよ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:03:10.27 ID:VBgadrkxO
(*゚∀゚)「まーったくすぐに熱くなるんだからこのおっさんは」
ツーさんの声に気付き、僕は辺りを見回す。
し( =)「……」
イヨゥさんは俯せに倒れている。
ツーさんの手にはフライパンが握られている。
血がポタポタと垂れたそのフライパンは、グロテスクに光っている。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:05:44.86 ID:VBgadrkxO
この状況で導かれる一つの答え……。
( ゚ω゚)「ひっ人殺しぃー!」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ! 死んでねぇって」
( ^ω^)「まぁノリだけど、流石に後頭部にフライパンはやばくないかお?」
(*゚∀゚)「まぁ大丈夫だろ? おっさん起きろ」
ツーさんはそう言いながら、イヨゥさんの頬をぺしぺしと叩く。
し( =)「……」
あれ? やばくね?
(*;゚∀゚)「どどどどどうしよう?」
( ;゚ω゚)「いやいやいやいやいやいや、やったのあんただお!」
(*;゚∀゚)「よし埋めよう! 大丈夫バレやしないって!」
客一同(流石にそれはねーわ……)
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:07:04.99 ID:gSsaZD8yO
ちょ…おやっさん大丈夫かw
ファンタジーだとは思わなかった
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:09:38.52 ID:VBgadrkxO
まぁそんなこんなで、他の客を帰して僕とツーさんでイヨゥさんを介抱する事にした。
客の方も手慣れた感じでさっさと引いて行ったので、良くある事なのだろう。
適当に寝かしつけて、傷に手持ちの軟膏を塗り付ける。
(*゚∀゚)「へぇ……あんたもしかして薬師かい?」
( ^ω^)「ちがうお。旅暮しにはこういう傷病薬が必携なんだお」
(*゚∀゚)「へぇ……あんた官吏かなんかかと思ったけど違うのかもね」
( ;^ω^)(するでぇ! この酒場の人間はこえぇお)
(*゚∀゚)「官吏の人間ならもう少し身なりを気にするだろうし、旅って言っても魔法でぱぁーと行っちまうんだろ?」
( ;^ω^)「さぁ? 良く解らんお」
(*゚∀゚)「まぁ官吏なんて大概貴族だし、あんたみたいにこんな寂れた酒場に来る貴族なんか居る訳ないよね!」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:13:42.00 ID:VBgadrkxO
にこにことしながら、ツーさんは僕に話し続ける。
( ^ω^)「そうだおそうだお」(落ちこぼれ貴族で悪かったな!)
本音を隠し相槌を打つ。
(*゚∀゚)「で? 闇市について聞きたいんだろ? あたし様が話してやるよ」
( ^ω^)「ツーさん話しを聞いてたのかお?」
(*゚∀゚)「まぁね〜注文を逃さない様に店中に、神経張ってるからね! あとツーで良いよ! そういやあんた名前は?」
( ^ω^)「ブーンて言いますお」
あんだけ大声のわりに、凄い地獄耳だね。
それなら、最初の
〜〜( +ω+)「……おっお。解ったからあんま大声で喋らないでくれお」〜〜
これも聞こえてたんじゃないだろうか?
多分聞いても流されるから、敢えては聞くまい。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:15:04.80 ID:u2QteJ39O
支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:18:57.74 ID:VBgadrkxO
それに先程とは違い、声のトーンも低めだ。
諸因、営業モードってやつだったのだろう。
しかし煩すぎる……。
ツーは、マイペースに語り始める。
(*゚∀゚)「それでブーンは闇市の場所が知りたいらしいけど、結論から言えば今はないよ?」
( ^ω^)「ない?」
(*゚∀゚)「そう! 潰れた」
( ^ω^)「んじゃ砂糖とかは何処から来てるんだお?」
(*-∀-)「あーあんたなんも知らないで来たんだ?」
( ^ω^)「全然わかんねーお!」エッヘン!
