社説:片山総務相 ガチンコの改革を期待
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100924k0000m070116000c.html 改革を再構築する好機である。菅改造内閣で唯一の民間閣僚として、前鳥取県知事の片山善博氏が総務相に
起用された。民主党政権の看板である地域主権改革を受け持ち、地方分権のエンジン役を担う。
鳩山内閣が「一丁目一番地」と位置づけたはずの改革は各省の抵抗で、あい路にはまりつつある。知事時代、
県議会への根回しを拒み「ガチンコ(真剣勝負)議会」と呼ばれたような突破力を発揮してほしい。
「脱小沢」を強調した閣僚の顔ぶれの中で、片山氏は異彩を放っている。知事時代、片山氏が取り組んだ情報公開や
住民参加の理念は、民主党が重視する基礎自治体(市町村)への分権を進めていくうえでも、キーワードとなり得る。
旧自治省出身ながら官僚や全国知事会など地方6団体にも厳しい姿勢を取り続け、しがらみがない点も重要である。
もちろん、課題もある。鳩山内閣が提出した地域主権改革関連法案は国会で継続審議となっているが、
片山氏は国と地方の協議の場の法制化を、全国知事会などの代表の参加を理由に批判してきた。総務相就任と
同時に持論を抑え成立に取り組むことを表明したが、片山氏が「総務省の天下り団体」と指摘する問題が地方6団体に
あるのなら、まずその点を議論すべきでないか。
関連法案には国が地方行政を法令を通じさまざまな基準で縛る「義務づけ」の見直しも盛り込まれている。
必ずしも十分な内容ではないだけに、保育所の設置基準の地方への権限移譲など踏み込み不足のものは再協議も辞さず、
思い切った点検を進めてほしい。
国が地方に配分するヒモ付き補助金の一括交付金化、国の地方出先機関の見直しなど、今後片山氏が取り組む課題は
中央官庁が露骨に反対しそうなものばかりである。民主党政権の下では、各省の副大臣や政務官が官僚に代わり分権に