(*゚∀゚)「威張んなばーかw」
( ^ω^)「さーせんw」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:22:30.87 ID:VBgadrkxO
(*゚∀゚)「まぁ、一から説明するとだね。元々闇市が潰れて新しい闇市が出来たんだよ」
( ^ω^)「新しい?」
(*゚∀゚)「元々は、関税が払えない弱小商人が集まってやってたんだけどね。今は大商人が中心になって弱小商人は追い出されたのさ」
( ^ω^)「でも大商人じゃ、バレた時のリスクが高いお?」
(*゚∀゚)「そ こ でピンク州の領主と癒着したのさ」
( ^ω^)(あーやっぱり)
( ^ω^)「でも中央政府にバレたら、領主ごとアウトじゃないかお?」
(*゚∀゚)「さぁ? そこまでは解らないよ。噂じゃ魔族と繋がってるらしいけどここは西部だし、まず無いよ」
( ^ω^)「確かにそうだおね〜、てかなんでツーはそんな詳しいんだお?」
(*゚∀゚)「元々うちの酒場は闇市から、直接卸して貰ってたのさ」
( ^ω^)「あーそれでかお。今はどうなんだお?」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:25:32.93 ID:W9PdrsigO
支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:26:56.56 ID:VBgadrkxO
(*゚∀゚)「闇市の商人達と仲がよかったから卸して貰ってたんだけど、今は全然だねぇ」
( ^ω^)「それって困るんじゃないかお?」
(*-∀-)=3「まったくその通りだよ!」
ため息を着きながら、ツーが答える。
( ^ω^)「通常の市場はどうなのかお?」
(*゚∀゚)「この街は関税が厳しくてねぇ、中央が管轄してるだけあって、ピンク州の中央部とは税率が倍くらい違うんだ」
( ^ω^)(そこで闇市を支配して、自分の領ではないこの街から収入を得ようとしたんだおね……。
もしかしたらピンク州の領主は、頭が相当キレるやつかも知れないおね)
( ^ω^)「ありがとうおツーさん。 仕事に活きる情報だったお!」
(*゚∀゚)「どういたしまして! じゃあさっさと帰んな」
( ^ω^)「良いのかお? 僕の素性とか気かなくても?」
(*゚∀゚)「まぁ悪いやつじゃなさそうだしね! それにイヨゥのおっさんがまた起きると面倒だし」
ツーはあっけらかんと言い放つ。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:31:33.76 ID:VBgadrkxO
( ^ω^)「まぁツーがそれで言いなら……。今度は普通に飲みに来るお!」
(*゚∀゚)「おっさんには言っておくよ! んじゃまたこいよ〜!」
( ^ω^)「お願いするお。んじゃまたねだお」
(*゚∀゚)「おーまたな!!!!」
−−キーン!
( +ω+)「最後にまたこれかお……」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
僕は煩い店員の笑い声を聞きながら、店を後にした。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:34:19.72 ID:VBgadrkxO
店を出たのは、九時半を少し回った頃だった。
宿の門限は零時だった筈だが、多少疲れが残っているので早めに帰ろうと宿へ向かおうとした。
だが、ふと気付く。
アルコールの匂いを殆ど感じないこの状態で帰ったら、あの女主人に要らない詮索をされそうだ。
仕方なく僕は他の酒場で、飲み直す事に決めた。
暗い脇道を進み、繁華街方面へ向かうと、三つの足跡が着いて来ている事に気付く。
ここから繁華街迄は脇道が続きそうだ。
確実に、その前に接触してくるだろう。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:36:25.25 ID:W9PdrsigO
足跡が着いてくるってハイウェイスターか
頑張って
しーえん!
70 :
>>66訂正スマソ:2010/09/26(日) 20:38:57.80 ID:VBgadrkxO
店を出たのは、九時半を少し回った頃だった。
宿の門限は零時だった筈だが、多少疲れが残っているので早めに帰ろうと宿へ向かおうとした。
だが、ふと気付く。
アルコールの匂いを殆ど感じないこの状態で帰ったら、あの女主人に要らない詮索をされそうだ。
仕方なく僕は他の酒場で、飲み直す事に決めた。
暗い脇道を進み、繁華街方面へ向かうと、三つの足音が着いて来ている事に気付く。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:40:05.29 ID:VBgadrkxO
( ;^ω^)(またまずったおね〜)
腰元を確認する。
いつも身につける革製の鞄には、
−−調理用ナイフ
−−バンダナ
−−丸薬や軟膏
−−財布
これぐらいしか入っていない。
流血沙汰は避けたいため、ナイフは最終手段として−−
( ;^ω^)(どうやって切り抜けるかおー)
最悪繁華街まで全力疾走と言う手もあるが、土地勘がないので確実性に欠ける。
( ^ω^)(次の曲がり角で待伏せて、出鼻を挫いてからなんとか逃げだすかお)
作戦が決まる。
僕は月明かりで陰が出ない様に、曲がり角を進むと壁伝いに曲がり角のすぐ脇で待機する。
足音が小走りで近付いて来る。
72 :
今更ながら15分の休憩が馬鹿だった……:2010/09/26(日) 20:43:32.89 ID:VBgadrkxO
あと三歩。二歩。一歩。
来た!
その瞬間僕は飛び出し、僕の左側に居た男を突き飛ばす。
(#゚ω゚)「うおおおおりゃー!」
( 1゚∀゚ )「アヒャ!」
そのまま右手を振り回し、真ん中に居た男を殴り飛ばす。
(#2゚∀゚ )「アヒャー」
そして残り一人と対峙した。
( 3゚∀゚ )「勘が良いやつだな」
( ^ω^)「まぁね」
他の二人を一瞥する。
一人目は完全に伸びてるが、二人目は意識がまだあるようだがまだ立ち上がれない。
( ^ω^)(これなら逃げれそうだおね)
僕は反転して走り出した。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:45:58.79 ID:VBgadrkxO
( 3゚∀゚ )「!」
すると後ろから何やら聴こえる。
( ∀ )「待て逃げるな! 簡易術式発動! 奔れ稲妻!」
その言葉に僕は、背筋が凍る。
その悪寒を頼りに、僕は咄嗟に横に飛んだ。
刹那、発光。
僕の真横を、焦げ臭い空気が通り過ぎる。
( 3゚∀゚ )「ちっ! 外したか!」
( ゚ω゚)(ふざけんな! 術士がなんでこんな路地裏に居るんだお!)
恐らく先程の騒ぎを聞き付けて、現闇市側の人間が放った刺客だろうが、いくらなんでもやり過ぎだ。
( ^ω^)(簡易術式って事はチャージに時間が掛かる筈、なんとか今の内に距離を稼ぐお!)
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:49:53.85 ID:VBgadrkxO
僕は先程とは違い、余裕を無くして走り出した。
恐らく稲妻と言葉を発した事と、激しい発光が見て取れた事から相手は雷術を使う。
雷相手では、予備動作から着点を予想しなければ逃げる事は不可能だろう。
僕は走る。走る。そして走る。
刺客が追う。追う。そして術を放つ。
予備動作から、稲妻の軌跡を予想し逃げる自分でも見事とは思うが……。
土地勘の無い僕が追い込まれるのは時間の問題だった。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:50:04.84 ID:W9PdrsigO
待てと言われて待つ奴が
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:52:58.36 ID:VBgadrkxO
そしてその時が訪れる。
( 3゚∀゚ )「やっと追い詰めたぜ」
( ;^ω^)(行き止まりかお……)
僕は、ゴミ臭い行き止まりに追い詰められてしまった。
( 3゚∀゚ )「ちょこまか逃げるから、逃げ道を限定して誘いこまして貰ったぜ!アヒャヒャヒャw」
( ^ω^)(この臭い……くせぇ)
( 3゚∀゚ )「さぁ死にな! 奔れ稲妻!」
僕は目一杯後ろに飛び、ゴミが散乱してある場所に飛びこんだ。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:54:57.88 ID:VBgadrkxO
(#3゚∀゚ )「まだ逃げる気か!」
−−がさり
( #^ω^)「もう逃げねーお!」
僕はゴミの中から立ち上がる。
その手はゴミで濡れて居るが、ナイフを握っていた。
術士相手では心許ないが仕方ない。
( 3゚∀゚ )「そんなもんでどうすんだよw 次は外さねーぞ!」
( ^ω^)「だったら、さっさと撃てよノーコン野郎!」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:57:47.19 ID:VBgadrkxO
( 3゚∀゚ )「アヒャヒャヒャw どうせ逆上して近付いた所に、ナイフを投げるつもりだろ? 読めてんだよ!」
( ;^ω^)(あっちゃあ……)
( 3゚∀゚ )「さってチャージ完了だ! んじゃそろそろ消し炭になりな!」
そして予備動作から、稲妻が迸しる!
( ω )(あっちゃあ……ホントに予想通り)
( ω )(これで終わりだお)
僕は最後の、最後の悪あがきでナイフを投げる。
( 3゚∀゚ )「アヒャヒャヒャヒャw アヒャ?」
刺客は異変に気付いたようだ、空中で稲妻が留まったのだ。
そりゃ驚くだろうね。
勝ちを確信して、一手でひっくり返されたんだからさ。
そして激しい閃光。
そしてその光は、刺客を包みこんだ。
僕は、そのまま刺客を殴り飛ばし、宿まで逃げきったのだった。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 20:58:25.31 ID:W9PdrsigO
さあ、ゾンビが迫ってるぜ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:02:21.30 ID:VBgadrkxO
( ゚ω゚)「はっはっはっ」
宿に着いた頃には息が切れていた。
しかしラッキーだった。
あの場所は不法投棄のゴミ置き場だったようだ。
生ゴミから瓶、そして廃油まで……。
廃油に気がついた僕は、ゴミの中に飛び込み素早くバンダナに油を染み込ました。
僕の手が濡れていたのは、生ゴミの汁ではなく油だ。
あとはナイフと共に握り、相手の雷術に向けナイフごと投げつければ即席の爆弾として機能する。
威力は大した事はないだろうが、隙さえ作れば後はぶん殴って逃げるだけだった。
81 :
あと5、6レス!ゾンビやない!アリスたんが見たいんや!:2010/09/26(日) 21:04:16.42 ID:VBgadrkxO
( ^ω^)「服がゴミ臭いおー」
でも街からは直ぐにでも逃げた方が良い。
宿に着いたらすぐにでも出発しよう。
しかし、領主ではないだろうが誰が刺客を放ったのだろうか?
ツーさん? いやそれはないか……。
こんな待伏せなんかせずに、あの酒場を囲めば良い話だ。
( ^ω^)「まぁ鬼が出るか蛇が出るか明日領主に会って確かめるしかないおね〜」
もう此処まで来たら割り切ってやるしかないだろう。
あの陛下の事だ、逃げたら何されるか解らないし。
( ^ω^)「陛下より怖い事にはならないだろうおw あのクソゴリラめwww」
どう考えても不敬罪に当たる暴言を吐きつつ、僕は宿へと滑りこんだ。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:06:45.83 ID:VBgadrkxO
僕は宿の部屋に一泊分の旅費を置いて、ばれない様に階段を下る。
そして、宿の入口の戸に手を掛ける。
でっででーでででででーでん。
( ^ω^)(ミッションインポッシブーンw)
僕に不可能はないんだおwww
J( 'ー`)し「あんたこんな時間にどこ行くんだい?」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:08:17.00 ID:W9PdrsigO
ばれてんじゃねーかwww
84 :
あと3レス:2010/09/26(日) 21:08:32.56 ID:VBgadrkxO
( ゚ω゚)Σ「うわっ! 何故に!」
J( 'ー`)し「いや流石にこんだけ酷い臭いがしたらねぇ? 夜逃げかい?」
( ;^ω^)「金なら置いてあるお!」
J( 'ー`)し「まぁなんか街が騒がしいし、あんたが関係あるんだろうね」
( ^ω^)「そうですお。でも僕は悪くないお! 見逃してくれお」
J( 'ー`)し「お行き」
( ^ω^)=3「ほっ! ありがとうございます。お礼は必ずしますお!」
J( 'ヘ`)し「はぁ? 口止め料は?」
( ^ω^)「へ?」
J( 'ー`)し「どうせ若い娘に手を出して逃げて来たんだろう? それともここで騒がれたいかい?」
( ゚ω゚)「ちがっ!」
しかしここで否定しても、時間が掛かるだけだ。
ここは仕方なく、口止め料として一週間分の宿代金を渡す事にした。
( ´ω`)「もうなんでも良いお」
支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:11:14.42 ID:VBgadrkxO
J( 'ー`)し「ロリコンはお金持ちが多いって本当だねぇ。 次は見つからないように頑張んなw」
( ^ω^)(ちくしょう……)
僕は足早に、街を後にした。
ゴミ臭い服に包まれ、死ぬ思いをした擦り傷だらけの身体より、軽くなった財布よりも、何故か心が痛かった。
( ;ω;)「ちくしょう! ちくしょう! 僕はロリコンじゃねーお!」
( ;ω;)「覚えてろクソばばあああああああ!」
ブーンの悲しみの咆哮がこだました。
第二話
「陽気な店員」
了
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:12:16.28 ID:W9PdrsigO
おつんつん
88 :
最後の一レス:2010/09/26(日) 21:16:22.42 ID:VBgadrkxO
おまけ
J( 'ー`)し「まっ理由がロリコンじゃないのは解ってましたけどねw」
J( 'ー`)し「金づるは逃さないようにしないといけないよねwww」
J( 'ー`)し(暗黒微笑み)
本日は以上でっす!
支援のおかげで猿も食らわずに済みました!
質問などあれば、バイオハザード見ながら返信して行きたいと思います。
長々とお疲れ様でした。
次回は出来れば今月中に書きたいと思います。
乙!!
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:17:37.95 ID:dKUIO9uT0
乙ー!
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 21:18:20.39 ID:W9PdrsigO
今月中……あと四日だぜ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
>>56 あのあと血のりはスタッフが美味しく頂きました。
>>31 あと二、三話で出てくる予定です。
>>91 いつ規制されるか解らんので、今月中しか暇ないのもありますが
>>アドバイスくれた方々
次回投下の際には気をつけます。
ありがとうございました。
次回投下は規制されてたら、避難所投下致します
それでは質問が無ければ、また今度!
*(‘‘)*「また読んでねー! 絶対だよー!」